徒然雑記

終日のたりのたりかな  
  オロチのまどろむ庭TOP  読書メーター  月刊書籍発売カレンダー  書籍感想・殿堂作品
  書籍感想・著者索引(表紙絵附) 書籍感想・著者索引(シンプル版)  書籍感想・作品タイトル索引(シンプル版)
  12月の漫画新刊カレンダー  12月のライトノベル新刊カレンダー
  1月の漫画新刊カレンダー  1月のライトノベル新刊カレンダー
 

しずまよしのり

魔王学院の不適合者 5 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ ★★★   



【魔王学院の不適合者 5 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~】 秋/しずま よしのり 電撃文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

神の代理となる《代行者》を選定する戦い――選定審判が幕を開ける――。

暴虐の魔王の再臨によって平和が訪れたディルヘイド。一方アゼシオンでは各地で絶滅したはずの竜が目撃されるようになる。魔王学院と勇者学院が合同で対処に当たったところ、地底の奥深くに未知の世界が広がっていることが判明した。
そんな中、神を従えた謎の男が現れ、アノスに告げる。八名の神がそれぞれに候補を選び、互いに戦わせ、勝利した者を神の代行者とする《選定審判》。その代行者候補の一人に、アノスが選ばれたということを……。アノスはその男、《竜人》を追って、三つの国が争う地底世界の聖地、神の都ガエラヘスタへ――。
新章開幕《選定審判》編!!

エミリア先生、熱血教師になる! 
これって、もう昔の青春学園ものですよね。それも教師を主人公とした不良たちを更生させ、共に何かを成し遂げるような。ただ、エミリアの場合はグレートティーチャーなどではなく、エリートから転落人生を歩んだ挙げ句に不良たちが集まる見捨てられた底辺校へと転任になって、という展開ですけれど。
彼女が赴任することになった勇者学校もまた、かつての栄光を失い勇者の生まれ変わり、エリートとしてもてはやされた若者たちが、大人たちの都合でいらない子扱いされヤサグレ切ってしまい、平気で授業をボイコットし、教師エミリアに反発し、どうせ自分たちなんかと自分たちを見下げ果て、とかつての勇者候補たちが見る影もなく……。
そんな不良と化した勇者候補たちと、落ちぶれ人生に疲れ果てた教師同士、近親憎悪でお互いにぶつかりあい程度の低い衝突を繰り返し、目の前に再び現れ交流するはめになった魔王学院の連中の優秀さに劣等感をさらに刺激され、と落ちる所まで落ちたところから、クズ教師とクズ生徒同士本気でぶつかりあうなんて、青春まっさかりじゃないですか。
そうやって、相手の情けない姿に自分を省みて、お互いの中に残った最後の矜持を見つけ合う。そうして底辺から這い上がろうと頑張って、エミリアは教師として生徒を導こうと奮起する。そこに敗残者たちの惨めな姿はとうになく、挫折から自力で立ち上がる勇者たちの姿があり、クズ教師を先生と認めてくれた生徒たちを、見捨てられた自分たちを決して見捨てなかった先生を、お互い信じて尽くす師弟愛が芽生えていた。まさにこれ青春か!!
先生として上から目線で不良生徒たちを導くのではなく、同じ最底辺で這いつくばったところから屈辱を跳ね返し共に頑張って、というのが当世風でありますか。赴任して当初は、思いっきりヒステリー教師っぽいのもさすがはエミリア先生、という所だったのですが。
あと教師というと、意外と熾死王エールドメードの爺様がハチャメチャながら何気に凄くイイ先生してたんですよね。スパルタながら効果的な授業法もさることながら、結構褒めて伸ばす方針なのか未熟だったり下手くそだったりする生徒たちにも、褒め言葉を欠かさないんですよね。その対象はエミリア先生にも及んでいて、卑屈だったり自虐的になってるエミリア先生に対してもこまめにフォローしてたのが印象的でした。いや、この爺さんお世辞言ったりするタイプじゃないので、全部本気で褒めてたり称賛してたんでしょうけれど。

一方でひたすらラブコメしてイチャイチャしてたのがレイくんとミサのカップルで、その二人にひたすらつきまとっていたのがミサのお父さんのシンで。なんかもう、四六時中「お嬢さんをください・許さん!」を品を変え形を変えてやり尽くしていたような。それでいてレイの事は誰よりも認めているお義父さんなのがまたたちが悪いというか、今まで放っていた分娘に構いたい年頃なのか。

今回はアノスって本気で怒っていたのか地底のエクエス教の連中には珍しく容赦がなかったようで。特にアヒデ卿はペテン師呼ばわりして、徹底的だったんですよね。相手が神のご意思、神託である、お告げである、と宣言して起こそうとした行為、本当に片っ端から全部叩き潰して失敗させてましたからね。
というか、一話でこれだけ何度も完勝宣言して、それ全部「効かぬわ」「今なにかしたのか?」「無駄だったようだな」のオンパレードでひっくり返された奴見たこと無いぞ。すごいぞ、アヒデくん。
いやほんとにすごいんですよ。普通は一回や二回で「ば、馬鹿なー!」と言ってしまうそうなところを、幾ら失敗しても攻撃が効かなくても思惑を叩き潰されても、作戦を台無しにされても、謀略を逆手に取られても、全部「全部神はお見通し。これも神のご意思なのです、ドヤ顔して恥ずかしくないんですか?」みたいな調子を崩さないんですから。
でも、どう見ても苦しいから。その言い訳苦しすぎるからw ギャグかコントか、いずれにしても厚顔無恥というかメンタル強いのか、色んな意味で凄かったアヒデくんでありました。アノスが道化呼ばわりするのも仕方ないんだけど、それもアノス君がアヒデのドヤ顔発言片っ端から秒で潰していくからですよ? 一瞬たりともドヤ顔許さん、と言わんばかりの速攻である。それが一体何度繰り返されたか。普通、心折れるよ? ある意味、よく頑張った、と褒めるべきなんだろうか。でも、本気でドヤ顔ムカつくタイプの敵だったので、そのドヤ顔を延々とフルボッコにし続ける展開というのはそれはそれでカタルシスではありました。ほんとにひらすらボコボコだったもんなw

神の中で唯一だろう、心を持ち優しさを持つアルカナを味方に引き入れたアノス。彼女を連れ帰った先の我が家での、アノスの人間の両親のやり取りがまたなんともはや。神であるアルカナも、話聞いてくれない人には弱いようで。そう言えばアヒデも全く人の話聞かない奴だったっけ、ベクトルは違うけど。
自分たちの世界観に魔王だろうと神だろうと包んでしまうあたり、やっぱり最強はこの脳天気なパパとママなんじゃなかろうか。

シリーズ感想

魔王学院の不適合者 4(下) ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ ★★★   



【魔王学院の不適合者 4(下) ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~】 秋/しずま よしのり  電撃文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

偽りの魔王アヴォス・ディルヘヴィア、その正体は伝承から生まれた大精霊であり、ミサのもうひとつの側面だった。アノスは大精霊アヴォス誕生の秘密を知るため、“時間遡行”によって二千年前のアハルトヘルンを訪れる。そこで目にしたのは、天父神の卑劣な計略によって、ひとつの家族の愛と絆が無残にも引き裂かれる瞬間だった―。「二千年前の悲劇はもう幕引きだ。これから、すべてを取り返しに行こう」あらゆる理不尽、あらゆる悲劇、我が眼前ではただ滅べ―!!Webでも大反響を得たシリーズ最大のエピソード“大精霊編”感動のクライマックス!!
いや、似てないといけないから仕方ないんだけど、アノスとかアヴォスとかアノシュとか似た名前多すぎて、若干混乱する! 
他にもレイにレノと二文字で一文字違いとか、そこにシンとか語感が似てる名前表記が交じると読んでて視線が上滑りして、誰が誰なのか誰が喋ってるのかわからなくなるときがあって、全体的に読みにくかったのは確かな話。意外とそういうのって読んでる時の集中力を削ぐんですよね。

時間遡行によって、2千年前に訪れたアノスたち。なんか来る時には歴史に手を加えるような派手なことは出来ないし、目立たないように行動しようなんて趣旨の話をしてたはずなんだけれど、いざ過去に来てみると……あんまり隠す気ないだろう、アノスくん!! 結構堂々とやりたい放題やってたと思うんだけど!? 一応、過去が改ざんされるとダメな理由の間隙をつく形であれこれと動いているので、言動に矛盾はないんだろうけれど、過去を変えないように努力するつもりは毛頭なく、どうやったらどこまでなら過去を変えても大丈夫か、という基準で動いているので、まあやりたい放題である。そりゃ、ルールだ秩序だのは知らん、とばかりに秩序秩序うるさい自分ルール至上主義な天父神と対立しているわけだから、そりゃそうなんだけど。
とはいえ、肝心の精霊レノとアノスの右腕だったシンとのラブロマンスには口を出さずに、いや脇から色々と口出しはしていた気もするけれど、むやみに手は出さなかったのはこの魔王様空気読める魔王様なのである。
そもそも、アノスって何でも出来るけれど常に他人の意思を尊重する人でもあるんですよね。自分の意志や野望、というのを無理やり押し付けよう、自分の正義を振りかざしてやりたい放題やる、というタイプじゃないんですよね。
なので、この物語の中で起こる奇跡的な展開というのは、常に誰かが強い意志でやり抜こうとしたこと、必死の思いで手繰り寄せようとした行為が下地になっている。誰かが願わなければ、誰かが自力でやり通さねば、その結末へと至る筋道は存在しないのだ。魔王アノスは助力なければ途中で潰えてしまうかもしれないそれに、そっと手を差し伸べるだけ。手を差し伸べてバーニア点火してフルスロットルで発射してしまうわけだけれど、実のところアノスは主体ではないんだよなあ。
今回だって、シンとレノが愛を育み絆を育て、そうして産まれたミサと勇者カノンの転生としてアノスとの友情に応えるために二千年にも渡って結実させてきたレイの想いがなければ、どれだけ強く万能なアノスでも、何も始められないしなにも救えなかったのだから。
自分でも語っているけれど、だからこそアノスはそうした人の持つ愛情や希望という善なる心の存在を世界に証明する、証明者なのでしょう。それを誰に向かって証明しているのか、についてはかの女神の存在が匂わされているようですけれど。
でも、ここまで完全に魔王様として認められちゃったのに、まだ学院通うつもりなんだろうか。学院としても、大変困るんじゃないの、これ?
あと、ミーシャとサーシャが今回は実質背景で出番らしい出番もなく、しかももしかしてメインヒロイン実は他にいるんじゃないか疑惑まで出てきてしまって、おやおやまあまあという感じで。

魔王学院の不適合者 3 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ ★★★★   



【魔王学院の不適合者 3 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~】 秋/しずま よしのり 電撃文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

《勇者学院》との交流のため人間の都を訪れた魔王学院の生徒たち。しかしこの平和な時代にあってなお、彼らの胸の内には魔族への敵意が燻っていた。
互いの力を測るために学院対抗戦が行われるが、アノスたちに先駆け戦った魔王学院三回生は、勇者側の卑劣な罠の前に敗れ去る。その上さらに敗者の名誉を踏みにじる勇者たちに対し、暴虐の魔王とその配下たちが下す決断は――!?
そして、二千年を経ても癒えぬ魔族と人間の禍根を目の当たりにしたアノスの前に、ついに偽りの魔王がその姿を現す。
暴虐の魔王が新時代に刻む覇道の軌跡――怒涛の第三章《勇者学院編》!

ああっ! これはやられた。まったく予想だにしていなかった展開だった。ある程度のところまで話が進んだら、察することが出来るものなんだけれど、これに関してはギリギリまで「思い込み」に思考を縫い留められていて、気づかなかったもんなあ。ミスリードといえばミスリードなのか、これ。
そう言えば、明言はされていなかったですもんね。
そもそもアノスの存在を上書きした偽魔王の存在からして、思っていたのと全く異なる展開でしたし。いや、面白し!
勇者学園のやられ役たちのやられっぷりも、これぞやられ役の見本!とも言うべき見事なやられっぷりでしたし。こういう噛ませ役って結構絶妙なバランスが要求されるんですよね。いい具合に増長しきってこっちを見下してきてそれなりに強く卑怯でムカつく性格や態度で、自分が負けるなんて欠片も思っていないのを、圧倒的に叩き潰してプライドやらなにやらを徹底的にへし折る、盛大にぶっ飛ばしてヒィヒィ泣かす、というカタルシス効果を最高に発揮させるのって、どこかバランスが悪いとどうしても色褪せる部分が出てきてしまいますから。その点、この敵どもの憎ったらしさとやられたときの無様さ、こっちの圧倒的な余裕っぷりとファンユニオンの煽りっぷり、相手のズルしていた教師のグヌヌっぷりといい、いやはや素晴らしいコラボレーションでありました。
悪役の小物さ加減って、程度によっては主人公サイドまで格を下げてしまいますし、話自体陳腐にしてしまいかねない要素ではあるんですけど、まさにさじ加減によってはこれだけ引き立たせてくれるんですよねえ。
今回の話に関しては、その人間族の残した執念や偏執的なまでの狭量さこそが、それに相対し続けた勇者の心を追い詰め、彼を思いつめさせ、絶望させたという重要な物語におけるファクターでもあったわけで、人間たちの負の側面を煮詰めたような悪意と執念の塊たる存在の、あの嫌らしさおぞましさは勇者がなぜその選択を選んでしまったのか、なぜそこまでしてやり遂げようとしたのか、という想いに共感や理解を生じさせるだけの、それはもう嫌悪感を催すもので、よくまああれだけけたたましくネチョネチョとしたものを丹念に描けたなあ、と感心するくらい。
だからこそ、アノスの友情の清廉さが、そして今世で得た肉親や慕ってくれる人の愛情が、アンカーとして響いてくるわけですが。
そう考えると、あとは頑張れ的に色々と丸投げして三千年して生まれ変わったらかなり好き放題自由にやってるアノスは……いやまあやるべきことはちゃんとやってるか。
でも、勇者さまはこれまで鬱々と頑張ってあれこれ計画を練って頑張って、何かと身の回りにも不幸がありつつも頑張ってきた分、幸せになりなさいよー、と応援してあげたい。ファンユニオン、こっちも応援したれ。祝福したれ。
それにしても、アノスのファンユニオンたちは活躍の場もあるし、なにかと目立つ場面も多いし、と下手するとヒロイン姉妹より計り知れない存在感出してて、愛されてるなあw

物語的にはこの三巻で区切りがついたような感じもあるのだけれど、まだまだ続くようで良かった。ただもう不適合者扱いってこうなるとされにくいんじゃないのかな、これってw

1巻 2巻感想

魔王学院の不適合者 2.~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ ★★★★   

魔王学院の不適合者2 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ (電撃文庫)

【魔王学院の不適合者 2.~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~】 秋/しずま よしのり 電撃文庫

Amazon
Kindle B☆W

魔族を統べる“七魔皇老”アイヴィスを偽りの魔王から解放し、ひとまずは平穏を取り戻したアノス。そんな折、魔王学院デルゾゲードに“錬魔の剣聖”と呼ばれる転校生が現れる。時を同じくして魔族最強の剣士を決する“魔剣大会”の開催が近づく中、なぜか“不適合者”のアノスが、件の転校生と共に選手として推薦され―?不適合者を貶めたい小物のくわだてか、偽りの魔王が仕掛けた陰謀か。いずれにせよ、魔王の採るべき道は一つのみ。迫り来る謀略を、あらゆる理不尽な粉砕せよ!暴虐の魔王が新時代に刻む覇道の軌跡―第二章“魔剣大会編”!!
さすがに古の伝説の魔王その人であるアノス、強さもさることながらその人格といい考え方といい大器そのものなんだけれど、だからこそそんな彼をして自然と敬意と愛情を抱いてしまう彼の今世での両親が二人共素晴らしい人なんですよね。
ただの能天気なアーパーお母さん、とかは思ってないですよ、いやちょっとは思いましたけれど、生まれた途端に喋りだして大きくなって我は魔王であるなんて言い出した子供を恐れもせず引きもせず、全力でうちのアノスちゃんすごい! と受け入れまくった挙げ句に人間のとって前人未到の魔界へとアノスのために躊躇なく引っ越すとか、能天気だけでは済まないその行動力と息子への愛情はとんでもない、とは思っていましたけれど、ちゃんとそれだけ全力で息子を愛するだけの理由が二人にはちゃんと存在したのである。その語りは重く、しかし溢れんばかりの愛情に満ち溢れていて、これは魔王様でも感化させられますよねえ。
もとよりアノスくん、魔王とはいえ全然暴虐の王でもなんでもなく、道理や情を深く解する人柄なのだけれど、同時に大器であるということは相手の思惑なんかをどれだけ捻じくれてても大事な所をちゃんと把握して、解釈して、受け入れ飲み込んで受け止めることが出来る人でもあるんですね。そういう人がですよ、これだけ何の裏表もなくストレートに愛情注がれたら、そらもう真っ向から全力で受け止めてしまいますがな。
今回は鍛冶師のお父さんが鍛えてくれた、愛情のこもった、しかし何の力も備えていない魔剣でもなんでもない剣を奮って戦うのですけれど、ハンデでしかないそれを振るって戦うのは父親の愛情を無駄にしないため、というだけの理由だと思ってたんですよね。でもこれがまた違ったんですよ。ちゃんとその剣には意味があり、意義があった。その剣だからこそ救えた人が居た。まさに、父のアノスへの愛情が、アノス一人では救えなかった人を助けるための大事な鍵となったのである。
アノスくん、俺TUEEEEの典型とも言える無敵っぷりでほんと何でも出来るし、限界なんかないように見えるのだけれど、でも一人ではないんですよね。これほどの男を、しかし支え助ける人たちが周りに居て、彼もまたそれをちゃんと認識してて、心から感謝しその手を取っているのである。
それも、アノスくんに比肩するような力の持ち主だけじゃなく、ほんとなら何の力もないようなお父さんとお母さん、能力的には雑魚に等しいファン・ユニオンの面々。統一派のリサにしても、決して力ある方ではないのだけれど、皆が自分のできる限界を振るってアノスの助けになるように頑張り、それが実際彼の助けになるのである。
ファン・ユニオンの女の子たちの献身、あれなんてそれまで周りでキャーキャー騒いでるだけのアノスファンのミーハーな娘たち、としか認識していなかったのを根底から叩き潰されましたからね。
めっちゃかっこよかった。魔王様からあれほどの深い敬意と感謝を捧げられた存在って前世にさかのぼっても存在しないんじゃないだろうか、というくらいアノスくんが最敬礼でしたもんね。
こういう、力ない人たちも蔑ろにせず、きちんとリスペクトがある作品、それも主人公が俺TUEEEな作品でこういうところを大事にしている作品は、好きだなあと思います。

しかし、今回登場の剣士レイ。前世の魔王の側近だった男の転生でほぼ間違いない男の子ではあるんですが、前世では主君と配下、という関係だったのがこの生では対等の友人同士として新たな関係を結べたのって、まあ記憶がないレイくんよりもむしろアノスの方がなんだか嬉しそうなのがなんともニマニマさせられるところであります。
同性の気のおけない関係、というのがよほど心地よいのか、ミーシャとサーシャに構ってた前回よりもかなりテンション高めで上機嫌なご様子。あまりにも仲良さそうなので、サーシャが拗ねるのもちょっとわかるなあ。なんか出会って速攻で間に割って入れないような男同士の仲の良さ、なわけですから。
さりげなく、サーシャは置いてけぼりして、ミーシャとじっくり時間をとっていい雰囲気醸し出していたのは苦笑してしまいましたが。前回は姉妹二人をマイペースにぶん回していた感もあったアノスくんですけれど、今回はバチバチ魔王様モードではしゃぐ相方はレイくんが居たから満足したのか、わりとミーシャペースに合わせてじっくり付き合ってあげていたところなんぞ、むしろ男ぶりがあがっていて、サーシャにもそれやってあげてください、ほんとにw

意外と敵の黒幕の方は未だ正体を表さず一筋縄ではいかない相手のようで、アノスくん相手にちゃんと同じステージで指し合えているあたり、かなり歯応えのある敵さんのご様子。
ちゃんと敵に相応の格がある、というのもまた面白くて良きカナ。

1巻感想

魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ ★★★☆  

魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ (電撃文庫)

【魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~】 秋/ しずま よしのり 電撃文庫

Amazon
Kindle B☆W

人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王アノス。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平槇に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集めた“魔王学院”に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「小説家になろう」発の話題作、待望の文庫化!!

いやこれ、アノスも実力は元よりメンタリティも安定しきってて王様の気風たっぷりなんだけれど、それよりも彼の転生先の人間のご両親がすごすぎやしないですかね!
自分の産んだ赤ん坊が突然喋りだすわ、名前つけようとしたら自分で名乗るわ、いきなり成長して大きくなってしまうわ、普通なら頭おかしくなっても変じゃないのに、「まあすごい!」で受け入れてしまってそのまま普通に一人息子として溺愛してくれるんだから。
しかも、殆ど交流が断たれている魔族領にある魔王学院に入学すると言い出した生後一ヶ月の息子に、お前はまだ生後一ヶ月だ、まだまだ若いんだから心配だし何より親の自分たちが寂しい! と引っ越ししてついてきちゃうわけですよ。
生後一ヶ月という言葉の概念が崩れる!
こんな得体の知れない存在を、息子としてめちゃめちゃ愛してくれるかなり天然入ってる両親がかなりアクセントになってるんですよね。ミーシャやサーシャを家に連れて帰ってきた時のやりとりも面白いと言うか微笑ましいというか、この両親ほんま大物やわぁ。まだ生まれて一ヶ月なのに、この両親息子に馴染みすぎでしょう。生後一ヶ月の息子が嫁を連れて帰ってきたぞー、ってどれだけ気が早いんだろう。いまだかつて無く早すぎるんじゃなかろうか。ってか、この両親もまだだいぶ若いはずなんですよね。場合によってはサーシャたちと何年も年齢変わらないんじゃなかろうか。それなのに、既にもう十代後半の大きな息子をそれこそ十五年以上もじっくり育ててきたような貫禄である。まだ一ヶ月しか育ててないし、それどころか勝手に育って特に育ててないのに。
ともあれ、一ヶ月で十数年分以上の密度でこれ以上無く親らしいことをしまくってるということなのかもしれません。アノスもこの両親のことは親としてこの上なく慕ってますし。なんだこの仲の良い親子はw

さて、天然ご両親のことはともかくとして、かつての魔王の転生であるアノスはそのことを一切隠そうとしていないのですが、伝説の魔王のことは正確には伝わっておらず誰も信じてはくれないのですが、あんまり周りの反応は気にすること無く出し惜しみなく全盛期と変わらない力を振るいまくるわけで。別に隠す必要は一切ないのだけれど、思わずちょっとは隠してもいいんじゃない!?と反射的に言いたくなってしまうほどである。これもう、魔王の転生とか信じてもらうとか関係ないんじゃないだろうか。問答無用で超絶すぎて、周りとしても事実関係どうでもよくなるだろうし。
一応、魔王の転生を事前に把握して古くから暗躍している明確な「敵」というべき黒幕がいるみたいだけれど、これ障害に成りえるのだろうか。
アノスくん自体は、やりたい放題やっているのだけれど「暴虐の魔王」という異名とは裏腹に自重は知らないし現代の常識は一切頓着しないのだけれど、それで自分ルールを一方的に押し付けたり理不尽を強いるタイプじゃなく、人の話は聞かなくても人の意志や気持ちは無視しないどころかよく汲んでくれる他者に対して寛容だったり優しい、気持ちの良い男なのでそういう男がやりたい放題やるというのは不快を催さない痛快さなんですよね。
両親のみならず、ギャラリーの反応のコミカルさもテンポ良くて、このタイプの作品としては大変面白いものでした。

ゼロから始める魔法の書 5.―楽園の墓守― ★★★   

ゼロから始める魔法の書 (5) ―楽園の墓守― (電撃文庫)

【ゼロから始める魔法の書 5.―楽園の墓守―】 虎走かける/しずまよしのり 電撃文庫

Amazon
Kindle B☆W

“ゼロの書”の拡散を目論む謎の組織“不完全なる数字”の調査のため、海運国家テルゼムを訪れたゼロたち。しかし、そこにはゼロの名を騙り、村々を襲う銀髪の魔女の噂が駆け巡っていた―。ネズミの獣堕ちである少女リーリと出会い、その身をかくまわれつつ偽ゼロの影を追うゼロたち。そんな彼らの前に、“ゼロの討伐”を命じられた教会の裁定官が現れる。“背徳”の罪状を持つ裁定官。彼女は、美しき女性を墓に生き埋めにすることが趣味の“墓堀り人”なる異名を持つ人物で…。くすぶり続ける魔女と教会の不穏な争いが静かに加速する、話題の魔法書ファンタジー第5弾が登場!
傭兵、テオのこと本当にトラウマになってるんだなあ。教会に捕縛されることになったゼロを置いて去ることのできなかった傭兵の叫び、もう二度と誰も置いていかない、という決意には彼の負った傷跡の深さを感じさせる。でも、だからこそまだまだ傭兵がゼロにデレた、という感じが出てこなくもあるんですよね。そこは喪った人への決意に根ざすものだけではなく、そろそろゼロ個人への情愛を感じてみたい頃でもある。ゼロの方が求愛を隠さないだけに尚更に。
傭兵、いつまでたってもグチグチしゃっきりしないですしねえ。まあそれでも、ゼロを見捨てないというスタンスを確立したのはまだマシと考えるべきなのか。
なんか自分でもはっきりしないモヤモヤとしたものを、明確にしようとせずに先送りにしっぱなしの傭兵と比べて、まだ神父の方が自分の中に生じた信仰と正義の齟齬に対して真面目なせいか真剣に悩んでいる分、印象が良かったりするんですよね。この人、信仰の人でありながら同時に理性の人であるだけに、教会の掲げる教義と現実との矛盾に、自分を誤魔化せずにいるのが不器用で仕方ないのだけれど、それこそが敬意を感じる部分でもあり、ゼロが一定以上の信頼を神父に寄せているのもよく分かるのです。
今回の話なんぞは、神父イジメか、というくらいに教会の闇と現状の体制の不具合、世間の教会への不信感を突きつける内容になっているだけに、神父が自分の信仰に基づこうとすればするほどゼロ寄りになっていくのが面白い。
ただ、教会側も一方的に組織破綻してたり腐敗していたりするわけではなく、ちゃんと社会秩序を維持するシステムとして機能しようとする意思があり、自浄作用もあるだけに、むしろ神父は教会から離れるのではなく教会の中の俗世の権力を現実に則して利用する向きを覚えだしているので、これもまた神父穢れだしていると言えるのかもしれない。まあ、ちゃんとルールに則っているので、地に足は着いているので、むしろ色んな意味で手強くなってってるのかもしれないが。

にしても、ここでさらに新メンバー追加になるのか。なんでついてくることになったのか、ちょっとよくわからない流れだったんだが。いや、能力的には不足がないどころかかなり勝手の良いもので助かりそうなんだけれど、家族を置いてついてくる理由付けがちょっと弱く感じたんだけれどなあ。

シリーズ感想

遙か凍土のカナン 1.公女将軍のお付き3   

遙か凍土のカナン1 公女将軍のお付き (星海社FICTIONS)

【遙か凍土のカナン 1.公女将軍のお付き】 芝村裕吏/しずまよしのり 星海社FICTIONS

Amazon

公女オレーナに協力し、極東にコサック国家を建設せよ。
日露戦争屈指の激戦・黒溝台の会戦で負傷した新田良造。帰国後、彼にもたらされたのは、不可解な叙勲と、可憐なコサックの公女だった……。
広大なユーラシア大陸を舞台に、大日本帝国の勇敢なる騎兵大尉にして、“一人目のアラタ”新田良造の戦いが始まる──。
『マージナル・オペレーション』のタッグが放つ凍土の英雄譚、ここに開幕!
ああ、時代だなあ。
いきなり日本語が変になってしまいましたが、現代と違うその時代特有の空気感を嗅いでしまうと、ついそんな感慨が湧いてしまうものです。前半の血で血を洗う大陸を舞台とした日露戦役に、戦後の浮ついたどこか忙しなさに包まれた明治最後期の日本。そんな時代背景をふわふわと地に足を付けないまま彷徨っている一人目のアラタ、新田良造という青年将校。時代に馴染めていない、というのではないでしょう。戦場での経験が彼を時代に合わせる事の出来ない精神構造にしてしまった、というのもちとそぐわない。何しろ、大陸で銃火を潜っているその時から、どうも彼には現と剥離した気楽なものがあったように見える。まあ、気楽と言うには随分と気分も重々しく鬱々と楽しまない性格の持ち主のようだけれど。
結局のところ、彼はそもそも流離う人のように見える。馬の背に乗り、明確な目的地なくどこまでも駆けて行ってしまうような、一所にとどまれず、執着出来ず、拘れず。
なるほど、狭い島国の窮屈な組織に留まるよりも、何のしがらみもない大陸で自由に浪人でもしていた方が似合いそうな御仁だ。一方で、だからこそか、自らしがらみに囚われたがる気質にも見える。執着しない性格だからこそ、意固地なまでに信念に拘ろうとしているようにも見える。
つまるところ、勝手な人物だ。手前勝手に押し付けて、相手の気持ちを考えているようで勝手に自己完結してしまっている人柄である。なまじ温厚篤実で誠実で、優しく頭脳も明晰、曲がっていない人だからこそ、悪者になれない人だからこそ余計に質が悪い。
内縁関係にあった女性が、彼に対してどういう気持ちを抱いていたのか、想像に難くない。彼女の不貞が発覚した後、彼が見せた態度、彼が残した手紙を前に、どのような想いを抱いたかだろうことも。凄まじく残酷な男である。
オレーナに対する態度もまあ……優しさというナイフでザクザクと切り刻むような残虐さにおののくばかりだ。オレーナが泣く度に胸が痛む。結局のところ、彼は自分の信念にプライドを満足させているところがあって、勿論オレーナという異国から救いを求めてきた少女の事を最優先で考えているのだけれど、それは彼の信念に基づくイメージの産物であって、少女の気持ちについてはほんとうの意味で考慮はしてない。彼の意思、覚悟、罪悪感や後ろ暗さはあくまで彼自身のものであって、彼女の気持ちには何の関係もない事については頭にもない。その意味では彼もまた、男性本位の時代の男であるのだ。
もっとも、その価値観は「アラタ」のものであって、時代に沿う価値観とはまた別のモノ、という気もするのだけれど。

一方で、確かに良造の価値観はまさに幕末の動乱期から明治・大正へと移り変わっていく時代の男のもので、現代のものとはかけ離れた部分が随所に垣間見える。でも、これは自然なんですよね。昔の時代を今の価値観で捉えて、それで人を動かそうとしても気色の悪いことになるばかり。だからこそ、この作品からは正しくその時代の「匂い」が漂ってくる。
芳しい、スルリと馴染む空気の香りだ。まだ大陸で、何者でもないものが自由に地平線の向こうまで闊歩できる時代である。それは、動乱の隙間にわずかに存在しただけの時代かも知れないが、確かに実在した遮るもののない時代である。そこに、まだ幼くも毅然とした姫君の伴をして飛び込んでいく、冥利に尽きる男の旅路。そこにどんな陰謀や思惑がまとわりついていようとも、その根底にあるのは実にシンプルな理論だ。一人の少女を幸せにするために、生命を尽くす。まさに、男子の本懐である。その為ならば、当の少女をどれだけ泣かせてしまおうと、まあ瑣事である、と言ってしまっては酷な話か。こればっかりは、泣いてる当人が自分で頑張ってぶっ飛ばすべき問題なので、あとは姫様次第であるか。

芝村裕吏作品感想

ゼロから始める魔法の書3   

ゼロから始める魔法の書 (電撃文庫)

【ゼロから始める魔法の書】 虎走かける/しずまよしのり 電撃文庫

Amazon

教会歴526年―。世界には魔女がいて『魔術』が存在していた。そして、世界はまだ『魔法』を知らなかった。そんな時代、人々に“獣堕ち”と蔑まれる半人半獣の傭兵がいた。日々、人間になることを夢見る彼だったが、その数奇な運命を一人の魔女が一変させる。「―戻りたいのか?人間に。ならば傭兵、我輩の護衛になってくれ」ゼロと名乗る魔女は、使い方しだいでは世界を滅ぼしかねない魔法書“ゼロの書”を何者かに盗まれ、それを探す旅の途中だという。傭兵は、人間の姿にしてもらうことを条件に、大ッ嫌いな魔女の護衛を引き受けるのだが、禁断の魔法書をめぐって人々の思惑が絡み合い…。第20回電撃小説大賞・大賞受賞作!

美女と野獣系は、大好物です♪
ただねえ、肝心のその美女と野獣の関係にやや説得力が欠けるんですよね。いつの間に、そんなに相手に入れ込むような間柄になったの?というような。ぶっちゃけ、二人がお互いを大事に想い合うような経緯が殆ど見当たらないんですよ。別に、何かしらのイベントがないと好感度はあがらないもの、とか自然といつの間にか好意が生まれている、という流れを否定するものじゃありませんけれど、それにしても信頼も好意も深まるような何かや時間があったようには見えなかったもので。それでも、虎雄くんがゼロを気にし出すのは、彼の性格もあってかまだわからなくもないのですけれど、ゼロの虎雄への無防備なまでのあけすけな態度は、前提としてそれがあったように見えて、二人がベタベタしていてもあんまりイチャイチャ甘々な感じとして捉えられず、ややもやもやした感が残ってしまいました。
それでも、獣人もふもふの大男に、絶世の美女が無防備に懐いている、という構図はズルいなあと思いながらもやっぱり惹かれてしまうものなのですが。
全体としてみると、個々の人間を見るならばそれぞれ善意を持った良い人達なのに、人が集まり集団となると止めようのない悪意が事態を牽引し、より救いのない凄惨な方向へと誘ってしまう、という世情がわりと容赦なく、というか突き放したように描かれていて、特に世間知らずなぶん無垢で悪意を持たないゼロがヒロインとして中軸に居る分、その対比が浮き彫りになっているような気がする。ゼロは無垢であると同時に知性深く聡明な賢者でもあるので、どうして悪意が生まれ、それが世の中を動かしているのかを十分理解もしている。理解しているからこそ、自分が生み出した魔法の概念の危険性を承知して俗世に現れたのであり、また理解しているからこそ、悪意によって生まれる惨劇を悲しむのだ。
うん、なるほど、ちょっと解ってきた。何故、ゼロが虎雄に懐いたのか。悪意の向かう先である魔女である自分を恐れない初めての存在、という刷り込みのようなものもあったんだろうけれど、それだけでなくゼロにとって虎雄は人間の持つ、悪意に負けない良き心の象徴であり、俗世と自分を繋いでくれる橋渡しみたいな存在だったんじゃなかろうか。
まあ、そこからどう虎雄個人に傾倒していったかは、傍から見ると最初から最後までフラットでどういう浮き沈みがあったのか窺い知れないのだけれど。

結論としてみると、過保護な兄を妹離れさせるお話であったという不思議。ラスボスかと思われた人物が味方になった時のこの頼もしさたるや、敵が味方になると弱体化する傾向が常である中で珍しいくらいだったなあ。
まあ、誰が悪いからこれを倒せばオシマイという話ではなく、何が悪くてそれとどう向き合っていくか、という話なので、誰がラスボス、誰が黒幕、というのはそれほど問題ではなかったのだけれど。
まあ、妹さんをください、という展開的には対決すべきラスボスは必要だわなあ。

マージナル・オペレーション 033   

マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)

【マージナル・オペレーション 03】 芝村裕吏/しずまよしのり 星海社FICTIONS

Amazon

そして、仲間たちの血は流れる──。
新宿を恐慌に陥れた戦いの後、アラタたち一行は日本を出国し、タイへと降り立った。その地でアラタを待っていたのは、“子供使い”の悪しき影響で横行する少年兵を使ったビジネスと、“あの男”との思わぬ形での再会だった。再び、ファンタジーで現実を壊すべく、戦いに身を投じるアラタだったが、わずかな油断が、子供たち──そして、彼を愛した女の命を窮地に陥れてしまう……。熱帯の戦場に血飛沫が舞う、緊迫の第3巻!
これは確かに完全にアラタのミスだなあ。それも、単なる判断ミスや油断というよりも、根本的に自己評価が間違っている点と他人の気持ちや心情を察することの出来ない鈍感さが招いた破綻だったような気がする。勿論、自分を過大に評価してしまう事は大きな被害を招く理由になるけれど、自己の過小評価もまた客観的な判断が出来ていないという点で状況判断にミステイクを起こしやすいという意味では大した違いはないのかもしれない。アラタは自分の能力と影響力について賞賛を受けたがらないあまりに、過剰に自分を卑下する傾向があるけれど、自分の名声と能力が他人にもたらす影響というものをもっと真剣かつ深刻に考えていれば、この事態は避けられたんじゃないだろうか、と思わざるをえない。
ただ、どうもこのあたり、意識が足りないとか現実逃避というよりもアラタという人間がそもそもそういう考えを巡らせられない、想像できない欠落を持っているんじゃないか、という風にも見える。どうも、治るように見えないんですよね、他人の感情の特定の領域部分を全く理解できていない、というのは。決して人の心がわからないというわけじゃないんだけれど、恋愛感情にしても嫉妬にしても憎しみにしても、ある一定の熱量を持った感情をぶつけられても、全く認識出来ていないような素振りがつきまとっているのである。さて、それが自分という人間はそれほど強い感情を向けられるに値するだけの価値はない、という自己評価の低さが根底にあるのか。それとも、人の心がわからない後付の理由として、そういう風な設定を自分の中に構築しているのか。
何れにしても、後悔してもし切れないほどの取り返しの付かない失敗をしてしまったアラタ。喪ってしまったものの大きさに打ちのめされている暇もなく、彼の前には彼を中心にして稼働し出した巨大なシステムが誕生してしまった。子どもたちを守るため、子どもたちに未来を与える為に、子どもたちを戦場に送り出す矛盾したシステムが。
果たして、彼は壊れずに居られるのか。それとも、もう既に壊れてしまっているのか。ラストから、平素と変わらないように見えてどこか乾ききって温度が感じられない空気をまとうようになった気がするアラタの今後に、身震いするような薄ら寒さがまとわりついて離れない。こればっかりはもうジブリールに頼る他ないんだろうけれど……、この娘兵士としてはともかく、女性としてはかなり脆いというか、粘れずに泣いてしまうところがあるので、こうなってしまったアラタに果たして訴えかける事が出来るのか、ちょっと不安なんですよね。

1巻 2巻感想

マージナル・オペレーション 023   

マージナル・オペレーション 02 (星海社FICTIONS)

【マージナル・オペレーション 02】 芝村 裕吏/しずまよしのり 星海社FICTIONS

Amazon

次なる戦いの地は、日本!
中央アジアでの戦いを経て、一年ぶりに日本に降り立ったアラタと2ダースの“子供たち”。彼らを待ち受けていたのは、空港での通り魔事件と、日本の国家組織を名乗る謎の女性“イトウさん”だった──。通り魔事件、イトウさん、新興宗教、そしてかつての上司と同僚……全てが結びついたその時、アラタは東京の市街での作戦遂行を決意する──。『ガンパレード・マーチ』の芝村裕吏が奏でる“現代の神話”、堂々の第二楽章開幕!
こうして見ると、日本という国は暮らしやすい国だとは思うんだけれど、それにはまず最初から日本という国に所属している必要があって、後から入ってきて生活基盤を構築するというのが非常に難しいところなんだよなあ。一個人や一家族ならば、それでも努力や環境の選択次第で何とかなるんだろうけれど、アラタの連れてきた子供たちみたいなケースだと途端に最難となってしまう。まあこういうケースの場合、日本だけがダメ、というわけじゃないんだろうけれど。
最初から、アラタも日本で子供たちを受け入れて貰えないか、と期待していたわけでもなく、そもそも一度外を見てきた事で、果たして子供たちが健全に育つ環境として、この国が適しているか、についても疑問を覚えてしまう。
ただ、どうかな。そういう教育環境としてこの国はアラタが思っているほど悪いとは思わない。ああいうモラルとかいうのは、周りの大人やコミュニティがしっかりしていてまともだったなら、往々にちゃんと育つものだし、アラタやオマルが付いているなら、それはそんなに問題じゃないんですよね。それなら、戦地にいて戦塵と人死に塗れるよりもよほどマシな環境だろう。だったら、なぜアラタがこうした点を危惧してしまっているかというと……他にちゃんと責任をもって子供たちを守ってくれる組織や環境があったなら、彼は子供たちを任せてしまう気満々だ、というところに問題があるのでしょう。結局、彼は子供たちを自分が守っているのは緊急避難だ、という意識が何処かに根ざしているんじゃなかろうか。最後まで面倒を見る、という意識がどこか欠けているきがするんですよね。ただ、それは当然なことでむしろ放り出さずにこうやって責任をもって子供たちを遣う、という形ではあっても子供たちを守り続けていることはとてつもなくえらいことで、誰にでも出来るという事ではないのです。でも、本当の意味で彼らの保護者じゃないんだよなあ、アラタは。
大人だったら放り出していますよ、という彼の発言は、彼の人間性を表していると同時に彼の子供たちに対する責任感が、愛情は無いとは絶対に言わないけれど、大きな義務感によって培われている事を示しているような気がするのです。
ジブリールの今回の日本訪問における、彼女らしからぬ情緒不安定さは、このあたりのアラタの自分たちに対する姿勢を正確に察していたからなんじゃないかなあ、と思う所で。
異性としてアラタを意識しているから、アラタの自分への接し方が子供に過ぎない事に対して苛立ちが募っている、という向きもあるんでしょうけれど、それ以上に彼女の不安感にはアラタに置いて行かれる、というような観念があるっぽいんですよね。最初、アラタの気持ちからしても彼女のそうした不安は過剰反応だろう、と思っていたんですけれど、上記したようなアラタの子供たちの姿勢に気づくとあながちジブリールの不安も根拠が無いわけじゃなさそう、と思えてきたわけです。
しかし、アラタの立場からすると自分が最後まで子供たちの面倒を見る、と言うことはどうやったって子供たちを戦場に送り込むことに繋がるわけで、出来ればさっさと自分の手元から離してあげたい、と思うのは仕方ないんですよね。対して、子供たちの方はジブリールを含めて自分たちが兵士として戦場で戦うことに全く疑問を持っていない。この齟齬が、この日本訪問でもジブリールを中心とした子供たちとアラタとの微妙な齟齬の起因となっていたんじゃないだろうか。
この齟齬と問題を解決するには、つまるところアラタが戦争以外で子供たちを全員養い教育して育てるだけの財を蓄える事ができるか、に掛かってるんだろうけれど、こればっかりは目処たたんわなあ。

あと、この日本は幾らなんでも物騒すぎです。さすがに、ここまで酷いテロはオウム事件以外この国では起こってないと思うし、これほどの事件を衝動や暴走じゃなく、作戦として行われてしまうような異常な治安状況にはなっていないと思いたい。少なくとも、表沙汰にはなってないし。アラタたちが活躍する余地がある国じゃ、まだ日本はないよなあ。

1巻感想

マージナル・オペレーション 01 4   

マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)

【マージナル・オペレーション 01】 芝村 裕吏/しずまよしのり 星海社FICTIONS

Amazon

30歳のニート、アラタが選んだ新しい仕事(オペレーション)、それは民間軍事会社──つまり、傭兵だった。住み慣れたTOKYOを遠く離れた中央アジアの地で、秘められていた軍事的才能を開花させていくアラタ。しかし、点数稼ぎを優先させた判断で、ひとつの村を滅ぼしてしまう。
モニターの向こう側で生身の人間が血を流す本物の戦場で、傷を乗り越えたアラタが下した決断とは──?
『ガンパレード・マーチ』の芝村裕吏が贈る、新たな戦いの叙事詩(マーチ)が、今はじまる!
傭兵とは言っても、ランボーとかスネークみたいなマッチョな兵士やエージェントとは全く違う職種なんですよね、アラタがついた仕事って。ついつい傭兵というと、現場で銃火器を振りかざして戦うのを想像してしまいますし、最近だと【ヨルムンガンド】という武器商人を主役にした作品で、民間軍事会社についてもチラリと描かれていましたが、そこでも直接的に描かれていたのは現場で銃持って護衛や輸送任務に従事していた人たちですからね。容易にそちらが思い浮かぶのが普通で、私も全然戦闘経験皆無の一般人に過ぎなかったアラタが、どうやったら傭兵になんかなれるんだろう、と読む前は疑問に思っていたものでしたが……普通に日本で開かれた会社説明会に参加して試験受けて面接受けて就職しましたよ!?
すげえな、民間軍事会社。こんなに普通に募集しているものなのか? 探したことないけれど。
いや、多分本来なら前職が軍属という人材をこそ優先的に集めるのが普通で、軍務経験の一切ない一般人を、後方従事職どころか前線任務につけるために採用するのは、幾ら適性を洗いだしたからといってそうそう普通には行われないもの、と思いたいんだけれど実際どうなんだろう。欧米の会社なんて日本の常識通じないところあるんだろうしなあ。
ともあれ、なんやかんやで民間軍事会社に採用されてしまったアラタが訓練と称してやらされたのは、腕立て腹筋行軍訓練、なんて肉体的なものではなく……いや、これは実際読んで見てもらったほうが「うぐぐ」となるでしょう。これはまあ、なんというか発想として凄い。完成品をつくり上げるための訓練の思想が普通に思い描くものとまるで違うんですよね。いや、士官教育とか指揮官教育なんて実際詳しく知らないんだけれど、ここまでシステマチックなものではないしょう。そもそも、これって指揮官じゃないですよね。正確にはオペレーター。戦闘管制官とでも評したらわかりやすいのか。現場に立たず後方に座っていながら、リアルタイムで入ってくる現地の情報を俯瞰的に分析し、現場の部隊に指示を出すというお仕事。この作品では「00」という職名になってますけれど、あとがきによればこういう職は実際にはないのだとか。だけれど、情報の収集と伝達の精緻度が極めて高まりほぼ兵士一人一人の状態まで把握し切る現代戦においては、後方に居るほうが現地に居るよりも圧倒的にたくさんの情報がリアルタイムで集まりそれをリアルタイムで伝えることが可能だから、現地の部隊の指揮を後方からとることも出来るわけで。一昔前の戦争と、やり方が根本的に変わってる部分が、こうしたところなんだよなあ。
これも【ヨルムンガンド】から引用するんだけれど、あのアニメで米軍の特殊部隊、SEALSだったっけか? 細かいところは忘れましたけれど、あれと交戦するシーンがあるんですけれど、SEALSも主人公サイドの部隊も現地の地理情報から敵の動きなどを含めた敵情の入手、そこから判断スべき大まかな戦闘方針は、ほぼ現場じゃないはるか後方からの指示に依ってたんですよね。あれ見た時は、凄いなあと思ったものでしたが、こうした戦争のやり方が米軍の下で従事しているとはいえ、民間の軍事会社ですら行えているというのなら、現代の戦争のやり方って、よく戦争を知らない日本人の漠然としたイメージからは、もう既に遥かに逸脱しちゃってるのかもしれませんねえ。
とまあ、この主人公のアラタも、確かにそんな日本人の一人であったはずなのですが、何も知らないということは頑なで未知を受け入れないというケースとは逆に、知らないからこそ何でも柔軟に吸収してしまう、という形もありえるわけです。幸か不幸か、アラタには何も教えられていないにも関わらず、軍事作戦というものに対するセンスがありました。発想が自然に、戦争のやり方に最適化されてたんですね。
ただ、問題は彼が全く自分が戦争をやっているという自覚がなかったこと。これは、もう会社側の訓練と実戦の
境界線を曖昧にする方法が悪魔的というべきか、巧妙極まったせいでもあるのですが、そのせいでアラタは知らず知らずのうちに後戻り出来ないところまで踏み込んでしまっていたのでした。いや、これは後戻り出来ない事はなかったんですよね。会社側は決して枷をつけるために、こういうやり方をしていたのではないし、アラタも辞めようと思ったらいつでも辞めれたはずなのです。しかし、皮肉なことに彼のメンタルが当たり前なくらいに健全だったからこそ、彼は自分がやったことの責任を放り出すことができなくなってしまったのでした。オマルとジブリールという、こんな界隈では得がたいまでの素晴らしい友人と自分を無垢に慕ってくれる子供たちと知り合ってしまったのも、ある意味放り出せも突き放せなくもなってしまった原因なんでしょうなあ。出会いの素晴らしさに感謝するべきか、むしろそれこそが彼をドツボにハマらせたのか。

ともあれ、二転三転の紆余曲折を辿る過程から、予期せぬ結末も含めて期待していた以上に面白かったです。いや、これはほんとに面白いわ。ぐぐっと自分がのめり込んでしまう感覚を味わいました。既に4巻まで出ているのですが、早速既刊揃えたいと思います。
 
1月18日

(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

1月17日

(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

1月15日

(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W


1月14日

(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W


(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W


(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W

1月12日

(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグ コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スター コミックス) Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス(月刊アクション))
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス(月刊アクション))
Kindle B☆W


(アクションコミックス(月刊アクション))
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

1月10日

Amazon Kindle B☆W

1月8日

(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス)
Amazon Kindle B☆W

1月7日

(少年チャンピオン・コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンポケット)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンポケット)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンポケット)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンポケット)
Amazon Kindle B☆W


(good!アフタヌーン)
Amazon Kindle B☆W


(good!アフタヌーン)
Amazon Kindle B☆W


(good!アフタヌーン)
Amazon Kindle B☆W


(good!アフタヌーン)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンポケット)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W


(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W


(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W

1月6日

(KCデラックス)
Amazon


(KCデラックス)
Amazon


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W

1月5日

(ヒーローズコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヒーローズコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Kindle B☆W

1月4日

(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W

12月28日

(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグ コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

12月27日

(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(YKコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(YKコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(B's-LOG COMICS)
Amazon Kindle B☆W


(B's-LOG COMICS)
Amazon Kindle B☆W


(B's-LOG COMICS)
Amazon Kindle B☆W


(REXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(REXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(REXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(REXコミックス)
Amazon Kindle B☆W

12月26日

(モンスターコミックス)
Amazon Kindle B☆W

12月25日

(ZERO-SUMコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ZERO-SUMコミックス)
Amazon


(DNAメディアコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W


(ファミ通文庫)
Amazon Kindle B☆W


(PASH!ブックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスEX)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(まんがタイムKRコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(まんがタイムKRコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(まんがタイムKRコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ライドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ライドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ライドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W



Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索