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なまにくATK

棺姫のチャイカ 123   

棺姫のチャイカ (12) (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 12】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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ガズ皇帝との激戦後、消息不明となったトールとチャイカ。二人を探す旅に出たアカリと紅チャイカ。フェルビスト大陸に訪れた束の間の平和の中で、彼らは、彼女らは、どこで何をしているのか?そしてガズ皇帝亡き後も『チャイカ』という存在を警戒するジレット。いまだ明確な『終わり』が見えない中、ダチア子爵領で『ガズ帝国軍』―旧ガズ帝国の正統後継を名乗る少女を旗頭とした武装集団が現れ―。「我が名はチャイカ・ガズ」そう名乗った彼女のそばには、機杖を持った少女と黒衣の若者の姿が…。『チャイカ』サーガを締めくくる真のエンディング!!
後日談、これは騙されたわー。これ、あらすじからミスリードしてるし。
というわけで、ガズ皇帝との決戦で行方不明になってしまったトールとチャイカ+フレドリカ。彼らを探して赤チャイカとアカリがコンビを組んで旅に出る、というところで前巻が終わっていたので、そりゃあそのまま続きかと思うよねえ。
後日談の話としては、ちょうどアニメのオリジナル回でもあったガズ帝国の残党が偽物のチャイカ姫を旗印にして抵抗運動っぽい山賊活動をしていたお話をそのままアレンジしたような展開でしたけれど、そのアレンジの度合いがかなり大胆というか、パないよ!!
トールたち、もうちょっと田舎に引っ込んでおとなしい生活を送るものだと思い込んでましたがな。ちょっとあのメンツでラストの展開持って行くには、人材の質が偏りすぎてるような気がしないでもないのですが。内政家とか外交官とか、政治家と官僚がいません!! 実は傭兵と乱破ばかりで正規の軍人も居ません!! 個人戦闘力については、尋常じゃないのはわかってるんですが。あ、亜人兵たちはあれでも本職の軍人か……特殊兵だけど。
いやでも、トールやアカリが辣腕だというのはわかってましたけれど、チャイカもあれ、凄腕だったんですねえ。赤も白も。そう考えると、赤チャイカの仲間だった二人の傭兵コンビも、同じ傭兵の業界じゃあ相当に名前の売れてた人たちだったのかも。子供が出来て落ち着いたあと、どうやらまた合流することになったみたいだけど。
いや、この後日談で何が驚いたって、フレドリカがトールの子供産めるという、ドラグーンなんでもあり設定だったんですけどね!!
何気にボケ役しかいなかったヒロイン衆の中で、最後の最後になって正統派ヒロインが現れて、何気に美味しいところ持って行きそうな雰囲気だったのには笑いましたけれど。トールから見て頭痛いヒロインばっかりでしたから、最後の娘はトールの精神的にも癒し系になってわりと大事にされそうな感じだったんですよねえ(苦笑
とりあえず、こっちのトールと愉快な仲間たち帝国はいいとして、ジレット隊長とヴィヴィさん、ご結婚おめでとうございましたw トールが、ジレットたちの不在が新婚中だからと知らされて、素でそれはおめでとう、と祝辞してたのにも笑いましたけれど。でも良かったよ。ジレット隊長の鈍さからしてもっと拗れるかと思ってたし。
ズィータとニコライがわりと良い雰囲気な感じだったのは気のせいかなあ。イケメンのジレット隊長よりも、いかついニコライの方がその辺気になるのでした。

もう一つの中編は、八英雄の一人の弓士グレン・ドンカーブートから遺体の一部をもらうために、彼の依頼を果たすお話。アニメだと、赤チャイカたちに遺体奪われてた人だけれど、こっちだと小説の中では八英雄の中でも随一の強さを見せる。【弓聖】の異名を取ってたみたいだけれど、作中でも語られているようにその本質は狩人。それもマタギとかそっち系統の人だよね、これ。普通に実力勝負していたら、完全にトールたちが敗北していたパターン。八英雄はどうしても、実際に英雄と呼ぶには微妙な人たちも多かったけれど、実際にその程度の連中だったら、突入部隊の精鋭として選抜されたりしないものねえ。

結局、本物のチャイカ姫。本物は居ないと言われてますけれど、実際ガズ皇帝討伐の際に城の中で首を切られた白チャイカそっくりの娘は居たわけで、白いチャイカがどういう素性だったのかも語られないままでしたが、そのへんは触れぬが良しかしら。
なんか意外と意表を突かれる結末でしたが、明らかに死亡フラグを立てていた赤チャイカとその一行も生き残れましたし、登場人物の多くも概ね幸せになれましたし、綺麗にまとまった完結編だったんじゃないでしょうか。榊氏のシリーズとしては、【スクラップド・プリンセス】系統の話として、大変おもしろかったです。満足。

シリーズ感想

棺姫のチャイカ 11 3   

棺姫のチャイカ (11) (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 11】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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神を討ち滅ぼした“禁断皇帝”アルトゥール・ガズ。彼の次なる行動はシン、トール、ジレットに世界の三分の一を統べる王という『役目』を与えるというものだった。三つの勢力による未来永劫の戦争状態。世界を、再び戦乱の渦中へと戻す提案に対し、乱破師と騎士それぞれの応えは…。生きる目的、自分という役割、存在の理由。『棺担ぐ姫』と『従者の少年』。二人の旅路の終着点はもうすぐ―。壮大なる『チャイカ』サーガ、ついに完結!
結局、他者から課せられた役割から逃れられなかった者と、誰に与えられたものでもない「自分」という存在を掴みとった者同士の戦い、という形でガズとシン対トールとジレットたちという構図になったわけだけれど、面白いことに相手の在りように憤っていたのはトールたちの方なんですよね。ガズもシンは最初から与えられた役割の中に完結していたわけではなかったはず。ガズは神を弑逆しようと思い至ったのは自分に与えられた役割に不満を抱いたためだし、シンがハスミンを殺害し、乱破師失格という印を押したトールとアカリに執拗に乱破師としての生き方を説き続けたのも、思えばそれだけシンが乱破師という在りように心もとない不安を抱いてしがみつこうとしていたからではないだろうか。
それは、役割の中に収まるという事に対して、心揺れていた、ということ。
ところが、ガズもシンもその揺れの果てに自分自身で選んだ選択は、道具として生きること、システムに組み込まれるということ。それが彼らにとっての自由であり、安息であり、満たされた生き方だったのだ。満足してしまった彼らは、だから彼らと違った生き方を選んだトールたちに対して、怒りも反発も嫉妬も抱かず、トールたちが選んだ道に対しても、それを選んだトールたち自身に対しても、全く無関心で興味の欠片も抱いてなかったんですよね。
これだけ一方通行なラスボスと主人公サイドとの関係も、なかなか珍しいんではないだろうか。
実のところ、ガズやシンの生き方、役割の中に収まる事に充足を覚え、安心するという在りようは……さすがに自らを道具、システムにまで規定してしまうのは行き過ぎだとしても、決して全否定されるものでもないと思うんですよね。一つの選択として、そういう生き方があってもいいのかもしれない。
ただ、それを他人に強いるようになってはいけない。それを社会の正しい通念に規定してしまってはいけない。それは他者の尊厳を脅かす行為である。他者の在りようを踏みにじるものである。
結局、トールが許せなかったのは、そこだと思うんですよね。チャイカに貰った、掛け替えのないと思うに至った自分という在りようを、容赦なく踏みにじり、自分が輝いていると思った価値を否定する行為。ガズがやろうとしたことは、だからトールの逆鱗に触れたのではないか、と思う次第。
紆余曲折あって、ようやく掴んだ在りようだもんなあ。
それに比べて、ガズの方はやや哀れである。シン兄は、まだ自分を貫き通した結果、とも見て取れるけれど、ガズについては、自分の創造主に反逆するところまでたどり着きながら、結局自分を組み込んでいたシステムから離れることも飛び出すことも出来なかったわけですからね。出来なかったどころか、思い浮かべる事も出来なかったというべきか。彼は、螺旋階段を昇ることしか出来ず、その階段から外れるという事を思い想像する事すら出来なかった。ある意味、最終決戦の階段上に佇むガズと、自由な翼でその螺旋階段の周りを飛び回るトールたちの構図は、彼らの在りようの縮図そのものだったのかもしれない。

と、トールにしてもガズにしても、自分のレゾンデートルを失う事になったチャイカたちにしても、騎士として戦後世界での生き方に迷いをいだき続けていたアルベリックにしても、トールたちを観察し問いかけ続ける事で自己を探索していたフレドリカにしても、それぞれに自分の在りようを掴みとるまでに紆余曲折あったのに対して、ただ一人最初から首尾一貫して「アカリ」という自分を持ち続け、小動ぎもしなかったのがあの妹だったんですよね。ほんと、彼女だけは最初から最後まで一瞬足りともブレなかった。それが頼もしくもあり、微苦笑を誘う恐ろしさでもあり。ただ、そんな彼女がずっと側に寄り添い続けたからこそ、トールは安易に自分を投げ出さずに自分を探し続けることが出来たのかもしれません……結果として、チャイカと出会うまで相当のダメ人間になりかけてましたけど!

こうして、それぞれ個々に、自分の生き方というものに対して結論を出し、その結果として許容できない部分の衝突と生存を賭けて闘争が発生し、その点での決着はついたのですが……でも終わってない、これは物語として終わってないよ!!
棺姫のチャイカ一行の旅の物語としては、まだ決着付いてないよ、これ!!

というわけで、本編が終わってもまだもう少し続くのじゃ、という展開でして。もう一冊、後日談がつくであろう最後の短篇集を待て。
しかし、赤チャイカ一行は存在自体が死亡フラグだっただけに、最後まで生き残れてよかったよ。特に、随行のセルマとダヴィードは死亡率相当高そうだっただけに、感慨深い。

シリーズ感想

棺姫のチャイカ 10 4   

棺姫のチャイカ (10) (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 10】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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全ての『遺体』が集まり、黒チャイカの儀式によって現世に復活を果たした“禁断皇帝”アルトゥール・ガズ。しかしそれは同時にチャイカの生きる目的だった父親の『遺体』を集める行為は、ガズ皇帝によって使い捨ての道具として仕組まれたものであるという真実を知ることになる。与えられた使命すらも無くし、生きる目的を失ったチャイカに、トールは声をかける。
「我が主。初めて会った時の事を覚えているか?」
かつて自分が言われた言葉を今度はチャイカに向けて―。再び。見つける。今から。もう一度。
トールの焦らしプレイに、フレドリカ焦る焦る!
いや、いきなし喉笛食いちぎっちゃったあんたが悪いんだけれど。体の一部を交換すればいいのなら、もう少し穏当な場所があっただろうに、勢いとノリだけでやっちゃうから。あれだけ素で焦ってるフレドリカは初めて見たなあ。
とはいえ、最近のフレドリカは当初の「異質な生物」らしい感覚がだいぶ失せて、真似事に過ぎなかった感情豊かな演技もなかに実感が伴ってきている気がするんですよね。事実、トールと契約したにも関わらず、今までのフレドリカとパーソナリティがまるで変化していない。ドラグーンは、契約した人間の人格にそのパーソナリティが影響を受けて形成される、とされているはずなのに、だ。これは、もうフレドリカが「フレドリカ」という個性を獲得している証左なんじゃなかろうか。
面白いことにこれ、フレドリカはトールと契約することでむしろ「道具」としての自分から脱却したとも言えるわけです。アカリがフレドリカに対して「ヤる気」漲らせだしたのも、そのせいかと。
図らずも、じゃなくて図ってるんだろうけれど、ちょうどこのターンでフレドリカにしても、そして自らがガズを復活させる道具の一つに過ぎなかったと知ったチャイカが、赤チャイカも含めて道具としてではなく、人として生きる事を選ぶに至ったお話だったわけですな。それを先導したのが、誰よりも道具であることを規定されていたサバターであるトールであり、彼が道具足らんとするよりも人として生きようと思うようになった原因こそが、チャイカであった事を思えば、面白くも善き相互関係とも言えるのだろうこれ。
そして、かのアルトゥール・ガズもまた、自ら道具足ることに叛意し、自らを生み出した神に対して周到かつ大胆に反逆してみせたわけだけれど、一方で彼はチャイカたちを使い捨て、未だ在り方に迷うシンを道具として規定し、ニーヴァ・ラーダを杖として以外見ていないというように、むしろ積極的に自ら以外を道具として見做し、扱おうとしている。相互の関係によって、道具としての自分から手を携えあって脱却しようとしたトール一行、そして赤チャイカたちと比べると、どうしても相容れぬ点がそこにあるんですよね。
それでもまだ、ガズが神を殺す云々については、どうぞご勝手にやってください、ともう役目から解かれたチャイカたちからすると関係ない話で、あとは逃げ出せばもう一切関わる必要もない、と思ってたんだけれど、ラストのガズ皇帝の宣言を聞いてしまうと、さすがにそうも言っていられなくなってしまうのか、これ。
いやいや、まさかそう来るとは。意外と盲点だったぞ、この流れは。いや、普通に考えるとガズがこの考えを温めているというのは不思議でもなんでもなかったのだけれど、神との対決、そして神殺しなんて途方も無い事を企んでいて、上ばかり見上げているものとばかり思っていたから、その究極の反逆をどうして抱くに至ったか、何を欲して神を殺そうと思ったか、については自由を得たい、というところから先を想像してなかったからなあ。自由になって、その先彼が何を考えているか、については不思議なくらい頭になかった。
ぶっちゃけ、それでも極論するとジレット隊長たちと違ってしがらみも正義感も持たないトールたちは、ガズの宣言に対して背を向けて逃げちゃって関わるまいとしても、何の問題もないはずなんだけれど……そうもいかないのかなあ。意外と、再会して語り合った、あののんびりとみんなで一緒に普通に暮らそうという展望こそが、新たな戦乱を起こそうというガズに対決する動力になるのだろうか。
ともあれ、ついにというか、赤と白のチャイカがちゃんと意思を通じ合わせて共闘するシーンを目の当たりに出来て、十分堪能しました。赤チャイカパーティーは、いつ惨劇に見舞われるかハラハラしてたんだけれど、さすがにこれ、シチュエーション的ピークを越えて、フラグ折れたかなあ。

シリーズ感想

棺姫のチャイカ 94   

棺姫のチャイカIX (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 9】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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賞品の『遺体』を手に入れるため、ハルトゲン公国の武芸大会に出場したトールとフレドリカ。無事予選通過を果たすも、双子のチャイカの策略によってチャイカ、アカリ、ニーヴァが捕らわれてしまう。引き渡しの条件として、これまで集めてきた『遺体』との交換を提案されるのだが…。「トールにとって、一番大事なのは、何?」チャイカの望みを叶える事。それがトールの…。ではそのためのチャイカの死は?生命と目的。決断を迫られるトールが出す答えは…。絶望と希望が交錯する中、真の『黒』が姿を現し、ついにすべての『遺体』が揃う!
ぶっちゃけ、そこまでまだ黒くないと思いますよ。何しろ、死亡フラグ全開だった赤チャイカパーティーが無事でしたからね。勿論、今後も予断は許されない状況ではあるんだけれど、死亡フラグとしては今回がピークもピークだったので、ギリギリ回避できたんじゃないのか、と。少なくとも、赤チャイカの二人の仲間については、一番危ない立場でしたからね。
乱破師(サバター)としては精神的に未熟で、俗世寄りの感情を制御しきれないために一人前としては認められずに居たまま、乱世が終わり世間に放り出されたトール。むしろ、一人前として認められていなかったからこそ、そうなった原因の事件も相まって、サバターである自分にこだわり、だからこそサバターの活躍する場のない平和な世界に対して、自分の存在自体を否定されたように感じて絶望を抱え続けていた彼は、だからこそサバターとしての自分の力を必要とするチャイカとの出会いに歓喜し、彼女を主として自分の存在意義を打ち立てようとチャイカとの旅を始めた……はずだったのだ、当初は。
しかしここで、一流のサバターとして今なお活動する義兄のシンと敵対、という形で再会して、自身のサバターとしての未熟さ、以上に中途半端さを自覚させられ、同時に自分の中でチャイカと旅を続ける中で、トール・アキュラという存在の前提として「サバター」という価値がある、という考え方に疑問を抱くようになっていたことにも気付かされた主人公。
そう、ここはトールの分水嶺でもあったわけだ。
このまま、自分はまず何よりもサバターである事にこだわるか、それともサバターとしての自分はあくまで能力上のものであり、その上位としてトールという個人の意思を持つ事を、望みを持つことを認めるか否か。
人として生きるか、を自問する事になったわけだ。面白いことに、彼はそれを自問自答に留めず、武術大会で一緒になった赤チャイカやヴィヴィ、として共に戦うフレドリカとも語らう事で、彼女たちにも自分の在り方について考えることに影響を与えることになるんですね。
特に、チャイカという呪縛に囚われている赤チャイカ。ドラグーンという自分の行く末についてトールの動向と照らしあわせていたフレドリカ。彼女たちにも、トールの自問というのは大きな岐路になってるんですね。
赤チャイカは、あの時トールに助けられ、またその後訪問を受けて、チャイカという生き方に対しての疑問を呈されなければ、もしかして物語の上での危うい一線を超えていたかもしれない。この辺、それらしい描写はなかったけれど、もし彼女が自身のチャイカという在り方に対して一切疑問を持っていなかったら、ラストの展開というのは単なる衝撃という以上の危機だったと思うんですよね。もし、疑問という心構えができていなかったら、安易な暴発もあり得たんじゃないかと想像するわけです。もしそうだったら、彼女の死亡フラグを潰したのはトールということになるので、……心憎い男じゃのう。
というわけで、分水嶺を超えたトールの選ぶ道が、そして一連の「チャイカ」という存在の謎が解明される、物語としても大きな山場となる一話でありました。
だいたい想像していた通りだったけれど、想像していた以上にエグいパターンだった。もし白チャイカや赤チャイカがこうなっていたか、と思うと必要以上にドキドキしてしまいますがな。
そして、想像の埒外だったのが、あの人の再登場。って、カラー口絵で盛大にネタバレされてますけれど。私、純粋にガチで死んでたのだと思ってましたがな。信じてたのに!! まあでも、ヴィヴィさん良かったね、と言っとこう。こういう娘が報われないのは哀しいしね。どうやら、芽は十分あるみたいだし。
しかし、またぞろ「すてプリ」みたいに壮大な話になってきたなあ。ギィの正体不明さは、決してチャイカサイドだとは思っていなかったけれど、スケールが並外れてしまいましたがな。それよりも何よりも、トールのあれですよ。
それ、違うけどシャノン兄といっしょじゃん!! 主人公は結局そうなるべくしてなるのか!?(笑


シリーズ感想

棺姫のチャイカ 8 3   

棺姫のチャイカVIII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 8】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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禁断皇帝アルトゥール・ガズを討ち滅ぼした『八英雄』のひとり―シュテファン・ハルトゲン公王。彼が統べるハルトゲン公国で開催される武闘大会の賞品は、なんと『皇帝の遺体』そのものであるという。しかも公王の傍らには、双子のようにそっくりな二人の“黒き”チャイカが付き従っていた―。優勝して『遺体』を手に入れるために、大会への参加を企図するトールたちは、それぞれ同じ目的で集った紅チャイカとダウィード、そしてジレット隊のヴィヴィとニコライと、因業深き再会を果たす。三者三様の想いと、仄暗き策謀が渦巻く武闘大会の“戦場”で、命を賭した争闘の幕が切って落とされた!
なるほど、少なくとも禁断皇帝が死ぬ以前から「チャイカ」が存在したのは事実なのか。もっとも、その皇女が真実の意味でガズの娘なのか、それとも前巻で明らかになった「チャイカ」と同じモノなのかは定かではないのだが。
そう言えば、ガズ皇帝が討たれる場面が描かれたのはこれが初めてになるのか。これを見る限りでは、少なくとも八英雄の方に純粋にガスを討伐する以外の裏の意図を持って動いていた輩は居ないように見えるけれど、あくまでシュテファンの視点からだから窺い知れない部分もあるかもしれないし、暗躍していた者もいるかもしれない。結局はわからないわけか。
何にせよ、前回のヴィヴィの「変容」に端を発して明らかになったチャイカの真実には度肝を抜かれたもんなあ。いや、チャイカの真実はそこまで驚かなかったけれど、仰天させられたのはそこにヴィヴィが入ってたということで。まさか、彼女がここまで重要キャラになるとは思ってなかったですし。さらには、彼女サイドからトールにチャイカの真相の情報がここまで早く流れるとはなあ。
まあ腐らせる情報でもないか。早めにトールに流して、彼を悩ませる材料として活かしてこそ、先の展開が生きるわけですしね。少なくとも、これまでのようにトールはチャイカの願いを叶えるため、という風には動けないはず。彼女のため、という理由は揺れなくても、サバターとしての範疇を超えた判断、或いは決断が必要とされ、主のチャイカの命令ではない、彼自身の意思が重要となってくるでしょうから。となると、この時期に純然たる
乱破師であるトールたちの先達であるシンを登場させ、トールやアカリに乱破師たるべきの何たるかを問う状況をスムーズに持ってくるあたりは、さすがベテラン作家という滑らかさ。
しかし、主人公サイドはいいんですけれど、赤チャイカがやっぱり思いっきりフラグ立てまくってるのは胃に差し込むなあ。白チャイカと違ってちょっとツッパっている性格といい、一応敵対している立場であるけれどついつい一生懸命懐いちゃうあたり、ほんと可愛いんですよね。ダウィードじゃないけれど、つい生暖かい目で見守ってしまいたくなる。白チャイカとは違う庇護欲を掻き立てるキャラなんですが……明らかに作品上の立ち位置が不穏を通り越してアウトの所にいるんですよね。魅力的になればなるほど、いざというときのダメージが計り知れないことになりそうで、今からダウナーw
できればフラグちゃんと折って欲しいんだけれどなあ。

シリーズ感想

棺姫のチャイカ 73   

棺姫のチャイカVII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 7】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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…チャイカとは、何か―?
航天要塞と運命を共にした蒼のチャイカは、自ら“も”また『本物』だと、驚くべき真実を白きチャイカに告げた…。何故、記憶が欠落しているのか?首筋の傷跡は何なのか?無数の謎を抱えたまま、トールたちは皇帝の遺体が眠る海を目指すことに。そこで、紅のチャイカと思わぬ再会をした彼らは、突如として正体不明の亜人兵と大海魔の強襲を受ける!!激闘の果て、流れ着いた先は絶海の孤島。一行は島内の牢獄で、金銀妖眼の少女と出会う。彼女はラーケ語で、こう言った。「待っていた―チャイカ…」
なんとーーっ!? 冒頭からのヴィヴィの変化には相当に驚かされた。チャイカという存在はもっと単純に人工的に作られた生命、くらいに思っていただけに。遠く離れた場所でそれぞれ勝手に活動していたのも、安置されていた場所も起動した時間も別々だったからと考えていたから違和感は特になかったんですよね。
いや、まさかこんな風に「発生」していたとは。
しかしこれ、発動条件は何なんだ? 同じ決められた日時に発現した訳ではないというのは、今回のヴィヴィの一件で明らかなんだが、親しい人が死んだ、みたいな精神的ショックが引き金だとすると、戦乱が終わって一応平和になったこの時代においては特に大きな精神的ショックを受けないまま平穏に過ごしているケースも決して珍しくないだろうから、そうなるとチャイカが発現する条件としては少々厳しいんですよね。それとも、チャイカは常に一定数稼働するようになっていて、誰か一人のチャイカが死亡すると別のチャイカが発生する、みたいな感じにでもなってるんだろうか。孤児に因子を植えつけた、みたいな話はしていたけれど、果たしてどれだけの人数にチャイカ因子が植え付けられているのか。謎が明らかになったことで新たに謎が増える。チャイカ個体に関するだけでもこれなのに、どうもガス皇帝が何を目論んでいたのか、についても随分と大仰な話になってきた感がある。7種存在する棄獣についても関連するようで、こりゃどうもヘタするとスクラップド・プリンセス並のワールドワイドな話になってくる可能性もありそうだなあ。
しかし、チャイカという存在がそうだったとするならば、我らがチャイカ・トラバントも本来の姿があったという事なんですよね。それも、ヴィヴィみたいな中途半端な覚醒ではない、と言うことはその時周りに居た親しい人たちを皆殺しにしているわけで、それを知ったらこの娘の性格からして相当にダメージも大きそうだけれど。
ともあれ、今回はチャイカの謎に迫ると同時にチャイカ強化の回でもあったわけで……あんまり気にしてなかったけれど、巨大なマテリアルライフル状の魔法杖を取り回すのって大変な上に近接戦ではどうしても普通にイメージする魔法使いなんかよりも動きが鈍くなることから、確かにまああんまり大きな活躍はなかったんですよねえ、チャイカって。まあ、ここぞというときの大技とか外さないし、魔法の使い方は的確で後方支援役としても優秀だったので、これまであまり気にならなかったんだけれど。
しかし、強化アイテムが、しかも人化能力付きのインテリジェンスオプションアイテムがこれ、というのは面白いなあ。普通はもっとわかりやすい剣とか盾とかなのに。そりゃ、チャイカの獲物が火器である以上、この強化アイテムは実に適当なんだけれど。チャイカ、アニメ化するわけだけれど、魔法機杖含めてこれらの演出はちょっと楽しみだ。まあ、話し的にはここまで全然いかないだろうけれど。
トールにある意味ベッタリだったチャイカに、さらにベッタリな娘が加わるというのは人間関係的にもなかなかおもしろいことになりそうだ。フレデリカが思ってた以上にデレてきたのも大きいし。この竜、明らかに自分で言ってるような感情のトレースの範疇を超えつつあるようだし。
今回は赤チャイカと共闘ということでもっと近い距離でのやり取りが増えるのかと思ったけれど、状況が過密かつ危機的だったせいか、あんまり一緒に行動して親交を深める、とまでは行かなかったのはちと残念。ただ、この調子だと次に遭遇しても即座に敵対、ということにはならなさそう。その分、向こうの死亡フラグが立ちまくってるわけですが。

榊一郎作品感想

棺姫のチャイカ 6 3   

棺姫のチャイカVI (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 6】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「―トール!トールッ!!」天翔る城砦での戦いの果てに、大空へと投げ出されたトール。チャイカの叫びも虚しく、彼の生命は散った―かに見えたが、窮地を救ったのはジレット隊のヴィヴィとズィータだった。ズィータは「あなたに『お願い』があります」と告げる―。そして捕らわれたチャイカは、銀の髪と紫の瞳を持つレイラと邂逅する。彼女は「棺担ぐ姫君。貴女に『チャイカ』の真実を教えてあげる。貴女が本当に絶望できる―真実を」と言って、意味ありげに微笑むのだが…!?航天要塞“ソアラ”を巡る死闘、宿業のクライマックスへ。
表紙はチャイカ……? にしてはやたらと色っぽいなあと首を傾げていたら、案の定違うチャイカでした。チャイカシリーズは案外みんな似たようなキャラ付けなのかと思ったら、片言なのは白チャイカと赤チャイカだけなのかもしらんね。というわけで、ここで正体を表した青チャイカは相当に性質が違う厭世家のチャイカでした。彼女の場合は白や赤のように優秀な同行者に恵まれること無く、惨たらしい境遇に置かれてしまった上に「チャイカ」という存在の真実に近づいてしまったために、絶望に絶望を塗り重ねてしまった結果、死んだ魚の眼をしたチャイカに。しかし、白、赤、青とまで出たんだから、そりゃあ黒チャイカは期待しますよ。そして黄チャイカ、緑チャイカに紫チャイカ、もちろん銀チャイカに金チャイカという上位チャイカに、桃色チャイカという紅一点……あれ?
ともあれ、ようやく状況を裏で謀っている黒幕、或いはその組織がその一端を垣間見せたか、と思ったんだけれど、この航天要塞事件って結局のところ後ろで糸を引く者が別にいない単独叛乱だったの? 主犯となる二人の異常性と動機、そしてそれに協力していたレイラの話を聞いている限り、確かに単独犯なんだがそれにしては起こした事件が大きすぎていささか信じがたい側面がある。逆に言うなら、もしこれが本当に誰にも囁かれること無く彼ら独自の思惑で始めたことだというのなら、この大戦後の平和というものは相当に軋んできてしまっているのではないだろうか。思えば、皇帝ガスを打ち倒したという勇者たちの末路も今のところろくでもないものばかり。平和になったという割に、世情は明るさよりもどこか暗いものをはらんでいる。航天要塞“ソアラ”の起動に対する上層部の反応も、平和ボケしているどころか敏感を通り越して過剰な攻撃性を示していた。
泰平の世が訪れるどころか、むしろ乱を望むかのような気運がどこからともなく立ち上っているかのようではないか。
チャイカの存在は、まさに世界の方向を決めてしまう鍵そのものなのかもしれない。
しかし、なぜチャイカなのか。なぜ、彼女たちはある目的を達成するために自動的な装置でありながら、あれほど少女然とした人格と人間性を持って生まれたのか。生み出されたのか。
今のところ、彼女たちに逆らえない強制的な命令がくだされている様子は見えない。皇帝の亡骸を集めることへの拘りは、暗示を受けたようにも思えるが半ば以上自由意志のもとに行われているようにみえる。少なくとも、白チャイカについては。
つまるところ、最終決定は彼女たち自身に委ねられているのではないだろうか、と伺わせるほどにはチャイカたちは束縛されているようには見えない。白チャイカが、青チャイカに聞いた真実をトールたちにちゃんと話したのも安心材料。正直であることは疑心暗鬼を生むのを避けられるし、チャイカの拠り所が亡骸を集めることのみではなく、ちゃんとトールとアカリの存在にも寄っていることがわかったから。少なくとも、今の様子のチャイカなら、最後で優先するのはトールたちだと確信できたから。フレドリカも、何だかんだと今までよりも身近な仲間になってくれたようだし、今のところトールたちのパーティーはあんまり不安を抱えていない状態だといっていい。
むしろ、逆に危ういことになってしまったのは、あちらの方だろう。ジレット隊。
状況の変化はあちらとの協同を可能にするか、と思われたものの……いやいやいや、それはあまりにも予想外で、そんなあっさりと……嘘でしょ? これがもし本当だとすると、トールの対とも言えた存在をああもあっさりとああいう形にしてしまった決断には驚きを抑えきれない。事態が衝撃的すぎて、これが一体今後にどう影響していくのか、想像がつかないんだが。

榊一郎作品感想

棺姫のチャイカ 53   

棺姫のチャイカV (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 5】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「…あれは―」美しい銀の髪と、紫の瞳を持つ『棺担ぐ姫君』チャイカ・トラバント。彼女が指をさす方角に浮かぶ、「塔」のような建造物。かつて『禁断皇帝』との大戦争で、最強無敵と呼ばれた魔法兵器。その名は―「航天要塞!」『禁断皇帝』の遺体を持つガヴァーニ公爵は、その天穹高く舞う城砦に住まうという。チャイカの望みを叶えるには、何人も侵入できない、絶死の要塞を攻略せねばならない。しかし、公爵を狙うのは、チャイカとトールたちだけではなかった!?天空を舞台に、今、三つ巴の激闘がはじまる。
フレドリカはあれだよね。なまじ強すぎる分、平気で攻撃食らっちゃうんだ。鎧装竜という素体に頼りきっている、というわけじゃなくて、戦闘に関する考え方というか概念が人間と根本から異なってるところがあるんですよね。トールたちと一緒に行動しているものの、仲間というわけじゃないからはぐれても気にしないし。とにかく、不意打ちだろうが先制攻撃だろうが、あっさりポコポコ食らってくれるので、この子は強いのは間違いないんだけれど、とても頼りにしちゃいけないんだろうというのがよく分かる。戦力に数えていると痛い目見そうだ。自力でなんとかせにゃなあ、と思わせるあたり、作中でも頭一つか二つは抜けて強いキャラクターが味方側にいるにも関わらず、うまく戦力バランスが崩れないように配慮してるんだなあ、と感心する。さすがはベテラン作家というところか、この辺りは。

さて……今回はよくよく注視してみると、もしかして初めてアカリが側に居らずチャイカとトールが二人きりの状況なんじゃないだろうか。少なくとも、これだけ長い時間アカリの茶々が入らず二人で行動しているターンはなかったはず。まあ殆どが航空要塞内部を駆け回っている展開に終始しているんだけれど、それでもアカリの素っ頓狂なボケが割って入ってこないと、結構トールとチャイカっていい雰囲気醸し出してるんですよね。特に色っぽいエピソードがあるわけじゃないんですが、むしろ特に二人きりを強調して両者の関係に踏み込むような意図的な展開を挟まない分、自然な二人きりの雰囲気がこれだけ良い感じになっているというのはちょっと意外な驚き。何だかんだと、主従抜きの仲間というか、男と女、という雰囲気を自然に出せるような関係になってたんだなあ。
こうなってくると、あれでアカリ、ちゃんとお邪魔虫として機能してたんだなあ、というのが判る。ふざけているようにしか見えないけれど、あれで真面目にチャイカと兄との仲に掣肘を加えていたつもりだったのかもしれない。
でも、あのアカリの素ボケとチャイカの天然合いの手にトールのツッコミ、というトリオ漫才が気に入っていただけに、アカリのいない状況はちょっと寂しかったり。早いところ合流して欲しいところだけれど。

今回の部隊は空中要塞編。なんともはや、これは趣味の領域だよなあ(苦笑
経済的な問題があるのはわかるけれど、こんなもん一地方領主に押し付けるなよw 戦後の微妙な時期にも関わらず、国の対応がえらい過激で迅速なのは驚いた。むしろ微妙な時期だからこそ、徹底的にという意識が働いたのか、上層部に何らかの動きが生じているのかが判別できないのはもどかしいところ。国側の騎士の兄さんのチームは、完全に現場の人間で上とか裏の思惑から切り離されてるから、動向が読めないんですよねえ。
フレデリカ自身も知らないようだけれど、鎧装竜を含む棄獣もガス皇帝にまつわる重要なキーワードになっているようだし、あの謎の女レイラの登場は、単に皇帝の遺体を集める第三勢力の登場というだけじゃない、大きなターニングポイントになりそう。

しかし、ホントフレデリカの能力は自在を通り越してフリーダムだよなあw まさか、中の人が居るとは。あれは真剣にビビったw

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棺姫のチャイカ 4 3   

棺姫のチャイカIV (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 4】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「本物―私!偽物―白い方!!」突如あらわれた真紅の少女は、そう言い放った。艶やかな銀髪と円らな紫の瞳を持ち、自分も“チャイカ”だと名乗る少女―チャイカ・ボフダーン。紅の彼女は、亡き『禁断皇帝』の遺体を探す『棺担ぐ姫君』チャイカ・トラバントと乱破師のトールたち一行に、蛇咬剣を振るい襲い掛かってくる。「父様の遺体。完全回収。そして―父様殺した奴等、皆殺し」紅のチャイカは自らの目的を告げ、トールたちの持つ『遺体』を力ずくで奪い取ろうとするのだが…。紅と白の“チャイカ”。宿命の二人がいま、巡り会う―。
こう言っちゃなんだけれど、チャイカ・シリーズを「創った」やつって、相当趣味入ってるよなあ。マテリアル・ライフル風の機杖は普及しているものだからともかくとして、蛇咬剣は絶対に趣味だろう。出なけりゃ、わざわざこんなよっぽど手馴れないと実用性に欠けまくるものを携えさせないでしょうに。これからどれだけ「チャイカ」が出てくるかわかりませんけれど、どうせどいつもこいつも普通の剣や槍は持ってないんだぜ、きっと。
という訳で、もう一人の赤いチャイカが登場したことで、禁断皇帝の娘である皇女「チャイカ」が白のチャイカ・トラバントだけではない、というのが明確になった今回。その誰もが遺体を集めていて、しかもチャイカ同士が敵対するような流れに仕組まれているのを考えると、チャイカを実の娘と考えるのはやっぱり難しそうだ。これ以前にも官憲に捕まって自殺したチャイカが何人か居ることを考えるなら、今も活動している「チャイカ」はそれなりの数にのぼるはず。こりゃ、やはり人造で生み出された存在、と考えるのが易しいな。しかも『遺体』を集めたあとの話もどうやら不穏の影が垣間見えてきた。現状を鑑みるならば、これって「蟲毒」の卦が強すぎる。最終的に生き残ったチャイカが皇帝として復活する、というのがパターンすぎる流れなんだが、これいかに。
とまあ、推察ばかり重ねても、実のところ大した情報が集まってるわけじゃないんですよね。八英雄と呼ばれる皇帝を殺した兵士たちも、彼らが一体どうやって実際に皇帝を殺したのか、その時何が起こったのかについても殆ど不明のままですし。推論を積み上げるための状況だけは増えて行ってますけれど、どれだけ状況証拠だけ重ねていっても今のところ根拠のない想像、にしかならないわけで……もうちょっと話進んでくれないかなあ。今回だって、ぶっちゃけ紅チャイカとの顔合わせだけで、ページの厚さのわりに話はさっぱり進んでないし。もっと整理すればページ数半分くらいで済んだんじゃないのかしら、と思えてくる。

ともあれ、紅チャイカという父帝を殺した連中への復讐を声高にはりあげる相手とめぐり合ったことで、結局トールの望むのは自分の力を活かせる乱世ではなかった、というのが示された話でもあったわけだ。彼の望みが乱世なら、それに一番合致するのは現在の世界秩序へ敵対姿勢を取ろうとしている紅チャイカの方なんですよね。紅チャイカもトールの事を気に入って、積極的にスカウトしてきた訳ですし、それに紅チャイカはちょっと厳しくて生意気で覇気も旺盛だけれど、基本的には白チャイカと同じくイイ子で、付き合うのに悪くはない主人だったはず。それなのに、トールが選んだのは父の遺体を集めて弔いたいというだけの白チャイカ。結局結局、彼は白チャイカを気に入っていて、彼女を守ってあげたいだけなのだ。彼女の想いを遂げさせてあげたいだけなのだ。乱世上等とは嘯いても、決して高望みをしているわけじゃない。どう見ても、トールは今で満足してますもんね。自分の力でチャイカを守ってあげられている、チャイカに求められている、それだけで充分満足している。今のトールはそれほど世の中に燻った想いを抱えているようには思えない。彼は、誰かに必要とされたかっただけなのかもね。……アカリは残念ながら、あれだな、優秀すぎたんだな。優秀すぎた上に、兄を過保護にしすぎたんだな。これで妹が無能で不器用でまともに金も稼げず困り果ててるような子だったら、トールはニートになんかならずちゃんと働いたと思うぞ。お兄ちゃんがいなかったら生きていけない、みたいに必要とされてたら、ね。それが、逆に何もしなくても養ってもらえちゃうくらいに妹が何でもできた上に、嫌味は口にしても何だかんだとダダ甘で追い立ててくる事もなかったら、そりゃあ際限なく腐るわ、ニートに甘んじるわ。私も甘んじたい!!
ダメ男属性の女の子なら垂涎の的だな、トールくんは。

表紙は一貫してチャイカで行くのかと思ったら、チャイカはチャイカでも紅チャイカという裏技で仕掛けてきたよ。これは良い意味でサプライズだった。まあ、紅チャイカは可愛いからな、うん。ああいう、機嫌の悪い気難しい猫みたいなチャイカも、それはそれで可愛いのです。ぽやぽやとしてのんきで天然な白のチャイカもそれはそれは可愛いのですが。結論、チャイカ・シリーズを潰し合わせようとか考えた人は完全に落第。チャイカ・シリーズは全部揃えて愛でましょう! とりあえず、あとはチャイカ・ブラック。チャイカ・ブルー。チャイカ・パープルあたりを所望。イエローとかグリーンは正直ビジュアル的にもキャラ的にも微妙な気がするので遠慮したいな!!

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棺姫のチャイカ 34   

棺姫のチャイカIII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 3】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「む……胸!?」「先ずそれかよ」「豊胸。秘訣。是非教授」チャイカの“捜し物”を求めて旅するトールたちは温泉で休んだのも束の間、英雄がいるという『帰らずの谷』でジレット隊と衝突、全員崖から落ちてしまう――
ふーん、そうかー。今回のお話のテーマは『信頼』。そもそも今回は編集さんから絆が深まるお話にしましょう、みたいな提言があったらしく、それを踏まえて一本のストーリーを構築したそうですが、絆とは人と人との繋がりであり、その繋がりとは信頼を以て成立する。ならば『信頼』、すなわち人を信じるという事柄はそもそもどういうものなのかを、トールの視点に寄って掘り下げていったのが今回の話になるわけですな。
そも、人を信じるという行為はその人個人に立脚するものであり、ぶっちゃけ信じられる相手側からすると何の関係もないんですよね。それが、何故だか『信頼』が裏切られる結果となると、その責任は信じられていた人に押し付けられてしまうケースが多々見受けられる。その人を信じた自分の責任については、まるで存在しないかのように扱われてしまう。でも、それって思考停止の無責任じゃない? というのが、お話の意図するところですな。
「責任ある信頼」。今回の話のテーマであり、また作者の初めての長編シリーズ【スクラップドプリンセス】の没になったタイトル案でもあったというそれをして、榊さんは原点回帰したのかもと仰っているけれど、改めて作者のこれまでの作品を振り返ってみると、とりあえず自分の読んだ範囲での話ですけれど、物語の主格をなす登場人物たちは、皆常にこの「責任ある信頼」、人を信じるとは相手に預けちゃうのではなく、自分で背負うこと、を実践していたような気がします。或いは、それが出来ていなかった人がそれを身につけていく、という形の成長譚もあったよなあ。【イコノクラスト】や【ストレイト・ジャケット】も言わば「責任ある信頼」を身につけ構築していく話だったのかもしれません。
とはいえ、そんな常に物語の根底の柱の一本としてあったそれを改めて主題として話を書いたことは、やはり原点回帰というんでしょうな。
でも、実際はなかなかトールみたいな境地まで、信頼を深める事は難しいですよ。信じていた人に裏切られた時、それを諾々と受け入れられるのか。多分、最初から疑いもせずに信じてしまった関係なら、耐えられないんだろうな。何度も疑い、疑念を募らせ、それでもなおこの人なら信じられる、と覚悟した末なればこそ、たとえ裏切られてもそれを自分の判断の結果であり、責任だと受け入れられるのでしょう。
でもね、人に信頼をよせるのにいちいち「覚悟」まで要するなんて、やっぱりあんまり無いんですよね。人を信じるって、多分とても簡単な事なんだろうと思う。簡単で、そして何ら難しい事ではないのだ。だから、わざわざ「覚悟」なんて踏まえる必要を見出す人は少ないのでしょう。だからこそ、信頼を相手に押しつけず、自分だけで背負える人も少なくなってしまう。それに、裏切られ方によっては「覚悟」なんて容易に吹き飛んでしまいますものね。
トールだって、もし彼が見せられた裏切りが自分だけでなく、アカリをもすら破滅させるものだったとしたら。かつての八英雄の一人が狂う原因となった裏切りのように、それが自分以外の周りの親しい人をも巻き込む手酷いものだったとしたら、果たして受容できたかどうか。
うーん、でも類が他人にまで及ぶのなら、それは自分一人で背負う範囲を超えているのかもね。自分が信じた結果、報いを自分だけが受けるなら兎も角、周りの関係ない人間にまで類が及んだとしたら、それは信頼した自分が落とし前をつけなきゃいけないのかもしれないな。それが、信じた責任を果たす事とも言えるようにも思える。

うん、何にせよテーマをガリガリと掘り下げる分、じっくりと腰を据えて読めたのが良かったのか、何やら味わって楽しめたな、今回は。
案の定、フレドリカが手綱をとって操縦はできないものの、何とかパーティーの戦力となってくれそうな見通しは立ったのは、通常の態勢でのジレット隊にはどう足掻いても太刀打ち出来ない事が今回の戦闘で立証されてしまったトールたちからすると希望の光だよな、これ。いずれジリ貧になるとわかっていただけに、やっぱりフレドリカの参戦は大きいわ。ただその分、ボケ娘が三人になってしまい、唯一のツッコミ戦力であるトールの疲労度がパねえ事になってしまっているのは、これはもうご愁傷様としか言いようがない。ご苦労様である。圧倒的劣勢、ってやつだな。ある意味、対ジレット隊よりも分が悪そうだw

しかし、ツッコミ役のトールがいない場面だと、意外にもチャイカが抑え役に回るんだな。ってか、アカリってトールがいなくてもフリーダムなんだな、この義妹。でも、わりとあからさまに嫉妬やら自己アピールやら可愛い反応も見せてた気がする、今回。チャイカも反応見てると結構トールのこと意識しているみたいだし、のちのち甘酸っぱい展開とかもあるんだろうか。ちょっとは期待したいなあ、うん。

1巻 2巻感想

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棺姫のチャイカII (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 2】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「集める。それから。始まる」チャイカの望みを叶えるため、共に旅するトールとアカリだが、まず騎士ジレットから逃れる必要があった。そんなトールの前に、重要な情報を提供する少年、そして美麗な竜騎士が現れ……
気のせいか、一巻の時よりも背負っている棺桶おっきくなってませんか? 二巻の棺桶だと背負って歩けないぞ!
さて、このパーティー、忍者が二人に魔法使い(狙撃手?)というメンバー構成は明らかに戦力バランスが偏っていて、こりゃ壁役の前衛が参入しない事にはまともな戦闘ターンをこなせないぞ、と思ってたんですよね。暗殺や不意打ちといった不正規攻勢には長けたパーティーとも言えるんだけれど、あくまでそれは敵に対してアドヴァンテージを握っている場合だけ。顔割れして、追跡されてる状態だとなかなか長所は活かせない。本気で開き直って、追跡してくる部隊を個々に引き離して一人ひとり各個撃破して殲滅するくらいはできそうだけど。少なくとも何人か暗殺したら、向こうも警戒を解けなくなるから追撃も緩むだろうけど。いや、チャイカが隠密能力殆どないから難しいか。さらに、実行しても相手が本気になるだけだしなあ。
何れにしても、このまま追撃部隊を振り切る事が出来ないなら、壁役になれる前衛がいないと太刀打ち出来ないんですよね。だから、早いうちに仲間は増えるだろうなー、とは思ってましたが案の定、このへんはやはり堅実である。ただ、チャイカたちは半分犯罪者みたいなものだし、立派な目的があって行動しているわけでもないから、仲間になるにしてもまともな理由で加わるのも難しいし、そもそも人間的に健全な人というのはどうやら追撃部隊のジレット隊の方に作品的に集められてるっぽかったんですよね。トールたち一行は、別に悪人というわけじゃないんだけれど、平和になった世界に適応しきれずドロップアウトしてしまったアウトローみたいな役回りに位置づけられているようなので、仲間に加わるキャラクターも相応に平和になれないキャラなんだろうなあ、とは推察してたのですが……なるほど、そう来たか。

はい、さらに「ボケ」一人追加ーー!

すげえな、この作品。ヒロイン全員ボケしかいないぞ。天然でボケ倒すチャイカに、強行にボケ倒す義妹アカリの二人の話が通じないボケボケっぷりにあれだけ振り回されてたトールなのに、さらに天衣無縫のボケが加わったらこの兄ちゃん、過労死するんじゃないのか? 今でもわりと一杯いっぱいなのに。
しかし、チャイカ当人の謎はまったく明らかにならず余計に深まるばかりだったな。というよりも、ジレット隊が自分たちが追いかけている少女の正体に疑問を抱く描写を丁寧に挟んでいることからも、チャイカが単純にガス皇帝の隠し子、という事はまずないだろう。それどころか彼女の正体はこの物語の根幹をなすもののはずだ。
今出ている情報だけでも、幾つか想像は出来るけどね。帯のキャッチフレーズにもなっているトールのセリフ、
「俺の目的は、お前の目的を叶えることだ。我が主(チャイカ)」
これも、話の進み具合によっては重要なキーワードになる可能性もあるんですよね。チャイカにとっての目的は今のところ、父の遺体を集めて弔うこと、ということになっているけれど、将来それが変質したとき、「チャイカの目的」というものの何処にチャイカの主体をトールが見定めるか。トールにとっての主は誰かのか、というのが問われる事になった時、彼が告げたセリフ、彼女が受け取った言葉というものは大事になってくるはず。
まあこれは、想像が当たった場合ですけどね。まだ断定するには情報が少なすぎるし。
何れにしても、着実に下拵えは進んでいる感じ。キャラ同士の掛け合いも楽しいし、順当に面白かった。次の巻あたりでそろそろ本格的に話が動き出すのかしら。

しかし、アカリはなんでそんなに貧乳を目の敵にするんだろう。普通は逆だろうにw

1巻感想

棺姫のチャイカ 13   

棺姫のチャイカI (富士見ファンタジア文庫)

【棺姫のチャイカ 1】 榊一郎/なまにくATK 富士見ファンタジア文庫

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「働いたら負け」とうそぶくトールは生きる目的を失っていた。目下フェルビスト大陸を義妹アカリと放浪中だが、食い詰めてアカリに罵られ山中で食料を探すことに。そこでトールは棺を担ぐ不思議な少女と出遭う――。
榊さんのやる気ない系主人公というと【スクラップド・プリンセス】や【ストレイト・ジャケット】と筆者の作品の中でも傑作が揃っているので、自然と期待が募る。この人が真面目な主人公を書くと真面目すぎてその内悩み込んだ挙句に陰に篭っていくので、むしろ最初から欝系の方があとは上に登るだけだからなのか、どんどんテンション上がっていくんですよね。って、これはストレイト・ジャケットの方か。すてプリは、パシフィカという陽性のヒロインが最初から最後まで作品のテンションを支えてくれていたので、その意味では主人公の兄貴は楽な立場だったのかも。というか、あの作品はむしろパシフィカの方が主人公だったよなあ。
というわけで、実のところ榊さんの作品では一度、明るい系の女の子がメインの主人公として物語を引っ張る作品が見たいなあと期待してるんですけどね。
話が逸れてしまいましたが、本作も【ストレイト・ジャケット】が終了した後の富士見ファンタジア文庫からの新シリーズということで、なんだかガチで腰を据えて取り掛かっているような気配が事前の情報からも伝わってきていたので、久々に榊さんの原点回帰とも言えるガツンとしたファンタジーが読めるんじゃないかと思っていたのですが、うんうん、最近多かった迂遠な言い回しの多様も少なく、ガッツリと物語を読ませる仕様になっていて、これは期待通りのものが出てまいりましたよ。
ファンタジーの世界観でアンチマテリアルライフルを持ち込んでくるあたりは、デビュー作の【ドラゴンズウィル】を未だに愛読している身とすれば痺れる設定じゃないですか。
しかも、単純に兵装として対物ライフルが存在するのではなく、魔法師の杖がそれというのは、元来機械系を魔法に取り込む事が多かった筆者の作風の中でも大胆な試みだ。単純な装備としての視点に留まらず、戦争における戦術大系に組み込まれているようだし。さらに言うと、弾は物理的な弾丸ではなく、あくまで魔術。そうか、威力によってはライフルを持った狙撃兵としての特性に留まらず、砲兵としての面制圧用の兵科、最終的には戦略兵器としての可能性も秘めているのか。最も、砲兵になれるほどの威力を操れる魔法師は殆ど居なさそうな気配だが。
何にせよ、巨大な機杖を取り回さなければならない以上、単に身体能力が乏しい云々という理由以上に明確にどう考えても近接戦闘が不可能な魔法師が必要としているのは、壁役となる前衛。しかも、狙撃兵としての特性も考えられるわけだから、お互い姿を見せて戦うよりもむしろ自分の居場所を伏せたまま一方的に攻撃を加える方がこれは本来の戦い方なのかもしれない。そうなると、馬鹿正直に剣を掲げて突っ込んでいく騎士様よりも、なるほど不正規戦こそが華というべき「ニンジャ」の方が魔法師とのコンビでは相性がいいのかもしれない。特に、本作のヒロイン、チャイカ・トラバントのようにお尋ね者で追っ手に追われているような立場だと。
むしろ、主人公の側の方が大きな戦争が終わり、ようやく訪れようとしていう平和を乱し、再び戦乱の世をもたらしかねない存在だというのは面白いなあ。特に主人公のトールが、己の存在価値を平和よりも戦乱に求めようとしているあたりは、主人公の在り方としては珍しい。
最も、まだチャイカの目的にしてもかつての大戦の真相にしても色々と謎が多すぎるので、チャイカの立場は今後の展開次第でころっとひっくり返るかもしれないし、トールも性格は善良で泥臭い身の上の割りにはそれほど世間を知っている風ではないので、彼の意識や考え方もチャイカと義妹のアカリとの旅路の中で変わってくるのだろうけど。

それにしても、主人公パーティーはまともなのがいないな(苦笑
ヒロインのチャイカとアカリは完全に変人だよ? いやまあ、一人まともなのが居てしまうと、生きる気力に乏しいトールくんがそのまともな人に判断とか決断とか預けちゃって、何もしなくなる可能性があるので、彼を唯一のまともな思考を持つ人にすることで否応なくヒロイン二人のお相手とフォローをしなきゃならない立場に追い込むというのは正解と言えば正解なのだけどw
それでも、メインヒロイン二人ともが無表情系というのはある意味はっちゃけてるなっ。あいや、チャイカは厳密には無表情系ではないのか。あれは片言系とでも言うのかな。何にせよ、無表情と片言、のわりに二人ともかなり騒がしいのはなんでだ?(笑

とにかく、まだはじまったばかりで謎が増えるばかりだったが、旅ははじまったわけだ。新シリーズ、期待してます。

しかし、この表紙絵はインパクトあるなー。大当たり。
 
12月2日

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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(エンターブレイン)
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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