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るろお

もう異世界に懲りたので破壊して少女だけ救いたい ★★★★☆   

もう異世界に懲りたので破壊して少女だけ救いたい (角川スニーカー文庫)

【もう異世界に懲りたので破壊して少女だけ救いたい】 永菜葉一/るろお 角川スニーカー文庫

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Kindle B☆W

異世界へのアンチテーゼ――その序章。

異世界召喚された高校生ユウヤは、お客様気分も束の間、魔術が使えず、魔導学院で落ちこぼれる。やさぐれて寮費も滞納し、学院長命令で世界を救ってくれる『天使の転生者』を捜すことに。だが天使候補のお姫様は重度の中二病で!? 意外に意気投合するユウヤだったが、やがて世界を救う方法が彼女の殺害だと知り――!? 悪知恵と策略で魔術を破り、腐った世界をぶち壊す!
落ちこぼれ召喚者の異世界・破壊録!
わはははは、これは酷い、ってか酷いww
これもうセラに尽きるでしょう。口では厳しいことを言いながらもいざ迫られねだられ頼られるとついつい押し切られてしまう生粋の堕メンズウォーカー。わりと本気でクズいダメ男なユウヤに振り回され怒り散らしながらも、全然見捨てられず教育係という体のまま実質養育係になってしまってるセラさん。自分がお小遣いあげているのに、そのお小遣いからプレゼント貰ったらめっちゃ喜んでしまうセラさん。多分、ユウヤが退校になって行き場なくしてしまったら自分の部屋で無職ニートを養ってしまうだろうダメ人間属性のセラさん。

その年齢12歳!!

いやうん、この手のヒモ男をついつい甘やかしてしまう女性キャラっているけれど、まだ僅か十二歳という幼い年齢でここまで立派にダメ人間属性を開花させてしまっている子ははじめてみましたよ。つまるところ、このセラさん、12歳にして天才魔術師としてダメ男一人を養えるくらい立派に自立した女性をやっているという事なんですけれど、この幼くして大人顔負けの自立性を有しているという部分を全力でダメ男を甘やかすことに費やしてしまってるあたり、本気で将来が心配です。というか、12才の時点でダメ男に人生尽くしてしまうことになってしまうんだろうなあ、と決まっちゃってる幼女って……。
ちっちゃい子が「大きくなったらお嫁さんにしてやるよ」と言われて無邪気に喜ぶシチュエーションって、普通ならこう微笑ましいものですけれど、これが私生活から何から全部面倒見てもらってる生活力も皆無で性格も結構クズくてやればできるけれどやらないクズ男に同じこと言われて、表向き憎まれ口叩きながらも裏ではめっちゃ喜んでしまっている幼女、というのは同じシチュエーションでも実体が全然違うような……。
うん、これがまだダメ男一人だけならセラの苦労も一人分、というところだったのかもしれませんが、まあそれだけでなんかこう人生世知辛いものを感じてしまうのだけれど、まあ本人が幸せならいいのかなあ、と遠い目になってしまうシチュエーションなのですけれど、これにさらに重度の中二病に感染した、生活能力皆無で性格もポンコツ極まる王女さまが加わったら、これもう二人のダメ人間の人生をセラが一人で養っていく、という凄まじい構図に……。二人共、セラに面倒見てもらう気満々ですし。良い歳した男女が揃って12歳幼女に養ってもらう気満々なんですけど!
ある意味、これはセラのハーレムと言える三角関係なんですけどなんだろうこれ、本当になんだろう。いやでも、セラ悲鳴あげながらも生粋のダメ人間甘やかし属性である以上、ダメ人間二人抱える人生ってもしかして本望なんだろうか。12歳にして本望を得てしまう幼女。しかし、良識とかが邪魔して苦悩する幼女。大人の階段、駆け上がってるなあ、この娘。

本編のストーリーの方は、何も成し遂げられないまま無気力となりセラにお世話されながらダメ人間道をひた走るはめになっていた男が、そんな底辺に堕ちた自分よりも弱くダメダメなヒロインが見回された世界の平和のためには誰もが正しいと言って強いる理不尽な境遇を目の当たりにしたことで、「世界の正しさ」に反逆し、自分よりも弱い者の味方として立ち上がる、という非常に燃える叛逆の物語なんだけれど、ソレ以上にダメ人間同士意気投合して腕組んでステップしてやりたい放題しているユウヤとクローディアのダメっ子コンビに振り回されるセラ(12歳)の構図が面白すぎて、セラさん(12歳)のチョロすぎさが素晴らしすぎる、でも、ただ振り回されるだけじゃなくて、本当にユウヤが暴走して世界を滅ぼすようなことになったら、世界を護るためじゃなくてユウヤの心が壊れないように彼を殺して自分も死ぬつもりだったり、最終決戦の前には一緒に死んだげる宣言までしてしまってるくらい、12歳のくせに重い女の愛を自在に振りかざしているわけで。さすがです、セラさん、としか言えないすげえ幼女である、とかくセラに尽きる新シリーズでした。

永菜葉一作品感想

機巧少女は傷つかない 14.Facing "Violet Silver"3   

機巧少女は傷つかない14 Facing

【機巧少女は傷つかない 14.Facing "Violet Silver"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。夜会終了まで、あと二日。約束通り要石を得た雷真は更なる賭けに打って出る。「魔女二人を倒す。それであいつらを救ってやれる」許嫁の日輪とブリュー姉妹を結社の支配から解放すべく、危険な反攻作戦が始まった。だが、魔女の策略は雷真の予測を超え、アリスさえ想定しない大誤算が待ち受けていたのだ…。かくて“予見の子”候補を欠いた学院に、“精霊女王”アンリと最強最大の“神話級”自動人形リヴァイアサンの暴威が襲いかかる―。シンフォニック学園バトルアクション!
これは……後々振り返ってみても致命的、とすら言える大誤算だったんだよなあ。これさえなければ、雷真とアリスの最強コンビによって魔女の戦列はズタズタに切り裂かれていた可能性がかなり高い。それだけ、雷真の定める方針の激烈さとそれを現実のものとして叶えるアリスの作戦立案実行能力の組み合わせが尋常ならざるものなのだけれど、それをあの想定外の一事が根こそぎ潰してしまったのだから。
お陰で、前衛切り込みにして真打ちたる雷真と雪月花と、後衛軍師たるアリスとその手足である執事のシン、そして切り札の中の切り札である魔王グリゼルダが、まとめて非戦力化されてしまうという事態に。
いや、ガチで主人公抜きですよ。この主人公含めたメンバー抜きで魔女と真正面からやりあう羽目に。
この作品の構造が主人公を頂点としたピラミッド型の人間関係でもって構成されていたのなら、こんな無茶は出来ないでしょうね。しかし、この機巧少女は傷つかないは仲間という関係を明確な組織やチームという枠組みで括らず、個々を自由な立場に置きながら、その場その場の個々の判断で好き勝手に動くに任せる、という独立した単位で放置しており、だからこそ場合によっては容易に敵に回ったり、居てほしい時に居なかったり、とまとまりに欠けるのだけれど、逆に言うと誰かが抜けても致命的にはならない、とも言えるんですよね。
更に言うと、こうした独立単位として動く連中をいざという時一つにまとめる事のできる求心力の持ち主が、最近雷真以外にもう一人、急成長で生まれつつあったわけで。
今回の後半の対銀薔薇グローリア戦は、まさにシャルロット・ブリューが主人公であり皆の中心である集団決戦でありました。あの【暴竜】と恐れられ、友達居なくて出来なくて半泣きだったボッチ少女が、生徒たち皆に認められ、信頼を寄せられ、親愛を向けられ、皆の中心となり妹アンリを傀儡として襲い来る銀薔薇の暴虐に立ち向かう。雷真が居ない中で、見事に主人公してましたよ。結果的に、雷真たち抜きで魔女の一角を打ち倒したわけですし。
そうして独り立ちしてしまった分、結構マメにヒロインしているアリスやグリゼルダ先生にもヒロインとして若干置き去りにされてるような気もしてきましたが。
雷真のナチュラル口説きが酷いのもあるのですけれど、アリスのデレっぷりは彼女闇に潜るケースが多くて中々出番少ない分、かなり強烈なんですよねえ。

さて、ついにマグナスもその仮面を脱いで最初から全く隠していなかった正体を明らかにし、シリーズも残り2巻との予告。しかし、まだまだ黒幕たちの真意も細かいところまで明らかにならず、日輪の意図も不明のまま。果たして後2巻で片がつくのか。後書きであと2巻と言いつつ、自分で終わるのかと疑問形が混じっているあたり、こりゃあ片付かんだろうなあ、きっと。

シリーズ感想

メイデーア魔王転生記 俺たちの魔王はこれからだ。 23   

メイデーア魔王転生記 (2) ―俺たちの魔王はこれからだ。― (富士見ファンタジア文庫)

【メイデーア魔王転生記 俺たちの魔王はこれからだ。 2】 かっぱ同盟/るろお 富士見ファンタジア文庫

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かつて異世界メイデーアに恐怖をまき散らした最強の三魔王―トール、マキア、ユリシス。二千年の時を経て、故郷に舞い戻った彼らは、今は王都に滞在していた。前世での悲劇的な結末から、かつての妻である緑の巫女と距離を置こうとするユリシス。そのことで落ち込む彼女のため、二人の仲を取り持とうとマキアは決意する。一方トールは、王都を騒がす謎の連続殺人鬼エスカの捜査に追われていた。現場に残された手紙から、エスカの狙いが三魔王だと推測した彼は、マキアを守るため駆け回るが…。過去と立ち向かう、魔王たちのリベンジファンタジー!
エスカ、その外見はどう見ても怪人じゃないかw 特に歯並びのギザギザっぷりが。
外見も言動も、これは誤解されても仕方ないだろうという振る舞いなのですけれど、むしろ彼の場合は他人からどう見られても構わない、という考えのもとに動いているから些か質が悪い。ただ、そういう人だと理解が及べばわかりやすい人でもあるんですけどね。 聖灰の大司教としての過去生を知っていると、今の彼の生き方はなかなか感慨深くもあるのですが、それが語られるのはかなり先だろうからなあ。
生まれ変わっても、同じ人を好きになって一緒になりたいですか?
前世からの運命というと、どこか束縛や檻、決められて違う道を選ぶことが出来ない、などどこか窮屈な、縛られているような閉塞感を感じてしまうものなのですが、この作品における転生や前世からの絆というのは、どこかゆりかごのように柔らかく暖かく感じられるものなんですよね。
かつて、前世において白の賢者と緑の巫女として結ばれたユリシスとペルセリス。息子であるシュマにも恵まれ、幸せだった彼らの前世は、ですが白賢者が勇者に殺された事により悲劇といって差し支えない顛末を迎えてしまいます。
哀しみと苦しみによって彩られた記憶。ユリシスとペルセリスが再び結ばれるということは、もう一度あの時の悲嘆を、絶望を味わうという事でもあり、ユリシスとしては彼女を愛しているからこそ余計に彼女と結ばれる事を願うのを躊躇われてしまう状況だったわけですけれど……。
純真無垢な幼い少女なれど、愛は強し、女は強し、なんでしょうか。魔王クラスの中でも特に達観と老成しているユリシスを包み込むほどの、ペルセリスの愛は大きく深いものでした。むしろ、変に妖艶だったりするよりも、幼妻強し! というべきか。幼妻! 幼妻!!
ただ、ユリシスとペルセリスの過去生を知ることで、より深い衝撃と傷を負ってしまったのは、過去生の記憶を取り戻したペルセリスではなく、マキアの方だったりするんですよね。紅魔女の犯した大罪、それは後々に至るまでマキアを縛り付け、苦しめ、彼女の行く末に決定的な意味を持つことになるのです。
まあ誰が悪いって、この悲劇の引き金を引いた勇者……ではなく、回りまわってトールが悪いんですけどね。全部トールが悪い! 紅魔女が大罪を犯すことになった要因を、苦しみを、哀しみを、その奈落のような愛の深さを知れば知るほど、トォルゥ、と蹴っ飛ばしたくなりますよ、この野郎。
純真無垢なペルセリスにしても、アッケラカンと天真爛漫なマキアにしても、傲岸不遜なシャトマ姫にしても、その過去生からの愛の持ちよう、深さ、そして収め方、振るい方を知ると、この作者の女の情念の描き方の美しさ、切なさ、柔らかさ、儚さを思い知らされる思いなのですが、この2巻ではその端緒とも言うべきペルセリスのそれと、シュマという絆によって往還する家族愛の胸を締めつけるような熱をじっくり堪能するのでした。
それ以上に、ユリシスとペルセリスの、トールとマキアのイチャイチャっぷりに、胸焼けさせられるのですけどねw

1巻感想


アリストクライシ 3.with you4   

アリストクライシIII with you (ファミ通文庫)

【アリストクライシ 3.with you】 綾里けいし/るろお ファミ通文庫

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辛くはないのか、寂しくないのか――人にも化け物にもなれなくて。

大都市ロミニアでは祭のような喧騒の裏で、少女ばかりを狙う連続殺人鬼「吸血鬼」の噂が流れていた。
エリーゼとグランはそこに『穴蔵の悪魔』の影を見、正体を探るも自分達が「吸血鬼」とされ投獄されてしまった!
脱獄を考える二人の前に現れたのは、義賊を名乗る少女達。
「吸血鬼」討伐で利害の一致したエリーゼは、しばし少女義賊に身を寄せるのだが、この出会いが彼女に絶望をもたらすものとなり――。
儚く哀しい化け物達のダーク・ファンタジー終幕!
打ち切りかぁ。売上の問題と言われると、どうしようもないですもんね。とりあえずは3巻まで続いて、一つの格好をつけられた分、作品としては良かったのですが。というか、あとがきで書かれているほど有耶無耶な感じではなかったですよ。確かに様々な問題や因縁については決着つかずじまいでしたけれど、これがどこまでもエリーゼとグランの二人の物語であったと考えるのなら、何が一番大切なのか、についての結論が出たことで、穏やかな気持ちで幕引きを受け入れられました。たとえこの後、どのような変遷を辿ろうとも、エリーゼとグランがあの気持ちをちゃんと抱いていけるのなら……それこそ悲劇に終わろうと納得出来そうな気がしますから。尤も、この作者の綾里さんは、悲劇と無残と残酷を嗜みながらも、根本的な所で希望を追求し続ける作家さんなので、切なく救いのない終幕というのは無いと思うのですが。実際、3巻でこの作品を完結させるにあたって、そちらの決着は回避してますしね。
それにしても、まだまだこのエリーゼとグランという人にも怪物にもなれない、狭間の中でただ二人だけ、という男女の行く先はもっともっと見ていたかった。決して世界と繋がれず、しかし掛け替えのない相手が傍らに居る中で、永遠に近い時間を彷徨う二人、という切なくも深い愛に浸るようなシチュエーションは昔から大好物でしたから。
でも、エリーゼとグランについては、エリーゼが復讐に取り憑かれ、その心を炎で焼き続けている事が、不可分であるはずの二人の関係が、まだ本当の形と得ていないという点で、まだ過程の揺らぎの段階ではあったんですよね。そして、結末となる今回のお話は、エリーゼにそれを突きつけ、答えを促す話でもありました。
すなわち、かつて彼女のすべてを奪い去った者への復讐の為に、今持ちえているすべてのモノを捨てされるか。復讐の対価として、新たに得た大切なものを捧げられるか。過去の怨念を取るか、今自分にとって一番大切なものを取るか。未だ大切な者を持ちながら、人の大切な者を奪い去れるのか。
かつてすべてを奪い去られた自分が、人からすべてを奪い去る者になるという事実。もし、本当にすべてを奪い去られたままなら、彼女はそのまま心のない怪物に成り果てて楽になれたでしょうに、エリーゼは改めて掛け替えのない大切な者を手に入れてしまっていた。
今まで自分が全身全霊を投げ打ってきた復讐が、今自分を千々に引き裂こうとしている絶望。あのエリーゼの狂乱こそが、そしてその狂気ですら投げ捨てられなかった想いこそが、この物語が至るべき骨子だったのでしょう。狂乱し、絶望し、死に果てた彼女に、グランが注ぎ、捧げ、埋め込んだ誓いであり、呪いであり、祈りこそが、この物語の深く深く溺れそうな美しさの源泉だったのでしょう。
たどり着いた。
「for Elise(エリーゼのために)」
1巻のサブタイトルだったこのフレーズ。グランという心のない怪物が、エリーゼのために、と願い祈り至った答えこそが、この誓いでした、約束でした。
「with you(あなたと共に)」

いつか、このふたりきりの物語の続きが読めることを、切に祈り願います。今は、この雪に覆われていくような静かな、しかしその冷たさのなかで抱きしめられているかのような温かな気持ちに浸っていたい。

1巻 2巻感想

メイデーア魔王転生記 俺たちの魔王はこれからだ。3   

メイデーア魔王転生記 -俺たちの魔王はこれからだ。- (富士見ファンタジア文庫)

【メイデーア魔王転生記 俺たちの魔王はこれからだ。】 かっぱ同盟/るろお 富士見ファンタジア文庫

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二千年前、異世界メイデーアに悪名を轟かせた三人の魔王。勇者に討たれた彼らは、今は日本で高校生活を送っていた。『なぜ我々は勇者に殺されなければならなかったのか』それだけを考え続けていた彼らの前に、あの勇者が現れる!「懺悔は十分に済んだだろう、魔王共。ならば、お前たちのしでかした事が何だったのか、その目で確かめてみるんだな」そうして再び勇者に殺された三人は、戦争前夜のメイデーアへと帰ってきた。かつてを上回る強大な魔力を手にして…。“黒魔王”トール、“紅魔女”マキア、“白賢者”ユリシス。前世の罪を清算するための、最強魔王たちの戦いはこれからだ!
難しいもので、発表媒体が変わるとフォーマットも変わってしまう。そして、それが商業物だったりするとマーケティングが鑑みられてある種の整理整頓が要求されてしまうのです。昨今での一番わかり易い例題が、いわゆる「アニメ化」というやつで、特にライトノベルからアニメ化するものは特にこの傾向があり、1クールという括りの中に収めるために原作となる作品はひたすらその内容を削り落とされることになる。実際のところ、もっと柔軟に対応できる余地はあるはずだし、事実としてそれが出来ていた作品もあったわけだが、まあそれはさておき。
この手の媒体が変わることで整理整頓という形で元の姿を少なからず損なってしまうパターンにおいて、ライトノベルというものは概ね「削り取られる」側だったのだけれど、昨今ちょっと事情が変わってきた。そう、ウェブ小説から書籍化という形式が増えてきた件である。逆に、削り取られる側だったライトノベルが、削る側にも立ち始めたのである。
インターネット上で作者が思うがまま自由に執筆するウェブ小説は、商業的要素が無いが為に一切の制約が存在しない。一話にどれだけの分量を費やしても構わないし、ある一定の領域の中に起承転結を収めなくても構わない。その自由さは往々にして無軌道の巷に散逸してしまうのだけれど、時としてその自由さなればこその「特別」が誕生することもある。
だが、そんなウェブ小説の「自由」さは、書籍化する場合まずもって既存のフォーマットに当てはめるために編集されることになる。
さて、そのプロの洗礼となる「裁断」が吉と出るか凶と出るかは、ケース・バイ・ケースなのだろう。一概に良い悪いとは言えないと思う。見違えるように洗練され、より磨き上げられた形で上場される場合だってあるはずだ。しかし、その一方で元あったものが損なわれてしまう場合も当然存在するだろう。
個人的には、そのケース・バイ・ケースを見極め、フォーマットに拘らず、柔軟に対応することこそ出版側におけるプロのお仕事、だと思うのだけれど、そういう柔軟なお仕事を考える、思う、想像するにとどまらず、まず実行に移し、意見を通し、本当にやってしまえる人はどの業界でも本当に一握りなのでしょうね。
さて、初っ端から随分と話がズレてしまいましたが、本作【俺たちの魔王はこれからだ。】もまた、今もなおインターネット上で連載が続いているウェブ小説であります。上にも記した類型の一つとして、本作もウェブ版からは色々と削られてしまっているのですが、大事な部分、肝心な部分はキッチリしめて残してあるんですよね。なので、決して無茶な再構成がなされているわけではなく、かなりうまくやっている方なんだとは思います。削られている部分も、本筋とはあんまり関係ない部分が殆ど、益体もない日常パートとか、メインの三人とは違う周囲の人の視点のお話とか、地球時代のお話とかで、無駄といえば無駄な部分なんですよね。削ぎ落とすなら、そのあたりなんじゃないかという……。
でも、こうしてそういう本筋から外れたお話であっても、なくなってみるとどうも味気ない。肉付きが薄くなってしまっている。マキア、トール、ユリシスのどこか神秘的ですらある親密で特別な関係が、味気ないものになってしまってるんですよね。こうしてみると、関係無いように見えてなんでもない日常のお話とかが決して無駄ではなく、空気感、雰囲気、キャラクターの深みなんかを醸し出す重要な要素だったんだなあ、というのがわかります。
トールとマキアの再会にしても、むしろ当人たちよりもその初対面のはずの再会を周りから見ていた人の視点からとらえた方が、あの再会シーンがどれだけ神聖にすら思える犯し難いものだったのかが伝わってくるんですよね。マキアの両親にしても、自分の娘への愛情の注ぎ方や、娘にとって特別な存在であるトールへの想いなんかが日常シーンに込められていて、トールの母親への複雑な感情なども含めて、魔王でも地球からの転生者でもない、幼い少年少女としてのトールとマキアとしての生活と人生が日常を通して描かれていたからこそ、あの再び魔王として立つ決心が、これまでの穏やかで愛情に包まれた生活に背を向ける決意が尊いものとして浮かび上がるのに、なんか決戦に至ってもあっさり風味でしたもんね。
ユリシスにしても、彼視点のシーンがだいぶ削られてしまったせいで、ユリシスの王子として生まれた苦労とか、それ故にトールやマキアとの再会をどれだけ渇望していたかが伝わらずに、いきなしぽっと出で現れて、あ、再会出来ました、なんて感じの呆気なさが生じてしまい、なんともむにゃむにゃ。番外編の地球時代のお話も、こうしてみると大事だったんだなあ。
ともあれ、全体的に出汁が入ってない味噌汁みたいな感じでした。なまじ、出汁の入った状態を知っているだけに、物足りなさは否めませんでした。
三人の魔王時代のお話は、これは本当に大事なのでちゃんとやって欲しいなあ。
しかし、この頃のマキアってまだ幼いはずなのに、ウェブ版最新あたりの彼女と比べるとむしろ大人びている気がする。貴族のお嬢様としての教育があれでもまだ生きていたのか。今のウェブ版のマキアってもういろんな方向の箍が外れちゃって、フリーダムも良いところだもんなあ(笑
藤姫は、名前からしてもっと和風のすました感じのイメージだったのですが、なるほどこのデザインはいい意味で予想外だった。シャトマ姫は、過去編から今に至るまで一番気合入った真っ直ぐで情の厚い人生送っている人でめっさ好きなんですけれど、これはアリだな。うん、そしてカノン将軍かっこ良すぎるだろう、これ。トール、これ無理だわ、敵わん。これがイケメンっていうのよ?

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 7 3   

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 7 (GA文庫)

【俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 7】 裕時悠示/るろお GA文庫

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鋭太に別れを告げた真涼。それを知った千和たちの行動は?

【件名】契約解消
【本文】今まで本当にありがとう

ヒメに偽恋人の件がバレて以降、「自演乙」に様々な変化があった。学年トップの座を奪われ、復活を期す鋭太。
そんな鋭太のため料理を覚える千和。中2病の暴走も収まり、一皮向けたヒメ。恋愛脳が絶好調、ひとり大勝利する愛衣。そして鋭太に別れを告げた真涼は、学校を欠席して――。

真涼不在のまま学園祭の季節がやってきた。どうなる「自演乙」!
「真涼、本当にそれでいいのか!?」
「去り際は潔く、よ」

裕時悠示×るろおが贈る、甘修羅らぶ×らぶコメディ第7弾!
この娘は、夏川真涼はいったいなにをやってるんだ!?
 彼女の想像の斜め上を行く行動に、正直あっけにとられてしまった。いやでも、それだけに真涼の必死さを痛感させられる。たとえ自分のものにならなくても、真涼は愛の実在を証明したいのか? 千和と鋭太の間にある絆が真実の愛だからこそ、それを自らの手で成就させることで愛を実感したいのか。それとも、報われなくても与え捧げ尽くす事で自分の中に愛という情が存在することを示したいのか。いずれにしても、真涼には明確な意図はなく、ひたすら衝動に従い、理屈は無意識の底に沈んでいるのだろう。
千和と鋭太が真涼の尽力で結ばれたとして、じゃあ真涼の中には何が残るのだろう。偽物ではない本物の愛を自分の手で守り叶えたという満足を得て、それだけを宝物にして、夏川家に「モノ」として消費され尽くす残りの人生に向かうつもりなのだろうか。
真涼自身は、自分を恋敗れてのちも、恋敵の為に色々と手を差し伸べて困難に見舞われる主人公とメインヒロインのカップルを助けてあげる親友キャラ、みたいなのをイメージしているのかもしれない。だが、傍から見ていて彼女の姿は、ただただ痛ましい。哀しいまでに道化じみている。馬鹿じゃないのか? バカなのだ、そうこの娘は本当にバカなのだ。頭がいいくせに、それを思い切り間違った方向に働かせることしか出来ないバカなのだ。まだヤンデレの方が行動原理がシンプルで明々白々でわかりやすい。
あまりにも、この娘は自分の扱い方が下手くそだ。自分で自分を救う事が、どうしても出来ない娘なのだろう。だからこそ、真涼を救ってやれるのは、彼女を愛してあげる事の出来る人しか居ないのに、その対象者である鋭太は、愛の欺瞞と脆さをトラウマのように抱え込み、信じることが出来ない。
事は多分、本当にシンプルな解答でぜんぶスッキリと収まるものだろうに、鋭太も真涼もその境遇から絶対にその答えの実在を認めることが出来なかったのだ。それでも、真涼は今、自分以外の外側ではあってもそれを認め叶えることに身を粉にし、鋭太もまた絆という別の衣で覆い隠しながらも、その答えを握りしめたまま決して離さず、手元へと手繰り寄せようとしている。
千和は、果たしてそれをどんな想いで見つめているのだろう。
未だに、この変貌した幼馴染の真意だけは読み取れない。
現実を受け入れ、地に足をつけて自分で歩き出したヒメ。現実から必死に目を逸らして幻想にしがみつく愛。この二人、そして諦めたと言い聞かせている真涼とくらべても、千和が何を考えているのかがわからない。変わらず、鋭太への愛情を示し続けながら、どこか鋭太から離れていっているような彼女。結局のところ、すべては千和の動向が握っているのかもしれない。

いずれにしても、早晩愛ちゃんは引導を渡されてしまいそうだ。道化といえば、彼女が一番道化なのだろう。薄々、それを実感しながらも必死に見ないふりをして耳をふさぎ、幸せいっぱいのふりをしている愛ちゃんの姿は、どこかもうボロボロだ。自業自得なんだけれど、本物の鋭太を無視して自分の創りだした鋭太の幻想と踊っている彼女は、痛々しく痛ましい。千和の、眼中にない宣言が胸を詰まらせる。
もう彼女については、むしろはやくトドメを刺してあげて欲しいよ。

さて、巻末収録の短編では、真涼の妹である中学生、マナと性別不詳の謎の存在であるカオルとの出会いと交流が描かれている。カオルの正体については、この短編を通じてむしろ謎が深まる、というかかなりややこしい事になっていることが伺えるのだけれど、とりあえずマナとカオルの間にフラグらしきものが立ったのは、良かったと思うべきなんだろうか。鋭太の方がいっぱいいっぱいな以上、苦悩するカオルに道を拓いてあげるのはマナでもいいと思うんだ。

シリーズ感想

機巧少女は傷つかない 13.Facing "Elder Empress"4   

機巧少女は傷つかない13 Facing

【機巧少女は傷つかない 13.Facing "Elder Empress"】 海冬レイジ/るろお  MF文庫J

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機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。硝子奪還から五日。夜々を労りながらも夜会の再開を待つ雷真に、神性機巧に関わる秘宝“要石”を奪還せよ、との学院長の密命がくだる。急ぎ捜索を始める雷真だが、硝子、さらには夜会を競う相手“女帝”ソーネチカまでもが襲撃され、状況は錯綜。一方、夜会は最終幕に突入。ロキを含めた残りの手袋持ちは薔薇の陰謀に巻き込まれ、戦いは観客の予想しなかった方向へ…!?シンフォニック学園バトルアクション!
なるほど、ここで雷真に魔王になるための明確な動機が与えられたわけか。これまでは、どうしても復讐の為夜会を利用している、という建前に終始していましたからね。ロキの言うように、夜会とはまた別の場でマグナスに襲撃を掛けてもぶっちゃけ何の問題もないんだから。だから、夜会も終盤に来て仲間と相争う事となった時に、雷真には戦うための動機がなくなっちゃう所ではあったんですね。それを、夜々を助けるために魔王の座を勝ち取らなくてはならなくなった以上、引き下がる理由もなくなったわけだ。
しかし、ロキってば場外戦でマグナスと戦うなら、自分たちも協力出来るって、自分も雷真の事助ける気満々じゃないか(笑
ともあれ、夜々は前回なんとか助けられたものの、結局これは一時的な復活に過ぎず、このままなら生命を消耗して早晩力尽きてしまう。勿論、戦闘など行ってしまえば消耗は加速度的に早くなる。と言うことなので、必然的に雷真は夜々を戦闘に参加させることを極力避けるようになってきてしまったわけで、夜々自身が憤っているように雷真がどうも何をするにしても消極的になってるんですね。仲間と戦わなければならない、という事もあるんだけれど、とにかく夜々を戦闘に巻き込むまいとする為に、せっかく雪月花揃って運用出来るようになったのに、それを活かす事が出来ないまま状況は推移してしまう。仕方ないといえば仕方ないのですが。
しかも、薔薇たちの介入によって、これまで助けあってきた仲間同士で問答無用で争うことに。お陰で、何故か雷真、ソーネチカと組むはめに。正直、このお姫様はこの段階で本格的に絡むには遅すぎると痛感させられる勿体ないキャラなんだよなあ。まあ、これだけの魅力的なキャラをこの段階まで引っ張れる、というのはそれだけキャラの豊富さを証明しているのかもしれないけれど。彼女とフレイのタイマンは、この巻でも見所の一戦でした。ってか、ロキがついにお姉ちゃんにデレましたよ!? いや、最初からデレてたけれどさ、あれだけハッキリとフレイを褒めたの初めてだったからなあ。思わずウルウルっとなってしまった。
ある意味、全力を尽くして満足して退場したフレイですけれど、一方で日輪の方はそうすんなりと行かない模様で。正直、人形繰りという観点を抜きにして純粋に魔術の力量としてみると、日輪ってガチンコで人外魔境の領域なんですよね。今回の夜会でも、一人だけ別次元で戦っていたような。それでも、ソーネチカの機転と秘密によって虚を突かれて負けてしまったのですけれど。これは夜会ならではの敗北であって、抜け道みたいなものでしたし……彼女、それ以上に問題抱えてたみたいだし。これ、紫薔薇って日本人である以上、絶対あの人だよね。
結局、この段階まで勝ち残ったのは、雷真、ロキ、シャルと三人に絞られたわけだ。シャル、ちゃんと残れたんなあ。一番成長したのは、というと雷真を除くとこのシャルロットだったように思う。魔術の腕前もさることながら、何よりメンタル面が一本筋が通ったと言う感じで。彼女だけは、ヒロインの枠を越えて雷真と同じステージ、主人公のように生き、主人公のように戦うという主役としての舞台に立ち始めたんじゃないだろうか。その意味でも、シャルには大いに期待してる。
逆に、圧倒的にヒロイン的な空気をまといはじめたのが、前回見事に雷真に陥落させられた硝子さんである。雷真だけにデレたんじゃなくて、今まで頑なに鎧ってきたものから解き放たれて、誰に対しても柔らかく接するようになったんですよね、彼女。凄く素直に、率直に話すようになったし、なんか見てて今までと違う意味でドキドキしてしまう美人さんになったような気がする。さすがは雪月花の生みの親だけあってか、この人って尽くすタイプだよね。
そして、今回本当に出番少なかったのに、その少ない出番でものすごいインパクトを残して、色々持っていったのがグリゼルダ師匠。
師匠、ちょっとぶっ放しすぎだ、あんたw マジで結婚するつもりだぞ、この人。ある意味、夜々より突き抜けてないか。個人的にはグリゼルダ師匠ほんと好きなので、雷真、おまえ貰われろw
で、今回アリスどこ行った!? こういう時に一番頼りになる彼女が全然音信不通だったことが、混乱に拍車をかけた要因の一つだった気がする。またぞろ、何か下ごしらえしている、と思っていいんだろうか。彼女が居ると居ないとでは、安心感が違うんですよね。敵がどれほど狡猾であっても、彼女さえ手配りしてくれていれば何とかなる気がするんだけれど、逆に今回みたいにアリスがいないと全く良いように敵に翻弄されている気にさせられてしまう。それだけ、アリスの存在感が大きくなってしまっている、とも言えるんだけれど。
ともあれ、夜会もついに本当のクライマックス。まだ日輪編など残していそうだけれど、最終局面に近づいてきたという感触にビリビリと痺れるものがありますなあ。

シリーズ感想

ムシウタ 14.夢謳う虫たち(上) 3   

ムシウタ    14.夢謳う虫たち(上) (角川スニーカー文庫)

【ムシウタ 14.夢謳う虫たち(上)】 岩井恭平/るろお 角川スニーカー文庫

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超種一号“C”の圧倒的な力に対抗すべく、2枚の切り札が動き出す。死から蘇った虫憑きたちの守護者“レイディー・バード”こと立花利菜。始源の虫憑き“α”の謎に迫る“炎の魔人”ことハルキヨ。だが二人の前に立ちふさがったのは、“ふゆほたる”によって欠落者とされたはずの“かっこう”だった!?最強の一号指定が結集し“始まりの三匹”を倒す―アリスの夢の続き、そして虫憑きたちの最後の希望は潰えてしまうのか?
不思議なことだけれど、ハルキヨって本人視点で描かれている時と他人から見た時とは全然違うんだよなあ。本人の素は、とてもシンプルで変に難しいことも考えていないしややこしい思惑も何も持っていないのだけれど、外から見ると異様に怪しくて何を考えているかわからなくて、とにかく信用しづらい胡散臭さがついて離れない。以前に一度、ハルキヨ視点を経由していたから彼に対する見方が変わるかと思ったんだけれど、いざまた別の人間の視点になると、ハルキヨの怪しさたるやぶっちぎりで、やっぱりこいつナニカ良からぬことを企んでるんじゃないか、と否応なく疑ってしまうんですよね。彼が、何故か他の人が知らないような虫憑きや一連の出来事の真相など、確信に近い情報を沢山握っているのも、その信用しづらさに拍車を掛けているのだろう。ハルキヨに言わせると、勝手に向こうから情報が集まってきているだけで、自分から何をするでも求めているわけでもない、そうなんだが、その言い分って必死こいて生命すらかけて真相を追いかけているようなやつからすると、ムキーーッ!てなもんでしょう。ハルキヨからすると、迷惑千万なんだろうけどさ。
結局のところ、ハルキヨの本質を過たずに見抜いていた人物というのは本当に少なくて、その希少な中でも特筆すべき人だったのが、彼女……眠り姫こと一之黒亜梨子だったんでしょうなあ。だからこそ、ハルキヨの側でも彼女にこだわり、真の自分を捉えている彼女にこそ、自分を殺して欲しいという気持ちがあったのでしょう。先のアリス救出戦では、もう見放したみたいな事言ってましたけれど、もう本当に興味なくしちゃったのかと心配しましたけれど、どうやらまだまだ未練タラタラなご様子で。こいつもシンプルなわりに、いやシンプルだからこそが曲がって面倒くさいやつだなあ。
対して、レイディーバード・立花利菜の方であるけれど、こっちはもうかわいそうなんてもんじゃないでしょう。周りからすると、あのレイディー・バードが復活というのは感動的ですらあるんだけれど、当人からすると死者に鞭打たれたようなものじゃないですか、これ。蘇ったとはいえ、その身はミミックのもので果たして自分が利菜なのかミミックなのかも曖昧で、生き返ってやることといえば死ぬ前と変わらない一号指定として戦え、というもの。虫憑きたちを守りたいという想いを失っているわけじゃないけれど、彼女はそれを無念として、未練として死んだわけじゃないんですよね。それを無理やり叩き起こされて、自己定義すら曖昧なままなお強いられるというのは……。さらには、莉奈という個人としてみても、起きてみればかっこうは欠落しちゃってるし、その「かっこう=大助」という衝撃は残ったままで、さらには彼女が心惹かれた大助という少年は、ふゆほたるに夢中なままで、トドメにアリスなんて最終兵器まで再出してきて、結局のところ自分なんてものは彼女たちと比べて番外であることは変わらないというのを、蘇って突きつけられて。わりとこれ、生き地獄である。莉奈からすると、溜まったもんじゃない。それでも、全部放り出してしまえず、全部背負ってしまうのがこの立花利菜という少女の死んでも変わらぬ背骨そのもので、なんかもう心身ともにボロボロになりながらも、何も見捨てず、かつてあの夜に見捨ててしまったものまでもう一度背負い直して、立花利菜をもう一度はじめようとする彼女は、やっぱり一等カッコ良い女でした。

しかしこうなると、一号指定全員、一度どん底に落ちてから、こうしてもう一度這い上がっていく形になるのか。
ふゆほたると槍使い。真実を知り絶望してしまった彼女と未だ目覚めぬ最後の要。やっぱり、このメンツを表からガバっとまとめられるのはアリスしかいないと思うので、彼女の本当の意味での復活は心待ちにしてしまうなあ。まさかもう一度、摩理が出てくるとは思わなかったけれど。
一方で、実は一番の要となりそうなチャミ陣営は、相変わらず片っ端から何もかも上手いこと行ってないんだけれど、そのくせ一番肝心なところはずっと掴んで離していないのは此処に至っても変わっていないようなので、ここの動きが最後の鍵になると思うんだけれどなあ。

さて、次はまた何年後かしら……せめて半年くらいでお願いします。

シリーズ感想

アリストクライシ 2.Dear Queen3   

アリストクライシII Dear Queen (ファミ通文庫)

【アリストクライシ 2.Dear Queen】 綾里けいし/るろお ファミ通文庫

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滅んだ村の終わらない戦争は続く――

「黒森に近づく人間は姿を消す」その噂に『穴蔵の悪魔』の気配を感じたエリーゼとグランは、
黒森の中にあるという廃村を目指していた。
そこで出会ったのは明るく居丈高な少女・アリシア。
エリーゼの忠告で逃げだそうとした彼女を、突如として現れた巨大な鎧が連れ去った。
鎧を追い『領地』へ侵入した2人が見たのは、
傷は治され死も終りも訪れない、永遠に続く『戦争』を行う人間達だった――。
儚く哀しい化け物たちのダーク・ファンタジー第2幕!
第一巻がどうしようもなく「人間」である化物たちの話であったとしたなら、この2巻は人間はどこまで「人間」で在れるかが試されている、人の業に纏わる話でした。
永遠に戦い続けることを強要される、というとヴァルハラなんかを思い起こさせてちょっとカッコいいと思ってしまうかもしれませんが、ここで行われている戦争と、人間たちが置かれた環境は栄光も勇気も存在しない、ただ怠惰に傷つけあうだけの腐臭のする腐れ果てた地獄でした。そんな中で人間たちは自ら考えることをやめ、獣のように落ちぶれて、醜いエゴを剥き出しにして暗い眼差して他者を踏みにじっていくのです。彼らを、この退廃に溺れた家畜たちを果たして人間と呼んでいいものか。彼らを人間として認めてよいものか。
自らを化け物と認めながら、それでも人の心を他持ち続けようとしているエリーゼとグランの前にぶちまけられた、あまりにも浅ましい人の業。まったく、悪趣味な話じゃないですか。
彼ら自身の力ではどうにもならない環境に置かれ、腐ることを強いられたのですから、同情の余地はあるのでしょうけれど、それでも彼らの澱みきった言動は見るに耐えれるものではなく、そもそもこの「領地」が誕生した原因を知ってしまうと、その同情の余地すら果たして保ち続けられるか……。
しかし、こんな澱み腐りきった環境の中でも、心を喪い飼われた人畜と化す人々の中でも、人としての尊厳を保ち続けよう。戦って、この世界を抜けだそうとしている人がいることに、自分でも思っていた以上に救いを感じ……それがより大きな理不尽に踏みにじられていく様に、さらなる絶望を味わわされるのです。

こんな、救いのない話があるものか……そう思っていたはずなのに。

とある男性の、最後の想いを目の当たりにした時に、「ああ、この人は報われたんだ」、そう感じてしまった事が、我に返ってひたすらに悲しかった。こんな結末を迎えてしまった人が、こんなに報われ救われたんだ、と安堵してしまった、それがただただ悲しい。
もっと、もっと報われてよかったのに。もっと救われてよかったのに。もっと良い世界を、素晴らしい時間を、人らしい幸せを、心を、愛情を、手に入れる事だって出来ただろうに。この人にとっては、これで本当に満足だった、という事実が「良かった」と思うと同時に、痛切なまでに哀れだったのだ。
こんなにも相反する感情で胸が一杯になってしまったことは、あまり記憶に無い経験だ。グルグルと渦巻いて溢れそうになる言葉にならない複雑な想いに、ため息が漏れる。
辛く苦しく、重たい世界だ。そう思うよりほかない。
そんな残酷で無慈悲な世界で、必死にあがいているエリーゼとグランの前に現れたのは、純粋無垢な悪意。邪気のない邪悪。
愛を知らない、天使のような悪魔だ。
よりにもよってこんなものを寄越すだなんて、あの存在のおぞましいまでの粘性の悪意の凄まじさを、狂気然とした好意の異様さを思い知らされる。
エリーゼもグランも、お互いを離さないで欲しい。こんな悪意にさらされて、とても一人じゃ耐えられそうにないだけに、余計にそう思う。二人のお互いをおもう強さだけが拠り所だと、改めて思い縋る顛末でした。
願わくば、グランに似た彼のあまりにも哀しい救いは、グランとエリーゼには与えられないように。二人には本当の報いと幸せを、手に入れて欲しい。

1巻感想

機巧少女は傷つかない 12.Facing "Master's Doll"5   

機巧少女は傷つかない12 Facing

【機巧少女は傷つかない 12.Facing "Master's Doll"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。日輪の手で一命を取り留めた雷真だが、目覚めた時夜々の命の刻限は過ぎており―「夜々はどうなった!?」「申し訳ありません。わたくし…夜々さんを…っ」一方、学院では王妃グローリアが新学院長に就任。学院は英国に掌握され、アスラを魔王にする謀略が動き出す。そんな中、姉を殺され復讐の念に駆られたロキは、一人反撃の機会をうかがっていた…!秘められし硝子の過去が明かされるとき、乙女たちは雪月花誕生の『意味』を知る―!シンフォニック学園バトルアクション!
なんてこった、凄いぞ雷真。本来ならどうやったって攻略対象外だと思われていたあの硝子さんを、ガチンコの正面突破で攻略してしまいおった!!
いやこれ、皮肉じゃなく大したものですよ。最初期から登場していたキャラクターにもかかわらず、硝子さんという人は得体が知れない上に何を考えているかわからず、そもそも敵か味方かすらも窺い知れない、手の届かないステージに立っている人でした。その立ち位置はほんの最近まで変わらず、この所になってようやく彼女が本心から雷真に力を貸してくれている、というのがわかってきたくらいでして、そのわかったつもりになっていた真意すらも、彼女が薔薇側に与してしまったことで果たしてどこまで信じられるかわからない状態になってしまっていたのでした。つまるところ、花柳齋硝子という人はヒロインではなく、キンバリー先生や雲雀師匠と同じく、あくまで雷真たち主人公サイドの少年少女たちの先達であり、庇護者であり支援者であり、また黒幕でもあり、上位から手を差し伸べてくる側のキャラクターだったわけです。
それは、硝子さんが窮地に陥り、いつも助ける側だった雷真たちに逆に助けられる展開になったとしても、壁をひとつ隔てた側の存在であることは揺るがない、とそう思ってたのですよね。
ところが雷真の野郎、そりゃもう一途としか言いようのないくらいのなりふり構わぬ正面突破で、硝子さんの危機と絶望を粉砕した挙句、無造作に抱きしめるようにして彼女を助けてしまったのです。過去から引きずっていた憂い、心の傷すらも塗りつぶす、その男子としてのなさりようは、硝子さんに、あの硝子さんに女としてのトキメキを芽生えさせてしまったのでした。もう、驚愕ですよ、あの硝子さんが、デレましたよ!!
勿論、花柳齋たるもの、あのチョロいグリゼルダ先生みたいな有り様にはならず、早々にヒロインとして登極した場所からすぐさまに立つ瀬を退かせましたけれど、硝子さんをあそこまでデレさせたというのは快挙と行ってもいいんじゃないでしょうか。赤羽雷真、侮れぬ主人公だと改めて思いました。
ただ、硝子さんの誘惑に取り込まれそうになったときに思い出してしまった相手が夜々と日輪とシャルしかいなかった件については抗議したい。アリスやフレイはまあ仕方ないとして、グリゼルダ先生は思い出してあげてください。先生、わりとガチで結婚前提のつもりなのでw
そのグリゼルダ先生は、今回の総力戦でも切り札としての役割を遺憾なく発揮。ほんとにこの人、最大最強戦力として出し惜しみなしで毎回活躍してるよなあ。此処ぞという時にいつも現れて、生半敵わなさそうな敵を派手にぶっ飛ばしてくれるもんだから、師匠キャラじゃなくてヒーローキャラじゃないのか、と思ってしまうくらい。

一方で、硝子さんを追いかけて学園を出て行ってしまった雷真の代わりに、動乱の学園で紛うことなく主人公をやってのけたのは、毎度おなじみロキさんでした。こいつ、最近本気でライバルキャラを脱却して、主人公枠のっとり始めたぞw 
いや、ケルビムに変わる新たな相棒を手に入れ、単身軍勢によって厳戒態勢に入っている敵地に飛び込んで仲間たちのピンチに救援に入り、はからずも敵陣営に与することになってしまった友人とタイマンで殴りあった挙句にその信念を讃えつつ道を正して説得し、ついには勝利と友情をつかみとるというどこをどう見ても主人公な活躍を見せる始末。あかん、本気でカッコ良かったぞ、ロキ。アスラとの友情バトルとその結末には手放しで熱くなってしまいました。あの殺伐としていたロキが、アスラにあんなセリフを言って手を差し伸べるようになるなんてなあ。あの最後のシーンは本気で感動してしまったぞ。

前にも増して仲間も増えての総力戦。アリスがバックについて謀略めぐらしてくれた時の安心感は、行き当たりばったりの時と比べて全然安心度が違いますねえ。調子乗ってる王妃グローリアがどれだけ大物っぽく振る舞おうとも、アリスが何か画策しているのがわかっている以上、知らずに踊らされている道化に見えてしまう不思議。決してグローリア、そこまで雑魚じゃないんだけれど、エドマンドと比べるとどうしても俗人すぎて浮ついて見えたんだよなあ。そして、味方になっても全然パワーダウンしないアリスの策謀家としての辣腕が上すぎました。これでアリス、作戦の内容が悪辣ではなく、幾重にも多段式かつ重複式に効果が出るように練り上げてはいるものの、敵だった頃と違って仲間たちを信用しきった策だったりするので、見ていても気持ちいいったらありゃしない。特に、敵が読みきったと思った更に上をいき、裏をかき、ピタリと策がハマった時の痛快さたるや。
前々からそうなんだけれど、以心伝心というかこの雷真たちの事前に相談も何もしないくせに仲間同士がどう動くかを読みきって、或いは信じ切って打って出る逆転劇は、危なっかしいんだけれどやっぱり勢いがあります。でも、アリスまでそれに乗っかって作戦立案するとはなあ。いや、アリス味方になったぐらいからその傾向はありましたけれど、今回はその仲間たちがどう動くかを織り込んだ上での作戦は芸術的ですらありました。粋を極めましたわねえ、このあたり。

そして、順調に友達いっぱい計画が進行しているシャルロット(笑
この間の日輪と友達になったときもそうでしたけれど、今回の双子とのそれといい、友達ができれば出来るほどどれだけボッチだったんだ、と泣けてきてしまう友達慣れしていないチョロさはなんともはや(苦笑
シグムントも友だちをつくるのがうまくなったなあ、なんて変な褒め方しないであげてください。前までどれだけ惨憺たる有り様だったかが見えてきそうじゃないですかw

むむむ、それにしても凄い盛り上がりだった。この所総力戦続きだけれど、この出し惜しみのなさは大したもので、そこにそれぞれの成長分と新たな人間関係の進捗が加わるので、同じ総力戦でもどんどんパワーアップしているのが見て取れる。おお、面白いよ、面白かったよ!!
雪月花の秘密も明らかになり、エドマンドにマグナスの動向もようやく手の届く所に来た感じで、そろそろ本当にクライマックス突入か。これでまだ、雷真や夜々たちと、シャルやロキたちが別行動、という状態が続いているのだから、これが合流してしまったらどうなるのか。どうやら、夜会も残ったメンバーでタイマン、という形になってきそうでちょっと趣も変わりそうだけれど、面白さも極まってきた感じで次も楽しみです。

シリーズ感想

機巧少女は傷つかない 11.Facing "Doll's Master"3   

機巧少女は傷つかない11 Facing

【機巧少女は傷つかない 11.Facing "Doll's Master"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。結社の大幹部〈金薔薇〉の魔女アストリッドによる学院襲撃を退けた雷真達。だが、その代償はあまりにも大きく、夜々の金剛力の魔術回路が消失、重篤の危機に陥った。夜々を修復できるのは、作り手たる花柳斎硝子だけ。しかし、肝心の硝子は行方不明。一方、度重なる不祥事で学院の権威は失墜。各国から夜会のやり直しの声が上がり始め、遂に英国が機巧師団を学院に差し向ける! 迫る命の刻限、猶予はわずか一昼夜。雷真は一縷の望みをかけ帝都を目指すが――。シンフォニック学園バトルアクション!
夜々が居ないと静かだなあ。
いやあ、何かにつけてヤンデレリアクションで飛び込んでくる夜々が居ないものですから、雷真が何をしてても反応がないのでややもの寂しい感じに……って、毒されてる毒されてる。これが普通です、これが普通です。でも、十巻もの蓄積はなかなか拭い去れないものでして、それだけ雷真と夜々のコンビはいつも一緒だったのだなあ、と今更ながらに実感したり。この機会に、雷真も他の女の子と交流を深めればいいのに、と言いたいところなのだけれど、さすがに夜々がこんな状態ではそんなことをしている場合ではなく、それ以前に英国軍が学園に進駐してきた上に、生徒同士で二派にわかれて構想が勃発と、内憂外患が一気に吹き出して大混乱、シャルをはじめとした面々もそれぞれが居る場所で戦わざるを得ず、雷真と接触すらままならない状態。まあ、雷真自身が学園の外に出てしまっていた、というのもあるんでしょうけれど。総力戦だった前回とは違って、今回は完全に先の見えない乱戦模様といった感じでした。まさに、一瞬にして様相が変わってしまったなあ。
デレたかと思われた硝子さんも、まさかの薔薇参入に夜々を見捨てる言動の数々。間に挟まれてしまったいろり姉さんが何だか見ていて可哀想で可哀想で。硝子さんにもちゃんと思惑がありそうなんだけれど、傍から見ている分には雷真たち見切っちゃってると言われても仕方ないよなあ。何しろ、雷真の勝手働きはいい加減見過ごせないレベルに達していたし、あれだけ言うことを尽く聞かなければ見捨てられても仕方ない、と雷真自身が自覚していたくらいだし。でも、この中で一番硝子さんを信じまくってるのが雷真なんですよね。なんでこいつ、ここまで硝子さんに懐いてるんだろう、と思うくらい。言うこと聞かない割に、忠犬なんだよな、こいつ。その懐きっぷり、ちょっとでもグリゼルダ師匠に分けてあげてください。このお師匠さまの弟子への献身は見ていて拝みたくなるほど。普通、師匠キャラって距離をおいて高みから見下ろし、時々だけ不承不承手を貸してくれるだけ、みたいな力の行使を惜しむケチが多いというのに、グリゼルダ師匠と来たら登場してからこっち、雷真と伍するんじゃないかというくらいの頻度で戦いっぱなしなんですよね。それも、殆どがピンチに陥った雷真を助けるものばかり。働き過ぎです、お師匠様w その上、ちゃんと師匠キャラとして弟子の実力を訓練や的確な指導で引き伸ばしてるんだから、有能勤勉極まりないですよ。挙句、デレたヒロインキャラとしても十二分に大暴れしているのですから、シャルも天敵のアリスと共闘という展開は燃えたけれど、頑張らないと本気でヒロイン座食われるぞw
今回も、かつての雷真の剣の師匠と、師匠同士のガチンコ勝負。グリゼルダは格上と戦えば戦うほどこの人が「魔王」の一角と伝わってきて、いいなあ。最強キャラという格が全然オチないのが素敵です。
さて、前回華麗に【焼却の魔王】ライコネンをぶった切って鮮烈なデビューを果たした雲雀先生。飄々とした浮雲みたいな掴みどころのない人なのだけれど、その実力はまさに魔王級。魔術師でもないただの剣士なのに魔王級って。彼の、雷真への糾弾はかなり耳の痛いものでした。確かに、雷真は安易に力を求めすぎてるきらいがあるもんなあ。じっくり自分の力を伸ばすのではなく、手っ取り早く強い力が得られる方法に手を出してしまってる。魔術に才が無いと言われて剣に逃げ、しかし魔術に剣で敵わなかったからと剣を極めることもせずに見切りをつけて再び魔術に逃げた。言いようは厳しいですけれど、反論のしようのない糾弾でした。夜々がああなってしまったのも、大半は雷真のせいですからね。これまでの彼の行動のツケが、此処に来て一気に噴き出してきた感すらあります。果たして、ここからどうやって全てを取り戻していけるのか。ちょっと、雷真サイドは行き詰まってるなあ。
行き詰まっているというと、さらりとロキが勝手に行き詰まっちゃってるし!! け、ケルビムーーっ!!
ロキって、何気に友達大事にするタイプだったのか。こいつがアスラと敵対することにあれだけショック受けるとはこっちの方がショックだよ。口も態度も悪いわりに絆されやすいタイプだよなあ、こいつ。ケルビムがああなってしまったのも、さらなる成長フラグだったらいいのだけれど。それよりも心配なのがフレイの方ですけれど。シャルやアリスたちはまだ死んでないとわかるので安心できるのですが、フレイはマジでこれヤバイんじゃね? 直前、物凄い勢いでフラグ立てて、そのままあんなことになってしまって。
いい加減、黄金の薔薇にしてもエドマンドにしてもグローリアにしても図に乗ってて鼻っ柱折ってほしい敵キャラが揃いすぎてるので、こうまとめて「な、なんだとーっ!?」とか「お、おのれ、この私がーーっ!?」などと喚きかせるようなカタルシスのある展開を所望したいなあ。エドマンドはともかくとして、金薔薇も銀薔薇もこのババアたちは調子乗ってて言動がムカつく、実にヤラレ役が映えそうなキャラだけに。

シリーズ感想

アリストクライシ 1. for Elise4   

アリストクライシI for Elise (ファミ通文庫)

【アリストクライシ 1. for Elise】 綾里けいし/るろお ファミ通文庫

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綾里けいし×るろおで紡ぐ、化け物達の物語。

生きたまま埋葬された青年を掘り出したのは、一人の美しい少女だった。心を持たないからと、人間から忌み嫌われ『名前のない化け物』と呼ばれた彼に、少女エリーゼは微笑み手を差しのべ、告げる「私はずっと、貴方を探していたのかもしれませんね」。彼女もまた『穴蔵の悪魔』と呼ばれる別種の化け物だった。だが彼女は、一族を激しく憎み『穴蔵の悪魔』を殺すためだけに生きていた――儚く哀しい化け物達の闘争を描いたダーク・ファンタジー開幕!
閉じた世界が広がる物語もまた素晴らしいけれど、世界に弾かれこの世にただ二人きりという物語もまた、ある種の美しさを秘めている。
拒絶し拒絶され、否定され憎まれ突き放され、自分以外の何物をも喪った者が切に求めた掛け替えの無い相手。人になれず、しかし怪物に堕ちることもなく、故に日の当たる世界に住む事も能わず、闇に沈んだ夜の世界にも背を向けて、その狭間を旅する二人の化け物。他に属する余地がないからこそ、大切なモノをすべて奪われ、置き去りにしてきた二人だからこそ、寄る辺なき二人だからこそ、お互いの存在こそが唯一であり無二。
そんな二人の関係を一言で言い表すのは困難を極める。だけれど、この物語を表すのならばラブストーリーと言わずして何と言うのだろうか。無論、愛の形は様々である。性愛、友愛、親愛、家族愛。その有り様は多岐に渡る。しかし、総じてそれを愛というのならば、エリーゼとグランの関係もまた愛という言葉に集約させられるのではないだろうか。
お互いの存在を求め合い、しかしそれ以外の何も求めず、自らを与えることをただ望む。それをこそ、無償の愛と言うのではないだろうか。

「for Elise」――その意を「エリーゼの為に」

献身と呼ぶのもおこがましい、グランのその剥き出しに曝け出された真摯な言葉を目の当たりにして、どうして彼を心無い化け物と思えるだろう。
二人は、他にもう何もない二人きりかもしれないけれど、エリーゼにはグランが、グランにはエリーゼが居る限り、側で寄り添い合う限り、孤独ではなく寂しくはない。その優しい事実がただただ切なく安堵を覚える。
寂しくないのなら、ぬくもりを感じていられるのなら、それは幸いなのですから。

ひたすらにグロテスクな、歪んだ美しさに徹している【B.A.D.】に比べて、この【アリストクライシ】はダークながらもどこか透明な美しさに至っている。悪夢の中にあっても信じられるお互いを有しているこの物語は、痛みの中にも安らぎを感じられる。綾里さんの作品としては【B.A.D.】と本作は随分と似ているようで、また随分と異なる様相を歩んでいると思っていいのではないでしょうか。
さらには、エリーゼのヒロインとしてのキャラクターも、これまでの綾里作品では見たことのタイプ。そう、この娘、居丈高で頑固で聡明だけれど、それにもましてややもチョロい傾向があるんですよね。色んな意味でチョロいというか脇が甘いというか。その分、親しみやすい、心の寄せやすいヒロインなのではないでしょうか。その抱える痛みも、寂しさも、強さも、強がりに彩られた弱さも、儚さも、優しさも。
グランに寄せる思いの強さも。

ああ、染み入る。その美しさが、閉じているがゆえに余分が削ぎ落とされ、磨き上げられ輝く儚げな美しさが心の響く、溜息の出るような物語でした。すごく、好きなんですよね、こういうの。
デビュー作の【B.A.D.】以外では初めてとなる作者の新作でしたが、期待以上でありました。堪能。

綾里けいし作品感想

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 6.5 3   

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 6.5 (GA文庫)

【俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 6.5】 裕時悠示/るろお GA文庫

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夏川真涼は、いかにして鋭太のノートを手に入れたのか……。

夏川真涼は、隣の席になった季堂鋭太を見て、すぐにピンと来た。
「ホモだわ、この男」
春咲千和は、前から気になっていたことを、
なにげない風を装って、幼なじみの鋭太に聞いてみた。
「夏川真涼ってコいるでしょ?」
季堂鋭太は、元カノができる前、「自演乙」が結成された初夏に、“かわいい妹"と出会う。
「やっと会えました、美晴のおにいちゃん♪」

『GA文庫マガジン』に連載されていた
「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる+H(ぷらすえっち)」を完全収録!
さらに書き下ろし短編はカオルの秘密が明らかに!?
裕時悠示×るろおが贈る甘修羅コメディ!
短篇集かと思ったら、これ番外編か。コミカライズされている作品の中で「+H(ぷらすえっち)」という作品があったのだけれど、その小説版がこれ、ということだったのね。てっきり本筋に入らない掌編をつらつらと連ねている作品だと思っていたのだけれど、これがなかなかどうして、結構シリアスなお話でした。恋愛アンチにして、恋だの何だのというたぐいには憎悪すら抱いている夏川真涼。そんな彼女ですから、自分に交際を申し込んでくる男どもなんぞ、一顧だにせずあしらい続けてきたわけです。とは言え、軽い気持ちで声をかけてくるものもいれば、中には本気で恋をして、勇気を振り絞り一世一代の気持ちを込めて告白してきた人だっていたのでしょう。そういう本気な人たちにとって、真涼の態度というものは大事なものを粉々に砕かれるような、とても残酷なものなのです。恋も愛もくだらない、ならばその色恋に本気な人たちもくだらない人間なのか。彼ら彼女らの本気の気持ちもまた、くだらないものなのか。これは、真涼や鋭太が、本気でぶつかってくる千和たちとの交流の中で直面していく問題であり、自分たちの中に芽生えてきた気持ちと向き合うために答えを見つけなければならない問題であり、この物語の主要なテーマの一つでもありました。その問いかけを、自分たちの内輪で築いた円環の外側からコンクリ塊で殴りつけてくるようにぶつけてきたのが、今回の番外編だったように思います。
案の定、攻撃特化型の真涼は受けに回ると紙装甲なので、見事にズタボロになり、意外なほど強靭にして柔軟な鋭太はこれを綺麗に受け止めてしまうのですが。まあ、このどの覚悟から見ても酷い女である真涼を十全受け止めてしまっている時点で、鋭太の靭やかさは保証されているようなものなんですが。真涼に勝る爆弾も地雷も早々無いですからね。そんなふうに彼を錬りあげたのはチワワの存在とも言えるのですけれど。鋭太の恋愛不信が真涼のような人間不信にまで陥らずに済んだのは、彼女がストッパーになったようなものですしね。
ともあれ、真涼のやってきたことが自業自得で報いとなって戻ってきたのを、彼氏である鋭太が見事に火消してみせた、というお話。主導権握って鋭太を振り回しているように見える真涼ですけれど、何気に話が進むにつれて潜在的に鋭太に頭が上がらないような関係になってってるんですよね。これは、その端緒と言ってもいいのかもしれません。
さて、書き下ろしの短編はというと、鋭太の唯一の男の親友であるカオルの秘密が明らかになるようなならないような、微妙なお話。これはまた、勿体ぶるというかお茶を濁すというか、事実は疑いようもないものの事情は計り知れない、という感じの内容になってるなあ。
さり気なく、正妻戦に首を突っ込んで居ない分、一番ズルズルと最後まで浮気相手として潜伏しそうな立ち位置だな、これ。

シリーズ感想

機巧少女は傷つかない 10.Facing "Target Gold"4   

機巧少女は傷つかない10 Facing

【機巧少女は傷つかない 10.Facing "Target Gold"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。「夜々の代わりに、私を妻にしてください! 」「姉さま、ついに……つ・い・に! 」いろりの爆弾発言に雷真と夜々は驚愕。折しも〈流星群〉騒動の責任を問われ、ラザフォードが失脚、〈焼却の魔王〉ライコネンの学院長就任が発表された。自治権を巡
る混乱の中、〈結社〉が学院を襲撃――未曾有の危機が学生たちを襲う! この機に乗じ日本軍は〈愚者の聖堂〉への侵入を決定。だが、聖堂を目指す雷真の前に、仇敵マグナスと戦隊が立ちはだかる……。シンフォニック学園バトルアクション第10弾!
気がついたらこれ、完全に総力戦じゃん!! そういう意識なく読み進めていたものだから、あれよあれよと学園全体を巻き込んだ大争乱の様相を呈してきた展開に呆気に取られているうちに、学園内の主要キャラ総浚えの総力戦となり大興奮。思えば、これまで数々の陰謀、暗躍、策略、干渉を廃してきた結果、外部の組織の純粋な駒としての生徒たちは大方排除され、今残っている面々というのは駒であろうと狗であろうと外の組織の思惑に乗っかっていようと、自分たちの意志と矜持で夜会を勝ち抜こうとしている独立した一廉の連中ばかりなんですよね。そういう彼らは、雷真たちとは仲間ではなくても好敵手であり、お互いにリスペクトし合っている存在です。それが、自分たちの庭である学園を侵されたとなれば、手に武器をとって協力し合い、同じ敵に立ち向かうのは当然のこと。中でも、精鋭の中の精鋭とも言っていいラウンズの面々は、その評判通りの実力を見せつけてくれて、頼もしかったなあ。
やっぱり、共通の敵に一致団結して立ち向かう、という展開は激燃えに燃えますよ。
しかし、今回の敵は魔界ともいうべき世界の暗部で躍動している本物の怪物たち。しかも、正面からの殴り込みと裏からの侵食という二段構え。幾ら世界中から集まってきた天才児ばかりであり、それぞれに凄惨な事情を抱え世界の残酷さを知っている者たちとはいえ、まだまだ未熟な子供たち。世界でも上から片手で数えられるような実力者とそれが率いているプロの魔術師たちを相手にしては格の違いというものを痛感せずには居られない差があるのですが、概してその差を瞬く間に埋めてしまう成長を見せるのもまた若者たちの特権というもの。
目覚ましい成長を遂げている雷真のみならず、ついに本当の実力を垣間見せ始めたロキに、前回殆ど覚醒と言ってもいいくらいの変化を見せたシャル。みんな本当に伸びたなあ。一方で、日輪はというと、この娘本気でバケモノ級だったんだな。今までまだ良くわかってなかったんだが、相手が人外魔境の怪物となって初めて、それと真っ向から対抗できる日輪もまた、ラウンズの中でさえややも特別の感がある実力の持ち主だったことが理解できてゾクゾクっとなりましたね。そして、グリゼルダも魔王の名に相応しい、お師匠様の面目躍如ともいうべき大暴れでしたし。
今回は本当に主だった登場人物全員に見せ場があるような、派手な展開続きで全くもって燃えでした。シリーズ中でも一番盛り上がったんじゃないかな、というくらいに。単に見せ場があった、というだけじゃなく、それぞれ現状持ち得たフルスペックを限界まで発揮するような、成長や躍進の一部始終をお披露目するようなシーンの連続だったことも盛り上がりに拍車をかけていた理由でしょう。雷真も、ついに夜々、いろり、小紫の三姉妹を一度に操る器量を見せてくれましたし。此処に来て、ようやく雷真も兄貴の背中が見えてきたんじゃないでしょうか。
まあ嬉しかったのは、これまで鳴りを潜めていたアリスまで、俄然表に出てきてくれたことですね。さすがは謀略策謀担当。敵だと厄介極まりないけれど、味方だとこれほど頼もしい腹黒もいないですよ。最終的には彼女の作戦が敵を手玉に取って、陰謀をひっくり返したようなものですしね。
とはいえ、彼女の策が成功するには、各所各人の動きや活躍が必要だったのも間違いないわけで、面白いのは事前に示し合わせて動いたのでは全然なくて、全く連絡を取り合っていないにも関わらず、この危急時にあいつらならこう動くに違いない、と疑いもせずにそれぞれが動いて、それが完璧な連動となって圧倒的だったはずの敵勢力の陣営や思惑をひっくり返していくという、痛快極まりない流れだったんですよね。いやあ、もう痛快痛快。これまで敵か味方かわからなかった、というか半ば敵だったんじゃないかと思っていたラドフォード学長が思っていたよりもずっとこっちよりで、何よりアリスと和解というか、ようやく親子らしい情が交わされたやり取りを見せてくれたことで、明るい気持ちになれたのも大きかったのでしょう。硝子さんも、この人も期待していたよりもずっと親身になってくれてたのがわかったしなあ。さすがはあの三姉妹の作り手というべきか、冷たいように見えて情深い人だったのな。
とまあ、現状においてピークというべきタイミングだったからこそ、ここで急展開、一度滑落する流れになってしまった事は否めず……夜々の限界来てしまったかー。
丁度同じタイミングで、マグナスの人形であり妹の撫子そっくりの火垂と雷真が、あといろりが交流を持ったのは、何かしらの意図を感じる展開だな、これ。

ラブコメサイドは、気がつくといつの間にかいろりがその天然ポンコツっぷりで凄まじい食い込みを見せている模様。この作品って、何気に人の話を聞かないポンコツであればあるほどヒロイン度があがる傾向にある気がする。常識的だったり素直になれなかったりしてると置いてけぼりになりかねない、シャルとかシャルとかw
夜々は病みすぎて別枠として、現状いろりとグリゼルダというポディション的に伏兵すぎる二人がやたらと押しまくってるのは、明らかにその激しすぎる妄想ポンコツ乙女っぷりのお陰だな、うん。

シリーズ感想

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 64   

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 6 (GA文庫)

【俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 6】 裕時悠示/るろお GA文庫

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ヒメにフェイクがバレた!? 甘修羅らぶ×らぶコメディ第6弾!

「偽の彼氏って、どういうこと?」

鋭太と真涼の偽物<フェイク>な関係が、ヒメにバレてしまった!
その翌日から、ヒメの様子がおかしくなった。あきらかに中2病が悪化しているのだ。
「我が剣に手を触れるな! 呪われた竜に魅入られたいのか! 」
風紀委員にすら反抗し、暴走するヒメ。
その理由はやはり鋭太と真涼にある訳で……。
ヒメの件を相談する二人は、真涼の希望で鋭太の家に。
「えーくん、お帰りなさーい♪ ……ッ! ?」
キッチンから千和がエプロン姿で駆けてきて、真涼とはち合わせ!?
裕時悠示×るろおが贈る、甘修羅らぶ×らぶコメディ第6弾!
丁度アニメもはじまった【俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる】。ということは、アニメでは当初の鋭太も千和も好き勝手に翻弄する悪魔のような真涼の自在闊達ぶりがお目にかかるわけで……あれがこんな有様になってしまうとはなあ、といささか感慨深い思いに駆られてしまった。
真涼、もうメタメタである。彼氏彼女というアドバンテージもこうなってしまえばフェイクと言うことで優位にも繋がらず、余裕の一切をなくして余裕と焦燥に身を焦がされながら必死に鋭太にしがみつくばかり。席替えで席が隣から離れてしまうくらいのことで七転八倒、秘密を知ってしまったヒメの動向に戦々恐々、自信の欠片もなくして陸に打ち上げられた鯉のように口をパクパクさせながらピチピチと跳ねまわるばかりの無残な惨状。ほんと、誰だよこれw
しかし、その弱みの塊みたいな姿にむしろキュンキュンしてしまうのは悪趣味なんだろうか。
ぶっちゃけ、ここまで鋭太との彼氏彼女の関係を失うことに恐怖し取り乱して何としても今の関係を維持しようとしている真涼の姿に、彼女が鋭太に恋などしていない、などと言う方がおかしいだろう。それでも、真涼は頑なに誰が見てもあからさまな彼女自身の感情を決して認めようとしない。拒絶し、断絶し、突き放して、頭を抱えてうずくまってしまっている。そこまで恋愛という事象を否定しながらも、鋭太との繋がりを失うまいとあがく姿が、なんとも哀れで、それだけに心を打つのだ。なりふり構わない必死さが、愛おしい。
ヒメに事実を知られてしまったことは、その破綻を決定的なものにしてしまったといって良い。だけれど、ヒメはその事実を胸に秘めたまま、彼女自身が自壊しはじめてしまう。
自分のついた嘘が、自分の首を絞めるだけじゃなく、大切な友人までも巻き込んで壊していく。その事実を前に、真涼はさらに追い詰められていく。そして、最大のライバルである千和は着々と成長を続けてその存在感を確かなものにしていく。そして、縋るように開いた鋭太との繋がりの縁であるはずの黒歴史ノートの最後のページに、真涼は自分が決して割って入れない鋭太と千和の絆を見つけてしまう。
そして、トドメのように現れたその人が、彼女のすべてを、否定する。

パキン、と心の折れた音が聞こえた。


結局、鋭太と真涼が否定し憎んだ恋愛の正体とはなんだったのか。あれほど遠ざけ拒絶しようとしたそれに、二人は絡め取られ、それを認めないがために苦しみもがくことになってしまった。
二人共、自分の憎んだものの本当の正体を見つけ出さないと、二進も三進も行かなくなってしまっていたのだろう。特に、鋭太はその答えを見つけなければ、真涼とまっすぐに向き合う事が出来ないだろう。彼女に、何といえばいいのか、何を言えばいいのか。自分の気持も、恋愛に対する答えも、ちゃんとしたものを用意しなければ何も初められなくなってしまっている。
でも、動かないなんてことはきっと論外なのだ。答えは見つけられずにいたとしても、鋭太にとって結論はきっと本当に最初の方から、真涼とキスをしたくらいの頃から、きっと出てしまっていたはずだから。
真涼は気づいていないかもしれないけれど、彼は千和を特別扱いするように、いつだって彼女である真涼を特別扱いしてきたのだから。ずっと、彼女を守り続けてきたのだから。
もうとっくに、偽物の彼氏彼女の関係は、偽物の偽物になっていたはずなのだから。
真涼は一言、頼れば良かっただけなのに。彼女が、彼氏を頼って何が悪いのか。何の問題があるのか。
ラストは鋭太のターン、彼氏の面目躍如を最高の舞台で期待したい。頑張れ、男の子。頑張れ、女の子たち。

シリーズ感想

ムシウタ 13.夢醒める迷宮(下)4   

ムシウタ    13.夢醒める迷宮(下) (角川スニーカー文庫)

【ムシウタ 13.夢醒める迷宮(下)】 岩井恭平/るろお 角川スニーカー文庫

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48時間のタイムリミットで決行中の超種一号“C”殱滅作戦が失敗した。だが“ふゆほたる”率いる“むしばね”は、“大喰い”を倒す最後の作戦“OPS3”を遂行するため、“虫”の始原を知るαを茶深たちに会わせることを決意する。しかし、むしばねを出し抜いた茶深たちの前にシーアゲハが現れ、大喰いを呼び寄せる鍵を握る夕がエリィに乗っ取られてしまう。さらには“三匹目”が千晴のネックレスから逃げ出してしまい―。
こうして見ると、詩歌ってリーダーシップを取るタイプのリーダーじゃないんですよね。不安や迷いを隠せない素直な彼女にとって、みんなを率先して導いていくというのは彼女の性格的にも非常に無理が生じている。いざとなれば大胆な判断も取れるし、強い意志を貫くことも出来る。でも、それを即断即決で為すのは熟考してしまう彼女には厳しい事だし、基本的に彼女は象徴的な立場に立って、大まかな方向性を示すことをよしとするタイプなんでしょうね。故にか、リミットが迫り決断が強いられる中で、一人次々と決断と判断を迫られる今回の一件は早々に彼女を追い詰めていくことになる。
むしばねの連中は、結局自分たちが如何に先代リーダーである利菜一人にすべてを負わせて追い詰めてしまった過去の失敗から、何を学んだんだろうとややも憤りを感じてしまう。また、詩歌に全部背負わせちゃってるじゃないか。幹部のなみえが頑張ってサポートしてくれようとしているものの、どうにも組織全体がおんぶに抱っこなんですよね。
ぶっちゃけ、このむしばねという組織は、組織として機能していない。ただの、寄せ集めの集団だ。一人の頂点に寄って縋って託すふりをして思いも意志も全部押し付けてしまっているだけの、無軌道な集団でしかない。
いい意味でも、悪い意味でも利菜が一人で切り盛りしていたワンマンチームだったんだろうなあ。それを、曲がりなりにも持ち直させた今の幹部連中や、一番上に立って指針を示すことになった詩歌はホントに頑張ってると思う。でも、根本的に利菜によって誕生し、利菜によって成り立っていたこの組織は、やっぱり利菜が居ないと十全の力を発揮できないのだろう。
その意味では、この詩歌とむしばねが中心となって行われた「作戦3」は、むしばねたちだけでは完全に失敗していたと思って間違い無いだろう。それが、まがりなりにも先へと進み、大食いへと辿りつけたのはお膳立てした人物が居たからだ。そのお膳立てした人物――菰之村茶深にとっては思惑通りに何一つ進まず、結局詩歌の意志と考えに基づいて事態は動いていった、と思っているんだろうけれど、ハッキリ言って彼女が居なかったら何一つ動き出しすらもしなかったんですよね。
こうして見ると、むしばねに限らず、あらゆる部分が立ち行かなくなり機能不全を起こしつつ在る中で、茶深とそのグループの存在は戦闘力が皆無という点など何ら考慮に当たらないくらい重要なポディションを密かに築いていると言っていい。ハッキリ言って、東中央支部を除けば、その視点の高さといい俯瞰の広さといい、魅車と真っ向から対抗できる唯一の存在なんじゃないだろうか。
そして、もう一人、魅車八重子と互角に対抗できる存在の復活……。
上巻の段階で、彼の復活はある程度予想してたんですよね。このクライマックスに入って、彼ほどの人物が鳴りを潜めているはずがないと。同時に、政略奸智という観点から魅車に他に対抗できる存在が見当たらなかった、という点からも。他の連中だと、どうやっても良いように動かされてしまいますから。あのハルキヨですら、魅車を出し抜くことはできていませんでしたし。
その意味で、彼の復活というのは希望の光り、のはずだったんですけれど……本当に最初の方に脱落していたので忘れていましたけれど、この人はこの人で目的のためならば集団を選ばない、外道を以て良しとする、ある意味「かっこう」と瓜二つのやり口の人だったのを今更ながら思い知らされた感がある。
正直、前巻でも切り札と目していたあのふたりを、ここで使い潰すとは思っていなかった。

この下巻は、上巻で真っ黒に塗りつぶされた絶望感をいっぺんに吹き飛ばしひっくり返してしまった大逆転が描かれた一冊である。正直言って、希望していた展開よりも遥かに上の結果に至ったと言っていいでしょう。予想通り、というだけでなく、全く期待もしていなかったものまで引っ張りあげてくれました。
一号指定の勢揃いに、アリアと千晴の再会。そして、ジョーカー土師圭吾の復活。懸念されていたものはすべて払拭され、現れたものは望外の希望の集結。

……にも関わらず、何故にここまで悲哀と不安がこびりついているのだろう。カタルシスなどどこにもなく、何故か湧き上がるのは黒々とした靄ばかり。ワクワクするどころか、これからどんな悪いことが起こるんだろうとビクビクと怯えすら生じている。
犠牲の上に成り立った希望に、果たして輝きはあるのだろうか。夕の見た夢の最後の一文が、すべてに影を投げかけている。

シリーズ感想

機巧少女は傷つかない 9.Facing "Star Gazer"3   

機巧少女は傷つかない9 Facing

【機巧少女は傷つかない 9.Facing "Star Gazer"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。《我欲の聖塔》内での戦いも、いよいよクライマックスを迎えていた。最上階で相対するシャルとオルガ――すなわち、シグムント対トール。ぶつかり合う魔剣と魔剣。だが、その結末はあまりに無慈悲なものだった。トールの放った閃光により、心臓を破壊されてしまうシグムント。「ずっと一緒にいてくれて、ありがと……っ」「さらばだ、シャル」そして、シグムントは最期にひとつの卵を遺して消えた。一方で雷真は、夜会の帰りにぼろぼろの男性を保護する。〈結社〉に追われる彼は、シャルとアンリの父親、エドガー元伯爵で……!? シンフォニック学園バトルアクション第9弾!
これ、色々と粗筋でバラしすぎてないか? ある意味、シグムントが破壊されてしまうという展開は重要ではあっても伏せて勿体ぶるような要素ではない、とも言えるのだけれど、そこはもうちょっと勿体ぶって本編読んで初めて知る仕様にしていた方が盛り上がりとしては確かなんじゃないだろうかと思わないでもない。
さて、シャルロットさんというと、夜々が余りにも色物過ぎてメインヒロインとしてはちょっと(笑)という、冒頭からの流れ故にか、相対的にメインヒロインの座を嘱望されていた方なのですが、その割に二巻の表紙をフレイに掻っ攫われて、何とか三巻で表紙枠を確保したもののむしろ話のメインは妹のアンリに持っていかれ、その後もラウンズという強者のわりに、戦法がいつも強引で単純なパワーキャラという微妙にこう、潰しが利かない性能もあってか役回りもどっちかというと大雑把な扱いを受け、性格も結構パワーキャラなせいか突っ走っていったまま帰ってこないのでなかなか本筋に噛めない、という……なんか羅列しているとおしとやかになりましょう、取り敢えず立ち止まって深呼吸しましょう、と助言したくなるほど残念な子だな、シャルて。
まあそんな感じで能力的にも立ち位置的にも大味で、相棒枠は何気にロキに完全に持っていかれ、と自業自得な嫌いもある不遇に苛まれていたシャルが、ようやっと焦点の当たる展開に。二桁大台に至ろうってときに、ようやく成長パート、というのはメインヒロイン枠としてはどうなんだと思いつつもこの機会を逃すと本気でアレなので頑張るシャルを、うん、なんかこういうどうしようもないところのある粗忽な子って、応援したくなるよね!!
……どうも基本的にこの作品のヒロイン衆は概ね粗忽者な気もするけれど。グリゼルダ御大とかもそうだしな! 個人的に一番成熟しつつ複雑にこじれた女性の心根を見せているのは、何気にキンバリー先生な気がするんだよな。相手は雷真じゃないのが笑えるところだけれどw あのクルーエルとの過去が絡まった複雑な大人の絡みがいいんですよ、うん。
じゃあ一方で雷真サイドで一番ヒロインしているのは誰かというと……此処に来ての伏兵ながら、日輪が新規参入としては思いの外押しが決まってるんですよね。基本的に結ばれないポディションだとは思うんですけれど、意外なほどいい位置をこの9巻でも確保しているのが侮れない。
まあ、個人的な好みの押し押しは、私はグリゼルダ師匠であり、謀士アリスなのですが。
その意味では、ヒロインキャラ的には好みで応援したくなるタイプでありながら、まあそんな応援は無駄だな、と苦笑一つで終わらせてしまいたくなるキャラだったシャルの、今回の変貌には正直驚きを隠せない。
あれ? この子メンタルが定まって落ち着くと、かなりスペック高くね?
いや、実際一皮むけたあとのシャルロットの変貌っぷり、異様に頼り甲斐のある雰囲気は見違えるようでしたからね。あれなら、本気でメインヒロインとしてもやってけるんじゃないでしょうか。これまでの頼り甲斐の無さが異様だったのかもしれませんけれど!! 多分、それだけシャルってシグムントに依存してたんだろうなあ、というのがよく分かる。精神的にずっと庇護を受けていたようなものだったから、今回の別れは必然的に彼女に自立を要求したわけだ。精霊と向き合うというのも、その一環だし。実際、シグムントってこの作品の登場人物の中でも頭一つ抜けて大人というか、人格者だったもんなあ。惜しい人(?)を失ったものである……あるある。
それだけのお膳立てを受けて、でもなかなか一人で立ち上がるのは難しいし、やる気があってもずっと守られてきたものがどうしたら良いかなんてそう簡単に思いつかない。そこで、シャルを導いてくれたのが、なんとグリゼルダ。
そう考えるとグリゼルダ師匠って、師匠キャラとしてはチョロいわ粗忽だわ暴走するわ、と師匠としての重厚さや威厳という側面ではダメダメにもかかわらず、その実働に関しては雷真の時といいシャルの時といいそのへんの勿体つけるだけであんまり何にもしてくれない師匠キャラでは及びもつかない実際の成果をもたらしてくれてるんですよね。ここまで着実かつ確実にレベルアップさせてくれる師匠って、実はあんまり居ませんよ? その上、戦力としても完全に味方ですからね。裏で画策することもなく、これだけ素で全面的に味方してくれる師匠キャラもそうはいませんよ。その代わり、ガチでヒロイン枠要求してきてますがw

エドマンド王子の動きがかなり先鋭化して、ついにとんでもない事をやらかしてしまい、さらに学長サイドもそろそろ動きが見えてきそうな感じ。いい加減、裏の動きが波及と言う形ではなくハッキリと押し寄せてくる形になってきてもよさそうな頃合いだけれど、どうなんだろう。
あわせて、なにやら夜々に問題が持ち上がってるようだし。アリスも戻ってきたら、動き出てくるかな?

海冬レイジ作品感想

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 5 「別冊パチレモン付き」限定版3   

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる5 「別冊パチレモン付き」限定版 (GA文庫)

【俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 5 「別冊パチレモン付き」限定版】 裕時悠示/るろお GA文庫

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「えーくん、愛してる」
「いいこと、鋭太。私はあなたの彼女なのよ」
「わたしもギュッとして?」
「ねえねえタッくん! あの女とはいつ別れてくれるの?」
 右に幼なじみ。左に彼女。前に元カノ。後ろに婚約者。この世には神も仏もいないのだろうか?

 千和からの思わぬ告白で、終わりを迎えた夏合宿。修羅場の鼓動が聞こえる中、二学期に向けて牙を研ぐ少女たちの物語。
 千和と母校の中学校へ!
 愛衣を巡って風紀委員と対決!
 ヒメとお泊まり!? 真涼と恋愛脳狩り!? 等を収録。
 裕時悠示×るろおが贈る、甘修羅らぶ×らぶコメディ第5弾!
あんぎゃーー、真涼さんが完全に壊れたーーー!!!
表向きは鋭太の彼女という揺るぎない立場を確保しているにも関わらず、最初にそれをニセモノ、フェイクだという前提で初めてしまったが故に、他の三人と違って本当の気持ちの持って行き場がなく一番逼塞してしまっていた彼女。これまでは、まだ最大のライバルだった千和が幼馴染としての立場にこだわり鋭太のトラウマを慮って、鋭太への気持ちを押さえ込んでいたから真涼も精神の均衡がとれていたものの、前回千和が敢然と幼馴染の立場を脱却し、堂々と鋭太への恋心を表明したことで、真涼一人が取り残されてしまう形になってしまった。それが、よほど真涼の精神に負担を生じさせているのだろう。
もにょっ、もにょっ、もにょーーー!!
く、クール! クールで知的な美人さんキャラが崩れてます、ヤバイくらいに崩れてますからそれーー!!
抑圧が過ぎると、こんなことになってしまうのか。もはや、ヤンデレの領域に片足突っ込んでクルクルスピンを決めているような状態じゃないか。誰か、なんとかしてあげて、と縋りたいところなのだけれど、現状これ本気で行き詰まってるんですよね。鋭太は、恋愛アンチの同志である真涼があれほど憎んでいた恋愛に染まってしまっているなんて、それこそ真涼を大事に思っているほど認められない事でしょうし、真涼当人もまた自分が本当に鋭太を好きになってしまっているなんて自分のこれまでの人生を否定する絶対に許してはいけない事実であると同時に、鋭太に対しても裏切りになってしまう。
でも好き。どうしようもなく好き。
だから「ニセモノ」で「フェイク」という建前の彼氏彼女の関係に、必死になってしがみつこうとしている。少なくとも、その関係を維持している間は、この鋭太を好きという気持ちはカノジョとしての演技だと言い訳できるから。
自家崩壊に周囲からの圧迫、その凄まじい抑圧に抑え切れない気持ちが制御を失って溢れだし、
もにょもにょもにょもにょもにょもにょもにょもにょもにょもにょもにょもにょもにょもにょょょょょょょょょょょょょょょ


怖いわ!!

もうね、ここまで来ると本物なんかにならなくても、このままフェイクのまま添い遂げたっていいじゃない、と思えてくる。フェイクだろうと本物だろうと、そこにある気持ちはあるがままの想いでしかなく、それにどんな名前をつけようと本質が変わるわけじゃないのだから。だから、案外そのままフェイクのままだったとしても、問題はないんじゃなかろうか。と、思うのは間違いなんだろうね。もし、千和や他の鋭太に迫ってくる女の存在がなかったら、障害もなくなんとなくでそのままフェイクの恋人同士からフェイクの夫婦、フェイクの家族になっていつしかニセモノと本物の区別がつかなくなって、最初の始まるの間違いなんて意味をなくしていたかもしれない。
でも、きっと本物にならないと、これがほんものなんだと鋭太と真涼が素直に認められるようにならないと、真涼はずっと安心できないまま、不安を抱えたまま生きていくことになってしまうんだろう。鋭太もまた、後ろめたい気持ちを抱えたまま、全力でカノジョを抱きしめられないまま、行き着く所まで行ってしまうのだろう。
精算は、必要なのだ、やっぱり。

でも、真涼からしたらやっぱり怖いんだろうなあ。フェイクの関係が精算されるということは、カノジョという立場に守られていた自分が、千和たちと同じラインまで引きずり降ろされるということなのだから。いや、同じラインならまだいい。それ以上に、関係を偽っていたという負い目が、恋愛アンチという生き様が、千和たちよりも自分の場所を後退させてしまうだろうから。今、少しでも鋭太と離れていたら禁断症状を発症してしまうほどに「もにょもにょ欠乏症」に罹ってしまっている真涼にとって、そんなのは受け入れられるはずもなし。
ある意味、真涼は現状で行き詰ってしまっている、とも言える。
それに対して、正攻法で正面突破を図っているのが、千和だ。彼女は、鋭太の恋愛に対するトラウマを知りながら……知っているからこそ、真正面から愛を伝えることで、恋愛の素晴らしさを、素敵さを、楽しさを、幸せを、鋭太に伝えようとしている。真っ向から、鋭太の恋愛アンチを解消させようとしてるんですね。
でも、これも考えてみたら鋭太の態度が軟化したからなんですよね。もし、以前のままの鋭太なら、こんな正攻法には拒否反応を示していたんじゃないだろうか。
だから、決して千和は出遅れたわけじゃなく、機を見るに敏と言っていいくらい、絶妙のタイミングで待機モードから攻勢に移った、と思ってもいいとは思うんだけれど……いや、やっぱり多少出遅れた感は否めないか。鋭太の気持ちに、まず間違いなく真涼への想い、というのは生まれてしまっているからなあ。
というかさ、ややこしい要素を排して極々シンプルに、それぞれの気持ちを浮き彫りにしたら……鋭太が好きなのは真涼だと思ってます、私は。
私の見る限り、彼の言動の端々に、真涼と本当の彼氏彼女だったら、という願望が見え隠れしてるんですよね。双方に好きなんて気持ちが無い、というのを前提にしながら、もし本当だったとしたら、というIFに幾度も思いを馳せている。

何れにしても、真涼も鋭太も二進も三進も行かないところまで来ちゃってるんですよね。そうして、千和がそこに決定的な亀裂を入れてしまった。あとは、破綻するのみ。
そして、その最後の一刺しが、満を持して本巻の最後に待っていたわけだ。

次こそ、きっと大荒れである。とても、次巻じゃ決着つかないだろうな、これ。

裕時悠示作品感想

ムシウタ 12.夢醒める迷宮(上)4   

ムシウタ  12.夢醒める迷宮(上) (角川スニーカー文庫)

【ムシウタ 12.夢醒める迷宮(上)】 岩井恭平/るろお 角川スニーカー文庫

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“始まりの三匹”を吸収、統合しつつある虫憑き超種一号“C”の殲滅作戦が、魅車八重子により発令された。“OPS1”霞王など戦闘力が高い虫憑きを集めた照を指揮官とする“C”殲滅。“OPS2”ハルキヨによる“眠り姫”の覚醒。“OPS3”ふゆほたるとむしばねによる“大喰い”の殲滅。48時間のタイムリミットのなかで、虫憑きたちの全勢力をもって決戦が始まる!そしてすべての力を使い果たした最悪の一号指定“かっこう”は―。

触れてはいけないものに触れやがったな、この女!!
彼女は禁忌だったのだ。不可侵の誰も触っちゃいけない眠り姫だったのだ。彼女を起こしていいのは、彼女自身か約束を果たした二人の男、薬屋大助とハルキヨだけだったのに。


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機巧少女は傷つかない 8.Facing "Lady Justice"3   

機巧少女は傷つかない8 Facing

【機巧少女は傷つかない 8.Facing "Lady Justice"】 海冬レイジ/るろお MF文庫J

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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。「日輪が勝ったら――雷真さまの妻にしてくださいませ!」そう言って雷真の前に現れたのは、〈十三人〉のひとりにして、雷真の許嫁の少女・日輪だった。雷真を追ってはるばる海を渡ってきていた日輪に、嫉妬と対抗心を隠せない夜々。その間にも、雷真たちの夜会進撃を阻むべく、学生総代のオルガをはじめとする〈十三人〉たちが次々に自主降格し、それぞれ独自に軍を組織しはじめる。一方、日輪の周囲には何者かの魔の手が迫っているようで……!? シンフォニック学園バトルアクション第8弾!

シャルのチョロさは、あれか。男相手だけじゃなくて、友達相手にもチョロいのか! 長いボッチ生活がよほど堪えていたのか、そんなに友達に飢えていたんですね。偶々雷真もフレイも忙しく、相手にしてくれる人が居なかったために、寂しくイジケていたシャルが出会ったのは、遠い極東から来たという少女。彼女は【暴竜】の二つ名を恐れも嫌悪もせず、ごくごく自然にシャルと友達になってくれたのでした。フレイが居るとはいえ、特にいざこざや事件も経ずに、普通の出会いから普通に友達になってくれた日輪に、シャルってば完全にメロメロになってしまい、親友呼ばわりしてベタベタひっつきまくることに。……シャルさん、それ日輪が天然無垢系の子でなかったら、気持ち悪がられてドン引きされるレベルの鬱陶しさです(笑
薄々気づいていたけれど、シャルって、雷真相手にだけ対応が拙いんじゃなくて、そもそもがコミュニケーション能力がどん底のタイプだったんだな。まあ、コミュ力低いのはシャルにかぎらず、ロキもフレイもグリゼルダもアリスも大して変わらないレベルであるんですよね……なに、この雷真チームのぼっち力w
なるほど、思い返してみるとこいつらって、一緒に行動している時でも協力態勢に入った時でも、誰もああしろこうしろ、という指示とかリーダーシップを取らないんですよね。もう皆が自分勝手好き勝手にしか動かないでやんのw それでわりと意思統一が取れてたり、変に対立してチームワークが乱れたりしないのが逆に凄いキがしてきたw

というわけで、気がついてみると今回はチーム戦だった罠。なのに、肝心の参謀役のアリスが早速トンズラしていないとか! 折角、やっと頭脳担当が現れた、と思って喜んでた前巻の私をどうしてくれるw 冒頭でいきなり姿をくらましてたのを目の当たりにした時のこの愕然を。幸い、すぐに戻ってきそうでよかったけれど。
代わりと行ってはなんですが、改めて参入してきた新キャラは、以前から度々話題にも登ってた気がする、雷真の本当の婚約者、日輪。真っ当な大和撫子だ! ……真っ当だよね? 夜々を正論で言い負かしてしまうあたり、真っ当とは言いがたい気もしますが、まあ性格も温和ですし、一途で楚々とした正統派のヒロインのはずです。人の話を聞かないのはこの作品のデフォルトなので、カウントには入りませんw
ってか、この娘の一派は人形遣いというよりも殆ど完全に式神使いの陰陽師なんですがw 完全に魔術の領域じゃんw まあ人形遣いも魔術とは言えば魔術ですし、夜々たちみたいな自律してる生き人形なんか魔道の領域のものなんでしょうけれど、どっちかというとこれらはアルケミーのサイドなんですよね、感覚的に。
個人的には昴と六連の従者コンビが生き生きと動いていたのが良かったですね。雷真とも顔なじみで、ロキとは違うタイプの息のあった喧嘩友達といった距離感でしたし。日輪と共にこの三人はトリオで完成しているキャラのようなので、このまま三人でレギュラー化して欲しいところですが、人数増えてきたもんだなあ。
そうなると、初期からのキャラが存在感薄くなってしまうケースが多いんですけど……貴女のことですよ、シャルさんw でも、幸いにして次は再びシャルがメインのようで。ちょうど、全く同じタイプの人形を操るオルガとの対決が迫り、父親であるブリュー伯がエドマンドの手元に現れたことで波乱は間違いなく、さてメインヒロインの面目躍如なるか。

しかし、何気にメイン級のヒロイン差し置いて、いろりが好きです、という人、多そうだなあ(笑
ちなみに私はグリゼルダ師匠です、はい。

海冬レイジ作品感想
 
12月2日

(一迅社ノベルス)
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(講談社ラノベ文庫)
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(Kラノベブックス)
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(早川書房)
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12月1日

(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJコミックス)
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(HJコミックス)
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11月30日

(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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11月29日

(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ファミ通文庫)
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(エンターブレイン)
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11月28日

(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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11月27日

(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(アクションコミックス)
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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(エンターブレイン)
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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