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アサウラ

サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム ★★★★   



【サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム】 アサウラ/赤井てら LINE文庫エッジ

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こんなに楽しい遊びははじめてだ!!それが“サバイバルゲーム”

これといった趣味もなく、日々をなんとなく過ごしていた青年・貞夫と、その友人シノ。
二人の青年がある日偶然立ち入ってしまったお店……エアガンショップ『大野公房』。
彼らを出迎える姉妹の店員、舞白菜花と璃良。彼女達に心惹かれるも、それ以上に店内に所狭しと並ぶ銃器の数々が、貞夫とシノの童心を強く強く刺激するのだった。
「んじゃあさ、そんなに撃ちまくりたいっていうんなら……いっそ明日、サバゲに行ってみたら?」
そんな何気ない璃良の提案により、なし崩し的に一緒に初のサバイバルゲームへの参加することに!?
菜花のレクチャーにより装備を準備し、レンタカーを借り……そしてついに貞夫達は舞白姉妹と共に千葉のサバイバルゲームフィールドへ。
その後、彼は知ることとなる――、そんな様に旅の計画を立て、フィールドを子供のように走り周り、空腹というスパイスが効いたカレーを食べる。そんな時間全てが宝物となる、それが“サバイバルゲーム”だということに!
サバゲー初心者もこれを読めばすぐにサバゲーがはじめられる――。
趣味を楽しむ全てが詰まった、本格サバイバルゲーム小説『サバゲにGO! 』ここに爆誕――!!
おーー、サバゲーってこんななのかー!
サバイバルゲームについては殆ど知識がなく、弾が自分に当たったら自己申告で退場というルールにも、サバゲーって結構生地が分厚そうな野戦服とか着てるプレイヤーをよく見るじゃないですか。BB弾が自分に当たったのってちゃんと自分で認識できるのかなー、と。当たっても気づかないんじゃ、と思っていたのですが、そうかー。
サバゲーで使うようなエアガンって、威力そんなに強いのかー!
服越しでも当たると普通に痛いのだという。ってか、歯が折れちゃう事故もあるってそんな強力なの!? 全然、BB弾のイメージと違ったし。そうか、それであんなゴツいマスクみんなしてるのか。単なるファッションだけじゃなかったんですね。ゴーグルとかだと吹っ飛ぶ場合もあるって。
子供が公園や空き地でバンバン打ち合うオモチャのイメージ(昭和)とはまったく異なる、強力無比な銃弾の応酬というのが、安全にプレイするための丁寧な説明で逆に浮き上がってきて、大人が本気になって走り回って、感情を迸らせて思わず絶叫してしまう、そんな銃撃戦の手応えを伝えてくれるのである。
銃を握った時の重みと感触。引き金を引く時の感触。BB弾がコチラからもあちらからも想像以上の威力で飛び交う中を時に這いつくばり、時に掻い潜り、時に壁や木に隠れてやり過ごし、銃を構えながら敵のいる方に飛び込んでいく緊迫した高揚感。なにより、楽しさがうーん、素晴らしい。

全くのサバゲー初心者、どころかエアガンも持った事もない初心者である主人公が、エアガンと出会いその魅力に見せられて、その挙げ句に手にした銃を撃ちまくれるゲームへとハマっていく、まさに「沼」に落ちていくまでの心の移ろいその一部始終を描いた物語。
流石はアサウラさんというべきか。この作家さんの特徴は読めば腹減りヨダレが垂れてくる凄まじいレベルの料理描写なんだけれど、あれも実際に食べていないのに思わず匂いも漂ってきて味まで感じてしまいそうな迫真の描写力、脳髄へと直接ダイレクトアタックしてきて感覚を刺激しまくる表現力によるものなんですよね。
それを同じベクトルで、まったく未知たるサバゲーの魅力を伝えるのに駆使されているのである。丁寧で詳細でわかりやすい説明は、まるで自分が本当に銃を手にとって、試し打ちしているような気分にさせられますし、主人公が実際にサバイバルゲームが行われる現場で集まってきている人たちを見渡すシーンなんか、その始まる前のワクワク感を直接体感しているような感覚にさせられる。
サバゲーが実際はじまってしまったら、もうそれどころじゃなく、緊迫感と高揚感がないまぜになって読んでいるこっちまでテンションが引っ張り上げられていく。
ああ、面白そうという他人事で置いておいて貰えない。これも一つの臨場感というやつなんでしょうか。

あれよあれよ、と営業上手なエアガン店の店員姉妹舞白菜花と璃良に沼へと引きずり込まれていく貞夫とシノ。働いているとはいえまだ20前後の若者である彼らにとって、エアガンやサバゲーという遊びは決して安いものではない、というのは値段を突きつけられるたびに直面する現実であり、二の足を踏む大きな要因なのですけれど、それを呑み込んでなお欲しくなってしまう魅力を、彼女たちはこれでもかと浴びせてくるのだ。
いや、実際結構高いよね。ただ、大人の趣味としてはそれなりではあってもメチャクチャ高く付く、というほどでもないんじゃなかろうか。備品やメンテやサバゲーに参加するとなるとあれこれ消耗品含めて諸費用かかりますけれど、毎月1銃買わなきゃいけないという義務もないですし、他の諸々の趣味と比べても飛び抜けているというほどではない気がします。
それでも、まだ若い彼らにはそこそこ重いよなあ。でも、これほど心の底から楽しめて、心の底から絶叫できて、頭が真っ白になるほど遊び尽くせるのなら、まさにお金の使い所じゃないですか。
何の役に立つ!? まさに「楽しかった!」と笑えるために役に立つじゃあないですか。
でも、編集さんと挿絵の赤井さんまで沼に引きずり込んで、特に赤井てらさんはこの仕事から得られるであろう収入よりも盛大にハマらせてしまったのはどうなのかとw
ヒロイン姉妹二人も、まあ沼の住人という感じのハマりきった方々で。でも自分の趣味を仕事にバイトにできてるんだからこれも毎日楽しいだろうなあ。
菜花のあの控え目で恥ずかしがり屋に見えて、自分の欲望は素直に口にしちゃうキャラはけっこう好き。カレーをあれだけ美味しそうに食べられるヒロインに悪い子はいませんw

アサウラ作品感想

生ポアニキ パンプアップ ★★★☆  

生ポアニキ パンプアップ (オーバーラップ文庫)

【生ポアニキ パンプアップ】 アサウラ/赤井てら オーバーラップ文庫

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ユリが好きだという気持ちを抱えながら、相変わらずマッチョなアニキとの健全な二人暮らしを続けるユースケの元に、さらに妹系美少女が給付されてくる。そしてユリの前にも、100万人超のフォロワーを有する人気動画配信者ジュンイチが現れ、彼女に一目惚れをしたと告げる。「君は彼女にとって相応しい男なのか?」ジュンイチに問われ言葉を失うユースケ。恋愛生活保護の解消とユリへの想いを賭けた「男勝負」が幕を開ける!本当の男らしさとは、人を愛するということは―?全ての答えは筋トレの先にある!更にタフでホットになったハイテンション・マッスル・ラブコメ、待望の第2巻!
アニキ、服は着ようぜ。ただでさえ体脂肪少ないんだから、寒さはダイレクトにしみてくる。それにアニキ肌が弱いそうなんだから、ちゃんと服は着ないと。風邪ひくぞ。
アニキが風邪を引いて寝込む、という姿が思い浮かばないのだけれど、同時に寝込むアニキをユースケが甲斐甲斐しく世話する光景は不思議と思い浮かぶのである。
これを腐ってる領域に加えてしまっていいんだろうか。マッチョはちょっと別なような気がするんだが、サブ。
ああ、アニキが癒やしだ。アニキが柱だ。アニキが清涼剤だ。
今回はジュンイチという外部からの茶々によって、ユリもユースケも思わぬ形で心を揺さぶられて、貶められて、好き勝手蹂躙されて、そんな理不尽にもどかしいくらい二人とも抗えなくて、抗う方法がなかなか見つからなくて、見ているこっちも不安定になるくらいにふらついてしまいのだけれど、そのたびにアニキが出てきて、筋肉筋肉と筋肉を見せてくれて、その揺るぎのない好意と親愛と筋肉によって淀んでいたものを吹き飛ばしてくれたんですよね。
ああしろこうしろと指示したり導いてくれたりはしない。ただ、筋肉を鍛えることで克己せよとだけ語りかけてくれるアニキ。それは支えでは合っても誘導ではないんですよね。あくまで自主的に促すのであり、自立を求めている。何もかも主導権を握って思うように動かそうとするジュンイチの利己的なそれと比べて、あまりに対象的で傷んだ心が濯がれていく。
海の上から沈んでいくユースケに手を差し伸べてすくい上げようというのではない、海の底から落ちてくるユースケへと手を差し伸べて抱き寄せるあのアニキの姿の神々しい挿絵は、それを象徴してるかのようだった。
筋トレは、どれほど励まされても結局やるのは自分だ。自分一人でやりきらなければならない。一足飛びに達成することの出来ない、一つ一つ積み重ねていったものだ。
その成果を見せるあのラストシーンの、なんと地味でなんとカッコイイことか。ただ見てくれを格好つけるのではない、中身に肉をつけ、密度を詰め込んだ結実があった。カッコイイってのはああいうことを言うのだ。
そんなカッコよさにキュンキュンなってしまった彼女たちの恋の花が開くシーンの描写はもう素晴らしい青春モノでしたよ。
それ以上に、相変わらずの美味しそうなご飯描写。作品のコンセプト上、ダイエットに主眼を置いたメニューが主体なのだけれど、そういうの関係なしに見てるだけでお腹空いてしいまう食事描写は健在でした。
これ、また間隔あくにしても続編ほしいなあ。折角恋を知ったヒロインたちのその後を、見ずには終われないよっ。

1巻感想

英雄都市のバカども 3.〜アルコ・ホール三番街の何でも屋〜 ★★★★   

英雄都市のバカども (3) 〜アルコ・ホール三番街の何でも屋〜 (ファンタジア文庫)

【英雄都市のバカども 3.〜アルコ・ホール三番街の何でも屋〜】 アサウラ/たぶ竜 富士見ファンタジア文庫

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英雄の末裔が住む街リキュール。血の気の多い住人が巻き起こすトラブルは厄介なものばかりだが、何でも屋のモルトたちや一騎当千の自警団がいる限り街の平和に隙は無い。たとえ、男に惚れた棒遣い男と百合拳法少女が大げんかを始めようが、極悪ギャンブラーが美女の体を狙おうが、凄腕のスリが人々の“心の宝物”を奪おうが…。そんな騒がしくも平穏なはずの英雄都市で、陰惨な殺人事件が起きた。容疑者は―なんとモルト!?彼の捕縛に抗った親友・ライもまた投獄されてしまった。背後で国際規模の陰謀が蠢くこの事件を、牢の中の二人は解決できるのか?
男でも顔が良かったら気にしないとか、五歳の幼女の大事な部分を熱心にイジったりとか、モルトくん君アウト! 紛れも無く変態です。
今回の話は一貫してちょっとアンニュイな雰囲気のしっとりとした空気感で進んでいっていたのに、その中でナチュラルにこういう行為をしてしまうこの男は……。
しかし、三巻にしてようやく登場人物たちの過去語りとなったのですが、これはもっと早くやっても良かったんじゃないかな。モルトを中心としたキャラクターたちの関係性とか、人物像とか深味が全然違ってきてるんですよね、この過去編を知ると知らないとでは。モルトが本来縁のなかったこの街に抱く想いの深さとか、ライとの親友関係、そして大家の娘であるリッツとの掛け替えのない絆とか。特にリッツなんか、これもう完全にメインヒロインじゃないですか。いや、以前から12歳にして正妻感をずんどこと醸しだしていましたけれど、ここまでモルトの人生をリッツが決定づけてたとはねえ。一生頭上がんないでしょう、これ。モルトが人として生きていけるようになった諸々の理由であり要因こそが、リッツの意志であり思いであり存在そのものなわけですから。いっそ、モルトの女神と言ってすらいいんじゃないかと。その結果として未だ幼女の枠を脱していないうちから凄まじいセクハラ、被ラッキースケベ対象となり続けているのだから、この娘の運命やいかにw
もっと他におぱーい担当はたくさんいるにも関わらず、圧巻の被災数だもんなあ。
ともあれ、モルトの過去は以前から複雑な背景があるものと断片的に語られていましたけれど、ここまで凄惨なものを心の傷とともに抱えていたとはなかなか想像できなかったんですよね。今の彼が本当に自由に、心のままに楽しそうに生きているから。それだけ、この街の人たちに、この街の独特の雰囲気に癒されたからこそ、というのがこの過去編を通じてよくわかる。彼にとって、リッツとライがどれだけ特別なのかも。
なんともしっとりとした気分に浸れる……ジョッキでガバガバ飲むそれと違う、カウンターでチビチビとグラスを傾ける酒の楽しみ方に似た、普段の馬鹿騒ぎとは味わいの異なる話で、これはこれで良かったなあ。面白かった、という以上に「良かったなあ」と染み入れる話でした。そんな中にも普通に出てくる「ピーちゃんw」。

しかし、ここでまさかのサシャの素性とモルトの過去との思わぬリンクを、そのまますれ違わせてしまうのかー。なんか、話の締め方が続きが出なさそうな雰囲気だったんですけれど、もしかしてこのシリーズこれで終わっちゃうんだろうか。なんか、あとがきもそれっぽい書き方だったしなあ。

シリーズ感想

英雄都市のバカども 2.女神と漢たちの祭り ★★★★   

英雄都市のバカども (2) ~女神と漢たちの祭り~ (ファンタジア文庫)

【英雄都市のバカども 2.女神と漢たちの祭り】 アサウラ/だぶ竜 富士見ファンタジア文庫

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英雄の末裔が住む街リキュールに住む何でも屋・モルト。彼の仕事は、街の平和と困っている人の笑顔のため、そして何より目の前の家賃のため、街で起こる厄介事を解決することだ。ある日は、令嬢のペットを捜しに好敵手のサシャと地下水道へ飛び込み、またある日は遺跡から発掘された謎の「兵器」に追い回され…。それでもなお、酒が原因で家賃に窮するモルトに、家主の娘リッツは、とある祭りへの出場を言い渡す。それは―街一番の“漢”を決めるため、裸一貫で危険な地下神殿に飛び込む「漢祭り」(ポロリもあるよ)。浴衣姿の女性陣が見守る中、モルトが出会ったのは…本物の女神さま!?
馬鹿だなあ、本当に馬鹿だなあ(褒めてない)

【第一話『果てしなく透明なただ一つの純粋な願い』】

アサウラ師はあれですか。料理の美味そうな描写のみならず、おっぱいソムリエとしての力量もずば抜けているのか! 女体に関する少年の眼力と表現が素晴らしすぎる。
それはそれとして、オチが酷すぎるんですけど。揉めてないじゃん! 全然揉めてないじゃん!! あかんやん!!


第二話『職業:女体さすり』
これは酷い。もう本当に酷い、としか言いようが無い。ってかさ、どう考えても詐欺じゃん。と思ったら詐欺だった罠。むしろ、リッツも一緒に騙されてしまっているあたりがダメだよ、どうしようもないよ。ってか、なんで十二歳のまだつぼみの女の子がエロ担当なんですか!? 全身弄られる対象なんですか!? アウトだ、アウト! 


【第三話『追跡と追撃と』】
この方向の変態はちょっとレベルが高すぎるw たまに登場するタイプだけれど、どうしてこの手の変態ってやたらとスペック高いんだ!? あと、Pちゃんのイラストが力入りすぎじゃないですかね!!
何気に、この回で女子のおぱーいを揉んでるモルト。前回も散々12歳女子の胸を揉みしだいてましたけれど、お前ちょっと一話の少年に謝っとけ。


第四話『お祭り前夜と占い師』
肉美味しそうだなあ、肉。炭火でじっくり炙った肉が本当に美味しそうでねえ。いや、これに限らず、今回はがっつりとした料理じゃなくて、酒のアテ的な小料理が多いんだけれど、これがどれも美味しそうでねえ。このアサウラさんに描かせると、どん兵衛でも至高の逸品に思えてくるから当然なんだけれど。
占い師のチョココさんの何気にちょっといい仕事してますねえ、的なお話。途中の妨害ってもっとえげつないのが来るかと思ったけれど、あのゴロツキ二人のオトコ劇場がそれだったのか。拍子抜けというべきか、ある意味戦慄だったというべきか。
祭り前夜ということで、普段にもましてふらふらと所在なく街をうろつくモルツが帰るところは、なんだかんだとリッツの所なんだなあ、というお話。なんだよ、メインヒロインやっぱりリッツじゃないか。じゃあ、脱がされたりエロいことされても、メインヒロインなんだから仕方ないよなあ。たとえ12歳でも。


第五話『開催、漢祭り』
ビジュアルが度し難いほど汚いんですが! イラスト不可、にしてもいい漢の裸率なんですが。そこにぴーちゃんが混ざると、もはや産業廃棄物レベルなんですけど。
ふんどし交換はやめれ。マジやめれ。
一年間封印され、魔物が溜まりに溜まったダンジョンに、武器も防具もなくふんどし一丁、手にしていいのは武器に当たらない道具が一つだけ、というハード極まりない条件に乗っ取り、勇んで突撃していく漢たち。まさに漢祭り。
いや、フライパンはわかる。納得は出来ないが理解はできる。料理人が使うのは料理道具だよな。
パンもわかる。いや、堅焼きしたパンが金属製の盾や鎧を安々と貫いて、ゴーレムぶっ飛ばすとかいみわからないけれど、理解は出来る。そういうものだと思えばそういうものだし、パン屋がパンを武器に使って何が悪い、という話である。
変態が、拘束具やボールギャグを道具として選択するのもまあわかる。M豚としては譲れない領域なんだろう。
でも、12歳女児のパンツ(頭部に装着)が、そいつにとって一番合う道具、というのはどうなんだろう。フィット感の素晴らしさにパワーが湧き上がってくるのなら、仕方ないのかもしれないが。世界の真理なのかもしれないが。
パンツ装着したモルトの姿を、伝令班が勇んで地上に伝えに行くシーンには、不覚ながらもんどり打って笑ってしまった。あれはマジで呼吸困難になったわい! 酷いにもホドがあるわ!!


第六話『祭りの後に残りしもの』
実はあんまりありがたみがない女神さまの裸体。自分から脱ぎたがる人のはなあ。
あれは普通に怒っても、場合によっては殺害しても悪く無いと思うパンツかぶられた最大の被害者であるリッツだけれど、モルトの頭ハンマーでぶん殴ってしまったのを気にして、落ち込んでしまってるリッツが可愛くてねえ。
この娘、もうちょっとマシな相手に構えばいいのに、どうして好き好んでこの宿六にかかりきりになってるのか。まあしゃあない。好きなんだから仕方ない。


第七話『女神の座、モルトの場所』
ほう、モルトにとってあのアパートは特別な場所なのか。幼少の頃世界をめぐってたり、リキュールの警備隊の象徴である長柄刀を手放さないくせに、警備隊とは一定の距離を保ってたりとか、何気に過去に色々とありそうな陰のあるキャラなんですよねえ。モルトという名前からして、どうやら本名じゃないみたいですし。
となると、リッツとの関係も単なる大家と店子のそれとは違うのか。リッツの両親が娘がモルトに構うのを、むしろ後押ししている素振りも妙といえば妙な話ですし。
まあこうしてみると、リッツがメインヒロインというのは間違いないのかなあ、というところ。長編だった一巻だと、その時はそこまで深く関わってるようには見えなかったけれど、これだけ健気で可愛いとねえ。

1巻感想

英雄都市のバカども ~王女と封鎖された英雄都市~ ★★★☆  

英雄都市のバカども ~王女と封鎖された英雄都市~ (ファンタジア文庫)

【英雄都市のバカども ~王女と封鎖された英雄都市~】 アサウラ/だぶ竜 富士見ファンタジア文庫

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かつて戦乱から街を守り切った英雄たちの末裔が住む辺境都市・リキュール。その血は、今も脈々と受け継がれていた。身の丈ほどの大剣を操る無双のシスコン自警団長、誰にもそのお尻を触らせない眩惑の看板娘、鋼のごとき硬さの絶品パンを焼く職人、大岩を軽々と担ぐ剛力の大工(手抜き)…。そんな、毎日がお祭り騒ぎのこの街に暮らす、ワケありビンボー何でも屋モルト。彼のもとに、祖国を追われた王女が逃げ込んできた!彼女を追う帝国は、圧倒的大軍で街を包囲する。窮地のリキュールだが、可憐な少女を見捨てるなんて選択肢は、英雄の血を引くバカどもの頭にはもちろん存在せず―!?
バカだ、バカ過ぎるww
凄いなあ、このバカが敷き詰められたかのようなバカの密集感。普通は、底抜けのバカがたくさん登場すると言っても、主要人物周りが中心であって周辺のモブの人たちはそんな「バカ」の馬鹿げたなさりように振り回され、慄き、逃げ惑うものなのですが、この作品と来たら、一つの都市丸ごとが無名の住人一人ひとりに至るまで手遅れのバカばっかり! 上は政治家から下は一般庶民に至るまで総じてバカ。その辺を歩いているモブさんの反応からして、もうなんというか「あかんやろう」というようなトチ狂いっぷりで、この街ヤバイ感がパないのである。むしろ、細密に描かれる個々人のキャラの方が若干まともに見えるんじゃないだろうか。あくまで若干ですけどね!!
でも、ホントに馬鹿ばっかりなんだけれど、決して考えなしの愚か者ではないんですよね。いや、考えなしはみんな考えなしのような気もするのですけれど、刹那的に暴走して好き勝手やらかすようなどうしようもない連中はいないんですよ。帝国から送られてきた軍隊に街を包囲され、厳重な封鎖下に置かれ、兵士たちに傍若無人な振る舞いをされても、脊髄反射的に反応するのではなく、じっと堪えて耐え忍ぼうと市民一人ひとりが選択しているあたりなど、とても理性的で忍耐強い対応なんですよ。
その奥底でふつふつと滾らせている「モノ」が極めて馬鹿っぽい方向性で、ベクトルがマイナス向いてなくて痛快な方向なのが、本当に「バカ」なんですけどねえ。なんて気持ちの良いバカっぷりだろう。陰鬱なものを抱え込まず、スカッと吹き飛ばしてくれる。
いやね、でもそれにしても、その我慢に我慢を重ねた末に爆発させたものが、完全に「ヒャッハー」系なのはイカンともしがたいw いや、ヒャッハーなノリだけならまだしも、なぜ脱ぐ。いやもう本当になぜ脱ぐ!!

なぜ脱ぐ!?

一人ならまだしも、集団だとインパクトが。ビジュアルがww
個々にスポットをアテても濃いし、じゃあと俯瞰的に街を見渡してもやっぱり濃いし、こんな濃度の濃すぎる街に普通のメンタルで何の構えも備えも覚悟もなく、無防備に突っかかっていく帝国軍の哀れな生け贄の人たちのなさりようは、パンパンに膨らんだ風船をキャッキャと尖った枝でつついて遊んでいるようにしか見えず、もうあかん、それはあかん、と顔を覆うしかありませんでした。

案の定!

はい、ご愁傷様です。見事に頭のオカシイことになって振る舞わされ、戦慄し、逃げ惑うマトモな愚か者たちの末路には、両手を合わせて南無南無と冥福を祈るしかございません。

なんか表紙はサシャが飾っているし、ウェブ版でメインヒロインしているのは下宿の娘さんのリッツらしいのですが、本編のヒロインはサブタイトルにもなっている王女さまのディア。ゲストヒロインという扱いなんだろうけれど、これがまた「ルパン三世カリオストロの城」のクラリス並にガチンコのお姫様ヒロインしてるんですよね。あれ? こんなに本気でモルトに惚れていいの? というくらい、しっとりと恋愛モードに入っちゃってるんですよね。天然でぽわぽわした性格からして、モルトの積極的なアプローチを無自覚に受け流すのかと思ったら、しっかりと受け止めて本気になっちゃってますし。しかし、一方で王女としての自覚に目覚め、己の責任を果たすためにこの恋は道ならぬものとして割りきっていってしまうのですけれど、ゲストヒロインとして一話で去っていくにはもったいないくらいの人だったなあ。なんかこれだけガチになりながら後腐れなく距離を置いていってしまうのは、作者の作品【ベン・トー】のアイドル広部さんをちと連想してしまいました。
ベン・トーと言えば、作者お得意の飯テロ描写は本作でも健在。端からあれだけガツンと美味しそうな描写されちゃうと、困るから。お腹減っちゃうから。減ってなくても、なんか食べたくて仕方なくなるから!
これだから、アサウラさんの作品は構えて読まないといけないんだよなあ。

次巻も1月には出るみたいですし、ウェブ連載している話の方もいずれ出てくるでしょうし、楽しみなシリーズがスタートしましたねえ。

アサウラ作品感想

ファング・オブ・アンダードッグ 3.沈没の空 ★★★★  

ファング・オブ・アンダードッグ3 沈没の空 (ダッシュエックス文庫)

【ファング・オブ・アンダードッグ 3.沈没の空】 アサウラ/晩杯あきら ダッシュエックス文庫

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世界を巡る任務の合間に湖畔の村ヤン・バーミを訪れたアルクとユニ。そこはソラの故郷であり、紫苑という、彼と結婚の約束をした女性がいた。最近二人の文通が滞っていることから代わりに様子を見に来たのだが、そこでアルク達は思わぬ事実を知ってしまう。一方、総本山では罌粟が「睡眠期」に入り、その時をはかったかのように謎の巨大飛翔体、八体が現れ、総本山を包囲する。イリスの指揮の下、陣士総動員で撃破に向かうことになり、アルク達もその最前線へ赴くのだが、リベルテンの手は総本山内部にすら深く入り込んでいて―!?陣士として、友として、アルクは極限の空中戦に挑む!無頼派和風バトルアクション第3幕!
陣士として着実に成熟し成長しつつあるアルクだけれど、人として男としてはまだ幼く純粋なんですよね。でも、その純粋さがずっと虐げられ傷ついてきた男にとっては眩しいものだったんだろうなあ。その純粋さがまっすぐ自分に向けられ、その未成熟さが自分のために憤ってくれるのは、ソラにとって嬉しいことだったんだろうなあ。
でもその痛いくらいの好意は、ソラにとって決して心地よいだけのものではなかったはず。放っておいてくれ、余計なことを、お前の知ったことではない、そう思う部分がなかったわけではないだろう。アルク自身も純粋であってもバカではない、察しが悪いわけでもない。自分の行為や感情が、決して相手に喜ばれるだけのものではないものだと理解し、恐れていたのも事実である。しかし、ソラは一切そうした反駁を見せなかった。全部飲み込んで見せて、自分にとってありがたく嬉しかった部分だけを救い上げて汲みとって、心から笑ってくれた。器だろう。そういう男なのだ。アルクだけに対してではない、自分が愛した女性にも自分が友だと信じた男にも、彼は苦しく痛みを感じる部分を全部飲み込んで、自分の中の輝かしい姿の彼らを一切穢さなかった。相手の幸せを、本当に心から願い喜べる男であったのだ。
良い男である。この男こそ、得難い友である。だからこそ、彼には、ソラには……。いや、言うまい。それは、彼の覚悟にとって無粋ですらある。その結末に、彼は一抹の不満も抱いてはいなかったのだから。彼は、やり遂げていったのだから。
戦友であり親友でありもう一人の兄でもあった男の生き様を見届け、その姿を目に焼き付け、その魂を託されたアルクは、また一つ人生の歩みを進める。少年は男になっていく。アルクは、幸いなのだろう。いつまでも追い続ける事のできる偉大な背中を持つ兄貴分を、二人も身近に得ていたのだから。

……あの二人は、幸せになれるだろうか。なって欲しいな。ソラは、それを心から望んで願っていたのだから。彼の祝福を、呪いにはしないで欲しい。痛みも苦しみも悲しみも乗り越えて、幸せになって欲しい。そう思う。

物語は、激動の展開を経てクライマックスへ。かつて陣士となるための試練でライバルとして競い合ったあのコンビの再登場が、頼もしい仲間としての再会となったのは嬉しい限り。いやあ、あの人達がこれだけ命がけで一緒に戦ってくれて、口や態度ではなんやかんや言いながら、本気でアルクたちを心配して助けてくれたのは嬉しかったなあ。しかも、めっちゃパワーアップしていたし。
あの烏たちもどうやら次回登場するみたいだし、楽しみ楽しみ……ところで烏のお嬢さん、なぜ耳かき棒を用意している?w

シリーズ感想

ファング・オブ・アンダードッグ 2.烏の嘴4   

ファング・オブ・アンダードッグ2 烏の嘴 (ダッシュエックス文庫)

【ファング・オブ・アンダードッグ 2.烏の嘴】 アサウラ/晩杯あきら ダッシュエックス文庫

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悪しき者達を倒すために世界を巡る陣士、アルクとユニ。新たな任務は疫病で封鎖された城壁都市ヤリゼイサの調査だった。アルクは素性を隠して都市に潜入する際、少女の命を救う。都市の住民であった少女は恩人の剣士としてアルクに淡い想いを抱くのだが…ある時、彼が事件の犯人だと聞かされ、しかも嫌悪する陣士であるという真実を知ってしまう。そしてこの時、反陣士組織「烏」の精鋭、円と斛はアルク殺害のため、都市に侵入を果たしていた…。助けるべき都市の群衆、烏、そして事件の真犯人…全てを敵に回し、孤立無援となったアルクは誰を倒し、誰を救うのか…!?死闘に次ぐ死闘、時々耳かき。無頼派和風バトルアクション第2幕!
アルク、強くなったなあメンタルが。まだ陣士となる前のアルクは兄から逃げ出してきたことで自信を持てず負け犬と言われても仕方ない後ろ向きな面が強かったのだけれど、兄に認められその愛情を実感し、剣士としての自分を肯定できた上でユニという無二の相棒を得たことで、陣士となるための戦いを勝ち抜けたのだけれど、その得た自信と実績は彼を確かに一廉の剣士とし、一廉の猟犬としたようだ。今回の一連の出来事は相当に心を痛めつけて来る内容で、どこで心折れ不幸を嘆き理不尽に挫けて悪意に屈してもおかしくなかったのに、アルクは最初から最後まで一切ブレずに弱き者の味方であり続けた。本当にカッコ良かった。不細工で無様な形だったかもしれないけれど、守った人たちに理解されず、それどころか理不尽に虐げられ憎まれ恨まれたけれど、自ら悪を背負い正義を成す姿は、正しく正義の味方だったんじゃないだろうか。
その健気で一途な姿に、一番共感し理解し心を寄せてくれたのが、よりにもよって反陣士組織「烏」の戦士である円と斛だった、というのは皮肉な話。最初はアルクを殺す対象として近づき、しかし剣を交えることで倒すべき好敵手へと認識するに至ったと思ったら、最終的にアルクが受けた理不尽な待遇に一番憤り、悔しがり、怒りを露わにしたのが斛たちだった、というのは……この苦しい話の中で涼風として吹き抜ける展開だった。
特に斛は、暗殺組織の人間という以上に、反陣士組織の人間というより、「烏」という組織の基本理念だったはずの「陣士に苦しめられる民衆を助ける」という理念に忠実な、ある意味アルクたちと同じ方向性の正義の味方、な部分が強かったんでしょうね。だからこそ、相容れないはずのアルクたちと同調してしまった、と。
いつか、決着をつけなければいけない。剣を交えて殺しあわなきゃならない関係だとしても、だからこそ通じあってしまった、というべきか。お互いに、剣士としての業が良き形で化学反応起こしちゃったんだろうなあ。
剣友みたいになってしまった斛とはともかくとして、アルクと円の関係ははっきりいって思わぬ方向からドツボにはまりましたよね、これ。もっと普通に敵という位置に居続けるものだと思ってたら、円って完全にこれヒロイン枠じゃないですかw
1巻の剣鬼っぷりみたら、ヤンデレ風味の殺し愛上等のやや精神的にも異常なものを抱えてる系だと思ってたんだが、まさかの「耳かき」展開。魔性の耳かきに垂らされましたよ、この娘w
【化物語】の阿良々木くんの「歯磨き」に匹敵する、女の子をトロトロにとろかす魔性の技「耳かき」の誕生である。円、なんかヤバい薬にハマったみたいになっちゃってるじゃないか、これ。
そこに留まらず、もっと直接的にアルクと「アレ」な事をしてしまうはめになったのには度肝を抜かれてしまいましたけれど。アサウラ作品でここまでするのって、ベン・トーの著莪相手以外じゃなかったんじゃないだろうか。一躍これで円、一気にユニに並んじゃいましたよ、筆頭ヒロイン候補として。共闘し、同じ敵と戦って死線をくぐり抜けることで、お互い剣技をぶつけ合うのとはまた違う通じ合うものも得てしまいましたし、殺しあう好敵手として、助けあう仲間として、意識しあう男女として、の三拍子が揃ってしまったような、これ。まあ、アルクからは果たしてどれだけ矢印が向いているかはわからないですが。
なにしろこの主人公、一番ラブラブなの、アニキだもんなあ。アニキはアニキで弟好きすぎてドン引きレベルだし。ちゃんと奥さんが居て仲睦まじいのが幸いだけれど、義姉さんが器の大きい人だから助かってるけれど、奥さんが嫉妬に狂いかねないほどアニキ、弟好きすぎるもんなあ。若干、キモいくらいw
弟は弟であれだけツンツンしてたのに、今じゃ尻尾ぶんぶん振り回す勢いで兄ラブだもんなあ。まあ、こいつの人生、兄に認められることだけに費やしたようなものだし、仕方ないのだけれど。
それにしても、兄貴がメインヒロインすぎるw

一巻感想

ファング・オブ・アンダードッグ 3   

ファング・オブ・アンダードッグ (ダッシュエックス文庫)

【ファング・オブ・アンダードッグ】 アサウラ/晩杯あきら ダッシュエックス文庫

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『陣』とは、この世の全てを操る命令である。それは、かつて存在した日本という国が作り出し、世界を破壊し尽くした技術であり、「漢字」を体に入れ、組み合わせることで様々な力を発揮するものだ。
しかしながら、人々は一度世界を滅ぼした技術である陣を警戒しそれを利用する者たち――陣士を敵視し、暗殺の対象としていた。 それらを理解してもなお、陣士を目指す少年アルク。その心には、剣豪一族・府津羅の末裔である自分自身と、最強の剣士である兄との決別があった。そして相方・ユニと共に陣士選抜トーナメントに挑むことになったアルクの前に立ちはだかった者とは…! ?
若きアンダードッグが牙を剥く! ! 和風無頼派バトルアクション!
和風というよりも、中華ファンタジー的な雰囲気だわなあ。それも武侠モノ。と言っても陣士は武林の徒ではなくて、道士のカテゴリーに属する存在なんだろうけれど。むしろ、府津羅の方が武林側か。
アルクは言わば、その陣士と剣士の両方の流れを組んだハイブリッド。西洋ファンタジー風に言うなら魔法剣士、というのになれるはずの位置にいるはずなんだけれど、そういうイイトコ取りをするには双方に前向きな取り組みがなされていてこそであり、府津羅の剣士としてドロップアウトして逃げ出す形で陣士になることにしたアルクにとって、実のところ剣は恐怖の対象であり、陣は逃げ場という意味しかなかったわけだ。最初は。
その心の有り様は負け犬であり捨て犬であり……しかし犬である以上捨てられぬ牙がある。だが、そのままだったとしたら、せっかくの牙も怯えて閉じ込められたままか、或いは狂犬として見境なく噛み付く凶器となっていたのだろう。
しかし、彼は確かに愛されていたのだ。
失望され憎まれ嫌悪されていると思っていた家族に、実はちゃんと愛されていたと察した時、彼の怖じた負け犬の魂に力が宿った。情けない自分を、本気で心配してくれる友人が居たのだと知った時、その牙は正しく振るわれる先を知った。そして、こんな自分を何よりも信じてくれる仲間が居るのだと理解した時、少年は強さの意味を知り、振るうべき力を知り、戦う意味と価値を知る。
実に真っ当で健全な成長物語よなあ。
まあそれにしても、兄ちゃん弟好き好きだろう。白粉さんがハァハァ言いそうなレベルじゃないですか。実は兄ちゃんの奥さんハァハァしてるんじゃないか、と勘ぐりたくなる。まあ好きすぎるのが高じて虐待どころじゃないレベルで痛めつけていたのはどうかと思うけれど。でも、実際に心を折ろうという目的あってやっていたのだから、やりすぎではないのだろうけれど、兄ちゃんが自覚しているとおり、じゃあそもそも剣を教えなければ済む話で、しかしコミュニケーションの手段が剣しかなかったというあたりに、兄ちゃんの不器用さが極まっている。
幸いなのは、彼の愛情がすれ違わずにちゃんと弟に届いたことか。
他人の本当の気持ちも、自分の中にある本当の望みも、気づくのは難しいもの。それらは得てして、自分と向かい合い、他人と向かい合わなければどうやったって見いだせない。それを成し得た彼は、もう負け犬などではないのだろう。
まだ正式に陣士となる事もかなわず、その資格を獲るための戦いという前哨戦もいいところの展開なんだけれど、そこでこれだけじっくりと叩いて伸ばして成長させるというのは、過保護でもあり丹念でもあり、かなり腰を据えたシリーズなんだろうなあ、というのが伝わってくる。
しかし、シリアスでハードに見えて、随所にアサウラさんらしさが散見されてしまうのは、もはや業というべきなのか。とりあえず、いつでもどこでも「ガチムチ」は必須なのねw
そして、やっぱり料理は美味そうなのね。今回はシンプルに団子とハンバーガーだったけれど、ハンバーガー美味そう。だから、なんでそんな美味しそうな食事描写するの? お腹減るじゃん!!

アサウラ作品感想

生ポアニキ  3   

生ポアニキ (オーバーラップ文庫)

【生ポアニキ】 アサウラ/赤井てら オーバーラップ文庫

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鍛えろ……筋肉は裏切らない!

半不登校で孤独な生活を送る木村ユースケは、カウンセラーの勧めで新たに設けられた『恋愛生活保護』を申請した。
これで相性の良い自分好みの女の子が現れて、幸せになれる…はずだったのだが、約束の日、家に来たのは女の子ではなく、一糸まとわぬマッチョな爛▲縫瓩世辰!
一方で本来現れるはずの鳳来寺(ほうらいじ)ユリは転校生として現れるも、ユースケの好みとはことごとく違う。
家に住み着いたアニキ、ユースケを拒絶する転校生(ユリ)、そして秘密を抱えて近づくクラスメイト・松笠(まつかさ)アザミ…。
謎が謎を呼び、アニキの汗がほ とばしる! 果たしてユースケに恋人は出来るのか! ?
全ての答えは筋トレの先にある!
少年少女と一人のマッチョが織りなす健全なる物語。
ハイテンション・マッスル・ラブコメここに交付! !
マッチョ! マッチョ! 
一つの食卓を引きこもり少年と美少女と裸のマッチョと囲む生活。勿論、料理を作ってくれるのはアニキだぜ?
……これが美味そうなのが悔しいです。アットホームな雰囲気なのが狂気です。裸エプロンのマッチョがにこやかにマッスルポーズを決めている横で、健康的で美味しいご飯を綺麗な女の子とパクツク構図は、ベン・トーのそれを上回るカオスなのだけれど、アサウラさんのメシウマ描写はどんな状況でも関係なしだね。色んな意味ですごすぎる。
いや、正直あの白粉花さんご推薦ということで、もっとイケない感じの汗が飛び散り交じり合うような、サイトー刑事が括約筋で活躍するような話なのかと、戦々恐々ちょっとワクワクしていたのだけれど、意外に真っ当なノンケなストーリーで安心するやら何とやら。これをノンケで真っ当と感じる時点でちょっとヤバいのかもしれないけれど、ぶっちゃけ白粉花先生が手掛けるアレ以外は流石にウケツケませんから。
逆に言うと、白粉花先生の刑事サイトーシリーズはガチムチなのに本気で面白そうなのが、マジで怖いです。……怖いもの見たさ! という微妙な期待が、この作品に対してハラハラしてしまう要因だったのですが。
とはいえ、ノンケとはいえ本作のヒロインの一人がアニキである事は疑いようのない事実。その出会いはまさに運命。箱詰めで送られてくるアニキ。箱をあけると、そこには全裸のアニキが。アニキと筋トレが、少年の生き様を変貌させる。これこそ、まさにボーイ・ミーツ・マッチョ。筋肉は嘘をつかず裏切らないというのなら、筋肉の塊であるマッチョなアニキも嘘をつかず、裏切らないということ。そのマッチョなアニキの親身で愛情の篭った共同生活が、ぶよぶよに弛緩し腐り果てようとした少年の身と心に筋肉の繊維を通す、という真っ当な成長物語。
とはいえ、アニキだけではやはり潤いがかけるので、肌的にはつやつやするかもしれないけれど、メンタル的にはいけない方向へ突き進んでしまうかもしれないので、そこはそれ、ちゃんと女の子という潤いも。
このままじゃいけないのだと、今までの自分を変えるために自分で選び取った一歩。『恋愛生活保護』という選択は、ユースケにとってもユリにとっても、傷つき乾き途方に暮れたままどうしようもなかった二人にとって、すがりつく最後の希望であると同時に、勇気を以って掴みとった彼らの前進なのである。それは果たして、うまくいくものだったのかは、今となってはわからないけれど、ここに「アニキ」という要素が加わった事で、彼と彼女は最初の一歩を最後の一歩とすることなく、当初はわけのわからないままアニキに引っ張られ、煽られ、押されてのことだったかもしれないけれど、前へ前へと進んでいくのである。
自分を変えようとする行為と、それを芽生えさせ維持する意思は、やはり偉大だ。そして、見た目にもその成果が覿面にわかる筋トレは、その中でも一際輝いてる。筋肉が輝いてるんだよ!!

ただ、少しだけ物足りなかった点を指摘するなら……アサウラさんのメシウマ描写的に健康志向のローカロリー料理がほとんどだったので、脂っぽいギトギトしてカロリー高そうなものが食べたか……じゃなくて、読みたかった!! 幾ら素晴らしくて素敵でもアニキばかりだとうるおいが欠けてしまうように、どれだけ美味しそうでも健康的な料理だけじゃなく、たまには唐揚げとかカツ丼とかカップ麺とかもないと、やっぱり物足りなさが……。読んだ時の空腹感がやっぱり違うんですよね……。って、本に、読み物に、ライトノベルに何を望んでいるのか謎じゃ、とか言われそうだけれど、アサウラ作品についてはこれ、逃れられない業ですからっ。

アサウラ作品

デスニードラウンド ラウンド3 4   

デスニードラウンド ラウンド3 (オーバーラップ文庫)

【デスニードラウンド ラウンド3】 アサウラ/赤井てら オーバーラップ文庫

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悪夢と絶望の国DNRで壮絶なサバイバルゲームが始まる!

ある日、組合から松倉チームに妙な依頼が入る。
尋常ではない高額なギャラの仕事とは『デスニードラウンド(DNR)』というテーマパークで夜な夜な行われている『何か』の調査だった。
一般客に紛れてDNRへ来たユリ達は招待を受けたとある園内のレストランへと足を運ぶ。
そこはDNRの真のゲストだけが訪れることを許された、秘密の会員制クラブだった。
そこでユリ達は知る。DNRの真実と仕組まれた狂気のシステム、そして閉園後の禁断のイベントを。
迫り来る、楽しげな音楽と笑顔に包まれた電飾で彩られたパレード、DNRの人気マスコットキャラクター達……。 「悪夢と絶望の国へようこそ! 幸福な死を君に――ハピデス! ! 」
悪夢に占められた夜に、未来を求めて足掻く者達のサバイバルゲームが始まる!
この作品を著してのち、アサウラ氏は浦安の路上で、衆人環視の中、名を記すのも憚られる怪物に貪り食われて果てたと伝えられる……なんて風にして消息不明になりそうですね!!
これが絶筆とならないことを祈るばかりです。もしくは、これ以降のアサウラさん名義の作品はもう中身が入れ替わった別人の作品として覚悟して捉えるべきか。
まあ、飯食う描写を見れば別人か否かは一目瞭然なんですけどね。こればっかりは真似できめえ。

というわけで、真打ち『デスニードラウンド(DNR)』である。悪夢と絶望の国へようこそ。これ、裏のコンセプトかと思ったら、堂々とこの悪夢と絶望の国で売り出してるのか! ハピデスの由来と言い、悪趣味の度合いが色々とぶっちぎり過ぎてて、読んでるこっちまで戦々恐々Deathよ。むしろ、マンハントを観覧している上流階級の連中は悪徳としてはわかりやすい分、怒りや嫌悪は感じても怖いとか気持ち悪いとかは感じないのですけれど、このデスニードラウンドの在り方、根底にはびこる悪意には理解できない邪悪さへのおぞましさ、吐き気のするような気色の悪さをねじ込まれるようで、ちょっとたまらんかった。これに比べたら、1巻や2巻の怪物たちはまだよっぽどマシだったのが知れる。というよりも、そもそもアレらの元凶がこのデスニードラウンドだったわけですから、当然の話なのか。でも、遊びに来るゲストを愚弄しきった、この人間そのものを蔑むかのような遊園地の在リようは、ゲスの極みもいいところでした。
だからこそ、ユリと美鳳の女の子同士の友情や、松倉さんたちの思いやりが余計に身に染みるんですよね。特に松倉さんたちは、ユリの扱い変わりましたよね。ユリがそれだけひたむきに頑張り、松倉さんたちに認めさせたのもあるんだろうけれど、最初のラウンドで心身ともに疲弊しきったユリを、ちゃんと精神面から庇護してくれたことといい、最後まで見捨てずに仲間として戦ってくれたことといい、なんかすごく嬉しかったです。松倉さんたち、何だかんだと怖い人たちだし、非情に酷薄に徹する事もできる人たちなんだろうけれど、自分の作った料理を美味しそうに食べてもらうと嬉しそうにしたり、信義を守り、プライドを掲げ、懐いてくるものを無視しない優しさがあり、怒りを共有してくれる。それはとても人間らしい在りようで、この狂って壊れて人間として破綻した思想がはびこる世界では、すごく安心させてくれるんですよ。何より、美味しそうに飯を食う様は、他の何よりも人間味に溢れている、その意味ではこの一連の物語の最大の鍵は、最初から最後まで「ごはんを食べるシーン」だったのかもしれません。
この第三巻でも、なんとユリの作ったお味噌汁がまた、美味しそうなんだ! それぞれがユリの出したそのままではなく、アレンジして食べるんだけれど、あのガッツリとしたおかず感と来たら、もう読んでるだけでよだれが垂れてくる。思い出しただけでも垂れてくる。あれにおにぎりつけて食べたら、どんなに幸せになれるだろう。
うんうん、何がハピデスだ。幸せってのはそんな戯けたもんじゃないんですよ。飯を食え! 飯を食え!!

ユリは、この地獄を乗り越える過程で、ついに精神的な一線を越えてしまったようで、名実ともに松倉一味と同等になってしまいましたが、あれだけ美味しそうに飯を食えている間は何の心配もなさそうです。私も、松倉さんの作った豚の角煮食べたい! 角煮って最近食べてないけど、あれって至宝ですよね。角煮食いたい、角煮食いたい。角煮食いたい……角煮……。

ラストラウンドは、とにかく一から十、頭の天辺から足の先まで悪が詰まった邪悪にしておぞましいゴミクズばかりが敵だったものですから、それをぶっ飛ばす展開は痛快のヒトコトでした。特に、いつもの四人組だけじゃなく、松倉さんの知り合いや美鳳の家族まで集まっての総力戦ですからね。それも悲愴な復讐戦ではなく、お祭り騒ぎのどんちゃん騒ぎ。この人ら、揃いも揃って不死身すぎるw
その中でも特に、なんで死なないんだ? という不死身っぷりを見せつけていたのが大野でしたけれど。このポンコツ、なんであれだけ巻き込まれてて死なないどころかろくに怪我もしないんだ?
このDTくんって、わりと頭の中が【ベン・トー】の佐藤みたいですよね。あの訳の分からない不死身っぷりもそうですけれど、突然キメ顔で何の感銘も与えないセリフを語りだして、自分ではイケてると思い込んでるあたりとか。ナチュラルに変態のところとか。うん、キャラのパターンがやっぱり佐藤タイプだ、この人。多分、この人の一人称だと分けのわからないくらい長々と地の文で色々と垂れ流してるんだろうなあ。
残念ながら、こちらでは致命的にモテなさそうだけれど。

ともあれ、作者の人生そのものを紐なしバンジージャンプさせるかのような、際どいところを攻めきったシリーズもこれにて完結。なんちゅうか、読んでるこっちも精神が磨り減りつつ高揚させられた挙句に空きっ腹を抱えさせられるという、いろいろな意味で難儀で面白い名作でした。これでもかというくらいやりきった!!

1巻 2巻感想

ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円4   

ベン・トー 11 サバの味噌煮弁当【極み】290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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狼たちの集大成!
半額弁当争奪戦、ここに極まる!!
半額弁当バトルに青春を賭ける佐藤洋は魔導士に拒絶され、涙する槍水を見て以来、HP同好会の部室へ向かう足が遠のいていた。そしてその夜を境に佐藤、槍水共に弁当の奪取率が急激に落ち込んでしまう。この状況を変えるために、白粉は一人魔導士へ戦いを挑むのだが…。そして悩める佐藤が狼として、男として槍水に告げた決意とは…? 「最強」の称号と【極み】と名付けられた弁当を手にするため、今、狼たちが集結する! 半額弁当をめぐる青春シリアスギャグ・アクション、史上最大の特盛りで贈るクライマックス!!

ちょっ、ちょっと待て。もしかして、狼を極めてしまうと必然的にスーパーの半額神へとクラスチェンジしてしまうのか!? 最強へと至った狼の就職先はスーパーなのか!?
実は先刻読んだ【ベン・トー】の漫画版でチラッと未来編みたいなパートがあったんだけれど、これは茉莉花の夢、という形にはなっているのだけれど、オルトロスの二人も半額神になってるんですよね。今回明らかになった、狼の前代とも言うべき「騎士」たちの頂点に立った男の征く果てを見てしまうと、さてはウィザードも将来半額弁当争奪戦に携わる職業についてしまうのではないかと想像してしまったじゃないか。日本みたいなスーパーの形式を持たないアメリカなどでは、半額弁当争奪戦などは無いそうなのだけれど、そこはウィザードがどうにかしてしまいそうな。なにしろ、天才だしな!!

その天才様の顔を青くさせた白粉は、間違いなく今回のMVPだったんじゃないでしょうか。もしかしたら、ラストの魔導士との最終決戦よりも、白粉の死戦の方が熱かったかもしれないというほどに。正直、白粉があんなにかっこよくなるなんて想像だにしていませんでしたよ。もうずっと「モンスター」化してしまっていたのに、最後の最後にあんなに覚悟決まった誇り高き狼になるなんて、ズルいよ。
覚醒した白粉の能力もまた凄まじかった。あれ、単純に弁当をゲットするだけなら、魔導士に勝ててましたし。能力を悟られるまで、実際圧倒してましたし、取れる場面もありましたから。ってか、もはや弁当争奪戦という舞台で使うには能力のスケールがパなすぎるよ!(笑
まあ、スーパーという限定空間でしか使えない能力だろうから、まさに弁当争奪戦にしか使えないんだろうけれど。白粉の敗因というか、魔導士が指摘するところの彼女の狼としての足りなさは、結局「食べたい」という飢餓感の少なさなのかな。彼女は最初から空腹に対する飢えた感覚、美味しい弁当を食べたいという意気が他の狼に比べて薄いところがありましたし。彼女が「腹の虫の加護」を十全に受ける事ができるようになったら、とてつもない狼になれそうなんだがなあ。肉体的な弱さってのは、この半額弁当争奪戦の場合概ね「腹の虫の加護」で克服できるものらしいのは、白粉以外の女性陣がまったく力勝負で引けをとってないことからも明らかですし。

しかし、今回は魔導士との戦い、最強の称号を巡る動きがあまりにも中心すぎて、「うまい弁当を食べるコトこそ至上」という物語の芯とのバランスが非常に危ういものだった気がします。確かに、佐藤の勝利の要因はうまい弁当を食べたい→誰かと一緒に食べる弁当こそ最高の味、という結論で、主題こそ貫けていましたけれど、どうしても最強の座や、恋愛修羅場が話につきまとい続けていたので、戦う理由の研ぎ澄まされ方がぼんやりしていた感じなんですよね。その意味では、広部さんの回に比べて純粋さに欠けてしまうし、逆に戦いの価値がメインだったオルトロス回と比べても、戦う人たちの心に余分が多かった気がする。そもそも、肝心の魔導士がラスボスとしてはやや下衆になってしまって、品格を落としてしまってたからなあ。図らずも、2巻のモナークことパッドフットと似たような雰囲気になってしまった気がする。そのパッドフットが今なお狼として健在で、佐藤と一緒に弁当を食べるシーンに至ったのは、ちょっとじゃなく感動してしまいましたけれどね。
場に出れる人は集えるだけ集まり、出れない人もその最強を決める最後の戦いに思いを馳せ、はじまった最終決戦。これは火が盛り上がるというよりも、聖火リレーみたいな感じで、最後の魔導士と佐藤の激突まで戦いの中でも皆が橋渡ししていくような雰囲気で、そうですねえ、劇場版のクライマックスシーンみたいな流れそのものでした。だから、幕が引いていくのをぼんやりと見送っているような感覚でしたね。
なんだか興奮するよりも、終わっていく感じが……寂しかったです。
個人的に、圧倒的に著莪派だったんで、先輩エンドは佐藤の気持ちは本気度はともかくわりと一貫していて納得は出来ましたけれど、だからといって嬉しくはなかったですね、こればっかりは正直な気持ちとして。著莪の内助を見てしまうと尚更にねえ。先輩、全然気持ち向いていませんでしたし、ずっとヘタレたまんまで狼としてもヒロインとしても見せ場らしい見せ場は殆どありませんでしたし。
むしろ、白梅ルートもありだったんじゃないか、と思える今回の白梅さん。いや、恋愛的に脈ナシなのはわかってるんですけれど、バレンタインでチョコくれたあたりから彼女の佐藤への当たりがものすごく柔らかくなってて、さらに今回のあの態度でしょ? ガチレズだけれど、結婚くらいならしてくれるんじゃないか、とか思っちゃうじゃないですか!!(逆ギレ

ちなみに、佐藤がついに魔導士に打ち勝つ「真理」に辿り着いたのは、狼としてでも先輩への想いゆえでもなく、ひたすらに「真のセガユーザー」だったが故、にしか見えないのは自分だけだろうか。
いやだって、ようやく得た最後の答えを語るシーン、ほとんどセガ語りだったじゃないか!! セガを愛する心こそが、佐藤洋を魔導士をも上回る真の騎士の高みへと導いたようにしか見えない。つまり、セガ最強! というのが、このベン・トーの結論だったんだよ! って、弁当全然関係ねえ!! 
つまり、このベン・トーの真のタイトルは「セガガガ2!」だったんだよ!
……お後が宜しいようで。

物語的にはここで終わってもおかしくないのだけれど、どうやら最終巻はもうひとつ先の模様。もう少し続くんじゃよ、ですか? こっから、どう収集つけるんだろう。

シリーズ感想

デスニードラウンド ラウンド24   

デスニードラウンド ラウンド2 (オーバーラップ文庫)

【デスニードラウンド ラウンド2】 アサウラ/赤井てら オーバーラップ文庫

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女子高生傭兵VS警視庁
マスコットキャラクターを撃つ!

借金返済のために女子高生傭兵を続けるユリの前に、台湾から美鳳という狙撃手がやってくる。同年代だった美鳳とユリは自然と仲良くなっていき、いつしかユリの学校の先輩・宇佐美玲奈も一緒に遊ぶ関係になっていった。
そんなある夜、ユリの携帯に宇佐美から1本の電話が入る。
「ユリ…お願い、助けて。あ、あたし、殺される」
そして銃声と、甲高い子供のような人ならぬ声。はたしてユリは大切な人を守る事ができるのか…?
泥だらけの逃走、迎撃、そして事態は群馬県へ。現実を生き抜くためにユリが撃つ、今度の敵は――警察だ!
何が正義かわからない? 簡単だよ、美味しいご飯こそこの世の揺るがぬ正義ってもんだ。

という訳で、台湾から美鳳ちゃんという美少女成分も多分に加味され、殺伐とした世界の中にもほんのりと少女臭が香しくなってきました。なんか、あらすじだけ見ると宇佐美先輩が美鳳に狙われ、今度は仲良くなった少女同士で殺し合いか、と暗澹たる気持ちにもなったものですけれど、幸いにしてそんなえげつない展開にはならず、普通に美鳳ちゃん、いい子でした。何しろ、1巻が善性をおもいっきり踏みにじるようなひどい展開だったからなあ。思わず疑ってしまうのも仕方ないじゃないですか。そんな正義や善意よりもただただ生き残る、生き抜く選択をしてしまったユリは、あの体験を通じてメンタル的にスレちゃうんじゃ、と心配もしていたのですが、今回はひたすら大切な友達のために奮起し、銃把を握りしめ、血反吐を吐きながらも諦めずに走り回る、という情厚き行動に出て、少なからずホッとしました。色んな物を生き延びるために捨ててしまったユリですけれど、正義よりも倫理よりも大事な人間としての部分は、頑として譲らずにいてくれたわけですから。
ただ、そうなると情に流されずビジネスライクに徹する松倉さんとは、どうしても咬み合わない部分が出てきてしまう。たびたび、味方でも必要とあれば見捨てる人、と言及されてきた人ですしね。冷酷だったり非情だったりするのではなく、恐ろしく現実的であるからこそ、ソロバン勘定は譲らないというだけで、決して冷たい人ではないというのは伝わってくるのですけれど、だからこそこの理詰めの人を動かすのは難しい。実際に、宇佐美先輩に助けを請われて飛び出していってしまったユリに対して、松倉さんは一切手助けしようとせず、ユリは単独で宇佐美先輩を守っての逃避行を敢行するはめになってしまいます。
ここ、本シリーズ通じてのポイントだったんですよね。如何に、松倉さんが主義主張をかえることなくユリを助けに行く展開になるか。単に助けに行くだけじゃあ、ちょっと問題もあったんです。ただ条件が整ってユリを助けに行くだけの理が積み上がった、というだけじゃあ本当の意味でユリが松倉のチームに入ったことにならず、まだ身内になりきらない冷たい関係のままだったと思うんですよね。金と理の他に、松倉チームの面々がそれぞれに、自分の中のユリを助けたいと思う理由が必要だった。この点、武島と大野については情が移っていたから最初からハードルは低かったんだけれど、やっぱり松倉さんが問題だったんですよね。この松倉さんが、果たして損得以外でユリを助けてやりたい、なんて思うだけの何かが果たして見つかるんだろうか、と。
この滅茶苦茶高かったハードルを、本作は見事に飛び越えてくれました。
いやあ、松倉がユリを助けたいと思うだけの理由を見つけてしまったシーンは、思わず喝采をあげて頷いてしまいましたね。あれほど松倉さんがユリを必要と思う理由として納得できるモノはありませんでしたよ。松倉さんのキャラを曲げないまま、あそこまでストンと腑に落ちる理由を出してくるとは、ある意味痛快ですらありました。

しかし、ユリって松倉チームの面々からは実戦能力については随分と低く、というかあんまり役に立ってないみたいに言われてるけれど、今回殆ど独力でPくんの追撃から一般人の宇佐美先輩を抱えたまま逃げ切ったんだから、生存能力については結構なもんだよなあ。ここぞという時の危機回避能力、突発的な判断力は今回見てる限りでもなかなかのものだったんじゃないかと。前回のロナウドに比べて、今回のPくんは怪物性ではかなり劣るんですが……いや、これロナウドがヤバすぎたんですよね。あんな不条理で滅茶苦茶な怪物が居てたまるか。デビュー戦の相手としては破格もいいところです。あれと比べるほうが間違っていて、P君も十分バケモノなんですが……警察もなんだってこんなあからさまにヤバイもん運用してるんだ。これで正式にはP君シリーズ、ファミリーとして一通り祖父母両親に恋人、と一家族まとめて運用しているあたり、表向きと実態の凄まじいギャップのグロテスクさは、ドン引きものです。よくまあこんなん考えるよなあ。
ともあれ、暴走するP君の追撃から辛うじて逃げ続けるユリは、よっぽどロナウドとの戦いが経験値になってたんでしょう。あんまり普通の任務には役に立ってなかったみたいですけれど、土壇場の度胸やらどうしようもない相手とどう立ち向かうか、についてはそこそこ一端になってたんじゃないかと。面白いことに、今回ゲストの美鳳ちゃんが腕前こそピカ一なものの、実戦については殆どバージンというある意味ユリよりも未熟なところのある子だったのも、今回ユリが頼もしいなあ、と思えた要因だったんじゃないでしょうか。孤立無援でほんと、折れずめげず頑張ったよなあ、ユリは。
そのユリが守ろうとした宇佐美先輩が、実はろくでもない人でした、なんてこともなく、日常生活で借金抱えて他の生徒達からも距離を置かれている中で、一人ユリに積極的にかまってくれた人となり通りの、芯からイイ人だった、というのもユリのガンバレた原動力なのでしょう。今回、美鳳ちゃんも宇佐美先輩もちゃんとイイ人で良かったですよ。これで、実はひとでなしでした、庇った意味ありませんでした、助けてしまったのが間違いでした、なんてなると本格的にめげますもんね。
少女二人が寄り添っての逃亡劇、というと同じアサウラさんの【バニラ】を容易に連想できて、懐かしかったです。まあ、あれは本当に二人きりの世界すべてを敵に回して暴れまわる話でしたから、同じB級アクション風味でも随分と種類は違ってくるのですけれど。

そして、今回もほんとにご飯、美味しそうでした。【ベン・トー】って、実のところ「お弁当」がメインであって本当の調理した料理、というのはあんまり出てこない、出てこれないんですけれど、こっちには松倉さんという生粋の料理好きが居てくれるので、こう、ほかほかで熱々のできたてのご飯が出てくるわけですよ。「お弁当」でさえ、あれだけ美味しそうなのに、この作りたての御飯のまた、美味しそうなこと美味しそうなこと。それを、ユリがまた実に美味しそうに食べるんだわ。やっぱり、飯が美味そう、という描写力についてはこの作者は頭一つ二つ抜けてます。これを体験してしまってると、ライトノベルで料理モノが出てきても、生半可なものではぴくりとも琴線に触れそうもありません、ハードル上がるなあ。
……焼きサンマの美味しそうなこと……うはあ。そして、ラストのお握りのっ、お握りの……。やっぱりお弁当も最高です!! くぅぅぅ……お腹すいた。松倉さん、ウインナーきちんとたこさんに切るんだ。この人、男の料理的な大雑把とは程遠い細やかさだよなあ。

1巻感想

ベン・トー 10.恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円5   

ベン・トー 10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 10.恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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甘いだけじゃ、満足できない。
狼たちのターゲットはビター&スウィートな半額弁当!
そして乙女たちのイベントをきっかけに起こる事件とは…!?

半額弁当バトルに青春を賭ける佐藤洋は、節分の日限定の特別な弁当『鬼斬り弁当』に狙いを定めるが、そこへ新たな狼が現れる。「退魔師」という二つ名を有するその狼は弁当だけではなく、なんと白粉を標的として現れたのだった。さらに白粉につきまとう悪しき虫がついたと認識した白梅が介入し、状況はより混乱する一方に。そんな中、間近に迫ったバレンタインデーを前にそわそわする佐藤に、槍水は予定を空けておくように言うのだが…!? 庶民派シリアスギャグアクション、狼たちの想いが交錯する第10巻!!
あれ? これ誰だ? と思ったら、帯の方に書いてあった。って、ウルフヘア!? ちょっ、茶髪差し置いてお前が表紙飾るんかい!!
いや、でもこの娘最近にいたっては確かに茶髪よりもよっぽど出番増えてきていましたし、今回なんぞ殆ど準メインクラスで出ずっぱりでしたからね、この抜擢もありなのではないかと。しかし、中の挿絵でもまだ描かれてなかったんじゃないかな。思ってたよりもずっと可愛かった。実際、この娘性格もかなりマトモな部類で可愛いんですよね。男勝りのワイルド系なのかと最初の頃の印象で思っていたら、意外なほど優しくて情に厚いし、人の良さも見受けられて、けっこう「佐藤くん佐藤くん」と懐っこく佐藤にも接してくる。この「佐藤くん」の君付けが何気に新鮮というかポイントなのです。これが呼び捨てだったら、ここまでキュンとは来なかったでしょう。この娘、同じ学校なんだからハーフプライサー同好会に入ってもおかしくなさそうなんだけれど、なんでか縁がないというか、佐藤たちにも彼女を加えようという発想がないようなので、仲間入りとかはなさそうだなあ。
さて、本編の方ですが相変わらず濃厚というか濃密というか、なんか読んでて実質二冊分あったんじゃないか、というボリューム。実際、毎度のごとく嵐のように削りまくったそうで、随所に「この話はまた別の機会に」と、面白そうなネタがトバされてしまってるパターンが見受けられて、別の機会って何時なんだよ!! と頭掻き毟りたくなります。いやもうほんとに面白そうなんですよ、そのトバされたネタが。絶対笑えるに決まってるのに。もう一冊出すごとに、削ったネタで短篇集か掌編集も一冊作ったらどうなんだ、と言いたくなるほど。
しかし、今回は退魔師編とバレンタイン編と本当に大まかにニ編に分かれていたものだから、退魔師編があらかた片付いたあたりで、そろそろ終わりかと思ったらまだ半分近くページが残っていたときには「うおっ」と素で驚きましたね。もうガッツリ一冊読み切った気で満足してましたから。この大盛り感はお得だわなあ。

前半の退魔師編は、東北の金糸雀の歌につられてやってきた新たな狼、退魔師がよりにもよって白粉につきまといだすという、ある意味飛んで火に入るなんとやら、の展開だったのですが、何気にいつもの腐った思考に走るのではなく、白粉が熱くなっていたのが印象的な話でした。白梅が首を突っ込んだせいでそれどころじゃなかった、というのもあるんでしょうけれど、というか普通にけっこう白粉クリーチャーなネタはふんだんにあったはずなんですが、あの程度ではもうなかったも同然に動じないあたり、相当読んでる此方にも腐海が侵食してきているような気がします。しかし、白粉も当初からトリッキーな狼としての資質は見せていましたけれど、ここ数巻での半額弁当争奪戦での成長っぷりは見間違いではなかったらしく、ついに【幽霊(ザ・ゴースト)】の2つ名が彼女にもつくことに。サラマンダーを出しぬいたときのように、ハマった時の白粉はちょっとすげえ格好良いんじゃないか、と思えるくらいにキレキレのハンティングをするようになったもんなあ。
白粉も二つ名持ちに成長するのにあわせるように、佐藤の変態振りがそろそろリアル犯罪の領域に突入してきたような気がするんですが……。まだ以前【変態】の二つ名がまかり通っている時期のほうがまともだったぞ。あの頃はまだ偶発的、事故的に変態行為に走ってしまっていた傾向があったのに、最近ときたら思考が完全に危ない変態そのものである。今なら二つ名が【変態】でも何も違和感がないんですがw もう気を失っている白梅への変態行為が、筆舌しがたいもので、こいつ極めてやがる。なぜそこで自分が脱ぐという発想にすっ飛んでいく!!w
肝心のスーパーでの戦いでは、久しぶりに二階堂と佐藤の「ツードックス」が見られて大満足。やっぱり、このコンビいいわー。今や【カペルスウェイト】という二つ名を得た佐藤ですけれど、この戦いではもう一度「ツードックス」に立ち戻っての共闘コンビ戦。この二人を見て白粉が猛るのも、段々と理解できそうになってきてしまったぞ。

さて、後半は恋の炎が燃え盛るバレンタイン編。重ね重ね不思議なんだが、この極まってる変態がなぜか「リア充」なんですよね。後半のバレンタイン編でのチョコレート回収率の高さは、普通に笑っちゃうほどなんですけど。いや、意外とみんな「普通」にチョコくれるんですよ。ギャグとか仕方なくとかじゃなく、普通に自然に女の子たちが佐藤洋にチョコをあげてくるのです。なにこのボーナスステージ。
特に白梅さんとか、これ何気にガチじゃありません? 本人は白粉一筋ですし、そんなつもりはないのかもしれませんけれど、義理チョコにしたって彼女、佐藤以外には誰にもあげてないんですから。そりゃ、周りも勘違いしますって。普通に見たら、マジチョコにしか見えないですもん。
一方で、マジで恋話に発展したのが、オルトロスのまともな方こと妹の沢桔鏡。前々から彼女の二階堂への態度にはそれっぽい雰囲気がちらほらとにじみ出てたんだけれど、バレンタインに託けてこれほど直球でアタックしてくるとは思わなかった。まさに青天の霹靂!! 相変わらず二階堂はモナークの人妻松ちゃんに未練タラタラで、店員である彼女のチョコがオマケでついてくるバレンタイン弁当にご執心なんだけれど、それを知ってなお覚悟を決めて勇気を振り絞って、チョコと同時に告白してのけた鏡の、恋する女の子の頑張りには思わず感動。うわー、いいなあ、こういうのいいなあ。ちゃんと告白込みで受け取ってもらえた後、姉の胸で思わず泣いちゃう鏡の姿に胸キュンですよ。こういうこっ恥ずかしいくらいド直球の恋話も書けるんだから、侮れんよなあ、この人。しかし、このシーンがあとで対比となって効いてくるとはこの時点では思いもしなかったのですが。
女子高生が純真無垢な恋心をキラキラと輝かせる一方で、こちらの小学生は妖艶極まる色気でもって迫ってくるわけで、世の中いろいろ歪んでくる。相変わらず、槍水茉莉花のエロさは頭ひとつ抜けている。小学生にも関わらず、なんだこの圧倒的な妖艶さは。完全に魔性の女そのものじゃないか。これ、佐藤じゃなくてもロリコンじゃなくてもヤバいですよ。陥落しますよ。食べられちゃいますよ、小学生に。
「センパイ、早く……お姉ちゃん帰ってきちゃう」
「センパイ……今の、大胆です」
「ふぁあっ、そこっ! センパイ……センパイッきちゃうっ! あっ、もうっ……もうっ!」
おまえら、いったいなにをやってるんだw
この小学生に負けず劣らず、最近やたらと婀娜っぽさを垣間見せて来るのが、幼馴染の著莪あやめ。出番は決して多くないんだけれど、彼女の場合逆に存在感が大きすぎて出番が多いと他ぜんぶ食っちゃう傾向があるんですよね。だから、出番が少なくても出てしまえば強烈な印象を残していく。
ここしばらく、佐藤と著莪の関係というのは非常に土台がぐらついてきていて、著莪も思うところあるのか微妙に佐藤に対する当たりを変えてきているんですよね。自分との恒例行事を差し置いて、槍水センパイとの約束を優先してしまった佐藤に対して、表立って文句は言わないものの露骨に拗ねたような、不満たらたらのような、寂しそうな顔をみせもって、何かをやきつけるように濃厚なキスマークを彼の首筋につけて送り出したあたり、ちょっと壮絶なくらいの女の情念がかいま見えて、なんか凄かった。
佐藤もそろそろ、自分の身辺についてちゃんと考えるべきなんだろう。まあ、槍水先輩のあの無自覚な無防備さにコロッと行ってしまっていたのも仕方ないんですけどね。あの人は、男心を全然理解してない節があるからなあ、妹と違って。あれだけ男に期待を持たせて、餌を見せびらかして、結局食べさせてあげないとか、あれはあれで妹と違うベクトルの悪女ですよ。
槍水先輩の想いの先については、多分そうなんじゃないかな、という素振りがあったんでその意味では意外と言うよりもやっぱり、という感が強かったのですが、ウィザードの態度はあんまりっちゃあんまりだわなあ、あれは。いやでも、突き放すような言葉とは裏腹に槍水先輩の頭を軽くポンと叩く仕草は優しさが垣間見える気もする。金城先輩も決して無神経な人でないのはこれまでのエピソードで示されていたと思うので、彼があれだけの態度に出るだけの何かが、やはりHP部崩壊の際にあったのでしょう。烏頭みことと槍水先輩の関係の拗れというのは一端にすぎないんだろうなあ。ついに、長年の懸案であったHP部の過去に踏み入る展開になるか、これは。
考えてみると、佐藤洋が本気を出すのはいつだって自分が報われるためではないんだよなあ。ならば、これもまた必然か。

アサウラ作品感想

デスニードラウンド ラウンド 15   

デスニードラウンド ラウンド1 (オーバーラップ文庫)

【デスニードラウンド ラウンド 1】 アサウラ/赤井てら オーバーラップ文庫

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女子高生傭兵ユリの初仕事は人気キャラクターの襲撃! ?

多額の借金を持つ女子高生のユリは返済のために、銃を持ち、己の命をリスクに晒す……そんな危険な傭兵稼業に手を出した。
彼女は合法・非合法を問わず危険な仕事を請け負う「死に損ない」ばかりの松倉チームで仕事を始めるが、なぜか連れて行かれたのは都内のバーガーショップ。
「こ、これ、ヤバくないですか! ? 超ヤバイですよね! ?」
ユリの初仕事は、なんとバーガーショップのマスコットキャラクターを襲撃することだった…!
不可思議な仕事依頼をきっかけに、銃弾と血と笑い声が飛び交う常軌を逸した夜が始まる──ユリは未来を切り開くために戦い抜けるのか! ?
らんらんる〜。
美味しい美味しいと涙を浮かべながらご飯を食べるんですよ、このユリちゃん。かき揚げ丼をですね、一生懸命かきこみながら。美味しい美味しいって。
きっと、それで十分だったんです。この娘が、死にたくないと、生きたいと、何としてでも生きていたいと願うことを、全肯定するには。彼女がそう願ったことによって、どんな酷い有様になったとしても、この娘が生きたいんだと生にしがみついて足掻くのを、あんな風に泣いてご飯を食べてる姿を見せられたら、否定なんて出来ないですよ。
食べるってことは生きることで、生きる意志そのものなんだと、色んな物をズタズタにされながらも、それだけは揺るがない真実として信じることが出来る。多分、松倉さんも食べることに対する観念は一緒なのだろうと思う。だからこそ、あの人は料理にあれだけ拘って、仲間たちにも全力で美味しいものを食べさせようと振舞っているのではないでしょうか。美味しいご飯を食べたいという本能は、何よりも生存本能に直結しているのですから。業界一死ににくいとされる傭兵集団のリーダーとして、彼はそれを実践しているように思う。

【ベン・トー】シリーズで長らく一世を風靡し続けているアサウラさんですが、あのシリーズを出す以前のこの人はというと、そりゃあもう女の子とガンパウダーとこの世の理不尽をごった煮にしたような、いっそ凄まじいと言っていいくらいグロテスクに美しい破滅の物語を描いた人でもありました。【バニラ A sweet partner】は今なお屈指の百合ガンアクション犯罪小説として異彩を放ち続けています。あれから6年。【ベン・トー】という異色作で培われた異能と偏執的なまでの描写力と変態的な発想力をこれでもかとつぎ込まれた本作は、もはや怪作などという言葉では括りきれないほどの狂気の産物としてこの世に産み落とされてしまいました。
ここまでハッチャケてしまったものを世に出したオーバーラップ文庫という存在には、レーベル創設から戦慄させられた次第です。初っ端から無茶やりすぎだよ!!(笑
いやあもう、凄かった。何が凄かったって、何から何まで凄かった。ほとんどアウトに近いアウトなネタの数々に、その狂気の産物たるネタの数々を笑い飛ばす冗談のネタにせず、マジなダークサイドに突き飛ばした挙句に悪趣味なくらいにグッチャグッチャの奈落の底に叩き落とすという救いの無さ。なんでこれで読んでて鬱に入らないか不思議なくらいの酷い顛末の数々。
はっきり言ってこの話、滅茶苦茶重いです。ヘヴィーどころじゃありません。ユリの境遇からして悲惨極まるグロテスクさ。正義もなけりゃ救いもない。だからといって、その救いの無さを真面目に受け取るには、あんまりにもネタがふざけすぎていて、いやもうよくこんなふざけたネタでこんなシリアスでダークな話を展開できるもんだと感心する他ありませんよ。どうやったらこんなん両立、というかブレンド出来るんだ?
松倉さんたち、ユリの同僚になった傭兵たちは腕利きである上に、イイ人たちです。何だかんだと新人のユリのことを気遣って親身に面倒見てくれて、ちゃんと仲間として扱ってくれてましたしね。
でも、仲間にとっては良い人でも、そこはそれ、合法から外れた非合法のアンダーグラウンドで死を撒き散らすプロの傭兵でもあるのです、彼らは。そこに倫理など存在しないし、良心なんて存在しません。生き残るためにはなんでもします。それこそ、なんでもです。
正直、主人公サイドがそこまでやるか、ということまでやらかしてくれて、あのシーンはさすがに絶句して固まってしまいました。
感心したのは、ユリという娘が凄かったのは、ある意味ここからだったかもしれません。
あの出来事に一番ショックを受けていたのはこの娘だったでしょうに、そこからこの娘、一切生き残るのに無駄なことはしてないんですよね。行動のみならず、心理面においてすら松倉たちに不信や拒絶を抱いていないのです。ただただ生き残るのに必死になって、涙を流して悲しみながらも全部飲み下して受け入れて、絶望すらも置き去りにして、ただただ無様なほどに足掻いてむしゃぶりついて生きることに執着し続けるのです。
生々しいまでに剥き出しの、生への執着。
でも、それをどうして否定できるでしょう。美味しい美味しいと泣いてご飯を食べてたこの娘が、生きたいと鼻水垂らしてしがみつくのを、どうして拒否できるでしょう。
死にたくなけりゃ、頑張って死に物狂いで生きるしか無い。全部眠って忘れて夢や希望を竈にくべて燃料にして、辛い現実を生きるのだ。
生きてりゃ美味しいご飯を食べれるのだから。

大野君の八艘飛びの回想のくだりは、腹を抱えて爆笑してしまった。やっぱりこの人、ベン・トーでもそうだったけれど、過去回想のエピソードに関しては尋常じゃないくらい笑えるよなあ。

僕は友達が少ない ゆにばーす 24   

僕は友達が少ない ゆにばーす2 (MF文庫J)

【僕は友達が少ない ゆにばーす 2】 著:平坂読,アサウラ,あさのハジメ,岩波零,白鳥士郎,鏡貴也/イラスト:みやま零,トモセシュンサク,狐印,榎宮祐,柴乃櫂人,切符,菊池政治,皆村春樹 MF文庫J

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あの『僕は友達が少ない ゆにばーす』が、さらにパワーアップして帰ってきた! ・アサウラ(集英社スーパーダッシュ文庫『ベン・トー』他) ・あさのハジメ(MF文庫J『まよチキ!』他) ・岩波零(MF文庫J『そんな遊びはいけません!』他) ・白鳥士郎(GA文庫『のうりん』他) ・鏡貴也(ファンタジア文庫『いつか天魔の黒ウサギ』他)などなど、豪華執筆陣が集結! さらに原作者・平坂読の幻の短編も収録……!? ここだけでしか読めない、爆笑必至の残念アンソロジー第2弾!
ほんとに、この「はがない」のアンソロジーは意欲的だ。前回の【 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる】の裕時悠示さんに【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】の渡航さん、という二頭を持ってきたのにも驚かされたものですけれど、今度は各レーベルから屈指の変態作家を集めて来ましたよ! 集めてきてしまいましたよ!! 主要作品のイラストレーターとセットで、というところから本気度が伺えます。やっちまった度、と言うべきか。

【鳥と豚】 アサウラ/柴乃櫂人

どうしようもなくアサウラさんです、ありがとうございました。
いや、もう名前見た段階でわかってたんですけどね。どうやったって、【ベン・トー】路線になることは。そもそも、それを期待して呼ばれてきたんでしょうし。その期待に如何なく応えまくった無謀編である。
そして、誰もが小鷹に言ってやりたかったことをこれでもかとぶちまけてくれた、痛快作でもある。さすが、非モテと変態を描かせたら天界レベルの怪作家。ってか、ベン・トー本編では毎回削られてしまって出来ない神田くんたち悪友たちの独演会をやりたかっただけじゃないのかww
個人的には天馬さんとのわっしょいは、あらたな世界が切り開けそうで怖いもの見たさで読みたかった。

【俺たちにはまだちょっとレベルが高い】 あさのハジメ/菊池政治

安定といえば安定、無難といえば無難な「はがない」の短編として混じっていても気が付かないくらいの普通のはがないの話でした。いやこれ、アンソロとはいえ「はがない」の短篇集なのですから、それで何もおかしくなないのですが、この濃いメンツに混じっていると逆に目立つというか目立たないというかw


【理科のせいで俺の様子がおかしい】 岩波零/皆村春樹

実はこの人も、MF文庫では屈指の変態キャラ書きなんだよなあ。著作の【そんな遊びはいけません】のメインヒロインの変態さには、ガチでドン引きした記憶がw
実のところこの【僕は友達が少ない】のキャラクターは、残念度が非常に高くはあっても変態度についてはみんなシャイで真面目なタイプばっかりなので、あんまりどころか殆ど高くはないんですよね。そんな「はがない」のキャラが直球突貫キャラになってしまったら。
小鷹暴走編、である。
正直、かなり笑った。ここまで引かぬ媚びぬ躊躇わぬ、となってしまった押せ押せの小鷹が凶悪になってしまうとはw 一方的に翻弄されまくる理科がまた可愛くて可愛くて。もう理科一択で可愛がってあげたい、という作者の邪な欲望が透けて見えてくるくらいに理科押しな作品でした。


【部長選挙】 白鳥士郎/切符

あんたら自重しろ!!! ええい、やりやがった、やりやがったww
他人の庭だろうが関係なしのいつもの白鳥・切符コンビの大暴れ。いつものイラスト芸の炸裂に、笑い死ぬかと思うたわ!! 
あかん、何度見ても笑ってしまう。ほんとに酷い、これはヒドいw


【伝説の小鳩の伝説】 鏡貴也/榎宮祐

榎宮さんのガチ吸血鬼な小鳩のイラストが非常に格好良いです。本物の小鳩は、格好良い、はさすがに演出出来んからなあ。


【鍵】 平坂読

富士見ファンタジア文庫の【生徒会の一存】とのコラボ企画。とは言え、あちらの話とこの「はがない」では相当ジャンルが異なっているので上手く噛み合わないんじゃないかな、と思ったら案の定あんまり「はがない」らしい雰囲気ではない話になっていた。むしろこれ、前に作者が手がけていた【ラノベ部】をどことなく彷彿とさせる流れだったんですよね。と言っても、【生徒会の一存】という作品について懇切語られているシーンからの連想だったのですけれど、自分の読んだ作品について誰かに熱く語って聴かせる、という形が【ラノベ部】らしくて、ちょっと懐かしい気持ちになった次第。
ちなみに【生徒会の一存】は一巻しか読んでません。

ベン・トー 9.5 箸休め~濃厚味わいベン・トー~4   

ベン・トー 9.5 箸休め~濃厚味わいベン・トー~ (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 9.5 箸休め~濃厚味わいベン・トー~】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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欲深い、味わい。
狼たちの至極の箸休め!

半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、冬休み明けの部室で槍水の掃除を手伝うのだが、そこで起きたアクシデントをきっかけに禁断のフェティシズムの世界へと飛翔することになり…!? そして白粉が初体験した年末年始のビッグイベントにおける豊潤なエピソードや、それを見守る白梅との過去が明らかに!
書き下ろしの他にウェブ掲載された短編や、雑誌掲載の『間食版』、白粉花の新作『獣道』をアツくレビューする『ANの5時の読書会』まで収録! 様々な意味で濃厚に仕上げた(当社比)庶民派シリアスギャグアクション、狼たちの欲望うずまく9.5巻!!
先の短篇集【箸休め】を、箸休めというには厚いし濃すぎるよ! と喚いたら、今度の短篇集は濃厚と自ら銘打っていた(笑
今度はサブタイトルに偽りなく、濃いは厚いは……そして味わい深いなかなかしっとりとしたお話もあり、と何だかんだと盛りだくさんで、これもまたパーティーサイズとでも言うのか。


【ボーダーをブレイク】

佐藤が基本的に白粉と対して変わらない高レベルの変態だというのを改めて実感するまでもなく奴は変態なのだけれど、それでもなお変態性を畳み掛けてくるあるフェティシズムの局地を、しかし局地と見せずに平常運転で運行している事が尚更に変態性を極めて居るのだということを実証している実録挿話である。
槍水先輩の太ももをモミモミ。
女性の御御足を蹂躙したことはともかく、その感覚を後生大事に寮にまで持ち帰って長く反芻するつもりだった佐藤キモいw
揉む奴も揉む奴、揉まれるヤツも揉まれるヤツ。さり気なく先輩も無防備なので、あらゆる場面で反対の餌食になっているのである。この人もその内悪い男に引っかかりそうだな。ウィザード、なんとかしてやれ。

【簡単な質問】
沢桔梗は末期である……。
この人、ホントになんでこんな得体のしれない方向性に突っ走っちゃったんだ? 「どうしてこうなった?」の実例である。最初からこうだったのなら、なおさら嫌だなあ。しかし、この姉は恋人は姉妹で共有というのは考慮するまでもない自明の事実以外の何物でもないのか。それはそれで凄いが完全にエロマンガの住人である。鏡の苦労が偲ばれる。が、妹が逃げ出さずに何だかんだとこの姉といつもいっしょにいるのは、この面倒くさいほど手間のかかる姉が好き、なのか姉の面倒くさい世話がかかる部分が好きなのかは興味の湧く部分である。もし後者だったならば、案外男の趣味も姉に似た面倒くさい男なんじゃないだろうか。自分では、自分と一緒になって姉の暴走を食い止めてくれる自分側のタイプ、と言っていたけれど。私は、案外高清水くんはこの姉妹と波長の合うタイプの男だと思うのだが。性欲はまあなんとかなる……ならんか。やっぱり、佐藤とその寮のメンツくらいの変態性がないと持たないのか。


【有明の狼】
白粉の夢とは言え、それだけ半額弁当奪取戦とこのお祭りには共通性があるということなのか。レギュラーが茶髪、坊主、顎髭だというのは、白粉の認識の中で彼らの比重は他の二つ名持ちの狼たちよりも大きいからなのか、単に身近だからなのか。顔見知り程度、という距離感がいいのかな。


【間食版4 その存在価値】
間食版は、槍水先輩が新米のぺーぺーで先輩たちに囲まれて居た頃のお話である。こうして見ると、槍水仙って烏頭というひねくれた先輩に、最初はちゃんと可愛がられてたんですよね。性格は悪いけれど、烏頭は烏頭なりに仙を育てようとしていて、仙もそれに応えている。理想的な先輩後輩とは、相性も良くないし、行かなかったんだろうけれど、それでもちゃんとした先輩後輩ではあったんだな。
あと、酢豚とパイナップルの関係は知らなかったよ!!


【白粉花の年末】
……血迷ったことを言うようだが、【獣道】って凄く面白そうじゃね? アンさんの紹介記事が抜群に上手いからなのか、普通に白粉の本が面白いように見えてしまったw
そして、白梅が持ってきてくれたサンドイッチとサラダの美味しそうなこと美味しそうなこと。ただのサンドイッチとサラダのはずなのに、なんでこんなに美味しそうに描写できるんだ!?
どん兵衛の描写も去る事ながら、この作者の美味いもの描写はオリジナル弁当のみならず、むしろこうした普段から食べて味を知っている軽食やジャンクフードの時こそ引き立つのかもしれない。

【だいたいいつもそんな感じ】
佐藤と著莪の平常運転だそうである。特にオチやら前フリがあるわけでもない日常ネタだそうである。
何と凄まじい日常生活風景だよ!!
 佐藤の両腕が著莪の胴にゆったりと巻き付けられてきた。
「……なんだよ」
 佐藤は応じず、膝立ちのまま寄りかかるように体を密着させると、著莪のうなじに唇をつけるように長い金髪に顔を埋めてきた。鼻から大きく息を吸い、そして吐き出した彼の吐息がくすぐったい。
「少し……こうしていたい」
 あまりはっきりとは言わなくても、佐藤がこうして自分の髪に鼻をうずめて犬のように匂いを嗅ぐのが好きなのは、著莪も流石に知っている。だが、ここまでストレートにされたことはあまりなかった。
 著莪はグラスを傾けながら苦笑する。
「別にいいけど、今日のは佐藤のと同じシャンプーとトリートメントだよ」
それでも……こうしていたい。それはいつものような張りのない、佐藤の声。でも、耳のすぐ近くで囁かれると、どこか重みがあるように聞こえた。
他に誰もいない家の中で、二人きり、しかも風呂あがりという状況でこのしっとりとした空気感。ってか近い、距離感がチカすぎるよ、あんたらは!!
この後、普通に二人ちゅっちゅしてますし。キスするくらいはもうなんでもない事なんですよね、この二人。

【やっぱりいつもこんな感じ】
ノーブラTシャツ一枚とショートパンツの著莪と一緒にお風呂に入って抱き合うお話。
いやマジでw
結構……いや、滅茶苦茶エロいです、この話。著莪と佐藤の二人の話は大概エロいんですが、そろそろ限界突破しだしてる。ってか、エロ漫画の領域です、もう。

【間食版 特別編 いい塩梅】
ウィザードこと金城って、わりとくたばってるシーンの印象が強い。最初期の、弁当をダッシュしたものの力尽きて路端で倒れ伏しながら弁当を食ってた、というシーンが焼き付いているからか。倒れても倒れても弁当を離さない、という姿が結構ウィザードのイメージアップに貢献しているような気がする。ああいう姿勢がないと、容易にスカした兄ちゃんになってしまいそうなくらいスタイリッシュで格好良い人だもんなあ、金城って。

【波の音】
著莪と佐藤が二人で遠出して初日の出を見に行く話。この話で著莪と佐藤が、物心付く前から普通にチュッチュしていたという事実が明らかになる。というか、高校生になった今でも同じようにチュッチュしていることが明らかになる。ってか、初日の出を見ながらチュッチュする話である。
……さて、一体誰がどのようにしたらこの二人の間に割って入れるんだ? 


【白梅梅】
白梅梅の愛情が、決して浮ついた思春期の迷いだったり勘違いだったりするのではなく、人生を賭けた熱量の賜物だというお話。その恋は本気であり、その愛は本物である。たとえ、それが同じ女性へ向けたものであったとしても。たとえ、未来に待っているのがどれほど困難で世間から認められない苦行の道だったとしても、既に覚悟は完了しているのでありました。ここまでガチで、冷静に理性的に覚悟しているのなら、むしろ応援したくなる。いいんじゃないですか、その道を征くは。梅さんは、けっこうイイお嫁さんになれるタイプの人だと思ってたんで勿体無いっちゃ勿体無いのだが。ってか、唯一彼女だけは佐藤とくっつける可能性があると思ってたんですけどね。梅なら、著莪も咥えたまんま佐藤を踏みつけられるし……って、発想が沢桔梗の方に走ってる走ってるw
ところで、本作ってちょっとアレを思い出します。
【バニラ A sweet partner】。作者のアサウラさんのベン・トー以前のガチ百合ガンアクションピカレスクロマンの良作。またこの頃からすると随分と違った道に進んだものだなあ、と感慨深い。また、こっち方面も読んでみたいところですけどね。


シリーズ感想

ベン・トー 9.おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円5   

ベン・トー 9 おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円 (ベン・トーシリーズ)

【ベン・トー 9.おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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おかずたっぷり!ご一緒にいかがですか?
HP同好会、冬の雪山合宿!
そして奇跡のイベントが…!?
半額弁当争奪バトルに青春を賭けるHP同好会は正月明け、冬の合宿へ向かう。槍水仙の愛妹・茉莉花も同行し、佐藤の心は密かに躍る。しかしその合宿地では元HP部の《大厄の闘牛士》と呼ばれる狼が待ち受けていた。彼は槍水と深い因縁があるのだと言うのだが…。さらに佐藤たちは《ギリー・ドゥー》こと禊萩真希乃とも再会を果たし、田舎のスーパーは激闘の最前線と化す! そんな中、茉莉花と佐藤がゲレンデでアクシデントに遭ってしまい、そして…!?
雪山に響く狼たちの咆哮! 香辛料が青春にピリッと効く、庶民派シリアスギャグアクション、第9巻!!
これでも結構ライトノベルは読んでいる方だけれど、この作者は本当に頭がおかしいと思ったのは古今を鑑みても三人しか居ません。川上稔、ろくごまるに、そしてこのアサウラ先生であります。
もうね、一方向ならまだしも、変態としても狼としても物語としても、多方向にキ印に至っちゃってて一体これ、何処に行こうとしているのか、何処まで行こうとしているのか。いろいろな意味で限界を探求しすぎだろうw
ともあれ、本巻のカラー口絵を開いてそこに描かれていた狼の姿を目の当たりにしてしまった時の、あの逆流してきたかのような筆舌しがたい感覚を、いかに表現していいものか恥ずかしながら全く思いつかない。思いついたらついたで人間としての大切な何かを踏み外してしまいかねない気もするのですが。
いやあ【ベン・トー】でけったい極まる狼が出てくるのも、狼のみならず変態についても大概こう、慣れてきたつもりだったけどさ、まだまだ全然舐めてたわ。あのビジュアルは、ホントにありえんて。思いつかんて。想像できへんって。ドヤ顔で「いいだろう、俺も本気を出そう。大厄の闘牛士、その名の意味を知れ」と物凄い格好良いセリフを吐いて、実際このシーン、クライマックスもクライマックス。物語も最高潮に達した最高の燃えシーンなんですけど、絵で見ると何度見ても吹く。笑ってしまう。思い出しても笑ってしまう。
明らかに、見えてる光景が狂ってるw
これを本気でやってるんだもんなあ。実際、茶化しようのないくらい真剣で熱い勝負なんですよね。劇燃えも激燃えなんですよね。
やっぱり、こんなの書く人、頭がおかしいとしか言いようがない。

という訳で、今回は年も明けての冬休み。以前からいくども話題に登っていたHP同好会の冬合宿がこの度の舞台である。かつて、槍水仙が腰巾着の異名を返上し、そして彼女を残してHP部が崩壊した発端となったという因縁の冬合宿。その出先で待ち受けるのは、かつてのHP部のメンバーであり過去に起こった悲劇を精算するために槍水への復仇を目論む【大厄の闘牛士】秋鹿雅であった。
と、以前からこの物語の最大のミステリーであり、根幹を担っているとも言えるHP部崩壊の真実が明らかに……なりそうでならない!! 秋鹿さんの物言いだと、別に槍水仙に対して恨みを抱いているとかそういうんじゃないっぽい。それどころか、自分が彼女を倒し、さらにウィザードを倒して最強の座を手にすることで、槍水先輩に科せられた何かを取り払おうという親心ならぬ先輩としての優しさが言動の端々から見え隠れするのである。尤も、槍水先輩その人は単純に他のメンバーとは決裂してしまい意趣を抱かれている、と思っているようで、心当たりはなさそうなんだが。
あるトラブルから結局、槍水先輩と秋鹿先輩との直接対決はお流れになってしまったものの、ここで漢を魅せるのが変態・佐藤洋である。最初は眼中にすら入れて貰っていなかった彼が、槍水先輩の教え子であり秋鹿から連綿とつながるHP部の栄光を担う後継者であることを認められ、死力を尽くして戦いながらも敵としてではなく、先達と教え子として教授し学びながら勝負を昇華していく光景は熱いと同時に感動すら覚える輝かしさだった。
そして、HP部を離れ、学校を卒業してなお置き去りにしていた心残りを、可愛い後輩である槍水の救済を、佐藤に託す秋鹿の無念と安堵の篭った清々しい敗北感が、また心に沁みるんだ。これほどの重く熱い決意と信念を、覚悟と後悔を……託せる相手に巡り合えたというのは、どういう気持なんだろう。わからないなりに、それも男の本懐なんだろうなあ、と思い馳せるばかりだ。

その託した相手は、生粋の変態なんだがな!! やっぱりこいつ、カペルスウェイトなんてイカシタ異名なんかじゃなくて【変態】で十分だよ!!
しきりと自分はロリコンなどではないと強調し、槍水茉莉花は幼すぎてあと1,2年は経たないと手は出さないぞ、と断言する佐藤洋。
だが待って欲しい。だが待って欲しい。
……槍水茉莉花は、現時点で満十歳である。
一年や二年経ったところで、まだ小学生だろうがこらーーーー!!!!
こいつ、この野郎、小学生を襲う宣言を堂々としやがったぞこの野郎!!!ww

そして、一、二年すら待つこと無く、本当にやりやがったこの変態ww マジでやりやがったww

こ・い・つ・は〜〜〜〜

ピッキングツール片手にガチで夜這いかけようとしている時点で既にアウトにも関わらず、ガチでアウトなことしちまいやがりましたよ、先生。もはや、再アニメ化など眼中にもないと言いたげな暴挙である(笑
これについては、茉莉花が魔性の女すぎる、という点も考慮に入れないといけないかもしれない。まさか、著莪の最大のライバルが槍水先輩ではなく、幼女・茉莉花だったとは。
ぶっちゃけ、佐藤と著莪の仲というのは既に一線越えたところで癒着ちゃって引き剥がすと死にそうな勢いなんで、他人が割って入る余地など何処にもないのですけれど(詳しくは公式サイトの短編を御覧じろ)、それでもなお可能性があるとすれば、この幼女である。この娘だけは、ガチで佐藤を喰い兼ねない凄みと迫力が備わってる。著莪との仲を目の当たりにしてなお、だからどうしました? と鼻で笑いそうな魔が潜んでいそうだ。
此処に来て、白梅のセクシーアピールが偉いことになってきてるんし、実際一番嫁度が高そうなの彼女なんだけれど、それでもなお対抗筆頭はこれ、槍水茉莉花だわなあ。まさかのダークホースだ。

しかし、白粉は白粉で佐藤と伍する変態で、HP同好会のメンバーは逸材揃いにも程がありすぎる。この二人が部を率いることになる世代は、いったいどんな惨劇になるんだろう。順調にイケば、あの頼もしいギリー・ドゥが入学してきそうなんだが、この娘は数少ない良心なだけに、本気で彼女頼りになりそうだなあ。
狼としては白粉も、ついに異名持ちになりそうな動きを見せ始め、そちらは楽しみなんですよね。白粉って、実は最初からかなり面白い動きをしていて、狼としての才能は最初佐藤よりも高そうだったし、実際奪取率はかなりのものだったから、どうなるかと思ってたんですが、しばらく「あっち」の方が忙しくてあんまり狼としての活動を目の当たりにする機会がなくて微妙にやきもきする部分もあったんですが……いや、今回はなかなか凄かった。かなり状況に左右される能力なだけに、安定した力は発揮できないかもしれませんが、それを言うなら佐藤だって発揮するパワーの振り幅がちょっと大きすぎるきらいがあるだけに、HP同好会に安定を求めるのはやはり間違ってるかw

意外な登場だったのが、まさかのサラリーマン・レッド再誕!! こいつ、短編のあの結果として人生オワタ、と思ってたら……何気に運いいよな、こいつw 
そのうち、絶対にまた警察のご厄介になりそうな……ってか既に何度かなってそうな生き様なんだが、悪い人じゃないんだよなあ。というよりもむしろ現代には存在できない類に正義の人なんだよなあ。結構、その語りには含蓄もあるし、社会人としての経験則に基づく見識ある言葉も多くて、良いことたくさん言ってるんですよ。やってることも親切で気配りも効いていて、とても助かる事が多いのに……なんでだろう、この残念感はw
こいつ、独りだと絶対アカン方向にすっ飛んでいきそうだから、首輪つけてしっかり捕まえていてくれて、しつけもちゃんとしてくれる相手を見つけたほうがいいんじゃないだろうか。誰か、いいオンナの人紹介してあげてください。
間違っても、佐藤の母みたいなのはダメでありますw
この母親、ある意味あのオヤジよりも凄いよな。というか、既に巻二桁に達しようとしている今まで、この母親がネトゲーしている以外のシーンを過去回想ですら見た記憶がないんだがw

シリーズ感想

ベン・トー 8.超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円4   

ベン・トー 8 超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円 (ベン・トーシリーズ)

【ベン・トー 8.超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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半額弁当争奪バトルに青春を賭けるHP同好会ではメンバーの白粉に元気がないことを気に掛けていた。佐藤たちは彼女を元に戻そうと奔走する一方、クリスマスに合わせるかのように、『最も最強に近い狼』と呼ばれる猛者、サラマンダーが徐々に街へと近づきつつあるのを警戒していた。そんな中、槍水はHP同好会のメンバーと伝統である聖夜のパーティをしようとしていたのだが、白粉、そして佐藤も著莪と別の予定を立ててしまっていて大変なことに―!?トナカイより多忙な「狼」たちの聖夜。庶民派シリアスギャグアクション、全国の同志へ贈るクリスマス・ギフト。
おおおおっ、ついに、ついに佐藤にまともな二つ名が付いた!? 毛玉がサラマンダーが名づけ、ウィザードが立ち会い、毛玉が聞き届けたとなるとちゃんと定着しそうだ。特に情報通の毛玉の前で命名されたとなると、確実だろうし。しかし、ちゃんと「変態」も意味に込められてる二つ名になったんだ。もっとも「HENTAI」じゃなくて「メタモルフォーゼ」の方みたいだが。ある程度ムラがある、というかモチベーションの差によって大きく強さが変わってくる佐藤のことをよく考えてくれた二つ名じゃありませんか。調べてみると、懐っこい「ワンコ」としての特性も強いみたいですし。
一方で、冒頭から我らが「茶髪」にも【シリーコート】なる二つ名がついに命名。これまでの戦歴や印象度からも、彼女に二つ名がないのは違和感を覚えるレベルになってきていたので、むしろようやくと言った感じである。立場が人を作る、じゃないけれど、二つ名が付いたことで茶髪の立ち振る舞いにも風格のようなものが出てきたのは興味深い。折角二つ名がついたのに、無様は見せられないものな。
もしかしたら、槍水先輩も【氷結の魔女】の二つ名が付いた時からこんな風に威風棚引かせるようになったのかもしれないな。よく考えてみると、茶髪と先輩は同学年。どうやらデビューの時期も同じくらいだったようで、今回ようやく同じ高みに辿り着いた茶髪と、並び立って背中合わせで戰う二人の姿には燃えました。以前のダンドーと猟犬群相手に、【オルトロス】を引き連れて立ち向かった時と同じくらい、有象無象の【アラシ】の群れに、たった二人で立ち向かう魔女と妖精。カッコいいなあ、もう。

そんないつもどおり、かっこいい姿を見せてくれつつも、今回の槍水先輩はやたらとみっともない姿を見せることに。以前からチラチラと垣間見せてはいましたけれど、この人本当に面倒くさい性格してるよなあ。この頑なさは、将来絶対に何度も付き合ってる男と揉める原因となりえる要素だぞ。このシリーズ、何気に女性陣の多くは多かれ少なかれ面倒くさい一面を持っている。恋人持ちの連中は元よりとして、その他でもあの広部さんや著莪なんか、その代表だ。でも、広部さんも著莪も、一時的に見境はなくしても、常に冷静に一歩退けるだけの冷めた部分は持ち続けている。
著莪なんかその最たるもので、この女ほど相手との距離感を冷静かつ大胆に弄んでいる女は珍しいだろう。と言っても、それは佐藤相手だけみたいだけれど。普通の男友達相手にはむしろ慎重なくらいだし。
其れに比べて、槍水先輩は根本的に男慣れしていない分、加減がさっぱりわかってないんですよね。鳥頭みことに子供だと嘲られ軽蔑されるのもまあ仕方ない。あんな下手くそな甘え方を目の前でされたら、人によっては生理的に受け付けないだろうし。
佐藤はある意味、著莪との付き合いから甘えられる事自体には並の男性よりも遥かに慣れていると言えるんですが、実際は著莪の甘え方って完全に佐藤に合わせたものなので、傍目から見ると度の過ぎた理不尽でひどい甘え方でも佐藤の許容範囲は絶対に超えず、彼に不快感を与えないように制御されきっている。
加えて、佐藤って大らかというか鈍いというか、理由が明快な理不尽に対しては全く気にもしないので、白梅梅の横暴なんかも肉体的ダメージにはなってもあれ、精神的なストレスには一切なっていなかったりするのが興味深い。案外あの二人、相性いいんだよなあ。白梅の親父さんが妙に佐藤のこと見込んでいるのもあながち節穴ってわけではない。まあ、相性がいいだけで愛情が生まれる余地がさっぱり見当たらないのだけれど。
ところがだ、こと槍水先輩の我儘に関しては、佐藤はまるで対応が取れないのである。著莪に甘えられているようで実は甘やかされている佐藤は、さらに鈍感で大らかである分、実際にストレスを受ける事に耐性が乏しかったりする可能性もあるんだが、とにかく拗ねる女性への対処能力にちょっと欠けてるところがあるっぽいのだ。その辺り得意そうな山乃守さんを見習えばいいんだろうけどさ。でもまあ、今の佐藤だと咄嗟に反応できない。上手く宥めたり、相手の期待する言葉を並べ立てたり、という器用な真似はまあ無理なのだ。広部さんみたいな計算ずくで拗ねられる女性なら、そんな下手糞相手でも上手いこと言って欲しい事、やって欲しい事に誘導していくものなんだけれど、「子供」である槍水先輩は計算度外視で本気で拗ねているだけなので、むしろムキになって余計に拗らせようとしてくるものだから、まあ佐藤はイライラとストレスを貯めることしかできないわけだ。
そりゃもう、うまくいくはずがない。
著莪はよくまあ黙って見てるもんだなあ、と感心するね。ほんとこの娘、佐藤には甘いよなあ。確かにこの辺の佐藤に好きにやらせているところは兄弟同然に育った血の繋がった身内だと思う。多分、幼馴染みでも此処まで許容は出来ないよ。こいつは絶対に自分のものなんだ、一心同体なんだ、自分の手元から離れないんだ、ぐらいの確信がないと。その点、著莪は余裕ある。確信、あるんだろうなあ。
まあ、男子トイレに一緒に入って佐藤が小用たしているのを見物するのも両方平気な関係なんだから、そりゃあ余裕だわなあ……ねえよなあ、こんな関係。どんな変態だよ!! ベッドの中でも乳繰り合ってるしさ。佐藤のやつ、関心ないふりして著莪の体触りまくってたのかよ、このやろうw

ベン・トーバトルの方は、サラマンダーの南下に合わせて最近出てなかったキャラクターたちの近況も交えつつ、オールスターキャストの賑わいで。ちらっとしか触れられてなかったけれど、サラリーマンレッド、脱サラしたのか、おい。というか、会社クビになって無職ですか!?(笑
パッドフットは完全に引退したと思っていたので、偶に狼活動しているとはちょっと驚き。

もはや弁当なのか、想像もつかないクリスマス限定の超大物「超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版」をめぐる攻防は、クライマックスに相応しい盛り上がりの末の、まさに大団円、クリスマスらしい結末で、ほんとこの作者は上手く締めてくれますよ。こんなにニコニコ満面の笑みで幸せに終われるとは思わなかった。奪い合い、しかし支え合う。まったくもって、いいライバルたちじゃないですか。

そして、相変わらずまったく脈絡なくSEGAのウンチクに突入して平然と数ページを浪費する作者の情熱には痺れた。この人のSEGAネタは単なるちょっとした遊びのネタじゃなくて、いつだって本気だというのが伝わってくる。アニメもさ、バーチャとはわかりやすいネタじゃなくて、もっと一般人にはまるで意味不明だけれど、SEGA魂の人ならば理解できるだろうと信じる事ができる、くらいのきわどいネタで攻めればよかったのに。ネタは突っ込まれてこそだ、というのがよくわかる今回のSEGAネタだった。いやあ、さっぱり何を言っているやらわかんなかったもんな♪

あと、最近ニワカに新人のウルフヘアが台頭してきた感じ。まだまだ未熟とはいえ、これは次の年中くらいには二つ名がついてもおかしくないんじゃないだろうか。
今回はオルトロスのお二人がこれでもかというくらい堪能できましたし、ともかく豪華特別版という感じでお腹いっぱいでした、はい。

シリーズ感想

ベン・トー 7.5 箸休め 〜Wolves, be ambitious!〜4   

ベン・トー 7.5  箸休め 〜Wolves, be ambitious!〜 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 7.5 箸休め 〜Wolves, be ambitious!〜】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋たちHP(ハーフプライサー)同好会は、槍水の妹・茉莉花のおねだりに端を発した一泊二日の旅行に行くことに! 季節外れの観光地に向かう一同だったが、途中で予期せぬアクシデントに遭ってしまう。そこへかつて出会ったあいつが現れ…!?
その他に、佐藤たちの旅行のウラで静かに起きた著莪とその友人たちの日常編や、ウェブ掲載された短編、雑誌連載で大反響をよんだ「間食版」も書き下ろし分を加えて収録! もはや短編集ではないボリューム感満点でお届けする、メガ盛りの箸休め、庶民派シリアスギャグアクション、狼が大志を抱く7.5巻!!

【1章 3.5倍】
サラリーマンレッド再び!! 冒頭、恒例の佐藤の中学時代のクラスメイトの武勇伝に腹を抱えて大爆笑し、体も温まったところでいざ、旅行編である。って、初っ端から掴みが濃すぎるよ、このシリーズ。延々と中学時代や佐藤家の過去のエピソード書き綴るだけでも死ぬほど面白い作品が出来てしまいそうだ。こんだけ腹が痛くなるほど笑える話ってそうそう無いぞ。
さて、旅行編においてどうやらサラリーマンレッドは準レギュラー化してしまったらしい。こいつ、そろそろ会社クビになるんじゃないのか? 色々と思い込みの激しい人ではあるが、決して悪い人ではないしこんな報われない人生を歩んでしまう人じゃないと思うんだが、世の中だいたいこのたぐいの人は七転八倒して面白い方へと転げ落ちていくのである。ご愁傷さま。
面白いのが、普段の半額弁当争奪戦が格闘強奪戦であるのに対し、旅行時における駅弁の場合は電車の発車時間を睨んだ障害物競走的なタイムアタックになるところ。普段の狼同士の戦いとはかなり毛色が違っている。前回の妨害ありの競争と違って、今回は文字通りのタイムアタック。それも事前に入念に作戦を練った上での協力プレイ。新鮮さの中に見ごたえもあって、面白かった。さらば、サラリーマンレッド!!
「うなぎ茶漬け弁当」ウマそうだなあ。めちゃくちゃ美味そうだなあ……。

旅館では白梅さんの若奥様というか若女将らしい上品な佇まいが拝めて大満足。このシリーズ、女性陣の数は多いけれど本気で佐藤とカップルになれそうなのって、著莪を除けばこの白梅だけのような気がする。まあ、白梅の場合佐藤にお似合うというよりも、賢妻としてどんな男だろうと見事に立てつつ完全に首根っこ抑えて理想的な家庭を作ってしまいそうなスペックの高さの持ち主なのだろう。
まさにパーフェクト嫁、なのだが残念ながら真性の百合であるために男全般に興味皆無なのだ。なんというスペックの無駄!!

【間食版】
ジャンプSQの漫画連載にオマケとして掲載されていたという掌編。さり気なく今までで初めて見る、槍水先輩の一年生時の記録である。【魔導士】こと金城との先輩後輩関係。いったいどんな風なのだろうとは気になっていたのだけれど、これホントに懐いてたんだなあ。慕っている、というのを通り越して子犬みたいに懐いている。色々と構ってもらえるのが嬉しくて仕方ない、という金城と一緒にスーパーに居る時間が楽しくて仕方ない、というのがひしひしと伝わってくる。金城は金城で、仙のこと可愛くて仕方なかったんだなあ。ただ、まだこの時点では仲のよい先輩後輩、にとどまってたんだろか。烏頭がまだ仙のこと目の敵にしてないもんね。まだ仲が拗れていない頃の烏頭先輩は、あれはあれで仙のことかわいがってたんだなあ。確かに、この頃の仙って年上から無条件で可愛がられるような懐っこさがあるんですよね。なるほど、妹の茉莉花はこの頃の仙とよく似てるわ。
過去のHP部がどんな雰囲気だったのか、今までずっと謎のベールに覆い隠されていたのでちょっとすっきりした。でも、烏頭の一件以降にさらにこのHP部壊れていくんだよなあ。ほんとに何があったんだろう。


【モモとカズラと】
紫華先輩ェ……。
HP部とは関係ない、槍水先輩がいつも学校でつるんでいる二人の友人、木之下桃と紫華鬘の人となり、なんというかこいつらもか……。別に半額弁当を狙い打つ狼たちだけが変人じゃないんだよな、この作品。押し並べて変人ばかりなんだ、うん。
カズラさん、途中までは極普通の人に見えてたのに。というか本人は全然そんなつもりないんですよね。なのに、行動は明らかに偏執的なストーカー。いや、むしろ佐藤にイカレて頭がそれだけになってムチャクチャやらかす、というのよりも、逆に何の執着もないにも関わらずナチュラルにああいう行動を取ってしまうほうが怖くないか!?


【天使の贈り物】
……表沙汰にならない勢いで既に犠牲者出てるんじゃないか? 偶然死体が発見できない形でどうにかなってしまって、たまたま捜索願が出されないように状況が転がってしまって、とか。あれで死人が出ていない方が不思議だ。【死神】あせび。著莪もよくまあ付き合っていられるものである。そのへんわりと素直に尊敬する。あれ、よっぽどこまめにお札仕入れてるんだろうし。忘れたら本気で死にかねんもんなあ。
なんというか、神仏のご利益ってほんとにあるんだなあ、と実感できるお話である。


【男子寮と従姉とバレンタインデー】
ごちそうさまです。
なにこの普通にチョコあげたりもらったりするよりも濃厚な話は。著莪と佐藤の関係ってむしろチョコやり取りする方が野暮なんじゃないのか!? これは矢部くんや神田くんが佐藤を追い出すのも無理ないわ。
佐藤って絶対恋人出来ても、著莪を優先するよな、これ。しかも、何の葛藤も疑問も抱かず。こりゃあかんは。鉄板とかいう以前に既に終了してる。


【ある日の著莪あやめ】
あのサッパリとして快活な性格から、普通に男友達も居て仲良く遊んでいるだろうなあ、とは思っていたけれど、仲良くしているからこそ、佐藤との接し方との明確な違いがくっきりと浮き出てくるわけで。
あれだけベタベタと佐藤と男女の垣根を平然と乗り越えるようなスキンシップを繰り返し、自分の財布のように佐藤にたかり倒している著莪が、実は他人とはちゃんとキッパリ一線を画して、体には軽いスキンシップだろうと一切触れさせず、ちょっとした食べ物飲み物の奢りすらやり取りしようといない事にはなかなか驚かされた。軽そうに見えて、むしろめちゃくちゃ身持ち固いのか、著莪って!!
しかも、マジ告白されて断った上で理想の男のタイプを聞かれた時の著莪が動転したまま答えてしまった、恐らくは何も繕わない素の理想像。これはもう、明らかに特定の誰かを指している一言で……あー、咄嗟に出ちゃったかー。こりゃ、著莪当人もびっくりだ。びっくりだけど、納得だろうなー。もう鉄板とか本命とかどころの話じゃなく、好きとか愛してるとか通り越してるよね。難しいことなんて何もない、ややこしい事になんて陥らない。もうどうしようもないわ、これは。
幼なじみスキーとして、今まで色んなカップル嗜んできましたけど、この二人だけはホンマ凄いわ。こんな凄い幼なじみ見たことないわー。堪能させていただきました、はい。

そういえば、久々に狼として戦う著莪を見たのだけれど、かなりの強豪になってるんじゃないですか、これ。二階堂と咄嗟に組んだとはいえ、あのオルトロス相手にイイ勝負して弁当もちゃんとゲットしているあたり。あんまり著莪が佐藤と同じ戦場で戦ってるシーン、最近は特に見ないので、本編ではそっちも久々に見たいものである。

にしても、短篇集というのは厚い、濃い、と特濃すぎる内容で。どこが一体箸休めだ!!
満足!

シリーズ感想

ベン・トー 7.真・和風ロールキャベツ弁当280円5   

ベン・トー 7 真・和風ロールキャベツ弁当280円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 7.真・和風ロールキャベツ弁当280円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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美味しいものには、毒がある!?
「このライトノベルがすごい!2011」第5位ランクイン!シリーズ第8作!

半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、ひょんなことから未曾有の経済危機に陥り、『変態』の二つ名を体現する日々を送っていた。そんなある日修学旅行で槍水が不在になる間、佐藤は彼女の縄張りであるスーパーを託されることに。しかし槍水と入れ替わるようにHP同好会に烏頭みことと名乗る美人OGが現れ、佐藤は彼女に翻弄されてしまうのだった。烏頭はかつてHP部が解散するに至った原因は槍水にあると告げるのだが――。毒を食わらば皿まで!「狼」の誇りを持って落とし前はきっちりつけろ!庶民派シリアスギャグアクション第8作!
まさかのアニメ化の一報に界隈が湧き立つ中で登場したシリーズ最新作。読んで改めて思ったが、この人天才だろう。完全に狂気を制御しきっている。それも、あらゆる種類の狂気を、だ。
これって、アニメ化にあたっての問題は、この【ベン・トー】という作品が内包する「狂気」を如何に見せるか、だよなあ。眼に見える部分である表層をなぞる事は幾らでも出来るけれど、はたしてそれだけではこの作品の本質とも肝ともいうべき部分をまるで見せることが叶わない気がする。差し当たっては、主人公佐藤洋のエキセントリックで一本スジの通った思考回路を映像という媒体でどれだけ見せられるのか、という所である。此処を取り逃がせば、この作品の本質は七割り落としたも同然だし。近年、ライトノベルがアニメ原作となるケースが物凄い勢いで増えているけれど、【ベン・トー】みたいな作品は、文章によって起こされた物語を映像に変換する難しさを思い出させてくれるような作品で、正直アニメ化についてはそれほど期待し切れないんだよなあ。
アニメ化の話はさておいて、本編の方はついにこれまで引っ張られたHP部解散の謎の一端を抱えて、OG【ウルフズペイン】烏頭みことが現れる。
まさか、ここまでべっとりと粘度の高い女の情念を、ベン・トーで見せられる事になるとは思わなかったなあ。今回当事者の一人である槍水仙は修学旅行で不在、著莪あやめも実家に帰っているなどして出番は非常に少ないのだが、なるほど今回の話に置いては槍水仙と著莪あやめは言わば登場してはいけない役だったんだなあ、と納得。洋にとって、二人は憧憬と安らぎの象徴みたいな所があるんですが、烏頭みこととの対立が深まる状況下で洋が二人と逢う事は精神的な敗北へとつながっていたわけです。修学旅行に行っていた槍水先輩はともかく、著莪については週明けには戻ってきてたわけで、逢おうと思えば逢えたはずなのに、実際一度心の安定を求めるかのように著莪に逢いに行こうとする機会があるのですが、結局二人の介入を許すこと無く洋の戦いは続くことになる。今回の話は洋にとっては完全にとばっちりなんですが、それでも女の愛憎入り交じった情念とも執念ともつかない怨念に絡め取られ、心竦んでしまう話であるわけです。そんな折に、毒に侵され心折れかけた有様であの二人に逢うというのは、やっぱりダメなんですよね。心の弱り方に「女」が絡んでいる以上、洋たち当人が意識していなくてもやっぱり関係性として「女」という括りが絡み付いているあの尊敬して慕う先輩と、気心のしれた幼馴染では、洋の狼としての部分を取り戻すどころか余計に殺してしまう可能性すらあったわけです。他のケースなら、二人ともこれ以上ないくら位頼もしい支えになれるんですけどね。
だからこそ、今回洋を復活させる役割を得たのは【オルトロス】や茶髪たちのような戦友たちでなければならなかった訳です。アレほどドロドロに渦巻いた人間関係の破綻と拗れ、縺れを半額弁当争奪戦という舞台に引き込みながら、最終的に、上手い弁当を激闘の末に奪取し、喰って堪能する、という狼の原点に立ち返る事の出来るこの作品は、やっぱりとてつもない。しかも、その原点こそが在るべき人の心の営みを取り戻し、傷ついた心や迷いを癒し、導く事になるわけだから、殆ど魔法みたいなストーリー構成である。
あれほどぐちゃぐちゃドロドロの話の流れの中で、しっかりと今回の【和風ロールキャベツ弁当】が究極へと至っていく過程がこれでもかとしっかりと描かれ、【真・和風ロールキャベツ弁当】という月桂冠の本命がドーーーンと登場する衝撃をきっちりと支えてるんだもんなあ。特に今回の最終決戦は、今まででも例を見ないくらい凄まじいメンツの揃った頂上決戦だった訳で、そんなメンツが奪い合う最上の財宝として【真・和風ロールキャベツ弁当】はばっちりちゃんと格を得ていたわけで……くっそう、やっぱりこの作品の食い物は有り得ないくらいウマそうだ。
でも、残念だったのは頂上決戦が本物の頂上決戦にはならなかったことだよなあ。正直、あのメンツでの本当の決戦をぜひ見たかった。特にウィザードは現れる事自体稀なレアキャラなだけに。オルトロスだって普段は狩場が違うんだし。
いやしかし、まだこれからも機会はあるか。ウィザードは帰国してしばらく此処にいるみたいだし、実のところHP部解散の真相は未だ全容は明かされてないわけですし、ウィザードと魔女の関係もまだ本当のところは見えてないですしね。

にしても、やはり茶髪はもう二つ名持ってもいいんじゃないのかな、という位に凄腕だよなあ。今回だって何気に一番イイところ持ってったし。というか、此処ぞという決戦で毎回いいところ持って行くわけだし。さらに、名無しの狼としてさらにウルフズカットの少女が登場。そうか、新入生か。まだまだ未熟で幼い狼なのが、そうか洋たちも戦場に立ちだしてもう後発が出てくるくらいになったんだなあ、という実感が。しかし、なんでおんなじ学校にも関わらずHP同好会に入ってくれないんだよ! まあ明らかに洋のせいなんだがw
その洋の爆笑過去回想は今までの中でもこの巻が一番絶好調だったんじゃないだろうか。本数も多かったし。こいつとその仲間の話はそれだけ本に纏めてもベストセラーになりそうなくらい面白いよなあ。革命話なんか、笑い死ぬかと思った。どんな光景だよ。

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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(エンターブレイン)
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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