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せんむ

見習い神官レベル1 -だけど、この手を離さずに-3   

見習い神官レベル1 -だけど、この手を離さずに- (ファミ通文庫)

【見習い神官レベル1 -だけど、この手を離さずに-】 佐々原史緒/せんむ  ファミ通文庫

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多くの犠牲と謎を残し、砂の巨人となり滅びたペルスカ。その黒幕と思しきリベカを警戒し、ヨシュア達は太守ダルタスを護衛してルステラへ赴くことになる。だが現れたのは偽教師だった破戒神官。そして彼女を追って、雷凰の対・雷鳳の少年が襲来する!神々の禁忌を犯したリベカを捜しているという彼は、人と神魔の婚姻もまた禁忌だと告げてきて―。「リベカ様を助けて」と願う敵と明かされる神魔の秘密を前に、ヨシュアが選ぶ道は!?シリーズ堂々完結!!
幕間におけるリベカの回想を読んでると痛感してしまったのだけれど、リベカが抱えている家族への執着、殺された姉やその姉から託された弟であるヨシュアへの偏執的なまでのこだわりは、結局とうとう最後までヨシュアには理解されなくて、違う言語で喋っているような噛み合わなさのまま終わっちゃってるんですよね。いや本当に哀れ。
これはもう、それぞれの立っている時間が全く異なっちゃってるんですよ。リベカは過去にしがみついて過去という位相から喋っているのに対して、ヨシュアは現在に立ち未来の方ばっかり見ているから、リベカの声は聞こえてもそこに込められている過去という位相にしがみついた情念については観測できてないのよ。だから、リベカが何を考えているのかサッパリわからない。
でも、仕方ないのよ、これ。ヨシュアはさ、今新婚ホヤホヤなのよ。可愛い新妻とイチャイチャしながら、家族計画立ててるのよ。二人の未来に向けて一緒にあれこれ楽しい苦労をしながら積立ててってる最中なのよ。さらに、そんな新婚生活や将来にむけての展望を、支えてくれるトモダチも出来て、今は現在と未来に対して精一杯であり夢中であり、後ろ振り返っている暇なんてないのですよ。今が旬の新婚夫婦に、小姑が呼んでもいないのに首突っ込んできて、応援してくれるどころかいちゃもんばっかりつけてきた挙句に、昔はああだったこうだった、と茶々入れてこられても、耳に入るもんですか。
それでもヨシュアとしてもリベカは家族だし、姉弟だから気にかけますけれど、前提が違うことを理解してないから、お互い噛み合うもんじゃなし。そのまま、全く歩み寄ることなく、そもそもボタン掛け違っている事にすら気づかないまま、終わってしまったのはやっぱり憐れな話です。
しかし、ことヨシュアとスーリィンの結婚生活に視点を移すなら、お互いに愛し合いながらも人間と神魔という種族の差によるしがらみとわだかまりが多少なりとも意識の端にこびりついていたのを、神魔位階第一との直接対面によって一気に吹き払ってしまいましたからね。もう何の憂いもなくなったわけですから、素晴らしきハッピーエンドじゃないんですかね。
なんかなー、単に事実を客観的にみるならば上級神魔の黄昏って感じの世界の流れで暗い雰囲気になりそうなものだったんだけれど、スーリィンの解釈と大言壮語がもう突き抜けてて、素晴らしく楽観的で、なんだかその終わりはとても素敵な事なんじゃないかと思えてきてしまいました。ほんと、大した嫁さんですよ。確かに上級神魔の歴史は終わっちゃうかもしれないですけれど、それが一つに交わって先へ先へと新たな形で繋がっていく新たな世界の形が出来上がるのだとしたら、その成り立ちが幸せによって生まれるのなら、やっぱり偉大なるハッピーエンドなんじゃないでしょうか。
まあその偉大なるスタートが、留年によってはじまるというのは、やっぱり憐れなんですけれどw
当初は、一人だけ年かさという主人公のヨシュアが、幼い子供たちの保護者役、牽引役となる不思議な配役のお話だなあ、と思っていたのですけれど、いつしかちびっ子たちがヨシュアとスーリィンのかけがえの無い仲間となり、生涯の友となり、導き役となり、支えとなっていたのには、今更ながら人間関係って面白いなあと頷くばかりでした。あの子たちと、こういう関係になるなんて、ほんと最初は思いもしなかったもんなあ。
最後まで、色々と堪能させていただきました。面白かった。
諸般の事情から出版できなくなりそうだった短篇集が、どうやら電子書籍限定で出版されることになったそうで。ありがたい限りです。これ、こういうケース増えてくればいいんですけどねえ。

シリーズ感想

見習い神官レベル1 亡き姫君のための狂想曲   

見習い神官レベル1 -亡き姫君のための狂想曲- (ファミ通文庫)

【見習い神官レベル1 亡き姫君のための狂想曲】 佐々原史緒/せんむ ファミ通文庫

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修練場を燃やしてしまってあわや落第かと思われたが、何とか進級を果たしたヨシュア。張り切って二年生をはじめようとした矢先――まさかのイジメの標的に!?
刃を向けるでも毒を盛るでもない嫌がらせに、むしろ新鮮と思うヨシュアだが、突き止めた犯人は、何と最上級生の現首席だった!
暴虐王【アフェク】の自主留年のせいで、とんでもない迷惑を被っているという彼女は、実は、暗殺者時代のヨシュアとある因縁があり……!?
最凶嫁つき学園ライフ、好評第3弾!
二年に進学してもレベル1のまま、と勘違いされそう。レベル制度のある世界じゃありませんからね、念のため。
二年生になったということは、キッチリ一年間作中でも時間が経ったということで、振り返ってみると始まった当初からずいぶん色々と変わってきたものもあり、変わらないものもあり。そうなんだよなあ……このシリーズが始まった時って、主人公のヨシュア一人だけが一回り年上の青年で、周りの子たちは幼いと言ってイイくらいの本の子供ばかりで、なんでこのシリーズは主人公が子供の引率みたいな役回りなんだ? と首を傾げたものでしたが……。
内心正直に言うと、子供たちのことを面倒くさい、鬱陶しいというくらいにしか思っていなくて、一回り年上で外の世界でそれなりに過ごしてきた分社会経験も豊富ということで、ともすれば好き勝手に動きまわる無軌道な子供たちの面倒を見て、あれこれと世話を焼いて、みんなのおかん役みたいな役回りになってヒーヒー言っているばかりだったヨシュア。嫁のスーリィアとも自由にイチャイチャ出来ず、ストレスをどんどん蓄積していっているのが傍目にもよくわかって、何とも息の詰まる学生生活を送っていたものですけれど……旅を通じて子どもたちとも打ち解けて、スーリィアの事も自分の過去の事もバレてしまった事で逆に隠し事をする必要がなくなり、いつしか自然に笑えてる事が増えてたんですよね。そういえば、ティエルが変にヨシュアに突っかからなくなったのも、ヨシュアが子供を適当にあしらう笑顔の仮面をかぶらなくなって、自然に彼女に接するようになってからなんですよね。今回ヨシュアが過去の罪を突きつけられる事で苦悩を抱え、ふと子供たちと心の距離を置こうとしてしまっていた時にティエルが鋭く指摘してきたことで、それを思い出した。
この子たち、なにも考えずにスィーリアの事やヨシュアが昔暗殺者として働いていた事を受け入れていたのかと思ってたんだけれど、彼らは彼らなりに真剣に、ヨシュアの過去とその犯した罪について向き合ってたんだなあ。ヨシュアの過去を他人事ではなく、その罪もひっくるめて一緒になって抱えていくんだ、というあの心意気には、思わず言葉を失ってしまいました。なにも考えてないなんてとんでもない。彼らは覚悟を持って、暗殺者だったヨシュアを、仲間として、家族として受け止めていたのだ。
年上のお兄さんに引率される幼い子供たち、なんて最初の頃の印象なんて、もうとっくに吹き飛んだよ。今のこの子たちは、ヨシュアにとって対等以上の、掛け替えの無い一生涯の親友たちだ。

そんな風に、ヨシュアが新たな人生を歩みだしているように、かつてヨシュアが手にかけた被害者の遺族たちもまた、過去にそのままとどまっているわけではない。ヨシュアが出会ったこの学園で出会ったネイラという少女もまた、変転する人生を溺れながら、ここまで辿り着いて新たな生活の中を歩み始めている一人だった。
ヨシュアもネイラも、こうして学園という箱庭の中で過ごすことで過去に区切りをつけて、新たな人生を手に入れいている一方で、外に取り残された彼らの家族たちは未だに過去から現在に続く連続性の中に囚われているのを見ると、俗世との断絶という意味合いもあるこの学園での時間というのは、何かしらの意味があるんだなあ。でも、外に取り残された人たちからすると、連続性を断ち切って違う人生を歩みだしているヨシュアやネイラたちに対して、許しがたい怒りを感じてしまうのもわからなくはない。裏切り、置き去り、妬みか喪失感か。そうした負の感情による吸引は、断絶に後ろめたさを感じてしまっている人間には悪夢めいた痛みを得てしまうものなのだけれど、ヨシュアはスィーリアという嫁がいて、今ティエルたちみたいな大事な友だちが、身内が出来る事で決別という痛みを乗り越える決意が出来ていて、今改めて自分の犯した罪に対しても向き合う意思を持つに至っていたのだけれど、ネイラはずっと友達と呼ぶ使役精霊一人だけだったのよね。それ以外に初めての大きなつながりをヨシュアに求めた事は、果たしてネイラにとってどういう心境だったんだろう。彼のことについては、気づいていたというのだから。
何れにしても、彼女もまた決別という決断を選び通したのである。意思の力は、斯くの如く凛として尊いものであるのか。

無事3巻まで出て、さらにまだ4巻にも続くという、佐々原作品としては久々に3巻超えのシリーズが出来ましたよ、っと。ただ、どのシリーズも何故か四巻で締めちゃっているので、ここは4巻で満足せずにさらに長期シリーズを目指して欲しいものです。

佐々原史緒作品感想

見習い神官レベル 1.放課後は朝まで砂漠で3   

見習い神官レベル1 ~放課後は朝まで砂漠で~ (ファミ通文庫)

【見習い神官レベル1 放課後は朝まで砂漠で】 佐々原史緒/せんむ ファミ通文庫

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いちゃラブ度倍増! (生殺し度もUP!!) だがそこへ“暴虐の沈黙王"が来襲!?

見聞の旅から無事戻り、優等生のティエルに教えを請うて、魔操の習得に励むヨシュア。だが何とこれっぽっちも上達しない。このままでは落第する! 焦る彼に、さらに不運が降りかかる。夜な夜な寮を抜け出しているのを上級生に見つかったのだ。しかも相手は首席最上級生、人呼んで"沈黙の暴虐王"。これで落第確定かと戦慄するヨシュアだが、彼はとある"取引"を持ちかけてきて――!?
元・最強暗殺者の最凶嫁つき学園ライフ、好評第2弾!
もしかして、本当に魔操の腕前まったくあがらずにレベル1のまんま(この世界はレベル制ではないので、あくまで比喩表現です)なのかとハラハラしてたら、ちゃんと上達してるじありませんか! まあ、ヨシュアが魔操を上手く出来ないのは技術の問題ではない部分が大きいので、最初からレベル1相当じゃないじゃん、と思うところもあるのですが。いずれにしても、きちんと魔操出来たんだから、タイトルもレベル1のままというのは何気に酷い。このままだと、延々レベル1のまんまですもんね、どれだけ上達しても。
普通に、巻数ごとにレベルあげていけばよかったのに。というかこれ、毎回第一巻と誤解されかねないぞ。

クラスメイトの子供たちに、スーリィアのことがバレた事で結果的にスーリィアの方が精神的に安定したというか余裕が出てきた感じがする。前は、存在自体を秘密にしていた事によって、かなり汲々とした生活を送っていたせいか寂しがっててちょっと精神的に余裕なかったもんなあ。それが、子供たちとも普通に顔を合わせてお話できるようになったことで、スーリィアにも余裕が出てきて、夫婦生活の方にも潤いが出てきたように見える。具体的には、ヨシュアへのイチャイチャの仕方に切羽詰まった感が薄れて、自然に愛情を寄せてくるようになった、と。
元々ヨシュアの方もスーリィアを大好きで、ほぼ正式に夫婦関係営んでるんだから、スーリィアにまとわり付くような鬱陶しさがなくなって、ヨシュアの様子を見てちゃんと彼の邪魔にならない時に擦り寄ってこられたら、理性に対するダメージとしては、そりゃ今の方が深刻ですわ。
ほんと、肉体関係まで持っていけないのは単純にこれ以上関係を深めると、スーリィアのことが学校にバレてしまう、という一点だけで、それ以外に障害ないったら全然無いんだもんなあ。
ちなみに、ティエルが独り悶々とヨシュアへの恋心を育て持て余しながら苦悶していますけれど、残念ながら年齢的にどうやったって、子供たちは対象外なものですから、ヒロインにはなりようないんですよねえ。もう、傍目にはちっちゃい子が大人のお兄さんにドキドキしている、という構図は甘酸っぱいというよりも微笑ましい、としか見えないw
今回は、人間と神魔の愛の末路、という主題があったんだろうけれど、ヨシュアとスーリィアではもう結論出ちゃってるからなあ。過去の悲恋とその残影を前にしても、共感はしても今更それを我が身に当てはめて苦悩することもなく、ブレることはありませんでしたし。相手のことを大切に思うが故に相手の意思を無視する事はままある事だし、それが決して悪い事とは言えないんだけれど、ヨシュアとスーリィアに関しては同意がなされているので、すれ違いにならない安心感はあります。

さて、今回の目玉は子供たちはメインのカップルよりもむしろ【沈黙の暴虐王】ことアフェク先輩(男)その人だったのではないでしょうか。もうキャラ立ちすぎというか、佐々原さん昔からこの手の暴虐だけれど理不尽じゃないキャラ上手いよなあ、と思うんですよね。無茶苦茶しているようで、頼れる感バッチリだし、暴言毒舌の嵐にも関わらず何気に愛嬌が感じられて、嫌な感じさっぱりしないし。逆に女性キャラじゃないのがイイのかもしれない。
スピンオフ作品かなんかで、女性主人公出して相方この人にしてくれんかなあ。

佐々原史緒作品感想

無限のリンケージ 5.ナイト・オブ・ナロート5   

無限のリンケージ 5 −ナイト・オブ・ナロート− (GA文庫)

【無限のリンケージ 5.ナイト・オブ・ナロート】 あわむら赤光/せんむ GA文庫

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 ハルト・ミウラに手痛い敗北を喫したラーベルトだが、再戦の機会は予想以上に早く訪れた。2オン2のエキシビジョンマッチ〈アスラ・カーニバル〉の出場選手として、人気投票で選ばれたのだ。
 しかも相手はハルトとディナイスの強力タッグ。BTRに楽しさを見出したラーベルトにとって、それは喜び以外の何物でもなかった。

 だが、そんなラーベルトにナラウタを解放する策としてアーニャ姫から告げられたのは、「試合中にハルト・ミウラを暗殺せよ」というもの。衝撃的な主命にラーベルトは思い悩むが……?
 無限のリンケージ、堂々のクライマックス!
登場人物のほぼすべてが納得のいく形での終わりを、しかも妥協の産物ではなく、迷い悩み苦しんだ果てに独りでではなく仲間や友人や愛する人、家族の助けによって答えにたどり着き、全力を出し切って満ち足りた充実感とともに勝ち取ったハッピーエンドを迎えた、という意味において、まさにこれこそが大団円! 大団円オブ大団円ともいうべき大団円だったのではないでしょうか大団円ッ♪ww
元々読み応えのある良い作品だったけど、期待していたものよりも遥かに素晴らしい最終回を持ってきてくれたのではないだろうか。こんな素晴らしい終わり方をされたんじゃ、作品そのものの評価もうなぎのぼりに上げざるをえない、というかあげさせてください。

先のハルトとの戦いでの敗北は、前巻の感想で大きなターニングポイントになるのでは、と書いたのだけれど、予想していたラーベルトの戦意や戦う姿勢、サクヤとの関係についてのものではなく、ダイレクトにナロート救国の政治問題へと波及していったんですよね。これはちょっと驚いた。と、同時に感心させられた。単に戦いに負けた影響による曖昧な精神的な揺らぎによって、主人公とヒロインの関係を揺らすのは定番なんですけど、いささか理由付けとしては説得力に乏しいんですよね。それが、この政治問題によってハルトの暗殺を命じられた事により、ラーベルトの騎士としての義務感と国を失ってしまったことによる贖罪の念、というラーベルトの弁慶の泣き所を具体的に攻める事によって、彼が自分を見失うほどに追い詰められていく様に、大きな説得力が生じている。
しかも、物語の焦点をラーベルト独りに宛てがってしまうのではなく、問題の影響は連鎖的に登場人物たちに波及していき、キャラクターたちの様々な想いがアスラ・カーニバルの一戦を頂点として螺旋を描くように絡まりながら集約していく。そりゃあ、盛り上がるさ。
そして、この最終巻が素晴らしいのは、ラーベルトを初めとしたキャラたちが直面していた心の停滞を、肝心の最終決戦を前に一気に解決し、暗闇を吹き払ってしまった所なんですよね。鬱々としたもの、仄暗い感情を抱いたまま戦いに赴くのではなく、まさに後顧の憂いをなくし、皆が心晴れやかに全力で力を発揮できる状態になってから、最終決戦に。
そりゃあ盛り上がるさ。

毎度毎度よく悩むラーベルトでしたが、今回は特に飛びっきりでしたね。悩むというよりも、自分の本心と騎士の責務に挟まれて、身動きが取れなくなってしまった、というべきか。それでも、騎士として、かつて国を失ってしまったモノの贖罪として、自分の本心を押し殺して徹しようとするものの、越えてはいけない境界を前にしたとき、怯え立ちすくみ恥も外聞もなく泣きじゃくってしまうのでした。あのラーベルトが。
そして、進退極まったときに彼が求めたのは、サクヤの姿。彼が泣きじゃくりながら、心の中で何度もサクヤの名前を連呼し、彼女の助けを求めながら蹲ってしまった様子は、色々な意味でショックでしたよ。この二人の関係って、自分が見えていたと思っていた部分はほんとに表層だったんだなあ、と。同時に感動でもあったんですよね。彼にとって、あの娘の存在というのはそこまで絶大なものになっていたんだと分かって。
そんなサクヤとラーベルトを見守るベックスが、もう惚れそうなほど頼もしいんだ。この人は最初から最後まで、本当の意味で兄貴分でした。ラーベルトにあんな歳相応の、いや年齢よりも幼い本音の顔を引き出すのなんて、ベックス以外には出来なかったでしょうし、サクヤという難しい子の本心をいつだって見逃さず、妹分として見守り導きここまで連れてきたのは、間違いなくこの人でしたもんね。
他のチームスタッフも素敵な人達ばかりで、誰一人欠けてもダメだというのが伝わってくる、そして皆がこのチームを心から大好きなのだというのがビリビリと伝わってくる、とても素晴らしいチームでした。ライバルとなる王者ディナイスの旦那も、もう惚れ惚れするようないい男だったしなあ。生意気王子のシグも、その生意気さが可愛くて、アーニャ姫を前にしたときのヘタレっぷりがまた可愛くて、子憎たらしいキャラなんですが結局敵に回ること無く、ラーベルトと変な意味で息のあった漫才を繰り広げてたあたり、実は仲良くなってない?
なにより一番ほんわかさせられたのは、アーニャ姫がちゃんと幸せになれたことかしら。周囲の目には彼女が一人で不幸を背負ったみたいに見えてるのかもしれないですが、亡国の王女として彼女は望むべき最良の結果を手に入れた上で、本来なら敵国の王子であり、また自分の国を滅ぼした仇敵の息子である少年、というどう考えても幸せに結ばれることがないであろう相手との恋を成就させることができたんですからねえ。ラストの彼女、心から幸せそうで嬉しかったなあ。
強さを求めるあまり、武人として歪んだ道を歩み続けていたハルトにもまた転機が訪れ、復讐に身を焦がすあまりに破綻しかかっていた「スミス(笑」もなんだかんだと自分の居場所を手に入れたみたいだし。まさかのブリュックナーだったよなあ、あれは。厄介な問題児なんだと思ってたら、厄介な変態だというのは変わらなかったけど、あんななんとも痛快で気持ちのいい人だったとは、見かけにはよらないもんだ。

そして、本当の騎士としての矜持を掴みとり、正々堂々と全力を尽くせる戦いの場と好敵手にこれから挑み続けることが出来る環境に至り、そんな自分を親愛と友情と共に支援してくれる仲間たちが傍にいて、そしてそして、心を捧げる愛する人を見つけることができた。ラーベルトにとって、そしてサクヤにとって、そして彼らを取り巻く人達にとって最上の大団円。
心が温かくなり、胸が熱くなり、爽快で爽やかな素晴らしいハッピーエンドでした。
売り上げ的にはモニョモニョ、だったらしいですね。うーん、やっぱりなあ。面白い良い作品だったんだけどなあ。でも、それでも5巻まで出してくれたGA文庫編集部はグッドジョブでした、ありがとう♪

1巻 2巻 3巻 4巻感想

クインテット! 44   

クインテット!? (GA文庫)

【クインテット! 4】 越後屋鉄舟/せんむ GA文庫

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 bk1
「あいつらがいなきゃ、もう俺の日常は元通りにはならねぇんだ!」

 それぞれの理由によって、椿家を去ってしまった五人娘たち。それを仕方のないことだと受け入れていた敬介は、しかし彼女たちとの間に通っていた絆を確かめたことで決意を新たにする。彼女たちを、そして彼女たちによって騒がしく塗り替えられてしまった『椿家』の日常を取り戻すことを。

 一方、椿家を去っていった少女たちも、自分たちの居場所を取り戻すために戦っていた。果たしてバラバラになってしまったクインテットは再び結成できるのか!?
 押しかけドタバタホームコメディ、いよいよクライマックス!
テンションの高さが売りみたいな作品なんだが、いい加減敬介のテンションが上がりすぎて、もはや頭がおかしくなってるんだが、大丈夫か? ハイテンションが青天井を通り越して、「あばばばばば」とか異音を発し出すんじゃないかと本気で心配になってしまったw
幸いにしてひとり残っていたひだりが、敬介を押さえ込めないまでもスピードを減速させるブレーキを踏むくらいは出来たので、なんとか話がまともに進む程度には落ち着いてくれてよかったけど。まあでも、ひだりくらいしか敬介の抑制はできないんですよね。他の連中じゃ煽るだけだもんなあ。その意味でも、ひだりの存在は家族の中でも貴重品なのである。
にしても、やっぱり敬介とひだりの関係はいいなあ。分かっていて申し訳なさに身を焦がしながらも、それでも我侭を押し付けられる。相手を宝物のように大事に、大切にするのもいいものだけれど、それとは逆に自分のエゴを遠慮無くぶつけられる、という関係もそれはそれでアリなんですよね。一見するとそれは酷い関係にも見えるし、一つ間違えればあっさり人間関係が終了してしまいかねない横暴なのですが、この敬介とひだりのように甘えを許しあえる素敵な関係としても表現しあえるわけだ。

さて、それぞれの事情で椿家から離れていってしまった娘さんたちに、みんなの兄ちゃんしばらくウジウジといじけていたものの、彼らしく脇目もふらず突っ走り、家族を取り戻す決意を固めたのですが……まあ、あの娘さんたちがのほほんと兄ちゃんが迎えに来てくれるのを大人しく待っているような珠じゃないわなあ。
みんなそれぞれに大暴れして立つ鳥跡を濁しまくりながら、勝手に戻ってくる始末。一人だけ小唄だけしょぼかったけどな!!(笑
しかし、唯一犯罪結社ボヘミアン・ラプソディに誘拐された遊恋子だけは自力で戻ること叶わず、兄ちゃん筆頭に椿家一同、残された最後の家族を取り戻すためにいざ出陣! って、ハイテンションにまたぞろ戻ったのはいいけれど、なんかどつきあってる相手が敵さんもわりとまいどおなじみのメンバーなんですが(笑
敵さん、自信満々なものだから物凄い最終兵器を隠し持ってるのかと思ったら、別にものすごくもなかった件について吟味したいw
いや、だがガルフォード忍術はまじ凄かった! あれは良くゲームで遊んだもんな、ガルフォード忍術。あの犬けしかける技が妙に楽しくって、そればっかオリャオリャと仕掛けてたもんだ。懐かしいったらありゃしない。まさか、リアルにガルフォード忍術を使ってくる奴が居るなんて! 
だからなに? と言われるとそれまでなんだよ?
結局、家族もの優先、ということでラブコメらしい雰囲気は棚上げ、もうひだりと夫婦みたいなもんで、ほかは娘とか妹とかいう感じだからそれで良し、という事なんだろうし、椿家はそれでいいと思うんだけど、十兵衛の方は気になったなあ。あの家、家庭崩壊したままじゃん! あれの兄貴、結局ダメ人間のまま放置なんですか。それ以上に、十兵衛は誰とフラグ立ててたんだ? 最後にこれでもか、と敬介との因縁を晴らしまくってたが、むしろ彼女は主水の方がコンビとしても年季入っているし、お似合いだと思うんだがなあ。十兵衛を見送りに来た主水、粋でかっこ良かったじゃない。
十兵衛当人はどう思ってるのか、かなり気になる。
よし、続編の主役は十兵衛で行きましょうや、旦那w

シリーズ感想

クインテット! 34   

クインテット!? (GA文庫)

【クインテット! 3】 越後屋鉄舟/せんむ GA文庫

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 bk1

椿家、解散!?

「静か、だね……」
 二人きりのダイニングテーブルで、幼馴染みのひだりが呟いた――。
 突然押しかけてきた5人の女の子によって、大家族になってしまった椿家。最初は迷惑顔をしていた敬介にとっても、居候娘たちの存在はいつしか大切なものになっていた。

 ボヘミアン・ラプソディーによる誘拐騒動があったりして割と大騒ぎだった家族旅行も終わり、再び始まった賑やかな椿家の日常。だが、ツバメと敬介の買い出し風景がスポーツ紙にすっぱ抜かれたことをきっかけに、その日々は一変してしまう。

 居候娘たちがそれぞれの事情で椿家を去り崩壊寸前のクインテットを前に、敬介は一体どうする!?

表紙見開きのプロフィール枠で筆者とイラストレイターが掛け合いすんな! 吹いてしまったやないかッw

さても、三年ぶりの新刊である。繰り返しの延期延期の果てに刊行予定からも消えてしまい、ああこりゃダメかと諦めてから幾星霜。まさかの突然の復活に狂喜乱舞でありました。
なにしろ面白かったからなあ、これ。
兎に角やたらと登場人物たちのテンションが高くて、どこで息継ぎしていいのかと思うくらいの大ハシャギ。読んでる方も自然とツラレてテンション上がってきてしまう楽しさ満点のハートフルコメディでありました。
後書き読んだら案の定というべきか、息切れで書けなくなっていたとか(苦笑 信じられない馬力で次々と作品を量産していた人が、突然ガス欠になって書けなくなってしまうというケースは枚挙に暇がないけれど、この人は二巻で燃料を使いきってしまったわけだ。まあ、あのテンションを考えたらわからなくもない。
この燃料切れ、というのが厄介で、別にネタが思い浮かばないとかストーリーが思いつかない、というわけじゃないんですよね。それとは別物なんですよね。
ネタやストーリー、構成、プロットやシーン、細かい文章やセリフに到るまで頭の中で出来上がっているにも関わらず、実際に文章にして起こすことが出来ない、という状態に陥ってしまう。後書きでの話を見る限りでは、越後屋さんもそんな感じだったのかな。勘が狂うとはなるほど言い得て妙。そうなってしまうと、なかなか復活するのは難しいと思うんですけどね、よくぞ戻ってきてくれました。よくぞ、続きを送り出してくれました。
正直、三年のブランクもあって作品の内容とかキャラの細かい部分とか読み始めるまで結構忘れてたんですけど、ページ開いた途端に鮮やかに蘇ってくれましたよ。タイムラグ無しでバーーーッと蘇った、うん。なにしろ、中身については三年のブランクなんて無いようなもの。まるっきりあのままのハイテンション! というか、さらにテンション上ってないか!? というくらいに大騒ぎの大暴れ。一番はっちゃけてたのは、プロレス観戦時の小唄の発狂状態だけどな。ハイテンションを通り越して、小唄さんそれ壊れてる壊れてる(笑
ああ、懐かしいな。そうなんですよね、この作品、ハレムモノっぽいけれどその実、完全に家族モノ、兄妹モノだったんですよね.勿論、色恋の感情は混じっていても、敬介、ひだり、小唄、ツバメ、操、遊恋子を繋いでいるのは家族という枠組みであり愛情。敬介のそれは、みんなの兄ちゃん。喧嘩ッ早く短気で我侭、でも人情家で涙もろく実はヘタレなチャキチャキの江戸っこ兄ちゃん。頼りない親父さんに代わって、妹たちを守ろうと奮起する若き家長。改めて見ても、幼なじみの古女房のひだりを除いて、他のヒロインたちは妹ポディションなんですよね。敬介にとって、彼女たちは庇護すべき可愛い妹たち。
でも今回、それぞれに様々な事情を抱えた彼女たちは、まだ学生でしか無い敬介では手が出せない理由を持って、離れていってしまうことになるのです。自らの未熟さに忸怩たるものを感じながら、離れていった妹たちを思い、盛大にヘタレる敬介と、彼を見守るひだりの二人きりの日々。本来なら、主人公とメインヒロイン二人だけといシチュエーションは、淋しさを感じながらも時折甘い雰囲気が混ざってもおかしくはないんだけれど……この火が消えたような静けさは、なんちゅうかあれだなーー。姦しい娘たちがみんな嫁に行ってしまったあとの熟年夫婦の家?(笑
そんなヤサグレた落ち込み方するなよ、兄さんw
よくあるシチュエーションだと思うんだけれど、家族揃ってハイテンションの大騒ぎ、がデフォルトな作品なだけに、みんながいなくなってしまったあとの静けさが余計に沁みるんですよね。このぽっかり穴の空いた感覚は、かなり強烈であり、兄さんのジメジメしてササクレだった様子がまた哀愁を誘うもので、寂しいやら苦笑を誘われるやら。この兄さんは落ち込み方まで古風というか、古きよき江戸っ子だなあ。兄さん江戸っ子だったか知らないけどさ。

とはいえ、いつまでも落ち込んでばかり居るのは、短慮短気で行動あるのみの兄さんには似合わない。自分の未熟至らなさは百も承知、それが自分のわがままなのも百も承知。だが、取り戻すべきものは確かに心の中にあり、確かに瞼の裏に見えている。
ならば向こう見ずに突っ走るのが、椿敬介の兄さんたる所以。
ここで惚れるのが、兄さんが一人で行こうとぜう当然のようにひだりに「付き合ってくれ」と頭さげて頼むところであり、彼が決意するまでを優しく促すように見守り、彼の求めにあったり前じゃん、と言ってのけるひだりの女っぷりなのでした。やっぱり、ひだりはこのファミリーのおっかさんだ。

次は待たされず、最終四巻は来月発売。もう、最初からテンションマックスで間違いなし。さてさて、どこまで青天井にハイテンションになるのか、今からワクワクでありますよ。

2巻感想

無限のリンケージ 4.サムライ・インパクト3   

無限のリンケージ 4 ―サムライ・インパクト― (GA文庫)

【無限のリンケージ 4.サムライ・インパクト】 あわむら赤光/せんむ GA文庫

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 bk1

「四年、か……待たされる身は辛かったぞ、ラーベルト・カイガン」

 次戦の対戦相手であるハルト・ミウラは、そんな言葉をラーベルトに投げかけてきた。
 戦う価値のある相手としか試合をせず、しかもデビューから九年間無敗を誇る『無冠の帝王』ハルト。シャクナゲ門下の大先輩にして、切断力場の第一人者ガットゥサイをもスタッフとして擁する強敵に、ラーベルトたちは厳しい戦いを覚悟する。

 一方、コーチのオデットは夜の街路で一人の少年と出会う。シガード・ギクセン。グーシン帝国第四王子の名前を持つ彼の目的とは!? 新たな嵐が、惑星アスラに吹き荒れる!

サクヤは……その歳で表と裏の顔を使い分けるのか。いや、今がまさに裏表を使い分けだした端緒の時期に当たるのだろう。
ラーベルトやベックス、セシリアたち身内に見せる屈託の無い少女として、自らの才に自信と誇りを抱く偉大なる天才技術者としてのサクヤが、決して親しい人達には見せない、裏取引や危険にして大胆な駆け引きを冷然と執り行なう交渉者としての裏の顔。そのギャップにはかなりドキドキさせられる。この娘は、良い悪女の才能がある。
尤も、彼女の行動原理は表も裏も全く同じで、すなわちラーベルトのためという意味では一貫している。表のサクヤは、傍らでラーベルトの脆い心を支え、技術者としてラーベルトが全力で戦える術を与えることで、もう充分なくらいラーベルトを助けているのだけれど、恋する少女であるサクヤは、それだけでは自分が彼のために全力を尽くしているとは考えなかったのでしょうね。チームスタッフの中で唯一ラーベルトの秘密を共有し、彼の目的を助けると誓った身として、彼女は現場スタッフとして果たす役割を超えて、ラーベルトが考えるやり方を超えて、彼の望みを叶えようと奔走しているわけだ。なんて健気で献身的な、と思う一方で、きっとアーニャへの対抗心もあるんだろうなあとも思えるわけで……この負けず嫌いめ(笑
とはいえ、サクヤの動き方は大したもんだと思うんですよね。完全に表と裏を使い分け、切り替えて、身近な人達に違和感どころか一切気取られていないんだから。健気だろうと恋する少女だろうとなんだろうと、彼女が一端の「女」であることが窺い知れる。

そんな彼女やラーベルトたちにとって、今回は完膚無きまでの敗北であったのは、物語全体においても一つのターニングポイントになるんだろうか。今までは負けはあっても、試合の上での仕方のない負けや、状況によるものであって、万全の対策を取り、必勝の体勢で挑んだにも関わらず返り討ちにされたのは、今回が初めてだったんですよね。ラーベルトは勝利への執念で、サクヤは純粋な技術力で、言い訳の使用のない無様な敗北を喫してしまう。
負かしてくれた相手が、バーギャンのような好漢だったならここまで悔しい事はないんですけどね。相手のハルト・ミウラは狷介を拗らせてしまったような、歪んだ人物。チームのコーチであるオデットの兄弟子であり、もしかしたら意味深な関係になり得たかもしれない相手。ここで彼を打ち倒す事は、ラーベルトの最終目的も含めて、様々な問題が打開に向かうターニングポイントでもあっただけに、この負けは本当に痛いんだよなあ。
ただ、このハルトが当面の試合における壁としてではなく、ラーベルトの目的である故郷を救うことに深く関わってきた事は、かなり意外な展開だった。
新たに現れたシガード王子。ラーベルトの故国を滅ぼした国の王子である彼が、いったいどういう目的を持っているのかもわからないし。ただ、登場した場面をあんな風にした、ということは単純な敵ではないっぽいんですよね。ラーベルトからすると憎悪の対象なんだろうけど、肝心の滅ぼされた側の国の姫であるアーニャは、シグの事を悪く思ってないようだし、シグの方もアーニャにメロメロっぽいし。なにより、あんな姿を見せられたら、好感しか抱けないよなあ。可愛いじゃないか。
そもそも、彼の目的ももしかしたらラーベルトたちと決して敵対するようなものではないようにも思えるんですよね。ただ、単純に味方というのも、ちょっち怪しいところがあるし。ハルトとオデットの関係を思うと、彼の発言というのは物騒ですもんね。なんとか、穏当な形でまとまって欲しいところなんですが。
なにより、負けたラーベルトとサクヤの復活の矛先が、どこへ向けられるべきなのか、まだ提示されてないので、なんにせよ次だよなあ。恐らく、急展開が待っているだろう次巻こそが実質のターニングポイントか。

あわむら赤光作品感想

無限のリンケージ 3.レディ・フェンサー4   

無限のリンケージ 3 -レディ・フェンサー- (GA文庫)

【無限のリンケージ 3.レディ・フェンサー】 あわむら赤光/せんむ GA文庫

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すっごいいまさらな話で非常に恐縮なんですが、このシリーズの主人公ってラーベルトじゃなくって、彼をサポートするリングデザイナーのサクヤ・イバラなんですよ?
一巻から彼女の視点から物語が推移していたんだから、全く以て今更な話なのですが、今回はこれまでにも増してサクヤが主体となるお話だったので、改めて確認しておこうかと。

ディナイスとの試合を経てスランプを脱出したラーベルトは、一部リーグで快進撃を続けている。ラーベルトが抱え続けていた内面の問題がある程度前回で解消されたためか、彼の危うい部分はだいぶ拭い去られ、年相応の明るい顔が自然に垣間見えるようになっている。そのせいか、今回の話ではラーベルトは話のメインからは少しハズレているんですよね。今回はあくまでサクヤのお話であり、ベックスと彼の後輩であるカルラの話になっている。

「サクヤちゃん、お久しぶり!」
 昔の知り合いに会う、というベックスに同行したサクヤの前に現れたのは、大学時代に苦手だった巨乳のハグ魔、カルラ・フェルステルだった。

 かつてフェンシングを教えてくれたベックスに憧れ続けているというカルラは、銀河選手権を制したほどの使い手。しかも、いまや強力な近接特化型FTRであり、ラーベルトの次節の相手だというのだ! そんなカルラに対し、ベックスはFTRを辞めるように言い放つ。いくら対戦相手とはいえ、自分を慕う後輩に対しての冷たい態度に、サクヤはどこか納得がいかず……。

 果たして戦いと想いの行方は!?
無邪気なほどに一途にベックスに想いを寄せ、ついにはBRTという危険極まりない世界にまで踏み込んできた恋する乙女カルラ・フェルステル。しかしベックスは既に妻子ある身。それを承知でなお、彼と同じ世界に居たい。少しでも傍に居て、自分のことを褒めて欲しい。ただその一念で二年もの歳月をFTRとしての特訓にあて、十人に一人が事故死という名目で戦死するこの競技に挑んできた恋する乙女。その思いの強さ、一途さに同じくラーベルトに道ならぬ恋心を抱くサクヤはいたく共感し、次の対戦相手ながら彼女に感情移入してしまうのだが、肝心のベックスはカルラがFTRになったことに激怒し、サクヤが手を尽くして和解するよう尽力しても梨の礫で取り付く島もないありさま。
自分をしたってきた後輩に対する理不尽な態度に、サクヤは憤慨するのだけれど、そこはそれ、ベックスがカルラに怒り、突き放すにも相応の理由があるわけだ。
そりゃあ妻子ある自分に、何時までも未練がましく想いを残してしまっているカルラは、不毛な道を歩んでいると言える。そこははっきりと突き放してやるのが、可愛い後輩に対するベックスなりの誠意ある対応なんだろう。彼の態度は男としてとてもキッチリしたものだと思う。彼の意見は正論だし、なによりカルラを思ってのことだ。でも、サクヤは納得できないわけですね。
ここでサクヤが自分がどう納得できないのかを自問自答し、実に明快かつロジカルにその内実を明文化してくれるのです。これがまたハッキリすっきりとした論理で、ベックスの正当性を認めながら、サクヤが俄然奮起してここから事態をしっちゃかめっちゃかに振り回すだけの原動力がどこから湧いてくるのかが明快に伝わってくるので、こっからのサクヤの爆進は痛快極まるのだ。
もちろん、サクヤはどれだけ自分がムチャぶりをみんなにしているのか自覚はあるので、内心脂汗だくだくで、脚はガクガク震えまくっている。他人の人生を背負ってしまうのがどれほど重たいことか、サクヤほどの子がわからないはずがない。それでも、自分もまた恋する乙女であるという矜持ゆえに、これから自分がこの思いを貫く意志と勇気を持ち続けるためにも、ベックスとカルラ、二人の関係を悲しい結末で終わらせたくない、その一念で震える脚に喝を入れて大勝負に打って出るのである。
毎度のことながら、サクヤのカッコ良さはその天才性よりも恋する少女としての度胸そのものなんですよね。そして、その勝負の行方を託すのは、ラーベルトその人なわけだ。
震えるサクヤを支えるラーベルトのまたカッコいいこと。この話では、ラーベルトは特にサクヤの剣として振舞っていたんじゃないだろうか。

前回からの傾向だけれど、キャラクター同士の掛け合いがとても活き活きしていて、読んでいてとにかく楽しい。前回から登場のセシリアは、立場上話の主筋には絡んではこれなかったけど、その分おやじのディナイスとの親娘漫才が繰り返しギャグの要領で炸裂していて、二人の親子仲も順調だなあという感慨とともに思わずニヤニヤ。新登場のカルラは、すっとぼけた人懐っこさで、色々とサクヤを弄ってくれて、恋する乙女同士の純真な想いを突き合わせてのこっぱずかしい話も広げてくれて、これが素晴らしい人材でした、はい。
肝心のカルラ対ラーベルトの近接戦闘特化の高速機動戦もかなり盛り上がったし、うん、このシリーズはどんどん面白くなってきてますよ。以降、さらに注目だ。

1巻 2巻感想

無限のリンケージ 2.ディナイス・ザ・ウィザード4   

無限のリンケージ 2 -ディナイス・ザ・ウィザード- (GA文庫)

【無限のリンケージ 2.ディナイス・ザ・ウィザード】 あわむら赤光/せんむ GA文庫

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ディナイス・ザ・ウィザードってサブタイトル、確かに魔術師めいた器用な技量の持ち主だけど、ディナイスのあの暑苦しい筋肉ダルマなガタイを見てしまうと、ウィザードとか言われても詐欺っぽいというか何か騙されてる感を感じてしまうなあ(苦笑
とはいえ、この暑苦しさもまたキャラ立てに一役買っているんだが。あの暑苦しさの大半は見てくれよりも、うっとうしい親バカ加減にあるんだけれど、それ故に最強の敵として立ち塞がりながら妙に愛嬌があって、今回の話の流れにはふさわしい相手だったんじゃないだろうか。
前回はラーベルトの過去の因縁の憎むべき敵に対する復讐劇という側面が強く、どちらかというと競技ではなく旧世界の戦争の延長という感じだったのだけれど、今回は大きく方向転換して競技としての決闘BRTと、そこに挑むラーベルトとそのチームスタッフという形になってて、上手いことスポーツものに舵取りすることに成功している。特に、サクヤとベックスのみに焦点が当たっていたラーベルトのチームスタッフを、ちゃんと全員一人ひとり描いて、話自体も一部リーグに上がったあと連敗続きでスランプのラーベルトをどうやって勝たすのかと、試合以前のところでみんなで喧々諤々と意見をぶつけ合い、アイデアを出し合い、対戦相手が決まるやその対抗策をみんなで練り上げる、という槍を合わせる前の準備段階の描写を非常に重視し丁寧に描いているんですよね。こういう、バックアップスタッフに焦点をあて、本番前の準備段階をむしろメインにして話を進める作品というのは、大概はずれがないというのが、これまでの私の経験則。
お陰で、ラーベルトのスランプの原因というのはわりとあからさまなんだけど、そこにみんなが気づき、総意で以ってバクチのような戦術方針を選択し、最強の敵に挑みかかる展開は、素直にこれは燃えましたよ。
一巻ではサクヤとベックス二人だけのやり取りに終始していた賑やかな掛け合いは、オデットコーチにモニカやケディラ、セシリアが加わることでさらに楽しげなことに。ディナイスのセリフからして、BRTのチームというのはビジネスライクでチームワークというのには程遠いものが多いらしい中、このラーベルトのチームは見てても実にいい雰囲気で、暗い情念みたいなのが漂ってた前巻からの方針転換にも一役買ってる感じ。
対戦相手のディナイスも、前の最悪の卑劣漢と違って、実に堂々とした偉丈夫の戦士であり、少々イカレた親バカという愛嬌もあり、試合相手としては申し分ない相手なわけです。それこそ、相手を排除するのが目的な殺し合いではなく実力を存分にぶつけ合い、これ以降も何度も槍を合わせられる試合であることが喜ばしいと、ラーベルトにBRTを単なる贖罪の場ではなく、自身も楽しんでいい場所だという考えを芽生えさせ、サクヤたちチームスタッフと一緒に戦っているのだと実感させてくれるような、素晴らしい好敵手。
重たい負債を背負って戦うラーベルトですけど、この試合を通じて、なんかすごく良い方に変化してる感じで、このラーベルトならサクヤとの仲も今後進展するんじゃないかなあ。お邪魔虫も増えそうですけどw

一巻感想

無限のリンケージ デュアルナイト4   

無限のリンケージ ―デュアルナイト― (GA文庫)


【無限のリンケージ デュアルナイト】 あわむら赤光/せんむ GA文庫

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これはなかなか面白かった。というより、ほとんどサクヤの独壇場だよなあ、これは。
若干十六歳の天才工学博士にして、人形の如しと謳われるクールビューティ。というのは見せかけだけで、その実は担当する決闘競技の選手であるロバートに恋する年頃の娘さん。クールビューティーな外面は、もう完璧にロバートによく見せる為に繕ったもので、元々はどちらかというとガラッぱち。粗野で拗ねたひねくれ者。それがロバートと出会った事で恋に目覚め、一生懸命乙女を磨いて、数年かけて背伸びしたのが今のサクヤさんというわけで。
この恋のために頑張る少女のひたむきさ、冷静な見た目と裏腹の内心のクルクルと揺れ動く感情が、可愛らしいったらありゃしない。ヒロインとはいうけど、心情描写はロバートではなくサクヤ中心だし、彼女の方が主人公と言ってもいいのか。
頼りになるのかならないのか、妻子持ちで口と性格の悪い先輩とのやり取りも面白いんですよね。ベックス先輩、サクヤの本性を知っているのでお互いポンポンと遠慮なく口さがないこと言いあってるんですが、いざデートだったり自分の恋心に息詰まったりした時にサクヤが真っ先にベックスを頼りにしてるあたり、この嫌味な兄ちゃんのことよく信頼しているのが伝わってくるし、ベックスはベックスで何だかんだとこのお子様な後輩にいちいち世話焼いてて、可愛がってるのがよくわかる。恋愛臭はベックスが妻子持ちというのもあって全然皆無なのですけど、このコンビは好きだなー。

ロバートの過去と、その戦う目的。これはなかなか意表を突いてて面白かったんだけど、過去の破綻を経ての中世世界からギャラクシーな宇宙世紀な世界へのすり合わせがなかったんで、ちょっと違和感あったかな。
カルチャーギャップとかもあったんだろうし。まー、その辺は物語の趣旨的に重要ではなかったんだろうけど。

過去の愚直で青臭く、思慮の足りない若者らしいロバートは、これはこれで嫌いではなかったなー。ちょうど一つ年上のお姉さん姫様が、そんな彼を弟みたいに可愛がりつつ手綱を握っていて、ちゃんと恋人としてラブラブ時空を形成していたからだろうけど。こういうバカは、野放しにしておくとウザッたいことこの上ないけど、誰かがちゃんと首根っこ押えてたらわんこみたいで愛らしく感じるんですよね、不思議。
それだけに、現在のロバートの別人のような代わり様は、どれだけ過去の顛末が彼を打ちのめし、心を叩きのめしたのか。それでも、あれほどの絶望を抱きながら、やさぐれず心ねじ曲がらず、じっと耐えるように笑顔の仮面をかぶった彼は、姫が愛したようにまさしく強く真っ直ぐな騎士だったのでしょう。
そして、彼の過去を知り懊悩する中で、彼の仇敵との再会を目の当たりにして、決然とロバートの前に立ち、彼の仮面を引っぺがしたサクヤは、最高にカッコいいヒロインでしたよ。
敵味方をまるごと騙すブラフを仕込み、ロバートに本懐を果たさせるところなんて、もう痛快の一言。そりゃ、このちっこい娘さんに誰も頭があがらんわけだ。ベックスみたいな癖ものが一目置き、弄りながらも可愛がってるのもよくわかる。

色々と荒っぽく、強引なところも多いけど、こんな可愛くひたむきでカッコイイ肝の据わったヒロインがかけるなら、今後も期待せざるをえないでしょう、まったくまったく。

とのラブラブカップル振りが

クインテット! 2  

クインテット!2 [GA文庫] (GA文庫 え 2-3)

【クインテット! 2】 越後屋鉄舟/せんむ



いただきマッスル!!


ご飯どき、家族みんなが揃って元気よくこれを唱和してるというこの一点だけでも、この作品が凡百のハーレムものとは一線を画してることは明々白々ではないでしょうか。
てか、普通のハーレムものではこんな恥ずかしい台詞は場違いすぎて出せませんから!
まあ、このアホ極まりない挨拶をなんの衒いもなく主人公とヒロイン五人衆ならびに親父殿に義母さまが元気一杯に唱えてるという、そのとっぴんしゃんな空気は伝わらない?

どうにも【とらドラ】の方のテンションにはついていけない私なのですが、こっちのずっとメーター振り切れ状態ハイテンションマックスウェルには波長が合うのか、読んでる間中ゲラゲラ笑いっぱなし。
登場人物全員、アルコール入ってませんか? と疑いたくなるくらい最初から最後までテンション最高潮で、とにかく何もかもが楽しそうで、いやいやこんだけすっ飛ばしてるの読まされたら、日々の鬱々とした鬱積も否応なく吹き飛ばされますがな。
しかし、一巻でもそうだったけど、五人の少女と同居状態という言い訳の仕様がないハーレム環境にありながら、これほどハーレム臭がしない作品も珍しい。異性同士の同居ではなく、完璧に家族として機能しちゃってるんでしょうね。
ヒロインたちに何か問題が起こっても、当然のように主人公の敬介は敢然と手を差し伸べるんですけど、その姿勢は困ってる女の子に対しての男のそれじゃなくて、弱きを助け強気を挫く、オレの妹分になにしやがるてやんでい、なまるっきりガキ大将の頼りになる鉄火肌の兄ちゃんで、みんなの兄貴分というもので。
一方のヒロインたちも、好きな男に云々というよりもウチの兄ちゃん、みたいな感じで。思いっきり仲もいいし、女の子たちに関しては決して異性としての感情を隠してないんですけど、それよりも『家族』って印象がすべてを塗りつぶしてしまうほど強烈なんですよね。

椿一家、参上! みたいな(笑

意外とがっちり家族構成も自然に出来上がっちゃってるみたいだし。
敬介は一番上のアニキ。幼馴染のひだりがみんなのお母さん役。ぼんやりアイドルのつばめが一番上のお姉さん。次女が義妹の小唄。末っこが許嫁の操っち。ココだけはポディション謎だな(笑
いや、ココに関してはキャラ自体が混沌としてるしなあ。セレブお嬢様にしてメイドにして家来という登場時点のキャラ立ての段階で既に複雑怪奇の様相を呈しているのに、さらにヤンデレに腹黒キャラと盛りだくさんで、もはやなにがなにやら。

お前、着実にメイドとは関係ない方面にキャラ掘り下げてるよな。


と、作中で敬介殿も申し述べていらっしゃいますし(苦笑


しかし、家族のみならず、クラスメイトの主水と十兵衛も何か存在感ありすぎというか、ここで登場だ! という場面で期待に違わずちゃんと登場してくれるそのエンカウント率の高さは、放送開始から43分ほど経過した頃の水戸黄門の印籠並みじゃないか(笑
お約束にもほどがあるけど、もはや作者もネタにしてしまってるので、私的には面白いからもっとやれ!!

ただバカばっかりやっているだけじゃなく、ひだりとの幼馴染としての距離の近さへの甘えとか、ヘタレ馬鹿親父と息子との不器用な愛情とか、ふとほんのり胸が温かくなるような話も隙無く挟まれてて、見事にハートフルホームコメディになってるんですよね。
なんか、最後にはハートフルホームコメディ戦隊モノへと進化してましたけど……(汗
いやいや、確かに親父殿のふざけまくった説明はナチュラルにスルーしてたけど、一切合財誇張無く本当だったのかorz
まあ、でも最後までこのノリで行ってくれそうなので、まったく心配はしてませんけど。ああ、でも次の巻で終わり、というのはやっぱり惜しいですわ。こんなに楽しいのに。

最後に一言。最初、まったく似てない親子だと思った敬介と楽太郎だけど、ヘタレた時の敬介は確かに楽太郎に死ぬほどそっくりだわ(笑
 
1月21日

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