ウインカーネリアン

第54回高松宮記念 G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中京競馬場1,200メートル(芝・左)

クレアーーーっ!
ナムラクレア、本当にあと少し、あと少しが届かない。

雨の中京競馬場。いや全国的に雨だったんですけどね。案の定芝の状態は悪し。なんだけれど、今日の中京は外が伸びず、内を回ってきた馬が上位に来る馬場でした。
とはいえ、緩んだ馬場を馬が掘り返して激進するものだから、もう内に行くほどボコボコですよ。こういう馬場はやっぱり馬にも得意不得意というものがありまして、騎手としても判断がどうしたって難しい。
今回は騎手にとっても本当に難しいレースだったんじゃないだろうか。

本命1番人気だったルガル・西村騎手は今回は特にね、その判断を厳しく問われているだけに。なんで内にいかんのや、と。
まあ西村くんとしたら、最内の荒れた馬場は走らせたくない、うまく走れないという判断故に道中でも最内に入れず、最後の直線でも内に大きく進路が空いていたにも関わらず、外の少しでも良い馬場に出したのでしょう。とはいえ、今日の傾向と当のレースのスローのラップや展開を考えると、外に持ち出した時点で厳しかった。内に切り込んだとして、勝ち負けになったかどうか。
にしても10着というのは流石に負けすぎではある。
シルクロードSのアグリを3馬身突き放しての強い勝ち方を見せられたら、新世代スプリント王者候補の登場かと期待されるのも無理からぬ所だっただけに、ちょいと厳しい結果だった。
とはいえ、今回は流石に条件が複雑すぎて難易度高すぎたので、あまり次回以降この負けを考慮しなくてもよいとは思うけれど。

勝ったのは6番人気のマッドクール。前年スプリンターズSでママコチャの2着に入った馬だ。暮れの香港では振るわなかったものの、実績十分。
2番という枠順を活かし徹底して最内を突っ走り、最後まで走り抜けた。この馬場、この前半スローの展開で最内33.7で走られたら、まあ後ろが追いつくのは難しい。坂井瑠星会心の騎乗であったでしょう。

2着にはナムラクレア。まあ追いつかないだろうマッドクールに追いついてきた女剣豪一閃の末脚でありました。が、本当にあと少しが届かない。去年の高松宮も、スピリンターズも桜花賞も、あと僅かのなにかが差を分けた。騎乗ミスってわけじゃないんですよね。そして実力差では絶対にない。
むしろ、今のスプリント界で一番強い馬は、という問いが出されたらこのクレアをあげる人は少なくないでしょう。運がない、というものなのか、これは。
今回は特に大チャンスだったと思うんですけどねえ。未だにクレアがG1取っていないのが本当に不思議でならない。

3着には久々に海外からの参戦。香港から来たビクターザウィナーが逃げ粘って3着。
海外から来た馬というのはまあ大体実力差っ引いて考えて然るべきでしょう。特に欧州から来た馬はこっちからヨーロッパに行った馬が馬場合わなくて難しいのと同様に、向こうの馬もこっちの馬場合わない傾向が強いですから。でも、こと香港馬に関してはこれに当たらないと考えてもいいんじゃないでしょうか。昔から香港馬が日本に来た場合はほぼ、その実力通りの力を発揮している。
さらに、香港競馬というのは世界でもナンバーワンクラスのスプリント魔界。そんな中で14戦7勝。G1勝ってる馬ですから、そりゃ生半のもんじゃありませんよ。香港は近いですから、そこまで遠征の不安も少ない。
とはいえ、今回は決して体調も絶好調というわけじゃなかったみたいですし、さらにこの不良馬場。条件としては良くはなかったはずなのですが。
テイエムスパーダとモズメイメイという、今回先頭争いとなるだろう逃げ馬二頭ともが足元滑らせたりなどで出遅れ。オワタ。
ビッグシーザーも行きませんでしたし、ウインカーネリアンも競り合ってはこなかった。
自分のペースを作れたのが3着に残れた要因だったようです。

4着にはウインカーネリアン。前目で競馬出来たものの、ビクターの外外を回らされた挙げ句
4コーナーでさらに外まで出されてしまった分、内側の馬たちとは差がついてしまった感があります。
とはいえ、よく走る。1200は初めてだったんですが、しっかり走れていましたね。

5着にはロータスランド。牝馬で7歳まで頑張ってくれました。これでラストラン。最後まで大崩せず年取っても堅実に走り続ける良い馬でした。お疲れ様、これからは繁殖のお仕事頑張って。

今回はあのアイドルホース、メイケイエールにヴィルシーナの娘であるディヴィーナも引退。
エールちゃんもついにG1には手が届きませんでしたが、個性あふれるキャラクターで最後まで頑張って走ってくれました。同世代でも一番最後の方まで現役で頑張ったんですよねえ。
重賞6勝は十分な成績だったと思います。その成績でなお、気性ゆえに才能を発揮しきれなかったと評されるあたりがメイケイエールの難しさであり偉大さでもあったんじゃないでしょうか。

3番人気。去年のスプリンターズSの覇者であるママコチャは8着。外枠というのもありましたけれど、出来が万全からは遠いものだったようで最初から川田騎手のテンションがあまり上っていなかったというか、今回はそこまで迫真さを感じなかった。

4番人気のトウシンマカオは6着。まあ今回は度外視ですね。

阪神カップ阪急杯と連勝してきていたウインマーベルは12着。16番という外枠と馬場適性考えるとまあ仕方ないかと。こんなもんじゃないですよ。
京都牝馬ステークスを勝ってきたソーダズリング14着も、鞍上の武さんが今日はノメッてたと言ってただけに馬場があかんかった。仕方ない仕方ない。




第74回毎日王冠 G2 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(指定) 別定 東京競馬場1,800メートル(芝・左)

今や名実ともに現役最強マイラーの名を冠するソングライン。そして、そんなソングラインとNHKマイルカップ以来常に隣り合わせで競り合い続けたシュネルマイスター。
都合四度目の直接対決!
NHKマイルカップ、22年・23年安田記念とこの二頭、ライバルとして激突し続けてきたんですよね。
とはいえまさか毎日王冠でぶつかることになるとは思いませんでしたけれど。しかし、ソングラインはここを叩いてアメリカはブリーダーズカップマイルへと旅立つ予定。シュネルマイスターは日本のマイルチャンピオンシップへと向かう予定であり、本来なら二頭の出走が交わることはなかったのかもしれません。これが今年最後の対決。二頭の年齢を考えると本当に最後のライバル対決となるのかもしれません。

3番人気は同じ東京1800のエプソムCを勝ったジャスティンカフェ。
4番人気は未勝利戦勝利からとんとんと3連勝でラジオNIKKEI賞を勝ち上がってそのまま古馬の最強クラスが居並ぶレースに殴り込んできた若き3歳エルトンバローズ。

レースはシュネルもソングラインも前が壁になったせいで仕掛けが遅れ。特にシュネルは内側に居たのソングラインの後ろをぐるっと回って一度大外まで持ち出してようやく残り200からフルスロットルに入れている。ソングラインも馬群を割って出てきたものの、あともう一呼吸早く仕掛けたかっただろうな、これ。
レースは直線ウインカーネリアンの後ろで虎視眈々と狙っていたエルトンバローズが突き抜けて勝利。この馬も直線入ったところで前にカーネリアン。横にバビットと囲まれて行き場がなくなってたんだけれど、カーネリアンが粘って落ちてこなかったのと、バビットを押しのけて進路をこじ開けたのもあって、前が空いた途端に弾けましたね。後ろの猛追にあっさり追いつかれるかと思いましたけれど、西村くんの渾身の騎乗にエルトンがよく応えてゴール前粘り込み3歳にして金星をあげました。うんうん、若手騎手と若駒の良いコンビだこれは。
2着にはソングライン。3着にシュネルマイスターとまたぞろ仲良く並ぶ二頭。4着のアドマイヤハダルまでがハナ差ハナ差アタマ差の4頭が0.1秒でせめぎ合う熱戦でありました。
うんうん、見ごたえある良いレースでしたよ。


第73回東京新聞杯 G3 レース回顧   

4歳以上オープン(国際)(特指)別定 東京競馬場1,600メートル(芝・左)

春のマイル王決定戦である安田記念と同じ舞台同じ距離ということもあり、G3だけどなかなかのメンバーが出揃うレースです。
とはいえ、丁度サウジやドバイのレースとも被るので、ホントに強い実績馬はあっちに招待されて行っちゃってるんですよね。
今年のレースメンバーを見ていると、G1戦線で活躍して実力は充分だけれど実績として重賞勝ち星がまた少なかったり無かったり、という馬が目立ちます。
1番人気のジャスティンカフェからして、重賞勝ちまだありませんでしたからね。とはいえ、その実力は誰もがG1級と呼んで憚らないくらい、才能は認められているわけで。だからこその1番人気だったのでしょうが。
ほかも勝てはしなかったものの牝馬クラシックで2着3着とバチバチにやりあってたナミュール。
小さな馬体でど根性を見せる高速回転独楽娘のピンハイ。
去年ようやくマイル戦線で才能を開花させ、3連勝で関屋記念を勝ったウインカーネリアン。
牝馬クラシック皆勤のあと、金杯で3着と実力を示したプレサージュリフトなどなど。
ここから跳ねそうな馬がたくさん見受けられますね。

さて、今の東京競馬場。どうやら結構前残りするみたいで。冬の季節は芝の状態もあいまって他の季節とは展開傾向がまた違ってくるみたいなんですよね。
大雑把に言うと、大外ぶん回すよりも内が強い!

というわけで、果敢に逃げてみせたのがウインカーネリアン。って、逃げるのショウナンマグマじゃなかったの!? スタート自体決して悪くなかったので、なんで前に行かなかったんだろう。行けなかったのか?
ウインカーネリアンはスタートあんまり上手くない馬らしいんだが、今回はポーンと飛び出る事ができました。そのまま押さえず前に出たのは三浦皇成の好判断。逃げ馬じゃないんですけどね、去年連勝していた頃は番手につけてのレースでしたから、前で押し切るレースがこの馬の持ち味か。
レースはそのままウインカーネリアンが後続の追撃を最後まで振り切っての勝利。
ナミュールが大外枠ながらも後ろに控えるのではなく、先行気味に前目につけることで内枠に入り、直線で一気にギアチェンジして加速した時は一気に差し切るかと思ったんですけどね。200のハロン棒付近がピークだったなあ。そこからいつものあの切れ味が鈍って、カーネリアンに追いつけず。
スタート直後から果敢に前にイカせて内に切り込むことで、周回でだいぶ内側に位置取りしたのは良かったと思うんだけど、その分最後の決め手で切れ味が鈍っちゃったのかな。
とは言え、後方に控えるか外側回るかしていたら本格的に追いつけなかっただろうし。
ベストのコースをベストのタイムでまわったウインカーネリアンのレースだったということかしら。
3着にはプレサージュリフト。この馬もいつもは最後方近くからの追い込みが多いんだけれど、ナミュールから二段ほど後ろの中団あたりに位置づけていましたね。前走の金杯ではもっと前につけての3着でしたので、最後方一気の一辺倒ではなくなってきたという事なのかも。あそこからしっかりと追い込んで3着まで来ていますからね。
4着にはジャスティンカフェ。ちょっと後ろ過ぎたかー。だいぶ追い込んできてるんですけれど、最後はプレサージュリフトとスピードが並んじゃってそれ以上は抜けない感じになってしまっていました。
5着はエアロロノア。この馬もジャスティンカフェと同じぐらいの位置に居たかな。外回らされた分、後ろになってしまいましたがここしばらくはわりとイイ着順に入ってるんですよね。ふと気がつくと前走の金杯よろしく馬券圏内に入っていそうで油断なりません。

人気のピンハイは、今回はいい所なし。輸送でもともと小さい馬体がさらに減っちゃってましたし、調教も体力削らないように恐る恐るといった感じだったみたいで、しっかり追えてなかったみたいで。
終わってみたら、本調子とは程遠かったかレース仕様に仕上がってなかったという事なのかも知れません。ピンハイのど根性ないい所が全然見られませんでしたし。まずひとつ、重賞獲って欲しいんですけどねえ。

本番の安田記念は6月ですからまだ遠い。初夏ともなれば、瞬発力勝負の府中馬場になってるでしょうから、そうなると今回の2着3着あたりの牝馬たちの切れ味が増し増しになるでしょうから……いや、その前に彼女たちはヴィクトリアマイルがあるか。
いずれにしても、今回はウインカーネリアンが実に上手い競馬をしたということで、お見事でした。




 

4月25日


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3月29日

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