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ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆! ★★★★  



【ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆!】 竜ノ湖 太郎/ももこ  角川スニーカー文庫

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箱庭第二桁、ギリシャ最強の魔王・テュポエウスとの一戦を終えた「問題児たち」。辛くも一時的に撃退したものの、しかしアトランティス大陸の異変は収まることがなく――。
巨人族が溢れ大陸全土が混乱する中、第二次太陽主権戦争・第一回戦は終わりを迎えようとしていた。謀り企てる"ウロボロス"のゲームメイカー、奮戦する問題児たち、『王の在り方』を問われるアステリオス――激動の中で様々な想いが交錯し、遂に"大父神宣言"の真実が解き明かされる時、英雄英傑、そして問題児たちは再び魔王・テュポエウスとの決戦に臨む!!
竜ノ湖太郎の大人気シリーズ、アトランティス大陸編、完結!

なんだろう、ようやく様々な謎が薄っすらとだけれど一つに繋がって見える範囲まで浮き上がってきた気がするぞ。破局的大噴火(ウルトラボルケイノ)による人類史の終焉、星辰粒子体(アストラルナノマシン)の研究の暗躍者、血中粒子加速器(Blood accelerator)の存在、第二次太陽主権戦争が行われる意味、星霊の定義。多種多様な用語が飛び交い、そこに秘めたる関連性がずっと示唆されつつも実際に紐づけするには複雑に絡み合いすぎていて、全体像が掴めなかったのも確かなんですよね。大まかな意味において、十六夜たちは何を目指すのか。近しい視点観点においては目的は個人的にもコミュニティ的にも色々とあるものの、大局的な俯瞰的なマクロな視点としては十六夜たち、方向性こそ見出しつつあったものの、それそのものを見出すためにもこの今回のギフトゲームに参加している、という感もあったんですよね。
まだあまりにも、あまりにも謎でわからないことも多く、真意が掴めないキャラクターも多いのですけれど、一つだけ……少なくとも一つだけははっきりとわかったことがあるんじゃないだろうか。
敵はジェームズ。ウロボロスのゲームメーカーを名乗るあの男だ。
魔王テュポエウスが義憤により立ったように、絶対悪アジ=ダカーハが偉大なる悪であったように、殿下が救世の英傑として再起したように、敵として立ちふさがった者たちにもそれぞれに戦うべき理由を矜持とともに持っていた。
あのクリシュナの皮を被ったナニモノかですら、その意図が悪しきものであったとしても真正面から自らの意志を貫こうと襲いかかってきた。あれもまた、絶対に相容れぬ戦うべき敵なんだろうけれど、あれですらまだ戦いが成立する、とも言えるんですよね。
対してジェームズである。意図を隠し思惑を秘し虚言を弄し他者を陥れ騙し公然と利用して、愉悦する。もう邪悪極まるんですよね。あれだけみんなから胡散臭くて信用出来ないと思われているにも関わらず、彼を排除できず彼の言葉に踊らされざるを得ないこのもどかしさたるや。その上で、今箱庭も外界もまとめて悪い方悪い方へと持っていこうとしているナニモノか、その起点となっているのがどうにもジェームズっぽい、という証拠と言えるのかわからないけれど、つながりのようなものが見えてきて、芋づる式に今あれもこれも全部見事に繋がっているんじゃないか、という感覚が引き釣り出されてきたっぽいのが、今回の話の肝の一つだった気がするんですよね。ぽい、だったり気がする、と断言できないところにやっぱりもどかしさもあるのですけれど。それでも、はっきりと目に見える形で、こいつが悪い! という相手が確定したというのは随分スッキリしたわけですよ。的がついに確かになったんですから。盛大にぶっ飛ばすべき怨敵が。許されざる真の外道が。
ウロボロス自体は、旧知の人物や以前の仲間が加わっていたり、決してそのもの全体が敵、というわけではなく内部でも意思統一がなされていないような感じもあるので、まるっとあいつら敵、とはならずモヤモヤしていただけに、余計に元凶がはっきりしたというのは物語としても焦点があってきたんですよね。
それでもまた新たに謎や設定も増えて来ているのですけれど。

ともあれ、大父神宣言の真実はこのアトランティス大陸編の決着を決定づけるに相応しい大解答でありました。いやこれ、大神ゼウスの有名な女癖の悪さからくる悪名を根底からひっくり返してしまう話だったんじゃないでしょうか。この解釈だと、ゼウスのあのレイプ魔としか言いようがない因業が、まるで真逆の意味になっちゃいますもんね。一つの神話大系の主神に相応しい偉大さとして語れるものじゃないでしょうか。ついでに女神ヘラのアレも一緒に意味づけてほしいところでありますけど。
他にも先代?問題児の一人であるあのアルゴールがついに出番だとばかりに登場したり、アルマテイアがいきなりひげをつけて解説をはじめたり、ケツァルコアトルさんがやたらイイ人だったり、と見どころは沢山あったわけですが、やはり一番の見せ場はアステリオスの王としての決断であり覚醒であったのでしょう。なにしろ、サブタイからして「甦れ神の雷霆」なのですから。かつてミノス王が乗り越えられなかった壁を、今息子たるアステリオスが乗り越え、箱庭世界に名乗りを上げる。
一方でまた魔王テュポエウスももうひとりの主人公なんですよね。アバターとなっている実験体の少年が宿していた、父とも思った相手からの裏切りによる悲嘆と絶望、そして怒りに義憤を覚え戦うテュポエウスもまた、父であるゼウスに裏切られたもの。その傷ついた心を目の当たりにした十六夜の行動は、あの抱擁は……なんていうんだろう、十六夜くんって色んな意味でこの子やっぱり「お兄ちゃん」なんだよなあ。

次の舞台はどうやら「ローマ」。コンクラーベという単語が出てきたけれど、果たして二回戦はどんなギフトゲームが用意されているのか。ジェームズが本格的にノーネームを敵と見定めた節もあり、ここからどんどん核心へと突き進んでいきそう。さあ、ワクワクしてきましたぞ。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 6.激闘!! アトランティス大陸 ★★★☆   



【ラストエンブリオ 6.激闘!! アトランティス大陸】 竜ノ湖 太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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Kindle BOOK☆WALKER

"人類の敵"、殺人種の王を一時的に退けた「問題児たち」。黒ウサギや御門釈天とも合流した一同は、消耗した逆廻十六夜を無理やり休ませつつ、アトランティス大陸の謎解きを進める。
そして舞台は地下迷宮へと移り、最下層へ先行する春日部耀と石碑を探す残りの面々の二手に別れて探索を開始する一同だったのだが、突然の大噴火にて事態は一変し――
「人類を"世界の敵"にしてしまった罪を、かつて拳を振り上げられなかった者の義務を、今此処で果たそう」
地上に異変が起きた最中、最下層にて耀が遭遇したモノとは――。
竜ノ湖太郎が送る大人気シリーズ、禍乱が巻き起こる第6巻!!
あの十六夜くんをどついて気絶させて休ませるとか、すげえことするなあ耀。たくましくなった、というレベルの話じゃないですよ。いくら弱っているからって十六夜くんにそんなことが出来る人が神仏含めて幾人いるか。
耀って、問題児三人組の中でも一番リーダーとかそういう立場に似合わなそうだったのに、今ノーネームのボスになってる彼女を見ると、むしろ彼女がリーダーとしての立場を活かせる人間だったのか、と思えてならない。飛鳥も別のコミュニティ作っているとはいえ、飛鳥も十六夜も人並み以上に人の上に立つことは得意かもしれないけれど、同時にその立場に絡め取られて自由に動けなくなる、柵にとらわれるタイプであるようにも見えるんですよね。その点、耀はその立場を逆に利用して好き勝手出来るタイプというか。帝釈天を口八町で乗せてうまいこと権限を掻っ攫っていったのなんか見ても、彼女の自由人としての個性がイイ方に作用しているなあ、と。

これまで慎重に、というか無理やり飛鳥のことを避けまくってた彩鳥。ここまで徹底的に逃げ回っていたのだから、最後まで引っ張って逃げまくるのかと思ったら、簡単にとっ捕まって自爆したぞ、この女! 別に飛鳥の方から追求しているわけでもなかったのに! しかも、前世の記憶はありません、なんてどうしようもない嘘をついて。凄まじいポンコツっぷりである。
これがあのフェイスレスと同一人物? 全然キャラ違うんですけど、別人としか思えない、とのたまってる飛鳥さんの感想に完全同意である。生まれ変わって緩んだ、とかなんとか言われてたけれど、これ緩んだ鈍ったどころじゃないですよね。キャラが変わった、としか言いようがなく。本人にそれほど変わった意識がないあたりが惨劇を助長しているきらいもあるのでは。あくまで鈍ってる、と思ってる風なのがなあ。
あっさりここらで神域の技量を回復させているあたり、メンタルに左右されすぎじゃね? とも思わないでもない。どれほど強さを取り戻しても、フェイスレスの頃のような頼もしさが全然感じられないあたり、ポンコツという業の深さを感じてしまうのでありました。その分、尋常でなく可愛くなってしまった、というのもまた深い業じゃないですか。

しかし、ここに来てもウロボロスの暗躍が不気味すぎるなあ。ガイアの末子など、人類と明確に敵対する存在が湧き出しているけれど、それもこれも含めて「ウロボロスの掌の上」という言葉が深刻に響く。せめて、ジンがなにかウロボロスの思惑を超える形でアヴァターラを率いていたらいいのだけれど。特にジェームスなる男の胡散臭さと邪悪さが半端ないんですよね。だいたいジェームスって名前なんだよ。あまりにも特徴がなさすぎて、名前的に遡るしかないんじゃなかろうか、これ。ジェームス、ジェイコブ、ジャック、ヤコブ。あの懐かしきジャック・オー・ランタンと同じ名前というのも気に入らないし、ちょうど表の世界でローマ法王やキリスト教の話が出てたのも因縁を感じるし、ラストの十六夜くんの久々の痛快登場シーンのように、スカッと問題児たちがウロボロスの暗躍に対してやらかしてくれるのを期待しつつも、次がアトランティス編の最後か。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開! ★★★★   



【ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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Kindle B☆W

「私は久遠飛鳥。箱庭に召還された異邦人の一人です」
アトランティス大陸の謎に挑んでいた鈴華は、その道中で久遠飛鳥、アルマテイアと出会う。意気投合する3人の前に、今度は「ラミア」と名乗る吸血鬼の少女が現れて!?
一方、十六夜の前には、春日部耀、そして飛鳥達が現れ、遂に「問題児たち」が集結する。しかし、懐かしむ間もなく、クリシュナと更なる怪物が彼らを襲撃し――
「極相の星剣、原典候補者、生命の大樹……そういう事か! 貴様らが、ミリオン・クラウンというわけか!!」
十六夜が親友について語る短編も同時収録。過去と現在が交錯する第5巻!!

ああ、やっぱりこの三人が揃うとイイなあ。十六夜にとって仲間や対等な存在、同格に近い協力者というのは今となってはたくさんいるんだけれど、その中で耀と飛鳥はまたなんか違う、特別なんですよね。なんなんでしょうね、この三人の関係って。まるっとひっくるめて「家族」と囲ってみてもいいのですけれど、家族扱いなら他にもいるでしょうし。同志にして好敵手、兄弟……とはまた違うか。それぞれにまた姉妹・兄弟はいますからね。
男女の仲を越えた本当に何とも表現し難く、しかし揺るがし難い不抜の絆で結ばれた三人。この三人が揃うとやっぱり雰囲気からガラッと変わります。一人でも果てしなく強い十六夜だけれど、でも彼だけだとどこからしくなかった、とも言えるんですよね。ほんとうの意味で背中を預けられる相手が、耀と飛鳥であるのかしら。
どこか燻っていた十六夜と違って、階層支配者としてメキメキと力とリーダーとしての諸々を備え始めている耀に、コミュニティの長としてこちらも成長を遂げていた飛鳥。飛鳥の方は何をしていたんかわからんけれど、あっちこっちでまた途方もない人脈を築いていたようで。なんか帰ってきたら超抜的な武器持ってるんですけど。RPGでいうと宝箱とかイベントでしか入手できない最強武具をどこかでもらってきたみたいな。
決して身体能力が超人化しているというわけではなく、肝心の武具を扱う腕前が他所様から「ぼ、凡庸」と呆れられてしまうのですから、そこらへんは飛鳥さまらしいというかなんというか。ただ、彼女の強みはその直接的な力とかじゃないのは、当初からわかっていたことですから、存分に自分の長所を伸ばしている、とも言えるんですよね。その凡庸な刀術で問題なく試練をくぐり抜けているのですから。
クリシュナの方はその正体を含めて引っ張るのかと思いましたけれど、思いの外早くというか取って返す勢いで再戦が行われて、彼の正体が引き出されることに。
またぞろ、ごっついのが出てきたけれど、逆に言うと正体見たりということで露見してしまえばどうとでも出来るんですよね。未知こそが恐ろしく、ぶん殴れるならなんともでなるとも言える。少なくとも、人類最終試練たるアジ・ダハーカ様のあの絶望感に比べれば。
それはそれとして、彩鳥ですよ。飛鳥の気配察知するやコソコソと逃げちゃって。これがあのフェイスレスだったかと想うとなんとも情けないというか。ラストエンブリオに入ってからいいとこなしだなあ。

印象的だったのは、やはり後半の番外編ふたつ。金糸雀とレティシアの出会いであり、吸血鬼一族が迎えた地獄の顛末の模様であり、十六夜とその親友となったIshiとの出会いと別れ。十六夜が世界の素晴らしさを教えてもらったエピソードである。
そのどちらにも金糸雀が絡んでいる。絶望の閉塞世界を突破して現れたかの少女は、正しく世界の救世主だったのだろう。ディストピアを打ち破った英雄は、その後も絶望する人々に打ち克つ希望を当て続けたのだ、と思えばその偉業には心打たれるものがある。
さらっと語られた斉天大聖孫悟空に生まれながらに与えられた運命と、その運命に異を唱え天に逆らったかの盟友たちの戦争についても、なかなか衝撃的な話でありました。ってか、孫悟空ってそんな破滅の運命背負ってたのか。生まれながらに存在が許されぬが故に監禁した天帝の意図も、決して意味のないものではなかった、というのもわかるんだけれど、それでも悟空……彼女の尊厳を守るために立ち上がった魔王たち、というのがやっぱり格好いいですわ。七天魔王のうち中華系が三人しかいなかった、というのも驚きだけれど。そういえば迦陵ちゃんの迦楼羅ってばインド系になるのか。
しかし、斉天大聖がこれだけキーパーソンだった、となると彼女の沈黙とちらっと登場した時の意味深な発言にもいろいろと思惑が生じてくる。
ともあれ、酔っ払ったとはいえ十六夜の膝枕でだらしなく眠る耀と飛鳥の甘えっぷりにほんわかする一幕でもありました。これ、彼女ら二人肩肘張って十六夜に追いつこうとしている頃だったらこんな風に出来なかったんじゃないかな、と思えばこうやって彼に甘えることができてるというのは二人の成長と自信の現れなんだな、とも考えられるんですよねえ。
次回は、本格的に彼女ら二人の本領発揮を見たいところであります。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 4.王の帰還 ★★★★   



【ラストエンブリオ 4.王の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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人類の未来に“退廃の風”が吹き始める――。シリーズ待望の最新刊!!

いよいよアトランティス大陸に到着した焔たち。白夜王と黒ウサギによって新たなゲームルールが説明されるが、彩鳥はかつてのように戦えない自分の不甲斐なさに不安を隠しきれなかった。一方、廃滅者パラシュラーマとの死闘の果てに、十六夜は再び箱庭に帰還する。どうにか焔と合流する十六夜だったが、そこに“ウロボロス”の刺客が現れ!? やがて告げられる衝撃の事実。焔と十六夜の運命が決する時、再び“絶対悪”の御旗が揺れる!
これは無理ー! 人類史消滅のお知らせー! これはあかんわ、人理焼却とかポールシフトよりもこう、ダイレクトにダメかも知らん地球。むしろ、ここから地球を守る手段があることの方が信じられない。まさに神の配剤である。実際には、神はそういう関与の仕方はしていないのだけれど。むしろ、既にあった材料を無理矢理にでも手繰り寄せて実現させようとしてるんだよなあ、これ。
そうか、それが「理由」だったのか。
ウロボロス側のなんか、人材というか所属している人たちの思想や属性というのがものの見事に雑多でまとまりがないに等しいにも関わらず、肝心の「目的」に関してはどうにも一致団結というわけじゃないけれど、ブレなく目指しているっぽい様子がどうにも不思議だったんですよね。どう考えても、かつてのカナリアや今の十六夜たちを裏切って向こうにつくとは思えない人たちまで加わっていたわけですしね。ジン・ラッセルくらいだとなんやかんやと思惑抱えて動いてそうなんだけれど、そういう裏表のなさそうな人たちまであっちに居るケースもあったもんなあ。

でも、これが「理由」だとしたら、どれほど後悔し苦しむことになろうと、大事な人たちを裏切ってでも、その選択をしようという人たちも出てくるわなあ。
でもそれは「悪」なのである。
許されざる悪なのだ。それを選択することは、人類が悪そのものへと染め上げられることになる。再び人類は現在を抱えることになる。
それを人類が選択しようとしているのを、そりゃ人類の正義を誰よりも信じているからこそ「絶対悪」の御旗を掲げたあの方がそれを許せるはずがないわなあ。
しかしそうかー、焔がその対象だったというのも、閣下の在りようと焔が行うはずだった未来の罪を説明されたらなるほど、と思わざるを得ないんですよね。まさにその在りようは重なっているのか。
どうもウロボロスの側でも、なんか妙な動きをしている連中がいるようで、世界の危機を救うためというお題目とは別の目的で動いているっぽいんだよなあ。ってか、露骨に退廃の風とか匂わせてるんだけどそのままなのもしかして? 
ともあれ、世界を救う手段そのものは提示されたものの、どう見てもそれって無理ゲーなわけで、なにをどうやったらこれ実現できるんだ? 少なくとも、現在の十六夜と焔の持っている能力と伝手だけじゃ絶対無理なんだよなあ。箱庭世界に来たことじゃなく、そこで出会う人たち、違う時間軸の人たちとの出会いこそが重要だったのか?
なんかさらっと、今まで伏せられ続けていたノーネームの前身である滅びたコミュニティーの真名までさらっと明らかにされちゃいましたし。あれって、名前が喪われたことが本当に重要で、だからこそ今の今まで絶対に誰もその名前を口にしなかったのに……その名前を言っちゃったってもしかして本当にヤバイことなんじゃないだろうか。
十六夜の原点、生涯の親友との出会いと別れの話によって、このぶっ飛んだ男の類まれなる理性と価値観の根源を目の当たりにしたわけですけれど……やっぱり凄い男だよなあ、こいつ。アジ・ダハーカ閣下の目は決して曇ってはいないと思う。力を振るうその方向性が実に極まって格好いいんですよね。その意味では、かの大英傑ヘラクレスもまた見事な格好良さで、もう思い描くべき英雄ってこういうのですよね。
世界を救うための大きな正義ではなく、か弱い助けを求める声に応えるその姿にこそ、震えるような熱さを感じるのである。打ち勝つべき困難とは、きっと理不尽というものなのだ。十六夜は、まさにその理不尽と戦うために、そこに宿った力を奮っていた。その極限が今ここに試されている。
色々とバックグラウンドが明らかになって、ようやくすっきりとしてきた。一方で障害となるあれこれの高さが成層圏貫いていて、これほんとどうすんの!?という有様なのだけれど、いい加減十六夜くんだけではイッパイイッパイになってきたので、次で他の問題児たちとも合流するんですよね? やはり三人揃ってないと、こういう絶対無理の壁はダイナミックにぶっ壊せない気がするのであるが故に。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 3.暴走、精霊列車! ★★★★   

ラストエンブリオ (3) 暴走、精霊列車! (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 3.暴走、精霊列車!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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GWの“天の牡牛”事件から3ヵ月―。“生命の大樹”計画が動き出す中、遂に主権戦争の招待状が焔たちに届く。精霊列車には箱庭中の実力者が集結し、西郷焔はそこで“ノーネーム”の春日部耀、そして更に意外な人物たちと出会い!?同じ頃、外界で別行動中だった十六夜とプリトゥは、“廃滅者”を名乗る強敵と遭遇。いよいよ王群“アヴァターラ”が外界でも動き出す―!箱庭と外界に激震が走る、急転直下の第3巻!!

耀も二年も経ったら成長を、って見た目髪も伸びてすごく女っぽくなってるのだけれど、問題児としてはさらにひどくなってないか? 飛鳥と十六夜が居ないぶん、一人でやりたい放題やっている感がありありなんですけれど。同時に、今は一人でノーネームを背負ってるせいか、随分と大物感も出すようになってるんですよね。十六夜が窮屈なことになっているのに比べると、色んな意味で伸び伸びとやってるなあ。
しかし、外界編は片手間でメインは箱庭の方で進んでいくのかと思っていたのだけれど、思いの外外界編も重要なパートとして進行していくんですね。焔たちは外界と箱庭を行き来しながら状況を進行させていくみたいですし、十六夜は外から戻れないままプリトゥと背後関係を洗う地味な仕事を世界をまたにかけて駆けまわることに。
どうも黒幕というか、裏でなんかやってる勢力はいろんな実力者がそろっていて身動きが取れにくい箱庭よりも、むしろアバターしかいない外界の方で積極的に動いているようなので、十六夜が外に常駐しているというのはこの際しかたがないのか。いよいよとなると、外界の方でこそ激戦が起こりそうな気配もあるし。とはいえ、箱庭ではない外の世界では、まともに神さまたちが動くとあっさり世界が壊れかねないので、どう始末をつけるのかわからないのだけれど。
そもそも、主権戦争で命の保証がなされている、というのが逆に不穏なんですよね。外界での“天の牡牛”事件の被害の凄まじさや、パラシュラーマが叫ぶ人類の悪行なんかからすると、そんな穏便な話になるというのは凄く怪しい。少なくとも主権戦争の対象外である外界の方で凄惨なことにならないか心配。
しかし、未だに主権戦争がはじまらないのもそうだけれど、全体像がまだ全然見えてこないというのは、第二部のストーリー全体にギフトゲームが掛けられているようなものなのか。そもそも、どんなゲームが行われるのか、いったい何の話が進行しているのか、というところから考えなきゃいけないところなんか、実にギフトゲームらしいんだけれど、シリーズ物としては大胆な構成だなあ、と思う所。こういうやりたい放題なやり方は近年の窮屈な縛りを思うと、大いにやればいいと思うんですけどね。個人的に、こういう詰め込み式の膨大な設定群はテンション上ってウハウハなってしまう性質なんで、凄い好きなんですけれど。
とりあえずの注目は、ジンと焔とアルジュナの苦労性弟同盟の誕生でしょうか。アルジュナに関しては帝釈さんが思いっきり後手を踏んでいて、息子の存在が彼の致命傷になるのかと思ったら、まさかの賭博癖を利用して上手いこと自分のところに引っ張りこんだものである。帝釈さん、ほんと駄神もいいところの放蕩者なんだけれど、要所要所で絶妙の指し筋を見せるあたり、ただでは転ばないというかやはり只者ではないというか、それも人の情を擽る一手ばかりで、周りの連中、あれだけ迷惑かけられるわ盛大にポカするわで、怒り心頭になりながらもどうしてもこの人に甘い顔を見せてしまうんだなあ。実に人誑しの神さまである。
あと、三巻になっても未だに彩鳥お嬢様がなかなか元の調子を取り戻せないのは、どうしたものか。こうも何度も鈍っている、腑抜けている、気が抜けている様子を見てしまうと、当人が幾らシャンとしようとしても無理なんじゃないかと思えてくる。鍛え直したら云々じゃないんだよなあ。これはもう、飛鳥と再会しないことにはリスタートできないんじゃないだろうか。

ところで、上杉謙信ちゃんは、レギュラー化してくれるんですか?


シリーズ感想

ラストエンブリオ 1.問題児の帰還4   

ラストエンブリオ (1) 問題児の帰還 (角川スニーカー文庫)

【ラストエンブリオ 1.問題児の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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“少し”特殊な力を持った少年・西郷焔に届いた一通のメール。そのメールを開いた瞬間、焔は異世界に召喚される!そこは神魔の遊戯・ギフトゲームが支配する世界。素敵ウサ耳を持ったロリータ少女の黒ウサギに出迎えられた焔は、いきなり超巨大ギフトゲームに参加することになり!?一緒に異世界に召喚された彩里鈴華、久藤彩鳥、そして五年ぶりに再会した逆廻十六夜と共に、現実世界をも巻き込む修羅神仏のゲームに挑む!!
【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】からタイトルも新たに再スタートとなったネクストステージ。初っ端から外界である地球に、箱庭からの余波でとんでもない災厄が。という風に、前回よりも遥かに外界とのリンクが強く描かれることに。って、問題児シリーズのラストで帝釈天が降界していたように、十六夜がいた時代・世界の地球が重要なファクターになってくることは予見できていたけれど、ここまで密接に箱庭とリンクしてくることになるとはなあ。ご存知のように箱庭世界というのは、多次元的に地球と繋がっているわけで、それは平行世界的にも時間軸的にも偏在しているといっていい状態だったのに、現状は十六夜が居た地球と時間的にもリンクしつつあるのね。なにやら孤児同士の義理の兄弟だったはずの十六夜と焔には秘められた関係があるようだし。いずれにしても、初っ端から謎満載である。
と、同時に地球滅びかけてるしーー!! それ絶対に台風の軌道じゃないですからっ。赤道をまたぐというありえなさよりも、殆ど地球を一週する勢いでヨーロッパに大被害をもたらした台風が巡り巡って日本まで辿り着くって、そっちの方が無茶苦茶さ加減を実感できるんじゃないだろうか。それに加えて、台風にウイルス散布機能が付属しているとか、殺意コメられすぎなんじゃないでしょうか、これ。
こんな余波が外界にまで及んでしまっている、箱庭で行われている太陽主権の争奪戦って、いったいどうなってるんだろう。断片的には語られて、それに十六夜も大きく関わっているのはわかったんだけれど、相変わらずスケール感については並外れている。
正直、この修羅神仏が跋扈して常識を遥かに超えたスケールで繰り広げられる神話規模のゲームに、ただの一般人が巻き込まれて、どうにか出来るとは思えない。その意味では、特殊すぎる焔や鈴華たちでようやく端っこギリギリなのだろう。どれだけ十六夜たちが吹っ飛んでいたかもわかるってもんだ。その彼らですら、箱庭に来た時はここまでえらいことになってなくて、一応落ち着いた状態だったものねえ。
しかし、彩鳥さんはフェイスレスとしての自分の記憶が保たれていることは公にするつもりはないのかー。転生前フェイスレスだった、ということについては積極的に隠すつもりはなくて、黒うさたちが察するのは想像に任せてるみたいだけれど。記憶についても積極的に自分から語るつもりはなくても、バレることにはあまり頓着していないのかもしれないけれど。飛鳥や女王と再会したらすぐにバレることではあるしなあ。にしても、当人も忸怩たるものがあるようだけれど、自分も彩鳥があそこまで鈍っているとは思わなかった。ぶっちゃけ彩鳥さんが居れば大概の場合大丈夫だよねー、という十六夜レベルに近しい安心感を持っていたので、ミノ戦からこっち結構焦ったじゃないですか。早いところ、女王騎士としての実力を取り戻してくれないと、今の三人組では唯一に近い前衛戦力なだけに。

まさかの前後巻編成ということで、今箱庭で何が起こっているのか。どうして、帝釈天をはじめとする護法十二天の有力武神たちが外界に降りているのか、などの詳しい説明はまだない。取り敢えず、はじめて箱庭を訪れた焔たちの目を通して、かつての混乱から新たな繁栄を取り戻しつつある箱庭の様子をアンダーウッドを舞台に描いているのだけれど、前シリーズからちょっとだけ時間が経っているんだなあ、というのがあちこちのシーンから窺い知ることが出来る。これが、ネクストステージのはじまりを実感させてくれてるんですよね。黒うさと、前シリーズと同じく最初の対戦相手である白雪姫は顔を見せてくれましたけれど、早くほかの面々も登場して欲しいものです。十六夜兄さんについては、思いの外早く登場してくれましたけれど。十六夜こそ、登場を引っ張ると思ったんだけれど、まさか外界まで突き破ってくるとはなあ。

ともあれ、いいところで終わってしまっているので、早いところ次出してください。そうして、この新シリーズの開幕を決定づけてくれないと。ああでも、この段階まででワクワクが止まらない面白さなのがたまらない。よし、行くところまで行ってしまえ、ってなもんですじゃ。

シリーズ感想

ミスマルカ興国物語 12 4   

ミスマルカ興国物語 (12) (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 12】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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エーデルワイスとキラに連れられミスマルカへと帰還したマヒロが目にしたのは、魔物に蹂躙され変わり果てた祖国の姿だった。全世界規模の災害から民を守るためにキラとの交渉に乗り、管理者として聖魔杯の秘密を語りだすマヒロ。一方パリエルとルナスは、マヒロ救出のためにミスマルカへと駆けていた。はたして聖魔杯は蘇るのか、そして魔物の侵攻を受けた世界の命運は―!?これはただ一匹の、牙よりも、理性を信じた蛇の物語。
こ、この大嘘憑きめーっ!! こ、これほど信用ならん主人公がかつて居ただろうか。マジか、まさかあれがほんまもんの聖杯やったんか。それを、しれっと今の今まで。いや、嘘はついていないのか? 単に本当のことを言わなかっただけで、あれを聖杯だと、ちゃんと明言はしてたのよね。る、ルナスさまーー! あんた、わりと洒落にならないことしてましたよ。
恐るべきは、彼はこれらの秘密を徹底的に理性を以って運用しているところなんですよね。確かに同じ非暴力主義という意味では川村ヒデオと同じはずなんだけれど、そのベクトル、根本はまったく違うキャラクターなんだよなあ、マヒロ王子という人は。やっぱり尋常じゃないわ。
そして、同じく尋常じゃないのはシャルロッテ第一王女。この人が本物の聖杯について把握していたとは思わない。というか、そんなこと頓着してないんですよね。聖杯の真実とか、そういうのはあくまで手段。彼女はその最終目的をマヒロと完全に共有していて、その目的のために必要なのは真実だの何だのじゃなくて、マヒロ王子その人そのものだというのを一切ブレずに一貫して捉え続けている。
必要とあらば、帝国だろうと自分自身だろうとマヒロその人だろうとぶっ潰すつもりで、だ。そこにあるのは、完全なる理性。マヒロにしてもシャルロッテにしてもちゃんと情を持っている「人間」でありながら、尋常ではない理性の怪物として成立している。
正しくこの二人、相棒で共犯者だわ。そりゃあ仲良しにもなろうというもの。この二人がセットになると際限なく暴走してはしゃいじゃうのもよくわかる。一番最後のところで相手の理性を完全に信用しているからこそ、マヒロにしてもシャルロッテにしても、あれだけ感情の赴くままに振る舞える、といえるんでしょうね。

にしても、うむむ、自分、未だここに至ってなお状況を甘く見ていたのかもしれない。どれだけ人類の危機とうたわれても、そんなポッと出の魔王なんて円卓クラスのアウターたちに比べたらどうってことないじゃない、と危機感が湧いてこなかったんですよね。実際、マリーチが復活の際にみせた暴威などかつてのそれと全く見劣りしてませんでしたからね。だからこそ、その円卓がまさか一度あちら側の魔王に敗北していた、という情報はこちらの危機感を根底から揺さぶるものでした。あのリップルラップルをして、そこまで言わせるか!!
円卓のメンバーの質が落ちているんじゃ、という考えも頭にちらついたんだけれど、古参もそれなりに残ってるっぽいしなあ。沙穂が円卓入りしていたのには仰天しましたけれど。単に長生きしてただけじゃなかったんかい。
エーデルワイスに関しては、さすがにそのケースは頭にはなかった。というか、ここまでメンタル弱々だったとは。ここまで一切弱みを見せてこなかったからこそ、敵にしても味方にしても手強い相手ではありましたけれど、事こうなってしまっては蛇の餌食となりますか。

しかしまあ……マヒロが正しく鈴蘭の意を汲んだ後継者かー。マリーチがあれだけ推すのも意外だったけれど。鈴蘭やヒデオと、マヒロやシャルロッテはその冷静さや理性の信奉者という意味で全然違うんだけれど、何が鈴蘭たちの後継者たらしめているのかというと……途方も無い理想主義者だということなんでしょうね、これ。夢見がちと思われるような途方も無い理想を、叶えるべく走り回ってる。それこそ、尋常ではない現実的判断と理性を以って。でも、決して情を捨て去ることなく、あくまで心ある人間として。
ラストシーンは、なんというか感無量でした。行き着くところまで行き着き、辿り着いたなあ。
第二部はこれにて幕。第三部は、やはりタイトル変わりそうな感じだけれど、主人公も変わってくるんだろうか。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です! (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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“人類最終試練”の魔王アジ=ダカーハとの死闘から三か月―。ようやく落ち着きをみせた箱庭で、十六夜たちは新たなギフトゲームに挑む。でも順調に勝ち進んでいく十六夜に異変が起きて!?一方、その裏では、箱庭全土を巻き込む一大プロジェクトが進んでいた。仲間たちにも転機が訪れるなか、十六夜、飛鳥、耀の下す決断とは!?そして、ついに地上へと降臨した“ある人物”の正体とは!?―いま、究極の進路相談が始まります!!異世界バトル第1部完結。

ヤバいなあ、やっぱり自分、この多積層次元構造な世界観、大好物なんですよね。スケールが大きい、という表現だとどうしても三次元レベルにとどまってしまう。この他に類を見ない時間と空間が見事に偏在している世界観をなんと言ったらいいものか。神話から科学的概念に至るまで、独自解釈によって再構成して、フォーマットこそ既存のものを踏襲しながら、それを読み解く読解ルールをほぼ刷新して新しい世界にしてしまってるんですよね。そのあたりをこれでもかと語り尽くしたのが、この第一部のエピローグであり第二部のプロローグなわけだ。
箱庭の階層、三桁とか四桁とかの本当の意味合いや、人類最終試練と呼ばれるモノの存在意義、外界との関係、これに限らず各種設定や登場人物の行動原理なんか、この巻を読み込むとある程度一貫したルールみたいなものが見えてくると思うんですよね。これまでよく意味がわからなかった発言や行動、設定なんか、改めて読みなおしてみると見えてくるものがあるかもしれない。こうしてみると、決して無軌道じゃなくてちゃんと一貫した解釈とルールがあったんだなあ、というのがわかる……気がする。いや、実際これ難しいと思うんですけどね。
この世界観そのものが、ギフトゲームのようなものであり、その根底に明確な真意があってちゃんと紐解ける謎である、と解釈すればわかりやすいかも。それを読み解く材料は潤沢に供給されていて、この第一部完結編は、最初の答え合わせみたいなもの、と思えばいいか。
そして、登場人物たちにもはっきりと次のステージにあがるべく、次の段階に向かう為のステップが必要となったわけで、十六夜の場合は彼自身も知らぬ彼の正体に、その因果に足を取られていたところを寄ってたかって背中押されたことになるのかな、これは。半ば、自力だったような気もするけれど。
いずれにしろ、問題児たちは今までの自分に一つのケリをつけて、次の段階に向かいに至ったわけだ。あの三人組だけじゃなく、殿下たち魔王組もそうだし、ジン・ラッセルもそれっぽいけれど。ジンは、マジでペストとこれ、心中…というと言葉が過激になるけれど、彼女の為に太陽を落とす気マンマンになっているのが、ゾクゾクするねえ。個人的には、今回一番熱かったのは混世魔王その人でしたけれど。原典では雑魚魔王にすぎないというのに、こんなに熱い男になってるとはなあ。なんだかんだと、シスコンな気もするけれど。そして、この作品の斉天大聖って、斉天大聖史上最高のイケメンなんじゃないだろうか。暴走しかけた白夜叉を制止した時の侠気あふれたあのセリフといい、かっこ良すぎますよ、気持ちよすぎですよ。でも、こっちの悟空は女なのよねえw

虚を突かれたのは、フェイスレスの正体ですか。まさか、ここで正体が明らかになるとは思っていなかったので、不意打ちですよ。しかも、シンプルに神話体系の著名な英霊のたぐいかと思ってたら、完全に予想外の人品で。ってか、飛鳥の家って冗談抜きで皇室関係だったの!? 
十六夜が去ったあとの外界の彼の家族たちも、ここに至って深く関わってきているみたいだし。金糸雀があのホームに居たのも、全然偶然なんかじゃなかったわけか。重要なのは、十六夜だけじゃなかったのね。リンが殿下とつるんでいたのも、どうも平易な理由じゃなさそうだし、第二部スタートに対して全体に張り巡らされた謎もさらに一段深みを増してきた感がある。面白い。
第二部スタート、ガチで楽しみです、これは本当に楽しみ。どうはっちゃけるのか、うひゃひゃ。

シリーズ感想

レイセン File8:ポイント・オブ・ノーリターン4   

レイセン File8:ポイント・オブ・ノーリターン (角川スニーカー文庫)

【レイセン File8:ポイント・オブ・ノーリターン】 林トモアキ/上田夢人 角川スニーカー文庫

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ついに引き起こされたT‐day。目の前で命が奮われていく状況に混乱するヒデオだったが、それでもノアレは戦えと囁き続ける。この異常な“場”を作り出したマックルを止めるため、ヒデオはメガフロントを進むものの戦禍は急速に拡大し続ける。T‐dayとは、そしてマックルが言えなかった本当の願いとは!?ヒキコモリ男の第二の人生、ここに完結!!
【レイセン】ついに完結……って、レイセンじゃないじゃん!! 第一巻冒頭のあれを思いっきりなかった事にしやがった! 別の言い方をスレば、歴史が改変された、とでも言えばいいのかもしれないが。いや、これ後書きを見る限り作者がぶん投げたというよりも、ヒデオが作者に対して一切譲らなかった、という方が正しそうなんですよね。だから、作者の構想をヒデオこそがねじ曲げた、まさに歴史を改変した、と言っていいんじゃなかろうか。さすがは魔眼王! 彼の最大の武器というのは、精霊たちに協力を求められる、その力を扱えるというものではなくて、その無力だろうと関係なくぶれない大胆な精神性にあり、そのキャラクターそのものが武器だったわけです。そしてその武器は、なんら力が及ばないはずの作者にまで通用し、あるべき未来をねじ曲げてしまった、と。さすがは二代目聖魔王!
やはり、ヒデオの強さというのはむしろ無力であるときのほうが真価を発揮するのではないでしょうか。レイセンシリーズは当初からノアレが守護につき、何くれとなく助けを与えていたせいか、ヒデオも微妙にひよっていたというか、その力に頼らない行使しないようにしながらも、心の何処かにいざと慣ればノアレが居る、という寄りかかった思いがこびりついていたような気がします。それは逃げ道であり弱さだったのか。切り札があり、全部ひっくり返せるジョーカーがある、というのは心の余裕につながるものですけれど、ヒデオの場合はこれ、もともと単なるヒッキーであり、どれほど頑張っても努力しても一般人なんですよね。彼が真価を発揮するのは後先考えない覚悟を決めた時。ノアレの存在は甘えとなり、ヒデオのその覚悟を殺し続けるものだったようにも思うのです。さて、あのノアレはそれを承知しつつずっと傍で嗤っていたような気もするのですが。
しかし、T‐dayという地獄の現出を前にして、ヒデオはそんなあやふやな態度ではどうしたって生き残れない状態になってしまいます。すべてが混沌へと誘われていく、カオスの坩堝。そんな中でやるべきことも見定められず、流されるまま地獄の光景に怖気づき生き残ることに汲々としてしまう彼の姿は、聖魔王としても魔眼王としても相応しくなく、ただの無力な一人の心弱き男でしかありませんでした。ノアレにとって、自分の庇護に寄りかかったまま何もなそうとしない人間には、興味を逸したのでしょう。ノアレの力で、力に溺れてこの地獄を蹂躙してみせるならばともかく、ノアレの影に隠れて震えているようでは……。
結局、この男は裸一貫で後先ない状況に追い込んでこそ、なのである。何も持たなければ、この男は自分を顧みられる。そうなってこそ、守ってくれるものがなくなってからの方が、後ろも見ずに逃げ出すことなく、地獄の中に飛び込んでいけるのである。逃げることが出来るのに、逃げることを止められるのである。
これでこそ、カワムラヒデオその人なのだ。

それにしても、今回の一幕は林トモアキ史上でも最悪の血みどろ展開だったんじゃないだろうか。容赦なく人がバタバタと死んでいく阿鼻叫喚の地獄。戦場にもならない虐殺し虐殺される展示場。ヘヴィーだった。
【お・り・が・み】の木島連隊のテロの時ですら、鈴蘭の奮闘で収拾されましたしね……鈴蘭は今回キツかっただろうなあ。以前は、彼女自身世界中を駆け回って防いでみせた地獄の光景が、今目の前で起こっているにも関わらず、一切手出し出来なかったんだから。彼女にとって、第三世界云々など関係無かったはず。関係なく、憤れるからこそ、彼女は初代聖魔王成り得たんですよね。そんな自由な心を持っていたからこそ、彼女は悪の組織の総帥となり、魔人機関の長となり、神殿教会の聖女となり、アウターの魔王となったはずだったのに。
今回の、何も出来ず、することを許してもらえなかった状況というのは、彼女にとっても思う所あったんだろうなあ。聖魔王を退いたからといって、いつまでも裏方やってるような人じゃないんだから。

そして、カワムラヒデオが悲劇のヒーローとして戦い続ける未来は彼自身の手によって拒絶され、規定された歴史は改変され、億万分の一の可能性へ、最悪の災厄への可能性へ。しかし、それはもしかしたら、億千万分の一の希望へとつながる道だったのかもしれない。
ここからは、精霊使い川村ヒデオの戦いではなく、二代目聖魔王・魔眼王たる川村ヒデオの戦いだ。

林トモアキ作品感想

クロス×レガリア 王威の決戦 4   

クロス×レガリア 王威の決戦 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 王威の決戦】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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ひとつの戦いに幕が降りた。それは謀略も奇策も西王母の力の前にただただ薙ぎ払われる、それだけの結末だった。「俺には取り戻さなきゃならない、守ると約束した助手がいる」馳郎が再起する傍ら、ついに姿を現す白鳳六家、序列第一位・真朱真冬。彼女の登場により、“おに”と人の戦いは馳郎、ジン、西王母―王権を持つものが王の在り方を示す戦いへと舞台を移す。しかし尚も戦況は悪化の一途をたどり、馳郎はナタを守るため!?
あれ? 前回、いきなり壊滅的な状況に追いやられたものですから、そこからワンクッションおいて、さあ反撃、という空気を作ってからラストバトルに突入するかと思ったら、そのまま間断なく最終決戦に。どうやら、確かにあと2巻という構成だったのを無理やりここにまとめてしまったみたい。バタバタと拙速になるかとも危惧したのだけれど、時系列的にも余裕なかったにも関わらず、スムーズに今までの主要な登場人物が勢揃いの総力戦へと移行出来たのは、さすがベテラン作家といったところでしょうか。
こうなると、盛り上げ方は心得ているというべきか、あとはギアをあげるだけとばかりにテンションもうなぎ登り。局面を限定するのではなく、総出演となるキャラクターたちが様々な組み合わせで絡み合い合一し、また刃をかちらせることで、一斉に全方位で火花が飛び散るような事態になってるんですよね。それが面白いことに、渦を描いてナタの解放と西王母との最終局面へと集約していく流れは、読んでいる最中よりもむしろあとから振り返った今のほうが感嘆させられてしまった。それだけに、これが2巻構成だった場合の助走距離、準備段階が取れた時はさらにこれよりも冴え渡り、ド派手な演出になったんじゃないかと思うと、勿体無いという気持ちが湧いてくる。クライマックス演出の腕前については、レンタルマギカなどで証明済みですしねえ。
前回でも絶賛した連華のヒロインとしての巻き返しですが、ナタとの直接ガチンコバトルでほぼ極まりましたね。ダブルヒロイン体制の肝は、場合によっては主人公に対するよりも熱い情熱をもってヒロイン同士がぶつかり結びつく事であります。ともすれば、ヒロイン同士が恋する者同士であるかのように、ぶつけあう熱量は途方もなく。こうして築き上げた無二の友情、共感がヒロインの両立を成り立たせるわけです。
命がけの、お互いに命をかけるに相応しいと思い定めた恋敵との、親友との意思を通し、それを受け取るためのガチンコバトル。ここでの、囚われ人形と化したナタへ、ボロボロになりながら連華がぶつける壮烈な想いは、本当にかっこよかった。いい女の株がストップ高ですよ。
ホント、中盤まで馳郎とナタは鉄板もいいところで、割って入る余地なんて殆ど垣間見えなかったはずなのに、この正々堂々のこじ開けっぷりは、見事の一言でした。
まあ、このヒロイン二人に対して、馳郎とジンの王道と覇道の主人公対決の方は結局突き詰める事が出来なかったかなあ、という印象。最大の理解者同士でありつつ、相いれぬ物同士としてぶつかり合っていたこの二人、その決着がどうつくかについてはとことん突き詰めないとしっかりとした答えは出なかったと思うのですが、局面はナタの救出と鬼仙との共存をどうするか、に比重をとられてしまって、そちら方面に分量を割く余裕がどうも見受けられなかったんですよね。というわけで、結局自然に住み分け、という形に落ち着いてしまった感があります。王道として皆をまとめる馳郎に対して、ジンが選んだ道はなかなかおもしろいものだったんですが、そこに至るまでの馳郎との衝突と結論がでる過程をもっとじっくり見ることが叶うなら、ジンたちの在りようもまたもっと感慨をもって見ることが出来たんじゃないだろうか、とちと勿体無い気分に。
何だかんだと、ジンてば主人公らしく上手いこと悲劇を食い止め、悪い結末を回避してるのが、何とも心憎いことで。なんとなく、ジン本人よりも彼を王と見定めて動いていた隼人の方が、今回のお話では主役っぽかった気も……。妹の北斗とも、心の整理ついたみたいだし。
北斗といえば、リコとの関係が怪しい方向に……。あれ? 単なる親友関係じゃなかったの? あの仲の良さはガチでそっちだったの!?

最後の最後で、あのメチャクチャな白翁の財力を基盤とした交渉に持ち込むところは、実にらしい結論で、痛快であると同時に安心感も覚えたり。やっぱり、力でねじ伏せるのではなく、言葉で納得させるのがパターンでしたもんね。西王母のし掛けた戦争は、やり口からして絶対魔法使い陣営ともこじれそうなやり方でしたし。
でも「その場しのぎ」を女性関係にまで持ち込むのは、悪い男のすることぞw その点は、ジンを見習って欲しいのう。あっちはもう娘さんにロリババアまで抱え込んじゃってるほどなのですからw

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く!5   

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く! (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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「―さあ、最終考察を始めよう」
打倒魔王アジ=ダカーハに向けて最後の作戦を立てる“ノーネーム”。その戦いで一人、また一人と散っていく同士たち。激しさを増す戦いの中で暗躍を開始する“ウロボロス”。主催者たちは徐々に追い詰められながらも決死の作戦に出る。“ノーネーム”は、逆廻十六夜は果たして“人類最終試練”を打ち倒すことが出来るのか!?連盟旗編&アジ=ダカーハ編の最終戦、開幕!
まさに試練! それは災厄などではなく、人類に課せられた試練だった。その「人類最終試練(ラスト・エンブリオ)」の名は魔王「アジ=ダカーハ」。
おのが絶対悪と定義することで、逆説的に正義を証明する者。
――“我、絶対悪なり。故に、正義は汝に在り”――
踏み越えよ、我が屍の上こそ絶対正義である。

倒される役割として用意された魔王という存在、それを自ら背負ったアジ=ダカーハ魔王閣下については「暴虐の三頭龍」でも熱く語りましたけれど、この最終決戦での閣下の気高く誇り高い絶対悪としての御姿は熱いなんてもんじゃなかった。まさに無敵、木っ端を蹴散らすように蹂躙する存在だった登場時よりも、むしろ主人公サイドが万全に態勢を敷き、戦術を練り、考察を深め、必勝を以って撃って出てきたのを迎え撃ったこの時こそ、さらにその雄々しさを、圧倒的なまでの存在感を感じさせられたように思う。まさに、格が違う。その力を以って、智を以って、理性を以って、主催者たちの必勝の策を文字通り上から叩き潰し、捻り潰し、真っ向から受けて立った上で蹴散らしていく。
それは元から備わったスペックの差によって無機質に叩き潰していくのとは違うのです。主催者側も限界を突破し、閣下の想像を超える形で力を発揮していくのですが、それをねじ伏せるのはまさにアジ=ダカーハの力ではなく、意思の力、絶対悪の旗を背負った者の気概であり、誇りであり、悪神としての自負であり、滅び行く人類の為に涙した大切な人への想いそのもの。だからこそ、主催者たちの限界を突破した力を、さらに限界を突破し、進化し、上回ることで彼らに更なる試練を課していく。これほど、人類を苛烈に愛した魔王が居るだろうか。
クライマックスに至ってから、そうジャックとの戦いで神の許しを見せた瞬間から、彼が体現しようとしていたモノの真の姿を目の当たりにした瞬間から、こみ上げてくるものに耐え切れず、泣きっぱなしでした。
彼こそ真の神であり、魔王であり、漢でありました。読み終えたあとの、カラー口絵で描かれたその異貌の後ろ姿、その背に浮かんだ絶対悪の旗印に、芯から震えるばかりです。
魔王も、それに立ち向かう者たちも、残らず全力を出し尽くし、命を燃やし尽くした史上に燦然と輝く熱戦でした。飛鳥も、耀も、もう十六夜に頼りきらず、己の血と涙を振り絞って戦いました。ジャックは……今回のサブタイトルである「撃て、星の光よりも速く!」、これはジャックを指したタイトルだったんですね。
マンドラも、誰も彼も、命、燃やしすぎだよ。魂からの咆哮が轟き渡る、物凄い決戦でした。
だからこそ、ラストシーン。そのままアジ=ダカーハが思ったように、十六夜に与える展開でも良かったのに。無敵であるからこそ、恐怖と、それを乗り越える勇気を知らなかった十六夜が、ついにそれを手に入れる展開でも良かったのに……どうやら、物語は彼にそんな報奨も与えてくれない、過酷な展開を要求しているようだ。何が起こったのか、まだわからない。想像もつかない。だけれど、これだけはわかる。ここから十六夜の本当の試練がはじまるのだ。

今回読んでいて、思わず「うぇ!?」と声が漏れたのが、「殿下」の仲間であり頭脳担当とも言うべき役割を担っていた少女りんの、その本名が明らかにされたシーンである。
なぜその名を持っている娘が、ここに居る!?
厳密にはまだ彼女当人かは定かではないんだけれど。それに、殿下の仲間たちと十六夜って、まだ対面してなかったんだっけ。なんか、耀と飛鳥と十六夜の関連性も含めて、悪辣な何かが横たわってる気がする。
最大の試練だった魔王アジ=ダカーハ閣下こそ退けたものの、ジンとペストは未だ殿下たちに囚われたまま。サンドラも、混世魔王の支配下に。遊興屋という怪しい存在が暗躍し、自体は混迷を深めていく。次で第一部完となるそうだけれど、果たしてどういう展開が待っているのか。想像も付かないや。

シリーズ感想

6月の角川スニーカー文庫、予約開始  


 【神話殺しの虚幻騎士(フェイクマスター)】 八薙玉造(角川スニーカー文庫) Amazon

主にスーパーダッシュ文庫で活動していた作者、こっちで新シリーズ出すのか。落ちぶれてダメになった主人公を書かせたら天下一品という作家さんですが、残念ながらこちらではそこまで落ちぶれてないのか。でも、タイトルからして、小賢しそうとかせこそうという印象がひしひしと。

 【神様ライフ】 気がつけば毛玉(角川スニーカー文庫) Amazon

自分は未読だけれど、これもウェブ小説からのものらしく。神様ロールプレイ?

 【聖剣の姫と神盟騎士団  5】 杉原智則(角川スニーカー文庫) Amazon

そろそろ佳境の第五巻。これまでは各巻担当の団員幹部が居たのだけれど、あらすじ読むと見当たらない。一応、表紙には海賊の姐ちゃんが映っているのだが。

 【魔装学園H×H 2】 久慈マサムネ(角川スニーカー文庫) Amazon

かなりアウトくさかったエロコメバトルの第二弾。具体的にどれくらいアウトだったかはよく覚えてないんだけれど。

薔薇のマリア 20.I love you.[noir] / 21.I love you.[rouge]5   

薔薇のマリア20 .I love you.[noir] (角川スニーカー文庫)

【薔薇のマリア 20.I love you.[noir] 】 十文字青/BUNBUN 角川スニーカー文庫

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“原子の極大魔術士”キング・グッダーに導かれ、九頭竜型超弩級飛行戦艦マキシマムAMドラゴンに乗りこんだマリアたち。危険から脱したと安心する間もなく、グッダーは大量のエルデン市民を乗せたまま地獄へ逆侵攻する。目指すは“世界の終わり”。そしてそこにいる地獄の支配者である帝王を倒すこと。成功すれば悪魔の統率が乱れて侵攻が止まると信じるマリアたちは、最後の力を振り絞り、またしても過酷な道をゆくのだが―。



薔薇のマリア 21.I love you.[rouge] (角川スニーカー文庫)

【薔薇のマリア 21.I love you.[rouge]】 十文字青/BUNBUN 角川スニーカー文庫

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ついに“世界の終わり”に到達したマリアたち。だが、地獄帝王の御所“終わりの果て”はいまだ遠かった。繰り広げられる悪夢のような戦い。死力を尽くして突き進む仲間たち。現実が引き裂かれ、叫び声は途切れ、溢れ返り涸れる涙、その行く先に待っているものとはいったい―!?すべての謎が明かされ、世界の真実がもたらされるとき、マリアたちは究極の選択を迫られる!ロングヒットファンタジーシリーズ、ここに堂々完結…!!

死ぬ、死ぬ、死んでいく、みんなが死んでいく。戦って戦って、戦い抜いて死んでいく。生きようと足掻いて足掻いて、死んでいく。生きようとして、生きようとして、生き残ろうとして、死んでいく。自分が生きるために? そうだろう、そうでもある。でもそれ以上に、みんなで生きるために戦って、その結果として死んでいく。
その死は路傍の死なのか。無意味な死なのか。何事も成し得なかった死なのか。失敗してしてしまった結果なのか。
違うだろう、絶対に違う。彼らの死は無駄死なんかじゃない。悲劇であり、惨劇であり、悲しみ涙すべきものであっても、それは決して無為なものではなかったはずなのだ。
彼らは絶望と戦い、生きて生きて、生き抜くために死んだのだ。
それをどうして無駄と言えよう。どうして、紛い物などと言い切れる。
ポロリポロリと掌の上からこぼれ落ちていくように、殺されていく人たち。だけれど、彼らが最後に伸ばした手は、まだ生きている人たちの足を掴むためではなく、並べてまだ生きている人たちの背中を押すようにして果てて行ったのだ。
先へ。未来へ。
それはもう歩けなくなるような絶望を押しのけるように、生きることを託すように、頑張れと応援するように。
誰もが、一度も足を緩めず、命あるかぎり駆け抜けていった。
これほど、生き足掻くために、生きるために戦って、死んで、生き抜いていった戦いを私は他に知らない。
それどころか、このシリーズが始まって、終わるまでのすべての生と死に、意味があったのだと。いや、SIXの言葉を借りるならば、意味なんかなくても意味を持たせることはできるし、意味を持たせられるってことに意味があるんだってことを、戦いが終わったあとのエピローグの光景を前にして、思い、感じ、胸に染み入る。

世界の真実は、想像を超えていた。このあまりにも生々しく、ダイナミックで匂いすら立ち込めているような、生きることも死ぬことも、あまりにも苦しげで悶えるようだったこの世界の真の姿が、まさかそんなところにあっただなんて、想像だにしなかった。
凄すぎるだろう。
まさか、まさか、よりにもよってこの世界観が、そういう事だったとは。思えば、トマトクンその人が登場時からその存在を以って証拠を提示し続けていたのかもしれない。その名前からして、考えてみれば証拠そのものなのだ。それでいて、彼こそがその厳然とした真実ではなく、自らが感じた末に選びとった真実を身に纏っていたからこそ、気付かなかったのかもしれない。
誰よりも、彼はこの世界で人々と共に生き、愛していたからこそ、読んでいるこっちも、それを疑いもしなかったのだ。
だからこそ、圧倒される。圧巻じゃないか。改めて見れば、同類項の作品は今や多々あふれている。だが、これほどのスケールを打ちたて、その視点を外から挿入されたものではなく、内から生まれたものに寄って描き出した作品が存在しただろうか。単なるファンタジーじゃなかったのだ。なんてこった。十年前だぜ、このシリーズはじまったの。最初、ウィザードリィ互換だって言われてたんだぜ。
まさか、そっちじゃなくてこっちだったとは。
そして、当初からの謎とされていたマリアの性別についても、ついに明らかにされたわけだけれど。これについては想像していた通りだったのだけれど、マリアがそうであった理由がまた度肝を抜かれる内容で、まさかそんな意味があったのか、と。いやでも、この段階でマリアが自発的に頑張ってなかったら、あの場面でマリアがあそこに在る要素なんて殆どなかったんじゃ……。キンググッダーとか、ジュジとか、その辺手配りちゃんとしてたんだろうか。

ともあれね、エピローグで全部報われた気がする。無茶苦茶たくさん死んだけれど、死んじゃったけれど、死んで欲しくない人もあまりにも沢山死んじゃったけれど、悲しかったのだけれど、それでもエピローグで、生き残った人たちの生きて頑張ってる姿を見たらね、これまで死んだ人の死は、何一つ無駄じゃなかったんだって……思うことが出来た。コロネとかね、ルカとかね、消息不明だった子たちのことも、ちゃんと書いてくれて、泣きそうなほど嬉しかった。ユリカやサフィニアが、ベティたちが幸せになれたのも、本当に嬉しかった。
生きてるよ、貴方達は紛い物なんかじゃない、確かに生きて、輝いてるよ。どこにも嘘なんてない、それをこれ以上無く、この物語をもって、戦いをもって、証明してみせたのだ。ディオロットが何を見つけ、何に希望をいだいたか、今実感している。これを守りたかったのか、これと生きたかったのか。
弱くて儚いマリアローズ、しかし勇気を持って戦い生きたマリアローズ。
Brave Heart of RED ROSE
薔薇のマリアよ。
あなたが得た生と愛の物語に、ただただ感謝を。素晴らしい物語に、ありがとうと、言い置きたい。
大好きなシリーズでした。


シリーズ感想

東京皇帝☆北条恋歌 134   

東京皇帝☆北条恋歌13 (角川スニーカー文庫)

【東京皇帝☆北条恋歌 13】 竹井10日/高階@聖人 角川スニーカー文庫

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「みんなで、新しい世界を作ったんだよ。だから、また、会えるよ」
進化の塔の最終到達点で急成長した衛梨珠(主に胸が)と再会した恋歌と一斗。北条皇斗としての人生、新世界や進化の塔で垣間見たもの、そして彼らを待ち受ける未来。すべてを受け入れた一斗は彼にしかできない決断を下すため、帝国暦82年10月へと舞い戻る。恋歌も来珠もゆかり子も夕鶴も四菜も雪絵も!オールキャラ総出演で贈る、これが最後の東京こうていわっ!
東京こうていわ!! 全然関係ない話なんだけれど、「ブラック・ブレッド」のアニメ第二話で聖天子さまが画面に登場したシーンで、「皆さん、東京こうていわ」と聖天子さまが挨拶するシーンが思い浮かんでしまって、独りでウケていました。もう聖天子さまが登場するたびに「東京こうていわ」が思い浮かんじゃうじゃないか、どうしてくれる。
そんなこんなで、東京こうていわは永遠です。この挨拶、竹井作品で永遠に続けられそうな気もするけれど。
さて、ついに長きに渡った東京皇帝☆北条恋歌もこれにて最終巻。死んだ魚みたいな腐った目をした主人公、一斗も今となっては立派な一廉の男になってしまい、いやもうどうしてこうなった、と唖然とするばかり。本気でちゃんとした立派な男子になったもんなあ。
それだけ人格が変わるほどの成長を促されるには、相応の人生の変転が彼には起こったわけだけれど……終わってみてこれまでのこの作品の足跡を振り返ると、とんでもない壮大な物語が繰り広げられてたんですよね、なんか振り返るたびに唖然としてしまう作品だったと言わざるをえない。はっきり言って、これだけ紆余曲折あると、細かく何があって、どの出来事に何がどう関係しているのか、とか全然把握できていないんだけれど、クライマックス入ってからの怒涛の伏線回収を眺めていると、どうもあらかた本当に回収してるっぽいんですよね、伏線。精神が入れ替わったり、過去から未来へと時間を飛び回った挙句に、無数のパラレルワールドを何人もの一斗があっちこっち世界を跨いで行き交ったり、と果てしなく複雑な肯定をたどりまくった挙句に、人間関係も錯綜しまくっているものだから、大筋にしがみついているのが精一杯。一度、改めてシリーズ最初から全部通して読んでいないと把握は難しいかもしれない。しかも、いちいち細かくチャート、誰がどのシーンで誰と出会い、どんな言葉を交わして、どんな関係を紡いだのか、というのをチェックしないと全体の掌握は難しいかもしれない。何しろ、どう考えてもギャグシーンでしかないだろう、というユルユルの展開も何気に重要なシーンだったりするんだから。
でも、前巻あたりからの伏線回収で、概ねスッキリ謎らしい謎は解明されていっているので、ちゃんとチェックすればわからない、ということはないはずなので、純粋にワクワクしながら読み通せるんじゃないだろうか。十三巻も竹井節を一気読みしたら頭おかしくなりそうだけれど。

しかし、最終巻に至って一番瞠目させられたのが、何よりも来珠のデレ期到来である。マジで来珠がデレてるのである。世界が滅んでも絶対に素直にならずにあまのじゃくに拗ね倒すと思ってたあの来珠が、マジでデレデレなのである。それを見れただけでも、ここまで東京皇帝にお付き合いした甲斐があったかもしれない。
そして、巴御劔のなんという便利キャラ(笑
それでも、この人はこれだけ世話好きで友好的にも関わらず、手を貸す場面と手控える場面を心得ている人なので、全力で支援してくれるにはされる側、この場合では一斗にちゃんとした自身の足で踏み出す意思と力がなければ、おんぶにだっこの子供扱いの支援はしてくれなかったと思うので、これだけ手をつくしてくれたということは、一斗がちゃんと対等の独り立ちした友人としての立ち姿を見せた、ということでもあると思うので、非常に価値がある事なんだと思うよ。

ちなみに、やっぱり圧倒的ヒロインだったのは雪絵でした。一斗ちん、完全に特別扱いじゃないか、雪絵のこと。なんという愛人属性(笑
いやでも、ほんとに雪絵たち八田姉弟がちゃんと報われてくれたのは良かったよ。
そして、一際包容力をみせたのが、あの落ち着きのない恋歌さんだった、というのは彼女もあれでまたちゃんと成長していたんだなあ、と……唖然とさせられるところでありました。ゆるふわ恋歌も成長するんだ、バカな。まあ、四菜のどう頑張ってもヒロイン力が湧き上がってこない可哀想なキャラの不憫さに比べれば、恋歌が成長しようがしまいがわりとどうでもいい話。恋歌の読み方もかなりどうでもいい話だった気がするんだが、もしかして重要だったのか、あれw

最初の頃から、本作は西園寺一斗が東京皇帝になるまでのお話である、とされてきましたけれど、随分と終盤までどうやってこんな少年が東京皇帝の座に就くんだか、と眇めて見ていたものですけれど、まさかこんな立派な形で皇帝位に就くことになるとは、なんか感動すら湧いてきましたよ。絶対、もっとイレギュラーな形、或いは突飛なシチュエーションで無理やり収まってしまうんだろうなあ、とか、辻褄合わせ的な意味合いの普通の意味とはズレた形で皇帝になるとか、そういう想像ばかりしていましたから、こんな真っ当な形で即位できる話になっていた、というのは正直、凄いと思った。
まさか、この作品そのものが、あとがきで書かれていたようなシロモノだった、というのは想像の埒外でしたけれど。ってか、本作の書き方がそういう形のものだった、というのなら作者の他のシリーズはなんなんよ(笑
もしかして、全部安藤さんが書いてるのか!? それはそれで、ちょっとワクワクしてしまうのですけれど。

ともあれ、超大作となった【東京皇帝☆北条恋歌】もこれにて見事に完結。終わってみると、やっぱり感慨深いです。あー、楽しかった。

シリーズ感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?そして、兎は煉獄へ (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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「お前が魔王か、アジ=ダカーハ―!!!」
最後の力を振り絞り“人類最終試練”の魔王アジ=ダカーハに挑む十六夜。しかし死力を尽くして放った拳は、思わぬ出来事に阻まれてしまい!?一方、耀とウィラは魔王マクスウェルの卑劣な手段によって追いつめられ、助けに駆けつけた飛鳥までもが戦い力を失ってしまう。ノーネームの仲間たちが絶体絶命の状況に陥る中、残された黒ウサギは仲間を庇うため煉獄にその身を投じて―!?
ふおーーっ、本編再開までだいぶ感覚があいたので、その間に熱も冷めてしまったんじゃないかと若干不安だったのですが、そんな懸念を吹き飛ばす、引き続きの爆盛り上がり!! クライマックス継続中!!
いやさ、この大ピンチに上層に行ってしまったとはいえ、白夜叉は何シてんだー!? とやきもきしてたら、ちゃんと白夜叉も上の方で帰ってこようとしてくれてたことが嬉しかった。ところが、救援にやってくるどころか、箱庭の上層では今回の危機を踏まえてえらいことになりかけてて、ただでさえお怒りの白夜叉様が大噴火。いや、ちょっと舐めてたわ、白夜王。その正体が「天動説」ということで時代遅れの存在かと思っていたけれど、ここでの説明が確かなら同じ太陽神格の中でも桁違いじゃないか。ってか、太陽主権の過半数を握ってるってだけで、その格も知れようってなもんだけれど。よくもこんなのが下層に、フロアマスターとはいえ存在してたもんだわ。
しかし、ほんとに話しのスケール感がパない、パないよ。時間軸が偏在しているせいか、もう過去も未来もある意味一括りで「人類史」として扱われているんだ。思ってた、箱庭と外界と天界の関係よりももっと複雑高次なんですよね、この作品の世界観……というか宇宙観。
そして満を持してか、まさかこっちにか、という斉天大聖孫悟空の登場である。あかん、惚れるわ。この姐さん、かっこ良すぎるわ。そりゃ、兄弟たちが仏門にとられたと今なお根に持ってるのがよく分かる。なんちゅう人誑し。ああいうセリフ、さらっと言えるとか、どんだけ格好いいんだよ。これは期待していた以上に良いキャラだわ。あまりに良すぎて、だからこそ下層じゃなくて白夜叉のサイドに出てきたんだろうけれど。

ラストエンブリオ。真悪アジ・ダカーハの強攻に十六夜はついに敗退。黒ウサギは耳を失い眷属としての力を失い、明日香や耀もまたマクスウェルの悪魔たちによって次々と倒されてしまう。ノーネーム壊滅!!
でも、それでも、膝屈するな、心を折るな、それでもなお、立ち上がれ。
逆襲編、である。
ちゃんとこのタイミングで助けが来るのは、やっぱり燃えるよ。もうね、なんでこの圧倒的なビジュアルをアニメで描けなかったのか。映像で魅せられなかったのか。この作品のどこまで目を凝らしても果てが見えそうにない、広くでかく大きく壮大で荘厳なビジュアル感を、どうしてアニメでは出せなかったのか今なお悔しい。
この第二章のスタートの光景は、ぜひ映像で見たかったよ。
そして、救援に訪れた人たちがまたほぼ現状におけるオールキャスト。混天大聖まで連れてくるとは、蛟の兄貴、ナイスナイス。
それでもなお、現状かき集められるだけの最強パーティーを集めてなお、アジ=ダカーハの強さたるは圧倒的で、さすがは魔王の中の魔王というべきか。やっぱり格が違いすぎる。この相手から一時でも逃れることが出来ただけでも御の字なのか。

さて、このタイミングで、と思う所なんだけれど、いやこのタイミングだからこそ、か。外界からクロアが戻るのに合わせて、かつてノーネームから旗と名前を奪った魔王、そしてかつてノーネームが名乗っていた名前が明らかになる。その誕生の由来も。
凄いわ。もうね、シリーズ始まった当初に思い描いた「魔王」とは、まったく発想が違っていて、同時にノーネームの原型も発足の端緒から目的の置き場所が普通のコミュニティと違っていたのね。ある意味、この魔王は絶対悪であり、倒されるべき悪であり、力によって君臨し対向するべき魔王アジ=ダカーハとは、根底から在り方が違うんですよね。ある意味、アジ=ダカーハは魔王と聴いて思い描く存在の在リようの極点そのものであり、こういう存在が黒うさのコミュニティをノーネームにしたんだと思っていたんだけれど、これって力でどうこう出来る相手じゃないですよね。凄いなあ、人類最終試練とか、白夜叉の正体である天動説なんかもそうだけれど、発想の立脚点が、どうしても物理で殴る系のそっちに流れてしまう一般的なそれと違っていて、ものすごいワクワクさせられる。
旧・ノーネームメンバーの幾人かの帰還に合わせて、これまで謎だった事実が明らかにされてきたのだけれど、今いるメンバーもまた本人たちのいざ知らぬところで謎だらけなんですよね。その中で、耀の素性についてはやや確信に迫ってきた感がある。
いずれにしても、仕切り直しで最難関の最終試練に再び挑む、箱庭の住人たち。フルメンバーのフルスロットルで送り届けられるであろう第一部の最終局面。今度は待たないでいいんですよね、今から滾って仕方ないんですけど!?

シリーズ感想

クロス×レガリア女王の領域3   

クロス×レガリア女王の領域 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア女王の領域】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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リコが姿を消してから間もなく、ナタと馳郎は白鳳六家の重鎮集う「六家総会」に列席していた。馳郎が白翁と認められるための会議は、かつての白翁後継者の乱入により戦況を大きく歪められる。「君は、世界のすべてを敵に回してでも、その少女を守るつもりがあるのかな?」先手を打つは月白弦摩。鬼仙と戦を起こすか否かを切り出す―鬼仙、白鳳六家、白翁候補、底の見えない駆け引きに馳郎は!?役者集いし「六家総会」―始まる。

なんという圧倒的、蓮花の巻き返し!! 今までどうやったってナタ一択だったメインヒロイン枠。蓮花は、すごく良いキャラにも関わらず、ナタと馳郎の関係がどうやったって横槍の入れようがないほど密接なものだから、報われないヒロイン臭を垂れ流しにするほかないままだったのですが、ここに来てその「報われない」を逆手に取って、これでもかと報われなさを強調した上で、それでも構わないという健気さを爆押しすることで、ストーリー的にもナタや馳郎の心情的にも無視できない存在感を立脚させてきたってなもんだ。
蓮花自身が、最初の立ち位置からしてもう挽回しようのないところから始まってしまっている、と認めている上に、半ばその立ち位置に納得していることが、尚更蓮花の健気さを後押しする効果になってるんですよね。見返りを求めること無く、自分の持っているもの、立場なんかを全部投げ捨てて、初めての恋に殉じようという少女の姿に心打たれないはずがなかろうて。
思いの外、蓮花の存在を馳郎もナタも気にしていたのにはちょっと驚いたけれど。異性に対する意識としては、馳郎はナタ以外に眼中にない、とは言わないまでも蓮花の事まで意識するような余裕はなかったと思ってたし、ナタはナタでそこまで蓮花をライバル視、というか恋敵として慮っていたとは思っていなかっただけに。ナタは、件の女子会が大きかったんだろうか。馳郎は、お前さん意外と気が多いのな、と思う所だけれどw
さて、今回の話のキモは、白鳳六家の「六家総会」ということで、改めて白凰内でゴタゴタがはじまるのかと思ったら、自体は輪をかけて大きくなり、オニと鬼仙の戦争待ったなし、という開戦前夜の様相を呈し始めて俄に緊張が膨らむことに。いや、オニと鬼仙の関係ってあくまで休戦期というだけで戦争状態は継続しているという認識だったのね、両者とも。特に、鬼仙側は長命なだけに殆どが戦争の当事者でもあるわけで、過去の出来事とは行かないわけだ。しかも、その戦争の原因がまた予想外のもので、馳郎は目論見を外してしまうことに。個人的にも、馳郎の交渉力があったら、オニと鬼仙の対立って致命的なことにはならないと踏んでいたので、こっちとしてもこの事態は予想外だった。しかし、ここで語られている「土地」の問題っていわゆる「魔法使い」たちのお話でも度々取り沙汰されていたアレと同じ種類のものだよね。今のところあっちサイドとは不可侵の関係を保っているみたいだけれど、オニと鬼仙でこれ取り合って戦争まで辞さない状況になっているとなると、いつまでも無関係では居られないんじゃないだろうか。そのうち、そっちサイドとも関わってきそうだなあ、これ。
ともあれ、目下の敵はかの有名な女仙の長。この名前のついたキャラって、概ねどの作品でも温厚で抑え役に回ってる場合の方が多かったんだけれど、この西王母さまはまたアグレッシブにヤバげじゃないですか。ってか、蓮花が思っていた以上に良い所のお嬢さんだったのね。文句なしにお姫様だったんじゃないか。
白凰六家側も鬼仙側もやる気まんまん。しかも、今の白凰にはジンたちの一派も独自に動いている。馳郎は、後手後手に回った挙句にガードのお仕事も果たせず完敗を喫してしまう。いわばここがどん底か。となると、あとはもう挽回していくばかり、という前向きな気持ちになれればいいんだが。ここからこそ、馳郎の主人公としての面目躍如を期待したい。

シリーズ感想

彼女たちのメシがマズい100の理由 6 3   

彼女たちのメシがマズい100の理由 6 (角川スニーカー文庫)

【彼女たちのメシがマズい100の理由 6】 高野小鹿/たいしょう田中 角川スニーカー文庫

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年に1度、告白が許される日―バレンタイン。彼女たちは当たり前のように葉介の家にいた。「ここから先は乙女の企業秘密です!」それを最後に閉められたカーテンから聞こえる恐ろしい声。「味覚音痴」なリリィに「激辛」のカロン。「虫」メシマズの華凪だってチョコをくれるに違いない!そう、メシマズが集まる日―バレンタインでもあるのだ。平穏を懇願する葉介の運命は!?愛内葉介の悩み、それは今日も変わらず毎日の食事!
ああ、めげてないように見えて、何だかんだと紅緒も凹んではいたんだ。そりゃそうだよね。正直に言ってくれ、と頼んだのが自分としても、頑張って作った料理をマズいと言われて平気じゃいられないよね。
しかし、だからと言って優しい嘘で繕われては、葉介と自分との関係にこれからずっと嘘がまとわりついてしまう。
バレンタインという特別なイベントだからこそ、正直に言われても嘘をつかれても紅緒は自分がどれほど傷ついてしまうか自覚し、慄いてしまったのでしょう。逆に考えると、それだけ彼女はバレンタインというイベントを葉介との関係を見直す上で大変重要なものと捉えていて、同時に葉介との関係が自分にとって生涯に関わる事になる、と思い定めていたことになる。
最初から青信号で両思いの二人で、結局二人の間に割って入るものもなく、無駄な抵抗の華凪ですら内心は紅緒の事を認めていて(だからこそ無駄な抵抗をしていたとも言えるのだけれど)、女性キャラは多く登場したけれどその殆どは二人の関係を後押し、応援する側に回っているという、非情に恵まれた環境に居た紅緒と葉介。
さっさとくっつけよ、と言いたくもなるけれど、ぬるま湯だからこそしっかり浸からないと温まらない、とも考えられるわけで。この二人の場合、くっつくとなるともう恋人という関係を通り越して、結婚してからの生活も考慮に入れてかからにゃあならなかったんですよね。もう紅緒は最初からそのつもりっぽかったし、周りの視点も恋人関係になるのはすでに大前提というか眼中に無く、ちゃんと夫婦としてやっていけるか、という観点にすでに入っちゃってたし。姉貴とか、紅緒の母親とかは特に。華凪のあれだって、もう妹としての嫉妬じゃなくて小姑のそれになってましたしねえ。純粋に好きとか恋とかという観点で応援してくれたのはリリィくらいのもんなんじゃないだろうか。
しかしだからこそ、紅緒としては自分のマズイ料理をなんとかしなければ、という使命感に駆られていたのだし、葉介も自覚を持って覚悟を決めるだけの、醸成の時間が必要だったわけだ。
この6巻は、その環境と関係と字画を整えるための時間だったのだろう。それが、概ねメシマズに彩られていた、というのは多難の人生を暗示しているのかもしれない。もっとも、ことメシマズに関しては葉介はもう最初から覚悟完了していた気もするけどね。最初から、一生紅緒のまずい飯を喜んで食う覚悟を。
その覚悟を感じていたからこそ、紅緒はそりゃあいかんだろう、と美味しいご飯を作れるように頑張ってたんだろうけどさ、ずっと。何しろ、父親という前例がすでに居たわけだしねえ。
個人的には、葉介の覚悟に甘えずに、美味しいご飯を、一般的に見ても美味しいと思えるご飯をちゃんと葉介に食べさせてあげたい、と頑張ってた紅緒は、ほんと良いお嫁さんだと思うよ。ほんと、作る飯がマズイ、という以外は瑕疵がまったく見えないパーフェクト嫁だもんなあ、この子。そんな完璧な娘をして、作る飯がマズイというだけで、羨ましい、と言い切れないあたりに、人間の生涯における食事というものの比重を感じ取れる作品でしたw

途中、メシマズ関係ないじゃん、という展開がまま見られて、テーマとしてかなり揺らいだところのあった作品でしたが、それでも良い幼馴染モノだった、と言い述べたい。紅緒、可愛かったです。最後もちゃんと新たなメシマズ要素で〆てくれましたしね。
あと、虫だけは絶対に絶対に無理だから! 特にGとか、アウト!!

シリーズ感想

ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 ケイズ・リポート 3 3   

ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 ケイズ・リポート3 (角川スニーカー文庫)

【ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 ケイズ・リポート 3】 鈴木貴昭/島田フミカネ:本文イラスト:飯沼俊規 角川スニーカー文庫

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マルタ島の激戦から数日。そこで浮き彫りになったネウロイの不可解な出現パターンから、サハラ砂漠を突破して襲来している可能性が浮上する。この危険性に、各国が連携し大規模な偵察作戦を展開。次々と届く情報の断片からケイが大型ネウロイの新たな進化に気づいた時、最悪の場所が襲撃されるのだが―「ふん、地味な戦いに飽きてきた所だ」。待望の外伝第3弾、アフリカの空が戦火に染まる時、マルセイユが最高の輝きを放つ!
アフリカ戦線にとどまらない、まさにワールドウィッチーズ。
当然のことなのだけれど、戦争というものは一つの戦場で完結しているものではなくて、どこかで起こった戦闘がそのまま全く別の遠く離れた戦場に波及し、戦局全体に影響を及ぼしていくという事が当たり前のように起こるわけです。ついつい、視点を限定して一個の戦場ばかりに注視して一喜一憂してしまうのは現実でもフィクションでも大いにありがちな事なのですが。
なぜ遠く、扶桑やリベリオンのウィッチたちが欧州に派遣されているのか。また、各国のウィッチたちが自分の国だけではなく、違う土地で飛び回っているのかを鑑みると自ずと答えとなっているのです。伊達や酔狂で送り込んでるわけじゃなく、回り回って自分のところに悪い波が来ないように切実かつ現実的な考えによるものなんですね。
しかして、まずはかの有名なマルタ島の戦いであります。アニメ版でもマルセイユがゲスト出演したことで有名なマルタ島の戦いですが、あれは二度目の戦い。すでに一度、マルタ島を舞台にした激戦が繰り広げられたことはアニメ作中でも語られていましたが、本作ではその第一次マルタ島防衛戦の激闘が描かれています。のちに第504統合戦闘航空団「ARDOR WITCHES」の隊長となるフェデリカ・N・ドッリオが事実上ウィッチを引退することになる重傷を負うことになるほどの激戦で、それこそ近隣から投入可能なウィッチや海空軍戦力を根こそぎ動員されるほどの規模の戦いとなっています。それだけ、連合軍が総力を投入するのも当然で、マルタ島の位置を地図で確認してもらうとわかるのですが、まさに地中海の要。ここを抑えられると、アフリカ戦線そのものが根こそぎ崩壊し、さらにはイタリアから南欧戦線まで共倒れしていきそうな、まさに要衝地なのです、マルタ島って。史実でも、この島の攻防が欧州戦線のターニングポイントの一つとなっているほどです。
まあそれほどの要衝を、アニメ版ではあっさり奪い返され、その奪還をほぼ501だけに任せちゃうという、結構無茶苦茶な事をしてるんですけどね。第一次防衛戦で投入された戦力規模や死命をかけて送り込んだ補給「ペデスタル作戦」を考えると、ちょっと考えられないんですけれどw
ちなみに、このケイズレポートの2巻では、そのペデスタル作戦がこれでもか、という濃さで描かれています。
ここで小憎い演出なのが、スムオス派遣軍のいらん子小隊からブリタニアのビューリングがゲスト参戦してる所なんですよね。史実では、ドッリオ隊長の元ネタの人をマルタ航空戦で撃墜したのが、まさにビューリングの元ネタの人なのです。それが、ストパンの世界ではドッリオ隊長の生命を救うのがビューリングになっているわけで、まさにストライクウィッチーズならではのネタだなあ、とニヤニヤしてしまったり。

さて、これもマルタ攻防戦を見てた時に疑問に思ったことなんですけれど、マルタ島ってネウロイの行動範囲外にあるんですよね。あのネウロイはどこから来たんだろう、と随分と首をひねった覚えがあるのですが、どうやら実際のウィッチーズの世界でもマルタ島に現れたネウロイについては相当に頭を悩ませたようで、空母を含めたかなり広範囲での索敵が行われることとなりました。第一候補地だったヒスパニア沖のバレアレス諸島には敵影見えず。様々な情報を検討した結果、おケイさんは一つの可能性に思い当たるのです。
ブレニム爆撃機はともかく、英国の長距離砂漠挺身隊 LRDGとかが出てくるとか、どんだけ美味しいんですかw しかし、これ見てると北アフリカ戦線はほんと、各国の協調がスムーズなんですよね。腰が一番重そうなブリタニアからして、フットワーク軽いもんなあ。将軍はともかく。これもおケイさん効果なのか。

ダカール、というとまず思い浮かぶのがダカール・ラリーのかつてのゴールであり、ガンダムなんかだと元地球連邦の首都なんかだったりするのだけれど、これも地図を見るとよくわかるのですが、アフリカ大陸の南回り航路における重要な中継地点なんですよね。スエズ運河が使えない現状からすると、太平洋をつなぐ航路の要衝の一つと言っていい。ちなみに、元はフランスの植民地だったので、ここの軍港には本国を失ったフランス海軍の艦艇が逃げ込んで、えらい悶着が史実でも発生しているのですが、このストパンの世界でも数ある自由ガリア政府の一つが居を構えた上に、戦艦リシュリューが鎮座していて、のちに第502統合戦闘航空団に参加するジョーゼット・ルマールが護衛に参加していて、ダカール軍港防空戦ではたった一人で孤軍奮闘することになります。
アフリカ戦線の最前線であるトブルクから遠く離れたダカール近郊に、新たなネウロイの巣が構築されようという危機。北アフリカ戦線も大事だけれど、さりとてアフリカ西岸を抑えられると、スエズとダカールというアフリカの両サイドをキメられることになるわけで、これまた致命的。このダカールでの戦いは、そこにいたウィッチがジョーゼットしかいなかった為に、数少ないガリアの海軍、航空戦力が死力を振り絞る戦いになっていて、戦闘機による体当たり攻撃で中型ネウロイを撃墜するような出来事まで起こってます。ジョーゼットも何度も被弾と弾切れを起こして、補給帰還と出撃を一日になんども繰り返すような状態で、途中でリベリオン海軍の救援がなかったらどうなっていたことか。
幸いにもアフリカを横断するような長距離移動は、ネウロイも大きな戦力を集中できなかったようで、ダカールは攻め切れないままリベリオンの救援により支えられ、巣が構築されそうだった拠点もブリアニア艦隊の攻撃に破壊される。これも、おケイさんの進言によっる大規模な索敵作戦が行われてなかったら、迎撃も後手に回ってアフリカ西岸を抑えられてたかもしれない事を鑑みると、結構危機一髪だった?
一方で北アフリカ戦線も、トブルクを迂回したイコニウムへの襲撃が行われて、トブルクを基地とするマルセイユたちアフリカ軍団も決断の時。
ここでの長距離移動用の大型地上戦ネウロイの登場や、ネウロイの巣と対峙する戦いが、のちのちのスフィンクス作戦へと繋がっていくことになるんだろうか。
まさにアフリカの北から西まで、あるいは地中海から大西洋を股にかけた対ネウロイ戦線の激戦の数々。今回は、色んな場所にスポットがあたることで、マルセイユの活躍も限定的なんですけれど、それってつまりマルセイユがどれほど凄くても彼女という存在は一人だけで、あっちにもこっちにも飛んでいけるわけではなく、同時に戦局を左右するような戦場はそれこそ各地に飛び散っていて、そこが崩れると友崩れでしわ寄せがあらゆるところに押し寄せてくる、という局面が幾つもあるわけです。それこそ、マルセイユだけでなく、あるいは501だけではない多くのウィッチが世界各地で死力を振り絞って戦い、人類戦線を支えている、というのがこの巻ではよく伝わってたんじゃないかしら。
近々、アニメでも新たな企画がスタートしているみたいですし、ちょうど【島田フミカネ THE WORLD WITCHES】という世界各国のウィッチが紹介された画集も発売され、とストライクウィッチーズも新たな局面を迎えているようで、さらなる世界の広がりがなんとも楽しみな昨今です。

しかし、ビューリングは格好いいのう。あとロンメル将軍、遊びに来すぎ! まあ、ほんとに忙しい時にはさすがに来なかったようですけれど。

1巻 2巻感想

ムシウタ 14.夢謳う虫たち(上) 3   

ムシウタ    14.夢謳う虫たち(上) (角川スニーカー文庫)

【ムシウタ 14.夢謳う虫たち(上)】 岩井恭平/るろお 角川スニーカー文庫

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超種一号“C”の圧倒的な力に対抗すべく、2枚の切り札が動き出す。死から蘇った虫憑きたちの守護者“レイディー・バード”こと立花利菜。始源の虫憑き“α”の謎に迫る“炎の魔人”ことハルキヨ。だが二人の前に立ちふさがったのは、“ふゆほたる”によって欠落者とされたはずの“かっこう”だった!?最強の一号指定が結集し“始まりの三匹”を倒す―アリスの夢の続き、そして虫憑きたちの最後の希望は潰えてしまうのか?
不思議なことだけれど、ハルキヨって本人視点で描かれている時と他人から見た時とは全然違うんだよなあ。本人の素は、とてもシンプルで変に難しいことも考えていないしややこしい思惑も何も持っていないのだけれど、外から見ると異様に怪しくて何を考えているかわからなくて、とにかく信用しづらい胡散臭さがついて離れない。以前に一度、ハルキヨ視点を経由していたから彼に対する見方が変わるかと思ったんだけれど、いざまた別の人間の視点になると、ハルキヨの怪しさたるやぶっちぎりで、やっぱりこいつナニカ良からぬことを企んでるんじゃないか、と否応なく疑ってしまうんですよね。彼が、何故か他の人が知らないような虫憑きや一連の出来事の真相など、確信に近い情報を沢山握っているのも、その信用しづらさに拍車を掛けているのだろう。ハルキヨに言わせると、勝手に向こうから情報が集まってきているだけで、自分から何をするでも求めているわけでもない、そうなんだが、その言い分って必死こいて生命すらかけて真相を追いかけているようなやつからすると、ムキーーッ!てなもんでしょう。ハルキヨからすると、迷惑千万なんだろうけどさ。
結局のところ、ハルキヨの本質を過たずに見抜いていた人物というのは本当に少なくて、その希少な中でも特筆すべき人だったのが、彼女……眠り姫こと一之黒亜梨子だったんでしょうなあ。だからこそ、ハルキヨの側でも彼女にこだわり、真の自分を捉えている彼女にこそ、自分を殺して欲しいという気持ちがあったのでしょう。先のアリス救出戦では、もう見放したみたいな事言ってましたけれど、もう本当に興味なくしちゃったのかと心配しましたけれど、どうやらまだまだ未練タラタラなご様子で。こいつもシンプルなわりに、いやシンプルだからこそが曲がって面倒くさいやつだなあ。
対して、レイディーバード・立花利菜の方であるけれど、こっちはもうかわいそうなんてもんじゃないでしょう。周りからすると、あのレイディー・バードが復活というのは感動的ですらあるんだけれど、当人からすると死者に鞭打たれたようなものじゃないですか、これ。蘇ったとはいえ、その身はミミックのもので果たして自分が利菜なのかミミックなのかも曖昧で、生き返ってやることといえば死ぬ前と変わらない一号指定として戦え、というもの。虫憑きたちを守りたいという想いを失っているわけじゃないけれど、彼女はそれを無念として、未練として死んだわけじゃないんですよね。それを無理やり叩き起こされて、自己定義すら曖昧なままなお強いられるというのは……。さらには、莉奈という個人としてみても、起きてみればかっこうは欠落しちゃってるし、その「かっこう=大助」という衝撃は残ったままで、さらには彼女が心惹かれた大助という少年は、ふゆほたるに夢中なままで、トドメにアリスなんて最終兵器まで再出してきて、結局のところ自分なんてものは彼女たちと比べて番外であることは変わらないというのを、蘇って突きつけられて。わりとこれ、生き地獄である。莉奈からすると、溜まったもんじゃない。それでも、全部放り出してしまえず、全部背負ってしまうのがこの立花利菜という少女の死んでも変わらぬ背骨そのもので、なんかもう心身ともにボロボロになりながらも、何も見捨てず、かつてあの夜に見捨ててしまったものまでもう一度背負い直して、立花利菜をもう一度はじめようとする彼女は、やっぱり一等カッコ良い女でした。

しかしこうなると、一号指定全員、一度どん底に落ちてから、こうしてもう一度這い上がっていく形になるのか。
ふゆほたると槍使い。真実を知り絶望してしまった彼女と未だ目覚めぬ最後の要。やっぱり、このメンツを表からガバっとまとめられるのはアリスしかいないと思うので、彼女の本当の意味での復活は心待ちにしてしまうなあ。まさかもう一度、摩理が出てくるとは思わなかったけれど。
一方で、実は一番の要となりそうなチャミ陣営は、相変わらず片っ端から何もかも上手いこと行ってないんだけれど、そのくせ一番肝心なところはずっと掴んで離していないのは此処に至っても変わっていないようなので、ここの動きが最後の鍵になると思うんだけれどなあ。

さて、次はまた何年後かしら……せめて半年くらいでお願いします。

シリーズ感想

俺の教室にハルヒはいない 2 4   

俺の教室にハルヒはいない2 (角川スニーカー文庫)

【俺の教室にハルヒはいない 2】 新井輝/こじこじ 角川スニーカー文庫

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教室の一番後ろの席は『涼宮ハルヒ』の席。登校して来ないマナミさんの件で、俺は生徒指導室に呼び出され、その帰り、生徒会長のカグヤ先輩に突然、呼び止められる「君には心当たりがあるだろう?」―先輩は『涼宮ハルヒ』のことを聞きたがっていた!一方、声優を目指すカスガはオーディションに。でも、そこにはマナミさんも参加していて、二人の対決は避けられないことだった…。話題の青春ストーリー、胸に迫る第2弾!
【カンチ、セックスしよっ♪】、という名台詞が真っ先に頭に浮かんだロートルさ加減については察してください。でも、あの頃自分ドラマとかあんまり見てなかったんだよなあ。東京ラブストーリーも見てなかったし。
さて、いきなり校内で初対面の相手にとんでもないお誘いを仕掛けてきた生徒会長さんの登場である。いやいや、不器用にもホドがあるでしょう。人間関係の距離感の取り方、無茶苦茶じゃないか。ところが、あながち突拍子もない事もないのが肝である。ってか、あり得ないとわかっていても【ROOM NO.1301】の主人公みたいに張り切っちゃうのかとドキドキしちゃったじゃないか。さすがにユウくんはあちらの健一くんのように「セックス」がコミュニケーションツールというわけではないので、そこまではっちゃけるとは思わないのですけれど、凡俗のウブな主人公と違ってわりと女の子に触れることに緊張しない子なので、時折ギョッとするくらい大胆な事するから油断は出来ない。
そもそもこの作者の描くキャラって、微妙に生々しくて距離感の埋め方にライトノベル的な手順を必要としてないんですよね。全体として、作品としてルールが決まっているのではなく、各々の価値観と判断に委ねられているので、傍から見ていると「え?」と思うほど踏み込みに躊躇いがないケースが散見されるわけです。もっとも、各々の中にあるルールはそれぞれ確固としたものがあるので、見ていれば段々わかってくるんですけどね。でも、慣れている人ほどギョッとなるかもしれない。
しかし、あんまりにも無造作に踏み込むもんだから、抜き差しならないところまで至っちゃってるのは間違いないものだと思う。引き金の軽さと銃弾の威力は別に関係があるわけじゃないものね。ユウくんにどれだけ自覚があるかわからないけれど、マナミにしてもカスガにしても、彼の存在を拠り所にしているという意味では、正直換えがきかないところまで来ちゃっているように見える。ユウくんは、あまりにも十全に二人の期待に応えちゃったんだろうなあ。決してユウくんが軽い気持ちで二人を応援してるわけではなかったということは、カスガとマナミのオーディションがバッティングしていた事を知った際の動揺からもうかがい知れる。彼は彼としてとても真摯で真剣に二人の支えになろうとしていたのは間違いない。ただ、そのことが二人にとってどれほど大きいものだったかを、この若者は果たしてどこまで理解できているのか。こればっかりは人生経験がモノを言う段階の出来事な気もするけれど、マナミにしてもカスガにしてもこれ、結構重い女だぜ。ふたりとも、この世代としては抜きん出て自立していて、誰かに寄り掛からないと立っていられないような弱い女じゃござんせん。でも、だからこそいざ拠り所を求めた時の気持ちたるや、とても軽々としたものでは居られない。それでも、二人は慎重にユウくんという支えに対して適切で理性的な対応を心がけていたように見えました。が、今回の一件でそれは瓦解の様相を垣間見せ、さらにはカスガの方はあのさり気なく物凄い発言をしていたのを鑑みると、もしかしてそうした配慮を放棄してしまった可能性すら浮かび上がってくる。
未だ対面していないカスガとマナミですけれど、二人が顔を合わせるシーンを想像すると背筋がゾクゾクしてくるような段階に、この三人は踏み入ってしまったんだろうか。まだどういう方向に持っていくのか、今はわからないのだけれど、ヤバいなあ、修羅場あるかなあw

1巻感想
 
12月3日

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11月29日

(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ファミ通文庫)
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(エンターブレイン)
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11月28日

(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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11月27日

(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(アクションコミックス)
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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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