4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 東京競馬場1,600メートル(ダート・左)

来週の2月24日にサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われるサウジカップの方に出走するため、ダート戦線で走るトップランナーたちの殆どがあっちに行っちゃってます。
・ウシュバテソーロ
・クラウンプライド
・デルマソトガケ
・メイショウハリオ
・レモンポップ
という錚々たる面々。まあハリオとレモン以外の3頭は中距離メインなんでマイルとなるフェブラリーSは対象外なんでしょうが。ソトガケちゃんは3歳の時走ってたから大丈夫かしら。

まあともあれですよ、砂の燕と砂の悪魔の本命になりえる2頭が不在という事もあり、今回のフェブラリーSは地方から名うての実力馬。そして芝戦線で活躍中真っ盛りの馬たちが舞台を変えて参戦してきたわけです。

地方からは去年の地方競馬最優秀馬イグナイター。南関東無敗の三冠馬ミックファイア。そして砂の女王アイコンテーラーと真っ向から張り合うスピーディーキックという地方競馬の誇る名馬たちが参戦。
芝戦線からは去年のNHKマイルカップ覇者シャンパンカラーというG1馬。G3を3勝・馬券圏内多数というベテラン大常連カラテ。ドゥデュース世代の一角としてクラシックを賑わせ、古馬になった今もG1戦線で好走を続けるガイアフォース。と、結構な大物がこっちに出張ってきたんですよね。

迎え撃つダート馬たちは。
次世代ダート戦線のエースと期待されるオメガギネス。
チャンピオンズカップと東京大賞典というG1で連続でレモンポップとウシュバテソーロに続く2着をもぎ取った新星ウィルソンテソーロ。
こいつはダート馬の方に並べていいのかわからないが、同じくチャンピオンズCと東京大賞典で連続3着に入った元ホープフルS覇者にして2歳牡馬王者ドゥラエレーデ。
他にもJBCクラシックチャンピオンのキングズソードに、古豪タガノビューティー。最後方から一気に捲くってくる去年のフェブラリーS2着馬レッドルゼル。590キロの巨漢の逃げ馬ドンフランキー、と主役不在でも役者自体は揃って迎え撃つ所存でありました。

レースは好スタートを切ったドンフランキーがそのまま押して、先頭に。イグナイターと、控えると思われたウィルソンテソーロがまさかの番手に。
ウィルソンテソーロは前2走で好走を演出した原優介騎手が先々週に派手に落馬してその日の騎乗を回避したんですけれど、幸い怪我も大したことなくて次の週から戻ってきたんです。ただ、この落馬が影響したのか鞍上は原騎手から松山くんに変更になっちゃって。
正直、最近の松山くんはあんまり乗れてない印象でした。後方控えての競馬の時、仕掛けのタイミングがどうも遅いか何なのか、折角の切れる差し脚を発揮しきれなかったり届かなかったりが続いていて。
土曜日の京都牝馬特別のロータスランドや、先週のサフィラとか。
またウィルソンテソーロも、変に我慢させると行く気なくしちゃう所もあるみたいで、前からも後ろからも行ける自在性がある馬んじゃなくて、むしろ乗り難しい所がある馬みたいなんですよね。原くんはほんと手が合ったんでしょうね。
ここでその原くんから乗り替わりというのは、難しいんじゃないか、と思ったのですけれど、敢えて馬に任せて前目につけた騎手の判断、これ自体はむしろ悪くなかったんじゃないでしょうか。
問題は、ドンフランキーが作ったペースがめちゃくちゃ早かったこと。
まさかの前半3F33.9である。芝でも速いくらいのペースで流れてるやん!
おかげで、レース後半はみんなバテバテ。前が完全に潰れてしまうレースになってしまいました。
いや、この前が苦しくなるレースで、逃げたドンフランキーは最後にまた盛り返す根性見せるわ、イン突いたイグナイターは一瞬これは行ったかっ!?と思わせるほどの手応えある伸びを見せてくれるわ、とめっちゃ頑張ったんですけどね。
ドンフランキー、一旦はイグナイターに抜かれて一杯か、と思ったら粘って粘ってイグナイターが落ちてきたのを抜き返して、と600キロに迫る巨体のど迫力の走りを最後まで続けましたからね。色んな意味でパワフルでしたよ。
イグナイターはこれ1200や1400が主戦場で1600も行けるけどちょっと長いかも、という印象もあったんで、1400あたりでパタリと力尽きたのを見るとさもらんって感じではありました。でも、短いところだとこれなら中央とがっぷり四つで十分やれそう。強さを感じさせる走りでした。

しかして勝ったのは、4番手あたりにつけて虎視眈々を前を伺い、直線に入ってしっかりと追って後続を振り切ってみせた、まさかの11番人気。藤岡佑介騎乗のペプチドナイルが初のG1出走で初の重賞タイトル制覇!
いや、何気に調教から凄く良くて、穴馬としてこの馬をあげるホースマンも何気にちらほらと居たので、実際激走の気配は十分にあったと思われます。前々走はリステッドながら勝ってますし、ずっと人気自体はあったという事はそれだけ評価され続けていたということで。ここで11番人気というのは非常に美味しかったと思いますよ。鞍上の藤岡佑介くんも、今月入ってよく乗れてる感じで今ならG1でも勝ち負けありそうな気配あったんですよねえ。
いやでも、勝つまで行くとは思わんかったけれど。

2着には芝から参戦のガイアフォースが。この馬、レースが流れると強いよなあ。血統的にも彼自身の脚あげて掻き込むような走法にしてもダート合ってるんじゃないか、という話でしたけれど、思った以上の激走でありました。これはマジでダート芝関係なしか。
長岡騎手も、よくガイアの力引き出したレースだったんじゃないでしょうか。
そして3着にはさらに人気薄の13番人気。武豊騎乗武幸四郎厩舎所属のセキフウが、ハナ差でタガのビューティーを競り落として馬券圏内に滑り込み。
セキフウ、こいつほんとマジで忘れた頃にポーンと馬券圏内飛び込んでくるんですよね。人気薄になってるときがむしろ狙い目かってくらいに。成績見たら、今まで22戦して11戦で3着以内入ってる実は安定感凄くあるはずの馬なんですよね。にも関わらず、だいたいいつも人気薄なんだ、こいつ。
ほんと忘れちゃいけない馬だよなあ。
タガノビューティーは7歳にしてまだまだ健在。二桁大敗後にもう一度調子取り戻してくるのがルーティーンみたいになってるので、むしろ次走が狙い目かもしれない。
5着にはキングズソード。この馬、中距離が主戦場なだけにこの流れるペースで1600マイルはきつかったと思うんだけれど、ちゃんと5着まで切り込んでくるあたり強いのは間違いないんだよなあ。
レッドルゼルは追い込んだものの6着まで。このペーストは言えさすがに最後方は後ろ過ぎたか。
ミックファイアは頑張って7着。こんなペースなかなか経験なかっただろうけれど……無いよね? ここまで食い込んだのは3冠馬伊達じゃないですよ。こっからこっから。
ウィルソンテソーロは8着。まあペース的に苦しかったなあ。
他の有力馬。ドゥラエレーデは12着と大負け。元々マイルは忙しいんじゃないか、と距離不安視はされていたんで、おまけにこれだけ速いペースとなると流石にムルザバエフの妙手でも持たんかったか。
1番人気のオメガギネスはさらに負けて14着。最初の方で進路塞がれて煽りくった場面もあったし、不安要素としてあげられていた、これまで56キロしか斤量背負った事なかったのにいきなり58キロ背負うことになった。大怪我して、以降レース間隔を十分に開けて大切に乗ってきたのが今回はじめて中3週の間を詰めた競馬になった、というあたりが出てしまったのかな。
いずれにしても、前半のペースの早さに馬が耐えられなかったというあたりなのでしょう。
とにもかくにも、前半ハイペースが思いっきりレース全体を引っ掻き回した感があります。
でも、そんなレースで前目につけつつきっちり抜けて勝ったペプチドナイル、レース展開に恵まれたってわけじゃないと思うので、これは早々フロック視はできないですよ。

藤岡佑介騎手は18年のNHKマイルCのケイアイノーテック以来のG1勝利でこれが2勝目。重賞勝ちも一昨年ぶり。久々の美酒です、おめでとうございました。
調教師の武英智先生は、G1初勝利なのか。意外、勝ってなかったの? って、そうか、メイケイエールちゃんがずっともったいぶって勝ってくれなかったからw
でも、まさかのエールちゃんより早く他の馬でG1ゲットすることになるとは。これでエールちゃんも心置きなくG1勝てる……いや、土曜日また激走しちゃってましたねえ。
ともあれ、こちら調教師先生初G1おめでとうございました。
結局人気馬総崩れで11番人気・5番人気・13番人気という大荒れの決着。今年最初のG1から盛大に荒れましたなあ。