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カンピオーネ!

カンピオーネ! XX 魔王内戦2 ★★★★   

カンピオーネ! XX (ダッシュエックス文庫)

【カンピオーネ! XX】 丈月城/シコルスキー ダッシュエックス文庫

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Kindle B☆W

草薙護堂は神殺しである。『最後の王』ラーマとの決戦を賭けて激突する魔王VS魔王。混戦の中、なんと羅濠教主とヴォバン、最古参のカンピオーネふたりがまさかの同盟!迫り来る最凶タッグに、護堂はやむなく手を組んだドニと共にこれを迎え撃つ!一方、ラーマに寄り添う黒き影にしてその実弟、ラクシュマナも顕現。魔王内戦の裏で、怪しい動きを見せ始める。さらに激戦の最中、導かれるようにしてアストラル界にたどり着いた護堂。そこで、ラーマの圧倒的な力の源『盟約の大法』を無効化するための、ある驚愕の秘策を知る。そのための鍵を握るのは、やはりあのカンピオーネで…!?地上も霊界も全てを巻き込んで加速する魔王内戦、ついに決着!!
時間の果てに飛ばしても、「ただいまー」とばかりにあっさり戻ってくるカンピオーネ諸氏w
いやあ、事前に対策打っていたとはいえあそこまで簡単に1万2000年前から戻ってこられると笑ってしまうしかない、ジョン・プルートー・スミス氏。このシリーズ読む度に言わざるを得なかったんだが、重ね重ねこいつらデタラメすぎるww
一応事前のこの魔王内戦の決着策として、夫人の能力で過去に飛ばして、というのは容易に想像出来たんだけれど、ビンビンにやる気なってるカンピオーネ相手だと過去に飛ばす程度だとほとんど意味ないんだもんなあ。
いやね、普通はラスボスクラスでも時間の果てに飛ばされたらそれでそのまま物語としてエピローグに突入してもおかしくない展開なんですよ? 実際に飛ばされたのは今回スミス氏だけだったとはいえ、他の連中も飛ばされたとしてもまず間違いなく長くても数時間で戻ってきそう、というこの確信の揺るぎなさには笑ってしまうしかない。
その現状でもデタラメなカンピオーネ諸氏が、このカンピオーネ同士の全力闘争によって軒並みガンガン自分の権能磨き上げ、めきめき目に見えてレベルアップしていくんだから、手に負えるってなもんじゃないでしょう。
護堂ですらここに来て、今まで持っていたウルスラグナの権能の使い方が工夫レベルじゃなく熟練度があがってより上位の使い方が出来るようになりました、って感じで使えるようになってしまったし。古参であるはずの姐さんですら、新たな技を開発する始末。
個人的には斬る専門でなかなか手の内を見せなかったドニが、ここに来てほぼ使える手を全部見せてくれたことにワクワクでした。ってか、流星剣ってなんじゃーそりゃー! 
ものすごいのは、ここまでやっておきながらカンピオーネ6人、誰一人格落ちを感じさせず、それどころか全員ヤバすぎ、と今まで嫌というほどわかっていたはずのカンピオーネの脅威をさらに盛り込んでワサビ刷り込むように味わわせてくれたことでしょう。そりゃ、これ機会にカンピオーネ全員この世から抹殺してしまった方がいいんじゃないだろうか、と色んな人が思うのも無理ないわなー。よっぽど神様たちよりも質悪いもの。
ついに歴史の修正力さんが実際に現れてしまって、ガチで泣き入れてきてしまったわけですしw
うん、これはもうどいつもこいつもどれだけ戦い尽くしても死にそうにないわー。残念ながら内戦のガチ勝負でとてもじゃないけれど決着がつくとは思えないし、ついた時点で地球が環境を保っているかどうかも怪しくなってしまう。こいつら、アイーシャ夫人のアレなく本気で続けてたら百日戦争くらいなってたんじゃなかろうか。
そう考えると、スミス氏の作戦はもうさすが賢人ですね、としか言いようがない。なんだかんだと、カンピオーネの中ではこの人まともな部類だよなあ……実はスミス人格よりもアニーの方がやべえんじゃないだろうか、という疑惑が発生してしまったわけですがw

決着はあくまで草薙護堂で。これは、神を獲物としか見ていないカンピオーネの中で唯一護堂さんだけが、神の中に友情を見る故、なんですよね。ウルスラグナの権能を得たきっかけもそうだったし、ランスロットの権能もそう。そして、アテナとのライバル関係もそう。
カンピオーネのみならず、鋼の英雄として女神の眷属からも嫌われ、精霊種たちからも排除されようとしているラーマ王子。そんな中で敵でありながら、護堂だけがラーマに対してそれだけではない違う顔を見出してるのである。
でも戦うんだけどね!

シリーズ感想

カンピオーネ! 18.魔王たちの断章3   

カンピオーネ! 18 (ダッシュエックス文庫)

【カンピオーネ! 18.魔王たちの断章】 丈月城/シコルスキー ダッシュエックス文庫

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カンピオーネ、アルバイトへ!?草薙家の非常識な日常「草薙家のアルバイト」や美少女達の奇想天外な料理バトル「王様の晩餐会」、試験勉強で巻き起こるトラブルを描いた「カンピオーネと勉強会」に加えて、果ては常識外れのギャンブル大会まで!?魔王様ご一行の破天荒な爆笑短編をたっぷり収録!さらにあの最凶の老カンピオーネ・ヴォバン侯爵とアイーシャ夫人の若き日のエピソードが、書き下ろし中編で初登場!最終決戦を前に紡がれる、魔王たちの知られざる断章。神殺したちが紡ぐ最強の新神話、待望の第18巻登場!!
カンピオーネ同士の内ゲバが始まる前に、これまで発表した短編に、書き下ろしの中編をまとめた短篇集がこれ。と言っても、自分はどれもお目にかかっていなかったのでおおむね初見。

「第一話 媛巫女たちと七人目のカンピオーネ」
祐理の妹のひかりに解説するという形で、カンピオーネについて色々と説明する初心者向け導入編、みたいな感じ?


「第二話 王様の晩餐会」
これを読むと、護堂は陸鷹化と甘粕さんの二人とよくつるんでいるのが見て取れる。男同士でだらだら過ごすのが癒やしになっているあたり、ダメダメな感あり。護堂だけじゃなくて、鷹化も甘粕さんもそれぞれ上役の女性に振り回される日々なので、彼らの方も男同士で集まって愚痴る時間が癒やしになってるっぽいのが、なんだか泣けてくる。それでも、呼ばれたらちゃんと顔を出すあたり、モテル男は違うなあ。


「第三話 カンピオーネと勉強会」
試験前にみんなで集まって勉強会をしよう、という本作では極めて珍しい学生らしい一幕を、護堂とエリカ、リリアナ、祐理というメンツで行おうとして、案の定破綻するお話。最初から、勉強するのが目的ではなくて、勉強会というイベントを体験したい、というのが目的だったので、それを達成するために揚々と学生の範囲を逸脱してしまうのが、このメンツである。護堂がさらりととんでもないところで、バイト……というか店長代理をやってたりして、彼が「普通の高校生(笑)」であることが再確認される話であった。


「第四話 王様のゲーム」
自分は勝利を得ながら、実は接待しているというエリカのWin−Winに持ち込む業前は、これ良妻スキルだよなあ。実際、護堂に妥協させるのではなく、気持ちよくいうことを聞かせるコントロールをなせてるのって、未だエリカだけっぽいのよねえ。段々リリアナたちもそのあたりの手管、感触をものにしはじめている感もあるけれど。。


「第五話 草薙家のアルバイト」
この兄にしてこの妹あり。兄がカンピオーネ云々を抜きにして「普通の高校生(笑)」なのに対して、妹の方も当然「普通の中学生(笑)」なわけである。そして、当人たちは兄妹をイロモノ扱いしながら、自分たちの有り様について自覚がなく本当に普通だと思っているあたりも、似たもの兄妹というべきか。


「第六話 ある日の男子?会」
馨と甘粕さんと陸鷹化による、カンピオーネについての雑談。さすがに身近でその脅威を味わってきた面々だけに、その評論は的確なのだけれど、それにしても馬鹿げた人種である。カンピオーネについてだけは、スペック的な数値がまったく意味をなさないわけで、強い弱いがまったく勝敗に関係ない、てのは凄いというかなんというか。少なくとも、この作品ゲームには出来んよなあ。


「第七話 四方山昔語り」
鮫肌の切っ先をつけてると、木刀でもぐさりと刺さる、とかなにそれ怖いw
恵那の通っている学校が、陸軍中野学校みたいなのだったり、彼女がお付き合いある怖い人達は実際怖くてヤバい人たちだったり、というそんな話。そりゃあ、恵那さんも女子高生のくせに非常識で変な純粋培養された野生児になるわけだ。


「第八話 草薙護堂と奥多摩の怪物(脚本)」
ドラマCDのシナリオまるママ。ぶっちゃけ、神獣程度だと何の脅威にも感じないあたり、感覚は変になってるんだろう、誰も彼も。普通に都市壊滅クラスの怪物のはずなのだけれど。そして、何をしても死にそうにないカンピオーネの酷さを堪能できます。


「第九話 神殺し、霧の都に集う」
書き下ろしは、19世紀のロンドンを舞台に、あのヴォバン侯爵がアイーシャ夫人と出会ってしまった頃のエピソード。単に知り合いというには、アイーシャ夫人とヴォバン侯爵、妙に親しげ(というと侯爵キレるだろうけど)だったのを不思議に思ってたんだけれど、なるほどこういう出会いだったのか……。翠蓮姐さんとヴォバン侯爵二人いっぺん相手に回してあれって……このご婦人、本当にカンピオーネの中でもたちの悪さでは飛び抜けてるんじゃないだろうか。強い強くないでいうなら、この人明らかにカンピオーネの中でも飛び抜けて弱いはずなんだけれど、この人をどうにか出来るビジョンが誰が相手でも想像もできない。
そりゃ、侯爵も苦手意識持つわけだ。とはいえ、単に苦手だからといって遠ざけないあたり、侯爵も面倒くさい。

「第十話 内戦前夜」
あかん、翠蓮姐さんからしてヤル気満々だよ。いや、護堂もヤル気満々なんだから、ヤル気ないやつカンピオーネに一人もいないんだけれど。最後の王が登場する前は、もしかしてカンピオーネ七人の共闘があるか、なんてワクワクしていた頃が懐かしいというか、遥か古代に感じるというか。まさか、内ゲバはじめるとはさすがに思わなかったもんなあw
しかし、最新の時期になるともう護堂も完全に自重がなくなってきているというか、自分に言い訳しなくなっているというか。リリアナと術だのなんだの関係なくキスしてイチャイチャしているように、もうメーター振り切ってるんですよね。これでラーマとの対決が終わったらどうなるのか。ほんとうの意味で大魔王降誕しそうw

カンピオーネ! 17.英雄の名4   

カンピオーネ! 17 英雄の名 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 17.英雄の名】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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神祖として復活したパラス・アテナの挑戦を受けた護堂。最凶の竜蛇神と化したパラス・アテナとの戦いの最中、ついに全ての神殺しを滅ぼす『最後の王』の封印が解かれてしまう! 圧倒的な力
の前に退却を余儀なくされた護堂は切り札となる『最後の王』の真の名を探り始めるが……!? 英雄と神殺しが織りなす超神話、最終章開幕!!

今回一番驚かされたというか度肝を抜かれたというか、なんですとーっ!? と阿呆のように口をぱかんと開けさせられたのは何かというと、最後の王の真名よりもむしろ、アイーシャさんとヴォバン侯爵の関係でしたよ。ヴォバン侯爵絶対友達いない人だと信じてたのに、まさかアイーシャ夫人にお兄さまッ、と慕われるというか懐かれるというか纏わりつかれているような関係だったとは。しかも、貴様など妹ではないわ、とか言いながら対応が激甘なのである。普通なら有無を言わさずぶっ殺しにかかるような人なのに、アイーシャさんには文句を言いながらも手を出さないし、何だかんだと受け入れてるし。アイーシャさん自身にも、自分には対応甘いのよお兄さま、とか思われてるしw
ほんと、このアイーシャさんに関しては、カンピオーネの中でさえ飛び抜けたびっくり箱ですわ。この人だけは何が飛び出すかわかったもんじゃない。結果が究極的にはた迷惑、という点だけは一切揺るぎがないのがまた始末に負えない!!
斯くして、ついにここまで引っ張りに引っ張った最後の王の真の名前が明らかに。面白いことに、そこに辿り着いたMVPが甘粕さんだったというのは意外も意外。何だかんだと、この人も飛び抜けて優秀なんだよなあ。と、魔術師関係で有能じゃない人は殆ど見たこともないのだけれど。それにしても、翠蓮姐にも褒められるくらいだから相当相当。
しかし、最後の王の正体についてはさすがにこれはわからなかった。自身の反応も、作中の人たちと同じく微妙な感じで、名前くらいは知っているけれど詳しくは全然知らない、というくらいのお人で。でも、地元のインド圏からその周辺地域からすると、知名度的にはすこぶる高い、というか日本人なら「桃太郎」を知らぬ奴はいないだろう、てくらいの日本における桃太郎、欧州圏におけるヘラクレスレベルの有名さらしいので、決してマイナーな人物ではないのです。それに、インド圏の神話世界というと世界最強の修羅の国というか終末戦争どんとこいレベルの兵器が飛び交うところですので、魔王を虐殺する英雄の生誕地としては全く以て妥当というかお似合いというか。そもそも「魔王」を討伐する英雄という神話があるところは早々ないでしょうからね。件の鋼の英雄神話体系においてすらも。
でも、さすが魔王の天敵というべきか、最後の王の人格と言い品性といい人間性といい、人格破綻者揃いのカンピオーネとは真反対の真人間の好漢で、ほんとにいい人なのが苦笑が浮かんできてしまう。なんか、いい人だからこそ貧乏くじ引いて魔王退治の役割を無理やり押し付けられている、みたいな感じで。好き放題やらかしまくっているカンピオーネに比べて、ほんと大変そうだなあ、と。なんだか、もっと八つ当たり気味にカンピオーネたちをボコっても良さそう、とか思ってしまうほどに。そういう事をせず、きちんと筋を通し、話も通じてそれどころか相手も尊重し、コミュニケーションスキルも高かったりするあたりが実に好漢なのである。
……ふむ、なるほどなあ。護堂さんからすると、ついついウルスラグナとの出会いを想起してしまうのかもしれない、彼の気持ちのよい涼やかな性格は。結局ウルスラグナは、まつろわぬ神の性質として顕現して時間が経つに連れて狂っていってしまい、神殺しを敢行せざるを得なくなったわけだけれど、護堂としてはあれ、決して好んでやったことじゃなかったんですよね。ウルスラグナとの間に交わした友情は本物だったはず。
だからこそ、かの太子を倒すよりも、むしろ彼を縛り付けている運命に対して敵愾心を募らせているのは、何となく彼の向かう方向性を感じさせられて、ニヤニヤと……。
でも、その結果として、前巻でワクワクと想像をたくましくさせられた、全カンピオーネによる共闘総力戦! という筋目が一気に怪しくなってきたわけでもあるんですよね。護堂さんからすると、太子への好感に比べて他のカンピオーネなど、姐さんやスミス、アイーシャさんを除くと、というか女性陣を除くとけちょんけちょんにして余りある小憎たらしい感情を抱いている相手ばかりですし。いっちょやっちゃるか、という気分になっても不思議ではあらずして。
てか、護堂さんのみならず、地球上に存在している魔王の数に比例して増強される最後の王の権能、という絶対脅威を前にして、みんなで共闘する、という道なんぞ誰一人一切頭にも思い浮かべずに、こいつらカンピオーネ全員、内ゲバ上等の気分で盛り上がりだしやがりましたぞ!!

こ・い・つ・らッ!!!

こんな非常識ではた迷惑の権化みたいな連中に、いったい何を期待しようとしていたのか、なんだか本気で自分が馬鹿に思えてきた。もうどうしようもないな、カンピオーネ!

でもまあそういう期待をしてしまうのは、先の斉天大聖に対しての翠蓮姐さんやスミスとの共闘があったからこそであり、今回もまた最後の王と、鋼の英雄たちを前にして翠蓮姐さんが護堂とガッツリ組んで一緒に戦ってくれた、という実績があったからなんですよね。特に今回の翠蓮姐さんと来たら、かなり護堂を立ててくれてましたし。いや、この人本当に強いなあ。カンピオーネは、強いというよりも生き汚いというか、相手がどうあろうと絶対に勝つという勝負師の極みみたなものを備えてる感じなんだけれど、翠蓮姐さんについてだけは勝負師としての極みを踏まえてさらに純然として強いッ!て感じなんですよね。格上をまったく格上を思わせない揺るぎのない強さがある。この人だけは、素のレベルで神様級に強いんじゃないだろうか。
ちなみに、姐さんが使ってた邪拳って、金庸とかの武侠小説を読んだことのある人は思わずニヤリとしてしまうものだったんじゃないでしょうか。

てっきり、最後の王との決戦はシリーズそのものの最終決戦になる、と思っていたので、今回は前哨戦としてお茶を濁して、メインの戦いはまた別の相手か、鋼の英雄たち相手のものなのかと思っていたのですが……この時点で思いっきりガチンコやんけ!! いやはや、もう今回最初から最後までフルスロットルで戦いっぱなし。太子も護堂サイドも小細工抜きに全力全開、という大盤振る舞い。これで、最終決戦でなかった、というのが恐ろしい。太子の反則極まる特性が明らかになっただけじゃんかよぅ。
気になるのが、果たしてアテナがこのままどうなってしまうのか、というところなんですよね。このまま敢え無く……という展開だったら、この巻でケリをつけていたと思うんですけれど、わざわざ次まで引っ張ったことに期待が浮かんでしまいます。何しろ、このシリーズの真ヒロインともいうべき柱ですからなあ。

シリーズ感想

カンピオーネ! 16.英雄たちの鼓動3   

カンピオーネ! 16 英雄たちの鼓動 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 16.英雄たちの鼓動】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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魔王、囚われの身に!? 平和なクラスで起きた珍事件「囚われのカンピオーネ」、エリカと護堂のある夜の出来事「ローマの休日・深夜版」等短編を一挙収録! さらに古代ガリアから帰還した護堂たちが再び相見えるのは、かつて倒したはずの宿敵たちで…!? 封印されし「最後の王」をめぐる最終決戦の鼓動が、今聞こえはじめる……!!
短篇集、ちょうど時系列的にはシリーズの最初の方から最新のところまで満遍なく流れているのだけれど、こうしてみると護堂のスタンスが順調に変わってきているのが如実に見て取れるんですよね。
例えば、「ローマの休日・深夜版」では、エリカにキスすることに関して、お前は特別だから気軽にキスなんて出来ない、と言っていた護堂さん。エリカとのキスをある意味神聖視していた護堂さんですが、一番新しい話では言い訳とかキスしなければならない理由を抜きにして、純粋に愛おしくてキスしたいからエリカと濃厚なキスにかまけているわけです。いつだって本気のキスしかしない護堂さん、その本気のキスを乱れ打ちに乱発しているんですから、そりゃあ女殺しと言われても仕方ない。まあ、それだけ相手の女性陣も魅力的だからなあ。特にエリカのとびっきりのイイオンナっぷりは、改めて見ても並大抵のものじゃありません。彼女の場合は特に海外欧州付近で二人きりだと、凄く絵になるんですよね。エリカはリードするのも男の人を立てるのも上手い上に、護堂さんもなんだかんだとエスコート上手い人なので、デート風景が十代の初々しいそれとは全然違うんだよなあ。特に欧州だと、海外旅行のお上りさん、という風が全然ないものだから、映画みたいなデートになってしまうわけで。
代わりに、日本の風景が似合うのが祐理。意外と護堂の地元の日常風景が一番似合うのはリリアナだったりするのが面白いところ。祐理も家庭的なのは、南方で同棲してた時にわかったところなんだけれど、彼女上品すぎて護堂の地元の下町に入るとちょっと微妙にズレがあるんですよね。その点、リリアナの方が実は庶民的だったりするんですよね。
恵那については、また別の魅力があるんですが。

さて、今回は護堂さんの天敵……破邪顕正の神様の登場である。二郎真君と言えば、天界で暴れまわってた斉天大聖を懲らしめに駆け回っていた印象どおり、正義の味方というよりはお説教魔というかお仕置き魔というか、邪悪を討つ人というより邪気なく悪いことをしてまわる悪童に罰をくれる人、という印象が強いのですが……案の定、護堂さんも目をつけられてしまいました。仕方ないよね、斉天大聖並に懲りずに大暴れしてる輩ですし、護堂さんは。あれだけ言い訳しているくせに、自覚はあったようで、民衆の敵に対してしか発動しないはずの白馬を自分めがけて発動させているあたり、反省してるくせにこいつ後悔してなさそうだよなあ、と。
しかし、今回さらっと明言されてましたけれど、ちゃんとまつろう神として顕現してしまう前に神様たちが存在している時空、というのが実際あったのか。須佐之男神なんかはまつろわぬ神の成れの果てみたいなものらしいので、果たして神界があるのかとは疑問に思ふところではあったんだけれど。あったにしても、まさか現世に干渉出来るほどのものだった、というのはそれなりに驚き。まあ、パンドラさんとか居たわけだしなあ。

そして、ラストは次巻へと続くファイナルエピソードへの幕開け回。そう、我らがヒロイン、アテナ再誕である!!
なるほどそうか、アテナの再登場、そういう形で用意されていたのか。確かに、以前から神祖という存在は女神の成れの果て、と言われてたもんなあ。
でもこれで、アテナを護堂さんがゲットしてしまう可能性がグッと増えたんですよね。神様の場合はまつろわぬ神としてどうしても狂気に侵されて正気を逸してしまうのは、かのウルスラグナが証明してますし、神様である以上アテナと護堂は決して両立出来ない定めだったけれど、神祖になってしまえばなんとでもなりますもんね。こりゃあ、鴨が葱を背負って来た!?
そしてそして、どうしてこれまで護堂が神様を倒しても倒してもなかなか権能が得られなかったのかがよくわかった。かつて護堂が倒した神様たちの、再顕現である! もう二度とその姿で現れることはないだろう、と言われてしまっていたランスロット姐さんまで出てこられては、興奮は隠せない!!
普通、再生怪人というと完全にやられ役なんだけれど、この神様たちは絶対そんなタマじゃないもんなあ。だいたい、これってまず護堂と再戦、ではないですよね。これって、他のカンピオーネたちと対決パターンです。まさに神の軍団VS魔王軍団という頂上決戦。あかん、鼻血出そうや!!
仮面の風神はドニが相手するようだし、斉天大聖は元々姐さんが狙ってた相手だし。となると、ランスロットやペルセウスも、スミスやアレクあたりと当たりそうなんですよね。うはは、斉天大聖戦での三対三の超絶決戦であれだけ燃えたのに、それ以上の総力戦となると、どれだけ盛り上がることか。
前振りとしては、極上すぎるご馳走じゃあないですか。始まる前からテンションあがってきたー!

シリーズ感想

カンピオーネ! 15.女神の息子4   

カンピオーネ! 15 女神の息子 (カンピオーネ! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 15.女神の息子】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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草薙護堂は神殺しである。
古代ガリアで繰り広げられる究極の神VS神殺し!!
目覚めてはいけない存在が目覚めるとき、ありうべからざる戦いが始まる…。

アイーシャ夫人の開けた『通廊』で古代ガリアに飛ばされた護堂、エリカ、恵那。その地で出会ったカンピオーネ、ウルディンを激闘の末退けた護堂は、同じ時代に来ている剣の王・ドニを止めるため再び戦いに赴く。戦いの最中に新たなまつろわぬ神と出会う護堂。運命に導かれし邂逅が、神殺したちに史上最大の危機をもたらす…!!
あははははっ、いや待って、こいつら、カンピオーネってマジでもう人間でも何でもないじゃん。今更と言えば本当に今更すぎるんだけれど、護堂、ドニ、アイーシャさんの三人が揃ってこうも不死身っぷりを魅せつけられてしまうと。一人ひとりなら、まだインパクトも一定にとどまろうというものですけれど、三人揃ってあれで死なないんですから。というか、死んでも殺しても死なないこの不死身っぷりは、吸血鬼だとかの不死性とはまた全然違う理不尽っぷりなんですよね。いや、神様だってもう少し簡単に死にますよ? って、実際に殺しまくってるんですが、この人達。護堂の死んでから蘇る権能や、ドニの仮死状態になる権能は以前にも見てたからまだしも、アイーシャ夫人のあれはなんですか? もう爆笑しましたよ、笑うわ!! これはひどい、もう本当に酷い(笑
本物の女神だって、あんな降臨の仕方しませんよ、もうちょっと自重しますよ。そりゃ、数々の女神がこの人についうっかり殺されちゃってるのも無理ないな、と異様なくらい腑に落ちる。自重を知らないって、本当に怖い!! 確かにこの人、羅喉教主と双璧だわ。敵わん、これとどうやって渡り合えばいいのか根本的なところから理解できないw
オマケのドニもですよ。不覚を取って敵に利用されるなんて、と思ってたらむしろ渡りに船みたいにその状況を利用しちゃってるし。この魔王の口から出る理屈は本当にさっぱりわからん!! むしろ、乗っ取った敵の方が好き勝手に振り回されてる始末だし。せめて、自由を喪った時くらい自重しようよ!! 
巻を重ねるごとに、どうやってこんな魔王たちが殺せるんだ? とどうやっても無理! という感覚が確固になってきて仕方ない。毎回言ってるけど無理、絶対無理(笑 

しかし、その魔王を殺すための存在である最後の王、その人がついに降臨。過去の時代、しかも不完全な形であり当人もあんまりやる気もなさそうな状態だったものの、満を持してという感じでさすがにラスボスの格あり、という人物であった。ラスボスというよりも、普通に好青年という感じなのが意外というか何というか。会話が通じる、というだけで好青年に見える、という時点でこの作品における神様とか魔王さまの破天荒さのとめどなさをある意味実感できるところなんですが、この場合会話が通じる理性的なところに凄味を感じてしまうあたりに、救いのなさを感じるべきかw
最近、良識派を気取ってた護堂さんも本格的に魔王化してきたしなあ。

特に、女性関係は完全に歯止め失ってますね、これ。これまではキスするにも魔術の供与という理由があったものの、現状ではこれ、殆ど言い訳程度にしか機能してませんし。それどころか、魔術関係なくいい雰囲気になってかなり密度の濃いベロチューをみんなとやりまくってるあたり、もうあきません、もう時間の問題です。護堂さん、完全に正気の状態でもう四人とキスするのに躊躇いなしだからなあ。
むしろ、四人いるからこの段階にとどまっている、と言っていいかもしれません。現状では、もう空気次第でイケるところまで行ってしまうだけ、護堂とヒロイン陣のタガは緩まっているようにしか見えないんですけれど、エリカたち四人とも結束が高まった分、抜け駆けする気が失せてるから個々で雰囲気が高まってもギリギリで自重する傾向が出てきてます。なので、その場の勢いとか流れでそのまま、という形では土壇場まで行きづらい事になってるんですよね。
凄まじいバランスで保たれてます。ここまでエロエロな雰囲気でもはや寸止めになってないくらいギリギリの状態まで行きながら、本当の崖っぷちで留まってる状態ですからね。なので、空気のピンクさが尋常じゃありません。普通寸止めだとやきもきして読んでるこっちも不満が溜まってきそうなものなのですけど、ここまではみ出した発情状態で留められると、逆にエロスが高まってもうエライコッチャです。
あとは、本当にちょっとしたきっかけだけだなあ。ちょっとした、でもちゃんとした舞台が整えば、あとはもう一気呵成。言うなれば、決壊寸前の秒読み状態か。特に、リリアナと祐理という大人しい二人が自重しなくなった上に、牽制しあってたエリカと恵那が今回の過去の旅で完全に息合っちゃったから、本当にもう枷らしい枷がどこにも見あたらなくなっちゃったんですよね。
こりゃ、近い将来、そこらの女の子がたくさんいるだけのなんちゃってじゃない、完全に完成した本物のハーレムを目の当たりに出来るかもしれない。

シリーズ感想

カンピオーネ! 14.八人目の神殺し 4   

カンピオーネ! 14 八人目の神殺し (カンピオーネ! シリーズ)

【カンピオーネ! 14.八人目の神殺し】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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剣の王・ドニが魔術結社を招集して催した神獣狩りに護堂を招待する。
イタリアで再会した二人の神殺しに魔術師たちは騒動の予感を覚える。
不審な行動を取るドニを追った先で、謎の洞穴に吸い込まれた護堂、エリカ、恵那の三人はどことも知れぬ場所をさまようことになってしまう。
さらに、その地で護堂は新たな神殺しと邂逅する…!!
ついにこれまで沈黙を守り続けていた最後のカンピオーネ、【妖しき洞窟の女王】アイーシャ夫人が登場。これまでのうわさ話から、相当の食わせ者か狷介な妖女の類かと想像していたのですが……あかん、やっぱりカンピオーネは普通の想像の範疇にまるで当てはまらないわw
そもそも、洞窟に引き篭って滅多に人前に姿を現さない人嫌いの厭世家じゃなかったんですかぃ。むしろ、実態はそれの正反対。行動力やフットワークの軽さ、好奇心の強さなどは黒王子アレクに負けず劣らずですし、自由人としてはドニに優るとも劣らず。まああれですよ、この人もカンピオーネに相応しく、人類種最悪の傍迷惑の一角でした。むしろ、結果として傍迷惑な他のカンピオーネと比べても、その性格から権能まで戦闘よりも傍迷惑に特化してるじゃないかという傍迷惑っぷり。カンピオーネたちに面識のある人が、尽くアーシャ夫人が一番どうしようもない、というのもよく分かる傍迷惑っぷり。性格的にはむしろ温厚でいい人なんですよ。おっとりした楽天家で。ただ、ちょっと自己陶酔するところがあって、思い込んだらフワフワと足元覚束ないままエライことを仕出かしそうな……危なっかしいことこのうえなさそうな人だな、うん。しかも、この人の場合傍からコントロールが効きにくそう。翠蓮姉さんなんか案外チョロいところがあるし、ドニもあれでリベラさんがなんとか首根っこ抑えてる、ヴォバン公爵も暴君だけれど交渉の余地はある。しかし、アイーシャ夫人は天然な分、ちょっとどうしようもなさすぎる。誰も予想がつかないことを、どえらい方向に向かってホイホイとやってしまう系なので、備えも何もできなさそうだしなあ。本人、まったく悪意もなさそうだしw
でも、他のカンピオーネと比べるのも不毛なんですよね。結局、どいつもこいつも、という他ないもんなあ。マシ、という要素が微塵もない。プルートー・スミスが現状一番まともに見えるけれど、あれも当番回になったらアレクみたいに所詮コイツもカンピオーネ、となるんだろうし。
結局、アイーシャ夫人もこれとなると、どう考えてもカンピオーネの中に殺して死ぬような人が見当たらないんですよね。どうやったら死ぬんだよ、この連中。アイーシャ夫人なんか、これ相当酷い方法で神様殺してますよ。きっと、殺意もなくうっかり殺っちゃったんですよ。権能を簒奪した際のアイーシャさんのコメントが明らかにやっちゃった感が滲んでるんですよね。そんなつもりなかったのに、みたいな。だいたいこの人、神殺せるような権能持ってないじゃないですか。どうやって殺ったっつーんですか。
うっかりで神殺したカンピオーネは、さすがに歴史上でも滅多に居ないんじゃないだろうか。

とまあ、新登場のアイーシャ夫人にばかり言及してしまいましたが、今回のサブタイトルは八人目のカンピオーネ。そう、今いるカンピオーネは護堂を最新として計7人。サブタイトルが公表されたときには、まさか新しいカンピオーネの誕生か、と連想したのもむべなるかな。もしかして、ついにかませ役のカンピオーネでも出るのかな、と思ったのですが、こんな展開だったとは想像もつきませんでした。
自分としては、あんまりこの八人目のウルディンと護堂さんは似てるとは思わなかったんですけどね。以前表に出てしまった自己開放型護堂さんは、もうちょっとこうエキセントリックだったような(笑 まあもうちょっと厳密に言うと、女性の好みは別として欲望の方向性が異なってるように見えるんですね。あと、自分から積極的につまみ食いしに行くタイプじゃないと思うんだよなあ、護堂さんは。野生型のウルディンと違って、護堂さんの究極系って草薙のお爺さんみたいなスマートな紳士の進化系だと思うのです。あのお爺さんは本当にカッコいいもんなあ。
さて、図らずもアイーシャ夫人の大迷惑によってえらいところにトバされてしまった護堂さんたち。今回はエリカと恵那の二人が旅のお供。実は二人揃っての前衛型。エリカは器用ですし交渉力なども高いですけれど、こと戦闘となると、リリアナと比べるとやっぱり前衛なんですよね。という訳で、後衛のリリアナと祐理がいないと戦闘時に前がかりになってしまって結構不都合が出てしまうことが発覚。やっぱり、四人揃ってないとバランス悪いんだ。何気に、最近エリカたちも強くなったよなあと実感してたところに、まだまだ彼女たちなどヒヨッコよ、と言わんばかりにエリカたちよりも上位の魔女や騎士が出てきたことで、まだまだ彼女たちにも成長の余地があるんだなあと改めて。
個々の成長は別として、護堂さんハーレムはそろそろ次の段階に行ってしまいそうな気配。さすがに恵那の自由奔放さにはエリカもタジタジなところがあるようで。色事については積極的なエリカだけれど、何だかんだと彼女も品の良い淑女であって、あからさまにエロいことには怖気づくこともあるんですよね。恵那もそういうところはあるんだけれど、その発想には倫理面を置き去りにする部分があって、エリカが腰を引いてしまうという珍しいシーンが度々。でも、実は満更じゃなさそうなあたり、そこは護堂さん、頑張れ、ってなもんであります。そういう時、ガッといかないと。今回は、完全に素面でありながらかなり狼さんになっていたので、そろそろ据え膳も頂いてしまいそうな雰囲気だなあ。

で、今回一番傍迷惑の被害者になったのは誰でしょう……答え「修正力さん」。
自分、これまで見てきた中でここまで涙目になって必死で頑張ってそうな「歴史の修正力」は初めて見た気がします。確か、歴史の修正力ってやつは人知の及ばない超常的で無情で絶対的なとてつもないモノ、というイメージだったんですが、ここでは「もうやめてください、勘弁して下さい!」と泣きべそかきながら必死こいてる姿しか想像出来ません、なにこれw あ、あんまり虐めないでやってください、カンピオーネの皆さん。もうちょっと気を使ってあげてください、カンピオーネの皆さん。既になんか修正力さん、青息吐息な感じですから。もうやめて、修正力のHPはとっくにゼロゼロよっ!
だが断る、とばかりに勇躍盛大にやらかすサルバトーレ・ドニ。幻視するのはあまりのことに喀血してぶっ倒れる歴史の修正力。そして、そんなことをお構いなしに、ドニがやらかせば黙っていないのが、我らが護堂さんにアイーシャ夫人に、現地のウルディン。
あかん、そろそろ歴史の修正力さんが死んじゃいそうだ!!

シリーズ感想

カンピオーネ! 13.南洋の姫神4   

カンピオーネ! 13 南洋の姫神 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 13.南洋の姫神】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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英国の魔王・アレクの元に二人の美女が訪れていた。
白き姫・アリスとサルデーニャの魔女・ルクレチアが、ある疑問を神殺しにぶつけると、彼はそれには答えず、なぜか曖昧な態度をとり続けていた。
一方、日本の魔王・護堂は東日本の媛巫女が集まる大祓に、祐理や恵那と共に参加していた。
当然、注目を一身に浴びていた護堂たちにもたらされた甘粕からの依頼が、魔王一行に意外な展開を与える!
南の島で祐理と二人きりになってしまった護堂だったが!?
あれ? 陸鷹化に義甥から義弟フラグが立った? そういえば、この子って14歳で静花と同い年なんですよね。まあ、立ったと言っても恋愛フラグじゃなくて、女王様と下僕フラグなんだが(笑 静花って兄の女性遍歴に苦言を呈するなどまともな振りをしているけれど、よくよく見ると女性キャラの中で一二位を争うヤバい性格の子なんだよなあ。流石は草薙護堂の妹、草薙一族の女であるw

クリスマスも終わり、歳の瀬も押し詰まった頃、草薙護堂は恵那のお誘いでエリカやリリアナも連れて大祓の儀式見物に。とはいえ、これ、大層な儀式ではなく、本質は媛巫女たちの組織の忘年会みたいな集まりなんですね。殆ど公式の場に出ない草薙護堂の、ある意味これは魔王としての日本でのお披露目会。VIP扱いは当然なのだけれど、窓口はエリカやリリアナが担当して護堂本人は遠巻きにして誰も直接話しかけてこない、という様子が王様の権威を見せつけられているようで、思わず笑ってしまった。美少女の媛巫女を両脇に侍らせて、人々が遠巻きに伺う中を悠然と会場を散策し、料理に舌鼓をうって寛ぎ、いつの間にか二人を連れて別室へとしけこんでしまう。傍から見ると、どれだけ謎の大物なんだという(笑
普通、こういう場面だと場違いなところに連れて来られた子供みたいに途方に暮れて、所在を無くしそうなものなんだけれど、護堂さんはわりとアッサリ馴染んじゃってるんだよなあ。この人、もう完全に自然体で王様として振舞ってるよねw
しかし、最近ちょっと恵那が可愛くて仕方ないなあ。登場した当初は「んんん?」とまだ馴染んでなかったんだけれど、この天衣無縫で無邪気なくせに実はあんまり強引じゃなく聞き分けのいい懐っこい子犬みたいなところが本当に可愛く思えてきた。これで、甘え上手で女っぽい色も備えているからたまらない。なんでエリカがこの子を一番手強いと感じているのかようやくわかってきた。恵那って、押しと引きの感覚が絶妙なんですよ。護堂って押しが強すぎると負けず嫌いな性格からか抗ってしまう傾向があり、さりとて押しが弱いと護堂からは寄ってこない。その点、恵那は結構がんがんと押してくるんですけれど、割りとすっと聞き分けよく引いちゃうんですよね。これが、護堂の性格にはピッタリ合っている節があるんだなあ。主導権を握りたがるエリカに対して、恵那は奔放に見えて実は一番大和撫子なんじゃないか、と思ったり。

さて、今回は何気にシリーズでもトップクラスに移動距離が長い話になったんじゃないだろうか。国内でも大祓の参加から犬吠埼への電車の旅。そこから飛行機でマレーシアに飛び、南国リゾートを堪能した後で今度は船旅で南シナの小さな島へ。とまあ、時期が年末だけあって日本では真冬の、南国では熱帯の、と全然季節感の違う旅行風情を堪能できて、今回けっこう贅沢な展開だったんじゃないでしょうか。
しかし、護堂さんのチームはこうして見ると本当に美少女を侍らした王様の遊覧にしか見えない(笑

結局終わってみると、今回の騒動もまた黒王子アレクサンドルが発端というか原因というか、お前のせいか! というお話で……まあこのシリーズ、振り返ってみるとどこ事件も概ね護堂さんを含めたカンピオーネがなんかやらかして起こっている気がするので、平常運転と言えばその通りなのかもしれないw
とは言え、今回の敵の女神様はこれまでの軍神たちと違って一筋縄ではいかない食わせ者。前回のサンタクロースの搾りかすも搦め手で仕掛けてきましたけれど、あれと違って今回は真っ当な(?)まつろわぬ神。それが、直接仕掛けてくるでもなくあれやこれやと手の届かない所からいくつも手を繰り出してくるという、護堂からすると初めての展開に苦戦の連続。なんだかんだとこれまでの神様は戦神として正々堂々と直接ぶつかってくるのを至上とする神様たちでしたからねえ。
しかも、今度の敵は護堂の権能を封じるどころか、奪って自分のものにするという事までしてくる始末。直接戦うことも叶わず、それどころか自身の能力を減じられた上で自分の権能とも対決することになった護堂。
しかしこうなると頼りになるのが、護堂の隣に侍る女性たち。多少手こずるとはいえ、強力な神獣相手に一歩も引かずに立ち回れるんだから、エリカもリリアナも強くなったものである。それに、恵那と天叢雲のコンビと来たらこと攻撃力に関してはカンピオーネやまつろわぬ神にも匹敵するほどになってきたんじゃないだろうか。恵那は、神と護堂の戦いに直接介入出来てますしねえ。
そんな前に出て直接剣や魔術を振るえる他の三人に対して、純然たる攻撃力を持たない祐理は後ろに控えてサポートに徹する、のがこれまでの形だったわけですが……もしかして一番レベルアップしてたのこの子なんじゃないだろうか。直接的な攻撃力を持たないなど何の問題にもならないほどの縦横無尽の大活躍。攻撃の補助や支援という括りを逸脱した、支えであり根幹を担うサポート。言うなれば、剣の鞘ではなく剣の柄。どれだけ刃が鋭く強大だろうと、それを握る柄がなければ振り回せないのである。
前回のリリアナの若奥様も良かったけれど、やっぱり祐理には「正妻」の風格があるんだなあ、と実感したまさに万里谷祐理回でした。女神相手に堂々と、あんな宣言しちゃうんだもんなあ、この子も別の意味でも成長してしまったものですw

さて、バトルの方ではついにアテナが護堂の為に遺してくれた遺産に、護堂が開眼。アテナ、こんなハチャメチャなものを護堂に贈っていたんかい。もっと使い勝手の良いものを遺してやれよ、と思うところだけれど、こういう制御できるかどうか関係なしの野放図な代物こそ護堂には相応しい、とアテナは思ったのかもしれない。何を考えて彼にこれを渡したのか、是非後々でいいから当人の口から聞きたいものである。あの描写からして、それは不可能ではないようだし。
肝心の眠れる「最後の王」については、女神様が残してくれた大ヒントにアレクの呟きから、おおよそ絞込みは出来たように思います。多分、これじゃないかなあ、と。

シリーズ感想

カンピオーネ 第4話 まつろわぬアテナ  

アテナが解き放った力によって訪れる闇。これは、単純に停電が起こっているのではなく、彼女の本質である闇の女王、原初の夜の女神としての力が解き放たれたために、プロメテウスの火、つまり人の叡智によって生み出された人工による光や火の力が掻き消されてしまった事によるものです。なので、あらゆる明かりは駆逐され、炎が封じられたためにアテナの力の圏内では完全な闇が訪れ、火を使って動く自動車なども動かなくなってしまったのです。ちなみに、電話、無線や冷房などといった光と火に関係ないものは通常通り動いている。電気も通電しています。動かなくなった車から脱出した甘粕さんと祐理が向かうは芝公園の七緒神社。

甘粕さんがここで色々と解説してくれるのですが、祐理がメダリオンから感じ取った起源、これはアフリカからもたらされたものではないか、という疑問に対して、彼はアテナ神とアフリカはリビアの女神ネイトが同一のものである、と記したギリシアの古書の話をしてくれます。


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カンピオーネ 第3話  

前回、エリカに渡されたゴルゴネイオンは、その時点で彼女から魔導書のようなもの、と説明は受けています。それも、「古き地母の徴。幾多の女神をまつろわぬ地母へと導く道標」として。つまりは、これがまつろわぬ神を降臨させるものだと、護堂さんはちゃんと認識しております。勿論、日本に持ち帰るのを嫌がったのですが、このままイタリアにゴルゴネイオンを置いておくと、イタリアが大変なことになってしまいます。何しろ、イタリアを根城にしていたカンピオーネであるサルバトーレ・ドニ氏は、護堂との決闘で大怪我をして姿をくらましており、まつろわぬ神の降誕を阻止する人がおりません。ああ、このまま行けばイタリア終了のお知らせ、などなどとエリカに散々言い負かされた護堂さんは、地元東京が大ピンチになるリスクを承知しながら渋々これを持ち帰ることになるのです。

そりゃあ、祐理に怒られて当然です。

そんな祐理さんの、実はこれが本来の初登場シーンである櫛折りのシーン。茶髪巫女、などと揶揄されている祐理ですけれど、これは染めている訳ではなく生まれつきでして、祐理も結構気にしていて、髪の色にはひそかにコンプレックスを抱いています。
加えて、本来ならば甘粕さんとも、祐理はここが初対面。どうもごっちゃにされているきらいがありますが、国家機関である国内の魔術組織の統括を行う正史編纂委員会の職員は甘粕さんだけであって、あくまで祐理はそれに協力する外部の組織の人間です。
彼女が所属しているのは武蔵野―関東一円を霊的に守護する一団であり、そこで媛と呼ばれる高位の巫女の座についています。彼女は非常に強力な霊視の力を備えていて、その力は幼い頃に東欧の魔王に招致された事もあるほどでした。もっとも、そこで彼女は魔王ヴォバン侯爵の恐ろしさを身にしみて味わい、カンピオーネという存在への偏見を強めてしまい、護堂に対しても様々な勘違いや思い込みを起こしてしまう事になるのです。
尤も、後々になって振り返ってみると、彼女の偏見は偏見でもなんでもなく単なる事実であり、勘違いや思い込みも今にして思うと別に誤解じゃなかった気がする不思議!!
この時点においても、草薙護堂の風聞は、イタリア各地の名刹を破壊して回った挙句についには世界遺産のコロッセオまで倒壊させてしまった破壊魔であり、著名な魔女であるうら若き少女を愛人として侍らせている漁色家の魔王ですから、清純な巫女さんに胡乱な目で見られてしまいのもまあ致し方なし。

ここでは、何故ペルシアの神であるウルスラグナが南イタリアに現れて、護堂と戦う事になったのかについて解釈が語られています。曰く、ウルスラグナはインド神話におけるインドラに相当する神格であり、ギリシアとペルシアの融和が図られヘレニズム文化が生まれた英雄アレクサンドロス大王――最近流行りのイスカンダルですな――には、ギリシャ神話のヘラクレスとも習合しており、アルタグネスというギリシア風の呼び名すら存在する。時代は下り、三頭政治のポンペイウスの手引きで、この神を信奉していた臣民の一部が南イタリアに移住したという話もあるそうで、ウルスラグナの出現場所としては全くの見当違いでもなく、ちゃんと由縁は存在するのだそうだ。

さて、個人的には原作にもある護堂の祖父、一郎氏の出演シーンは是非にあって欲しかったところである。護堂の女殺しは、半分はこの老人から受け継いだ血の濃さによるものであり、残る半分はこの老人の薫陶によって仕込まれた女性への接し方にあるからだ。尤も、王として女を受け入れ侍らしていくこととなる護堂とプレイボーイとして女の間を後腐れなく泳いでいく一郎氏とでは、女性との関わり方においては大きなスタンスの違いを感じさせるのが面白い。如何な血を分け薫陶を授けても、人間同じようには育たないものなのである。
しかし、重ね重ねこのスマートで洒脱な、色気すら感じさせる、現役で今なお年配の女性を中心にモテまくっているご老体をアニメで見られないのは残念だ。

正直、ゴルゴネイオンを日本に持ち込んだか、と祐理に追求される場面での護堂の受け答えはいただけない。彼は愚者ではあっても、愚鈍ではないのだから。むしろ彼の場合は察しよく、物事についても結構注意深く見ているし、思慮深くもある。この辺りは、中学時代全日本代表クラスの野球選手、それも捕手として活躍していた事も大きいのでしょう。そんな彼が、エリカからあの場面でわざわざ意味深に渡されたものについて、何も考えていないなどという愚鈍さは在り得ず、実際彼はこの神具の危険性は重々承知しています。承知していながら、まあいいや、と持って帰ってきてしまうあたりが愚者であり、祐理に周囲への配慮がなさすぎる、と叱られてしまうところなのでありますが。

プリンセス・アリス。原作ではまだこの段階では名前も出ていないのでサービスでしょうね。
まあ世界規模の災厄、とか危機感を煽らえても、白けるばかりなんですが。まだ【ナイトウィザード】の「週刊世界の危機」の方が切迫感がある気がします。何しろあちらは失敗すれば本気で世界が滅びますからね。それに比べて、【カンピオーネ!】の世界ではまつろわぬ神が復活して大暴れしても……まあサトゥルヌスがトルコでやらかしたことや、ロサンゼルスでアルテミスがもたらした災厄を鑑みれば
「被害は甚大だ!」
になるんでしょうけど、根拠を示さずに単に世界が滅亡すると煽られても燃えないんですよね。具体的にこういう危険性があるので、世界の危機だ、というのならわかるんですが、中身を語らず危機ばかり煽れば、自然と言葉が軽くなってしまいます。

作中では度々、ゴルゴネイオンについての言及があります。蛇の髪を持つ女の図柄。名前からも分かる通り、この石のメダルにはゴルゴン。ゴルゴン三姉妹と呼ばれる蛇の女怪を象徴したものが描かれており、それは当然有名なメドゥーサにもつながっています。
メドゥサについては、近年Fateに登場したこともあって、彼女が単なる蛇の髪を持つ怪物ではなく、古くは女神として崇められる存在だった、という話は良く知られるようになりました。そのメドゥサを女神から魔物へと剥落させ、さらにはペルセウスを支援して退治させ、その首を献上させた存在こそ 
ゼウスの娘 智慧と戦の神アテナであったのです。

その女神を霊視して導き出された言霊が、脱皮と再生を繰り返す不死の象徴たる蛇、大地母神にして夜の神、というアテナという女神から想起される事項からは大きく外れている違和を生じさせるものだということは覚えておいていいかと思います。

駅まで徒歩五分の立地条件♪ じゃないんだから、神社からバスも電車も使わずに走っていける近場にアテナが待ってるって、どんな都合なのでしょう。
第一話から凄い違和感なんだが、この「結界」設定は何なんだろう。原作ではそんな言及一切なかったと思うんだが。神様がそう望むことで人を遠ざける、と言うことはこの場面のアテナの振る舞いでもあったことだけれど。
あと、エリカはギリギリまで護堂とアテナの対峙に割って入りません。この世界において、まつろわぬ神と人間との差は絶対です。どれほど優秀で天才で強大な人間でも、人間である限りはまつろわぬ神を前にすれば芥子粒も同然の存在であり、聡明なエリカはその絶対差をキチンと弁えています。
そんな揺るがぬ真理ですらある神と人間の絶対差を覆してしまった存在こそがカンピオーネと呼ばれる者たちであり、故にこそ彼らはあれほどまでに畏怖される存在なのです。

エリカがそれでも神の前に立つときは、死んでもなお神に抗わなければならないと決意した時のみです。それが、その場に居る唯一の力ある者として、騎士として民の安寧を護るために逃げる事が許されなかったウルスラグナとメルカルトの神々の戦いの時であり、そしてこの時、主である護堂を護るためであったのです。
ぶっちゃけて言うと、神とカンピオーネとの戦いに割って入るのは、無粋極まるんですよね。

ていうか、あのアテナビームは何なんだ? 女神アテナの持つ力として、何か根拠のある力なのか?
【カンピオーネ!】の面白いところは、神だからと言って何でも魔法みたいに出来る、というわけじゃないところなんですよ。どんな力を使うにしても、武器を使うにしても、ちゃんとそれぞれその神にまつわる由来と意味が存在するのです。だからこそ、神との戦いにおいては、その神の知識を蓄えることで敵の力を知り戦略性を高める事にも繋がりますし、また一般的に知られるその神様の在り様とは全く異なる力を持ちだしてきた時などは、その神の原点が普通に知られているものとは全く異なる複雑な背景を持つものなのだということが知れ、大きな驚きと知識欲を掻き立ててくれるのです。
例えば、戦神アテナにしても、一般的に知られているアテナの姿からすると、蛇やフクロウ、夜や闇を象徴し、不死を司る、というアテナらしくない力を振るうことで、アテナという女神の謎を深め、その神性の解体への期待を募らせてくれるのです。
ところが、あんな訳の分からないビームなんぞを使われてしまうと、彼女がアテナである意味そのものが薄れてしまう。訳の分からない力を意味も持たずに使うのならば、彼女がアテナである意味も、アテナを知るために護堂がエリカとキスする意味もなくなってしまい、そもカンピオーネという作品のスタイルから基盤となる部分をなくしてしまうでしょう。

アテナビームに限らず、これは日常シーン、戦闘シーン関わらずなんですが、無駄で無意味な行為行動が多すぎるんですよね。アテナが護堂の警戒を解いて不意打ちにキスをしてくるシーンにしても、エリカを封じる意味もいちいち空間転移する意味もないので、戦闘シーンが無為に冗長になって緊迫感が失われてしまっている。
動きの一つ一つは良いだけに、実にもったいない。

さて、アテナのキスですが、何故あんなことをしたのか。これは、エリカのキスにも通じるのですが、というか今のところアニメの中では一切説明がされていないのですが、カンピオーネという存在は非常に高いレベルで魔術への抵抗力が備わっていて、外部から直接影響を与える呪術の類は人間の魔術師の手によるものは勿論、神からのものからすら抗し得るほどのものです。これは、攻撃のみならず補助や回復魔術にも当てはまるため、通常はカンピオーネには支援魔術というのは殆ど意味をなしません。ただ、例外があって、直接体内に吹き込む形ならば、術式が作用するようになっています。エリカが第一話、並びにこの第三話で口づけを護堂にしたのは、キスを通じて護堂にエリカの持つ知識を圧縮してインストールしている、と思ってもらって結構です。これについては、あとでもう一度説明します。
で、アテナのキスですけれど、さすがの彼女でもカンピオーネに直接外部から呪いをかける事は不可能だったので、和解の道を示すことで護堂の油断を誘い(彼がカンピオーネとしての闘争心を燃え上がらせるまでにかなりの時間がかかるスロースターターだと初見で見抜いたのは、アテナの戦神としてのセンスでしょう)、直接口移しで死の言霊を含んだ息吹を吹き込んだのでした。
本来、智慧と戦の神であるアテナが、このような冥府神の権能を使うというのは大変異常な事態でありまして、これはアテナという女神が一般的に知られている在り様と、原典ともいうべきアテナの元となった女神とは大きく性質が異なっているものだという示唆にもなっています。
アテナのローマ風の呼び方はミネルヴァ。智慧の女神ミネルヴァが使者として多様するのは、夜を飛翔する鳥であるフクロウ。それは、死を呼ぶ蛇とフクロウに関わる女神。

と、アテナに関するヒントを得ながらも、このままでは死は免れない護堂は、ここでウルスラグナの権能の一つである第八の化身「雄羊」を使っています。原作では、アテナ戦までに、カンピオーネとして未熟だった事もあったのでしょう、エリカから呼び出されて巻き込まれたトラブルで、既に数回この「雄羊」の権能を使用済みだったようでした。
権能の効果は死からの復活。発動条件は、自分が瀕死であること。同時に、瀕死の状態で自分の意志でこの権能を発動させなければならない。自動ではないので、瀕死の怪我を負った時に意識を失ってしまっていれば、はいそれまで、である。さらに、死んでから意識を回復するまで、それなりの時間がかかるのでその間は無防備になってしまう、という制約もあります。
エリカが無謀覚悟で神の前に立ちふさがり、護堂の身柄を守ろうとしたのはその為です。

さて、再びエリカとのキスシーン。なんぞ、ちゃんと教えるまで普通にやったら百日はかかるとか言ってますけど、原作では何時間もかかるから面倒でいや、という話になってます。まあ、百日というのは決して間違いというわけでもないんですよね。ただ、第一〇の化身「戦士」の権能である神格を切り裂く黄金の剣を鍛えるには、その切り裂く相手となる存在の詳しい知識が必要なのですが、単に一夜漬けで記憶したような知識では剣は鋭く鍛えられないようなのです。それこそ、その神にまつわる知識のすべてを連結し相関させた上で深く理解しなければならない。それだけの知識を理解しきった形で習得するには、それこそ百日近い勉強が必要、ということで決してここでのエリカの発言は間違いではないのです。
とは言え、決戦が目の前に迫っているのに、いちいち勉強なんてしていられません。実は、第一巻を読んだ時にこの神にまつわる知識を得るのに、ちゃんとフィールドワークする展開があったら、それはそれで面白い神話学としての本になるのになあ、なんて思った事もありました。
ともあれ、エリカはここで「教授」の魔術を護堂にキスで吹きこむことで、一時的に彼女の持つ膨大な知識を護堂にインストールし、剣を鍛えているのです。

カンピオーネ! 神はまつろわず (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
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カンピオーネ! 第2話 王様のいる風景  



まだまだしっちゃかめっちゃかで、色々と辻褄があってなかったり説明不足だったり肝心の要素を取りこぼしてたりと、とにかく原作からの構成が下手くそもいいところなんだけれども、一話に比べたらまだだいぶ見れるようになっていて、一安心。
これならまだ見てられる。
と、思ってしまうほどに一話が酷かった、というだけなのかもしれないが。交渉ごとの駆け引きじゃないんだから。
あと、作画とかアクション演出とかは、やっぱりかなりイイですわ。少なくとも映像的には相当な水準で推移してくれるんじゃないでしょうか。



まさか、パンドラによるカンピオーネ誕生の呪法のシーンも飛ばされるのかと危惧したものの、なんとかそのシーンは加えられたか。
そもそも、神殺し・カンピオーネというものは単に現世に降臨した「まつろわぬ神」を殺した事による称号などではなく、「まつろわぬ神」を殺すことで発動する神を贄とした神の力の簒奪の呪法。殺した神の権能を奪い取る、ギリシャ神話の一柱エピメテウスとその妻パンドラが仕組んだ暗黒の生誕祭。故にか、カンピオーネは「行動したあとで後悔する愚者」と呼ばれるエピメテウスの落とし子とも呼ばれるのである。
この考える前に行動した、あとに後悔するも反省せず、という有り様は、後々の護堂のカンピオーネとしての軌跡を見ると、まんま当てはまるので面白い。
エピメテウスの子という事はパンドラの子でもあるということ。すべてのカンピオーネはパンドラの子でもあるのだけれど、さてパンドラの子は、彼女があけてしまった箱から飛び出したこの世の災厄そのものか、はたまた残された最後の希望か。
現在地上に存在する七名のカンピオーネ、まだ原作でも登場していない一人をのぞいた6人全員が、護堂を含めてそりゃあもう大迷惑極まる存在だというのを鑑みると、希望というよりもむしろ災厄の方なんじゃないかという気もするが、はてさて。

さて、訳がわからないのがなんで前回一話から、この原作一巻の最初につながる間の期間を、原作の数ヶ月間をわずか一週間にしてしまったのか。
一応、イタリアのカンピオーネ、サルバトーレ・ドニとの対決はその一週間の間にやったみたいだけれど、話の内容からして、護堂がカンピオーネになってからの最初の神の対決、ウルスラグナと戦っていたメルカルト神との決着編は完全になかったものにされた模様。
ということは、必然的にエリカが事あるごとにネタにして護堂を弄ぶ「シチリアの熱い夜」もなかったことになる。

実のところ、エリカが護堂に完全に入れこむ形となった最後の一線が、この神王メルカルトとの戦いとドニとの決闘でのエピソードの中に含まれているのです。原作では「ふたつめの物語」として11巻目に描かれているのですが……。
アニメでは速攻で全裸になって護堂のベッドに忍び込んでいるエリカですけれども、途中で甘粕さんがチラリとエリカについて語っていたように、本来はむしろ身持ちが固く潔癖で清純な乙女だったことが過去編を見るとわかります。「シチリアの熱い夜」ではエリカは護堂に純潔を奪われたと言って憚らないのですけれど、あの時エリカはけっこうマジで泣いちゃってるんですよね。
そんな彼女が、護堂さんの在り様に心の底から惚れ抜き、メロメロになっていって、護堂との愛人関係という仕方なく標榜したものを、むしろ誇らしく愛しいものとして喧伝するようになるまで蕩けていく、言わばあれほどのイイ女が恋に落ちるまでのすべて、を堪能できるお話が、この数カ月の間にはあったのです。
何しろ、護堂のために一度は騎士団を抜ける覚悟まで決めたくらいですしね。
それからも、護堂は度々、三度もイタリアにエリカによって呼び出され、あちらこちらに連れ回されそのたびに大騒動に巻き込まれます。そうして、一緒になって死地をくぐり抜けたエリカと気心を通じ合わせ、この二話相当の時点では、愛人関係こそ否定しつつも、友人としてなら請われれば何をおいても駆けつける、とまで言わしめるほどの信頼関係で結ばれていたのでした。
少なくとも、初対面の正史編纂委員会からの告げ口で不信感を抱くような関係ではもうなかったのです。
もっとも、それ以前に護堂さんの性格からして、エリカは色仕掛けで自分を取り込もうとしているのだ、なんて讒言を受けても、別に気にも止めないでしょうけどね。むしろ、他人から言われて気にするのではなく、自分で甘えてくるエリカに利用するつもりならやめろ、と釘を刺してるくらいですし。その上で、筋を通すなら幾らでも力を貸してやる、と言ってしまえるくらいの人なのです、護堂さんは。

二話で初OP。さすがに七人居るカンピオーネ全員は出なかったか。その中で、ヴォバン侯爵とサルバトーレ・ドニは確認。「まつろわぬ神」もこれまで登場している柱以外にも、天馬の人もちゃんと居た。良かった。
ラストの絵が、完璧にハーレムです、ありがとうございます。いやでも、実際にガチであれになるんですよね。ハーレムものは多けれど、実のところ実際にガチでハーレムを作ってしまうのってかなり珍しいんですよ。結局のところ、通常のハーレムものって優柔不断のなあなあで現状維持しているだけの緩い停滞関係でしかないですからね。
その点、この「カンピオーネ!」はかなり違います。何しろ、当のエリカが一番積極的にハーレム主導していくのですから。「序列」付きで(笑 
エリカ・ブランデッリ――この女、並みじゃありませんよ、ホントに。

本編はじまって早速、妹様の糾弾を受ける護堂さん。当人自覚ありませんが、この護堂さん。天下無双のスマートなプレイボーイだったお爺さんの血を濃厚に継いでおり、兼ねてから兄の女性関係については妹の静花は危惧を募らせていたのですが、結果として最悪の形でその危惧が実現することになります。
ちなみに、護堂さんは普通然としたとぼけた顔をしていますが相当の異端児で、間違っても性格的にも一般人ではないのですが、別に護堂さんだけが突然変異なのではなく、草薙家の人々は殆ど全員「おかしい」です。
したり顔で兄を糾弾している静花ですが、これでこの女、相当の酒豪であり(これは草薙家共通みたいですけど。護堂も相当に強いらしいですし)、彼女の機嫌を取る時は甘いものではなく酒を持参して懐柔すべし、との教訓が残されています。母・真世も、まあ筆舌しがたいアレな人だったりするのです。
閑話休題。
アニメではルクレチアの家での一幕を脅しネタにしていますが、本来の脅しネタは「シチリアの熱い夜」であり、ぶっちゃけキスどころではとどまらないところまでヤッちゃってます。詳しくは原作をどうぞ。自分、てっきりあれは未放送分としてBlu-ray収録とか、OVAとして別撮り、になるかと思ってたんだがなあ。それくらいエロいし。
まあ、後々、ガチで5Pするのに比べたら、なんてことないのですが。
にしても、やはり護堂さんが初心すぎるなあ。彼のいいところは、エリカのモーションに対して堂々と返せるところなんですよね。変に動揺したり、慌てたりしない。動じず慌てずあしらうからこそ、エリカも遠慮なく茶々を入れてきて、時にエリカがやり込め、時に護堂が邪険にし、反撃してやっぱりやり込められ、とまあエリカには叶わないんですが、それでもお陰で二人の掛け合いは丁々発止の対等なものとして機能します。

度々、護堂さんがヘタレじゃない、と私が力説するのはこの部分にもあって、詰まるところ護堂さんは振り回されない人なんですよ。エリカもそれを重々承知しているから……敢えて嬉々として振り回そうとじゃれついてくるんですけどね(笑 まあ、最終的にエリカに下駄を預ける護堂さんは、相当にエリカを甘やかしているとも言えます。さらにエリカもそれを重々承知で、甘えてきているとも言えますが。
……ラブラブなんすよ、この二人。イチャイチャしてるだけなんですよ、この二人。
だから、護堂さんが本気で嫌がったら意地でもいうことは聞きません。空気読まない真似をしはじめると、かなり温度が下がってしまいます。一時期、某ヒロインが普通のハーレムヒロイン的な言動に走った時にかなりえらいことになりましたから。
普通に考えるよりも遥かに、草薙護堂という人物は「王様」的な存在であることは最初の方からなるべく頭の隅においておくべきでしょう。もっとも、アニメで護堂さんのキャラがどれだけ忠実に再現されるかはわかりませんが。

万里谷祐理と正史編纂委員会の甘粕さんが登場するシーンは、多少の入れ違いはあるものの、まあ特に問題とは思えず。
祐理がこれだけ下手に出るのは理由があって、以前別のカンピオーネに召還された際にかなりキツい目にあったからです。
もっとも、カンピオーネという存在は魔術関係者の間では概ね「近づくと危険」扱いされています。というか、まんま「魔王」扱いですな。とにかく無茶苦茶な存在で、どれだけ無法で倫理から外れた暴挙も暴虐も平然と行使して憚らない災厄のように見られています。
……客観的に見て、わりと事実です。護堂さんも含めて

それでも、神殺したるカンピオーネの力は人の領域を超え、絶対者として君臨するものであり、そうであるが故に世界中の魔術結社がカンピオーネの庇護を得ようと躍起になっています。正史編纂委員会が接触してきたのも、エリカがイタリアの有力な魔術結社を集めて、護堂の存在を知らしめたのも、それに関連する事項ですね。
彼らカンピオーネは、真実「王様」として認識され、扱われているのです。統治はせず、しかし君臨する王として。

いきなり場面転換してイタリアに舞い戻り(笑
さすがに、品評会を日本でやるハメにならなくてよかった。女神との遭遇を日本でやられちゃかなわない。
かの女神の正体はすぐに明らかになるのですが、ここでフクロウを従えているのは要注目。

とりあえず、護堂が真実カンピオーネである事をしらしめるために行われたエリカとの決闘。
さり気なく、エリカに斬りかかれた時に逃げるばかりでなく咄嗟に反撃しているんですよね、護堂。カンピオーネとなった護堂は無論、もう一般人ではありません。権能無しで常時身体能力があがってるわけじゃないんですが、常にスポーツでいうところの「ゾーン」に入っている状態、とも言えばいいでしょうか。非常に集中力が高まり、そして常にそれを揺るがず維持できる形となってします。
その上で、権能を執行できる。
ウルスラグナの権能は十の化身。すなわち、十の異なる力をそれぞれに引き出すことが出来るのですが、それぞれに厳しい発動条件があると同時に、一日に一回しか使えないために、本気の戦闘ではかなりの緻密な戦術が必要になってきます。力任せの力押し、な戦いではいけないわけですな。
この点がカンピオーネという作品の面白い要素の1つでもあり、また彼の切り札である、OPでもPVでもさんざん喧伝されている神格を切り裂く剣「黄金の剣」あれこそが、もっとも複雑で難易度の高い発動条件を備えており、エリカとのキスこそが発動条件をクリアするために必要なファクターを注入するすべなのです。
見た目こそ、ゲート・オブ・バビロンとか固有結界とか言われている権能ですけれど、その内実は全く異なるものであり、あれはむしろFateではなく京極堂である、と此処には記しておきます。


さて、エリカとの決闘。ひいては彼女の呼び出した剣の獅子との対決は、まあ映像的にはいいんですけれど、他の魔術結社の面々にウルスラグナの権能の発動条件をペラペラとしゃべってしまうのはいかなることか。あれ、弱点そのものだから、完全に極秘事項なんですよね。って、それ言ってたのエリカだったのに。そのエリカがべらべら喋ったダメでしょうが。
ちなみに、最初に使った「雄牛」の権能の発動条件は、相手が人間を遥かに超えた怪力を有していること。
「鳳」の権能は神速と跳躍力を得ることで、発動条件は高速の攻撃を受けること。この権能には副作用があって、肉体的な負担が大きく、使用後に胸に激痛が走るんですが……よく見ると、ちゃんと胸を苦しそうに押さえてますね。
ってか、やられてちゃってますね。原作では、もう銀の獅子はグッチャグッチャのボコボコにやっつけちゃってます。戦うまでは平和主義を謳いながら、いざ戦い始めると、一気に闘争本能が炸裂する護堂さんの本性を端的に現したエピソードでありました。
そして、その闘争本能は純粋な勝利への欲求へと研ぎ澄まされていき、護堂の思考は冴え渡っていくのです。どんな強敵だろうと、神だろうなんだろうと勝利を勝ち取るために。それは、凄まじいまでの戦術眼として機能し、彼が勝つための筋道を導き出していくのです。

ここで彼がエリカをねじ伏せたのには、それだけ護堂がエリカの性格を知り抜いていたから、という理由がありました。彼女がどんな性格で、その場面場面でどんな行動を選択するか、どんな思考を走らせるかをすべて知り抜いているからこその戦術。それは、エリカと護堂がツーカーの関係であり、以心伝心に近い関係である必要があったのですが……アニメでの戦いの決着は、なんだかよくそこに至るまでの理屈がいささか弱かったですね。エリカという人間一人相手に、あの「猪」の権能を使うという無茶苦茶っぷりが、もうちょっと引き立って欲しかったのですが。あれだと、エリカが取り押さえられたのは、彼女の油断みたいなものだしなあ。

ちなみに「猪」の権能の発動条件は、大きな建造物をターゲットにすること。他の権能に比べて、とりあえず近くの巨大な建造物を標的にしたら発動できるという条件の緩さがあるので、護堂さんはわりとこの権能を愛用していくことになります。
そのたびに、世界各地の名所が盛大にぶっ壊れていくことになるのですが。
この【カンピオーネ!】という作品、往年の特撮怪獣映画もかくや、とばかりに毎回あっちこっち有名な建物をぶっ壊していくので、それはそれでお楽しみに(笑

さて、決闘のあとに魔術結社の長たちが語っている名前。これは現代に七人いるカンピオーネたちの名であります。
それぞれに
・ジョン・プルートー・スミス(北アメリカ)
・羅濠教主(中国)
・黒王子アレク(イギリス)
・アイーシャ夫人(エジプト)
・サルバトーレ・ドニ(イタリア)
・サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン(バルカン半島)
の六名であり、原作未登場のアイーシャを除いて、全員が……うん、ぶっ壊れてます。全員デタラメもいいところです。誰が一番強いとか、そういう概念の外だもんな、こいつらって。まあ、護堂さんも明らかにその内の一人に含まれるのですが。魔王の異名は伊達ではありません。

ここで、同時に「プリンセス・アリスの星なき夜の予言」というセリフが出てましたが、これはあれかあ。アリスの名前を此処で聞けたのは悪くはなかった気もするが、あの予言とゴルゴネイオンはあんまり関係なかったような気も……。

ともあれ、冒頭でも触れたように二話目はなんとかまだマシなところまで持ち直した模様。エリカにはもっと頑張ってもらわないと。

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カンピオーネ! 第一話先行放送  


映像はほぼ二重丸。ただ、話の構成は正直……無茶苦茶だ(苦笑
時系列としては一番最初となる第三巻の「はじまりの物語」。護堂がカンピオーネとなるまでの物語を描いた一冊を一話に再構成したものなんだけれど……ぶっちゃけ端折りすぎて何がどうなってるのかさっぱり意味がわからない。原作読んでる自分でも、話がまきすぎてて目を白黒させてるような状態なんだから、これ原作未読の人はそれこそ何が何だかわからんだろうなあ。
そもそも、カンピオーネがいかなる存在なのか、というのを全然説明してないし。あれだと、エピメテウス秘笈にて権能を奪ったからカンピオーネになったと勘違いされかねないぞ。

「はじまりの物語」って、物語の発端であると同時に、護堂の本質を鋭く詳らかにしているシリーズ全般通しても重要な話なんですよね。いわゆる護堂の戦う動機が正義や秩序ではなく、あくまで個人的な感性に基づくものであり根本的なところで他人の言に左右されない、「君臨する王」であることを如実に示す話なんです。
護堂がウルスラグナとメルカルトの神々の戦いに介入する事にしたのは、騎士として神から人間の住まう土地を守ろうとするエリカを手助けする気になったからで、あくまでエリカの為であって一般市民の為ではありません。また、護堂がウルスラグナを身を呈しても倒そうとしたのは、権能をなくし「まつろわぬ神」としての特性を一時的に消失して本来の神としての性格を取り戻していた少年ウルスラグナとの交流によって育まれた友情に基づくものでした。
思想ってわけじゃないんだけれど、護堂がまだ何の力も持たない時期だったからこそ、彼の本質がそのカンピオーネの巨大な力によってもたらされたものではない、彼本来の特質だった事が窺い知れ、彼の考え方や在り方が良く見える話だったんですけどね、「はじまりの物語」。
うーん、こうして見るとなぜこの「はじまりの物語」が第一巻ではなく、第三巻だったのかがよく分かる。結局これって、護堂のカンピオーネとしての活躍と暴れっぷりをある程度堪能した後だからこそ、一度原点に帰って護堂の人となりと成り立ちを改めて振り返り、エリカとの関係の深さを認識し直すのに良いタイミングだったわけで、これを最初に持ってきても掴みとしては機能しにくかったんだよなあ。
まあ、アニメの方は原作に込められていた意図を殆ど端折ってしまっていたので、後が良かった先が良かったとか殆ど関係ない出来だったんですけど。

ほんと、魔術関連やイタリアの風光明媚は雰囲気も含めて、映像全般は期待以上だっただけに、構成の上っ面だけさらったような支離滅裂さが目立つ形になってしまっていた第一話でした。

だいたい、護堂さんはヘタレなんかじゃないんだよ!!

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エリカや祐理は護堂の仲間ではない…!?
クリスマスも近づく時期、草薙護堂は心労を重ねていた。
七人目の魔王である護堂を監視するために派遣されてきたイタリアの魔術師・エリカやリリアナからの視線は厳しく、日本の正史編纂委員会からの遣い、媛巫女・祐理は護堂を恐れている。
もう慣れてはしまったが、ギスギスとした雰囲気に居心地悪くも思うため、護堂は彼女たちとの関係を改善しようと思うのだが…。
なぜか護堂には「今」のこの状況ににぬぐえない違和感があって…?
TVアニメ放送開始を7月にひかえ、さらに大注目の新神話第12弾!
神殺しに仲間はいない…!?
一応これはこれで日常回、という事になるんだろうか。
あらすじの不自然さから、護堂たちに精神干渉か記憶操作系の幻術が掛けられたのだろうという予測は立っていたのだけれど、そもそも外部からの魔術干渉が殆ど出来ないカンピオーネである護堂に何故幻術が効いているんだろう、という根本的な疑問から、派生する幾つもの小さな疑問があったのだけれど、それらについては作中にてマルっとちゃんと説明がなされていて、それもいちいち納得できる内容だったので安心した。端的に言うなれば、今回の敵の多くを望まず欲張らずに最低限必要な目的のみを達成するための限定戦術がかなり巧妙の作用していたのだ。絶対的な強者にまず力で対抗するのではなく、その力を使わせないように立ちまわる、というのはそれはそれで卑怯でも何でもなく、戦巧者と賞賛するべきで、護堂もこれについては特に怒ってたり憤っていたりはしてなかったんですよね。多分、彼がカチンと来たのは最後の最後に見苦しく情に訴えて来た所なんじゃないかと思うんです。護堂さんという人は、アレはアレで何だかんだと実に王様らしい人なので、他者を「憐れまない」。憐れまないからこそ、彼は他者を誰よりも尊重するし、それを踏み躙るような相手には怒りを隠さない。そして、敬するに値しない相手は一顧だにしない。
護堂さんは義姉の翠蓮姐さんをとんでもない人のように言ってるけれど、その振り幅はともかくとして性格の方向性は結構似てると思うぞ。
さて、孫悟空編以来の登場となった翠蓮姐さんですが、この人が登場するシーンになると、途端に文章の雰囲気まで中国武侠モノっぽくなるのが面白すぎる。これが、ジョン・プルートー・スミスの場合だとアメコミ風になるので、ぜひ比較してみましょう。
今回は事件自体がそれほど大規模なものではなく、というか原因はあからさまに翠蓮姐さんにあったので、彼女が参戦するなどといった展開はなかったものの、翠蓮姉さんの洞に招かれて、まったりと歓待を受けるというもしかするとバトルシーンなどよりもよっぽど希少なシーンだったんじゃなかろうか。
そうして発覚したのが、翠蓮姐さんの義弟へのダダ甘っぷりである。完全にダダ甘姉チャンじゃありませんか。およそ七十年ぶりに厨房に入り、護堂の為に手料理を振る舞うとか、姐さんどれだけ弟が来るのを楽しみにしていたんだ、と。護堂も珍しく周りの女性の中で翠蓮姐さんにだけは自然体で気を置かずに接しているので、二人のやり取りは掛け引き抜きの穏やかなものとなり、いい意味で緊張感なくニヤニヤできるのでした。ただ、ホントに自然体で接しちゃってるもんだから、翠蓮姐さんぶっちゃけ無茶苦茶な事を言いまくっているにも関わらず、護堂さんてば多少困ったふりをしてるけれど、全然無茶ぶりされてると思ってないんですよね。自然体過ぎて、魔王としての本性が抜き身で引き摺り出されてる気がする、あれ。お陰様で、ダダ甘姉弟のイチャイチャシーンにも関わらず、超常の存在が人倫の壁の向こう側で語らっている仙郷魔境のワンシーンにしか見えないという罠、なにこれ?(笑

さて、これまで築いてきた絆の記憶を失い、自然と疎遠になってしまった護堂さんと彼の女たちでありますが……ぶっちゃけ、疎遠になった程度なら何の問題もないんですよね。あの呼吸するように女をメロメロに落してしまう護堂さんが、疎遠のまま放っておくわけがないじゃないですか。ただでさえ、記憶の整合性については曖昧で虚が大きすぎる状態、ちょっと話せば簡単にしっくり行ってしまうのを感じ取れるくらいに身も心も合わせてきた女たちである。ちょっと一緒に過ごせば、途端に前とさして変わらない距離感に。いや、他の女たちと張り合ったり、これまでの経緯がない分、逆に自然にただの男と女として日常を過ごせたんじゃないだろうか、特にリリアナ。やっぱり、エリカは一番のパートナーだけあって、意気投合するのも一瞬だったんだけれど、彼女の場合切れすぎるから、そうなったらすぐにからくりに気づいちゃうんですよね。実際、エリカ、護堂と接触したら即座に状況の不審さに気づいて、全部解いちゃいましたし。その意味では、リリアナは鈍すぎる気もするんだけれど、その分存分に楽しんでたんだなあ、うん。
ハーレムの中で、リリアナが一番少女らしいという護堂の感想には全く納得。前は祐理の方が家庭的なのかと思ってましたけれど、実はリリアナの方がよっぽど家庭的で若奥様って感じなんですよね。ぶっちぎりでエプロンが似合うヒロインw こうして見ると、ひかりを加えて、ちゃんとエリカ、リリアナ、祐理、恵那と女性のタイプとしても、嫁のタイプとしても異なってバラエティに富んでいるのが見て取れて面白い。
と、同時に、ここに陸鷹化、甘粕冬馬、沙耶宮馨が加わることで、極めて高水準にバランスの取れたチームが現出する。個々の能力と共にその連携、バリエーションの充実度、後方の支援組織も加味すれば、草薙護堂は少なくともバックアップ体制においては容易に他のカンピオーネを凌駕していると言ってもいいだろう。自らの魔術結社を持っている黒王子アレクを始めとして、他のカンピオーネたちもちゃんと支援体制を築いてはいるものの、最終的にどこまでも唯一無二の単騎独行であるカンピオーネを、ここまでガチンコで支えられ、共に戦えるのはやはり草薙護堂一味だけに見えます。その意味では、確かに彼女たちこそが護堂のカンピオーネとしての強味だよなあ。その強みを削ってきた今回の敵は、目の付け所はさすがの着眼点だったと言っていいのだろう。詰めが悪かっただけで。

さて、幕間回、の気配もあった今回ですが……さすがにこれ、一連の最後の王に纏わる事件とは無関係のはず無いですね。あの棺で眠っていた神の亡骸もまた、最後の王と繋がっていたのではないでしょうか。それに、今回もミトラスの名前が出てきたのは無視できない要素ではないかと。結局、誰も彼もがミスラ=ミトラスと繋がっているんですよね。こうなってみると、あのペルセウスが生き残らずドニに始末されたことすら、ただの敗残処理なのではなく、最後の王の復活に纏わる意味のある結果だったのではないかと思えてくる。あの示唆からすると……もしかして最後の王って……ふむ。もし、この想像が当たっていたら、ラストバトルって本気でとんでもなく凄いことになってしまう。うははは、想像あたっててほしいなこれ。

シリーズ感想

騒符「ノイズメランコリー」  




カンピオーネ! 11.ふたつめの物語4   

カンピオーネ! 11 ふたつめの物語 (カンピオーネ! シリーズ)

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神殺しの物語、第二幕がついに上がる!!
待望のカンピオーネ!セカンドエピソード公開!!

草薙護堂は友であった軍神・ウルスラグナと相打ちとなり、神殺しの魔王・カンピオーネへと生まれ変わった。
かの神を殺す際、護堂に利用された神王・メルカルトは新たに誕生した王を次なる敵と定める。
さらにはイタリアの剣の王サルバトーレ・ドニも護堂に興味を示し、護堂との戦いを求めるが、それは彼の配下の魔術結社に所属するエリカの、護堂との別れを意味していた…!
魔王となったばかりの護堂の物語がついに明かされる!
いざキスをしなければならなくなったとき、受身でエリカにして貰うのではなく、あくまで自分から、という所が護堂さんの男前な所なのだ。
こうして改めて見ると、ファーストエピソードの時も強く思ったことだけれど、護堂さんって本当にエリカの事は特別なんですよね。こればっかりは、後でどれだけ周りに女性が増えても変わらない。むしろカンピオーネでなかったらすんなりと恋人同士になってたんじゃないかと思うくらいに、護堂はエリカのことを意識しまくっているのです。過去編はまさにエリカとの馴れ初め話で主だった女性が彼女しか登場しないだけに、より顕著に護堂さんの意識がエリカに向けられているので、その点非常にわかりやすい。特に、この頃のエリカはまだ護堂に対してツンデレさんなので、エリカの方からイチャイチャとくっついてくるわけじゃないので、余計に護堂が彼女を気にして気にして仕方ないのが傍目にもよくわかる。微笑ましいのは、エリカもエリカで護堂を意識しまくりながらも素直になれずにツンケンした態度をとってしまうところだ。今となっては、護堂を愛しているといって憚らず、熱烈なアプローチを常とするエリカの初々しい様子は、もう見ていて可愛いのなんの。あのエリカが、照れたり恥ずかしがったり、普通の女の子みたいにいじましい姿を見せてくれるんですよ。こりゃあもう、堪らん。
今でこそ清純派とは程遠い、いっそ艶美と言っていいほどの艶めいた色香で護堂を弄るエリカさんですが、この話を読んでしまうと本来は潔癖で身持ちのかたい乙女だったのがよく分かります。シチリアの熱い夜に貴方に純潔を奪われた、と度々護堂をこのネタでからかってたエリカですが、当時は決してからかい混じりに冗談で純潔を奪われたと言っていたわけじゃなく、本気でそう思ってたんですなあ。事後にベッドの中ですすり泣いているエリカの姿はなかなかショックでしたよ。もっとケロリとした顔で受け止めていると思っていただけに、彼女としても一大決心だったんだなあ。
結局のところ、エリカはあれだけ計算高く、賢明で抜け目がなく、常に客観性を失わない理性派なのに、護堂に関してはあれで一から十まで損得勘定は抜きなんですよね。まだ護堂のことを好きだと自覚してない頃から、自分の不利益も鑑みずに面白そうだからと理由をつけて護堂の世話にかまけて離れまいとしていましたし、いざ護堂が死地に飛び込んでしまった時には、今まで彼女が築きあげてきたものすべてを投げ捨てて彼のもとに駆けつけてしまっている。あとで上手いこと挽回して帳消しどころか自分の利益を確保しているあたりは、さすがエリカと言ったところですが、護堂のもとに駆けつけてきた時はそんな事頭になかったでしょうからね。
これほどの女性から、一生添い遂げる覚悟があると告げられて、痺れない男はいないでしょう。この時の護堂は、カンピオーネになったとはいえ、まだ成りたてで魔王の格なんてまだしっかりと持ちえていない段階。しかも、絶体絶命で自分の味方をしても損なだけ、という場面でしたしね。まあ、そういう彼我の状況と立場の軽重をわざわざ意識しなければならないような関係では、護堂とエリカはもうこの時点でなかったようですが。
実際、この二人は本当に良いコンビなんですよね。というよりも、護堂にとってエリカは既にかけがえのない存在、というべきか。あれほど絶対的で隔絶した強さを持つカンピオーネとなりながら、護堂にとってエリカが傍に居るのと居ないのとでは全然安定感が違うのだ。超越者は往々にして周りの追随を許さず付き従うものを添え者と化させ孤高を強いられるものだけれど、護堂に関してはむしろ独りでいるよりも、エリカが傍に居てこそ完成しているような雰囲気がある。なるほど、これは相棒であり伴侶である、としか言えない関係だ。エリカが、この人は自分が居ないとダメなのよ、というのもあながち自己アピールの一貫ではなく、客観的な一つの事実なのだろう。
しかし、一度自分の気持を素直に受け入れたあとの、エリカの積極性と情熱的なアプローチは、さすがはラテンの人である。二度目の教授の魔術シーンなんて、一度目とは全然雰囲気違ったもんなあ。あれほどエリカが我を失って恋に溺れ、官能と悦楽に浸ったのは、後の「少年」の権能を受けるまでなかったこと。まずもって理性をなくさないエリカが、素の感情をさらけ出して護堂に身を任せた本当に珍しい一例であり、それだけこの時のエリカが浮かれてた、と言うことなのでしょう。
可愛いじゃないですか。

肝心のバトルシーン。メルカルト神王との再戦と、因縁の間柄となるドニとの決闘が描かれるという、豪華二本立てなのだけれど、さすがにカンピオーネになったばかりで勝手がわからない新米の護堂さん。そりゃもう、死ぬわ死ぬわw
これほど短期間に雄羊の権能にこれだけお世話になったのは後々にも無いことで。それだけ危うい戦いだったんだよなあ。それでも死なずに、心も折れずに、カンピオーネとしての戦い方を身につけていく護堂さん。果たしてメキメキと魔王らしくなっていく、と見るべきかはたまた最初からこんなんだったんだよ、と見るべきか、なかなか難しい所である。
まあ、メルカルトは兎も角として、あのドニにこの時の護堂がよく勝てたよなあ。あれだけの死闘を繰り広げた直後に、普通に一緒に召し食ってるあたりに、護堂にしてもドニにしても、カンピオーネという存在が絶対的な強さによって成り立っているのではなく、その精神性、中身のハチャメチャさによってカンピオーネたるのだ、というのが如実ににじみ出ていたんではなかろうか。

これで護堂がカンピオーネになってからの一巻までのミッシングリンクはだいたい埋まったのかな。如何にしてあの自称平和主義者たる魔王・草薙護堂が形成され、エリカとの関係が築かれたのかが余すことなく描かれた過去編。どうやら後書きによると最初はこの前史については書く予定なかったようだけれど、読めて良かったですよ。ツンデレエリカという貴重な一品も見れましたね。
ついにアニメ化も決まりましたし、此方としては良き出来栄えを期待するばかり。やれば出来ると信じたい。あと、本編の続きもなるべく早く読みたいなあ(チラッチラッ

あと、さり気なくですけれど、序盤のほうでウルスラグナを神聖視する小さな魔術結社が使っていた魔術。ミトラの名前が出てましたね。ウルスラグナとの深い関係を考えるなら別段おかしくはないのですが、意味深ではある……。

シリーズ感想

カンピオーネ! 10.槍の戦神5   

カンピオーネ! 10 槍の戦神 (カンピオーネ! シリーズ)

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神殺しは呪縛される――! 護堂が囚われた呪いとは? 黒き貴公子との対決の時が迫る!!

アテナとの最期の別れを経て、湖の騎士・ランスロットとの再戦に備える護堂たち。
イギリスの地に降り立った彼らは、白き姫君の力を借り、かの騎士の正体を突き止めようとする…。しかし、護堂は謎の女性との邂逅をきっかけに、神祖・グィネヴィアと共闘を強いられることに。当然、彼女を仇敵と定める神殺し・黒王子アレクとの対立が避けられるはずもなく、神殺しが相撃つ激闘が始まってしまう!
一方、護堂と引き離されたエリカやリリアナたちは…!?
ほんっっっっとうに大迷惑な存在だよな、カンピオーネってのは(笑
今までも散々散々言われ続けていた事だけれど、今回改めて再認識させられた。
人類にとってカンピオーネは「まつろわぬ神」に対抗できる唯一の存在だけれど、それを踏まえてなお大迷惑極まりない。生きた人間でありながらその実、台風だとか地震だとかと同じ自然災害と大して変わらない。
この【カンピオーネ!】なる作品。一応現代ファンタジーや伝奇ものというカテゴリーに当てはめられるんだろうけれど、最近これ「怪獣映画」なんじゃないだろうかと思うようになってきたくらいである。
さて、サブタイトルの槍の戦神。一体誰を指すのか発売前から色々と想像を巡らしていた訳ですが、ここは素直に前巻の続きからランスロット卿だった模様なのですが、その円卓の騎士たるランスロット卿の正体こそ驚愕でした。ヘロドトスさん、マジグッドジョブ。まさか、全身鎧の完全武装の騎兵というカテゴリーをそんな風に関連付けてひっくり返してくるとは。これは発想の勝利だし、何よりも面白い、実に面白い。ランスロットの正体に纏わる古代ローマ帝国と騎馬民族との和合の歴史も、歴史好きとしては非常に興味深いものだった。
私なんぞはこのカンピオーネ!の神話や伝説、歴史の薀蓄こそが何よりの楽しみだし、作品の醍醐味だと思ってるんだが、案外とこのあたり嫌い人も多いのかな。これがなけりゃカンピオーネ!じゃないし、「まつろわぬ神」という敵とのバトルにも「身」が無くなってしまうと思うんだけどなあ。
このカンピオーネに出てくる神様は、名前だけの存在じゃなくて神話に纏わる歴史そのものなのである。故にこそ、歴史が失われれば残された名前の意味も変わってきてしまう。
アーサー王を復活させようとした神祖グネヴィアの失敗も、護堂が戦ったランスロットが次に受肉したとしてもそれはアーサー王伝説の円卓の騎士ランスロットであり、護堂が知っているランスロットはもう二度と現れない、というのもそういう事。「まつろわぬ神」って、言うなれば情報によって構成された存在と言ってもいいのかもしれないな。

しかし、アーサー王が既に6年も前に復活していて、アレクたちによって討伐されていたとは驚いた! 「最後の王」がアーサー王でないのは間違いないと確信はしていたけれど、まさか既に「最後の王」ではないアーサーが現出していたという形で以て完全無欠に否定されるとは思わなかった。同時に、その「最後の王」がアーサー王伝説の元となった人物であったのも語られている。
そのアーサー王伝説がグネヴィアの肝いりで意図的に流布されたもの、という話はこれ面白かったなあ。アーサー王伝説を流行らせた著者たちがみんなとなるあの組織のメンバーだった、というのも実に興味深い。とは言え、仕込みが上手く行きすぎて大失敗につながってしまうあたり、グネヴィアって策謀家というわりにポカが多いよなあ。アレクは彼女の欠点についてえらく具体的に論っていたけれど、なるほどなあ。

黒王子アレクと護堂の相性の悪さは、近親憎悪でしたか。お互いに自分だけはカンピオーネ!の中で常識人だと思っている者同士。そりゃあ、なんかカチンと来るわなあ。アレクも、ちょっとはまともな人だと思ってたら、言ってる事もやってる事も無茶苦茶もいいところで、自分の非常識さを全く省みていないあたりは護堂よりも酷いと思うぞ。護堂はまあ、それなりに自分の破壊神っぷりには自覚あるし、なるべく被害を出すまいと心がけているし。それが実ったこともないし、そもそも肝心な場面になったら心がけなんてさっぱり忘れていますけど。
ヴォヴァンは魔王そのものだし、翠蓮姉さんはあの通りの人だし、ドニはまるっきりのバカだし……まだ名前しか登場していない一人を除くと、アレクも護堂もこの有様だとすると、一番まだマシなのってやっぱりジョン・スミス・プルートーになるのかなあ。あの人、残念な人だし変人だしプルートーになりきっている時はもうどうしたもんだろう、というタイプの厄介な人だけれど、それでも中の人は基本的に護堂よりも常識人だもんなあ。少なくとも、正体を見破られない程度には一般人として溶け込んでいるのはその証左でしょう。
ただ、プルートーがメインで描かれる事があったら、やっぱりこいつも所詮カンピオーネだ、という事になってしまいそうだけれど。
……「最後の王」はいわゆるカンピオーネを殲滅するための存在、なんだそうだけれど、この魔王どもがやられてしまうイメージが一人足りとも浮かばないんだが。無理だろう、これ。


粗筋にもあるように、今回の護堂さんは敵にある呪いをかけられてしまたことで、普段は頚木によってつながれているはずの本性が、完全にオープン状態に。
建前に縛られなくなった護堂さんの無敵っぷりが……あまりにもあまりにも。
やばい、護堂さんノリノリだ。プレイボーイっぷりが留まるところを知らないぜ。これ、性格を変えられているわけじゃなく、あくまでしがらみを取り払っただけ。これこそが素なのだというけれど……やっぱすげえぜ護堂さん。
むしろ、女性関係よりも闘争本能の方が凄いことになってた事のほうがインパクトはあったかも。本当の護堂さんはこんなにも好戦的だったのか。
女性を魅了してやまない護堂さんだけれど、面白いことに他にちゃんと意中の相手がいる女性は護堂さんには反応しないんですよね。アリスや、アレクの部下のアリシアなんかを見てるとよくわかる。ああ、そう言えばアレクってあれ自覚ないけれど、だいぶアリスの事気にかけてるんだなあ。グネヴィアに不快を通り越して殺意を抱いている理由の大きな一つが、どうやらアリスに纏わることだったのをポロッと漏らしてたし。アリスはアリスで、アレクのこと天敵だかみたいな事言っているけれど、護堂にアレクについて話している時なんて、「うちのアレクは」ってノリですもんねえ。二人してツンツンしてないでもうちょっとちゃんとイチャイチャすればいいのに。アリスも、護堂さんの陣営は進んでるなー、などと感心してないで。
と話を戻すと、護堂さんのプレイボーイっぷりはたとえ神様だろうと女であれば通じてしまうのですが、女神が護堂にベタボレになると「彼と死力を尽くして思う存分心ゆくまで戦いたい!」になるのはなんか凄い。さすが「まつろわぬ神」「戦神」というべきか。「好敵手」と書いて「親友」と読む、というのはよくあるけれど、カンピオーネのこれはさしずめ「好敵手」と書いて「愛人」と読む、とでも言うのか。
そんな二人の戦いはとかく痛快、楽しげに笑いながら存分に全力を振るい死力を尽くしあう闘争は燃える燃える。もう無茶苦茶熱い戦いだった。
敵でありながら誰よりも心通わせあった「運命」。なればこそ、アテナやこの女神の権能は護堂に受け継いで欲しかったなあ。どうやら作者は護堂の権能をウルスラグナと天叢雲に限定するつもりのようだけれど。まだウルスラグナの権能と天叢雲との合わせ技は見せていないパターンがいくつもあるし、今回「剣」の使い方にアレンジを加えたようにさらなる進化を秘めているようで、ネタ切れという事はまずなさそうではあるのだけれど。

ラストには、まさかの「彼女」の復活!? うおおおっ、これはまったくのサプライズ。とは言え、以前とは多分存在としては「異なる」もののはずで、護堂との関係も果たして前と同じ形になるのか。いずれにしても、彼女がまた出てきてくれるとは嬉しい限りだ。

次回は一旦本編を中止して、再び過去編へ。そう、カンピオーネになりたての護堂とメルカルト神との決着編であり、エリカが本格的にデレることになるエピソード2である。エリカが以前から「自慢」している、護堂に純潔が奪われた、というエピソードも多分ここのはずなんですよね。色々な意味で楽しみすぎる。

シリーズ感想

カンピオーネ! 9.女神再び5   

カンピオーネ! 9 女神再び (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-9)

【カンピオーネ! 9.女神再び】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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女神は神殺しとの戦を望む

ついに訪れた女神との再戦の時。
手の内を知られた護堂に勝機はあるのか!?

草薙護堂の前に、再び現れたまつろわぬ女神アテナ。
何でもひとつ言うことをきくという、護堂が以前助けられた際にした約束を盾に再戦を望むアテナは、争いを望まない護堂の拒否を認めない。
ついには祐理やリリアナを石化し、人質にするという強行的な手段で、護堂との戦いを開始する。
アテナが勝負を急ぐのには差し迫られた理由があり…!?
新神話第9弾は激闘の調べ!!
そうかー、そうだよなあ。アテナがアテナである以上、先の羅濠教主と同じパターンになることはなかったんだよなあ。それでも護堂さんのプレイボーイっぷりに期待した所だったのですが、実のところ護堂さんって女性に甘いという意味でのフェミニストじゃないんですよね。アテナとの初対面からこれまでの関係を思うなら、両者はどれほど互いに好意を抱こうとも、いや互いに好意を抱くからこそ「良き敵」となる以外有り得なかったんだよなあ、と改めて納得した。護堂さんの良い所は、自分のエゴを押し通す意思と気概を持つと同時に、相手のエゴを認め受け入れる度量も持っている所。あそこでアテナの誇りを認めて、納得し、惜しまず哀しまず、ただ寂寥と喪失感を胸に宿して送り出せる護堂さんは、先ずなにより「王様」なのだという事がよくわかる。
これは彼の周りに侍る女性陣に対する態度にも如実に現れていて、特に今回心底感心させられたのが、夜伽を申し込んできた恵那に対する対応。結局ここで護堂さんは恵那の申し出を断ってしまうのですが、その理由がヘタレて逃げを打ってるどころかむしろ凶暴とすら言っていい理由なんですよ。これ、護堂さんの言ってることよくみると、色々な意味で凄まじい事言ってますよ。現場についても自分が魔王である事の自覚を今までになく強く意識し自覚した発言であると同時に、将来についてはもっと凄まじい事になることを前提にしていらっしゃいますし。さらに恐ろしいのは、これだけ横暴にして自分のエゴを押し通す事を言ってのけながら、しかし健気なくらい懸命な恵那にはまったく恥をかかせずに、むしろより柔らかく包み込むように場を済ませてしまっている所である。普通、ここまでのシチュエーションになったら、恵那か護堂どちらかが傷つかずには済まないと思うんだが、護堂さんの人垂らしはやっぱりパねえっすわー。まあ、その後本番さえしなきゃいいよねー、って感じにチュッチュイチャイチャしていやがりましたが。もうそこまで行くならどっちでもいいじゃない、と思わないでもないのだけれど、今の護堂さんだとそれ以上やると歯止めきかなくなってしまうんだろうなあ。今ですら、ちょっと前と比べると随分と歯止めきかなくなってるし。もう、自分からキスすることに対して躊躇いもしなくなってきてるもんなあ。
この分だと、護堂さんの言うところの器が出来上がるのはそんなに先のことじゃないような気がする。最初の、それこそアテナと最初に戦った頃と比べても、王としての自覚が段違いに出来上がってるし。しかし、同時に変化がないのもまた護堂さんなのかもしれない。アテナも、あなたは変わらないな、と呆れながら感心してたくらいだし。変わるべきところは変わり、不変たるべきところは変わらない。良き成長をしてると言えるのだろう。まあその成長というのも、人としての成長ではなく明らかに「魔王」としての成長なんだが。
うーん、こうしてみると護堂さんって、尋常じゃない女たらし、有り得ざるプレイボーイ的な見方ばかりされてますけど、実のところあんまり描写されてないだけで護堂さんって男にもモテてるっぽいんですよね。これ、BL的な意味じゃなく。陸鷹化に対するコメントなんか笑っちゃいますよ。鷹化の人柄に対してやれ一言多いし口も悪い、無駄に挑発的で気難しく偏屈。と散々論った挙句に
だが護堂には「甥」の生意気さが微笑ましくもあった。
この人、多分性格的にヤバかったり難しかったり面倒くさい男にこそ、より慕われるたちなんじゃないだろうか。多少どころでないヤンチャでも、護堂さんなら笑ってまあ何とかしてやるよ、と請け負ってくれそうな雰囲気があるわけで。昔、キャッチャーでならしてたそうだけど、気難しい投手連中にもモテたんだろうなあ。しかし、陸鷹化ほど危険でヤバい男をして、微笑ましい、ときたもんだ。可愛い甥っ子ときたもんだ。これを「王様」と言わずして何というのやら。

さて、再び視点をヒロインに移してみましょう。今回はエリカさんが後半までイタリアの方に出張に出かけていたおかげで、概ね恵那嬢のメイン回と言っても良かったようで。彼女も最初に登場したときは護堂さんにも胡乱に思われていたようだけど、此処に来てポディション固まったなあ。あっけらかんとして男友達のような気安さで付き合えると同時に、女の子としては一途で健気。同じ健気な万里谷と比べて、サッパリしている分、幼いくらいの無垢さとまっすぐさがあって、この娘はこの娘で非常に魅力的なヒロインとしての出力があがってきたっ!
そう言えば、万里谷の方はなんでエリカを差し置いて正妻正妻と言われてたのかが良くまだ理解できてなかったのだが、皆との関係が成熟してきてようやくなぜ彼女が「正妻」なのか何となく実感できてきた。なるほどなあ。確かにこれは、たとえエリカが一番で第一夫人だとしても、万里谷は「正妻」だわ(苦笑
で、護堂さんの女であると同時に、戦友でもある彼女たち。此処に来て彼女たちもようやくガチンコで主と肩を並べて、あるいは主の背を守れるだけの実力を備えはじめてきた感じ。尤も、今までが足手まといだった、なんて事は全く無かったんですけどね。ホントにそういう印象全然なかったんだが、言われてみると確かに今までの彼女たちの実力では神々との闘争に介入できるまでの力は持ってなかったんですよね。持ってないにも関わらず、彼女たちはこれまでそこに勇躍飛び込んで護堂さんの力になってたんだから大したもんだわ。そこからさらに力を蓄え、まさしくカンピオーネ・草薙護堂の家臣と呼ぶに相応しい実力をふるえるようになってきたのだから頼もしい限りである。恐ろしいのは、彼女たち以上の騎士、魔法使いたちがまだわんさと居るって所だよなあ。それらを飛び越え、護堂たち魔王が存在しているんだから、とんでもない世界である。

とんでもないっちゃー、今回のアテナの暴れっぷりはまあとんでもなかった。さすがは戦女神アテナである。スケールがケタ違い。最初の戦いも相当にむちゃくちゃでしたけど、石化能力なんか笑っちゃうくらいだもんなあ。そこらへんの漫画やゲームのラスボスが束になっても敵いませんよ、これ。

恒例の薀蓄は、今回はわりと少なめ、と感じた気がしたけどよくよく振り返ってみると、アーサー王関連について結構掘り下げて書いてありましたね。しかも、今回って改めて見ると、エクスカリバーVS天の叢雲というデタラメと言っていい対決になってたんだよなあ。ともすれば有名すぎる剣同士すぎて、陳腐に成りかねないラインナップにも関わらず、それぞれ虚栄となりかねない名に対して、しっかりと実を与える、情報、歴史、伝承、神話、解釈、考察、ハッタリの積み重ねがあったが故に、栄えのある戦いになりましたね。とはいえ、どうやらまだこれは序の口。どうやらまだ真打ちとなるべき一戦が待ち受けているようですが。

とりあえずグネヴィアたちは、眠る最後の王がアーサー王という認識で疑いもしていないようだけれど、いや事実アーサー王でもあるのだろうけれど、黒王子アレクの言い様だとやっぱりただそれだけではなさそうなんだよなあ。どうやら彼は既にある程度その正体について推察が出来ているようだけれど。
あ、そうそう、この黒王子殿ですよ。この人、ダメだろう(笑
この人だけは、まだ人格的にマシなんだと思いたかったんだが、全然ダメだよ! 何が巻き込まれ型ですか。厄介ごとに首をつっこむどころか、完全に自分から厄介ごと巻き起こす方じゃないですか。ドニや翠蓮やヴォバンと何も変らないよっ。どこをどうひっくり返しても魔王でしかないよ。ああやっぱり、カンピオーネってのはどうしようもなくカンピオーネでしかないのか(苦笑

因縁の、あるいは宿命の好敵手であったアテナ。義姉となった翠蓮とは別の意味で、護堂の行く末を見守り、敵として寄り添い続けるはずだった女神。それがいなくなってしまうのは、やはり寂しい。どこか、あのウルスラグナとの戦いと別れを想起させる。そうか、護堂がカンピオーネとして得る力というのは、普通の魔王のように神から奪うのではなく、親愛を以て授けられるものなんだなあ。今はまだ眠れる力のようだけれど、アテナがくれた力はいずれ護堂にとっての最大の切り札になるような気がする。彼女は、護堂が自分以外の誰にも負ける事を許してはくれなさそうですしね。

カンピオーネ! 8.受難の魔王たち4   

カンピオーネ! 8 受難の魔王たち (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 8.受難の魔王たち】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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魔王と姫、謎を求める!!
王の秘密に迫る探索の手! 護堂はその身を護ることができるのか!?
イタリアが誇る二人の少女騎士が出会う脅威の剣士!?
王の寝所の一端も明かされるミスティックファンタジー第8弾!!

ある日、護堂は東京の女子大に通うはとこのさくらの訪問を受ける。
さくら曰く、いま東京には暴虐の限りを尽くす魔王がいるそうで、その正体を突き止めたいとのこと。
もちろんそれは七人目の神殺し・草薙護堂その人に他ならず…。
困った護堂がとった行動は?
さらには、若き日の魔王・アレクとプリンセス・アリスが出会う聖杯にまつわる事件やエリカとリリアナが騎士となった際に出会った謎の人物との一件など新神話第八弾は珠玉の挿話集!!
とりあえず、護堂さんのみならず、草薙の一族は総じてヤバいというのがよくわかった(笑
なんだよー、護堂さんと前々から名高い爺様だけじゃなかったのか。恐るべし草薙家。男系のみならず、女系の方もアレだったのね。日頃から護堂さんの女性関係にうるさい妹の静花にもしっかりと草薙家の血が混じってる事が発覚。というか、草薙母が爺様に負けない男殺しだったことに爆笑してしまった。なんだよ、草薙家の女は代々「魔性の女」「天職・女王様」ってのは! どうやら静花にもしっかりとそうした血が流れているらしく、濃ゆい草薙護堂の女たちに混じってもまったく見劣りしていない。一般人とか関係ないのな。
その草薙家の血は、分家の方にもしっかり流れているらしく、はとこにあたる香月さくらも、これは相当のタマだ。先のリリアナの調査で発覚していたあの、子供の頃に護堂が結婚の約束をしていたという、あのはとこである。女王様とはベクトルが違うのだけれど、あの並外れた暢達とした鷹揚さは多分、エリカですら一筋縄でいかないぞ。暖簾に腕押し、だもんな。扱いやすそうだから油断するかもしれないが、なにかいつの間にか自分のペースに巻き込んでいるような、肝心の部分でコントロールしきれないところが見受けられる。おそらくこれは、リリアナや恵那ではちょっと無理だ。かろうじてエリカなら、彼女なら上手くコントロールできそうだけど。それでも、この娘についてはなし崩しにハーレムに居座ってしまいそうなところがある。さすがは草薙の一族(笑

シリーズ初めての挿話集。草薙護堂の平穏な普通の一日が描かれているわけだが、実は護堂さんの仰る普通や平和とは、一般的な意味における普通や平和とはかけ離れたものであることがついに露呈する。なんという巧妙な叙述トリック! な、はずがないでしょう(苦笑
このヒト、この期に及んでも自分が普通の高校生だと思ってる節があるんだよなあ。幾ら何でも無理がある。ありすぎる。もし仮に、護堂さんは神を殺してカンピオーネなどになっていなくても、魔術の世界に首を突っ込んでいなくても、一般人であろうとなかろうと普通の学生の範疇じゃねえよ!(笑
最近、とみに女性の扱いに長けてきてしまっているし。日光決戦以降はその傾向もかなり顕著になってきているのではないだろうか。

とりあえず、記憶の改竄をそれは良い手段だ、と何の忌避感もなく安心すらして受け入れてしまう護堂さんはさすがとしか言えない(笑
自称平和主義者なんだけど、護堂さんの清濁併せ呑む性質はやはり巷の主人公の性質からは逸脱してる。善良でイイ人なんだけど、許容できる領域が普通の人と全然ズレてるんですよね。その点、護堂さんは間違いなく「王様」なんですよね。特に荒事が起こらないこうした平穏なイベントのさなかですら自然に護堂さんの「王様」としての一面が浮き上がる事で、護堂さんの語る普通が如何にズレているか強力に伝わってきましたw
しかし、日光決戦以降、リリアナは完全に護堂さんと噛み合っちゃったなあ。以前の空回りっぷり、一人だけヒロインとして置いてけぼりにされていた時期からすると、隔世の感が有る。ホントに、護堂の傍で細々とプライベートを仕切る姿が堂に入るようになってるし。今や押しも押されぬ、護堂の副官、侍従長である。
ただ、リリアナのポディションが明確になったことで、余計にエリカの女主人として、宰相として、奥の院の取りまとめ役としての立ち位置が確固としたものになったのは皮肉な話だけど。
護堂さんも色々と受け入れちゃったのか、以前はエリカが色々と画策するのを困った顔で眺めていたのが、今やエリカが護堂さんを頭にした新たな魔術結社を立ち上げるために精力的に立ち回っている姿を、よくやってくれているなあと言わんばかりに満足そうに頷いている有様だもんな。もう完璧に王様だよ。


さて、今回は護堂さんの話だけでなく、他のカンピオーネ。サルバトーレ・ドニと黒王子アレクサンドルの短編も。特に、アレクについてはまだ本編でちゃんと出ていなかったので、どういうキャラなのか興味を募らせていたところなので、大変楽しめた。
以前、アリスがチマチマした性格などと評していたことと、ちらっと出たときに他の破天荒なカンピオーネたちに比べて生真面目な感じがしたので、もしかしてかなりまともな、珍しいカンピオーネなのか? などと思ったりはしませんよ、ええ。だって、カンピオーネだもんw
いや、それでも概ね良識的な人物であったのは意外でもあり、納得でもあり。基本的に性格もネジ曲がってもいないし狷介な人物でもないし、多少見栄っ張りなところはあるみたいだけど、こういう人柄なら護堂さんとも相性は悪くないんじゃないだろうか。
アリスとのコンビは思ったよりもいい雰囲気じゃないか。護堂さんにエリカが居たように、アレクと奔放なお姫様のアリスとの角のつつき合いは、アレクからすれば心外だろうけど、二人ともなかなか楽しそうである。あの様子見てると、アリスはアレクに夢中のようにしか見えないぞ。少なくとも、本当に天敵同士ならアリスはあんなに嬉々としてアレクにまとわりつかないだろうし、アレクもアリスをやり込めるネタを愉快そうに収集しないでしょうに。
武人や魔術師が多いカンピオーネの中で、アレクは考えてみるとかなり特異なポディションなんですな。言わば、自分の好奇心や知識欲を満たすのを目的としている学徒であり探求者、という立ち位置みたいだし。その為ならば、周りの迷惑省みず、というのは実にカンピオーネらしいw それでも、ちょろっと出てた話からすると、一般人相手には無茶や強引な事は避けてる、というか良心が咎める人らしいので、根はほんとイイ人なんだろうなあ。
ドニなんか、そういうの頓着しなさそうだし。でも、護堂さんやプルートー・スミスも基本的にイイ人ですし、今代の七人のカンピオーネは比較的話の通じる人が多いんじゃないだろうか。
そういえば、さらっと七人のカンピオーネの最後の一人の名前が語られてましたね。中東は洞窟の魔女、永遠の美少女アイーシャ夫人か……なんか、ヴォバン侯爵並みにヤバそうな予感がするなあw

アレクの話では、さらっとどうやら今後の展開の伏線となる話、「鋼」の最後の英雄についての話が。え!? こんなところで答えが出ちゃうの!? と一瞬驚いたけど、どうやらあくまで候補か、アバターの一つと考えるべきなのだろう、あの英雄は。
魔女たちの英雄の逸話と絡めて、相変わらずこの蘊蓄は面白い。あのメンバーの多くにそんな原典となる由来があることすら知らなかったよ。そして、唯一あの人物にだけ原典となるものがない、という話にも。この作品の蘊蓄話って、話はさして長くないのに情報密度が高くて内容も斬新で論旨も理解しやすく通っていて、論点も非常に纏まっているので、知識欲を異様に満たしてくれるんですよね。そして、その蘊蓄話はストーリーに関係ないどころかとても深く絡んでくるから、ついつい読んでいるこちらも釣られて考え込んでしまう。
さて、かの英雄の特性を踏まえた上で、東西に跨る存在か。一つ、予想する神格はあるんだけれど、あ、もし自分の予想があってるなら、今月出たあのラノベの主人公がそれに当たるのか!?
でも、これはよっぽど世界各国の神話や伝承を深く理解し解釈しないとなかなか的を射るのは難しいだろうなあ。
だが、こうして色々と考えるのは楽しいのう。


シリーズ感想

カンピオーネ! 7.斉天大聖5   

カンピオーネ! 7 斉天大聖 (集英社スーパーダッシュ文庫)


【カンピオーネ! 7.斉天大聖】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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 bk1

魔王集結!
天に斉(ひと)しき神を滅するため、大地に降り立つ三人の魔王。
少女の姿を身に纏うまつろわぬ神はそれさえも切り裂くのか!

祐理の妹・ひかりの身体をのっとったまつろわぬ神、斉天大聖・孫悟空。
日光の街を自らの王国へと変貌させる神に対し、羅濠教主との戦いで既に満身創痍の護堂に打つ手は!?
そして、ついにこの地に姿を現す第三の魔王、ジョン・プルートー・スミス。
冥王が護堂にもたらすものは勝利か破滅か!?
神と魔王が相討つ戦いがいま全てを薙ぎ払う!!

護堂さんは、もう格が違うよ! 次元が違うよ! 凄すぎる、何この人もう凄すぎる!!
主人公としてこの人、もはや余人が登れないような高みへと立ってしまった、と言っても過言ではないのかもしれない。
そしてなにより……護堂さん、ついにハーレムを完成させてしまいやがったーーっ!!
将来の話じゃありません、確定に近い未来の話でもありません、まさかまさか、いくら護堂さんでも、と思っていた自分はまだまだこの魔王を甘く見ていたのでしょう。護堂さん、この巻で本当にハーレムを成立させてしまいましたよ!!
これは、あのエリカですら想定外だったでしょう。彼女の発言を見る限り、今はまだ準備段階であり、将来的に形成されるであろうハーレムの主導権を握るべく立ち回っていたのは明らかなのですから。
それが、「少年」の権能の効果があったとは言え、護堂さんの周りに集った乙女たちはあの宴を境にこれまでとは決定的に変質してしまったわけです。何が変わったか、というと護堂さんの主体性ですね。これまでは、エリカを含めて、リリアナ、祐理、恵那の四人は言わば彼女たちの意志と都合によって護堂さんに侍っていたわけです。護堂さんは彼女たちを大切な友人として扱ってはいたものの、自分の都合を彼女たちに押し付けるような事は嫌がっていたわけです。
ところが、この巻において護堂さんはついに、自分がカンピオーネとして何をどうしようと厄介ごとが降りかかってくる宿命にあることを受け入れ、その厄災に彼女たちを自分の都合で巻き込む覚悟を決めたわけです。それは、彼女たちの生死も含めた全てに護堂さんが責任をもつということ。彼女たちを丸ごと受け入れるということ。彼女たちに自分の為に生き、自分と共に死ねと誓わせること。無論、もうとっくに彼女たちは護堂さんにその生涯を捧げていたわけですけれど、これは護堂さんがこれまで受け取ろうとしていなかった彼女たちの誓いを、ついに受け取り、自らも誓いとして返した事になるわけです。
つまり、護堂さんがあとでどう言い繕おうと、お前らみんなオレの女だ! と誓ったも同然。
やたらと女の子に好かれて周りに女性が集まるハーレム系主人公は昨今珍しくないですけれど、ここまで明快に全員引き受けた主人公って初めてじゃないだろうか。
ただ、これほどの男には侍る女の方も並みの女じゃ付いていけないんですよね。護堂さんの器に収まるには、女性の側にも相応の器というものがなくてはならない。少なくとも、普通のラブコメなら王道と言っていい対応をしていると、あっさりと弾かれてしまう。これは、護堂さんのところに押しかけていた当初のリリアナが実証してしまっていて、途中で護堂という男が自分の常識の範疇に収まらないことに気づき、アプローチの仕方が間違いだったと方針転換するまでの一時期、リリアナは本当に立場がなくなりかけたのです。また、幼なじみの徳永明日香に代表されるように、普通の一般女性はまるで相手にされてないんですよね。いわゆるツンデレさんの類や、積極性に欠ける者、恋愛とは自分の好意とともに都合や願いを押し付ける事だと思っている者。自分が与えるものに対して同等以上のものを返してくれるのが当然だと思っている者。これらは、普通のラブコメものなら、当たり前のキャラクター性なのですが、このカンピオーネでは一切通用しないのです。
あのわがままで自分勝手に見えるエリカですら、実際は絶対的と言っていい献身を以て常にその行動原理は護堂の為という一点に基づいている。
護堂さんもパねえんですが、エリカたちもまた、その超絶極まる護堂さんに相応しいと言うべき凄まじい女たちなんですよね。
でも、それが故にみんな個性的すぎるくらい個性的な面々だっただけに、エリカが強かにまとめていたとはいえ、エリカから主導権を奪おうとするリリアナに、祐理と自分を特別目をかけてもらおうと図る恵那の参戦によって、完璧と思われていたエリカの統制にも徐々に綻びが生まれてたんですよね。
それが、護堂がついに四人を受け入れ、彼女らの王であることを示したことで、彼女たちは護堂の下にまとまるのです。
これをハレムと言わずして、何をハレムというのでしょう。
というか、途中の展開が尋常じゃなくエロいんですが(汗
以前にエリカと交わした軍神ウルスラグナの「少年」の権能。加護の力を分け与える力。殆ど擬似的なセックスとしか言いようのないものを、今回は……ちょっ、なにこのエロゲ!(笑
マジでこれ、5Pじゃないか!ww
このシーンだけ見たら、絶対ヤッてるようにしか見えないから!!
うおおっ、ものすごいものを読んでしまった。この作品、キスシーンだけですらやたらとエロいのに、もうこのシーンはえらいことに。ドえらいことに。
でも、順位はつけないと仰ってる護堂さんですが、珍しくエリカが愚痴って拗ねた時の、少年の権能を顕現させて曰く素直になってる状態の護堂のセリフを見ていると、エリカは特別なんですよね。護堂がちゃんとエリカの事考えてくれていて、ホッとしましたよ。

その護堂さん、覚悟を決めたのは女性陣への対応のみならず、カンピオーネとしての在り方もそうなんですよね。これまでおそらく彼自身の中でもはっきりとしなかったものを、今回の斉天大聖が巻き起こした事件をきっかけに、明確に言葉として示してくれました。
「迷惑な神様がいて、俺にしか倒せないから俺が戦うのはいいんです。かまいません。でも、俺の力は俺だけのものだ。誰かの自由にさせるつもりはない。俺が気に入らないことに使う気はないし、そのことに文句を言われても聞く気もないんです」
「女の子ひとり見捨てて、もっとたくさんの人を助ければいいとか言うヤツは、自分で神様と戦えばいい。俺の知ったことじゃない。でも、俺にどうにかして欲しいなら、俺の流儀に合わせてもらう。要はそれだけの話しです。他人の力を当てにするのなら、四の五のうるさいことを言うなってことですよ」

万を救うために一を切り捨てる。その非情にして冷厳な現実を前に苦悩し、或いは現実を綺麗事で塗りつぶして押し通るのが常の中で、見てくださいよ、我らが魔王の物言いを。正義を語るでもなく、理想を押し付けるのでもなく、俺は俺のやりたいようにやる、周りの意見など知ったことか、という断固とした傲岸さを。
なぜカンピオーネが、神殺しというだけでなく「魔王」と呼ばれるのか。その理由であり本質を、今回護堂さんはもう全開で魅せつけてくれましたよ。これはもう、確かに「魔王」と呼ぶほかない。たとえ護堂さんが常識人で平和主義者だったとしても、彼は間違いなく「魔王」だ。それも、統治する「王」ではなく、ただただ君臨する「王様」なのだ。君臨するだけの王など、それこそ「魔王」としか呼ぶ他無い。

恐るべきは本作今巻、この常軌を逸した「魔王」が三人も集まっている事だろう。草薙護堂、羅濠教主・羅翠蓮にジョン・スミス・プルートー。そして相対するは、斉天大聖・孫悟空。そして彼の義兄弟である猪八戒と沙悟浄というオールキャスト。ただし、さすがは神話を抉る【カンピオーネ!】である、八戒と沙悟浄も、西遊記でおなじみの妖怪としては登場しない。各地の伝承に残る紛う事無き神として顕現するのだ。地上に落とされる前の天界の神将としての二人はまあ見たことあるけれど、猪剛鬣とか深沙大将という本物の神格として登場したのを見たのは初めてだ。
そして、その強さもまた神様の何相応しいデタラメっぷり。自分、ここまですげえ猪八戒と沙悟浄って見たこと無いよ。大本命の斉天大聖も、同姓同名の某漫画の主人公ともガチでやりあえるじゃないかという凄まじさ。これ、史上最強の斉天大聖なんじゃないのか? 正直、この斉天大聖なら、お釈迦様相手でもガチに張り合えそうだぞ。こんな三柱を三蔵法師はどうやって従えていたというんだろう。
これまでの神様やカンピオーネとの戦いも相当だったはずなんだが、この7巻の一連の大激戦はもう最初から最後まで開いた口がふさがらない、もう表現するすべも思い当たらないとんでもないスケールと迫力と緊迫感で綴られていく。それでいて、決して力押し一辺倒ではないのが【カンピオーネ!】なのである。斉天大聖がなぜ「鋼」の眷属であり、剣神として封じられていたのか。斉天大聖という神格の由来を紐解いていくおなじみの神話の解体は、今回も非常に興味深く面白かった。竜という存在の原点もそうなんだが、このシリーズはこちらの知識欲を心地良いほど満足させてくれるので、毎度毎度たまらない。まだまだ省かれた薀蓄もあるようなので、そういうのもちょっと読みたかったなあ。
その権能がすべて明らかになった軍神ウルスラグナの力ですが、これも権能それぞれの戦術的な運用に、効果の研磨、さらに天叢雲剣による権能の改変と、手の内をすべて晒したと思われた護堂がまだまだ進化していく事がわかり、戦闘シーンもパターン化するどころかどんどん高度化&ど派手化していって、もう面白くて仕方ない。

そう、肝心の懸案。護堂の女たらしは果たして同じカンピオーネにも通じるのか否か、という前巻その可能性が示唆された、背筋も凍るようなあの懸案も、それはもうばっちりと答えが出されてしまいました。
護堂さん、性別が女なら神だろうが神殺しだろうが関係なしだ!!
翠蓮さん、もう笑っちゃうほどのデレっぷり。あの天上天下唯我独尊の権化みたいな人がどうやってデレるのかと思ったら……そうきたかーー! エリカたちとは護堂との関係性や繋がり方が根本から異なる彼女がハーレムに加わるのはどうも違和感があったんですよね。ハーレムに入るということは、護堂さんに尽くすという意味にも繋がるので、目上にあたる翠蓮が加わるのはどうにも無理があったわけです。
なので、あの措置は絶妙と言っていい塩梅で、心底感嘆させられた。なにしろ、彼女の登場した時の途方も無い存在感や品格をいささかも劣化させること無く、羅濠教主・羅翠蓮のままで護堂の絶対的な味方にしてしまったんですから。あれなら、翠蓮さんが護堂をどれだけ可愛がろうと慈しもうと世話を焼こうと、ハーレム入りじゃないもんなあ。
翠蓮の、あのどうしようもないというかどうにもならないハチャメチャな性格をどう扱うのかと思ったら、護堂さんってば割と早々に羅濠教主の操縦法を習得してしまいましたし。護堂さん、自分のハーレムの女の子たちには振り回されっぱなしのくせに、なんで一番危なそうな翠蓮さんはそんな易々とあしらえるんだ!?(笑
ジョン・スミス・プルートーの方も、アニーの時はともかく完全に護堂のことお気に入りになっちゃったみたいだし。
まだJSの方は状況如何によって立場も変わるかもしれないけど、翠蓮さんは何があろうと護堂の味方になってくれるでしょうし、あのネコ可愛がりっぷりからして、護堂がピンチに陥ったらどこからでも飛んできてくれるんじゃないだろうか。あの危険察知の方術、あれっきりで効果が切れるとは一度も言ってませんしねぇ(苦笑

しかし、神殺しですらこれですよ。こりゃあ、護堂さんにかかれば神様だってイチコロなんじゃないだろうか。実際、アテナなんか随分怪しいですし(笑

今回の護堂さんは確変状態だったらしいですが、彼の常識人にして平和主義者という表の顔に隠されて見えずらかった、草薙護堂の魔王たるの所以を明瞭かつ護堂さん自身が意識的自覚的に全面に押し出してきた、ある意味ターニングポイントとなる巻でしたね。女性陣との関係性も、ひとつの山場を超えたという感じですし。
とにかく、戦闘から主人公の在り方から女性関係から、何から何まで今までで最大規模のド迫力ど派手な展開が目白押し、というとんでもなく贅沢な、大満足な傑作回でありました。
超絶面白かった前回が、文字通りに前フリに過ぎなかった、と言えばそのとんでもなさが多少なりとも伝わるでしょうか。
ああもう、むちゃくちゃデタラメに面白かったーーーー!

シリーズ感想

カンピオーネ最新刊、表紙絵&特集ページ公開  

カンピオーネは頻繁に特集ページ組んでくれるからうれしいなあ。しかも、短編付(笑
表紙は驚いたことにエリカと……恵那!? えっ? ここで恵那ということは、恵那が活躍するのか!?
前回の引きが凶悪だった上に、アメリカからジョン・プルートー・スミスが来日するということで、さらにヒロイン分の濃度が濃くなる中で、恵那が前に出る余地があるというのだろうか。興味津々である。

そして特集ページ。ちゃんと登場人物紹介も更新されてるじゃない。沙耶宮馨や甘粕冬馬までしっかり載っているのには関心させられる。でも、羅濠教主のお弟子の兄ちゃんがいないのはご愛嬌。
斉天大聖のイラストが少女だったのには一瞬吹いてしまったが、そういえばお猿さん、あの子に憑いたんだったっけ。焦った、まさか孫悟空まで女だったら、問答無用で護堂さんの魔の手に堕ちるじゃないか、とww

世にハーレム系主人公は多けれど、草薙護堂ほど凄まじいのは類を見ないからなあ。今評判の上条さんだって目じゃねえぜ、てレベルだもんね。なにしろ、もはや彼にはフラグという概念は無いに等しいし。というよりも、もはや女という性別だけで、フラグが成立しているようなもの。いや、男も含まれるらしいから、性別の如何を問わず、だな。
いや、この人が本当に恐ろしいのは、マジでハーレム完成されそうなところなんだよね。
特集ページで新規掲載されている短編【噂のカンピオーネ】は、まさにそんな護堂さんの恐ろしさの一端を垣間見ることの出来る恐ろしいお話である。
曰く、現時点で魔王級の女たらしである護堂さんは、実はまだ本気ではないのだ! 実は未だ眠れる獅子であり、まだ目覚めていないのだ! 
……マジかよ(笑 まさに震撼させられる事実である(爆笑

これで読者の好感度もやたら高いんだから、とんでもない男だよなあw

そんな護堂さんの活躍(本当に色々な意味での活躍が)が見られる最新刊、うーんこうしてみると、間違いなく今一番楽しみにしている作品だなあ、こりゃ。


カンピオーネ! 7 斉天大聖 (集英社スーパーダッシュ文庫)
カンピオーネ! 7 斉天大聖 (集英社スーパーダッシュ文庫)丈月 城 シコルスキー

集英社 2010-07-23
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カンピオーネ! 6.神山飛鳳 5   

カンピオーネ! 6 (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-6)

【カンピオーネ! 6.神山飛鳳】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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うおおおお、お、面白い面白い、メチャクチャ面白い!! べらぼうに面白れえーーーーーーー!!
いやいやいやいや、毎回このシリーズったらメチャクチャ面白いけどさ、今回の出来栄えはもう屈指じゃないのか、というくらいに面白かった。
なんでこんなに面白かったんだろうと考えてみたんだが、やはりあれだ。護堂以外のカンピオーネたちが一斉に動き出したからなんだろう。まつろわぬ神との対決もそれはそれで面白いんだが、やっぱり一番面白いのは同じ人間であり同じ神殺しである他のカンピオーネたちと対峙した時なんですよね。
同じ人間とか言っちゃったけれど、カンピオーネというのは本当にどいつもこいつもとんでもない規格外だったんだなあ。今まで登場したカンピオーネは我らが草薙護堂に、サルバトーレ・ドニ。サーシャ・デヤンスタール・ヴォバンの三人だけだったんだが、この巻ではついに今まで不明だった他の四名のうち三人、イギリスの黒王子にアメリカのジョン・プルートー・スミス、中国の羅濠教主の動向が明らかに。
現存する七人のうち、六人の人となりが明らかになったことで、カンピオーネという存在がどういうものか段々と見えてきたんだが……いやもう、こいつらおかしい!!(笑
在り方が根本的におかしい。普通に考えておかしい。なにからなにまでおかしい。
強さが最強とか、化け物とか超人とか、そういう視点や概念で語ってしまうとどうもカンピオーネという存在について正しい姿を捉えきれない気がする。
そもそも、そういう考え方で捉えられる範疇の存在なら、神を殺すなんて土台無理なんだよなあ。その辺は今回、羅濠教主の弟子である陸鷹化がうまいこと表現してくれていたので引用すると、
あの人たちにはキャリアなんて関係ないよ。神を殺し、その権能を簒奪した時点で彼らは埒外の存在なんだ。僕や姐さんはそこそこ上等な遣い手だと思うけど、最弱の『王』ですら僕らの遥か上を往く。
技とか術とか、策とか罠とか、そんなものを云々する相手じゃないんだ。僕は多分、七人いらっしゃる『王』たちの五人までは武芸で凌ぐと思うけど、まともに喧嘩を売る度胸は無いよ。あの人たちは、相手が誰であろうと必ず『勝ち方』を見つける。そんな才能も百年の修行も、そいつでチャラにしちまうんだ。だから王様なんだよ。
そりゃ年功序列とか身につけた技で勝敗が決まるなら、うちの師父が勝つだろうけどさ
そんな殊勝で扱いやすい人なら、そもそも神様と戦った時点で死んでるじゃないか。魔王の方々にそんな人間らしさを期待するほど、僕はバカじゃないぜ?
でたらめ、と表現するのが一番適しているのだろうか。だが繰り返すが、強さがでたらめとか最強とかというのとは違うのである。少しの違いのようで、決定的に違うのである。
じゃあ何がデタラメで規格外で常識外か、と言うと……もうその存在そのもの、としか言いようが無い。
あのサルバトーレ・ドニにしても、デヤンスタール・ヴォバンにしても、今回冒頭でロスでの活躍を見せてくれたジョン・プルートー・スミスにしても、護堂と戦うことになる羅濠教主にしても、あっけにとられるようなデタラメな人たちなんですよね。だから、こいつらおかしいんだって!(笑
実のところ、常識人を気取っている本編主人公であるところの護堂だって、一見マトモに見えるし、まあ概ねまともな常識人である所は否定しないんだが……それでも、やっぱりこいつもカンピオーネで王様で紛れもなく魔王なのである。読み込めば読み込むほど、つくづくそれを思い知らされる。
いや、常識人に見えて実は、というんじゃないんだ。彼が常識人なのは間違いない。非常にまともで健全な思考の持ち主なのである。それなのに、デタラメで規格外で異常でおかしい、という在り方が両立していることが、カンピオーネという存在の特異性を如実に示しているのではなかろうか。いくらここで力説しても、まるで伝わる気がしないや(苦笑
こればっかりは、読んで貰わないとわからないかもしれないね。

いや、なにより護堂の異常性はあれだろう。女性とのフラグ立て能力だろう。古今東西、フラグ一級建築士などと呼称される猛者たちが数多くいらっしゃいますが、この巻でリリアナが調査し暴露してくれた護堂の女性遍歴の凄まじさを見せつけられては、護堂さん(敢えてさんづけをさせていただくきたく)のそれはもう別格であると断言せざるを得ない。いやもう、ほんとにマジで凄いから!(笑 震撼させられた。次元が違うと言ってもいいかもしれない。
丁度、公式ページで件のシーンの一部が抜粋されているのでご覧になっていただきたい。
護堂さん、あんたって人は生まれてこの方、どれだけのフラグを立ててはブチ折ってきなすったんだ(笑
それに対するリリアナの見解が正鵠を射まくってて、吹くわ吹くわw 護堂って、そうなんだよなあ。まったくリリアナの言うとおりなんだ。
ぶっちゃけ、護堂のヒロインを努めるには、普遍的なヒロインの在り方ではまったく上手くいかないんだな、これが。リリアナのこれまでの対応は、他の作品ならまずもって正答だったはずなんだが、如何せんこのカンピオーネでは大間違い。護堂が女の子を無差別に惹きつけてしまうのは、もうどうしようもないんだ。いくら抵抗しても、こればっかりはどうしようもない。護堂の傍に侍るには、まずその事実を受け入れなければ始まらないわけだ。
それを見事に修正してきたあたり、伊達にエリカのライバルではなかったということか。エリカも、そんなリリアナを要警戒しだしたし。裕理も着実に距離を縮めてますしねえ。今のところまだエリカが本妻というのは揺るがないところでしょうけれど。
ただ、今後恐ろしい人材が投入されてくる可能性が出てきたからなあ(w
それはもう、反則だろうと言う領域。いくらエリカでもこの人達相手じゃあ今まで通りにはいかないぞ。まあまだ決定ではないんだろうけれど、護堂さんの力を考えるとまったく楽観できん!! あははははは、やべえ、これマジ楽しいんですけど!! うわぁ、どうなるんだこれ。どうなってしまうんだ!?

と、人間関係の方だけでもえらいことになっているのに、バトルの方もリミッター完全オフ。前回わりとおとなしかった分を取り戻すように、もうやりたい放題のでたらめ劇場。
今回は完全に武侠モノのノリである。いや、冒頭のジョン・プルートー・スミスのパートは完全にアメコミのノリだっただけに、なにこのワールドワイドなお祭り騒ぎは。あとがきじゃあ「東映まんがまつり的クロスオーバー」とか言ってるし。全くそのとおりと言うか、それ以上じゃないか。
陸鷹化とリリアナ&エリカの激闘は、まさに武侠小説の超人と西洋魔術の異種格闘戦というノリ。とはいえ、上手いこと世界観のすり合わせがなされているんですよね。しっかりと武侠モノと西洋魔術、それぞれの設定を組み上げているにも関わらず、上手いこと噛み合うように練り上げている。神話の薀蓄に毎回感心させられるように、このシリーズ、魔術にしても今回はじめてお目見えの武侠系のネタにしても本当によく勉強して上っ面をさらっただけとは思えない識で、これらの設定群を扱っているんですよ。しかも、その設定の見せ方が非常に上手い。素晴らしいエンターテインメント性を有している。これについては、手放しですごいなあと毎回感心させられるわけです。
ひかりの歌っている呪文は、柿本人麻呂関連のものなんですよね。羅濠教主の呪文にしても、おそらくは道教系の実際のものから、漢詩の類。李商隱とかはよく知らないけど、李白や杜甫はさすがに知ってる。漢詩を呪文に引用するとは、ハッタリがきいてるじゃないですか。もう、しびれるなあ。というか、羅濠教主のセリフ、いちいち風雅でカッコイイんだよなあ。
カンピオーネは、みんなもうデタラメにデタラメを重ねたような無茶苦茶な人物なんだけれど、それ以上に物凄く魅力的な人たちなんですよね。あの凶人ヴォバンですら邪悪の魅力というのに満ち満ちていた。暴虐の魔王でありながら、どこか惹きつけられるものがある人だったんですよね。この羅濠教主もまた、デタラメで無茶苦茶なんだが、
わたくしのような身分の者が、民と直接交わるなどあってはならないこと。我が身を直視した者は己の両目を抉り、我が声を耳にした者は己の耳を削ぎ、償いとせねばなりません。
「わたくしは古今東西の皇帝、覇者、将帥を凌ぐ武の頂点。ゆえに、あらゆる支配者も及ばぬ崇敬を捧げられねばなりません。それが序列というものです」
「えーと、歴史上のどんな王様よりすごいって、何を根拠に?」
「それはもちろん、我が武芸と権能ゆえに。羅翠蓮が振るう拳脚は千の兵を屠り、刀槍は万の兵を薙ぎ払います。わたくしが武の真髄を絶技として示さば、百万の軍とて悉く屍山血河。全ての国は虚しく破れ、山河のみが残る結果となりましょう」
「いや! もっと政治とか経済とか文化のことも考えましょうよ!」

概ねこういう人物です。無茶苦茶です。でも、天上天下唯我独尊な人物にも関わらず、全然嫌味も憎たらしさもないんですよねえ。痛快で勇壮で美麗で風雅。いやあ、惚れるわー。なんか、無茶苦茶好きになってしまった。

もう、そんな羅濠教主との大決闘だけでお腹いっぱい、と言ってもなんら過言でないにも関わらず、彼女との闘争はある意味、前哨戦に過ぎないんですよね。【カンピオーネ!】シリーズ初めての前後編か。一巻で終わらなかったもんな。満足度は一巻どコロじゃなかったけれど、ここからさらにスケールアップとか、ドコまで行くんだ一体。
羅濠教主が対決を所望し、日光東照宮に封印されていたまつろわぬ神。その正体は一目瞭然で、神話だのの方面には何らの知識もない護堂でさえ知っている有名人物ならぬ神物。
それはそれとして、こいつが件の<鋼>の郎党を名乗っているのはどういう事なんだろう。この国に封印されていると言う<鋼の御子>というのは、もしかしてあの神様をすら郎党に数えてしまうような存在だということ? これは、ちょっと想像を絶するような大物という可能性が出てきたぞ。日本の神様じゃなくて、外来モノというのは間違いないみたいだし。
そう言えば、例のスサノオのところにいた二人の人外。僧侶の方はおそらくあの人というのが発覚したけど、もう一人の女性の方はまだわからんなあ。色々と正体を絞るための情報は出てきたけれど。

正直、今はもう続きが待ち遠しくて仕方ない。どこまで面白くなっていくんだ、このシリーズ♪
あーー、もう素晴らしく面白かった。最高だ!!

シリーズ感想
 
12月6日

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