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ともぞ

偉大なる大元帥の転身 3.行きて、帰りし英雄譚 ★★★   

偉大なる大元帥の転身3 行きて、帰りし英雄譚 (ファミ通文庫)

【偉大なる大元帥の転身 3.行きて、帰りし英雄譚】 竹岡葉月/ともぞ ファミ通文庫

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大波乱の創立祭が終わり、ついに待ちに待った長期休暇。
この機会に、自分を召喚した人物に接触しようと意気込むケータに告げられたのは、成績不良者の退校宣告!
そんなケータを救うべく、つきっきりの特訓を申し出るライラ。
一方イリスは、『白の腕』にスカウトされ、学院を離れる決意を固めていた。
それぞれの進路に揺れる中、首都・水晶府に集まるケータたち。
皇帝、光の勇者、白の腕、四天王――彼らが一堂に会したその時、想像もしない驚愕の真実、
そして彼女の秘められた想いが明らかになる――!
出直し異世界転戦記、最終巻!!
うわぁ、そんなえらいことになってたのか。二巻の感想で散々魔王さまが引きこもって出てこないことにダメ出ししまくったの、正直済まんかった。まさか来たくても来れない事態になってたとは思わんかったですよ。まあ、これたとしてもフードゥ様は絶対に来なかったでしょうけれど。
でも、これはケータが可哀想だよなあ。完全に蚊帳の外だったわけですし、フードゥ様の優しさが結局ケータを傷つけまくっちゃったんですよね。とは言え、真実を最初から知らせていたとしても、フードゥ様が危惧したようにケータは自分を責めたでしょうし。でも、自分を悪者にしてケータを追い払う、という形はやっぱり不器用極まりないですよ、魔王さま。
お陰で、板挟みになったベスティアラがえらい可哀想なことになってたんですよね。ケータには真実を告げられず、しかし魔王さまの有様は見るに耐えかねて、どれだけココロをすり減らしていたか。ケータに何も告げないまま、でもどうか戻ってきてほしいと懇願に来たベスティアラ、あの時は単なる痴話喧嘩の仲裁だと思ってたんだけれど、彼女は彼女で一杯一杯だったんだなあ。
もうこれ、誰が悪いかというと『白の腕』の連中が悪いとしか言いようがなく、幾ら国の為を思っての行為とはいえ、皇帝の生命も勝手にBETしちゃってるわけで、あとの対応もけっこう酷いものだし、もうちょっと責任問題にしても良かったんじゃないだろうか、というくらいには腹立たしい。
結局これ、フードゥ様の勝ち逃げ、になっちゃうんだろうなあ。ラブストーリーとしては、ケータとフードゥだけで殆ど帰結してるし。残念ながら、イリスとライラはあの二人の一世一代の告白の答えがアレだったって時点で、
まるで相手にされてなかった、ということだし。ひ、悲惨だ。でも、二人とも実のところケータとそこまで親密になれてたかというと、友達としてはそれなりに仲良くなってたけれど心の距離を寄せきれていたかというと、そこまで深く歩み寄れるだけのエピソードの積み重ねはまだ足りてなかった気がするんですよね。
これは他の学友たちともおんなじで、結局最後まで秘密を抱えたままのケータと学友たちとでは距離感が詰めきれていなかった気がするんですよね。シリーズ的にはもっと巻数を重ねてその距離を詰めていくつもりだったのかもしれないけれど、三巻で片付けることになって性急に展開した結果、やっぱり足りないままで終わってしまった感がある。この距離を詰めきれていれば、ケータが本当は魔族の大元帥だったという秘密が暴露される展開にもっと劇的なインパクトが生じたんだろうけれど。
なんにせよ、伏線や幾つかの謎についてはきっちり清算したけれど、巻いて巻いての影響はやはり無視しきれなかったんじゃないだろうか、という結論。

シリーズ感想

偉大なる大元帥の転身 2.勇者と炎上トーナメント ★★★☆  

偉大なる大元帥の転身2 勇者と炎上トーナメント (ファミ通文庫)

【偉大なる大元帥の転身 2.勇者と炎上トーナメント】 竹岡葉月/ともぞ ファミ通文庫

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「帰っておいでよ、ヴェーレス」
合同調査から戻ったケータに、四天王の一人である百獣族の族長ベスティアリは告げた。その勝手な言い分に、怒りながらも心がざわめくケータ。そんな折、フレッドフォード召喚学院は、年に一度開催される創立祭の準備に沸いていた。成績上位者のみが参加を許されたイベントの華――精霊召喚タッグトーナメントで、優勝を目指して闘志を燃やすイリスたち。
それを尻目にケータは、光の勇者や“白の腕"が賓客として集結するその日こそ、元の世界に還る糸口が掴めるのではないかと意気込むのだが……。なぜか天才少女ライラとペアを組んで、タッグトーナメントに出場することに!?
波乱の出直し異世界転戦記、待望の第2巻!
魔王さまが表紙にでーんと出てるんで、ついに魔王さまご出馬か、と思ったら全然登場しなかった!!
あかんやん、引きこもったまんまやん。
引きこもったままで動向が伺えないままなら、分からないからこそ無視出来そうな気もするんですけれど、よりにも寄って魔王さまに命じられたわけでもないのに、ベスティアリが来ちゃったからなあ。
その理由があれですよ。魔王さま、凹んでるから帰ってきてあげて、って……。部下に気を使わすなよー。どんだけしょんぼりしてたんだ、魔王さま。ベスティアリは、部下であると同時に同姓の友人という意識があるみたいなので、余計に魔王さまの気持ち慮って余計なお世話をしにくてくれたんだろうけれど、もう完全にこれ痴話げんかの仲裁ですよね〜。
でも敢えて言うなら、自分で来い!
いや、ベスティアリに行ってください、と頼んだわけじゃなく彼女が勝手に来たのだから仕方ないんだけれど、それだけ心配させてしまうくらい凹んじゃってるなら、もうちょっと自分でなんとかしましょうよ。膝抱えて引きこもってるのか。やりかねない、と思わせられる魔王さま像。実際はちゃんと働いてるんだろうけれど。
でも、魔王さまが悪いんですよねえ。悪いと言い切っちゃうのも何だけれど、魔王さま寄りのベスティアリからして、ケータが可哀想と言っちゃうくらい魔王さまがヘタを打ってしまってるんですよね。
魔王さまもわりとか弱い儚げな少女系なんで仕方ないっちゃ仕方ないんですけれど……男の子の心は乙女のように繊細で壊れやすいんですのよ!?
一途系なら尚更に。女の子も面倒くさいかもしらんが、男の子だってそれ以上に面倒くさいのだ。女々しいし乙女だし、拗ねるし根に持つのだ。みっともないというなかれ、それが自然というものなのである。
ベスティアリとしては、悪いのは魔王さまだし大元帥には大変同情さし上げるが、ここはどうかそっちが折れてくださいよ、って頭をさげに来てるんですよね。態度、奔放で偉そうで自由極まりないけれど、真摯なんですよね。部下としてではなくフードゥの友人として、お願いしにきてたわけだ。
だが断る! と蹴っ飛ばすケータはノーと言える日本人ですね、流石です。
いやうん、ベスティアリには悪いけれど、ここは譲らん方がいいよ。ちゃんと、魔王さま本人に来てもらった方がいいよ。でないと、多分拗れる。お互い面倒くさいタイプなだけに、間に入って取り持ってもらったら格好はつくかもしれないけれど、変な距離で固まっちゃう。
あの魔王さまを動かすのは、相当に大変っぽいけれど。

さて、ゴタゴタは人間の学園サイドでも進行中で、前回ライラだけ地上に取り残されて死線を潜らなかったことが、こうも影響出てくるとは……。
本人はまったく悪くないどころか、クラスメイトたちを助けるために頑張ったのに、結果として孤立を深めてしまうことになってしまったわけで。地下で戦ったクラスメイトたちも、ライラが悪いとは思っていないのだけれど、それでも死地を一緒にくぐり抜けた戦友意識は、地上に居たライラとは分かち合えないわけで、かねてからのライラの特別扱いと相俟って、人間関係はこじれにこじれまくることに。
ライラもライラで、長年の習性から表面を繕うことに長けていた、というかそれを強いられる人生だっただけに、内面と外面の乖離が酷いことになって、えらいことに。
ケータがこの絡まってしまった結び目を解けたのは、ある意味当事者じゃなかったからなのかなあ。自分と魔王の件に関してはあれだけ意固地になってしまってるくせに。人の事ならよく見える、という部分かもしれないし、形式に拘らずに自由にライラの囚われていた意識を打破してみせるあたりは、ライラのように今の立場に縛られているわけではなく、彼の学生という身分が今唯一絶対のものではなく、大元帥という別の世界をくぐり抜けていた社会経験があってこそ、と思うとなかなか面白い。
ライラは、父の期待する娘としての立場や学生としての自分を捨てられないし、しがみついていかないといけないけれど、ケータは今の立場を「諦める」ことが出来るんですよね。その自由度こそが、思考の幅に繋がるのか。過酷な戦場での経験、というのは彼の強さの要素の一つですけれど、この自由度の大きさも結構占めてる気がするなあ。

で、ケータを召喚した相手も判明したわけだけれど、あれ? 黒幕的なものじゃなくて、アクシデントの要素多めだったの!? これは、召喚時の召喚者側の思惑から現状が相当に外れてしまっていることからも、事態は錯綜していると思われるし、ついにケータの正体に気づく娘も出てきてしまったわけで。
むしろお膳立てが揃って、ここからが混迷していきそう。

1巻感想

偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中3   

偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中 (ファミ通文庫)

【偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中】 竹岡葉月/ともぞ ファミ通文庫

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平凡な中学生だったケータが、異世界ディルスマグナに召喚されて早三年。フレッドフォード召喚学院に通うケータには、ある秘密があった。それは彼が魔王の腹心、大元帥ヴェーレスとしてかつて名を馳せていたこと! ヒトと魔族が和平を結んだ後、正体を隠し、強大な魔力を封じて元の世界に戻る方法を探すケータだったが……。ヒトの操る精霊召喚術はうまく発動せず、討伐するべき魔物はこっそり逃がし、ついた渾名は、任務達成率ゼロパーセント。しかしそんなある日、優秀な生徒だけを集めた遠征調査隊のガイドに任命される。その行き先はなんと、魔王軍の戦略拠点要塞ベルタ――元自分の城で!? 魔王の腹心が、落ちこぼれの戦術召喚士にジョブチェンジ!? 波乱尽くしの出直し異世界転戦記、堂々開幕!
この人に限らないんだけれど、超ベテランの粋に達している作家さんが流行りのジャンルに手を出しても、この流行が初乗りの人たちと比べるとやっぱりちょっと話の雰囲気、というか根本からの話の作り方が違うんですよねえ。基礎構文が異なっているというか。ベーシックとなる部分がこれまでの蓄積からなる経験によって形成の仕方、積み上げていくやり方のルールが違うんですよねえ。なので、同じような話の展開や構図だったりしても、独特の気配を纏っている。
……面白い。

しかしこれ、魔王軍の大元帥から落ちこぼれ学生に転進、というと思惑あっての事ならまだ格好つくのですけれど、実際の様子を見てると……殆ど家出だよなあ(苦笑
気持ちはわかるんだけれど、拗ねてるようにしか見えない可愛らしさが透けて見えてしまう。魔王さまの思惑が、そもそもどうして人間サイドと戦争していたのか、などの理由もわからないので、どうして和平を結ぶつもりになったのか、という理由も全然想像……出来ないわけではないのだけれど、根拠となる情報がさっぱりだからなあ。そこは魔王さまの気持ちも察してあげなよ、とは言えないか。
僅かな登場シーンから窺い知る限りでは、どう見ても薄幸の病弱系美少女でしかない魔王さまなんだけれど、強力なカリスマ性とかリーダーシップがある方には見えないので、やっぱりケータがやり過ぎてしまったんだろうか。いずれにしても、魔王さまと最終目標のすり合わせ、みたいなのが出来てなかったのは確か。ケータからすると、魔王さまの為に頑張ってきたのに、少なくとも魔王さまが望んでいると思ってその方向に頑張ってたのに、突然ハシゴを外されてしまったのだから、まあ不貞腐れる気持ちはわかるんですよ。そこで、クーデターだとか本意を問い詰める為に殴りこみだ、とならないあたり健全なのか、子供っぽいのか。子供っぽく見えるからこそ、家出に見えちゃうんだけれど。
だいたいさ、あの条件ってどう考えても最初に条件を出された段階で条件クリアされてますよね?
ぶっちゃけ、後続出演のヒロイン二人ではちょっと条件クリアできてるとは思えない。色々あって、好感持たれだしているんだろうけれど、さすがにあの条件をクリア出来てるとは思えない。だとしたら、その条件クリアしてるのって、条件を提示してみせたあの人としか思えないんですよね。
そう考えると、拗ねてないで戻ってちゃんと話しあおうよ、と言いたくなるわけですよ。あの魔王さま、どうにも言いたいことをグッとこらえて胸に秘めちゃうタイプに見えるし。拗ねて実家に帰る、と言い出して飛び出そうとする男の子に対して、引き止めることの出来るようなタイプに見えないんですよね。でも、直接言わないけれど、何もしないわけではなくて凄く遠回しにあれこれしたり、アピールしたり、と面倒くさい人っぽいんだよなあ。和平だってさ、先に大元帥に言っとけよ、てなもんでしょ? それを、直接言わないで先に人間側と話まとめちゃって、結果だけ見せてハイ終わり、とかあれ問答無用で結果出して止まらざるを得ない状況を用意しないと、ケータに止めて、と言えなかったんじゃないかしら。
自分、そういう面倒くさいヒロイン大好物なんで、あんまり放置しないでかまってあげて欲しいんですけどねえ(苦笑

終始ギスギスしたままで、本当に追いつめられてから素の顔を剥き出しにしないと生き残れない状況で、やっとキャラが立ってきた学園の実力者たち。逆に、次からは最初から生死の境を一緒にくぐり抜けた戦友たち、としてある程度気心の知れた状態で始まるので、男女問わずキャラがたくさん出てきましたけれどけっこういい感じの仲間たちとして動けるんじゃないかしら。
その意味では、ライラが戻ってこれなかったのは地味に痛い気がする。学友たちを心配して危険も顧みずに戻ろうとしていたのに、あれだと一緒に死にかけた他のメンバーたちとちょいと差が出てしまうのではないかと。いい子なだけに、ちと心配。

竹岡葉月作品感想

ミスマルカ興国物語 12 4   

ミスマルカ興国物語 (12) (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 12】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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エーデルワイスとキラに連れられミスマルカへと帰還したマヒロが目にしたのは、魔物に蹂躙され変わり果てた祖国の姿だった。全世界規模の災害から民を守るためにキラとの交渉に乗り、管理者として聖魔杯の秘密を語りだすマヒロ。一方パリエルとルナスは、マヒロ救出のためにミスマルカへと駆けていた。はたして聖魔杯は蘇るのか、そして魔物の侵攻を受けた世界の命運は―!?これはただ一匹の、牙よりも、理性を信じた蛇の物語。
こ、この大嘘憑きめーっ!! こ、これほど信用ならん主人公がかつて居ただろうか。マジか、まさかあれがほんまもんの聖杯やったんか。それを、しれっと今の今まで。いや、嘘はついていないのか? 単に本当のことを言わなかっただけで、あれを聖杯だと、ちゃんと明言はしてたのよね。る、ルナスさまーー! あんた、わりと洒落にならないことしてましたよ。
恐るべきは、彼はこれらの秘密を徹底的に理性を以って運用しているところなんですよね。確かに同じ非暴力主義という意味では川村ヒデオと同じはずなんだけれど、そのベクトル、根本はまったく違うキャラクターなんだよなあ、マヒロ王子という人は。やっぱり尋常じゃないわ。
そして、同じく尋常じゃないのはシャルロッテ第一王女。この人が本物の聖杯について把握していたとは思わない。というか、そんなこと頓着してないんですよね。聖杯の真実とか、そういうのはあくまで手段。彼女はその最終目的をマヒロと完全に共有していて、その目的のために必要なのは真実だの何だのじゃなくて、マヒロ王子その人そのものだというのを一切ブレずに一貫して捉え続けている。
必要とあらば、帝国だろうと自分自身だろうとマヒロその人だろうとぶっ潰すつもりで、だ。そこにあるのは、完全なる理性。マヒロにしてもシャルロッテにしてもちゃんと情を持っている「人間」でありながら、尋常ではない理性の怪物として成立している。
正しくこの二人、相棒で共犯者だわ。そりゃあ仲良しにもなろうというもの。この二人がセットになると際限なく暴走してはしゃいじゃうのもよくわかる。一番最後のところで相手の理性を完全に信用しているからこそ、マヒロにしてもシャルロッテにしても、あれだけ感情の赴くままに振る舞える、といえるんでしょうね。

にしても、うむむ、自分、未だここに至ってなお状況を甘く見ていたのかもしれない。どれだけ人類の危機とうたわれても、そんなポッと出の魔王なんて円卓クラスのアウターたちに比べたらどうってことないじゃない、と危機感が湧いてこなかったんですよね。実際、マリーチが復活の際にみせた暴威などかつてのそれと全く見劣りしてませんでしたからね。だからこそ、その円卓がまさか一度あちら側の魔王に敗北していた、という情報はこちらの危機感を根底から揺さぶるものでした。あのリップルラップルをして、そこまで言わせるか!!
円卓のメンバーの質が落ちているんじゃ、という考えも頭にちらついたんだけれど、古参もそれなりに残ってるっぽいしなあ。沙穂が円卓入りしていたのには仰天しましたけれど。単に長生きしてただけじゃなかったんかい。
エーデルワイスに関しては、さすがにそのケースは頭にはなかった。というか、ここまでメンタル弱々だったとは。ここまで一切弱みを見せてこなかったからこそ、敵にしても味方にしても手強い相手ではありましたけれど、事こうなってしまっては蛇の餌食となりますか。

しかしまあ……マヒロが正しく鈴蘭の意を汲んだ後継者かー。マリーチがあれだけ推すのも意外だったけれど。鈴蘭やヒデオと、マヒロやシャルロッテはその冷静さや理性の信奉者という意味で全然違うんだけれど、何が鈴蘭たちの後継者たらしめているのかというと……途方も無い理想主義者だということなんでしょうね、これ。夢見がちと思われるような途方も無い理想を、叶えるべく走り回ってる。それこそ、尋常ではない現実的判断と理性を以って。でも、決して情を捨て去ることなく、あくまで心ある人間として。
ラストシーンは、なんというか感無量でした。行き着くところまで行き着き、辿り着いたなあ。
第二部はこれにて幕。第三部は、やはりタイトル変わりそうな感じだけれど、主人公も変わってくるんだろうか。

シリーズ感想

ミスマルカ興国しない物語 〜ミッション・シャルロッテ〜 3   

ミスマルカ興国しない物語 〜ミッション・シャルロッテ〜 (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国しない物語 〜ミッション・シャルロッテ〜】 林トモアキ/浅川圭司 角川スニーカー文庫

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軍令本部長執務室―その部屋の主たる帝国第一皇女シャルロッテは、マヒロを呼び出し帝シュポ片手にこう告げた。「これは、帝都の危機よ!」「…。」「というわけで、お出かけよ!」シャルロッテ姫の帝国を思う気持ちに突き動かされ、帝都の窮地を救うためにマヒロが東西南北に奔走する!?WEB連載時から話題沸騰の「ミスマルカ」シリーズスピンオフ小説が、書き下ろしと幻の短編「天界クロニクル」を加えて書籍化!
全編ギャグでコメディなんだけれど、そのギャグ調、コメディ調でだって本来のマヒロ王子だと引っ掻き回す方に回るはずで、そのマヒロ王子の鼻面に縄つけて自由自在に振り回すことのできるシャルロッテお姉さまはやはり最強なのである。ガチシリアスでもギャグ時空だろうと、シャルロッテお姉さまにはマヒロは敵わないし頭があがらない。そうであってくれるのが、一番なんですけどねえ。マヒロにとっても、それが幸せになれる最良だと思うんだけれど。この王子は蛇の業にハマりすぎているだけに尚更に。シャルロッテはシャルロッテで、姫として帝国軍令本部長として国と家族を愛するが故に、あえて踏み外して業にハマっている人でもあるんで、彼女にとってもマヒロの存在は救いとして機能してるんですよね。この二人のコンビの意気投合っぷりは、単に性格の相性が噛み合っている、というだけじゃ済まない救済効果があると思うんですよね。
と、底抜けにバカバカしいコメディ話でこんなシリアスな話をしても仕方ないかもしれませんけれど、この腹に一物も二物も仕込むのが常態であるマヒロ王子とシャルロッテ姫が、こんな風に底抜けにバカバカしく裏表のないスチャラカなドタバタ劇を繰り広げて、本当に楽しそうにやらかしているのって、それだけでちょっとした救いなんですよねえ。この二人がそんなことをしていられる、というのはそれだけこの時の帝国が平和だってことですしねえ。まさにいっときの平和なのかもしれませんけれど、ちゃっかりガチで帝国の危機が混じってたりもするのですけれど、でも二人が謀略抜きで馬鹿騒ぎしていられるのは平和な証拠であり、ある意味ここが最終目標でもいいんじゃないかとすら思えるのです。この二人がこうやって馬鹿騒ぎしていられる地点が、ハッピーエンドの光景でなんらおかしくないじゃないですか。
ってか、やっぱりメインヒロインはシャルロッテ姉様がいいなあ。ルナスも悪くないんですが。
概ねシャルロッテお姉さまの水戸黄門的活躍、というか暴れん坊将軍でも良さそうですけれど、折角なので身分隠して世直しするなら、黄門様よろしく助さん格さん弥七にお銀ぐらいのスタッフは揃えてくれても良かったのに。帝国なら、これに伍する人材ならナンボでもいらっしゃるわけですから。……いや、誰居れても血の雨が振りそうだから、やっぱりいいや。

書き下ろし短編は、これミスマルカじゃなくてレイセンの方に入れる話じゃないの? と思ってしまうんですけれど、な【天界クロニクル】。何気に無理やりマリアクレセルさん、皆勤賞狙ってるんでしょうか。これで一応、林トモアキ作品に全登場ということになるはずですし。【お・り・が・み】とかで風邪で欠席していたガブリエルさんはこれが初お目見えかしら。ショーペンハウアーはおひさー。
とりあえず、マリアクレセルのあれはフラグというかフリでしかなかったというか、見事にジャックポット!!
そしてリップルラップルの自由さというか無軌道さというか、キャラなんて捨ててかかってこいよ、というらしさには色々と頭がさがります。なんでもやる魔王だなあ。ってか、ミズノの回し者という以外はなんでもありですよね、このお姉さま。

シリーズ感想

ミスマルカ興国物語 11 3   

ミスマルカ興国物語 (11) (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 11】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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軍令本部長であるシャルロッテの命令でゼムン行きの準備を進めていたマヒロ。しかし、帝国のヘリオト家がヴェロニカ商工同盟へ宣戦布告したことで新たな命令が下される。それは、「ヴェロニカ七領を全て陥としてくること」だった!一方同じころリーゼル、シーナ、パリエルの3人はそれぞれの目指すもののためにヴェロニカで集結していた。再び相まみえるかつての旅の仲間たち。命令を遂行するためにマヒロのとった手段とは!?
今度は本当の戦争だ!!
約一年ぶりの新作となったミスマルカ。書けなかった理由が微妙に生々しいというかガチというか、有り体にあとがきしすぎと言いたいけれど、そういえばあとがきはそういう作風でしたっけ。
そして、久々のミスマルカ興国物語は、これまでありそうであんまりなかった、戦場で兵士たちが血みどろになって殺しあうガチの戦争である。こういう場面になって、これまでで一番輝いているパリエルさんは、ほんと近衛時代から一皮剥けたというか、覚醒しすぎというか、ハッチャケたもんだよなあ。昔はもっと物事を割り切れなくて、グズグズばかりしていたのをマヒロ王子にイジられていたのにさ、随分と吹っ切るようになっちゃって。
完全に戦場の鬼じゃないか。一応、亡国のお姫様という立場にも関わらず、むしろ戦姫、どころか戦鬼と言わんばかりの屈託ないフリースタイルである。
いろんな意味でルナスと芸風が似てきた気がする。お互い、バカだし。バカだし。ただこのバカたちは、理屈抜きに一足飛びに物事の本質を掴んでいるタイプのバカなので、バカに出来ないんですよね。
ああ、そう言えばパリエルの家系って、億千万の刃の系譜なんだよなあ。業の伝承であって血統ではないみたいだけれど、ちょっちVZに似てきたか。むしろ、正気の軍曹、という感じかもしれないけれど。
いずれにしろ、振り切れたパリエルは、近衛としてマヒロに仕えていた頃よりも今のほうが彼を理解出来てる気がするねえ。理解者だからといって、恋愛感情はさっぱりみたいだけれど。理解出来てるからこそ、あれを男として見るのは無理っぽいのかもしれない。ルナスがゲテモノ食いすぎるのかもしれないけれど。シャルロッテも相変わらずお気に入りだしなあ。
今回の一件で、シャルロッテが本当の本気でマヒロに全幅の信頼を置いている、と確信出来た。マヒロもシャルロッテも、どこまでが本気か腹の中を見せないから、どれだけ本音で喋ってるように見えても信じ切れない部分があったんですよね。でも、とりあえずマヒロは置いておいて、シャルロッテはその目的からもマヒロの味方として動いてくれるんじゃないでしょうか。逆にルナスの方が立場に拘るかもしれない、と危惧するくらい。

しかし、今回の一連の事件はついに本丸に近づいてきた証明になるんだろうか。黒幕(?)が派手に動き出したことはともかく、まさかマヒロがここまで具体的にキラについて掴んでいたとは、相変わらずコイツは想像の上を行ってくれる。シャルロッテ様も、ちゃんとキラの怪しさについては掴んでたみたいだし。この二人の謀略戦の手際はほんとに信頼感があるわ。それでも、この二人の包囲網を食い破ってみせたキラたちは侮れないんだけれど。キラの語る時間切れを、マヒロたちもさすがに把握していなかったことが原因か。或いは、エーデルワイスが裏切りすぎなのか。なんか、一番裏切らさなそうなのが彼女だったのに、その彼女に二度も裏切らせるとか、作者先生も悪よのう。
ついに魔物の全面侵攻がはじまり、聖魔杯の鍵も揃い、と怒涛の展開を迎えた物語は、ついにクライマックスに突入するのか。次はあんまり待たせないで欲しいなあ。

シリーズ感想

ミスマルカ興国物語 エックス5   

ミスマルカ興国物語 エックス (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 エックス】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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最後の紋章調査から戻ってきたマヒロにシャルロッテが下した新たな命令は、帝都を騒がせる謎の怪盗を捕まえること。夜な夜な現れては貴族を襲うその人物は、赤い仮面を、いや、赤い仮面しか身に付けていなかったという。そんな、まさか、ヤツが帰ってきたのかっ!?その者、全ての衣を纏わず暗黒の帝都に降り立つべし―すべてのミスマルカファンに贈る、禁断(?)の物語がついに登場。


その者、全ての衣を纏わず暗黒の帝都に降り立つべしすべてを見通す預言者が残した破滅を救う最後の希望の担い手である勇者。その者こそ奴であり、この物語こそヤツの勇姿を再び拝める禁断のエェェェェェクス!!

十じゃありません、エェェェェェェェェクス!!

未だかつて無いすげえ表紙絵にペンデュラムも奮い立……ちませんよ? アァーーーッ、ではないのでたちませんよ?
にしても、えらいムキムキだなー、と少々唖然としていたが、この人マヒロ王子じゃなかったのね。そうだよな、あの頑丈とはいえひ弱な王子がこんな筋肉質なわけないよな。
まったく新しいゼンラーマンの出現である。しかし、タイトルはエックスなのに当人はスーパーなのか。敢えてスーパーXと名乗らないのか。むしろ四番目のゼンラーマンの方が衝撃的だったけれど。あのセンスは、なにげに素晴らしい。まさに怪傑!!

って、とんでもない馬鹿話のようで、中身はというと凄まじく真面目な話だったんじゃないだろうか、これ。全裸こそフリーダムにして自由の象徴とたわけたことを言っているようで、その実一連の出来事はマヒロがかつて掲げていた非暴力という武器をこれまでにないほど十全に振るった、ある意味理想の体現であったわけで、帝国に下ったマヒロをして、もう一度ただ飲み込まれたのではなく、帝国というフィールドでかつての理想を取り戻す、いやさらにバージョンアップして、何というか小賢しさを脱ぎ捨てて裸一貫でやり直すだけの志の進化を手にしたような、なんとも痛快で気持ちのよい話だった。
それに伴い、なんか本当の意味でマヒロがこの帝国でやってけるように思えたわけで。これまではどれだけ臣従しているように見えても、どこかで蛇として獅子身中の虫という風情が漂っていたのだけれど、変わらず獅子身中の毒蛇となりつつも、どの毒は獅子やその娘たち、彼らが作り守ろうとしている帝国やひいてはこの世界を殺すような毒にはならないという確信が持てた気がする。もし、毒蛇が殺す毒を放つとしても、それは獅子たちを裏切る形にはならず、それどころかそれが彼女たちの意志でもある、という形になるんじゃないだろうか。
そう思えるくらいには、皇帝陛下や皇女たちに今やゾッコンです。
いや、今回はじめて、ルナスこそマヒロとお似合いだと思えましたわ。これまではむしろシャル姉の方がマヒロの相棒とは相応しいと思っていましたし、その考えは揺らいでいませんですけど、今回のルナスを見ていると思っていたよりもずっと「マヒロ」という奇怪なナマモノを受け止めるだけの器の持ち主なんじゃないかと。これまでは、ルナスって追いかけて捕まえる人だと思ってたんだけれど、もしかしたら想像以上にマヒロという放埒な魂の止り木となれるキャパがあるんじゃないかなあ、と誰もついていけないマヒロの在り様を、あるがままに受け止める姿にそう思った。振り回されまくっているようで、そのズレた慣性と天然な順応性は、段々とマヒロと合致しだしてるんだよなあ。今や、建前もなくなってマヒロにべったりなルナス……彼女がマヒロの嫁、という流れは皇帝親父の抵抗むなしくもはや定まりつつありますが、これ本気でくっついてもいいんじゃないか。
問題は、マヒロの気持ちなんですが……そっちに関しては容易に内側を見せないからなあ、こいつ。ただ、もう情にまみれているのは間違いないかと。
情というと、面白かったのがシャル姉。この人、ホントに本気でマヒロのこと可愛がってるんじゃね? 今回見せた彼女のマヒロへの心遣いというか優しさは、完全に可愛い弟へのお姉ちゃんのそれ、なんですよね。ビジネスライクな関係とはもう露にも思っていなかったけれど、もっと彼女らが口で言っている通りのペット扱いだと思ってたんだが、むしろあの接し方はダダ甘姉ちゃんの要素も色濃く感じるほどでして。幸か不幸か、恋愛感情だけはさっぱり見当たらず、完全に兄弟愛方面なんだけれど、ユリカは別口にフラグ立っている人がいるので別として、長女と三女、両方ゲットは今でもアリじゃないかと信じてる、信じてる。

身に寸鉄も帯びず、それどころか鎧う衣すら身につけず、すべてをさらけ出して社会を覆う不穏に立ち向かうゼンラーマンたち。真剣でありながらバカバカしく、であるからこそそのバカバカしさこそが大事なのだという主張にはイカヅチを身に受けたような衝撃でした。
皇帝がかつてからいささかも志を変えず善き行いをしようと突き進んだ結果、肥大化した国はいびつな負荷がかかり貧富の差や情勢の不安によって、アチラコチラに不穏が生じ、民の不満が溜まっていく。
だからその不備を訴えよう、世直しを訴えよう、世の間違いを正そう、歪みを整えよう、と叫ぶのはある意味簡単なのだ。でも、本作でゼンラーマンたちが取った方策は、なんていうんだろう、対処療法どころか根源治療ですらなく、物凄くシンプルで大事なことだったんですよね。
ゼンラーマン・スーパーが暴力を振るうこと無く様々な障害を乗り越え、警備の編みを突破し、無数の兵士や帝国有数の天魔将の壁を突き崩し、あの三皇女たちすら振り切って皇帝の元に辿り着いた末に、自分の中に導き出した答え、皇帝陛下に対して訴えた一言には……感動すら覚えたのでした。
ただ、その言葉だけを発したならば、何も伝わらなかったでしょう。それくらい、その一言は単純でとても今の帝国を揺るがしている軋みによって生じたものを具体的にどうこうするという言葉ではなかったのですから。
ゼンラーマンスーパー、彼自身、最初は何もわかっていなかった。それが、ゼンラーマンという自由を体現しながら、それを貫いた先に辿り着いた答えだからこそ、本来なら不可能である警備厳重な皇帝の城の玉座にたどり着くという難事を成し遂げた上で献上した一言だったからこそ、これ以上ない真となって聞く人の耳に届いたのだ。
これほど熱い物語があるだろうか。
繰り返すが……感動した!!
ユーモアって、素晴らしいっ!

大笑いさせられながら、これほど清々しい気持ちにさせられるとは、文句なしに降参です。殆ど番外編にも関わらず、この一冊でマヒロのみならず帝国全体が成長したんじゃないでしょうか。唯一不安があるとすれば、やはりあの宰相の動向なのですが、皇帝以下一丸になって南極が訪れようとも乗り越えてほしい。
最初は敵だったにも関わらず、今となってはこの帝国の面々大好きになっちゃったもんなあ。

久々の登場の預言者さまは、昔よりもさらに自由に過ごしていらっしゃるようで。でも、悪趣味だった前文明時代と違って、今の彼女はわりとマトモになってる気がする。みーこもそうだったけれど、自我が堕ちた状態から戻れたら、多少は澱が払えてマトモになるんだろうか。
引き続き、次回以降も出番がありそうなので、色々な意味で活躍を期待したい。

林トモアキ作品感想

ミスマルカ興国物語 10 4   

ミスマルカ興国物語 X (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 10】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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最後の紋章を手に入れるべく、レンキスの遺跡へと向かったマヒロ。そこは冒険者たちから“帰らず神殿”と呼ばれる場所だった。先に訪れていたユリカと共に、早速遺跡の調査を開始したマヒロだったが、これが一筋縄ではいかず!?一方、ノエバ公の依頼によりパリエルたちも紋章を奪取すべく行動を起こすのだが、そこにはあの風牙衆まで加わっていて!?はたして最後の紋章を手に入れるのは誰なのか!?大人気シリーズ第10弾。
実は葉多恵さんもそうだったんだが、まるで昔から居るみたいに登場してくる新キャラって、マスラヲやレイセンではまだ登場してなかったりするんですよね。むしろ、先に此方で顔見せしておいて、それからあちらで出番を得る、みたいな法則になっているのかもしれない。というわけで、ケセランパサランのレイセンにおける登場はまさにこれから、と言うことになるのだろうけれど……旧世界で、いったいなにがあったんだ? と、唖然となるくらいに文明崩壊のひどい有様が、遺跡に残された記憶から明らかになる。
これまで、西の魔王という存在について、【お・り・が・み】や【マスラヲ】で描かれていた存在に基づいて想像をめぐらしていたんだが、もしかして根本的に何か間違っているんじゃないだろうか、という疑念に駆られるようになってしまったじゃないか。
それほど衝撃的な「黒歴史」!!
……決して、ユリカさまのブラック・ヒストリーとは一切関係ありません。
おのれ、まさか【闇の法王】が文字通り、闇の資質を備えていたとは。まさに禁断!! 触れてはいけない領域。そこに踏み込んでしまったマヒロは、闇の深淵を覗いてしまったといえよう。これは果たして、ユリカの弱みとなるのか、それともマヒロが揺さぶっただけで爆発しかねない焦熱爆雷を抱え込んでしまったのか。絶対後者だな。そして、これを姉上に知られてしまうと、あの人絶対面白がって爆発させようとするから、マヒロ・ジ・エンド確定w
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ミスマルカ興国物語 94   

ミスマルカ興国物語 IX (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 9】  林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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白薔薇(シャルロッテ)&蛇(マヒロ)、本格スタート!
最強策略家コンビの暗躍が始まる!


ついにグランマーセナルの帝都・シューペリアに入ったマヒロ。早速第一皇女にして軍令本部長、“白薔薇姫”の異名をとるシャルロッテから、貴族たちの動向を探る指示を受ける。警戒すべきは帝国内でも広大な領域を誇り、国家基盤を揺るがしかねない四大大公。しかし彼らもまた、中原地域の信頼を集めるマヒロに注目し、利用しようと画策を始めていたのだ! 人類統一を掲げる巨大帝国が、マヒロの出現によって、密かに軋み出す!!
こ、こりゃあアカン! シャルロッテってマヒロが絶対に敵わないタイプのヒロインだ!! てっきり、先の秘密会談時の鮮烈な謀略家というのがシャルロッテのキャラクターだと思ってたんですよね。明らかにマヒロよりも上手の策略家で政治家で理想主義者。でも、ただマヒロよりも天才で優秀で強かってだけなら、マヒロは彼女に対抗出来たと思うんですよ。彼にはどんな場面からでも相手の意表をついて卓袱台をひっくり返して思惑を台無しにするフレキシブルで奔放なスタイルが身についている。だから、相手が常識的な思考の持ち主である以上、どれだけマヒロよりも優秀で有能でも対抗し逆転できる要素が残っているはずなのだ。
ところがーーー!
そのマヒロよりも優秀で賢明で強かで陰険で清廉なのに、マヒロよりも自由奔放でフレキシブルで非常識で横暴だったりした人が居たら、そんなもんマヒロじゃ絶対敵わないよ!!
これがルナスみたいにただ奔放で横暴なだけのアホの娘だったら、口八丁手八丁でいくらでも騙くらかせる。
これがユリカみたいな思慮深い知性的な娘だったら、奇想天外な手段でいくらでも出し抜ける。
でも、シャルロッテは駄目だ。どうやったって無理だ。彼女にだけはもうマヒロでは頭があがらない。
マヒロが敵わないのは、あらゆる面がマヒロを上回っているからってえだけじゃない。それを前提とした上で、マヒロとシャルロッテの関係が同志でも仲間でも共犯でも恋人でもなく、お姉ちゃんと弟、というそれにハマってしまった事が最大の要因だ。

弟は、お姉ちゃんの傍若無人には絶対に逆らえない!
これは世界の真理である。

いや、意外だったのはシャルロッテの暴虐姉ちゃんっぷりもそうだったのだけれど、彼女がマヒロを完全に身内扱いしだした所だったんですよね。どれだけ信頼しても信用しても、仮にも相手は【蛇】である。一定の警戒と用心は欠かさない、と思ったんだけれど、ちょっと無防備なくらいの距離感で接してるんですよね。それこそ、ルナスやユリカたち姉妹と接するのと同じように。まるで家族のような無造作さで。もしかしたら、一応の婚約者であるルナスよりも、マヒロに対して気安いようにすら見える。ルナスはあれでマヒロが【蛇】であるという意識を常に欠かしてませんしね。それを踏まえても、マヒロが気になって仕方ないというところが可愛らしいのですが。
そう考えると、ルナスが真剣にマヒロをシャルロッテに盗られるんじゃないかと心配してるのはあながち杞憂じゃないのかもなあ。完全にマヒロ、シャルロッテのお気に入りの玩具になってるし。
実際は、シャルロッテはマヒロのことをこれっぽっちも信頼も信用もしてないのかもしれないのでしょうし、根本的に利用し利用されるという関係なのでしょうけれど、それとお姉ちゃんとして弟をいたぶ……、振りまわ……、可愛がるのは別と分けて考えているのか合わせて考えているのか、いずれにしてもあのマヒロをほぼ完全に掌中に収めてしまったのだから尊敬に値する。
これ、今後どれだけマヒロが羽目外してムチャクチャやっても、手綱を引きちぎって制御下から離れてしまっても、仮にシャルロットの思惑を上回っても、一度築かれてしまったお姉ちゃんと弟という上下関係と親身な構図はもう崩れないぞ、これ。
まあ現段階でマヒロとシャルロットの描いている未来図はほぼ重なっているようですしね。
ジェスとなんやかんやと絡みのあるユリカは別としても、もしかしてマヒロの三姉妹まとめて嫁に寄越しやがれ、という要求はあながち的外れな話で終わらないかもしれない。マヒロとシャルロッテの予想外の息の合いっぷりは、ほんとにお似合いでしたし。
ルナス、超がんばらないと本気で盗られるぞ、これ。パパ皇帝のマヒロへの過剰なくらいの敵愾心も、野生のパパの本能が囁いているに違いありません。
個人的にはもう、ルナスとシャルロッテ両方いただきます、は大いにアリなんですけどね。二人とも逃すにゃ魅力的すぎでしょう。

林トモアキ作品感想

ミスマルカ興国物語 84   

ミスマルカ興国物語 VIII (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 8】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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敗北から1年。マヒロは帝国領となったミスマルカ統治に協力をしていた。指示のまま仕事をこなす姿にかつての精彩はなく、肩すかしを感じるルナス。そんな時、帝国に反抗するペルーナ城攻略の指令がマヒロに下る!


あれあれ? マヒロが何か魂抜けちゃってますよ? ありゃりゃ、まさかこんな体たらくになるとは。マヒロがこのありさまだと、前巻の感想記事で分かった風に書いた内容が丸っきり的外れ、という間抜けな話になってしまうんですが(苦笑
てっきり、ラヒル王の死とミスカルカの失陥はマヒロの蛇としての資質を開花させる劇薬になると思ってたんだが、どうやらマヒロという人物の中身は本人が思っていたのとは、あるいは信じたがっていたものとは違って、まともであり普通であったようだ。確かに、マヒロという人はある種の異常者であるのは間違いないんだけれど、このシリーズがはじまった当初から彼が示そうとしていた根底から最初から在り方が狂っている異常者ではなく、まず常識的な情理を踏まえた上でそこから意識的に逸脱する事が出来る、というタイプである。それは、巻を重ねるごとに徐々に化けの皮が剥がれるように露呈してきた所であり、同時にそのポイントこそがマヒロの限界を示し始めていたんですよね。
だからこそ、7巻のクライマックスの展開はマヒロのブレイクスルーになるのだと思っていたのですが……どうやらマヒロは怪物になるのではなく、あくまで人として道を歩む流れに乗ったようだ。
まだ、辛うじて眠っていた蛇が目覚めたばかりでマヒロがどのような形で復活を果たしたのか判断し辛いところがあるのだけれど、今回の一件だけ見るとむしろ彼に言動にあった陰や歪みが拭い去られていたような感触すらある。以前の彼は、もっと人でなしたらんとしていた気がするんですよね。そういう、悪人になろうなろうと無理していた所が無くなったような。
まだこれからのマヒロの動向を見ないとはっきりとは言えないけど、このまま行くならマヒロは自分が想像していたのとは全く逆の方向から伸びていきそうだ。

思っていたのとは違うところはもうひとつある。ルナス姫の、マヒロへの執着の種類である。自分は、ルナスのマヒロへの関心というのは、マヒロの「蛇」としての部分に集約されていて、マヒロという「男性」にはそれほど興味ないのかと思ってたんですよね。それが、牙も毒も抜けてしまいすっかり大人しくなってしまったマヒロにあれだけ未練がましく拘り続けたのはかなり意外だったんですよ。マヒロが期待を裏切ってしまった以上、もっとあっさりと興味も関心も失ってしまうものだと思っていたのです。それが、引きずる引きずる(笑
その上、もうマヒロが元の「蛇」に戻らないと判断し、ついに諦め、見限ったその後も、ルナスはマヒロの事をほんとに気遣い、心配して、姉から庇おうとすらしているのを見て、ああこりゃルナス、マヒロの事マジだったんだな、と思ったんですよね。いつの間にか、彼の才能を愛するのではなく、マヒロ個人の事を好きになってたんだな、と。その好きが、果たして恋愛感情の好きにまで至っているかはちょっと断言しにくいんですけど、でも大事にしようとしているのは伝わってきたわけで。
そうなると、マヒロが以前のキレ味たっぷりの顔を見せた時の喜びようも違って見えてくるわけで……かわいいなあ。なんですか、ルナス姫、きちんとヒロインしてるじゃないですか(笑

一方で旧ヒロインだった人、パリエルさんというと、この娘はいろいろとしがらみやら何やらから解き放たれたせいか、随分とタフになったというか、精神的に大雑把になったというか、ウジウジしなくなったよなあ。なんか、かつての鈴蘭嬢の変化がダブって見えるw
彼女とマヒロの関係って、もともと色っぽい事は何もなかったからなあ。どちらかというと、共犯関係みたいな特殊な間柄だったんですよね。だから、こうやって一度離れると随分とサバサバした関係になってるみたいだ。これも、一つの友人としての形なのかしらねえ。

こうして国際情勢を仕切り直しして見てみると、現段階でマヒロはもう帝国に対して敵対する意味がなくなっちゃってるんですよね。私怨らしい私怨ももう無いみたいだし、中原諸国も帝国の支配下におかれ、少なくとも占領統治は反乱が起きかねないような圧政にもならず、うまくいっている。
最後にマヒロが自問しているように、前巻のシャルロッテの勧誘に乗った形になってるんですよね。やや時間は掛かったもの、シャルロッテの思惑はここに叶ったわけだ。それも、どうやら私が考えていたよりも、マヒロの危うさが減じた形で。お姫様にとっちゃ願ったりかなったり、か。
さて、肝心の魔王の正体がまだまったく不明なんですよね。次こそ、本番か。

林トモアキ作品感想

ミスマルカ興国物語 75   

ミスマルカ興国物語 VII (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 7】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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なんという、背筋も凍るような壮絶な展開!!
三女のルナスはまだ理解していないみたいだけれど、シャルロッテの語る現状と帝国の未来に関する見解を鑑みるなら、この第一皇女は考え得る最悪の流れの中で、敢えてその流れに乗りながら、その流れを打破するために絶対に必要だと確信した最強の駒を、手中に収める事に成功したことになる。これは恐ろしいことにミスマルカ国王ラヒルも完全に承知しており、マヒロもまたラヒルの手向けという遺言と、直前のシャルロッテとの会談から、ラヒルの意図とシャルロッテの要求を完全に理解した事が、カイエンに漏らした一言からも伺える。
シャルロッテの直前の勧誘は、彼が絶対に必要な人材だと確信したなかで、なるべく悲惨な悲劇を回避するための最後の懇願だったと言えるが、マヒロがミスマルカの王子である以上、それは絶対不可能な選択だったんですよね。あれはシャルロッテの優しさであると同時に甘さでしかない。あそこでマヒロを引っこ抜いても、ミスマルカがある以上マヒロはその才能を十全に発揮し切れないのだから。
ここで重要なのは、最終段階において獅子という表現は帝国そのものをさしており、皇帝と皇女たちはこれと分離して捉えられているところ。
そう、獅子に毒を盛ったのは誰あろう、シャルロッテその人だと言うことだ。想像だけど、確信に近いものは在る。
恐らく、彼女はこの段階で帝国を滅ぼしても構わない、と考えていることが予想出来る。最後の展開は、シャルロッテとしても自分の退路を立つ決断だったはずだ。マヒロは根本的なところで優しい部分があるし、正直皇女達に対して好意に近いものも抱いている。彼は自分の感情を押さえ込める人間だけれど、それでも決断が鈍ったりしがらみにとらわれたりする所があるのは否めない事実。
だけれど、その優しさや好意は、個人としては嬉しいだろうけれど、今後の展開としては彼に持っていて貰っては困るものなんですよね。マヒロに対しての仕打ちは、彼を頚城から解き放つと同時に、彼からそういった甘い感情を削除し、冷徹に迷いなく牙を突き立てる後押しとなるはずなのだ。
うん、そう考えるとマヒロへのシャルロッテの勧誘は甘さであると同時に、逃げでもあったのかもしれないなあ。

これは結局推察に過ぎないのだけれど、この段階でシャルロッテとマヒロはその間に憎しみと悲嘆ともしかしたら敬意が絡まり合った、だけれど紛れも無く平和という目的を同じくした同志である。
それを知るのは当人二人と、亡きラヒル。そして、下品な観客である預言者、その四人だけ。ユリカ皇女もエーデルワイスも気付いていない。

さて、ここで疑問が出てくる。
では、マヒロとシャルロッテの敵となる相手は誰なのか?
かつて古の昔、初代聖魔王誕生の時代、すべての惨劇の糸を引いていた最低最悪のキングメーカーは、ここに驚愕の復活を果たしてしまったわけだけれど、彼女は少なくともこれまで無力な存在でしかなく、復活した今後も観客に徹することを明言している。
こっそり疑っていた狐の子は、少なくともクーガーとの触れ合いの様子を見る限り、その人間性は昔と変わっていなかったようなので、これも無し。
この世界を管理する天使は今もなおちゃんと存在して世界を見守っている事は、この巻において証明された。
ならば、この動乱を影で操作しているのは誰なのか。
いずれ西から現れるという魔王はナニモノなのか。
人間も魔人も等しく滅びるという未来は、何によってもたらされるものなのか。
凄まじい展開とともに第一部が幕をおろしたわけだけれど、マヒロの旅路を追うことでこの乱世におかれた世界の各地がどのような状況にあるのかを見て回ったわけだけれど、知り得るべき情報が概ね開示された上で、しかし謎はむしろ深まるばかり。
間違いなくこの物語の本番は次からなのだろう。


しかし、マリーチの復活には心底驚いた。彼女はもう死に体以外の何者でも無いものだと、そういうものだと思い込んでいただけに。心のどこかで、アウターはこの世界観には介入しないと信じていたのかもしれない。誰も、そんなこと言ってないのにさww
やはり、あの凄まじいまでの化物っぷりは、鳥肌が立つ。いや、強さよりもあの最低最悪の根性が、全く変わらなかったことにゾクゾクとさせられた。あの圧倒的なまでの理不尽を、はたしてマヒロはどう飲み込んだのだろう。まだ、折り合いはついていないのかもしれない。

2巻 4巻 5巻 6巻感想

ミスマルカ興国物語 64   

ミスマルカ興国物語 VI (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 6】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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ぐーーーっ!? 

ちょっとここからはネタバレ必定の文章になるので、無駄かもしれないが格納しておきます。


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ミスマルカ興国物語 53   

ミスマルカ興国物語 V (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 5】 林トモアキ/ともぞ スニーカー文庫

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キミのゼンラーマンを描け!

とかさ、帯にデカデカとそんな企画ぶち上げちゃって。編集部はあれですか。ゼンラーマンを人気爆発みんな大好きなヒーロー様だと思ってるんだろうか……ある意味、その通りだから始末に負えない!!

全身を描く場合、「ゼンラー・ペンデュラム」が見えないよう御配慮ください。

ダメなのか!

ついに舞台は大陸から旧日本国。現大東京王国へと。いったい日本、どうなってるのかと思ったら……世紀末覇王が拳で支配してたーっ!? その上で伝説の九条があるから軍隊は持たず、ただ王の強さのみで君臨す。ただし統治はせず、みたいな?
世界最強のハンターギルド「猟友会」とか、相変わらずセンスがぶっとんでるなあ(笑
どうやら日本は旧文明の遺跡がたくさん残っている地域らしく、電子部品の残骸も多く出土しているらしい。その殆どが、回路を食われている、というのは意味深だけど。この時代、電神ウィル子がどうなってるのか、謎だったしなあ。電子部品の話題が出てきたという事は、ウィル子についても何らかの設定はあるんだろうけど(それが表に出るかどうかはともかく)
旧文明と言うと、今回おりがみ、マスラヲに出ていたあの人の末裔と思しき人たちが。黒龍号なんて秘号があるんだから、まず間違いないかと。なんで、こんな所で忍者やってるのか、というのも謎なんだけど。忍者と言うより、古代遺跡の防人という立場だと考えれば、かつての伊織と似たような立ち位置になるのかもしれないけど。長谷部はとっとと帝国行っちゃってるんだけどなあ。
そういえば、葉多恵さんはあれ、おりがみにも出ていた人なんだろうか。見てくれやあの正体から、合致する人はいないと思うんだけど、神殺しに虎徹で切られた、みたいなこと言ってるんですよね。虎徹といえば、おりがみでは剣神・水無月の時雨の袞州虎徹がすぐに思いつくんですが、水無月は長谷部に剣を伝えた人だけど、彼本人が神殺しかと言うと???だし。だとすると長谷部翔香がリリムを斬ったのくらいしか思い浮かばん。あれ、神器でもない普通の日本刀だったしなあ。だから、あれが虎徹だったとすれば色々と合致するのだけど、リリムの能力やビジュアルイメージが、どうも葉多恵さんとは合わないんだよなあ。

関係者といえば、ついに正体が明らかになったエミット。まさかそんな偉いとは思わんかったけど。彼女、フルネームみたら、ミドルに「リカ」の名前が入ってるんですよね。まさか、クラリカの関係者になるんだろうかw
それにしては、クラリカの凶暴性からは程遠い人格に見えるけど。怠惰性は似てるかw


しかし、状況がこうも混とんとしてくると、疑問が募ってくるのがマヒロ本人だよなあ。彼の思惑にしても目的にしても、その行動原理にしても、どうにも不気味さが隠せない。その言動には虚実が入り混じり、その奥に秘められたものがひどくグロテスクな感触がするんですよね。登場人物の多くがわりとあっけらかんとして、ゼルピムや帝国の上層部のいわゆるくわせ者たちも、ある種の明快さは絶えず示し続けている。それに比べて、マヒロはひたすらに不気味で危ういんだよなあ。今回、なんかマヒロのミスマルカの王子という身の上すら怪しまざるを得ないネタが出てきたし。それが、他でもないエミットに伝わった、というのもまた、意味深なんだけど。
とうとうパリエルの正体も、仲間にはバレてしまったし。彼女も、単なる護衛、というだけでない役割をこれから担うきっかけにも見えるし。
どうやら、次は教団が舞台みたい。内紛寸前の泥沼状態ということもあって、ゼルピム編に匹敵するグチャグチャドロドロの抗争が期待できそうで、なかなか楽しみ。


ミスマルカ興国物語 44   

ミスマルカ興国物語 IV (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 4】 林トモアキ/ともぞ スニーカー文庫

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なんて複雑怪奇な狐と狸の化かし合い。残念ながら、というべきか、投身ギャンブラー、マヒロ王子は今回はほぼ完全に手玉にとられてしまった、というところですか。父親であるミスマルカ国王に対してもそうなんですが、本物の海千山千の政治家に対してはどうしても一手後れを取ってしまうところがあるなあ。相手が悪かった、とも言えるんだけど、彼の立場はすでにミスマルカ一国だけでなく中原諸国全体を背負うものであるだけに、まだまだ若いな、では済まないんですよね。
マヒロが珍しく入れ込んでいるように見えたのは、彼の思う理想と共感できるものをゼピルム共和国の重鎮たちが持ち合わせていて、それをかなえうる場所にまで来ている、というところにあったように思う。自分と同じような思想を持っている人がいる、現実にそれを叶えようとしている、というのを目の当たりにしたら、興奮するのも否めないのだろうけど。
事実、マヒロとゼピルム大統領はよく似てるように見えるんですよね。理想の方向性といい、理想の高さといい、理想に比して自分を含めた人間に対して愛が欠けているようなスタンスといい。
ただマヒロと彼の大きな違いは、自分の理想を現実のものとして叶えるために、その自分の理想をも踏みにじることすら厭わない覚悟があるかどうか。本末転倒にも思えるけど、この大統領のスタンスってのは最終的な結果さえ伴えば、途中がどうなろうと構わない、というものと言えるのかもしれない。マヒロは、その理想を叶える姿勢の冷たさに対して、妙に潔癖な部分があるんですよね。その分、どうしても大統領やセリアに後れを取ってしまった感がある。彼の行動原理の根幹に、もしトラウマや負の感情があるのだとしたら、この潔癖な部分はなかなか捨てられないだろうしなあ。だとしたら、今の熱意でなく敵意や自傷的なやり方で理想を追い求めるようなやり方のままだと、なかなかあの妖怪たちを手玉に取るのは難しいぞ、どうするんだろう。

しかし、かつて魔人たちの組織であったゼピルムが、民主主義を掲げる共和国となり、魔人たちの国家グランマーセナル帝国と敵対的な立場にある、っていうのはまた不思議なことになってるんですねえ。
いったいなにがどうなってこうなったんだろう。
と、恐らくは初めてかしら。【お・り・が・み】からそのままの形で登場したキャラクターって。というわけで、「お憑れさまですーっ」の【先読みの魔女】セリアーナが、ゼピルム共和国国防大臣として登場。
あのちっちゃな子狐だった娘が、まーたおっそろしい大妖怪になっちまってまあ。昔は3本しかなかった尻尾が、今や8本――1本はかつて自分で切り取ってるから、今のセリアはまさに成熟しきった金毛九尾の大妖狐なんですよね。その力はもとより、何重にも意を伏した底の見えない権謀術数の手腕たるや空恐ろしいくらいで、ある意味頭の方は単純なのが多かったかつてのアウター、円卓たちよりもこれ、恐ろしい存在になっちゃったんじゃないでしょうか。
初代聖魔王とも面識のある彼女が、今の世界に何を想い、何を願い、何を求めているのか。その真意が見えない今、彼女の存在そのものがこの物語の大きな影となって横たわってるように見えるが、さて。


Zとカブトだと、なぜかカブトの方が新しい世代の気がする仮面ライダー世代。こうなったら、次はガールの登場を期待するべきなのだろうか。

ミスマルカ興国物語 4   

ミスマルカ興国物語 II (角川文庫―角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 供曄[咼肇皀▲/ともぞ スニーカー文庫



むう。
一巻と二巻、まだ二冊だけなんですけど、この主人公マヒロ王子。今までの林トモアキ作品に出てくる主要人物の中で、一人だけ飛びぬけて度し難いバカ野郎なんじゃないだろうかと思えてきた。
なんというか、このマヒロって誰も信用してないっぽいんですよね。全部、自分ひとりでやろうとしている。誰にも相談すらせず、本心を見せず、正体を見せず、力を借りようともせず、そのくせ天秤にかけているのは国家そのもの、臣下や国民のすべて。それらを軽々とチップとして賭けてしまう。
彼の信念は平和主義、暴力否定と徹底しているようだけど、それは理想というよりも自身のトラウマから発生した妄執に近いようなどちらかというと負の感情に近いようなものにも見えるし。
失敗に対しても方法論や自身の力不足に対しては反省しても、根本的な自分の独走的なやり方に対しては一切反省している節が見当たらないのが、なんとも将来的な不安が垣間見えてしまう。
もっとも、その行動原理が理想主義的な綺麗なものでないからこそ、こうしたいっそ独善的とすら見えるマヒロ王子のやり方に、嫌悪感や不快感を感じないのだろうけど。
ただ、こいつは一度、結果的にとんでもない地獄のような惨状を導いてしまいそうで、とても危うい。いや、彼の過去からして二度目の地獄を繰り返してしまう、というべきか。
まだ【お・り・が・み】の伊織なんかの方が、他人の利用の仕方にしても、相手の想いや力を理解し信用した上でそれを利用しているという悪としても相手に対して筋の通った利用の仕方をしてたように思うんですよね。それに比べて、マヒロの利用の仕方は、展開しえる状況の一要素としてしか重さがなく、突き放してる感があるんですよね。もし思惑通り動かなかったらそれで仕方がないと思ってるような温度の低さ。期待が感じられないというか。
しかして、この作中に出てくる人々のマヒロ評は、実のところかなり的確なように思われる。『人間として壊れている』『【蛇】』などなど。
彼のこの性格は、作者の意図的なものなのだろう。【戦闘要塞マスラヲ】の主人公ヒデオが、良く見るとマヒロとまるで真逆のキャラクター造形になっているのを考えると、果たして作者はこの【ミスマルカ興国物語】でどういう方向に物語を積み上げていく計画を立てているのか。
林トモアキらしく、巻を重ねるごとに世界観の巨大なバックグラウンドが垣間見えてきて、土台足場も整ってきた。この辺から加速が始まっていくのだろうけど、おそらくマスラヲとはまた違った方向に走り出すと思われるこの作品、楽しみなのは間違いない。

【お・り・が・み】との関連性も濃く見えてきた本作ですけど……長谷部の血統は、世代を経た結果、頭の中身はより一層劣化しましたか?(笑
どうやら魔人の国であるグランマーセナル帝国も、当初言われてたような人類の敵、という性格の国家ではなさそう、というのが明らかになってきたわけですけど、そうなると逆に帝国の戦争の真意が正確に伝わっていない理由や、どうして帝国がそれだけ急きたてられているのか、という謎が追随して増えてくるわけで。
とりあえず、長谷部が帝国側の将として存在してるという点だけでも、帝国が人間の敵というわけじゃないのはまず間違いないんだろうけど。
ただ【お・り・が・み】世界を引き継いでいるのだとしたら、ここで言われている魔王の存在も、単純に世界を征服する存在、破滅に導く存在ではない、ということが分かっているわけで、まだまだこの世界、いったいあれからどういう再構成がなされたのか、真相は闇の中ですか。
 
12月6日

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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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