カントク

佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で異能バトルに巻き込まれた件 ~魔法少女がアップを始めたようです~ ★★★☆   



【佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で異能バトルに巻き込まれた件 ~魔法少女がアップを始めたようです~】  ぶんころり/カントク KADOKAWA

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ペットショップで購入した可愛い文鳥は異世界から転生してきた賢者様だった

ペットショップで購入した可愛らしい文鳥は、異世界から転生した高名な賢者様だった。
世界を超える機会と強力な魔法の力を与えられ、佐々木は異世界へと現代の物品を持ち込み商売を開始する。
世界間を行き来しつつ――お金を稼ぎ、魔法の訓練をして、美味しい物を食べる――悠々自適なスローライフを目指すが、ある日の会社からの帰り道で異能力者と遭遇してしまう。
賢者印の魔法で異能バトルを切り抜けるも、実力を見込まれて内閣府超常現象対策局にスカウトされ、晴れて国家公務員に転職が決まり……?
異世界ファンタジー×異能バトル×年の差ラブコメ(?)。
さらには魔法少女、ご近所JC、同僚JK、貴族、ロリババア、王子etc...
属性ジャンル全部乗せでお贈りする、異世界と現代日本行ったり来たり物語。
MF文庫Jが放つ新文芸として、遂に登場!
この作者さんの作品は以前に【西野】を読んだのですけれど、これがどうも合わなかったものでこの【佐々木とピーちゃん】も話題にはなっていたのですが自然と手を出さずにいたのでした。ですが先日【このライトノベルがすごい!】の単行本部門で取り上げられたのをきっかけに、一度読んでみようかと思い手にとったのですが、これがうん、大丈夫だった。面白かった。
一番の要因はやはり佐々木さんでしょう。彼の温厚篤実な人柄は非常に好感が持てるもので、取っつきやすかったです。穏やかで自己主張は激しくなく積極的にガツガツいく性格ではないのですが、決して内向的とか引っ込み思案とか内向きの性格はしていなくて、行動スべき時はわりとフットワーク軽いですし、相手が誰でも言葉は尽くします。決して多弁ではなくむしろ静かな人という印象のわりに喋らないといけない時は雄弁に淀みなく言葉が出てくるのは営業職長かったおかげなのでしょうか。それでいて、この人けっこう聞き上手でもあるんですよね。上からものを語らないし、じっくり人の話を聞いて意見もそっと添えてくれる。
自己評価は高くないけれど、彼を慕う人は多かったんじゃないだろうか。同じ会社の後輩くん、独立しようとしていて佐々木さんを一緒に来てくれませんか、と誘っていたけれどあれってかなり本気だったんじゃないだろうか。
いや、マジであの異能課の上司とのタフなネゴを見ているとそれまでの仕事でも無能とか昼行灯ではなかったと思うんだがなあ。上昇志向や野心がなくガツガツ仕事するタイプじゃなかったから、窓際に追いやられていただけで実際は仕事だいぶ出来てたんじゃないだろうか。あまり実力が出世に反映しないブラック会社だったとか。
実際に、超常現象対策局では人員が大幅にいなくなっちゃったという要因はあったとはいえ、佐々木さんは異能力……というか魔法だけど、その魔法の能力の高さではなくて(そっちは極力力を見せないように隠しているわけで)人品の方を見てと思しき出世を果たしていますし、異世界の方では並々ならぬ有能さを示している商会のマルク副店長と対等に渡り合いビジネスパートナーとなっていったわけですし。あれも、単に珍しいものを輸入してくるってだけじゃあの副店長、そうそう胸襟をひらくたまじゃなかったですよ。
ピーちゃんという賢者がバックにいて、いつも判断を助けてくれるとはいえ、人の話をちゃんと聞き、咀嚼して自分で判断し続けていたのは佐々木さんだったもんなあ。
そもそも、ぴーちゃんからしてあれ、簡単に聞き分けるタイプじゃないんですよね、多分。かなり難しい人だったんじゃないだろうか。優秀な人特有の。でも、佐々木さんとは衝突もなくうまくやれてるんですよね。佐々木さん、はいはいと言うことを聞いているだけじゃなくて、ダメなものはちゃんと理由をいい含めてこれは出来ません、と言うべきは言ってくれるのでうまいこと回るんだろうなあ。
かくして、ピーちゃんと出会った佐々木さんは異世界と日本を行き来するようになり、異世界で戦争に巻き込まれ、日本の方では異能バトルに巻き込まれ、と平凡なサラリーマンから一転、騒がしいではすまない動乱のごとき日々を過ごすことになるのですけれど、それでも佐々木さん、慌てるし驚くしどうしようと困りはするんだけれど、常に穏やかで感情的にはならず訥々と目の前で起こることに誠実に対処していくのである。ピーちゃんと落ち着いてゆっくり出来る生活をしたいなあ、と思いながら。
まあ、佐々木さん穏やかと言いつつ、あれどんな場面でもその落ち着きが崩れないというのは「おかしい」人間であるのかもしれませんねえ。平凡なサラリーマンだった人が、人の生死、それも結構見た目にはひどい有様となっている横で焦りビビリはしていてもパニックにもならず錯乱もせず根本的に落ち着き続けることが出来ているって、なかなか普通ではないですし、修羅場くぐったあともPTSDになるどころか、普通の生活を普通に穏やかにそれまでと変わらぬペースで続けていられる、というのはメンタルちょっとおかしいですよ、うん。
とはいえ、彼が温厚篤実で誠実で善良で、親しい人の無事を喜び、不幸を悲しみ、幸せを望むことが当たり前の人格者であることは間違いなく、見ていて癒やし系なおじさんであることは間違いないんですよねえ。
しかし、ピーちゃん絶対元は女の子だと思っていたのに、違うんかっ!
そして、これだけ異世界でも日本の方でもやばい修羅場をくぐりながら、佐々木さんの一番の死亡フラグに成りかねない危険要因は、ただのサラリーマンだった頃の最初から一番近くにあって、既に導火線に火が付いていた、というのは結構怖いぞ、ホラーだぞ!

変人のサラダボウル ★★★☆   



【変人のサラダボウル】  平坂読/カントク ガガガ文庫

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異界の麒麟児、混迷の時代に笑顔をお届け!

貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。

なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。
一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。

前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。

平坂読×カントクコンビがこの時代に放つ、天下無双の群像喜劇、堂々登場!

国が滅びた際に「門」を通って逃げてきた帝国の姫サラがたどり着いたのは、現代日本の岐阜であった。どこだよ岐阜って。と言われれば、美濃ですと返します。少なくとも、関西者としては関東圏に比べればまだ良くわかる。歴史ものでも信長主役となると、一番最初に濃厚に描写されるところですもんね。
でも、信長って尾張出身だからね! 美濃は斎藤さん家じゃないですか。まあ岐阜城築いて拠点としたのだから、信長の本拠というのは間違いじゃないけれど。
いやでも、あんな堂々と黄金の織田信長像を駅前に建ててるのってなんか凄いですよね。あれ、実際にあるのか。存在するのか。凄えな。凄えな。色んな意味で凄いとしか言いようがない。
ああでも、サラがどうして岐阜に現れたのかはちゃんと理由があったのか。

さても、異世界から現代日本に異世界の姫と女騎士が現れて、となると現代日本と異世界とのギャップによって生じるドタバタ劇が、と言いたい所だけれど、この姫サラと騎士リヴィアと来たら速攻で現代に馴染み、或いはサラに至ってはおっさんの領域に足突っ込んでいる探偵鏑矢惣助よりもよほど現代のツールに通じてしまうくらい、まあ毒されてしまうので、あまり異世界の少女達、という風情ではない。魔法とか使えるけどね。
リヴィアに至ってはなんでか練達のホームレスへと馴染んでしまい、たくましく現代日本の一番底らへんの世界を生きている。いや、異世界人にしても元はエリートだった騎士なのに、どうしてホームレスなんて生き方に慣れ親しんでしまったんだろう。素質があったらしいのだが、ホームレスの素質才能って……。
ともあれ、サラは貧乏探偵の居候兼助手として事務所に潜り込み、リヴィアも一度はサラと再会したものの鏑矢の元に転がり込むには鏑矢の稼ぎでは二人を養うことは出来なかったので、早々に事務所を出て再びホームレス生活に勤しむことに。いやさ、わりとハマったんだろうかホームレス生活。
まあ戸籍もなければ外国人としてのビザもない者としては、定住も難しいしまともな職につくのも難しいので仕方ないのだが。
というわけで、リヴィアの元には胡乱な仕事やちょっと法律に引っかかりそうなヤバいあれこれ、さらにはカルトの勧誘など、東京みたいな大都会じゃないけれど、地方都市でもありえるアングラな仄暗い事案が次々と飛び込んだり巻き込まれたりすることになる。
ホームレスに馴染んだとは言え、リヴィアはある意味現代社会とは隔絶した世界で生きてきた人間だ。適応力は十分にあるが、現代社会の闇を見るにはその視点はまだまだフラットだと言える。そんな彼女から見た、仄暗い真っ当ではない生き方をせざるを得ない人々の姿、そんな彼らへのリヴィアの好悪のない率直な感想はなかなか来るものがあるし、彼らからみたリヴィアという馴染みながらも染まらない得意な目立つ存在は色んな意味で注目を引いていくのである。

一方でサラの方はというと、案外マトモに鏑矢の探偵業の手伝いをしてるんですよね。食っちゃ寝してばかり、なんてことはなくなんだかんだと生意気言いながらもお手伝いに勤しんでいる。好奇心の為せるところだろうけれど、それなりに働き者とも言えるじゃないか。むしろ探偵の方が、あんまり教育に良くない探偵のお仕事にまだ子供のサラを連れ歩いていらんものを見せるのを忌避している。
いやしかし、探偵がメインの話で浮気調査や民事トラブル解決など現実の探偵らしい探偵業にひたすら勤しんでいる探偵って、何気に珍しいんじゃないだろうか。
事件を解決したり謎を解いたりする探偵こそフィクションの存在、というのは周知の事実だけれども、創作物に出てくる探偵ってのはまさにそっちの探偵ばかりだから、むしろ現実の探偵業の地道な仕事っぷりが描かれる本作は新鮮でもあり、探偵業務のあれこれが相応にちゃんと描かれているので、知らなかった事を知れるのは面白いなあ。
しかし、アラサーのおっさん予備軍が、名探偵コナンのコナンくんに憧れて探偵を目指してしまった、という話にはちょっとじゃない衝撃を受けてしまった。
え? もうコナンくんに憧れるような子供がおっさんになるような時代なの!? コナンくんって、はじまったのまあまあ前だとは思ってたけれど、まあまあ以前どころかもう大昔なの? いやそりゃもう100巻達しちゃってますけれど。
……そうかー(ショック

サラ姫は御年13歳。対して人生にうらぶれている探偵鏑矢は29歳。まだまだ若いよ! しかし、もう子供が居てもおかしくはない年齢でも有り、でもまだ13歳の子供がいるには若すぎる。
生意気で偉そうで、でも何だかんだと懐いてくれているサラに対して、探偵が抱くのは慈しみの感情であり、自分の子供を見守るような父性、とまあ本人は思っているようだけれど、さてその真実はいずれにあるのか。まあ少なくとも女性を見る目ではないわなあ。若いお父さん的な感情と言えばそうとも言えるし、でも年齢差からいうと兄妹でもおかしくはないんですよね……かなり年齢差あるか。
16歳差、というのは何とも絶妙な塩梅ですよね。サラの13歳という何とも言えない年齢も相まって。
丁度主だった登場人物が出揃ったようなところなので、本格的に話が動き出すのは次回からなのか。
それとも、ずっとこんな調子で日常が続いていくのか。いずれにしても、ついつい目で追いかけてしまいそうな、地方都市に生きる人々のあるがままの日々である。


妹さえいればいい。10 ★★★☆   



【妹さえいればいい。10】  平坂 読/カントク ガガガ文庫

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妹がいる生活、はじめました。

ついに千尋の抱えていた大きな秘密が、伊月たちの知るところとなってしまった。千尋から事情を聞かされ、表向きはそれを喜んで受け容れた伊月は、これまでどおり那由多とイチャイチャしたり、千尋を可愛がったりして、妹がいる生活を満喫する。『妹すべ』のアニメも好評を博し、招待された台湾のイベントでちやほやされるなど、売れっ子作家としても満たされた日々を送る伊月だったが……? 一方、重荷から解放された千尋にも、新たな物語が始まろうとしていた――。大人気青春ラブコメ群像劇、運命の第10弾登場!!

ウチの弟が妹だった件について。
改めて伊月のお父さんが奥さんを喪い傷心しながら幼い息子のために一心不乱に働く中で、今の新しい奥さんに出会うまでの回想を見せられたのだけれど、伊月パパも、千尋のお母さんである義母も真面目な人なので、千尋の性別を誤魔化すなんて非常識なこと余程のことがないと一蹴してただろう事がよくわかる。
それだけ、伊月のデビュー作の衝撃がよほどの事だったのだろう。まあ、性別を偽るのは伊月に対してだけで、学校など公共の所では普通に女の子として過ごしているのだから、書類を偽装したりという危険な行為に手を染める必要はなかったので、親側のハードルは低かったのだろう。
ただ、千尋は学校に通う制服はともかく、普段は外出する時なんかでもユニセックスな服装を心がけてただろうから、結構大変だったんだろうな。まあそれが日常と化していたから、はじめのころはともかくいい加減慣れてはいたのだろうけれど。
しかし、パパの回想を見ると伊月との断絶はかなり厳しいものになってますね。新しい奥さんとの出会いを中心に描いているので、息子に向ける気持ちなんかはあまり描かれていないから、なのかもしれませんけれど、パパの方には伊月を放置していたという自覚は殆どないようでしたし。

さて、千尋の性別がバレた、じゃなくてあれは千尋が我慢しきれずにバラしてしまった、が正しいか。ともあれ、ついに千尋が弟ではなく妹だと発覚する……この作品が【妹さえいればいい。】というタイトルであることの意味を思えば、妹バレというのはこのシリーズはじまった当初から最大の山場であり最大の修羅場、と目していたものでした。
ただシリーズはじまった序盤の頃の狂的な妹属性だった伊月と違って、今の彼は小説家として幾つもの経験を経て、ついにアニメ化という目標まで達成するに至り、自分の中の妹狂いをある程度飼い慣らして小説にアウトプットする事が出来るようになっているかに見受けられていました。
さらに、私的にもカニ公と正式に交際をはじめ、恋愛感情も健全に進捗させ、彼女への愛情に小説家としてのコンプレックスも自分の中に呑み込んでおけるだけの制御が叶うようになっているようでした。
さらに、千尋との関係は年単位で密接に積み上げられ、再婚の連れ子同士という関係は今や父と疎遠になっている以上、唯一の大切な家族、という認識に至るまで育つものになっていました。
千尋が、自分が弟ではなく妹なのだと我慢しきれずに暴露してしまったのも、家族ゆえの距離感だったのでしょう。彼女なりの親愛であり、兄への我儘で甘えでもあったわけだ。それが出来るほどの距離感になっていた、とも言えます。
伊月の人格的にも、千尋との関係としても、この上なく安定を見ていたのが現状でした。
ここまで安定していると、とてもじゃないけれど弟が妹だったという事実を突きつけられたからといって、そうそう揺らぐものではないんですよね。今更、修羅場になりようがなかった、とも言えます。
だから、千尋の暴露が大した騒ぎにならず、知らなかった面々を仰天はさせたものの、ある意味伊月たちを驚かせただけで終わったのでした。拍子抜けなくらい、そうだったのかー、で終わっちゃったんですね。
これまでのシリーズの積み重ねて、前述した安定性について実感していた読者側の身としても、そのあっさりとした特に波乱もないまま終わってしまった展開は、まあそうなるな、という妥当と感じる反応で得心のいく結果だったと思います。
むしろ、変に拗れずに安堵した、と言ってもいいかもしれない。
だから、ラストの展開には「そう来たかー!」と思わずのけぞってしまいました。うん、そっちは不覚にも想定していなかった。
なるほど、これは「安定」していたからこそ、千尋の性別告白が伊月が致命傷になってしまったのか。小説家としての伊月が安定してはいけなかった部分まで、見事に真っ当に安定してしまったのか。それは、千尋が本物の大切な家族になっていたからこそ、でもあるのか。
これはちょっと……どうしようもないんじゃないか? 現実の妹と願望の妹はまったくの別物、と頭じゃなくハートと下半身で感じることが出来るようにならないと、もう無理でしょう。
というか、これはもう性癖を推進力にして感性を変換器にして書いていたがゆえの躓きか。
原因が明らかなのに、対処の方法がまったく見当たらない、というのがこれは辛いなあ。伊月も八つ当たりなんか出来ないだろうし。カニとの関係も順調だったのに。
取り戻すのか、それとも一から全く別物になるか、それとも潰れるのか。小説家としての岐路に立たされた伊月の明日やいかに。

ちょっと驚きだったのだけど、千尋……気になってるのまさかその人なの!? これも全然想定してなかったんだけど。
そしてえっらい実感の篭もってる台湾レポート。これ、実質ノンフィクションじゃないんですか?
前にもラノベ作家が主人公の作品で海外のイベントに招待される話見ましたけれど、ほんとにVIP扱いで大歓迎されるんですなあ。


妹さえいればいい。9 ★★★★   



【妹さえいればいい。9】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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相生初に続き、第15回新人賞受賞者たちの作品が続々と刊行された。那由多に憧れる笠松青菜もどうにかデビューを果たすのだが、待っていたのは酷評の嵐だった。伊月はそんな彼女の姿に自分のデビュー当時のことを思い出し、励ましの言葉をかける。一方、いよいよ放送が近づいてきた『妹のすべて』のアニメ制作ではさらなるトラブルが相次ぎ、京はいよいよ就職活動が始まり、千尋の前にもお掃除ロボットではなくちゃんと人間のライバルが登場する。大人気青春ラブコメ群像劇、妹がいっぱいの第9弾登場!!
アシュリー先生とマキナさんの大人の関係、と一言で言ってしまうには勿体無い人生の大波に翻弄されて砂浜に流れ着いたもの同士のなんとも言えない関係、好きだなあ。
同志でもあり共犯者でもあり敵対者でもある、友達であって他人であって人生の最も深い部分が交錯したもの同士。惚れた腫れたでは語りづらく、一定の距離を置きたい関係であり、しかしどこか離れるのが勿体なくて多分大切であるかもしれない関係。こればっかりはまだまだ若い連中では届かない境地なんかしら。いやまあこれも人それぞれか。平坂先生はこういうなんとも言えない距離感の人間関係ってこれまで書いてきた作品見ても、なんとなく好きっぽい気がするなあ。

さて、今回は妹尽くしの回でありました。妹さえいればいい、というタイトルにも関わらず、何気に妹が妹であることを隠している千尋と、時々登場する春斗の妹ちゃんくらいだった本作。
ある意味、妹としての立場は弟であると思われていることを除けば安泰であった千尋くんなのですが、デビュー作を酷評されて凹んでいたところをアドバイスしたら懐いてしまった青葉と、新人お爺ちゃん先生のお孫さんである小学生が、「お兄ちゃんお兄ちゃん」と伊月を慕ってベタベタしだす、つまり疑似妹の出現に伊月がデレデレしまくり、お兄ちゃんと呼んでくれる女なら誰でも良い(意訳)、というなかなかのクズっぽいコメントについに千尋追い詰められる、の回であります。
自分こそが本当の妹なのに! 自分こそがもっとお兄ちゃんに妹として可愛がられるべきなのに! というなんかもう妹を拗らせている嫉妬の仕方が、わかるんだけれど気持ちわかるんだけれど、冷静に考えるとそれはどういう嫉妬なんだ?と疑問に思ってしまうところでもあるんですよね。
そいつ、彼女持ちの義理の兄だぜ? 異性として意識して女として嫉妬している、のではないのが味噌というか肝というか。あくまで妹として妹として認められていないために妹可愛がりされてるニセ妹たちに妹的な嫉妬を募らせているわけで。ありそうでなかなか見ない嫉妬なんではないだろうか。
TRPGで弟キャラではなく妹キャラとして演じていたところから、本当の自分をさらけ出してしまう展開にはなかなか唸らされました。これ、最初から筋書きとして図ってたのか。

一方で京の就職活動も本番化。いろんな企業に面接に行くわけですが、うちに来いと言われているGF文庫にはコネは良くないと避けちゃうところは潔癖と言うか不器用というか。コネじゃなく実力を評価されてのことなのにね。ただ、就活始めた時点では編集者になる、ということにまだそれほどの意志を持っていなかっただけに、流されるようにGF文庫にお世話になるのはしっくり来るものがなかったのかもしれない。土岐さんの流されまくった挙げ句に座礁したみたいにGF文庫に入った経緯を先に聞いていたら違っていたかもしれないけれど。
ただ、明確に編集者になりたいと意識したあとの動きとしては考えさせられるものがあるんですよね。たまたま遭遇した蒼真くんの事件、そこで感じたこと投げかけられた言葉は京ちゃんの人生そのものを左右することになるのでしょう。彼女の生き様を決める出来事になったのかもしれない。神戸さん、その業界の理屈を彼女に理不尽にも見える形で示してしまったのは悪手ではなかったかと。
時として、作家さんとは会社ではなく人についていくことだってあるんだから。逃した魚は大きいどころじゃないかもよ。


妹さえいればいい。8 ★★★☆  

妹さえいればいい。 8 (8) (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。8】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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土岐健次郎、切腹……!?

年が明け、『妹のすべて』のアニメ化発表が着々と近づいていたある日、なにげなくエゴサーチをした伊月が見たものは「妹すべ、アニメ化決定!」という新刊の画像付きツイートだった。その画像の出所はなんとギフト出版の公式サイトで……。伊月やアニメ関係者からの信用を失ったGF文庫編集部が放つ、起死回生の一手とは……!? 伊月や土岐がアニメに翻弄される一方で、春斗や京、他の新人作家たちの物語も進んでいき、千尋の心にも大きな変化が訪れて――。
動き続ける青春ラブコメ群像劇、第8弾登場!!

そ、そうですよねえ。お父さんとしては、自分の息子の偏執的なまでの妹への執着を知ってしまったら、新しく出来た連れ子の娘に何をされるかわからん、と危機感を抱いてしまうのも無理からぬこと。
他人の性癖なんて家族だろうと傍からはそう簡単に認識できるもんじゃないし、妹属性なんて言われてもまあ妹が好きなんだろう、程度の把握で終わってしまうだろうところを、伊月の場合本という形で恐ろしいほどに赤裸々にその趣味趣向を語り尽くした狂気の沙汰の代物を実際お父さん読んでしまったわけですから、こいつやべえ! と思うのも仕方ないよ、うん。
そこはそれ、書いている内容がそのまま筆者の内実であるわけはないのだけれど、伊月の場合は完全に一致しているし、これほどの危機感を覚えるということはお父さんとしても日常の中に家族としてそういう傾向を見出していたんだろうし、うん。
千尋本人としては、伊月に対して性別を隠す理由は何もなくて、それどころか自ら望んでそうしている風でもなかったので、なんでだろうとは思っていたのだけれど、これほど伊月の父の意向が働いていたとは。
ただ、現状では千尋が妹だということが伊月にバレることは、当初危惧していたほどの爆弾にはならなさそうではある。それだけ、伊月と那由多の交際が真剣かつ順調で、いまさら妹が出来たところで伊月が心変わりするような関係ではなくなっている、というところが大きいからだ。
ほんと、最初の方は妹バレがシリーズの中でも最大級の爆弾として物語を激震させるかと思ってたんだけれど、平坂さんは前々からこういう定番たる展開の仕込みをあっさりと無力化して流してしまうところがある。そういうのを肩透かしに終わらせるのではなく、物語の中の妙味として活かしているのだから、流石だなあ、と。
ただこれ、妹バレした時点では起爆しなくても、何気にあとあとで効果発揮してくる場合があるだけに油断ならない。今の所伊月は那由多の作家としての天才性に対等に戦ってみせる気概に満ちあふれているけれど、地雷はふんだんに埋設されているだけに……。
しかし、当面はバレても問題にならないところには来ているだけに、お父さんのもう正体を明かしてもいいなじゃないか、という判断は決して間違ってはいないのだろう。
問題は、千尋の女性としての交友範囲が義兄の伊月だけに限定されずに、いつの間にか伊月の周囲の面々にまで広がってしまったことにある。既に伊月を介在せずに多くの友人関係を構築してしまっているだけに、いまさら千尋の性別を明かすことが伊月相手だけで済む問題じゃなくなってるんですよね。
これは千尋としてはかなり困ったことになっている。まだ未成年の彼女としては、多くの友人を騙していたという事実を明らかにして関係を再構築する、というのは大変な勇気を必要とする件になってしまっていて、これはちょっと足踏みしてしまうわなあ。
せめて相談できる相手がいればいいんだけれど。これに関しては、大人組であるアシュリー先生と千尋は知らないけれど独自に気づいてしまっている土岐さん、という二大頼れる大人が彼女の正体を知っている、というあたりにセーフティゾーンが敷かれている、と思えばいいんだろうか。
まあそうそうひどいことにはならないだろうことは、みんな関係者いい人だけに安心は出来ているのだけれど。

とりあえず、シェアハウスで一緒に暮らすことになって速攻、家に伊月連れ込んで隣の部屋にみゃーさん居る状態でにゃんにゃんしようとしていた那由多、鬼畜であるw
エロマンガだとその流れで行き着くところに行き着いてしまいかねないのだけれど、これエロマンガ先生じゃないからなあ。
しかし、みゃーさんバイトの段階で編集長から部屋紹介されて家具とかも手配してもらって、って同居人が那由多と蚕先生という重要人物であるとしても、尋常じゃない優遇のされ方だというのを全く自覚してないのな。意外と自分のことについてはわからんもんなのよねえ。

シリーズ感想

妹さえいればいい。7 ★★★★   

妹さえいればいい。 7 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。7】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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ついに付き合うことになった羽島伊月と可児那由多。恋も仕事も充実して、ますますリア充真っ盛りとなる2人。そんな2人の交際をきっかけに、羽島千尋、白川京、不破春斗、それから何故か大野アシュリーの心境にも変化が訪れるのだった。千尋の前には新たなライバルが出現し、春斗は彼を慕う新人作家(巨乳)・相生初に熱いアプローチを受ける。近づいてくるクリスマスの足音。変わりゆくもの、変わらないもの。大人気青春ラブコメ群像劇、待望の第7弾!作家や税理士や女子大生たちの、新たな物語が幕を開ける―。

那由多は、一時期そのエロ回路が甘酸っぱさに機能不全を起こして乙女回路へと変換されてたのに、いざ付き合いだしたらもとに戻ってしまったなあ。そこまでひたすら肉食で在り続けて大丈夫なんだろうか、この娘。ぶっちゃけ伊月はそこまでタフじゃないぞ。肉体の疲弊がそのまま精神の疲弊につながって行きかねないところがあるし。ってか、そのうち逃げ出すんじゃないのか、こいつ。
それはそれとして、主人公が一人の女性と結ばれたとしても物語は終わらない。伊月の作家としての人生においての目標である那由多と並び立つ作家になる、というものはむしろ結ばれたからこそ必要不可欠なものになったし、現状アニメの放映も迫っている。やることやらなければならないことは盛り沢山だ。そして、本作は群像劇であり、伊月の周りにいる人たちの人生もまだ道半ばだ。まだ、何かをやり遂げるに至らない途中なのである。
そんな中で、一人のやり遂げてしまった作家の話が語られる。多くの作家に、人間に影響を残して逝ってしまった一人の天才作家の物語だ。いや、そんな彼女に置いて行かれた者たちの物語か。
不思議と、本作においては作家同士でその生き方、在り方に多大な影響を、或いは生き様に傷跡を残して変えてしまうケースが散見される。作品の中身だけではなく作品に挑む作家の姿勢、背中、生き様が、それを観測してしまったものに無視できない変質をもたらすのだ。
海津さんが凄いなあ、と思うのは彼がそれを傷跡のままにしないで、自分の作家としての生き様に昇華させて、今の業界を生き抜いているところなんだろうと思う。それは誇りか、証明か。それは誰に示すでもない、自分の中の決意であり信念として完結して、表に出しもせず誰かに伝えもしていない。しかし、それこそが彼の強さとしてライトノベル作家として今を生きる原動力となっている。そんな彼の目に、悩み苦しみながらも思うがままに突き進む伊月の姿がどう映っているのか。一方で、その伊月を眩しそうに見つめている春斗がどう映っているのか。なかなかに興味深いところではある。
海津さんと比べても、アシュリーは色々と踏み外してるよなあ、と思わないでもないけれど、彼女は彼女でその外れてしまった道を軌道修正するつもりは毛頭なく、このまま外れてしまった道をてくてくと歩いて行く気でいらっしゃるのは伝わってくるだけに、それもまた人生よなあ。……この人、何気にそっちのけがある、というか芽生えてしまった過去があるということは、春斗よりもむしろ妹ちゃんの方がヤバくないかしらw
作家から作家に伝わっていくもの、同世代ゆえにリスペクトし合うものもあれば、先達と後続との間で引き継がれていくものもある。自他ともに認める那由多のフォロワーである青葉のそれと、春斗との出会いによって自分の中で描くべきものを確立させた相生初。その作風の軽重と違って、青葉のそれがまだ表層しか捉えられていないような描写であるのに比べて、相生 初の方は春斗の言葉から自分が知りもせず拒絶してたものを見つめ直し、その上で自分の中で書きたいもの、書くべきもの、表現したいナニカを徹底的に吟味して、掘り下げて、自分自身を解体しきった上でもう一度組み上げたような「実」がこもってて、春斗が感じたようにこの娘、すげえ作家になるかもしれないのねえ。
春斗って、京ちゃんに恋してしまった瞬間でもそうだったけれど、この男自分の理解者に徹底的に弱いのなあ。いや、それは大概の人間に当てはまるものなのかもしれないけれど。
今回の話は、道半ばで早逝なされた作家への想いや、作品だけではなく作家への人格攻撃すら行う心無い者たち、自分たちを取り巻く環境への情念ともつかない熱量と。それでも……その上で、その先に歩み続けることを、それを体現するこの物語に登場する作家たちというキャラクターたちへの愛情を感じさせる回でもありました。

シリーズ感想

妹さえいればいい。 6 ★★★☆   

妹さえいればいい。 6 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。 6】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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可児那由多、本気出す。

告白ひとつで人間関係が一変してしまうほど、彼ら彼女らは子供ではない。けれども、心は確実に変化する。心の変化は物語に新たな潮流を作り出し、登場人物たちを否応なく巻き込んでいく。それとは関係なく、アニメ化という荒波もまた伊月を容赦なく押し流す。さらにはGF文庫にも、新しい作家たちが登場する。新展開、新人、新しい仕事、新しい日常。それはそうとぷりけつは相変わらず千年に一人のケツを持つ少女を追い求めていた。そんな彼にも大きな変化が……!?同じようで変わりゆく、青春ラブコメ群像劇第6弾!!

ぷりけつさんは普通に警察案件だと思うんですけどこれ如何に。
アニメスタートしている本作ですけれど、6巻ですでにここまで人間関係激変してるんだわなあ。京と春斗は告白に至る雰囲気がとても良くて、春斗の台詞は京ちゃんにとってもかなりぐぐっと来る言葉だっただけに、このまま付き合っちゃうかとも思ったのですけれど、京ちゃんからの伊月へのケジメとも言える告白が皮肉にも待ったをかけた感があるんですよね。伊月はきっぱり振って、京ちゃんはきっぱり振られたわけだけれど、振られた直後に春斗とお付き合いをはじめる、というのも確かに塩梅が良くない。想いを打ち明ける、つながることを求めるというのはとても大切なことであるがゆえに、伊月への告白が単なる清算になってしまうというのは京自身にとっても不本意だし、伊月に対して京ちゃんの性格からして失礼だと思っちゃうだろうし、それは先に告白されていながら伊月に告ったという春斗に対しても不誠実すぎるありさまになってしまう。
そのへん、ファジーでも良かろうにとも思うんだけれど、この娘誠実だからなあ。ぶっちゃけ、自分でいうほど伊月への未練とかじゃあないと思う。
しかし、熱りをさますにしても、仕切り直しするにしても何かきっかけが欲しいところだったんだけれど、てっきり京ちゃんの就職関連から動かしていくのかと思ったら、まさかの春斗の方への別の肉食系女子からのアプローチと来たか。そっちから揺さぶられたら、男女関係動かざるをえないよなあ。
そんでもって、こっちも決定的に動いた伊月と那由多の恋愛模様。こっちも、まさかこんな形で伊月が自分に対する縛りを覆すとは思っても見なかった。男の意地よりも、自分の心に素直になった、というべきなのかもしれないけれど、作家として対等になるよりも男としてこの娘を放っておけなかった、という方が適しているのか。とはいえ人生=作家・物書きである以上、そこで引け目を感じ続けるというのは変なところに負荷がかかり続けて、徐々に歪みが生じていく危険性もあるものです。男の意地云々もあるのだろうけれど、対等になりたいという願いの奥底には、そうした危機意識もあったと思うんですよね。伊月はそうなんでもかんでも柔軟に受け止められるほど柔らかい性格はしていないですし。一方で、今回の一件でもそのへん露呈していたけれど、那由多という少女はその破天荒ぶりとは裏腹にメンタル的にめちゃめちゃ脆い。何気に現状、そんな那由多を一番理解して、一番受け止めきっているのが京ちゃんなんですよね。もしかして伊月に対してよりも懐いてるんじゃ、という京への慕いっぷりも、京が伊月に告白したと打ち明けたときの反応にしても、京ちゃんもう伊月や春斗じゃなくて、那由多と結婚すればいいんじゃね? というくらいのパーフェクトコレクションでしたし。
この脆い同士の二人が付き合いだしても、かなり不安が募ってしまうのですけれど、周りがどれだけサポートしてやれるか、というところなんでしょうかねえ。とは言え、みんなも自分で手一杯になりかねない導火線に着火済の案件を抱えているだけに、いざという時に構える余裕が果たしてあるのか。
佳境である。

シリーズ感想

妹さえいればいい。5 ★★★★   

妹さえいればいい。 5 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。5】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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出版社はブラック企業!!

 伊月の担当編集である土岐健次郎(趣味:風俗通い)の推薦でGF文庫編集部でアルバイトすることになった白川京だったが、彼女を待ち受けていたのはバイトの領域を超えた恐るべき労働の日々だった。伊月や那由多といった問題児作家からの原稿回収、蚕のマンガのモデル(全裸)、那由多の取材(全裸)、連日の飲み会、作家や編集者からの無茶振り……。労働基準法なにそれおいしいの? 社会の厳しさを知り大人の階段を登る京(全裸)に、恋愛方面でも変化が……!? 
 身も心もさらけだす出版業界ラブコメ、衝撃の第5弾!!
なんという挿絵:カントクの贅沢な使い方!!
こういうイラストの使い方って、作者・イラストレーター両方がスケジュールきっちりしてて、編集と連携取れてないと無理だよねえ、というところで、今回出版社側からライトノベル業界を見た内容が多い巻でしたけれど、本作は上手くまわってますよー、という感じですか、はい。
那由多の真・デッドゾーン領域突破を見てしまうとわらえねー話なのでありますが。
というわけで今回は、出版社。それもライトノベルレーベルであるGF文庫編集部でアルバイトすることになった白川京ちゃんがどう見てもメイン! いやあこれ、初っ端から那由多の原稿取ってくる、というスマッシュヒットを打って、狂乱寸前だった編集部から喝采を浴びた京ですけれど、仕事内容見てると普通に業務こなせるだけでアルバイトとしては当たりの方なんじゃないだろうか。編集長は「顔!」とか評価ポイントを謳ってたけれど、最初からそつなく雑用からなにからこなしてくれたら、アルバイトは十分ですよ。出来ないやつって一定量どうしたって出てくるわけだし。幾つかの失敗例は、どちらかというと京の無知が原因であり、それは先に雇用側で教えておいてくれないとわからない内輪ネタでもあったわけで、彼女自身に責任はなかったわけですしね。
とはいえ、現段階ではあくまでアルバイト。ひょんなことから、蚕の進退に関わったり、伊月のアニメ化に際しての会議で伊月の背中を押したり、と大きな結果をもたらす機会があったとはいえ、それって責任のある「仕事」としてやったことではなく、あくまで偶然遭遇した場で影響力を発揮しただけ、とも言えるわけです。そういう場に巡り会える運や、そこで皆の考えや行動を変えるだけのナニカをし得るというだけで十分大したものではあるんですけれど、まだ京は編集者としてその仕事内容のける困難にも理不尽にも試練にも関わっていないわけだ。同時に、土岐さんや那由多の担当である山城さんの感じている仕事の楽しさ、喜びに関してもまだ味わっていない、とも言えるのである。まだまだこれから、スタート地点を模索している段階、とも言えるのだけれど、京という子は今公私に渡って、そこにたどり着こうと足掻いてるんだな、というのがよくわかる回だった。
特にプライベートの方でも、恋愛関係についてついにあやふやな状態から、自身が向ける方も向けられる方もついに停滞から脱してしまったわけですし。不破くんはよくやった。告白の場面としては実にスマートで良い場面だった。いやもう、雰囲気良すぎて逆にどうか、と思うくらいなんだけれど。実際どうなんだろう。直後の、あの伊月と京の気安い雰囲気を見てしまうと、伊月と京のその直後の展開をわかっていてもあの気取らない雰囲気が、京にとってもとてもリラックス出来る空気感なんだろうな、というのが伝わってくる。
とはいえ、不破くんとの二人きりのときの雰囲気も決してぎこちないなんてことはなくて、あれはあれでくつろいだ雰囲気になってるんですよね。あの瞬間は特別であっても、それがそのまま日常にスライドしても悪くないような。相性は絶対良いと思うんだよなあ。口説き文句としても、あの時京が一番欲しがっていたものを、思わぬ方向から提示してみせたわけですし。
ただまあ、京が一番ラブラブしてるのってどう見ても那由多なんですけどね。すっげえイチャイチャしてるし。那由多って、そりゃあ伊月にメロメロですけれど、甘酸っぱい関係築いちゃってますけれど、普段イチャイチャしてるのどうみても京ですからね。お前、京のこと好き過ぎるだろう、というくらいデレッデレのベッタベタですしね。
挙句、一緒にいるとき常に全裸とか。全裸とか。全裸同士でイチャイチャとか。もう京の方も那由多と一緒に居るとき服脱ぐことに違和感持ってないし。いや変だからねそれ。
なんかもうこれ、アニメ化に対して完全に挑戦状つきつけてるよね。アニメ化だからって、無闇に裸のシーン増やそうとしてますよね。というか、もう全裸しか出さねえ、という気概を持って頑張ってますよね。
これはもう一言申さねば気が済まない。

そのまま頑張れ!!

シリーズ感想

妹さえいればいい。 4 ★★★☆   

妹さえいればいい。 4 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。 4】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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『妹のすべて』のアニメ化が決定し、さらにはコミック化も決まり絶好調の羽島伊月。しかし満場一致でコミカライズ担当に選ばれたマンガ家・三国山蚕にはとんでもない秘密があり、それはぷりけつや可児那由多、そして何故か普通の女子大生の白川京まで巻き込んだ珍騒動へと発展していくのだった。果たして伊月は、初めてのメディアミックスという荒波を無事に乗り越えることができるのか!そして伊月と那由多との関係にもついに変化が…!?大人気青春ラブコメ群像劇、待望の第4弾!今、すべてを懸けた戦いの幕が上がる!

散々っぱら、実の妹が居ないからこそその妹への憧れ、渇望、飢餓感から狂気の妹作家としての筆を奮えている、という言が述べられているけれど、どこまでこれを引っ張ることになるんだろう。既刊が既に6巻まで出ているのでネタバレに関しては慎重に対処しよう。
ただ、実際に妹の実在が発覚したとして、それで伊月が満足してしまうかというと既に妄想の妹への渇望しかなかった当初と違って、那由多への想いがしっかりと形を経て出来上がってきていることには留意しておきたい。
作家としてのモチベーションにはっきりと、那由多と同格の作家になる、というものが形作られてますからね。それが、妹の出現でガス欠になるかというと……まだ怪しいところですけれど、着実に伊月は作家として次のステージにあがりかけているわけだ。つまるところ、妹バレはそれこそ伊月が妹から独り立ちできる段階まで進んでから、ということになるのかなあ。
一方で、伊月と那由多の作家観の違いというものも、爆弾として着々と敷設しているようなのだけれど。
平坂さんって、あからさまに仕込んだ伏線、ずっとチラつかせるくせに起爆はなかなか起こさないのが、何気に質悪いw

さて、ついに自作のアニメ化企画が持ち上がった伊月。まさかの代打のアニメ化、なんてものがあるのか。別の作品のアニメ化の為に準備されていたスタッフや制作会社を、当該作品がポシャったために急遽他の作品をあてがってアニメ化する、なんて事が実際にあるんだ。
でも、普通そんなん、作る側にも原作への傾倒とか一切ないし、そもそも体制が前の作品用に整えられたものだから、作風とそもそも合ってない可能性があったり、と不安要素だらけじゃないですか。
これは、敢えてアニメ化を断る、という選択肢も間違ってはなかったんでしょうなあ。自分の作品への愛情を思うと、無茶苦茶にされる恐れが高い状況に敢えて飛び込む、というのは勇気とは別の決断が必要なんじゃなかろうか。
特に、今は同じくアニメ化でそれはもうヒドイことになってしまった親友の春斗という実例が真横に転がっていたわけですしね。でも、チャンスには違いないだけに、決断だよなあ。
案の定、いかな急遽の代打のアニメ化だろうと、アニメになるのならコミカライズなどのメディアミックスはほぼ必ずついて回ってくれるわけですけれど、このコミカライズも相手の漫画家の選定は大切なんですよ、うん。
これに成功すると、たとえ原作終わっても漫画のほうがずっと続いてくれるケースも少なからずあるわけですしね。
そして、新たなる変態の登場!
いやこれって、変態なんだろうか……いや、蚕さんは普通に変態っぽいんだが、下着派と全裸派は単に主義主張、生き様の問題であって変態かどうかではないと思う。全裸で本を書くことの何が変態か。
……パンツをリボンにして平素から頭に飾っていたり、絵を描く時パンツを顔にかぶるのは普通に変態だと思うけど! そも、己の拘りを押し通して原作を改変してしまう、というのはまず絶対にやっちゃいけない部分だと思うんですけれど、その改変がより原作を、原作のキャラを魅力的にするのであれば、それは否定されるべきじゃないと思うんですよね。特に、蚕さんは原作者である伊月を、真正面から納得させ、満足させ、頷かせてしまったのですから。
でも、その後に那由多が蚕のコダワリを、また真正面から突破して、誰もが納得できるところに着地させるあたり、何というか作者が欲している理想の着地点、というのが色々とすけて見えてる気がする。
最後のボードゲームのドタバタでもそうだけれど、これだけキャラみんな立たせておきながら、同時に作者の様々な本音を赤裸々に垂れ流すのを両立させているのって、ある意味すげえよなあ。このバランス感覚には感嘆を隠せない。
ともあれ、実際のアニメ開始までは進展しなかったものの、京ちゃんが編集部にアルバイトで出入りすることになるなど、状況は刻々と変化し前に進んでいる。
那由多の乙女心も、あれは進化している、と言っていいんだろうか。ただの痴女からはレベルアップしてる、と思いたいところだけれどw

シリーズ感想

妹さえいればいい。 3 ★★★★   

妹さえいればいい。3 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。 3】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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妹モノの小説ばかり書いている妹バカの作家・羽島伊月は、様々な悩みや問題を抱えながら慌ただしい日々を送っている。原稿の締め切り、恋、そして家族のこと…。アニメ化で大ダメージを負った友人作家の不破春斗から恋愛相談を持ちかけられたのを皮切りに、伊月の周囲の人間関係も動いていく。果たしてその先に待ち受けるのは激動か、平穏か―。一方、天才イラストレーターぷりけつは千年に一度のケツを持つ少女を捜していた…!羽島兄妹の事情も明らかになるかもしれない、大人気青春ラブコメ群像劇第3弾!!

えっ……伊月ってそんなにカニちゃんの事好きだったの? いや、普通に考えてあんな良い子にあんなド直球(危険球込み)の好意を投げつけられて、それも一方的じゃなくて普段から一緒に遊んで過ごすわ、家でダラダラ一緒に過ごすわ、と生活的にもリズムが合っていて、条件的には悪いなんてもんじゃないんですよね。勿論、恋愛なんてものは条件さえ揃えば成立したりするものじゃあないんだけれど、条件が揃えば成立しやすくはあるわけだ。その意味では伊月にそういう感情が生まれる、というのは何ら不思議ではない環境だったにせよ、ここまでハッキリと好きだと言わさしめるとは思わなかったなあ。しかも、カニちゃんの攻勢に押し切られたとかそんな感じでもなく、わりと自然に芽生えて育んできたみたいな雰囲気じゃあないですか。
すごく、上手くいきそうなんですけれど。似た感じで言うと秋★枝さんの【煩悩寺】のカップルみたいで。
しかし、そこで伊月がどうしても踏み切れないのが、作家としてのプライドというわけか。現状、圧倒的に作家としてはカニちゃんの方が売れっ子。比べるのもおこがましいほど知名度や人気に差がある。勿論、収入も。そのあたり、気にしない人は気にしないんだけれど、結婚が上手くいかない傾向としては確かに無視できない要因ではあるんですよね。伊月も、コンプレックスには事欠かない神経質なタイプですし。
一方で、どうもカニちゃんの方にも作家として持ちたるものは持っているようで、今まで比べられる相手というのが居なかったのかもしれないけれど、いざ比較された時に負けたくない、という思いが生じるのは極々自然なことだと思うのですよ。それが、ついにカニちゃんにも芽生え始めたというのは作家としては喜ばしいのかもしれないけれど、その対象・ライバルとして伊月を意識し始める、というのは恋愛的には自分でハードルを上げにかかってしまっていそう。これ、お互いに負けたくない気持ちが募っちゃうと、相手に勝ってから、というゴールじゃあどっちも永遠にたどり着かなくなってしまいかねないし。その辺の調整が問題になってくるのかなあ。
と思い巡らせてしまっているあたり、どうも伊月の相手としてはもうカニちゃんに決定、と自分の中で決め込んでしまったのかもしれない。京ちゃんの長年拗らせ続けてきた想い、というのも掛け替えのないものだと思うんだけれど、今のところ伊月の方には脈なさそうなんだしなあ。それなら、春斗の方を素直に応援してあげたい。お似合いといえば、春斗の方がお互いを補い合えそうな性格ですし。京ちゃんの気持ちにさっさと気づいて、伊月に間取り持って、なんてややこしくなりかねないお願いをさっさと取り下げるあたり、見事な修羅場回避能力ですよ、春斗くん。登場人物の中でも人間関係の機微の敏感さに関しては、彼だけかなり突出してるんだなあ。それに、周りの友人たちは随分助けられている気がする。問題は、彼が機能しなくなった時、ということになるのか。
あとは、伊月が自分に実は妹が居た、という事実を知った時か。伊月が本気でカニちゃんのことを好きだとわかってしまうと、何気にこの地雷は結構深刻なものだと思えてくる。妹に溺れるか、妹を卒業するのか。彼の妹作家としての小説家人生をも左右しかねない案件なだけに、爆発するのが楽しみでも在る。段々と、妹ちゃんの性別を知る人も増えてきてますしねえ。今のところは漏れ出る筋には漏れてませんけれど。

しかしなー、何度読んでも社会人として悠々自適も良いところ、な毎日にしか見えなくて、楽しくもじわじわと脇の下あたりから羨ましいという怨念がにじみ出てきてしまうぜ……。

シリーズ感想

そんな世界は壊してしまえ ‐クオリディア・コード‐ ★★★   

そんな世界は壊してしまえ ‐クオリディア・コード‐ (MF文庫J)

【そんな世界は壊してしまえ ‐クオリディア・コード‐】 さがら総/カントク MF文庫J

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人類の『敵』――“アンノウン"の襲撃により世界が崩壊した近未来。湾岸防衛都市東京の学園に所属する朱雀壱弥は――人類を愛しすぎていた。全人類の発展のため、美少女の告白をバッキバキに叩き潰し、戦わない同級生の心をボッキボキに叩き折る。デート? カップル? それはこの世界でどんな意味が? なにもかもを論理で語れ。自分の正義を信じてやまない朱雀に、謎の転校生少女の調査任務が与えられ……? 「人類が好きか?」「大好きです! 」「なんでもできるか?」「なんでもします! 」ポジティブクズとドM天使が出会い、新たなる変態ストーリーの幕が上がる――!
『変態王子と笑わない猫。』コンビが贈る青春ラブコメの最前線! 刮目せよ!
人類という総体を愛しているに過ぎなくて、個々の人間の個体には一切興味もなく、総体としての人類に役立つ個体にのみ関心を持って愛でてる、ということ? この主人公。
真面目系クズ、というのじゃなくて単に価値観の違いなんだろうけれど……いや、この総体を愛して個には関心ないって、かなり理解し難いんですけれど。例えば、犬とか猫とかが好きな人って種としての犬猫を好きであっても、個々の犬猫を可愛いと思うからこそ、種としての犬猫も好きなんですよね。個々の犬猫には興味ないのに、総体としての犬猫は愛しまくってるって、想像できないんだよなあ。
駄目だ、本気でわからん。
ロジックとしては理解できても、心理構造がいびつすぎて無理矢理感が否めないんですよね。これだと、名無しのドレッド主席の無機質な個を無視した全体優先主義の方が、環境に培われた非人間性としてあり得るカタチで、そういうのが存在するというのに納得できるんだけれど、朱雀の方は無理やり造った下手くそな人工物的な愛情があって、なんというかわかりやすすぎる。斜め45度にチョップで叩けば治る程度の不具合というか。ちょっと上に被せた幕を外せば正常な感性が現れる、くらいの価値観でこれは、修正しやすそう。
噛み合わない朱雀とつぐみの掛け合いとか、カナリアのやればやるほど哀れなことになっていく訓練のポンコツさは面白かったけれど……。頭のオカシイキャラって、本当に骨の髄まで頭おかしくないと……というと語弊があるか、それぞれが持つ固有の価値観がブレないキャラでないと、どうしても浅くなるんですよね。もし、その価値観が変わるとき、壊れるとき、価値観が強固だったり強烈だったり、少なくとも簡単にブレないものでなければ、破壊された時のインパクトや痛快感にはやはりどうしても陰りが出てしまう。
その意味では、朱雀もカナリアも言動こそ過激だけれど、価値観の強度に関してはウエハースっぽく感じてしまって、タイトルにもあるような東京というエリアの価値観の破壊に対する痛快感に関しては、どうもあんまり盛り上がりを感じなさそうなのが、ちと残念で物足りないか。
名前も出てこない主席も、存在感薄いしなあ。あの捨てられた娘も、現場であんな風に切り捨てられるのは非常識で非合理だと思うけれど、自分の独りよがりな行動を反省もせずおんなじことを繰り返して失敗するわ、許してもらえると端から甘えた考えを抱いていたことやら、自業自得もいいところでさっぱり同情も湧かなかったですしねえ。
コント劇場はほんと、笑えて楽しかったんで次も読むつもりですけれど、シリアスサイドが増えてくるとどうかなあ。

妹さえいればいい。 2  ★★★☆  

妹さえいればいい。2 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。2】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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妹バカの小説家・羽島伊月は、人気シリーズ『妹法大戦』最新巻の執筆に苦戦していた。気分転換のためゲームをしたり混浴の温泉に行ったりお花見をしたり、担当への言い訳メールを考えたりしながら、どうにか原稿を書き進めていく伊月。彼を取り巻く可児那由多やぷりけつ、白川京や義弟の千尋といった個性的な面々も、それぞれ悩みを抱えながら日々を生きている。そんな中、伊月の同期作家で親友・不破春斗の『絶界の聖霊騎士』のテレビアニメがついに放送開始となるのだが――。
妹と全裸に彩られた日常コメディ、第2弾登場!!
一話から救いようのないくらい終了してしまってるアニメって……。いや、無いことがないのが恐ろしい。
原作者からすると、そりゃあショックでしょうねえ。誰も糞アニメにしようと思って作っているわけじゃない、と言ってもさ、事実クソアニメなんですから。実際問題、アニメ化というのは原作者サイドにとっても色々と手間暇増えるわけで、アニメ制作に深く関わらなくても、あいさつ回りや打ち合わせに出たり収録に顔出したり、色々資料をまとめて提出したり、反映されるかわからないけれどチェックしたり、アニメ化イベントや特典物に関するあれこれに従事したり、とアニメ放送に合わせて新刊が組まれたり、とそれまでの執筆生活とはガラリと変わるスケジュールが詰め込まれるわけです。
どうやったって、ただの傍観者じゃいられないんですよねえ。そうやって普段のペース崩してあれこれ頑張った結果、自分の作品がクソアニメとなって出てきたら、心折れますよ。落ち込まずに耐えれる人って、そんなに多くないと思いますよ。
酷いアニメ化じゃなくても、やはりアニメ化作業によってペース崩して、それまでから刊行ペースが激減してしまう人も珍しくないわけで。
一方で、成功すれば原作も売れてウハウハ、モチベーションもあがってワハワハ、となるわけですから、いずれにしても大きなイベントなんですよねえ、アニメ化って。
でも、どんな失敗も成功も、当事者以外にとってはどうやったって他人事なわけです。親密な友達なら心配し、同情することもあるでしょうけれど、京ちゃんみたいに本気で泣いて悔しがってくれる人はほんとに良い子なんだよなあ。これは惚れても仕方ない。
ただ、これで人間関係はより複雑化してしまう形になるのだけれど、伊月や京がグダグダやってて進展のしようがなかっただけに、春斗のこの積極性はむしろ好感が持てますね。伊月の、今の生ぬるい楽しい友人関係をいつまでも続けたい、というのもわかるんですけどね。制限時間のある学生時代ならともかく社会人でこれだけ日常的に友達が家にきてグダグダ遊んでってくれる環境を崩すというのは、勇気のいることだと思うし。それにしても、那由多のあのアプローチを袖に出来るというのは信じられないけれど。那由多も、変にルーチーンになってしまってて、伊月から本気で受け止められてないというのもあるんでしょうけれど、シチュエーションというか雰囲気って大事なんだなあ。だからこそ、那由多の同棲作戦はわりとイイトコロついてたんですよね。あれ、ちゃんとやれてたら何気に陥落してたんじゃないだろうか。




妹さえいればいい。4   

妹さえいればいい。 (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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「アマゾンレビューは貴様の日記帳ではない!」
荒ぶる小説家・羽島伊月は、未だ見ぬ究極の妹を創造すべく日夜奮闘する現代のピグマリオンである。彼の周りには、作家やイラストレーターや編集者や税理士など個性的な人々が集まっている。愛も才能もヘビー級、残念系美少女のハイエンド・可児那由多。恋に悩み友情に悩み夢に悩む青春三冠王・白川京。闘志を秘めたイケメン王子、不破春斗。人生ナメてる系天才イラストレーター・ぷりけつ。頼れるけど頼りたくない鬼畜税金セーバー・大野アシュリー。闇を抱えた編集者・土岐健次郎――。
それぞれ迷いや悩みを抱えながらも、ゲームをやったり旅行に行ったりTRPGをやったり、たまには仕事をしたりと、賑やかで楽しい日常を繰り広げる伊月たち。そんな彼らを温かく見守る完璧超人の弟・千尋には、ある重大な秘密があって――。

各界から絶賛の声多数(本当)! 『僕は友達が少ない』の平坂読が放つ、日常ラブコメの到達点にしてライトノベル界の現実を赤裸々に晒す衝撃作。言葉の鋭刃が今、世界と担当編集の胃に穴を穿つ――!!!!
楽しきことは良きことかな。いや、実際には楽しいわけではないのかもしれない。息苦しさ、不安、妬ましさ……ネガティブな感情がたゆたっている様は、この賑やかな光景の向こう側にうっすらと透けて見えている。作家として生きて稼いで積み重ねていく生活が、こんなにもただただ楽しいばかりなんてことはないだろう。
でも、好きなのだ、という事だけはこれ以上なく伝わってくる。
物語を書くということが。作家であるということが、このライトノベルという業界の中にいることが。この仕事を通じて知り合った人たちと交流することが、とても好きなのだということは凄く伝わってきた。
だったらいいじゃない。好きなら、いいじゃない。こうして、好きでい続けられるのなら、いいじゃない。
それこそ、とても素晴らしいことで、とてもうらやましい。
しかし、願望と現実の境目がどのへんにあるかで、いささか見る目も違ってきますよ。微苦笑からジト目を経由して白目剥くまで如何様にも。

【はがない】シリーズ長く続いていたけれど、本作はちょいと巻き戻って【ラノベ部】を彷彿とされる掌編をわんさと詰め込んで、様々なシチュエーションで登場人物を動かしその魅力を盛り上げていくという形式で、こうして読むとやっぱり自分は好みとしてはこっちの方が好きなんだなあ。
でも、千尋くんの設定はあれなにがどうしてこうなってるんだろう。最初に身の危険でも感じてしまったんだろうか。実のところ、伊月が妹狂いというのは今のところ作品の味付けに過ぎず、核心には全くなっていないので、千尋くんの話も実際は対して重要なものとしては転がらないのかもしれないが。
伊月の、那由多に対するコンプレックスも不毛であって先行き皆無だしなあ。この辺一切転がさないまま終わってしまっても不思議なさそう。

平坂読作品感想

変態王子と笑わない猫。24   

変態王子と笑わない猫。2 (MF文庫J)

【変態王子と笑わない猫。2】 さがら総/カントク MF文庫J

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夏が終わる。十六歳のたった一度きりの夏が。いったいぼくは何をして過ごしたというのだろう? 大いに焦る横寺陽人は、今日も今日とて空回り。月子に振られ、小豆に振られ、ポン太に振られ――自宅までも消滅した! なんで? どうして? どういうこと!? 雷雨のなかにひとり、なにもかも喪って、どこに行くあてすらもない。「それなら先輩。今夜は、わたしの家に泊まるですか」「あ、うん。うん?」……夏の終わりの台風日和。最後の最後に、最高のホームランイベントが待っていた! 風呂場の裸。縛られる布団。落ちる手錠。破られる衣服。そして――土蔵に潜む猫? 早くも人気沸騰の爽やか系変態青春ラブコメ第二弾! バイバイ、ぼくの初めて――
そんなに月子の兄になりたいのなら、いっそお姉ちゃんと結婚してお義兄ちゃんになっちゃえばいいじゃない、と兄兄連呼する主人公を半眼で見てたら、その通りだと言わんばかりにお姉ちゃんがとち狂った!!
すまないが、何がどうしてこうなったか全然わからん! お姉ちゃんの思考プロセスって訳の分からないタイミングで全く予想できない方向に空間跳躍してしまうものだから、時々前後関係微妙に繋がっておらず、何がどうしてそういう事になってしまったのか咄嗟に理解できずに、あのシーンは一瞬唖然としてしまった。
いやまさか、戸籍謄本まで見せたのにそういう結論に達してしまうなんて、予想外すぎるよ!(爆笑

という訳で、表紙は小豆にも関わらず、今回のお話はこれでもかというくらいに筒隠姉妹のための姉妹による姉妹のお話。小豆も途中で無理やり合流してきてるけど、どうも賑やかし扱いだな、これ。そもそも、主人公の小豆に対する扱いが酷すぎるんですが。気がないにしても、眼中にないとしても、その対応はないだろうと。なんでこいつ、万事に万事こんなに確信的なんだ? 世の中こうあるべきという確固とした信念を持っているといったらカッコイイけど、どうも自分の気持から他人の気持ちまでこうあるべきと決めつけて一寸もそれを疑ってない部分があって、折々で殺意が湧いてくるんですがw
ただ、その主人公の一方的な見方と各ヒロイン衆との錯誤、噛み合わなさこそが、この作品の芸術的なほどの会話テンポの軽快さ、軽妙さに繋がっているので損なうのも難しい要素なんですよね。
うーん、改めて見るとホントに凄いんだよな、この会話のテンポ。打てば響く鐘の如し、とでも言うべきか。この手のラブコメというのは軽妙な掛け合いこそが主眼な所があるが故に、逆に言うと掛け合いなんて見慣れきっててよっぽど光るものがないとすぐに埋もれてしまうものなんですよね。キャラクターの魅力や存在感によって面白さを維持向上させているパターンのものもあるといえばあるんだが、純粋に掛け合いだけで魅せれてる作品はやっぱり少ないんですよ。
その中でもこの作品は、会話の内容ではなく、掛け合いの間で魅せるという一点において別格かもしれない。恐ろしく完成度の高い漫才を見せてもらったような気すらしてくる。何より凄いのは、このリズム感が最初から最後まで一貫して調子を崩さず走り抜けてしまうところだ。普通は展開によって、ある程度高低差は出るものなんだけど。これを一本調子と見る人もいるかも知れないが、今回の話については私は高い位置に高度を保ったまま跳躍し切ったと見てる。もう凄いなあと感心するに終始してしまった。
まああれだ。端的に言ってしまうと、単純に掛け合いの描き方が上手いんだわ。それに尽きる。特に今回は、冷静なツッコミ役の月子と、見事な振り回され役の小豆に対して、主人公のボケに対して更なる大ボケで返してくるつくし姉さんが前回よりも遥かに多く関わってきたせいで、ボケとボケの応酬によって会話が明後日の異次元に飛び回るという噛み合わなさが芸術的な領域にまで達した混沌となってた分、余計に冴え渡ってみせたのかも知れない。
自分としては、このアホの主人公にはあのアホなつくし姉さんが意外とピッタリなんじゃないかと思うようになってしまった。小豆さんは不憫だがなっ! いや、不憫すぎて、この主人公相手だと彼女苦労しそうを通り越して悲惨な有様になりそうな気がするし。それならいっそ、何一つ噛み合わないことでむしろ噛み合ってる気がしてきたつくし姉さんとの方が上手くいくんじゃないかと。月子はつくしと横寺くんの皆の望むとおり、妹というポディションのまま事実婚という形で……w
いやね、本気でデレたつくしさんがもう訳分かんない可愛さなんですよ。鋼鉄の王なんて呼ばれてた一巻からは想像できないくらい。ただでさえアホの娘なのに、自分で自分が訳分かんなくなっちゃって、混乱して、一杯いっぱいになってテンパッた挙句の行動がアレですもんねえ。「察して」には直撃くらいました。あれは反則。参った。


1巻感想

変態王子と笑わない猫。4   

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

【変態王子と笑わない猫。】 さがら総/カントク MF文庫J

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 bk1

横寺陽人は頭の中身が煩悩まみれな高校二年生。ひょんなことで“笑わない猫像”に祈ったら、心で思ったことがいつでもどこでも垂れ流しになってしまった! 人生の大ピンチを救ってくれたのは、クールでキュートな無表情娘、筒隠月子――「頭の先から尻尾の終わりまで撫でまわしたくなる感じの子だなあ」「変態さんですね」「ち、違っ、褒め言葉の一種だよ!?」「裁判沙汰の多そうな変態さんですね」「!!??」とにもかくにも猫像のせいで喪われた本音と建前を奪還しようと、ふたりは協力してアニマル喫茶に行ったり水着を買いに行ったりお嬢様のペットになったり――ん?第6回新人賞<最優秀賞>受賞、爽やか変態×冷ややか少女の青春迷走ラブコメ!

もんのごいバカが居た!!(爆笑
そこに到るまで、主人公の突き抜けたバカっぷりが際立っていたので、まさかそれを上回る逸材が隠れ潜んでいるとは思わなかったので、途中から馬脚を現し始めながらもまさかまさか本性がそこまでどうしようもなく酷い(笑)とはとても想像できず、クライマックスのカミングアウトだか暴露だか、実は本人全然隠してなかったのかもしれないけど、兎に角驚愕の真実に、もうひっくり返って大笑い。その真相単体では多分ここまでウケなかったと思うんだけど、変態方面については主人公のハデさに目を奪われ完全に死角に入っていたのと、当該のキャラについて全く違うイメージで固定してしまっていた分、此処ぞというときのインパクトにブースト掛かったんだろうなあ。
いやあ、あのシーンはウケにウケた。
とはいえ、それに塗り潰されるほど主人公のキャラクターも薄くはない。というか濃い、いや濃いというよりも酷い。ある事情から煩悩強度がふたり分抱える羽目になった上に建前を奪われ、嘘がつけず本音が駄々漏れになってしまう、という有り様になっているとはいえ、その本音が酷すぎるw
逆に素直に感情や本音を表に出せなくなり、表情や抑揚を失ってしまった月子とのポンポンとリズムのいい掛け合いは、本当に面白かった。二人がこういう有り様になってしまって以降、加速度的にノリやテンポが良くなっていくんで、冒頭しばらくのノッタリとして話に入りにくいテンポは一気に払拭されていく。どんどん楽しくなっていく。月子も、クールに主人公の変態発言の連発を罵るんだけど、建前を奪われた事で行動への歯止めも消えてしまった主人公の突進を制止したりもしないし、それどころか結構付き合いよくひょこひょこと主人公の後ろを付いてくるので、実はブレーキ役がいないんですよね。お陰で鉄砲水みたいな主人公たちの勢いに巻き込まれて押し流されてしまうのが、被害者にしてもう一人のヒロイン、小豆梓なのである。被害者だよね、どう見ても(苦笑
主人公視点なので、なかなか梓と月子、二人のシーンがないんだけど、これはちょっともったいなかったかなあ。どうやら主人公の居ないところで相当、二人仲良くなってたみたいなんですよね。三人一緒で行動するときのドタバタ感の楽しい雰囲気が良かっただけに、余計に女の子二人での様子も見たかった。何気に、月子にとっても梓にとっても、お互いの存在ってキーパーソンになっているわけですし。月子にとって、姉との拗れた人間関係の悩みをいだいている中、梓はお姉さんのような存在として重きを為し、実際の姉妹関係について考える節目になっているし、梓は梓で失楽し遠ざけるようになってしまった同性の友人という立場にスルリと滑りこんできた月子は、友達という存在をもう一度梓に考え求めるに至るきっかけになったわけですから。
主人公のパワフルな言動に振り回される事が、月子と梓にそれまで立ち止まっていた所から一歩進ませ背中を突き飛ばされて前に進むはめになったとはいえ、そこでまた立ち止まってしまわずに勇気を持てたのは支えとなるもの、ちゃんと自分を見てくれるもう一人のお姉さんや逃げまわる自分を追いかけて友達になってくれた年下の娘が居てくれたから、とも言えますものね。
その意味でも、梓と月子の二人の関係についてはもっと突き詰めて見てみたかったと思います。ただのライバルじゃない、という意味においても。
さて、肝心の変態王子なのですが、これまた単純に見えて複雑怪奇になってるなあ……。彼の猪突猛進性と、まるで逆な後退りしてしまう性質。そのまるで別人、二人いるみたいな乖離性は、つまるところ本音だけがその人のすべてか、って事なんでしょうね。建前にだって、本音は介在している。いや、建前を振りかざしてしまうその意志にもまた、嘘のない本心が隠れている、とでも言うのでしょうか。肝心なときに、自分の本音がわからないから、と尻込みしてしまう行動と、建前を振りかざして有耶無耶にしようとする行為に、何の違いがあるのか。
つまるところ、肝心なときに二の足を踏んでしまうのは、建前本音を抜きにしたところにある彼の本質だった、ということか。だから、彼が“笑わない猫像”に祈った自分の建前を取っ払って欲しいという願いに込められた、自分の中で変えたい部分は、猫像の奇跡では変わらなかったということなんでしょう。結局、それを成すには他力本願ではなく、自分の力、自分の意志でやらなきゃならなかった。妖精さんと笑わない猫に背中を押してもらったとはいえ、それをちゃんと出来た主人公は、偉いと思いますよ。
でも、自分の思ってることをちゃんと言えるようになったなら、次はもう少し周りに居てくれる娘たちの事をよく見て、彼女たちが何を思っているかを考えてあげて欲しいな。女の子に淋しそうな笑みを、ため息をつかせている間は、まだまだ、だよ。

 
1月27日

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1月26日

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1月25日

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1月21日

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1月10日

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