ふゆの春秋

霊感少女は箱の中 3 ★★★☆   

霊感少女は箱の中3 (電撃文庫)

【霊感少女は箱の中 3】 甲田 学人/ふゆの 春秋 電撃文庫

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「被服準備倉庫には呪われた人形が置いてあるらしい」
真央が所有する棺に興味を持つ銀鈴学院三年総代・荻童獅朗から、ロザリオ・サークルに依頼が舞い込んだ。それは同じ学校に通う三年生・小木奏の相談―銀鈴学院に古くから噂が絶えない被服準備倉庫の呪い人形の霊に取り憑かれた妹の調査だった。真央や瞳佳たちが被服準備倉庫に向かうと、そこには埃をかぶりながらも布に覆われ異様な雰囲気を纏うドールハウスが一同を静かに待ち受けていて…。妹の身に起こるポルターガイスト現象、奏の依頼裏で暗躍する荻童、瞳佳の身にも迫る学院最凶の霊。事件を追ううちに見えてきた学院の抱える秘密とは―。

この銀鈴学院、ちょっと危険地帯多すぎやしませんかね! 瞳佳ちゃんが予てから絶対に近づいてはいけないと感じていた場所として、今回の舞台となる被服準備倉庫をあげていましたけれど、それ他にも何箇所か強度の差はあれど、近づくとヤバイ! という場所が学院内にいくつか存在しているわけで、調べてみると実際に過去にえらいことになってしまった事例が幾つも残っている、とか普通に通う学校としてはやばすぎるんじゃないでしょうか。どれだけ危険な学校でも、踏み入ってしまうと確実にアウト、な場所とかあってたまるか、というものですし。
……【Missing】の「聖創学院」は別ですよ。あそこは普通に通っているだけで普通ではありえない死に方をしたり行方不明になる人が年間何人も出てしまうような学校ですし。未だに甲田さんの作品に限らず、あそこまでやべえ学校は今までフィクションの中でもお目にかかったことはないです。
比べる対象をあれにしてしまうと、とりあえず近づかなければ大丈夫じゃん? とむしろ安全に思えてきてしまうので、そのあたりは意識から排除するとして、今回はポルターガイスト現象がメインとなるお話。
思春期の問題を抱えた少年少女の間で起こりやすい、コントロールできない超能力の暴走現象。当人の自覚なく発動する念動によって起こるポルターガイスト。この手の話の説明は、様々な媒体で扱われているので、おおよそ知れ渡っているとは思うのですが、この甲田さんの手にかかると案の定凄まじいまでのホラーと化すのである。
ドールハウスという外的な要因、というか触媒、呪いの品のようなものが存在することで、ただの精神の不安定さから顕れる現象、とは言い切れないものが横たわっているだけに、簡単に個々の問題を解決したら終わり、みたいなことに到底ならなさそうなのも大きな原因なのでしょうけれど、とにかく人間の無意識の発露、超能力の暴走、なんてものじゃあ絶対に収まらない異様さが、ぬめった液体に塗れた手で首筋を撫でられるように横たわっているのである。
生きている人間の露骨な悪意が、被害者となる娘たちの周囲に絡みついているのも大きいのでしょう。普通、この手の身の程を知らずに危ないものに手を出す人間は、相応の報いを得る、というのがホラーの定番でもあるはずなのですが、今回の主犯って身の程知らずとは言い切れないだけに尚更質が悪いんですよね。あれほど明らかな邪悪にも関わらず、なんかうまいこと箱の危険範囲外に位置取っていて、リスクは真央たちにばかり押し付けて美味しいところだけ抉り取っていきそうな、そんな狡猾さを感じさせるのです。実際に瞳佳はかなり危ないことになりかけましたし。
なんだかんだと、スポンサーサイドである、というのも辛いところなんだよなあ。他の三家の連中とは役者が違うみたいだし。それでも、それほどの相手だからこそ、安全地帯にふんぞり返っているつもりで一線を越えて自業自得なことにならないかなあ、と期待してしまうのはまあ仕方ないじゃないですか。
今回は前後編の前編というところで、いいところで終わってしまったので、小木姉妹の件、妹ちゃんの依頼も含めて、うまいこと解決してくれたらいいのだけれど、作品の流れ上はたしてスッキリするような結末になるものか。ジクジクとした不安ばかりが染み出してきます。

シリーズ感想

霊感少女は箱の中 2 ★★★★   

霊感少女は箱の中2 (電撃文庫)

【霊感少女は箱の中 2】 甲田学人/ふゆの春秋 電撃文庫

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少女失踪の心霊事件以降、ロザリア・サークルの代表・守屋真央のもとで「交霊会」の手伝いをすることになった柳瞳佳。
そんな中、守屋の前に同じ学校に通うテニス部所属の的場茜から心霊相談が舞い込む――それは「一人交霊会」を機に、人が全く変わってしまった親友・吉野美南海の調査だった。
美南海の横顔に写る無数の目鼻が浮かび上がった写真。彼女を取り巻く友人たちに次々と起こる不可解な現象。そして辿り着いてきた美南海に取り憑く首つりの霊。
全ての謎を追っていくうちに、やがて明らかになっていく哀しい真実とは――。
とりあえず、死人が出なかったら、凄く穏当に終わったなあ、と思わずホッとしてしまったんだけれど、いやいやいやいや、よく考えると全然良くないですからね、これ。死人出なかったら、って一応死者出てますし、再起不能に近い状態になっている人もいるわけで、全然穏当なんかじゃないですからね!
ただ、それでも前回よりよっぽどマシな結果に終わった、と思ってしまうのはそれだけ一巻の事件が凄惨で救いがなかったから、なのでしょう。
だからと言って、今回救いがあったかというと、てっきりあった……ちょっといい話で終わったかも、と思った瞬間に虫でも踏み潰すかのように「グシャ」っと、当の救いがあったと思われた娘の心のうちからえげつないまでの本音が見えてしまっただけに、もうなんかねー、なんかねー。
ただ、独りよがりではあるんだけれど、うーんうーーん。一概に攻められんとも思うし、もう一人の娘なんかはまだもっとシンプルに二人の親友のことを思って行動していたので、救いが全くないというわけではないとは言えるんじゃないだろうか。
なんか、学校の環境が酷い状況を酷いと生徒たち自身が思うことがないくらいに歪みきっているんだけれど、前回にしても今回にしてもちゃんと女の子同士、イビツでは在っても友情というまっとうな感情が機能しているのは間違いなく、ちゃんと友達のこと心配していることは確かなので、それは救いなのかなあ。
でも……思いっきり泥をかけられた気分でもあり。なんともすっきりしないわけですよ、うん。
しかし、そう言えばその友情を拗らせきっていた瞳佳についていたアレ。てっきりレギュラーのごとく、或いは【断章のグリム】の風乃姉さんのろくでもないバージョンとして、常につきまとってくるのかと思ったら今回は音沙汰なしでしたね。本作って、かなり実録に沿った形で「霊障」というものを取り扱っているだけに、風乃さんみたいなファンタジーな存在は扱わない、ってことなんだろうか。
それでも、真央や瞳佳が置かれている状況というものが絶望を享受しているのは確かな話で、この子らは根本的な部分で、現状を改善しようとかは思ってないんですよね。だからこそ、利用されることもまた享受しているのか。
まさか、あの「箱」を利用しようなんて考えている連中が居て、学校を舞台にその勢力争いというかちょっかい掛け合っている、なんてことになっているとは想像だにしていなかった。だってあれ、どう考えても人間にどうこうできるもんじゃないでしょう。いや、しかし真央はそれを「交霊会」に道具として利用しているわけで、使うものとして捉えられていても仕方ないのか。ぶっちゃけ、真央の側からそれを止めようという意思もあるのかどうか、ってなところだし。
触れてはならない領域に手を突っ込んでしまったものの末路、という顛末は見てみたい気もするけれど。
ところで芙美さん、なんか一巻では評価が微妙というか、ポンコツ巫女っぽい言い方をされてたような記憶があるんですが、普通に活躍してますよねえ。今回もあっちこっちに出張ってお祓いやら調査やらで大車輪でしたし。ちょっと調子乗りなところはあるかもしれませんけれど、何があかんのだろう。そのうち、やらかしそうではあるけれど。

一巻感想

ワールドエネミー 2.不死殺しの王と王殺しの獣 ★★★★   

ワールドエネミー2 不死殺しの王と王殺しの獣 (Novel 0)

【ワールドエネミー 2.不死殺しの王と王殺しの獣】 細音啓/ふゆの春秋 Novel 0

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世界中に吸血鬼や屍鬼、魔獣などの強大な怪物がはびこる時代―人類は世界の敵たるアークエネミーとの全面衝突を繰り広げ、その命運は最強ハンター、ノア・イーストヴェルトに託された。元シスター・シルヴィを料理係に迎えたノアは、とある村の周辺で発生する屍鬼の騒動が大敵の仕業だと目星をつける。過去にヴィクトリア19世が治める王国での事件から因縁を持つ奇妙な大敵・獣の魔術師からの不穏な予言を手がかりに現地に赴いたノアたち。待ち受けるは、「王殺しの獣」の異名を持つ大敵=ヴァラヴォルフ・S。これは、数百年間にわたり人間を騙し続ける最悪の人狼と最強のハンターの死闘の記録。異例の反響を起こす世界最強のハンター・アクション、第2弾!
汝は人狼なりや?
数百年に渡りその正体を暴かれることなく、かつて一つの王国をも滅ぼしたという最強の人狼。「王殺しの獣」と呼ばれる大敵(アークエネミー)との戦いは、正面切っての剣と牙を交える攻防ではなく、誰に化けたかもわからない怪物の正体を暴き出そうとするハンターと、その数々の罠をくぐり抜けて逆に罠を仕掛けてくる人狼との、知略と経験を駆使した頭脳戦。
果たしてどちらが狩る者で、どちらが狩られる者なのか。
そもそも、当初は誰が人狼なのか確定していない上に、途中で入れ替わる可能性すらあったので、登場人物全員、というかむしろメイン級のキャラこそ疑わしくもあり、けっこうドキドキしながらページめくってたんですよね。
この人狼との対決の前に、ヴィクトリア女王とノアが知己を得た事件であり、獣の魔術師との初遭遇の事件の話をしているのだけれど、そこに出ていた顔見知りのキャラクターとて、知人であってもそれが保証にならない、実は人狼が成り代わっているんじゃないか、むしろ過去回想に出ていたのが伏線じゃないのか、という疑念まで湧いてくる始末。
その、誰が人狼なのか、という疑心暗鬼も、実際に人狼が牙を剥いて動き出して以降は正体も明らかになってスッキリするのだけれど、面白いことにそうなったらそうなったでむしろ人狼側にスポットがあたり、語られる物語の比重が移っていくのである。
人の中にまじり入り、人に化け、人になりきり、人の社会に、人の家庭に潜り込む人狼の大敵。誰よりも人間を熟知し、誰にも見破れぬほど人間として生きる怪物。
故にこそ、その怪物は、大敵は、人を理解してしまっているのではないのか。人の心を、理解してしまっているのではないのか。
むしろ、この第二巻の真価は人狼との対決が終わったあとにあったのかもしれない、というくらいに戦いの跡に残されていた事実は、胸を締め付けてくるナニカがあったんですよね。その余韻をかみしめずにはいられないナニカが。
同時にこれって、今ノアが連れてまわり、何だかんだとシルヴィとイチャイチャしているエルザの存在意義にも関わってくる話だったような気がします。史上最悪の大敵でありながら、今こうしてノアたちに協力し、口では色々言いながらも心からシルヴィを心配して気をかけ、何くれとなく助けてくれるエルザ。もうお前シルヴィのこと大好きだろう、と言いたくなるくらい、シルヴィとベタベタしているエルザが、大敵の中のあり得ない例外ではないかもしれない、という可能性。
人類の相容れない敵。ただそう決めつけて良い存在なのか、かの怪物たちは。その疑問を抱かせてくれる大敵を、早々にこの二巻に持ってくるあたり、色々と考えさせられるものがありました。
まあ大体にしてエルザがシルヴィのこと好き過ぎるのが悪いんですが。おのれ、一巻に引き続いて二巻でも終始イチャイチャしおって。シルヴィの方も自分が愛されているのを自覚して、エルザのことからかってるのもたちが悪いのですが。おのれ、女の子同士でけしからん、もっとやりたまえ!

1巻感想

世界の終わりの世界録<アンコール> 10.再来の英勇 ★★★   

世界の終わりの世界録<アンコール>10 再来の英勇 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録<アンコール> 10.再来の英勇】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録」。その在り処の衝突から世界が終わり始めた時代―神性都市に突入したレンを待ち受けていたのは、最悪の力を持つ三起源との対決。そのうち一体を辛うじて退けたものの、残る二体がレンと別行動をとる仲間たちに襲いかかる。それでも、自らが成すべき世界の災厄『真精』の打倒のために都市の中枢部に進むレン。
「本当は、お前ともう少し旅をしたかった…こんな戦いの旅じゃなく。目的地なんか決めずに、世界のどこまでも思うまま歩いていくだけの旅を…」。
仲間たちの想いを胸に、偽英勇は破滅の終曲を迎える世界を救いだせるのか―いま、最も王道を行くファンタジー、第10弾!再来の伝説はここにある!

王立七十二階位特務騎士団の連中、あれだけ意気揚々と黒幕&悪役感出しまくって偉そうに振る舞ってたのに、なんかもうレン関係ないところで勝手に自滅して勝手に絶望して勝手に希望を見出して、気持も新たにイチから出直しだぜ、的なエンドを迎えてるんですけれど、一体なんだったんだあの連中。本当に一体何だったんだ? まあ、騎士王ゼルブライトに関しては、むしろ今までがこの人何がしたいんだろう、なんで居るんだろう的な意味不明な存在だったのが、それなりの存在意義を見せてくれたので納得は出来たのですが。
というかなあ、存在意義というか重要キープレイヤーのような存在感を見せていたという意味では、シオンとエリエス、わりと物語的にあんまり深く噛んでこなくて、最後までちょっと頼りになるNPCみたいな扱いだったのは拍子抜けと言うかなんというか。特にシオンはなあ、レンとの対比における現代最良の英勇としてライバルみたいな立ち位置だったと思うんだけれど、なんか最後までふわふわしたキャラクターで実態が掴めなかった感がある。
三起源との戦いから沈黙機関との決着、そして真の世界の敵との対決を仲間たちと離散集合を繰り返しながら、巨大都市遺跡から謎のディメンションフィールドみたいなところに突入して戦うのって、まんまRPGのクライマックスみたいなノリだったんですよね。概ね、ラスボスサイドの三起源とか真精とかが意思疎通出来ない世界を脅かす災厄、みたいな存在というのも一昔前のRPGだとよくあったパターンですし。
でも、レンって精霊の力を使えるようになったとはいえ、三姫と違って物理的耐久力は普通の人間のまんまだっただけに、敵さんのラスボスらしい世界破壊規模の必殺技っ、範囲攻撃! みたい大仰な攻撃しないでも、ちょっとでかい図体で小突けば死にそうなのになあ、と思う場面もしばしば。ってか、ナイフで脇腹刺したらすぐ死にそうなくらいひ弱っぽいのに、なんであの攻撃喰らって全然死なないんだろう的な不思議。
まあ、そのへんはRPGでもよくあるツッコんでは行けない部分なのかもしれない。
なので、むしろ物足りなさを感じたのは肝心のフィアたち三姫との繋がりの部分だったんですよね。仮にもヒロインはあの三人だったんだろうけれど、信頼できる仲間というわりと最初からのポディションから一歩も関係動いていなかった感じで、結局最後までそれぞれ個人的な距離で踏み込むことなかったんですよねえ。最終決戦、というところに至っても特に個別のイベントらしいイベントもなく、そのまま突入してしまいましたし、エピローグも既定路線でしかなかったし。
彼女らとエルラインとの関係もなんかふわっとした描写しかなくって、エルラインとの彼女らの関係とレンと彼女らの関係、具体的にどう違ったのか、彼女たちの心情とかレンに対する想いとかなんか全然そういう話がなくって、そこらへんはもうなんか肩透かしだったかなあ。
確かにこれは、容姿が伝説の英勇にそっくりなだけだった偽英勇が、本物の英勇になる。そしてかつてエルレインがたどり着けなかったその先へと偽物だった少年がレンが乗り越えていく、成長の物語であり世界中様々な場所を冒険していく旅の物語でありましたけれど、登場人物間の人間関係の掘り下げとか非常に薄味で個人的には食い足りなかったという印象でした。ふんむ。

シリーズ感想


霊感少女は箱の中 ★★★★☆  

霊感少女は箱の中 (電撃文庫)

【霊感少女は箱の中】 甲田学人/ふゆの春秋 電撃文庫

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「おまじないを誰かに見られたら、五人の中の誰かが死ぬ」
銀鈴学院高校に転校してきた少女・柳瞳佳。前に心霊事故に遭遇し退学処分となった瞳佳だが、初日から大人しめの少女四人組のおまじないに巻き込まれてしまう。
人が寄りつかない校舎のトイレにて、おそるおそる始めたおまじない。人数と同じ数を数え、鏡に向かって一緒に撮った写真。だが、皆の画面に写っていたのは、自分たちの僅かな隙間に見える、真っ黒な長い髪をした六人目の頭だった。
そして少女のうちの一人、おまじないの元となる少女が、忽然と姿を消してしまい……。
少女の失踪と謎の影が写る写真。心霊案件を金で解決するという同級生・守屋真央に相談することにした瞳佳は、そこで様々な隠された謎を知ることになる──。
ひぃぃん、怖いよう怖いよう。
うん、ヤバい。夜一人で読んじゃいけません。まじやばいです。ノロワレシリーズはそこまで怖くなかったんだけれどなあ。原点回帰と言いましょうか、デビュー作【Missing】以来の学園ホラーとなる本作。【断章のグリム】は学園モノとはちょっと違っていましたからね。いや、その意味でいうと【Missing】はあれはあれで振り切れすぎていて、非現実感が常態化してしまっていた感があるので、むしろ真っ当な学園ホラーものとしては本作が初めてなんじゃないだろうか、とすら思ってしまう。登場人物もみんな霊能者系も含めてマトモな人間ばかりですし。
でもね、マトモであるからこそ「闇」が濃くなることだってあるものなのだ。マトモであるからこそ、「闇」が濃く見えることだってあるのだ。
むしろ王道の、正統派な怪奇譚だからこそ、それを甲田学人というホラー小説の鬼才が手がけてしまうと、本当にヤバいものになってしまうのである。ってか、なってしまってるんだこれ。

箱、怖い。

もうなんだろうね、この情景描写の迫真性は。否応なく脳裏にイメージを思い浮かべてしまうこの強制的とも言える表現力は。同じ怪談でも、語り部の語り口の上手い下手によって怖さが全然違ってくるものだけれど、このジワリジワリと恐怖心を沸き立たせつつ、冷静さを削り落としていきながら、ふとした隙をつくようにしてギュッと精神を絞り上げるような「ナニカ」が起こるわけですよ。この間のとり方とか、絶妙すぎてもうヤバいの。
読んでる側の心理の動きを読み切っているかのようなタイミングで……。
洗面所がもうヤバい。鏡とかはある意味定番だけれど、まさかそこかよっ、という。あのシーンの鳥肌の立ちっぷりときたらもう……。

ヤバイんですよ。

今回に関してはストーリー展開も絶妙と言っていい構成で、真相の塗り重ね方が思わず呻いてしまうようなそれで、必死によじ登った絶壁をあがりきった途端に突き落とされたような感覚で。

救いがない。

あまりにも救いがない。何が一番救いがないかって、当人たちが救われることを一切望んでいないことなのでしょう。彼らは、自分たちが絶対に救われてはいけないのだと決めている。それは諦めでも絶望ですらもなく、決然とした贖罪として、一切の救いを、救済を、拒絶しているのです。
自分は呪われ尽くした挙句に狂死すべきなのだと、静謐なまでに思い定めている。
互いの生き方と終わり方を知った二人の、あの静かに見つめ合う姿。この世に唯一の同胞を得たかのような、無音の共感。あのシーンを見た時の、あの気持をなんと言い表すべきか。
悲しくも、切なくも……しかし、二人がその最期まで孤独であり続けるのではなくなったのではないか、という安らぎにも似た心地を。

メインとなる守屋真央と柳瞳佳を始めとして、主要な登場人物は癖はあっても根本的なところで真っ当で善良で優しい心根の持ち主なんですよね。どこか常軌を逸した面を隠しているわけでもなく、コミュニケーションに不便を来すほどひねくれているわけでもなく、それぞれふとした瞬間にみせる気遣いや、親切や、優しさ、正しい怒り。危急の場だからこそ本性が見える、なんて説にはあまり同調しないんだけれど、そこでそんな気遣いが出来るのか! という場面が幾つかあって、ああこの人、本当に良い人なんだ。と噛みしめるように感じられるからこそ、余計に辛いんだよなあ。
守屋真央と柳瞳佳。この二人の無辜の咎人の行く末がどうなるのか。出鼻からグイグイ引き込まれた挙句に、あのラストですからね。そりゃあ気になるどころじゃないですよ。
【断章のグリム】に匹敵する傑作となることを期待したいです。

甲田学人作品感想

世界の終わりの世界録<アンコール> 9.絶望の始祖 ★★★☆  

世界の終わりの世界録<アンコール>9 絶望の始祖 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録<アンコール> 9.絶望の始祖】  細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇(えいゆう)エルラインが遺した至宝「世界録(アンコール)」。その在り処の衝突から世界が終わり始めた時代――
海底神殿の探索と激闘の末、ついに神性都市の入り口にたどり着いたレンたち。
だが、思わぬトラブルにより秘境の砂漠地帯に飛ばされてしまい、その矢先に天使や悪魔を捕らえた水晶(クリスタル)の監獄の存在を知る。
いまだ消息の掴めないフィアもそこにいると推測した一行は、残る仲間の手がかりを求めて探査に乗り出す。
一方、シオンやエリエス、ゼルブライトや沈黙機関といった面々は神性都市へ。
「一人ではあるまい? お前も精霊(わたしたち)も」
終極に向かう追走曲(カノン)を超え、偽英勇は、かけがえのない仲間と決戦に赴く――
いま、最も「王道」を行くファンタジー、集結と決戦の第9弾!
相変わらずフィア先輩がマッチョすぎるw 普通、この手の象が踏んでも壊れない系のむやみに頑丈でタフで怪力キャラってドラゴンの方なんだけれど、この天使先輩と来たら、ドラゴンでも即死させそうな毒を盛られても、あと千倍くらい濃くないと効かんわー、となるんだからどんだけなのか。この天使先輩が大人しく捕まっていた、という方が不思議なんだが。
長らく続いた魔王と氷の魔将ルルとのパーティー編成もようやくここで解消。一時的なパーティーかと思ったら、かなり長く続いてしまったわけですけれど、頼もしい戦力ではあったもののあの自分からトラブルを引っ張り込んできてキャッキャとはしゃいでいるあたりは、さすがは悪魔というかエリーゼの身内でありました。というか、エリーゼはヤンチャに見えてそのへん弁えているので、一番はっちゃけてたのルルだったなあ。
そんでもって、シオンやエリエスも神性都市へと突入したことで、ほぼ役者は揃ったことに。ここで一気にかつて神性都市を滅ぼしたという竜と天使と悪魔の三起源との対決となるわけですね。そして、さらにその裏というか奥に真なる敵が存在していて、その正体が浮き彫りになってきたわけだ。
最初、沈黙機関こそがラスボスかと思われてたのに、そこからさらに、さらに、さらに、という展開が続いているわけだけれど、なんかゼルブライトだけ一人ぽつんと状況から離れてボッチかましてるなあ、と思わないでもない。強さの象徴にしても浮きすぎじゃなかろうか。
それはそれとして、味方となるメンバーが増えたところで一旦トラブルからバラバラになって異なるパーティー編成でそれぞれ戦いに突入する、というの。古式ゆかしいRPGっぽくて思わずニヤニヤしてしまいました。
三起源に関しても、自分も作中の人たちのようにある程度交渉からはじまるのかと思ったら、まさかの道中エンカウント強制戦闘突入である。なんか、まんまエクストラボスっぽいぞ。ほら、FF5の神竜とかオメガみたいな。始祖獣ネビュラや巨夢魔オルネートの能力って、昔のRPGのボス演出っぽいですしねえ。特にオルネートのあの異空間みたいなのに引き込まれる演出って、ボス戦になると背景画像がいきなり謎の空間になってしまうのと一緒だし。何気にこれを小説で見たのははじめてかも。
ボスにはこれだけしか効かないという特効があったり、ある一定ターンでその特効を無効化、或いは強制排除する特殊攻撃してきたり、それを狙い撃ちしてきたり、というあたりも自分がプレイしてきたころのRPGっぽくて、なんだか懐かしくなってしまいました。
そうそう、体力バカは必然的に盾役になるんですよねえ。フィア先輩、折角パーティー復活したのにやることと言えばひたすら盾役お疲れしたー。
しかし、最近のRPGというかコンシューマゲームは全然プレイしていないので、最近のはほんとどんなんになってるのか全然知らないんですよねえ。先日、PS3が生産終了というニュースを聞いて愕然としたもんなあ。
PS3、結局一度もプレイどころか、触れることすらなかったよ……。

さて、名実ともに世界有数の旅団として認められつつあるレンたち再来の騎士ですけれど、密かに「黄金の夜明け(ヴィーナス・ライト)」もこの土壇場の最終ダンジョンにまで参加してるし、五大災の一人魅亜まで加わってるしで、レンたち並にメンバーの種族も混成だし、本気で重要キャラクターになってるんですよねえ。この愉快な仲間たちの活躍が、もしかしたら今一番楽しみかも。

シリーズ感想

ワールドエネミー 不死者の少女と不死殺しの王 ★★★★   

ワールドエネミー 不死者の少女と不死殺しの王 (Novel 0)

【ワールドエネミー 不死者の少女と不死殺しの王】 細音啓/ふゆの春秋 Novel 0

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世界中に吸血鬼や屍鬼、魔獣などの強大な怪物がはびこる時代―人類は世界の敵たる12体のアークエネミーとの全面衝突を繰り広げ、その命運は一人の男に託された。ノア・イースヴェルト―史上最凶の「世界の敵」吸血鬼エルザに育てられた史上最強の怪異ハンター。人類の切り札にして、不死たる世界の敵を討ち滅ぼす「不死殺しの王」。これはそんな無敵のハンターと、歴史上で屈指の狡猾なる大敵=吸血鬼・ゼルネッツァAとの死闘の物語。とある町の教会で起きた事件はやがて王家を揺るがす騒乱となり、人と不死者の激闘が幕を開ける。世界最強のハンター・アクション、登場!

吸血鬼モノと言っても昨今いろいろなジャンルがありますけれど、これは吸血鬼ハンターDの系譜だなあ。或いはトリニティ・ブラッドの系統か。荒廃した近未来的な異世界にて、人類を脅かす吸血鬼との闘争を繰り広げる吸血鬼ハンターの物語。現代の伝奇モノとしての吸血鬼も好きなのだけれど、こっちもやっぱり好きだなあ。
最強のハンターというと、どうしても非人間的な超人を連想してしまうのだけれど、ある意味このノアはそんな超人幻想と対極の存在として描かれているのかもしれない。クールで無愛想で人情を読み取りにくいタイプの主人公か、と最初の登場時の辛辣な姿勢でそんな風に思ったんだけれど、よくよく見ていると愛嬌こそあんまりないんだけれど、性格マメだし一緒に旅することになった元シスターのシルヴィに対しても結構親切であれこれと説明や教授を欠かさないですし、対吸血鬼戦闘シークエンスに入ってもシルヴィ放ったらかしで勝手に作戦進めたりという無責任なこともせずに、結構ちゃんと事前にホウレンソウはやってくれるんですよね。その上で、シルヴィにも仕事を振った上で責任を追わせて、大事な部分を任せてくれる。きっちり気持ちを奮い立たせてくれるわけですよ。同じハンター仲間も蔑ろにせず、マメにコミュニケーション取って協力体制を築いているし、信頼できる相手には信頼を寄せてあれこれ任すを厭わない。最強のハンターというわりに孤高を気取らず、人間関係もあれこれしっかり築いてるんですよね。少なくとも、最初に感じたようなコミュニケーションに難のある人物、どころかむしろ社交性かなり高いよ、この主人公!!
……いや、本作の主人公ってこれノアじゃないですよね。むしろ、彼を追っかけてくっついてくることになったシルヴィの視点で物語が描かれているので、彼女が中心となって物事が進みますし、切り札かつ仕込み担当なノアの方は最後の決戦以外は忙しく仕込みと準備に勤しんでいて、周りの人たちとの人間関係の構築や、困難の克服、獅子奮迅の頑張りや見せ場の確保、人間的な成長なんていう重要なイベントをせっせと来なしているのはシルヴィの方ですからねえ。
そして何より、この娘ってばノアのハンターとしての辣腕っぷりに瞠目して勉強している一方で男女関係のあれこれ、というか個人的な情の交換はあんまりないんですよね。まだまだ追っかけ、学ぶばかりでその内面に踏み込む段階までは辿り着いていないのである。ノアの方もマメにシルヴィにあれこれ教えているので、蔑ろにしているわけでは全然ないのだけれど。
むしろ、ずっとイチャイチャしているのはシルヴィとエルザなんですよね。このツンデレアークエネミーを、元シスターが餌付けしてしまったものだから、シルヴィに対してエルザがずっとツンツンデレデレの繰り返しで、せっせと働くノアを横目に、二人の女の子がキャッキャウフフしてるような感じに見えてしまって、にまにまーでありますよ。シルヴィの絶体絶命のピンチに颯爽と助けに現れるのだって、ノアじゃなくてエルザですし。しかも、ちゃんとシルヴィに見せ場は譲ってあげるという完全見守り態勢ですし。
一方で、肝心なところで大チョンボをかましてノアを鍛える契約を交わさざるを得なくなったという初っ端の時点で凄まじいポンコツ臭を漂わせているエルザさま、シルヴィに対しても偉そうに反り返りながら思いっきりお菓子に釣られて完全に餌付けされてしまっているように、頼もしいポンコツ姫になってるんでシルヴィから見てもノアから見てもこの娘がヒロイン的な立ち位置なんですよねえ……可愛いなあ、もう。
あくまで自分は中立と言うか自分が一番偉いので、人間もアークエネミーにも味方しない、と嘯いているくせに、率先して助けて回ってますしねえ、この姫さんw
一見か弱い女性で性格もお淑やかなシスターのシルヴィが、何気に作中で一番のパワーファイターで鉄拳上等の物理で殴る系というあたりも、ミスマッチ感が絶妙で良かったなあ。戦闘シーンも彼女が一番パワフルでカッコよかったですし。
非常に面白かったので、是非ともシリーズ化してほしい新作でありました。


細音啓作品感想

世界の終わりの世界録<アンコール> 8.慟哭の神霊 ★★★   

世界の終わりの世界録<アンコール>8 慟哭の神霊 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録<アンコール> 8.慟哭の神霊】 細音啓/ ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録」。その在り処での衝突から世界が終わり始めた時代―竜の秘境でキリシェと再会を果たしたレンは、残る仲間の手がかりを求めつつ、この世界の真実の究明に乗り出す。そうして彼らが向かったのは、聖地カナン。世界崩壊後もエリエスが治める彼の地もまた深刻な状況に陥り、レンは思いがけぬ再会を果たした魔王ヴェルサレムとルルと共通の目的から行動を共にすることになる。神代の怪物の復活や神性都市の謎が終わりの夜想曲を奏でる世界で、偽英勇は、自らの進むべき確かな道を見据え続ける。「ようやくアンタの旅の先が見えてきた気がするよ」―いま、最も王道を行くファンタジー、世界の深淵へと続く第8弾!

今回の表紙絵を飾るのは魔王城のメイド長、氷の魔将ルルさん。表紙を飾るだけあって、今回はルルさん無双。無双と言っても戦闘力的な意味ではなく、まあ無茶苦茶強い人ではあるんだけれど、今回の無双っぷりはというとそのフリーダムっぷりにスポットがあたるわけで、色んな意味でヤンチャすぎる、この初代魔王w
悪魔の連中は誰もがだいたい変というか愉快系の連中ばかりだった中で、ルルさんだけはその秘された経歴といい現職のメイド長としての立場といい氷の魔将としての冷静沈着さといい、非常にしっかりとした貫目のある人という印象だったのだけれど、この人も所詮悪魔だった。エリーゼと同類だよ、ってかさらに質が悪いかもしれない。冷静沈着に愉快犯じゃないかw
前回は天使たちの長である女神と、この変わってしまった世界を旅することになったのだけれど、今回は魔王と一緒にダンジョン攻略、という相変わらずパーティーメンバーがいい具合にカオスってます。とりあえず、悪魔とダンジョン攻略なんて知力と計画と繊細さが必要な冒険はしちゃいけませんね。なんかもうしっちゃかめっちゃかになっちゃうというかされてしまうというか、エリーゼって振り返ってみると凄い気を使ってバランス取ってくれてたんだなあ、と遠い目になってしまった。キリシェといいフィアといい、三姫たちあれでホント思慮深く動いてくれてたんだなあ、と今更のように納得できてしまった。

ともあれ、今回の遺跡探索で竜・天使・悪魔たちの伝承からも失われていた古代文明期に何が起こったか、そこに精霊たちがどう関わっていたのか、という謎も徐々に紐解かれてきたわけで。精霊たちについても、これまでレンが使えてきた精霊の力というものがほんの一端に過ぎなかったというのがわかってきて、サラマンダーやノームたちの力も、ともすればもっと凄いものを引き出せるようになるわけか。
しかし、同時にまたぞろ強大な壁となりそうな相手の存在も明らかになったわけで、ってか竜・天使・悪魔にも始祖となる一番強いのが控えてるのかー。これはキルシェたちの担当になりそうな気もするけれど。
ともかく、今まではエルレインの旅の足跡をなぞってきたレンだけれど、世界録を見つけて以来、エルレインがたどり着けなかった旅の先へと踏み出している、という実感がエルレインが経験しなかった大冒険を突破することで、レンに焼き付けられていく。名実ともに、レンが英勇を超えつつあるわけだ。

そのレンの最大のライバルとなるだろう騎士王ゼルブライトだけれど……この人、なんか凄い思わせぶりに独りごちてるけれど、ぶっちゃけ今起こりつつある出来事の数々から完全に出遅れてしまってるだけな気がするんですけれど。みんな出て行っちゃって空っぽの場所に戻ってきて、アレ誰も居ないぞ?もう行っちゃったのか?と言ってるだけじゃないのか、あれw

シリーズ感想

世界の終わりの世界録(アンコール) 7.神代の暴君 ★★★   

世界の終わりの世界録(アンコール) (7) 神代の暴君 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録(アンコール) 7.神代の暴君】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録<アンコール>」。その在り処での衝突から世界が終わり始めた時代――フィオラとの死闘の末、世界を包み込む衝撃波に巻き込まれたレンは、妹のリンカに引き取られ一命を取り留める。昏睡状態から目覚めたレンが目の当たりにしたのは、天も地も全てが変わり果て荒廃した世界の姿。英勇の遺志を継ぎ、自らの手で世界を救う決意を固めた偽英勇は、離れ離れとなったキリシェ、フィア、エリーゼらの仲間を探し求め、終焉の協奏曲<コンチェルト>が鳴り響く荒野を独り歩み始める。すべての始まりとなったあの場所を目指して。「俺は、お前を越えていく……立ち止まってる時間はないんだ」――いま、最も王道を行くファンタジー、新章突入の第7弾!
三大姫のいない一人旅。そう言えば旅立ちからして、キリシェとの出会いやフィアに促されることで旅に連れだされたレンは、一人で旅をしたことがなかったんだよなあ。
というわけで、実家から一からのスタートとなったレン。行方不明の三大姫を探してたった一人で旅に出る。世界は今や破綻し混沌と化し、魔界は地上へと浮上し天界は地上へと落ちてマーブル模様のように混在してしまっている、まるで見たことのない有様となっていた。
レンがまず訪れたのは冒険者としての原点ともいうべき学園都市。そこで思わぬ再会を遂げたのが、翼のない最初の天使。女神レスフレーゼであった。
「世界録<アンコール>」の中で眠っていたポンコツ人工精霊ナスターシャも加えて、生活力のない幼女女神さまとともに新たなパーティーメンバーを形成するレン。これって、一応天界のトップを仲間にした! てな事になるんだけれど、レスフレーゼさまは戦闘力とかあんまない人だからなあ。というよりも、天界で一番偉い人ではあるんだけれど、それって権力的なものとか能力的なものではなくて、天使全員の親みたいな存在だからだったんですよね、幼女なのに。なぜ天使にも関わらず、彼女にだけ翼がないのか。天使と竜と悪魔がこの世界に現れた理由にも繋がるのだけれど、一番最初の天使であるレスフレーゼさまはかなり直接的に天使をこの世界に召喚した存在に関わってたんだなあ。こればっかりは世代交代している魔王や竜姫とは異なって、直接見聞きしてきた貫禄が感じられる。
この偉い幼女をあっさりと丸め込んで懐かせて団のメンバーにしてしまう「黄金の夜明け」の団長がやっぱり凄いよこの人w
伊達に沈黙機関の一人をメンバーにしてしまっていたのも無理からぬというか、この人だけは本当にレンとはまた違うアプローチで世界の謎の深淵を踏破してしまっていってる感じすらする。別に一緒に行動しているわけじゃないのだけれど、「黄金の夜明け」がひょいひょいとレンと同じ所に現れるというかくっついてくるのは面白いなあ。既に魔界にまで迷い込んでしまった時点でアレだったんだけれど、このフットワークの軽さはそのまま最終決戦の舞台まで一緒についてきそう。

キルシェとの再会シーンは、彼女との最初の出会いのシーンのやり直し、というわけなのか。最初、レンのことをエルラインと勘違いしたキルシェの「今度は間違えなかったぞ」というセリフに、この巻から第二部がはじまったんだなあ、という思いを新たにしたのでした。

表紙絵が敢えて喪われたレスフレーゼさまの翼を描いているの、読み終えたあとにもう一度見なおして感慨に耽ることの出来る良い趣向だと思う。

シリーズ感想

まず訪れたのは、自分の冒険者としての原点である学園であったが、

世界の終わりの世界録(アンコール) 6.終焉の精霊 ★★★☆  

世界の終わりの世界録(アンコール) (6) 終焉の精霊 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録(アンコール) 6.終焉の精霊】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める時代―冥界に突如現れた沈黙機関の手により、終焉の島へ向かうために必要な悪魔法印を奪われてしまったレンたち「再来の騎士」。追い詰められた事態の中、レンは、ある秘策に望みを託して結界突破に挑む。時を同じく、終焉の島を目指して集結する王立七十二階位特務騎士団と沈黙機関。世界の終わりと始まりが交響曲を織りなすその場所で熾烈を極める世界録争奪戦。そして偽英勇は、英勇しか知らない世界の真実と出会う。「こんな世界のままで終わらせない。俺が絶対、アンタの目指した未来まで辿りつくから」―いま、最も王道を行くファンタジー、衝撃の第6弾!
これまでのお話を全部まるまるプロローグにしてしまうような怒涛の展開。クライマックスかと思ったら、まだ何もはじまっていなかった、というやつか。偽英勇だったレンが成長し、舞台に立てるのを待っていた、といえるのかもしれないけれど。これまで、一緒に旅しながらも導き手であり見守り手以上に干渉しようとしなかった三人の姫たちの、最後の立ち位置も象徴的だったし。これまでも心情的にはずっと心から打ち解けた仲間同士だったけれど、届いていなかった実力がようやく合格ラインの端に引っかかって並び立つに至ったんですねえ。
本物の英勇エルラインが遺した思いを、願いを引き継ぎ、ついに彼自身本物の英勇となるべく、いや彼が成し得なかった事を成し遂げるために、彼が望んで手に出来なかった世界を作り出すために、立ち上がるレン。まさに、彼はスタートラインに立ったのだ。
もっとも、三百年の時間は貴重な猶予を消費する時間でもあったようで、明らかに土壇場からのスタートになってしまってるんですよね。レンの登場はあまりにも遅すぎたのか。精霊と対話でき、誰も交渉が叶わなかった沈黙機関とも会話できる彼の存在は、敵対するしかなかった彼ら沈黙機関と意思の疎通を図れる可能性でもあり、実際に交渉の余地はありえたわけだけれど……。
まさか、さらにもう一つ奥に脅威が控えているとはなあ。
これまで、かつてエルラインと三大姫が戦ってかろうじて勝利したという謎の存在こそが、まったく未知の存在で今に詳細が伝わっていないからこそ、問答無用でラスボスだと思っていたところで、さらに複雑な相関関係が明らかになってきたわけですしねえ。
彼ら沈黙機関が竜と天使と悪魔たちを敵視する理由も明らかになってきましたし。なんか、ここにきて王立七十二階位特務騎士団の方が圧倒的に悪役感出してきたぞ。あの連中、完全に漁夫の利で終焉の島に入れたのに、ちょっとエラそうじゃないかい? なんか、むやみに強キャラ感出してるのが、かなりむかつきます。こういう連中から率先してシメてくれませんかねえ、表紙の人。
意外と、あのただのおっさんに過ぎない旅団の隊長さんが重要人物になりそうだなあ、この流れだと。レンとは別の意味で、世界の理想を体現している人でもありますし。
戦って敵を倒すのではなく、対話によってそれぞれが望んだ世界の在り方をたぐり寄せる。まず、話を聞いてもらうために、対等な相手として認めてもらうために力は必要なんだけれど、だからと言って力ですべてねじ伏せるのは間違っている。戦う力も対話の力も否定せず、高く望む。英雄よりも勇者よりも……なるほど、英勇たるはこれほど理想を高く持たなきゃ、そしてそれを実現することが叶わなくちゃいけないのか。
その英勇になるためのスタートラインに立ったレン。また、独りからのスタートだけれど、新たに再編されつつある世界を舞台に、第二部の開幕。これは端からテンションあがりますわー。

シリーズ感想

世界の終わりの世界録(アンコール) 5.降魔の大皇3   

世界の終わりの世界録(アンコール) (5) 降魔の大皇 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録(アンコール) 5.降魔の大皇】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める時代―覇都エルメキアを舞台とした三大姫の大暴れで「再来の騎士」の名声が高まる一方、レンは騎士王ゼルブライトとの激闘の末、新たな「英勇」としての可能性を顕示。そして一行は最後の封印を解くために冥界へと歩みを進める。危険すぎる道中の先に待ち構えるのは、エリーゼの弟である現魔王ヴェルサレム、五大災、正体不明の沈黙機関。過去と因縁に囚われし者たちが鎮魂曲を奏でる中、現在と未来を切り拓く偽英勇の熱き叫びがこだまする。「太古を誇るだけの獣が、現在を生きる人間を舐めるんじゃねえ!」―いま、最も王道を行くファンタジー、怒濤の第5弾!
三大姫の一人として最初からずっとレギュラーで頑張ってたのに、何故か五巻になるまで表紙を飾らして貰えなかった元魔王のエリーゼさん。ようやくトップを飾りましたよ、良かったね。というわけで、色々と世界を巡ってきたレンたちだけれど、ついに魔界……じゃなくてエリーゼたちの世界である冥界を悪魔法印を求めて訪れることに。気分は、ドラクエ3のアレフガル突入である。冥界はイメージ通りの毒々ワンダーランドっぽくて良かったんだけれど、魔王城までの道程、レンがひどい目にあっているのに概ね端折られちゃってて、可哀想というかなんというか。苦労したのにw
現魔王のヴェルサレム、エリーゼの弟で話題にのぼる時もあの愚弟扱いばかりだったので逆にエリーゼが過小評価しているか、可愛がっているけれどわざとキツい言い方しているのじゃないか、とちょっとだけ期待してあげたんだけれど……あかん、わりとガチで姉ちゃんに頭あがらん弱弟だw 見た目はイラストになってなかったんだけれど、どうやら厳つい見るからに魔王っぽい容姿なんだけれど、言動の端々から理不尽なお姉ちゃんに振り回されても文句ひとつ言えずに半泣きになりながらヘコヘコしてるのが透けて見える残念さw わりと威厳もあると思うんだけれどなあ、滲み出ちゃってる、威厳の隅っこからにじみ出ちゃってるよー。
まあエリーゼのことを姉上とか姉者とかじゃなく「姉ちゃん」と呼んでる時点で推して知るべしなんだけれど。一人称が「余」な分、ギャップが萌えるのです。竜の谷の妹竜カルラとか、天界の女神様とかわりと格好ついてたんだけれどなあ。レスフレーゼさまも大概だったんだけれど、愚弟魔王と比べるとまだ……魔王、頑張れ魔王w
魔王の座を競い合ったという冥界の大幹部五大災たちも久々に登場すると、あれただの愉快な変人たちですよね。人間サイドの実力者たちがみんな真面目、シリアスモードなのに対して、この悪魔たちと来たら……。
特に魅亜さん。旅団のおっちゃんにおもいっきり籠絡されて、嬉々と仲間になろうとしているのには吹いた。五大災、仮にも五大災の一人だというのを、この娘普通に忘れてるんじゃなかろうかw とはいえ、あの「黄金の夜明け」の団長、何気に人物なんだよなあ。人族と決して仲良いというわけじゃない異種族のメンバーたちにあれだけ慕われてるのだし、魅亜にしたってアホの娘とは言えああも安々と「団長♪」と慕われるようになるとは、尋常じゃないですよ。その上、同じく冥界に迷い込んだ「あの娘」についても、団長については完全に特別扱いでしたしね。
この団長、弱いとはいえ多種族から慕われ、注目されているという点ではレンと似てるんですよね。今後、けっこう重要な立ち位置になってくるのかもしれない。

さて、ついに三大姫と英勇エルラインが戦ったという謎の存在の正体、少なくともどういう連中なのか、というのが明らかに。もうちょっと引っ張るかと思ったけれど、ここらはサクサクっと進めてきましたね。どうして、レンにその敵のことを積極的に語ろうとしなかったのか。レンが持つ特別な力と覇都エルメキアで繰り広げられている陰謀も絡んで、なるほど焦点はそこだったのかー。
実のところ、エルラインたちが戦った相手は意思疎通不可能な絶対敵なのだと思っていたので、意思の疎通が不可能だった理由の一旦が明らかになると同時に、その性が悪ではなかったのはインパクトでありましたね。ただ、敵を倒せばいい物語じゃないのか、やはり。エルメキアで暗躍している連中のほうがよっぽど質悪そうだし。ああいう意味深に悪ぶって見下して自分たち超つおい、という態度取ってる連中は、バチコーンとぶっ飛ばしてほしいなあ、早々に。その意味では、あのディスカントもそういうタイプだったので、一発イワしてくれたのは大変結構だったのですが、どうせなら泣きべそかかせて「くちゅじょきゅだ!」ってなるくらいにはきっちりやっつけてほしくもあったのでした。いや、そういうキャラじゃないのは承知の上で。

シリーズ感想

世界の終わりの世界録<アンコール> 4.異端の覇王3   

世界の終わりの世界録<アンコール>4 異端の覇王 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録<アンコール> 4.異端の覇王】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める時代―聖女エリエスとの邂逅を経て、揺るぎない決意を胸に刻んだレン。次の目的地として一行は、不穏な動きを見せる「王立七十二階位特務騎士団」の真意を測るべく、エリエスの「カナン巡礼聖教船」と共に覇都エルメキアを目指す。待ち受けるのは、世界最強の男・騎士王ゼルブライト、そして精霊の怯えの正体を探る剣聖シオン。偽英勇は、やがて伝説となる英雄たちの輪舞曲の中心で、その存在を証明する―いま、最も王道を行くファンタジー、大騒乱の第4弾!
ようやく、「世界録」というものの持つ意味が見えてきた。これまで、勲章みたいな扱いで探し求められているだけで、実際それが何なのか。そこに何が記されているのか。それを手にすることが何を意味するのか、何も語られてなかったわけですし。それを知っているはずの三大姫は、一切口を噤んだままでしたしね。結局、この世界の成り立ちから隠されていた秘密、かつて英勇エルラインが三大姫と共に戦った終焉戦争の真実を旅の中でちょっとずつ知っていくことが大事なのか。いきなり先に真実を告げられたとしても、それが本当に真実なのかわからないですしね。ねじ曲げられた恣意的な事実なのかもしれないし、見解・解釈の違いだってあるでしょう。三大姫は、そのへん、自分で知って自分で確かめ、自分で納得した真実であるべし、という共通見解のご様子で。
それはそれで、導き手の思考だなあ、と思わなくもない。でもまあ、レンも成長したとはいえ、まだ三大姫は一度ラスボス戦クリアした強くてニューゲーム状態で、その力量を存分に示してくれた今回の暴れっぷりを見る限り、まだまだ対等には程遠そうだもんなあ。それでも、レンの心意気は彼女らの期待をいささかも裏切っていないんだけれど。
ぶっちゃけ、レンのライバルってどうしたってエルラインなんですよね。三大姫の対等の仲間でありリーダーであり、本物の英勇であった男。追いかけているのは常にエルラインであり、並ぼうとしているのは姫たちなわけで……世界最強の男はこういっちゃなんだけれど、役者不足だ。ゼルブライト、以前から最強最強とうたわれてその名前は伝え聞いていたけれど、こんなにつまらない輩だったとは思わなかった。本当に、ただ強いだけでそれ以外何にも持っていない空っぽの男じゃないか。強い以外、信念も期待も意思も希望も持たない、その程度の男がスカしてんじゃないよ。偉そうに、立ちふさがってんじゃないよ、と思ってしまった次第。強いだけの男が、それしか基準を持たない男が、強さでしか世界を量れない程度の男が、ほんとうの意味で世界を掴もうとしている男を見定めようなんて、おこがましいにも程がある。
ちょっと敵キャラにしても、ライバルキャラにしても、これはつまらなすぎるんじゃないですか、と言いたくなるなあ。
その意味では、色々と思惑あり陰謀あり厄介事を企んでいそうな、二位以下の「王立七十二階位特務騎士団」メンバーの方が面白そうではあるんですよね。
まあ今回は、珍しくキルシェたちが全力全壊で大暴れして、スッキリしてたので、こちらも思わず微笑ましさに和んでしまいました……ん? 彼女たちはフリーダムにしてる時が一番輝いてるよね、うんうん。

細音啓作品感想

世界の終わりの世界録<アンコール> 3.熾天の女神3   

世界の終わりの世界録<アンコール>3 熾天の女神 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録<アンコール> 3.熾天の女神】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める時代―レンたち「再来の騎士」は竜帝カルラとの激闘を経て、世界録の在り処を推し当てる。“その地”の封印を解除するため、一行は天界を総べる女神レスフレーゼの下へ旅立つ。時同じく、世界最大の旅団「王立七十二階位特務騎士団」が、天界への侵略を画策。さらに聖女エリエスや剣聖シオンたち実力者は、得体の知れぬ不穏な脅威との遭遇を予見する。「強くなるさ。…これ以上、守ってもらう立場でいたくない」。その決意は世界を震わす狂詩曲の一片となり、偽英勇を歴史上にたった一人の存在へと昇華させる―いま、最も王道を行くファンタジー、覚醒の第3弾!
これ、どう見てもフィア先輩がぶっちぎりで残念というか、実は脳筋なんじゃ、という疑惑が。なんだよ、この「弓矢使うより、思いきり拳で殴った方が強くないかしら」という事に気づいて武闘家に転身した、とかw
猫かぶってるけれど、わりと理性蒸発するの早いし、ブチ切れたらぶちきれたで奥歯ガタガタいわしたろか?系になるし、セクハラ上等のエロエロ先輩だし……ひとりでアウト枠使いきってますよ?
別作品の同名の天使フィアが本当に純真無垢で天使らしい天使なのに、この差はいったい……。
竜の谷で法印を受け取り、次は天界にあるはずの封印をとく法印をもらうために、フィアの案内で天界を訪れるレン。今度は天使か女神が相手か、と思ったのだけれどさすがにそんなワンパターンではなかったのか。世界録が隠された場所とそこに施された封印、そしてかつての終焉戦争の真実と、立ち向かうべき謎が徐々に明らかになると同時に、同じ場所、同じものを求めて動き出している他のグループの存在も浮き彫りになってくる。同じ人間の旅団でも、法印をめぐり対立するものたちも居れば、共闘できる人たちも現れて、と段々忙しなくなってきた。強すぎる仲間たちの直接の支援は受けず、レンが一人で戦う場面もさらに増えてきているのだけれど……これかつてのエルラインがむちゃくちゃすぎる上にキルシェやフィアたちも図抜けているだけで、現状で既にレンって人間の範疇だと十分突き抜けちゃってるんですよね。それでもまだ求めるレベルは上の上だから立ち止まること無く修練を続けているせいで、成長速度が尋常でないことになってしまってる。いや、こんなにグイグイ強くなっている時点でかなりおかしいのだけれど。将魔クラスの高位魔族とガチで渡り合えてるわけですから。
それでも、レンに求められるものには足りなくて、彼が目指す先はキルシェやフィア、エリーゼと対等に、そして彼女たちを守れるだけの強さを得ること。今回の一件で、その確かな取っ掛かりは得られたんじゃないでしょうか。これ、エリーゼのお墨付きだもんなあ。彼女の興奮具合は、なんとも擽ったかった。
順当に行くと、次は魔界。エリーゼのお膝元であり現魔王であるエリーゼの弟の元を訪れることになるんだろうけれど……ラブコメの予感w

シリーズ感想

世界の終わりの世界録<アンコール> 2.極光の竜帝  

世界の終わりの世界録<アンコール>2 極光の竜帝 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録<アンコール> 2.極光の竜帝】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した、世界の終焉と再来とを記した至宝「世界録」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める世界緑大争奪時代―炎の将魔討伐を果たし、レンたち「再来の騎士」は一躍世界中にその名を轟かせた。周囲からの注目を浴びつつ、一行は世界録の手がかりを求め竜姫キリシェの故郷である秘境リ・インファリエルへ向かうことに。道中で「カナン巡礼聖教船」、新たな始原精霊との邂逅を経て、辿りついた秘境。待ち受けていたのは、キリシェの妹である竜帝カルラだった。「人間、あなたはキリシェ姉様にとっての害悪です」。竜の長との激戦の調べの中、偽英勇は、覚醒の咆哮を上げる―いま、最も王道を行くファンタジー、反響の第2弾!

うん、わかってた。キリシェに妹が居て、その名前がカルラだというのは。キャラクターについては、殆どSIRENと互換関係になってるのね。まあ、SIRENに限ってはいないみたいですけれど。レンを除けば人類唯一の精霊使いだという聖女エリエスのフルネームが、エリエス・シア・凛・ケールということで、氷結鏡界のエデンの紗沙こと聖女サラと同じ凛・ケールなんですよね。さらに、氷結鏡界のエデンの春蕾と同じ傾向であろう名前の「夏蕾」なんて娘も居るし。
尤も、性格とかは全然違うみたいだけれど。例えば、こっちのカルラは思いっきり委員長気質みたいですし。
しかし、レンに力を貸してくれる始原精霊のサラマンダーとかノームとかというと、精霊魔術なんかでは最もポピュラーな名前なんですが、だからこそ精霊としては初級の存在、みたいな思い込みがあるので、竜や悪魔や天使ですら一目置くような強大な存在、と言われると何となくふわっとなるんですよねえ。サラマンダーよりも炎の将魔の方が一見して強そう、みたいなw
さて、竜の頂点である竜姫に、天界最凶の鉄腕天使、冥界の支配者であった先代魔王という世界最強のパーティーメンバーに恵まれたレンですけれど、この物語は最強のパーティーの力でサクサクっと強敵を倒していくようなイージーモードなどでは勿論ありえず、むしろこの最強パーティーに見合うだけの力を身につけるために、身の丈を超えた伝説的な存在と次々戦う事になるスーパールナティックモードなお話なんですよね。
ちなみに、肝心のボス戦では三姫さんたちは戦闘不参加、という凶悪さw 事実上たった一人で人類とは隔絶した存在と戦わなくてはならないという恐ろしい話なのである。何より恐ろしいのは、この試練に対してレンが怖気づくどころかむしろ意欲的に挑戦していくところか。彼の非凡さは、明らかに手に負えない相手に対して、手持ちのカードだけで勝ち負けに持ち込める勝負勘にあるのかもしれない。彼の、精霊使いとしての能力は、あくまで要素の一つでしか無く、それほど大きなアドバンテージではないんですよね。勿論、数少ない強力な手札ではあるんですけれど、必殺とか決定的な要素とは別に成り得ないわけですし。
相手に本気の殺意がなく、相応の手加減がなされているというのは無論あるんですけれど、だからと言ってレンにとって甘い展開などでは全くないので、ただの人間の少年に対するには三姫の過剰すぎる期待にレンは十分以上に応えているんじゃないでしょうか。比較対象がエルラインという一人天外魔境な人間なせいでどうしても小器用という印象になってしまうレンですけれど、現状で既に人類という括りの中では歴史に名を残す逸材なのだと思います。でも、彼の目指すところは、そして三姫が彼に望む高みは、まだまだ今の段階では山の麓がいいところなのでしょう。よくまあレンくんは、三姫からの期待という名のプレッシャーを受け切れるものです。向上心が尋常じゃないんだよなあ。

さて、三姫が復活しレンを中心に再来の騎士と呼ばれる旅団として活動を開始するのと時を同じくするようにして、著名な旅団も動向をみせはじめる。それは、かつて三姫が英勇との旅を終える事となった謎の敵との最後の戦いの再来が近づいているからなのか。世界各地で要となる旅団が動き始めることで、世界そのものが蠢動を始めてるような雰囲気が、なんぞたまりませんなあ。この何事かが始まりつつある、という空気感はやっぱりワクワクしてきます。

1巻感想

世界の終わりの世界録<アンコール> 1.再来の騎士3   

世界の終わりの世界録<アンコール>1 再来の騎士 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録<アンコール> 1.再来の騎士】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した、世界の終焉と再来とを記した至宝「世界録」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める世界録大争奪時代―騎士志望の少年レンは、彼の英勇生き写しの容姿ながら剣才に恵まれず「偽英勇」とバカにされる日々を送っていた。そんな彼の前に現れた、封印より目覚めし伝説の竜姫キリシェ。レンをエルライン本人と勘違いし、外見だけだと失望したキリシェだったが、一方でレンの中に秘めた可能性を見出すことに。そして、かつて英勇と共に世界を救った大天使フィアや先代魔王エリーゼとの世界録をめぐる旅へと少年を誘う。「わたしと、行くか?」―これは、英雄たちが奏でる狂騒への序曲。今、偽英勇の少年と伝説が邂逅する!
フィア先輩が肉食系過ぎる!! まだ人間のふりをしていた時は清楚で優しくて包容力のあるまさに天使みたいな女性だったのに、体裁繕わなくなったら途端にガツガツしだしましたよ、この人!? しかも、後方支援回復系かと思ったらバリバリの……。なんかヒロインとしてではない方向性で色々持ってっちゃってる気がするよ?
最初からアンコールとは此れ如何に、というタイトルだけれど、実際RPGのシリーズ第二作で、パーティーメンバーが主人公以外全員前作のラスボスバトルの参加メンバー、みたいな感じなんですよね。主人公以外強くてニューゲーム、てなもんか。とはいえ、それぞれ理由あって他のメンバーも最盛期からは著しく力を落としてしまっているのですが、それでもかつての世界最強パーティーのメンバーなわけですから、凡百とは比べ物にならないわけで彼女たちに守ってもらえるので通常なら容易に突っ込めないような危険なフィールドや事件にも首を突っ込める。レベルだの経験値だのといったステータスが存在する世界観じゃないんですが、本来なら対峙する事も叶わないような格の違う敵と戦うという経験が、著しい成長を促すというのは珍しい話じゃありません。その意味では、レンの境遇って凄まじく恵まれてるんですよね。伝説の英勇のそっくりさんということで偽物扱いされ、実力を正当に評価してもらえる不遇を託って来た身の上を鑑みても、お釣りが来るくらいの環境なんだよなあ。とはいえ、彼自身が非常に努力家で、不当に扱われ続けてきたからこそ余計な慢心は抱かず浮つくこともなく、謙虚でひたむきな性格の好ましい人物なので、その腐らずに頑張り続けたことがちゃんと報われた事が素直にうれしくなるんですけどね。
それに……キルシェたちも、やばかったら自分たちが何とかするから、という心持ちでまだ一人前にもなっていないレンを危地に連れだしてしまうのですが、肝心なとき三人共居ないし!
結果として、半人前には分不相応の死地を、レンはたった一人で挑むことになってしまうのである。主人公以外最強パーティー、しかしイベント戦闘の時は離脱するので、ソロで頑張ってボスキャラ倒してください、てなもんである。おいおい。
まあレンも、他のメンバーに釣り合うだけの力を示したいという気持ちもあって、前向きに一対一の対ボス戦に挑んでいくのですが、完全に実力で圧倒される相手を攻略するのはまさに綱渡りの駆け引きで、そのあたりはなかなか面白かった。
ちょっと気になったのは、キルシェも含めてフィアもエリーゼも、先のパートナーであったエルラインに対しての思い入れをあんまり感じないところなんですよね。レンにエルラインの姿を重ねてみるような真似をしないようにしている、と思えばいいのかもしれませんけれど、殆どエルラインの事を思い出さずにレンに掛り切りというのは、若くして孤独に亡くなってしまったエルラインがちょっと可哀想になってしまった。
ぶっちゃけ、この巻は主だったキャラの顔見世興行と大まかな世界観の紹介であって、多くのキャラクターを投入してるのも相まって、本格的に動き出すのは次回以降になるんじゃないでしょうか。
あと、イラストなんですけれど、細音さんの作品は淡い感じのタッチの人がやっぱり似合うと、最初のシリーズの竹岡美穂さんのデザインのピッタリさもあってか印象としてずっと張り付いていたのですが、ふゆのさんはいい具合にしっくり来ますねえ、これ。

細音啓作品感想

桜色の春をこえて3   

桜色の春をこえて (電撃文庫)

【桜色の春をこえて】 直井章/ふゆの春秋 電撃文庫

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二人の少女が織りなす、同居×青春ストーリー。

「あたしの家にくればいいよ? それで全て解決でしょ」
 高校入学とともに一人暮らしを始めるはずが、手違いにより部屋を失った杏花に救いの手が差し伸べられる。
 救い主の名は澄多有住。かわいい名前に反しぱっと見は不良、停学歴アリ。同居を始めても無愛想でわがままで杏花は難儀するが、時折ちょっとした優しさやかわいげが垣間見え……。これってもしかして、ツンデレ?
これぞ、ガール・ミーツ・ガール、だなあ。
それぞれに家庭に問題を抱え、ぶっちゃけて言うと親に捨てられたり、虐待を受けたりしていた事で、深く深く心の傷を負った者同士が偶然から同居する事になり、徐々に歩み寄り、友情を育んでいくという女同士の友情の物語。百合じゃないですよ。少なくとも二人の間に恋愛感情なんて甘い倒錯は介在しない。最初は相手のことを何も知らないから、恋心を抱くに足る幻想を抱く余地は何処にもないからだ。
考えてみると、そんな何も知らない相手を招き入れた有住はよっぽど変わっている。変わっているとわかっていたからこそ、最初の頃の杏花は有住を警戒し、その我儘な言動も相まって距離を置いたままだったんだろうけどね。お互いに歩み寄るつもりがなくても、それでも一緒に暮らしていれば段々とお互いの顔が見えてくる。常に警戒態勢を取ったままでなど居られるはずもなく、否応なく隙は見せてしまうもの。そんな隙間から覗き見えた相手の本当の素顔を、この二人は見なかった事には出来なかったんだな。相手を知りたいと思うことは、同時に歩み寄ること、心を許すこと。心を開くこと。そう、それは本当の自分を見せることにもつながるのだ。
最初は、似たような親に傷つけられた境遇から来る共感だったのかもしれない。自分と同じように傷ついている子を、放っておけなかったのかもしれない。お互いの傷を舐めあえるような関係を、心の何処かで望んでいたのかもしれない。立ち尽くしている自分の代わりを求めた、代償行為だったのかもしれない。
でも、そんな諸々のそれらしい、尤もらしい理由を押し退けて、この二人が望んだのはただ寄り添う事で得られる温もりだったように思える。心に吹きすさぶ隙間風を、背中合わせに凭れかかった相手の温もりが受け止めてくれるかのように。ただ一緒に傍にいれば、それで良かったのだ。独りじゃないという微かな実感は、ただそれだけで傷の痛みを和らげてくれる。今を苛む苦しみを、通り過ぎた過去にしてくれる。
今この瞬間を、笑って楽しく受け止められる。彼女たちにとって、友だちがいるということは、そういう事だったのだろう。

特に派手派手しい展開もなく、重苦しすぎる際立った事件もなく、終始繊細で、でも落ち着いた流れだったお話でしたが、その分じっくりと主人公の心の動き、有住の事を思う気持ちの変転を追いかけることができ、堪能できた良き一作でした。

一見、不良っぽくて乱暴な有住の方が男っぽく見えるんですが、よくよく読んでみるとあくまで有住はヒロインであって、実は大人しくて真面目な杏花の方がいざという問いの行動力や決断力など、非常に男前だったりしたのは面白かった。わりとサッパリとした気質だし、さり気なく姐御肌だろ、この娘。

はるかかなたの年代記 3.夜魔が踊る4   

はるかかなたの年代記 3 夜魔が踊る (はるかかなたの年代記シリーズ)

【はるかかなたの年代記 3.夜魔が踊る】 白川敏行/ふゆの春秋 スーパーダッシュ文庫

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恋は突然落ちるもの。
カティア、アレット、グロリア。ユウを取り巻く少女たちの想いは強さを増していく。
だが、少年はもう一人の菫色の瞳の少女と出会う。彼方の星で、物語は加速する。


生徒会長・アレットが所有する別荘にバカンスに訪れたユウたち。休暇を楽しむ一方で、ユウとアレットは<換象>の<共鳴>の習得を試みる。<換象>の効果を増幅するこの現象は、快感を誘発させる副作用があり、二人はそれに恥ずかしがりながらも訓練を続けていた。一方この地では、恐るべき計画が進行していた。そこには「天使の抱擁」と呼ばれる薬物を用いて、街を混乱の渦へと巻き込む「饗宴」を行おうとするカティアの父親、<鉄の王>の姿が…。
そんなある夜、ユウは菫色の瞳をした一人の少女と出会う。誰かに面差しの似たその少女に、ユウは目を奪われるのだが…?

地図欲しいなあ、地図。地図じゃなくても、少なくとも此処に登場する国についての解説文みたいなのは欲しい。人種や国籍、国の特色や国際関係など物語に関連する要素はかなり大きいだけに、このへんを纏めておいてくれるとストーリーにもだいぶとっつきやすくなるんだが。
しかし、登場人物が多い割に把握がしやすいのはキャラが立っているというよりも、群像劇の様相が強くなっているからなんだろうなあ。面白いことに、この作品って男キャラが総じて主人公的な立ち位置に立ってるんですよね。ただでさえ、ユウとクリスはダブル主人公だよなあと思っていた所に、新登場となった操兵術のマリノくんもこれ、立ち位置が明らかに主人公っぽいんですよね。男キャラが主人公のライバルという位置づけではなく、それぞれ独立した主人公とヒロイングループとして割拠しているというのはあまり見たことのないスタイルで、これだけでも読んでて面白いし、あちらこちらに目移りしてしまう。
当面のメイン主人公であろうユウサイドはというと、カティアが先の戦いでアイデンティティを確立し、一人の女の子として自分に自信を持って安定感を獲得したものの、逆に落ち着いてしまったおかげで攻勢を強めるアレット会長に、着実にポイントを稼ぐグロリア先生に比べてやや目立っていなかったような。特にアレットは他のメンバーに比べて実力に劣っている分、意欲的にユウの力になれるように努力している分、ユウに対しても自然に積極的になってるんですよね。元々献身的で健気さが目立つ分、その前向きな懸命さが可愛げになって、ヒロインとして輝きまくってました。この人の偉いところは実戦能力を鍛えるだけではなく、自分の身分を最大限利用する事を厭わないところなんですよね。自分が良家のお嬢様であることを疎まず、それを逆にユウのために活かそうと考え、その為に将来のプランを立てて自分の権力権限を高めていこう、などという発想は並のお嬢様キャラじゃないですよ。健気でありながらクレバーって、相当無敵だよなあ。でも、そうしたクレバーさをカティアたちとの恋愛競争に全く使おうとしないあたり、この女性の誇り高さ、公明正大さが窺えるというものである。
いわゆる、異性同性問わずに惚れられるタイプの女性だな。

ただ、肝心のユウはというと、こんな可愛らしい女性三人に好意を寄せられているにも関わらずあくまで彼からのスタンスは親愛だったんですよね。それが、思わぬ形で彼が恋心を抱く相手が……えっ? もしかして本命ってあの子になるの!? 

一方でクリスと副会長はというと、お互いに好意を抱きあいながらも、クリスも副会長も過去の悲劇からかたや自分が幸せになることを認められず、かたや自分の素性を知られることは過去に直面し今を壊してしまうために口を噤み、先のない現状維持を続けるしか無いのがなんとももどかしいし切ない限り。
しかし、クリスとフローラの絡まりあった関係といい、因縁の仇敵が現れる展開といい、何より兄ラブ、兄に纏わり付く女には死を、の病み妹が登場するって、明らかにサブキャラのエピソードじゃないですよ。妹が現れるのは主人公の特権だよ!w

1巻 2巻感想

はるかかなたの年代記 2.荒ましき驃騎兵4   

はるかかなたの年代記 2 荒ましき驃騎兵 (はるかかなたの年代記シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫 し 7-2)

【はるかかなたの年代記 2.荒ましき驃騎兵】 白川敏行/ふゆの春秋 スーパーダッシュ文庫

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運命は変えられる。

気持ちを近づけるユウとアレット。
しかしそれはカティアに距離を感じさせることに。
守ると誓った少年は少女に何を伝えるのか。
彼方の星で、恋と友情が交差する。

人造人間としてその力を狙われる少女・カティアを守ることを決意したユウ。
自らも失われた三つの<換象>である<改変>の能力者であることや、精神の裡に宿る人格・チョールトの存在などの秘密を抱えながら学園生活を送る彼は、生徒会長のアレットとの訓練を通じ、実力を伸ばしていた。
これに伴って無自覚ではあるもののアレットとの仲も接近する。
だがその様子を見たカティアは特異な存在である自分に引け目を感じ、ユウを避けるようになってしまう。
そんな中、カティア捕縛の密命が下され、精兵中の精兵「驃騎兵(ユサール)」が動き始める。
さらにはカティアを保護するグロリアにもユウの秘密が明らかになって?
はるかかなたの物語第二幕、少年は誓いを守れるのか…!?
面白いなあ、面白いなあ。一巻でも感じたことだけれど、主要キャラクターが最初から多めに出されているのですが、それぞれキャラクターのポテンシャルが非常に高い。例えば、主人公のユウの親友ポディションにいるクリスなんですが、彼なんか殆ど独立して主人公を張れるくらいの厚みが備わっている。壮絶な過去に、それに基づく今の地位と決意。さらに、幼い頃の掛け替えのない大切な幼馴染との想い出を抱えていて、ある種その想い出こそが今の彼を支えている。これだけでもドラマたっぷりなのに、入学してからユウやカティアが巻き込まれたいざこざを通じて仲良くなった生徒会副会長が、実はその幼馴染当人で、クリス本人は気付いていない上に、フローラ自身は気づいているにも関わらず、何らかの理由があって自分が思い出の幼馴染だという事実を伏せている。でも、お互い気づかないまま、正体を知らせないまま、段々と惹かれあっていく二人。ドラマティックじゃないですか。もう、この二人が主人公とヒロインでも構わないくらい。幼い頃はお転婆でやんちゃ娘だったフローラが、一念発起してお嬢様としての立ち振る舞いを身につけて、幼い頃とは別人みたいに見違えた、というのもポイント高い。さらには、クリスと二人きりで居るときはちょっと素のヤンチャな頃の顔が垣間見えてしまい、そんな彼女にクリスは懐かしさや居心地の良さを感じて、さらに惹かれていく、という流れも、実に素晴らしい。
ぶっちゃけ、これだけ脇のカップルがポテンシャル高いと、本当の主人公組は喰われかねないんだが、幸いなことにユウとカティア、そしてアネットの今微妙な三角関係を形成していく過程にある三人もガチンコに強度の高いキャラなんで、全然負けてないわけです。
アネットは純粋に自分の中に芽生えて急速に大きくなっていくユウへの想いに、照れと躊躇いを内包しながらも素直に彼との距離を縮めようと勇気を奮い、カティアは肯定したはずの人造人間という自らの出自が、人と人との恋愛において決して良い影響を引き出さない、という引け目、劣等感に戸惑い苦悩することで、逆算的に自分にとってユウという存在がどんな意味を持っているのかを認識していく。両者とも、入る戸口こそ違え、真剣に恋と向き合い、大切な人と自分との関係に思い悩み、憂いと喜びに不沈を繰り返す正しい恋する少女を執行するのである。実に素晴らしい。
一方で、二人の想いの投げかけられる先にいるユウは、今のところまだ恋を自覚する段階ではないようだ。当人はそれどころではなく、まずカティアを守るという誓いを果たすための努力と、生徒会長のアネットを助けるという意気を空回りさせないための気配り、そして自分が抱える秘密やカティアの出自を友人たちにどう共有していくのか。取り敢えず、頭を悩ませる事が多々あるせいで、まだ落ち着いて自分に向けられる感情と自分の中の感情を見直せる状態にはないんですよね。まだ、アネットもカティアも自分の気持を整理する段階で、ユウに対して何らかの決定的なアクションを示しているわけじゃないですしね。アネットは、もうかなり決定的なアクションをとってる気もするけど、まだキモが座ってなかったからなあ、あれは。既に今回、相当積極的にアプローチ仕掛けてた気もするし。ただ、本格的にラブコメ展開になるのは、カティアが自覚して劣等感をある程度克服してアネットと同じ土俵に立てるようになった今回以降、次巻からということになりそう。
チョールト兄ちゃんも呆れてないで、ああいうのは具体的に教えてやった方がいいんじゃないだろうか。兄ちゃんなら、上手いことニブチンを解消してやれると思うんだけどなあ。兄貴分としても師匠としても面倒見の良い親友としても、殆ど最良と言っていい存在だと、私なんぞは認めているので。

これで主要キャラだけ優遇されているのではなく、今回の敵となる人たちもまた魅力的に描かれてるんですよね。野良猫先輩は元より、その子分(笑)の二人の男子についても描写の分量は少ないながらも、逆に言うとこれだけの出番にも関わらずしっかりとキャラ立ってるのは大したもの。短い中で、この三人の関係は見事に描き切られていましたしね。にしても、野良猫先輩は良かったなあ。学生の身分を謳歌しながら軍人としての覚悟を揺ぎ無く胸に秘め、国に準じることを厭う事無く、部下を守ることに迷いなく、しかし元生徒会の人間として心迷い悩みに沈む可愛い後輩についつい指針を与えてしまう人間味。敵として立ちふさがりながら、後腐れのない気持ちの良い立ち振る舞いで、今回の事件は陰惨な国同士のパワーゲームに翻弄された結果の闘争だったにも関わらず、一風爽やかとすら言える後味が残るに至ったのは、まあこの人のお陰でしょう。カティアが立ち直れ、人としての強さを加味して復活できたのは、何より彼女のお陰でしたし。
まだまだ今後、陰惨な戦いが待っているのかもしれませんが、今回の事件は皆の心持ち次第で幾らでもそういう重たい陰りを払拭していけるんじゃないだろうか、という手応えを感じ取れたような気がします。これなら、不必要なほど暗い話にはならなさそうだ。

肝心の戦闘シーンは、この時点で既にど派手で大変面白いんですが、興味深いことに未だにユウもクリスもカティアも、その持っているポテンシャルを全開にまで振り絞るような状況には至ってないんですよね。かと言って、戦闘自体が余裕だった、ということは全然ないんですが、当人たちに余裕はなくても、作者の方にまだまだバトルシーンの描き方に余裕があるというべきか。なんか、もっと見栄えのするスピーディーでアイデアに溢れた戦闘シーンを書く余地を幾らでも残している、とでもいうような余裕が感じられるのである。多分、頭の中ではアイデアが溢れかえってるんだろうなあ。というわけで、個人の能力の進化に留まらず、それぞれの能力の連携や、相互相乗効果、状況に合わせた様々な応用編など、戦闘シーンは恐らくまだまだ発展の余地ありと思われ。これも楽しみですわ。

1巻感想

はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ4   

はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ (集英社スーパーダッシュ文庫)

【はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ】 白川敏行/ふゆの春秋 スーパーダッシュ文庫

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この出会いは必然。
ユウとカティアとクリス。
彼方の星でいま、友情が導く物語がはじまる。

「……僕って、トラブルに引き寄せられる体質だったっけ?」
フラムスティード学院の入学式に向かう途中、女性顔に悩む少年・ユウは不良に絡まれる子供をかばう、菫色の瞳の少女・カティアと出会う。
超常能力<換象>を用いてユウとカティアを傷付けようとする不良から、同じく<換象>で彼らを救ったのは、クリスという名の少年だった。
これをきっかけに友情を育み、共に学園生活を送ることとなった三人。
だが、ユウには誰にも言えない秘密があった。
それは、ある時から彼の身体に<チョールト>と呼ばれる人格が共生していること。
しかし、カティアとクリスにもそれぞれ秘密があって?
はるかかなたの物語が、今この時より紡ぎ始められる…!!
……え!? ちょと待ってくださいよ、このカラーの見開き口絵ってけっこうなネタバレなんじゃないの?
かなりあからさまに描かれているので、本編でもその辺さらっと明らかにされているのかと思ったら、何気に巧妙に隠蔽してあるし。キャラ配置的に怪しい人物というのは限定されてくるのですが、それでもこの口絵のネタバレがなかったらもっと驚いてたと思いますよ。それくらいには上手く迷彩掛かってたように思う。
シーンの選出としては見栄えのするイイシーンだし、間違ってはいないんだけどちょっとこれはしくじってる気がするなあ。

と、思わず本の作り方に文句が言いたくなるというのは、それだけ中身に満足していたって事なんでしょう。これでどうでもよかったら、この程度の瑕疵なんて気にも止まらないでしょうし。
富士見の良作ファンタジー【黄昏色の詠使い】に良く雰囲気の似た面白い新シリーズですよ、とおすすめいただいたのですが、なるほど異世界での学園モノ。主人公がショタ少年という表看板もそうですし、どこか上品な雰囲気と繊細なキャラクター像は、【黄昏色の詠使い】を良く想起させます。と、同時にこの作品にはちゃんと独特の、この作品ならではの色というものがしっかりと浮かび上がっている。かなりしっかりとした作りの、基礎部分と上へと伸びていくための意志と技術が十分に充ち満ちている、先が楽しみなシリーズだ。
本作の作者は、元々電撃でデビューしていて、私もデビュー作は読んでいるのですけど、確か一冊読んでそれ以降は手を出してなかったんですよね。記憶によると一巻の段階では作品の世界観やキャラクター、物語の展開にしてもハリボテみたいで奥行き密度が感じられず、ああこりゃだめだなと早々に放り出した覚えがあるんですよね。
それからすると、まるで隔世の感。なるほどなあ、あの筆にしっかりとした肉付けと奥行きがなされると、こんな風な作品になるのか。面白いなあ、最初がどれほど拙くても、メキメキと上達する人はするんですよねー。それなりに見極める目は肥やしてきたつもりだけど、まだまだ先行きを見誤るケースは枚挙に暇がない。

さて、本作の中身のほうだけど、意外と最初から登場人物が多いんですよね。主要はあくまで三人だけのようだけど、その三人のうちの一人は別の人格を内包しているから実質は四人。さらに、重要な立ち位置にあるだろうサブキャラクター、サブと付けるのも戸惑われるくらい中心核に近い位置にいるな、そんな人が2、3人はおり、さらにもそっと動く人たちが増えてきそうな雰囲気なので、かなり初期配置が多い塩梅なのだけど、決してごちゃ付いているってことはないんですよね。上手いことキャラが立ってる。変な意味で個性的なキャラ、というのがいないのも特徴的といえば特徴的か。属性やレッテルを際立たせてキャラを立たせるわけじゃないのに、誰が誰か区別つかない、みたいなことはないんですよね。それぞれに非常に丁寧なキャラクター造成がなされているようにみえてくる。
それぞれの出自や能力、そして人間関係も、物語の根幹に携わるように仕込み済みか。今のところ、彼らの出会いというのは偶然としか思えないのだけれど、確かに偶然と言うには出来すぎの感もあるんですよね。それぞれに、持ち得ているものが特殊すぎる。もしこれが誰かの意図によるものでないとしたら、これこそ運命的な出会い、というものとして描かれるべきなのかもしれないなあ、運命というのは美しいもの、というイメージがあるからして。

とりあえず、会長はなかなか美味しいポディションを初っ端から奪っていきやがったなー(笑
カティアのユウへの感情の揺らぎと想いの芽生えというヒロインに相応しいクライマックスターンを、エピローグで見事に掻っ攫っていってしまったがな(笑
これは、なかなかイイ修羅場を期待できそう。

放課後の魔術師(メイガス) 7.スマイル・ウィズ・ユー4   

放課後の魔術師  (7)スマイル・ウィズ・ユー (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師(メイガス) 7.スマイル・ウィズ・ユー】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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なるほどなあ。後書きでも触れているように、この作品は魔術師たちの年代記の中でも徹頭徹尾、遥と安芸の二人のラブストーリーだったんだな。
逆に言うと、二人の人間関係が決着を見た以外は実のところ、円環との関係を含めて非常にすっきりしない終わり方になってしまってるんですよね。
最悪の展開、つまり円環による蒼の氏族の粛清と遥の抹殺は免れたものの、蒼の氏族が企てていた円環に対する優位性を確保するための切り札は放棄させられ、氏族と円環とのパワーバランスは円環側に極端に傾いたままで終わってしまってるのです。
なかなか衝撃的だったのは、円環は遥の抹殺指令を出したように、以前に既に伊予に対しても抜きん出た力を有していると言うだけで抹殺指令を出していたというところ。別に円環に対して反逆を企てている訳でもないにも関わらず、驚異になりかねない力を持つものが現れたらその存在を抹殺しに懸るなどと言うとんでもない行為が円環では常態化してしまっているという事になる。
これは、今後も同じことが行われてもおかしくないワケで、その際にジェシカシステムも遥も失っている蒼は、これに抵抗出来ない事になってしまうわけです。
ジェシカシステムから伊予が救出され、遥は力を封印されたものの安芸と想いが通じ合い、津欧氏は愛する奥さんの元に戻り、斎条先生もあと何年かすれば婚約者が戻ってくる。と、人間関係については万事大団円みたいにはなっているんですが、残念ながら蒼の氏族は円環に対して政治的にはかなり分の悪い降伏を強いられてしまってるんですよね。
確かに、横暴な振る舞いをしていた円環の幹部の一人は失墜したけれども、さらに強かで危険な幹部の思惑通りに状況は進行してしまい、蒼は研いでいた牙を抜かれてしまい首根っこを抑えられたという事になり、それがどうもすっきりしない気分に繋がってしまっているんじゃないかなあ、と考える次第。(とはいえ、密かに遥はアレだし、ジェシカシステムだってこれまでの技術蓄積を考えると、伊予が解放されたからと言って完全に無効化されたかというと、あのお姉さんが早々甘くない気もするので、政治的にはともかく実質的には切り札は失っていないと見ることも出来るかも)
それでも、安芸たち個人の立場から見たら、未来はともかくとして少なくとも現在においては守るべきものを守ることが出来、取り戻したかったものは取り戻し、ねじれて絡みきってしまっていた人間関係の幾つかはうまくほどけて元通りになったわけで、その意味では良かったよかった、という終わり方なんですけどね。
特に、ナツメさんがもう一度登場してくれたのは良かった。斎条先生とナツメさんについては、ふたりとも素直じゃなかっただけに、ナツメが島送りにされて今後離れ離れになった二人の関係がどうなるのか、とても心配だっただけに、ナツメがあの極度の天邪鬼を解消して、素直に斎条への想いを打ち明けてくれたのは、安心させられた。二人が直接顔をあわせて再会することはなかったんだけれど、これならナツメが戻ってきた時、二人は大丈夫だと思えましたしね。
しかし、精神的な余裕を取り戻したナツメ姉さんは、大人の女性らしく……エロいなあw
わりと積極的な方の遥が、かなりタジタジになってたのには笑わされた。
まあ、今回の主演女優は明らかに、ヒキコモリからついに外に出た仄香でしたけどね。いろいろな意味で大暴れだ!(爆笑
あのイドが徹底的にやり込められまくってたのには、笑った笑った。なに、このお笑いコンビw
イドがボクっ子扱いされてるしww さすがにこりゃあ、フラグは立たないわなあ。仄香のあの強烈な個性は、イドくんには刺激が強すぎる。比べて、伊予は悪戯っぽいけど仄香に比べたら優しいよねえ、うんうん、優しいよねえw

次回作は、円環VS鴉のクロニクルの別話になるのか、それともまったく違うシリーズになるのかはわかりませんけど、恋愛模様のドキドキ感や丁寧な内面描写など非常に上質な物語をこのシリーズでは堪能させてもらいましたので、やはり同じかそれ以上のクオリティのものを期待しています。面白かったです、はい。

シリーズ感想

放課後の魔術師(メイガス) 6.ミスティック・トリップ4   

放課後の魔術師    (6)ミスティック・トリップ (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師(メイガス) 6.ミスティック・トリップ】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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前回の感想でも相当に円環への怒りをぶちまけていたけれど、もういい加減怒髪天が有頂天ですよ!(意味不明
ジェシカシステムへの介入や、遥へのちょっかいなど、それ相応の遠大な理由があるのかと思ったら、結局は組織の権益の維持、保身のためかよ。それも、予防的な措置により人の尊厳を簡単に踏みにじり、簡単に生命すら奪おうとするなんて。そのためには、円環自身が定めた法すらねじ曲げ、非合法な手段に走る。しかも、表向きには正式な拘束力を発揮してコチラの動きを制しつつ、だ。悪質極まりない。
派閥による態度の差異はあるとはいえ、いくらなんでもこれは腐りきっている。ここまで暴虐的かつ恣意的に権力の乱用をされたら、各氏族たちも円環から受ける利益よりも、自分たちの身の安全に対する深刻な危惧を抱き始めるんじゃないだろうか。円環の指先一つで氏族の指導者格まで簡単に処分されるようじゃ、他の氏族たちもおちおち安心していられないだろうし。ナニカ明確な理由があるのならともかく、円環による統治の維持が目的で、遥の暗殺まで行うようじゃ、ねえ。
実際、蒼はどうやらこれを機会に完全に討ってでる態勢を整えてるし、ベルも紫をまとめてナニカ動きを見せる様子を見せているし、他の氏族だって黙って円環の跳梁を座して見逃すかどうか。
どちらにせよ、遥の立場からしたら、自分を殺そうとした組織に対して反抗するのは正当防衛だし、場合によっちゃ鴉に身を寄せてもいいんじゃないかと思うくらい。今のところ、どう考えても円環の方が無茶苦茶やってるもんなあ。遥の力をそれだけ恐れているのなら、もし遥が覚醒したとき自分たちが虎の尾を踏み躙っている状態にあるというのをちゃんと把握してるんだろうか。遥が非常に理知的で攻撃性からは程遠い性格なのが幸いしてるけど、もし遥が振りかかる火の粉を徹底的に振り払う性格だった場合、こいつら遥が覚醒したあと円環まるごと殲滅対象にされて皆殺しにされる危険性とか考えないんだろうか。現状の遥だって、安芸や仄香がもし巻き添え食って死んじゃったケースなんか、容易に堕ちる可能性もあるだろうに。
どうもそんな覚悟もなく、安易に手を出している気がするんだよなあ。それがまた、腹が立つ。

とはいえ、それだけ遥が切羽詰った状況に追い込まれて行くなかで、安芸の遥への距離感が猛烈な勢いで変化して行くのには驚いた。斎条先生はじめとして、周りの後押しや自覚を促す示唆があったとはいえ、安芸が義務感ではなく、自分の感情として遥を傍に置いておきたい、守ってあげたいと思っていると気づきはじめ、その感情が具体的に何なのかすら見つけるに到るまで進展するとは。この野郎の鈍感さは、ちょっとした凶器クラスだっただけに、いやはやこれは良い驚きだった。
まー、あの師匠に可愛がられてたのなら、防衛本能として女性の思わせぶりな態度とか心情に対して鈍くなるのも仕方ないところがあるよなあ。心を鈍くしておかないと、可愛がられすぎてストレスで死んじゃうネコみたいに、頭おかしくなりそうだし。
あの師匠は性格ももとより、コスプレ(?)こそどうかと思うけど。あれ、ベルの魔法少女バージョン並にアレだぞw

二人の仲の進展と同時に、これまで伏せらえてきた紅の能力に、紅の氏族がこれまでどうして行方不明とされてきたのか、仄香が人前に姿を表さない理由。ジェシカシステムに伊代が組み込まれた理由など、様々な真相が明らかになり、事態は急展開。
ラストには衝撃的な顛末もあり、日本でもアッと驚きの漏れてしまうような、予想外の動きあり、と大きなうねりがクライマックスに向けて盛り上がってきた感あり、である。
さあ、次回は総力戦の一大決戦か!!

放課後の魔術師 5.スパイラル・メッセージ4   

放課後の魔術師  (5)スパイラル・メッセージ (角川スニーカー文庫 208-5)

【放課後の魔術師 5.スパイラル・メッセージ】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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そろそろ<完結した円環>の権限を嵩に着た高圧的な態度が我慢ならなくなってきた。これじゃあ、<円環>は魔術師たちを支配する組織で、【蒼】などの氏族はそこに従属させられているようなものじゃないか。
最近の円環のやり口は陰険かつ魔術師一人一人の尊厳を無視して道具のように扱うような感じで、非常に不愉快極まりない。敵対関係にある<鴉>などより余程苛立ちを募らせられる。その挙句に伊代へのあの仕打ち。さらに、彼女がジェシカシステムに組み込まれる原因となった事件には円環の関与すら疑われる始末。ここまでくると、安芸たちにとって円環の存在は害にこそなれ、益になるものは何もないんじゃないかとすら思えてくる。さすがに円環に対して【蒼】は距離を置いているみたいだけれど、今回の査察の件といいジェシカシステムへの介入といい、その影響力は結局無視できないみたいだし、明快な敵相手だと正面から実力行使だろうと権謀術数だろうと戦えるんだろうけど、なまじ味方な分、性質が悪いんだよなあ。
もうここまで蔑ろにされたんなら、円環から離脱しても無理からんところだと思うんだが、実社会との関わり合いを考えるとそれも出来ないんだろうなあ。安芸たちがしているように距離を置くのがギリギリなのかもしれない。それでも、ストレスはたまる一方なんだが。
こうも円環の性質の悪さが明らかになってくると、仄香が必死に自分たちが魔術師であるという事実をひた隠しにしてきた理由も段々と見えてくる。どうやら、両親と仄香は前々から自分たちが【紅】の血族である事は知っていたみたいだし、その上で身の上を隠してたとなると、ねえ。

今回、さらに周藤絵里子の前夫も登場。なんで別れたのかと前々から気にはなってたんだが、単なる愛情の喪失によるものではなく、政治的組織的な複雑な背景があったっぽいなあ。お互い、不仲になっているように見えて、妙に未練が残ってるっぽい描写もあるし。特にお姉ちゃん、ブラコンのくせに元旦那のこと随分と気にしてるじゃないか。名刺の一件を見ると、もしかしたら敵意むき出しの不仲も、そもそも離婚すらもある程度お互いの合意があったんじゃないかという疑いも湧き出てくる所。もっとも、お互いよく話し合った結果とかちゃんと以心伝心している、という風ではないけれど。

今回の再査察を通じて、一番テンパってたのは対象者である遥よりもむしろ安芸の方な感じだったなあ。安芸との関係に悩んで落ち込んだりもしていたけど、何だかんだと遥は根底の所で揺るがず、ピンチに陥ったら逆に安芸をどっしりと信頼して落ち着いてすらいたし。それに対して、円環の圧力にピリピリしていた安芸の方は、過剰なくらいに遥の事を心配していて……いや、そこまで気にしてるなら遥の気持ちにも気付くぐらいしてやれよ、と思うんだがこの鈍感マイスターは無視なんだろうな、そういう察するのは(苦笑
ただ、相手の気持ちに気づくのは無理でも、安芸から遥に向かう矢印の方は着実に濃度が増している感もあるし、関係は進んでるんだろうなあ。とりあえず斎条先生グッドジョブ♪

斎条先生と言えば、この人も立ち位置がかなり不鮮明なんだよなあ。
円環からの監視者のように見えて、鴉からの工作員という線も捨てがたく、もしかしたらまったくの第三勢力の手の者という想像もできなくもない。ただこれだけ露骨に怪しい人物にも関わらず、彼が安芸や遥に対して喋る事柄はだいたい嘘はなさそうなんですよね。特に自分の感情や友人たちに対する想いとか。
前巻での恋人への想いは本当に嘘もないみたいだし、弟弟子である安芸に対する気遣いや本当の弟を見るような優しい視線に偽りはなさそうだし。
この明確な身分の怪しさと、内面の明快な真摯さが捩れに捩れてて、この斎条という人、何かと気になる面白い人になってるんですよね。
今後も動向が気になる処。
さて、次回は英国への修学旅行とな!? 仄香が付いていけないじゃん……って、この娘はいつも電話越しだから、舞台がイギリスだろうと関係ないのか。


追記:ボードゲーム喫茶、滅茶苦茶面白そうではあるんだが、客の回転率は最悪だろうな、これw

放課後の魔術師(メイガス) 4.ワンサイド・サマーゲーム4   

放課後の魔術師  (4)ワンサイド・サマーゲーム (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師(メイガス) 4.ワンサイド・サマーゲーム】 土屋つかさ/ふゆの春秋 スニーカー文庫

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こ、ここまでくると安芸の朴念仁ぶりというのは、ある種の凶器だな。男女の機微に鈍感な主人公というのはテンプレートとして機能するほど数多存在するわけですけれど、それは大概男女関係の進展を阻害するためのモノであって、それ以上の意味合いを持つモノというのは案外少なかったりする。
ところが、この安芸のそれときたら、女性陣のアプローチをことごとく粉砕し、迎撃し、ぐうの音も出ないほど完膚無きまでに叩き潰す、最強の兵器として機能しているのだから、恐ろしいやら戦慄するやら。
その鈍感力たるや、まさに一撃一撃が必殺の威力を秘めており、的確にヒロインたちにダメージを与えていく。そのクリーンヒットぶりは、蝶のように舞い、蜂のように刺す、技巧を極めたボクサーをすら連想させる代物である。
もうやめて、彼女たちのHPはもうとっくにゼロよ!?
と、思わず制止したくなるほど、容赦呵責なく安芸の鈍感はヒロインたちを乙女心をギッタンギッタンに蹂躙していくのだ。
悪魔の所業である(苦笑
これで彼当人には一切悪気もなく、自分の言動がどれほど彼女らを滅多打ちにしているのか理解していないのだから始末が悪い。ここまで徹底していられると、彼女らも怒れないんですよね。いや、怒ってるけど、安芸という人はもうこういう人だから、と端から受容していなければやってられないんでしょう。
まー、わりと遥にしても、今回登場した紫のベルにしても、惚れてしまった弱みか、当人たちのあふれんばかりのバイタリティのおかげか、仕方ねーなー、と割り切ってる向きもあるので、むしろ一番苦労しているのは傍から見守っている香音嬢なのかもしれない。
積極的に安芸と遥の仲を応援している彼女としては、気苦労が絶えないに違いない。今回の短編集にしても、なんとか二人の仲を応援しようと気をまわしているにも関わらず、その一切を亡きものとする安芸の鈍感さに、時に挫折し、時に戦慄に打ち震え、溜息をつくばかり。今回、彼女なんかい溜息ついてたんだろうw

さすがに、これだけのバカ野郎を相手にしていたら、女性側としたらイライラしっぱなしになろうかというところだけれど、この物語におけるメインヒロインの遥さんの心の広い事、大海原のごとし。心が広いっつーか、彼のそういう部分も含めて、彼への恋を大いに楽しみ、興じているというのが、彼女の面白い部分なんだよなあ。恋に溺れているとか、夢見ているというのではなく、ものすごく理性的な部分で全力で楽しんでいるというか。暗い部分や切羽詰まった部分があまりないのが、印象的でもある。
今回だって、ベルというライバルの出現にも関わらず、彼女と敵対することもなく、むしろ同じ安芸の鈍感に対する被害者同士として、もう可哀想になるほどボコボコにされてしまった彼女をフォローし、支え、応援し、一緒になって安芸を糾弾し、と積極的に世話して回っているくらいで。
この明朗快活な少女の言動は、毎度ながら実にすがすがしく爽快で、同時に女の子らしく可憐で可愛らしい。まったく、魅力的すぎてめまいがしそうなヒロインじゃまいか。
恋を楽しむと同時に、同じ女の子を愛でることにも忙しない彼女は、無機質な<人形>である香音の可愛らしい部分をこれでもかと発掘し、新たに来日してきたベルをネコ可愛がりし、引きこもりの妹様にひっかきまわされながらも逆に振り回す、実に楽しそうな日々を送っている。ほんと、謳歌してるよなあ、この娘。
こうして見ると、遥って何気に周囲の女の子、みんなメロメロにして侍らせてるガールズキラーだったりするんですよね。
妹様は、もう完璧にシスコンだし、香音はいつの間にか主人の安芸をほっぽらかして全面的に遥の味方だし、本来恋のライバルのはずのベルだって知りあった途端、籠絡されて思いっきり懐かれ慕われちゃってるし。
この娘、女子高とか通ってたら<お姉さま>になってたんだろうな、絶対w


と、今回は短編集という事もあって、ボードゲームネタもふんだんに盛り込まれているわけで、これ好きな人が見たらめちゃくちゃテンションあがるんだろうなあ。

放課後の魔術師 3.マスカレード・ラヴァーズ4   

放課後の魔術師  (3)マスカレード・ラヴァーズ (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師 3.マスカレード・ラヴァーズ】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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なるほどね。安芸は自分に向けられる恋愛感情に対して鈍感というわけではなく、恋愛という事象そのものに対しての知覚力そのものが鈍いのか。
確かに彼視点で見てると、あの二人のコミュニケーションは恋人同士のいちゃつきには全然見えんかったからなあ。遥が指摘するまで、こっちもまるで気がつかなかった。いやでも、遥は一目瞭然と言ってたけど、ナツメさんのあれはツンデレはツンデレでも飛びっきりのレベルだと思うぞ。それとも、あれはあくまで安芸視点ではそう見えていたというだけで、実際は顔を赤らめたり、声は上ずったりと、分かりやすい反応は示していたんだろうか。そうだとすると、安芸の目は腐ってるとしか言いようがないな、うん。
こりゃあ、遥がどんなにアプローチしても華麗にスルーされるわけだ。苦労するわ……いや、苦労はしてないんかな。もし、本気で好意を伝えるつもりがあるなら、誤解の仕様のないように直截的に告白してしまえばいいだけの話なんだから。
今のところは、遥にもそのつもりはないようだし。あれか。作中でも言ってるけど、惚れたら負け、あくまで安芸の方から惚れさせるつもり、ということなのか。
だとすると、彼女は彼女で鈍さに関しては安芸のことは文句言えないよなあ。場面場面で、明らかに安芸は遥のことを意識している挙動を示しているのに、気が付いてないんだから。
お互い、相手から投げかけてくる信号には、見事に気がついてないんだよなあ、やれやれ。
まあ、このポジティブ娘の場合、今の環境を楽しんでる様子もあるしなあ。珍しいくらいに理知的で聡明なヒロインである遥としては、自分の置かれている危うい現状を、もちろん正確に認識しているはずなんだけど、変に不安を感じていないのは彼女自身の精神のタフネスゆえか、安芸をはじめとした周りの人間を信頼しているからか。
……冒頭の行動を見ると、無鉄砲という面も無視できないけど。

と、ジリジリと進んでいるのかいないのか、微妙なところな主人公とヒロインの関係性だけど、それとは裏腹に彼らの周りの環境については徐々に加速をはじめているのかな。
<円環>の存在というのは、組織としてこれだけ絶対性を示されると反発が生まれるのも当然なわけで。どうにもこの組織の行動って、各魔術師一族の相互互助には機能していなくて、むしろ<円環>という組織の優位性・絶対性を保つために、各魔術師一族の力を削ぐ方向にしか向いていないような気がするんだけどなあ。これって組織が目的達成よりも組織そのものの保全、利益追求のために動く、つまるところ組織劣化してきているとしか……。
こうなってくると、それぞれに魔術師一族に<円環>への敵意や反感が醸成されていくのは無理がない。実際、安芸や理事長姉ちゃんら<蒼>の首脳部も、敵対ではないものの<円環>とは明確に距離を置きたがってるし、<円環>の利益にはならない方向性にあると思われる計画を密かに進行させているみたいだし。

だからといって<鴉>の行動理念は、健全な魔術師からすると認めるわけにいかない代物であるわけだ。
<円環>への隔意と、魔術師としての理念。このバランスの差異が、結局のところ、この第三巻での二組の男女の関係の錯誤に繋がってしまったのか。
【マスカレード・ラヴァーズ】というサブタイトル。読み終わった後に見ると、なかなか辛辣なサブタイですわ、これは。

となると、今後の斎条さんの立ち位置が興味深い。胡散臭さは相変わらずとびっきりで、確かになにか企んでいそうなんですけど、ナツメへの真摯な立ち振る舞いを見ていると、腹に一物抱えていても、裏表は案外なさそうではあるんですよねえ。しっかりと温度の在る優しさを持ち、でも情に流されず、誰にも依存せず、どこにも帰属せず、狂気などかけらもない理性を以って、自身の目的を遂行する。この人は、きっと強敵ですよ。
この人の目的は未だ不明だけど、それはたとえ安芸や遥たちと相容れぬものだったとしても、きっと納得はさせられるんだろうな、と思ったり。

対して、イドの方は底が知れた、というか非常に分かりやすくなってきた。ある意味、子供らしくて好感めいたものすら抱いてしまったり。彼はきっと感情の塊なんですよね。彼の安芸への敵意や反発は、どこか以前に合った膨大な好意の裏返し、裏切られたという想いからくるもののようにも見えて、気持ちはわからないでもないんですよね。安芸ももう少しうまいこと対応できたらいいんでしょうけど、イドや伊代の件に関しては安芸も普段のような大人の態度をとれないからなあ。イドから見たら、安芸は大人の対応しかしてないように見えて、それが余計に腹立たしいんだろうけど。この噛み合わなさが、逆に以前はよく歯車の噛み合った、仲の良い兄弟だったんだろうなあ、という想像を掻き立てられて、なかなか興味深い。こうなってくると、伊代の、二人を助けて、という遥へのお願いも共感できるんですよね。前の二人を知ってたら、そりゃつらいよ。しかも、原因が自分だったりしたらねえ。
出来れば、なんとかならんかねえ、と思いますよ、うん。


放課後の魔術師 2.シャットダウン・クライシス4   

放課後の魔術師  (2)シャットダウン・クライシス (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師 2.シャットダウン・クライシス】 土屋つかさ/ふゆの春秋 スニーカー文庫

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手に取った時は、えらい本の厚さが薄っぺらく感じで、おいおいと思ったんだけど、読み終えたときには薄いという印象はさっぱりなくって、けっこう驚いた。思っていた以上に、中身に没頭していたみたい。第一巻でもかなり絶賛したつもりだけど、これは思いのほかこの作品に嵌まりつつあるということだろうか。
同い年なのに、教師生徒の関係、というのは今までにない絶妙な距離感が合って、好きだなあ、これ。プライベートでも魔術の教師と生徒なわけだし、精神的にも安芸は大人だから、アグレッシブな遥もきちんと目上の人に対する丁寧な接し方をしてるんだけど、相手が同い年だからという点は気安さや積極的な押しの強さを自身に容認することにもつながってるので、これが絶妙なんですよね。
奔放に見えてこれで遥って結構きっちりとした性格だから、安芸が本当に年上の教師だったら、もっとちゃんと生徒と教師という線引きをしてるように思えるんですよね。妹と二人で生きてきたことから、大人に対して変に甘えない自律した面もあることだし。立場としては目上で、でも年齢は同じ、という他なら多少接し方に違和感や歪みが生じるような関係なんだろうけど、この二人には逆にしっくりと行くものだったのかもしれない。

それにしても、相変わらず安芸の授業は凄いなあ。テストなんかしなくても先生は生徒の実力はわかってる、というのはそんな優秀な教師はそんなにいないよ、とも思うんだけど、彼の授業法にしてもテストのやり方にしても、変に突飛ではなくなまじ本当に効果的そうで面白そうで、その、困る。
英語の授業なんか特に苦手だった自分なんかからすると、あのテストは心理的に厳しいんだよなあ。変に誤魔化すこともできないだろうし、クラスメイトの前で喋ることになるんだから、実際やらされるとなると参るだろうなあ。対策も立てようがないし、自分の実力で頑張るしかない。
大変だし、多分受験なんかに即効性のある効果があるかはわからんけど、英語をしゃべれるようになる、という意味ではこの人の授業は本当に効果ありそう。

今回は、本格的にシリーズ化、ということで大量に伏線をばらまくことに終始していたのかも、と読後に振り返って思い至る。
でも、予想以上にてきぱきと伏せていた秘密を開示してこられたのには、少々驚いたかも。特に、ジェシカのモデルになった伊予なんかは引っ張ろうと思ったら、安芸の過去の影としてもっと引っ張れただろうに。それを、こうも明快に登場させるというところに、作者のこの作品に込めた方向性を明確に感じさせられて、なかなか好印象。なるほど、安芸と遥の関係こそが、この作品の最大の見せ場であり重要な根幹であるということですね。それも、陰湿に重たくするでなく、快濶にぐいぐいとパワフルにまい進する類いの。
それでいて、<鴉>だけではなく論理魔術師一党の中でも勢力争いはあるという展開を提示することで、単純な敵味方の対立構図ではない、様々な意図が絡まりあった暗闘の要素も垣間見えてきて、先の顛末が実に楽しみ。
これは、これからどんどんおもしろさの上昇カーブを描いていきそう。最初に感じた期待感は、どうやら間違っていなかった様子。
2009の注目作品。

 

12月2日

芥見下々
(ジャンプコミックス)
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近藤憲一
(ジャンプコミックス)
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末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
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鈴木小波
(ジャンプコミックス)
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yatoyato
(ジャンプコミックス)
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三条陸/芝田優作
(ジャンプコミックス)
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天望良一
(ジャンプコミックス)
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猗笠怜司
(ジャンプコミックス)
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かっぴー/nifuni
(ジャンプコミックス)
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かっぴー/nifuni
(ジャンプコミックス)
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山崎将
(ジャンプコミックス)
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榊健滋
(ジャンプコミックス)
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三浦糀
(ジャンプコミックス)
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ソウイチロウ
(ジャンプコミックス)
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飛田ニキイチ/ELDEN RING(株式会社フロム・ソフトウェア)
(ヒューコミックス)
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松本渚/久部緑郎
(ヒューコミックス)
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成瀬乙彦
(ヒューコミックス)
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浅倉秋成/大沢形画
(角川コミックス・エース)
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長岡太一
(角川コミックス・エース)
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鹿島初
(角川コミックス・エース)
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12月1日

燦々SUN
(角川スニーカー文庫)
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すめらぎ ひよこ
(角川スニーカー文庫)
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明治 サブ
(角川スニーカー文庫)
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水鏡月 聖
(角川スニーカー文庫)
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花宮 拓夜
(角川スニーカー文庫)
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海山 蒼介
(角川スニーカー文庫)
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ナナシまる
(角川スニーカー文庫)
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はむばね
(角川スニーカー文庫)
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御宮 ゆう
(角川スニーカー文庫)
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鏑木 ハルカ
(角川スニーカー文庫)
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たすろう
(HJ文庫)
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空埜一樹
(HJ文庫)
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桟とび/依空まつり
(B's-LOG COMICS)
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槙島ギン/カンチェラーラ
(コロナ・コミックス)
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鳴原/軽井広
(コロナ・コミックス)
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七星郁斗/琴子
(コロナ・コミックス)
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北国良人/楢山幕府
(コロナ・コミックス)
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鈴華/香月美夜
(コロナ・コミックス)
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高瀬若弥/佐々木ラスト
(HJコミックス)
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渡辺つよし/北条新九郎
(HJコミックス)
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三本コヨリ
(FUZコミックス)
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ぎんもく
(FUZコミックス)
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11月30日

わるいおとこ
(ファミ通文庫)
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吉岡剛
(ファミ通文庫)
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吉岡剛
(ファミ通文庫)
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桜霧琥珀
(GCノベルズ)
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機織機
(GCノベルズ)
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力水
(モンスター文庫)
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11月29日

アトハ
(エンターブレイン)
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月汰元
(エンターブレイン)
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ながワサビ64
(エンターブレイン)
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11月28日

逢沢 大介
(エンターブレイン)
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11月26日

(宝島社)
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はまじあき
(まんがタイムKRコミックス)
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肉丸
(まんがタイムKRコミックス)
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MOTO
(まんがタイムKRコミックス)
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バニライタチ
(まんがタイムKRコミックス)
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芽々ノ圭/ほえ太郎
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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友麻碧/夏西七
(Gファンタジーコミックス)
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水口鷹志
(角川コミックス・エース)
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肉丸/ジョーさん。
(角川コミックス・エース)
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さびしうろあき
(角川コミックス・エース)
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11月25日

Schuld
(オーバーラップ文庫)
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熊乃げん骨
(オーバーラップ文庫)
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岸本和葉
(オーバーラップ文庫)
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御堂ユラギ
(オーバーラップ文庫)
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白河勇人
(オーバーラップ文庫)
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不手折家
(オーバーラップノベルス)
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たまごかけキャンディー
(オーバーラップノベルス)
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日之影ソラ
(オーバーラップノベルスf)
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森下りんご
(オーバーラップノベルスf)
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ムラサキアマリ
(MF文庫J)
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鵜飼有志
(MF文庫J)
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黒鍵 繭
(MF文庫J)
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志瑞 祐
(MF文庫J)
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久追遥希
(MF文庫J)
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ぶんころり
(MF文庫J)
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ぶんころり
(KADOKAWA)
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理不尽な孫の手
(MFブックス)
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理不尽な孫の手
(MFブックス)
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七沢 またり
(MFブックス)
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北川 ニキタ
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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巴里の黒猫
(MFブックス)
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埴輪星人
(MFブックス)
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ネコクロ
(ブレイブ文庫)
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レオナールD
(ブレイブ文庫)
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とーわ
(ダッシュエックス文庫)
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すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)
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池野雅博/ざっぽん
(角川コミックス・エース)
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坂野杏梨/逢沢大介
(角川コミックス・エース)
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いわさきまさかず/矢立肇
(角川コミックス・エース)
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谷和也/鈴木小波
(角川コミックス・エース)
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騎羽こうじ/瀬尾優梨
(角川コミックス・エース)
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ユリシロ/紙城境介
(角川コミックス・エース)
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犬塚惇平/ヤミザワ
(角川コミックス・エース)
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福井晴敏/大森倖三
(角川コミックス・エース)
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雪仁/かがちさく
(角川コミックス・エース)
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葦尾乱平/涼樹悠樹
(ガルドコミックス)
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舘津テト/白青虎猫
(ガルドコミックス)
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霜月なごみ/瀬戸夏樹
(ガルドコミックス)
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しゅにち/友橋かめつ
(ガルドコミックス)
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しろいはくと/大崎アイル
(ガルドコミックス)
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びび/五示正司
(ガルドコミックス)
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七浦なりな/桜あげは
(ガルドコミックス)
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ちさかあや/大志充
(電撃コミックスNEXT)
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日之影ソラ/みつなり都
(電撃コミックスNEXT)
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紺矢ユキオ
(電撃コミックスNEXT)
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後藤羽矢子/玖珂ツニヤ
(電撃コミックスNEXT)
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竹葉久美子
(電撃コミックスNEXT)
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Byte
(電撃コミックスNEXT)
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仲谷鳰
(電撃コミックスNEXT)
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月見だしお/Ceez
(電撃コミックスNEXT)
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ぷらぱ
(電撃コミックスNEXT)
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緋呂河とも/ながワサビ64
(電撃コミックスNEXT)
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高村資本/OKARI
(電撃コミックスNEXT)
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蛇野らい/槻影
(電撃コミックスNEXT)
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ハンバーガー
(電撃コミックスNEXT)
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朱月十話/ROHGUN
(電撃コミックスNEXT)
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理不尽な孫の手/日崖タケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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渡航/佳月玲茅
(ビッグガンガンコミックス)
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松浦/大堀ユタカ
(ビッグガンガンコミックス)
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初鹿野創/椎名くろ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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平坂読/さきだ咲紀
(ビッグガンガンコミックス)
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はっとりみつる
(ヤングガンガンコミックス)
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11月24日

甲田 学人
(メディアワークス文庫)
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冬馬倫
(メディアワークス文庫)
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紅玉 いづき
(メディアワークス文庫)
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久川 航璃
(メディアワークス文庫)
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11月22日

伊織ハル
(4コマKINGSぱれっとコミックス)
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カワバタヨシヒロ/羊太郎
(MFコミックス アライブシリーズ)
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La-na/南野海風
(MFコミックス アライブシリーズ)
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春野友矢
(MFコミックス アライブシリーズ)
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木城ゆきと
(KCデラックス)
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石黒正数/講談社
(KCデラックス)
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石黒正数
(アフタヌーンKC)
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皆川亮二
(アフタヌーンKC)
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山口つばさ
(アフタヌーンKC)
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藤田和日郎
(モーニング KC)
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榎本あかまる
(モーニング KC)
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田素弘
(モーニング KC)
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三原和人
(モーニング KC)
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栗田 あぐり
(モーニング KC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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11月21日

二上圭
(GCN文庫)
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11月19日

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ほのぼのる500
(TOブックス)
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佐々木鏡石
(TOブックス)
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弁当箱
(TOブックス)
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龍流
(TOブックス)
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11月18日

羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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理不尽な孫の手
(富士見ファンタジア文庫)
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いつきみずほ
(富士見ファンタジア文庫)
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阪田 咲話
(富士見ファンタジア文庫)
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七野 りく
(富士見ファンタジア文庫)
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日の原 裕光
(富士見ファンタジア文庫)
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戸塚 陸
(富士見ファンタジア文庫)
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七野 りく
(富士見ファンタジア文庫)
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水沢 夢
(ガガガ文庫)
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持崎湯葉
(ガガガ文庫)
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昏式龍也
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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shiryu
(ガガガ文庫)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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千明太郎
(チャンピオンREDコミックス)
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眞邊明人/藤村緋二
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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カルロ・ゼン/フクダイクミ
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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福地翼
(少年サンデーコミックス)
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田中モトユキ
(少年サンデーコミックス)
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ねこぐち
(少年サンデーコミックス)
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11月17日

西尾維新/大暮維人
(KCデラックス)
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西尾維新/大暮維人
(講談社コミックス)
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山本崇一朗
(KCデラックス)
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久世蘭
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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木南ユカ
(講談社コミックス)
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裏那圭/晏童秀吉
(講談社コミックス)
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稲葉みのり
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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椎橋寛
(ヤングジャンプコミックス)
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すかいふぁーむ/ぺんたごん
(ヤングジャンプコミックス)
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三都慎司
(ヤングジャンプコミックス)
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戸塚たくす/西出ケンゴロー
(ヤングジャンプコミックス)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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田尾典丈
(電撃の新文芸)
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福留しゅん/天城望
(フロース コミック)
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廣本シヲリ/しきみ彰
(フロース コミック)
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11月16日

村枝賢一/石ノ森章太郎
(KCデラックス)
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古川五勢
(KCデラックス)
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小村あゆみ
(マガジンエッジKC)
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伊藤京介
(マガジンエッジKC)
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sigama
(マガジンエッジKC)
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片瀬茶柴/城平京
(講談社コミックス月刊マガジン)
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森下真
(講談社コミックス月刊マガジン)
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ひととせひるね
(講談社コミックス月刊マガジン)
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関口太郎
(講談社コミックス月刊マガジン
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加藤元浩
(講談社コミックス月刊マガジン)
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周藤蓮
(ハヤカワ文庫JA)
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逆井 卓馬
(星海社FICTIONS)
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11月15日

友麻碧
(富士見L文庫)
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しきみ 彰
(富士見L文庫)
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友麻 碧
(講談社タイガ)
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西尾 維新
(講談社文庫)
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夏原 エヰジ
(講談社文庫)
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水辺チカ/友麻碧
(KCx)
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勝木光/香月美夜
(コロナ・コミックス)
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蕗野冬/ほのぼのる500
(コロナ・コミックス)
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香守衿花/もちだもちこ
(コロナ・コミックス)
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東里桐子/ラチム
(コロナ・コミックス)
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墨天業/久宝忠
(コロナ・コミックス)
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螢子/あてきち
(コロナ・コミックス)
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11月12日

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大森藤ノ
(GA文庫)
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伊尾微
(GA文庫)
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ジャジャ丸
(GA文庫)
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11月11日

漆原玖/門司柿家
(アース・スター コミックス)
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成家慎一郎/ナハァト
(アース・スター コミックス)
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金井千咲貴
(ガンガンコミックス)
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顎木あくみ/高坂りと
(ガンガンコミックスONLINE)
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鉢谷くじら
(ガンガンコミックスONLINE)
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万野みずき/野営地
(ガンガンコミックスONLINE)
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山内泰延
(ガンガンコミックスONLINE)
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長岡マキ子/カルパッチョ野山
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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11月10日

天野こずえ
(BLADEコミックス)
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川原 礫
(電撃文庫)
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佐島 勤
(電撃文庫)
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二丸修一
(電撃文庫)
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白金 透
(電撃文庫)
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東崎惟子
(電撃文庫)
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ひたき
(電撃文庫)
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鏡 遊
(電撃文庫)
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赤月ヤモリ
(電撃文庫)
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榊 一郎/木尾寿久(Elephante Ltd.)
(電撃文庫)
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岩田洋季
(電撃文庫)
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午鳥志季
(電撃文庫)
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烏丸 紫明
(カドカワBOOKS)
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巻村 螢
(カドカワBOOKS)
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ジャジャ丸
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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神無月 紅
(カドカワBOOKS)
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古宮九時
(DREノベルス)
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わんた
(DREノベルス)
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小鳩子鈴
(DREノベルス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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内河弘児
(TOブックス)
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(TOブックス)
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あfろ
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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うちのまいこ
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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まめ猫
(まんがタイムKR フォワードコミックス)
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秋月壱葉/望月麻衣
(アクションコミックス)
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クール教信者
(アクションコミックス)
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碓井ツカサ
(サンデーうぇぶりコミックス)
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しょたん
(サンデーうぇぶりコミックス)
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野田宏/ふくしま正保
(ビッグコミックス)
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野田宏/若松卓宏
(ビッグコミックス)
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千月さかき/姫乃タカ
(角川コミックス・エース)
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斯波浅人/浅名ゆうな
(角川コミックス・エース)
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otakumi/ベキオ
(角川コミックス・エース)
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天海雪乃/タンバ
(角川コミックス・エース)
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岡叶/夏目純白
(角川コミックス・エース)
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由伊大輔/高橋びすい
(角川コミックス・エース)
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吾嬬竜孝/西崎義展
(角川コミックス・エース)
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吾嬬竜孝/西崎義展
(角川コミックス・エース)
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Crosis/松尾葉月
(角川コミックス・エース)
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内河弘児/よしまつめつ
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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11月9日

さばねこ/ちゃつふさ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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渡真仁/三嶋くろね
(ドラゴンコミックスエイジ)
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カタセミナミ/千月さかき
(ドラゴンコミックスエイジ)
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MIGCHIP
(ドラゴンコミックスエイジ)
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天原/masha
(ドラゴンコミックスエイジ)
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車王
(ドラゴンコミックスエイジ)
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荒木佑輔/メソポ・たみあ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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石沢庸介/謙虚なサークル
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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塀流通留/藤井ふじこ
(シリウスKC)
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内々けやき/あし
(シリウスKC)
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福田直叶/むらさきゆきや
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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志瑞祐/青桐良
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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カジカ航/伏瀬
(シリウスKC)
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真島ヒロ/上田敦夫
(講談社コミックス)
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藤栄道彦
(バンチコミックス)
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11月8日

安部真弘
(少年チャンピオン・コミックス)
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蛙田アメコ/冬野なべ
(少年チャンピオン・コミックス)
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11月7日

雨隠ギド
(アフタヌーンKC)
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妃羅/山田リューセイ
(ガンガンコミックスUP!)
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鳥羽徹/栗元健太郎
(ガンガンコミックスUP!)
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裕夢/ボブキャ
(ガンガンコミックスUP!)
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こゆびた べる
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/阿倍野ちゃこ
(ガンガンコミックスUP!)
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風来山/沖野真歩
(ガンガンコミックスUP!)
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相崎壁際/四季ムツコ
(ガンガンコミックスUP!)
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平成オワリ
(SQEXノベル)
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美袋和仁
(SQEXノベル)
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11月5日

雨堤 俊次
(宝島社文庫)
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山本 巧次
(宝島社文庫)
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ヒロサキ/冬馬倫
(フロース コミック)
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冨月一乃/雨宮れん
(フロース コミック)
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11月4日

尾田栄一郎
(ジャンプコミックス)
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冨樫義博
(ジャンプコミックス)
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矢吹健太朗
(ジャンプコミックス)
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加藤和恵
(ジャンプコミックス)
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権平ひつじ
(ジャンプコミックス)
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松井優征
(ジャンプコミックス)
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鈴木祐斗
(ジャンプコミックス)
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辺天使/津田穂波
(ジャンプコミックス)
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伊藤砂務
(ジャンプコミックス)
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天野明
(ジャンプコミックス)
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ちると
(ジャンプコミックス)
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横山左
(ジャンプコミックス)
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松本直也
(ジャンプコミックス)
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稲岡和佐
(ジャンプコミックス)
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静脈/依田瑞稀
(ジャンプコミックス)
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岩田雪花/青木裕
(ジャンプコミックス)
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伊科田海
(ジャンプコミックス)
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河本ほむら/羽田豊隆
(ジャンプコミックス)
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ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)
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マポロ3号
(ジャンプコミックス)
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篠原健太
(ジャンプコミックス)
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近本大/新川権兵衛
(角川コミックス・エース)
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路生よる/藤堂流風
(角川コミックス・エース)
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三上康明/田中インサイダー
(角川コミックス・エース)
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藤本ケンシ/井出圭亮
(ヤンマガKCスペシャル)
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山田恵庸
(ヤンマガKCスペシャル)
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岡本倫
(ヤンマガKCスペシャル)
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植野メグル
(ヤンマガKCスペシャル)
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新井春巻
(ヤンマガKCスペシャル)
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ARATA/まきしま鈴木
(PASH!コミックス)
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せるげい/くまなの
(PASH!コミックス)
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航島カズト/タンサン
(PASH!コミックス)
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渡 琉兎
(ドラゴンノベルス)
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葵すもも
(ドラゴンノベルス)
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綾村 実草
(ドラゴンノベルス)
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並木 陽
(星海社FICTIONS)
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