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どぜう丸

現実主義勇者の王国再建記 XV ★★★☆   



【現実主義勇者の王国再建記 XV】 どぜう丸/冬ゆき オーバーラップ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

――今こそ「結束」の時だ

ハーン大虎王国、グラン・ケイオス帝国、そしてフリードニア王国が盟主を担う海洋同盟――世界は三大勢力拮抗の時代を迎えた。
そんな折に突如、ハイエルフの国・ガーラン精霊王国が三大勢力に接触を図ってくる。目的は魔王領拡大で失った領土の奪還要請。ソーマはメリットがないと拒否するが、大虎王国は要請に応じて軍を派遣する。
しかし健康な兵が次々と倒れる異常事態が発生。実は精霊王国では死の病「精霊王の呪い」が蔓延しており!?
全世界の脅威となり得る未知の病。これに対処すべくソーマが打ち出したのは、前例のない施策で――!?
革新的な異世界内政ファンタジー、第15巻!

未知の感染症の発生。このネタはコロナの前から始まっていて、完全に偶然だったらしいのですが、一旦様子見したあと流行が収まるまで年単位掛かることが予想されたのでそのまま続行されたそうですが。
コロナと違って空気感染ではない病気なので、近代医療設備も医療体制も整っていない中で世界規模の感染症が! という事態にはならず。そうなったら、フウガの拡大方針も何もかも吹っ飛んでシナリオを全部ふっとばさないといけないだろうけれど。
患者から周囲には直接感染はしない、という事はわりと早い段階からわかっていたので空気感染、飛沫感染ではない事ははっきりしていたのですが、それでも未知の感染症ということでソーマは厳戒態勢で臨むことに。そして万が一に備えて、海洋同盟内のみならず帝国、そしてフウガのハーン大虎王国とも医療体制の協力を打診していくことになる。
この世界において初めてとなる、全世界規模の国家間連携体制である。
フウガが野心を燃やし拡大政策を取っているということは、もうかの国は潜在的に仮想敵国なんですよね。しかし、敵対の可能性もある国家連合とも、こうして包括的に協力体制を築いていこう、という発想がちょっと前まで中世の範疇の文明だったこの世界においては存在しないものなんですよねえ。
フウガも、まだ敵対していないとはいえ微妙な緊張感が生まれつつあるフリードニアにメンツに拘らずに援助を求めるというあたり、同時代の人間としては並外れているのでしょうけれど。
最終的に、あの映像の送受信装置を使って一同に集う事が難しいだろう各国の首脳部を集めての首脳会談、この世界初のサミットを開催してしまうのですから。
そもそもこの時代、一国の王同士が顔を合わせて会談する事自体が稀なんですよね。使節を派遣して交流するのがせいぜいでしょう。それが世界サミットですからねえ。これがどれだけ革新的なことか。
結果として、国家や勢力の枠組みを越えて、医師団が派遣されて感染拡大の収束に成功するわけですから。

だいたい、あの宝珠がオーパーツなんだよなあ。あれで帝国の女帝マリアとホットライン繋いでいることでどれだけ世界変わっちゃってるか。どれだけ相手が信頼できるとわかっていても、使節や手紙のやり取りを時間をかけて行うだけの関係って、どうしたって意思疎通が途絶えがちになり、相手が何を考えているかわからなくなってくるもの。齟齬も出てくるでしょうし、誤解や解釈の間違いなんかも出てくるでしょう。ところが、マリアとソーマは頻繁に宝珠使って顔合わせて話し合ってるんですよね。これは本当に大きい。相手の目的も何を考えているか何を望んでいるかがちゃんと伝えあっている状態、ってのは必要以上に警戒を持たなくてもすむということですからねえ。
勿論、国益を優先させるために自国優先で相手を出し抜こうとしたり利益を確保しようとしたりする面は否めないですけれど、三大勢力となっている今の大陸の中のうちの2つが密かにこれだけ緊密に協力体制にあるというのは、大きいなんてもんじゃないんだよなあ。
まあ、帝国サイドの方は帝国の規模が大きいだけにマリアさんの威光を無視して動く者たちがいない事もない可能性も高いのですが。
とはいえ、今回こんな風に世界サミットが行われ、医療関係についてのみとはいえ、国家・勢力の枠組みを越えて協調していく旨が約束された、というのは国際連合的な国際機関の萌芽が生まれたという事でもあるんですよね。
フリードニア王国の安定と、海洋同盟の締結。そして帝国との連携は世界の枠組みそのものが急速に成熟の方向へと進んでいる、その推進力になっている。
こうなってくると、旧態然の他国を飲み込んで勢力拡大を目論んでいる、世界征服的な野心を抱いているハーン大虎王国って、なんか時代遅れなんじゃないか、という風な気もしてくるんですよね。
でも、世界を取り巻く急速な変化、革新の波は……急速すぎてその舵取りをしている国家指導層と比べて、一般大衆はまだ旧来の古い国家のもとに暮らしていた意識のまま、というのがあるんでしょうね。そんな人達にとって、フウガはわかりやすい英雄であり支持を集めやすい。
ソーマはそのへん大いに危惧していて、大衆の意識改革も急いでいるわけですが。

今回の感染症が魔物由来、というのも面白い要素でした。魔物、といってもまあ発生原因はともかくとして野生動物の一種みたいなものですし、その中に病原菌みたいなものを持っているものがいても不思議じゃないんですよねえ。その駆除のために、バチバチ傷つけ合ってたらそりゃ病気が発生する要素はいくらでもありますわなあ。
大体、こういう疫病ってのは敵の罠とか、バイオハザードを狙った仕込みだったりするのですけれど、自然発生的に起こるのが尤も不自然でない展開とも言えるんですよねえ。
特定の宿主によって発生する病気、ということで今回のは風土病という側面もあり、興味深い話でもありました。
一方で、その病気の内容というか病状の発生原因に、この世界の成り立ちに関係する要素も介在していて、話の構造的にも多重になってるんですよねえ。

フリードニアに留学しているフウガの妹、ユリガはこうしてみると新旧世界の狭間に立って両者の相克を一番真剣に見つめている娘なのかもしれない。この娘、イチハくんを意識してたりはしないのかしら。イチハとトモエのお互い無自覚な想いに溜息ついたり応援したりする姿勢を見せていて、自身は二人の間に入ろうという気さらさらなさそうなのだけど。さて、本当にそんな気ないのか、それともこの娘も無意識なのか。


八城くんのおひとり様講座 ★★★☆   



【八城くんのおひとり様講座】  どぜう丸/日下コウ オーバーラップ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

「私に、一人の過ごし方を教えてほしいの!」
ぼっちを極めた俺・八城重明にそう頼んできたのは、リア充グループの人気者・花見沢華音だった。
周りの友人に合わせてリア充でいることに疲れたという華音に、俺は一人で楽しく過ごすための“ぼっち術”を教えることになるのだが――その結果、華音に師匠と呼ばれて妙に懐かれてしまい!?
さらに華音との交流がきっかけでリア充たちの抱える問題に首を突っ込まざるを得なくなり――!?
ぼっちの達人とリア充たちが繰り広げる青春ラブコメの最先端、ここに開幕!


なかなか厚かましいですよね、「私に、一人の過ごし方を教えてほしいの!」って言ってくるのって。ボッチの拗らせ具合によっては、喧嘩売ってんのか、と言われそうな話ですし。とはいえ、こうやって堂々と面と向かって質問して来れるのが、リア充と言われる人種のコミュニケーションに対するハードルの低さなんでしょうなあ。フットワークの軽さ、と言ってもいい。
事前に別のぼっちに同じことを質問しようとしてマルっと無視されているにも関わらず、メゲずに聞いてくるわけですから。
その無造作さ、場合によっては無神経とも取られかねないコミュを、同じリア充グループ内では取れないんですよね、なんでか。合わせて自分を消費してバランスを取らなければ、コミュが成立しない。
こうやって無造作に声をかけてくる、という事はそういう気遣いをしなくていい相手と認識している、とも取れるわけで。
最初は華音にとって八城重明というクラスメートは、まあその程度の相手だったわけだ。名前も覚えてないような相手だったわけだし。
仲良くなってからも、顔色を伺う必要があんまりなく気軽に付き合える相手、と認識しているのだろうけど、いずれにしても別枠ではあるんですよね。普段付き合いのリア充グループとは。そっちに引っ張り込もうとはしていないわけですし。そうやって別の対応が出来る相手を作る、というのは一つの集団の中でだけ時間のすべてを費やすよりも、そりゃあ気分がリフレッシュできるだろう。世界を一つに固定しないというのは賢い生き方である。世間が狭い学生の身なら尚更だ。
ぶっちゃけ、その時点で華音の目的は達成されているんですよね。一人の時間というのは、華音にとってそこまで重要な代物ではなかったと言えるかもしれない。まあ偶に気が向いた時に独りで過ごす手段を身に着けた、という意味では尚更悪くはないのだけど。
も一人の威堂智風についても、傾向は違っても方向は一緒だ。八城と知り合うことで、一つの世界という閉塞に風穴があいた。外を敵視し殻を固くしていた智風にとっては、違うコミュニティと交流を持つようになったことで鬱屈から開放されることになる。周りの見え方から変わってくる、というやつだ。そうなると、今まで居た元のコミュニティに対してももっと柔らかい見方が出来るようになる。華音も、元のグループに感じていた窮屈感が和らいでいったんじゃないだろうか。好循環である。
なるほど、リア充グループの中心である羽鳥くんが、二人の不調を感じながら自分ではどうしようもなかったので、八城には感謝している、と言ったのも納得である。こればっかりは、同じコミュニティの一員である羽鳥には、如何ともし難いものだからだ。というか、この高校生、人間関係に対しての理解が深すぎるんじゃないだろうか、えらいやつだ。

ちなみに、肝心の八城くんのおひとり様講座の内容については、あまり感銘を受けるものはなかったなあ、うん。なんか時間の潰し方、という感じのものが多くて、一人を楽しむ、という時間の有意義な使い方、という感じではなかったですからねえ。これに関してはお一人様の先人である【お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。】(富士見ファンタジア文庫)の春一氏が、まさにお一人様の達人、という感じで独りで過ごす幸せな時間を極めていたので、どうしてもそれに比べてしまって……。
まあでもさ、八城くんのそのお一人様の楽しみ方って……自分それ、独りで楽しんでたんじゃないんじゃね? というアレでしたからね。それら、他の誰かさんから教えてもらって、一緒に堪能してたわけですから、究極的に独り関係ないヤツですもんね。
……見方によっては、華音たちに教えたそれって自分たちのデートコースじゃねえかw

あれ? この八城くんってもしかして、と思ったのはわりと早い段階でしたよ。いや、あからさまになんか怪しかったですからね。八城くんとしては、別に隠し立てもなにもしてなかったのかもしれませんが。
ぶっちゃけ、八城くんのどこがボッチなんだ、と思うところもありまして。クラスで誰かとつるんでなかったらぼっちになるんだろうか。そもそも、やたらコミュ力高いのは結構一目瞭然だった気もするのだけど。
八城くん本人が、自分をぼっち、と規定している、というのもあったのでしょうけれど。これに関しては、彼に限らず登場人物の全員が、ぼっちかリア充かでどちらかじゃないといけないみたいに自分を規定してレッテル貼り付けていた印象もあるんですけどね。
そこまで拘らんでも、と転校生佐藤柚月を巡るトラブルを介して思ったり。八城くんの主張はロジックとしては理解できるんですけどね。柚月も、ぼっちを脱却したいと思っている人種だからこそ誰よりもぼっちとかリア充というレッテルに拘っているところもありましたから。
でも、自分じゃダメなんだ! と、そこまで力強く主張しなくても、と思ったり。
いずれにしても、羽鳥くん、あれは聖人か何かなんだろうか。後のフォローも含めて、対人能力が神なんですけど。

というわけで、真打ちは最後にやってくる、メインヒロインも遅れて最後に姿を表す、ってやつでした。すげえ、いきなりラブラブのラブコメになったぞw
二人の少年少女の甘酸っぱい幾つもの初めてを重ねていく物語。他人とうまくコミュニケーションをとれずに自分の殻に閉じこもっていた少女が、急かさず先走らず同じペースに合わせて寄り添ってくれる初めての男の子に、恋をしてしまうお話でした。
これ見ると、八城くんの懐の深さはまたべらぼうなんですよね。相手のペースに合わせることが難しいし、そもそも人によってペースが違うという事を理解できる人の方が珍しかったりする。この娘、ヌエのそれは時間の流れが違うんじゃないか、というくらいペースが異なっているのに、八城くんはそれを見つけ出すことに成功してるんですよね。
ヌエからしたら、人生で唯一のジャックポットですよ。生涯に一人出会うか否か、というような相手ですよ。そういう相手とこの歳で出会える、というのは幸運であり幸福であり。そして、それをおめおめと逃さないだけの、勇気がこの娘にはちゃんとあったわけだ。
あまりにもベストカップルすぎて、ちょっと他の娘入り込む余地はなさそうですなあ、これ。はい、残念でした華音さん智風さん。まああんまりにもラブラブすぎて、華音たちも割って入る気にもならなくなってしまったようですが。まー、あれだけピュアに一途に恋する少女してたらねえw
というわけで、裏章の甘酸っぱさにはちょっとアテられてしまうほど、遅れてきた真打ちは強力でした。
メインヒロイン、てのは別に最初から出てりゃイイってもんじゃないんだなあ。



現実主義勇者の王国再建記将 ★★★☆   



【現実主義勇者の王国再建記将検曄,匹爾Υ檗薪澆罎 オーバーラップ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

九頭龍諸島を脅かす巨大不明生物を討伐したソーマ。
王国民はソーマの活躍を大いに称えるが、世界はさらなる快挙に沸いていた。
魔王領、一部奪還――東方諸国連合の小国・マルムキタン王フウガが挙げた大戦果である。
東方諸国連合内で急速に勢力を拡大していくフウガ。
これに危機感を抱いた反フウガ派による“フウガ暗殺未遂事件"を発端として、東方諸国連合は各国入り乱れての大規模な戦に突入し……!?
――この争乱の果てに、世界は新たなステージへ移行する。
革新的な異世界内政ファンタジー、第14巻!

さすがに主人公サイドじゃないだけに、フウガの躍進を何巻もかけてはやらないか。
というわけで、この1巻で一気にフウガが東方諸国を統一することに。本来なら小国が乱立していて利害関係も複雑に入り組んでいるだろう地域の統一は時間が掛かるものなんですけどね。さらに、チマ公のように係累を各国に送り込んだり婚姻政策も各国同士で結ばれているだろうから、なかなか勢力が纏まることなく統一するとなると虱潰しの様相を呈してしまうのだけれど。
ここでポイントとなったのは東方諸国連合が魔王領と隣接し魔物の脅威を常に受けている地域ということなんでしょうね。利害関係の存在しない人類種にとっての明確な敵が外に存在して、それに対抗しえる英雄の出現は指導者層を除いたその地域全体の希望と期待を一身に背負う存在となったわけだ。それでも、反フウガ派なんてものが確立され、勢力として集合してしまったことが本来複雑化してチマチマと絡まった糸を解くようにしていかないと行けない対立構図を一気に簡略化単純化してしまった事が、統一事業に拍車をかけたのである。
面白いことに、これに関しては反フウガ派の取りまとめを行ったチマ公の想定外ではなく、むしろ彼の意図した所であったのではないか、という節があるんですよね。
これまでのチマ公国の外交政策を維持するために、東方諸国連合の情勢を根底からひっくり返してしまう可能性が非常に高くなっていたフウガを早い内に排除する、という目的は嘘ではなかったのだろうけれど、もしフウガの統一事業を阻止できない場合は下手に地域に戦乱が続いて東方が荒れるよりも、一気に統一が成された方が東方全体としても、チマ家としても良いという判断があったんじゃないかと思われるのである。そのために、反フウガ勢力を糾合したとも取れるんですよね。勝っても負けても、チマ公の想定通りだったのだろう。後継者であるハシムがすでに最初からフウガと繋がっていたのを、彼が見抜けていなかったとも思えないので、チマ公マシューはある意味この戦乱を掌中に収めきっていたと言えるのではないだろうか。
敗れてなお、謀将としての凄味をより知らしめた傑物でありました。むしろ、この人がフウガ陣営の大参謀となってなくて良かったよ、と安堵するくらい。
まあ子供達からの人望があれだけなかった事からも、人徳はなかったんだろうけどなあ。
その意味では、長男のハシムも思いっきりその路線を継承してしまっているとも言えるのだけれど。才はあれど、やり方が陰惨で人から好かれるタチではないわなあ、あれは。
だからこそ、自分が王となるのではなく、参謀として政治や軍事のくらい部分を差配する立場に立つことを、仰ぐべき主君を得ることでこそ羽ばたける、という思いだったのかもしれないけれど。
ただほんと、このハシムってオーベルシュタインなんですよね。ある種のギラギラした自分の才能を発揮したいという欲を持っている分システムに徹したオーベルシュタインよりよろしくないかもしれない。
彼の提案した策は、フウガの統一事業を加速させた上で一気に安定させたかもしれないけれど、やっぱりフウガの英雄としての名望に曇りを与えたことは間違いないと思うんですよね。やったのはハシムかもしれないけれど、それはどうしたってフウガの成した事として認識されてしまう。
今のフウガの躍進が、時代の流れと民からの期待に後押しされたもので、実態以上に勢いによる加算が成されている以上、逆にその勢いが衰えた時に押し寄せてくるネガティブ、しっぺ返しは考えなくちゃいけないだろう。
ハシムが主導したかなり強引で陰惨な勢力としての整理整頓は、現状を勢い任せにしない地固めのため。実態を確かなものにするため。いざというとき踏ん張れるだけの土台、基礎を急いで固めるため、という目的は明らかなだけに、間違いではないんだろうけど。
どうしたってフウガに対しての恨みつらみは買ってしまっているし、今はもてはやしている民草も、いざ風向きが変われば見ないふりをしていたこれらの外道なやり口を唐突に思い出すことになるでしょう。
それに、ソーマたちはハシムの策を丸呑みしているフウガを、本来の自分の好みと違うやり方だろうと必要なら受け入れる器を示した、と濁を呑んだと評価しているけれど、ハシムが臣下に下って以降彼の策が全部実行されていて、なんだかフウガの主導が見えなくなっちゃってる感があるんですよね。呑むべきは呑み、拒否するものは決然と拒否する姿勢が見えていたら、ハシムを使っている感があったのですが。ハシム自身はちゃんと臣下として働いているのはわかるのですけれど、フウガという英雄の色が見えなくなってしまったなあ、というガッカリ感があったのも確か。
これ、昔からフウガに付き従っている古参の部下たちはどう考えているのでしょうね。彼らの趣向もまた、フウガと同じようなものだったでしょうし。顔をしかめるような卑怯な闇討ちやパワハラからの追放なんかを見せられ、協力しないなら危険だから処分するみたいな今までのフウガとは全然違うやり方を目の当たりにさせられて。
それを諸共しないのが、フウガのカリスマなんでしょうけれど。

しかし、東方諸国連合に所属しているユリウスたちはこれどうなるのかと思ったら、直球でソーマのところに亡命してきてユリウスが臣下に下るというのはさすがに予想外だった。いや、確かに現状現場で軍全体を統率する大将軍クラスってフリードニア王国にはちゃんと居なかったよなあ。
それができるライオン丸は今や影働きですし、これは良い貰い物だったんじゃないだろうか。ハクヤと共に政軍の二本柱が出来たということだし。


現実主義勇者の王国再建記 13 ★★★☆   



【現実主義勇者の王国再建記 13】 どぜう丸/冬ゆき オーバーラップ文庫

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敵対国家・九頭龍諸島連合へフリードニア王国艦隊の派遣を決定したソーマ。
故国を救うべく身を捧げた九頭龍諸島の姫シャボンを味方に付けたソーマは、彼女の手引きで王国艦隊の到着前に島へと潜入する。
――目下の問題は諸島連合艦隊よりも、近海に出没する謎の巨大生物。そう睨んだソーマは敵国内で巨大不明生物の情報収集にあたる。かくして判明したその実体は常識を逸脱した怪物で……!?
敵国艦隊と巨大生物、迫る二つの脅威にソーマが講じた策略とは!?
革新的な異世界内政ファンタジー、第13巻!

ああっ、そこまで昔から連絡取り合ってたのか。いやこれ、相当以前からじゃないですか。これは相手さんの先見の明を褒め称えないといけないでしょうし、余程の根気と忍耐と粘り強さがないとこの段階まで引っ張れないですよ。
やたらとソーマたちが和平を求めて飛び込んできたシャボンたちに辛辣だったのもわかります。献身的で現状を行き止まりと感じて打破するために自分から動く、というのは都合の悪い事実に目をそらしてなあなあで流れに身を任せてしまう事に比べれば上等この上ないとは思うのですけれど、危機感に対して深い考えなく動いてしまった、とも言えますからね。特に、深い思慮と遠謀とともに強かに交渉を続けてきたという比べる相手が居るのですから。
まあそれ以上に、何年も掛けて練り上げただろうシナリオに則って準備を整えていざ幕をあけたら、突然脚本も何も知らない役者が舞台に乱入してきて引っ掻き回されてはそりゃあ、何しに来たコイツ、てなりますよね。しかも、その乱入目的が計画の破綻に直結しているのですから、邪魔しないでおとなしくしててくれ、って事にもなりますか。
とは言え、なんにも知らないシャボンとしてはソーマたちに縋るという以外何も考えていなかったにしても、戦争を止めようという目的自体は彼女の立ち位置からすると間違ってはいないですからね。全然足りないにしても、彼女は自分の身でやれることをやろうとしたわけですから。
ただまあ、知らないとは言え自分から見事に地雷を踏み踏み踏んづけまくってしまったのは確かなのですけど。それでも、もうちょっと優しくしてあげてw

しかし、長年かけてシナリオ練り上げたにしては、本番での演技は大根もいいところだったような……。まあ、別に演技うまかろうが棒だろうが、ファニーウォーとして建前さえ成立すればよく、要は現場に王国と諸島連合の艦隊が勢揃いすればよかったのだから、別に演技力は求められていなかったのだろうけど。
それでもソーマはテレビ出演も多いんだから、もうちょっと頑張りなさいよw

その分、実戦の方で今までになく活躍してた気もしますが。あれをソーマの活躍というべきなのかは定かではありませんが。
というわけで、今回の本題は特撮怪獣映画。冒頭の嵐に襲われた島で未知の存在の痕跡が、というのはまさにゴジラ以来の伝統ある導入でもありましたしねえ。
いやでも、メカドラ出撃! には吹いた。完全にメカゴジラだこれ。漫画が違うw
これ九頭龍諸島連合の連中、魂消たどころじゃなかったでしょう。あんなの見せられたら。世界観が違うw
ソーマのあの人形の遠隔操作の能力の可能性については常々様々な形でアプローチされていましたけれど、あんなデカイの操作できるんだったらそれこそ戦争感が変わってしまい兼ねないですよ。あとドリルは定番、うんわかる。わかるんだけど、メカドラの腕に装着じゃなくてちょっと戦艦の艦首に取り付けて「海底軍艦突撃!」なノリも見てみたかった気がする。特撮でドリルだとやっぱり軍艦の艦首でしょう、定番は。

ただ今回注目すべきは派手なメカドラよりも、島型空母「ヒリュウ」の実戦投入でしょう。本来、海を嫌うワイバーンの部隊を搭載して、海上を自由に移動し好きな所からワイバーン部隊による航空攻撃をぶつけることが出来る海洋機動力の顕在化。
ソーマはここで、国家の方針としてシーパワー重視で国際関係の主導を握っていくことを明言しています。ちゃんとここで列島国である九頭龍諸島連合と盟を結んで海洋同盟を締結しているあたりが偉いんだよなあ。ランドパワーの超大国である帝国とは裏で密かに協力関係結べているし、もし大陸で大規模な紛争が起こって内陸の交通網が機能不全を起こしても、海洋交通網を握っている限り海運を通じて友好国との連絡や商業ルートは確保し続けられますし、空母の運用は常に攻撃のイニシアチブを握り続けることが出来るということでもあり、本当の最悪の場合でも九頭龍諸島連合という後背地が出来たというわけで。まともに戦わずして海洋の支配権、並びに九頭龍諸島連合という精鋭かつ多数の艦船群の協力を得られるようになったのですね。大陸中央ではいままさにフウガが勇躍をはじめている真っ最中ですけれど、こうしてみるともう既に着々と何が起こっても対処できるような、価値観の異なる者からすると全く視界に入らないところで盤石の包囲網が敷かれつつあるんですよね。
ユリガちゃんは、王国に居て間近に見えているから、また彼女自身の柔軟な視点からソーマの戦い方を理解しつつあるけれど、これを伝えるのは難しいだろうなあ。フウガもまた野性的な感性で何となくソーマの脅威はわかっているものの、わからないものを理解できるタイプじゃなさそうなんですよね。果たして、いつかあるだろう彼らの激突は、激突足り得る形になるのだろうか。
なにはともあれ、ジュナさんオメデタ!


現実主義勇者の王国再建記 Ⅻ ★★★☆   



【現実主義勇者の王国再建記 Ⅻ】 どぜう丸/ 冬ゆき オーバーラップ文庫

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傭兵国家ゼムから『大武術大会』への招待状を受け取ったソーマ。その大会は優勝者に「願いを叶える権利」が与えられるゼムの一大イベントであった。ソーマは国交が途絶えたゼムの招待に応じない構えであったが、元王国陸軍大将ゲオルグの娘が大会に参加すると報告が上がり!?
かつて王国の内乱で反逆者として処分されたゲオルグ。その娘が優勝して復讐を願えばゼムを率いて王国に戦争を仕掛ける可能性もある。彼女の真意を探るべくソーマはゼムへ赴くが、彼女に接触したゼム王もその思惑をはかりかねており……!? 革新的な異世界内政ファンタジー、第12巻!

いや、すっごい今更なんだけどまるっきりライオンの顔してる獣人が虎のマスク被って隠密やってるって見た目シュールですよね。カラー口絵にゲオルグの思いっきりライオンな顔が描かれてる所に、作中に黒い虎のマスクしたカゲトラが挿絵で描かれてたもんだから、ちょっと吹いてしまった。しかも、ライオン顔だと結構鬣のボリュームがすごいだけに、普段どうやって虎マスクの中にあの鬣収納してるんだろうと疑問に思ってしまって……。あの虎マスクかなりぴっちりした作りですよ? 見た目からして。もしかして鬣切っちゃったの? 散髪してスッキリしちゃってるの?
ともあれ、以前傭兵国家ゼムからの使者としてチラリと登場したカーマイン公ゲオルグの娘ミオ。内乱前にゲオルグから縁を絶たれて他国へと流れていたわけだけれど、この度ゼムの所属として出てきたわけです。叛乱者の娘という立場上、父親を討ったソーマと現在のフリードニア王国に対して思う所ありやなきや。いずれにしても、彼女を鍵として傭兵国家ゼムとの国家間の駆け引きが行われるかと思ったのですが……。あくまで、ミオ個人の考えによるフリードニアへの接触だったのか。
とは言え、ゼムの国家システムが武術大会の優勝者が国王と戦って勝ったらそいつ国王な、という強者勝者絶対主義、みたいな所があるので、ミオが優勝して国を手にしてしまえばそのままゼムとフリードニアの国家間問題へと発展しかねない状況だったわけです。
ゲオルグの反乱が、言わば国内の不満分子不穏分子を一手に集めて処分するためのゲオルグが仕掛けた策略だった事は国の中枢にいる人間はみな知っている事ですけれど、世間では未だ旧世代の叛乱者という扱いのままだったんですよね。彼の名誉回復についてはソーマも時期を見計らっていた、と言いますけれど、ミオに代表されるように関係者も決して少なくない以上、もうちょっと早く出来ていても良かったんじゃないでしょうか、と思わないでもない。現に、こうしてミオが行動に出ちゃってましたしね。彼女に野心や復仇の念、復讐心の類がなかったからまだ良かったものの、神輿として担ぐには便利な立ち位置の縁者を放置していたのは後手に回った、と言われても仕方ないような気がします。まあ今更、内乱の関係者が外からちょっかいかけてきても小揺るぎもしない程度には王国も安定していて、危機感を抱く対象ではなかった、というのもあるんでしょうし、裏方のカゲトラがそういう兆候を見逃すとも思えないので、予防措置はしていたのかもしれませんが。
でも、カゲトラって妻子の事ちゃんと様子見守っていたかというと怪しい気もしますけど。結局ミオが行動に移して姿を公に表すまで、カゲトラから妻子に関する報告がソーマの方にあがっていた様子もなかったですし。
まあミオってどう見てもアイーシャ系だったんで、放置してもよし、という考えだったのかもしれませんが。

さて、渦中におかれた傭兵国家ゼムですけれど、何気にこの国の位置って王国と帝国を挟んだ場所にあるだけに、現在王国と帝国の上層部が密に連絡を取り合う非常に仲の良い関係にある以上、ゼムが怪しい動きしても速攻で両側から潰されるだけなので、さほど怖いものじゃないんですよね。ゼムの王様は彼もかなり現実主義者の寝業師みたいですし、両国の仲が非常に良いものだと今回ゼムの国土で実現した両国首脳の会談を通じて悟ったでしょうから、よほど国際情勢が荒れない限りは自発的に地雷の上をスキップするような行動には移らないでしょう。
個人的にはマリアと対面しての、彼女と交わすことになった約束、それも口約束、が気になるところですけれど。帝国の行く末が微妙に見えないんですよね、現在。マリア陛下が健在である間はまったく問題なさそうではあるんだけど、彼女の配偶者候補に関してはさっぱり名前出てきませんし。
思考レベルと言い思想の方向性といい性格の相性といい、敢えて誰がいいかと言えばどう見てもソーマがピッタリではあるんですけど、それぞれの立場があるからなあ。帝国の帝妹将軍であるジャンヌと王国の宰相であるハクヤのいい雰囲気っぷりを見ると、本来立場上絶対に結ばれないだろう二人がどうにかなれるだけの何かが帝国と王国の間に起こりそう、などとうがってしまうのはメタから見過ぎかしら。

さて、話は東に移り、九頭竜諸国連合と王国との領海問題からの戦争を、ソーマたち王国側から仕掛けるような話になっていて、さて裏で一体なにが企まれているのか。またぞろ状況が動き出したところまで話を進めたところで次回へ続く、となっていて、この引きは相変わらず勿体ぶりますなあw



現実主義勇者の王国再建記 Ⅺ ★★★★   



【現実主義勇者の王国再建記 Ⅺ】 どぜう丸/ 冬ゆき オーバーラップ文庫

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国民の祝福を受けて戴冠式と婚礼の儀を終えたソーマ―その義妹であるトモエは今日、王立アカデミーの入学式へ向かっていた。正門をくぐり、学園生活の第一歩を踏み出したトモエを待ち受けていたのは―「っ!ねぇ、あれってもしかしてトモエ様じゃない!?」「元難民でありながら才を買われて前国王夫妻の養女に迎えられた…」「それってとんでもなく有能ってことよね」唯才令以降、階級主義から実力主義へ変わりゆく王立アカデミー。ソーマに直々に才を見抜かれたトモエは、多くの生徒達から注目を浴びて…!?革新的な異世界内政ファンタジー、第11巻!

この巻こそ、トモエちゃんが表紙じゃないのか、と思う所だけれど7巻ですでに表紙飾っているので再登場とは行かなかったのか。現状、二回表紙を飾っているのはリーシアだけですしねえ。
でも、それならヴェルザちゃんの方でも良かったと思うのだけれど。ルーシー、今回からのぽっと出でしたし。というか、この子ロロアのリスペクトはいいんだけれど自分からキャラ被せに行くのはどうなんだろう。ホントに被っちゃってるしw
ヴェルザちゃん、最初ちょっと混乱したのだけれどハルに助けられたダークエルフの子だったんですね。ってかキャラ全然違うじゃん! というのも結構大人びていて身長も高めだしダークエルフらしい身体能力の高さもあって、トモエちゃんの護衛役としてしっかりとした頼もしいお姉さん風になっていたものですから、いや誰!?と。
まあ、速攻でボロ出まくってたのですけどね。
同世代の子供たちの中に入ったら与えられた役もあって相応の振る舞いが出るものです。家族の前で子供然としていても、友達の前でもキャピキャピ子供子供してられないですしね、子供としても。
まあ、速攻で甘味の前でユルユルになってましたけど!
言うてしまえばトモエちゃんだって、年上のお兄さんお姉さんたちの前での振る舞いと、ユリガやイチハの前で見せ始めた年相応の顔は全然違いましたからね。
一方でトモエたちの前で打ち解けた顔を見せながらも、王女として仮想敵国に居るという意識を常に持っているユリガはそんなに態度や振る舞いは変わっていないだけに、彼女がまた違う一面側面を見せ始めたら、それは本格的にデレはじめた証左となるのかもしれません。

物語としては戴冠式を済ませて、次のシークエンスに向かう前の準備回とも言える所だったのですが、その分世界観の核心にガンガンと踏み込んでいった印象です。イチハくんの見せ場となる魔物研究のシンポジウムですけれど、以前のリザードマンの件などから生命としていびつであるのは伝わっていたのですが、ここまで徹底してキメラっぽいとは思わなかった。
これ、魔族と魔物って知性の有無どころではなく全く違う存在なんじゃなかろうか。ソーマが抱いた印象から見ても、獣人やエルフ側でしょうし。というか、魔物の存在自体想定外のイレギュラーという可能性も強いんだよなあ。
今の所、どんどんと魔族と争う必然性は状況が紐解かれるにつれて一つ一つ潰されていってる感じなので、もし戦争になるにしても種族の存亡を賭けた生存競争ではなくあくまで通常の国家同士の戦争紛争の範疇に収まりそうなのは安心材料なのでしょう。少なくとも、話が通じる相手ならソーマの分野でありますし、直接槍を交える接触点の遥か外側で誘導しまとめてしまえる、盤そのものを作ってしまえる為政者ですからね、ソーマは。
その意味でも、今回のおばけ祭り。魔族と接触する前に異形としての見た目に親しみを感じるように印象を刷り込む、一般庶民の感性のキャパシティを広げる狙いのソフトパワーによるアプローチは下準備にしても面白いんですよね。こういうところ、実にこの作品らしくて好きですわー。

しかし、今回は話が落ち着いていて国内の治世にスポットを当てていたせいか、余計にソーマの妃である嫁さんたち四人の働きっぷりがよく見えた気がします。というか、この奥さんたち奥に引っ込まずにそれぞれ仕事受け持って外に出て働いているので、なんか四人も奥さんいるにも関わらず共働き夫婦感が出ていてなんだか面白いです。リーシアとソーマがよく子供たち両親などに預けてあっちこっち出向いては、帰ってきてちゃんと子供の面倒見ている、という行動も共働き夫婦っぽいのでしょうけど。
それに、嫁さんみんなが外に出て自立して自分の仕事持ってるせいか、妃同士が仲が良くても自然発生的に生じてしまう閨閥争い、争いまで行かずともせめぎ合いみたいなのが一切見当たらないのも、この王族一家の面白いところですねえ。

現実主義勇者の王国再建記 10 ★★★☆   



【現実主義勇者の王国再建記 10】 どぜう丸/冬ゆき オーバーラップ文庫

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「今日この日より、私はこのフリードニア王国の正式な国王となる」
東方諸国連合から帰還して一息ついたソーマに、暫定国王から真の国王になるための戴冠式が迫っていた。日を同じくしてソーマと婚約者たちの婚礼の儀が執り行われることで、王都はかつてない活気を帯び始め―!?一方でソーマは自身の婚礼を機に、臣下にも結婚式を挙げるよう勧めていた。既に結婚を決めている者、夫婦になる覚悟ができていない者、自身の恋心に気づいていない者―それぞれの事情を抱える臣下をソーマは憂慮していて…!?革新的な異世界内政ファンタジー、第10巻!

ハルくん、思いっきりマリッジブルーじゃないか。フウガ・ハーンの覇者としての威風に戦士として惹かれそうになったのをまだ引きずっているのかと思ったら、既婚者諸氏から単に嫁さん貰うプレッシャーにビビってるだけ、と否定されてしまうハルくん。若いんだから仕方ないよねえ、男の子はナイーブなのさ。その辺、既にソーマはクリアしてしまっているので友とは言え同じ結婚前の男同士、肩組んで酒飲みながら不安と不満と愚痴こぼし合う、というわけには行かないのが若干寂しい。
同世代じゃなくて、既婚者のおっさんたちにアドバイスもらって回るあたりが、ハルくん何だかんだと優等生なんだと思うよ。
というわけで、ソーマの正式な国王即位と正妃側妃候補者たち五人との結婚式に合わせて、麾下のカップルたちも一斉に結婚する運びに。何だかんだと同時に結婚できるくらいに若い世代に重臣やその候補たちが揃っているというのは、国の未来の明るさを感じさせるものじゃないですか。かと言って、年嵩のベテランが払底しているのかというとちゃんとしっかりいい歳した大人どもも現役で頑張ってくれているわけですし。
とはいえ、ハルのように結婚前に不安定になってウロウロさまよいだす奴もいれば、なかなか踏ん切りつかない所もあり、そもそも自分の恋愛感情に気づかないまま傍に侍っているメイド長みたいな人も居て、結婚にこぎつけるまで紆余曲折あるのでした。
こうして一組一組丁寧に結婚に至るまでに生じているトラブルや問題の解決、感情的な行き違いの調整なんかを描いてくれるというのは良かったです。それぞれに人生があり、今その転機を迎えているというのを実感とともに描いてくれると、それだけキャラクターに愛着が湧くというもの。ただでさえ登場人物が多いのですから、雑に扱ってしまうとすぐに物語の進行の中に埋もれてしまい兼ねないですし。
その点、この作品はひとりひとりの存在感が薄れないんですよね。それだけ、細部に至るまで丁寧に描いてくれている、という事なのだと思いますよ。早速、ソーマとリーシアの間に生まれた双子の赤ちゃんも個性が出だしていますし。

そう言えばユリウスくんもしっかりティア姫と結婚して国を継いだのか。あそこも東方諸国連合の一角、しかも魔王領に隣接している北側となると、国内の統一を終了し魔王領への領土拡大政策に打って出たフウガの脅威に真っ先に晒されている、ということになるんだよなあ。一番危ないポディションだけれど、どうするんだろう。既にソーマと密接に情報のやり取りをしていて、もう完全に盟友の立ち位置だと思うんだけど、そこ。


番外編の先代王妃のエリシャの中編が、ソーマが召喚されるまでの国情の危うさを肌で感じられる内容でなかなか面白かった。エリシャ様も、またえらい能力を持っていたお陰で内実は壮絶な人生を歩んできたんですねえ。そうしてようやく手に入れた平和な日常と愛する夫。それもまた、自分以外の王族が全滅してしまったために国を継ぐはめになり、さらなる苦難の道を歩み始めることになる。
今となっては安定した大国となっているフリードニア王国だけれど、ソーマが改革するまではどれほどやばい国だったかよく分かる。というか、先代とエリシャさまはよくまあこれを維持してきたものだと思うし、ゲオルグ将軍がどうしてあんな自分を犠牲にする暴挙に打って出たのかも、彼が経験してきた内乱の酷さと親友である先代国王陛下アルベルトとの友情を思うと、わかってしまうんですよねえ。
何だかんだと、リーシアの子供の誕生と結婚を祝って、アルベルトと酒を酌み交わす事が出来る今はようやくたどり着いたハッピーエンドの向こう側なんだろうなあ……ゲオルグ将軍、娘さんの件が片手落ちではあるんだろうけど。
しかしエリシャさまの能力、死に瀕してパラレルワールドの自分に記憶を送る能力、なのかと思ったら、正確には違うのかー。記憶の様子からして大半は実際に死んじゃってるんだろうけれど、そうかー、生きてその先を続けているケースもあるというのがわかったのは、決して今のエリシャさまが自分や国の屍の上にたどり着いたわけじゃない、という意味でも救いになるのか。まあ、受け取った側のエリシャさまには関知出来ないことなだけに、なんとも言えないのだけれど。生き残ったエリシャさまは、さらに強く生きれるだろうなあ、これ。



現実主義勇者の王国再建記 9 ★★★☆  



【現実主義勇者の王国再建記 9】 どぜう丸/冬ゆき オーバーラップ文庫

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東方諸国連合で魔浪の対処にあたるソーマは、激戦地のチマ公国へ東進を決める。チマ公国は戦功を立てた国へ優秀な六人の兄弟姉妹を家臣として供出する約束で援軍を集めていたが、戦況は膠着状態であった。チマ公国への道中、ソーマは遊牧国家マルムキタンの王フウガと出会う。フウガの目的もチマ公国の救援と知ったソーマは行動を共にするが、戦功第一位を狙うフウガにとってソーマは六人の兄弟姉妹を争奪し合う敵でもある。驚異的な武力を誇示するフウガに、ソーマはどう立ち回るのか―!?革新的な異世界内政ファンタジー、第9巻!


これは運命の好敵手の出現か。東方諸国連合の中でも中堅国に過ぎないマルムキタンの若き王フウガ。元々小さな部族同士で集散しながら争っていたのを、北からの魔物の大量侵入を機に遊牧民を統一して国家となったのがマルムキタン。フウガはその統一王、というわけではなく統一したはいいもののどうやら謀殺されてしまった父王の後を継いだ若き俊英、なんですよね。よくあるパターンだとこういうケースだと主人公側が弱小国でのし上がっていく過程に、武力優れた英雄王がライバルとして立ちふさがる、みたいな展開なんだけれど、これはむしろ逆。この若き将来の覇王はまだ駆け出し始めたばかりなんですよねえ。
もし、ソーマの現実主義がもっと冷徹非情のものであれば。ただの可能性、平和を脅かすかもしれないという憶測、危機に対する予防措置を実行する事を厭わないものだったとしたら、何としてでもこの段階で手段を選ばずこの男を抹殺すべきだったのかもしれない。まあすでにこの段階ですら、どうやっても殺しきれないどころか逆に喉笛を噛みちぎってきそう、という感覚が湧いてきそうな手に負えなさが感じられるのだけれど。
もっとも、向こうの方も正攻法では太刀打ちできないんじゃないか、という感覚をソーマに抱いているようでその感性の鋭さを感じさせる。ただ武力や国力では測れない、戦争のルールそのものをちゃぶ台返ししてしまい、通常の武力を意味のなさないものにしてしまいそうな所がソーマにはある、というのを彼は感覚で把握しているようだ。尤も、そういう同じ盤上に乗らないようにしていても、食い破ってきそうな空恐ろしさがフウガにはあるわけで。これは、今後の物語の最重要人物になってきそうだ。
とはいえ、現段階では向こうはただの小国の王。お互いやるべきこと、なすべきことは山のように積み重なっていて、直接相まみえる事はなく、またお互い戦いたくない相手と認識しているわけだから、火花散らし合ったり変に警戒しあったり、という風な関係ではなく、むしろ率直に語り合える対等の関係、という風に収まっているのは面白い。自分の唯一の妹であるユリガをソーマに預ける、なんてこともしてるわけですしね。しっかり誼を通じさせてるんだよなあ。
ただ、このユリガがどうなるのか。今は兄フウガの信奉者だけれど、頑なな子ではないしソーマの義妹のトモエちゃんともあんなに仲良くなって、此方も預かることになったチマ公国のイチハくんと三人でよいトリオを形成しているのを見ると……将来どうなるのか。
そのトモエちゃんだけれど、今までは聞き分けの良い凄くいい子というイメージだったのですけれど、同じ年頃の仲の良い友達が出来るとこんな活発でヤンチャな子だったのか、という元気で結構ズケズケとした物言いをする面が見えてきて、新鮮でありました。そう言えば、周り大人の人ばっかりだもんなあ、今まで。凄くいい笑顔で楽しそうにしているのを見ると、ついついニコニコしてしまうのですが、イチハくんと今からあんなに仲良くなってお兄ちゃんなソーマとしてはその辺許せるのだろうかw
まあ今の所はリーシアとの間に生まれたばかりの双子の相手で一杯一杯だろうけど。リーシアはもう母の風格というか正妃として他の妃たちをまとめる姉貴分としての威風が出てきて、もう少女ではないよなあ。いやほんと、万が一ソーマが王様やってられない事態になっても、女王さながらの彼女が居たらあんまり心配しなくて済むだろうという貫禄が出てきましたわ。
ロロアやナゼンたちも、リーシアの事は旦那なソーマより慕ってるんじゃないか、という懐きっぷりだもんなあ。

さて、東方諸国連合を襲った魔浪もある程度一段落ついて、情勢が落ち着き出した所で他の国々の動勢も怪しくなってきました。ルナリア正教国はなにやら内部で分裂を起こしかけているみたいだし、九頭竜諸島は海軍がちょっかいかけてきているし、また北部では最奥に魔族の国か集落があるのでは、という可能性も見えてきて、傭兵国にも火種があり、とさてどこから動き出すか。
帝国とのコネクションというか、皇族の女性陣とどんどん仲良くなってきて、国同士でも密接な関係になってきているのは安心材料ですけど。



現実主義勇者の王国再建記 8 ★★★★   



【現実主義勇者の王国再建記 8】 どぜう丸/冬ゆき オーバーラップ文庫

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大量発生した魔物が押し寄せる「魔浪」により、中小国家の連合体である東方諸国連合は窮地に陥っていた。グラン・ケイオス帝国の女皇マリアとの会談に臨んだソーマは、その折に東方諸国連合への援軍派遣要請を受ける。要請に応じたソーマが援軍を派遣する先はラスタニア王国。そこではかつての敵、アミドニア公国から放逐された皇太子ユリウスが客将として奮戦しており…!?そして今、ユリウスと肩を並べたソーマが臣下の力を用いて、ラスタニア王国救援作戦を展開する―!革新的な異世界内政ファンタジー、第8巻!

本作はウェブ連載の方を当初から読んでいたんですけれど、連載の河岸をpixivの方に変えてからなかなか読みに行く機会がなく、折を見て読み進めてたんですけどクー君が仲間になったあたりまでで止まってたんですよね。
というわけで、ここらへんから超未読のパートなのでした。
ユリウスくん、もっと強面の武人然とした青年なのかと思ったら爽やかイケメンじゃないですかー、誰だよコイツw
という外見の涼やかな風貌はともかくとしてもユリウスくん、また立派になって。
可愛い子には旅をさせよといいますが、放逐され当て所のない旅の苦労はむしろ人間性をすり減らしそうなものなのですが、たどり着いた先の安住の地ラスタニア王国での人との出会いがこの脳筋だった皇子をこれほどまでに変えるとは。
メチャクチャ懐の深いイイ男になってるし、マジで見違えているのですけれど。でも別人というわけじゃなくて、人としての器が拡張されて情熱の向ける方向が変わり、見識も広がり余裕が生まれ、一回り大きくなった姿としてちゃんと連続性を持った積み重ねの結果、という感じで今のユリウスになっているように見えるのが安心感を覚えるんですよね。
今まで見向きもしなかった事柄についてしっかり見て考えるようになったことで、理解が生じ納得が生まれ、今までわかろうともせずわからなかった事が自分の血肉として身についていく。そんな形の成長がユリウスの中で芽生えていった結果がこれですよ。
そうすることで、理解不能であるが故に恐れと嫌悪を抱く相手であったソーマやロロアに対しても、見える姿が変わってくるわけで。王としての思想、振る舞い、方向性、ソーマが目指し体現しようとしているものが今のユリウスには理解でき、理解できるからこそ共感と敬意が生まれる。今のユリウスの目線というのは、立場は客将ですけれど完全に王のそれでもあるんですよね。軍人として、軍国の皇子としての視野と違う目線から物事が見えるようになっている。
大国の皇子であった頃より、今の小国の客人将軍である今のほうが、ソーマと対等に見える不思議さがまた面白く、かつての敵との共闘がこのような信頼、能力ではなくて在り方に対する信頼と敬意によって結ばれる、というのは熱くて大好物ですよ。
政敵であり、お互いに排除しあおうと敵対までしたユリウスとロロアの兄妹の仲も、こうして修復されたのは感慨深い。自分、こういう致命的なまでに破綻して取り返しのつかない事になってしまった人間関係が、お互いの成長を縁にして再び大切に思いあえる関係に戻ることが出来た、というシチュエーション、めっちゃ弱いんですよね。二度と戻らないと思われたものが取り戻せたって、ぐっと来ませんか? なんかこう、目元熱くなっちゃうんですよねえ。

しかしまー、久々に続きを読んだ本作ですけれど、ユリウスくんを含めてあっちを見てもこっちを見ても、どこを見てもカップルだらけじゃないですかー。世代交代が順調に進んで、適齢期の若者たちが揃っているというのもあるんでしょうけれど、にわかに恋人ラッシュである。主人公とお妃候補たちの方がある程度一段落ついたから、というのもあるのでしょうけれど、ハルバートのみならず脇を固める男衆の多くが相手がいる、だけじゃなくて複数恋人候補がいる、というのはなかなか珍しいんじゃないでしょうか。自分、カップルたくさんいるの、大変大好物なのでこういうどっちを見てもカップルカップルというのはかなりウハウハでたまらんのですけどね。
ポンチョさんまでそろそろ年貢の納め時なのかー。個人的には、帝国の皇妹ジャンヌとソーマの所の宰相ハクアとの仲をどう取り纏めるのかが興味あるところ。立場的にどっちも自国離れられないのをどうアクロバットして着地させるのか。マリア女皇もこれ、結婚相手ほんとにどうするんだろう。

肝心の魔浪の方はというと、物量作戦で真正面から押しつぶす、という常道とはまた別に、ある一定以上の知能を持つ動物の特性を応用して、モンスターの生態に手を加えて大群の数を減らすのに利用する、というあたりにこの作品らしいアプローチが垣間見えるのが面白い。軍事的な戦略戦術とはまた違う観点を見せ札にした戦記物なんですよねえ、これって。
さて、次なるは同じ魔浪の脅威に直面しているチマ公国編。また今までとは異なる異才の少年にスポットが当たるようで、この子がソーマとの遭遇によってどんな形で羽ばたいていくことになるのか、楽しみ楽しみ。

 
12月3日

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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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