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オキシタケヒコ

筺底のエルピス 7.継続の繋ぎ手 ★★★★★   



【筺底のエルピス 7.継続の繋ぎ手】  オキシ タケヒコ/ toi8 ガガガ文庫

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終わりを拒み、未来を繋げ。

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきた、殺意の媒介者を狩る三つのゲート組織が、突如陥落した。月に鎮座する異星知性体によって、三体の地上端末が一斉に掌握されてしまったのだ。彼らのネットワーク攻撃によって、ローマの祓魔師たちと全世界の不死者が瞬時に制圧されてしまうという危機の中、同様に沈黙した《門部》本部の地下聖域では、阿黍宗佑が第二心臓を埋め込まれ、無敵の刺客として復活しようとしていた。

異星知性体の目的は、悠久の時と歴史を使い捨ててまでして求め続けた宝――白鬼の奪取。
超人と化した阿黍が復活し、朋之浦結の確保に動き出せば、すべてが終わる。白鬼である彼女が星の彼方に連れ去られてしまうことになれば、三つのワームホールゲートも地上から撤去され、残された人類は鬼への対抗手段を失い、滅亡が確定するのだ。

打開のために残されたタイムリミットは、わずか数十分。すべてを託された百刈圭と、彼が率いる狩人たちは、断ち切られた希望の糸を繋ぎ直すべく、伏魔殿と化した《門部》本部の攻略戦に、いかに挑むのか――。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。終焉を拒絶する、反撃の第7弾。


この娘にしてこの親あり。朋之浦結という娘は、その立場上悲劇のヒロインでありあらゆる意味で守護される存在であり、薄幸のお姫様的な立ち位置にあるはずの娘なんですよね、本来なら。
でもこの娘と来たら、いざとなればポイッと生命を捨てるだけの覚悟完了キメちゃっているにも関わらず、自分の境遇に対して悲壮感を持たず、むしろどんとこいとばかりに腕組んで仁王立ちしているような娘であり、それどころか自分が関わることになった超宇宙的な現象や存在に対して好奇心を剥き出しにして目をキラキラさせている始末。現実逃避しているわけじゃないのだけれど、現実と夢を一緒に見られる娘なんですね。或いは現状現在現実を取り敢えず棚に上げておいて、自分の好きなことに夢中になれる変人のたぐいというべきか。
こんな娘を生み出してしまった両親ってのはどんな人なんだろう、という疑問に答えるのがプロローグにおける朋之浦夫妻のアメリカ珍道中である。半ば巻き込まれたとはいえ、諸手を挙げてわーいとばかりに目をキラキラさせてやべえ案件に突っ込んでいくこの夫妻、確かに結の両親以外のなにものでもない。
でもこのバイタリティの塊みたいな所といい、人並みにビビるしやべえ事に首を突っ込んだ事に怯えているのだけれど、いざ好奇心を刺激されたら大概のことはスルーして夢中になっちゃう所とか、なんかもう楽しそうでねえ。娘置き去りにして好き勝手やってるだけあるなあ、と思うんだけど、ここまで人生と仕事を心の底から楽しんでたら、もうなんも言えないですわ。
それは人の業かもしれないけれど、人間という種の幸でもあるのでしょう。人ってこういうハッピーな生き物なんだよね、と改めて教わった気がします。こうしてハッピーでいられるってのは、絶望に負けない強さなんだよなあ。なんとかなる、なんて楽観持ちようがないはずなんだけど、この夫妻の明るさというか生命力の強さは、ネガティブを吹き飛ばすものがありました。
この二人が元気なら、なんか今回は負ける気がしなかった。

というわけで、前回提示された現状は控えめに言って無理ゲーであり、詰みであったはずなんですよね。
全面核戦争が起こる核ミサイルの発射スイッチが押されてしまったのと大して変わらない状況だぞ、これ!?
と、前回の記事では自分こんな風に書いちゃってますけれど。
人類滅亡確定までの残り時間、一年とか数ヶ月とか数週間とかじゃなく、いきなりあと数時間……でしたからね。おまけに、今まで人類史を支え続けていた人類最強の男が敵に回るわ、戦力となるはずの能力者の殆どが一斉に機能停止するわ、青鬼の一本角が出現してリーゼント兄ちゃんを乗っ取るわ、いやこれどないしてもどうにもならんやん!
という意味不明なデッドラインを突きつけての幕でしたからね、前巻。

前提条件が最初から鬼畜すぎる。

ただ、この作品、その前提条件が常に鬼畜なので、登場人物たち今更動じたり絶望しないのが、安心材料というかいい加減ぶっ壊れてるなあ、と思わされるところで。
このどう考えても詰んでるしかない状況を次々にひっくり返していく百刈圭さんが、もうとんでもねーです。
今回実質、圭さん無双。作戦面でも個人戦闘でも、ほぼ全部彼の手のひらの上。むしろ状況が状況だけに、これを片っ端からひっくり返していく圭さんの意味不明さが引き立つぐらいで。
ほぼ最初から最後まで彼の思惑通りにコロコロと事が進んで転がっていったんじゃないだろうか。指し手としても理想的な筋である。さすがは太公望の孫弟子、というべきか。

問題は、にも関わらずなぜか圭さんが肉体面でも精神面でもフルボッコになっているあたりですが。
……いや、なんで無双してるのに、圭さんが一番ボコボコにされてるんだ?
奥菜パパが文字通りグロゲチョに一度死んじゃってるのを除けば、一番ボロカスにされて死にかけてたのも圭さんですし、半分以上死にかけてましたよね、これ。場合によっては後遺症がバーゲンセールなみに残りそうな塩梅ですらありそうですし。
なんでほぼ想定通りに事が進んで、死にかけてるんでしょうねこの人。想定通りに死にかけてる、というべきなんだろうけど、なんでこうそう簡単にポンポンと死にかけるの前提の作戦立てるかなあ、それしかなかったとしても。
まあ、当然怒られます、叱られます。
登場人物のほぼ全員から、片っ端から怒られて叱られて怒鳴られて正座させられて説教されてる主人公。こいつ、別の世界線の自分からすら「クソ童貞」と罵られてる始末ですもんね。自分からすら!
違う組織だろうと敵だろうと味方だろうと生命を救った相手だろうと年上だろうと年下だろうと関係なしに、片っ端から叱られてボロクソに罵られてやんの。
フルボッコである。
まあ、当然なのですが。叱られて然るべきなのですが。
人類の破滅を瀬戸際で回避せしめた英雄のはずなんですが、まあ叱られるよね。

そんなあらゆる人から詰められて正座してるところを囲まれて説教の嵐くらってるようなダメな人からすら、クソミソに貶せれてアホ呼ばわりされてるようなアホが一人いるんですけどね。
百刈燈という、世界を裏から支える三大組織の一つのボスなのですが。圭さんの妹なのですが。

別世界線の圭さん、どうやら結局、燈が本当は変わっていなくて人間だった頃と変わらない心と愛情を持っていた、と気づかずに終わってしまった、このシリーズの1巻で叶と会わなかった圭さんらしいのですが……人形に成り果てたと思っていた妹と別の世界とはいえ再会したと思ったら、こんなアホの娘だった、と知った日にはそりゃ……引きこもるわな。
ちょっとショックが大きすぎてえらいことになってしまった別世界線の圭さんこと「V」には同情を禁じえない。いやこう、突き放して見捨ててしまった妹に虚無を得て行き着くところまで行き着いてしまったのが「V」の末路だったのに、その妹の本性がこれ、だったと見せられたら、もうなんか世界の終わりみたいな絶望だよね。うん、これも絶望絶望。

と、思わず絶望探しをしてしまうほどに、今回の一連の話は何から何まで上手く行った、犠牲もなく助かるわけがないと思っていた人まで救ってしまったわけですから、白昼夢でも見ているのかと疑いたくなるほど理想的な展開だったんですよ。大丈夫なのか、と逆に心配になるのも無理ないよね。
今までのどうしようもない絶望具合を覚えていれば。
でも、そんな奈落の底のように何も見通せぬ、救われる世界が存在しない深い深い絶望の暗闇を、これまで諦めず諦めず突き抜けて突っ切ってきたからこそ、たどり着けたこの最適解とも言えるのです。
いわば、此処こそが希望の切っ先。突端。一番深い闇を突き破ったからこそ、一番明るい光の場所に到達した、と言えるのではないでしょうか。
どれだけ絶望させられたでしょう。どれだけ深淵に突き落とされたでしょう。こんなんどうしようもないじゃないか! と、何度叫ばされたことか。もうダメだ! もう無理だ。こんなの耐えられない、と何度嘆かされたか。
それを、彼らは何度も何度も諦めずに打ち破ってきました。切り裂いてきました。乗り越えてきました。落として無くして喪われたと思ったものを、全部拾い集めながら、無くさずに辿り着いてきたからこそ。
此処なのです。
終わりの見えない無明の絶望は、しかし今どれだけ遠く遥かはてにあるのだとしても、目標が生まれました。先延ばしにするしかなかった終焉に、どれだけ無理で無謀だとしても、ケリをつける可能性が芽生えました。これほどの希望はありません。無・ゼロに比べれば、どんなに僅かな可能性でも「在る」ことがどれほど救いになるか。

……在るんですよね?

盛り上がっといてなんですが、次回最終章のタイトルが「絶望時空」ってなんかもう「わははーぃ♪」て感じになりません? 1巻以来の絶望タイトル。これ希望の切っ先、ペキッって折れちゃいません? 大丈夫?
ここまで来ても不安に心ひしゃげそうなの、これまでのトラウマって感じがして引きつった笑いがこみ上げてくる感じです。 
もうギス猊下に癒してもらわないと。


筺底のエルピス 6.四百億の昼と夜 ★★★★★   



【筺底のエルピス 6.四百億の昼と夜】 オキシ タケヒコ/toi8  ガガガ文庫

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ゲート組織の過去に広がる、巨大な真相――

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。未来を閉ざすその脅威に立ち向かうためには、衝突や非干渉を続けてきた鬼狩りの派閥――三つのゲート組織を和解させる必要があった。

バチカンの《ゲオルギウス会》との同盟が締結された今、日本の《門部》と敵対するゲート組織は不死者の軍勢《I》のみ。組織の裁定権を握る式務の一員となった百刈圭は、和解交渉の特使として、世界を牛耳る巨大な秘密結社のもとに赴くこととなる。
一方その頃、鬼狩りの訓練生となった若者たちも、各ゲート組織に君臨する異星知性体の目的を独自に考察しようとしていた。海を隔てた二つの場所で、真実に肉薄していく彼らが目の当たりにする、星界の影に覆われた、この世の真の様相とは。

不死者の首魁《プロフェッサー》と対峙し、夜空を見上げ、すべての真相にたどり着いたその先で、若き狩人たちが足を踏み出すことになる標なき道は、果たして、いかなる荒野へと続くのか――。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。終わりが始まる、継続の第6弾。

…………(白目
ヤベえわ、やっべえわこれ。なんちゅうもうを書いてくれなんさるんじゃ。
前回の感想で
これまでも十分壮大な話だったのですが、これからはもっと途方もなく、しかし地に足の着いた「ヒト」の話になりそうだなあ。
なんて書いたんですけどね。
それどころじゃなかったよ。途方も無いどころじゃなかったよ。想像を絶するレベルで想像以上に壮大すぎで、途方もなさすぎで、あまりにも「ヒト」の物語りすぎて、そうか筆舌に尽くし難いというのはこういうのを言うのか。
叶が二人になったあの絶望的な捨環戦でもうとてつもないスケールに圧倒されてたというのに、ここで明かされた真実はあの捨環戦ですら、砂漠の砂の一粒に過ぎなかったのだと思い知らされるこの世界の置かれた状況だった。
捨環戦というものがどれほど悲惨なものなのかは、叶のあの捨環戦で十分味わったはずなのに、あれと同じことが、或いはそれ以上に悲劇的な結末が、凄まじい数繰り返され世界が切り捨てられてきたという事実には立ち尽くすしかない。
もうこれ以上の絶望はないだろうという奈落の底を、毎度毎度なんでこんな簡単に更新していけるんだろう。
同時に、こんな絶望どうやったってもうどうしようもないじゃないか、という諦めを蹴飛ばしてみせる希望をどうやったらこんな風に繋げていけるんだろう。
絶望と希望が斑に押し寄せてくるのに、濁流の中の木の葉のように押し流されていくばかりだ。
でもこんな、3つのゲート組織の間に生じてしまっていた組織間抗争の根源的に理由がまさかあんな理由だったなんて、想像だに出来るはずがないじゃないですか。色々とな前提となっていただろう世界や組織の在り方とか状況が、次々とドミノ倒しのようにひっくり返っていき、その結果として全く違う世界の姿が現れだしていくのは、ただただ呆然と見ているしかなくて、こんな真実を抱えて今までずっと動いていたのかと思うと、阿黍師匠にはもう言葉もない。
そう、この人こそが根幹だったんですね。元々謎の多い人ではあったけれど、まさかここまで真実の根幹に食い込んでいる人だとは思わなかった。まさか、こんな風に生きてきた人だとは想像もしていなかった。
すごい人だ凄い人だとは思っていたけれど、どこか遠い人ではあったんですよね。あまりに遠くの境地にある人で、圭たちと同じただの人の地平に立っている人には思えない部分があった。でもそれは、結局この人のことを知らなかったからだったのだ。シリーズはじまった当初に、当主になってしまった妹の燈のことを、大切に思いながらも別人になってしまったように感じて心の距離が遠くなってしまっていたように、その人の内面がわからないとやっぱりどこか突き放して捉えてしまうんですよね。
しかし、ここで語られた阿黍宗佑という男の人生は……やっぱり常人離れしたとてつもないものだったんだけれど、その根幹に横たわり続けたのは常に人としての意志であり、愛した人たちとの約束であり、どうしようもないくらい人間という存在の体現者であり守護者そのものだったんですね。
ただ、彼はあまりにも突き抜けすぎて、大切な約束を守るために孤独になりすぎてしまった。
空虚の中身を叶をはじめとした周りの人たちによって埋め尽くした圭とは、そこで食い違ったのですね。覚悟の質が異なってしまった。彼の兄や姉が可愛い弟に願ったことは、その約束の本当の意味はもうちょっとだけ、違うものだったんじゃないかと思えてならないのです。彼の終着駅が、本当にここだったのか。まだちょっと信じきれないところがあるのですが、もしこれで終わりだとすると辛いよなあ。報われたとは、言えないよなあ。

そして、「i」の本拠地で行われる和睦会談。って、いきなりあのエンブリオが、3巻における絶望の権化そのものだったあの狂人がちょっかい掛けてきた時には本気で青くなったのですけど……花さん、貴治崎花女医がもうなんだこれなんだこれ!?
なにこの人、なんなのこの人!? ポカーンですよ、口開きっぱなしですよ。もしかしなくても、門部で一番ヤベえのって、花さんなんじゃないのか!?
別に力とかステータスとか能力がインフレしたわけじゃないのに、三巻で登場人物たちも読んでる読者の方も根こそぎ虐殺して心へし折ってくれたあのアクマが、エンブリオが……あばばばば。

ちょっと茫然自失になりながらも、なんとかはじまった不死者のプロフェッサー、百刈圭、そしてゲオルギス会の休眠者ギスラン猊下の三者による和解鼎談。その中で次々と明かされていくゲート組織誕生の秘密と人類史を横断する真実。
これまで疑問点として浮き上がっていた部分、そもそも疑問にも思っていなかったところに至るまで、キレイにパタパタとピースがハマり、伏線が明かされ、情報が一新されていく。そうして見えてくる世界のありようはこれまでとまったく一変していて、言葉が本当に出てこない。
でも集約するなら、これは愛の物語だ。
そう、この世界は真実、人の意志と愛によって成立していた世界だったのです。各ゲート組織の頂点に立つ異性知性体と人間の関係は、本当にまさかまさかのものでした。まさか過ぎるんだよぉ!!
もうこれ、紛れもなく人間讃歌じゃないですか。人の愛の素晴らしさと尊さを説く物語じゃないですか。
ギスラン猊下、人類愛を心の底から信じている生粋の平和主義者なんだけれど、その過去の重さも相まって愛という在りようへの狂信者めいた所があるんですよね。でも、彼の在りようはこの物語においては徹底して否定されない。彼の愛も善良さも狂うほどに極まっていても壊れてはいない。少なくともこの巻の間においては、彼はもっとも人らしい人で在り続けてくれて、愛とは素晴らしいものだと体現してくれ続けてくれた。彼の在り方こそ、この世界が人の意志と愛情によって成り立っていることの証明だった。彼がずっと人間そのもので居てくれたことで、どれだけ救われたことか。
もし、この会談がプロフェッサーと圭の二人きりのものだったら、圭はもっと深みにハマってしまっていたかもしれない。少なくとも、この現場においてギスさんの存在は圭にとってもアンカーになり続けてくれたんですよね。
この三者会談がはじまったとき、プロフェッサーとギスラン猊下という何百年もの時代をまたに掛けて戦い続けている化け物たちと果たして自分みたいな木っ端が肩を並べて対等に話し合えるのか、と圭は緊張を通り越してビビってすらいましたけれど、いざ会談がプロフェッサーが知る真実を伝える場になって佳境に入った頃には、この場における真の化け物はプロフェッサーと圭の方であって、ギスラン猊下こそがマトモな人間の側であったという、立場立ち位置の逆転には息を呑む形となりましたけれど、猊下が二人に置いてけぼりにされながら必死に圭がハズレ切らないように食い下がってくれた姿には、この猊下のファンになった人も多かったんじゃないでしょうか。
だいたい、この猊下いい年したおっさんなのに、色んな意味で可愛すぎるんですよ。なんだよ、この作品屈指の愛されキャラは! まさしくゲオルギス会の秘密兵器じゃないか。こんなの隠し持ってたのかよ、ゲオルギス会、色んな意味で侮れない、侮れなさ過ぎる。

プロフェッサーの正体も、想像を遥かに上回るものでした。確かにこの人、黒幕然として色々と暗躍しているんだろうな、と思ってはいたんですけれど所詮は3つあるゲート組織の一つを掌握する人物として出来る範囲の暗躍だと思ってたんですよね。
人類史そのものの黒幕じゃねえか!!
いやそれ以上だ。彼は反逆者であり、紛れもない人類の守護者であり志士であったのだ。そして、彼もまた人を愛して人のために戦い続けていた人だったのだ。その正体にはほんと度肝を抜かれたけれど。彼の素性というか、歴史上における本名ってこれまで伏線というか、推察できるヒントとか出てましたかね!?
でも、これほどの人が、プロフェッサーが本当の意味で味方であり、猊下がやっぱり味方になってくれるというのは、もう万軍の味方を得たような頼もしさなんだけど。なんだけど。
本当の意味で和解以上の同志、運命共同体めいた共感と結束を得た途端に、さらなる絶望のどん底が、地獄の釜の蓋が開くはめに。
だから、絶望と希望の波状攻撃が毎回毎回凄まじすぎるんですよぉ。しかも、波が来るたんびにそのスケールがわけわからん規模で大きくなってるし。これいったいどうするんだよ、という有様になってるし。
それでも、それでも叶とカナエがついにその日が来たと覚悟とあきらめを得た瞬間に戻ってくるとか、圭さんちょっとヒーローすぎやしませんかね!? くそう、格好いいぞお兄ちゃん。
だいたい、叶とカナエ、二人の置かれた状況が過酷すぎるんですよね。同一存在である二人が同じ場所にいる以上、常に一本角の鬼がどちらかの叶を抹殺することで正常化をはかろうとするために、いずれどちらかが鬼に殺される日が来ることを受け入れている。生きたいと願いながら、いつかその日が来ることを受け入れて、生き残った方が圭と幸せになるんだ、と叶とカナエの二人で決めている、とか。そんなの、圭さん受け入れていいんですか? 許していいんですか? 

異性知性体の目的はついに明らかになったのですけれど、「なぜ」そんなことをしているのか、については未だ明かされていないんですよね。そして、鬼の本当の正体についても。絶対に存在しないハッピーエンドに辿り着く、鍵はやはりそこなのか。
その前に、目の前の窮地をなんとかしないとどうにもならないんですけれど、正直コレどうにかなるのか!? 全面核戦争が起こる核ミサイルの発射スイッチが押されてしまったのと大して変わらない状況だぞ、これ!?


シリーズ感想

筺底のエルピス 5.迷い子たちの一歩 ★★★★★   

筺底のエルピス 5 -迷い子たちの一歩- (ガガガ文庫)

【筺底のエルピス 5.迷い子たちの一歩】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

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癒やせぬ傷を抱え、狩人たちは前を向く。

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。
だが、その脅威に立ち向かうべき狩人たちは、断絶を経た長い歴史の結果として、不毛な衝突を続けていた。

白い鬼の出現によって口火が切られた組織間抗争こそ無事終結したものの、未来を切り捨てる戦の果てに、多くの者が傷つき、道を見失う。
背負う重責に震える者。慢心の罠に陥る者。無能さを悔やむ者。自身との軋轢に苦しむ者。欲望へと走る者。救いたい者を救えぬ者。そして地獄から流れ着き、独房でひとり、静かな狂気に沈もうとする者。そんな彼らを立ち上がらせるのは、はたして誰による、いかなる選択なのか。

新たなる鬼の脅威。秘密の開示の先に待つ、太古の闇。
時を超える旅によって増殖し、この世にふたり存在することになった乾叶を渦の中心として、歴史の背後に潜んでいた数多の謎も浮上を始める。

残酷な運命に抗うべく、傷だらけの迷い子たちがそれぞれ踏み出す、新たな一歩とは。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。再起と転換の第5弾。


……はぁ。何から書けばいいのか。何から想えばいいのか。ただただ吐息ばかりがこぼれていく。溢れんばかりのそれは、なかなか言葉という形にならない。この湧き上がってくる感情に名前をつけたくない。ただあるがままに感じていたい。そんな気分。
前回の感想の最後に書き殴って叩きつけた懇願は、果たされたと思っていいのだろうか。あの「カナエ」は救われたと思っていいのだろうか。
地獄は続く。生きている限り、彼女の地獄は続いていく。でも、そんな地獄の中を彼女は前を向きて、狂気に沈むことなく歩いていけるだけのものを再び掴んだ、そう信じていいんだろうか。
ならば、そうなら……良かった。良かった。良かったよぅ……。
静かに、ズブズブと狂気の沼の中に、闇の泥の底に沈んでいくカナエの姿は、本当に見ていられなかった。彼女にとっての安息が、そちらにしかもうないことを知っているが故に。
そして、自分の末路を。自分がそこまで堕ちていけることを実物付きで目の前に突きつけられてしまった、16歳の叶の当然の恐れ。圭がカナエに心を「持っていかれ」てしまった事によって生じた自身の空隙への自己嫌悪。こちらの叶もまた、カナエとは違う形で徐々に破綻していこうとしている様子に、もうね、なんちゅうかね、たまらんかった。あの筆舌に尽くし難い地獄から戻ってきたにも関わらず、すべてが救われ好転したはずなのに、新たな悪夢が現出しつつある状況に、胸が締め付けられるようだった。

それでも、70億の人間と世界まるごと一つと、それにともなう様々な想いを犠牲にして繋がれた新たな未来は、ただ絶望だけを繰り返す世界なんかじゃなかったと、それを生き残った人たちが証明してくれた。
圭が、結が、朱鷺川ひかえがそれを作り出してくれた。仕組まれていた結末以上の結果を、彼ら自身が引き寄せたのだ。
捨てられ滅びたあの世界で、彼らがどう死んでいったかを今もしっかりと覚えている。どんな思いで、カナエに希望を託して逝ったかを知っている。だからこそ、今こちらの世界で生きている彼らが、生きて怒って覚悟して決意して心に決めて、閉塞を打破していく姿にやるせなさと感動を押し殺せないのだ。
そして、生きてる彼らが、心を今も滅びたあちら側に残されたままのカナエをちゃんと救ってくれたことを、カナエをちゃんと乾叶として再誕させてくれたことに、感謝しきれない。
カナエが決して誰にも知られまいとしまいこんでいた秘密。自身が殺人者となった事実よりも、滅びゆく世界で圭と結ばれたことよりも、絶対に圭や結たちに知られてはいけないと抱え込んでいた秘密がわかったとき、あれほど変わってしまったように見えた、修羅に成り果ててしまったように見えた、人間すらもやめてしまったように見えた未来のカナエが、紛れもなく「乾叶」であり、その根底は何も変わっていなかったのだと、ふっと納得できたんですよね。
それまでは、むしろカナエを叶として扱うことを譲らない圭や結に対して、むしろ今の叶と未来のカナエを別人として扱った方が、二人の叶にとっても救いになるのではないか、と二人の叶の苦しみ方を見ていて思っていたのですが、そういう浅はかな考えを圧倒的なまでにひっくり返して叩き伏せて、淀みを吹き払ってくれるあのシーンでした。やっぱり、結は凄いわ。圭はカッコイイわ。
だからこそ、燈さん提案の、同一人物だから合法的に重婚できるね、発言には心惹かれるのですがw
いや、圭と二人の叶の様子からして相手はもう決まってしまったようなのですけれど。

今回の捨環戦を通じて、門部とそれに所属する面々の置かれた状況は劇的に変化し、組織間の抗争はほぼ終息した、と言っていいんでしょうけれど、だからこそ物語の方は新たなステージへと進んでいるんですよね、これ。
勉強会と称した、結たち天文部の他愛もない仮説の披露回。なんの解決にも結びつかず、はたして真実に掠りすらしているかどうか怪しいそれは、しかしなぜ今、世界はこんな状況に置かれているか、という疑問へのアプローチとして、これまでまったく起こってなかった動性なんですよね。これこそが、始まりの号砲だったのかもしれない。SF作品として、世界と人類のクロニクルとして、結論と決着をつけるためのステージへと至った、と。
どうやら作者の発言でも、この五巻からの第四話の主題が語られてましたけれど、これまでとテーマの方向性が変わってる感じがありますし。よりSF的になったというかなんというか。
これまでも十分壮大な話だったのですが、これからはもっと途方もなく、しかし地に足の着いた「ヒト」の話になりそうだなあ。

それにしても、色んな意味で貴治崎先生がヤバいんですけど。本当にいろんな意味で。この人、場合によっては黒幕になりかねないんですけどw

シリーズ感想

おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 ★★★★   

おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 (講談社タイガ)


【おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱】 オキシタケヒコ 講談社タイガ

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「ひさしや、ミミズク」
今日も座敷牢の暗がりでツナは微笑む。山中の屋敷に住まう下半身不随の女の子が、ぼくの秘密の友達だ。彼女と会うには奇妙な条件があった。「怖い話」を聞かせるというその求めに応じるため、ぼくはもう十年、怪談蒐集に励んでいるのだが……。ツナとぼく(ミミズク)、夢と現(うつつ)、彼岸と此岸が恐怖によって繋がるとき、驚天動地のビジョンが“せかい”を変容させる――。

作者のオキシタケヒコさんは、ガガガ文庫で【筺底のエルピス】シリーズを出している人で、伝奇調の物語に本格的なSFをハイブリッドさせた作品が特徴的だったんですよね。
本作も、当初は過疎化が進む逼塞した田舎の村に今なお続いている旧家の因習が主人公を絡め取り、という古い時代の怨念が襲ってくるタイプのホラーかと思ってたら、これがどんどんと様相を変えてくるんですよね。
若い人たちがどんどんと地元を出ていき、徐々に枯れつつありながらもずっと変わらない景色の中で、十年もの間座敷牢にとらわれている少女の元に通い続けた「ミミズク」。出会ったときはまだ子供だった主人公も、座敷牢の少女ツナも、十年経った現在ではもう20を越えた大人になっているのだけれど、同年代の子供たちがみんな都会に出ていってしまった中で、変わらぬまま同じ時間を続けている彼らはまさに停滞、止まった時間の中に居るようなものだったのが、一人の怪しげな男……ホラー雑誌の編集者を名乗る男の登場によって、劇的な変化が……いや、今まで薄暗い闇の中に溶け込んでいて見えていなかった事実が白日のもとに浮き彫りになっていくのである。が、その見えてきた事実というものが予想と全然違っていて、理解したと思ったその新事実も実は一つの側面に過ぎず、次の瞬間にはまったく様相を異にする事実を突きつけてくることになって、まさに真実が二転三転していくのである。それにともなって、幾人かの登場人物の印象もガラっと変わることになって、最初のインパクトがどれだけイメージを強固に固定していたのかを思い知らされることになる。
物語のジャンルそのものも、ストーリー展開が進んでいくに連れて、ひっくり返されるたびに違うものへとクルリクルリと看板を変えられていくようなもので、自分が何のジャンルの本を読んでいたのか見事に混乱してくるのである、これが。
気がつけば、なるほど「オキシタケヒコ」の作品だ、とうなずかされるわけだけれど、このめまぐるしいまでの世界観を覆うベールがひらりひらりとほどけ落ちてくかのような展開には、正直グイグイと引き込まれた。最初のある種の怖いもの見たさ、というか本当に怖いものからは目をそらすことができない、みたいなゾクゾクするような「恐れ」が、ある時みごとに「解体」されて、なんだそういうことだったのか、論理的科学的なルールに基づく解放感に安堵した、と思った途端まったく別の理解不能の未知。オカルトの領域にクビまで浸かっているかのような感覚に溺れ、ところがところが……といった感じで、立ってる地面の感覚が劇的なまでに変化し続けるんですよね。ところが、でもそれがあやふや感が増していく、というわけではないんだなあ。秘されていた事実、見ないようにしていた本当のこと、が確かに明らかになり続けているのは間違いなく、着実に前に進んでいる実感、知るべくを知り得ているという納得、たどり着こうとしている感覚がどんどん足元を確かにしてくれるのである。
そして、そうやって見えてくるものは決して悪いものではなかったんですよね。恐れてみないようにしていたものは、決して枯れ尾花なんかじゃなく、想像を遥かに超える凄まじいものであったのだけれど、でもそれは知らずにいればよかったものじゃあなかったんですよね。知って良かったと思えるものだった。知ることが救いだった。
そうして気づけば、辿り着いた場所は、勇気を振り絞って掴んだものは……暗く閉ざされた座敷牢のそれとは程遠い、風と陽の光をたっぷりと感じられる、停滞ではなく、明日へ歩いていける場所だったのである。
陰鬱なホラーだと思っていた物語が、こんな素敵で爽やかな締めを迎えられるとは。振り返ってみると、ミミズクが居候している叔母夫婦をはじめとして、何気に登場人物って良い人ばかりなんですよねえ。
ツナの結末もまた、人の想いがもたらしたものと思えば、人間捨てたもんじゃないと思える話でした。
……【筺底のエルピス】も願うならば、良き人が報われる話になってくれればなあ、と思うばかりである。続刊はいつ出るんだろう……。

オキシタケヒコ作品感想

筺底のエルピス 4.廃棄未来 ★★★★★   

筺底のエルピス 4 -廃棄未来- (ガガガ文庫)

【筺底のエルピス 4.廃棄未来】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

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すべてを取り戻すための、最悪なる希望。

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。
それを消滅させられる唯一の手段を失い、世界は今や、確実なる滅亡へと突き進もうとしていた。

白鬼の憑依者である少女、朋之浦結を守り続ける《門部》の逃亡者たちが、《ゲオルギウス会》の祓魔師たちを巻き込んでまでして組み立てた起死回生の一手も、あえなく瓦解した。
あまりにも邪悪な《エンブリオ》なる存在と、数奇な運命に翻弄される狙撃手の少女が、屍を積み上げながら獲物たちを追い続ける。

残された希望は、すでに命を落とした戦略家、間白田俊彦が残した『負けない策』のみ。
その真相に辿り着いたとき、白鬼の少女と《門部》の面々――百刈圭、乾叶、貴治崎花、朱鷺川ひかえ、そして百刈燈は、いかなる選択を強いられるのか。
世界のすべてを包み込まんと膨れあがる死の連鎖の果てに、はたして誰が『鍵』となり、『過去の改変』という救済を掴み取ることができるのか。

人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。失われた過去を取り戻すため、最悪なる希望が奏でる混沌の第4弾。
こんなっ、こんな酷い話があるかーーーっ!!
希望を、この希望だけを信じてやってきたんだぞ。死んで全部なかったことにする誘惑を押しのけて、絶望に打ちのめされ続けながら、人としての尊厳も何もかもを打ち捨てながら、それでも這いずって生きてきたんだぞ。この、最後の希望だけを信じて。希望だけを捨てられずに。
生きて、きたのに。
生きてきたのにッッ。
その、結末がこれなのか。こんなの、あんまりにもかわいそうじゃないか、ひどすぎるじゃないか。
人類は救われたかもしれない、未来は続いたかもしれない、起こるはずだった悲劇はすべて覆され、あの惨劇もまた拭いされたかもしれない。でも、あれらは起こらなかったわけじゃないのだ。すべて、現実に在ったことなのだ。あの未来で彼らは生きて生きて、死んでいったのだ。あの絶望も、破滅も、怒りも憎悪も、全部全部、全部だ、全部が刻まれている。刻まれてしまっている、この娘の心に、記憶に、魂に……。
ただ一人、世界にただ一人、この娘にだけ……。この想いを一緒に抱えてくれる人は、一緒に支えてくれる人は、一緒に感じてくれる人は、もう居ないのだ。誰も、誰も居ないのだ。
みんな、そこにいるのに。生きて、そこにいるのに。彼女にとっての彼らは、もうどうしたって、どうやったって取り戻せないのだ。それを、見せつけれて、目の当たりにして、信じた結果がこれか、希望にすがってすがって鬼と化してまで生き汚く何でもやってきた。人を殺し、殺して殺して、ただ生きるために殺して殺して、その結果がこれか。これなのか。
こんな、ひどい話があってたまるものかよ……。ひどすぎる。
まさに、最悪の希望じゃないか。
薄っすらと違和感はあったのだ。誰も指摘していなかったけれど、自明の理としておかしな事実が在ったのだ。それを都合の良いように収束するものと思い込んでいたのは、無意識の逃避だったのだろうか。それでも、これほど残酷な形で矛盾を突きつけられて、心がずたずたに切り刻まれないと思うか。
いったい誰が描かれているのかわからなかった前回からの表紙絵の真実にたどり着いた時、あまりのことに胸をかきむしられたようなやるせなさにのたうち回ることになった。
あんな慟哭を、平静のまま聞けるものか。救われないにも、程がある。程があるよ。なんでこの娘がこんな想いしなきゃいけないんだ、なんでこんな目にあわなきゃいけないんだ。頑張ったんだぞ、必死に世界を救ったんだぞ。人類を、守ったんだぞ。信念も人らしさもかなぐり捨てて、ボロボロになってここまで来たんだぞ。それを、それが、なんでこんな……。
誰か、誰か、この娘を助けてあげてください。なんとかしてあげてください。お願い、誰かこの娘を救ってあげて…ッ。これじゃあ、あまりにも、あまりにも可哀想過ぎるッ。

シリーズ感想

筺底のエルピス 3.狩人のサーカス ★★★★★  

筺底のエルピス 3 -狩人のサーカス- (ガガガ文庫)

【筺底のエルピス 3.狩人のサーカス】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

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起死回生の一手。たとえ全てを失っても。

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。それを滅ぼす一団であった《門部》は、同じ目的を持ちながらもはるかに巨大なゲート組織――《I》なる不死者たちの侵攻によって陥落した。

乾叶と百刈圭をはじめとする数名は、辛くも難を逃れて決死の逃避行を図るが、そんな彼らを狩るべく、かつては同僚であった恐るべき狩人が動き始める。さらにはその裏で、世界そのものが滅亡への歩みを静かに加速し始めてもいた。

強大すぎる敵に対し、《門部》が「負けないため」の作戦――秘されたその真意とは何か。そして、進み始めた世界崩壊の真実とは。
人類の世界にこれまで六度、虐殺と大戦争をもたらしてきたという白い鬼を巡る、《門部》、《ゲオルギウス会》、そして《I》という三つのゲート組織の抗争が、ついに佳境の時を迎える。

人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩、悲劇の第三章。『波の手紙が響くとき』でも好評を博す、オキシタケヒコが手がけるSF異能バトルアクションシリーズ第三弾。
アババババババッ(死亡
うわーーー、もううわーーーっ、って泣き叫ぶしかないよこれ。もううわーーーー!! やだもう、うわーーーーんん!! 
前回、SFとして読んでるこっちが呆然とするほどの壮大なスケールに世界観を広げまくって、圧倒してきたこの作品ですけれど、翻って今回はこれでもかこれでもかとマクロな個々にキャラの動向に焦点を凝縮して凝縮して、ぶしゃーーーっ、グシャーーーーッ、ビシャー^ーーーッ、てな具合に握りつぶしやがりましたよ! 滴る果汁、潰れて染みをつけるぐちゃぐちゃの果肉。デロデロのドロドロに煮詰められた、この絶望感。
あかん、読後しばし心神喪失状態である。
やばいよ〜、もうやばいよ。
最初の段階で、世界的な規模で勢力を持つ《I》によって門部の本拠が陥落して、僅かな仲間たちと脱出するも、逆襲の目なんてどこにもなくて、間白田が準備していたルートに従ってようやく逃げ延びている状態。という時点で、最初の時点で絶望感が尋常ではなかったはずなのです。
知らなかった、なにもわかっていなかった。
こんなもん、絶望なんてものでは全然なかった。絶望なんて表現するのもおこがましい状況だったんですよ!!

かつてハウンドと呼ばれた「奥菜正惟」の容赦のない追撃。その恐ろしさに、震え上がる……どころじゃなかったわけです。もうポカーンですよ、茫然自失ですよ。え、これもうダメなんじゃないの!? と、奥菜の最初の攻撃で絶望のどん底に落とされたわけです。絶望的状況と思ってたら、そこからいきなり床が抜けてさらに底に落とされた感じ?
だって、その人やられたらもうダメじゃん。残された人たち、何をどうしたら良いか、なにもわからないじゃない。もうこの時点で真っ黒に心が塗りつぶされたみたいに先行き真っ暗で、絶望感しかなくてもう右往左往するしかなかったのに。いや、ここからよくまあ打開してみせたものです。数々の幸運と外部からの手を借りたとはいえ、よくまああの奥菜の追撃に対抗することが出来たものだ、と圭たちの奮闘は目を見張るものがありました。
まさか、そこからが本当の絶望のはじまりだったとは、気付きもせずに。

怖い怖い怖い怖い、もうやだ、こいつ本当に嫌だ。狂人、邪悪、異常者、悪意の塊。なんだろう、この存在をどう言い表したらいいんだろう。
敵として、悪役として、ここまでえげつない悪意しか無く邪悪でしか無く、人でなしで残虐で惨たらしくおぞましいキャラクターに、ここまでやりたい放題やらせた作品がどれだけあるだろう。そんなおぞましい敵になすすべなく蹂躙され、陵辱され、弄ばれるこの途方も無い絶望感を、無力感を、恐怖感をなんと表したらいいんだろう。

エンブリオ。

この絶望の権化の名前である。

誰か助けて、マジで心が折れそうだ。心が潰されそうだ。思い返すだけで、あまりといえばあんまりな惨劇の光景が脳裏をよぎって、息が詰まる。
次回第四巻のサブタイトル「廃棄未来」。もうこれ見るだけで、希望を抱くこととか出来ないんですけど。
うああああ、もうあかん死にそう。死にそうなほど、面白いんだよ、こんちきしょー!!
トドメを刺されるとしか思えないんだけれど、早く4巻! 4巻をっ!!


1巻 2巻感想

筺底のエルピス 2.夏の終わり5   

筺底のエルピス 2 -夏の終わり- (ガガガ文庫)

【筺底のエルピス 2.夏の終わり】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

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新たなる棺使いたち。《門部》最大の危機。

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。

人類の世界にこれまで六度、虐殺と大戦争をもたらしてきたという白い鬼。その七体目の憑依者を巡るバチカンとの戦いを経て、ひとりの少女を保護することになった《門部》だったが、流星群が天を薙ぐ真夏の一幕の裏で、世界の運命は大きく狂いだそうとしていた。

謎に包まれた第三の鬼狩り組織の襲来。情報統制を敷く《門部》式務。そして、それに抗おうとする離反者たち。様々な思惑が交錯する中、恐るべき柩使いと青鬼の出現によって、平和な夏が切り刻まれていく。
第三勢力《THE EYE》とはいかなる組織なのか。式務が隠し通そうとする秘密とは何なのか。そして《白鬼》を守るべく戦う封伐員・百刈圭たち待ち受ける、恐るべき運命とは――。

人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩、激動の第二章。
『波の手紙が響くとき』でも好評を博す、オキシタケヒコが手がけるSF異能バトルアクションシリーズ第二弾。
イラストは各方面で活躍中のtoi8が担当。
……うはー(呆然
これ、とんでもないスケールの超大作じゃないですか。圧巻過ぎて、読み終えてからしばらく呆けてしまいました。うむむ、凄い。この作品って、一巻では登場人物たちの内面を丹念に掘り下げて、それぞれが抱え持っていた心の問題、過去の因縁を由縁とする歪みや感情の縺れなどを一つ一つ解きほぐし、人としての成長を促していくタイプの作品であり、その方向においてもかなりの名作の気配を漂わせていたのですよ。ストーリーテリングと物語の構造が美しいと思える巧さがある上に、丁寧な積み重ねから描き出されたキャラクターの人物像が魅力的に映しだされるタイプの、ね。
だから、2巻も基本路線はそれを踏襲すると思ってたんですよ。物語の背景には人類が絶滅する未来、という巨大なものがそびえ立ってはいても、あくまで構成要素以上のものではなく、基本的には同じ路線を、ね。
ところがどうして、一巻の個々人に焦点を置くスタイルは蔑ろにしないまま、そこにSF要素をこれでもか、とかぶせてきたんですよね。
一巻の段階で圭や叶がそれぞれ抱えてきた問題が調律され、メンタル面が安定したのを踏まえた上で、個人の問題ではなく、世界規模の、人類の未来に関する問題を突きつけてきたわけですよ。元々、人類の存亡、すでに決まってしまっていた人類が滅ぶ未来を覆すために絶望的な戦いを続けてきた《門部》の一員として、すでに圭たちは渦中にあったわけですけれど、それだけでは足りない、とばかりにすでに整えられていた舞台そのものをひっくり返す大業に打って出てきたわけです。正直、2巻の段階でここまで劇的に物語を動かしてくるとは思いませんでした。これ、よっぽど登場人物が仕上がってないと、ついていけないレベルの激動の展開ですよ。しかし、それだけ圭と叶、結たちが仕上がった、という手応えがあったんだろうなあ。恐るべきは、この巻が実質の初登場である新キャラたちも、物語が激流に流されだす後半までに立てきってるところなんですよね。運命を共にする、一蓮托生の仲間たちを見事に成り立たせたわけである。前半の日常パートが、拗れてしまった人間関係を修復することを目的としてみんなが動いていたことも、この作品の特徴なんですよね。圭と妹の拗れてしまった関係が、叶が抱え込み人格を曲げてしまっていた闇が、手を差し伸べ合うことで解きほぐされていったように、丹念にそれぞれの人物を掘り下げていくことで、上手いことキャラの魅力を立たせている。
個々人のミクロなスケールと、人類や世界を対象としたマクロなスケールが絶妙に両立してるんですよね。これが、物語の、作品そのもののスケール感をずっしりとした中身付きで感じさせることに成功している。読み終わった時に、これは大作だ、と大きく息をついてしまうほどに。
どんでん返しが起こった実に良い所で終わっているだけに、前のめりになったところでおあずけくらったようなものだけれど、これは釣り上げられても仕方ないですよ。

前回に引き続き、或いはそれを上回る勢いで、バトルシーンの緊迫感と精妙さも面白さがパワーアップしていました。圧倒的超越者相手に、絶対に敵わないと思い知られる能力差。そんな相手にどう立ち回るのか。まさにインテリジェンスを炸裂させた戦闘シーンには大満足でした。
2巻でこの盛り上がりは反則とすら思うけれど、文句なしに面白かった。これはオススメです。

にしても、ダークサイドから立ち直った叶ちゃんは、良いヒロインにパワーアップしましたねー。結構フラグも立ち出しましたし、恋愛パートが本格化したら相当可愛いことになりそう。そのへんも大いに期待。

1巻感想

筺底のエルピス4   

筺底のエルピス (ガガガ文庫)

【筺底のエルピス】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

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殺戮因果連鎖憑依体――

古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。
日本の暗部である《門部》は、不可視の存在を網膜に投影する改造眼球『天眼』と、時を止める超常の柩『停時フィールド』を武器とし、そのプログラムを追い立て、狩り、そして葬り続けてきた鬼狩りの組織だ。

時は現代。

百刈圭(ももかり・けい)と、乾叶(いぬい・かなえ)――心に傷を抱えて戦う二人が遭遇したのは、歴史上、たった六体しか確認されていない《白鬼》だった。
叶の親友に憑依したその鬼を巡って組織が揺れる中、黒ずくめの刺客《ゲオルギウス会》が動き始める。それは日本を守護する《門部》と同じように、ヨーロッパで連綿と戦い続けてきたもうひとつの鬼狩りの組織――バチカンの狩人たちだった。

《白鬼》とは何か。二つの組織の衝突はいかなる戦いを引き起こすのか。そして、滅亡を防ぐ希望はあるのか。

人類の存亡をかけて戦う、影なる戦士たちの一大叙事詩が、いま語られる。
伝奇ものかと思ったらSFだった! 古来より鬼や悪魔と呼ばれたきた存在は、宇宙人の仕業だったんだよ! なんだって!? なんて煽りにしてしまうと、途端に胡散臭くなったり、どこか昭和テイストな怪奇モノの風情となってしまうのですが、本作はそのあたりを上手いこと現代風にアレンジしていて、これが実に面白い。
最初は、ヒロインの叶は家族を鬼に殺されて復讐心を抉らせて完全に心閉ざしてしまっているわ、圭の方も実力はあっても、門部の当主となっている妹の特殊な状況を前に妹とちゃんと向きあえていないわ、相棒となった叶への接し方もおっかなびっくりもいい所で、もうちょっとしゃんとしなさいよ、と言いたくなるようなギクシャク感あふれる人間関係で、血なまぐさい鬼との戦いに既に絶望的結末が決定している状況といい、これはひたすら暗くて救いのない、読んでいて息苦しいダークな話になるのかなあ、と若干構えていたのですが、空気が変わるのが丁度、叶の親友の娘に「白鬼」と呼ばれる鬼が憑依しているのが発覚してから。
自分の命すら顧みない破滅的な復讐に全霊を傾けていた叶に、何としてでも守らないといけない人が出来た途端に劇的なくらいにドミノ倒しに、ひたすら沈んでいくようだった空気が、噛み合わなかった人間関係が気合の入った「戦う空気」へと変わっていったんですよね。前向き、というのとは少し違うんだけれど、過去の悲劇を引きずったまま未来の悲劇に溺れていくようだった雰囲気が、叶の「守りたい」という意思が生じたことで全体に目の前に塞がる悲劇と絶望の壁を切り拓く、という光が灯ったような空気になったわけです。そうなると、圭の方もやること、叶に対して気にかける事がスッキリとして、主人公というよりもこの場合は叶にとってのヒーローのような、存分な活躍を見せ始めるのです。
未熟な自分を呪うのではなく、親友を守るために知恵を絞り、自分の限界を突破して悲劇を乗り越えるためにあがく叶は、そして自分たちの危機を幾度も助けてくれる圭に憧れと慕情を抱いていく彼女は、見事にピチピチに弾けてるヒロインになっていくんですよ、これ。
うちにこもっていた性格も、この事件を契機に心に傷を負う前の快活な姿を取り戻していって、それがギクシャクしていた圭の妹への態度へも良い影響を与えるようになって、とお互い影響しあって良い方向へと向かっていく流れは、読んでいても心湧き立つものがありました。何気に、親友の女の子もさらっと重要なポディションに収まって、ちゃっかりヒロイン枠に収まるあたりは意外でしたけれど。
面白いのが「停時フィールド」という技術を活用した、それぞれ門部やゲオルギウス会の面々が一人ひとり持っている特殊能力。みんな「停時フィールド」という特性を元にしつつも、違った能力なんですけれど、これが使い方が捻ってて面白いんですよね。漫画の結界師、のそれと傾向が似てるんですけれど、制限があるが故に発想の自由さが生まれるというのか、戦闘の中でみんなあれこれ試行錯誤して思わぬ使い方を導き出すとかもしていて、こういう発想を生かしたバトルはうん、面白いですわ。単に戦闘面に限らず、世界観の設定……鬼の正体や門部・ゲオルギウス会の起源、人類滅亡の危機の真実、など舞台設定もなかなか引き込まれるものがあり、うんうんこれは面白い作品が出てきましたよっと。

 
12月3日

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11月10日

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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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