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カスカベアキラ

死線世界の追放者(リジェクター)2 3   

死線世界の追放者 (2) (富士見ファンタジア文庫)

【死線世界の追放者(リジェクター)2】 ミズノアユム/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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英雄に討伐されたはずが平和な世に甦ってしまった、破戒王四天王のひとりウルズナ。彼は、自分の復活のキッカケとなった少女シアリーと共に、破戒王の遺物を探して各地を巡る。畏光の都プロセア。闇を司る四天王ヴィーヴィルに因縁の深いこの街に、求めるものがあると訪れたウルズナたち。しかし到着早々―「立ちはだかるというなら薙ぎ払って進むだけだ」「出来ると思うの?守護者である私に、この禁戒地の中で」光を食らう死線獣『硝亡』から街を守る少女カノンと諍いに。更にはヴィーヴィルを名乗るモノまで現れる。そして、破戒王すら滅ぼせなかった大いなる災厄が覚醒め―。
なるほどなあ。うーむ。いやね、本作の世界は長い長い戦乱の時代を経て破戒王という巨悪が勃興して世界征服しかけ、それを英雄たちが倒したことで平和が訪れた世界なわけです。特徴的なのは、戦乱が終結して十年、英雄たちが見事なくらいに平和を維持し、ほころびを見せるどころかより堅牢なものへと仕上げていっている世界である所なんですね。戦いによって支配を打ち破った英雄たちでありながら、同時に統治者としても優れていた、という珍しいパターン。この統治は本当に文句の付け所がなくて、英雄たちも人品優れた人物であり、ぶっちゃけ旧支配者であるウルズナが復活したところで、付け込む隙は微塵もなかったわけである。実は悪と断じられた破戒王がイイ人で、偽りの平和を打破して真の平和を、なんてパターンじゃなかったんですな。
じゃあこの話は何なんだ、というと難しい所で……やっぱり過去をいかに冷静に、客観的に総括するか、という話なんだと思うんですよね。悪と断じられている破戒王とその一派は実際その性向は悪と言って過言ではない連中ではあったのですけれど、では彼らがやった事はすべて否定され、悪行とされ、許されざる存在だったのか、というと決してそういう訳ではないのです。図らずも無辜の民を助けたこともあり、また戦乱によって疲弊し続けていた人類の歴史を推し進めるために、破壊王一派の存在は必要なファクターでもありました。また、彼らは破壊のみを志向したわけではなく、それぞれに思う所あって世界にその力を差し向けたのですが、果たしてそれは全否定されるものだったのか。たとえば、ウルズナはあれで彼になりに世界に平和をもたらそうと考えていたことが明かされている。行政的にも、破戒王の執政には後々に影響を与えているものもある。
だから、肯定するべきところもあるんだよ、と擁護すると、それはそれでやっぱり問題が出てくるんですよね。擁護し肯定しようとすると、そこにばかり焦点があたってしまい、過去を否定することそのものを否やとしてしまいがちになる。勿論、それは逆も同様。どうしても、どちらか一方の見方寄りになってしまう。
つまるところ、過去を冷静に客観的に総括するには、どちら側にも偏る必要のない「余裕」が必要なんですよ。なるほどなあ、と思ったのはその点で、この英雄たちがもたらし現状維持している平和な世界、というのはその「余裕」がある世界なんですよ。悪しきを悪と断じる一方で、その中にかいま見えた良き部分を無視せず、消し去らず、事実として許容できる「余裕」を、英雄たちはもたらしている。
尤も、彼らがその「余裕」の存在を自覚したのは、もしかしたら前回1巻の事件があってこそ、ウルズナとシアリーの存在を抹消せずに受け入れたからこそ、生じたものなのかもしれませんが。
先の破戒王復活の危機は、余裕どころか平和そのものを損ない兼ねない危機だったのですが、あれをウルズナ、シアリーとまとめて消し去って無かった事にするような、全否定するような極端な選択を選ばなかった点にこそ、英雄たちの英邁さを感じるわけです。まあ、彼らがどこまで自覚的だったかは定かじゃありませんけれど。
一番過去を過去としてそのまま消し去ろうとしてたのが、当人のウルズナだったのですけれど、それを思い止まったものの、かつて自分が目指した世界が自分たちを倒した連中に寄って成し遂げられているのを目の前にして、ぶっちゃけ明確な目的を失ったままシアリーの為に動いていたというのが今の彼だったわけですが、今回の一件を通じて、自分とは違う視点からかつての破戒王の支配の功罪を目の当たりにし、また今の平和の堅牢さを実感することで、過去からの生き証人として自分が何をするべきかの答えを手繰り寄せたのが、今回の話だったのかなあ、と思ったり。
こいつ、悪党のくせに真面目だよなあ。
こうしてみると、かなり渋い主題の作品なんですが、試行錯誤しつつちゃんと全体を組み上げてるのは大したもんだと思います。さらに、ウルズナとかいい所もあるけれど総合的に見るとやっぱり悪人、というキャラはかなり扱いにくいと思うのですけれど、結構うまく動かしてると思いますし、売れ線とは程遠い内容ではありますが、私は結構好きでしたねえ。
しかし、シアリーはあれだよなあ。典型的な悪い男に惹かれちゃうタイプの女性ですね、これ。おもいっきり踏み外しちゃってますし。まあ、境遇気にせず幸せ感じられるっぽいタイプなので……うん、ドツボだなw だが、それがイイ、とも言えるヒロインです。その意味では、カノンも似たようなタイプのヒロインっぽいなあ。口は攻撃的だけど、中身はチョロい悪い男に引っかかるタイプw 

1巻感想

死線世界の追放者(リジェクター) 3   

死線世界の追放者 (富士見ファンタジア文庫)

【死線世界の追放者(リジェクター)】  ミズノアユム/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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「シィーッヒャァァァァアーッハハハハハハ―!」
山道に響き渡る男の哄笑。男は、襲いかかってきた女王の特務騎士たちを圧倒的な力で薙ぎ払い、無造作に殲滅する。男の名は、ウルズナ。暴君“破戒王”直属の四天王にして、十年前、“破戒王”ともども英雄に討伐されたはずの男。平和な時代に蘇ってしまった彼は、己を討った英雄へ復讐すべく、女王として即位した英雄の元を目指す。彼の復活の瞬間に立ち会ってしまった少女シアリーに案内をさせ。しかしシアリーには、暴虐非道のウルズナ以上に世界から忌避される秘密があり―!?破壊と蹂躙の異世界バトルファンタジー!第26回冬期ファンタジア大賞・金賞受賞作。
この品のない笑い方からして、絶対に「あいつは四天王の中で最弱!」とか言われる程度の小物キャラだと思ってたのに、思いの外まとも……というには少々アレか。でも、暴虐ではあっても小物とか小悪党の類ではありませんでしたね。むしろ、外面が悪いだけで根っこは忠義に厚い軍人みたいなところのある男だった。そして、死ぬべき時に死にそこねた男とも言えるのだろう。
正しく旧時代の遺物であり、戦後の平和に浸りきっていた者たちにもう一度あの凄惨だった時代を直面させる存在だった。つまるところ、四天王ウルズナという過去から蘇った当時そのままの亡霊は、戦後十年が経過した今現在であったからこそ、あの必死に駆け抜け戦いぬき生き残った戦争を、冷静に振り返り総括する、そのきっかけになったのかもしれない。破戒王という、圧政を敷く非道の暴君にして、倒さなければならない悪逆そのもの。戦いの当時はそれで良かったのかもしれないけれど、戦後となり時間が経過し、過去が今を蝕む事を辞め、人々に暮らしの落ち着きに一段落ついた時期にこそ、区切りとするべく一度振り返るべきなのである。すなわち、破戒王とは何だったのか。それを色眼鏡抜きにちゃんと把握しておかないと、気がつかないうちに同じ道を歩んでいるかもしれない。今の政権、王政に正当性があるのだと確信を得るためにも、総括というのは必要なもの。
面白いことに、この平和になった時代を目の当たりにして、誰よりもその事を痛感したのが当事者である元英雄たちや国の連中ではなく、蘇ったウルズナの方だったというのが興味深い。
幸いにして、本当に幸いにして破戒王を打倒した英雄や国民たちは、平和をつかみとるだけではなく、ちゃんとそれを維持してさらにそれを未来に続けていくだけの才覚と見識、何より意思の持ち主だったようで。実際問題、革命家やクーデターなんかで政権を転覆させた場合、往々にしてまともに政権運営できずに破綻してしまう、破壊者は破壊者以外になれない、というケースが多いのですが、彼らの場合、十年という時間で歪むことなく健全に国を運営していたようで、てっきり女王様の倦んだ様子からかつての英雄様も平和の中でだんだん腐って来て、崩壊の火種が散乱しているのかと危惧してしまったのですが、国の上から下まで清濁偏らずにバランスの取れた形で安定していて、ちょっと感心したくらい。それこそ、破戒王という存在を悪の象徴として祭りあげて、相対的に現政権を正義と位置づけて基盤を安定させる、その必要がないくらいにしっかりと国政がなされてるようなんですよね。でなければ、まずウルズナが選んだ道に国の連中は率先して乗ったでしょうし。まあ、それに乗らなきゃいけないほど基盤がユルユルなら、それこそ破戒王に関連する者の存在を許す余裕なんてなさそうなので、そもそもウルズナがあの選択をするかどうかが怪しいのだけれど。彼が、平和という今まで経験したことのなかったモノの価値を感じたからこそ、あの選択をしようとしたわけですしね。果たして、都合の悪いものは全部消してしまおうとするような、エゴと権力欲剥き出しの乱雑さによって保たれようとしている平和では、かつて彼が生きてきた時代との差異を、あんまり感じ取れなかっただろうし。
とにもかくにも、なんやかんやで平和を築き上げてきた苦労人さんの苦労は、平和になる前の悲惨な時代や戦争当時そのものに直面してなお揺るがないほど、きちんと報われていたんだよ、というようなお話。
あと、ちゃんと婚期は気にしてあげないと、今度はトップからぶっ飛びかねない気がします。ストレス相当溜まってるみたいだし。バトル脳は、恋愛脳でイチャイチャしとけばそれなりに落ち着くと思うんだ。

色々と設定も敷き詰めて、過去から現在、脇を固めるキャラクターにもちゃんと歴史や事情を込めて描いている作品ではありましたけれど、微妙にこう……隙間が散見される、という印象から逃れられないんですよね。このへん難しいところなんだけれど、多彩な情報に密度と繋がりが少なくて、その分隙間が多い中途半端な感じになってしまっていたのが、ちょともったいなかったかな。まあこの辺りのバランス感覚は、経験次第でしょうし、話のコンセプトは面白かったです。ただこれ、続けるとそれはそれで次、どういう方向の話にするか難しい気がするぞ。

氷結鏡界のエデン 13.楽園現奏―エデン・コード―3   

氷結鏡界のエデン13 楽園現奏―エデン・コード― (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 13.楽園現奏―エデン・コード―】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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「第七真音律は、すべての魔笛を消滅させる鍵。だけど…」
穢歌の庭で向き合うふたりの少女。ひとりは皇姫の後継者として、祈りを詠う使命を帯びて。ひとりは愛する人を救うため、世界を敵に回して。同じ想いを抱いたはずの鏡を介した実像と虚像。そして、第七真音律を帯びた少年、シェルティスは穢歌の庭を進む。最愛の人を守るという想いを叶えるため―浮遊大陸で希望を胸に抗う者たち、穢歌の庭より悲哀の遠吠えをあげる獣たち、その戦い。魔笛を宿した少年、沁力を持つ少女、ふれ合うことのできないふたりの約束。すべての願いと戦い、決意と希望が交錯する、重層世界ファンタジー、終曲!
これ、ちょっとイグニドがカワイソすぎるじゃないですか。これで本当にシェルティス以外眼中にないくらい病み狂っていたならまだしも、双子に接する愛情といい、何だかんだと知り合いには情を傾けてしまうところといい、目からハイライトが消えているとは思えないくらい元の優しい彼女を保っていたわけですし。彼女が本当に負の感情を抱いていたのは、ユミィだけだったのですから。そのユミィに対してさえ、ある意味必要ないくらい公平に勝負してしまうあたり、この娘の根本は何も変わっていなかったのがわかります。彼女とユミィの違いって本当に置かれてしまった立場だけなんですよね。
イグニドって、結構嫌らしい事も仕掛けてきて決していい印象のモテる相手ではなかったんですけれど、その心情を見てしまうとなあ。本当ならもっと小狡い策もとれたでしょうに。彼女にとって優先するべきは自分ではなく、あくまでシェルティスだったことが痛感させられます。
その献身は無駄にはならなかったけれど、シェルティスにとってユミィは一人である以上、彼女が報われる事はなかったのです。彼女もまたユミィその人であることを思うと、これは本当に切ない。幸いにして、彼女が孤独なまま打ち捨てられる事はなく、新たな家族ともいうべき異篇卿の面々が寄り添ってくれることになるのですが……。うん、異篇卿って一つの目的に向かって強くまとまってはいたけれど、そんな家族的集団には見えなかっただけに、イグニドのために世界を越えて駆けつけてくれたのには、ちょっと感動してしまった。良かったね、ユミエル。
虚像と実像。氷の向こうの鏡界面。鏡合わせの隔たり。ユミィとイグニドの関係はその一つの象徴でありましたけれど、穢歌の庭という場所、そしてセラというすべての元凶となった少女の存在、その想いの形もまた、鏡合わせであるが故の哀しいすれ違いであったことが、その最深部にてシェルティスは目の当たりにする事になります。エルベルト共鳴の真実、そして禁断水晶が託した本当の願いも。世界を滅ぼすに至った根源のどこにも悪意はなく、幽玄種の人類に対する敵意もまた、純然たる正方向の怒りであったのです。
幼女を泣かすとか、絶対許さん!
とか思ってたかどうかは知りませんけどっ。

第七真音律と第七天音律、最初から真実はここにあったわけだ。

今回は総力戦ということで、ようやくというべきかやっとというべきか、第一位の巫女と千年獅が顔見せしてくれました。……巫女が銃火器持って暴れるとか、なんか違うんですけどミカエルさん!
こ、このロボ子、まさか千年もの間、凪にメンテしてもらうの待ってたのか。そんなに全身弄んで欲しかったのか。ってか、さすがに壊れるでしょうに、それ。健気を通り越して若干アホに見えるのは相変わらずか、この赤髪。
あと、ユメルダ先生はさすがに千年前の当人とは違ったか。右流の家名は同じなので、モロに血族ではあるんだろうけど。
驚くべきは、かなりダイレクトに【黄昏色の詠使い】の世界と繋がったことですか。正直、シャオやアマリリスみたいな上位存在を介してしかつながらないと思っていただけに、まさかこうも直結するとは。ってか、カインスさん、あんたまだイヴ探してるの? なんつーか、執念だよなあ。そのうち、人間辞めても探してそうだけれど。
どうやらこれ、最終的にあらゆるシリーズをひとまとめにした集大成的なお話が待ってそうだな。
その前に、まずは次のシリーズ。ネクサスにまつわる話がはじまるようなのですが、そうなるとツァリが今度は本格的に話に絡んでくる事になるのか。彼女については、こちらの世界は旅の途中、みたいな様子でしたし。なんとなく、エリエ込みで次のシリーズにも登場してきそうな予感。
あと、個人的には凪とサラの再会はちゃんと描いて欲しかったなあ。こっちではずっと固いまんまだった皇姫さまが、盛大に壊れる様子を見てみたかった。
逆に満を持して見ることが出来た光景こそ、シェルティスとユミィが触れ合うシーンでしょう。まさに、これを見るための物語だったのですから。感無量。
でも、余韻に浸る間もなく次に移行できるのは、これはこれで心地良いものです。次のシリーズにも大いに心踊らせたいものです。楽しみ楽しみ。

シリーズ感想


氷結鏡界のエデン 12.浮遊大陸-オービエ・クレア-3   

氷結鏡界のエデン12  浮遊大陸-オービエ・クレア- (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 12.浮遊大陸-オービエ・クレア-】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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氷結鏡界が音を立ててきしむ。結界の鍵を異篇卿イグニドに奪われ、幽幻種侵攻は時間の問題だった。皇姫サラが下した決断、それは精鋭による異篇卿追撃戦と、護士たちの総力を挙げての浮遊大陸防衛戦。サラに率いられ、巫女、千年獅、そしてシェルティス、ユミィがイグニドを追う。だが“楽園幻想”を成就させんとする異篇卿が、真の力を解散し、行く手を阻む。
「…レオンは一番強いから。誰にも負けない…から」穢歌の庭で対峙する、千年獅レオンと異篇卿アルマデル。一方、浮遊大陸でも天結宮戦力と幽幻種の撃戦が幕を開けて―氷結鏡界か楽園幻想か。重層世界ファンタジー、最終局面!
紗沙さん、貴女本気でババ臭くなってますよ? 説教臭くなってるわ、涙もろくなってるわ、言動がいちいち年寄り臭くなってしまってる。さっさと少女分を回復しないと、あれと再会した時大変ですよっと。
さあ、ついについに<イリス覚醒!> これを<邪神(イリス)覚醒>にすると程よくガメラ3になります。さすがにイリスも邪神さまと呼ばれるほどケバケバしい存在ではなく、ただの駄メイドなので良かったです。いや、よくはないか。駄メイドが復活したところで意味無いものなあ。目下のところ必要とされるのは、不完全神性機関としてのイリス。かつて数千・数万の幽幻種と渡り合った伝説の存在が今、復活する。というところで、結界の崩壊に寄って圧倒的な幽幻種による数の暴力に吹き飛ばされそうなときに、機神としての彼女の復活は文字通り希望の光り。主力である巫女と千年獅たちが総力戦でエデンに向かったとなると、浮遊大陸の方はもうからっけつと言ってイイ状態ですしね。いかな、ジルシュヴェッサーたるイシュタルが残っているとはいえ、戦力を欠くのは揺るがぬ事実。ここにイリスが復活というのは非常に大きな戦力補強になるのではないかと。エデン開放しました、しかし浮遊大陸全滅してました、じゃ話にならないものなあ。
もっとも、イリスに限らず秘戦力はわりと残っている模様ですけれど。あの謎の店長含めて。機神に関してもわりと千年前から十全戦力残っているんじゃないか、という節もありますし。この期に及んで、第一位の巫女と千年獅が重役出勤なのはちょっと勿体ぶりすぎだと思いますけどねっ! この分だと、エデンか浮遊大陸かどっちに現れるんだかわかんないなあ。イリスも、てっきりエデン投入だと思ってたんだけれど、果たして浮遊大陸を守り切ってそっちまで行けるかどうか。でも、行かないとナギと再会できないじゃないかっ!

今回は、いうなれば異篇卿との決着戦。ただ、本当の意味で『重界計画』に拘っている人がいないものだから、紗沙のエデン浄化に対向する信念とか指導力というものが足りなかった気がする。単に、個々の相手との因縁をぶつけあうのが目的、みたいな感じでしたし。だもんで、対決する相手と真っ向からぶつかり合ってそれで概ね満足しちゃってるんですよね。それはそれで構わないといえば構わないんですけれど。その中で唯一、こだわりが強かったのがマハさんですか。彼女自身の過去や事情を鑑みれば、彼女の決意や覚悟の深さは知れますし。でも、ゼアドールさん、そんな人を泣かせてたらあかんですよ。ぶっちゃけ、漢気ならあんたがぶっちぎりで一番なんですから。
ところで、黒猫さんは毎度毎度一番ひどい怪我を負っている気がするんだけれど、もうちょっと優しくしてあげてくださいw

ユミィやシェルティス、そしてイグニドについては最後に回したか、今回は殆ど出番なし。最終回に、全ての因縁が紐解かれることになるのでしょう。意外と秘密も引っ張ったなあ。

シリーズ感想

不完全神性機関イリス 5.154cmの花嫁機関3   

不完全神性機関イリス5    154cmの花嫁機関 (富士見ファンタジア文庫)

【不完全神性機関イリス 5.154cmの花嫁機関】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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俺・凪とダ家政婦・イリスが見た光景。数億…いや、それを遙かに上回る数の幽幻種の眼が放つ光により深紅に染まった空。それは俺たちと幽幻種との最後の戦いの予兆だった。俺たちは、たったひとつの希望“氷結鏡界”を完成させるまでの12時間、最後の抵抗を決意する。シィ、いいんちょ、ミカエルの活躍。機神たちの連係、チビ聖女の沁力、ツァリの超常の力。すべてがかみ合い儀式の完成は目前だった。なのに―最後に現れた“絶望”を前に、イリスは俺に言ったんだ。「もし、この戦いで生き残ることができたら…私を―」想いは千年の時を越える。人と人型機械体の物語、完結!
これは単体のシリーズとして見たら結局何が何やら分からないまま終わってしまうので、続きはウェブで、じゃないんだけれど、同作者のシリーズ【氷結鏡界のエデン】と合わせて読まない事にはどうにもならないんじゃないだろうか。ってか、千年前に何があって、現状のエデンシリーズの世界になったのかについても、具体的なことは何もわからないまま終わってしまったわけで。
他にも、紫苑やミカエルがどうなったのか、とか、剣帝ヘケト・マグナはここからどうやってエデンシリーズのあれになったのか、とか、ある程度経緯を知りたかった事も殆どエデンに持ち越しになっちゃったからなあ。実のところ、最終巻というにはかなりスッキリしない終わり方になっている。
しかし、紗沙がエデンシリーズで凪の無事を知った時のあの安堵の様子には納得しました。そりゃあ、あの状況下で生死不明になってたら、心配するどころじゃないですもんね。ある意味これ、イリスよりもよっぽど辛い千年だったんじゃないだろうか。よくぞまあ心折れないまま、氷結鏡界を耐えながら維持できたものですよ。でも、マグナがあそこから戻ってきているということは、凪が死んでないって事だけは伝わってたと考えるべきだから、そこを拠り所にして踏ん張ってたのか。
というか、最初から好感度マックスのイリスはこれ以上あがらないからいつも通りと言えばいつもどおりだったんだけれど、サラの方がむしろ一杯一杯の状況で感極まってか思いっきり心情をダダ漏れにさせてて、こっちの方が感情移入しちゃったなあ。
ミカエルも絶望的な状況を前に随分と自分の気持に素直になっていましたけれど、コチラは紫苑というぶつかって気持ちの面でも決着を付ける相手が居ましたし、取り残される感ではサラの方が強かったんじゃないかと。
本当の意味で取り残されてしまったのは、ヨミなんですけどね。何だかんだと千年後まで存在し続けてる他のメンツと違って、彼女だけは人間としての時間を全うする他なかったわけで。特に凪とは別れの言葉らしい言葉もなく、あれが今生の別れとなってしまったわけですから、皆が居なくなってしまったあとの彼女の思いは想像するだに切ないです。
逆に意外だったのが、いいんちょとシァで。この二人もヨミと同じ立場になるのかと思ってたら、まさかまさかの流れでしたからね。なんちゅうか、思いの外しぶとい!!

ともあれ、結局物語の結末はエデンの方を待たないと有耶無耶のまま、ということになってしまいましたので、あとは怒涛のエデン完結に向けての流れを待つ他ありません。幸い、もうすぐに出るみたいですから、首は長くする必要なさそうですけれど。

シリーズ感想

不完全神性機関イリス 4.勝率0.08パーセントの戦女神3   

不完全神性機関イリス4    勝率0.08パーセントの戦女神 (富士見ファンタジア文庫)

【不完全神性機関イリス 4.勝率0.08パーセントの戦女神】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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自らの意志で人類を裏切り、幽幻種を率いる人型機械体・剣帝ヘケト。奴との戦いで俺・凪は、いま…入院していた。ダ家政婦・イリスの献身的な看護(本人曰く「完全看護士機関イリスです!」)の甲斐もあって右腕の治りは順調だが、剣帝の襲撃で紗砂とヨミ先輩は深手を負い入院。俺たちの計画“プロジェクト・エデン”は遅れることになってしまった。すぐにでも退院して剣帝と再戦、といきたいところなのだが―。「あなたのデータ採取を剣帝から依頼されました」お前、剣帝側についていたのかよ!?意外な人物から語られるヘケトの計画とは?楽園へと続く最終局面、いま始まる!
表紙のサラの、いかにも偉そうだけど小娘! って感じが実に素晴らしいなあ。実際、怪我してあんまり動けなかった今回は概ねイリスと同レベルのネタキャラとしてしか活動していなかったような。いいのかそれで、皇妃さま!! 氷結鏡界のエデンの方のサラが、周りから神聖不可侵といったイメージで抱かれているのを知っているだけに、その正体のグダグダ感は思わず笑ってしまう。まあもっともこの時代でもサラはちゃんと猫被ってるから本性知っているのは此処に出ているメンツくらいなのだけれど、いずれ氷結鏡界のエデンでもあの「皇妃サラ」様の本性が露呈してみんなが唖然とする姿を見てみたいよなあ。何しろ、あのメイメルよりも相当に「アレ」なわけだし。
というわけで、今回の主役はイリスやサラではなく、むしろミカエルであり紫苑であったと言えましょう。このサブタイトルからして、ミカエルの事ですしね。機神となった紫苑と、ただの軍用機械兵士であるミカエルとの戦力差は1250倍。相対した時の勝率はすなわち0.08%。
やはりというべきかなんというか、ミカエルってやっぱりそれなりに特別製だったわけだ。最初に彼女が出てきた時は、一般の軍用機械兵士はみんなこんなに人間味あふれたものなのか、と結構仰天したんですが、そうだよなあ、みんなここまで人間っぽくあるはずないよなあ。
改めてミカエルの口から彼女の名前がミカエル・ユーティア・ラスカであることが明らかにされて、どうやら【氷結鏡界のエデン】で名前だけ出ている第一位の赤毛の巫女「エルミーティア・遊・ラスカ」との共通性が確定的になったようで。実のところ、ただの軍用機械兵士であった彼女がどうやって「それ」になったのかだけが疑問符のつくところだったのですが、今回の機神・紫苑との因縁や彼女が実際には禁断水晶に認められ祝福を受けるはずだった存在であり、ナザリエルというツァリと同じくネクサスと関わり深い別世界の人間が紫苑と対に特別に作り上げた人型機械体であり、という至るに足る「要素」は揃ってたわけで、それが此処に来て一気に表に出てきた感がある。どうやら、凪の手によってミカエルも色々な意味で作り変えられちゃうような気配が。ミカエルの全身メンテってまたエロいな! いや、何よりミカエルが思いっきり親が居ない彼氏の家にお邪魔する的な覚悟でその気になっているあたりが特に。

でも、イリスが居ますからw

此処に来て、機神たちの一斉反乱。話を聞いていると幽幻種に味方した、というよりも人型機械体への帝国をハジメとした人間たちの不当で残虐な扱いに対する反抗、という意味合いが強いようで、確かに現状でも退役した人型機械体には人間に準じた人権が与えられている中で、使い捨ての人体実験に等しい扱いを受けていたら、そりゃあ人間不信にもなるわなあ。ヘケトが複雑なのは、彼にはヨミという信じ抜くに足る親ともいうべき人間が居たにも関わらず、反乱に踏み切ってしまったところにあるのでしょう。凪が大雑把なところのある分、このイリス・シリーズではこのヘケトが一番精神的に繊細なんじゃないかとすら思えてくる。その点、凪はもうこの時点でブレなく一本筋通して胸張ってる主人公だけに、実に頼もしい。
あっちの主人公のシェルティスと違って、そんなに特別腕だって立たないのに、というか弱いのに、色々とイリスとつながっている特典があるとはいえ、堂々とした小細工で剣帝と真っ向から渡り合えるんだから、強かさという意味ではエデンシリーズと合わせてもかなり屈指のしぶとさを持ったキャラなんですよね。
しかし、世界の破滅は刻一刻どころか、加速を初めもはや猶予は幾分もなし。プロジェクト・エデンは予定を繰り上げ開始されることになる。【氷結鏡界のエデン】シリーズに繋がるための千年紀のはじまり。
イリスサイドは残り一巻。はやく、クライマックスの【氷結鏡界のエデン】再開のためにも、10月だという最終巻が楽しみです。

シリーズ感想

氷結鏡界のエデン 11.最終双剣‐ユミエル・ノイズ‐3   

氷結鏡界のエデン11  最終双剣‐ユミエル・ノイズ‐ (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 11.最終双剣‐ユミエル・ノイズ‐】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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天結宮に突如として出現した幽幻種の群れ。護士が、巫女が、千年獅が、そして皇姫自らが戦線に立つという総力戦のさなか、奇妙な情報が走る―巫女ユミィが“ふたり”いる!?戦場にありがちな、ただの情報の錯綜なのか、それとも…。真偽を確かめるべく、塔を駆け上がるシェルティス。だが、時を同じくして、浮遊大陸全土に“何か”が重くきしむ音が響き渡り、不気味な振動が塔をゆらす。塔の最上階、シェルティスの前に立つ異篇卿イグニドは驚くべき事実を告げる。「氷結鏡界を維持する鍵、今それは私の手の中にあります」あるべき世界を選択する、重層世界ファンタジー。
サラ様、サラ様、本性が出てます、もろに出てしまってます! あーた、結局凪のことは最後まで駄犬呼ばわりだったのね。少なくともシェルティスから聞くまで凪がエデンで生存している事は知らなかったようなので、このシーンはけっこう感動的なシーンのはずですし当人も驚愕と歓喜が極まったような状態だったはずなのですが、その口からこぼれた名前が素で「駄犬」だったことで色々と帳消し。紗沙さん、せめて思わず名前をこぼしてしまうような場面では、凪って呼んであげてください。
千年間も皇姫として苦労し続けたことで精神面でも老成してしまったか、すり減ってしまったかと多少心配になっていましたが、本性は相変わらずひねた口の悪い小娘だったことに微妙に安心してしまいました。現代の人たちにとっては悪夢みたいな事実なだけに、むしろサラ様の本性見たりと暴露してしまって阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられた方が面白いっちゃあ面白いだけに、いつか全部台無しにしてほしいなあ。伝説として伝えられる機神イリスの目も当てられない真実もセットでお願いします。
というわけで、もう一つのスピンオフシリーズ【不完全神性機関イリス】の舞台である千年前の出来事、あの時代がどのように今につながるか、あの作品の結末を薄っすらと伺わせる内容が続出するとともに、千年前からの生き残りと思しき人物も次々と登場してくるというクライマックス間際らしい伏線回収直前準備期間、みたいな流れに。これまで未登場だった千年獅の第一位もついに登場……って、この人って完全にあの人じゃないですか。イリスに出てきたあの人と、シェルティスの双剣繋がりって何なんだろうと思ってたんですが、千年獅の第一位がシェルティスの師匠だったとかいう話、これまでにも出てましたっけ? まったく記憶に引っかかってなかったんですが。さらに、統制庁の方でも紫苑と名乗る女性が登場。イリスの第三巻を読んだ人ならお馴染みの、と言いたいところなのですが全然性格というか様子が一変してるんですよね、この人。千年獅第一位もそうだったのですが、イリスのラストではよっぽどの事があったのが伺えます。彼女が残っていて、ミカエルの姿がないのも何ともはや。サラが語った千年前の写真の五人の仲間の中にはミカエルは居なかったですし。でも、第一位の巫女が赤髪だったりするそうなので、んんんん??
一方で、やっぱりというべきかなんというか、ヨミとエリエはほぼ完璧に相似形らしく、性格だけじゃなくて見た目も瓜二つなのか。生まれ変わりなんて、と言いたいところだけれどこの世界観はあながちそういうケースも否定しきれんからなあ。
どうやら、異篇卿たちもその幾人かが千年前から継続している人たちらしく、彼らの計画、目的もまた千年前から続く世界の救済計画の執行であることが明らかになってくる。彼らの計画も厳密に言うと現状のエデン浄化計画とは決定的にたもとをわかっているわけじゃないんですよね。両立できるものではないものの、決してお互いを全否定するものではない。ただ、現状紗沙の維持していた結界が限界を迎えつつある以上、何らかの手を打たないといけないところまで世界は来てしまっている。その中で、確かに彼らの計画は選択肢の中に数えられるものなのだ。選択肢はおおよそ3つ。異篇卿たちの計画によってエデンを隔離するか、サラのあとをユミィが引き継ぎさらに数百年浄化を続けるか、それともシェルティスがエデンを消滅させるか。そのどれもが、無視できない犠牲を必要としている以上、どれが正解ということはないんですよね。ただ、後々世界を鑑みてのリスクを鑑みるならば、一番安全なのはシェルティスの方法である事はまず間違いないわけで、イグニドこと真・ユミィが必死に手段を選ばずシェルティスがその選択を選ばないように立ち回っているのもわからなくはないんですよね。シェルティスなら、最終的にどうしてもその道を選んでしまいかねないですし。
いずれにしても、モニカ先輩、お腹出してだらしなく寝こけてる場合じゃないですよ。あーた、完全にヒロインから脱落してるじゃないですか、その格好(笑
異篇卿の方でもマハさんが、自室を大改造してゼアドール様激ラブ部屋というおよそ余人の立ち入れない魔境にしてしまっているようで、あなたも色々と自重してくださいw

どうやら本編はひとまず置いて、さきにイリスの方を片付ける模様。ネタバレ的にも先にイリスの方を片付けておかないと順番的にマズイでしょうし。そのあとに、満を持してイリス復活、と相成りそう。でも、イリスが肉体を持つと今よりスペックダウンしそうで不安なんだよなあ。ボディが戻ると必然的に駄メイド復活! になりそうだしw

シリーズ感想

不完全神性機関イリス 3.三大世界の反逆者3   

不完全神性機関イリス3  三大世界の反逆者 (富士見ファンタジア文庫)

【不完全神性機関イリス 3.三大世界の反逆者】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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人類による幽幻種への生存闘争。その旗頭を決める覇権戦争の帝国代表に選ばれたのは、宝条軍学校に通う貧乏学生の俺・凪だった。もちろん、俺個人の力が評価されたわけではなく、うちのダ家政婦にして帝国の切り札イリスとコンビでの選出だ。覇権戦争の舞台・凱旋都市エンジュで、俺はイリスの製作者であるヨミ先輩と再会する。ヨミ先輩とチビ聖女・紗砂、そして武宮唐那国のツァリが、覇権戦争そっちのけで進めていた企み“エデン・プロジェクト”。計画に誘われる俺とイリスだが、「幽幻種の反応を観測。敵個体数一五〇〇から二〇〇〇」答えを決める間もなく、幽幻種の襲撃が始まり―。

このシリーズのセカンドヒロインは紗沙だと思ってたんだけれど、あっさりミカエルとシィに持ってかれました、ご愁傷様です。その表紙ゲットしたミカエルだけれど、やっぱりどうやら普通の人型機械体ではない様子。そうだよね、幾ら人型機械体が優秀だからって、イリスと殆ど変わらないほど人間と同等……ってか、他の人間とメンタルがさして変わらないというか区別がつかないぐらいに精巧なのはちょっと違和感あったんですよ。あくまで人型機械体って兵器であって、ニンゲンと同じような心を持ってる存在として造られているような背景は感じなかったので。それでも、これまで具体的に他の人型機械体や機神が出て来なかったものですから、もしかしたらこういうものなのか、とも思っていたのですが、紫苑と呼ばれる機神が出てきたことでミカエルの違和感が余計に募ることに。紫苑は一応禁断水晶の加護を受けたイリスと同じ機神にも関わらず、その様子はまるっきり機械っぽくて人間味がないんですよね。人間味がない、とまで言ってしまうには反応に不気味さや意味深なところがあるのですが、それでもイリスやミカエルと比べると非常に機械っぽい。
その紫苑とミカエルにはどうやら戦場で因縁やら関係があったらしく、相互間で微妙な緊張感が漂っている。これって状況から予測して、ミカエルの方が機神だったりするんじゃないの?
何気に事故でとは言え、キスまでしちゃっているあたり、一番ヒロインしているのはこの子だったりするんだろうか。微妙に嫌なフラグが立った、という気もするんですけれど。

さて、物語は人類圏に残っている三大国が合同で行う覇権戦争の開幕に至ったわけだけれど……まあ人類が滅びようとしている時に勢力争いしている場合じゃないだろう、という意見も全くそのとおりだとは思うのだけれど、三大国がバラバラに戦っているというのもただでさえ少ない余力を無駄に消費している事に繋がるのは間違いなく、だからといって協力してあたるにしても主導権をどこが握るかというのは決めておかないと船頭多くして船山に登るや小田原評定になってしまい、余計に混乱を招きかねない、その為に旗頭を決めよう、という方針自体はそこまでおかしい事じゃあないと思うんだけれど……普通は武闘会みたいなんで決められるようなもんじゃないよなあ。ってか、どう考えてもイリスも紗沙もツァリも能力が戦略級すぎて、まともに戦ったら都市ごと吹き飛びそうな気がするんだが、覇権戦争の舞台となった凱旋都市エンジュはそのあたりの危険性をどう考えてたんだろうw 
まあ武宮唐那国だけは、武闘会ってお似合いな感じはするけれど、ここの連中、話を聞いてるとクンフーが高まりすぎててもはやニンゲンを逸脱してるんですが(笑
おかしい、話半分に聞いても凪やシィたちと同じ人間とは思えないんですが。どこのドラゴンボールのZ戦士たちだよw 一応、ここの武人たちがのちのエデンの千年獅や護士たちの前身だというのはわかるんだけれど、それでも能力はこの頃の武宮唐那国の連中のほうが桁違いな気がするぞ。
そんなバケモノ集団の最強に立つという謎の存在、ツァリ。この頃の姉ちゃんはどういう人間だったんだろう、と紗沙のアレっぷりもあってか非常に楽しみではあったんだが、ツァリ、あんたこの時代から既にそういう存在だったんかいw
いや、昔のあなたはお淑やかで引っ込み思案でした、なんて想像するほうが間違ってるんだけれどさ……千年経ってもまるで変わってないというのもアレだよね。というか、こいつの主人格ってむしろユトの方なんじゃないかと疑いたくなる。そもそも、コイツの正体はいったい何なんだ? あんな幼女と美女を自在に使い分けるとか、普通だろうと異常だろうと特別だろうと、人間じゃないだろう。幾らぶっ飛んだ存在だとはいえ、此処に至るまではツァリは武宮唐那国の出身者なんだと思ってたんだが、どうも表に出た話からすると異世界からの異邦人……それも、世界観設定の中で幾度か名前が出たというネクサスに関わりを持つ存在、なのか?
ともあれ、覇権戦争の裏で動く思惑の中には、帝国上層部のように人類に仇なすかのような怪しい動きもありーの、そして紗沙たちが中心になって動いているプロジェクトありーの、と真実誰も武闘会なんかそっちのけというご様子。しかし、最初からツァリと紗沙は兎も角として、イリスの製作者まで一緒になって組んで動いていたとは予想外。しかも、どうやら彼女たちの個人的な動きではなく、結構帝国を除いた上層部も関わっているあたり、エデン・プロジェクトも決して少数独断によって動いていたんじゃないのか。

そして、幽幻種の襲撃によって覇権戦争は結局中止され、イリスたちの元には最強にして最悪の裏切り者最強の機神【剣帝】ヘケト・マグナが襲来する。って、マグナってどういうこと? 本編のシェルティスのミドルネームと一緒じゃないですか。しかも、魔笛を宿した双剣使いって……。
イリスを制作したヨミ博士も、これヨミ・レッセントって本編の天才工学士のエリエ・レッセントと名前一緒なんですよね。こっちも果たして、子孫なんていうちょろい関連性なのか怪しい感じ。エリエの天才性ってちょい異常な側面もあるしなあ。

細音啓作品感想

氷結鏡界のエデン 10.黄昏讃歌‐オラトリオ・イヴ‐3   

氷結鏡界のエデン10  黄昏讃歌‐オラトリオ・イヴ‐ (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 10.黄昏讃歌‐オラトリオ・イヴ‐】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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虚空に穿たれた小さな亀裂。それは幽幻種を穢歌の庭へと還すために開かれた扉だった。その身に宿す魔笛が呼応し引き寄せられるシェルティスと、彼を救うべく手をさしのべた天結宮の巫女ユミィは穢歌の庭へと堕ちてゆく。彼の地にみちる濃密なる魔笛と夢数の幽幻種たち。その先にあるものは―「あなた次第です。このままでは二人が浮遊大陸に戻ってくる可能性はゼロなのだから」異篇卿イグニドがモニカたちに語る、穢歌の庭に堕ちたシェルティスとユミィを待ち受ける運命とは―強き決意が奇跡へと昇華する、重層世界ファンタジー。
これまで、それとなく共通の単語を用いて関連性を示唆するだけだった、作者の前シリーズ【黄昏色の詠使い】。そして千年前の過去編という扱いだった【不完全神性機関イリス】。この両作品がこの十巻で【氷結鏡界のエデン】とガチンコで繋がったぁ!!
それはもう、分離していたマシンが合体して巨大ロボットにでもなったような勢いで。まさか、ここまでダイレクトに直結してくるとは、大胆過ぎるくらいですよ。アマデウスなんか、自ら「アーマ」と名乗ったくらいだもんなあ。実際にネイトやカインツの名前が出てくるし、アマリリスやシャオが出てきた以上、世界そのものは違っていても世界観そのものは共通していると考えてもいいのでしょう。何しろ、黄昏色の詠使いという作品からして別の世界の扉を開けて繋ぐような話でしたしね。セラの楽園というキーワードを通じて、あまたある世界を繋ぐ。その中に黄昏色の詠使いの世界やこの氷結鏡界のエデンの世界を当てはめて、ひとつの大きなグランドデザインの存在を見せつけてきた感じだ。実際、一気に広がった感のある世界観に、ややも圧倒感を感じている。
さらに、横の広がりのみならず、縦の深さとも言うべき過去との繋がりを一緒に持ってきたのは贅沢というか戦力の集中というべきか。
まさか、穢歌の庭の底にこんな世界が広がっていたとは。ある意味、千年前のイリスや紗砂、そして凪たちはきっちり役割を果たしていたんですね。なまじ、今のこの浮遊大陸を取り巻く状況という現在を知っているだけに、千年前の過去において彼らは為す術なく殆どを滅ぼされ、絶望的な撤退戦の末にようやくこれだけの生存権を確保して、細々と命を繋いできたのか、という想像を消しきれなかったのだけれど、凪たちは敗北したのではなく、ちゃんと勝利を残してここまでたどり着いてきたんだな。
私は過去の【不完全神性機関イリス】とこの【氷結鏡界のエデン】は、一種の断絶を経ているのだと思っていた。このイリスの物語は、一度終りを迎えてしまっていたのだと思っていました。でも、違ったようです。彼らはこの千年、何も終わらせずに見事にここまで世界も物語も生かしたまま繋いできたんだ、というのがシェルティスが穢歌の庭の底で出会った人物を目の当たりにした時に実感したんですよね。何も終わってなんかいなかった。今もなお、続いていたんだ。なんか、感動してしまったと同時に、千年という悠久の時間の流れをようやく実感したような感覚。
その未来への希望のバトンを受け取るべき、シェルティスとユフィは、だけれどまたこれ……きっつい話やで。世界の行く末への絶望を、個々の想いを昇華しての希望によって覆そうとしていた物語が、この瞬間まったく反転してしまったのですから。終わる世界の救世は、個々の絶望によってのみ成し遂げられる、と。

事此処に至ってしまうと、シェルティスとユフィの二人ではどうにも二進も三進も行かない状況になってしまったと言えるので、その意味ではこっから周りの助けがどれだけ食い込めるか、って所になるのかなあ。その意味では、彼女の復活フラグは非常に大きいものかもしれない。なんかいろいろな意味で最強無敵だったエリエが、本格的に重要なキーキャラになってきたなあ。
あと、紗砂さん。本編初登場でしたが、イリスで見せていた本性というか凶暴性は今のところ伏せられているようで、何よりですw 巫女さんたちの発言から、三十ぐらいまで成長してたのかと思ってたけれど、少女体のままだったのか。熟女紗砂も悪くはなかったんだが。

色々と切羽詰まって暗い雰囲気になってきたなかで、独りだけマハさんが春真っ盛りです(笑

細音啓作品感想

不完全神性機関イリス 2.100億の時めぐる聖女3   

不完全神性機関イリス2  100億の時めぐる聖女 (富士見ファンタジア文庫)

【不完全神性機関イリス 2.100億の時めぐる聖女】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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『イリスを私に預けなさい。結局、あなたが不完全神性機関を支えることはできない。できるのは世界で私しかいないのよ』宝条軍学校の傭兵科に通う貧乏生徒の俺・凪は、機械工学科への転科に悩む機械マニアだ。夏休み前の定期テストをどうにか乗り切った俺は、クラスの連中に誘われて強制的に海に行くことになってしまう(もちろんダメ家政婦のイリスも一緒だ)。海を満喫していた俺たちは、サラと名乗る一人の少女と出会う。みんなに可愛がられるサラだったが、俺と二人きりになった途端、「黙りなさい、愚民」と本性を現して―。イリスを手に入れようとする少女の正体、そして真の目的とは!?
ちょっ、本性! 本性!!(爆笑
果たしてこれが若気の至りの黒歴史なのか、1000年経っても実は変わっていない地金なのか判断が難しいところだけれど、イリスといいサラといい、いささかぽんこつ過ぎないかね?(笑
いや、これで【エデン】の方でサラ様がこの愚民どもがーーっ、などと言い出したら腹抱えて笑いますけどね。一巻で垣間見せた酷薄そうな側面だけでも、エデンのサラと印象かなり違っててインパクト強かったのに、実際に意気揚々と偉そうに登場したはいいものの、端から端まで誤算続きで「こんなはずじゃなかったのにっ」と地団駄ばかり踏んでいる微妙に残念キャラとか……皇姫さまの威厳が、威光のヴェールがどんどんズタボロになっていく。あかん、これもうエデン本編でサラがすまし顔で出てきたら、それだけで思わず生温かい笑を浮かべてしまいそうだ。へっへっへっ、こちとらあんたの若いころのみっともない姿知ってるんだぜ〜、と何かあると昔のことを引き合いに出してくる要らない事ばかり知ってる親戚のオバちゃん気分である。
イリスといいサラといいこんな調子なら、あとの残る希望はツァリだけだ。彼女についてはこの頃から色々と強かで飄々とした得体のしれないぬるっとしたキャラクターらしいのは仄めかされているので、希望は持てるんだけれど、サラも前巻で強面になって気合入れてたくせにこれだったからなあ。1000年前はツァリも天然ボケとかだったとかなら泣くぞw
というわけで、ひたすらにコツコツと千年前の重要人物たちにフラグを立てて回っている凪少年。正直、彼個人については何の特殊性もないのかと思ってたら、ちゃんとあったんだ。しかも、ボケツッコミ対応型という実践においては鉄壁にして夫婦漫才に対してはザルも同然、という絶妙なのか微妙なのか意味不明な実用結界を、イリスの洗礼を通じてゲットしていた模様。これで、イリスを後ろから応援するだけじゃなくて一応自分が前に出て肩を並べられる様式は整っていたわけか。
この流れだと、ツァリともフラグを立てそうな勢いなんだけれど……彼については千年後まで足跡が残ってないんですよね。結末的に悲恋だか別離だかが必然として用意されていそうなのがどうもテンションをあげきれない要因になっている。そも、バッドエンドの結果こそが【氷結鏡界のエデン】の世界なわけですしねえ。
何にせよ、あのツァリのデレが見れるのであればたとえバッドエンドでも本望なりっ。そこは期待したい、期待させて♪

1巻感想

氷結鏡界のエデン 9.決戦限界 アマリリス・コーラス3   

氷結鏡界のエデン9 決戦限界‐アマリリス・コーラス‐ (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 9.決戦限界 アマリリス・コーラス】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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「単純この上ない二択です。このまま穢歌の庭の扉が開ききって浮遊大陸が滅亡するのを待つか、それとも、ありとあらゆる犠牲を覚悟のうえでセラの虚像と戦うか」氷結鏡界を突破した三体の強力な幽幻種―『セラの虚像』。天結宮を追放されたシェルティスの前に現れた異篇卿イグニドは、セラの虚像を一緒に倒そうとシェルティスに提案を持ちかける。一方、天結宮では巫女のユミィが統政庁のゼアドールたちと共にセラの虚像の討伐に向かうことになり―。交錯するそれぞれの思惑、壮絶なる死闘、そして明かされるイグニドの正体―。絶望の中で少女の祈りが世界を守る、重層世界ファンタジー。

イリスさん、イリスさん。誰も貴女の過去を知らないからって、都合のイイように捏造しないの。あんた、誰がどう見ても極めつけのポンコツメイドだったじゃないですか。出来るメイドさんでした、みたいな嘘つかないのw
イリスは、なんでこんなイイ性格になっちゃったんでしょうね。昔は純朴で素直で思わず拳骨落としたくなるほどアホの子だったのに。歳月って残酷ね♪

世界の危機と相まって政治的緊張状態にあった天結宮と統政庁が協力し、さらに完全に敵対状態であった異篇卿とも共闘しての、対セラの虚像編という燃える展開に加えて、ついにイグニドの正体発覚。
という訳で、あとはネタバレ全開になるので、一応収納します。



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不完全神性機関イリス 154cmの最終兵器3   

不完全神性機関イリス  154cmの最終兵器 (富士見ファンタジア文庫)

【不完全神性機関イリス 154cmの最終兵器】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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世界の四分の三が死んだ世界―。宝条軍学校の傭兵科に通う貧乏生徒である俺・凪は、機械工学科への転科に悩む機械マニアだ。ある日、俺は廃材の山の中から少女の姿をした家政婦ロボを発見し、早速家で修理することに。「おはようございます凪」―そう言って目覚めた彼女・イリスは、だけど、家政婦ロボのくせに家事も何一つできないダメ家政婦で、しかもその正体は軍事用の人型機械体!?嘘だろ!?―トラブルだらけの同居生活&大暴走な学園生活。そして迫り来る正体不明の侵攻者『幽幻種』―。人類の最終兵器『神性機関』として覚醒したイリスに、世界の命運が委ねられる。
作者の長編シリーズ【氷結鏡界のエデン】のおそらくは前史にあたると思われるスピンオフの新シリーズ【不完全神性機関イリス】。エデンの主人公シェルティスの優秀な相棒にしてお茶目な相談役、場合よっては引っ掻き回すトリックスターとして活躍する機械水晶イリスが、まだ人型機械としての身体を持ち、機神として活躍していた時代を描いたお話として、えらい期待していたのです。何しろラブコメっていうじゃないですか。あの所謂『イイ性格』をしたイリスが男の子相手にラブってコメるんですよ? 散々相手を引っ掻き回し弄り倒しておきながら、時々猛烈な可愛さでデレる! そんなイリスが見られるとなりゃあ、そりゃあワクワクですよ。その上で、このシリーズが前史である以上、いずれ世界は【氷結鏡界のエデン】の世界へと至るわけで、別れは必定、そこに待ち受けているのは何らかの形での悲恋である事は間違いない。
時代を超えた壮大なラブストーリーを、あのイリスさんが主役となってやってくれるとなれば、それはもうそれはもう……。
とまあ、そんな感じで盛り上がっていたのですが、あれ? イリスさん? なんか……その、性格というか、キャラ違いません?
何やら健気で一途でひたむきで献身的で、愛くるしくて人懐っこい小動物みたいな『カワイイ性格』の女の子じゃないですか。カワが被ってますよ、カワ、カワ。カワを取り除かないと『イイ性格』にはなりませんよ?

とまあ、意外と言えば意外すぎるイリヤさんのお姿に、ややも呆気。やっぱり記憶か、記憶喪失が原因か。記憶を取り戻したら、ちゃんと『アレ』なイリヤさんになってくれるんか。それとも、これから『アレ』な性格へと成長、もしくは変貌してしまうのか。染められてしまうのか。いや、染めてくれるような『アレ』なキャラはとりあえず見当たらないので、明らかに自己進化の方向だと思われるが。
あ、いや、ここは性格面よりも、性能面に言及するべきなのか。

ポンコツだーーー!!

なんという無能w 所謂無能な働き者。不完全神性機関ってつまり、大迷惑機関、という意味だったのでしょうか。本人、悪気がないだけにたちが悪い。エデンのイリスみたいに悪気たっぷりの有能もたちが悪いが……って、どっちにしてもたちが悪いな!!
結構、彼女の大迷惑さは死活問題な気がするが、凪くんは甘いなあ。

世界観の方は、世界の四分の三が滅び去っているにも関わらず、なんとものんびりした空気。普通ならもう、日常が崩壊しているレベルのようにも思うんですけどね。氷結の方は、結界が機能していて曲がりなりにも平穏は保たれているから、というよりも閉鎖空間の中での自己サイクルが完成しているが為に、一般市民の日常も成り立っているのでしょうけれど、此方の世界では世界が滅びていく状況が現在進行形なわけで、難民流入や市民の不安感の増大に伴う治安の悪化。生存権の縮小に伴う生産体制の崩壊と物資供給の滞りなど、ちょっと考えただけでも世界は終わっちゃってるわけで、普通なら国家総動員体制だわな。のんびり学校生活送らせている余裕があるんだろうか、とちと疑問に思う。
まあ近い将来、なくなりそうだけれど。どう見ても破滅的な状況でありますし。何やらエデンの方でも見かけた重要なネームド・キャラクターの姿がチラホラ、と。さすがに教官どのは別人だろうけれど、明らかにあの二人は同一人物、というかあの人たちはエデンでも千年前から活躍していた、とちゃんと明記されているので、間違いなく当人なのだろうが……この頃のあの人とか、結構ヤバそうな性格してそうなんだが。やはり千年という月日は、それ相応に性格の門を丸くしたり、逆に棘を生やしたりとかしてしまうのか。

そして、相変わらず世界の要石にも関わらず、微妙に役立たずな禁断水晶さん出ましたーー! って、禁断水晶、既に千年前から燃料切れだったんかい!! あんた、全盛期何時だよ!! エデンでもうあかん、もう耐えきれへん、ギブギブ! と音をあげてたから、千年前はさぞブイブイ言わせてたんだろうな、と思ってたら、千年前からもうあかんねん、もうあかんねん、これ最後やからな、最後やからあんた自分で何とかしたってな、とギブアップ寸前だった件について。
いや、実際はアマリリス・ソフィネット、こんな態度じゃありませんけど、大丈夫か世界の守護者と思わざるをえない。……まあ、大丈夫じゃなかったから、エデンになっちゃうんだろうなあ、うんw

細音啓作品感想

氷結鏡界のエデン 8.悲想共鳴―クルーエル・シャウト―3   

氷結鏡界のエデン8  悲想共鳴‐クルーエル・シャウト‐ (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 8.悲想共鳴‐クルーエル・シャウト‐】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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異篇卿イグニドによって告げられた事実に混乱する天結宮。帰還したシェルティスは上層部によって身柄を拘束されてしまう。そんな中、シェルティスの過去やユミィとの関係を知ったモニカは心を閉ざしてしまい……
ヴァイエルが完全にチームのおっかさんなんだが(笑
口では不貞腐れたような事を言いながら、やってることといえば甲斐甲斐しいくらいの橋渡し役。モニカの自閉によって拗れてしまったチームの雰囲気をコマ目なケアや気配りでフォローしてまわり、ただでさえメンタル面で本調子でない面々がツマラナイことで任務に躓かないように料理などの雑事や任務の準備作業などを回して余計な部分で負担がかからないように小隊運営の管理を一手に担い、挙句にシェルティスとモニカの最終的な仲直りを強引に後押しすることで支援する。もうパーフェクトである。見た目ゴツイチンピラで不平不満しか口にしないような不良のくせに、なんでこいつこんなに縁の下の力持ち属性なんだろう(苦笑
事情に通じていたはずの華宮が、意外にもあたふたするばかりであんまり役に立たなかったのに比べて、その働きが際立っていた。華宮って頭脳労働担当だけれど、人間関係の機微とか察することは出来てもあんまり自分から手を出すとか出来なさそうだもんなあ。ヴァイエルに懐いているのは、そのあたりも関係あるのかもしれない。

ちょっと意外だったのが、シェルティスの処遇が案外甘かったところかな。てっきり、帰還と同時に危険要素として問答無用で拘束して権利や地位を剥奪してしまうのかと思っていたんだが。塔の上層部って意外とそこまで強権的な力は持ってないんだ。そもそも、シェルティスが穢れ持ちだというのは、既に上層部も前にエデンから戻ってきた時に把握してたんですよね。それを公表もせずに居住区に追放した事実は、上層部にとってもスキャンダルなのかもなあ。今回の騒動を見る限り、シェルティスを秘密裏に居住区に放逐した件は知られれば相当に非難の的にされそうですし。下手に藪をつつくと蛇が出てしまうのは上層部も一緒なのか。だとすると、現状を維持したままシェルティスが失態を犯して別件で何とか潰す、という方針をとったのは理解できなくもない。
何だかんだと巫女や千年獅にシェルティスは強力な伝手があるわけですし、政治力に長けたメイメル姉さんもいる以上、安易な真似は危険ですらあるわけだし。

何とか、モニカとの亀裂は修復され、チームは元通りになったけれど、天結宮でのシェルティスの危うい立場は相変わらず。春蘭は攫われてしまうし、巫女たちと上層部との亀裂は下部の錬護士の間まで広がり、組織として内在的に分裂状態になりかけているという危機的状況。
そこに、エデンから浮上してきた存在。元々、異篇卿って厳密には人類の敵ではなく、天結宮などとは違う形で人類の生存権を守ろうとしている集団であるので、ほんとうの意味では敵ではないんですよね。ところが、今度現れてきた存在は、どうやら間違いなく絶対的な敵のようで……統政庁の方も動きが激しくなってきたし(って、あのマハのアレはなんなんだ!?(爆笑)、次回辺りかなり大きな動きが起こりそうでドキドキ。

それから、なんか本シリーズと平行して「イリス」がヒロインの新シリーズがはじまるみたいなんですが!
登場人物(?)の中でも最もイイ性格(w)をしたイリスがヒロインって、どんだけはっちゃけるつもりですか!? 粗筋やあとがきを見る限り、本シリーズの過去編にあたるもののようですが、これは楽しみだ。

細音啓作品感想

鳥籠の王女と教育係 〈国守り〉の娘3   

鳥籠の王女と教育係 〈国守り〉の娘 (鳥籠の王女と教育係シリーズ) (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 〈国守り〉の娘】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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それぞれの恋が交錯する――!! エルレインと同じ時を生きるため、ゼルイークが魔法使いをやめると言い出した! そんな中、エルレインの亡き母で元<国守り>のレリが生きているという情報が…!?
アレクセルがオルフェリアに対していまいち反応が鈍かったのはちゃんと相応の考えがあったからなのか。性格イケメンのアレクセルからして、オルフェリアへの曖昧ではっきりしない態度は妙だな、とは思っていたんだが、確かにオルフェリアの真っ直ぐな性格では宮廷内のドロドロの権謀術数の渦中に置かれると精神的に疲弊しそうだ。好きというだけじゃあなかなか乗りこなせない。その点、エルレインは性格悪いし、清濁併せ呑むのも難しくはなさそうだし、次期王妃としてもピッタリだったわけか。でも、アレクセル、一目惚れして嫁に貰いに来たくせに、もしエルレインの性格が大国の宮廷向きじゃなかったらどうするつもりだったんだろう。あっさり諦めたんだろうか。……意外と未練がましく悩んだのかもしれないな。だって、オルフェリアへの態度からしてそんなところある感じだし。あれだけ好き好き光線出されておきながら、突き放すこともなく微妙な距離でマゴマゴしていたのをみてしまうとねえ……結構女の子にはいい顔しておきたいタイプなのかしら。
ともあれ、オルフェリアだって小国とはいえ市井の娘ではなく、それなりの貴族の娘なんだから大なり小なり宮廷内の駆け引きには関わらなきゃいけない立場。なら、清水の舞台から飛び降りるのも一つの手ですよ。アレクセルに対して、あんなコトまで言っちゃったんだから、そこんところ覚悟はしているはず。あとは、アレクセルの甲斐性ですよ。そして甲斐性なら、王子はゼルイークなんぞよりよっぽど持ち合わせているはずなんだから、大丈夫大丈夫。
さて、肝心のゼルイークとエルレインのカップルの方は、なんだか消化試合に入ってきたというか、そろそろ各障害も結婚までの身辺整理とか通過儀礼の様相を呈してきた気がする。何をするにしても、着々と二人が添い遂げるまでへのステップになっているというか。そう思うのも、ついにゼルイークが最後に発したセリフのせいか。
いい加減、クライマックス来たなあ。
レリの件についてはエルレインたちの悩みこそ深かったものの、どうもこの一件自体とってつけたような話で、蛇足っぽかったなあ。

氷結鏡界のエデン 7.空白洗礼3   



【氷結鏡界のエデン 7.空白洗礼】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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「世界を構成する鍵。空白(わたし)のこと、あなたの魔笛のこと、第七真音律(エデン・コード)のこと。全てを教えてあげる。望む事実(こと)も、望まない事実も」
 満面の笑みを浮かべ、空白(イグニド)は歌うようにシェルティスに告げた。
「あなたには全てを知って――絶望して欲しいですからね」
 第三機関・異篇卿の拠点に潜入したシェルティスの前に、異篇卿イグニドが現れる。空白(イグニド)の存在にふしぎな郷愁に襲われ、シェルティスは戸惑いを隠せないでいた。そして同じ頃。千年獅・レオンの前には"理想の敵”が立ちふさがる――。
 穢歌の庭(エデン)に堕ちたシェルティスの"真実”が明かされ、"みえざるもの”の実在証明が求められる、重層世界ファンタジー。
いつかはシェルティスの秘密はバレるとは思ってたけれど、上層部の巫女や千年獅たちは殆どみんな承知しているし、そんな悪い形では明らかにならないと思っていただけに、これだけ露骨な悪意と作為を以て暴露されるとは完全に予想外。前回、シェルティスの秘密を匂わせた怪文書が案外騒ぎにもならずに収拾されたので安心してしまってたんだなあ。あれは単なる前振り。今回の暴露を効果的に知らしめるための呼び水に過ぎなかったわけだ。
しかもこれはイグニドが画策したわけじゃないけれど、モニカの行動がタイミング悪すぎだ。まるで謀ったように、モニカが一番ショックを受けるタイミングでの暴露だったからなあ。このタイミングでさえなかったら、シェルティスの秘密が知られたとしてもそこまで致命的な傷にはならなかったはず。否応なくこれは、シェルティスとユミィに裏切られた、騙されたと感じても仕方がないタイミング。たとえ理性でそれが誤解だと承知していても、感情が納得できない、心が傷ついてしまうタイミング。最悪だ。
幸か不幸か、シェルティスはモニカの気持ちに今の段階では気づいていないのだけれど、いややはりそれはあとで蟠りとなって残ってしまいそうだなあ。知らないということは対処が出来ない、或いは遅れてしまうということだし。今回の一件で塔の権威は著しく失墜してしまうだろう事を鑑みるなら、彼を守ってくれる立場にある人達はシェルティスをかばえる状況になくなるだろうし、周囲のほとんどは彼の敵に回ってしまうはず。
今のところシェルティスは挫けていないけれど、状況の厳しさを目の当たりにしたとき果たしてそれでもなお気力を保てるか。彼の方ががんばれても、ユミィもまたモニカの一件を中心に傷ついてしまってるからなあ。
それにしても、イグニドの悪意とも好意ともつかないシェルティスへの執着は意外だった。もっと飄々とした興味や好奇心だと勘違いしていたが……何かシェルティスやユミィと深い関係にある人なんだろうか。それらしい事を匂わしているけれど、過去にそうした人が居たという回想は二人の間にはないんですよね。いや親しいどころじゃない、イグニドの台詞からすると……。
シェルティスが穢歌の庭に堕ちたという事故の真実が明らかになったものの、それと同時にまた謎も増える始末。話を聞く限りでは、異篇卿は決して悪いことをしようとしているわけじゃないんですよね。ある意味、塔とは別の手段で世界を守るための方法を探っている、と言っていい。ただ、何故こうもこそこそと隠れてやらなきゃいけないのか。誰が彼らを纏めて方針を決めているのか。そもそも、何故だれも知らない世界の真実を知っているのか。
それこそ千年前まで遡らなければいけない因縁っぽいなあ。
ともあれこれで第一部が終了。穢歌の庭から戻ってきたよりもより酷い状況に置かれながらも、シェルティスは改めてユミィの千年獅となることを決意する。その決意は、かつてとは比べ物にならないくらいに重く、密度の濃いものとなっている。彼の前に立ちふさがる壁はさらに高くなっているけれど、彼もかつてとは比べ物にならないくらい心の芯が強くなっているのだから、最悪の状況にも関わらず決して不安ばかりじゃないんですよね。
願わくば、モニカが可哀想なことにならなければいいのですけど。

あと、黒猫さんが脱がされたのはグッドジョブw 天の車のメンバーって、ある意味塔の面子より個性的で面白い人ばっかりだなあ。

シリーズ感想

鳥籠の王女と教育係 魔法使いの選択 3   

鳥籠の王女と教育係 魔法使いの選択 (鳥籠の王女と教育係シリーズ) (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 魔法使いの選択】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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隠されていた王子の悲壮な宿命とは!?
婚約解消が認められず、エリアルダ滞在中のエルレイン。そんな折、本来弱いはずのアレクセルの魔力が増大を始めた。それは彼の「コイズ」の宿命によるものだった。「コイズ」の意味するものとは!?
大荒れ。これは、アレクセル王子の株がストップ高になるのも仕方ないです。アレクセルの母親がエルレインに投げかけた問いかけは、重かったなあ。そうなんだよなあ。「コイズ」の要素が絡むと、ゼルイークとアレクセルの背負った負債というものには遜色ない事になるんですよね。当初、エルレインがアレクセルとゼルイーク、どちらに対しても向ける好意にあまり差がなく、エルレインの語るところによるとゼルイークへの恋が決定的になったのが彼が眠りについてその存在が失われることを実感してしまった事による、というのなら、エルレインがアレクセルに同じように恋に落ちる可能性は決して低くなかったわけだ。まさに、タイミングとしか言いようがない。それ以上に、コイズについて一切語らず、身を引いたアレクセルの侠気がより引き立ってしまう。エルレインにとってもゼルイークにとっても、アレクセルの存在がある意味お互いに比肩する、あるいはそれ以上にかけがえのない人であるということは共通認識としてある訳で、そりゃそんな話を聞かされた上にコイズが実現化しそうになってる、となっちゃあ二人はまず何よりアレクセルを最優先にするよなあ。二人にとっては、二人が結ばれるよりも大事なモノがアレクセルの存在にはあるって事だ。でも、そういう人を愛する人以外に持ち得るというのは、それはそれで幸せなのかもしれない。アレクセルからすれば忸怩たるものがあるだろうけど。
それに比べて、あの魔王の未練がましさといったら。しつこい男のみっともなさほど見苦しいものはないよなあ。アレクセルの爪の垢でも煎じて飲んでみろってんだ。本当にもう、ネチネチネチネチと気持ちの悪い嫌がらせばかりしよってからに。魔王というよりも間男じゃないか。どこに王らしさがあるってのか。
ゼルの姉もねちっこいし、魔族ってのはみんなそんななのか、と思ってたんだが、ゼルイークの父親であるイチの王は全然違いましたね。というか、この人はなんか普通に父親してたなあ。もっと人智を超えた、人間の常識が当てはまらない存在を思い描いていただけに、ちょっと意外というか拍子抜けだった。でも考えてみたら、人間との間に子供をつくるくらいなんだから、メンタリティは人間に近いのも当たり前か。幸い、あのクズと違ってまともな方向に人間に近かったようだけど。でも、子供の教育は娘も息子も失敗してるっぽいけど。

響野夏菜作品感想

氷結鏡界のエデン 6.水晶世界3   

氷結鏡界のエデン6  水晶世界 (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 6.水晶世界】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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巫女の第三位と、その千年獅。彼らの帰還と共に、水晶世界の旋律が響く−−
巫女失格なの−−ユミィはシェルティスにそう告げる。千年獅・ホルンとの因縁から、自分を追いつめるユミィ。そんな中、強力な幽幻種が発見される。ユミィは、討伐に向かうホルンと、ある“勝負”をするのだが−−
今の世界を織り成す秘密が徐々に浮かび上がり、真相へとたどり着くための足がかりが見えてくるのつれて、さらなる謎が謎を呼び奥行きが広がっていく中で……キリエ料理長、あんた何者なんだよ!!(爆笑
いや、このカフェの料理長だけなんかいきなり過ぎるよ! 他の世界の謎や登場人物の真の姿なんかは、ちゃんと物語が進む事によって段階的に、繋がりを持って情報が開示されて行っているにも関わらず、この人だけそりゃもういきなり無造作に、前触れもなく、出会い頭に、謎の中核にしれっとした顔で紛れ込みやがったw
何らかの思惑あって、このポディションに居た、と思えれば気も楽なのだが、言動を見てると本気でたまたまっぽいのが恐ろしい。紗砂と鉢合わせしたときの二人の様子を見てると、何も考えてないようにみえるし。
まあ、穢歌の庭から帰ってきたシェルティスを雇っていた時点で、何も知らなかったとは考えにくいんだけれど、やっぱり何も考えてなさそうだよなあ(苦笑

さて、今回の話でようやく巫女と千年獅が全員登場したのか。これまでは何だかんだと出来た人が多かった中で、千年獅ホルンが余裕のない人だったというのが意外だったなあ。ユフィに対して逆恨みが高じて、極めて辛辣な態度をとっているのだけれど、八つ当たりの対象であるユフィのみならず、誰彼構わず攻撃的な態度なんですよね、この人。ユフィに期待を裏切られたからこうなったのか、そもそも心をゆるしている家族以外には敵愾心をむき出しにしないと我慢出来ないたちだったのか。何れにしても、心に余裕が無い現れなんだろうけど、これは姉巫女様がちゃんと躾ておかないと。実際、妹の態度には姉様も危惧を持っていて何度も言い聞かせてたみたいだけど、全然効果がなかったようだし。
だからこそ、そんなホルンに対してシェルティスとユフィがビシッと直言してくれたのには、正直見直す思いだった。二人とも、温厚で他人に対してあまりキツい事は言わないタイプなだけに余計に。特に、ユフィなんかはホルンに恨まれるだけの理由があった上に、シェルティスを浄化出来ない件も合わさって、自分の巫女の資質に対して自信をなくしかけてた部分もあっただけに、ホルンに対してはとても強く出る事は出来ないとおもってたんですよね。それが、ああも直裁的にホルンを非難して退けるとは。
意固地になっていたホルンも、ユフィの人となりは恨み怒り憤っていたからこそ良く理解していただろうから、そんな彼女からの容赦のない言葉だからこそ、姉の言葉よりも余計に深く突き刺さったのだろう。自分を見つめなおすきっかけというのは、なかなかいつも傍に居る親しい人からは得にくいものですからねえ。
こうして、巫女として、護士として他者との関わり合いが増え、成長していくに連れて、お互いを守り助ける事を至上としてきたシェルティスとユフィは、その目的はそのままに、しかし立場と視点をより俯瞰的に、この世界の在り方そのものの謎の解明を意識しはじめている。それこそ、世界が自分たちに何を求めているかを確かめるために。
見事に、世界の謎を紐解くこそが、二人が求める道へと繋がっている事が明らかになりはじめたわけだ。
しかし、そこにどうやらエリエが思わぬ形で深く関わることになりそうなのは予想外だったなあ。この娘、最初はその立ち位置がよく分からなくて、単なる賑やかしの、雰囲気を明るくするためのコメディ要員なのかとすら思ったくらいなんだが、いつのまにやら謎を織りなす中核人物たちの間に一番深く入り込んでいる上に、この先も彼女が重要な役割を果たすであろう事が示唆されているわけで……。
丁度、あのやたらと個性的だった統政庁の特殊機関【天の車】の第九なども登場して、そろそろ役者も出揃ってきたのかな。あそこの連中、ある意味天結宮の人間たちよりもよっぽどキャラ濃いよなあ(笑

4巻 5巻感想 

氷結鏡界のエデン 5.絶対聖域4   

氷結鏡界のエデン5  絶対聖域 (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 5.絶対聖域】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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君は千年獅になりたい?−−最強の錬護士筆頭イシュタルの目的とは!?
ユミィ護衛任務中のシェルティスの前に現れた、最強の錬護士筆頭イシュタル。シェルティスは、かつて剣を交わした彼女に正体がばれることを心配するが、イシュタルは謎めいた笑みを浮かべるばかりで……

前巻からその強大な存在が示唆されていた錬護士筆頭イシュタルさんが、予想していた、そして読んでいる最中の印象とまるで違う方向でヤバかった!!
うわあっ、こういうキャラクターだったのか。傍目から与えられるイメージからすると、まるっきり清々しいほど裏返しじゃないか。なにやら、物凄い因縁とか秘密を抱えているのかと思っていたのに、この人の抱えていた真実とは、まさに一点を貫く槍そのものだった。
でも、だからこそこの人の強さは怖いよッ! 余計な物が何もない分、目的がたった一つに特化されている分、感情その他もろもろまでたった一つのために集約されている分、この人には揺るぎというものが欠片もない。狂的なほどに、強靭だ。穿てぬ物は何も無いというほどに尖っている。
これは、下手に意味深に色々抱えている人よりも、シンプルな分その強さはヤバいですよ。単純な戦闘力なら千年獅の面々すら上回ってしまうというのも、この人ならば仕方がない。
もしかして、【祓戈の到極者 ジルシュヴェッサー】の称号に一番ふさわしいのって、このイシュタルなんじゃないだろうか、とすら思ってしまった。

さて、今回は彼女の強烈な存在感に引っ張られた感もあるけれど、とりあえずはシェルティスはサブに置き、むしろ巫女ユフィの自覚と成長を促すための話だった感じ。シェルティス側は、フォー・マン・セルのチームも上手く編成できて一旦安定したわけですしね。
それから、浮遊大陸エデンを出て、別の浮遊島に存在する統制庁とその施政下にある街に舞台を移したことで、どこか閉じた感覚があった世界観も一気に広がってきた。統制庁の【天の車】の面々も、あの暑苦しいゼルドールのおっさん初めとして、かなり個性的な連中みたいだし(笑
そして、空間的、人間的な広がりと同時に、時間的にも過去と現在がつながり始め、世界の構造の秘密もまた徐々に浮き上がり始めている。読者視点だけでなく、イリスという存在を鍵にして、また空白と呼ばれる敵との接触により、ユフィやシェルティスたちにも、そういった情報が開示されていくのもまた世界の秘密が紐解かれていく、という感じが出てて、物語が進みだしているという実感が得られる。

しかし、これは思っていた以上に「黄昏色の詠使い」シリーズとの共通点が深いところに食い込んできた。専門用語の共通点だけじゃなく、マハの使ってる術のシステムなんて、かなり「アレ」に近しいものだったし。
裏でうごめいていたものの暗躍が眼に見えるところに出てきたことで、話もずんずん面白くなってきた♪

物語の進行もそうだけど、キャラの掘り下げも進んできたなあ。さすがに新キャラ登場が多かったので、華宮とヴァイエルについては出番少なかったけど、その分、モニカがユフィとイチャイチャしてくれていたので、オッケーオッケー。ってか、モニカってヒロイン側にも関わらずそのキャラクターってどちらかというと生真面目ヘタレ系主人公のそれだよなあ(笑
むしろ、ヒロインとしてはただの機械水晶であるはずのイリスの方が可愛すぎるんですがww 性格に愛嬌がありすぎる。自分と同系列のシステムを守るためにシェルティスが庇って傷ついたときの「…………ばか」には思わずキュンと来てしまった。

4巻感想

鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王3   

鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王 (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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時を遡り、若き日の恋人に出逢った王女は──!?
アレクセルの誕生祝いの日が近づく中、ある出来事から、ゼルイークは魔力を封じられてしまう。そして王女エルレインは250年の時を遡ってしまう。目の前にいるのは、若き日のゼルイークその人で──!?

そろそろいい加減、あの姉には我慢の限界だったんですよね。やり方が陰険すぎるし、ネチネチと嫌らしいことばかりしてくるし。それをどうして周りの人たちが許容しているかがどうしても納得いかなかったんですよ。ゼルイークがあんなコトで魔法を封じられてしまうのなら、あの姉の方がより傍若無人に魔法を恣意的に使用しているじゃないか、不公平だろう、と。
でも、ようやく彼女の正体が明らかになったことで、彼女の理不尽が許される理由も納得できた。なんで周りの連中は見て見ぬふりをするんだと怒りの矛先が周囲にも向かっていたんだが、まあ彼女がそういう存在なら周りの人達が我慢するのも仕方ないか、と思えるほどには。あの姉にも姉なりの理由があるのもわかったが、そんなの知るか! という気分である。そりゃあんたの希望であって、弟に強いる権利はどこにもないだろうに、ムカつくムカつく!
それだけに、偶然とはいえエルレインが姉を出し抜き、あの女を慌てさせたのは痛快だった。ほんと、たまたまでエルレインはその後時を遡ってしまい、難儀なはめに陥るのだが。
そして、さかのぼった過去で出会った若借りし頃の少年ゼルイークがまた、可愛いんだ。若いっていいね♪ 挿絵の人も、十代後半のあのゼルイークのイラストは会心だったんじゃないだろうか。ややも幼げで突っ張った感じを醸し出しつつ妙に可愛らしいという。あの嫌味で皮肉屋なところが、若いとヤンチャで微笑ましい、という感じになるんですねえ。どこであんな風に捻くれてしまったのか(苦笑 元々ひねくれてたとはいえ、若い頃はそこまで嫌味ったらしくなかったのに。
まあ最近はエルレインとの嫌味の応酬も、どう見ても惚気合いみたいになってて砂を吐くようでたまったもんじゃないんですがね(苦笑

エルレインとアレクセル王子との婚約解消は、本人たちが望んでも国家間の約束事ということでなかなか反故に出来ずに問題は長期化中。その間に、オルフィリアが何故かとんとんと思わぬ形でアレクセルの隣に収まれるんじゃ、という感じになってるんですよね。ダンスパーティーでもパートナーを仰せつかってましたし。ただ、今の段階だと王子にとってオルフィリアは恋愛対象じゃないんですよね。これは、そうなるイベントがちゃんと控えてるって事なんでしょう。王子にも、どうやら負わされた運命があるらしきことは、エルレインが過去への旅で垣間見てきたようですから。

響野夏菜作品感想

氷結鏡界のエデン 4.天上旋律3   

氷結鏡界のエデン4  天上旋律 (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 4.天上旋律】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

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最近はアレですな、男のツンデレくんが大流行ですな!(笑
男の娘の流行といい、色々とこう、ねじれてきている気もするけれど、男の娘も男のツンデレも前から在るといえば当たり前にあるものなので、今更と言えばいまさらか。
というわけで、華宮の推薦というか強引な勧誘によって、四人目のメンバー、ヴァイエル・バッハベルが隊に参入し、これで隊の基本人数である四人が揃った。一応、これが基幹メンバーとなってこれ以上は増えないはず。隊以外の登場人物もかなり多いし、まだ名前だけ出て未登場のキャラもいるのですしね。
しかし、なんというかまた……主人公が属するチーム、恐ろしく個性的な面々が揃うのは珍しいどころか王道なくらいなのだけれど、みんながみんな、四人とも全員がそのベクトルは違うとは言え真面目くん揃い、というのは珍しいなあ。華宮は相当ズレてるけど、うん。でも、あの娘もちょっとマッド入っているけれど、人間関係や任務に対して生真面目なのは間違いない。新キャラのヴァイエルも、意固地でひねくれ者だけど恐ろしく律儀で頑固で堅物な生真面目くんだったしなあ。そして言わずもがな、隊長のモニカはと言えば杓子定規なくらいの生真面目の標本みたいな人……あれれ? むしろシェルティスが緩くすら見えてきたよ?(笑
イリスというお調子者の相棒がいるとは言え、何気に場を和ますボケツッコミ要員になってるし、主人公のくせに(笑
背負っているものや信念の重さに比べて、シェルティスが内向きに悩み沈んでしまわない明るさを持っているのも、大きなポイントなのかも。シェルティスも非常に真面目くんなんですけど、その真面目さで自分を自縄自縛してしまうタイプじゃないんですよね。意外と開き直って前向きに突き進んでいくタイプというのは好感が持てる。今回だって、突出した実力と他者との連携の経験不足によって、チームワークが上手く取れずに実力を鈍らせてしまうという行き詰まりにあたってしまうのだけれど、それで悩んで落ち込んでしまわず、積極的に克服していこうというあたり、目的であるユミィのもとに辿り着くために一途であるというべきか、精神的にタフというかメゲないタイプというか。なんにせよ、必要以上にウジウジしないのはいい事ですよ。
そんな彼に身近な女の子たちから好意を寄せられるのは、必然といえば必然なのか。まあ、今のところは露骨な接近はまだないんですけどね。シェルティス自身、ユミィ一筋だし、そもそもこの作者さんってハーレム志向よりも個々のキャラにカップリングを用意するタイプですしね。とはいえ、華宮があれほど積極的にヴァイエルに御執心とは思わなかった。お嬢さん、あんたのそれはもろに一目惚れの恋じゃありませんですか(笑
うわぁ……なんか一途だ。まだその感情に自分で意味付けを行っておらず、湧き上がってくる想いに真っ更なまま突き動かされているので、完全に白無垢な恋心は綺麗なことこの上ない。それが恋だと自分で意識したとき、いい意味でいろんな色に染まってくるんだろうけれど、この無垢な真っ直ぐさはヴァイエルからすると、……対処の仕様がなくて困るよなあ。そもそも人間関係あからさまに不器用そうだし(笑

世界観の方も、この閉ざされた世界の始まりとも言うべき過去の一端にユミィが触れ、そこで遭遇する謎の人物たちの正体も垣間見えると同時に、ユミィに課せられた責務とシェルティスに宿った魔笛の力の関わり、第七天音律に至るもの。色々なものが見えてきて材料はばらまかれつつあるのだけれど、また全体像は遠いなあ。前シリーズを想起させる単語が次々と出てきているのも、「黄昏色の詠使い」シリーズとの関連をどこまで示唆しているのか。
まさか「ジルシュヴェッサー」の名前まで観るとは思わなかったもんな。その称号持ってるだけで、未だ未登場でどんなキャラかも描写されていないにもかかわらず、ああこりゃいろいろな意味で手に負えない奴だな、と思ってしまうのはなぜだろうw
 
11月26日

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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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11月4日

(ジャンプコミックス)
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(JUMP j books)
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