2歳 オープン (国際)牝(指定) 馬齢 京都競馬場1,600メートル(芝・右 外)

同日中山11レース。カペラステークス(G3)にて、吉田隼人騎手騎乗のガビーズシスターが勝利。
吉田隼人騎手は、4月にレースで落馬して騎手として復帰できるかという大怪我を負ったものの、10月にはレースに復帰していたんですね。そしてこのレースにて重賞勝利の見事な復活劇。
よく帰ってきてくれました。


さあ、ジュベナイルフィリーズですよ。
今年は京都競馬場での開催ということで、これ来年の桜花賞(阪神開催)と果たしてどうリンクしてくるか判断が難しくなってくると思うのですけれど、とにかく今回は京都です。
しかも、荒れに荒れた馬場は完全に先行有利。本日の芝レース、片っ端から前の馬が勝ってましたしね。今日だけではなく、全体の傾向として半分より前にいないと勝てないよ、というデータが出ちゃってる。
京都は最後の直線、坂がないですから尚更前が粘れる。そして、外差しは4角で内ラチ沿いから馬場の真ん中に出てくるだろう先行馬に塞がれて、外も外にぶん回さないといけない。
不利は明らか、と思われたレースでした。

ところが、そう簡単には行かなかったんですねえ。想定通りになったりならなかったりするのが競馬の面白い所。

1番人気は王道路線アルテミスSを勝った2戦2勝のブラウンラチェット。今隆盛を極めつつある花形のキズナ産駒。アルテミスステークスの堂々たる勝利に新馬の頃からの評判といい、このメンバーの中では一頭抜けた感のある大物でした。
と・こ・ろ・が。風向きが変わったのが、調教後の馬体重が発表されたあたり。前走よりこの時点で二桁ほど体重減らしてたんですよ。さらにこの子、所属が東の美浦ですから、そこから輸送もあるわけで。まあこりゃレースではえらい体重減になってしまうだろうなあ、と。
実際、マイナス12キロとなってしまいました。もともと、新馬戦でも438キロと小柄な子だったのですけれど、そこからさらに428キロですからね。見た目はそんなガレてはいない、という出走前の様子ではありましたけれど、さすがにいけません。2歳の寒いこの時期にこんなに減らしてたらね。それに、阪神JFというレース自体、体重を大きく減らしてきた馬は人気馬でもコケる事が目立つと言われるレース。
最終的に1番人気は保ったものの、3.4倍にまで落ちてしまいました。前日オッズが2.5倍でしたからかなり落ちましたよ。

他の有力馬はというと。
デビュー前から重賞勝ちの姉が二頭いるわ、セールで高額買取されるわ、と評判の高かったショウナンザナドゥ。新馬戦こそ2着でしたが、次のレースでは5馬身圧勝と評判に違わぬ走りを見せた彼女ですけれど、アルテミスSでは惜しくも3着。この阪神JFの出走権はもぎ取れなかったんですね。そこで抽選となったものの、これを見事にくぐり抜けて出走権ゲット。
ブラウンラチェットに並ぶ大物としては、彼女以外ありませんでした。

また新潟2歳Sの2着コートアリシアンが3番人気。
2歳G1では海外からの参戦はこれが初めて、というメイデイレディが、これも世界の頂点に近い騎手であるデットーリを鞍上に4番人気。
そして札幌2歳Sの2着馬アルマヴェローチェが、これ重馬場の荒れ馬場だった札幌で2着だったのが評価されたんですかね。5番人気、というところでした。

レースはスタート直前に11番のクリノメイが立ち上がって尻もちをついてしまい、急遽ゲートから出されて軽く馬体チェックのあと、外枠発走に。
発走は出遅れらしい出遅れはなく、スタートの上手さに定評のあるミストレスが、評判通りにポーンと出てそのまま先頭。ただモズナナスターとリリーフィールドもかなりイイスタートを切ったんで、ミストレスをすっと行かせた形にはなったんですけれど、そのままスピード落ちなかったんですね。
スタートから最初のカーブに入るまで、傍目にも相当早く走っているように見えました。ペースが緩まなかったんですよ。最初の3Fが34.2。1000メートルで58.5ですからね。2歳牝馬戦の今の京都でこれはだいぶ流れたんじゃないでしょうか。
そのせいか、この時先頭集団を形成して馬群を引っ張った馬たちは結果苦しくなりました。
見てると、上位入った馬たちはこの先頭集団を前に見る中団前目の位置にいるんですよね。後方になりすぎず、しかし前ではない、という位置取りにいた馬たちがベストな位置から一番伸びた。
それが、勝ったアルマヴェローチェであり、3着のテリオスララであり。2着のビップデイジーは幸さん絶妙な乗り方したなあこれ。この馬だけ後方に位置していたんだけれど、内で脚をためて4角でも外に持ち出さず、直線に入ってからスーっと荒れてない外まで馬を持ち出してゴーサイン。そこで外から強襲してきたアルマヴェローチェと併せ馬の形になって二頭でうちの馬たちをごぼう抜きする形でゴール。
こうしてみると、アルマヴェローチェ4コーナーで一旦位置下がっちゃってるんですよね。一手遅れせたんじゃなくて、下りの加速に一瞬ついていけなかったようにも見えるし、随分と外を回ってロスも多かったように見える。でも、そこから一気に全部抜き去ったんですから、これは馬が強かったのでしょう。母父ダイワメジャーのハービンジャー産駒ですか。これ、ナミュールと同じ系統になるんですかね。マイル路線ですこぶる走りそう。
岩田望来騎手は、これがようやくの初G1。団野・菅原と今年は同期がG1勝って活躍してたですから、置いていかれた感強かったでしょうし、今年中に一つ取れたのは嬉しかろうなあ。活躍のわりにどうにもずっとG1の壁を感じさせる結果が続いていたので、これを期に殻を破るかもしれませんね。
2着のビップデイジー。レースとしては勝ったアルマよりもいい運びをしたと思うのですけれど、惜しかったなあ。ちっちゃい身体でいい走りしましたよ。
3着のテリオスララは、粘るショウナンザナドゥをゴール際に躱して入線。この子も前走からマイナス10キロでどうかと思ったんですが、これむしろ身体が絞れた結果だったのかもしれませんね。
4着のショウナンザナドゥは先行策が今回は裏目っちゃったか。コメントでも流れ早くて最後しんどくなった的な事を言っているし。想定通りなら、ほぼベストの所で走ってたと思うんですけどね。
5着には16番人気のスリールミニョンが掲示板まで乗ったのは立派立派。後方一気にかけたんでしょうけれど、永島まなみ騎手これがG1は2回目の騎乗になるんでしたっけ。肝据えてよく走らせたんじゃないでしょうか。

アメリカ馬のメイデイレディは、これ海外馬らしくスタートからテンは早くない、行き足つかないだろうなあ、と思ってたら思いの外グイグイ行って前の方につけられたんですよね。おおっ!?と思ったんだけれど、この子も逆にこれ展開が向かなかった。この流れの速さでは全然最後まで持たなかったですね。
1番人気のブラウンラチェットは、まさかの16着。今回の体重減は響くだろうな、と思ったけれどこんなに負けるとは思わなかった。レース前の段階で他馬を気にしてた上にレース中も揉まれてやる気なくしてしまっていたみたいなので、若さと体重減らした故の精神面での余裕の無さみたいなのが出てしまったのかもしれません。とりあえず、こんだけ負けちゃうともう一度出直しですねえ。来年のトライアルでどれだけ巻き返せるか。

冒頭にも書きましたけれど、今回の阪神ジュベナイルフィリーズは阪神と冠ついているのに京都開催です。例年なら、ちょうど桜花賞と同じコース設定なんで、参考レースとしても大きな意味を持つのですけれど、京都開催な上に馬場が今特殊な状態ときたもんだ。果たして、このレースの結果がどれほど本番の桜花賞に参考になるのか。
とはいえ、あのアルマヴェローチェの勝ち方は実力ないと出来ない勝ち方でしたからね。さあ来年どうなってくるのか、彼女が主役となれるのか。楽しみですねえ。
そして岩田くん、G1初勝利おめでとうございました。