ジャパンカップ

第43回ジャパンカップ G1 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 東京競馬場2,400メートル(芝・左)


魔王降臨!!


レース展望でも思わず書いちゃったけれど、イクイノックス……もう「魔王」と呼んでいいんじゃないだろうか。
それくらい、絶望的な強さだ。

前回の天皇賞は超ハイペースについていって最後にさらに突き放す、という訳のわからない展開で先行した有力馬の大半は何がなんだかわからないうちに壊乱していったというとんでもないレースでしたが。
今回は文字通りの真っ向勝負、正面切っての力勝負。掛かってこいとばかりの位置取りから、影すら踏ませず突き放した横綱相撲。文字通りの敵無し―無敵。圧巻も圧巻、他馬にとっては何をしても届かない、どうやっても抗えない、まさに魔王を前にしたような心境だったのではないでしょうか。
イクイノックス自身は大人しいくらいの馬らしいですけどね、でも速いという以上にただただ強い、無人の野を征くがごときその単騎独行は、さながら魔の王が如し。
もう断言できます。JRA史上歴代でもっとも強い馬です。現在世界最強。レベルが違い桁が違い次元が違います。ルメールのあんなコメント、はじめて聞いたよ。思わず泣いちゃってたし、インタビューでも言葉を探して探して出てこなくて言葉を無くしていました。

挑戦者リバティアイランドは、もうこれは彼女が出来うる最大限の競馬をしたと思います。しっかりとイクイノックスの後ろにつけて、マークして、追い出して。ただ、ただ、イクイノックスの方が強かった。ゴーサインを出した後のダッシュがもう桁違いだった。
並み居る強豪馬を押しのけて、歴戦の古馬も牡馬も蹴散らして2着に入った時点でこのご令嬢の強さは本物であり、歴史的な名牝となるでしょう。でも、前にはイクイノックスが居た。
同じ時代に藤井聡太がいた将棋界の棋士たちも、こんな思いをしてるんでしょうかね。
にしても、ここまでの差がリバティとつくとは思わなかった。あまりにも強すぎる。

3着にはスターズオンアース。正直、蹄の不具合がどれほど回復しているのか、調教もしっかり追いきれてるとは思えず、レースに走れるくらいには仕上げてきたとしても万全とは言えないだろうなあ。しかも外枠17番発走。不利が多く重なっていたと思うのですけれど、それでも3着に入ってきた地上の星。なかなか本調子で走れる機会がない馬ですけれど、やはり二冠達成した時のあの脚は本物です。枠順次第ではリバティと着順変わってもおかしくなかったくらいですよ、これ。
4着にはドウデュース。一度叩いて、鞍上の戸崎さんも緊急乗り替わりじゃなくてしっかりと馬の事を把握して、と天皇賞秋よりだいぶ条件上積みできたと思うのですけれど、しっかり結果も出してきました。それでも、ダービーの時とはこれだけ差がついちゃったかあ。
5着にはタイトルホルダー。府中はこの馬には苦しいかな、と思っていましたし大逃げして先に行っちゃったパンくんの代わりに実質タイホがレースを引っ張ったようなものだったのですが、真後ろにピタリとイクイノックスがついていましたからね。このプレッシャーはいかばかりだったか。パンくんが1000メートル57秒台を出してましたけれど、タイホはおそらく平均ペース。もう少しハイペースの消耗戦を仕掛けても、と思わないでもありません。イクイノックスにはどうにもならんかったと思いますけれど、他の馬に対してはもう少し制圧出来たんじゃないかなあ。パンくんがあれだけ逃げてる中で難しいとは思いますけどね。それに、ズルズル行くかと思う所で根性見せ続けてくれましたからね。よく頑張った。有馬記念が本番でしょう。

パンくんはやっぱりさすがに400メートルほど長かったw さすがに2000メートルでも速すぎ!という超ウルトラハイペースで逃げたら、ただでさえ距離長めなのに持たないよなあ。ゴール際の粘り腰が出る場面ではありませんでした。12着。
ダノンベルーガが6着でヴェラアズールが7着ですか。ベルーガはなんというか、そうだろうなあという着順にいつもすんなり入るなあ。ヴェラアズールは最近の中では頑張った。
ちょっと心配なのがプボくんことディープボンド。合わないレースでは有りましたけれど、中団前めの6番手あたりにちゃんと付けてたのに、ズルズルと10着になってしまったのは負けすぎだなあ。
チェスナットコートはブービーでしたが無事完走。長い競争生活お疲れ様でした。

さて、上がり最速はイクイノックスの33.5。とドウデュースやベルーガ、アズールらよりも早くてぶっちぎり。イクイノックスの真後ろにつけてたリバティですら33.9ですよ。あのリバティをしてこの時計なのに……。しかも、ゴール前でルメール後ろ振り返る余裕ありましたから全力じゃないんですよね。世界レコード決着だった天皇賞秋の時はさすがにイクイノックスも検量前に帰ってくるとき鬼気迫る雰囲気出してましたけれど、今回は余裕そうだったもんなあ。
今回で報奨金も含めて8億円近くゲット。賞金加算し、20億円ホースに。これで海外ドバイ含めてG1レースを6連勝。そして走るたびにまだまだ強くなっている、未だ4歳。まだ4歳なんですよ、この子。次走どうするのか、これで今年は終了なのかそれとも有馬に出てゼンノロブロイ以来の秋古馬三冠制覇を目指してくれるのかわかりませんけれど、いずれにしてももう歴史に残るどころじゃない歴史的名馬の証明を刻みつけ焼き付けてくれた、レース前の期待に応えてくれた凄まじい大レースでありました。








第43回ジャパンカップ G1 レース展望  


さあ、ごっついレースがはじまるぞ!

古今様々な劇的なレースが行われたジャパンカップですが、近年一番盛り上がったのは当時8冠だったアーモンドアイのラストレースにその年の牡馬・牝馬の三冠馬となったコントレイルとデアリングタクトが挑んだ2020年のジャパンカップでしょう。あれは戦前から一体このレースはどうなってしまうんだ、と武者震いが止まらないほどの期待に対して、そのレース自体が期待を上回るようなとんでもないレースになって、凄まじく盛り上がったものでした。

そして今回はそれに匹敵するような対決が成就したわけです。
JRA史上最強とすら言われ始めている【魔王】イクイノックス。
それに対して牡馬クラシックに出走していても三冠馬になったんじゃないか、と言われる底知れない強さでライバルを蹴散らしてきた【怪物令嬢】リバティアイランド。
そんな主役二頭に挑みかかるは、
イクイノックスの同世代ライバルにしてダービー馬・ドウデュース。
かつてただ先頭を走り先頭でゴールするという無敵の走りでレースそのものを制圧した支配者(ドミネーター)。怪我明けの復活を狙うタイトルホルダー。
地上の星と謳われた閃光のオークス馬。疾駆する流れ星スターズオンアース。
希代の逃げ馬にして現役獲得賞金王、世界のパンサラッサ。

他にも去年のジャパンカップ覇者であるヴェラアズール。消耗戦なら任せろのディープボンド。イクイノックス世代の雄であるダノンベルーガと役者は揃いました。
また今回は日本のG1でははじめて女性騎手が三人騎乗するというレースになってまして。
藤田菜七子騎乗のウインエアフォルク。ホリー・ドイル騎手のヴェラアズール。そして唯一の海外参戦馬となったイレジンのマリー・ヴェロン騎手と、この三名三騎が参戦します。
ヴェロン騎手、ちょっと尋常じゃないくらい美人なんですけど。いやマジでビビった。

今回は当初、出走馬がなかなか集まらなかった事もあってか、地方から参戦表明する馬がけっこう出て話題になったんですよね。結局出走するは2頭になったのですがそのうちの一頭が見覚えあるぞ!?
チェスナットコート、チェスナットコートじゃないか! オールカマーにも出てたんですけど、そうかーこれが引退レースになるのか。重賞勝ちこそありませんでしたけれど、ステイヤーレースの常連としていつも頑張って走っていたのを思い出します。最後の舞台をJRAの芝レース。G1の大舞台で、という事で最後まで無事に、あわよくばより上を目指して頑張って欲しいです。

さあ、世紀の一戦が始まりますぞ。


第42回ジャパンカップ G1 レース回顧  

3歳以上オープン(国際)定量 東京競馬場2,400メートル(芝・左)

ヴェラアズール、本物だったか!!

エイシンフラッシュ産駒の初G1おめでとう! おまけに渡辺薫彦師のG1も初勝利! 渡辺さん、G1まだ勝ってなかったのかー。
父親エイシンフラッシュを彷彿とさせる、内側で溜めて溜めて最後に炸裂させる閃光の脚。まさに【青い閃光】だ。
にしても、今回はライアン・ムーアの手腕につきますよ。日本に来る外国人ジョッキーは、短期免許取る時の資格からして前年の成績がものを言いますから、本当に世界の上澄みの上澄みなんですが、ほんと凄えわ。

さて、今回のジャパンカップは近年では見られない外国馬参戦のニュースが盛況だったレースでした。いっときは凱旋門賞馬アルピニスタが色気を見せていたほどでしたからね。
調整過程で故障を発生させなかったら、本当に参戦していたでしょう。結果として参戦は四頭になりましたが、久々に国際レースジャパンカップの面目躍如だったんじゃないでしょうか。
その四頭は以下の面々。

・エニル賞でドゥデュースを撃破したアイルランドの若き俊英シムカミル
・本邦でもソウルスターリングなどを排出した大怪物フランケル産駒にしてパリ大賞典(G1)の勝ち馬オネスト
・昨年もジャパンカップに参戦し5着の掲示板入して日本の競馬に適正を示しているグランドグローリー
・未勝利戦勝利から5連勝でG1バイエルン大賞を制したドイツの昇り馬テュネス。

海外馬の格としてはオネストが一番だったのかな。6番人気になっていましたし。

一方で今回は日本馬の陣容が例年と比べてもとにかく手薄な印象でした。三冠馬3頭が集った一昨年。コントレイルが有終の美を飾った昨年と比べても、G1馬はシャフリヤール陛下にオークス馬ユーバーレーベン。そしてエリザベス女王杯から中一週で急遽参戦となった三冠牝馬デアリングタクト。
この三頭だけでしたからね。
その三頭も、デアリングタクトが前述したように中一週の強行日程。ユーバーレーベンはのんびり気質のせいか最近は競馬自体に前向きではないようで。
日本総大将はシャフリヤールが務めることになりそうだったものの、ドバイシーマこそ制してメンツは保ったものの、その後英国のG1ではコケてしまい、天皇賞秋でも展開が向かず消化不良のレース。揺るぎない大黒柱というにはちと不安が残る状態だったんですね。
とはいえそれでも一番人気3.4倍。
2番人気は天皇賞秋でシャフリヤールを上回る3着に入ったダノンベルーガ。ただ、能力の高さこそ折り紙付きなものの、結局G1ではクラシックも前走も善戦止まり。重賞も前哨戦で皐月賞馬ジオグリフに勝ってはいるものの、大きなタイトルを取っているわけじゃないんですよね。もひとつ貫目が軽い。
3番人気はヴェラアズール。デビュー前から足元の故障などで苦労して、足元の不安が解消できず負担の軽いダートで長く我慢の使われ方をして、つい最近ようやく目一杯走っても大丈夫なくらいになったことで芝レースに出した所、一気に才能を開花させて京都大賞典を勝利したという苦労の馬。
ただ彼はここが分岐点でもあったんですよね。こういう一気に上がってきて重賞を勝った馬は、そのまま頂点に駆け上がるかG1の壁に跳ね返されてそこが天井になってしまうか。よくあるパターンなんですよね。一気に連勝で駆け上がってきて初G1で人気になるものの、そこでパッとしないままG1戦線の常連にもなれずに消えていく馬たち。そういう意味でも、非常に注目の馬でありました。
見事に、本物であったことを証明してくれたのですが。

4番人気はヴェルトライゼンデ。この馬も怪我による一年四ヶ月という長期休養から鳴尾記念で劇的な復活を遂げたものの、次のオールカマーでは全く伸びない大外を回ったお陰で7着の大敗。果たして、復活は本物か。真価が問われる一戦に、鳴尾記念の相棒であるレーン騎手が跨っての挑戦でありました。

5番人気にデアリングタクト。足元に不安を抱えたままの連戦ですが、勝てないレースが続いてますけれどどれも彼女の能力を全力発揮できたとは言えない惜しいレースが続いていて。一昨年、アーモンドアイとコントレイルと共に激闘を繰り広げた舞台で、もう一度その輝きを見せてほしい一戦でした。

他にも、前走福島記念で復帰後大敗が続いていた中で劇的な逃げ切り勝ちを果たして見せたユニコーンライオン。
長距離戦線を渡り歩き名手武豊を鞍上にアルゼンチン共和国杯2着からここに挑むハーツイストワール。
これが引退レースとなるという長きにわたって一戦でその強烈な末脚を見せてくれていたシャドウディーヴァ。
常にG2で3着以内に入り続ける堅実派のボッケリーニ。
そしてユーバーレーベンやカラテ、テーオーロイヤルなどが出走と相成りました。

繰り返しになりますけれど、今回は絶対的で他と隔絶した能力を持つ馬は不在。外国馬にも大いにチャンスがあるし、これまで重賞で善戦くらいで燻っていた皆様にも一着賞金4億円。指定の海外レースを勝った馬がジャパンカップを勝利した場合はさらに報奨金が与えられて7億円近い賞金が得られるという凄いことになってましたからね。
いや、ほんとなんでこんなにメンバー手薄なんだ? みんな有馬記念の方に行っちゃったのか?

レースの方は、冒頭で叫んだようにヴェラアズールが内側に空いた僅かな隙間から切り込んできたムーア騎手の手綱捌きによって、ゴール直前でシャフリヤールを躱したヴェラアズールが栄冠を手にしました。
先週のマイルチャンピオンシップに負けず劣らずの、馬群が密集した非常にポディション取りが難しいレースになりましたけれど、道中含めてムーア騎手の位置取りがホントお見事としか言う他なく。
2着のシャフリヤールも、クリスチャン・デムーロがえ?なんでそこにいるの!? と何度見させられたかわからない進路行程で、今回のレースに関してはシャフリヤールは十全の力を発揮して走りきったレースだったんじゃないでしょうか。最後、ダノンベルーガの進路を塞ぐ形になって騎乗停止喰らいましたけれど、これに関しては土曜日に騎乗停止食らって連日でやってしまったペナルティゆえの重さで、今回単体としてみるとベルーガもう脚一杯になっててあそこから伸びる要素なかったようにみえるので、順位には影響なかったかと。まあデム弟が急に内から上がってきたヴェラアズールに一拍焦ってしまったんでしょうかね。
前塞がれてしまって行きたくても行けない事になってしまったのは、デアリングタクトの方でした。2,3回くらいここで前へ前へ、とギア入れようとした所で進路塞がれて止められたり、外まで大回りしたり、と……ああ、勿体ない悔しいレースでしたよ。マーカンドもここぞというときに一番ごちゃごちゃしてしまう所に入ってしまったなあ。スムーズに行けば勝ち負けになったかと思うレースだっただけに、ほんと悔しい。でも、まだまだデアリングタクトは終わってないと証明してくれたレースでした。秋は全部不本意なレースになってしまったなあ。
3着に入ったのはヴェルトライゼンデ。先行した馬の中ではこの馬が一番いい走りをしましたね。武豊のハーツイストワールの真後ろに付けて虎視眈々と脚をためて、内側が空いた途端にスッと馬を導いて加速させるレーン騎手の鮮やかさ。このレースで一番スムーズに競馬したのこの馬じゃないだろうか。それだけに、猛然とヴェルトライゼンデに食いついてきたシャフリヤールの脚の凄さに目が行きますし。それ以上に、ヴェルトライゼンデの後ろをついていき、落ちてきたハーツイストワールを躱してヴェルトライゼンデが内に切り込んだのに対して、ハーツの外に進路を切りハーツを躱して代わりにその進路に入り、ベルーガを躱してヴェルトライゼンデに食いつき、猛追してきたシャフリヤールを貫いてみせたヴェラアズール・ムーアの競馬が背筋を震わせるのである。
いやあ、改めて見ても凄いなあ。あれだけ縫うように走りながら淀みが全然無い。無理やりこじ開けてとか、無いもんね。本当に閃光のように伸びてきた。

ダノンベルーガは5着。最後不利はありましたけど、そこに至るまでにだいぶ消耗してしまってたみたいなので、不利なくても順位は変わらなかったんじゃないかな。2400は若干長いようにも見える。
外国馬最先着はグランドグローリーの6着。去年の5着よりも一位下げてしまいましたが、彼女もだいぶ前を塞がれて行きたいのに行けなかったんですよね。スムーズに前が空いていたら、勝ち負けは難しくとも馬券圏内の3着までは勝負出来たかもしれません。そういう意味では、やっぱり日本の馬場に適正あったんじゃないでしょうか。このまま、帰国せずに引退。日本で繁殖入りするそうで、お疲れ様でした。産駒も、この2回のジャパンカップでのレースを見る限りでは日本にあった馬を出してくれるんじゃないでしょうか。

終わってみれば、総大将シャフリヤールは負けて強し。しかし、新たなるスター誕生。遅れてきた新星ヴェラアズール、これが最初にして最後ではなく、その光輝く第一歩になって欲しいですね。
ほんと、エイシンフラッシュ産駒の星になってほしい。とはいえ、なかなか乗り難しい馬っぽいけれど。溜めて溜めてここぞというときに爆発させる末脚勝負、それも外から大マクリというよりも内側から切り込むタイプっぽいですからね。展開や馬場にかなり左右されるんじゃないだろうか。
それこそ騎手の腕が問われますぞ。





第29回 ジャパンカップ(GI)  

今年はまた、物凄い外国馬が参戦してきた。俄かではない、本物のワールドクラス。
ブリーダーズカップ・ターフの二連覇。キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを勝ち、ぶっつけで挑んだ凱旋門では4着。英仏米と渡り歩いてG1四勝コンデュイット。
格付けで言うなら、海外で連対も出来なかったウォッカを遥かに上回ると言っていい。
彼を含めて、今回は五頭参戦と例年に無く外国馬が目立つレースとなっている。
アーリントンカップ二着にジャパンカップと同じ2400G1のノーザンダンサーターフステークスを制したジャストアズウェル。去年のジャパンカップでは悔しい体調不良による取り消しも、今年は漲るような迫力の馬体を見せるマーシュサイド。ちなみにジャストアズウェルが勝ったノーザンDTS。斜行降着ながらも一着入線したのはこの馬だったりする。

対する日本馬は、最強牝馬ウォッカを筆頭に、スクリーンヒーロー。オウケンブルースリ。レッドディザイア。リーチザクラウンといった馬たちが駒を並べる。
ウォッカは前日オッズ一番人気を獲得したものの、その倍率は三倍台と近年の彼女にしては随分と安い数値となっている。これは秋にカンパニーに完敗したのと、ここしばらくマイル路線を中心に走ってきた事が元凶なのだろう。ただ調教は素晴らしく走っており、調子は春の無敵状態だった頃に限りなく近くなっていると見ていい。最近長距離は走っていなかったとはいえ、ダービー勝ちを含め実績は充分である。

続いてオーケンブルースリ。こちらは長距離をホームとしていると言っていい馬であり、この2400はまさにベスト。秋に入って非常に調子が良く、京都大賞典で菊花賞以来の重賞を勝ち、展開に恵まれなかった天皇賞・秋でも4着に食い込んだのは評価できる。
実績では一歩見劣りするものの、今回のジャパンカップは高速レースとなると予想されており、そこでは彼の長くしぶとい差し脚が生きる展開となるだろう。

そして、スクリーンヒーロー。去年のジャパンカップの勝ち馬ながら、その後いまいちといったレースを続けていたが、目覚しい変化を見せたのが前走の天皇賞・秋。カンパニーとウォッカのマッチレースといわんばかりだったところへ割って入ったのはフロックではあるまい。どうやらこのレースからブリンカーをつけたらしく、その効果が顕著に出たと思われる。とはいえ、どうやらこのレースではブリンカーは装着しないらしい。はたしてその選択や如何に。

ブエナビスタとの再戦を蹴り、エリザベス女王杯を回避してこのジャパンカップに挑んできた三歳秋華賞馬レッドディザイア。あのブエナビスタと常に競い合い、三歳牝馬三冠を2・2・1という成績で駆け抜けた馬であるが、古馬との戦いはこれが初めて。それを心配する向きもあるが、ライバル・ブエナビスタは札幌記念で二着に入っている。メンバーの格が全然違うとも言えるが、判断材料になるだろう。
過去には同じ秋華賞馬のファレノプシスが二着に入っていることもあり、三歳牝馬と言えど侮れないところである。

展開はリーチザクラウンの先行が予想されるが、先週先々週とG1で連続して先頭を切った馬に一杯食わされる展開が続いているので、果たして三度続くかどうか。おそらく、早め仕掛け。好位から抜け出す馬の勝ち負け、という展開になると思われる。
直線の長い東京コース。鋭い差し脚をどれだけ長く使えるかがポイントとなるか。

さて、予想ではあるが、今回に限っては穴抜けは無いと見る。
よって、ウォッカ、コンデュイットを軸にオウケン、スクリーン、レッドディザイアに外国馬のマーシュとアズウェル。


追記:と言っておきながら、何故か馬券を購入したらエイシンディピュティとリーチザクラウンの馬単馬券を持ってるんだが。何故だ?


結果

ゴール間際でギリギリ辛抱して我慢して抜かれなかったウォッカの勝負根性は素晴らしいな!!
後方一気のオーケンブルースリとの壮絶な競り合いを制して、ウォッカがジャパンカップ初の牝馬戴冠を果たし、G1七勝目というテイエムオペラオーやディープインパクト、シンボリルドルフに伝説の名馬に並ぶ事となったわけだ。牝馬とはいえただの七勝じゃないもんなあ。天皇賞や日本ダービー、そしてこのジャパンカップと並み居る強豪牡馬を蹴散らしての七勝。その価値の凄さは類を見ない。牝馬ゆえに種牡馬になれないのがもったいないくらいだ(笑
予想通り、長く鋭い末脚が決め手となって、最後方から伸びてきたオーケンが二着。
三着には中団から馬群を捌いて突き抜けてきたレッドディザイアが入線。結局、牝馬二頭が馬券に絡む結果に。
レッドディザイアがこの面子で堂々と三着に食い込んだことで、三歳牝馬戦線のレベルの高さが必然的に証明されたわけだ。こうなってくると、ブエナビスタが参戦してくる有馬記念は大変なことになりそうだな。

鳴り物入りで出場したコンデュイットは結局四着。うーむ、おかげさまで馬券は台無しでしたよ。ジャパンカップ、大物走らんなあ。
 

12月15日


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