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クロの戦記

クロの戦記 7 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです ★★★☆   



【クロの戦記 7 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】  サイトウアユム/むつみまさと HJ文庫

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南辺境での蛮族討伐編、開幕!!
ちょっと過激な王道戦記、美女を引き連れ、いざ帰郷!!

タウルからの依頼で南辺境へと向かったクロノ。久々の帰郷に感慨を覚えつつ部下と蛮族討伐の準備を進めていたクロノだったが、何故か駐屯軍と自警団が対立し、一触即発の事態に。
クロノは蛮族討伐前に味方の仲裁に入ることになって―― さらに、ここにきてクロノとフェイの仲が急接近!?

「さて、フェイに背中を流してもらおうかな」

第二の故郷である南辺境を舞台に、クロノは新たな戦いと美少女に挑む!! エロティック王道戦記、蛮族討伐編開幕の第7弾!!
うおお、腹筋バキバキだ。
さすが、騎兵として鍛えまくって脳まで筋肉と化した三下系女騎士である。こういう色気の欠片もない子もいける口、というのクロノってストライクゾーンが広いとうより見境いないですよねえ。
さて、久々に名目上とはいえ故郷の南辺境へと帰ってきたクロノ。クロノの素性と、どうしてクロフォード家の嫡男となったのかの事情が語られたのって、はじめてだったっけ。
クロフォード男爵のおっちゃんとは血は繋がっていないし、異世界から迷い込んできてクロフォード家に拾われてから、ここに居たのは一年だけだったのか。
でも、養父とはそれこそ本当の親子のように絆があるんですよね。それは、養父にとっては死する妻の無念を救ってくれた恩であるし、恩という以上にあのクロノの義母への言葉は本当の家族であるからこそ出た思いやりの言葉であり、愛情が吐き出させた嘘だったんですよね。
ならば、もうクロフォード男爵にとってクロノは恩人である以上に、かけがえのない息子になっていたのだろう。この二人、面白いほどに他人行儀さがないんですよね。遠慮もなんにもないし、臆面のなさはよく似ている。知らない人が見たら、親子以外のなにものでもないでしょう。
実際、クロノの方ももう心の根っこの部分で、義父のことを実の父と変わらないように思っているし、もう元の世界の家族の面影や思いは薄れてすらいるのですから。
名実ともに、クロフォード男爵の息子として、この世界に骨を埋めるつもりでいる。今は、さらに叙爵され自分の領地をもらい、部下も愛人も居る身の上。守るものは随分と増えた。でも、クロノにとっては南辺境こそが故郷なのだろう。

さて、帰郷の目的でもあるタウル将軍の息子であるガウルとの交渉は、元々クロノの事を尊敬する父親がやたら評価することからも面白く思っていなかったところもあり、さらに武勲を求めて視野狭窄に陥っている節もあったので、随分と面倒くさいことになる……と、読んでいるこっちもクロノの方も思っていたのですが。
なんなら、ガウル自身も派遣されてきたクロノに対して同じようなことを思っていたはずなのですが……。
いや、面白いことにこの二人、実際に会って話してみるとお互いに身構えた部分が全部肩透かしになってしまって、あれこいつ、思ってたのと全然違うぞ? となってるんですよね。
以前のベティス隊長なんかもそうでしたけれど、事前に色々と聞いていて思い巡らせていた人物像と、実際に会って話してみた際の相手の姿って、結構違っていたりするんですよね。
いや、聞き及んでいる様々な話が間違っているわけじゃなく、それはそれで正しい情報なんですよ。ベティス隊長にしてもガウルにしても、クロノの耳に届いていたネガティブな情報、こいつろくでもない人間なんじゃないだろうか、と思っても仕方ないような悪質さ、短慮さ、俗物さ、視野の狭さ、というのは一面として間違いじゃないんですよ。
ただ、決して人間というのは悪い部分だけじゃない。ある側面から見ると悪い部分でも、違う方向から見るとむしろ長所だったり、好感を持ててしまう要素だったりもする。
クロノだって、悪い評判だけ見ていたら、そりゃあとんでもないろくでなしだし、邪悪な行いを幾つもしているヤバい人間なんですけれど、その中身はというと素朴で善良で人を見捨てられないいい意味での小心者であり、勇気の塊みたいな人物である。そういう人の善し悪しって、まあ相性もありますし、実際会ってみないとわかんない部分があるんですよね。
クロノとガウルの面会も、むしろ相手の悪い面ばかり話に聞いていたからか、まともな面、理知的で感情任せじゃない論理的な面、部下の扱い方や人の意見をちゃんと聞くところ。悪いと思えば、相手が誰だろうとどんな身分だろうとちゃんと謝罪できる誠実さ、など良い面が目立って目についてた節があるんですよね。
その直前に、セシルという感情任せで差別的で人格的にひん曲がってる人物と遭遇した、というのもあるのでしょうけれど。クロノにしてもガウルにしても、話してみるとちゃんと道理は通じるし、相手の意見も聞いた上で配慮もしてくれる。反対意見や問題提起にしても一方的に押し付けてくるものではなく、ちゃんと論理的に納得できる内容である上にちゃんと自分の意見も聞いた上での考慮もある。ちゃんと話が通じる相手、ってそれだけで相手のこと見直しちゃう部分あるんですよねえ。

別に魂に訴えかけるような特別な説得とか、相手の目を覚まさせる鋭い一言、なんて大仰な展開、会談なんてなく、本当にただ事務的に顔合わせして打ち合わせして、礼儀に則って応対しただけなのに、クロノもガウルもお互いの印象一変させて、好感どころか信頼感すら芽生えさせていたのは、なんか面白かったなあ。
人間関係って、やたらこんがらがって難しいこともあるけれど、こんな風にえらく簡単にうまくいくこともある、というのがそれだけでもなんか面白い。
それだけ、人間って単純じゃないんですよね。いろんな側面があって、色んな噛み合い方もある。ベティス隊長の最初小悪党の俗物に見えたけれど、中間管理職の苦労を背負いながらちゃんと責任背負ってクロノを含めて立場の弱い人達にもちゃんと心配りしてくれるキャラクターとか、今となってはすごく好きなキャラクターなんですけれど、本作はこんな風に自分の中の悪の部分、人としての弱い部分に振り回されながらも、それに負けずに自分を保とうとする人、責任を果たそうとする人、そういう弱さに負けてしまう人、そんな色んな人物像が見られるのが好ましいんですよねえ。好きだなあ、と思える部分。
主人公のクロノこそ、その代表的な人物なんですよねえ。
据え膳食わぬは男の恥、とばかりに食べられるだけ食べてしまう頭の悪いワンコみたいな性欲も含めて。


しかし、女将ことシェーラの素性もウェブ版だとここまで詳しく描いてましたっけか。彼女が辺境とはいえ貴族の出とは、全然記憶になかったのですが。ましてや、家族とか。
シェーラを愛人にしてるのって、思いの外後々政治的な意味合いが出てくるんじゃないだろうか、これ。


クロの戦記 6 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです ★★★☆   



【クロの戦記 6 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】  サイトウアユム/むつみまさと HJ文庫

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新たな領地で港&塩田作り!!

戦争が終わり、クロノは論功行賞で手に入れた領地・カドの開拓に着手する。乏しい現代知識を用い塩田や港の整備を計画するが、人手が足りずにいた。
その解決策として、副官であるミノの故郷の人たちを呼ぼうと、別の貴族領まで出向くことになるが……。
一方、エラキス侯爵邸ではクロノとの夜伽の順番を巡って、女の戦いが勃発していた――!!

「異議ありだ!! どうして、お前が四回も夜伽をするんだ!?」

エロティック王道戦記、内政と夜の性活に大忙しな第6弾!!

多くの親しい者たちの死を背負い、それ以上の多くの期待を背負う覚悟を決めたクロノ。しかし、そこに雄大な展望があるわけじゃなく、目の前にある喫緊の課題をクリアしていく事に汲々とするわけだけれど。
元々、理想とか野望とか持ち得るタイプじゃないんですよね。流され流されてどうしても許容できない事にだけ徹底して反抗し、あらゆる手段をこうじて生き残る事に終始する。だから、新たに得た領地であるカドの整備開拓も、将来に向けて構想を抱いてというんじゃなくて、領地の人たちの暮らしを少しでも良くするため、部下であり身内である亜人たちが安心して暮らしていける土地にするため、という眼の前のことから一歩一歩固めていく、というそういう姿勢の賜物なのだろう。
でもだからこそ強靭なのである。目の前のことにかかりきりになるから、夢中になれる。頑張れる。タフになれる。
理想を高く持っているわけじゃないから、ちょっと突かれたくらいじゃグラつかないんですよね。ミノさんたちの一族を引き取る際にだって、あれだけの屈辱に耐えてみせた。
自分でも語っているけれど、自分からプライドを捨てる事と一方的に誇りを踏みにじられ恥をかかされる事は全然違う事なんでしょうね。それでもなお、頭をさげてみせた。地べたに擦りつけてみせた。屈辱を受け入れるのが必要ならば、この男はいくらでも我慢できる。自分が恥をかくことを、彼は厭わない。その事実が、その姿がどれほどその背に守られた人たちにとってかけがえのないものに見えるのか、クロノは計算してやっているわけじゃないから始末に終えないんだよなあ。
そういう背中の男だから、絶望を味わった者ほど希望を寄せる。何もかも託せてしまう。クロノが普段だらしなく、へらへらとしたドスケベ男だとみんなわかっていても、クロノの為に生命を惜しまなくなる。先の戦いでクロノを守るために率先して死んでいった連中の想いの根源はここにあり、それは今も他の皆の心に宿っている。

ティリア皇女は、野生化してクロノに襲いかかって搾り取っているばかりのようで、なんだかんだと上に立つ者の姿勢や在り方というものをちゃんとクロノの姿から見て取っているんですよね。
上に立つ者として果たして自分は忠義に対して相応に報いていたのか。
ヤることしか考えてないように見えるんだけど。次の日仕事に支障が出るほど貪り食ってるんだけど。
ちゃんと成長してるんだな、という姿をティリア皇女が見せてくれたのは嬉しいところでありました。それはそれとして、暴君である所は変わっていないのですが。まあ、暴君とは言っても可愛げのようなもので、理不尽を振りまくようなものではなく、双子エルフを手下にして顎で使っているのがせいぜいなのですが。
と、ここでついにあの双子エルフとティリアが出会ってしまうんですよね。そして誕生するポンコツトリオ。双子二人だけでも姦しいのに、そこに傲岸不遜のティリアが加わることで何ともはた迷惑で騒がしい三人組が生まれてしまったわけで。どちらかというと、ティリアに気に入られてしまった双子エルフの受難の日々のはじまり、というべきなのかもしれませんけれど、この頭の悪いポンコツトリオの行脚は何かと楽しく面白いのでホント好き。

しかし、戦争は戦争でいつも死にかけてるクロノだけど、内政パートになっても仕事抱え込みすぎて死にかけてらっしゃるなあ。それでいて、夜のベッドでのお仕事も欠かさないあたりは若さのようにも見えるし、女性陣が貪りすぎというべきか。今日は疲れたもうムリー、ってなってても問答無用で襲われているわけだし。
そんな状態でも、主導権を徐々に奪い返してティリアに対してもいつの間にかマウントポジション取っているあたり、じわりじわりとタイトルに負けないベッドの上での強さを獲得してきたというか、変態度に歯止めがかからなくなってきたというか。いずれにしても、最強と言っても最初からチート無双ではなく、叩き上げのドスケベ根性と言った風情なんですよねえ、クロノ様w

さて、色んな意味で過労死ラインに乗っているようなクロノですが、新たな戦の気配がまたぞろ彼の元へと持ち込まれてくる。再び、戦争の季節である。



クロの戦記 5 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです ★★★★  



【クロの戦記 5 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】 サイトウアユム/むつみまさと HJ文庫

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『僕は――この国を変える』
ちょっと過激な王道戦記、緊迫の撤退戦が始まる!!

戦況が覆り、帝国軍は追われる立場となった。神聖アルゴ王国を相手に、クロノは仲間を逃がすための絶望的な戦いに身を投じる。

「大丈夫、去年ほど戦力差はないよ」

千五百人の亜人を前に、平凡な少年でしかなかったクロノは笑う。内心の恐怖を押し殺し、必ず帰るという誓いを守るために――
一方帝都では、幽閉されていた皇女ティリアが帝都から追放されることに。その行先はエラキス侯爵領で……
エロティック王道戦記、策謀渦巻く泥沼の戦争を戦う第5弾!!


泥沼の撤退戦。烈火の如く攻め寄せてくる敵の大軍を、寡兵で押し止める事を求められた決死の殿戦。そう書くと壮絶で勇壮な合戦絵巻を思い起こせるのだろうけれど、ここで繰り広げられるのは敵も味方もボロクズのように次々とくたばっていく、尊厳も何もなく殺し殺されていく血まみれのゴミ捨て場だ。
そこで戦えと強いられた哀れな兵卒たちが死んでいく、みんなして死んでいく。自分が生き残るために、殺して殺して、殺されていく。
人間も獣人も関係ない、この場この瞬間ではある意味この上なく平等な空間だったのかもしれない、とふと思った。
だが、現実はそこに集められたのは愚者どもの愚かな行いとはるか天上でうごめく政治的な思惑というやつに駒として動かされた最底辺の掃き溜めが集められたに過ぎない。ここには等しく価値がない人間が集められたに過ぎない。そんなものは、平等でもなんでもない。
目の前で次々と自分の部下たちが死んでいく。自分の無能さで、自分の無力さで、自分の命令に従った部下たちが死んでいく。辛うじて生き残りながら、クロノは苦しむことになる。
自分の能力の無さに。どうして自分の為なんかに部下たちが生命を捨てて戦ってくれたのかわからずに。自分が軽く放った言葉が、彼らを死地に走らせてしまったのか。彼らを庇護する自分の立場が、彼らに生命を賭けさせてしまったのか。
そして、トドメにこの戦いそのものが、自分たちが命を懸けて、部下を犠牲にして戦ったこの戦いそのものが茶番に過ぎなかったことを知らされて、彼は怒り狂い、絶望するのだ。
あの戦いが無駄だった。部下たちの犠牲がすべて無駄だった。使い捨てにされ、生きたかっただろうに殺されて、自分に理想を託して死んでいった。そんな託された自分は、駒である事も知らず好き勝手に動かされるだけのぼんくらだった、という事実。期待の重さに耐えきれず、自分の無能さに呆れ果て、絶望し、逃げ出して……そこで、彼は本当に素朴で簡単な事実にたどり着くのだ。
スラムで出会った小さな少女との会話で、彼はごくごくシンプルな答えにたどり着く。
ただ、自分は死んだ彼らのことを好きだったことを。今も生きて自分を慕ってくれる部下たちのことを好きなことを。家族が、友人が、自分が大切に思う人たちの事を愛していることを。
そんな彼らのために、自分には出来ることがある。大好きな彼らのために、彼らを好きな自分のために、理想を掲げる覚悟を。世界を敵に回す覚悟を、臆病者が振り絞る勇気の行く先を、彼は決めたのだ。
悩んだはての、苦しんだはての、向こう側だ。クロノの苦悩は続くだろう。これからもどうしようもなくままならない現実を前に、もどかしく思い通りにならない自分の無能さにため息を吐き絶望し続けるだろう。
それでも、彼は為すべきを決めた。その一事を以て、彼は成ったのだ。英雄ではないとしても、望みを掴もうと足掻く者に。

登場人物を見渡してみると、その多くが自分のあるべき姿、在りたい形すら見つけられず、息苦しい現実に喘ぎながら、場の流れに流されいく。流されながらも苦しみ悩みながら、自分のできることを探して模索して、それすらもままならずに天を仰いでいる。
中間管理職を強いられているベティス隊長や、英雄であるはずのラインハルト、イグニスなどもそれは変わらない。まったく、変わらない。
優秀で有能で人並み外れた英雄だったり才人だったりと謳われている人であろうと、何も変わらず自分の愚かさ、無力さ、矮小さにいつだって打ちひしがれている。思い通りになることなど、ものが見える人ほど少なくて、力ある人ほど力を振るえない現実を思い知らされている。

逆に物が見えない愚か者ほど、悩みもしないし考えもしない。そういう輩こそ、現実を見ないし、見ないからこそ好き勝手振る舞える。自分が何でも出来ると思っているし、何でも知っていると思っている。そんな在り方のまま、現実をより地獄の方向へとかき回していくのだ。
中には、レオンハルトの侍女のように聡くなく無知であり考えもしない愚か者だからこそ、もっとも真理に近しく物事の本質を理解しているような人物もいるけれど、そういう人はやはり稀だ。

クロノは決めた。これからも悩み苦しみ続けるだろうけれど、建前でも柵でもない自分の中の、自分の奥底の欲するものを見つけて、それを掴むと決めたのだ。
訪れようとしているのは、時代の変革期だ。激動の時代がはじまろうとしている。現実のままならなさに、立ち向かえずにただ流されているだけなら、どこまでも押し流されていくだろう時代が。
自分の弱さ愚かさ矮小さを受け入れて、その上で自分の往く道を決めたものだけが、切り開いて進んでいける激流の時代が。
きっと地位や身分に関わらず篩は平等にかけられる。

ティリアは、ティリア皇女は……うん、今まさに現実に翻弄され振り回されてる真っ最中。皇太子としての立場を追われてクロノのもとに払い下げられるという屈辱を味わわされているのも、現実に思い知らされている真っ最中なら、夜な夜なクロノの寝室の隣の部屋に忍び込んで彼の女性関係をでばがめして、愛欲まみれの日々というやつを目の当たりにして寝不足になるのも、まあ現実を目の当たりにしている真っ最中の中の一事なのでしょう。
自ら、そのさなかに飛び込む勇気、自分のクロノへの気持ちを自覚する一方で、クロノを利用してやれ、と目論むのもまた、選択したと言える行動なのでしょうけれど。
その選択の結果、自分の前に広がるだろう、自分の行く先に強いられるだろう現実の厳しさ、重さを彼女はまだ知る由もない。彼女はまだ、知らない。本当の現実の苦しみも、懊悩も。
ティリアはまだ、自分の進むべき道も望むべき先も、決めていない。

エルフのアホい双子はあれどうなんでしょうね。彼女らに限らず、クロノの部下の亜人たちはもうとっくに決めているとも言えるのでしょうけれど。レイラは悩める分、それだけメインヒロインという事なのでしょうか。でも、デネブとアリデッドの二人は過酷だった戦場の中でもあの明るさのおかげで癒やしでした。この娘たちのお陰でどれだけ心救われたか。この娘らには幸せになって欲しいなあ。


クロの戦記 4 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです ★★★★   



【クロの戦記 4 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】 サイトウアユム/むつみまさと HJ文庫

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『死地においてこそ――笑え!!』
ちょっと過激な王道戦記、王国戦争編開幕!!

帝都からクロノの元に届けられた召集令状。
それは、『神聖アルゴ王国との戦争に従軍せよ』という緊急事態を知らせるものだった!!
すぐさまクロノは頼れる部下たちと共に、生き残るための準備を開始する。新装備や新武器など、これまでに生み出してきた全てを賭けて、クロノは英雄への一歩を踏み出す!!

「皆、生きて帰ろう」

シリアス&エロスなエロティック王道戦記、王国戦争編開幕!!

華々しい戦士同士の闘争、名将同士の戦術の競い合い、そんなドラマティックでヒロイックな絵になる戦争は、この作品においてはどこにもない。
血と泥に塗れた地べたを這いずるような戦争、何も思い通りにならず偶然と悪意と理不尽に翻弄されるばかりのどうしようもない戦争、それがこの物語で描かれる戦いだ。
実際、アルゴ王国側のイグニスや、帝国側でも優秀な将兵は決して少なくないんですね。だけれど、彼らが本領を発揮して思う存分力を発揮できる機会なんて然程も訪れないのである。なぜなら、優秀な人間以上に、愚かで考えが浅く欲望にかまけた人間の方が多いから、そのような人間の方が権力を握っているから、軍を左右する立場にあるから。そして、物事というのはそういう感情に任せた大きな声の方が通りやすいものなんですね。
お陰で、敵も味方も最適とは程遠い行動を選択し続けた結果、戦争はよりグダグダで目的も定まらず被害ばかりが増えていく消耗戦へとなだれ込んでいく。ほんと、状況に流されるのと一部の暴走が相まってホント素人目にも右往左往してるような有様に、帝国軍はなってしまうんですね。
そんな隙を敵がついてくるのなら、戦況は一気に傾くのでしょうけれど、敵は敵で同じように客観よりも感情任せに軍勢を動かすような人間が一番上にいるために、イグニスのような有能な将が苦虫を噛み潰したような顔つきを固定したまま、その尻拭いに駆け回るはめになる。お互いに判断ミスや油断や暴走を突き合わせて、ひたすらにグダグダに流れていくのである。
むしろ、これが戦争、と実感させられるような酷さでもあるんですね。

これ、上層部が全部無能、とかならまだ分かりやすいのですけれど、実質帝国軍の指揮をとっている副軍団長のベティス伯爵。あのフェイを虐めていて、彼女がクロノのもとに来るきっかけとなったあの人物なのだけど、フェイへの仕打ちを含めてろくな人間じゃないように見えていたのだけれど、実際戦場に立ってみるとこの人、普通以上に優秀なんですよ。軍人として見識高く、亜人などの運用にも理解が深い。決して亜人の立場に同情しているというわけじゃないのだけれど、差別的な意識はかなり少ないし、色々と口を挟んでくるクロノに対してもうるさいやつと邪険にするのではなく、むしろ便宜を図ってくれたり、素直に提言を受け取ったりと偏見で目を曇らせたりする事なく、物事をフラットに見られる将帥なんですよね。
いや、それどころか成り上がりという立場上、同じ立ち位置の大隊長たちから敵意を浴びせられるクロノに対して、かなり親身に接してくれたり。フェイの事でむしろクロノとの間ではトラブルを抱えているはずなんだけれど、結構気を使ってくれるし、イイ人っぽいんですよねえ。
なのだけれど、お飾りの軍団長であるアルフォート皇子は約立たずを通り越して、お飾りの役目も果たせない臆病者の無能で、余計な命令を連発してベティルを困らせるし、部下である大隊長たちは彼らも貴族であるせいか、傲慢で不見識な言動が目立ち、ベティルの足を引っ張ることになる。
上も下も無能で愚か者が揃っていて、そういう人物ほどトラブルを起こし問題を拗らせ余計なことをしでかしてくれるために、しわ寄せが全部ベティスにかかっていちゃうんですね。
うん、そりゃマトモで使えるクロノも頼りにしちゃうわなあ。でも、利用するつもりだけじゃないのは、クロノに対して慰めの言葉をかけたり彼が罪悪感を抱かないように言葉を尽くしてくれたり、というところからも垣間見えるので、どうにも好感度あがってしまうんだよなあ。苦労人というのがよくわかるだけに。
振り返ってみると、フェイの問題だってフェイが要らんトラブルをよく引き起こしていた、というのも原因の一つなんですよね。騎士団長として組織を乱す要素を見逃すわけにはいかないし。
フェイって、クロノの所に来た時も似たような問題起こして、クロノからお仕置くらってましたからね。場合によっては追い出されかねない勢いで。
まあそれをセクハラにつなげてしまうあたりが、ベティル伯爵の俗な所なんだろうけれど。
でも、俗人であるが故に出世にこだわり、貴族という立場に抗えず、皇族であるアルフォートに対しても強く言えない。中間管理職的な苦労を背負うはめになっているわけだ。
でもこれ、クロノもあんまり変わらないんですよね。成り上がり貴族として、出る杭打たれないようにおとなしく目立たないようにしておかないといけないし、同じ大隊長たちの僻みや敵意も真っ向から向き合わずにうまく受け流さないといけない。そうやって保身保身に努めている。
臆病で小心者でわりとネクラで野心もそんな大したものを持たないクロノにとっては、それは当たり前の生存戦略だったりするのだ。でも、真面目で勤勉なクロノは自分の仕事を蔑ろには絶対にしないし、小心故に自分や部下がしなないように努力を欠かさない。それが、彼を生き残らせていると言っていいし、他の愚か者どもとの決定的な違いなのでしょう。
そして、そんな彼を英雄たらしめるのは、人並み以上の怯えや恐怖を押し殺して前に出る「勇気」なんですね。
いや、クロノにとってその「勇気」とか罪悪感や恐怖そのものなのかもしれない。自分の立場が失われたり場合によっては死んでしまう事よりも、怖くて恐ろしい、耐えられないという小心さ故なのかもしれない。
でもその臆病者の「勇気」によって、身を挺して庇ってもらった者、救ってもらった人にとっては。自分達が死地に送り込まれる絶望の中に、本来必要がないにも関わらず共に身を投じてくれるクロノは、英雄そのものなのだ。
勇気を振り絞るとき、クロノの内面はいつもみっともない程無様な顔を見せている。英雄なんてとんでもない、情けない男の顔を曝け出している。誰もそれを知らなくても、クロノ自身は誰よりもそれを思い知っていて、だから彼は増長なんてするどころか、いつだって自分を卑下して、卑しい心根を恥じている。
でも、クロノのそれこそが「本物の勇気」なのだろう。
アリデットとデネブを助けるために、身を挺して飛び出した時も。亜人部隊が死地に送り込まれようとしている時、自身がその指揮官として残った時も。
彼が示したものこそが「本物の勇気」なのだ。死地においてこそ部下たちに笑ってみせる、彼こそが英雄なのだ。

クロの戦記 3 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです ★★★★   



【クロの戦記 3 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです 】 サイトウアユム/むつみまさと  HJ文庫

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領地改革がようやく軌道に乗り始めたころ、突如皇女ティリアから舞踏会へのお誘いが届く。クロノは王都へ向かう準備を始めるが、ネグリジェ姿のエレナが夜這いを仕掛けてきて―「ご奉仕します。だから、帝都に連れて行って下さい」これまでの功績から徐々に注目を集め始めたクロノ。彼を王都で待っていたのは、異世界での養父、クロノを狙う騎士団長、渦巻く権謀術数、そして、レイラによるメイド姿のご奉仕だった!!シリアス&エロスな、大人気エロティック王道戦記、第3弾!!
義父となる親父さん、クロード・クロフォード卿がまた濃いキャラだなあ。名前似てるんで転生モノかと思ってしまう所なんですが、クロノって転生じゃなくて転移してこの世界に来てるんですよね。他の作品と被るだろうそのあたりの描写ばっさり省いているのですけれど。
そして異世界転移して右往左往している所をクロードに拾われて、紆余曲折あってクロフォード家の嫡子となっているのである。義父と地の文では表現しているけれど、公的には本当の息子と偽装してるし、何よりクロノも今となっては本当の父親のように思っているし、クロードの側もクロノの事を実の息子同然に可愛がってる。クロードのこと、濃いキャラと称したけれど、それ以上に現国王の即位時に起こった反乱で活躍し、蛮族の侵攻にも多大な戦功をあげた英雄であり、今や辺境を開拓して一大穀物地帯を築き上げた名領主であり、ある意味中央と距離を置いた辺境勢力の看板でもあり、何よりクロード本人が豪傑然とした人物で一筋縄ではいかない人なんだけれど、その人と協力関係や利害関係じゃなく、本心からの親子になってしまっているあたりにクロノの資質というか本質が垣間見えるんですよね。
本人、どこか卑屈なところもあるし助平だし決してコミュ力が高いタイプでもない。わりと傍目には侮られるタイプなんじゃないのかな。
でも、彼と深く関わった人たちはクロノに大きな信頼を寄せることになるのである。軍学校時代、仲の良いわけじゃなかった同級生たちとも何だかんだと今となっては打ち解けているし。学校では落ちこぼれだったのに、今や侯爵なんて立場になってるクロノにも壁を作ることもありませんでしたし。あれはよほどクロノの事をちゃんと認めてなかったら出来ない姿勢ですよ。
クロノのちゃらんぽらんにすら見えるやる気のない態度の奥にある責任感の強さを知れば知るほど、彼がどれだけ信頼できる人物かというのは自ずとわかってくるし、一方では英雄とかとは程遠いどこか頼りない姿は自分がなんとかしてやらないと、という気分にさせられる。でも、時々ゾッとするような冷徹な目で人を見て、物事を見下ろす姿を見ると侮るなんて真似は決して出来ない。
こうしてみると信頼され親しまれながら畏怖されるクロノの周りからの評価がよくわかる。
あの冷たい目に関してはクロノはまったく自覚ないみたいですけどね。滅多に他人に怒らない彼が怒ってると相当怖いみたいなんですよね。ただ怒る時の理由が馬鹿で愚かな考えで周りに被害を出しそうに為った時、が大概なのでその意味では指導者向きの怒り方なのですが。反省しないで同じことを繰り返すようなら無言で切り捨てる、みたいな怖さが確かにある。
なので、クロノの部下ってリラックスはしていても気が緩んだり好き勝手はまずしないのよねえ。フェイは今回、その洗礼を思いっきり食らってしまった、と。どれほど腕が立っても、馬鹿のままでは切り捨てられますよっと。まあ一度のやらかしではいお終い、とせずにフォローするあたりが優しいのですが。それ以前に、部下に配慮できる気の利いた面々をつけたり、と最初から最大限お膳立てしてあげてるんだから、これで失敗したらフェイの方が悪いですよねえ。いや、失敗するのは構わないけど、自分からぶち壊しちゃーそりゃ評価も下がるわなあ。

さて、ティリアの招待をうけて帝都で行わるという舞踏会に参加することになったクロノ。皇位継承者であるティリアが開く舞踏会なんだから、そりゃもう盛り上がる、のかと思ったらなんか内実が色々と残念だぞ!?
もうティリア自体がどこか残念皇女なところがあるので仕方ないのですが。色々と優れた面はあってもポンコツで考えなしの部分の方が多かったりするからなあ、ティリアって。
だからこそ、このタイミングで起こった政変でティリアがああなってしまったのは一概に悪いことではなかったと思うんですよね。ちゃんとした後ろ盾もなく、本人も短慮な面が強くあるティリアである。彼女が順当に皇位を継いだとして、果たして国の運営がうまくいったかというと相当疑わしい気がするんですよね。
貴族の腐敗や軍の機能劣化はかなり進んでしまっていますし、帝国という国そのものがそろそろ老朽化しているんじゃないか、という感じすらするわけで。この段階でティリアが女帝になったとして立て直せたか、というと。
今度の政変も、別に前から計画されていた策謀陰謀とかではなく偶然の産物でしたし。機会に乗じて動いた人たちが居たのは確かですが、それも悪意や個人的な野心からというわけでもなく。
宰相アルコルが積極的に動いてこの情勢を作り出していましたけれど、彼が黒幕や悪役というわけではなかったですからね。決まった黒幕がいるのではなく、ある種の警戒心や過去から精算出来ていなかった負債が反応してというもののようですし、その意味では個人や特定の勢力の思惑によるものではなく「時勢の流れ」によって起こってしまった、というのがよくある陰謀劇と違っていてちょっと面白いなあ、と思ったり。
まあ本作って、主人公であるクロノに限らず誰も彼もが思う通りにいかなくて、もがきながら泥沼に沈んでいく、というような全体的に何もかもが上手く行かないのを必死にあがく人たちを描く物語、という風情もありますし。
その意味では、物語そのものの泥沼化はまさにここから始まったと言えるのかなあ。

鮮烈な登場の仕方をして、強烈な存在感を見せた近衛騎士団のリオ・ケイロンも、まあヤンデレ系の人なんですけれど、この人も何もかも上手く行かないまま苦しみ足掻いていた所にクロノに出会って、彼に希望と救いを見た娘なんですよね。それで単純に救われるには、この娘の歪みは大きすぎてティリアにすげえ寝取ってやったムーブとかかましてるわけですけれど。
リオに限らずティリアも拗らせてますし、エレナはもう元から性格歪んでますし、その意味ではレイラがやはり一番献身的でクロノの責任を一緒に負おうとしてくれる娘に見えるよなあ。
メイドプレイ含む。
ただ、レイラには戦争の時クロノは負い目あるのがやや引っかかってるみたいだけど、まだ外に出していないクロノの内心だけでのことなのに、未だに引きずっているあたりにクロノの性格を感じるんですよね。それも含めてわかって受け入れている感が、レイラにはあるのでやはり一番感があるんですよねえ。

さあ、様々な思惑が複雑に絡んでの事とは言え、とばっちりはは現場に飛んでくるのが常の常。その一番前の方にいるクロノに訪れるのは、当然のように再びあの血と泥にまみれた戦争の季節だ。



クロの戦記 2 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです ★★★☆  



【クロの戦記 2 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】 サイトウアユム/むつみまさと HJ文庫

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武勲を立てたことで侯爵領の領主となったクロノ。山積みの問題を前にして、元の世界の知識を総動員し、女神官や女騎士を仲間にしながら、どうにか領地改革を進めていく。しかし、その知識に違和感を覚えた皇女・ティリアに詰め寄られて―「正直に言え。そうすれば死なずに済むかも知れん」クロノは無事に領地改革を、さらにハーレムを達成できるのか!?そしてまた一人、美少女がベッドに引きずり込まれる!!シリアス&エロスな、大人気エロティック王道戦記、第2弾!

クロノって性欲だけは有り余っているくせに、その手の人にありがちなバイタリティの類は全然ないんですよね。活力に欠けているというか覇気がないというか。
侯爵位を得てしまったにも関わらず、出世欲とか野心が皆無なのはティリアに告げている通りで、この青年どこか草臥れ果てたおっさんめいた所があるのである。すけべえな所も、若者というよりもおっさんじみているし。
一方でやる気がないからと言って、怠惰なのかというとむしろ見ていると勤勉ですらある。決して崇高な理念とか虐げられている亜人たちの社会的地位をあげてあげたいとか、高尚な事は考えていないんですよ。
ただ無責任ではいられない。軍の司令官として、自分の指揮に従った者たちは人間亜人の区別なく、公平に彼らの果たした義務に対して責任を果たさなければならないと考えているし、領主となれば自分が収める土地の住人に対して為政者として責任を果たさなければならないと思っている。
しんどいなあ、と思いながらも、無責任に何もかも放り出すことだけはどうしてもできないのだ。
そういう所こそ、このどこか頼りなくてすけべえなくたびれた青年を、彼の周りに集った者たちが信頼し慕う要因なのだろう。亜人だろうと元盗賊だろうと、やるべきこと為すべき事を誠実にやっていれば、まっとうに報いてくれる。正当に扱ってくれる。身分や種族の差があれど、それは対等な関係をクロノの方から望んで結んでくれるという事なのだ。こちらから後ろ足で砂をかけない限り、彼は絶対に責任を果たしてくれる。
理不尽な境遇に置かれ続けていた人々にとって、それがどれほど尊いことなのか。
亜人部隊の連中も傭兵のケインも、常に理不尽の中にあった人たちなんですよね。今回、クロノのもとに左遷まがいに送られてきた女騎士のフェイも、没落貴族の鈍くさい女騎士という立場で常に虐げられてきた経験の持ち主ですし、エレナもまた女という事でその才を活かせず苦汁をなめ続けてきた。
彼らにとって、当たり前に真っ当に報いてくれるクロノという存在は、理不尽が当たり前にまかり通る世界において無二の存在だったんですね。それに彼、何だかんだと身内になれば善良さと小心さ故に酷いことになるの放っておけない人ですし。後で罪悪感とか後悔でしんどい思いするの嫌で嫌でたまらない、というタイプですし。
でも、軍の司令官らしく「切り捨てる」事も出来るんですよね、彼。罪悪感に苛まれながら、必要な犠牲を冷徹に割り出して、本当に必要なのかと散々苦しみぬくことになるのだけれど、最終的な決断を過たない。これもまた、資質なのでしょう。

面白いのが、長年貧困対策のために農作物の品種改良やクローバーによる土壌改善について研究を続けてきながら、報われること無く研究者でもあり聖職者でもあった父を失い、今も独りで細々と研究を続けながら聖職者として奉仕活動を続けていた神官のシオン。
クロノと出会うことで、彼女とその父の研究は日の目を見ることになるのですが……シオンはそれに対して泣いて喜ぶのではなく、むしろ逆で「なんで!?」と涙混じりに憤り、恨み妬み怒りといった感情をクロノに対してぶつけてしまうのです。
それはもう、八つ当たりという他ない感情なのですけど、理解も出来る情動なんですよね。これまで自分たち親子がどれほど苦しみもがいても、効果を見せても結果を出しても、前例主義や偏見、先入観などから認めて貰えず、受け入れて貰えず、取るに足らないものとして無視され踏みにじられていたものが、クロノが一声あげただけで簡単に受け入れられ、実行に移されることになってしまった。
自分たちのこれまでの苦労はなんだったのか。父は失意のまま没してしまったのに。自分もまたずっと無視され続けていたのに。
「なんで!?」
と、思ってしまう感情は、決して無視できないものなんですよね。
功績を奪われたわけではなく、むしろその知識を生かした農業指導や、新たに立ち上げる幾つかの関連事業の責任者として抜擢される、というこれまでの苦労が報われる状況であったとしても。
理屈と感情は別なのです。勿論、これが八つ当たりにすぎず、理不尽な怒りにすぎず、当然のように別の御仁から正論でバキバキに言われてしまうのですけれど、それでもこういうある種の理屈じゃない生々しい感情を、どうしようもない情動というものを無視せず描き出していくあたりに、この作品の特徴というか面白みが感じられるんですよね。
シオンほど激しいものではないにしろ、他の人達も多かれ少なかれ、この手の理屈じゃないけど自然と起こってしまうもやっとした気持ちとか、ブワッとまとわりついてくる不安とか、迷走気味の思考のよろめきとかが描写される。それが、個々のキャラクターに不思議な存在感というか、息遣いを感じさせてくれるんですよね。

しかし、やっぱりお気に入りは騒がしいアホ双子エルフのアリデッドとデネブである。彼女らのアホっぽい快活さは、なにかと作品そのものを明るくしてくれるんですよね。なにげに、ティリア王女とのファーストコンタクトも果たしてしまってますし。ある意味、化学反応を引き起こしてしまう組み合わせなんだよなあ、双子エルフとティリア王女は。


クロの戦記 1 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです ★★★☆  



【クロの戦記 1 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】 サイトウアユム/むつみまさと  HJ文庫

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異世界に転移した3年後、クロノは亜人千人の指揮官となって、なぜか一万の敵軍を迎え撃っていた!!絶望的な戦力差の中、どうにか撃退したクロノは、今度は領主に祭り上げられていく!!現代日本の価値観と乏しい知識だけを武器に、領地改革に乗り出したクロノの周りにはどんどん美女・美少女が集まってきて―。戦い、内政、そして夜の性活で大忙しなエロティック王道戦記!!

なぜこのタイトルにしたし! 確かHJ文庫で再出発するまでは【クロの戦記】だけだったような記憶があるのだけれど。
元々「オーバーラップノベルス」から出ていた作品がHJ文庫に移籍してのリスタート版。単行本から文庫本になった事で手を出しやすくなったので購入しました。ウェブ版も既読なんだけど、それなりに古参の作品なだけに最初の方の内容はうろ覚え。
なので、いきなり捨て石にされての絶望的な防衛戦からはじまってちょっとびっくり。あれ? こんな所からだったっけ? と戸惑ったのですがウェブ版の方を見直してみるとたしかにシチュエーションとしてはこの状況からのはじまりでした。
でも! 全然内容の濃さ違うから! ウェブ版ではかなり簡略にサラッと流されてしまっていた戦況が詳しくより臨場感たっぷりに描かれていて、はっきり言って別物。このシリーズを書き始めた当初と最近に至ってからの筆力の向上っぷりが目に見えて伺えます。
タイトルからだと、ベッド上の夜戦のみに特技が特化した主人公が女を誑すスキルを駆使してのし上がっていく、みたいに思えてしまうかもしれませんけど、クロノくん別に夜がお強いとか上手いとかではないんですよね。床上手とか百戦錬磨というわけではなく、こいつ単に節操がないだけだから。単にド助平なだけだから。
むしろ、彼の特筆スべきはその凡庸さにあるのかもしれません。凡庸というにはあまりにも出来物なのですけど、才気走るところがあるわけでもなく根性なしだし愚痴ばっかり零しているし、普段から覇気なく傍目には情けない気合の抜けた凡人風情なんですよね。
しかし、彼こそは偉大なる凡人というべきなのでしょう。

圧倒的な戦力で攻め込んできた敵国の軍勢を前に、とっとと逃げ出してしまった辺境伯とその正式な兵士たち。残されたのは被差別民である亜人によって編成された千人部隊と急遽指揮官にさせられた士官学校を出たばかりの辺境貴族の子息であるクロノだけ。
誰がどう見ても捨て石にされた状況で、しかしクロノは逃げ出さないのである。今逃げても追いつかれて殺されるだけ、という醒めた視点はあるものの、犠牲を亜人たちに押し付けて自分だけとっとと逃げ出す、という真似だけはしないのである。決して華麗な戦術を持って数的不利を見事に覆し、なんて戦争芸術を描けるわけじゃない。彼が出来るのは血と泥に塗れて部下を効率的に殺しながら死戦をくぐり抜ける泥臭い戦い方だけだ。しかし、クロノは自分もまた亜人たちと同様に一緒に肩を並べて地と泥に塗れる。
嘆き罵り愚痴りながら、それでも彼は「為すべき事」から決して逃げ出さない。見た目こそ決して格好良くない無様さすら伺える物腰は、しかし彼に率いられる亜人たちの自分たちを虐げるばかりだった貴族の、人間の、指揮官であるクロノへの信望へと繋がっていく。
クロノは決して博愛の人格の持ち主というわけでもないのだけれど、価値観が現代の素朴で善良なそれなので、亜人たちに対して自分たちと同じ「当たり前」を適応するんですね。ただ普通に人間として接する、人間として遇する、彼らの働きに対して当たり前の報酬を与え、能力に応じた待遇を与える。
その「当たり前」をする人間、出来る人間がこの世界には殆ど居ない稀有であることを知らないまま。
指揮官が先頭で戦うのも、どれほど嫌でウンザリする状況でも最善を尽くすのも、領地を得たらそこに暮らす人々に当たり前の生活を保証するために頭をひねるのも、彼にとっては当たり前の事なのである。その当たり前の事が困難すぎてうまく出来なくて、悩み苦しみ投げやりになったり嫌がったりとジタバタして自分の無能さに七転八倒したりするのだけれど、その当たり前を実行しようとする事自体が並の人間には出来ない、その意志を持てない、持ったとしても維持できない放り出してしまう事だということを、彼は自覚なく実行し続けているのだ。
クロノ自身は自分への評価は決して高くなく、低めですらあるのだけれど、それ故に周りが与える評価とズレが生じてるんですね。また自己評価が低い分、人の意見は良く聞くし、わからない事は専門家に任せて信任できる。
新米士官として、自分が戦場での経験が不足している事を当たり前のように受け止めているクロノは、大事な場面や自分では判断できない所なんかで結構副官であり補佐役である下士官のミノタウロスのミノさんに意見を聞いたり、色々任せたりしてるんですよね。新米士官でありながら、部下の使い方が異様に上手い。
同時に、こうしてみるとミノさんも少尉付き下士官としてメチャクチャ有能なんですけどね。一応貴族であるクロノへの最初の距離感の図り方なんかも慎重だし、経験不足な新米士官への押し付けがましくない教育教授も的確だし、細かい配慮から部隊の実際の運用なんかも卒なくどころかかなり敏腕にこなすし。
お世辞じゃなく、ミノさんて戦場においてはクロノの片腕なんだよなあ。

情けない顔を見せることは多いものの、愚痴の多さとは裏腹にその心底の一番奥底ではどこか飄々とした達観とも楽観ともつかないものを抱えているクロノ。そして本人には自覚ないものの、時折垣間見せる底冷えするような冷たく相手を見定めるような眼差し。どこか掴みどころ無く愛嬌があるような胡散臭いような、このぼんくらスケベな偉大なる凡人のおっかなびっくりの立身出世の戦記物語は、ここからが開幕である。

キャラとしては、やたらとから回る傲岸不遜な皇姫のティリアもいいのだけれど、アリデッドとデネブのポンコツエルフ姉妹がやっぱりアホ可愛くて好きだなあ。

 
12月1日

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