3歳 オープン (国際)牡・牝(指定) 馬齢 京都競馬場3,000メートル(芝・右 外)
去年のドゥレッツァのレースに続いて、今年も菊花賞とんでもなく面白いレースになりましたね。
3000という長距離は本当に駆け引き、攻防が激しくて紆余曲折ある展開になって見ていて面白いです。この長距離戦はやっぱりなくして欲しくないよなあ。
まあ今年に関しては、前年の駆け引きによる攻防って感じじゃなくて、もう全体的にハチャメチャのぐっちゃぐっちゃの展開になってしまって、この大混乱の渦に飲み込まれずに捌き切り、乗り切った騎手と馬が抜け出した、と見えたレースでしたね。
まあ一言で言うなら、ルメール神。去年はまさに全体を支配下においたようなルメールマジックでしたけれど、今回は主導権こそ握れなかった、というか今回は誰も主導権握れなかった珍しいレースじゃなかろうか。そんな嵐の中をスイスイと思う通りにアーバンシックの位置取りを決め、思う通りのタイミングで仕掛け、バッチリとゴール前で抜け出す。他がシッチャカメッチャカになっているのも関係ないかのようなスムーズな競馬をやってのける、そういう風に馬を促せる、走る気にさせてあげられるルメール騎手。まあ上手いなんてもんじゃないです。
京都の長距離は何はなくてもルメールでいいんじゃないでしょうか。
アーバンシックはダービーの大敗を乗り越え、セントライト記念の強さをそのまま菊花賞で発揮できました。元々皐月賞でもジャスティンミラノ、コスモキュランダ、ジャンタルマンタルに続く4着。
ダービーと菊花賞の2冠馬が何十年と出ていない事で示されるように、菊花賞ってむしろ皐月賞で好走した馬が頑張れるレースだったりするので、順当ではありましたね。
秋になってセントライト記念でちゃんと結果を残し、夏を超えて成長を見せたことを証明してくれてもいましたし。
セントライト記念の勝ち馬で菊花賞で結果を残した馬は少ない、という結構有名なデータもありましたが、キタサンブラックをはじめとした名だたる名馬が勝ってるレースでもありますからね。将来性はバッチリですよ。
スワーヴリチャード産駒としての初G1タイトルもゲット。まさかスワーヴリチャードの初G1が菊花賞ってのはびっくりでしたけどね。お父さん中距離馬というイメージでしたし。長距離走れないことはなかっただろうけど。2500のアルゼンチン共和国杯も勝ってますしね。
さて、ちょっと話を巻き戻しまして、戦前の各馬の評価評判から語りますと、今回の一番人気は当然ダービーを勝ったダノンデサイルでありました。
2週前の調教からバリバリの時計を出していて、一叩きせずにいきなりの菊花賞というローテへの不安を払拭する、充実の仕上げでありました。馬が一回りデカくなった、という話もありましたけれど、実際にレースに挑んで前走よりプラス18キロ。太め感もなく、大方成長分だったのでしょう。
精神面も落ち着いていて、まあ余裕たっぷり。長距離レースでも前のめりになりすぎないだろう大物感が漂う雰囲気になっていました。
さりとて、菊花賞直行であります。今はトライアルや前哨戦を経ずにG1に直行というのは珍しくもなくなり、ノウハウも確立されたのでしょう。レースを叩かずとも仕上げが完成していきなり本番でも100%で戦える時代になりました。でも、菊花賞だけはまだなかなか難しいのかな。春天も有馬から直行で勝ったフィエールマンを除けば、近年でも前哨戦を使った馬が勝っているだけに長距離が難しいのかも知れません。
また長距離向きの体型じゃない、とも言われていますね。ダービーも内でじっくり貯めてスタミナ消耗しにくい走りでしたし。
また、仕上げすぎた、というのもあるかもしれません。2週前からガンガン時計出てるくらいでしたし、馬の気持ち的にどうだったのかな、と。ピリピリ神経高ぶるタイプじゃないにしても。
まあ、そういう事情やデータを抜きにして、単純に展開不利だった、という見方も出来ますけどね。
これについてはレースについて話す段階で。
2番人気はアーバンシック。セントライト記念の勝ち方もそうですが、まあ何よりルメール人気でしょう。調教や仕上げも、順調ではあっても目立つほど完璧!とかなんか凄い雰囲気!みたいなのはあんまり誰も言っていなかったし。
とはいえ、あかん事もなく時計云々よりも、折り合い面をじっくりやってた感じかなあ。
今回、他に前走にルメールが騎乗していた馬が3頭もいたのですが、選んだのはアーバンシックでした、というのが馬券的にも結論だったのでしょう。まあ、他の馬たちはまだまだ条件戦から上がってきたばかりで比べるべくもなかったのですが……でも、そのうちの2頭が2着3着に入ってくるんだよなあw
3番人気はコスモキュランダ。春からの秋にかけての安定した実績を見たら、3番手評価は順当でしたでしょう。ただ、まあアルアイン産駒というのを見ただけでも長距離向きではないよなあ、というのはありました。それも、操縦性の高さ、折り合いも大丈夫なメンタルを考えれば越えられない壁じゃないよ、と思う所然り然り、だったんですが……その肝心の折り合いがえらいことになってしまった。
4番人気、これが面白いことに前走3勝クラスの日本海Sを勝ったばかりのヘデントールでした。
重賞成績も青葉賞に出走しただけで8着といいところなし。ただ、この青葉賞で一番人気だったんですよね。これはそれだけ才能がその時点で評価されていた、ということなんでしょう。また、日本海Sは去年のドゥレッツァと同じローテーションでもあります。さすがに同じローテだからって評価が高くなるわけじゃないので、とにかくこのヘデントールの実力評価が菊花賞を前に急上昇していたのは間違いなく。馬の調子を見る調教の評価でも、数々のデータを照らし合わせて該当する好走データを鑑みても、このヘデントールが他の実績馬や夏の上がり馬を押しのけて圧倒的に注目されていましたね。
5番人気に神戸新聞杯を勝ったメイショウタバルがエントリーしていました。これがまた評価が難しい馬で、まず神戸新聞杯というのが菊花賞で好走する馬の鉄板レース。まあこのレースで好走したら菊花賞でも走ります、大概。そのうえ、父が長距離で鳴らしたゴールドシップ。なんかすごく走りそうじゃないですか。
一方で、実はゴールドシップ産駒は長距離で全然成績残していなかったり、菊花賞というレース自体、差しの馬が支配する後ろ側有利のレースで、前々で勝負する馬にとっては不利この上なし、というレースだったりするものですから、タバルってファンも多いんだけれどさりとて勝つかどうかと問われるとどうなの? と首を傾げつつも……なんか走っちゃってもおかしくなさそう、という気にもさせられる、まあ判断が難しい馬でありました。ホースマンの少なくない人たちが、タバルは中距離が適性だよ、とは言ってましたけどね。
6番人気にショウナンラプンタ。この馬もダービーこそ全然でしたが、春から好走レースがあって先々走りそう、実力あるよー、と言われていた馬でした。それが神戸新聞杯で3着となかなか気張ったところを見せてくれて、菊花賞の走りにも期待が持てる伸びを見せていたんですね。
一方で、この馬は気性の荒さが心配されていて、長距離レースで折り合い大丈夫?というのが不安要素でありました。そのへん、特に考えて調教メニューこなしてだいぶ落ち着きをみせるようになった、と評価を受けていたようなのですが……レース前荒ぶる神と化していたようです、あかんやんw
ところが、実際のレースとなると他の馬たちがスローペースで折り合いを欠くなかで、ラプンタしっかり我慢できてるように見えました。仕掛けどころまで鞍上の鮫島くんの指示をじっと待てていた。
レース前、この菊花賞は大方メイショウタバルが逃げるだろうなあ、と予想していたと思います。
浜中騎手は逃げないとコメントしていたみたいなんだけれど、神戸新聞杯でも馬に任せて積極的に行こうとは思わないみたいなコメントをしてて、実際馬に任せたら逃げちゃいましたからねえ。
今回もまあ鞍上が逃げないと言いつつも嫌よ嫌よもなんとやらで、行きたいタバルが行っちゃうだろう、と皆が思っていたと思います。
が、行かなかった。本当にタバル、行かなかった。
じゃあよっしゃ、ワシが行ったる、とばかりに行っちゃったのがエコロヴァルツ、岩田パパ。待て、お前が行くんかい!? いや、確かに神戸新聞杯でもダービーでも彼が最初行ったんですが。
とはいえ、それでガンガン逃げて果てまで行ってしまうわけではなく、すぐに脚を使わないように速度をグッと落としてしまうのです。
おかげで、超スローに。それで馬群が落ち着いたら良かったのですが、この遅さに我慢できない馬たちが続出。歴代の菊花賞でも見たことがないくらい、先頭が次々と入れ替わり立ち替わり、と目まぐるしく変わりまくるシッチャカメッチャカの展開になってしまったのです。
あかん、我慢できん、俺が行くぜーーーーーー、疲れた。というのを何頭もの馬がひっきりなしに逐次投入がごとくやらかしたものだから、最初超スローだったのに、後半に行くほどラップタイムが上がっていく、どんどん全体が加速していくという滅多とないタフなレース展開に。
そして、折り合いを欠いてガンガンと行ってしまった馬たちは早々にスタミナを消耗して脱落していく。これ、脱落した馬は消えるんじゃなくて、スピードが落ちて後方にズルズルと下がっていってしまうわけですよ。
これでえらい目を見てしまったのが、4番でダービーと同じく内でじっくりと脚をためるつもりだったダノンデサイルである。
これ、レース序盤は3,4番手近くとかなり前目につけていたのが、どんどんと後ろにさがっていってしまいました。ただこれって、ペースを落としたわけじゃなくて、折り合い欠いた馬たちが次々にペースあげて先頭に襲いかかっていったのを尻目に、自分のペース、リズムで進めていたが故の後方への展開だったと思うんですよね。菊花賞は差し勝負、というのは当然ベテランの横山典さんなら承知の上でしたでしょうし。この展開で前の連中が潰れていくだろうから、最終コーナーの坂の下りで加速しながら外に持ち出し大外まくり。或いは内にスペースがあるならイン突き、という構想だったんじゃないかな。
ところが、想定外だったのがガンガン行こうぜ、になって先頭に立とうとする馬が異常なほど多かったこと。普通は一頭や二頭ですよ。それが、次から次に外から上がっていって先頭に立とうとする。そうなると、バテて脱落する馬はどうなるか、というと外側が上がっていく馬たちに塞がれていくから、インのままズルズルと順番に落ちていくんですね。
これ、内の後方で待っている馬がどうなるか、というと落ち物回避ゲームみたいに、どんどんと後ろに下がってくる馬たちを必死に回避しながら進路を探す無理ゲーになってしまったわけです。前は伸びしろがない壁、外に逃げようにも、そちらは捲っていく馬たちの上昇コースになっていて塞がっていて出れない。ようやく外に進路を見いだせたのは、四コーナーから直線に差し掛かってから。
こっからちゃんと伸びて6着まで伸びているのですから、完全燃焼してダメだった、能力が足りなかったというわけじゃないのでしょう。ゴール後も一気に前の方まで駆け抜けている様子を見ても、まだ余力も十分だったのではないでしょうか。ノリさんのコメントを見ても、まあ展開としてどうしようもなかったんだろうなあ。最悪のところにハマってしまった、にしても展開が予想外過ぎました。こんな目まぐるしいことになるなんて、誰も思ってなかったでしょうから。
勝ったアーバンシックは13番枠、と外側から展開を見れる場所でもありましたしね。それにしても、ルメールの位置取りが凄すぎるんですけれど。4番であのペースと展開だとちょっとどこにも行きようがない。
2着は16番戸崎のヘデントール。最初えらい後ろからになってしまいましたが、前半のスローペースもあり余裕を持って前を捕まえにいけました。慌ててあがっていかないで良かった判断。それでいて、加速していくラップに置いていかれることなく、スムーズに位置取りあげていきましたしね。直線で脚を貯めていながら既に先行集団捕まえられる位置にいたのは戸崎さん、京都であんまり良い成績残せて居なかった中で、今年は秋華賞も結果出してますけれど勘所の習得に成功しつつある雰囲気ですね。
3着はアドマイヤテラ。この馬も前走3勝クラスだったのですが、京都新聞杯では4着とクラシックへの切符まであと一歩だった、才能は前々から高く評価されてた馬でしたね。今回も、クラシック未出走組の中ではヘデントールに次いで来そうなデータが揃っている馬でした。
トドメに、京都が庭な武さんが鞍上。ということで、この馬も前半の狂騒に巻き込まれず後方で息を潜め、中盤から一気に先行勢を駆逐して前を伺った流れでしたね。というか、向正面でぐいぐい位置取り押し上げていってるのは凄いなあ。普通なら早すぎるくらいの仕掛けに見えるんだけれど、アーバンシックが直後、坂の下りでもう手応え十分でスムーズにあがってきているのを見ると、アーバンより前でねじ伏せたかったんでしょうね。それが出来る実力があると踏んだわけだ。
そして実際、ヘデントールとアーバンシック以外は置き去りにして、ショウナンラプンタの猛追をしのぎ切ったのですから、このタフなレースで一番タフな走りを見せたんじゃないでしょうか、アドマイヤテラ。
4着はショウナンラプンタ。先述した通り道中はしっかりと折り合いついてゴーサインが出るまで我慢できました、良き! 坂の下りで一気に加速。タイミングもベストで前に障害もなし。やるべきことは全部出来たレースだったんじゃないでしょうか。付け加えるなら、もうちょい直線では外に寄せてテラに合わせるくらいするべきだったか。馬場ちょっとでも良い所を走ったらテラに追いつけなかったかなあ。無理かなあ。
5着は後方から猛追してきたビザンチンドリーム。春からの有力馬がクラシックではボロボロでいいところなく名声も地に落ち、人気もなくなり、でも最後の一冠で意地で掲示板に載る、ってのは好きな話ですよ。
6着にはダノンデサイル。あそこから、ここまで良くきました。
7着にはシュバルツクーゲル。テラよりもワンテンポはやく仕掛けて、直線では先頭に。でも、そこから内に切れ込みましたけれどさすがに脚残ってなかったですね。それでも、この着に残るのですから頑張りました。
メイショウタバルは最初行かなかったのですけれど、最初の一周目でスタンドの歓声に煽られたのか結局先頭まで駆け上がってしまいました。その後、もうあんまりやる気なくなってしまっていたのか、もう4コーナーに差し掛かるころには一杯に。気分良く走れなかった、というのもあるんでしょうけど、やっぱり長距離向きじゃなかったってことなんでしょうね。16着でありました。
コスモキュランダも、最初のスローペースに折り合いを欠いちゃったみたいでずっとバタバタ。向正面でまくりあげようとデムーロが仕掛けましたけれど、足が残ってなかったですね。距離不安があるのに折り合わなかったらどうしようもないです。13着でした。
勝ったアーバンシック。強かったですけれど、それよりもルメールの上手さの方が際立ってた感じで、まだこの馬特有の強烈な印象、強さの迫力というのは見えてない気がします。今後の古馬との戦いでその真価が見えてくるかなあ。
2着のヘデントール、そしてショウナンラプンタはまずひとつ重賞勝って格を身につければ重賞戦線の常連になりそう。
3着のアドマイヤテラはどうなんですかね? タフなレースを見せてくれましたけれど、この馬も次の重賞でのレースっぷりを見ないとわからんなあ。
ダノンデサイルは、今回はあんまり参考にならず。次ですよ、次。次で見せましょう、ダービー馬の意地ってやつを。
去年のドゥレッツァのレースに続いて、今年も菊花賞とんでもなく面白いレースになりましたね。
3000という長距離は本当に駆け引き、攻防が激しくて紆余曲折ある展開になって見ていて面白いです。この長距離戦はやっぱりなくして欲しくないよなあ。
まあ今年に関しては、前年の駆け引きによる攻防って感じじゃなくて、もう全体的にハチャメチャのぐっちゃぐっちゃの展開になってしまって、この大混乱の渦に飲み込まれずに捌き切り、乗り切った騎手と馬が抜け出した、と見えたレースでしたね。
まあ一言で言うなら、ルメール神。去年はまさに全体を支配下においたようなルメールマジックでしたけれど、今回は主導権こそ握れなかった、というか今回は誰も主導権握れなかった珍しいレースじゃなかろうか。そんな嵐の中をスイスイと思う通りにアーバンシックの位置取りを決め、思う通りのタイミングで仕掛け、バッチリとゴール前で抜け出す。他がシッチャカメッチャカになっているのも関係ないかのようなスムーズな競馬をやってのける、そういう風に馬を促せる、走る気にさせてあげられるルメール騎手。まあ上手いなんてもんじゃないです。
京都の長距離は何はなくてもルメールでいいんじゃないでしょうか。
アーバンシックはダービーの大敗を乗り越え、セントライト記念の強さをそのまま菊花賞で発揮できました。元々皐月賞でもジャスティンミラノ、コスモキュランダ、ジャンタルマンタルに続く4着。
ダービーと菊花賞の2冠馬が何十年と出ていない事で示されるように、菊花賞ってむしろ皐月賞で好走した馬が頑張れるレースだったりするので、順当ではありましたね。
秋になってセントライト記念でちゃんと結果を残し、夏を超えて成長を見せたことを証明してくれてもいましたし。
セントライト記念の勝ち馬で菊花賞で結果を残した馬は少ない、という結構有名なデータもありましたが、キタサンブラックをはじめとした名だたる名馬が勝ってるレースでもありますからね。将来性はバッチリですよ。
スワーヴリチャード産駒としての初G1タイトルもゲット。まさかスワーヴリチャードの初G1が菊花賞ってのはびっくりでしたけどね。お父さん中距離馬というイメージでしたし。長距離走れないことはなかっただろうけど。2500のアルゼンチン共和国杯も勝ってますしね。
さて、ちょっと話を巻き戻しまして、戦前の各馬の評価評判から語りますと、今回の一番人気は当然ダービーを勝ったダノンデサイルでありました。
2週前の調教からバリバリの時計を出していて、一叩きせずにいきなりの菊花賞というローテへの不安を払拭する、充実の仕上げでありました。馬が一回りデカくなった、という話もありましたけれど、実際にレースに挑んで前走よりプラス18キロ。太め感もなく、大方成長分だったのでしょう。
精神面も落ち着いていて、まあ余裕たっぷり。長距離レースでも前のめりになりすぎないだろう大物感が漂う雰囲気になっていました。
さりとて、菊花賞直行であります。今はトライアルや前哨戦を経ずにG1に直行というのは珍しくもなくなり、ノウハウも確立されたのでしょう。レースを叩かずとも仕上げが完成していきなり本番でも100%で戦える時代になりました。でも、菊花賞だけはまだなかなか難しいのかな。春天も有馬から直行で勝ったフィエールマンを除けば、近年でも前哨戦を使った馬が勝っているだけに長距離が難しいのかも知れません。
また長距離向きの体型じゃない、とも言われていますね。ダービーも内でじっくり貯めてスタミナ消耗しにくい走りでしたし。
また、仕上げすぎた、というのもあるかもしれません。2週前からガンガン時計出てるくらいでしたし、馬の気持ち的にどうだったのかな、と。ピリピリ神経高ぶるタイプじゃないにしても。
まあ、そういう事情やデータを抜きにして、単純に展開不利だった、という見方も出来ますけどね。
これについてはレースについて話す段階で。
2番人気はアーバンシック。セントライト記念の勝ち方もそうですが、まあ何よりルメール人気でしょう。調教や仕上げも、順調ではあっても目立つほど完璧!とかなんか凄い雰囲気!みたいなのはあんまり誰も言っていなかったし。
とはいえ、あかん事もなく時計云々よりも、折り合い面をじっくりやってた感じかなあ。
今回、他に前走にルメールが騎乗していた馬が3頭もいたのですが、選んだのはアーバンシックでした、というのが馬券的にも結論だったのでしょう。まあ、他の馬たちはまだまだ条件戦から上がってきたばかりで比べるべくもなかったのですが……でも、そのうちの2頭が2着3着に入ってくるんだよなあw
3番人気はコスモキュランダ。春からの秋にかけての安定した実績を見たら、3番手評価は順当でしたでしょう。ただ、まあアルアイン産駒というのを見ただけでも長距離向きではないよなあ、というのはありました。それも、操縦性の高さ、折り合いも大丈夫なメンタルを考えれば越えられない壁じゃないよ、と思う所然り然り、だったんですが……その肝心の折り合いがえらいことになってしまった。
4番人気、これが面白いことに前走3勝クラスの日本海Sを勝ったばかりのヘデントールでした。
重賞成績も青葉賞に出走しただけで8着といいところなし。ただ、この青葉賞で一番人気だったんですよね。これはそれだけ才能がその時点で評価されていた、ということなんでしょう。また、日本海Sは去年のドゥレッツァと同じローテーションでもあります。さすがに同じローテだからって評価が高くなるわけじゃないので、とにかくこのヘデントールの実力評価が菊花賞を前に急上昇していたのは間違いなく。馬の調子を見る調教の評価でも、数々のデータを照らし合わせて該当する好走データを鑑みても、このヘデントールが他の実績馬や夏の上がり馬を押しのけて圧倒的に注目されていましたね。
5番人気に神戸新聞杯を勝ったメイショウタバルがエントリーしていました。これがまた評価が難しい馬で、まず神戸新聞杯というのが菊花賞で好走する馬の鉄板レース。まあこのレースで好走したら菊花賞でも走ります、大概。そのうえ、父が長距離で鳴らしたゴールドシップ。なんかすごく走りそうじゃないですか。
一方で、実はゴールドシップ産駒は長距離で全然成績残していなかったり、菊花賞というレース自体、差しの馬が支配する後ろ側有利のレースで、前々で勝負する馬にとっては不利この上なし、というレースだったりするものですから、タバルってファンも多いんだけれどさりとて勝つかどうかと問われるとどうなの? と首を傾げつつも……なんか走っちゃってもおかしくなさそう、という気にもさせられる、まあ判断が難しい馬でありました。ホースマンの少なくない人たちが、タバルは中距離が適性だよ、とは言ってましたけどね。
6番人気にショウナンラプンタ。この馬もダービーこそ全然でしたが、春から好走レースがあって先々走りそう、実力あるよー、と言われていた馬でした。それが神戸新聞杯で3着となかなか気張ったところを見せてくれて、菊花賞の走りにも期待が持てる伸びを見せていたんですね。
一方で、この馬は気性の荒さが心配されていて、長距離レースで折り合い大丈夫?というのが不安要素でありました。そのへん、特に考えて調教メニューこなしてだいぶ落ち着きをみせるようになった、と評価を受けていたようなのですが……レース前荒ぶる神と化していたようです、あかんやんw
ところが、実際のレースとなると他の馬たちがスローペースで折り合いを欠くなかで、ラプンタしっかり我慢できてるように見えました。仕掛けどころまで鞍上の鮫島くんの指示をじっと待てていた。
レース前、この菊花賞は大方メイショウタバルが逃げるだろうなあ、と予想していたと思います。
浜中騎手は逃げないとコメントしていたみたいなんだけれど、神戸新聞杯でも馬に任せて積極的に行こうとは思わないみたいなコメントをしてて、実際馬に任せたら逃げちゃいましたからねえ。
今回もまあ鞍上が逃げないと言いつつも嫌よ嫌よもなんとやらで、行きたいタバルが行っちゃうだろう、と皆が思っていたと思います。
が、行かなかった。本当にタバル、行かなかった。
じゃあよっしゃ、ワシが行ったる、とばかりに行っちゃったのがエコロヴァルツ、岩田パパ。待て、お前が行くんかい!? いや、確かに神戸新聞杯でもダービーでも彼が最初行ったんですが。
とはいえ、それでガンガン逃げて果てまで行ってしまうわけではなく、すぐに脚を使わないように速度をグッと落としてしまうのです。
おかげで、超スローに。それで馬群が落ち着いたら良かったのですが、この遅さに我慢できない馬たちが続出。歴代の菊花賞でも見たことがないくらい、先頭が次々と入れ替わり立ち替わり、と目まぐるしく変わりまくるシッチャカメッチャカの展開になってしまったのです。
あかん、我慢できん、俺が行くぜーーーーーー、疲れた。というのを何頭もの馬がひっきりなしに逐次投入がごとくやらかしたものだから、最初超スローだったのに、後半に行くほどラップタイムが上がっていく、どんどん全体が加速していくという滅多とないタフなレース展開に。
そして、折り合いを欠いてガンガンと行ってしまった馬たちは早々にスタミナを消耗して脱落していく。これ、脱落した馬は消えるんじゃなくて、スピードが落ちて後方にズルズルと下がっていってしまうわけですよ。
これでえらい目を見てしまったのが、4番でダービーと同じく内でじっくりと脚をためるつもりだったダノンデサイルである。
これ、レース序盤は3,4番手近くとかなり前目につけていたのが、どんどんと後ろにさがっていってしまいました。ただこれって、ペースを落としたわけじゃなくて、折り合い欠いた馬たちが次々にペースあげて先頭に襲いかかっていったのを尻目に、自分のペース、リズムで進めていたが故の後方への展開だったと思うんですよね。菊花賞は差し勝負、というのは当然ベテランの横山典さんなら承知の上でしたでしょうし。この展開で前の連中が潰れていくだろうから、最終コーナーの坂の下りで加速しながら外に持ち出し大外まくり。或いは内にスペースがあるならイン突き、という構想だったんじゃないかな。
ところが、想定外だったのがガンガン行こうぜ、になって先頭に立とうとする馬が異常なほど多かったこと。普通は一頭や二頭ですよ。それが、次から次に外から上がっていって先頭に立とうとする。そうなると、バテて脱落する馬はどうなるか、というと外側が上がっていく馬たちに塞がれていくから、インのままズルズルと順番に落ちていくんですね。
これ、内の後方で待っている馬がどうなるか、というと落ち物回避ゲームみたいに、どんどんと後ろに下がってくる馬たちを必死に回避しながら進路を探す無理ゲーになってしまったわけです。前は伸びしろがない壁、外に逃げようにも、そちらは捲っていく馬たちの上昇コースになっていて塞がっていて出れない。ようやく外に進路を見いだせたのは、四コーナーから直線に差し掛かってから。
こっからちゃんと伸びて6着まで伸びているのですから、完全燃焼してダメだった、能力が足りなかったというわけじゃないのでしょう。ゴール後も一気に前の方まで駆け抜けている様子を見ても、まだ余力も十分だったのではないでしょうか。ノリさんのコメントを見ても、まあ展開としてどうしようもなかったんだろうなあ。最悪のところにハマってしまった、にしても展開が予想外過ぎました。こんな目まぐるしいことになるなんて、誰も思ってなかったでしょうから。
勝ったアーバンシックは13番枠、と外側から展開を見れる場所でもありましたしね。それにしても、ルメールの位置取りが凄すぎるんですけれど。4番であのペースと展開だとちょっとどこにも行きようがない。
2着は16番戸崎のヘデントール。最初えらい後ろからになってしまいましたが、前半のスローペースもあり余裕を持って前を捕まえにいけました。慌ててあがっていかないで良かった判断。それでいて、加速していくラップに置いていかれることなく、スムーズに位置取りあげていきましたしね。直線で脚を貯めていながら既に先行集団捕まえられる位置にいたのは戸崎さん、京都であんまり良い成績残せて居なかった中で、今年は秋華賞も結果出してますけれど勘所の習得に成功しつつある雰囲気ですね。
3着はアドマイヤテラ。この馬も前走3勝クラスだったのですが、京都新聞杯では4着とクラシックへの切符まであと一歩だった、才能は前々から高く評価されてた馬でしたね。今回も、クラシック未出走組の中ではヘデントールに次いで来そうなデータが揃っている馬でした。
トドメに、京都が庭な武さんが鞍上。ということで、この馬も前半の狂騒に巻き込まれず後方で息を潜め、中盤から一気に先行勢を駆逐して前を伺った流れでしたね。というか、向正面でぐいぐい位置取り押し上げていってるのは凄いなあ。普通なら早すぎるくらいの仕掛けに見えるんだけれど、アーバンシックが直後、坂の下りでもう手応え十分でスムーズにあがってきているのを見ると、アーバンより前でねじ伏せたかったんでしょうね。それが出来る実力があると踏んだわけだ。
そして実際、ヘデントールとアーバンシック以外は置き去りにして、ショウナンラプンタの猛追をしのぎ切ったのですから、このタフなレースで一番タフな走りを見せたんじゃないでしょうか、アドマイヤテラ。
4着はショウナンラプンタ。先述した通り道中はしっかりと折り合いついてゴーサインが出るまで我慢できました、良き! 坂の下りで一気に加速。タイミングもベストで前に障害もなし。やるべきことは全部出来たレースだったんじゃないでしょうか。付け加えるなら、もうちょい直線では外に寄せてテラに合わせるくらいするべきだったか。馬場ちょっとでも良い所を走ったらテラに追いつけなかったかなあ。無理かなあ。
5着は後方から猛追してきたビザンチンドリーム。春からの有力馬がクラシックではボロボロでいいところなく名声も地に落ち、人気もなくなり、でも最後の一冠で意地で掲示板に載る、ってのは好きな話ですよ。
6着にはダノンデサイル。あそこから、ここまで良くきました。
7着にはシュバルツクーゲル。テラよりもワンテンポはやく仕掛けて、直線では先頭に。でも、そこから内に切れ込みましたけれどさすがに脚残ってなかったですね。それでも、この着に残るのですから頑張りました。
メイショウタバルは最初行かなかったのですけれど、最初の一周目でスタンドの歓声に煽られたのか結局先頭まで駆け上がってしまいました。その後、もうあんまりやる気なくなってしまっていたのか、もう4コーナーに差し掛かるころには一杯に。気分良く走れなかった、というのもあるんでしょうけど、やっぱり長距離向きじゃなかったってことなんでしょうね。16着でありました。
コスモキュランダも、最初のスローペースに折り合いを欠いちゃったみたいでずっとバタバタ。向正面でまくりあげようとデムーロが仕掛けましたけれど、足が残ってなかったですね。距離不安があるのに折り合わなかったらどうしようもないです。13着でした。
勝ったアーバンシック。強かったですけれど、それよりもルメールの上手さの方が際立ってた感じで、まだこの馬特有の強烈な印象、強さの迫力というのは見えてない気がします。今後の古馬との戦いでその真価が見えてくるかなあ。
2着のヘデントール、そしてショウナンラプンタはまずひとつ重賞勝って格を身につければ重賞戦線の常連になりそう。
3着のアドマイヤテラはどうなんですかね? タフなレースを見せてくれましたけれど、この馬も次の重賞でのレースっぷりを見ないとわからんなあ。
ダノンデサイルは、今回はあんまり参考にならず。次ですよ、次。次で見せましょう、ダービー馬の意地ってやつを。










































































































































































































































































































































































































































































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