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しぐれうい

クール美女系先輩が家に泊まっていけとお泊まりを要求してきました…… ★★★   



【クール美女系先輩が家に泊まっていけとお泊まりを要求してきました……】 識原 佳乃/しぐれ うい アース・スターノベル

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スミシン精機の総務課には、とんでもない化け物がいる。入社後すぐ大手他社とのアライアンスをまとめ、次に業務管理システムを刷新、そしてAIサポーターを開発。生産性を向上させ、グループ社員10万人から一人しか選ばれないCEO表彰を3年連続で受賞した才女。完璧無比の瀬能先輩だが、ほんとは天然で無邪気で甘えたがりでもあり!?クール美女・瀬能先輩と、がんばる新入社員・弓削くんの関係は…甘さと幸せいっぱいの傑作ラブコメ、スタートです!
……なにこの可愛いいきもの。あらすじにもある通り、バリバリ働くキャリアウーマンで完璧超人の瀬能先輩。傍から見ている限りは確かに「超絶」の冠をつけて過言ではないクール系美女なんだけど。
弓削くんだけに見せる隙だらけの素の顔が、もうやたらめったら可愛いのである。それも女子として可愛いというよりも、生き物として可愛いという感じ。小動物的な可愛らしさというべきか。
あざとい! 先輩があざとい!
これが後輩だったり妹的な子だったりするなら、そのあざとさにも鼻がつくものもあったかもしれませんけど、主人公の指導役であり仕事の出来る才女な先輩がぽろりと垣間見せる一面なだけに、完璧超人の新鮮な側面、或いは愛嬌や可愛げとして作用してるんですよね。指導役であり庇護役である相手にも関わらず、つい撫でたくなるような愛でたくなるような可愛らしさというのはズルいね、ズルいよね。
とはいえ、どうして初対面な弓削くんに他人には見せてなかっただろう可愛らしい顔を、あんな隙だらけの無防備さで見せてしまったのかはよくわかんないんですよね。てっきり、会社に入る以前に面識でもあったのかと思いきや、入社式が完全に初めての顔合わせだったみたいですし直接話すことになるのは弓削くんが総務課に配属されてからになるわけで。
そこから速攻で油断しまくった顔見せちゃってるんですよね。配属から三日目くらいから速攻で。歓迎会ではもうデレッデレ。いやちょっと早すぎじゃないですか? 初対面から好感度MAXじゃないですか。
確かに入社式で琴線に触れるものがあったようではあるのですけれど、それにしてもである。一目惚れではあったんでしょうけれど、それにしても可愛い系の顔を見せるのが早すぎて、クール系美女としての顔の方ほとんど見せてない気がするんだけれど。ギャップで攻めるどころか、いきなり手札全部見えちゃってる状態なんですけど。
まあここからはひたすら二人でイチャイチャしながら仕事してるだけと言えばそれだけだったような気もするのですが、瀬能先輩も新人の弓削くんも両方優秀なのでデレデレしながらお互い仕事のクオリティに関しては妥協しないので、同僚の人たちも二人のイチャイチャっぷりを歓迎して推奨して応援しているのがまたなんともはや、心地の良い職場のご様子で。
これで弓削くんが使えない新人だったりしたら、瀬能先輩も指導役としての顔をキリリと引き締めないといけないところなんだけれど、弓削くんの場合放っておいてもこれまで他人の追随を許さなかったワンマンアーミーな瀬能先輩をフォローするどころか追いつく勢いで仕事するので、その意味でも彼女は油断しまくる心の余裕があるのだろう。羨ましい限りである。
しかしここまで青信号なら、速攻でお泊りしても何の問題もなかったんじゃないだろうか。弓削くんも展開が早すぎる!なんてことは微塵も思ってなかったようだし。それだけ好意を持っていながら相手が折角押してきたのに応えなかったというのはただのヘタレになってしまうぞ。ちなみに、瀬能先輩はすでに28なのでゆっくりのんびりしている暇はあんまりないのである、実際問題w

幼なじみが絶対に負けないラブコメ 2 ★★★☆   



【幼なじみが絶対に負けないラブコメ 2】 二丸 修一/しぐれうい  電撃文庫

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幼なじみはやっぱり負けない!? まだまだ続く予測不能なヒロインレース!

幼なじみの黒羽に告白し、見事玉砕した俺。死にたい。フラれるってこんなに辛かったのか……っていうか、あそこまでいったら普通OKするだろ! 笑顔で「ヤダ!」ってなんだよ! マジで女子の気持ちわかんねー。でもまてよ、白草は俺のことが好きなんだよな……今ならイケる……?のか……いやいやいや、ダメでしょ。もしまたフラれたらと思うと怖すぎるし。
そんなモヤモヤ爆発の俺のもとに、子役時代の後輩にして理想の妹、桃坂真理愛が襲来! 玄関開けたら1秒で「おかえりなさいお兄ちゃん!!」っていったいどこのラブコメだよ!?
末晴に芸能界復帰の話が持ち上がり、ヒロインたちの思惑が交差する、先の読めないヒロインレース第2弾!

まさかの記憶喪失によって、シッチャカメッチャカになってしまった末晴との関係を一旦リセットしようとする黒羽に、そんな強引ででたらめな話が通じるはずないだろうがーー! と思ったら通じたよ、末晴信じちゃったよ!
うん、そうだよね。そういえば、こいつこの主人公、バカだった。びっくりするくらいバカだった。
さすが黒羽、幼馴染のことよく分かってる。他の人には絶対に信じてもらえないだろう、一連のドタバタ全部忘れちゃいました、なんて話を臆面もなく堂々と押し切る面の皮が厚さたるや。
これで、ほんとに告白を思わずバッサリ公衆の面前でぶった切ってしまった、という大失態をなかった事にしてしまったんだから、大したものである。実際、末晴ってば完全にあれがトラウマになっててクロに対してまともに受け答えできないどころか、野生化してしまうほど精神的外傷を負ってしまっていて、正直あそこから二人の関係取り返すこと難しいというところまでいってましたからね。だいたい、あそこまでキッパリ振っておきながら、やっぱりなし、ほんとは好き、とか出来るわけないじゃん、という意味でももう取り返しつかない状態だったのをなんとかゼロベースまで戻してしまったのですから、よくぞまあ。
それに比べて、シロの方ですよ。いやあんた、あそこまで圧倒的な優位を得ていながらどうして巻き返せなかったw いやまあ、あれ何気にシロもばっさり振られてる場面だったわけで、それ以上に末晴がひどい振られ方したのであんまり目立ってなかったですけれど、好きだったと過去形にされてしまったんですから、まあきっついことはきついのですけれど、でもほんのちょっと前までは自分のこと好きだったのは確かですし、ほんといいところまでは行ってたんですから、巻き返しには十分だったんですよね。
実際、あれ言い間違いにせずに、付き合ってください発言そのまま押し切ってたらそこでゴールテープ切れてたんじゃないか?
ところが、シロってば自分の脚本で末晴に演じてもらうという夢を目先で人参よろしく釣られて、それに夢中になってしまったおかげで、いつの間にか圧倒的アドバンテージを失ってしまっていることに。シロ自身、気づいてないっぽいし。これ、クロが負ける気しねえ、と言ってるのもわかる気がする。この娘、相手に意味深に捉えられている間はいいけれど、真正面から向き合うとどうしてもポンコツで足元が定まらない子だ。肝心の部分を見逃してしまう子だ。
その意味では、目的を達成するためには手段を問わない、という以前にどう転んでも目的を達成する道筋を立ててしまっている「理想の妹」こと桃坂真理愛の方がヤバそう。ただ彼女の場合まだ演者・末晴に執着はあっても男の子としての彼にはまだそれほど意識を持っていかれていないこと。末晴の方がまったく真理愛の事を異性として意識していない、という点が大きなハードルとして横たわっている。のだけれど、そういう異性への意識というのがあっさりとひっくり返ってしまうというのはすでに一巻で末晴自身が証明してしまっているのだから、ハードルではあっても壁ではないんだよなあ。

とはいえ、本作この第2巻。序盤早々からら話が末晴の芸能界復帰問題の方へと比重が傾き、彼ら若人が青春をどう過ごすか、みたいな話になっていくんですよね。ラブコメはどうした!?
いや、青春劇が繰り広げられるのはいいんですけれど、ちょっと方向転換しすぎじゃないですかね? ラブコメはどうした!?
クロがやらかしてしまった分、それを一旦リセットして人間関係整理しなおさないとラブコメ再開できない、というのもあって、この2巻はそのための仕切り直しの回、とも取れるのですけれど、さすがにあのCM勝負の話は記憶喪失以上に強引だったんじゃないでしょうか。いや、なんでそうなるの?という感覚でしたし。
そして、一巻での最大の見どころだった、幼馴染同士でのあの駆け引き。心理戦というべきか、あの末晴もクロもシロも全員がむき出しにしていた、人間としての醜さ、卑小さ、器の小ささ、人としてちっちゃすぎるという暗黒面の拗らせっぷりが、今回は殆ど見受けられなかったんですよね。
あのエゴむき出しのぶつかり合いがとてつもなく面白くて、あの人間のちっちゃさが彼らをとても愛しく感じさせてくれるコメディ要素だったのですが、そういう心の引っ張り合いがあんまり見られなくて個人的には盛り上がりにかけてしまったのでした。あの芸能事務所の社長のろくでなしさは、笑いどころも可愛げもないただのゲスでしかなかったですし。
次回こそは、仕切り直しも済んだところでもう一回ちゃんとラブコメを見せてほしいなあ、というところでした。

1巻感想

幼なじみが絶対に負けないラブコメ ★★★★★   



【幼なじみが絶対に負けないラブコメ】 二丸 修一/しぐれうい  電撃文庫

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幼馴染みが負けフラグの時代は終わった? 予測不能なヒロインレース開幕!

幼なじみの志田黒羽は俺のことが好きらしい。家は隣で見た目はロリ可愛。陽キャでクラスの人気者、かつ中身は世話焼きお姉系と文句なしの最強である。
……でも俺には、初恋の美少女で学園のアイドル、芥見賞受賞の現役女子高生作家、可知白草がいる! 普通に考えたら俺には無理めな白草だけど、下校途中、俺にだけ笑顔で会話してくれるんだぜ! これもう完全に脈アリでしょ!
ところが白草に彼氏ができたと聞き、俺の人生は急転直下。死にたい。というかなんで俺じゃないんだ!? 俺の初恋だったのに……。失意に沈む俺に黒羽が囁く――そんなに辛いなら、復讐しよう? 最高の復讐をしてあげようよ――と。
うん、タイトルがさ、ほら、【幼なじみが絶対に負けないラブコメ】じゃないですか? 普通、幼馴染が他のヒロイン蹴散らして圧倒的な勝利を掴む、言わば幼馴染TUEEE作品だと思うじゃないですか。古来より幼馴染ストとして肩で風を切って生きてきたわたくしとしましては、到底無視できる作品ではなく、ダラッシャー!とばかりに幼馴染蹂躙戦を堪能スべく手にとったわけですが。
あれ? 思ってたのと違うよ?
幼馴染の黒羽ちゃん、冒頭で既にフラれてるよ? 負けてるよ? 敗北してるよ? いいのこれタイトルと違うよ?
と思ったところから、思わされたところから、この最凶のラブコメは駆動を開始するのである。

もう笑った笑った。ヤバイなんてもんじゃなく、面白すぎて笑い倒してしまいました。バカウケ!
これね、主人公の丸末晴も、幼なじみの志田黒羽も、丸くんが焦がれる可知白草も、みんなぶっちゃけて言ってしまうと……人間としてちっちゃい!! 人としての器が小さい、狭い、せせこましい! そんでもって、心が醜い! 暗黒面拗らせすぎ!
そもそも、主人公からして好きになった人に彼氏が出来てしまった事実を前に……俺の初恋弄びやがって、許せん! 復讐してやる!! と、黒羽に煽られたからとはいえ、好きな人の幸福を祝福するどころか、自分を袖にしてくれたこと後悔させてやるのだ、と妬み嫉み僻みと負の感情を滾らせまくってしまうわけですからね。
そして実のところ、ヒロインである黒羽も白草もまた、丸くんと同レベルで人としての狭量さ、人間ちっちゃ! と言いたくなってしまう心の狭さを誇る同類項なのであります。
でもね、そんな人間としてダメダメだろう、という部分が彼らの場合なんでかねー、可愛いんですよ。凄く可愛くてしかたない。人の暗黒面なんて見てて不快になるものなのが普通なんでしょうけれど、彼らのはなんでか凄く微笑ましく、そのネガティブ全開な言動が愛おしくすら思えてくる。

だってこの子ら……アホですものw

そう、アホなんです。まあ自分の好きという感情よりも、復讐する方を優先してしまう時点で大概なのですが、彼らのアホの子としての資質はそんな程度でとどまらず、本末転倒、自爆特攻、一体何がしたかったのか!?とまず誰よりも彼ら自分自身がツッコむんだろうドツボのハマり方を自在にやり倒すありさまで。その自爆の仕方はもはや芸術的とすら言えるほど。
ほんともう、なにやってんのこの子らは、と思ってしまうそれは、まさにアホの子ほど可愛い、という格言のそれではないのでしょうか。
いやそれにしても、この丸くん、黒羽、白草の三者三様の目的と作戦と実行はほんと見事なくらい絡まり合ってて、物語の構成としてもエンタメの盛り上がりとしても抜群の一言なんですよね。
ラブコメ、と呼ばれるジャンルのコメディとしての部分をこれほど昇華さしめて成り立たせた作品もそうはないでしょう。ノリとテンポの良さでコーティングしつつ、根底の部分で構成の技巧の素晴らしさを感じさせてくれる作品でもありました。
それに、復讐だなんだ、と人としての醜さ、負の感情を全面に押し出しているにも関わらず、徹底して明るく痛快で気分爽快な仕上がりになっているのはなかなか特筆すべきところだと思うんですよね。やってることだけ見ると陰湿なはずなんだけれど、その陰湿さたるや非常にカラッとしてサッパリした陰湿さで、陰湿とは……と思わず言葉の意味を考え込んでしまうほどだし、彼らの内面と来たらひたすらネガティブな方向に凝り固まり拗らせまくっているにも関わらず、そのネガティブさと来たら何故か陽気でアップテンポのお祭り騒ぎ。いやだから、ネガティブとは……と思わず首をひねってしまう感じなのが、描写のやり方として何気に物凄く難しいことをヒョイヒョイっとやっちゃってるんじゃなかろうか、と思わず感心してみたり。
ともあれ、彼ら彼女らの復讐は、可愛さ余って憎さ百倍、という体を装いながらも憎しみの類などかけらもなく、ひたすら好き好き大好きを拗らせて、好きを暴走させているようなものだったので、それこそが作品全体を陽性たらしめていたのかもしれません。主人公の丸くんの、その人間性、キャラクターが掘り下げられ伝わってくる中盤以降、あっこいつすげえアホだ、とはっきりと分かってしまったからなのかもしれません。
いずれにしろ、物語が進むに連れて登場人物たちの思惑が明らかになっていき、抱える事情が自明のものとなっていくたびに加速していくこの面白さ、愉快痛快爆笑コメディ。それと同時に甘酸っぱさで絶妙な部分をくすぐってくれるラブコメのラブの部分も実に素敵で、黒羽と白草、その二人のヒロインの魅力で牽引してくれました。二人のヒロインとしての色んな意味での凶悪さがなければ、そもそも成立しない物語でありましたからねえ。さり気なく、あのカス極まる悪友の甲斐哲彦も折に触れていい動きしていて、あれはあれで助演男優賞でした。ああいうサブキャラが居ると物語として強い。
しかしこれ、やっぱりタイトル詐欺なような気もするし、あれは負けじゃないよノーカンだよ、とも言えるのでこれはこれでありなのか。
あれ、思いっきりフラれた方も実は挽回可能であることをもう片方が全編を以って証明してしまっただけに、完全にドローではあるんですよね。いやもう、改めて考えてみるとほんとアホだなあー!! やっちゃった方ww
いやもう、最高のラブコメでした。これ、きれいに終わっているとも言えるのですけれど、続くとしたらどう展開するのか、興味深いところです。

 
12月2日

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