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アンチリテラルの数秘術師

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 53   

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈5〉 (電撃文庫)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 5】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

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約束を果たす瞬間は、今この時。
お願いだよ、誠一君。──私を殺して。

 数々の“災厄の数”を生み出してきた集団、“クリフォト”。奴らが雪名を攫った。雪名の中の“無限の災厄の数”を解放するのが目的だという。“無限”の解放──それが意味するのは、雪名の死だった。
 攫われた雪名は“クリフォト”に攻撃を受けていた。ただし、肉体への攻撃ではなく、精神への。雪名の精神が死ぬとき、最凶の“災厄の数(アルヘトス)”が蘇る──それを倒すには雪名の肉体ごと殺さねばならないという。
 雪名の死を何としてでも阻止するために、俺は明津、アンデレ、タデウスとともに敵のアジトに向かう。
“数”の異能力アクション、第5弾!
【アンチリテラルの数秘術師】、これにて完結。……うーん、はっきり言って幕引きの為だけのお話だったという印象。これまで広がってきた物語の辿りついた先としての終わりじゃなくて、これまでの過程が特に関係ないまま、積み重ねを生かせず乖離したまま話を畳んでしまった、という感じなんですよね。極言してしまうと、これまでの4巻を読んでいなくてもこの5巻目だけ単独で読んでも理解できてしまいそうな感じで。勿論、それで盛り上がろうというのも無理な話で。表面上は最終決戦でクライマックスなんですけれど、こっちの気分は置いてけぼりにされて、何とも尻すぼみな印象でした。
思えば、誠一がアンチリテラルとして覚醒してしまった事が逆に物語の幅を狭くして、キャラクターの躍動感を失わしめる要因になってしまったのかしら。肝心の作品のチャームポイントだった、雪名の小動物めいた可憐さと儚げな可愛らしさも、今回彼女が早々に捕まって隔離されてしまったせいで発揮されず、折角結実しかけていた雪名と誠一のラブストーリーも結局最後に再会するまで待ちぼうけを食らってしまったわけですしね。
二人の初々しくも微笑ましいやりとりが肝だったのになあ。ようやく自身の恋を自覚して狼狽しながらも胸に宿ったその思いを大切にしようとする雪名の様子がまたえらい可愛らしかったのに、そういう細かくも丁寧な心理描写もあんまりなかったですしねえ。
その分、アンデレが頑張ってましたけれど。あの執行官さま、仕事干されて暇してたのは分かるんですが、なぜそこから「暇だからバイトしよう」という思考になるんでしょうw 仮にも執行官なのに、執行官なのに。おとなしくしてろよ!! なんで暇を持て余したらファミレスでバイトなんだよ!! 発想がアホ過ぎるw
なんかこの娘は登場してからこっち、一人でオチ担当を引き受けちゃったよなあ。それでいてラブコメも担当するんだから、美味しいキャラでした。だからこそ、相手ははっきりしておいてほしかったところですけれど。
ぶっちゃけ、誠一を気にしている暇があったら、カラスだけ追いかけてたらよかったのに。変に明津にまでフラグ建ててたものだから、焦点が定まらないままぼやけてしまった感がありますし。カラスとの決着も中途半端に終っちゃったしなあ。勿体ない。
とまあ、最終巻の感想はため息混じりになってしまったのですが、これまでが非常に丁寧で読ませてくれる歯ごたえのある出来栄えで、良作と読んで過言ではない新人作品だったので、その締め方が余計に残念に思う所でした。良作だったからこそ、期待値が高かったとも言えるんですけどね。
終わり方それ自体を見るならば、破綻もなく綺麗に過不足なく幕を引いているのですから、決して悪い形ではありませんでしたからね。でも、それ以上を望んで当然のポテンシャルを持った良い作品だっただけに、やっぱり勿体ないと思ってしまうのが正直な所。

あとがき読んでると執筆環境が過酷過ぎる気がするんですけど、もうちょっと落ち着いて書ける環境に整理しなおした方がいいんじゃないだろうか、と心配になってしまいましたよw
ともあれ、新シリーズに期待したいところです。

1巻 2巻 3巻 4巻感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 43   

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈4〉 (電撃文庫)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 4】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

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もう、独りぼっちの“零”のままでは、いたくない。

 東京内戦の跡地で俺たちは、“零”の災厄の数、カラスと出会う。彼を見て動揺した安藤照子さん──アンデレはその晩、俺の家を突然訪ねてきた。
「……一緒に行ってくれたら、1つだけ何でも言う事聞くって言ったら……?」
 アンデレと来た地下には雪名もまた、出生の秘密を探るために来ていた。「誠一君は、どうしてアンデレさんと一緒に来たのかな?」モジモジする雪名と共に、俺は地下深くへと向かう。
“数”の異能力バトル、第4弾!
こ、この小動物はヤキモチの焼き方まで小動物ちっくで愛らしいなっ!! その内心の吐露は、殆ど告白「誠一くん大好き!!」と叫んでるのと変わらないという自覚と認識をもっとちゃんと持ちましょうウサギさん。ここまで愛くるしい告白をされてしまうと、同じ女性でも参りましたと言いたくなるわな。わりと、相談されてしまった加苗に同情したくなる。そんな風に相談されたら、幾ら雪名と誠一の関係に複雑な思いを抱いていても、ちゃんと応えてあげないと自己嫌悪で耐えれなくなってしまうがな。

実のところ、雪名に限らずこの作品の女性陣は多かれ少なかれちんまい可愛らしさで構成されているので油断できない。最初はえらく硬い雰囲気で登場した親父さんの後輩の女刑事も、打ち解けてしまうとお姉さん風を吹かせながらも妙に少女チックな所のある人だと発覚してしまったし、新登場のアンデレもつんつんと取っ付き悪いタイプかと思いきや、むしろ迂闊系のチョロい妹タイプだったりと、何気に庇護欲を掻き立てられるヒロインが揃えられているなかなか珍しい作品だったりする。とは言え、小動物タイプが揃っているとはいえ、足を引っ張られたり、此方の都合も考えずやたらつきまとってきたり、内罰的で鬱陶しかったり、という事はみんなないんですよね。それぞれがちゃんと自立した上で、思わず守ってあげたくなるようなオーラを発しているのである。つまり、上目遣いがよく似合うヒロインばかりなのだ。これは堪らん。
アンデレさんは特に傾向の違うタイプのヒロイン登場かと見ていただけに、まさか妹系だとは予想外だった。てか、誰だよこのダメっ娘を執行官に選出したのは! 戦闘能力が基準値満たしてても、さすがにこの迂闊でドジっ子で安直でリカバリー利かない性格の小娘では、執行官業務務まらんだろ。向いてないから、全然向いてないからw ディエゴの方が、あんな戦闘マシンで対人スキル皆無っぽい執行官だったから、てっきりアンデレが社交まわりの担当かとも登場時には思ったんだけれど、あの迂闊さじゃあいらんことまで口走って全部台無しにしてしまいそうだし。というか、今回見てたら普通にディエゴで外回り対応できてるっぽいんだが。強面で無口だけれど、むしろ交渉能力とかは普通にアンデレより出来るっぽいんだが。
……やっぱり、他に居なかったから仕方なくアンデレに選ばれたんじゃw

彼女の能力だけを見ると、走行中の電車を反動も何もなく簡単に静止させたのを見ても、使い方次第ではディエゴの能力よりもよほど応用が効いて使い勝手もよく、強力そうなんだが、果たしてアンデレさんでどこまで使いこなせているのか。
今回の敵であるカラスの「零」の能力は、殆ど反則近い能力なんだが、ようは使い方次第なんだよなあ。言うほど、カラスの能力自体がアンデレやディエゴ、そして雪名の力と比して飛び抜けているとは思わない。それが絶対的な力の差となって現れてしまっているのは、やはりカラス個人の力量なのだろう。数の災厄の力に目覚める前から、近代戦争の戦場において、単体で戦局を左右するまでに至る【パーフェクト・マーダー】の忌み名を冠するに至った戦闘センスこそが、彼の強みであるはずなのだ。でなければ、あれほど歴戦のディエゴがああも簡単にあしらわれるはずもない。雪名は殆ど無敵近い力を有しているけれど、彼女も決して戦闘経験が豊富だったり、相応の訓練を受けているわけではないから、差は大きいんだろうな。
ただ、それはでも誠一も変わらないっちゃ、変わらないわけで。今回はアンチリテラルとしての機能で不意打ちをつけたから撃退出来たけれども、果たしてそう何度もうまくいくものか。数の理論を応用して敵の能力を解体し、攻略法を見つけ出す、というスタイルが素で最強に近いカラス相手には通じないというのはなかなか辛い所。果たして、次回以降どう対処していくのか。誠一がアンチリテラルとして覚醒してしまったところが、逆に彼の智謀によって事態を打開する展開を崩してしまう形になりかねないので、結構判断が難しい所なんじゃないだろうかしら。

アンデレさん、順調にツンデレさんとなって誠一の方に寄りはじめているけれど、彼女、カラスに対してはあくまで身内という意識なんだろうか。過去のエピソードを見ていると、単純に兄への思慕とは言い切れない気もするんだが。カラスの方もちょっとわからんよなあ。裏切りの理由はともかく、彼なりにアンデレのことを考えていながら、わりと本気で殺しても構わない様子で攻撃仕掛けてきているし。根底で何を考えているのか見通せないというのは、カラスというキャラを判断しづらくしていて、うん面白いね。

今回は通してみると次への繋ぎの回、と言った風情で普段よりも盛り上がりには欠けた感もあるが、そのぶん次回以降には期待したい所ですね。

1巻 2巻 3巻感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 33   

アンチリテラルの数秘術師 3 (電撃文庫 う 5-3)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 3】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

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私達は無自覚に、目に見えないi(ウソ)を必要として生きているんだよ。

 仲間でやってきた北海道旅行。様子のおかしい雪名に、俺は歯がゆい気持ちでいっぱいだった。彼女は俺との“約束”を疑っているのかもしれない──そう思った折、町が歪み始める。無数の化物。数秘術(アルケニック)が使えなくなる雪名。NPCのように機械的な、町の住人たち。そして現れる、“虚数”の災厄の数(アルヘトス)。彼との出会いで、俺と雪名は互いの本当の気持ちを知ることになる。“数”の異能力バトル、第3弾登場。
本当に可愛らしいヒロインだなあ。実力的には最強に近いものを持ちながら、キャラクターとしては完全に大人しい小動物系。健気で儚く素直で優しい。このギャップがまた新鮮なのである。一方で主人公は強力な能力的なものは持ちあわせていないものの、その精神面でか弱げな雪名を庇護し続けている。誠実でブレないその人柄は、具体的な無力さを何ら気にさせない頼もしさに溢れている。この二人のカップリングには誰も入り込む余地ないですよね。パーフェクトカップリングすぎる。新たに登場したアンデレさんはイイキャラなんだけれど、このオモシロ空回りさんはラブコメ要員ではないんだろうなあ。というか、この隙だらけの執行官は、明津と鐘をつくような丁々発止を繰り広げてたので、コンビとしてはそちら推奨? お互いボケとツッコミの両刀使いだから相性も良さそうだし。
今回の敵はこれまでの二回の敵のような破滅的な人物と違い、むしろ誠一に似た大切なモノを守る側の人間、守ろうとした人間。その事情を知ってしまえば知ってしまうほど共感が生まれていく。なればそれは、誠一たちのありえた可能性だったかもしれないからだ。でも、最後の誠一の下した決断が、彼と誠一との決定的な違いを表している。誠一ってただ優しいだけの男の子じゃないんですよね。だからこそ、雪名のような子を守れる立場に居るのでしょう。
今回の物語は、自分たちのありえた可能性と同時に、誠一と雪名に改めて自分たちの関係性を見直すきっかけを与えることになる。特に雪名は、今まで誠一に抱いていた淡い想いの名前を教えて貰うことで、完全にそれを自覚する。その様子のまた可愛らしいこと可愛らしいこと。これだけ嫌味なくあざとくなく可憐で可愛らしいヒロインも珍しいよなあ。

悲しい嘘の積み重ねで築きあげられた「i」の世界「ガウスの迷宮」。結果として破綻してしまったけれど、その哀しくも優しい嘘は本当の気持ちを伝え合う為には決して無駄じゃなかったと信じたい。ただ悲劇で終わってしまうはずだった物語に、一滴の、だけれどとても尊く大切な幸せを落としてくれた結末に、祝福を。
いい、お話でした。

安易で迂闊なアンデレさんは、どうやらこのままレギュラーになりそうで嬉しい限り。どうも脇が甘い新米さんだけれど、実力的には執行官の名に恥じないちゃんとした人なので、日常パートはともかく非常時にはとても頼もしそうなので、味方として加わってくれる事はどうもラスボスらしき相手も出てきた今となってはありがたいところ。賑やかし要員としても大活躍してくれそうですしね♪

1巻 2巻感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 24   

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈2〉 (電撃文庫)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 2】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

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私はまだ、“φ(から)”のままなんだ。……こんなふうに思うのは、きっと君に出会ってからだ。

 あの事件から数ヶ月。文化祭のクラス劇で、雪名はヒロイン役に抜擢された。俺には少しずつ心を開いているものの、ずっと孤独に生きてきた彼女はなかなかクラスに馴染めずにいる。
 そんな時、俺は“歪んだ無次元数(スカラー)”を見ることになる。連なる赤い数値の鎖で繋がれた、奇妙な人間たち──。
 平和になったはずの東京に再び現れた、“集合”の災厄の数(アルヘトス)。“無限の力”をも喰らおうとする、雪名の天敵。新たな戦いに身を投じる雪名に、俺は何ができるのか。
“数”の異能力アクション、第2弾開幕!!
あー、やっぱりこのヒロインの雪名は素敵だなあ。これは見返したら一巻の感想でも書いてたんだけれど、バトルものの戦うヒロインとしては性格がすっごく普通の女の子なんですよね。それも活発とは真逆の、物静かで大人しく、笑う時もそっと微笑むような楚々とした奥ゆかしい美少女といった感じで、とても敵や怪物と闘争するようなタイプの子じゃないのである。むしろ、繊細な思春期の男女の相克を描く青春もののヒロインのような。
だからなのか、彼女の強さそのものは登場人物の中でも屈指のものを誇るのに、むしろその立ち振る舞いには儚さとかか弱さを内包した可憐さが羽織られていて、なにやら途轍もない庇護欲を掻き立てられるんですよね。でも実際心が弱いってこともないんだよなあ。意志は何だかんだと強いほうだし、行動力もある、なにより覚悟が座っている。だから、むしろ内面は毅然とした強い女性ではあるんだけれど……でもやっぱり儚げなんだよなあ。主人公に対してもどこかそっと寄り添うような距離感だしねえ。結構、身も心も預けてるっぽい所があるんだよなあ。おかげで、主人公の誠一くんは無次元数を見ることが出来る、という意外本当に何の力もない子にも関わらず、印象としてはずっと誠一くんが雪名を守っている、という風に見えるんですよね。これは不思議。
誠一くんが完全に雪名から信頼を得たこの二巻になると、雪名にちょっと甘えん坊の卦も出てきたので、なにやら二人の雰囲気たるや日常パートだと常時そこはかとなく甘酸っぱい空気が流れている始末。あんまいイチャイチャしてる、という俗っぽい感じはしないんですけれどね。言葉にするなら初々しくも仲睦まじい、といった雰囲気か。何れにしても御馳走様である。カラー口絵にもなってるあのシーンは相当に凶悪w
しかし雪名のイラスト、若干一巻よりも頭身が沈んだような印象が……微妙にABの天使ちゃんっぽくなってる気がするw

前回の「確率」に引き続き、今回は数学の「集合」から。人間関係を公式のように定義してしまったが故の悲劇。正直、写像とか数学用語、調べてもとても理解したとは言えないのですけれど、こうして物語仕掛けで設定を用意してもらうと、なんとなくニュアンスみたいなものは伝わってくるんだよなあ、面白い。世界は数字でできている、などと言うこともあるけれど、こうした人間関係ですら数学に照らし合わせて異能として表現する方法は、世界観や設定がガッチリと固まって安定感がありますね。数学を知らなくても、これなら把握しやすいし。
一巻に引き続き、安心して楽しめる良作でした。雪名カワイイよ雪名♪

1巻感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)4   

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) (電撃文庫)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

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残念だね。君には“無次元数(スカラー)の異常を視認できる才能”が開花してしまった。

「人はデルタtの狭間に生まれ、そして死んでいく」
 ビルから落ちていく儚い少女。彼女の背中に、一瞬、羽が見えた気がした──それが、“数秘術師(アルケニスト)”羽鷺雪名(うさぎせつな)との出会いだった。
 妹の愛架が突然、何者かに誘拐されてしまう。必死で探す俺の目に、無数の赤い数字が虚空に浮かんで見えた。そして、俺は知ることになる。あらゆる数を書き換えることで奇跡を起こす能力者の雪名は、“確率”を操る怪人との戦いにひとり、身を投じようとしていた。“数”の異能力アクション、開幕!
凄いなあ、この新人さんはデビュー作にしてほぼ完全に自分の作風というものを確立してるじゃないか。典型的な現代異能ものと言えばそうなんだけど、浮ついたところがなくて物凄く雰囲気があるんですよね。これは出色。
面白いことに、キャラクターに関してはライトノベルとしてはビックリするくらいに普通。突飛な性格や目につくような派手な個性などといったキャラ付けは一切してないんですよね。主人公の誠一くんは兎も角としても、ヒロインである雪名や妹である愛架もがむしろ平凡といった性格をしていたのには驚かされた。特に、雪名などは見た目については白髪などといった特徴を有しているものの、内面的には本当に普通の女の子なんですよね。誠一との接し方や交流の様子なんかも、特別で過酷な背景を持った異能モノのヒロインというよりも、青春恋愛劇に出てくるようなちょっと内気で仄かな影を抱えた少女といった感じだし。言うなれば、バトルものよりも心の交流を描いた作品に出てくるようなヒロインのように感じた次第。これはちょっと新鮮だったな。
濃いキャラ付けがイコールそのままキャラクターの魅力となるわけじゃない、という見本のようなキャラクター描写でした。
しっとりとした雰囲気の中で、丁寧に折り重ねるように紡がれていく交流の中で浮かび上がってくる登場人物たちの魅力や存在感。まだまだ掘り下げ方や深度については進撃の余地は残っているとは思うんだが、この方向性自体は大事にしてほしい。バトルそのものに傾倒するんじゃなく、戦うに到るまでの心の移ろい、人間関係の絡まり、そこから戦う理由と意志と覚悟を見い出し立ち上がるまでの過程にこそ輝きが得られる作風だと思う。そして、実際の戦いの顛末は、単なる答えや結果ではなく、結実であり結晶と成り得るような。

もう一つ興味深かったのが、秋月刑事という存在を加えたことでこれを主人公とヒロインの閉じられた世界にするのではなく、世代を超えて受け継がれていく意志と生き様を主題のひとつとした作品となってるところである。誠一も雪名も最初から最後まで知らないままなのだけれど、偶然か必然か、彼らは先達が遺したものを引き継いで、彼らの生きた証を体現し、後悔や未練を晴らす役割を担ってるんですよね。でも、彼ら自身はそれを知らないことで、重荷として背負う形にはなってないのがいいんですよね。自然と、次代を担っている。それに、彼らが強く生きることそのものが、先達たちにとっての報いになってるわけですしね。
そして、秋月刑事は過去と今とをつなぐ橋渡しとなり、同時に今の誠一たちを見守る存在になっている。きっと彼女は前の時代では主人公の助手として働きながら、仄かな想いを抱いていたサブヒロイン的な立ち位置に居たと思うんですよね。それが、今は若い少年少女を助けて見守る立場になっている。それが何か今現在が確かに未来へと続いている事を過去から証明している生き証人、みたいな感じで何気に重要なキーパーソンとして機能してるのではないだろうか。
何にせよ、こうした受け継がれていく意思、というタイプの話はやっぱり好きなんですよね。そして、それを前面に出さずにひっそりと土台の基礎部分として沈黙しているところも。こうしたところも、この作品の厚みのある雰囲気に良く影響してるんだろうなあ。

非常に質の高い良作でした。次回以降もこれは大いに期待。
 
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