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ももこ

時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん 2 ★★★★   



【時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん 2】  燦々SUN/ももこ 角川スニーカー文庫

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動き始める二人の恋と会長選。話題騒然の青春ラブコメディ、第2弾!

「す、好き? 好きって、え? 違うのよ。ちがうぅぅぅ~!」
「なぁ~にが『支える』だよ。あ゛ぁ~俺マジでキモイ痛い!」
黄昏時の校庭での密事。
互いに煩悶するアーリャと政近であったが、二人はコンビを組んで会長選を戦い抜くことを約束する。
圧倒的なカリスマを誇る次期会長候補筆頭・周防有希との対決に向け、アーリャと政近は対策会議をはじめるのだが――
「さて・・・・・・じゃあ、会長選の話だが」「・・・・・・Круто」(ぬぐぅっ!)
ロシア語の甘い囁きにドキマギしてしまって!?
罵倒してきたかと思えばデレてくる、美少女ロシアンJKとのニヤニヤ必至な青春ラブコメディ第2弾!

いやこれ、妹様の存在感が半端ないじゃないですか。1巻の段階でもワイルドカード的な存在ではありましたけれど、物語における立ち位置といいキャラクターの個性といい、他に類を見ない強度なんですよね。
政近がアーリャの生徒会長選挙のパートナーとして表舞台に立ち、選挙戦を戦うというのは中学の時に意識が高すぎるせいか明確な目的意識無く高みに上ってしまった事への後悔から、本気でナニかをすることからドロップアウトしていた現状をひっくり返す一歩だったわけです。
いわば、政近の再デビューと言っていい状況。それを促したのはアーリャなんですけど、本気になった二人の前に立ちふさがる最大の壁が、カリスマの塊であり全校生徒からヒロインの中のヒロインであり主人公的な存在として一目置かれている周防有希なのです。
同時に、政近の幼馴染という体であり中学時代はまるで双子のよう(!)に息ピッタリの名コンビとして生徒会長副会長を担った二人であり、彼らを知る人達からは比翼の鳥のように思われていたカップルだったわけです。さらに、有希は明確にアーリャに対して政近の事を愛していると宣言して煽りに掛かっている。政近とアーリャの恋愛模様という側面からしても、周防有希こそが特大の刺激物として鎮座しているわけである。特にアーリャからすれば公私に渡って最大のライバルとなっているわけだ。
まさか、その周防有希が政近の実の妹であるとはほとんどの人が知らないまま。
この状況を一番面白がって一番引っ掻き回す気満々なのが妹様なんですよね。まさに黒幕であり、物語そのもののキャスティングボートを握っているのが彼女と言っていいわけです。彼女自身それを自覚的に振り回していて、陰でこっそり黒幕ムーヴして遊んでいるくらいですし。
同時に、遊びではあってもこれ以上無いくらい本気でもある。選挙でも真っ向から叩き潰す気満々だし、恋愛模様でも応援する気はあっても自分程度のちょっかいで日和ったら速攻潰す、くらいの気持ちはあるんじゃないだろうか。この子めちゃくちゃブラコンでもあるみたいだし、ドロップアウトしてしまった兄に本気を取り戻させたのが自分じゃなくてアーリャである事を本気で悔しがってる節もありましたし。
遊びとガチを同時並列的に励起できちゃう才媛なんだろうなあ。
そもそも、日々を思いっきり面白がって楽しそうに過ごしているのって、兄へのアピールも混じってると思うんですよね。跡継ぎの座を妹に押し付けてしまった事に少なからぬ罪悪感を抱いているだろう兄に対して、それを幾分でも薄めるために。まあ本気で面白がっている、というのも本当なのでしょうけれど。あの家での余人に見せることのないダダ甘っぷりも自堕落極まるぐだぐだ妹っぷりも、それが素だし本気だしあれこそが楽な姿というのもあるんだろうけれど、ああやってベタベタすることで兄へのメンタルケアも同時にやってるっぽいんですよねえ。そういうの両方を全力で出来るのって才能だし器用だよなあ、と思うわけです。
いずれにしても、お兄ちゃんめちゃくちゃ大好きですよね、この妹様。あのアーリャへの宣戦布告とも取れる誰よりも愛してる宣言は一切虚偽のない本気であることも間違いないんだろうなあ。

さても、アーリャと政近はそんな妹様に翻弄されながらも、生徒会の一員に加わって業務を手伝ったり、次期生徒会選挙に向けて有希以外の対抗馬と対決したり、と順調に二人で一緒に戦う準備を整えていく。そうなると、気になってくるのがなぜ、相手は自分なんかと組んでくれたんだろう、という疑問。特に政近の方は常に有希とセットだっただけに、唯一無二のコンビを解消してどうして自分なんかを助けてくれるのか、という疑問がアーリャに生まれるのも無理ないんですよね。
でも、そこで立ち止まって悩まずに、政近は私のものだから離さない、と明確に宣言し、さらに彼にふさわしい存在になってみせる、と前に進み続けるアーリャのそれは、間違いなく心の強さ。
そういう気高さ、ひたむきさにこそ彼は惹かれたのか。
いずれにしても、お互いに理由はただひとつ「あなただから」なんですよね。突き詰めればシンプルで、だからこそゆるぎようがない。成長一途の良いコンビだというのを、じっくり見せてくれた二巻でした。


時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん ★★★☆  



【時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん】  燦々SUN/ももこ 角川スニーカー文庫

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ただし、彼女は俺がロシア語わかることを知らない。

「И наменятоже обрати внимание」
「え、なに?」「別に? 『こいつホント馬鹿だわ』って言っただけ」「ロシア語で罵倒やめてくれる!?」
俺の隣の席に座る絶世の銀髪美少女、アーリャさんはフッと勝ち誇った笑みを浮かべていた。
……だが、事実は違う。さっきのロシア語、彼女は「私のことかまってよ」と言っていたのだ!
実は俺、久瀬政近のロシア語リスニングはネイティブレベルなのである。
そんな事とは露知らず、今日も甘々なロシア語でデレてくるアーリャさんにニヤニヤが止まらない!?
全生徒憧れの的、超ハイスペックなロシアンJKとの青春ラブコメディ!

日本全国浚ってみても、ロシア語のリスニングなんか出来る高校生とか普通居ませんよね。そりゃ身近にロシア人の親族がいるとか、ロシア関係の仕事に親がついているとか、住んでる土地がロシアと近い北海道とか日本海側だったりすれば存在する頻度は跳ね上がるのでしょうけれど、そういうのとは全く関係ない普通の街の中の目立たない高校生の中に紛れてる、とか思いませんよねえ。
油断ではあるが、仕方ない油断ではある。
でも、理解できないからってわざわざ言葉にして声に出して言ってしまう、というのはこれ一種の精神的露出なんじゃないだろうかw
見えないと思って、チラチラと思わせぶりにスカートめくって見せたりするのと同じよう、というのはさすがに語弊があるかも知れないけれど、聞かれちゃマズいこと、恥ずかしくてたまらないことをわざわざ言うことで精神的な高揚を得ている、悦に浸っている、ドキドキしている……ハァハァしている、というのはちょっと「性癖」に足を突っ込みかけている気がするぞ。
そして、それをちゃんとリスニングしているくせに知らんぷりしている主人公。
「はぁ? なんだって?」というラブコメにおける最近だとちょっと古典的な手法に位置づけられるようになってきた「突発性難聴」を、外国語を理解できないフリをしてわからないフリをする、という形で再活用してきたのには、そういうやり方があるのかー、と思わず頷いてしまったり。

バレバレの態度以上のもう誤解のしようもないくらい直接的な異性としての好意が込められた言葉、それをずっと聞かされていたら、そりゃあ意識もするし気にもなる。どれだけ唐変木だろうと、男の子なら美少女にデレデレしたセリフを呟かれ続けていたら普通好きになります、そういうもんです。真理です。
とはいえ、あからさまな好意にホイホイと食いついてしまわないのは、彼の性格故なのでしょう。性格というよりも経験か、現状の倦怠によるものか。
今は全然やる気というものを放り投げちゃっている政近なんですけど、彼ってよくよく話を聞いているとかなり意識高い系なんですよね。なんか彼の中の基準値が高すぎるのか、人とは能力に相応しい高尚な理念をもって働くべき、みたいな考えがどこかにあるようなんですよね。そうでない人間を見下しているというのは一切ないので決して嫌なタイプの人間ではないのですけれど、地位の高い人間はそれに相応しい能力と意識を持つべきという、これは彼の理念なのか家庭環境から植え付けられた常識なのかわかりませんけれど、そういうものが根付いているようなんですよね。そんでもって、彼の中の理念とか標準値からすると、久瀬政近という人間は責任を追うべき立場に立つような高尚な人間ではない、と位置づけられてしまっている。なまじ、周りに彼の理念に相応しい高い能力と意識の持ち主、単純に優れた人物が多かったからだろう。筆頭が、彼が中学時代に生徒会副会長を務めた際に会長をやった幼馴染の周防有希なんだろうけど。
ともあれ、そういう考え方やそれに基づく周りの人間との相対性が政近の自身の評価を著しく引き下げているように見える。もっとも、周りの人間からすると彼の「人を使う」能力は極めて優れていて、彼がいるだけで物事がスムーズに運んでしまうのはちょっとした魔法を見ているかのような鮮やかさですらある。見るべき人はそれをちゃんと見ているし、彼の優れた所も知っているのだけれど、当人だけがわかっていないんだなあ。
アーリャなんか、コンプレックスすら抱きそうなくらいなのに。
彼女の場合は自身が優れていたが故にか、他人を動かすことが上手くできず、むしろ自分が全部やったほうが速いという考え方になってしまったが故に、色々と物事を上手く進められない人間になってしまってるんですね。自覚はあるけど修正はきかない類のものである。
実際問題、大概の事柄はあれこれと人にやらせるよりも自分がやった方が早く片付くのは確かなので、往々にしてこれにハマってしまう人は多い。
ともあれ、意地はってそういうやり方をし続けてきた挙げ句こじらせてしまい、ロシアでも孤立し日本でもどうしても他人との間に壁を築いてしまっていた彼女の、その壁をひょいっと迂回して彼女の所まで来て軽々と手助けしていってしまった政近という人物は、アーリャにとってそりゃもう人生観をひっくり返すような驚きだったわけだ。
そうして観察しつづけるうちに、周りからはやる気のない怠惰で物臭な生徒、という風にしか見られていない政近の優れた部分を理解するのだけど、この娘の可愛らしいところは彼のそういう部分を自分だけが知っている、みたいなちょっとした優越感みたいな独占欲みたいなものを抱いている所なんですよね。なので、自分以上の理解者っぽい幼馴染の有希の存在はアーリャにとっては驚異そのもので、彼女の存在には非常にピリピリしたものを見せている。そして政近の優れたところを段々と知る人が増えていくことには複雑な表情を垣間見せてるんですよね。まあ中学時代の同じ学校の生徒たちはなんだかんだと知っているわけだけど。
ともあれ、このロシアっ娘と来たら誰も理解できないと思ってそうした内に秘めておくべき心情をポロポロと言葉にしてこぼしてしまうものだから、片っ端からそれを聞いている政近くんの居たたまれないこと。
でも、そんな迂闊な所がまた政近をしてこれは自分が見ておいてあげないと、という気持ちにさせている所もあるんですよね。彼女のコンプレックスも、負い目のように感じている自分の性格についても、全部聞いちゃっているわけですから。

しかしこれ、政近の妹ちゃんのポディションってめちゃくちゃおもしろいですよね。キャラ立ちまくっているのもあるけれど、その立ち位置そのものが物語におけるワイルドカードそのものなんですよね。あまりにも便利な立ち位置すぎて、ほんとに何でも出来るんじゃないだろうか。どんな展開、どんな局面になっても介入できると言うか主導権を握って状況を動かすところに居られるというか。
それでいて、アーリャというメインヒロインを脅かすことはまずない、政近とアーリャの一対一のタイマンラブコメ、という観点は揺るがさないんですよね。これはホントにめちゃくちゃ巧い。それ以上にキャラがオモシロすぎるというのもあるんですけど。この性格、このキャラだからこそ、なんでも出来る、という自由自在さを感じるところでもあります。
そういう意味ではアーリャの姉のマリヤさんもちょっと怪しいポディションなのですが。

あと、最後の挿絵でのアーリャのセリフ、キリル文字とかキーボードで打ち込めないから調べるの大変なんですけど! でも、調べました。
うははは、いやそれもう、完全に誤解しようのない直球じゃないですか。アーリャさん、それはもうもろ出しもいいところですから。全部見られてるようなものなのにw
うむ、なんとも色んな「かわいい」が詰まった良き良きラブコメでありました。これは続きも楽しみ。

ラストエンブリオ 8.追想の問題児 ★★★☆  



【ラストエンブリオ 8.追想の問題児】 竜ノ湖 太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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第二次太陽主権戦争・第一回戦のアトランティス大陸での激闘を乗り越えた「問題児たち」。三人が揃う平穏な時間は、実に三年ぶり―その間、それぞれが過ごしてきた波乱の日々。“護法十二天”に持ち込まれた依頼から始まる、十六夜たちと華僑との戦い。“ノーネーム”の頭首となった耀が、一か月以上行方不明になった事件。“ノーネーム”から独立した飛鳥が、“階層支配者”に任命されることになり…!?心を許し合う、つかの間の休息の後、箱庭の外界を舞台とした第二回戦が幕を開ける!「問題児」シリーズ完結から語られることのなかった三年間、その追想と始動を告げる第8巻!!


釈天社長の会社はあれ、どう見ても探偵かなんでも屋だよねえ。フリーエージェントと言われてもピンと来ないけど、なんでもやるよという意味なら頷ける。
というか、釈天さんはインドラ神とかやっているより柴又あたりで小さい探偵事務所を営んでいて、地域の人たちの頼みを聞いて回る、時に荒事にも首を突っ込むもののそこは神様の威徳をもってバリバリやっちゃうよー、くらいの地域密着型が似合う人となりなんですよねえ。
神々の中でももっとも人間が身近に親しみを感じる神様、なんて感じに語られる帝釈天ですけど、主神クラスじゃなくてほんと、下町のおっさん神やってるくらいが似合うおっさんなんですよねえ。
決して、スケールが小さいというわけじゃないのだけれど。でも、金欠で少ない生活費を競馬に注ぎ込んでオケラになってるところとか、世界を股にかけていい神様じゃないよなあw
とはいえ、そんなおっさん神が地元のいつもお参りしてくれる信仰厚い少女のために、失踪した親父さんを救うために華僑のマフィアの根城に乗り込むぜー、という話は人情物のきらいもあってなかなかワクワクさせてくれるお話だったのですが、肝心の大暴れー、という所が略されてしまって肩透かし。相手が元箱庭の住人というのもなあ。いやそこは、無頼どもを神様と十六夜くんとで派手にぶっ飛ばし、というのを期待しちゃうじゃないですか。それもそこらのしょぼいヤクザじゃなくて、相手はガチ本格派の中華マフィアだったわけですし。
これに限らず、耀の行方不明事件の顛末も囚われというか身動き取れなくなっていた耀を発見して、彼女が行方不明になっていた事情が明らかになって、さてどうやって解決するかという段階にまで順調に話が進んだら、またぞろ盛り上がるだろう大暴れのところがすっ飛ばされて、結末だけどうなったか書いて幕を下ろす、という展開に。いやー、それちょっと肩透かしっすよ。不完全燃焼ですよー。いや、オチは面白かったんですけどね。釈天のおっさんが悲しい目にあうのも合わせて。

さて、本編のゲームの方も次の開始準備が着々と進んでいて、ゲームの舞台が十六夜くんの時代の地球ということで十六夜くんの旧友となる人物も登場し、さらに陰陽寮なんてワードまで出てきた上に、箱庭と地球という運命共同体の行く末に関しての白夜叉の不穏な動きなんかも見えてきて、祭りの前のあのジリジリとした盛り上がりを感じていたんですよね。
箱庭じゃなくて、地球の方が舞台というのは色々と修羅神仏とかの能力が制限されるようでいて、逆に本来なら地球側では開陳されないような力や破壊がド派手に飛び交う可能性もあり、という事もあり、またこの時代の人間ではない飛鳥や耀の反応など楽しみな部分もたくさんあったわけですよ。
そこで、あとがきでの休載宣言でがっくり落胆することに。後生やでえ。ただ作者さんとしても苦渋の決断だったようですし、色々あったみたいですしこればっかりは残念ですがどうしようもないよなあ。願わくば、どんな形であれ再開、もしくは続きを手掛けることができるようになれば、と祈るばかりです。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆! ★★★★  



【ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆!】 竜ノ湖 太郎/ももこ  角川スニーカー文庫

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箱庭第二桁、ギリシャ最強の魔王・テュポエウスとの一戦を終えた「問題児たち」。辛くも一時的に撃退したものの、しかしアトランティス大陸の異変は収まることがなく――。
巨人族が溢れ大陸全土が混乱する中、第二次太陽主権戦争・第一回戦は終わりを迎えようとしていた。謀り企てる"ウロボロス"のゲームメイカー、奮戦する問題児たち、『王の在り方』を問われるアステリオス――激動の中で様々な想いが交錯し、遂に"大父神宣言"の真実が解き明かされる時、英雄英傑、そして問題児たちは再び魔王・テュポエウスとの決戦に臨む!!
竜ノ湖太郎の大人気シリーズ、アトランティス大陸編、完結!

なんだろう、ようやく様々な謎が薄っすらとだけれど一つに繋がって見える範囲まで浮き上がってきた気がするぞ。破局的大噴火(ウルトラボルケイノ)による人類史の終焉、星辰粒子体(アストラルナノマシン)の研究の暗躍者、血中粒子加速器(Blood accelerator)の存在、第二次太陽主権戦争が行われる意味、星霊の定義。多種多様な用語が飛び交い、そこに秘めたる関連性がずっと示唆されつつも実際に紐づけするには複雑に絡み合いすぎていて、全体像が掴めなかったのも確かなんですよね。大まかな意味において、十六夜たちは何を目指すのか。近しい視点観点においては目的は個人的にもコミュニティ的にも色々とあるものの、大局的な俯瞰的なマクロな視点としては十六夜たち、方向性こそ見出しつつあったものの、それそのものを見出すためにもこの今回のギフトゲームに参加している、という感もあったんですよね。
まだあまりにも、あまりにも謎でわからないことも多く、真意が掴めないキャラクターも多いのですけれど、一つだけ……少なくとも一つだけははっきりとわかったことがあるんじゃないだろうか。
敵はジェームズ。ウロボロスのゲームメーカーを名乗るあの男だ。
魔王テュポエウスが義憤により立ったように、絶対悪アジ=ダカーハが偉大なる悪であったように、殿下が救世の英傑として再起したように、敵として立ちふさがった者たちにもそれぞれに戦うべき理由を矜持とともに持っていた。
あのクリシュナの皮を被ったナニモノかですら、その意図が悪しきものであったとしても真正面から自らの意志を貫こうと襲いかかってきた。あれもまた、絶対に相容れぬ戦うべき敵なんだろうけれど、あれですらまだ戦いが成立する、とも言えるんですよね。
対してジェームズである。意図を隠し思惑を秘し虚言を弄し他者を陥れ騙し公然と利用して、愉悦する。もう邪悪極まるんですよね。あれだけみんなから胡散臭くて信用出来ないと思われているにも関わらず、彼を排除できず彼の言葉に踊らされざるを得ないこのもどかしさたるや。その上で、今箱庭も外界もまとめて悪い方悪い方へと持っていこうとしているナニモノか、その起点となっているのがどうにもジェームズっぽい、という証拠と言えるのかわからないけれど、つながりのようなものが見えてきて、芋づる式に今あれもこれも全部見事に繋がっているんじゃないか、という感覚が引き釣り出されてきたっぽいのが、今回の話の肝の一つだった気がするんですよね。ぽい、だったり気がする、と断言できないところにやっぱりもどかしさもあるのですけれど。それでも、はっきりと目に見える形で、こいつが悪い! という相手が確定したというのは随分スッキリしたわけですよ。的がついに確かになったんですから。盛大にぶっ飛ばすべき怨敵が。許されざる真の外道が。
ウロボロス自体は、旧知の人物や以前の仲間が加わっていたり、決してそのもの全体が敵、というわけではなく内部でも意思統一がなされていないような感じもあるので、まるっとあいつら敵、とはならずモヤモヤしていただけに、余計に元凶がはっきりしたというのは物語としても焦点があってきたんですよね。
それでもまた新たに謎や設定も増えて来ているのですけれど。

ともあれ、大父神宣言の真実はこのアトランティス大陸編の決着を決定づけるに相応しい大解答でありました。いやこれ、大神ゼウスの有名な女癖の悪さからくる悪名を根底からひっくり返してしまう話だったんじゃないでしょうか。この解釈だと、ゼウスのあのレイプ魔としか言いようがない因業が、まるで真逆の意味になっちゃいますもんね。一つの神話大系の主神に相応しい偉大さとして語れるものじゃないでしょうか。ついでに女神ヘラのアレも一緒に意味づけてほしいところでありますけど。
他にも先代?問題児の一人であるあのアルゴールがついに出番だとばかりに登場したり、アルマテイアがいきなりひげをつけて解説をはじめたり、ケツァルコアトルさんがやたらイイ人だったり、と見どころは沢山あったわけですが、やはり一番の見せ場はアステリオスの王としての決断であり覚醒であったのでしょう。なにしろ、サブタイからして「甦れ神の雷霆」なのですから。かつてミノス王が乗り越えられなかった壁を、今息子たるアステリオスが乗り越え、箱庭世界に名乗りを上げる。
一方でまた魔王テュポエウスももうひとりの主人公なんですよね。アバターとなっている実験体の少年が宿していた、父とも思った相手からの裏切りによる悲嘆と絶望、そして怒りに義憤を覚え戦うテュポエウスもまた、父であるゼウスに裏切られたもの。その傷ついた心を目の当たりにした十六夜の行動は、あの抱擁は……なんていうんだろう、十六夜くんって色んな意味でこの子やっぱり「お兄ちゃん」なんだよなあ。

次の舞台はどうやら「ローマ」。コンクラーベという単語が出てきたけれど、果たして二回戦はどんなギフトゲームが用意されているのか。ジェームズが本格的にノーネームを敵と見定めた節もあり、ここからどんどん核心へと突き進んでいきそう。さあ、ワクワクしてきましたぞ。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 6.激闘!! アトランティス大陸 ★★★☆   



【ラストエンブリオ 6.激闘!! アトランティス大陸】 竜ノ湖 太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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"人類の敵"、殺人種の王を一時的に退けた「問題児たち」。黒ウサギや御門釈天とも合流した一同は、消耗した逆廻十六夜を無理やり休ませつつ、アトランティス大陸の謎解きを進める。
そして舞台は地下迷宮へと移り、最下層へ先行する春日部耀と石碑を探す残りの面々の二手に別れて探索を開始する一同だったのだが、突然の大噴火にて事態は一変し――
「人類を"世界の敵"にしてしまった罪を、かつて拳を振り上げられなかった者の義務を、今此処で果たそう」
地上に異変が起きた最中、最下層にて耀が遭遇したモノとは――。
竜ノ湖太郎が送る大人気シリーズ、禍乱が巻き起こる第6巻!!
あの十六夜くんをどついて気絶させて休ませるとか、すげえことするなあ耀。たくましくなった、というレベルの話じゃないですよ。いくら弱っているからって十六夜くんにそんなことが出来る人が神仏含めて幾人いるか。
耀って、問題児三人組の中でも一番リーダーとかそういう立場に似合わなそうだったのに、今ノーネームのボスになってる彼女を見ると、むしろ彼女がリーダーとしての立場を活かせる人間だったのか、と思えてならない。飛鳥も別のコミュニティ作っているとはいえ、飛鳥も十六夜も人並み以上に人の上に立つことは得意かもしれないけれど、同時にその立場に絡め取られて自由に動けなくなる、柵にとらわれるタイプであるようにも見えるんですよね。その点、耀はその立場を逆に利用して好き勝手出来るタイプというか。帝釈天を口八町で乗せてうまいこと権限を掻っ攫っていったのなんか見ても、彼女の自由人としての個性がイイ方に作用しているなあ、と。

これまで慎重に、というか無理やり飛鳥のことを避けまくってた彩鳥。ここまで徹底的に逃げ回っていたのだから、最後まで引っ張って逃げまくるのかと思ったら、簡単にとっ捕まって自爆したぞ、この女! 別に飛鳥の方から追求しているわけでもなかったのに! しかも、前世の記憶はありません、なんてどうしようもない嘘をついて。凄まじいポンコツっぷりである。
これがあのフェイスレスと同一人物? 全然キャラ違うんですけど、別人としか思えない、とのたまってる飛鳥さんの感想に完全同意である。生まれ変わって緩んだ、とかなんとか言われてたけれど、これ緩んだ鈍ったどころじゃないですよね。キャラが変わった、としか言いようがなく。本人にそれほど変わった意識がないあたりが惨劇を助長しているきらいもあるのでは。あくまで鈍ってる、と思ってる風なのがなあ。
あっさりここらで神域の技量を回復させているあたり、メンタルに左右されすぎじゃね? とも思わないでもない。どれほど強さを取り戻しても、フェイスレスの頃のような頼もしさが全然感じられないあたり、ポンコツという業の深さを感じてしまうのでありました。その分、尋常でなく可愛くなってしまった、というのもまた深い業じゃないですか。

しかし、ここに来てもウロボロスの暗躍が不気味すぎるなあ。ガイアの末子など、人類と明確に敵対する存在が湧き出しているけれど、それもこれも含めて「ウロボロスの掌の上」という言葉が深刻に響く。せめて、ジンがなにかウロボロスの思惑を超える形でアヴァターラを率いていたらいいのだけれど。特にジェームスなる男の胡散臭さと邪悪さが半端ないんですよね。だいたいジェームスって名前なんだよ。あまりにも特徴がなさすぎて、名前的に遡るしかないんじゃなかろうか、これ。ジェームス、ジェイコブ、ジャック、ヤコブ。あの懐かしきジャック・オー・ランタンと同じ名前というのも気に入らないし、ちょうど表の世界でローマ法王やキリスト教の話が出てたのも因縁を感じるし、ラストの十六夜くんの久々の痛快登場シーンのように、スカッと問題児たちがウロボロスの暗躍に対してやらかしてくれるのを期待しつつも、次がアトランティス編の最後か。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開! ★★★★   



【ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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「私は久遠飛鳥。箱庭に召還された異邦人の一人です」
アトランティス大陸の謎に挑んでいた鈴華は、その道中で久遠飛鳥、アルマテイアと出会う。意気投合する3人の前に、今度は「ラミア」と名乗る吸血鬼の少女が現れて!?
一方、十六夜の前には、春日部耀、そして飛鳥達が現れ、遂に「問題児たち」が集結する。しかし、懐かしむ間もなく、クリシュナと更なる怪物が彼らを襲撃し――
「極相の星剣、原典候補者、生命の大樹……そういう事か! 貴様らが、ミリオン・クラウンというわけか!!」
十六夜が親友について語る短編も同時収録。過去と現在が交錯する第5巻!!

ああ、やっぱりこの三人が揃うとイイなあ。十六夜にとって仲間や対等な存在、同格に近い協力者というのは今となってはたくさんいるんだけれど、その中で耀と飛鳥はまたなんか違う、特別なんですよね。なんなんでしょうね、この三人の関係って。まるっとひっくるめて「家族」と囲ってみてもいいのですけれど、家族扱いなら他にもいるでしょうし。同志にして好敵手、兄弟……とはまた違うか。それぞれにまた姉妹・兄弟はいますからね。
男女の仲を越えた本当に何とも表現し難く、しかし揺るがし難い不抜の絆で結ばれた三人。この三人が揃うとやっぱり雰囲気からガラッと変わります。一人でも果てしなく強い十六夜だけれど、でも彼だけだとどこからしくなかった、とも言えるんですよね。ほんとうの意味で背中を預けられる相手が、耀と飛鳥であるのかしら。
どこか燻っていた十六夜と違って、階層支配者としてメキメキと力とリーダーとしての諸々を備え始めている耀に、コミュニティの長としてこちらも成長を遂げていた飛鳥。飛鳥の方は何をしていたんかわからんけれど、あっちこっちでまた途方もない人脈を築いていたようで。なんか帰ってきたら超抜的な武器持ってるんですけど。RPGでいうと宝箱とかイベントでしか入手できない最強武具をどこかでもらってきたみたいな。
決して身体能力が超人化しているというわけではなく、肝心の武具を扱う腕前が他所様から「ぼ、凡庸」と呆れられてしまうのですから、そこらへんは飛鳥さまらしいというかなんというか。ただ、彼女の強みはその直接的な力とかじゃないのは、当初からわかっていたことですから、存分に自分の長所を伸ばしている、とも言えるんですよね。その凡庸な刀術で問題なく試練をくぐり抜けているのですから。
クリシュナの方はその正体を含めて引っ張るのかと思いましたけれど、思いの外早くというか取って返す勢いで再戦が行われて、彼の正体が引き出されることに。
またぞろ、ごっついのが出てきたけれど、逆に言うと正体見たりということで露見してしまえばどうとでも出来るんですよね。未知こそが恐ろしく、ぶん殴れるならなんともでなるとも言える。少なくとも、人類最終試練たるアジ・ダハーカ様のあの絶望感に比べれば。
それはそれとして、彩鳥ですよ。飛鳥の気配察知するやコソコソと逃げちゃって。これがあのフェイスレスだったかと想うとなんとも情けないというか。ラストエンブリオに入ってからいいとこなしだなあ。

印象的だったのは、やはり後半の番外編ふたつ。金糸雀とレティシアの出会いであり、吸血鬼一族が迎えた地獄の顛末の模様であり、十六夜とその親友となったIshiとの出会いと別れ。十六夜が世界の素晴らしさを教えてもらったエピソードである。
そのどちらにも金糸雀が絡んでいる。絶望の閉塞世界を突破して現れたかの少女は、正しく世界の救世主だったのだろう。ディストピアを打ち破った英雄は、その後も絶望する人々に打ち克つ希望を当て続けたのだ、と思えばその偉業には心打たれるものがある。
さらっと語られた斉天大聖孫悟空に生まれながらに与えられた運命と、その運命に異を唱え天に逆らったかの盟友たちの戦争についても、なかなか衝撃的な話でありました。ってか、孫悟空ってそんな破滅の運命背負ってたのか。生まれながらに存在が許されぬが故に監禁した天帝の意図も、決して意味のないものではなかった、というのもわかるんだけれど、それでも悟空……彼女の尊厳を守るために立ち上がった魔王たち、というのがやっぱり格好いいですわ。七天魔王のうち中華系が三人しかいなかった、というのも驚きだけれど。そういえば迦陵ちゃんの迦楼羅ってばインド系になるのか。
しかし、斉天大聖がこれだけキーパーソンだった、となると彼女の沈黙とちらっと登場した時の意味深な発言にもいろいろと思惑が生じてくる。
ともあれ、酔っ払ったとはいえ十六夜の膝枕でだらしなく眠る耀と飛鳥の甘えっぷりにほんわかする一幕でもありました。これ、彼女ら二人肩肘張って十六夜に追いつこうとしている頃だったらこんな風に出来なかったんじゃないかな、と思えばこうやって彼に甘えることができてるというのは二人の成長と自信の現れなんだな、とも考えられるんですよねえ。
次回は、本格的に彼女ら二人の本領発揮を見たいところであります。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 4.王の帰還 ★★★★   



【ラストエンブリオ 4.王の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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人類の未来に“退廃の風”が吹き始める――。シリーズ待望の最新刊!!

いよいよアトランティス大陸に到着した焔たち。白夜王と黒ウサギによって新たなゲームルールが説明されるが、彩鳥はかつてのように戦えない自分の不甲斐なさに不安を隠しきれなかった。一方、廃滅者パラシュラーマとの死闘の果てに、十六夜は再び箱庭に帰還する。どうにか焔と合流する十六夜だったが、そこに“ウロボロス”の刺客が現れ!? やがて告げられる衝撃の事実。焔と十六夜の運命が決する時、再び“絶対悪”の御旗が揺れる!
これは無理ー! 人類史消滅のお知らせー! これはあかんわ、人理焼却とかポールシフトよりもこう、ダイレクトにダメかも知らん地球。むしろ、ここから地球を守る手段があることの方が信じられない。まさに神の配剤である。実際には、神はそういう関与の仕方はしていないのだけれど。むしろ、既にあった材料を無理矢理にでも手繰り寄せて実現させようとしてるんだよなあ、これ。
そうか、それが「理由」だったのか。
ウロボロス側のなんか、人材というか所属している人たちの思想や属性というのがものの見事に雑多でまとまりがないに等しいにも関わらず、肝心の「目的」に関してはどうにも一致団結というわけじゃないけれど、ブレなく目指しているっぽい様子がどうにも不思議だったんですよね。どう考えても、かつてのカナリアや今の十六夜たちを裏切って向こうにつくとは思えない人たちまで加わっていたわけですしね。ジン・ラッセルくらいだとなんやかんやと思惑抱えて動いてそうなんだけれど、そういう裏表のなさそうな人たちまであっちに居るケースもあったもんなあ。

でも、これが「理由」だとしたら、どれほど後悔し苦しむことになろうと、大事な人たちを裏切ってでも、その選択をしようという人たちも出てくるわなあ。
でもそれは「悪」なのである。
許されざる悪なのだ。それを選択することは、人類が悪そのものへと染め上げられることになる。再び人類は現在を抱えることになる。
それを人類が選択しようとしているのを、そりゃ人類の正義を誰よりも信じているからこそ「絶対悪」の御旗を掲げたあの方がそれを許せるはずがないわなあ。
しかしそうかー、焔がその対象だったというのも、閣下の在りようと焔が行うはずだった未来の罪を説明されたらなるほど、と思わざるを得ないんですよね。まさにその在りようは重なっているのか。
どうもウロボロスの側でも、なんか妙な動きをしている連中がいるようで、世界の危機を救うためというお題目とは別の目的で動いているっぽいんだよなあ。ってか、露骨に退廃の風とか匂わせてるんだけどそのままなのもしかして? 
ともあれ、世界を救う手段そのものは提示されたものの、どう見てもそれって無理ゲーなわけで、なにをどうやったらこれ実現できるんだ? 少なくとも、現在の十六夜と焔の持っている能力と伝手だけじゃ絶対無理なんだよなあ。箱庭世界に来たことじゃなく、そこで出会う人たち、違う時間軸の人たちとの出会いこそが重要だったのか?
なんかさらっと、今まで伏せられ続けていたノーネームの前身である滅びたコミュニティーの真名までさらっと明らかにされちゃいましたし。あれって、名前が喪われたことが本当に重要で、だからこそ今の今まで絶対に誰もその名前を口にしなかったのに……その名前を言っちゃったってもしかして本当にヤバイことなんじゃないだろうか。
十六夜の原点、生涯の親友との出会いと別れの話によって、このぶっ飛んだ男の類まれなる理性と価値観の根源を目の当たりにしたわけですけれど……やっぱり凄い男だよなあ、こいつ。アジ・ダハーカ閣下の目は決して曇ってはいないと思う。力を振るうその方向性が実に極まって格好いいんですよね。その意味では、かの大英傑ヘラクレスもまた見事な格好良さで、もう思い描くべき英雄ってこういうのですよね。
世界を救うための大きな正義ではなく、か弱い助けを求める声に応えるその姿にこそ、震えるような熱さを感じるのである。打ち勝つべき困難とは、きっと理不尽というものなのだ。十六夜は、まさにその理不尽と戦うために、そこに宿った力を奮っていた。その極限が今ここに試されている。
色々とバックグラウンドが明らかになって、ようやくすっきりとしてきた。一方で障害となるあれこれの高さが成層圏貫いていて、これほんとどうすんの!?という有様なのだけれど、いい加減十六夜くんだけではイッパイイッパイになってきたので、次で他の問題児たちとも合流するんですよね? やはり三人揃ってないと、こういう絶対無理の壁はダイナミックにぶっ壊せない気がするのであるが故に。

シリーズ感想

悪逆騎士団 そのエルフ、凶暴につき ★★★☆   

悪逆騎士団 そのエルフ、凶暴につき (電撃文庫)

【悪逆騎士団 そのエルフ、凶暴につき】 水瀬葉月/ももこ 電撃文庫

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代々の紋章王が統治するゼルティバッソ紋章国の東端、ニルイースト。そこは脛に傷持つ犯罪者たちや、一攫千金を夢見る荒くれ者たちが集い、暴力と欲望が支配する街。そんな蛮都の風紀を守るべき王国直下の常駐治安騎士団だったが、しかし彼らこそが一番危険で邪悪な存在であった。―人呼んで、悪逆騎士団。誰もが目を奪われる美貌と、誰もが畏れる暴威を振りまく女エルフの団長アリシア。彼女に捕らわれて、新たな団員として暮らすことになった元暗殺者の少年コルナルド。そして拷問騎士、淫蕩騎士、醜悪騎士という出鱈目な団員たちによって繰り広げられる狂乱の事件とは―。「まったく私達はとんでもない悪党だな」悪によって悪を裁く、退廃のダークファンタジー登場!
それ悪なれど邪まにあらず、か。いや、でも邪悪とかあらすじに書かれちゃってるからなあ。邪悪じゃあないと思いますよ、邪悪じゃあ。
ファンタジー界のロアナプラというべき悪徳都市ニルイースト。ファンタジー世界というと、この手の退廃と欲望によって支配された都市というのが登場するものだけれど、往々にしてその手の都市というのは既存の権力機構から半ば独立していて、犯罪組織や邪教集団が跋扈してたりするのだけれど、本作はその悪徳都市に常駐する権力による治安維持機関が主人公、というのだからこれこそとびっきりに珍しい。まあ、普通ならこの手の都市の治安維持組織は、見事に腐敗しきって街で起こるあらゆる犯罪を賄賂の及ぶ範囲で徹底して見逃していたり、犯罪組織の下部組織に収まってしまっているものなんだけれど、この悪逆騎士団ときたら実情、街を牛耳る様々な組織と肩を並べる顔役みたいなのに収まっていて、警察機構でありながらさながらマフィアの一角なんですよねえ。治安守るどころか、率先してイキッてるやつらシメてまわるわ、金儲けのネタがあれば片っ端から首突っ込むわ、少なくとも善良な一般市民が困ったからと頼りにするには危なすぎて、とてもじゃないけれど近づきたくねえ。きっちり権力も傘にきてますしねえ。
でも、権力や暴力でもって弱者を虐げたり、自分たちの利益のために他者を陥れたり、という悪ではないんですよね。騎士団のメンバー、拷問騎士だの淫蕩騎士だの醜悪騎士だの、ろくでもない肩書背負ってますけれど、全員脛に傷持ってたり人間として欠落を抱えている者ではあっても悪人とは程遠い人たちですしねえ。
個性的な面々にも関わらず、案外と仲間内の関係良好ですし。
特に団長のアリシアは、邪悪と言われても仕方ないほどあれ性格悪いですし享楽主義者のけもあるのですが、コルやヒオといった年少組に向ける慈愛の視線を思うに、本質的に母性の人なんじゃないかとすら思えるんですよね。そもそも、この悪逆騎士団なんて趣味の悪い騎士団作ってやってることの実情を見ると、彼女の素性と絡めてみても、何もそこまでせんでももう表舞台から降りたのなら放っておけばよかろうに、こうやって悪の代紋背負って他のやつが出来ない領分をわざわざ担ってるんですから、世話好きと言われてもいいんじゃなかろうか。せっせとコルやヒオの情緒育成に心砕いているのを見るとねえ。やり方自体は全くもって傍若無人で大変迷惑な御仁なのですが。
現役世代からすると、目の上のたんこぶなのかもしれないけれど。コルの背景を見ても、それらしき影が伺えますし。
そのコルなんですが、思いの外サクッとあれ、やっちゃいましたよねえ。一期一会でしかない関係とするには非常に勿体無いと思わせるものがあったのですが、下手にもっと繋げてしまうとまだ白紙に近いコルの内面に対して、後々の衝撃が強すぎることになってしまいますか。読んでるこっちも立ち直れないダメージ喰らってたかもしれないですし。
にしても、淫蕩騎士さまは戦闘中になにしてるんですか、ってかナニにどうやって持ち込んでるんですか、あれw ガチエロだ、この女。

水瀬葉月作品感想

ラストエンブリオ 3.暴走、精霊列車! ★★★★   

ラストエンブリオ (3) 暴走、精霊列車! (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 3.暴走、精霊列車!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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GWの“天の牡牛”事件から3ヵ月―。“生命の大樹”計画が動き出す中、遂に主権戦争の招待状が焔たちに届く。精霊列車には箱庭中の実力者が集結し、西郷焔はそこで“ノーネーム”の春日部耀、そして更に意外な人物たちと出会い!?同じ頃、外界で別行動中だった十六夜とプリトゥは、“廃滅者”を名乗る強敵と遭遇。いよいよ王群“アヴァターラ”が外界でも動き出す―!箱庭と外界に激震が走る、急転直下の第3巻!!

耀も二年も経ったら成長を、って見た目髪も伸びてすごく女っぽくなってるのだけれど、問題児としてはさらにひどくなってないか? 飛鳥と十六夜が居ないぶん、一人でやりたい放題やっている感がありありなんですけれど。同時に、今は一人でノーネームを背負ってるせいか、随分と大物感も出すようになってるんですよね。十六夜が窮屈なことになっているのに比べると、色んな意味で伸び伸びとやってるなあ。
しかし、外界編は片手間でメインは箱庭の方で進んでいくのかと思っていたのだけれど、思いの外外界編も重要なパートとして進行していくんですね。焔たちは外界と箱庭を行き来しながら状況を進行させていくみたいですし、十六夜は外から戻れないままプリトゥと背後関係を洗う地味な仕事を世界をまたにかけて駆けまわることに。
どうも黒幕というか、裏でなんかやってる勢力はいろんな実力者がそろっていて身動きが取れにくい箱庭よりも、むしろアバターしかいない外界の方で積極的に動いているようなので、十六夜が外に常駐しているというのはこの際しかたがないのか。いよいよとなると、外界の方でこそ激戦が起こりそうな気配もあるし。とはいえ、箱庭ではない外の世界では、まともに神さまたちが動くとあっさり世界が壊れかねないので、どう始末をつけるのかわからないのだけれど。
そもそも、主権戦争で命の保証がなされている、というのが逆に不穏なんですよね。外界での“天の牡牛”事件の被害の凄まじさや、パラシュラーマが叫ぶ人類の悪行なんかからすると、そんな穏便な話になるというのは凄く怪しい。少なくとも主権戦争の対象外である外界の方で凄惨なことにならないか心配。
しかし、未だに主権戦争がはじまらないのもそうだけれど、全体像がまだ全然見えてこないというのは、第二部のストーリー全体にギフトゲームが掛けられているようなものなのか。そもそも、どんなゲームが行われるのか、いったい何の話が進行しているのか、というところから考えなきゃいけないところなんか、実にギフトゲームらしいんだけれど、シリーズ物としては大胆な構成だなあ、と思う所。こういうやりたい放題なやり方は近年の窮屈な縛りを思うと、大いにやればいいと思うんですけどね。個人的に、こういう詰め込み式の膨大な設定群はテンション上ってウハウハなってしまう性質なんで、凄い好きなんですけれど。
とりあえずの注目は、ジンと焔とアルジュナの苦労性弟同盟の誕生でしょうか。アルジュナに関しては帝釈さんが思いっきり後手を踏んでいて、息子の存在が彼の致命傷になるのかと思ったら、まさかの賭博癖を利用して上手いこと自分のところに引っ張りこんだものである。帝釈さん、ほんと駄神もいいところの放蕩者なんだけれど、要所要所で絶妙の指し筋を見せるあたり、ただでは転ばないというかやはり只者ではないというか、それも人の情を擽る一手ばかりで、周りの連中、あれだけ迷惑かけられるわ盛大にポカするわで、怒り心頭になりながらもどうしてもこの人に甘い顔を見せてしまうんだなあ。実に人誑しの神さまである。
あと、三巻になっても未だに彩鳥お嬢様がなかなか元の調子を取り戻せないのは、どうしたものか。こうも何度も鈍っている、腑抜けている、気が抜けている様子を見てしまうと、当人が幾らシャンとしようとしても無理なんじゃないかと思えてくる。鍛え直したら云々じゃないんだよなあ。これはもう、飛鳥と再会しないことにはリスタートできないんじゃないだろうか。

ところで、上杉謙信ちゃんは、レギュラー化してくれるんですか?


シリーズ感想

ラストエンブリオ 2.再臨のアヴァターラ ★★★★   

ラストエンブリオ (2) 再臨のアヴァターラ (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 2.再臨のアヴァターラ】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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アンダーウッドを守るため、精霊列車“サン=サウザンド”号に乗り込む焔たち。しかし、疾走する列車の前に新たな襲撃者が現れる!すぐに鈴華を中心とした弩砲作戦で対抗するが、“天の牡牛”の猛攻も始まり大ピンチに。激しい雷撃と巨大な水流が迫る中、彩鳥が下した決断とは!?一方その頃、外界で調査を進めていた十六夜たちの前にも謎の敵が出現する。彼らは最強の王群“アヴァターラ”を名乗り―!?
釈天さんも結局はインドラかー。親の心子知らずというけれど、この場合は子の心親知らずですよねえ。彼の無念というか後悔、凝りとなって残っているものは言わばインドラのせいなのに、当のインドラはその件についてまったく頭に残っていない上に、息子は一点の曇りもない素晴らしい人生を送った、と思ってるんだから、これはむしろ息子さんの方に同情してしまう。それでもなお、父親に認め祝福されて心残りを晴らしたかった、と思ってる彼は健気で良い息子ですよ。その無念を利用されているのかもしれないけれど、こればっかりはねえ、釈天さんが悪かろうと思ってしまう。
ふと思い巡らせてみると、インドラと息子さんのみならず、今回は父と子、保護者と被保護者との反発と不理解というのが色んな所でみられるんですよね。焔、鈴華と十六夜もそうですし、アステリオスもその由来は父親によって切り捨てられたものですし、ついに登場した平天大聖・牛魔王もどうやらその正体、というのは変か、その現身からして深く焔たちと関わってるみたいですし。
てっきり、再びがっつり箱庭世界でのストーリーになると思ってたのですけれど、むしろ箱庭世界と現代に地球が密接にリンクした話になるのか。焔たちもどうやら、箱庭世界と現代を行き来しながら太陽主権の争奪戦に参加するみたいですし。って、まだこの段階でこれだけ壮大な規模でドンパチやりながら、まだ件の争奪戦、開会式すらはじまっていない予備戦段階、というのがとんでもないなあ。既に今の段階で尋常でない階梯の神仏や王、仙人や英雄、怪物が登場してるというのに。
今、顔見せしたメンバーだけでも、最強の王群“アヴァターラ”というのは伊達じゃないんですよね。盛りすぎだろう、と思うくらい。申公豹でも反則級じゃないかい? いや、インドラの息子さんの段階でアレなんですが。申公豹は、この無節操なトリックスターっぷりを見ると、本邦翻訳版ではなく正しく原作版のキャラクターみたいっすねえ。
どう考えても、焔サイドが劣勢どころじゃない弱小なんですけれど、今回まさかまさかのメンバーが仲間入りしたのを見ると、こちらもあっちゃこっちゃの神話伝承群から仲間を得ていく流れになるんだろうか。
一方で、あのジンくんが立派に成長して、立派に暗躍しているようですし、今の“アヴァターラ”って結局、殿下と一緒にジンがウロボロスから独立させた魔王連盟なんですよね。今や、第二次太陽主権戦争の優勝候補だってんだから。ペストがきっちりジンの脇を固めて元気そうなのに、ほっこり。昔は背丈一緒くらいだったのに、今となってはジンってだいぶ背が高くなってるらしく、並ぶとかなり差があるらしく、その絵図を想像するとさらにほっこりw

ぶっちゃけ、話がまとまってみると確かにこれ、本番前の前哨戦、或いはスタート前の準備段階、場を整え戦うための目的意識と覚悟とを得るための話だったんですよねえ。祭り前のワクワク感が募ってきましたよ。
あとはもうちょい、彩鳥さんのリハビリが必要か。本人が痛感していることだけれど、フェイスレスだった頃の彼女と比べると凄まじく鈍ってるからなあ、今の彼女。お師匠様が激おこプンプン丸なのも無理からぬ。ってか、お師匠様の一人って、あの人だったのか。他の作品では全身タイツ女やってる……。でも、なるほど女王騎士で師匠枠とれるような英傑って、確かにこの人レベルでないとなあ。



ラストエンブリオ 1.問題児の帰還4   

ラストエンブリオ (1) 問題児の帰還 (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 1.問題児の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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“少し”特殊な力を持った少年・西郷焔に届いた一通のメール。そのメールを開いた瞬間、焔は異世界に召喚される!そこは神魔の遊戯・ギフトゲームが支配する世界。素敵ウサ耳を持ったロリータ少女の黒ウサギに出迎えられた焔は、いきなり超巨大ギフトゲームに参加することになり!?一緒に異世界に召喚された彩里鈴華、久藤彩鳥、そして五年ぶりに再会した逆廻十六夜と共に、現実世界をも巻き込む修羅神仏のゲームに挑む!!
【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】からタイトルも新たに再スタートとなったネクストステージ。初っ端から外界である地球に、箱庭からの余波でとんでもない災厄が。という風に、前回よりも遥かに外界とのリンクが強く描かれることに。って、問題児シリーズのラストで帝釈天が降界していたように、十六夜がいた時代・世界の地球が重要なファクターになってくることは予見できていたけれど、ここまで密接に箱庭とリンクしてくることになるとはなあ。ご存知のように箱庭世界というのは、多次元的に地球と繋がっているわけで、それは平行世界的にも時間軸的にも偏在しているといっていい状態だったのに、現状は十六夜が居た地球と時間的にもリンクしつつあるのね。なにやら孤児同士の義理の兄弟だったはずの十六夜と焔には秘められた関係があるようだし。いずれにしても、初っ端から謎満載である。
と、同時に地球滅びかけてるしーー!! それ絶対に台風の軌道じゃないですからっ。赤道をまたぐというありえなさよりも、殆ど地球を一週する勢いでヨーロッパに大被害をもたらした台風が巡り巡って日本まで辿り着くって、そっちの方が無茶苦茶さ加減を実感できるんじゃないだろうか。それに加えて、台風にウイルス散布機能が付属しているとか、殺意コメられすぎなんじゃないでしょうか、これ。
こんな余波が外界にまで及んでしまっている、箱庭で行われている太陽主権の争奪戦って、いったいどうなってるんだろう。断片的には語られて、それに十六夜も大きく関わっているのはわかったんだけれど、相変わらずスケール感については並外れている。
正直、この修羅神仏が跋扈して常識を遥かに超えたスケールで繰り広げられる神話規模のゲームに、ただの一般人が巻き込まれて、どうにか出来るとは思えない。その意味では、特殊すぎる焔や鈴華たちでようやく端っこギリギリなのだろう。どれだけ十六夜たちが吹っ飛んでいたかもわかるってもんだ。その彼らですら、箱庭に来た時はここまでえらいことになってなくて、一応落ち着いた状態だったものねえ。
しかし、彩鳥さんはフェイスレスとしての自分の記憶が保たれていることは公にするつもりはないのかー。転生前フェイスレスだった、ということについては積極的に隠すつもりはなくて、黒うさたちが察するのは想像に任せてるみたいだけれど。記憶についても積極的に自分から語るつもりはなくても、バレることにはあまり頓着していないのかもしれないけれど。飛鳥や女王と再会したらすぐにバレることではあるしなあ。にしても、当人も忸怩たるものがあるようだけれど、自分も彩鳥があそこまで鈍っているとは思わなかった。ぶっちゃけ彩鳥さんが居れば大概の場合大丈夫だよねー、という十六夜レベルに近しい安心感を持っていたので、ミノ戦からこっち結構焦ったじゃないですか。早いところ、女王騎士としての実力を取り戻してくれないと、今の三人組では唯一に近い前衛戦力なだけに。

まさかの前後巻編成ということで、今箱庭で何が起こっているのか。どうして、帝釈天をはじめとする護法十二天の有力武神たちが外界に降りているのか、などの詳しい説明はまだない。取り敢えず、はじめて箱庭を訪れた焔たちの目を通して、かつての混乱から新たな繁栄を取り戻しつつある箱庭の様子をアンダーウッドを舞台に描いているのだけれど、前シリーズからちょっとだけ時間が経っているんだなあ、というのがあちこちのシーンから窺い知ることが出来る。これが、ネクストステージのはじまりを実感させてくれてるんですよね。黒うさと、前シリーズと同じく最初の対戦相手である白雪姫は顔を見せてくれましたけれど、早くほかの面々も登場して欲しいものです。十六夜兄さんについては、思いの外早く登場してくれましたけれど。十六夜こそ、登場を引っ張ると思ったんだけれど、まさか外界まで突き破ってくるとはなあ。

ともあれ、いいところで終わってしまっているので、早いところ次出してください。そうして、この新シリーズの開幕を決定づけてくれないと。ああでも、この段階まででワクワクが止まらない面白さなのがたまらない。よし、行くところまで行ってしまえ、ってなもんですじゃ。

シリーズ感想
 
9月21日

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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(フロース コミック)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(ドラゴンノベルス)
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(ドラゴンノベルス)
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(ドラゴンノベルス)
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(ドラゴンノベルス)
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9月1日

(HJコミックス)
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(B's-LOG COMICS)
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(B's-LOG COMICS)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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8月31日

(講談社ラノベ文庫)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(エンターブレイン)
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(ヒーロー文庫)
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8月30日

(エンターブレイン)
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(エンターブレイン)
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(エンターブレイン)
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(ファミ通文庫)
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(ファミ通文庫)
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(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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8月28日

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8月27日

(電撃コミックスEX)
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(電撃コミックスEX)
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8月26日

(角川コミックス・エース)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(REXコミックス)
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