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ふーみ

やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 4 ★★★★   



【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 4】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫

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お互いの気持ちを確かめ合い、晴れて恋人同士となった小雪と直哉だが、恋人としての関係を意識して小雪は逆に固くなってしまう。
そんな折、小雪の許嫁として、イギリスからの留学生アーサーがやってくる。しかし彼は一緒にやってきた義妹のクレアと相思相愛だと見抜いた直哉。小雪との両想いぶりを見せつけることで許嫁として諦めさせ、クレアとの恋を成就させるべく立ち回ることに。
なかなか素直になれない二人をたきつけ見守りながら、自分たちの関係を省みる小雪と直哉は――
天邪鬼な美少女と、人の心が読める少年の、すれ違いゼロの甘々ラブコメディ、第4弾。

ラブコメってラブコメディというだけあって、甘酸っぱい恋愛模様が描かれると同時に、それを明るく楽しくテンポよく、のコメディチックに描くジャンル、と言えます。
そのラブの部分に比重を置くのか、コメディの部分に重きを置くのはそれは作品それぞれで違ってくるのでしょうけれど、本作は特にこの「コメディ」としてのテンポの良さ、リズム感みたいなものが数あるラブコメ作品の中でももう突出してるんですよね。ある種、ラブコメの究極系として一つの完成を見たんじゃないか、と思ってしまうくらい、最初から最後まで見事なほど息切れの一切ない畳み掛けるような勢いと、展開の連なりの調和が取れた話の転がりかたになってるんですよね。
キャラクターの個性と押し出し、ストーリーラインのスムーズさも相まって、交響曲かという重奏さと軽妙さが合わさってる。
一言でいって、めちゃくちゃおもしろかった。
正直、小雪と直哉が両思いになることで、こんな以心伝心二人一組で物語そのものを牽引するユニットになるとは思ってなかったんですよね。読心能力かという能力持ちの直哉が、素直になれず本心を口にできないのにあっさり本心をぶっちゃけられて右往左往振り回される小雪、というのがこのシリーズのパターンでしたけれど、両思いになってもう開き直っちゃった小雪は、本心全部バレバレなのが当たり前という前提で直哉と付き合うようになってます。
じゃあ本心を素直に口にするようになったか、というとそうとも言えないあたりがまた小雪の可愛らしさなのですけれど、本心を読まれることを前提に物事を考え動くようになったものですから、もうこのカップル、完全に以心伝心になってしまって、二人して動く時一旦立ち止まって相談したり考えをすり合わせたり、というラグが全然なくなっちゃったんですよね。
なので、一切この二人の行動に淀みや停滞がなくなってしまったものですから、話の展開まで全く停滞がなくなって、直哉と小雪の邁進に合わせて話がどんどん進む進む。展開もどんどん転がる転がる。オマケに小雪もなんだか旦那に影響を受け始めたのか、やたらと察しがよくなってきている傾向があり、他の人の言動や思考を先読みするようになりはじめているんですよね。
それどころか、なんか直哉以外と会話する時一から十まで全部話す内容を口に出して話しながら話さないといけないので、なんか最近直哉以外との会話に面倒臭さを感じ始めている、という危険な兆候がw いやそれ、もう完全に直哉専用に調律されはじめてやしませんか? 大丈夫か? そのうち、他人とまともに会話できなくならないか?w

本来なら、徐々に明らかになってくるだろう新キャラクターである小雪の婚約者にして海外からの留学生、アーサーとクレアの事情も、空港で出迎えた初対面の時点で全部明らかになってしまったので、とにかく話が早い。直哉のみならず小雪まで加わって、ガンガンと話を進めていくものだから、余計なエピソードを挟む余地なく最大効率でアーサーとクレアの本心が暴かれていった上に、この兄妹完全に勢いのまま引きずり回されて、気がつけばお互い思いを秘めた両片思いだったのが想い通じ合っている、という怒涛の展開。いや、怒涛すぎるでしょう、RTA(リアルタイムアタック)かよ!
それでいて、直哉と小雪当人たちはというとよそのカップルにかまけて自分たちはどうなんだと言えば、僅かな暇さえあればひたすらイチャイチャ甘酸っぱい雰囲気を出してるのですから、余裕すら感じるダダ甘カップルっぷりでした。
いやー、ここまでしてくれるともうひたすら楽しいばかりでした。この直哉と小雪のカップルは延々見ていられそうですわ。

ちなみに、毎度巻末で繰り広げられる、直哉パパと小雪パパの世界を股にかけたトラブルバスターズも、これスピンオフで見てみたいくらいハッチャケてて面白いんですよねえ。

さて、次は直哉と小雪のカップル反対勢力の本命となる小雪のお祖父様が登場するのか。既に会ったら直哉相手に即陥落だよね、と皆の意見が一致しているあたり、まったく障害になりそうにないけれどw




やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 3 ★★★★   



【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 3】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫

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小雪の思いも寄らないキスに、大いに動揺する直哉だが、そのことを小雪は全く覚えていない様子。素直になりつつある小雪の無自覚な触れ合いに、直哉は今までのような調子を出せなくなってしまう。
そんなとき、直哉と小雪、ふたつの家族で一緒に旅行に出かけることになる。
不甲斐なさを払拭するため、旅行中の特別な計画を立てる直哉。首尾よく計画通りに進み、小雪との仲もより深まっていくのだが、思いがけない出来事によって、ふたりの関係に転機が訪れる――
「好き」同士が織りなす、すれ違いゼロの甘々ラブコメディ、第3弾!

だだ甘すぎやしませんかーーっ!? いやもう、前巻から付き合っていないにも関わらずイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ、ひたすらイチャイチャしかしてなかったような気がするのですけれど、以前にも増してイチャイチャイチャイチャイチャイチャ。
これでまだ付き合っていないんですよ? 正式に付き合ってないってだけで実質付き合っている以外ないのですけれど。事実婚ならぬ事実恋人なのですけど。
直哉の方からはもう告白しているので、あとは小雪のほうが返事をくれればOKという状態にも関わらず、好きが一杯一杯になりすぎててこれ以上好きになると死んでしまいかねないので告白を保留しているというような状態、ってどんな状態だよ!
もうあとはもっと好きになるしかないような状態にも関わらず、ここで溜めをつくってしまうと余計に大変なことになりそうなのですが、辛うじて耐性というか慣れが出てくるという勘定なのだろうか。
しまいには、直哉の方にも事故でのキスをきっかけに小雪と同じ症状が発症してしまい、小雪が好きすぎてまともに顔も見れなくなってしまう、というオーバーフロー状態に。あれだけイケイケドンドンでぐいぐい行ってたくせにこの男案外キャパ小せえなあ!!
おまけに友人たちからアドバイスを受けた小雪が、逆にぐいぐいと意識的にセクシーアピールしだした上に無意識でもぐいぐい攻め立てはじめて、いつもと逆に直哉のほうがぐいぐい来られてあたふたするという逆転状態に。
動転しまくる直哉の様子は、普段の隙なく余裕で逃げ道潰して詰めてくる姿と裏腹で、これはこれで可愛げあるよねえ、という有様に。小雪さんの変な性癖が目覚めなければいいのですけれど、これ。
ともあれグイグイ行くついでに、今度はこっちから告白し返してやるんだから! と、なぜか告白する相手当人に宣言布告する小雪さん。それもうその布告自体が告白になってやしませんかね!? しかし、二人の間では「告白する」という行為はどうやら必定のもののようで。気持ち自体はお互いに好きというのはもう確かめあっているようなものなので、あとは儀式として告白することでやっと次のステップに進むのだ、という共通認識でいるということなのだろう。
まだ付き合っていないにも関わらず、ここまでだだ甘状態な二人が本当に付き合いだしてしまうと、これタガが外れてしまうんじゃないか、となんだか心配になってくるんだけれど大丈夫なんだろうか、これ。これ以上イチャイチャされてしまうと日常生活に支障が出てこないだろうか、周りにハザード的な悪影響が出やしないだろうか。
まあ今から心配しても仕方ないのだけれど。

ついでに、海外に出てた直哉の両親が返ってきて、これで完全に小雪と直哉の両方の両親のお墨付きの関係になってしまいました。しかしこの直哉パパ、完全に息子の上位互換なのか……いやこれもう化け物じゃね!?
現代に蘇ったシャーロック・ホームズかなにかか。推理する必要もなく、見れば全てがわかってしまう、というこれもう読心というレベルじゃないですよね。心を読む以上にその人の周りで起こっている状況から展開からすべて見えちゃってますよね。もはや千里眼か何かなんじゃないだろうか。
そして、その眼力を惜しみなくつかって、目につく人のトラブルを片っ端から解決しまくるという世界を股にかける屈指のトラブルメーカーっぷりたるや……。
なんか、小雪のパパが偶然直哉パパと巡り合った挙げ句にワトソンくんのポディションに収まっちゃってるんですが。ひっきりなしにトラブルや事件、大騒動に巻き込まれて今回絶叫絶叫を繰り返している小雪パパ、ご愁傷さまである。でもなんか良いコンビになっちゃってるんですよね。
まさかここに来て、直哉パパ、生涯の相棒を見つけてしまったのではないだろうか。
直哉パパと息子の会話が、完全に過程すっ飛ばして顔を合わせた瞬間結論だけで会話してるの、普通に怖いわw 動じないママが大物すぎるw
そしてこんな直哉にベタぼれで、心も行動も何もかも読まれきっているのに好き好き大好きで染め上がってる小雪さん、ある意味踏み外してしまっているのかもしれない、これw

エピローグで、次回小雪の婚約者が登場するという情報が出てきたのですけれど、速攻登場人物全員が婚約者くんが直哉に速攻ぼろくそに処刑される前提でえらいこっちゃー! と騒いでるの、草生えますわw 
それはそれでほんと、楽しそうなのですけど。


やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 2 ★★★★   



【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 2】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫

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お互いの「好き」という気持ちを確かめあい、小雪に告白した直哉だったが、小雪が素直な気持ちを伝えられるようになるまで返事は「保留」になった。
直哉とのやり取りを繰り返す中で、直哉以外との付き合い方も少しずつ柔らかくなっていく小雪。クラスメイトに直哉とのデートをそそのかされたり、思わぬ恋のライバルが登場したりと、周囲も騒がしくなっていく。そんな中、小雪の「毒舌」を決定づけた過去も、また身近にあったのだった……。
WEB小説発。ハッピーエンドが約束された、すれ違いゼロの甘々ラブコメディ、第2弾。


あっまーーーい! いやもうね、甘いなんてもんじゃないですよ。ひたすらイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ。
正式に恋人、彼氏彼女の関係になってないだけで実質自他共認める恋人同士だし、もうこれ事実婚の恋人バージョンでいいんじゃないですか? 
恋人未満、な関係だと恋人同士じゃないという事実を盾にしてフリーだというのを前提にして、他の男女が横槍を入れて割って入ってくる、挑戦してくるケースは珍しくはないのですけれど、この直哉と小雪の場合はそれがほぼ不可能なんですよね。本契約こそしていないものの、仮契約的なお互いの意思の確認は済ませていますし、それも周りに周知されている。割って入る余地がどこにもないんですよ。両片思いなんてもんじゃなく、まさに両思いですし。直哉は既に告白済み。小雪もそれを受けていて、ただ素直に好きと返事できていないから保留にしているだけで、直接の言葉以外では直哉を好きという感情は一切隠しもしていないし、本人に直接言葉で伝える以外のあらゆる手段でほぼ伝えているも同然ですし、それを友人達にも親兄弟にも表明していて、周りの人たちもそれを理解して受け入れている。
……事実婚じゃないですか。内縁関係じゃないですか。実質的に恋人同然じゃないですか。
実際、それからの二人がやっている事と言ったら、なりたての恋人と何が違うんだ、って言うくらい仲睦まじくお互いに好き好き光線を撒き散らしながらイチャイチャイチャイチャ。
照れ隠しに毒舌吐いても、もうすぐに折れて撤回してほんとの気持ち言っちゃうようになったし。ってか、ほぼ好きって言っちゃってるよね? どう解釈しても好きとしか言ってないようなこと言いまくってるよね? ちょっと好きすぎてどうしようもないです、というくらいにはのぼせて浮かれてますよね、小雪さん。
もはや、隠そうという意識すら微塵もないw じゃなくて、小雪も自分の気持ちを直哉に知られているのは、彼の察しの良さもあって分かった上で色々とやってるわけですし、友達にも伝わっているのはもう理解しているわけで自分が何を言っても照れ隠しだとバレてるのも分かってるから、完全にオープンマインドだ。
というわけで、友達のアドバイスも素直に聞いて、積極的に直哉のことをデートに誘ったり、直哉がグイグイと来るのに負けないようにグイグイ押し返そうとしたり、といやもう一体何を見せられているんだろう、これw
こんなズブズブの恋人未満関係はあんまり見たことないぞ。これを恋人未満、と言ってしまうと「恋人とは!?」と概念への疑問が生じてしまいそうである。
小雪の対人スキルが未熟でついつい直哉相手にやらかしてしまう場合でも、直哉がもはや察し良いどころじゃなくお前「サトリ」だろう、という読心能力で片っ端からフォローして気持ちも汲んで拾ってすくい上げてくれるので、ある意味完全安心しようである。直哉に誤解される恐れがまったくない、という事実は小雪にこの場合勇気を与えてくれている、というのは面白いなあ。
それだけ、小雪が彼に対する好きという気持ちに自分でも疑う余地がなく、気持ちがぐいぐい伝わっていく事に何の不安も抱いていない、という事でもあるんでしょうなあ。
この気持ちが伝わるという経験は、小雪にとって直哉と交流する以外にもコミュニケーションのリハビリになってるんですなあ。どうしても対応に刺々しいものが含まれてしまい失敗しがちだったクラスメイトなどとの会話も、どんどんと自分の本当の素直な気持ちを出せるようになってきて、周囲との関係も目に見えて軟化していく。
いや、元々クラスの人たち、うまく対応できない小雪に対して温かく見守ってきてくれていた節があるので、彼女の対応の変化にも不器用な子の成長を喜ぶ年長者的な生暖かい眼差しが多分にあったような気が……w
とはいえ、心根の気持ちのよい連中なのも確かなわけで。その中でも筆頭が委員長だったのですけれど、さすがに小雪と直接過去に因縁ある人物だったとは予想外だった。
彼女を猛毒の白雪姫にしてしまった幼い頃のトラウマ。小雪が本当に成長し、素直になれない自分を脱却するにはどうしたってこのトラウマを克服する必要があったのでしょう。直哉たちに支えられてちょっとずつ自分を変えていけたとしても、心の奥底でシコリはずっと消えないまま残ってしまう。
人間、多かれ少なかれそうやって心の傷痕をどこかに遺したまま成長していくものだけれど、解消できるものなら解消できた方がいいですもんね。
妹や幼馴染たちが温かく見守り、また大いに囃し立て盛り上げてくれる中で、順調に仲睦まじく事実恋人関係を深めていく小雪と直哉。さらに重ねてどんどんとお互いを好きな気持が高まっていき、ちょっと双方とも好きすぎてテンション上がって酔っ払ってるんじゃ、というくらいにまで盛り上がっちゃってるけれど、大丈夫か? 取り敢えずもう先に結婚して生活が落ち着いてから告白の返事してもいいんじゃないですか? その辺、もう前後しても問題ないでしょうw

しかし、直哉の察しの良さはもう超能力の域に達してるんじゃないの? 完全に読心かサトリみたくなっていて小雪に本気で怖がられてるぞw 
この主人公なら、ミステリーで犯罪が起こった途端に犯人から完全犯罪のトリックから関係者の因縁から皆の顔見ただけで見通してしまいそう。いや、それ以上にどんな名探偵にも出来ないだろう、犯罪が起こる前に実行者から被害者から犯罪トリックから動機から全部暴いて事件の発生事態を阻止してしまう離れ業すら平然とやってしまいそう。怖っ!!




やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく ★★★★   



【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく】 ふか田さめたろう/ ふーみ   GA文庫

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白金小雪。美少女だが毒舌家で「猛毒の白雪姫」と呼ばれる彼女をナンパから救った笹原直哉は、彼女が強がりと嘘で武装しただけのか弱い少女に過ぎないことを知る。
颯爽と助けてくれた直哉に一目惚れした小雪と、小雪のいじらしい態度に一目惚れした直哉。素直になりきれない二人は、お互いの「好き」を確かめるために少しずつ心を通わせていく。
WEB小説発、ハッピーエンドが約束された、甘々ラブコメディ。
帯での小雪さんの発言は明らかに強がりですね。
速攻でめっちゃ好きになってるじゃん!! チョロい。これはチョロい。
ただ、察しの良いを通り越してこいつ読心能力か異世界言語翻訳能力かニュータイプなんじゃないか、というくらい本当の気持ちを察する事の出来る主人公、直哉の方も最初はキツい言動とは裏腹に本当は優しくて恥ずかしがり屋な小雪を微笑ましく見守っているのだけれど、ある時に彼女へ向けられる自分の温かい気持ちが庇護欲や友情とは一線を画した、恋心だと気づくんですね。
他人にはやたらと察しがいいのに自分の感情には鈍感だったと言えばいいのか、それとも些細な自分の反応や彼女が他の男性と話しているのを見て焦る感情を抱いていることから、あれ?自分これ彼女のことを異性として好きだぞ!?と気づいた事にやっぱり察しがいいと言うべきなのか。
ともあれ、小雪の事好きだと認識した途端からの直哉の反応がまた、可愛いんですよ。
強がりを片っ端から直哉に笑顔で叩き潰されて本心指摘されて、ボロ出しまくってあわあわとすぐにポンコツになって赤面してしまう小雪も凄く可愛いのですけれど、好きと自覚した途端冷静さも何もかも吹っ飛んで、情熱のまま勢いで好きだー!!と告白してしまう直哉もこれ、男の子として非常に「かわいい」んですよね。
他人に対して察しがいい、というのはある意味上から目線にもなりがちになってしまう特技だと思うんですよね。本人がどれだけ善人だったとしても、先回りして相手の本意を掴んでそれに基づいて言葉を投げかけたり動いたり、というのはどうしたってマウントを取る、という事に繋がってしまいますしね。だからこそ、この直哉くんは温厚で控え目でありいつもにこにことしてあまりプレッシャーを与えないように心がけた態度をしていたように思うのだけれど、好きを自覚した途端、ほんとに年相応の余裕のない男の子になってしまったんですね。
まあ余裕なくなった、と言っても決して相手に対して暴走して無理やり押し通すみたいな余裕の無さではないのだけれど、いやもう小雪のこと好きすぎるだろう、というくらいに好き好き光線を出しまくって彼女の言動に一喜一憂して浮かれている姿が本当にいい男の子だなあ、と。
察しがいいものだから、小雪のキツい発言についても本意を絶対に間違えないから、喜ぶばかりだし。テンションずっと高いままだったぞ、この子。
そして、本当に遠慮なくグイグイ行きだすのである、この野郎w
まあ、友人であった頃も遠慮なくグイグイ行ってたのだけれど、好きを自覚した時に初っ端衝動のままに怒涛の告白で迫ってしまった為に、ただでさえキャパ無い小雪は速攻でHPがゼロになってパニックになって逃げ出してしまった挙げ句にしばらく恥ずかしさのあまり引きこもってしまったので、それはそれは反省して無理矢理の告白はせずに、グイグイ行きながらも感情任せに押しすぎない、という絶妙の塩梅で加減するようになるのですが、それでもグイグイ行くもんなあ。
そして、まんざらでもない小雪さん。というか、嬉しくてたまらない小雪さん。告白とかされると精神が虚弱すぎて死ぬけれど、それでもグイグイ来られてあわあわしながらもそれが嬉しい小雪さん。
完全に傍目、ラブラブカップルである。犬も食わないカップルである。もうまだ付き合っていない、という以外完全にカップルである。お互い、ちょっと好きすぎやしませんかね、この二人。

だがしかし、本作において最高にチョロいチョロインは小雪ではなかったのである。
何故かほぼ小雪と同じシチュエーションで直哉に助けられてしまった小雪パパ。彼が娘と付き合っている(付き合ってない)彼氏だと知らないまま、直哉の好青年っぷりに一目惚れし、喋れば喋るほど好感度が鯉の滝登り。そして彼が娘の彼氏(彼氏ではない)だと知った途端に、テンションMAX。
即落ち攻略完了である。
いや、完全に娘よりも堕ちるの早かったですよ、このお義父さん。小雪のチョロさは明らかにパパ譲りである。ママさん、わりとこのパパ落とすの簡単だったんじゃないだろうか。
妹ちゃんの方も、姉のチョロさを危惧していたため、仲良くなったという直哉の本性を危惧してちょっかいかけてきましたけれど、彼女の場合はチョロいというよりも物分りが良い、というタイプでしたし、シスコン気味だけれど決して独占欲が強いわけではなくて、むしろ姉が幸せになれば嬉しいというタイプなんですよね。というよりも、間近でラブラブしているのを見物しているのが楽しいタイプというべきか、ポップコーン片手に囃しながら観戦するタイプというべきか。
ともあれ、白金家に反対勢力は皆無、どころか既にパパさんは「お義父さんと呼びなさい(対面初日)」状態で、結婚前提のお付き合いという認識である(付き合っていない)。
まだ付き合っても居ないけれど、近々結婚予定という認識で家族友人関係者が一致してしまっているんですが、この二人。そして、当人同士もそれでまんざらではなく、毎日ほぼほぼ恋人さながらのイチャイチャっぷり。常に一緒だし、デートもするし、小雪の家には通うし、お互い下の名前で呼び合って悶てるし。
まだ付き合っていないだけで。
……お付き合いするって、なんだろう? 意味がゲシュタルト崩壊起こしそう。
なにはともあれ、この初々しくて素直になれないようで二人共思いっきり感情素直なラブラブカップル、見ていてほっこりする温かさで幸せのおすそ分けを頂いたような心地でありました。
これ、続いたとしてもひたすらラブラブイチャイチャしてるのを見せつけられるんだろうなあ。でもまあ、それが良し。

新米錬金術師の店舗経営 04.ちょっと困った訪問者 ★★★   



【新米錬金術師の店舗経営 04.ちょっと困った訪問者】 いつきみずほ/ふーみ 富士見ファンタジア文庫

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錬金生物《ホムンクルス》で一心同体!

ある人物の紹介でサラサのお店を訪問してきたのは、魔物研究者ノルド。研究対象であるサラマンダーの棲み処への護衛を依頼されたサラサは、店を離れるわけにもいかず……同調した錬金生物で同伴することに!?

アイリスたち、ほんと優遇されてますよね。一応、追加料金は取っているとはいえ基本装備は無料貸出だし、ホムンクルスで遠距離サポートとかいたれりつくせりじゃないですか。
これでアイリスたち、サラサに借金している方なのですから。なにげにサラサの所に持ち込まれた商売外のトラブルってほぼアイリスたちが絡んでませんか、これ? 決してアイリスたちが悪いとか彼女らに責任があるケースばかりではないのですが、普通に見たらこれトラブルメーカーですよねえ。
今回も、サラサの代わりに受けた護衛依頼で、事前にサラサの判断を仰いでのことですから無謀な依頼授受ではなかったはずなのですが、結果としてえらいトラブルに発展してしまって。
これはでも、事前の調査不足ではあったんじゃないでしょうか。ノルド氏が行きたいとおっしゃってたサラマンダーの生息地の危険性ではなく、ノルド氏当人についての調査が。
いや、紹介状付きで彼が現れた時点でいささか問題のある人物、という情報は紹介状の文面からも読み取れた上に本人の話から、一度彼の依頼を受けた人間は二度と引き受けなくなっている、という事は承知していたのですから、ちょっと時間をかけてでも具体的になぜノルド氏の依頼を誰も受けなくなったのか、について調べておけば、もうちょっと何とかなったんじゃないだろうか。
そもそも、護衛依頼の具体的な内容がけっこう曖昧というかいい加減というかファジーでなんにも決めてないっぽいんですよね。同行の日数、必要経費について、護衛の具体的な内容(単に攻撃してくる魔物などから守るだけでいいのか、それとも実験の手伝いをする助手的な行為も含まれるのか、実験補助を行った場合の料金の上乗せについてとか)、具体的なノルド氏の行う実験計画について、とか。トカゲの捕獲とか護衛依頼とは関係ないでしょうし。
ともかく契約内容が全然詰められていなくて、なあなあで進んじゃってるんですよね。しまいには、ノルド氏が事前に説明もなくアイリスたちに了承も得ず、唐突に危険な実験を行った挙げ句に心構えや準備もなく突然いきなりピンチに巻き込まれ、ってあれは少なくともやる前に何をやるか、結果としてどうなる可能性があるか、についてある程度でもアイリスたちに説明さえしておけば、スムーズに逃走するための準備やルート策定なんかもできてたでしょうし。
なにはともあれ、その場その場の思いつきで事前の計画無視して先のこととか他との調整も考えずに勢いでややこしいことはじめるとか、ほんとヤメテ!!(働く勤め人の心の叫び
すみません、ちょっと実生活というか仕事でのあれこれの心身へのダメージがぶり返してきて……あふぅ。

これに関しては、護衛を引き受けたアイリスたちの備えというか、契約内容の詰め方が甘かったとも言えるのですけれど、サラサも口出ししなかったところを見るとこの世界ではアイリスたちのような依頼の受け方はむしろ当たり前というか普通なんですかね。細かい契約条項書き連ねて様々なケースに備えてガチガチに内容固める、なんてことしないんですかね?
そりゃ、ノルド氏みたいな依頼人ならあとで揉めるに決まってるよなあ。金払いがいいから、深刻なところまで行ってないみたいだけれど、あの経費の払いだって話の感じだと単にノルド氏の好意によるもので、ちゃんとした支払責任があったわけではないようですし。というか、後から両者で何となく話し合って何となく決めている、という工程が垣間見えたわけですけど。
いやそれ、ノルド氏が依頼人じゃなくてもやっぱり揉めるんじゃないかな、これ?

こうしてみると、当事者間で依頼の申込みと受付を行うよりも冒険者ギルドみたいな専門知識を有した仲介を経た方が確かにトラブルは減るんだろうな、と思ったり。

さて、アイリスとケイトが護衛の旅に出ている間に、サラサがついにロレアちゃんを正式な嫁に、いや弟子に。実質嫁だよね、これ。住み込みの弟子になった、というよりも通い妻が同棲になった、というだけだよね。錬金術を習うことになったものの、国家試験はどうやらちゃんと学校通わないと難しいみたいで、正式な国家認定の錬金術師になるのは難しそう、と分かっていながら、生涯サラサについていく、それも村を出る事になってもやっぱりついていく、という決意のもとですからねえ。
嫁でしょう。
なんかこの世界、同性婚でもOKみたいですし。子供まで作れる方法あるみたいですし。
うん、なんの問題もないな。
先を越されたアイリスがぶーたれそうですが、前例ができたと勢い込みそうですし。ってか、サラサの本格百合ハーレムになるんだろうか、これ。


新米錬金術師の店舗経営 03.お金がない? ★★★☆  



【新米錬金術師の店舗経営 03.お金がない?】 いつきみずほ/ふーみ 富士見ファンタジア文庫

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錬金術大全・四巻のマスターに向けスキルアップにいそしむサラサの前に現れたのは、大借金を抱えたアイリスの父。借金返済のため、政略結婚に利用されそうなアイリスだが、大きなお金が手に入れば回避できるらしい。そこで早速、サラサ一行は一攫千金を狙い、サラマンダーの素材を手に入れるべく大樹海へ向かうのだが―
「でも店長さん、私たちではとても敵わない、危険な相手って話だったんじゃ?」
「大丈夫です。苦戦することはあり得ません」
ブーツと手袋で対策装備は完璧!氷結石と氷結の矢で攻撃準備も万端!いざ、『サラマンダーで借金返済大作戦』決行です!サラサ学生時代、書き下ろし掌編も収録!

サラサ、借金した錬金術師たちに苦言を呈しているけれど、自分は言うほど堅実な経営してるんだろうか。よく自分でも、これ失敗するとヤバいなあ、みたいなことしょっちゅう零しているような気もするけれど。私失敗しませんから、とどこぞの女医さんの如く自信があるにしても、リスクは背負っているわけですし。
その意味でも、今回アイリスの家の借金問題に首突っ込んだのは危ない橋を渡ったなあ、と思ったり。いや、サラマンダーの討伐は本人談のようにほぼほぼ失敗しませんので、だったのかもしれませんけど、サラマンダーが実際居るかどうかちゃんを確認したわけじゃなかったし、もし移動して現場から居なくなってたらどうするのよ、という可能性もあったわけで。危ない橋ではあったんですよね。
それは本来、サラサにとっては負う必要のないリスクでもあったわけですし。
人間関係にお金が絡むと、難しい話になってしまいますよね。判断によっては、悪いわけじゃないのにわだかまりが残ってしまう。本来なら、友達関係なんかはお金絡めない方がいいのですが、今回に至ってはアイリスとケイトとの関係はアイリス救助のための超高級ポーションの使用による借金から始まった関係でもあるので、お金関係はどうあったって無視できないのだ。
そもそも、訪ねてきたアイリスの父とケイトの母が自家の借金問題をサラサに詳しく語ったのは、サラサも大債権者であったからなわけですし。
……あのアイリスに使ったポーションってまず日本円に換算して一千万単位以上はするんでしょうね、話の内容からして。
借金というのは、時としてその借りた単位が多ければ多いほどなぜか借金した側にも一定のパワーが付与されたりする不思議。まあ借りた相手にも寄りますし、立ち回り次第でもあるのですけど。
ともあれ、アイリスは借金を通じてサラサに対して良縁を繋いだのだから、まあ運が良かったというべきか、うまくやったというべきか
今回の一件で、下手をすると一生涯離れられない縁を、サラサとつなぐことに成功した、とも言えるわけですし。もうサラサもこれ、アイリスの事放り出せ無くなりましたしね。まあ、本気になればサラサなら債権なんぞどうとでも整理出来ちゃうのでしょうけど。

しかし、錬金術は同性同士で子供まで作れる術をすでに開発済みなのか……業が深いな。いや、女性同士もさることながら、男同士でも妊娠できるようになれるとか、色んな意味で凄いな。
前々から、錬金術師で店持ってる女性は、店の運営を担当する女性となんでか独身同士で長く二人「仲良く」続いている、みたいな話があって、百合っぽい雰囲気醸し出してましたけど、アイリスとケイトこれガチですやん。このまま百合ハーレムルートを邁進していくんだろうか。
まあ男の気配とかさっぱりないのですけど。サラサ本人は異性愛者だと主張してますけど、ほんまかいな。

巻末の書き下ろし短編は、度々話に出てくる学生時代に知り合いお世話になった先輩たちとのお話。めっちゃ可愛がられてるじゃないですか。孤児出身というのがネックになって、同級生には縁がなかったみたいですけど、サラサ本人の態度は極々普通で勉強ばかりして他人を拒絶してるみたいな極端なものではなかったですし、ある程度交友関係出来てても不思議じゃなさそうだったのですが、もしかして先輩方がいつもべったりだったから同級生誰も近寄ってこなかったんじゃw

わたしの知らない、先輩の100コのこと2 ★★★☆   



【わたしの知らない、先輩の100コのこと2】  兎谷 あおい/ふーみ MF文庫J

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おはようございますせんぱい。『今日の一問』してもいいですか?

"最寄り駅が同じ"以外接点がなかった先輩と後輩がある日、朝の通学時に約束を交わしました。その内容とは『1日1問だけ、どんな質問にも絶対正直に答える』というもの。
そうして先輩と後輩は毎日質問をし続け、お互いのことを少しずつ知っていき……もう最近では『今日の一問』と言いつつ、お互いのプライベートをどんどん知っちゃう関係に。そうして1ヶ月が経ち――冬目前。2人の距離は普通の先輩と後輩よりも、ちょっとだけ近い距離になりました。さて今回は、どこまで2人は距離を縮めるのか。どうぞお楽しみください。

まだ50問!? 二ヶ月経ってなかったの!? と、ちと本気で驚いてしまった。それくらいには、この二人の距離感が近くなってるんですよね。それも、長年とは言わずとも一年以上交友が続いてると思えてしまうくらいには。それだけ、二人のお互いへの理解度が深まっている、という事なのだろう。
まあ真春のぐいぐい攻める姿勢が積極的どころじゃない、というのもあるんだろうけど。付き合ってもいないのに、出会って一ヶ月経たないで家まで来るってなかなかの勇気ですよ、怖いもの知らずですよ。
それでなくても、休日に出不精な慶太を連れ出すことに早々に成功して、それ以降度々休みの日になるとデートみたく一緒に遊びに行くようになって、家にもチャンスあれば上がり込むようになり、慶太の母とはLINEでやり取りするような仲になり、通学時だけじゃなく学校内でも交流するようになり、と着実に進展していく二人の仲。というか、これもうただの友達とか先輩後輩の関係じゃないですよね。時間と空間の共有が明らかに特別で、お互いのために多大なプライベートを割いている。慶太に関しては本を読む時間が確実に大幅に減っているにも関わらず、これを負担や損害に感じていない。それは真春と一緒にいる時間の方が彼にとってもう優先事項になってるんですね。
そうやって二人での時間の過ごし方は、交際している男女のようにしか見えない。見えないですよね? え? 若い子って異性の友達でもこのくらい普通にしてます? してないですよね?(ジェネギャップ!
なんにせよ、彼ら二人の一緒にいるときの日常感は、なんともリアリティがあって感心してしまった。ラブコメラブコメしてなくて、自然体な感じがすごく「普通」のリアリティがあったんですよね。だからこそ、余計に付き合っている交際している男女関係、という空気感を感じてしまうのですけれど。
二巻に入って、お互いへの一問一答に探りがなくなってきた、というのもあるのでしょう。自分たちでも自己分析して、質問の仕方や内容について段々と変わってきていると認めていましたけれど、もうプロフィール情報を得るためじゃなくて、二人にとってのより良い一日、より良い時間を過ごすためにこの時に何を求めているか、何が必要だと思うか、どうしたらいいか、というのを率直に聞きあっているような内容なんですよね……。
意外と、相手に意見を聞く、という行為自体、交際の有無に限らず人間関係のなかでやってない事なんじゃないだろうか、とふと思ったり。一問一答を一日の中で義務付けている、というか権利付けているおかげか、相手に問う、という行為がこの二人の間では常態化しているのだけれど、これが思いの外お互いへの理解度を深めるだけではなくて、今この瞬間の相手の気持ち、考えを放っておかない事に繋がっているようなんですよね。
それが、二人の関係が育まれる時間の短さを補うだけの密度の濃さをもたらしているのではないだろうか。わずか一ヶ月半にも満たない交流の中で、これだけ深く気心が知れた関係になれたのは、率直に問うことで相手のことを知り合う機会を、一日一回以上という多大な回数得ているから、というのはアリ得る話じゃないだろうか。
もちろん、相手のことを知るために一気に情報を得る、という方法もあるのだろうけれど、それは単に上っ面の情報を入力しているだけで、相手のことを本当の意味で知ったわけじゃない、というのは真春の前の交際が早々に破綻したことからも明らかだろう。その意味でも、一日一問だけ、というのは想像以上に有効な方法だったのかもしれない。その一日一度知った情報をその一日の中で味わい噛み締め活用し身に染み込ませることで、そこから派生した出来事、エピソードが血肉となって思い出の中に残ることになる。
そう、それは単なる情報ではなく、積み重なる思い出の一つとなるのだ。そんな思い出を、毎日毎日積み上げていく。真春は毎日の一問一答をちゃんと日記に残しているようだし、全部振り返って思いかえることが出来るんですよね。そうやって積み重なっていった50日は、本当に密度の濃い50日だったのだろう。
時折、交際からわずか3ヶ月とか半年とか、一年にも満たない期間でスピード結婚するカップルとかが居て、今まではそういうの何を考えているんだろう、と胡乱に思えていたのだけれど、この作品の二人のように毎日密度の濃い一日一日を過ごしての三ヶ月とか半年なら、それは全然早くなんてないのかもしれないなあ、なんて事を思ったりもしたのでした。

さて、この物語における二人も順調に進展する関係をそのままただの先輩後輩、同じ時間に通学する同行者、という枠組みで囲い込むには無理が生じてきたようで。うん、ごく自然に次のステップへと進む心積もりが、二人の間に生じていく。まあ最初から真春はそのつもりだったのだけれど、慶太の心境の変化を目の当たりにすると、真春の行程はまったく見事としか言いようがない。
タイミングとしては絶妙すぎる59日目のあれは、まさか狂言か? と疑いたくすらなったのだけれど、どうやらガチだったみたいで、まあ真春としても焦るタイミングではなかったので急かす意味はなかったものね。
ともあれ、この件で慶太としても腹が据わり、でもここで焦って一気に飛び越えることをせずに着実に目標を定めるあたりが、この生徒会長の性格が見えてきて面白い。なるほど、真春とこういうところでバランスが取れているのかもしれないなあ。


新米錬金術師の店舗経営 02.商売をしよう ★★★☆   



【新米錬金術師の店舗経営 02.商売をしよう】 いつきみずほ/ふーみ 富士見ファンタジア文庫

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ヘル・フレイム・グリズリーの襲撃から復帰したサラサは、アイリス、ケイトを仲間に加え、お店も通常運転へ。夏場に向け、村人向けの新商品・冷却帽子の開発に乗り出すのだが…ちょっぴりお高い!でも、コストダウンのため、帽子の委託を始めたところ…大好評!しかしある日、素材の“氷牙コウモリの牙”の買取を邪魔する錬金術師がサラサの前に現れて…!?氷を制する者が夏場を制す!サウス・ストラグの商売合戦!

クマクマスタンピードの後始末。と言っても、大きな被害を受けたのはサラサの店の壁くらいだったわけですけれど。
ともあれ、騒ぎも落ち着いて採集者たちも戻ってくると店の運営も安定するのだけれど、こうして見てると村向けの商品は何しろ村民の数が少ないだけに、消耗品でなければすぐに供給が満たされちゃうんですよね。村ではそれほど高級品は需要がないですし。
業務用家電と言える魔導具が幾つか、村の店に売れましたけれどあれも一度買ってもらったらもう必要ないものだしなあ。というか、この規模の村のお店で、あんな業務用の魔導具買えるとか、しかも結構お安い値段で。というのは村の人からしたら大助かりでしょうなあ。作った人がそこにいるわけですから、なにかトラブルあったらすぐ見て貰えるわけですし。
サラサはのほほんとしてて自己評価高くないですけれど、実際は世界でも有数の錬金術師の愛弟子で難関である錬金術師学校も首席で卒業したような才媛なんですから、そんじょそこらの一般錬金術師とはレベルが違うわけで。これ、サラサが村からいなくなったら、代わりの錬金術師が来ても村の人たち到底満足できない身体にされてしまってるんじゃないだろうか。
サラサって、師匠の店にスカウトされたのを断ったのって、今まで勉強勉強で世間を知らないので外の世界で見聞を広めるため、という理由だったと思うのだけれど、このままこの村に根を下ろしてしまうつもりなんだろうか。あれだけ立派な店を構えて、中身もこれから充実させていく気満々だし、ロレアちゃんを雇って、これは腰を据えたとしか思えない据わりっぷりなんですよね。
話が前に戻りますけれど、村人だけではすぐに供給がまかなえてしまう、というのも冷却帽子を村の人に手間賃払って一次産業めいたものにして、販路を外部に。近くの大きな街のみならず周辺地域にまで広げて、いろいろな商品を作ってもちゃんと売れるように整えることに成功しているので、村で能力を振るえずに燻る、みたいな事にはなりそうにないですし、採集者との取引も順調ですし、師匠とのルートはしっかり確保しているわけで、別にこの村にいついても何の問題もないのか。
問題は、お婿さんが見つかるか、というところだけれど、なんかこの作品では女性錬金術師は同じ女の事務員兼販売員兼共同経営者みたいな人と一緒に住み込んで、同性婚みたいな状態になるのが流行っているみたいなので、すでにロレアちゃんゲットしちゃってるのでもういいのか。
ロレアのご両親、このままだと娘さん結婚できないままサラサに貰われちゃうけど、いいのか!?

途中、なんか悪徳商人がサラサを経営難にして陥れようと企んでたみたいだけど、いくら何でも計画杜撰すぎやしないだろうか。サラサの情報まったく調べないまま、学校卒業したばかりの新米錬金術師としか知らないままちょっかい掛けてきたみたいだし。学校での成績とか師匠の情報とか、調べればすぐわかるだろうし、それでなくても村で店を構えてからの実績だってちょっと聞いてまわればすぐわかるだろうに、あんな杜撰な仕事でよくこれまで商売やってこれたなあ、と呆れるばかり。
錬金術師舐めすぎなんじゃないだろうか。それとも、普通の錬金術師はわりと舐められるような脇の甘い連中ばっかりなんだろうか。実際、何人も食い物にされてたみたいだし。錬金術師の技術と商売とはまた使う頭も違うのか。
ともあれ、サラサちゃんこれでまったく敵対者には容赦ないので、ご愁傷さまでした。


1巻感想

新米錬金術師の店舗経営01 お店を手に入れた! ★★★☆   



【新米錬金術師の店舗経営01 お店を手に入れた!】 いつきみずほ/ふーみ 富士見ファンタジア文庫

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天涯孤独な孤児にとって、ほぼ唯一とも言える成り上がりへのキャリアパス。それは錬金術師の国家資格を得ること!能力以外何も求められない王立錬金術師養成学校を卒業した少女のサラサは、師匠から一軒のお店をプレゼントされる。気前の良い師匠に見送られ、錬金術師としてのちょっぴり優雅な生活を夢みて旅立ったサラサは、到着早々、想像以上の田舎っぷりに愕然とすることになる。しかし、そんな場所でも何とかお店を経営しないと、生活は成り立たないわけで―可愛いアルバイトや優しい村の人たちに囲まれて、目指すは一人前の国家錬金術師!お仕事スローライフここに開店です!

ゲームのアトリエシリーズみたーい、って実のところ自分、「○○のアトリエ」というタイプのゲームはやった事ないんだよなあ。まあ自分、PS3すら触った事無いままいつの間にかPS4の時代に入ってしまっていたような人間なので、アトリエシリーズに限らず多くのゲームシリーズやったことないんですけどね。ただ、話聞く限りではこういうタイプのゲームって結構好きなはずなんですよ。
なので、近年のその手のゲームをやった事がないからこそこういう店舗経営だったり錬金術で道具作ったり、という一国一城の主となって生産やら商売に勤しむ話って読んでて楽しいのです。
もちろん、面白い作品に限りますけど。
本作の主人公サラサは平民の出身でしかも両親も既に無い天涯孤独、という身の上ながら師事してた師匠はマスタークラスの世界有数の錬金術師の一人であり、自身も学校で首席を取り続けたという筋金入りのエリートなのです。どうも本人にその自覚はなさそうなのですけど。学校でも勉学と節約に勤しみすぎて同年代の友だちが一人もいなかった、という残念娘なので周囲との比較とかしてなかったんじゃなかろうか。独立したあとのコミュニケーション能力の高さを見てたら自然と友だち出来そうな明るい人柄なので、学校ではよっぽど根詰めてたのかしら。一応、先輩と後輩には親しい人居たみたいだけれど。
ともあれ、これだけのエリートともなると各方面から引く手あまたになりそうなのに、さっぱりこれといった勧誘がなかったのは、さて師匠の手でも回ってたんですかね。本人自己評価あんまり高くないみたいだけど、サラサの場合比較対象が師匠みたいなので基準がおかしいことになっているみたいだし。あのお師匠さんから見てもサラサは相当可愛い愛弟子みたいだもんなあ。手放す気は毛頭なかったと見える。
いや、自分の店で働かずに外に出る、とサラサが宣言して随分と辺境の方に店をもたせてあげた時は、そのまま放流してしばらく様子を見るのかなー、と思ってたら速攻様子見に来たり、とめっちゃ気にかけてましたもんねえ。直通の搬送ゲートとかまで設置しちゃってるし。けっこう過保護じゃね!?
しかし、それにしてもなんでこんな田舎の方に店を持たせたのやら。都会に近い方だとヘッドハンティングじゃないけど、ちょっかい掛けられるかとでも思ったんだろうか。田舎とはいえ、それなりに錬金術師の需要があると同時に、売家の錬金術用の設備の充実度を見るとあれ師匠適当に物件決めたんじゃなくて、相当調査して事前に確認してたんじゃなかろうか、と思える部分がチラホラと。
そこまでしなくても、サラサはだいぶ逞しい子のようなので普通に放流しても自力で生活基盤打ち立ててた気もしますけどね。でも、幾ら自立できそうと言ってもあれこれと世話焼きたくなるのも可愛い弟子を持ってしまった師のサガというもので。

でもホント、サラサほどの腕前だとこの田舎街でそれにふさわしい能力を振るう機会があるのだろうか。とか言っているうちに、早速ラストでは来てしまったわけですけど、それは新人錬金術師が遭遇する事件としてはヘヴィーすぎませんかね? 普通は死んでてもおかしくないぞ、この規模の事件。インドア派です、というとぼけた顔をしながらこの娘、ゴリゴリに戦闘職こなせるじゃないか。これだから無自覚エリートはw
とりあえず、ベッドはただでもらうもんじゃないと思うぞ、うん。新参の錬金術師にも大変親切で優しい村の人たち。なくてはならない医師や薬師も兼任する錬金術師という必須の職業の相手とはいえ、田舎特有の排他的なところが全く見られないあたり、師匠土地柄もそうとう調べたんじゃね、これ?

わたしの知らない、先輩の100コのこと 1 ★★★☆   



【わたしの知らない、先輩の100コのこと 1】 兎谷 あおい/ ふーみ MF文庫J

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わたし、せんぱいのこと知りたいです。1日1問ずつ――教えてくれますか?

“最寄り駅が同じ”以外接点がなく、毎朝顔を合わせるだけだった先輩と後輩。そんな二人がある日、約束を交わしました。その内容は『1日1問だけ、どんな質問にも絶対正直に答える』というもの。
「わたしはせんぱいのことが知りたいですし、せんぱいも知らないことを知るのが好き。だからお互い、1日1問ずつ──100コの質問をできることにしましょう」
これは、1日1問ずつお互いの距離を縮めていく、二人のお話――早く付き合っちゃえよ!と思わず言いたくなる、Web発のイチャイチャ青春ラブコメ、待望の書籍化でお届けしちゃいます!

たまたま話すようになって仲良くなっていく、というのじゃなくて後輩ちゃんの真春からグイグイとアプローチしかけてきたのか。慶太が落とし物をしたから、というきっかけはあったにしても真春の側は話しかける機会を伺っていたわけですからね。
しかし、最初の頃は慶太のほうがあんまり気乗りしなかったようであんまり愛想もなかったのだけれど、顔見知り程度とは言っても女の子が話しかけてきているにも関わらず、適当にあしらって本を読もうとする慶太先輩、何気に古強者である。明らかに面倒だな、と思われてる態度を取られているにも関わらず、めげない真春が凄いと言えば凄いのですけれど。普通は腰が引けてしまうものだけれど、そもそもこうやって仲良くなろうと話しかけるというだけで勇気がいるものです。こればっかりはいくらコミュ力があっても、一つのハードルではあるんですよね。ホントに気にしないのなら、落とし物なんてきっかけ必要とせずに無造作に近づいてきて話しかけてくるでしょうし。
まあハードルがあっても彼女にとっては低いものだったのかもしれませんが。あのグイグイくる性格を考えるとねえ。
ただ自分でもそのグイグイ行き過ぎる性格、或いは特性については思うところがあったのかもしれません。あとで元カレだった子から、真春の性格については忠告と助言をもらうのですけれど彼女自身が自覚あったからこそ、あんな『1日1問だけ』なんて制約をつけたのではないでしょうか。
あれ、慶太には応対を強いる約束になっていますけれど、真春からすると一日に一問だけ、という制限をつける約束になってますものね。
焦らずじっくりと。
何気ない日常会話から浮かび上がってくる慶太と真春の共通点は知りたがり、という事。慶太のそれは、なんでもかんでも、というがっつくようなそれではないのだけれど、結構知的好奇心を擽られる所には食いついてるんですよね。そこらへんを早々に見抜いて謎解きゲームのイベントにデートで誘う真春の眼力は大したものなんですが、それだけよく観察している、観察して分析している、慶太先輩のことをずっと考えてる、って事なんでしょうねえ、これ。知る、というのは直接相手からプロフィールを聞くだけじゃない、というのがこの娘のこれまでの反省の結果、なんでしょうか。
そして、そんな彼女の姿勢、スタイルは慶太に米山真春という小悪魔めいた後輩への興味と好奇心、この娘は一体何なんだろう、という知りたいという気持ちを掻き立てることになっている。
なるほど、噛み合ってるんだろうなあ。
無理やり休日に連れ出したり、いきなりアポ無しで家に押しかけたり。真春の行動って一歩間違えると相手からウザがられる結構危なっかしいものでもあるんですよね。慶太という男は決してそのあたりのプライベートスペースが広いタイプにも見えないし、拒絶はきっぱりする方に見えるし。
果たして、そのギリギリのラインを彼女が見極めていたかどうか怪しい所ではあるのですけれど、慶太の真春への好感度の上がり具合と彼女の側の踏み込む範囲がちょうど以上に釣り合っていた、噛み合っていたのは確かなのでしょう。こういうの、まさに順調な交際へと至る道だよなあ、と感心してしまうくらいに。通学中のあのイチャイチャなんぞ、傍目にはどう見ても付き合ってるようにしか見えなくて少々目に毒でありましょう。同時に、学生時代ならではの恋愛模様、という風情もあって妙な感慨もあるんですよね。果たして、これは大人になっても継続するようなものなんだろうか、と。まあまだ付き合ってもいない今から心配することでもないでしょうけれどね。

 
9月21日

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(GCノベルズ)
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8月28日

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8月27日

(電撃コミックスEX)
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8月26日

(角川コミックス・エース)
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(まんがタイムKRコミックス)
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