りいちゅ

勇者症候群 ★★★   



【勇者症候群】  彩月 レイ/りいちゅ/ 劇団イヌカレー(泥犬) 電撃文庫

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世界に仇なす《勇者》を殲滅せよ。

勇者、それは世界を救う特別な力。夢の中で「勇者」と称えられた少年少女は、ただ美しき女神の言うがまま魔物を倒していた。
――――その魔物が“人間”だとも知らず。

《勇者》、それは世界を滅ぼす特別な力。謎の生物「女神」に寄生された夢見る少年少女は、無意識の怪物と化し破壊と殺戮を尽くす。
そこに悪意はなく、敵意もない。ただ一方的な正義のみが押し寄せる終わりなき戦い。その均衡は少年・アズマが率いる勇者殲滅の精鋭部隊『カローン』によって保たれていた――。
《勇者》を人に還す研究をしていた少女・カグヤは、ある日『カローン』への所属を命じられる。だが過去の災厄で全てを失ったアズマたちにとって、カグヤの存在は受け入れ難いもので……。

少年は《勇者》を倒すため。少女は《勇者》を救うため。二人は衝突しながら、ともに戦場へと赴く――!
第29回電撃小説大賞《金賞》受賞、電撃文庫が贈る出会いと再生の物語。

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ひきこまり吸血姫の悶々 ★★★   



【ひきこまり吸血姫の悶々】 小林 湖底 /りいちゅ GA文庫

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「……ふぇ? な、なに」?

引きこもりの少女テラコマリこと「コマリ」が目覚めると、
なんと帝国の将軍に大抜擢されていた!

しかもコマリが率いるのは、下克上が横行する血なまぐさい荒くれ部隊。

名門吸血鬼の家系に生まれながら、血が嫌いなせいで
「運動神経ダメ」
「背が小さい」
「魔法が使えない」
と三拍子そろったコマリ。

途方に暮れる彼女に、腹心(となってくれるはず)のメイドのヴィルが言った。

「お任せください。必ずや部下どもを勘違いさせてみせましょう! 」

はったりと幸運を頼りに快進撃するコマリの姿を描いたコミカルファンタジー!

引きこもりだけど、コマリは「やればできる子」!?
コマリ隊の荒くれチンピラどもがチョロすぎる! こいつら、美少女だからもてはやしてるだけだろう!?
何にも出来ないコマリンの実力を勝手に誤解して周りがヤンヤと持ち上げる勘違いものなんだけど、特に誤解されるような奇跡的な展開、とかはないんですよね。事故で初っ端突っかかろうとしてきた部下のヨハンをドアで挟んで殺してしまいますが(生き返る仕様の世界観)、これで普通は勘違いしないよなあ。めっちゃ態度ビビってたし。あいつ雑魚だろう、と主張するヨハンの反応が普通だと思うのですが、それくらいで勘違いしてコマリン教徒になってしまう隊員たちが色んな意味で残念すぎる。
いや、もうちょっと勘違いモノにしても誤解させるに納得させてくれる要素が欲しかったような。あれだけ直前、新任の上司に一発かましてやるぜー、ぶっ殺してやるぜー、と気勢を上げていた連中がコロッとですもんねえ。アホしかいないとは言え。唯一頭が回りそうなカオステルは真性のロリコンでロリならなんでもいいという感じで手に負えないし。
わけのわからん高評価にドン引きしながら、ナチュラルに大言壮語繰り返すコマリんも大概調子ノリまくっているわけですが。なんで演説する時はそんな無茶苦茶偉そうなセリフがポンポンと出てくるのか。実は普段からそういう事妄想してたんじゃないのか、というくらいスルスルと飛び出すハッタリ。
そして実質何もしないコマリちゃん。
はったりと幸運を頼りに快進撃、とあらすじでなってるけど、部下に丸投げしてたら勝手に進撃して勝手に勝ちまくってるだけで特にコマリンてば何もしてないんですよね。偶然だよりの超展開、とかもないし。
ただこの子がマメにやっているのは、あれこれと可愛い美少女上司とコミュニケーション取ろうと接してくる部下の相手だけ。段々と相談会になっていちいち部下の相談事やお願い事を解決するために駆けずり回ってるの、コマリちゃん根が働き者で世話好きっぽいんだよなあ。サボらないで一生懸命働いてるし。これは休日とか関係なしにスケジュール埋め尽くしてくるメイドのヴィルのせい、というのもあるのですけれど、嫌だーとか言って逃げ出さないし。
彼女が引きこもりから引きずり出されたのは、将軍やらないと爆死してしまう仕様を添付されちゃったからだけど、別にそこまでマメに働かなくてもサボってもいいところまでちゃんとやってるあたり、彼女の本質が見て取れるんですね。
そもそも、彼女が引きこもってしまったのは怠惰が原因ではなく、深く負った心のキズが理由だったわけですし。
本来の彼女は小心者だ。いつもビクビク周りを気にしている。本来の彼女は弱虫だ。怖いことからいつも逃げ出したいと思っている。
でも、この子は本当は勇気を持っている子だ。弱くて怖くても、なけなしの勇気を振り絞って前に出ることの出来る子だ。大事な場面では、決して逃げることの出来ない子だったのだ。
それが、彼女を引きこもらせる傷を負う要因となり、救われた一人の少女がコマリに人生を捧げることになる。
そうして、テラコマリという少女はその優しい勇気を以て、引きこもらなくてもいい自分の居場所を作っていく、これはそんなお話だ。

まあそんな少女の敬愛が、どうしてあんな変態的変愛百合へと怪物化してしまったのかは大いに謎であるのですが。四六時中脇に侍る側近メイドから常に貞操の危機を感じながら世話を受け続けるというプレッシャー、ハゲるんじゃないかコマリン。

しかしこれ、ミリセントの方も結構かわいそうなんですよね。親からDVを受け続け、師からは偏った思想と虐待を受け続け、努力し続けても目標を達成できずに逃げ場のない所まで追い詰められた所で、他者への暴力に走ってしまった挙げ句に何もかもを喪ってしまう。これまで辛い思いをしてきて積み上げてきたもの一切を無駄にしてしまう。
ヴィルやコマリにやった事は同情の余地ないのだけれど、この子が救われる余地がどこにもなかったというのは哀れに思ってしまう。

うちの聖女さまは腹黒すぎだろ。 ★★★☆  

うちの聖女さまは腹黒すぎだろ。 (電撃文庫)

【うちの聖女さまは腹黒すぎだろ。】 上野遊/りいちゅ 電撃文庫

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落ちこぼれ騎士志望のカイが採用されたのは、辺境の国ブラウファルト聖王国。代々清らかなる聖女が治めるこの地で、「聖女様の騎士になれる!」と心踊るカイ。しかしそこで待ち受けていたのは、見た目は天使、中身は悪魔な「ブラック聖女」のフローラ姫だった!? 
「お前の仕事は金儲けだ。余の小遣いを稼げ!」
フローラの命令で金策に走るカイだが、特産品を作るため飛竜を狩って牙を取れだとか、温泉を探して観光地を作れだとか、無茶振りの嵐。姫様ラブなメイドのリーリエも厄介で、果たしてカイは念願の騎士になれるのか!? ブラック聖女と半熟騎士の、おしごと(!?)ファンタジー開幕!
いやいやいや、全然腹黒じゃないと思うんよ、この聖女さま。腹黒って、こう根が黒いというか素が黒い、腹の底で何を考えてるかわからない、常に何か企んでる、というオモテウラの使い分けが上手い人、本音を器用に繕える人というイメージであって、このフローラ姫はむしろ逆なんですよね。
公式用に聖女らしい清楚で優しい仮面被っているのはTPO的に当然として、身近な人間にあれだけあからさまに態度悪いの見せちゃってるのは、単に対人スキルが不器用すぎるだけで腹黒とは言い難いんですよね。先生には外面良いけど、好きな子に偉そうに突っかかるしか出来ない小学生のガキンチョを腹黒とは言わないのと同じように。ってか、フローラ姫、根の方が黒いどころか真っ白すぎて、むしろ腹白なんですよ。リアル聖女様かよ!というレベルの善い子ちゃんなのである。わかってしまうと、ブラックな無茶振りも子供かというような拙い言い訳というか繕い方で、言ってることを裏返しにしたらそのまま本当は何を言いたいのかわかってしまうような代物で、この子謀略能力とか政治的な言い回しとか全然ないんじゃなかろうか、というくらいに。
この娘の辛いところは、それだけ善人でありながら現実に夢を見ることの出来ないリアリストでもあり、しかしその如何ともしがたい現実をどうにか出来るような大宰相としての見識も君主としての辣腕も、そもそも実権からして持っていなくて、その現状と自分の能力についても正しく認識してしまっている、というところなんでしょうなあ。彼女は正しく聖女以上でも以下でもないわけだ。
しかし、それでもなお殆ど立憲君主制となっている国家の君主でありながら、お飾りに甘んじることなく国をよくしようと出来ることを必死に探し続ける責任感。本人は決してアピールが上手いとはいえないどころか、下手くそ極まるのだけれど同時に繕うのも相当下手っぽいので、傍から見てたらそりゃもう彼女がどれだけ頑張ってるのか、というのはあからさまなくらいにわかってしまうだけに、国内の人気というのは高いんでしょうね。それも、国政に関わっている人の方が彼女の聖女としてのガワではない彼女自身の魅力を見る機会も多いのでしょう。
それこそ、現実に即していない夢と希望を胸にいだいて、この聖女さまの下に就職してしまったカイもまた、ドストライクに彼女の聖女っぷりにやられてしまったわけだ。
どれほど熱望しようとも、つまるところふわっとした夢でしかなかった「騎士になりたい」という願い。現実を見れば、物語みたいな騎士なんて平和になった世の中では必要とされず、もし居たとしてもやること仕事と言ったら、剣を振るって悪い魔物と戦いお姫様を護る、なんてわかりやすいものではなく、まあ国それぞれの騎士の用い方にも寄るのだろうけれど、フローラ姫の国ではやることと言えば姫様の雑用係、良いように言うなら執事役。
でも、二進も三進もいかない枯れた国情の中でもフローラ姫が聖女を全うしていたように、どんな仕事内容でも、そこに思い描いていた騎士の在り方を形は違えど体現できる。そも、騎士とはなんぞや。なりたかった騎士とはなんぞや。ふわっとして実体を得なかったそれを、こうして確固たるものとして見出したのだから、カイくんは自分のなりたいものに見事になれたのでしょう。現実に即した形で。それも、妥協ではなくより充溢した産物として。羨ましいことです。ってか、なんだかんだと飛び込み採用の新入社員で姫様、ってか事実上の女王陛下の最側近になれたとか、どれだけ小国でも大成功でしょうに。いや、収入と業務内容は釣り合ってないぽいけれど。でも、もう政略結婚とか関係無さそうな時代に、年頃の姫様の一番身近な男性としてお近づきになれた、というだけで諸々取り返しがつきそうじゃないですか。
それはそれとして、最後の大事件。あれ国際的にけっこう責任問われそうな気もするんだけれど。自分たちで解決できたとはいえ、世界の危機を誘発してしまったわけですし。先々、大変そうだなあ。

上野遊作品感想

もちろんでございます、お嬢様 3 3   

もちろんでございます、お嬢様3 (ファミ通文庫)

【もちろんでございます、お嬢様 3】 竹岡葉月/りいちゅ ファミ通文庫

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魔術でも、天恵でもない。この出会いこそ――奇跡。

ダニエルの一件以降、微妙にぎくしゃくしているアンジェリカと九郎。
そんな九郎の前に、本来の主、水芭様に瓜二つの女の子が現れる! 彼女について探るべく、九郎はかつての仲間、《九尾》の玉藻の力を借りることにするのだが……。一方アンジェは、このトウキョウに潜む『影』が、日に日に色濃くなっていることに気づく。平和が望まれたその記念日に、九郎たちに迫るものとは一体?
そして、アンジェの選択と九郎が出す答えとは――? 堂々の最終巻!
戦後の九郎たちの苦労を見ていると、【絶対可憐チルドレン】の超能部隊も、みんな無事で戦後を迎えたらこんな風に戦後の混乱期をそれぞれ力強く生きていたのかな、なんてことを思ったり。まあ天恵持ちと絶チルの超能力者では社会的な立場がだいぶ違いそうなので、同列に並べて見ることは勿論出来ないんですが。
今はバラバラに生計を立てている天恵部隊の面々だけれど、その心の奥には主である皇族、引いては直属の上司だった水芭に対する敬慕と忠誠があり、やはり彼らにとって戻るべき場所、在るべき場所は水芭の元、だったのです。たとえば玉藻なんか不器用なりに女優という夢に向かって頑張っていたわけですし、他の面々もなんやかんやと今の職場については思い入れもあったはず。でも、水芭が戻った時嬉々として彼女の元に集っていったんですよね、この人達。それは、結局九郎も同じでアンジェリカと『マグノリア・ホテル』に未練を残しながらも、水芭が掲げる平和への大志に身を捧げる覚悟を決めてしまうのでした。
仕方ないっちゃ仕方ないんですよね、この段階ではまだ九郎には水芭と仲間たちを振り切るだけの絆をアンジェリカたちと結べているとは言えなかったのですから。
確かに、アンジェリカが自分を死人と呼び、九郎たちから距離を置いてしまうだけの過去があったんですよね。正直、ここまでやらかしてしまっているとは思いませんでしたよ、彼女。てっきり、巻き込まれただけで家族同然だったニッポン人の女性を黒魔術で化け物にして兵器として殺してしまった父親の罪を、自分のことのように背負っていただけだと思っていただけに、まああれだけのことをしでかしてしまってたら、抜け殻みたいになってたのもわかるんですよね。九郎に興味を寄せながらも必要以上に踏み込むことを躊躇っていたのも、臆病とは言い切れない。でもまあ、何にせよ登場人物の掘り下げが全体的に足りてない気がするんですよね。アンジェリカの父親にしても、魔術師としての顔と父親としての顔のすり合わせがうまくいっていない気がするし、メインのアンジェリカと九郎の関係も踏み込んだものが全然なかったですし、紅緒に至っては彼女自身の事情と九郎たちの事情が一切交錯しないまま終わってしまいましたし。一連の事件の黒幕サイドにしても、全くその内側に入り込むことなく終わってしまったわけで……事態は大きく動きながらもその内側を垣間見ることなくずっと外側から傍観したままで終わってしまったような感じなんですよね。ちょっと打ち切り気味だった影響もあるんだろうけれど、戦後すぐというあの混沌とした時代に明治初期の開明的な空気が合わさったような良い雰囲気を生かし切れないまま終わってしまったなあ、という感想でした。いささか勿体無かったかなあ。

1巻 2巻感想

もちろんでございます、お嬢様 23   

もちろんでございます、お嬢様2 (ファミ通文庫)

【もちろんでございます、お嬢様 2】 竹岡葉月/りいちゅ ファミ通文庫

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天恵と魔術の違いを知れば、きっとそなたは、私を軽蔑する──。

兄弟子の凶行を阻止し、慌ただしいコンシェルジュ生活に戻った九郎。
今日も今日とて『L』なお嬢様方のお世話に邁進していたある日、アンジェリカの部屋の窓を突き破り、彼女の許嫁を名乗るピンクな刺客・ダニエルが舞い降りた!
あからさまに嫌な顔をするアンジェリカだが、彼女とダニエルには、幼い頃の、魔術にまつわる因縁が関係しているようで……。
それでも決して「ノー」とは言えない九郎に、忌まわしきアングリアの闇が迫る! 緊迫の第2巻!
第一巻が九郎たち敗戦国側の闇のお話なら、この第二巻は戦勝国側であるはずのアングリアの魔術師たちの闇のお話。戦争に勝った側とはいえ、その中でも魔術師という存在は決して中核をなす存在ではなく、むしろ歴史の進展に置き去りにされ埋没していく側の人間たち。戦争という大イベントを利用して再び表舞台に出ようとするものの、所詮は過去の遺物たち。外道の所業は歪みをもたらす。アンジェリカが幽霊としてこのホテルに滞在し続けているのもそうならば、彼女の婚約者であったというダニエルの有り様もまたその歪みの結果の一つなのだろう。
相変わらずなんでホテルなんだろう? という疑問符が付き纏う展開なんですけどね。前回と違って、九郎がコンシェルジュとして色んなお客様の要望を聞いて応えて回る、というお仕事ものとしての流れでもなかったですし。
アンジェリカが主体となる魔術サイドの話となるとホテルと全然関係なくなるんですよね、やっぱり。九郎や紅緒たちがやってることもホテルの従業員というよりも、むしろアンジェリカに個人的に使えている従僕、執事や侍女が通常業務から外れた特務としてのお仕事をやってると捉えたほうがしっくりくるような流れでしたし。

しかし、紅緒さんはいつの間に九郎のことそんなに気にするようになったんだ? というほどあからさまに態度に出ているわけじゃないんですけれど、プリシラのコメントを見てると随分と紅緒が九郎を気にかけているみたいな事を言ってるんだが、好感度あがるようなイベントあったっけ? そもそも、アンジェリカよりも紅緒の方が出自といい背景といい謎すぎるんですよね、この人何者なんだ?
時代的にも、単車乗りまわる女性というのは相当格好良いのは間違いないんだけれど。

ダニエルについては、まったく予想していなかったので意表を突かれた。ダニエル視点の回想がかなりの威力を持ってたということなんだろう。あれが冒頭からあったお陰で完全に観念が固定されちゃったんですよね。終わってみれば定番の展開なんだけれど、普通のライトノベル作家じゃなくて、竹岡さんという事も頭にあったんで、ダニエルがそのままダニエルであってもおかしくはない、と思っちゃったんだろうなあ。
ラストの展開はまさかのハッピーエンド!? と一瞬期待したのですが、そんな甘いわけもなく、たとえ奇跡だったとしても切なすぎるよ。
しかし、アンジェリカが自分を幽霊と主張しているのもあながち反抗や自棄的なものではないのかもしれない、という展開でしたね。確かに彼女は生きているかもしれないけれど、死んだ幽霊と何ら変わらない状態なのかもしれない。終わってしまっているという意味で。となると、副支配人がのたまっていた悪魔と渡り合える従業員募集中というのは、かなり自衛のための備えという悠長なものではなく、かなり切羽詰まった話なのかもしれないな。でも、アンジェリカ当人が幽霊と名乗っているのは、当人にやる気が無いというかもう諦めている素振りも見えるわけで、となると客が求めていないことを果たしてホテル側からサービスできるものか否か。ただ、まだ身を投げ売っていない点から、アンジェリカも諦めきっていないか、もしくは何かを待っているのかもしれないけれど。
何れにしても、まだ情報が小出しすぎて判断が難しい。ちゃんとシリーズ続いてくれるんでしょうね、中途半端は嫌ですよ?w

1巻感想

もちろんでございます、お嬢様 13   

もちろんでございます、お嬢様1 (ファミ通文庫)

【もちろんでございます、お嬢様 1】 竹岡葉月/りいちゅ ファミ通文庫

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負けて、犬になりました。

生まれ持った『天恵』でお国のために戦うことを夢見ていた鬼島九郎【キジマクロウ】。しかしニッポンは敗北、アングリアの属国となる。現実を受け入れられない九郎だが、かつての仲間たちに背中を押され、戦勝国アングリア人御用達の『マグノリア・ホテル』でなんとか働けることに。でもこのコンシェルジュって……何? 吹き荒れる攘夷の嵐! 『L』なお嬢様方の無茶振り!! そして夜ごと聞こえる幽霊の囁き?? それでも決して「ノー」とは言えないラブコメ、麗しく開幕!
……ホテル? なんでこの設定でホテルマンなんだ? いや、これがホテルのコンシェルジュとしての「お仕事モノ」だったらば別に何もおかしくないんだけれど……このホテルで求められている人材と、実際のホテルのお仕事ってかなり食い違ってますよね、これ。むしろお嬢様の設定周りやリチャードの語る求人要項からすると、むしろ「執事モノ」にした方がしっくり来る流れに思える。
確かに、ホテルの方が多種多様な「お客様」と、その人達が抱える事情に触れられ、それをエピソードなり主人公の糧とするなりの手管の広さに繋がりはするんですが……いや、これは二巻以降の話の広げ方次第か。ハラガン夫人のケースのように、この一巻でもちゃんとそうしたパターンはこなしているわけですし。ならば、今後より真剣にコンシェルジュのお仕事モノとして深化していくのかもしれないし、なんちゅうかこれ、竹岡さんかなり本気で長期シリーズというかでっかい歯ごたえのあるシリーズを書いていくつもりだ、という意気込みが随所から見受けられるんですよ。いつもの軽快な語り口こそ今まで通りではありますけれど、舞台設定が戦争に負け戦勝国の主権下に置かれてしまった敗残国。結局前線に立たないまま負けた実感もなく燻った想いを抱え込んでしまったまま何者でも無い、何もなし得ていないモノとして放り出されてしまった少年が主人公、という重たい設定周り。こうした安易に振り回せない舞台とキャストとを根底に置いて、じっくりと作品を築きあげていこうという向きが見受けられる。敢えて、お嬢様周りの情報を開示せず、また従業員たちの掘り下げも後回しにし、そもそもこのホテルが何の目的で運営されているかについても、ラストに幾分か匂わせるのみ、というのはまだこの第一巻がほんの序章、何も始まっていないスタートラインに立った段階であるのを示しているようなものですしね。
しかし、面白いことに作品の時代設定はあの焼け野原になった第二次世界大戦の敗戦直後に準じるもののはずなんですけれど、読んでいるとむしろ雰囲気は攘夷運動が盛り上がる幕末の頃だったり、西洋諸国の租界が隆盛を極めている頃の上海とか、そんな感じなんですよね。戦勝国のモデルがアメリカではなく、イギリスである事も要因の一つなのでしょうか。

敗戦を機に、幼いながらに国のためにと身命を注いできたそれまでの価値観が全部打ち崩されると同時に、自分という人間そのものの価値すらも見失ってしまったかのような喪失感に苛まれ、しかし生きるためには働かなければならず、なけなしのプライドを後生大事に抱え込みながらうつむいて歯を食いしばって働き口を求めていた少年鬼島九郎がたどり着いたのは、戦勝国アングリアが建てた高級ホテルのコンシェルジュという、お客様の相談事に応えるというお仕事。アングリア人たちの傍若無人と言っていい要求に、ノーと言わずに向きになって対応し続ける九郎は、そこで見失っていた自分の価値を……自分が何を失って、そこから何を求めようとしていたかを見出して行く事になる。成長譚、というには九郎の出発点がかなり世知辛いというか厳しい所にあるんだけれど、心折れそうな自分を守るためのものだった誇りが、九郎という少年の背中にスッと一本の芯を通して彼をまっすぐに立たせるものへと変わっていく、そんな少年の心根の鬱屈した曇りがコンシェルジュとして様々な人と交流することで晴れ渡っていくのを見るのは清々しい気分にさせられました。卑屈さを以てハイハイと人の言う事をただ聞くのではなく、プライドを以てお客様の要望に応える九郎くんの姿は、素直にかっこよかったです。
自らを死人と称するお嬢様の周辺事情が、どうも断片的に漏れてくる情報だけでも相当に不穏なものでもあり、また同僚の紅緒のちょっと桁違い過ぎる実力の背景も決して穏当なものではなさそうだし、と色々と明らかになっていくだろう次巻からがどう話が転がっていくのか、これは楽しみであります。

竹岡葉月作品感想
 

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