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さばみぞれ

隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 4 ★★★☆   



【隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 4】 荒三水/さばみぞれ モンスター文庫

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夏休みのひと悶着も解決し、いよいよ新学期。文化祭も控えるなか、唯李の黒歴史のような過去を知る「萌絵」が転校してきて――。
漫才のような会話劇が面白いネット発ラブコメ、思いが絡まる第四弾!


現在進行系で唯李って黒歴史を更新し続けているような気もするのだけれど、それはそれとして今と違った自分を知る過去のクラスメイト・萌絵が転向してきたことで、あからさまに挙動不審情緒不安定になる唯李。これが挙動不審ってやつなんだよ!とばかりに誰が見ても萌絵相手にビビり散らしている姿は、果たしてこやつってほんとにメインヒロインなんだろうか、と常々抱いていた疑問が再燃してきてしまうのだが、まあもとから唯李って三下系ヒロインだし?
どうしてこの娘、隣の席キラーとか言われるに至ってしまったんだろう。話しやすいのは話しやすいんだろうけれど、魔性の女とは絶対にベクトルが真逆だよね? 素が三下だよね。

とはいえ、そんな逃げ腰で必死に避けまくろうとしている唯李に対して、被せるように話しかけてきて先回りして逃げ道を塞ぎ、マウントを取ってくる萌絵。
いやこれは唯李でなくても、言いたい事を言わせずに自分の言いたい事だけ押し付けてくるスタイルは相手するのしんどいよなあ、とは感じたものの、最初はそれが意図的なものだと思ってたんですよね。
話の主導権を握るため、唯李を逃さずに何かしらの思惑があって唯李に絡んできているのかと。
まさか、そういうやり方でしか他人と話の出来ない娘だったとは。
これ、コミュニケーション強者に見せかけたコミュ障だったのか。
唯李だけではなく、誰に対しても似たような自己中心的な話法でコミュニケーションを図ろうとするため、いつの間にか孤立しだす萌絵。一部の男子の熱烈な支持者たちに煽られるように、文化祭でやりたい放題はじめる彼女に、クラスの女子たちからは忌避感が漂い始める。
それは、一線を越えようとしている状態でした。
ここで、唯李が動くんですよね。下手な言い訳かましながら逃げ回り、逃げ損なってヘラヘラ笑いながら首スッ込めていた彼女が、萌絵の絡みに……バトルに応じて文化祭中での売上勝負を受けて立とうとなんか変なスイッチ入ってテンション高めにぶっ飛ばし始めるのである。

前に悠己の妹の瑞奈が鬱モードになり一度嵌ると抜け出しにくくなるであろう一線を越えようとしたときも、唯李って正面からじゃなく変な方向からグイッと首突っ込んできて、介入してきたんですよね。
他人の家庭の事情に首突っ込むって結構勇気がいることで、実際唯李は内心ビビリ散らしていた所あるのだけれど、それでも素知らぬふりをしてなんでも無い顔をしながら、しれっと首突っ込んできて、ふざけた自分の雰囲気、空気感に瑞奈を引きずり込んで、なし崩しにしてしまった事がありました。凛央の時だって、彼女の独り相撲を独りのままにしなかった。
こういうの、放っておかないんですよね、唯李って。見過ごさないし、無視しない。かといって直球で正論ぶちかましてきたり、なんていう正面突破もしてこない。そういう所、ビビリな故もあるのかもしれません。そのままのチャラついたふざけた空気で誤魔化しながら、それでもガシッと越えてしまいそうなその人の腕を掴んで引き寄せる。
若干勢い任せすぎて、自分でも止められないっていうか、目をギューッと瞑って爆走しているような節もあるけれど、その勢いにみんな自身を覆っていた殻をぶっ壊されてしまうんだなあ。

悠己が、唯李を太陽と言うのはそういう所なのでしょう。いつの間にか、悠己はこんなにも唯李に惹かれていたのか。
本当の意味で一番面倒くさくて、一番固くて蓋の開かない殻に閉じ籠もっているのが悠己なのだとしたら、次は本命本番、彼の番なのかもしれません。
悠々綽々と返り討ちにしていたのが、今度こそ隣の席キルされてしまうのか、楽しみになってきた。




隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 3 ★★★☆   



【隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 3】  荒三水/さばみぞれ モンスター文庫

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悠己と唯李、隣の席じゃない2人の、夏休みが始まる――。

漫才のような会話劇が面白いネット発ラブコメ、思いが絡まる第三弾!
雑ーー! 扱いが雑ーー!!! かつて、これほど主人公に雑に扱われるヒロインが居ただろうか。
これで主人公がヒロインのことを鬱陶しがっているとか邪険に思ってるとかなら、雑に扱われるのも宜なるかな、という所なのだけれど、別に悠己って唯李のこと邪険にしてるわけじゃないんですよね。ちゃんと友達だと思ってるし、妹の瑞奈とも仲良くして貰っててイイ子だし面白い娘だなあ、と思ってる。
じゃあなんであんなにあしらい方が雑なのか、というと「素」としか言いようがない。というかこの男、わりと誰に対しても扱い雑だよね! 友人である慶太郎に対しても普段から対応雑だし。
ただ嫌がられている訳じゃないのは伝わるので、雑な扱いにキレながらもそんなに機嫌は損ねたりしない唯李や慶太郎なのであった。
特に唯李さん、あんまり構って貰えずにかなり雑、かなり適当にあしらわれて発言が若干チンピラみたくなってるんですが、それはそれとして微妙に嬉しそうだったりするんですよね。

……Mかよ!!

それでいいのか、この女。隣の席キラーなどと噂されて美少女然とした顔を卒のない対応でもって男の子を翻弄してきた唯李だけど、その実コミュ力あんまりないんですよね。むしろポンコツ。元々小さい頃は内向的だった娘なので、本質的なところでジメッとしたところが見受けられるんだよなあ。
なので、行動力があるようで肝心の所ではヘタレるし、夏休みになって心機一転悠己との距離を縮めるのだ、などと思い立ちながら「隣の席キラー」改め「夏キラー」などとほざいているばかりで、ちょっと悠己に会うチャンスがあれば、それだけでゲヘゲヘと満足しちゃっているような娘なのである。
お姉ちゃんがお節介焼こうとするのもまあわかる。
でもこの姉ちゃんも、方向性としては妹と同じポンコツ風味なんだよなあ。

さて、ここで思わぬ形で悠己と唯李の関係に介入してくるのが、友人速水慶太郎とその妹である小夜の兄妹である。今もベタベタな悠己・瑞奈兄妹と違って、今やすれ違いお互い疎遠になってしまっているこの兄妹。元々は悠己たちと同じように仲の良い兄妹だったのが、こうも拗れてしまった原因こそが兄のキャラ変とその盛大な失敗であり、彼がそのような陽キャラになろうとしてすっ転ぶことになったきっかけこそが、唯李への慶太郎の告白であり、討ち死にであったのです。
そして、隣の席キラーなんて言葉で彼が告白の失敗を糊塗しようとしたことが、大好きだった兄を変えてしまった、男を弄ぶ悪魔のような女として、唯李を目に敵にする小夜という少女を生み出すことになってしまったのでした。
謂れのない理由で憎まれる羽目になってしまった唯李こそ、いい迷惑なのですが、ともあれこの小夜が唯李につっかかりつつ、友達のいなかった瑞奈と仲良くなっていくことで、悠己と唯李の関係に刺激を与えることに……なったんだろうか、これ。
凛央が唯李だけじゃなく、一緒にグループで遊ぶことで慶太郎なんかと喋るようになったり、唯李のお姉ちゃんに気に入られたり、瑞奈を通じて小夜とも知り合ったり。
瑞奈が人見知りを強発動して迷走したものの、同じボッチ同士小夜と段々と共感して仲良くなっていったり。長年拗らせていた速水兄妹の仲が、唯李に小夜が突っかかったことをきっかけに元に戻ったり、といろいろと周辺の人間関係には変化や進展が訪れていたものの、悠己と唯李の関係に焦点を当てるとあんまり周りの騒ぎ関係ないんですよね。
概ね、悠己のあの飄々として周りの空気読まない泰然としたマイペースさに起因するのでしょうけれど、そのマイペースさ、空気の読まなさ、肝心な時に突き放さずに自然体で居させてくれる包容力が、「みんな」の中に入っていけない人付き合いの下手くそさを内包している唯李や慶太郎にとって救いになってるんでしょうね。
そっけないようで、いつも受け入れてくれる安心感。その居心地の良さに拘泥したくなって現状維持に逃げてしまいそうになる唯李の気持ちもよく分かる。でも、好きという感情はいつまでも燻ぶらせていられるものでもないですし、ふとした瞬間に恋心を刺激する、ズキュンと来るような言動をしてくる悠己に、果たして唯李はいつまでヘタレていられるか。
周りに事情を察して応援する面々がどんどんと増えてるからなあ。そして、悠己の方も確実に心境の変化が生まれている。唯李のおかげで、停滞していた自分と妹の生活に新たな風が吹き込んでいることは事実で、何より引きこもりだった瑞奈の周りの環境はどんどんと変わってきている。瑞奈自身も勇気を出して、前向きに一つ一つ壁を克服していけるようになった。そしていつしか、自分もまた彼女の楽しい言動を追いかけてしまっている。自分の中に何かが芽生えようとしていることに、彼もまた気がつきはじめている。ラブコメとして、どんどんと山場に差し掛かってきた感があるのでした。
にしても、女の子をああやって雑に扱ってむしろ喜ばれるって、才能ですよね。いや、普通なら怒って離れてっちゃうのが当たり前だろうから、やっぱり唯李の方の性癖の方がアレなのか……。


カノジョの妹とキスをした。2 ★★★★☆  



【カノジョの妹とキスをした。2】 海空りく/ さばみぞれ GA文庫

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初めての恋人・晴香と付き合って一ヵ月。親が再婚し恋人とそっくりな義妹が出来た。名前は時雨。晴香の生き別れの妹だ。
俺はそんな義妹とキスをした。重ねられた時雨の唇の感触が忘れられない。晴香とキスはそれに塗り潰されて思い出せないのに。時雨を異性として意識する時間が増える。
でもそんなのは晴香に対する裏切りだ。俺は晴香との仲をもっと深め、時雨と距離を置こうとする。
だが俺がそう決意した日、時雨が高熱を出して倒れてしまい……?
彼女の双子の妹からの告白。高2の夏休み。お泊りデート。動き始める“不”純愛ラブコメ、『堕落』の第二巻!
これは、とんでもねーなあ。いや、これはもう博道に同情してしまう。
てっきり、悪いと思いながら裏切りと知りながら、徐々に時雨の愛に蕩かされていく、堕ちていく背徳一直線の不倫モノになるのかと思ってたんですよね。
ところが、博道は想像以上に誠実で晴香に対して一途でした。自分が信じた愛に初々しいほど一途だったのです。時雨の誘惑をはねのけて、晴香から目を逸らさなかったのです。時雨とキスしてしまった罪悪感が、余計に彼を一心不乱にしてしまったのかもしれません。時雨の愛の深さ、愛情の激しさをその身に体感したことによって、より晴香への愛情の深度を高めてしまったのかもしれません。
それが、自分を追い詰めていくとも知らずに。
これ読んでいると、博道が晴香を裏切って後ろめたいことをしているというよりも、博道が精神的に追い詰められていく中で時雨の存在がどうしようもない救いに見えてくるんですよね。博道は悪くない、これは仕方のないことなのだと思えてくる。彼の晴香への愛情は本物で彼は一途に晴香に愛を捧げているのに、それを一方的に否定し踏み躙ったのは晴香のように見えてくる。
あのシーンあの瞬間、繊細で純真だった少年の心が、ズタズタに傷つけられたのは間違いないんですよね。センシティブな問題が絡んでいるとは言え、彼の愛はその相手から一方的に否定されたのである。汚らわしいものとして嫌悪されたのである。
それは、価値観とか恋愛観、愛情の在り方の相違であってそれだけならどちらが悪い、というものではなかったと思うんですよね。本来なら、それは話し合いや対話、コミュニケーションの積み重ねによって擦り合わせていくべきものなのでしょう。しかし、晴香は過去の家族崩壊に関するトラウマや父親からの刷り込みなんかで自分の恋愛観に疑い一つ抱いていなくて、それが絶対正しいものだと考えているようなんですよね。一方で博道の方は時雨との事での罪悪感も後押ししたのでしょう、自分が悪いと決めつけ思い込もうとしながら、晴香の恋愛観の方に無理やり自分を合わせようと四苦八苦しながら、晴香への愛情の深さ故に自分の中からこみ上げてきた自然な想いを否定する事は出来ずにいた。晴香の恋愛観を肯定してあの時の行動を間違っていたとするのは、そのまま自分の感情を想いを否定すること、晴香への愛情そのものが間違いだ、ということになってしまう。
晴香に対して誠実であろうとする、彼女の愛情の在り方に寄り添おうとすることが、自分の晴香への愛情を否定することになってしまう矛盾。そして、自分が信じてきた愛情が、否定どころか嫌悪されて踏みにじられた事への痛み。愛をただの肉欲と貶されてしまった悲しみ。それが、少年を苦しめ疲弊させていくのである。一緒に過ごすことが幸せだったはずなのに、恋人と過ごす時間が徐々に苦痛へと、恐怖へと変わっていく。
この変転には、もうなんかゾクゾクしてしまいました。愛している事は何も変わっていない、愛が薄れていっているわけではないのに、心の距離がどんどんと離れていく、幸せが辛いに変わっていく光景は、衝撃ですらありました。
そして、気のおけない義妹である時雨と過ごす時間の方が癒やしになっていく、追い詰められ精神的に崖っぷちに立たされるほどに疲れ果てた博道の救いに、時雨の存在が成っていく。ここで時雨は別に疲弊する博道につけ込んで、博道の愛情を独り占めして奪い取ろうという積極的な行動に出てるわけじゃないんですよね。ただ、博道を否定せずに受け止めているに過ぎない。むしろ、彼の晴香への愛情の在り方を肯定しているとすら言えるんですよね。あれほどの甘い毒を注ぎ込みながら、時雨は博道に何かを求めたりしなかったのです。そんな自然な、自分の価値観を強いしてこない、自分の欲求は伝えてきても、そのために自分に合わせる事を求めてこない、そんな時雨の存在こそが彼の救済になっていくのである。
これ、時雨の存在がなくても晴香とは早晩うまくいかなくなってたんじゃないだろうか。それとも、時雨によって注がれた甘い毒が、博道から晴香と接する際の余裕を失わしめていたから、罪悪感が晴香と正面から意見をぶつけ合う自信を削り取ってしまっていたから、こんな有様になってしまったのだろうか。
晴香も本当に博道を愛しているからこそ、彼にも同等のそれを求めたんだろうけれど、それが彼をどれだけ傷つけたかを想像もしていない以上は、無理解と言われても仕方ないよなあ。
晴香のプラトニックラブの考え方に対する時雨の肉の喜びありきの考え方も結構極端寄りだとは思うのだけれど、博道への理解という点ではこの時点では確かに時雨の方が正確に捉えていると思うし、だからこそ時雨が姉に抱いてしまった憎悪に正当性を感じてしまうのである。
なんか、いつの間にか読者である自分の方にまで毒が回っているじゃないか。時雨の方を選ぶほうが正しいと思えてしまうように作り変えられてしまっているじゃないか。
ラスト、感情に任せて決定的な一歩を踏み出してしまった時雨。前巻のラストも時雨が感情に任せて決定的な一歩を踏み出してしまった事ですべてが始まってしまったわけですけれど、今回もまさに二度と元に戻れない関係になってしまうのか。どう転んでも泥沼は必定、修羅場必至、一瞬たりとも気が抜けないこのお話のどこに「ラブコメ」のコメがあるんですか!?
いやほんとにとんでもねー作品だこれ。


隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 2 ★★★★  



【隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 2】 荒三水/さばみぞれ モンスター文庫

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クラスの席替えで隣同士になった成戸悠己と鷹月唯李。「唯李が『隣の男子を惚れさせるゲーム』をしている」と勘違いした悠己は、唯李からのアタックを返り討ちにする日々を送っていた。そんなところに、一年前に唯李の隣の席だったクールな“女の子”花城凛央が現れた! なぜか凛央に敵意を向けられる悠己だったが、ひょんなことから凛央の「とある願い」を叶える協力することに! 一方、その様子を見た唯李は二人の関係を疑い始めて――。漫才のような掛け合いが面白いネット発ラブコメ、アクセル全開の第二弾!

唯李さん唯李さん、そろそろポンコツ少女を通り越して「超クソ雑魚ヒロイン」の道をひた走りはじめてますよ!? あんまり悠己にフルボッコに返り討ちされまくってパンチドランカーになったのか、言動がどんどんクソ雑魚化していき、自爆を繰り返すありさまに。
いや、悠己の方も鬼か! 人の心はないのか! というくらいバッサリバッサリ斬殺しまくった挙げ句に鼻フックして引っ張り回すみたいな軽妙な切り返しするものだから、わりと女の子としてやっちゃいけないような事やったり口走ってますよね、唯李さん!? 
隣の席になった男の子を片っ端から勘違いさせ惚れさせて、振りまくってる同級生の中でも屈指の美少女、という評判はどこへ行ってしまったのか。いや、男子連中にはまだ勘違いされてるんだけれど、この娘本性がクソ雑魚でアホの娘でわりと友達からも残念扱いされてるっぽいんですよね。
女の子同士で集まっておしゃべりしてても、時々「唯李うるさくて話進まないからちょっと黙ってて」とイジメとかじゃなく素で言われて黙らされてるのを悠己が目撃してたりして、結構友達からの扱いが雑だったりするし、引き篭もりで友達いない悠己の妹である瑞奈にも親しまれてはいるけれど、一方でかなりナメられてて「所詮はちゃんゆい」とか「ゆいちゃんの分際で」とか面と向かって言われてたりするし。あんまり年上、お姉ちゃん扱いされてないぞ、唯李さん。
まああれだけアホを晒してしまうと弁護のしようもないのですが。インテリを気取るためだけに姉からメガネ借りて、学校まで掛けてきて見せびらかしたりとか(勿論、悠己には雑にあしらわれる)、あれだけテストテストと騒いで、点数勝った方が相手を言いなりに出来る券発行します!とかノリノリで言っていながら、テスト勉強そっちのけでゲームしまくってたりとか(テスト中にやべえよやべえよ、と顔を青くしてつぶやいている様子が悠己くんに目撃されております)。
いやもう一巻の頃のほうがまだ正統派クラス1の美少女をやってたんじゃないだろうか。それだけ、悠己には素を曝け出してしまうほど馴染んでしまっている、べったり心寄せてしまうほど慣れ親しんだ関係になった、とも言えるのでしょうけれど、それでもここまでクソ雑魚化するとは思わなんだw
でも、このやたらヤサグレたチンピラっぽいポンコツ残念娘が、ほんとカワイイんですよ。面白カワイイの極致に達してしまったんじゃないだろうか。これで同時に、恋する乙女を全開にしてるので……その発露の方向性がどうにもアホなのですけれど、悠己への本気の恋に余計に頭緩くなっている節もありますし。いや、元が緩いので恋してるから頭ゆるゆるになってるとは言い難いのですが。
そして、ただのアホの娘ではないんですよね。
前回の瑞奈がメンタル追い詰められて切羽詰まってしまった時、土壇場で瑞奈の心を柔らかく包んで守ってくれたのは真剣に向き合ってくれた唯李でした。
そして今回、自身のハリネズミな相手に棘を刺さずには居られない性格に心傷つき、離れていこうとした凛央を引き止め、彼女の本音を受け止めたのも彼女でした。
両方、唯李はいつもの緩い浮かれたようなふざけたようなノリを崩さないまま、逃げていく相手を逃さないように掴まえてみせたのですけれど、あとに悠己に本心をこぼしてるんですよね。すごく怖かったって。触れれば壊れてしまいそうなほど傷ついていた二人をどうしたらいいかわからなくて、それでも見ないふりも掛けるべき言葉を見失ったりもせず、いつもの調子を心がけて直接に飛び込む、それは勇気ある行動でした。肝心な時、土壇場の大事な時、そういう時だけこの娘は決して迷走せず、まっすぐに飛び込んでいくのである。普段、あれだけデフォルトで迷走してるのに、こういうときは本当に頼もしくて相手の心を奪っちゃう隣の席キラーを体現するんですよね。
その姿に、悠己がどれほど心震わされてるか、あんまり気づいてないあたりが唯李さんらしいのですが。いや、気づいているのかもしれないけれど、あれだけ悠己の事落とそう落とそうとしていながら、いざ落ちそうになったら茶化しちゃうの、なんなんでしょうね。
でも、実際の所わりともうすでに結構落ちている気もするのですけどね。充分、鷹月唯李という美少女に成戸悠己は惚れ込んでいる気がします。そのわりに、扱いホント雑ですけどね。ぼんやりしてるくせに、隙あらばトドメ刺しにいくし、マイペースに淡々と溺れてる犬を棒で叩くみたいに追い打ちかけていきますしね……この主人公もたいがい頭おかしい気がしますけど。若干、マイペースすぎて人の心がない節があるからなあ。
唯李相手だけじゃなくて、言動がとにかくキツくてトゲだらけな凛央の言動に対しても暖簾に腕押しで全く応えた風を見せずにグイグイとマイペース貫いて、凛央を仰け反らせていましたし、なんだかんだと自分のペースに巻き込んでるんですよね。唯李が実はコミュ力やべえんじゃないかコイツ、と慄くほど我が道を行く主人公。その彼を、なんだかんだと落としかけているというだけで、やっぱり唯李ってすごい娘な気がしてきたぞ。クソ雑魚化著しいけれど。

とにかく登場人物同士の掛け合い漫才が、やべえくらい面白かった。ほんと、キレキレなんですよね。典型的なボケとツッコミ形式じゃなくて、ボケにボケを重ねて畳み掛けてくるときもあれば、漫才コントのように寸劇めいたやり取りで笑いのツボを二重三重に積み重ねていく時もあり、それを本人たちギャグでやってるわけじゃなくて普段の会話のなかでひたすら繰り広げていくので、もう楽しいやら面白いやら。漫才めいた掛け合いの面白さが売りなラブコメも決して少なくないと思いますけれど、本作はちょっとその辺の切れ味やセンス、それに呼応する登場人物のキャラの立ちっぷりが頭一つ抜けているようにすら思います。
それでいて、ただくだらないギャグやコメディだけの作品になっておらず、しっかり友達との関係に悩む青春をして、乙女が恋にひた走るラブコメを花開かせている。
そんな素晴らしい作品でした。いやもうホントに面白すぎですわ、この娘ら。


隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 1 ★★★★   



【隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 1】 荒三水/さばみぞれ モンスター文庫

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成戸悠己がクラスの席替えで隣になったのは、“隣になった男子は残らず告白(+玉砕)してしまう"と噂される「隣の席キラー」鷹月唯李。
何かにつけてグイグイ来る唯李に陥落も時間の問題……かと思いきや、悠己の鈍感具合は尋常じゃない!
むしろ唯李の方が、悠己のことを気になりだして!?

「くっそ、すました顔してぇ~。見てろよ見てろよ~……! 」
ネット発返り討ちラブコメディが、大幅加筆で登場!
やべえ、面白いわこれー。
ヒロインの唯李、男の子をからかって遊ぶような百戦錬磨な小悪魔系女史で、それが初めて自分の魅力が通じない相手に遭遇して、みたいな話かと思ったんですけれど、唯李ちゃん小悪魔じゃなくて小悪魔(笑)だったし!
むしろ、自分の魅力にあんまり自覚ないタイプなんですよね。隣の子に積極的に話しかけていくのは、遊びじゃなくてむしろ引っ込み思案な陰キャだった頃の反動、というか自己改造の結果で意図して男の子に粉かけて弄んでいたわけじゃなかったのだ。
その割に、相手を翻弄するような物言いをするのだけど、これって姉の悪影響かなんかなのだろうか。どうも変な教材をお手本にしているようにしか見えないわけだが。
でも、素材が本気で容姿抜群の美少女だったがために、唯李本人は普通に仲良くなろうとしているだけだったのに勘違いする男子が続出。結果として、隣の席キラーみたいに呼ばれるようになってしまった、と。
無自覚な分、けっこうタチは悪くあるな、うん。
しかし、新たに隣の席になった成戸悠己には、これまで培った話術が何一つ通じない。なにしろこの男、鈍感……というよりも天然ボケである。天然素材ほどパターンが通じない相手はいないわけで、唯李の小悪魔ムーヴは熟達したものではなく、結構ハリボテなので応用が効かないんですよね。予想外の返しをされると、途端にあたふたしてしまう。特に悠己のそれは鈍感故にスルーされる、というのとは違って結構斜め上の対応してくるんですよね。思わせぶりな迂遠な物言いをしたら、逆に言葉の表面だけ受け取って直球で投げ込んでくるし、逆にグイグイ踏み込んでみたら一歩横にそれて残った足に引っ掛けられてどんがらがっしゃーんとひっくり返ってしまったり、と。
また受け身だけなのかと思ったら、悠己の方から無自覚天然にグイグイ来られて逆に唯李の方が顔真っ赤にして仰け反らされる始末。
唯李の方が弄ばれてる、天然くんに弄ばれまくってるよ!!
この彼女のひとり空回りがほんと愉快痛快で面白い。
ボクシングで言うなら、蝶のように舞い蜂のように刺そうとするたびに、軽くも的確なジャブでペチペチと踏み込むのに合わせてカウンターを鼻っ柱に食らって「あうっ!あうっ!」と仰け反って半泣きにさせられてる、みたいな。
挙げ句に、悠己には前々の噂も合わさって、隣の席になった男の子を惚れさせるゲームをしている、なんて勘違いをされてしまい、ムキになってそのゲーム実際に受けて立ってやるわー、と突っかかる始末。アホの娘である。
しかし、悠己の方も適当にあしらっているのじゃなくて、話しかけてくる唯李を邪険にするのでもなく、結構真面目に対応してるんですよね。ただ天然なのでちょっと明後日の方向向いてたり、逆に近い近い!と悲鳴あげられそうな距離感で接してくるものだから、唯李の方が一杯一杯になるのもわかるんですよね。いや、どっちが小悪魔なんだと言いたくなる、これだから天然素材は。
でも実際、唯李にとってはクリティカルな部分を擽ってくるやら、「ちょっそれカッコいい」と思ってしまうような言動をさらっと繰り出してくるので、わりと速攻で唯李の方が意地云々じゃなくてホントに好きになってしまうのもこれ仕方ないんじゃないかなあ、と。
好きになってしまっても、振り向いてもらうためにやってる事は相変わらず変わらないあたり、唯李の方のポンコツがまた極まっているのですけれど。いやだから、もっと自分が学校でも随一の美少女というスペックと利点を活用してあげて! その空回りっぷりがまた可愛いんですけど。彼女のお姉ちゃんが妹を猫可愛がりしているのもわかるというものである。とりあえず、まだゲームを仕掛けてきていると勘違いしている悠己の誤解を解くのか先決だって。

まあ元々、他人とコミュニケーションを取るのが苦手だった唯李である。それが人気者になったのは間違いなく彼女自身の努力によるものなんだけれど、かつて隣の席恐怖症になるまで踏み外してしまったトラウマはまだ健在なんですよね。その経験が、同じように内弁慶で外に対しては対人恐怖症に近いものを抱いている悠己の妹である瑞奈の気持ちを理解できて、速攻で仲良くなれた要因でもあるのでしょうけれど。
母を早くに亡くし、父も出張が多く実質妹と二人で助け合って生活している悠己。彼の妹への深い愛情をシスコンと呼んでしまうのはまた違うでしょう。とは言え、苦労しているのは確かだし、思慮深くどこかぼんやりとしているようでしっかりとした大人びた所のある男の子である悠己は、天然である事を加味しても魅力的な男の子なんですよね。
悠己と唯李の掛け合いも、噛み合っていないようであれでお互いの事をよく考えて思い巡らしながらの会話なんで、しょっちゅう踏み外してドタバタしているようで息ピッタリに見えるのだ。いや、ほんとにテンポ良くて、お互いの本音とか素の部分を引っ張り出されるような楽しそうな距離感で、見ていても気持ちが良いんですよね。
あれで何だかんだと、唯李という少女の素の魅力にあてられて、悠己の方もドキドキしてたりするので、なんだかんだと甘酸っぱさがそこかしこに垣間見えますし。
実に素敵なラブコメでした。これは大当たりですよ。


声優ラジオのウラオモテ #02 夕陽とやすみは諦めきれない? ★★★☆   



【声優ラジオのウラオモテ #02 夕陽とやすみは諦めきれない?】 二月 公/さばみぞれ 電撃文庫

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裏営業スキャンダルが何とか収束を迎え「コーコーセーラジオ!」も、めでたく続行決定! ――とほっとしたのも束の間……
「本当甘ちゃんだよね。ふわふわ友情ごっこがしたいならよそでやれよ」
ストイックな実力派の先輩声優・柚日咲めくるに突然浴びせられた強烈な罵倒。でもそんな彼女も実は、秘密の《ウラオモテ》を隠していて……
さらに、夕陽とやすみの高校まで追いかけてくる、不躾な視線やシャッター音。事態に業を煮やした夕陽の母が、ふたりに課した超難題とは!? こじらせ先輩声優めくるのホントの思いも明らかに――!

「そのまま行け、ふたりとも――ッ!」
声優生命最大の危機でも、夕陽とやすみは止まれない、中途半端じゃ辞められない……! 諦めきれないふたりの声優ラジオ、ここに再びON AIR!!

これはなかなか厳しいなあ。前回の由美子の行動で無事にトラブルも収束し、ラジオも続行、アイドル路線変更も評判良し、とみんな上手くいってよかったね、と収まるのかと思いきや。
そうだよね、現実として由美子の独断ではじめてしまったラジオ出張版は、人として譲れぬ一線だったかもしれないけれど、社会人としては越えてはならない一線でもあったわけだ。
万事上手くいったからOKなんて事は現実世界には存在しない。その内実がどれほど必死な思いに駆られた少女たちの心からの叫びだったとしても、関係のない周囲からすればそれは単なるトラブルだ。
騒ぎを起こしトラブルを招き、線引を無視した行動を起こせば、それは当然警戒される、忌避される。また何かやらかすんじゃないか、という危惧はどうしたって巻き起こる。
それでなくても、これまで築いてきたやすみと夕陽というアイドル路線を投げ捨てての蛮行だ。声優業界の裏事情、或いは営業戦略のようなものを露呈させてしまった事は、同じ業界で働く他の声優たちにも同じように見る目を向けられ、迷惑をかけることになる。
当然、同業の声優の中には彼女らを白眼視する人たちも出てくるし、アイドル路線に後ろ足で砂をかけたことは露骨に仕事の減り具合になって返ってくる。
順風満帆なんてとんでもない、二人の前に現れたのは絶望的なまでの逆風だったのだ。

という、あの前回の劇的な展開に浮かれるような気分に冷水をぶっかけるような厳しい現実路線を突きつけてくるのは、ふわふわとした夢見がちなドラマなんかではない、ただただ現実の社会と向き合わなければならないお仕事モノというジャンルを歩いて行こうという気概が見えて、むしろ頼もしさすら覚えるものでした。
とはいえ、しんどいけどねえ、この辛い現実を二人に突きつけていく展開は。
それでも、二人の所属事務所の大人たちが彼女達を突き放さず、実際あの出張版ラジオが引き起こしてしまった事をちゃんと叱る形で告げながらも、でも間違いなく終わりかけていた夕陽の声優人生を起死回生救ってくれたものだと、責めるのではなく感謝する形で彼女達を守ってくれた姿勢は安堵させられるものでした。
一番彼女達を守ってあげないといけない人たちが逆に突き放してきたら、もうどうしようもないですもんね。
もっとも、先のスキャンダルもそうですけれど、殆どストーカーなファンたちの行動から具体的に夕陽ややすみを守れていない事務所は、保護者から非難されても仕方ない対応の甘さではあるんですよね。彼女達はプロではあるのだけれど、同時に未成年であるのも間違いなく、彼女達の身を守る責務が事務所にはあって然るべきはずなのに、どうもファンたちのプライベートにどんどん踏み込んでくる行動に対して何か有効なアクションができていたかというと、ちょっとそのあたりの動きが見えないんだよなあ。
由美子のメイクがなかったら、学校近辺でのトラブルは早期にもっと深刻なものになっていた可能性もありますし。そうなった時に高校だって彼女達に何らかの対応を取らないといけない事になっていたでしょうしね。
その意味では事務所なにやってんだ、という千佳の母の反応は不思議ではないようにも思えるのだ。声優事務所程度では、そんなアクションを取れるだけのキャパがない、というのも現実だったとしてもそれはそれで問題あるだろうし。
かといって、千佳の母のあの対応はあれはあれで娘の人格を完全に無視している酷いものでしたし、由美子までも無神経に傷つけるもので、うん無神経無神経、あれはちょっと酷いわー。
由美子の母が行動に出なかったら、感情的にも立場的にも動きようがなかった由美子は立ち直れないような傷を負っててもおかしくなかったでしょうし。

かといって、あんなイベントで白黒つけよう、というのも無茶な話なんですけどね。あれは、うん千佳と由美子にとっては不可抗力というか、やらされたイベントなので彼女達の責任じゃないんだけど、あんなので進退決めるのはホントどうかと思う。ゴーサインだした事務所もどうよ、という話で。本業と関係ないところでこう何度も騒ぎを起こしてしまったら、同じ業界内の人たちからどう見られるようになるのかちょっと心配になってしまう。
かわいそうなのは、前回も今回も決して由美子と千佳が悪いわけじゃない所なんですよね。大体が外的要因により強いられたものであって、彼女達はひたむきに自分の仕事に向き合おうとしているだけなのに、どうしてこうなってしまうのか。
アイドル路線を放棄せざるを得なくなったのは、彼女達の選択の結果でもありますけれど、その結果として素の彼女達をキャラとして押し出していく、という路線もまたむしろそうやってキャラ付けしようとする事で全然素じゃなく、素の自分というのを演じることになってしまっていて、当人たちが混乱というか戸惑って若干訳わかんなくなってしまっている様子もあったのが、どうにもこうにも……。
まー難しいですよね。変に無理してキャラ作るのもなんか違うと思うのは自然だし、だからといって普段どおりのプライベートと変わらない自分をそのまま曝け出してやるというのも、それ仕事としてどうなの? と自問がはじまればなかなか答えの出ない問題でしょうし。
自分を偽ったり作ったりするのではなく、しかし仕事としてちゃんと自分を整えお客様に見てもらえるに相応しい装いをする、というのが一つの解答になるのかな。それは、かの乙女姉さんが一番うまくやっているやり方でもあるのでしょう。
一方で、プライベートの自分と仕事をする自分を完全に切り離して分けてやる、というのをきっちりこなしているのが今回登場したこなみさん、なのか。この人も若干ニュアンス違うというか、必要にかられてそうしているので、何とも言えないのだけれど。
ともあれ、由美子も千佳もそのあたりのバランスがまだまだ経験値足りないという事なんでしょうね。手探りで突き詰めていく段階なんだろうけれど、なかなか若手にはそんな悠長な事している暇もなく、さて彼女達にはその猶予があるのかどうか。
最後のラジオでの新たなコーナーも、あれ思いっきり手探りしてるような感もあるんですけどね。二面両方やる、ってしんどくない? 聞いてる方も戸惑いそうで、さてキャラをキャラと割り切れるのかどうか。

由美子と千佳、二人の関係についてもお互い置かれた状況が仕事面では崖っぷち近くに追いやられてるし、生活の方では身の回りに押し掛けファンが詰め寄ってきていてと、落ち着いていられる状態じゃなかったのもあって、なかなか平静なメンタルで相手のこと見ている余裕もなかったですね、今回は。それでも、前みたいに変にギスギスすることなく、やばい時には変装やら緊急で家に止めてあげたり、という距離感も近くなった感触はありましたけど、ほんと余裕なかったからなあ。お互い、身を寄せ合って守りに入っているという風もあって、結構縋るような気持ちもあったんじゃないだろうか。そのぶん、落ち着いて向き合えてたかというと……ほんと、余裕がなかったという点に尽きるか。あの由美子の売れっ子だった千佳の転落への仄暗い思いなんかは、むしろ変にトラブルなくそのまま状況が落ち着いてた方がより深みにハマってた可能性もありそうなんだけど、ラストの展開で千佳の置かれた状況の理不尽さと、それに対して自分が何もできない無力感、むしろ何かしてしまった際の自分の立場の危うさ、危うきに近寄らずに居るべきだという本心への罪悪感、などなど千佳へ向かう感情が本当にぐちゃぐちゃに掻き乱されて精神的にもメタメタにされたものだから、あの仄暗い喜びなんかも一緒にかき混ぜられて撹拌されてごちゃまぜになっちゃった感があるんですよね。
今後、あの感情はもう一度戻ってくるんだろうか。あまりにもかき混ぜられすぎて、ちょっと同じような形で戻っては来そうになさそうな気もするなあ。
というか、ここまで運命共同体な道筋を一緒に走り抜けてきてしまうと、もうこれ二人の関係ってどうなるんでしょうね。これ、一巻の終わった段階より遥かに深みにハマってしまってるんじゃなかろうか。あのときはまだ仕事上の真っ向からぶつかりあえる戦友、という感じがあったと思うんだけど。なんかもうほんとにグチャグチャにかき混ぜられて、なんて名付けたらいいかわからない関係になってしまった気がするぞ。どうするんだ、これ?

ともあれ、作品としても毎回仕事するための障害が仕事と関係ない所で立ちふさがってきて、それを飛び越えるために騒ぎを起こさざるを得なくて、という展開は色んな意味で繰り返すの難しいでしょうし、そろそろちゃんと彼女達に仕事で頑張らせてあげてほしいものです。ほんと、落ち着いて仕事させてあげないと、なんか色々と整理できんのじゃなかろうか。


夢見る男子は現実主義者 1 ★★★☆   



【夢見る男子は現実主義者 1】 おけまる/さばみぞれ HJ文庫

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同じクラスの美少女・夏川愛華に恋い焦がれる佐城渉は、彼女との両想いを夢見て、めげずにアプローチを続けていた。
しかし、ある日突然、夢は醒める。

「あんな高嶺の花と俺じゃ釣り合わなくね……?」

現実を見て適切な距離を取ろうとする渉の反応に、愛華は呆然。

「もしかして、私、嫌われたの……?」

勘違いの末、焦り慌てる彼女からは無自覚な好意が見え隠れ!?
両片思いのすれ違いに悶絶必至の青春ラブコメ、開幕!

押してダメなら引いてみな、というのは恋愛格言的なものの中では王道定番誰もが知ってるあれやこれ、てなもんでもっとも有名なものかもしれないけれど、意外とこれに従った形のラブコメってあんまり見た記憶がないんですよね。それなりに珍しいパターンじゃないだろうか。
実際、引いて相手を意識させるという展開はそれなりに書くのも難しそうですし。
もっとも、本作では意図して企み、或いは恋愛の駆け引きとしてわざと引いてみた、というものではなく、これまで暴走気味に夢中になり、熱中し、過剰に押し掛けまくっていたのがふとしたきっかけで我に返り、これまでの行状を反省して距離を置こう、とした結果によるもので、下心とか無い考えによるものだから主人公の行動に嫌らしさなどはないのだけれど……。
うん、いきなりこんな風に距離置かれだしたら、冷められた?とか嫌われた? と思われても仕方ないよね。かなり強烈に、関心が失せた、ような態度に見えてしまいましたから。

もっとも、ちらっとだけ描写されていた渉が夏川愛華にまとわりついていた様子は、めっちゃ拒絶されてるし嫌がられてるし人の話は聞かないでまとわりついてくるし、で冷静に見てそれあかんのちゃう?という有様なので、反省した渉がこれあかんやろう、と距離置こうとしたのもわからないでもないんですよね。
とはいえ、実際はどうだったのだろう。周りの反応はあれもう付き合ってるカップル、扱いだったんですよね。愛華の親友である芦田圭も微笑ましく見守っていたのを見ると、決して渉からだけの一方的な関係だったとは思えないんですよね。本気で嫌がってたら、周りだってわかるでしょうし、もし本気で嫌がっていて周りの理解も得られず、だったら愛華の精神面はもっと一杯一杯となって疲弊しきっていたでしょう。つまり、周りから見ても言葉ヅラほどには嫌がっているように見えなかった、それどころかイチャイチャしてるように見えた、という事なんでしょうね。
そのへん、物語の始まりが渉が冷静になっちゃうところから始まって、長きに渡って渉が続けていた愛華へのアプローチがどのようなものだったのか、この物語がはじまるまでの二人の関係が具体的にどんなものだったのか、それを見せてもらっていないというのは前提を見せて貰っていないという感じになっていて、夏川愛華の抱くモヤモヤがいまいち具体的にどんなものなのかが見えてこないんだなあ。

これに限らず、若干置いてけぼりに主人公、登場人物、或いは作者だけが委細承知している納得しているわかっているようなんだけど、読んでるこっちは説明とか描写がないまま間をすっ飛ばされて、わかっている前提で話が進んでいる、みたいな所がちらほら見受けられたような気がします。
物語の展開上必要な「本心が見えない」状態ならいいんですよ。風紀委員長が渉の言動に何か彼女なりに納得したか考えている素振りが見えましたけれど、ああいうのは必要なその登場人物の中だけで生じている考え、であってそれは読者側は想像するだけで今の所はまだ具体的にわからなくても、それはそれで物語としての描写技巧の範疇です。
それとは別に、所々一人合点してそれを前提に話が進んでいく所があって、そのたびに居心地の悪さみたいな置いてけぼりにされてるような感覚を憶えてしまうのでした。
それに、この物語の主題は夏川愛華の引かれて逆に意識してしまう、という展開のはずなんだけれど、その肝心の愛華本人が本当にほったらかしにされて、渉はというと他の女の子の事情に首を突っ込んでそちらの話になっちゃうんですよね。なので、愛華のモヤモヤはこの一巻では本当にただモヤモヤしているだけで、彼女自身困惑しているもののまだ本当に真剣にその感情に疑問を抱き悩みだす段階までは至らないのである。いや、ぐるぐると悩みだして正体がわからないまま憤懣やるかたなくなってはいるのですけれど。
肝心の彼女放ったらかしというのは、どうなんだろうなあ。

では、そのメインたる夏川を放っておいて、ならば主人公である渉について掘り下げていく、或いは現状の彼がどのような心境であるのか、どのような状態であるのかを他の女の子たちと関わる話を通じて詳らかにしていくのか、というと……。
どうなんだろう。よくわかんないんだよなあ。本人は冷静になっただけ、と言ってるんだけれど、自分に自信を失っている、卑屈になってるという風に見られても仕方のない事を言ってるようにしか見えないんだよなあ。本人としては理性的にも自己評価としてもフラットで客観的になっている、と思っているみたいなんだけど。
あれ、姉ちゃんが自分が貶してばかりいたからだ、とショック受けて影で泣いちゃってたのも無理からぬよ。姉ちゃんは悪くないし、普段のクチの悪い思うがままに身内には忖度せずに言いたいこと言ってる姉ちゃんでいいんだ、という彼の言い分は本心だろうし、家族にまで気を使ってほしくない、と思う彼の心持ちはとてもイイと思うんだけれど……でも、実際問題現状のその卑屈で変に身の程を弁えてます、という態度なんとかしないと姉ちゃん絶対気にしたままだぞ。
今の所、渉の精神状態って決して冷静になってるようには思えないんですよね。夢から醒めた、われに返った、と自分を評しているけれど、どうにもふわふわしていて足元がおぼついていないように思えるんだよなあ。なんか変な所で感情的になったりえ? そこで? と思うような所でムキになってたりして、どうにも精神的にも安定しているように見えない、不安定に見えてしまう。
ただ、それが作者が企図したものなのか、それとも本当に渉が冷静に理性的になっているつもりで描いているのかが判別できない微妙さがあるんですよね。
とにかく、ちゃんと夏川愛華と向き合って二人の話にしてくれないと、渉の状態やら何やらも曖昧模糊としてよくわかんないです。本筋を進めておくれ。

カノジョの妹とキスをした。 ★★★★   



【カノジョの妹とキスをした。】 海空りく/さばみぞれ GA文庫

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カノジョの生き別れの妹がトツゼン自分の義妹に!?

俺が人生で初めての恋人・晴香と、交際一ヵ月にしてやっと手を繋げた日、親が再婚し晴香そっくりな義妹が出来た。名前は時雨。似てるのも当然。時雨は家庭事情で晴香と離ればなれになった双子の妹だったのだ。

「情けない声。ホント可愛いなぁ、おにーさん」
「いけない彼氏さんですね。彼女と手を繋いでいる時に双子の妹のことを考えるだなんて」
「顔も体も彼女と同じ妹にドキドキしちゃうのは仕方ない。おにーさんは悪くない。悪くないんですよ」

淡い初恋に忍び込む甘い猛毒(あいじょう)。
奥手な恋人にはとても教えられない、小悪魔で甘えん坊な義妹との甘々“不”純愛ラブコメ――開幕!

これガチのやつだ。ガチの修羅場ものだ。
それも軽い気持ちの浮気ものではなく、溺れ堕ちていく不倫ものだ。結婚してないのに不倫というのは正確には違うんだろうけれど、人生そのものを踏み外すだろう深度の不義密通を称するのに浮気程度じゃ全然足りない気がするんですよね。浮いてない、浮ついてるドコロか泥沼に飲み込まれ誰にも明かしてはいけない闇に堕していく。
これ、ライトノベルという界隈でここまでガチなやつ描いた作品あるんだろうか。自分、ちょっと思いつかないですよ。ノベルゲームだとホワイトアルバム2とか君が望む永遠という凄まじいレベルの傑作があって、そりゃもう凄まじい高レベルのドロドロの修羅場が繰り広げられてたりするのだけれど、ライトノベルでこれほどのガチの人生踏み外すレベルの浮気をテーマにした作品は……ねえ?
それだけに、ちょっとゾワゾワっとするほどこの展開には興奮を覚えている。
小悪魔風で初対面の義兄をからかい倒す義妹の時雨だけれど、決して面白半分で義兄の博道にちょっかいを掛けて浮気しよう、ってわけじゃないのだ。むしろ、ギリギリまで久々に再会した姉と義兄のカップルを応援していて、二人が上手くいくようにアドバイスなんかもしているし、自分の存在が邪魔にならないように自身を穢してでも引き下がろうとすらしていたのだ。
それが逆に、彼女の……時雨の本気さを伝えてくれる。愛する姉を裏切ってでも、誰しもが笑ってすごせるだろう幸せを踏みにじってでも、彼女は欲しくなってしまったのだ。
恋してしまった人の一番を。
だから、時雨は他に何もいらなくなってしまったのだ。表で堂々と一緒に過ごせる恋人という関係も、周りから祝福してもらえるだろう結婚というゴールも、陽のあたる場所を諦めて、幸福すらも求めずに、表立った恋人や妻という立場は姉に譲っても、構わなかったのだ。
そんなものに価値を見いだせなくなってしまった。自分にとっての唯一無二を見つけてしまったから。
ただ一つ恋してしまった義兄の心だけ手に入れられれば。
彼の心の奥底に、一番深いところに自分の存在が刻みつけられれば、それでいい。いつ何時でも姉と幸せに過ごす最中でも常に自分の存在を意識して離せなく消せなくなるように。

そうして一つ一つ、男の体と心に刻み込んでいく。言葉で、唇で、その舌で、舐めるように甘い毒を塗り込めていく。理性も倫理もなにもかも、ドロドロに溶かしていく。恋という情念に、溺れていく。

そのどうしようもないありさまを、人は「堕落」と云うのだ。

はたして、この純朴だった主人公の少年がどこまで堕ちていくのか。この一途な不純愛がどんな末路を辿るのか。胸がキリキリと締め付けられるような感覚と背徳から湧き上がってくるワクワク感に、随分とまあえらい気分を味わってる。これを期待と呼ぶには、まったくもって不徳で不純ではなかろうか。
でも「期待」しちゃうのよ。たまらんッ。



声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない? ★★★★☆   



【声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない?】 二月 公/さばみぞれ 電撃文庫

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ギャル&地味子の放課後は、超清純派のアイドル声優!?

第26回電撃小説大賞選考会において、選考委員満場一致で2年ぶりの《大賞》を受賞!
電撃文庫が今とどけたい、青春声優エンタテインメント!

「夕陽と~」「やすみの! せーのっ!」 「「コーコーセーラジオ~!」」
偶然にも同じ高校に通う仲良し声優コンビが教室の空気をそのままお届けしちゃう、ほんわかラジオ番組がスタート!
でもパーソナリティふたりの素顔は、アイドル声優とは真逆も真逆、相性最悪なギャル×根暗地味子で!?
「……何その眩しさ。本当びっくりするぐらい普段とキャラ違うな『夕暮夕陽』、いつもの根暗はどうしたよ?」
「……あなたこそ、その頭わるそうな見た目で『歌種やすみ』の可愛い声を出すのはやめてほしいわ」
オモテは仲良し、ウラでは修羅場、収録が終われば罵倒の嵐!こんなやつとコンビなんて絶対無理、でもオンエアは待ってくれない…!
プロ根性で世界をダマせ! バレたら終わりの青春声優エンタテインメント、NOW ON AIR!!

くわーーっ、面白かった、面白かったぞ! 声優に関してはアニメ一通りみるだけにある程度は知っているけれど、個人の活動については全く追っておらず、声優ラジオというのも聞いたことはないのだけれど、そんな事関係なく滅茶苦茶面白かった。
声優業界ネタとかもあまりなく、あくまで本作は声優という仕事に全身全霊をかけて挑む若くもプロフェッショナルな少女たちの物語。
そう、この子たち。佐藤由美子と斎藤千佳は未だ高校生であっても、その意識はしっかりとプロなんですよね。その片鱗は随所に見られる。自分の仕事に誇りを抱き、より良い仕事が出来るために自身を高めることを厭わない。なかなか売れなかったり、自分の思っていることと違うことをやらされたりと決して上手くいっているわけではないし、そのことに対して思うこともあるのだけれど、凄く仕事に対して真摯で一生懸命であることは、ふたりとも変わらない。
だから、個人同士では出会いの最悪さもあって、喧嘩ばっかり。喧嘩するほど仲がいい、てなもんじゃなくて本気で相手の性格が性に合わなくて苛立ちむかつきぶつかり合う相性最悪の二人なんだけど、個人の好悪は決して仕事には持ち込まない。そのプロ意識の高さはお互い何だかんだと認めあっていて、それ以上に声優としての在り方、その仕事っぷり、意識の持ち方に対して一緒に仕事をすればするほどその姿が見えてきて、認め合っていくわけです。
嫌い同士でも認め合える。性が合わなくても、声優としての相手は尊敬できる。とことんいがみ合いながらも、同じ仕事を成功させるためなら協力し合える。
決して馴れ合わず、しかし本心からぶつかり合える同士。悪いこと間違ったことをしたら、誤魔化さずに指摘できるし、それを悪いと思ったらちゃんと謝れるし、手助けしてもらったらお礼も言える。打ち解けるわけじゃないけれど、そうやって仕事にも同僚にも背を向けない、裏切らない姿はまさにプロ。ほんと、カッコいいんだこの二人。
そして、自分たちの戦場で共に戦う者同士、緩く仲良く結ばれていく友達関係とはまた違う、火花飛び散るような信頼によって結ばれる関係。これを「戦友」というのでしょう。「ライバル」と呼ぶのでしょう。
自分が本気だからこそ、相手の本気も感じ取れる。だから、一緒に戦える。そいつの背中を追いかけられる。ああ、めちゃくちゃ熱い物語だった。

実際、全部曝け出しあったあとのラストのラジオって、それまでと段違いに面白いんですよね。
歌種やすみこと由美子のキャラクターって清純派より圧倒的に普段のギャルの方が魅力的でしたしね。ただ、気合い入れて声優モードになった時のオーラは由美子も千佳も、思わずお互い見とれてしまうものがあるだけに、二人共普段と声優の時との良いところを上手くハイブリッドして出せるようになったら、今以上にブレイクできる手応えというものを確かに感じ取れるんですよね。
特に由美子はあれ、色んな意味で頼りがいがありすぎて、あらゆる方面から慕われる大御所にゆくゆくはなってしまうんじゃなかろうか。今ですでに姐さん的な貫禄と気風の良さと気遣いの深さと速さが感じられるし。あれ、小さい頃から母のスナック手伝ってたという経歴故なんだろうか。さり気なく相手の懐入るフットワークの軽さがすごいんですよね。それでいて、自分のためじゃなくて相手のために動くし気遣いもほんと細かいので、大抵の人が心開いてしまう。千佳のお母さんとの時なんて、あまりの無造作っぷりに「え? ちょっ!?」と面食らってるうちに手慣れた様子でお世話しながら、踏み込んだ話をするに至ってましたもんね。あれは凄かった。千佳が嫉妬混じりに憧憬を覚えるのも無理ないですわ。
でも一番心震わされるのって、自分が認め尊敬する相手から、こいつは本当に凄えと思っている人から、同じかそれ以上に認められ尊敬される事なんですよね。そこに、友達ゆえの好きという感情が混ざっていないことは、嫌い同士誰よりもわかっているから、余計に刺さる。余計に伝わる。
それはとんでもなく、嬉しい。とびっきりに、痺れてしまう。
だから、一緒に戦える。だから、本気で競える。だから、全部つぎ込める。二人でなら、どこまでも行ける。
いいなあ、熱いなあ。素敵だなあ。
最高のお仕事ものであり、女の子の友情の…そう仲が悪くても嫌い同士でも結ばれる事のある友情の物語でした。
わりと綺麗にこの一巻でまとまってはいるのですけれど、ここからどんな風に話を広げていくのか次巻も楽しみ。


 
8月3日

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7月12日

(アクションコミックス)
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(アクションコミックス)
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(アクションコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグ コミックス)
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(ビッグ コミックス)
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(YKコミックス)
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(YKコミックス)
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(YKコミックス)
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(ガンガンコミックスONLINE)
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(アース・スターコミックス)
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(アース・スターコミックス)
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(アース・スターコミックス)
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(メテオCOMICS)
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(メテオCOMICS)
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(メテオCOMICS)
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(メテオCOMICS)
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7月10日

(TOブックス)
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(TOブックス)
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(モーニングスターブックス)
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7月9日

(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(講談社)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(電撃コミックスNEXT)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(星海社COMICS)
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(ブレイドコミックス)
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(ブレイドコミックス)
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7月8日

(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC
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(宝島社)
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7月7日

(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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(幻冬舎文庫)
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(アフタヌーンKC)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(ガンガンコミックスUP!)
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