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コバルト文庫

鳥籠の王女と教育係 〈国守り〉の娘3   

鳥籠の王女と教育係 〈国守り〉の娘 (鳥籠の王女と教育係シリーズ) (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 〈国守り〉の娘】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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それぞれの恋が交錯する――!! エルレインと同じ時を生きるため、ゼルイークが魔法使いをやめると言い出した! そんな中、エルレインの亡き母で元<国守り>のレリが生きているという情報が…!?
アレクセルがオルフェリアに対していまいち反応が鈍かったのはちゃんと相応の考えがあったからなのか。性格イケメンのアレクセルからして、オルフェリアへの曖昧ではっきりしない態度は妙だな、とは思っていたんだが、確かにオルフェリアの真っ直ぐな性格では宮廷内のドロドロの権謀術数の渦中に置かれると精神的に疲弊しそうだ。好きというだけじゃあなかなか乗りこなせない。その点、エルレインは性格悪いし、清濁併せ呑むのも難しくはなさそうだし、次期王妃としてもピッタリだったわけか。でも、アレクセル、一目惚れして嫁に貰いに来たくせに、もしエルレインの性格が大国の宮廷向きじゃなかったらどうするつもりだったんだろう。あっさり諦めたんだろうか。……意外と未練がましく悩んだのかもしれないな。だって、オルフェリアへの態度からしてそんなところある感じだし。あれだけ好き好き光線出されておきながら、突き放すこともなく微妙な距離でマゴマゴしていたのをみてしまうとねえ……結構女の子にはいい顔しておきたいタイプなのかしら。
ともあれ、オルフェリアだって小国とはいえ市井の娘ではなく、それなりの貴族の娘なんだから大なり小なり宮廷内の駆け引きには関わらなきゃいけない立場。なら、清水の舞台から飛び降りるのも一つの手ですよ。アレクセルに対して、あんなコトまで言っちゃったんだから、そこんところ覚悟はしているはず。あとは、アレクセルの甲斐性ですよ。そして甲斐性なら、王子はゼルイークなんぞよりよっぽど持ち合わせているはずなんだから、大丈夫大丈夫。
さて、肝心のゼルイークとエルレインのカップルの方は、なんだか消化試合に入ってきたというか、そろそろ各障害も結婚までの身辺整理とか通過儀礼の様相を呈してきた気がする。何をするにしても、着々と二人が添い遂げるまでへのステップになっているというか。そう思うのも、ついにゼルイークが最後に発したセリフのせいか。
いい加減、クライマックス来たなあ。
レリの件についてはエルレインたちの悩みこそ深かったものの、どうもこの一件自体とってつけたような話で、蛇足っぽかったなあ。

鳥籠の王女と教育係 魔法使いの選択 3   

鳥籠の王女と教育係 魔法使いの選択 (鳥籠の王女と教育係シリーズ) (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 魔法使いの選択】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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隠されていた王子の悲壮な宿命とは!?
婚約解消が認められず、エリアルダ滞在中のエルレイン。そんな折、本来弱いはずのアレクセルの魔力が増大を始めた。それは彼の「コイズ」の宿命によるものだった。「コイズ」の意味するものとは!?
大荒れ。これは、アレクセル王子の株がストップ高になるのも仕方ないです。アレクセルの母親がエルレインに投げかけた問いかけは、重かったなあ。そうなんだよなあ。「コイズ」の要素が絡むと、ゼルイークとアレクセルの背負った負債というものには遜色ない事になるんですよね。当初、エルレインがアレクセルとゼルイーク、どちらに対しても向ける好意にあまり差がなく、エルレインの語るところによるとゼルイークへの恋が決定的になったのが彼が眠りについてその存在が失われることを実感してしまった事による、というのなら、エルレインがアレクセルに同じように恋に落ちる可能性は決して低くなかったわけだ。まさに、タイミングとしか言いようがない。それ以上に、コイズについて一切語らず、身を引いたアレクセルの侠気がより引き立ってしまう。エルレインにとってもゼルイークにとっても、アレクセルの存在がある意味お互いに比肩する、あるいはそれ以上にかけがえのない人であるということは共通認識としてある訳で、そりゃそんな話を聞かされた上にコイズが実現化しそうになってる、となっちゃあ二人はまず何よりアレクセルを最優先にするよなあ。二人にとっては、二人が結ばれるよりも大事なモノがアレクセルの存在にはあるって事だ。でも、そういう人を愛する人以外に持ち得るというのは、それはそれで幸せなのかもしれない。アレクセルからすれば忸怩たるものがあるだろうけど。
それに比べて、あの魔王の未練がましさといったら。しつこい男のみっともなさほど見苦しいものはないよなあ。アレクセルの爪の垢でも煎じて飲んでみろってんだ。本当にもう、ネチネチネチネチと気持ちの悪い嫌がらせばかりしよってからに。魔王というよりも間男じゃないか。どこに王らしさがあるってのか。
ゼルの姉もねちっこいし、魔族ってのはみんなそんななのか、と思ってたんだが、ゼルイークの父親であるイチの王は全然違いましたね。というか、この人はなんか普通に父親してたなあ。もっと人智を超えた、人間の常識が当てはまらない存在を思い描いていただけに、ちょっと意外というか拍子抜けだった。でも考えてみたら、人間との間に子供をつくるくらいなんだから、メンタリティは人間に近いのも当たり前か。幸い、あのクズと違ってまともな方向に人間に近かったようだけど。でも、子供の教育は娘も息子も失敗してるっぽいけど。

響野夏菜作品感想

姫婚オールアバウト3   

姫婚オールアバウト (コバルト文庫)

【姫婚オールアバウト】 野梨原花南/雪リコ コバルト文庫

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バツイチ姫の再婚ファンタジー!
10歳でクーヴ国の王子に嫁いだものの、革命が起きて王家が滅亡、バツイチになったレッカ姫。街中で静かに暮らしていたが、ある日、父王から呼び出され、西の山の魔王と再婚するように言われ…!

エピローグで突然はじまった展開に、え? 何が起こってるの? と目を白黒させていたら、最後の一文が目に入って、お腹を抱えて大笑い。なにこれ、そういう話だったの?(爆笑
【ちょー】シリーズのラストもそうだったけど、野梨原さんって締めの一文に時々必殺の威力を持たすよな。華麗にして鮮やかな幕引き。その見事さに、読み終えたあとにちょっと浸るかのような放心に陥るくらいの。
に、してもだ。中身を読むと上のウェブ上に掲載されてた簡潔なあらすじ、大きく間違い過ぎじゃないか? 革命なんか起こってないし、父王に呼び出されて再婚しろとか言われてないじゃないですか。呼び出しがあったのは確かだけど、その内容は「王の娘を嫁に、と言ってきたので、一度王宮に顔出してよ、家族会議するから」というもので、特にレッカを指名しての事じゃなかったにも関わらず、レッカ姫は王宮に向かわず直接魔王の住む西の山へと向かっちゃうわけだ。
これは自己犠牲でも蛮勇でもなく、レッカが過去を克服するために自らに課した試練であり、半ば癒えたとは言え、未だ根強く彼女を苛む心の傷に決着を付けるための戦いである事が先々分かってくる。奔放で自由闊達に見える姫様が抱える心の傷。かつて、まだ幼かった彼女がどれだけ残虐に、惨たらしく心をズタズタに引き裂かれていったかの回想を見るに、よくまあこれほどまでに立ち直ったものだと感心させられてしまう。それ以上に、再び彼女の前に過去の残照が現れたときに、その時が来たのだと躊躇わずに立つ勇気。勿論、克服を目指しているということは、彼女の中にはまだ恐怖や痛みが色濃く残っているわけです。実際、心の奥底では怯えが貼りついていたようですし。伝令係のメレンくんを王宮に返さずに無理やり同行させたのは、単なる気まぐれじゃなくて、どうやら一人でも多く自分を助けてくれる人が側にいて欲しい、という心境が意識してか無意識かはともかく、あったようですし。
このレッカ姫が心磨り潰され、絞め殺されていったやり口が、また凄まじいんですよ。正直、読んでてゾッとしましたわ。ここまで陰湿に人間の心を殺していくやり方は見たことない。吐き気がするような悪意。露骨であからさまで無い分、えげつないんですよ。これやられると、相手を憎むんじゃなくて、むしろ申し訳なさや負い目に苛まれ、萎縮し、どんどん自分に絶望して行ってしまうという悪循環のスパイラル。
よくぞまあ、そんな所からたった一人で逃げ出してきたものです。家族が、そんな彼女を褒め、全力で守ろうとしたのもよく分かる。時に、人は如何なる犠牲を払ってもたった一人を守らないとと思い定める時が訪れる。ファルサン王家と魔王の壮絶な戦いは、まさにそれだったのでしょう。どうやら、それによって生まれた犠牲も多かったようですし、レッカ姫が今、勇気を振り絞り過去と向き合おうとしたのは、自分一人の為ではなく、かつて自分を守ってくれた人たちに対する責任を果たそう、という意味もあったのでしょうね。
イイ女じゃないですか。
イイ女だからこそ、最後にあんな有様になってしまったわけですが。姫様、メンドクサイで決めちゃうなよ!!(爆笑
いや、私はイイ女ならそういうの全然アリだと思うんですけどね。逆ハーレムw

鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王3   

鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王 (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 恵みの環の魔王】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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 bk1

時を遡り、若き日の恋人に出逢った王女は──!?
アレクセルの誕生祝いの日が近づく中、ある出来事から、ゼルイークは魔力を封じられてしまう。そして王女エルレインは250年の時を遡ってしまう。目の前にいるのは、若き日のゼルイークその人で──!?

そろそろいい加減、あの姉には我慢の限界だったんですよね。やり方が陰険すぎるし、ネチネチと嫌らしいことばかりしてくるし。それをどうして周りの人たちが許容しているかがどうしても納得いかなかったんですよ。ゼルイークがあんなコトで魔法を封じられてしまうのなら、あの姉の方がより傍若無人に魔法を恣意的に使用しているじゃないか、不公平だろう、と。
でも、ようやく彼女の正体が明らかになったことで、彼女の理不尽が許される理由も納得できた。なんで周りの連中は見て見ぬふりをするんだと怒りの矛先が周囲にも向かっていたんだが、まあ彼女がそういう存在なら周りの人達が我慢するのも仕方ないか、と思えるほどには。あの姉にも姉なりの理由があるのもわかったが、そんなの知るか! という気分である。そりゃあんたの希望であって、弟に強いる権利はどこにもないだろうに、ムカつくムカつく!
それだけに、偶然とはいえエルレインが姉を出し抜き、あの女を慌てさせたのは痛快だった。ほんと、たまたまでエルレインはその後時を遡ってしまい、難儀なはめに陥るのだが。
そして、さかのぼった過去で出会った若借りし頃の少年ゼルイークがまた、可愛いんだ。若いっていいね♪ 挿絵の人も、十代後半のあのゼルイークのイラストは会心だったんじゃないだろうか。ややも幼げで突っ張った感じを醸し出しつつ妙に可愛らしいという。あの嫌味で皮肉屋なところが、若いとヤンチャで微笑ましい、という感じになるんですねえ。どこであんな風に捻くれてしまったのか(苦笑 元々ひねくれてたとはいえ、若い頃はそこまで嫌味ったらしくなかったのに。
まあ最近はエルレインとの嫌味の応酬も、どう見ても惚気合いみたいになってて砂を吐くようでたまったもんじゃないんですがね(苦笑

エルレインとアレクセル王子との婚約解消は、本人たちが望んでも国家間の約束事ということでなかなか反故に出来ずに問題は長期化中。その間に、オルフィリアが何故かとんとんと思わぬ形でアレクセルの隣に収まれるんじゃ、という感じになってるんですよね。ダンスパーティーでもパートナーを仰せつかってましたし。ただ、今の段階だと王子にとってオルフィリアは恋愛対象じゃないんですよね。これは、そうなるイベントがちゃんと控えてるって事なんでしょう。王子にも、どうやら負わされた運命があるらしきことは、エルレインが過去への旅で垣間見てきたようですから。

響野夏菜作品感想

鳥籠の王女と教育係 嵐を呼ぶ王子4   

鳥籠の王女と教育係 嵐を呼ぶ王子 (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 嵐を呼ぶ王子】 響野夏菜/

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 bk1

今回はもうずっとアレクセル王子のターン。前回でもう、ゼルイークとレーンが想い合っている事に気づいてしまっていたアレクセル。いったいどうするのかと思ったら……そうだよなあ。いくら脳天気で天真爛漫でどんな事が目の前に立ちふさがっていようとも笑って飛び越えてしまいそうな、そんな王子様だけれど、この人も普通の男だったんだなあ、としみじみと思った。
綺麗事じゃないんだよね。本気で一目惚れし、夢中になり、全身全霊をかけて恋をしたお姫様。呪いをかけられた彼女のために、本国から連れてきた親友の魔法使い。誰よりも彼を信頼し、彼女の呪いの解呪と、自分の国に嫁ぐための教育係まで任せていたら、気がついたら二人は恋仲に落ちてたんだもんなあ。そりゃあショックだ。立ち直れないくらいの絶望だ。何よりもキツいのは、当の二人がそれを悔み、アレクセルのために二人は同意のもとにレーンの記憶、ゼルイークに恋をしたという記憶を封じてしまったことだろう。
それが二人の、自分への絶大な好意であることは頭では理解しつつも、それは男として惨めだし、恋に敗れた身としては見下され、同情されているような想いにすら駆られてくる。
耐えられるはずがない。ガマンできるはずがない。自分が愛した女性は、本当は違う男を好きなのだと知りながら、男の方も密かに思いを募らせていることを知りながら、何食わぬ顔で結婚できるような人間じゃなかったんですよね、アレクセルは。
そしてなにより苦しいのは、自分をコケにした、と言っても過言ではないレーンとゼルイークのことを、こんな事があってもやはりアレクセルは大好きであり続けたことでしょう。だからといって、じゃあ自分はいいから二人はお幸せに、などと簡単に割り切れるほど出来た人間でもなかったわけです。
辛い、これは辛い。思わず、全部投げ出して逃げまわってしまったのも仕方ないと同情する。肝心のレーンは記憶を封じてしまったわけで、突然のアレクセルの変心に面食らうばかり。もう一人の当事者であるゼルイークはといえば、澄まし顔をしながら未練がましくレーンへの想いを漏らしてしまうし。
まあ、ゼルイークの気持ちもわかるんですよ。彼の現在進行形で進んでいる凄まじいまでの境遇。他人と極力付き合わないようにしてきた彼が、その短くも悠久の人生の中で、初めてと言っていいくらい自分の懐に入り込んできた親友、アレクセル。その彼が愛した女性レーンを、自分もまた、生まれて初めてと言っていいくらいの狂おしい恋心をいだいてしまったという板挟みの苦しみ。自分の気持を押し殺してレーンの記憶を封じたものの、彼女への想いを打ち消すこともできず、自分の中で押し殺しておくことも心が耐えきれず、寓話という形で、本当の気持ちが伝わらないように配慮しながらも、自分の思いの在り方を記憶のないレーンに刻み込もうという行為。未練がましくみっともないけれど、それだけ苦しさが伝わってくる。
二人の男の、愛するがゆえの苦悩と絶望。今回の内面描写は、見ごたえあったなあ。

一方で、ゼルイークを憎む魔王の嫌がらせは悪化の一途をたどっていく。ついに、舞台はあのダナーク村へ!
以前のシリーズ。【ダナーク村はしあわせ日和】が好きだった身としては懐かしい限り。あのシリーズは、この作品から百年以上未来の話となるので、さすがに関係者は出てこないかな、と思っていたのですが……おもいっきり当事者がいたーーーー!!
えええっ、あの人がこの人だったの!? 結構、身構えて読んでたんですがそれでも驚いた、驚かされた。なるほど、あの人にも色々会ったんだな。ってか、そんなに長生きしてたのかよ。

シリーズ感想

鳥籠の王女と教育係 さよなら魔法使い4   

鳥籠の王女と教育係―さよなら魔法使い (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 さよなら魔法使い】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫


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激震の急展開!! まさかまさかの、関係決壊。ぜ・る・いーーーーく!!
し、しまった。今までのお話でゼルイークが決して完璧超人などではなく、意外と精神的に脆かったり打たれ弱かってりするのは分かっていたはずなのに。あの偉そうで全部お見通し、私に任せておけば万事大丈夫です、という態度に読んでるこっちもついついだまされてたよ。
そうなんだ。こいつ、ヘタレだったんだorz

というわけで、まだまだ当人たちの無意識の底に押し込まれたままで進むはずだったエルレイン姫、アレクセル王子、魔法使いゼルイーク、レーンの側近にして親友で在る女騎士オルフィリアの四角関係が、ゼルイーク昏睡事件をきっかけにして一気に、一気に表面化。
ゼルイークがいつ眠りにつくかわからないというのを頭では理解していても、実感として分かってい無かったレーンたちは、実際ゼルイークが倒れた途端、それが如何なるものなのかを思い知らされることになる。
一度眠りに付いたらいつ目覚めるかわからないゼル。それこそ何日か、何年か、何十年か、何百年か。それは、もしかしたら永遠の別れになるかもしれない。唐突に目の前から消え去った毒舌の魔法使い、その衝撃にレーンは打ちのめされる。挙句に魔王が現れて、かつてレーンとゼルが約束した光になると言う約束を、永遠のすれ違いの呪いへと変えることも出来るのだと言う恐ろしい言葉を残していく。
もう、レーンたちの心を揺さぶる揺さぶる。その絶望は、恐ろしさは思わず心の奥底に押し込めていた想いを、すがるようにぶつけ合ってしまう理由としては充分以上だった。
レーンにしても、ゼルイークにしても、これは切ない。政治的に許されない恋という以上に、レーンの婚約者であるアレクセル王子がいい人過ぎて、レーンもゼルイークも彼の事が大好きで、大切な存在なんですよね。二人ともその彼を裏切ることなんて出来ない。ある意味、政治的な問題よりも二人に取って彼の存在こそが、この恋を結ばれないものにしてしまったのかもしれない。ほんとに、二人ともアレクセルのこと好きだもんなあ。
とはいえ、アレクセルも馬鹿な振る舞いを趣味としているけれど、馬鹿でもニブチンでもないので、レーンの気持ちについては薄々察しているんですよね。それが確信に至った時の、彼が流した涙が、普段のおちゃらけた彼の姿からは想像出来ないくらいツラそうで、綺麗な涙で、思わずグッともらい泣きしそうになってしまった。アレクセルはいつだって本気だったもんなあ。

ちょっと意外だったのはオルフィリア、リオがはっきりとアレクセルを好きになっていたこと。まだ気になりだしたぐらいの段階だと思ってたんだけど、前回のエピソードですっかり陥落していたのか。まあ、最初に出会ったときから思いっきりフラグは立てていたんで、彼女本人の言う通り、最初から好きだったのがこの前のことではっきり気づいてしまった、といったところだったんだろうなあ。ある意味、彼女は態度がわかりやすくて好きだ。レーンの従兄弟であり、将来的にはラバール王の養子となってこの国の王となる少年、シラルを女装させてレーンに似せてアレクセルがいちゃついて遊んでいるのを、リオがあれだけ怒ったのは、レーンが蔑ろにされているから、じゃなくて、完全に嫉妬だよね。あれだけ易々と動揺してしまって、将来レーンの側近として嫁ぎ先までついていって、永遠に見せつけられるの、耐えられたんだろうか。一生、胸に秘めておくつもりだったみたいだけど、無理だよなあ。
ゼルイークの件がなかったら、王妃はレーンでリオが側室でも良かったんじゃないかと思うんだが。レーンもこの場合、自分から勧めそうだし。

何にせよ、許されない恋である以上、一度は想いを通じ合わせた二人だけれど、それを成就させることはお互い、願わない。ラストは、もうこれでもかってくらいに切ない展開で、秘密暴露会(w)でのゼルイークの告白が、またこの人らしからぬ切々とした柔らかなもので、胸に来た。
もっとも、こんな結末をあのアレクセル王子が粛々と受け入れるかと言うと……、やっぱりこの人がキーになりそうだ。やっぱり、この人が一番素敵なんだよなあ。うまく、リオの想いが通じればいんだけれど。
でも、身分的にも政治的にもアレクセルとリオって、結ばれるにはどういうアクロバットが必要になるんだか。

今回初登場のシラル王子、何気にいいキャラクターだった。ラバール王やアレクセルほどお馬鹿じゃないけれど、楽天的で明るく、でも心配りの出来る気持ちのいいキャラで。
仲の良い親戚として、この四角関係を外から客観的に見ることが出来る立場として、心を痛め悩むレーンを親身になって支えてくれたわけで。何気に今回、彼の存在は重要というか、功績大というか。
この子が残ってくれるならこの国は大丈夫、という安心感も抱けたので、あとはレーンたちの決断次第か。
さあさあさあさあ、盛り上がってきた!

鳥籠の王女と教育係 4.姫将軍の求婚者3   

鳥籠の王女と教育係 姫将軍の求婚者 (コバルト文庫 ひ 5-83)

【鳥籠の王女と教育係 姫将軍の求婚者】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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あらすじを読んで、ゼルイークとアレクセル王子の二人が苦手にしているゼルイークの姉登場、ということでまたぞろ良くあるパターンの家族ネタか、と思っていたんですが、これがどうしてどうして……。
決して悪女というタイプではないんですが、これはマジでタチの悪い女ですね。苦手云々というのは単純に頭が上がらないというんじゃなくて、生理的に苦手とかそういう解釈で考えた方がいいんじゃないか、というくらい。どうも彼女なりにゼルイークの運命に思うところがあり、彼女なりの信念があって行動してるんだろうけれど、やり方が陰湿すぎて虫唾が走るレベル。エルレインに直接手を出せばゼルイークの怒りを買うから、周りの人間に手を出すという考え方からして卑怯を通り越して卑劣だし、この嫌がらせがまたひどいんだ。他人の人生を何だと思っているんだ、こいつは。
エルレインが怒り狂うのも無理はない。というか、もっと怒ってもいいくらいじゃないのか。エルレインの事となると果断なゼルイークが、今回に関しては動きが鈍かったのも苛々させられた要因か。彼は彼で姉が何故こういう嫌がらせ行為に走るかの理由を知っている節があり、そのせいか腹立たしく思っていながらも積極的に行動に出ないんですよね。その理由が明らかにならないだけに、憤懣は溜まる。
結局、嫌がらせの煽りを食った人たちは、エルレインたちの機転やアレクセルの活躍もあって、なんとか元鞘に戻ったのだけれど、犯人である女は何の咎も受けず、エルレインに対して宣戦布告と不穏な文言を残して去っていき、どうにもすっきりしない結果に。
サブタイトルからして、てっきりオルフェリアがメインの話、特にアレクセルとの関係が進むような話になると思ったんだけどなあ。いや、実際アレクセル、着実にオルフェリアへのフラグは立ててるんですけどね。とはいえ、まだ双方とも異性として気になる相手、とまでは行ってないんだよなあ。気にしては来てるんだけど。
意外だったのは、エルレインもまた、しっかり段々とアレクセルのこと、好きになっててるんですよね。ゼルイークに惹かれながらもきっちりと線を引いているような素振りを見せ、明るく天真爛漫ながら深くも底を見せない、でもあけすけで心底まですっきり見えるアレクセルの人柄に、着実に好意を抱いていっている。
なんか、アレクセル王子がエルレインとオルフェリア二人まとめてゲットだぜ、ルートに入ってるような気がしてきた。大穴じゃないか、そのルートはw あとは、オルフェリアとゼルイークにラインが通れば、綺麗なスクエアが形成されるんですけどねえ。その辺にもうちょっと強化イベントが欲しいところだ。

1巻 2巻感想

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 聖者は薔薇にささやいて4   

聖者は薔薇にささやいて―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)

【ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 聖者は薔薇にささやいて】 青木祐子/あき コバルト文庫

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「好きな女性をしあわせにするには、どうしたらいいんでしょう、シャーロックさま」
「きれいなものを見せて、おいしいものを食べさせて……楽しい話をして、彼女の話をきいて、できるだけ、傷つかないように気を配ってやればいい」

おいおいおいおい、シャーロック、シャーロック、シャーロック!!
確かに、確かにそうなんだけどさ。それはちょっと違うでしょう(笑
これ、本心だからどうしようもないんだよなあ、この男は。本気でそう思ってるなら、それはそういう男だからというんでいいんだけど、この男がクリスに対して抱いている想いや気持ち、彼が本当にクリスに求めているものは、そのやり方じゃ必ずしもうまく行かないし、得られにくいものなんだということに、気づいていないのがネックなんだろうな。
ああ、それにしてもこれまでシャーリーに対してどうにも言葉にならない居心地の悪さが付き纏ってたんだけど、彼のこの発言でだいたい理解できた気がする。パメラも、これじゃあ心底クリスを任せる気にならないのも、無理ないなあ。でも、クリスみたいな娘にはむしろこのシャーリーみたいな傲慢な人間こそ合っているのかもしれないけど、このままだとどうしても貴族とその妾という関係以上にはどうしても発展しようがないように見える。難しいなあ。

と、この巻はクリスとシャーリーの話ではなく、パメラのお話なのである。時系列的には、シャーリーがアデルに正式に婚約を断る直前らへんになるわけか。パメラがクリスの代わりに社交界のパーティーに参加する場面があったわけだけど、その裏ではあんなことが起こってたわけか。
元々、パメラはこの作品のなかでも一番好きなキャラクターだったわけですけど、彼女を主役としたこの話で、さらに好きになったなあ。これほど立派で可憐で凛とした女性はそうそうお目にかかれないし、彼女の外見上の美しさではなく、その本質を見抜いて見染める男性たちもまた、イイ男連中なんですよね。
特に今回株をあげたのはアンソニー。自分、こいつあんまり評価していなかったんですよね、これまで。どうにも空気読めないし、間が悪いし、ちょっと場違いなところがあって、頼りないしヘタレだしで、とてもじゃないけどイアン先生と張り合うには役者不足だよなあ、と思ってたんだけど、今回の頑張りを見てたらねえ、応援したくなっちゃうじゃないか。
いや、今回は実際に頑張ったと思う。自分の弱さ、至らなさをしっかりと自覚した上で、パメラを気遣い、彼女を守るためにはイアンを応援することも厭わないその潔い態度。イアン先生がどこか包容力の在る頼もしい大人だとしたら、このアントニーは男として可愛らしいんですよね。ひたむきで、健気で。パメラの出自を知ってしまった時の、彼の自分の過去に照らし合わせた形での彼女への気遣いは、正直この男はこれほど相手の心を慮れるやつだったのかと、感心したくらい。
パメラも、随分彼への見る目も変わったみたいだし、ほんとに株あげたと思うよ。
でも、それにもまして盤石ぶりを発揮したのはイアン先生でした、と。
いやあ、この人。まじカッコいいわ。この作品、いささか人間の心の繊細な部分を多く描いているせいか、どうにも欠陥や不安定さを内包した人間が多いんですけど、その中でこのイアン先生の人間としての器の大きさは、桁違いと言ってもいいかもしれない。男でも、これは惚れる。アントニーがやきもきするように、肝心なところで鈍い部分とかはあるけれど、ここぞというときの頼もしさは、ほんとに半端ない。アイヴォリーと対決した時のこの人の毅然とした態度には、普段ののほほんとした人畜無害そうな姿は浮世を欺く仮面だったのかと思いたくなるほど、素晴らしい紳士ぶりで、本気で惚れた。そりゃあ、アントニーもこの人なら仕方ない、と思っちゃうよなあ。アントニーとイアン先生、この二人が面識を得てどうなるかと思ったら、意気投合して妙に仲良くなっちゃったのは笑ったけど。それを傍で見ていたシャーリーが、恋敵と仲良くなるなんて自分じゃ考えられん、とか思ってるのも、笑えたけど。
まあ、この二人とシャーリーとでは、想い人への気持ちの在り様は決定的に違うからなあ。イアン先生たちは、まず何よりパメラの幸せが優先で、自分たちは後回し、だし。
まー、今回株上げたアントニーと、さらに器の大きさを見せてくれたイアン先生らに対して、はっきり言ってアイヴォリーじゃあ、相手にならんかったな。実際、パメラに絡んでくる態度にはずっとイライラさせられていただけに、最後のイアン先生にバシっと言ってもらい、アントニーにガシっとシメてもらったのには、最高にスカッとさせてもらった。
やっぱり、パメラは幸せになるべき女性だと思うよ、ほんとに。正直、クリスよりも、そう思ってしまう(苦笑

しかし、クリスは確かに傍に居る事でパメラの心の支えとなり、パメラを救っているのかもしれないけど、でもパメラが参っている時くらいは、気づいてあげて気遣ってあげるくらいはして欲しいよなあ、と思ってしまう。パメラは、いつもいつもクリスの事を思って、考えて、支えようとしてくれてるのにねえ。


今回は番外編と言う事で、さらに短編二編と挿絵のあきさんの漫画付き。
意外だった。四コマ漫画、何気にやたらおもしれえ!! この人、漫画もこんなにいけたのか。以前、購入した単行本は神秘的でシリアスな雰囲気のものだったから、こんなコメディノリの四コマが面白く書ける人とは思わなかった。

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと宵の明け星3   

恋のドレスと宵の明け星―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)

【ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと宵の明け星】 青木祐子/

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うわぁ、もうずぶずぶなまでにクリスはシャーロックに夢中だなあ。ちょっと前まではクリスが腰が引けていた分、シャーロックの必死さが際立ってたわけですけど、今となってはクリスの方が歯止めが掛かってないぐらい。ただ、以前はクリスはシャーロックとの身分違いの恋に期待しないようにしていた分、耐久力があったような気がするんだけど、お互いの気持ちが通じ合ってしまった今となっては逆にクリス、打たれ弱くなっちゃってるなあ。手紙の内容が以前よりも短くなったとか、忙しいからとなかなか会いに来てくれないとか、些細な事で大いにへこみ、不安がり、ウジウジと悩みだす始末。まさしく恋する乙女そのままですけど……正直、うざい(苦笑
パメラ姉さん、クリスを傷つけないよう不安がらせないよう壊れモノを扱うように慎重に励ましていらっしゃるけど、なんだかそろそろいい加減うんざりきてるんじゃないかと思ってしまうんだが、むしろパメラ大丈夫か、と心配になってしまう。挙句にドレス作れない! ときたもんなあ。

シャーロックはシャーロックでクリスの心を開き、自身の結婚問題に決着をつけた気になっているので、クリスの不安など気づきもせず、気を大きくしてしまってるし。まあ、この貴族様にクリスみたいな繊細な子の乙女心を分かれ、と言う方が無理なのかもしれないけど。
いや、でも最後にちゃんと問いただしたのは偉かったと思うぞ。彼なりに成長したのが伺える。成長したというか、クリスの扱い方が分かってきたというべきか。まあ、その前にとんでもない無神経ぶりを発揮してしまうあたりが、彼らしいというところなんですけど。あんたのそれは、あんたの母親よりも性質が悪いよ。自覚症状がまるでないあたりがさらに始末が悪い。
あの場面、クリスがきっちりシャーロックに向かって自身の抱える不安や怯え、本音を隠さず逃げずに全部吐露してみせたのは、驚きだったなあ。今までのクリスの性格だと、ぜったい自分ひとりで抱え込んじゃう場面だったのに。それだけ、シャーロックに心を開き切っているということか。今回は、クリスのシャーロックへの一途さが際立ってたし。ジャレッドのアプローチに対しての対応なんか、付け入る隙がまったく見当たらないものでしたしねえ。
しかし、ここまで是非もなくシャーロックの言う事をきこうとするところなんか、どう見ても愛人気質な気がするんだけどなあ(苦笑

ところで、今回のクリスのドレスづくりへの姿勢を見てると、色々彼女のドレスに対する見方に対して認識を新たにしなければならないと思わされる部分がありましたね。ドレスを作る際には着る本人に直接会い、話をした上で今のその人に一番あったドレスを作る、という製作過程を踏んでいるクリスですけど……。彼女って本当の意味ではお客さんのこと見てないみたいなんだな、これ。もし、本当に彼女がお客のためにドレスを作っている、自分が客商売をしているという認識があったら、今回みたいなお世話になった人の仕事を、作れないからと断って、場合によってはその人の邪魔や迷惑になりかねない人のドレスを、此方は作れそうだから、と手がけるなんて真似は、やってしまうにしても多少頭を悩ませる部分があると思うんだけど、本人、その問題点についてはまったく認識しようとしてなかったし。パメラが頭かきむしるのも無理ないわ、これ。
クリスにとっては、あくまでドレスことが主になるのか。この姿勢は、職人と言うよりも芸術家に近いものがあるように見えるんだが。この姿勢なら、もしクリスのドレス作りに対する渇望の方向性が闇のドレスを指向したら、作らずにはいられなさそうで、ちょっと危なっかしく見えてしまう。
この彼女の気質に気づいている人がはたして、彼女の身近な人間にいるかどうか。パメラは聡いから、今回の一件で徐々にでも気づきそうなものだけど。むしろ、闇のドレスに関わる連中のほうが、クリスの危うさには気づいてそうで、なかなか怖いところ。
今のところ、クリスとシャーロックの関係は薄氷の上とはいえなんとか上手く回っているけど、前途はあらゆる方向から多難ばかり。さて、未来に希望はありやなしや。



鳥籠の王女と教育係 魔王の花嫁  

鳥籠の王女と教育係―魔王の花嫁 (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 魔王の花嫁】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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うわぁ、ここからさらに王女エルレインに試練を課すのかぁ。
産まれたての頃に、謎の魔法使いによって、魔女であった母を殺され、自身も触れた異性をカエルにしてしまう呪いと、離宮の建物を一歩でも外に出ると死んでしまうという呪いをかけられたエルレイン(正確にはエルレインに死をもたらす呪いを母が命をかけて防ごうとしたものの叶わず、それでも幾分か軽減したけっか二種の呪いとなって降りかかったらしいけど)。
その呪いによって生まれてこの方、離宮からも出れず、何人もの男性を結果として死なせてきてしまった彼女。まだ十代の若い身空にして心に大きな傷を負い、また将来に希望も持てぬまま生きてきたわけです。
そんな彼女のもとに訪れたのが、魔法大国エリアルダの王子アレクセルの求婚と、彼によって送り込まれた希代の魔法使いゼルイーク。このゼルイークによって、エルレインの呪いは時間こそ掛かるものの、解けるものとなり、エルレインの未来は開けたわけですよ。
カエル化もとりあえずは、カエルになった男を元に戻せるようにはなったし、死の呪いもゼルイークの手さえ握っていれば、館の外に出れるようになった。
これ以上、王女が哀しい思いをすることも、誰かを死なせることもなくなった、と思ってたんですけどねえ。

現れたのはエルレインの初恋の人。かつてエルレインの呪いを解こうとして力及ばず去っていった魔法使いシスティーク。……やっぱりエルレインってけっこう惚れっぽいよなあ(苦笑
周囲に男性がいなかったせいか、すぐに心動く傾向にあるし。まあ、男運がいいのか悪いのかはいささか解釈の余地があると思うけど。
……それにしては、幼馴染のオルフェリアの兄貴のローレイへのスルーっぷりは酷いんですけどね。今回なんか登場すらしなかったしw

ともかくも、男の見栄というのは、女性の側の視点から見ると、これ正直勘弁してくれよ、と思うしかない代物だよなあ。相手が自分の事を想っていることはわかるし、そのために何もかもを投げだそうとする気概は、見方によっては美しい話、美談になるんだろうけど。当事者の女性として見れば、そういうことされるとたまったもんじゃない。重すぎるわけですよ。相手がそういう無茶をしたのが、自分のためだというのならなおさら。背負わされる方の身にもなって欲しい。
それは結局は相手の事を見ていない、自分が満足するための暴挙なんですよね。ちょっと辛辣すぎる言い方かもしれないけど。でも、男の見栄、という表現が使われているのは、エルレインの心を慰めているのではなく、男の愚かさを指摘するためのものだと思われるので。
とはいえ、糾弾をしているわけでもないんですけどね。システィークのどうしようもない気持ちは、しっかりエルレインに伝わっていたでしょうし。でも、その伝わっていたことこそが、エルレインをさらに傷つけているあたり、この作品の容赦のなさが伺いしれます。

その点、ゼルイークはやり方こそ不器用で下手くそな傾向があるけれど、なるほど確かに気遣いの人なんだなあ。オルフェリアの方がさらっとその点を指摘したのは意外で面白かったけど。案外皮肉と毒舌の応酬を繰り広げている当人同士より、傍で見ている他人の方がそれぞれの素顔がわかりやすいのかもしれない。アレクセルもあの惚けた性格で、しっかりゼルイークのことよく見てるし。
意外だったのは、二巻でゼルイークの素性や彼の身にかせられた秘密をもったいぶらずに、エルレインに明らかにしてきたところですか。
こいつはこいつで、エルレインに勝るとも劣らない過酷な運命を背負っているわけか。
アレクセルはそんなことをエルレインに教えるとは。自分が何やってるか、絶対分かってないよなあ、このカエル(苦笑
歌劇のクライマックスでのエルレインの思わずの反応、あれを見せられたらねえ。彼女の感情が今やどちらに向かいつつあるのか、わかろうってもんでしょうに。

一方で、こっそりオルフェリアが乙女な反応してるのが気になる気になる(w
こちらはこちらで順調にフラグ立てまくってるんだろうか。あのカエルはカエルだから気づいてなさそうだけど。
アレクセル王子、要所要所では滅茶苦茶いいこと云うし、なんだかんだとエルレインの心を慰める明るさを振りまくイイ男なんだけど……わかってないんだろうなあw

貴方に捧げる「ありがとう」4   

貴方に捧げる「ありがとう」 (コバルト文庫)

【貴方に捧げる「ありがとう」】 野梨原花南/宮城とおこ コバルト文庫

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ああ、そういうことだったのか。最終巻を読んで、どうしてこのシリーズが始まったのか、なんとなくわかった気がする。
この魔王シリーズの前身である「ちょーシリーズ」は、その最後は、お姫様と王子様は家族や友達と一緒にとても幸せに暮らしました。めでたしめでたし、という見事な大団円で終わったわけですけど、ひとつだけ。ひとつだけ瑕疵ともいうべきものが残ってたんですよね。
それが、サリタ・タロットワーク。ジオの息子であるオニキスを救うために、今や十六翼真の黒色と呼ばれる魔王サルドニュクスとなってしまった青年の事。
「ちょーシリーズ」では、結局彼の自己犠牲に対してみんな怒ったまんまだったんですよね。感情の決着がつかないままだった。
この魔王シリーズは、ある意味その決着をつけるためのシリーズだったのかもしれないなあ。と、この最終巻のタイトル【貴方に捧げる「ありがとう」】と、サファイアがサリタをぶん殴る場面を見て、そんなことを思ったり。
なんだかんだと、「ちょーシリーズ」の舞台じゃ、今回みたいな決着はつけられなかっただろうしね。ラブちゃんみたいな別の魔王が出てきて、色んな世界を渡って、魔王としての在り様やその周りにいる寿命のある存在たちとの関わり合いを照らし直さないことには、この結は出てこなかったように思うし。
まー、主体はラブちゃんこと八翼白金の心の解放だったんだろうけど、同じ人間出身の魔王の変化を目の当たりにして、サルドニュクスもけっこう影響あったと思うのよ。……あんま変わんなかった気もするけど、影響はあったはず。うんうん。
それに、ラブちゃんがちょっかい掛けてこなかったら、サルドニュクスにサリタの要素が再び発現することはなかっただろうし。
サルドニュクスとサリタは、明確に別人だったわけで、だからこそサファイアやスマート師匠も、本来サリタに言うべきだった言葉を彼には言わなかったんだから。

サファイアが告げる、永劫に存在し続ける相手への言葉は、なんかジーンと来た。この作者が描く愛の形、親愛の姿は余人にはなかなか導き出せない、とても独特で、でもとてつもなく素敵なモノだと、改めて思った。
宝珠の話でもそうだったけど、基本的にこの人の描く話と言うのは生命の賛歌。世界に祝福される話なんですよね。時に、重たすぎるくらいにシリアスな話だったりするんだけど、その書き方はとてもポップで明るく弾むゴム鞠みたいで、結局読み終わった後はなんだか元気になっていたりするわけで。
生きるのって、素敵だよね、なんてことを素直に思い浮かべることが出来てしまう。これって、素晴らしいことだと思うのよね。

ラスト、あのラボトロームの慶事って結局ぼかされたけど、やっぱりアラン王子の結婚式だったのかなあ。話題にオパールがあがってこなかったところをみると、上手いこと捕まえた気がするんだけどw

うん、ついにこのシリーズも終わっちゃうのね。やっぱり寂しかったりするのです。もう1シリーズあっても、歓迎するんですけどね。


鳥籠の王女と教育係 婚約者からの贈りもの4   

鳥籠の王女と教育係―婚約者からの贈りもの (コバルト文庫)

【鳥籠の王女と教育係 婚約者からの贈りもの】 響野夏菜/カスカベアキラ コバルト文庫

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自分に触れた異性をカエルに変えてしまう呪いをかけられてしまったお姫様。このシチュエーションって、一見メルヘンチックではあるんだけど、実際としてはかなり悲惨、というべきか本気でエグいことになってるんですよね。
本物の蛙に変えられてしまってるわけだから、カエルの王子様みたいな童話と違って、この話で蛙になってしまった人はあっさり短期間に蛙の寿命で死んじゃってるわけです。実質、触れた相手を殺してるようなもの。しかも、これまで犠牲になったうちの大半は呪いを知りながら果敢に挑戦したある意味自業自得の連中なのですが、何人かは呪いの事実を知らずに触れてしまった、というケースもあるわけで(これ、娘を思ってとはいえ、仕組んだ王様、マジ外道だと思うんですけど)
王女エルレインが、これまでどれだけ傷ついてきたか。何気にけっこうヘヴィなシチュエーションなんですよね、これ。
さらに、離宮から一歩外に出れば死んでしまう、なんて呪いもセットになってるものだから、生まれてこの方、館の外に出たことがない、という境遇のおまけつき。
エルレイン、聡明で芯が強く挫けない性格というのが、この場合逆に不憫なんですよね。自身の境遇の理不尽を理解しながら、それを受け入れ、ぐっと耐え続けているわけですから。
そんな頑なに強張った王女の心を解きほぐしていくのが、王女に求婚してきた魔法大国エリアルダの王子・アレクセルが送り込んできた、魔法使いゼルイーク、なわけです。
……解きほぐすって言っても、嫌味しか言わないんですけどね、この魔法使い。一方で王女も王女で気が強いもんだから、言われたら言い返し、得意の皮肉で切り返し、必死にゼルイークを言い負かしてやろうと奮起しているあたり、似た者同士のひねくれ者というかお似合いというか。
ただ、ゼルイークも王女を嫌っているわけではなく、むしろしっかり敬意を払ってるんですよね。常人ならば、精神を病み心を腐らせてしまうような境遇に負けずへこたれず、歯を喰いしばって誇り高く生きてる王女の姿勢には、感銘すら受けている様子が随所に見られる。彼女の呪いを解くために、涼やかな表面とは裏腹にけっこう必死になってるっぽいし。

まあ、このゼルイークが、ダナーク領の領主だという話が出た時にはびっくらこきましたけどね!
これ、ダナーク魔法村シリーズと同じ世界観だったのか。確かに、魔法に関する概念がよく似てるなあ、とは思ってたけど、同じ作者だからとしか考えていませんでしたよ。どうやら、随分と過去の話になるみたいですけど。ダナーク魔法村の時代には、魔法はほとんど絶えてますしね。
……ああ。なら、えっと。エルレインって、王女の名前みたら、ある程度バレバレじゃないですか? あとの展開とか(苦笑


王女、これまで生まれてこの方、異性を身近に近づけたことがないせいか、男性に対して色々と態度辛辣なわけですけど、けっこうこの娘、惚れっぽいですよね(笑
まあこれまでは恋も出来ない許されない立場だったわけですから、自分の呪われた体質をもろともせず、まっすぐに好意をぶつけられたりしたらクラッとくるのもわかりますし、聡明なだけにゼルイークの冷たい態度の端々に垣間見える優しい本性を察してちょっとドキドキしたりするのもわかります。
そのくせ、幼馴染ともいうべきローリオの態度にはまるで気づいていないっぽいのは、けっこうひどい(笑
まあ、ローリオも態度も酷いんですけどね。好きな子をいじめてしまう性分は仕方ないにしても、言い方が見てたらちょっと棘がありすぎ。そりゃ、王女もなんだよこいつ、自分の事嫌いだろ、と思ってもしょうがないくらいキツい言い方しかしてないしw
でも、触れたら蛙になってしまうような危険な相手に、幼い頃から頻繁に逢いに来る、というのはけっこうわかりやすい態度にも見えるんだけどなあ。幼い頃からのことだから当たり前になってしまってわかんなくなるのかな、そういうの。

しかし、王子様は本気なんですかねえ、王女に一目ぼれしたって。いや、あの真摯で馬鹿まっしぐらな態度見てたら本気としか思えないんですけど、あれで腹に一物持ってそうな変な表裏のなさがあるからなあ。もしかしたら、ゼルイークの方が最初に姫に興味抱いてて、そんな彼をけし掛け、姫に近づけさせるために仕組んだ、なんてケースもあるんじゃないかと、少々疑ってます。
だいたいこの王子、王女にまっしぐらな態度とは裏腹に、物語の流れ的に王女よりも親衛隊長のオルフェリアの方にフラグ立ちまくってるもんなあw
うーん、でもアレクセル王子がエルレインにべた惚れ、とまんま受け取っても違和感無いくらいには、メロメロに見えるしなあ。エルレインもまんざらじゃなさそうだし、実際彼の馬鹿さ加減には何度も救われてるわけだし。

結末は見えてそうで、其処に至る過程がけっこうグルグル絡まりそうなのが、なかなか面白そう。
惜しくも終わってしまったダナーク村の系譜の話でもあるわけですし、今後とも長く続いて欲しいなあ。次回楽しみ。

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと舞踏会の青4   

恋のドレスと舞踏会の青―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫 あ 16-23)

【ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと舞踏会の青】 青木祐子/あき コバルト文庫

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今までは素直にクリスとシャーロックの身分違いの恋物語、応援してきたんですけど、いざ実際に二人が両想いになった途端、押し寄せてくる冷徹な現実に、はたしてこのまま二人が恋をし続けて幸せになるんだろうか、と不安の方が大きくなってきた。
パメラの懸念に、今になって大きな共感を覚えてしまう。厳格な階級社会であるイギリスの、しかも大貴族の御曹司で将来的には政治家を志すシャーロックと、上流階級に顧客がいるとはいえ、一介のドレスの仕立て屋でしかないクリスとの間には、絶壁のような壁が横たわっている。
今回、舞踏会への参加をクリスたちの味方である皆がこぞって反対したように、クリスの性格からして社交界にしろ何にしろ、表舞台でシャーロックの相方として振る舞うことは絶対に無理なんですよね。パメラですら、結局四苦八苦してたわけだし。シャーロックにとって身分が低い、社交性もない女性を妻とすることは、周りから見放され貴族としても政治家としても将来を閉ざされることを意味するし、クリスにとっても、シャーロックの正妻となることは、精神を摩耗させて壊れてしまいかねない事を意味していると言ってもいい。だから、周りの幾人かの人が提案しているように、クリスを愛人として囲うという方法は下劣ではあるけれども現実を見た場合に二人が今後も一緒に居続ける方法としては、最善でもあるとも思うんですよね。
でも、二人の微笑ましい純愛を見てると、シャーロックの潔癖な性格も相まって、とてもこの方法がとれるとも思えない。シャーロックの過去の恋愛遍歴を見ても、クリスとの付き合い方はとても誠実で情熱的で盲目的ですらある。彼女とのそれが、彼にとって初めての本当の恋だったんだろうけど。ちょっとそれはどうか、と思うくらいに独占欲や嫉妬を見せてるもんなあ。
もしかしたら、今が二人にとって最良の時間なのかもしれない。指と指を絡めあい、額と額をくっつけあって互いの熱を感じ合っているような時間。でも、それは同時に、それ以上近づくことも離れる事も出来ない雁字搦めの状態でもあるわけで。
自分に出来ないことはない、という熱意あふれた若者特有の幻想にとらわれているようにみえるシャーロック、愛しい男性に一途な愛を囁かれてうっとりと夢に浸っているクリス。でも、二人の間に闇のドレスやクリスの母親への見解など、既にすれ違い食い違いつつある兆候は芽生えつつあり、周りの環境は二人の愛を許す余地など一欠片も残していない。
この時点でハッピーエンドの形がまったくと言っていいほどイメージできず、不安ばかりが募っていくこの物語。
ああ、なんとかならんものかなあ。

アンゲルゼ 永遠の君に誓う5   

アンゲルゼ―永遠の君に誓う (コバルト文庫)

【アンゲルゼ 永遠の君に誓う】 須賀しのぶ/駒田絹 コバルト文庫

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この四巻で完結と情報を戴いたときはびっくり仰天したものでした。まだまだ中盤、これから本番って感じだっただけに。実際、本来は五巻完結だったところを大人の事情で四巻に纏めたそうで、ところどころどうしても早足だったり、伏線が触れられなかったり、飛ばされちゃったりしたらしき場面が見受けられたわけですが。
それを考慮に入れてなお。

凄まじかった。

圧巻でした。ったく、須賀さんの描く物語はどれもこれも、クライマックスは圧巻としか言いようがないのが正直困る。嬉しい悲鳴が迸るゼ。

淡々と繰り返す日常に埋没し、ウジウジと周囲の環境、母親や友人たちに侮蔑と絶望を抱きながら、何よりも自分に絶望し未来に何の展望を抱けないまま、腐ったように日々を過ごしていた、つまるところ普通の思春期の内向的な少女でしかなかった陽菜が、天使病の感染をきっかけに人生を一変させることになったこの物語。
自分とは関わりのない世界の話でしかなかったアンゲルゼとの戦争の渦中に叩き込まれ、さらに自分に秘められた出生の秘密、封印された過去などが明らかになるにつれ、残酷な現実を何度も何度も目の前につきだされ、叩きつけられ、だからこそ強くならざるをえなかった彼女。
そう、強くなったよ、陽菜は。最初の、あの引っ込み思案な大人しい少女がよくもまあ、ここまで、と思うほどに。須賀さんの作品の主人公としたらこういうタイプはちょっと見たことなかっただけに、どうなるかと思いましたけど、逆に最初が弱かっただけにその分ガシガシ叩いて鍛え上げられたのかもしれないですね。泣いて怯えて怒って挫けて、でも最後にはいつも歯をくいしばって立ち上がった少女。
やっぱり、須賀さんの女主人公はみんなカッコイイや。

最初に彼女が憎み、絶望していた周囲の人間たちの醜い姿が、平和な日常が覆されていくたびに、その真意、真相が明らかになり、陽菜が思っていたのとは全く別の姿となって現われてくる。みんな、本当に陽菜の事を心から想い、心配し、助けようとしていてくれたんですよね。それに気づいていくことは、セピア色だった陽菜の世界が鮮やかに色づき、彼女が日々を過ごしていた世界がつまらなくくだらないものでは決してなく、とても素晴らしいものだったと理解していく行程であったのと同時に、皮肉なことにそれらを失っていくものだったわけで。
何も知らなかった自分を後悔し、与えられ続けていた優しさ、慈愛に報い応えるために陽菜は強くなっていけたのでしょうけど、そうやって気づいた優しい世界を守ろうとすればするほど、せっかく気づいたそれらを遠ざけ、突き放し、無くしていかなければならないこの矛盾。

陽菜と合わなくなった後の、遥母さんのあの空っぽの状態は、辛かったなあ。読んでても辛かった。
だから、この人が色々と報われる展開を迎えたことは、ある意味この物語の中で最も嬉しかった事だったのかもしれない。
過去に負った傷を癒され、陽菜がああなってしまった後も、ああして彼女を待つのにお互い支える相手を見つけることが出来たんだから。
うん、陽菜と覚野の不器用な想いのぶつけ合いも、切ない純愛でとても好ましいものだったけど、この物語の中で一番胸に残ったのは、この血のつながらない母娘の繋がりだったように思う。遥母さん、頑張ったもんな。ほんとに、この人の哲也父さんとの別れや、そのあとの陽菜との生活は辛いことばっかりだっただろうに、陽菜に疎まれ憎まれても最後まで彼女を育て上げ、最後にはやっと陽菜と気持ちが通じて、本当の母娘らしくなったと思えば、その陽菜は戦争の最前線に駆り出されて、娘の安全を祈りながら彼女を待つ日々。彼女こそが、報われて欲しいひとだったからなあ。

一人蚊帳の外に置かれ、離れていく陽菜を追いかけようとするもーちゃんの覚悟。若者の浅慮と言われようと、彼の覚悟はすげえなあ、と思うしかない。湊にとっては、彼のそんな強い意志は彼が示している以上に鮮烈に感じるものだったのかもしれないなあ、と彼が有紗のことで敷島少佐に容赦のない指摘を受けた時の事を思うと色々と想像してしまう。
確かに、湊は最後まで有紗には腰引けたまんまだったもんなあ。彼の優しさは周囲の人間を明るくし、幾度も挫けそうになった陽菜を支え続けた間違いなく彼の長所そのものだったんだろうけど、同時に有紗との関係では短所となって出てしまったのでしょう。
でも、有紗も嫌いじゃなかったんじゃないかな。彼の、そんなところ。最後まで敷島以外と打ち解けなかった彼女だけど、陽菜が現れてから敷島以外の仲間に対して意識を向けるようになった彼女は、ちゃんと湊の優しい性格を認めていたように思う。だからこそ、あんな餞別をくれてやったんじゃないかと。
でも、湊からしたら、後悔ばっかりだよな、あの結末は。なにも、本当に何もできなかったんだから。
有紗は、悔いも思い残すこともなく、生き切ったんだろうけどさ。

そして、もう一人の主人公とも言うべき、敷島。
最後まで何を考えているかわからない、その真意がどこにあるか見つからない、一癖も二癖もある面倒で厄介でわけのわからない人だったけど、最後の手紙を見たら、なんかもうこの人の心の内側の正体に首をかしげていたのが馬鹿らしくなってきてしまった。
この人はとてもシンプルで、わかりやすくて、だからこそきっと当人にも自分の事が分かっていなかった複雑怪奇な人だったんだな、と。
片腕だった東さんなんか、その辺よくわかってたんじゃないかな。
そんな彼が、娘から与えてもらった平穏な日々。
陽菜が世界を愛おしいものと知っていったのと同じように、彼も陽菜をはじめとしたアンハッチの子供たちと過ごす中で、きっとかつてどこかにしまいこんでしまった世界や人を愛する安らぎを、取り戻していたんだろうなあ。
うむむ、思い返してみると、須賀さんって死亡フラグがビンビンに立ちまくってるオッサン、意外と殺さんなあ(笑

そして、圧巻のクライマックス。
陽菜の決断と残された人々の想い、少年の誓い。
最後に陽菜が残した言葉には、ちょっと泣きそうになったです。出来れば、敷島と陽菜の関係への複雑な思いは、もうちょっとじっくり醸成してれば、もっと良かったんだろうけどなあ。二人の関係の真相とか、わりとあっさり過ぎちゃったのは、マキ入ってたからなんだろうなあ。
他にもやっぱり、色々と畳まれた話があるっぽいし、五巻で読みたかったところだけど。やはり、現代軍隊モノはキツかったんだろうか。もったいないもったいない。
それでも、物語としてこの上なく見事にまとめてくれたのも確か。
傑作でした。傑作でした。ああ、素晴らしかった。

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと約束の手紙4   

恋のドレスと約束の手紙 (コバルト文庫 あ 16-21 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー)

【ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと約束の手紙】 青木祐子/あき コバルト文庫


うわあ、なんだこの不安感は。先行きがどうしても破綻しか思い浮かばない。
何度もすれ違いと錯誤を重ねながらも、ようやくお互いの気持ちを確かめあったシャーロックとクリス。作中で交わされる手紙のやり取りは、二人の純粋な気持ちが通じ合い、高まっていく様子が如実に浮き彫りにされていて、とても甘く蕩けた雰囲気を伴っているのですが。
二人が恋心を募らせていけばいくほど、これまで二人が感じていた初めての恋への戸惑いや身分差への恐れ、そういった歯止めが徐々に徐々になくなってきている感じがするんですよね。
特にシャーロックなんか、自らの立場に対する理性を抑えきれない熱情が焼き焦がし始めている感がある。クリスもクリスで、段々と周りが見えなくなっているような。恋することを通じて、内気な性格が改善されてきているのはいいんだけど、一人で母親や闇のドレスにまつわる一連の影に一人で向かおうとするのは強さじゃなくて、無謀のように見える。

二人の関係について、パメラの視点が一番彼ら二人のことを思いながら、感覚としてその危うい状態を素直にとらえているのではないでしょうか。
二人が上手くいくように願いながらも、このままでは二人はどこかで息詰まるか、堰を切るように破滅しそうな、そんな危うさを漠然と感じているような。だからか、二人の気持ちが通じ合っていく様を、どこか祝福よりも不安を抱きながら見守っている。
身分や生活や、そういった俗事を離れた、純粋にクリスの親友としての立場からの視点だからこそ、彼女の不安はダイレクトに読者の私にも伝わってくるんですよね。
シャーロックは生まれながらの貴族であり、それ以外の生き方なんて彼には絶対無理だろうし。クリスだってとても貴族の妻として生きていけるような人間ではないわけで。貴族階級と労働階級という身分差を越えた愛を貫けるのかどうか。貫いたところで、不幸な結末、悲惨な破綻を迎えるしかないようにすら見える。ならば、モワティエ侯爵の提案は現状では最善であるとすら思えてくるんですよね。でも、愛人、囲い妾という立場はやはり後ろ暗いもので、モワティエ侯爵の愛人だったアップルの母親は、果たして幸せだったのかを考えると……。
道ならぬ恋、なんだよなあ。
シャーロックとクリス、二人のただ何もせずとも満ち足りていく恋が素晴らしいだけに、儚く危ういその恋の行く末には、暗雲が立ち込めているようにしか見えない。
ただでさえ、リンダやコルベール、闇のドレスという難題がクリスの前には横たわっているのに。

だからこそ、パメラには確実に幸せになって欲しいんですよね。お互いに夢中なシャーリーとクリスと違い、二人を心配し自分のことは後回しにしてでも、一生懸命手助けしてくれるパメラ。
そんな彼女の心根の優しさを、見た目の派手さ華やかさに惑わされず、しっかりと彼女の本質を見抜き認めて彼女に好意を抱く男性が二人もいるわけで。
いやでも、アントニーも善良でひたむきでいい男なんだけど、やっぱりイアン先生の圧倒的な包容力にはかなわんよなあ。三十男を見くびるなよ(笑
考えてみると、パメラってあれでまだ17、8歳なわけで、年の差とか凄いんだよね。普段からイアン先生、パメラに対して常にレディに対しての丁寧な物腰を崩さないから気づかないけど。

アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋4   

アンゲルゼひびわれた世界と少年の恋 (コバルト文庫 す 5-67)

【アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋】 須賀しのぶ/駒田絹 コバルト文庫


あとがき読んで、爆笑。
先生、今までの自分の作品の主人公のキャラを<アレ>呼ばわりはどうかと思いますよ?(笑
そりゃあ、今までの須賀先生の作品の主人公と比べちゃ、陽菜は内気でヘタレでネガティブだけどさ。……うん、まあアレと言いたくなるのもその通りなんだけど。カリエにしても、キャッスルにしても……アレとしか言いようのない女性たちだったしなあ(苦笑
それでも、最初のころに比べたら、陽菜もたいぶふてぶてしくなってきましたよ。あれだけ追い込まれりゃ、些細なことで引っ込み思案になってる場合じゃないですもんね。
まあ、単にその内向的な思考の向う方向が、日常生活から現在の環境に対するものに変わっただけ、という気もしないでもないので、単純に陽菜が精神的にタフネスになってきた、と言いきれないのも確かな話。
でもまあ、考えてみると不思議な話なんですよね。最初の頃、自分の内向的な性格と上手くいかない家庭、学校での生活に鬱屈を抱えていた時、彼女の目から見て、周りの人間はどいつもこいつもろくでもないような輩ばかりに映っていたのに、段々と陽菜の置かれた立場が悲惨で救いようのないものになればなるほど、逆にそれまで彼女が軽蔑し、おそれ、不信の目で見ていた人々が、みんなそれぞれに自分にとっての精一杯の事を成しつつ、陽菜のために努力し、尽力してきたことが分かってくる。
ふと、改めて彼女の周りにいる人たちを見直すと、みんな人間的に信頼でき、陽菜の事を真剣に思ってくれている人たちばかりなんですよね。ところが、陽菜が立たされた境遇は平穏だったころと激変し、希望も何もない救いようのない残酷なモノでしかない。
皮肉がきいているというべきか、底意地が悪いというべきか。
ただ、彼女が抱く絶望は変わらなくても、周りの人々に支えられることで少なくとも、陽菜には自分の運命に立ち向かおうという意思や気概が生まれつつあるのは確かなんですよね。
それは、果たして救いなのか。
そんな彼女の置かれた立場の、そして小心者で周りの目を気にするばかりだった少女の性格の、その急激な変化に置き去りにされたのが、今回のもーちゃんこと覚野だったのかもしれない。
陽菜の目からすれば、完璧に見える覚野もまた、彼女と同い年のまだ精神的に成熟しているとは言い難い思春期の少年にすぎないわけです。自分の行動力の起源とも言うべき想いの正体から目をそらし、肥大する我をもてあますただの少年に過ぎなかった。
でも、変わってしまった陽菜と相対することで、彼も必然的にそうした未熟さから脱皮しなければならなくなったわけで。そこで自分の衝動に背を向けず、殻に閉じこもろうとせず、彼なりのやり方とは言え立ち向かったことは、やはり偉いやっちゃと思うのである。
もーちゃん頑張った、と賛辞オウライ。
たとえここで、陽菜が置かれた状況に手が出せない無力さを思い知らされたとしても、今の彼ならしがみついて這い上がってくる意志を持ちえたのではないだろうか。
……これ、作中でもけっこう年月過ぎる長丁場の物語になるんかもなあ。でないと、もーちゃん関わり様がかなり難しくなるし。
敷島の最後の発言は、真相にしてもその発言から派生する展開についても興味津津なんだけど、はたしてどうなるやら。
……にしても、敷島少佐のキャラクターは未だに把握しづらいな。見る人によって印象かなり違ってるし。まあ陽菜の視点はかなり色眼鏡入ってる風だけど。でもまあ、陽菜への態度を見る限り思ってたより不器用な人なのかもしれないね。容易に真意を見せないところは器用なんだけど。……逆にこっちが考え過ぎてて、副官とのプライベートで見せる態度が、素なんじゃないかと思ってしまう時もあるんだけど(苦笑
まあ、三巻に至ってだんだん把握できてきたかなあ。と、見せかけて、というパターンもあるから、油断できんがw

ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと黄昏に見る夢4   

恋のドレスと黄昏に見る夢 (コバルト文庫 あ 16-19 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー)

【ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと黄昏に見る夢】 青木祐子/あき コバルト文庫


シャーロックとクリス。二人の恋心が近づけば近づくほど、むしろ状況が悪い方悪い方へと転がっていっているような気がしてきた。泥沼だ。
結局、恋のドレスと闇のドレスというのは表裏一体。ドレスの作り手であるクリスやリンダの、相手への心がダイレクトに反映されてしまっているのか。シャーロックのイメージじゃないけど、アディルの恋のドレスに心奪われてしまったシャーロックみたいに、あそこまで劇的に人の心を動かしてしまうと、今まで良いイメージしかなかった恋のドレスもまた、着る人の心の負の部分を膨らませてしまう闇のドレスと同質のものに見えてくる。ここまでの効果があるなら、それはもう人の心を操る魔のドレスと言われても仕方がないくらいに。
ドレスの正負の振幅が、作り手の精神と容易にリンクしてしまうとなれば、その危うさはなおさら目につく。
ましてや、今のクリスは、シャーロックへの想いと母親との再会に非常に危うい精神状態にあるわけだし。
こう言う時こそシャーロックが支えてやれればいいのだろうけど。
なんだろう。彼は彼なりに必死に動き回ってるんだけど、いい意味でも悪い意味でもシャーロックって貴族であることから離れられないんですよね。クリスたちの付き合いから、変化してる部分も多いし、因習や立場、身分の差などを乗り越え、まずクリスを優先しようとする男気もある。
だけど、どこか根柢の部分でやっぱりこいつは貴族で、クリスとは違う人間だということなのか。お互い好きあい思い合い、恋心を伝え合い、お互い離れたくない、一緒にいたいと思っているのに、どこか二人には決定的な断絶があるような気がするんですよね。それが、不安を募らせる。破滅の予感をにおわせる。
段々と、二人の関係が周囲までも巻き込みつつあることも、重苦しい空気を助長させている。
アディルに至っては、客観的にみると闇のドレス云々に巻き込まれた件については完全に被害者だし。
最後のパメラなんか……。
パメラは、この娘は本当に。なんか泣けてくるくらいに、いい娘なんですよね。クリスへのこの篤い友情はなんなんだろう。クリスがいなければ、パメラの人生はまったく違った悲惨なものであったことは確かなんだろうけど、そういう恩とかなくてもこの娘はクリスに対して同じ態度を取ってたように思えるんですよね。
クリスに逃げてもいいんだと告げた時の彼女。完全に自分よりもクリスの幸せを、心の平穏を優先してました。迷いもせず。
幸せをつかみかけていた彼女の決意。今の自分の恋に一杯一杯で余裕のないクリスは親友の決意にまるで気づいている様子もなく、それが腹立たしいほどもどかしい。
イアン先生には、なんとか頑張ってパメラを助けてほしいものです。今となってはパメラのことを一番に考え、幸せにしてやれるのは彼しかいないはずなので。
こうなると、シャーロックとクリスよりも、此方のパメラとイアンの方に思い入れが寄ってしまってきてるかも(苦笑

流血女神伝 喪の女王 8  

流血女神伝喪の女王 8 (8) (コバルト文庫 す 5-63)

【流血女神伝 喪の女王 8】 須賀しのぶ/船戸明里 コバルト文庫


………………。

………………。

「完」の文字を目の当たりにして、図らずも涙があふれてきました。
今まで、感動やら悲しみで泣いたことは何度もあったけど、感無量という感慨で涙が込み上げてきたのは初めてだったなあ。

第一巻がこの世にい出て約8年。全27巻。カリエという少女の波乱万丈の人生を中心に描かれた人と神の物語は、これにて完結を見ました。
本当に、本当に感慨深い。
感無量という言葉以外思い浮かばない。

……はあ。

なんか、しばらくため息しかでてきませんわ。
『おまえの人生は波瀾万丈すぎて面倒だ』ってね(笑)
感想書こうにも、こう胸が一杯で何を書いたらいいのかわからないくらいの満足感。
時代の激流の中、みんなみんな精一杯必死に生きたその生き様に、ちょっと酩酊しています。
なんか、何書いてもネタバレになってしまいそうで、というよりも書くことで手のひらからこぼれて行ってしまいそうで、全然感想になってないんだけど、このままギュッと胸に抱きしめてしまいたいと思います。


ドミトリアス、グラーシカ、バルアン、レイザン、イーダル、ミュカレウス、ロイ、ギアス、トルハーン、ソード、オレンディア、サラ、サルベーン、グラーシカ、ネフィシカ、リネ、アルガ、フィンル、タウラ。
そして、エディアルドにカリエ。

最終巻だけでも、主要人物だけでもこれだけ、これまで続いてきた27巻を振り返れば、いったいどれほどの人々がこの作品の中を駆け抜け、死んでいき、生き抜いていったのか。
神々は地より去り、これよりはただ人だけが世界を紡ぐ時代が訪れる。

さようなら、女神。
さようなら、残酷で心優しい母よ。


最後まで、カリエはカリエでしたね。それが、無性に嬉しかった。エディアルドとの結末は驚きと同時に、すんなりと胸に収まりました。
洗濯物は取り込んだらたためって、あんたたちったら、ねえ(笑


ああもう、素晴らしかった。素晴らしくて、素敵で、悲しくて、楽しくて、辛くて、苦しくて、爽快で、気が遠くなるような、人間の抱くあらゆる感情を凝縮して一気飲みするような凄い、凄い作品でした。
一人の少女の物語であり、母親の物語であり、神々の物語であり、大河ファンタジーであり、歴史小説であり、群像劇であり、
私のかけがえのないバイブルの一つでありました。
墓の下まで持っていきたいと思っているいくつかの本の中の、これは確かな一つです。

まだ読んでない人、27巻という大長編ですけど、絶対に絶対に後悔はさせません。
一度手にとってさえいただければ、そこからはもうカリエという少女が貴方の首に縄つけて無理やりにでも引っ張り込んでくれます。そうなれば、あとは夢中になってこの流血女神伝という奔流の中をアップアップと溺れながら最後まで泳がざるを得ないでしょう。
ご愁傷様です。

最後に、作者の須賀しのぶさんに、この物語を最後まで読ませていただけたことに、ただひたすら感謝を。
それから、子供世代の話に期待を膨らませつつ、もうしばしこの胸いっぱいの感慨にひたらせていただきたいと思います。

流血女神伝 喪の女王 7  

流血女神伝喪の女王 7 (7) (コバルト文庫 す 5-62)

【流血女神伝 喪の女王 7】 須賀しのぶ/船戸明里 コバルト文庫


これは殆ど確信に近い予想なんだけど、流血女神伝――すなわちカリエの物語は次で最終巻かもしれないけど、この世界の物語は引き続き新シリーズとなってはじまるはずですよね?
なにしろ、ルトヴィア、ユリ・スカナ、エティカヤの三国を巡る混乱は拡大こそすれ、収縮する様子は一片たりとて見られないのですから。
いやそれよりなにより、今巻は特に何ですけど次世代を見越したかのように、たくさんの子供たちが顔をのぞかせているんですよ。ネフィシカとサルベーンの子であるフィンルに、バルアンの姫、スゥランやナイヤの娘ジィルヤ。カリエがエティカヤに残してきた息子アフレイム。女神の力を色濃く宿しているセーディラにビアンの子、次期ゼカロ公爵のユーディアヌス。ドミトリアスとグラーシカとの間に生まれたイエラとエアリシア。
まだ幼い彼らの間にも既に様々な出会いと因縁、想いや感情が交わされ育まれはじめている。着々と、次のシリーズの主人公たちが眼を覚まし始めているように見えます。
でも、これは大穴狙いの予想なんですけど、もし次のシリーズがあるとしてその主人公は誰になるのかと考えたら、それってカリエの子供であるアフレイムやセーディラじゃなくて、今回初登場したザカール人の少女、リネなんじゃないかと。
だってこの子、カリエそっくりじゃない(笑
能天気で聡明で人懐っこくて感情豊かで行動力があってなにより明るくて優しくて、そしてお金大好きという将来絶対それで躓きそうな欠点を持ってるところとかw
それ以上に、この娘なんか図太そうだしめげなさそうだし根性ありそうだし、何よりやたらとどんな環境でもいつの間にか馴染んでしまいそうなしぶとそうなところとか、もろにカリエの後継者っぽいんですけど(笑
むしろ、国家同士の争乱や神々の思惑の中心に立つことになるだろう王侯の子供たちやセーディラたちよりも、そんなかれらとは近しくも少し外れたところにいるリネの方が、もしかしたら主人公として適格なんじゃないかなあ、と思った次第。まあ、この娘のこと、一発で気に入ってしまった、というのも大きいわけですけど。

とはいえ、次世代に行く前に現状、国としての屋台骨が朽ち、滅びようとしているルトヴィアや、ネフィリカ新女王即位から徐々に不穏な気配が見え始めているユリ・スカナ、孤高の覇道を突き進むバルアンの下、刃を研ぎ澄ませるエティカヤと、国際動向は沈静化するどころかもはや激発寸前で、カリエの物語は次で終わるのかもしれないけど、こっちは果たしてどう区切りをつけるのかと、まったく先の見えない状況で。
皇帝ドミトリアスが暗殺者によって重体にされた時にはとうとう完全に終わったか、と思われたルトヴィアなんだけど、ここに来て、ドーンがザカリアの使徒となり復活後ある意味開き直り、ユリ・スカナから帰還したグラーシカが皇后としても一人の女性としても見事に一皮剥けて、なにやら一縷の望みが出来てきた気がするんですよね(とはいえ、例の修道院で萌芽しつつある悪夢は、そんな希望すべてを粉々にしてしまいそうですけど)
ネフィリカも、カリエの尽力のお陰でどこか彼女本来の性格を取り戻しつつあるし(と言っても、イーダルという今回もうどうしようもないほど壊れた内面を露わにした最悪の要素と、ネフィリカの心の支えとなりつつあったカリエがいなくなることで、女王の心がどう変化するかわからんし)
いやはや、いったいどうなるんだろ。

しかし、グラーシカは本当に一皮剥けましたねえ。これまではとても勇ましく格好良い女性ではあったんですけど、女性としての魅力にはいささか難があったのですが……


「どうだ。そろそろ私に惚れたか?」
「何を言ってるんだ、君は」
「まだか。おかしいな。やはり、もう少し強引に迫ったほうがよいのか?」

「よいか、私に惚れたらすぐに言うがよい。そのときはすぐにそなたの寝室に行くのでな」


いやはや。あのグラーシカが。あのグラーシカがこんな台詞を吐く日が来るとは。
萌えちゃったじゃないか!!
グラーシカにこんな形で『きゅん』とさせられる日がくるとは思わなかった。なんて嬉しい誤算www


そしてもう一つ嬉しくて、そこはかとなく胸が締め付けられたのが、オレンディアとランゾット・ギアスの二十年ぶりの逢瀬。
まさか、ここでこの二人の再会を読まされるとは。
なんだよ、ギアス提督。あんた、やっぱり彼女のこと好きだったんじゃないか。
愛の形は色々あるんだろうけど、この二人の愛情はなんだろうね。これが、海の男と女の一つの果ての形、ってやつなのかねえ。
お互い、それで満足してるみたいだから野暮はいわないけど。

でも、だからこそあのオレンディアに知らされる悲劇の始まりは、ひどいよなあ。どう考えても、オレンディアだって無事に済まなさそうだし。
もしかしたら、おそらく命長くない提督よりも彼女の方が先に、なんて暗い予想もしてしまうわけで。
それでも、彼女にとっては悔いのない精一杯生きた人生になるんだろうか。

より多くの人の幸せを願いつつ、でも難しいんだろうなあ、と複雑な溜息をつきながら、最終巻を待ちます。あとがきによると十一月?


ちょっと嬉しかったことその2.
おそらくカリエの人生において、一番の親友であるだろうナイアが、久々に登場してやっぱり昔どおりのナイアでいてくれたことが、なんだか無性に救われた気分に。ちゃんと、カリエのことも分かってくれてて……よかったなあ、カリエ。

流血女神伝 喪の女王 5  

流血女神伝喪の女王 5 (5)
【流血女神伝 喪の女王 5】 須賀しのぶ/船戸明里 コバルト文庫
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 この娘はまったくもう(苦笑
 いや、もう子供を二人も儲けている以上、娘なんて呼ぶのは相応しくないんだろうけど、この娘は本当にいい意味で変わらない。
 カリエを直接知らないネフィシカやその旦那。カリエが一番打ちのめされて弱っていた時期に一番密接に関わったイーダルなんかは、カリエを完全に誤解してるよなあ。特にネフィシカ新女王なんか、完璧に誤解してる。
 ネフィシカは、カリエを次々に襲い掛かってくる運命に嵐に翻弄され、為す術もなく周りの人間に利用され、流されてきた哀れでか弱い女性と思っているようだけど。
 こいつは、その運命の大嵐に流されるどころか、クロールやバタフライとかで泳ぎきってきた女だぞ(笑
 確かに結果的に流されたとしても、彼女は決して流されるままにはなろうとしなかった。
 カリエの凄味は、どんなに悲惨な目にあっても絶望しても、さっさと泣いて落ち込んで当り散らして、とっとと立ち直ってしまうところだろう。とにかくめげない挫けない。人並みに落ち込んだり悪い想像に囚われたりと、決して物事に動じないメンタリティの持ち主ではないだけに、その立ち直りの速さは際立って見える。
 今回だって、ネフィリカに身柄を確保され、娘とエドに魔手が伸びようとしている状況に冒頭は絶望し打ちひしがれていたにも関わらず、いざ肝を据えて負けるかこんにゃろー、と開き直った途端、囚われの身にも関わらず自分の出来る範囲からやれることをやろうとし、状況を組み立てていっている。
 とかく、この若い身空で並みの人間が七度生まれ変わっても経験できないような怒涛の変転を乗り越えてきたカリエである。このホオジロザメのような女を自分の同類だと舐めてると、ノド笛食いちぎられますぜ、ネフィリカ女王。

 一方、サルベーンは……自分の業に取り込まれてるよなあ。彼の迷走に関しては、エドの指摘があまりにツボをついていて、なんとも苦笑してしまった。面白い事に、この期に及んでもサルベーンと最も人間的に相性が良かったのはエドだったということなのだろう。
 エドと対面した途端、あの一番内面的にスッキリしていた頃のサルベーンに戻ってたし。ごちゃごちゃ考えすぎる面を、エドに単純明快一刀両断に切って捨ててもらうことが、複雑に考えすぎて泥沼に嵌まってしまうサルベーンにとっては一番良かったのかもしれないねえ。
 ラストの展開は衝撃的ではあったものの、あのままで終わらないと思うのでまだ気持ちとしては保留扱い。
 ドーン兄も遂に偉い事になってしまったし。
 流血女神伝も、クライマックスに至ったんだけど、これからどうなるのかがまるで想像できんのが、ハラハラドキドキである。
 
12月3日

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