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クロス×レガリア

クロス×レガリア 王威の決戦 4   

クロス×レガリア 王威の決戦 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 王威の決戦】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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ひとつの戦いに幕が降りた。それは謀略も奇策も西王母の力の前にただただ薙ぎ払われる、それだけの結末だった。「俺には取り戻さなきゃならない、守ると約束した助手がいる」馳郎が再起する傍ら、ついに姿を現す白鳳六家、序列第一位・真朱真冬。彼女の登場により、“おに”と人の戦いは馳郎、ジン、西王母―王権を持つものが王の在り方を示す戦いへと舞台を移す。しかし尚も戦況は悪化の一途をたどり、馳郎はナタを守るため!?
あれ? 前回、いきなり壊滅的な状況に追いやられたものですから、そこからワンクッションおいて、さあ反撃、という空気を作ってからラストバトルに突入するかと思ったら、そのまま間断なく最終決戦に。どうやら、確かにあと2巻という構成だったのを無理やりここにまとめてしまったみたい。バタバタと拙速になるかとも危惧したのだけれど、時系列的にも余裕なかったにも関わらず、スムーズに今までの主要な登場人物が勢揃いの総力戦へと移行出来たのは、さすがベテラン作家といったところでしょうか。
こうなると、盛り上げ方は心得ているというべきか、あとはギアをあげるだけとばかりにテンションもうなぎ登り。局面を限定するのではなく、総出演となるキャラクターたちが様々な組み合わせで絡み合い合一し、また刃をかちらせることで、一斉に全方位で火花が飛び散るような事態になってるんですよね。それが面白いことに、渦を描いてナタの解放と西王母との最終局面へと集約していく流れは、読んでいる最中よりもむしろあとから振り返った今のほうが感嘆させられてしまった。それだけに、これが2巻構成だった場合の助走距離、準備段階が取れた時はさらにこれよりも冴え渡り、ド派手な演出になったんじゃないかと思うと、勿体無いという気持ちが湧いてくる。クライマックス演出の腕前については、レンタルマギカなどで証明済みですしねえ。
前回でも絶賛した連華のヒロインとしての巻き返しですが、ナタとの直接ガチンコバトルでほぼ極まりましたね。ダブルヒロイン体制の肝は、場合によっては主人公に対するよりも熱い情熱をもってヒロイン同士がぶつかり結びつく事であります。ともすれば、ヒロイン同士が恋する者同士であるかのように、ぶつけあう熱量は途方もなく。こうして築き上げた無二の友情、共感がヒロインの両立を成り立たせるわけです。
命がけの、お互いに命をかけるに相応しいと思い定めた恋敵との、親友との意思を通し、それを受け取るためのガチンコバトル。ここでの、囚われ人形と化したナタへ、ボロボロになりながら連華がぶつける壮烈な想いは、本当にかっこよかった。いい女の株がストップ高ですよ。
ホント、中盤まで馳郎とナタは鉄板もいいところで、割って入る余地なんて殆ど垣間見えなかったはずなのに、この正々堂々のこじ開けっぷりは、見事の一言でした。
まあ、このヒロイン二人に対して、馳郎とジンの王道と覇道の主人公対決の方は結局突き詰める事が出来なかったかなあ、という印象。最大の理解者同士でありつつ、相いれぬ物同士としてぶつかり合っていたこの二人、その決着がどうつくかについてはとことん突き詰めないとしっかりとした答えは出なかったと思うのですが、局面はナタの救出と鬼仙との共存をどうするか、に比重をとられてしまって、そちら方面に分量を割く余裕がどうも見受けられなかったんですよね。というわけで、結局自然に住み分け、という形に落ち着いてしまった感があります。王道として皆をまとめる馳郎に対して、ジンが選んだ道はなかなかおもしろいものだったんですが、そこに至るまでの馳郎との衝突と結論がでる過程をもっとじっくり見ることが叶うなら、ジンたちの在りようもまたもっと感慨をもって見ることが出来たんじゃないだろうか、とちと勿体無い気分に。
何だかんだと、ジンてば主人公らしく上手いこと悲劇を食い止め、悪い結末を回避してるのが、何とも心憎いことで。なんとなく、ジン本人よりも彼を王と見定めて動いていた隼人の方が、今回のお話では主役っぽかった気も……。妹の北斗とも、心の整理ついたみたいだし。
北斗といえば、リコとの関係が怪しい方向に……。あれ? 単なる親友関係じゃなかったの? あの仲の良さはガチでそっちだったの!?

最後の最後で、あのメチャクチャな白翁の財力を基盤とした交渉に持ち込むところは、実にらしい結論で、痛快であると同時に安心感も覚えたり。やっぱり、力でねじ伏せるのではなく、言葉で納得させるのがパターンでしたもんね。西王母のし掛けた戦争は、やり口からして絶対魔法使い陣営ともこじれそうなやり方でしたし。
でも「その場しのぎ」を女性関係にまで持ち込むのは、悪い男のすることぞw その点は、ジンを見習って欲しいのう。あっちはもう娘さんにロリババアまで抱え込んじゃってるほどなのですからw

シリーズ感想

クロス×レガリア女王の領域3   

クロス×レガリア女王の領域 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア女王の領域】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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リコが姿を消してから間もなく、ナタと馳郎は白鳳六家の重鎮集う「六家総会」に列席していた。馳郎が白翁と認められるための会議は、かつての白翁後継者の乱入により戦況を大きく歪められる。「君は、世界のすべてを敵に回してでも、その少女を守るつもりがあるのかな?」先手を打つは月白弦摩。鬼仙と戦を起こすか否かを切り出す―鬼仙、白鳳六家、白翁候補、底の見えない駆け引きに馳郎は!?役者集いし「六家総会」―始まる。

なんという圧倒的、蓮花の巻き返し!! 今までどうやったってナタ一択だったメインヒロイン枠。蓮花は、すごく良いキャラにも関わらず、ナタと馳郎の関係がどうやったって横槍の入れようがないほど密接なものだから、報われないヒロイン臭を垂れ流しにするほかないままだったのですが、ここに来てその「報われない」を逆手に取って、これでもかと報われなさを強調した上で、それでも構わないという健気さを爆押しすることで、ストーリー的にもナタや馳郎の心情的にも無視できない存在感を立脚させてきたってなもんだ。
蓮花自身が、最初の立ち位置からしてもう挽回しようのないところから始まってしまっている、と認めている上に、半ばその立ち位置に納得していることが、尚更蓮花の健気さを後押しする効果になってるんですよね。見返りを求めること無く、自分の持っているもの、立場なんかを全部投げ捨てて、初めての恋に殉じようという少女の姿に心打たれないはずがなかろうて。
思いの外、蓮花の存在を馳郎もナタも気にしていたのにはちょっと驚いたけれど。異性に対する意識としては、馳郎はナタ以外に眼中にない、とは言わないまでも蓮花の事まで意識するような余裕はなかったと思ってたし、ナタはナタでそこまで蓮花をライバル視、というか恋敵として慮っていたとは思っていなかっただけに。ナタは、件の女子会が大きかったんだろうか。馳郎は、お前さん意外と気が多いのな、と思う所だけれどw
さて、今回の話のキモは、白鳳六家の「六家総会」ということで、改めて白凰内でゴタゴタがはじまるのかと思ったら、自体は輪をかけて大きくなり、オニと鬼仙の戦争待ったなし、という開戦前夜の様相を呈し始めて俄に緊張が膨らむことに。いや、オニと鬼仙の関係ってあくまで休戦期というだけで戦争状態は継続しているという認識だったのね、両者とも。特に、鬼仙側は長命なだけに殆どが戦争の当事者でもあるわけで、過去の出来事とは行かないわけだ。しかも、その戦争の原因がまた予想外のもので、馳郎は目論見を外してしまうことに。個人的にも、馳郎の交渉力があったら、オニと鬼仙の対立って致命的なことにはならないと踏んでいたので、こっちとしてもこの事態は予想外だった。しかし、ここで語られている「土地」の問題っていわゆる「魔法使い」たちのお話でも度々取り沙汰されていたアレと同じ種類のものだよね。今のところあっちサイドとは不可侵の関係を保っているみたいだけれど、オニと鬼仙でこれ取り合って戦争まで辞さない状況になっているとなると、いつまでも無関係では居られないんじゃないだろうか。そのうち、そっちサイドとも関わってきそうだなあ、これ。
ともあれ、目下の敵はかの有名な女仙の長。この名前のついたキャラって、概ねどの作品でも温厚で抑え役に回ってる場合の方が多かったんだけれど、この西王母さまはまたアグレッシブにヤバげじゃないですか。ってか、蓮花が思っていた以上に良い所のお嬢さんだったのね。文句なしにお姫様だったんじゃないか。
白凰六家側も鬼仙側もやる気まんまん。しかも、今の白凰にはジンたちの一派も独自に動いている。馳郎は、後手後手に回った挙句にガードのお仕事も果たせず完敗を喫してしまう。いわばここがどん底か。となると、あとはもう挽回していくばかり、という前向きな気持ちになれればいいんだが。ここからこそ、馳郎の主人公としての面目躍如を期待したい。

シリーズ感想

クロス×レガリア 双貌の王3   

クロス×レガリア  双貌の王 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 双貌の王】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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夏期補習を受ける馳郎のもとに初めてまともなボディガードの仕事が、リコの後輩・土師さやかから舞い込む。俄然やる気をみせるが、その内容は恋人のフリで…。ナタも蓮花も気が気でない!そんな乙女心も露知らず、馳郎は頼られる喜びを噛みしめ依頼を遂行する。しかし幸福な時間も束の間、辿り着いた先には白鳳六家の第二位・月白弦摩が。真の依頼主が告げる思いがけない提案に馳郎は!?
えーっ、そっちなの!? ナタや蓮花たちと微妙な距離感で恋愛事を営んでいる馳郎の一方で、彼の対極となるジンはというと、ウーという可愛い嫁さんだけじゃなく、さらに娘まで出来ました、ってなんでライバル組の方が着々と家族作ってるんですかっ。馳郎くん、こっちがもたもたしている間にあちらときたら子供までできちゃいましたよ、どうすんですか。
というわけで、小さな女の子を拾ってヒロインと擬似家族を形成するのは主人公の特権だと思い込んでいた固定観念を盛大に打ち崩す、まさかのジン・ファミリー拡大編。いや、これはジンこそが馳郎に並ぶもう一人の主人公なのだという事実を明快にしたということなのかもしれません。双貌の王、というサブタイトルもまさに馳郎とジンの二人を指したものでしょうし。初登場時はジンってあまりに独自のルールにより過ぎてて、同じくぶっ壊れたウーみたいな子しかついていけない孤独の王になるキャラクターなのかと想いましたけれど、思っていた以上にカリスマの塊というか、同じくはぐれ者である逸脱者たちを強く惹きつける、まさにもう一人の王だったわけだ。いや、娘が出来ました、だけじゃなくてまさか隼人兄ちゃんまで魅了してしまうとは。
ジンも馳郎もまったく対極の立ち位置にいながら、だからこそ両者とも白にも黒にも染まらずに、灰色である事は全く同一なのか。ジン・ファミリーばかり目立ったような今回の話ですけれど、一方で馳郎の月白弦摩への対応なんか見ていると、老獪だとかそういう段階を通り越していて、その考え方とか視点の高さというのは怪物的でもあるんですよね。より血まみれの方向に寄っているからジンなんてひどく壊れたモンスターに見えますけれど、ベクトルが違っているだけで馳郎のそれも全く位相を異にしてるんですよね。こればっかりは、どれだけ戦闘力が高くても、謀略に長けていても、政治力が妖怪じみて居ても関係ない。実際、月白弦摩という長老は本来ならラスボスレベルの黒幕を担えるだけの能力と人品骨柄の持ち主なんですよね。それを、今回主導権はこちらが握って居たからとはいえ、完全に制してみせたわけです。いや、主導権を握れたのも、馳郎だからこそか。こればっかりはなるほど、王の器としか言い様がない。勿論、どうやら弦摩翁も大人しく付き従っているようなタマではなく、狂気と理性と激情と聡明さを兼ね備えた実に味のあるキャラクターで、今後も敵味方の括りを逸脱したところから状況を引っ掻き回してくれそうな実に頼もしい人なのですが。
何れにしても、着々と一団を形成していっているジン・ファミリーは今度目が離せないなあ。ちょっと馳郎サイドで味方にはなってくれなさそうだけれど、そのままフェイドアウトするには勿体無いと思えるような濃いキャラクターを、こちらでどんどん拾っていってくれそうですし。

さて、ナタに遠慮しているように見えて、実は着々と距離を物理的にも精神的に縮めていっている蓮花さん、自覚的になっている分、可愛さがどんどんアップしてるなあ。ナタが手を休めているわけではないので、その分蓮花の猛攻が目につくのかもしれません。いい具合にダブルヒロイン化してきたか。でも、馳郎の本命はナタから揺るがなさそうなのが、蓮花には辛いところなのですが。

シリーズ感想

クロス×レガリア 海神の遺産 3   

クロス×レガリア  海神の遺産 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 海神の遺産】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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「何々、宝の地図とか?」馳郎と北斗の話を聞きつけた生徒会一同は、先代白翁が遺した謎の地図を手掛かりに鬼無里海岸を訪れる。宝探しをする一方、リコや蓮花などお馴染みのメンバーは、水着に着替えて大はしゃぎ。初めて目にするナタの水着姿に思わず目が眩む馳郎…だったが、それも束の間。謎の「人魚」の魔の手が迫る!!かつてない巨大な敵に翻弄されるなか、馳郎がとる鬼仙兵器・ナタの力を解放する秘策とは!?
今回のラスボスって、パタリロに出てきた少佐とか、ジョー・ディクスン・カーのフランス人探偵に似てますよね、と意味なく呟いてみる。いや、ほんとに意味ないんですが。
順当なりし水着回。朝葉の煽動で、宝探しを目的として海に合宿に行くことになった生徒会メンバーとその他諸々。というか、その他諸々の方が本作ではメインのキャラたちなのだが。【イスカリオテ】でもそうだったけれど、生徒会の本筋には踏み込んでこないものの、常に至近距離には居続けるという立ち位置はなかなか興味深いところです。その距離が近いが為に、前回など朝葉がもろに巻き込まれたりもしたのですが、かと言って必要以上に此方側の事情に踏み込んでくるわけじゃないんだよなあ。かと言って、距離を置くには人間関係的にもう不可分になっているし。ただ、生徒会長の一姫の不可解な体質なんかを見ていると、少なくとも彼女についてはなにか裏設定がある気がしないでもない。鬼仙の筋はさすがにないだろうけれど、<おに>関連ならありそうだし、この世界には<魔法使い>という一群もいることですしね。
しかし、言動や影響力だけ見ていると、何故か庶務である朝葉の方が生徒会長に見える不思議。実質牽引してるのって明らかに朝葉じゃん。そんな朝葉にずいずいと振り回されるのが、案の定馳郎であり、意外とナタや傍若無人に見える蓮花も肝心な所で受け身側だったりする。北斗もこっち側だな。一方で、最近やたらとガンガン行こうぜなところが露呈してきているのがリコなんですよね。最初の頃は健気に義兄をサポートする妹ちゃんだったのに、北斗と再会したあたりからかなりノリノリになってきましたよねw
個人的には北斗は本気で男でも良かったかなあ、と思わないでもないんですよ。リコと北斗って本当にお似合いなので、馳郎が独白しているみたいに、いっそ本当に彼氏でも良かった。
でも、さり気なく一番乙女な気質なのって、ナタをも抜いて北斗なんだよなあ。リコと蓮花のゲテモノ食いトークに完全に置いてかれて涙目な北斗についつい萌えてしまいました。もっとキャッキャウフフなガールズトークしたかったろうに。幼い頃から兄に好きなものを奪われ続けてきた影響で、微妙に賤しいところがあったりするのも、これはこれで可愛かったりするので……リコさんリコさん、ヒロインらしいところ持ってかれてますよ。

とまあ、リコがはっちゃけてヒロインとして大事なものを盛大に落っことしつつある昨今ですが、逆に恋心を自覚してえらい勢いでデレはじめているのが、蓮花さんであります。あんた、もうデレっデレじゃないですか。
そもそも、元々関係ないのに合宿に自ら乗り込んでくるあたりで、彼女なりの必死さが伝わってくるのですが、ある程度一緒に遊べたことに満足してしまって、そこから踏み込めずに指を咥えてウロウロしている時点でこの娘、アレである。微苦笑が浮かんでくる。
いやまあ、仕方ないといえば仕方ないですよ。傍から見てると、馳郎とナタの間には全然入り込める余地ないですもんね。気持ちが通じ合いすぎてますもん。むしろ、よくまあこの状況から馳郎によく自分をアピールして存在感捩じ込んでる方だと思いますよ。
ナタとは別の意味で、蓮花も鬼仙の世界からは爪弾きにされたような子らしいので、馳郎たちとはもっとよく馴染んでほしいものです。此方側からもちょっと距離を置いてしまうと、何気にぼっち化しちゃいますもんね。その意味では、今回の合宿を通じて馳郎やナタだけじゃなく、他のメンツとも好を繋げられたのは色々とホッとさせられるものがありました。リコや北斗とも仲良くなったしね。

で、こいつはどうするよ、太乙真人。この人、とにかく迷惑な人なのね。一貫して黒幕やっててくれるなら、そういうヤバい奴なのだと警戒してりゃあ楽なんだけれど、別にいつも企んでるわけじゃないんだよなあ。というか、完全に中身子供だろう、この人。意外と、扱い方覚えたらチョロいような気もするんだけれど、敵にしても味方にしても、どっちつかずの場所に据えても、ひたすら面倒くさそうで参るなあ。

三田誠作品感想

クロス×レガリア 死神の花嫁3   

クロス×レガリア    死神の花嫁 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 死神の花嫁】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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ナタを襲う「もう一人の鬼仙兵器」ウー。その正体に驚いたのも束の間、突如戦いに介入してきた「殺し屋」灰岡ジンは衝撃的な事実を語る。「実はさ。本当は、俺が白翁になるはずだったんだ!」殺し合うように愛し合い、何者をも寄せ付けない強い絆で結ばれた最凶の恋人たち。何故彼らは出会い、そしてナタと馳郎の前に現われたのか?そこには鬼仙兵器を創りだした張本人・太乙真人の思惑が絡んでいた…。宿命の対決が幕を開ける。
ああ、もう完全にジンとウーは、馳郎とナタの反転存在なんだ。その考え方も思想も何もかもがアンチテーゼでありながら、相似的。それ故に強く惹きつけられ、相容れない。親友にして、不倶戴天。だからこそ、ジンの存在は馳郎の生き方そのものを暴き出し曝け出す。その矛盾も、懊悩をも引きずり出す。だからこそ、だからこそ、目をそらさず向き合えば、生き様はより鋭く研ぎ澄まされ、より磨き上げられ、揺らぎも迷いも削り取られ、確固としたものになる。
完成する。
自分は、こう生きるのだという確信を得る。信念を得ることが出来る。覚悟を、整えられる。
その意味では、ジンと馳郎という二人の少年はこれ以上無くお互いを必要としていたのだろう。ただ、独り同士であったなら、果たしてこれほどまでに断固として向き合えただろうか。目をそらしたくなるもう一人に自分に、立ち向かえただろうか。故にこそ、支えてくれる相棒が必要だったのだろう。その生き様に、証を与えてくれる人が必要だったのだろう。彼らの傍らに、彼らの生き様が救った体現者であり、最大の肯定者が存在したのもまた、必然だったのだろう。
しかし、真っ向から向き合ったからこそ、最後の最後に、いやある意味最初から相手にもしていなかったというのは、馳郎という少年の面白さを物語っているように思う。真っ先に自分から渦中に飛び込み、傷だらけになって走り回るくせに、彼が本当の意味で振るっている武器は奸謀なんですよね。というよりも、戦略家というべきか。状況が始まっているときには、既に最終ターンまでシナリオがほぼ決まっているわけですから。まさに、試合が始まった時には既に勝敗は決まっている、というやつである。
それでありながら、シナリオ進行の過程でほぼ間違いなく自分自身が血まみれになることを覚悟しているどころか、ほとんど前提にしてしまっているあたりは、リコがそろそろ心配のあまり若いみそらで胃に穴でもあけてしまうんじゃないかと、そっちの方が心配になる。
まあでも、痛快である。こういうやり方は、特に自分が舞台を整えた脚本家であり演出家であり監督であると思い込んで疑わない大物ぶった黒幕が居るほど、余計に映える。何しろ、自分こそが駒を手のひらの上で踊らせて遊んでいたと思っていたら、自分の方が手のひらの上に乗せられて転がされていたのだから。
馳郎は、いつも目先のことで手一杯な一プレイヤーとしてしか振る舞いを見せないものだからどうしても忘れてしまうのだけれど、彼こそが常にゲームマスターなんですよね。そうなり続ける努力と奸智を絶やさない。
大した主人公です。
しかし、カエアンは登場した時はもっとシステマチックな機械然とした存在なのかと思ってたら、またこう……生きてきたものですなあ。「プリーズ」は、どうしてもアレを思い出すところですけれどw
蓮花もラストで自分の気持を自覚してしまったようですが、これは辛いなあ。いや、どう考えてもナタと馳郎の間に割り込む余地がないだけに。

シリーズ感想

クロス×レガリア 滅びのヒメ3   

クロス×レガリア  滅びのヒメ (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 滅びのヒメ】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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互いにほのかな想いを意識しつつも「相棒」関係を継続中の千円ボディガード・馳郎と最強兵器・ナタ。だが最近、ナタはある奇妙な感覚に夜ごと悩まされていた。時を同じくして鬼仙のお嬢様・蓮花が根城とする中華街では奇妙な事件が頻発。馳郎は調査協力を依頼されるが…。「だって吸血鬼だもの。血を吸うのが当たり前でしょう?」馳郎の前に現われた深紅の妖鳥、朱色の魔獣を操る最凶の来訪者。彼女に対し馳郎がとる策とは。
へぇ、哪吒太子と蓮華の花ってそんなに縁が深いのかあ。と、哪吒太子や今度登場した黒幕格についてwikiなんかを覗いていたら、思わぬエピソードに行きあたってしまった。
これって、場合によってはナタと蓮花は不可分とも取れるんですよね。この三巻での蓮花のヒロインっぷりを見る限り、思いの外蓮花のポディションって高いのかもしれない。サブヒロインじゃなくて、メインヒロインの片割れと呼ぶに相応しいくらいには……いや、さすがにそこまでは行かないか。この【クロス×レガリア】では、馳郎とナタは殆ど相思相愛と言っていいくらいの関係で、如何な蓮花やリコでも割って入るのは難しそうですしねえ。
それでも、今回の主席ヒロインは蓮花で揺ぎないでしょう。二巻で出番なかった分、ほとんど独り舞台と言っていいくらいに蓮花がヒロイン枠を独占。不老長寿の鬼仙のくせに、実はリアル十六歳とか反則だよなあ。しかも、これだけ感受性が強い子だと、長生の民である鬼仙の中じゃあそりゃあ浮いちゃうだろうねえ。ただでさえ、お姫様ということで腫れ物扱いされていたんだろうし。そこに、自分の尖った性格を否定せず、しかしおもねらずに率直に受け止め肯定してくれる馳郎の存在は、そりゃあビビッと来ちゃったろうねえ。この主人公は、孤独で寂しがり屋の女の子には特にキラー属性を発揮するようだ。考えてみると、リコや北斗もその傾向が強かったもんなあ。
その点、敵として現れた謎の少女は、馳郎の得意分野からは大きく外れたキャラクターと言えるのだろう。この娘に関しては、敵とはいえ全然フラグが立つ様子がなかったもんなあ。その理由が相性が悪いというだけではなかったことは、ラストに判明するのだけれど……この子の正体についてはさすがに度肝を抜かれた。そもそも、あの黒幕格が出てきた時点でナタの名前が伊達でも何でもないある意味「本物」であることはわかったんだけれど……ガチ仙人じゃないか。
このシリーズ、あの【レンタルマギカ】と同じ世界観というだけあって、「仙人」という存在については完全にこの世のものではないという認識が出来上がっていたんで、あの名前見たときは愕然としましたよ。
あの謎の女の子も「ウー」と名乗っていたものだから、どちらかというと「无」を意味する名前だと思ってたんですよねえ。
でも、よくよく考えてみると道教の世界観見渡して「哪吒太子」に伍するような戦闘キャラっていったら、まずなにより「こいつ」以外考えられないんですよね。その意味ではまったく打倒な人選といえばそうなんだけれど……それでもこの正体は意外だったなあ。
ん? だとすると、この子とコンビを組むことになるあいつは、陳褘さんってな当てになるのか? 特に当てはめる必要はないんだろうけれど、そんな風に想像すると面白いなあ、という話で。

そういえば、【レンタルマギカ】と同じ世界観ということで、ついに「魔法使い」が登場してきましたねえ。こう、違う作品がクロスしてくるとワクワクしてくるんですよねえ(笑
このままより世界の裏側に踏み込んでいくならば、鬼仙やおににかぎらず<協会>とも関わることも増えてくると言明されてますし、いつかはゲストキャラとして【レンタルマギカ】のキャラが出てきてくれたら嬉しいなあ。

1巻 2巻感想

クロス×レガリア 嵐の王、来たる4   

クロス×レガリア  嵐の王、来たる (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 嵐の王、来たる】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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人の氣を吸う「鬼仙」の少女ナタ。彼女を護ると決意した馳郎は、莫大な資産と権力の後継者となった。だが義妹のリコに言われて出席した白鳳六家との顔合わせの場で、第四家・空の家の次代当主である北斗がいきなり攻撃を仕掛けてきた。風を操る「おに」=異能者からリコを護るため、馳郎とナタがとる秘策とは?そして戦いの中で互いへの想いを意識し始めた2人の関係は…?さらにスケールアップ、興奮加速の第2巻。
なるほどなあ……いやね、第一巻を読んだ限りだと、まだ馳郎という主人公にどうしてわざわざ「ボディーガード」なる役割を担わせたのかよく分からなかったんですよね。正直言って、鬼仙や「おに」と呼ばれる異能者たちに比べると、馳郎って一段も二段も力落ちるじゃないですか。もちろん、弱者が強者をいてこますというのはカタルシスを得るに一番の展開ですけれども、それって結局どうしても最終局面での話になるじゃないですか。それがボディーガードという仕事だと、わりと冒頭から格上の敵の攻撃を凌いでいかないといけない展開を強いられるわけです。しかも、護衛対象が鬼仙やおにの関係者の場合、馳郎が守る相手の方が馳郎よりも強かったり、優秀だったりするケースが多発するわけですよ。それって、どうにもアンバランスじゃないですか。
そも、馳郎は無辜の一般市民というわけじゃなく、この度白翁という立ち位置に収まったわけですから、特殊な状況に置かれ、鬼仙やおにとトラブルになる理由付けなど探せば枚挙の暇もないですし、だいたい誰か大切な人を守る、という行為など、意志と決意の一つアレば行うに十分なもののはず。
なのに、なんで弱いのに、他に特別な地位を持っているのに、「守る」事を「仕事」としてこなそうとするのか。それも、千円なんて端金で。
その意味が、一巻を読んだ段階ではまだよくわかっていなかったんですよね。それが、この2巻を読み、新たな護衛対象との絡みを見て、ようやく理解できた気がします。何故、馳郎は「ボディーガード」でなけりゃならなかったのか。

一巻のナタも、そしてこの二巻で馳郎に守られる人も、自分の価値を極度に低く見ている、というよりも自分を諦めてしまっている人でした。そして、自分の価値を見失ったまま井戸の底のような暗闇から、ぼんやりと光の差し込む先を見上げているのです。何の価値もない自分と違う、眩しい光に憧れながら。
そして、彼女たちはその憧れのために、容易に自分を使い潰そうとするのです。価値のない自分を費やし尽くして。
そんな彼女たちだからこそ、「守られる」必要があったのです。
力や能力なら、間違いなく馳郎なんかよりも、ナタたちの方が上回っている。ただ、その身を守るなら、馳郎が守る必要なんて何処にもなかった。でも、たとえ弱かろうと、ナタたちには「守られる」必要があったんです。君たちは、誰かに守られてもいいんだよ、と言ってあげる必要があったんです。
無価値なんかじゃない、兵器だろうと関係ない、鬼仙でもおにでも関係ない、ただ一人の人間として、他の誰かに守ってもらってもいい存在なんだ、と伝える必要があったのです。
そのための、馳朗の「ボディーガード」なのでしょう。
つまるところ、彼の仕事の意味とは価値あるもの、大切なものを守るのではなく、守ることで価値を与えること、人としての尊厳を与える事だったんですな。それも、ただ与えるだけじゃない。一方的な強制じゃなく、仕事として依頼を受けるという形を保つことで、自分への諦めを自分の意志で覆すきっかけを与える、自分の心の奥底に眠らせていた、助けてほしいという思いを汲み上げる事が叶っている。
確かに、それは白翁という地位だけでは出来ないこと。ボディーガードという仕事をしてなきゃ無理だよなあ。

とはいえ、本当に弱いだけならボディーガードなんて成り立たないわけで。わりと前回は役立たず度の高かった馳朗だけれど、今回は頑張る頑張る。圧倒的なまでの強敵相手に、圧倒されながらもギリギリの瀬戸際で粘り、土俵際を割らせない。殆ど「カエアン」の機能のおかげとも言えますが、いやもうカエアン万能すぎ! とも思いますけれど、それでもうまいこと使いこなしてるんじゃないでしょうか。その粘り腰たるや、良かった良かった。
そして、此処ぞという場面での勝負強さ。能力が凄いとか、精神が強靭というのとはぜんぜん違う、発想に制限をつけない野放図さ、というべきか、あの馳朗の強味というのは。その上で、異様に徹底的な部分が際立ってるんだもんなあ。ラストのあれなんて、個人要塞(ワンマン・フォートレス)を通り越して、個人要塞都市の領域に達してませんか、あれ?w
ナタが今回、かなり力の行使に制限が付け加えられていた分、だいぶ馳朗は頑張ったんじゃないかと。ナタの強味とも言うべき、アンチ鬼仙戦能力が「おに」相手にはまったく意味が無いというのもあるんでしょうけれど、残りMPを計算しながら、みたいな戦い方だったもんなあ。それはそれで、より戦闘シーンでの戦術濃度が濃くなってテクニカルに面白くなるんですけれど。

先日、助手になったばかりのナタも、こうして見ると息がピッタリあったコンビネーションで。それ以上に、もう一緒にいる時の雰囲気が完全に夫婦レベルなんですがw ナタの気持ちはどうなんだろう、と穿ってたんですが、あのやり取りを見る限りは、もう本心は固まっちゃってるんだ。自分の立場などを鑑みて、押さえつけているようだけれど。三田さんは、わりとカップリングは鉄板で揺らさないので、リコはこのままだと自分で思っているとおりに気持ちは秘めたままになりそうだなあ。
その考えがあったせいか、てっきりリコには早めに別フラグが立てられているのかと思い込んで、全然その素性に疑いを持ちませんでしたよ。わずか二巻で妹キャラに相手できるのか、斬新だなー、と結構驚いてたのに!w
実は結構お似合いで、ニヤニヤできるカップルになるんじゃないかと思ってたのに!w
やられたw

1巻感想

クロス×レガリア 吸血姫の護りかた4   

クロス×レガリア  吸血姫の護りかた (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 吸血姫の護りかた】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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中華街の片隅で2人は出会った。少年の名は戌見馳郎、トラブル解決を1回千円で請け負う学生ボディガード。少女の名はナタ、自称仙人。ナタを護ると決めた馳郎の、平和な日常はわずか一週間あまりで終わりを告げる。人の氣を喰らう吸血鬼、“鬼仙”と呼ばれる者たちの襲撃。彼らの目的は、鬼仙を無力化できる最強最悪の兵器―ナタを狩ることだった。「レンタルマギカ」の三田誠が描く圧倒的スケールの新シリーズ、開幕。

うははは、こりゃあいい。なんて主人公だ。ある意味、三田誠プロデュースの主人公らしい在り方で方向性としては【レンタル・マギカ】のお兄ちゃん社長の側で、目的を遂げるための手段の問わなさについてはイツキと同等なんだけれど、それにしても突き抜けてる!! 正直、主人公が本気になったあとのやり方には心底ぶったまげた。主人公が真の力に覚醒! という一般的パターンから想起された展開からするならば文字通り180度ベクトルが違ったんだから、あっけに取られてぽかーんと口を大開にしてしまったのも仕方がない。思わず馳郎と相対した敵さんとシンクロして度肝を抜かれてしまったと言っていい。
いやはや、ぶっ飛んでるにも程がある。一周回って大笑いして、あまりの痛快さに拍手喝采打ち上げてしまったよ。偉業の存在や異能の者たちに対して、少数を圧する大勢にして地上最大の繁栄を成立させた人類の力を、種としての力、集団としての力として語られるケースはいくつも見てきたけれど、それをこんな形で濫用するパターンは全く以て初めて見た!!
絶体絶命の閉塞を打ち破る展開は、いずれの場合も胸のすくようなカタルシスを感じるものだけれど、ここまで予想外のやり方でぶち破られると、不意を突かれた分通常よりもぶっ飛んだ気持ちにさせられて、いやはやたまらんね!!
しかし、この馳郎の持つ『真の力』は、滅茶苦茶に扱いが難しすぎて、よくまあ作者もこんなのに手を出したもんだと感心させられる。馳郎自身が直面する『力』の制御、取り扱いの困難さのみならず、物語を進行させる上でもこの『力』はいろいろな意味で便利すぎて、ピーキーすぎるんですよね。作者自身としてもこれは「魔手」すぎる力なんですよね。もっとも、この『力』の扱いについては【レンタルマギカ】を手がけた三田さんなら猛毒とせず劇薬として存分に使い倒してくれるに違いないという信頼感には揺るぎないものがございますが。

そう言えば、【レンタルマギカ】と言えば、あっちのあとがきで本作の紹介をしていた時に匂わせていたのでもしかして、と思っていましたが、何気にあちらと世界観、共通している?
本作に登場するのは主に「鬼仙」という仙人の一種なのですけれど、どうやらそれとは別に協会派の魔法使いなる存在も実在しているらしく、これって間違いなく【レンタルマギカ】サイドですよね? 今のところ何の関係もないとはいえ、世界観が共通しているならばいずれ何らかの形でクロスしてくることも可能性として準備できるわけで、なんだかワクワクしてきますよ!?
そんでもって、面白いのは世界観が共通しているにも関わらずあちらが純然とした魔法の世界に対して、此方のお話は中華の仙術道術であり現代科学と近未来技術のSFの混合/ハイブリッドの世界なんですよ。
ナタたち鬼仙たちが使う鬼宝という仙術兵器は、まさに「宝貝」そのもの。西遊記や封神演義で見たことのある仙具が当たり前のように飛び交うさまは、中華ファンタジー愛好者としては胸熱くなるばかり。
そもそも!! ヒロインのナタからして、その名前の由来となったのはあの中壇元帥・哪吒太子その人である。マジで本物の最終兵器じゃないかい!! こんな名前つけるって鬼仙たちがどれだけ本気でリーサルウェポンのつもりで作ったか理解できるというものである。「乾坤圏」とか「火尖槍」などを、小説の、しかも現代ファンタジーで見受ける機会に恵まれるとは、テンションもあがるわ!
その一方で主人公が身に付けている特殊な服の名前が「カエアン」……これ、SF者ならば即座に気がつくんじゃないでしょうか。ちなみに、私はまだこれ未読なんだよなあ。いや、多分ほんとに子供の頃に読んだかもしれないんだが、全然覚えてなかったw
しかし、わざわざこれに「カエアン」とか名前を付けるあたりに、終盤の展開も相まって、本作が中華ファンタジーとSFの並列混在を然としたお話にしてやるぜ、という強烈な意思表示を感じて、これまたテンションあがってしまいました。それが【レンタルマギカ】とつながっているとなると、さらにワクワクしてくるじゃないですか♪
仙人や吸血鬼の在り方が向こうと結構食い違って言うのもまた興味深い。
ってか、これが吸血鬼モノだったんですよね。全然そんなイメージなかったよ。三田さんが吸血鬼モノを書くとこうなるのか。ってか、血は吸わないもんなあ。ほっぺたペロペロ舐めてただけじゃないか。ぺろぺろぺろ。
ナタはかわいいなあ……。ゆーげんさんのイラストはなかなかに凶悪である。ヒロイン衆も揺るぎないメインのナタに加えて、蓮花に妹ちゃんと強力なのが一揃。蓮花あたりは明らかにヒロインとして強キャラなので、まさかアデリシアみたいにメインを食っちゃうことはなかろうけれど、三田さんはデレさせた後が滅茶苦茶可愛く書きなさるので、色々な意味で戦々恐々ですよ。
という訳で、期待の新シリーズは期待通りにスタートでした。

三田誠作品感想
 
12月2日

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