スニーカー文庫

彼女たちのメシがマズい100の理由 43   

彼女たちのメシがマズい100の理由4 (角川スニーカー文庫)

【彼女たちのメシがマズい100の理由 4】 高野小鹿/たいしょう田中 角川スニーカー文庫

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「虫」メシマズな妹の華凪が、お嬢様学校を転校し一緒に暮らすことになった愛内家。今回は新手も登場せず、「進化する」メシマズヒロインの紅緒だけと思いきや、親友の冥が「激辛」メシマズな双子の妹カロンについて、「ダメ人間を更正したい!」と意味深な相談をしてきた。お兄ちゃん大好きな妹に対し、冷たい態度をとる冥。「あーん」する愛内兄妹を横目に、「お兄ちゃんに嫌われた」と凹む妹はメシマズ手料理で愛を獲得できるのか!?
日本でもうなぎは、蒲焼きにされる以前はぶつ切りで焼かれていたらしいけれど、それでもこのうなぎゼリーのインパクトとは段違いだろう。素材の味を生かし、だの塩味のゼリーだのちょっと勘弁してほしいけれど、とにかく見た目が凄い。これ、ほんの少しアレンジさえすれば見た目はどうにかなりそうなのに、画像検索して出てくるのがなんでこんなのばっかりなんだw
意外と口にあう人は合うみたいなのでこればっかりは好みなのでしょうけれど。虫飯に比べれば、どうということはない。
さて、虫メシマスターである妹ちゃんが地元に戻ってくる事になったのだけれど、相変わらずの虫メシマスターっぷりに阿鼻叫喚は続く。ってか、平然と虫弁当を学校に持ち込まないでください。軽くテロですから。夜食テロとかそういうのとは全く逆のベクトルのテロですから!!
ちゃんとカロンが虫メシに対して普通の反応をしてくれて、ちょっと安心した。まあ、カロンはメシマズの中でも一番マシな部類なので、あの程度の辛メシくらいでは常識の範疇に収まってしまうのだけれど。
今回は、そんなカロンと冥の兄妹になったばかりの二人のすれ違いがメインのお話。ぶっちゃけ、メシマズはあんまり関係なかったりする。この件に関しては冥が全面的に悪いよなあ、という以外にない。何かを変えてほしかったらまずそれを伝えなければ伝わらないのに、何の要望も口に出さないまま、相手が自分の思うように態度を変えるまで距離を置こうなどというのは、自己完結していて全然コミュニケーションじゃないのですから。カロンの方からすると突然兄が自分を避けだして理由も何もわからない、というひどい状況なわけで、事情を聞いていた葉介が途中からカロンに味方し出すのは、これ当然ですわ。理由は言わない、でも察して改善しろ。というのは往々にして横暴に類されます。
……いや、ほんとメシマズ関係ないんですけどね、今回。
紅緒も殆ど目立たないままでしたし。最後、ビシっと馬鹿な真似をして妹を泣かせた兄を叱りつけるのが、温厚な紅緒だというのが、一番の締まるところではあったんですけれど。この娘、本当に大和撫子すぎて今どきめずらしいくらいなんだよなあ。その分、嫁度の完璧さも半端無いのですが。あまりに二人の熟年夫婦っぷりが揺るぎ無さすぎて、波乱の一つもないものだから、そろそろ現状維持を何とかしてほしいと思う頃。別に恋のライバルを投入しろ、とはイイませんので、二人の仲をもうちょっとラブ寄せして、イチャイチャさせてほしいのう。
次はイギリス渡英編みたいなので、環境を変えることで面白いことにならないだろうか。それ以前に、イギリス料理乱舞編になりそうだけれど。

シリーズ感想

10月のスニーカー文庫、予約開始。  


ゆーてる間に、10月のスニーカー文庫予約開始であります。毎度のことながら、ぎりぎりまで予約開始すらしないレーベルと、まだ前の月の発売もまだなのに予約を開始するところとの差が大きいなあ。
10月は、先日ご紹介させていただいた【この素晴らしい世界に祝福を!】を筆頭に、現スニーカーの主力格がずらずらと。ああ、今からアクア様が楽しみすぎる。

 【この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま】 暁なつめ(角川スニーカー文庫) Amazon
 【クロス×レガリア 双貌の王】 三田誠(角川スニーカー文庫) Amazon
 【聖剣の姫と神盟騎士団 3】 杉原智則(角川スニーカー文庫) Amazon
 【薔薇のマリア 19.たとえ明日すべてを失うとしても】 十文字青(角川スニーカー文庫) Amazon
 【Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ2】 伊藤ヒロ(角川スニーカー文庫) Amazon

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ?  暴虐の三頭龍】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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地獄の窯より現れた魔王アジ=ダカーハの攻撃から黒ウサギを庇い、致命傷を負った十六夜。ノーネームの仲間を逃がすため、命を賭け対峙したはずが、その圧倒的な力の差に距離を取ることさえ出来ない。さらには「ならば、こういう絶望はどうだ?」と、魔王は己を抉り、その血液で分身体を生み出し、飛鳥たちがいる“煌焔の都”へ追わせたのだ!アジ=ダカーハの攻撃で阿鼻叫喚の渦に巻かれた都で、耀と飛鳥の戦いの行方は―!?
か……かっくぇぇ。ちょっ、マジで痺れたんですけれど、アジ=ダカーハ先生の悪一文字宣言。いやあ、魔王アジ=ダカーハ、思っていたのと全然違った。この魔王、理不尽の体現者でありながら鮮烈なまでの秩序の導き手だ。その悪は暴であっても邪ではなく、いっそ清廉と呼んでもいいくらいの純粋な悪。

魔王とは、倒されるために用意された役割に過ぎない、という概念は昨今よく見かけるようになったもので、実際自分を倒されるべき魔王として規程して活動している魔王の人もチラホラと見受けられるのだけれど、そういう仕方なく魔王の役を引き受けているような輩とは、アジ=ダカーハ先生は格が違う、誇りが違う、存在が違う。
それを憐れむのは俗人の思考だ。それを嘆くのは的外れである。強いられたもの? 押し付けられたもの? 運命によって定められた逃れられない楔? 自己犠牲? 違う。それは絶対に違う。そんな甘やかな考え方に括られるような、貧相な存在とは格が違う。そんな戯けた物言い、軟弱な考えなど鼻で笑って踏みにじられるだろう。
見よ、振り仰げ、悪の一文字によって染め上げられたあの旗を。あれこそが、倒すべき悪である。
それこそが、絶対なる悪を以ってして正義を証明する者である。
震えたね、その在りように痺れたね。人間の甘い感情など入る余地のない、覚悟や決意だのといった意志を奮い起こす必要もないくらい、信念や思想などといった概念の介在しない完全無欠の在り方だ。思考停止とは程遠い、高みにあって全てを俯瞰する在り方だ。これほど完膚なきまでに悪でありながら、これほど純粋な正義という概念に近しい存在は見たことがない。
これが、本物の「魔王」かっ!!
これこそが、人類最終試練の真の姿か!! まさに「魔王」で、「試練」の名に相応しい存在だ。
もうたまらんかった。十六夜が、力だけではなくその舌戦を以ってして完膚なきまでに敗北するさまを目の当たりにするとは。
ギフトゲームと「魔王」という呼び名の本来の意味もようやく明らかになって、ますますこの箱庭世界のスケールの大きさを思い知らされる思いでした。

一方で、十六夜に大きく遅れを取っていた飛鳥と耀の成長がまた著しい。なんか、これまでの停滞が溜めだったんじゃないか、というくらいの飛躍ですよね、これ。これまで藻掻いて掴み損ねていたものを、ようやく掴んだというか、きっかけを手に入れた、というか。特に飛鳥は、ついにその真価が開花しはじめた、って感じだよなあ。すげえわ。
でも、それ以上に心震わされたのは、耀の十六夜と対等になって彼の横に並び立って戦いたい、という振り絞るような心の叫び。
これは、後半の短篇集でもかいま見えるんだけれど、この十六夜と飛鳥と耀の問題児三人組の関係って、ほんとに男女の性差というものを感じさせない、仲間であり友達同士なんですよね。短編のお話見てつくづく思ったんだけれど、この三人の仲の良さはちょっと類を見ない特別なものです。男友達、女友達、というのとも違うし、同性の親友関係とも違う。兄弟とも勿論違うし、家族的なものでもない。戦友とはまた異なる。一番近いのは「ライバル」なのかな。それも、直接干戈を交えて優劣を競い合うようなライバルじゃなくて、張り合うわけでもなく、一緒の方向を向いて一緒に歩いて行く、けれど慣れ合わずに、でも誰よりもお互いに自分を認めて欲しい間柄。そう言うと、十六夜だけちょっと立ち位置は違うのだけれど、彼は彼で飛鳥や耀をちゃんと自分と「おんなじもの」と捉えているようですし。
なんにせよ、どう言い表していいかわからないこの問題児三人組の関係って、見ててほんとに好きなんですよ。自分、ラブコメ好きでなんやかんやと恋愛要素がないとがっくりしてしまうたちなのですが、この問題児シリーズだけに関しては、というよりも問題児三人組の間柄に関してだけは、恋愛要素が絡まない方がワクワクドキドキさせてくれるものだと思ってます。この三人の間に恋愛感情が芽生えるとしたら、よっぽどのエピソードを入れて貰わないと。無いと思いますけどねえ。

TVシリーズ終了に合わせたDVD付録付きの発売関連もあってか、どうも無理やり新刊を出すことになったようで、ここで短篇集だけって事もなくアジ=ダカーハとの最終決戦を途中までだけ持ってくる、というこれは暴挙なのか強烈すぎる掴みなのか。いや、こんな中途半端な形でアジ=ダカーハ戦の途中まで持って来ちゃって、次の巻ちゃんと盛り上がるの? と、聞くだけ野暮な話か。これだけ激燃えの展開をただの前降りにしてしまえるくらいの凄まじい展開がこの後待っているのだと、思っちゃいますからね? 信じちゃいますからね?
とりあえず、なんでこの盛り上がりの中でリリが表紙? という疑問は解消できました。さすがに切った張ったになると出番がなくなってしまうリリですけれど、このしっかり者の健気なケモナーは可愛いよなあ。十六夜もまあ随分と目をかけて可愛がってますし。十六夜は、態度が大きいからついつい印象が違ってしまうのですけれど、割合誰にでも優しいんですけどね。

シリーズ感想

クロス×レガリア 海神の遺産 3   

クロス×レガリア  海神の遺産 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 海神の遺産】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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「何々、宝の地図とか?」馳郎と北斗の話を聞きつけた生徒会一同は、先代白翁が遺した謎の地図を手掛かりに鬼無里海岸を訪れる。宝探しをする一方、リコや蓮花などお馴染みのメンバーは、水着に着替えて大はしゃぎ。初めて目にするナタの水着姿に思わず目が眩む馳郎…だったが、それも束の間。謎の「人魚」の魔の手が迫る!!かつてない巨大な敵に翻弄されるなか、馳郎がとる鬼仙兵器・ナタの力を解放する秘策とは!?
今回のラスボスって、パタリロに出てきた少佐とか、ジョー・ディクスン・カーのフランス人探偵に似てますよね、と意味なく呟いてみる。いや、ほんとに意味ないんですが。
順当なりし水着回。朝葉の煽動で、宝探しを目的として海に合宿に行くことになった生徒会メンバーとその他諸々。というか、その他諸々の方が本作ではメインのキャラたちなのだが。【イスカリオテ】でもそうだったけれど、生徒会の本筋には踏み込んでこないものの、常に至近距離には居続けるという立ち位置はなかなか興味深いところです。その距離が近いが為に、前回など朝葉がもろに巻き込まれたりもしたのですが、かと言って必要以上に此方側の事情に踏み込んでくるわけじゃないんだよなあ。かと言って、距離を置くには人間関係的にもう不可分になっているし。ただ、生徒会長の一姫の不可解な体質なんかを見ていると、少なくとも彼女についてはなにか裏設定がある気がしないでもない。鬼仙の筋はさすがにないだろうけれど、<おに>関連ならありそうだし、この世界には<魔法使い>という一群もいることですしね。
しかし、言動や影響力だけ見ていると、何故か庶務である朝葉の方が生徒会長に見える不思議。実質牽引してるのって明らかに朝葉じゃん。そんな朝葉にずいずいと振り回されるのが、案の定馳郎であり、意外とナタや傍若無人に見える蓮花も肝心な所で受け身側だったりする。北斗もこっち側だな。一方で、最近やたらとガンガン行こうぜなところが露呈してきているのがリコなんですよね。最初の頃は健気に義兄をサポートする妹ちゃんだったのに、北斗と再会したあたりからかなりノリノリになってきましたよねw
個人的には北斗は本気で男でも良かったかなあ、と思わないでもないんですよ。リコと北斗って本当にお似合いなので、馳郎が独白しているみたいに、いっそ本当に彼氏でも良かった。
でも、さり気なく一番乙女な気質なのって、ナタをも抜いて北斗なんだよなあ。リコと蓮花のゲテモノ食いトークに完全に置いてかれて涙目な北斗についつい萌えてしまいました。もっとキャッキャウフフなガールズトークしたかったろうに。幼い頃から兄に好きなものを奪われ続けてきた影響で、微妙に賤しいところがあったりするのも、これはこれで可愛かったりするので……リコさんリコさん、ヒロインらしいところ持ってかれてますよ。

とまあ、リコがはっちゃけてヒロインとして大事なものを盛大に落っことしつつある昨今ですが、逆に恋心を自覚してえらい勢いでデレはじめているのが、蓮花さんであります。あんた、もうデレっデレじゃないですか。
そもそも、元々関係ないのに合宿に自ら乗り込んでくるあたりで、彼女なりの必死さが伝わってくるのですが、ある程度一緒に遊べたことに満足してしまって、そこから踏み込めずに指を咥えてウロウロしている時点でこの娘、アレである。微苦笑が浮かんでくる。
いやまあ、仕方ないといえば仕方ないですよ。傍から見てると、馳郎とナタの間には全然入り込める余地ないですもんね。気持ちが通じ合いすぎてますもん。むしろ、よくまあこの状況から馳郎によく自分をアピールして存在感捩じ込んでる方だと思いますよ。
ナタとは別の意味で、蓮花も鬼仙の世界からは爪弾きにされたような子らしいので、馳郎たちとはもっとよく馴染んでほしいものです。此方側からもちょっと距離を置いてしまうと、何気にぼっち化しちゃいますもんね。その意味では、今回の合宿を通じて馳郎やナタだけじゃなく、他のメンツとも好を繋げられたのは色々とホッとさせられるものがありました。リコや北斗とも仲良くなったしね。

で、こいつはどうするよ、太乙真人。この人、とにかく迷惑な人なのね。一貫して黒幕やっててくれるなら、そういうヤバい奴なのだと警戒してりゃあ楽なんだけれど、別にいつも企んでるわけじゃないんだよなあ。というか、完全に中身子供だろう、この人。意外と、扱い方覚えたらチョロいような気もするんだけれど、敵にしても味方にしても、どっちつかずの場所に据えても、ひたすら面倒くさそうで参るなあ。

三田誠作品感想

彼女たちのメシがマズい100の理由 33   

彼女たちのメシがマズい100の理由3 (角川スニーカー文庫)

【彼女たちのメシがマズい100の理由 3】 高野小鹿/たいしょう田中 角川スニーカー文庫

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兄のことが好きすぎて、「ガチでヤバい」からと山奥の超お嬢様学校に通う妹の華凪。そんな妹に会いに、2泊3日で長野県に向かうことになった葉介たち。今回は幼なじみの紅緒が作る恐怖のお弁当もなく、美味しい駅弁を食べたりして、奇蹟的にメシマズがない幸せな時間だったはずが、生物実験室で再会した華凪はこんがり揚がったセミの唐揚げを作っていて!?節足動物もレシピ次第で美味しく食べられる!新感覚メシマズラブコメ。
虫は、虫は絶対イヤーーーーー^!! こればっかりはどんなに美味しくてもダメです、絶対無理。初級編だとかいうイナゴだって、何が初級だこらーーっ! ましてや幼虫とか、あかんてホンマあかんて。この妹ちゃん、幾らなんでもレベルが高すぎです。健康志向のドラックジャンキーのオメガがまだ可愛く見えてくる。ってか、いったい何があって虫食にハマっちゃったんだ、この娘。もうお兄ちゃん好き好き超愛してる、というのがどうでもよくなるくらい、虫のインパクトが凄すぎました。メシマズが新感覚的すぎますよ、これ。
とはいえ、料理描写についてはこれがなかなか丹念かつ迫真的で、実際に料理を前にしたような感覚を覚えさせられるという意味では、あの超メシウマ小説【ベン・トー】に或いは伍してもおかしくない描写力だと思うんですよ、これ。惜しむらくは、その描写力が全力でメシマズの方向に向かっているということでしょうか。この本気で不味そう感は大したもので、ある意味これを読んだ後だと普通に食べるご飯に感動して素晴らしく美味しく食べられそうな気がします。全然嬉しくないけどね!!
いやあ、文化祭にかこつけた公開料理対決イベントの阿鼻叫喚地獄は吹きましたわ。本気で地獄絵図じゃないか(笑
食材映すだけでもアウトなのに、調理シーンとか絶対放送コード引っかかるだろうな、これ。なんか怖いもの見たさでアニメ化してくれないかと思ってしまった。
さて、メシマズラブコメのラブコメの部分ですけれど、ガチでお兄ちゃんが好きすぎた為に家族と離れた学校で寮生活をすることになった妹、という事なので相当にヤバい娘なのかと思っていましたが、華凪ちゃんそこまで病んだ娘ではありませんでした。てか、これは世間一般(?)のヤンデレ系妹のレベルが高すぎるんでしょうけれど。むしろ、オメガの華凪ラブっぷりの方が若干リミッター振りきれていたような。オメガのぶちきれた態度から、なんか深刻な事態に陥っているのかと危惧したのですが、オメガの葉介への敵愾心は概ね勘違いが元になっていたようで(誤解するのも仕方ない状況だったのですが)、変に拗れずに済んでよかったです。妹ちゃん現るの展開のわりに結構オメガのヒロイン押しが強かったのは驚きでしたけれど……この作品に関しては葉介と紅緒の仲はガチガチの鉄板だからなあ。はっきり言って、この二人に割って入るのどうやったって無理ですよ。相思相愛は半ば自覚的であるようですし、お互い添い遂げる気満々ですからねえ。妹の華凪が紅緒に敵意むき出しというのも、こりゃあ仕方ない。
今回については、葉介の妹への愛情と紅緒に対する向き合い方、その区別がよく出ていて、彼の考え方というか重きの置き方というのはなかなか面白かったです。甘やかす、という意味では妹の方を大事にしていて、紅緒に対しては遠慮しないところがある。ただ、それがお互いへの絶大な信頼と尊重にもとづいているのが、何ともニヤニヤさせられるところなんですよね。
エピローグでの、あの敷居を挟んだお風呂での二人のやり取り。果たして、二人はちゃんとその言葉に込められた夏目漱石的な意味を知っていて、口にしていたんでしょうか。私は、二人とも知っていてお互いに語りかけていたように思うのですが、如何でしょう。だとするならば、素敵だなあと思うところ。

1巻 2巻感想

薔薇のマリア 18.光の中できみが笑う今は遠くて4   

薔薇のマリア    18.光の中できみが笑う今は遠くて (角川スニーカー文庫)

【薔薇のマリア 18.光の中できみが笑う今は遠くて】 十文字青/BUNBUN 角川スニーカー文庫

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苦難の旅を乗り越え、城塞都市シャッコーでZOOの仲間たちとようやく再会したマリアローズ。しかし、トマトクンは死の淵にあった。ボロボロの身体には治療の効果もなく、もはや最期の瞬間まで見守ることしかできないのかと思われた時、彼を救う最終手段が提示される。そのわずかな希望を手に入れるには異界の最深部“獄の獄”に行く必要があると告げられ―トマトクンを救うため、マリアと仲間たちはさらなる苦難へ突き進む。
ただでさえ地上が地獄の釜をひっくり返したようになっている中で、トマトクンを助けるために本物の地獄のその最奥、「獄の獄」に潜ることになったZOOの面々。何よりも感慨深いのが、この余りにも過酷な探索行がマリアたちの独断でトマトクンを助けるために突入したものではなくて、トマトクンからZOOの仲間たちに乞うたものだった、ということでしょう。トマトクンという存在は、これまで仲間であるリーダーであるという以上に、ある種の庇護者みたいな雰囲気があった事は否めない。ジョーカーやトワニングのようにあくまで対等、という人もいるにはいたけれど、みんなどこかしらでトマトクンに対して頼りにして寄りかかる部分はあったし、トマトクンの方もその来歴もあってか、今世に出来たこの大切な仲間たちを自分が守らなければならない、という観念があったように思う。それが、身体が持たずに崩壊しようという瀬戸際になった時に、決死行に等しい獄の獄への突入を自分を助けるために、守ろうとしていた仲間たちに頼り、すべてを託そうとしたトマトクン。その決断にこそ、彼が今のZOOの仲間たちをどれだけ大切に思っているかが、逆に伝わってきた気がします。そこまでして、一緒に居たかったのでしょう。この仲間たちとまだ生きたかったのでしょう。そして、自分のすべてを託すまでに、この地獄行を誰も死なずに成し遂げてくれると仲間たちを信頼したのでしょう。その気持が、なんだか嬉しかったなあ。
多分、マリアたちも嬉しかったのでしょう。一も二もなく、「獄の獄」への突入を決断するZOOの面々。いつもは心にもない愚痴や文句でストレスを発散するマリアも、今回ばかりはそれすらもなく、それどころか今は別の場所にいるカタリにすら思いを馳せ、はっきりと口にはしないものの、この一団となったZOOの中に今カタリがいないことを惜しみ、あとで自慢すらしてやろうと思っているあたりに、マリアにとっての、ZOOにとっての、この冒険がどんな意味合いを持っていたのかが透けて見えるような気がします。
相変わらず、無力なのに自分が皆を先導し、指示を飛ばすサブリーダーとしての役割にプレッシャーを感じ、押しつぶされそうになっているマリアですけれど、それでも以前と比べるといつまでもぐだぐだと凹まないし、仲間たちの目を必要以上に恐れないあたり、成長したというか、昔と比べると仲間たちとの信頼関係が段違いになったよなあ、と感慨深い。ユリカが的確なタイミングでフォローを入れたり、と周りの連中もマリアのメンタルをよく理解し補えるようになってて、実のところ信頼値としては当初からこのクランは高止まりして変わってないと思うんだけれど、お互いをフォローしあう機能性連携力という意味ではほんと、素晴らしい高みまで至っている。
敵は高レベルの悪魔や天使、バケモノばかり。最終ダンジョンどころか、ゲームの全クリ後にオマケで用意されているような隠しダンジョンと言ってもいいような難所であり、最大戦力であるトマトクンが完全に戦力外で、トワニングも彼を背負って戦力外、トマトクンを治療しなきゃいけないために定期的に安全を確保しなきゃいけない、という状況にも関わらず、確かにかなり瀬戸際ギリギリではあるんだけれど、実際はかなり安定感のある行程だったように思う。マリアが判断を迷わないと、たとえ誤断があってもパーティーとしては安心感があるんですよね。はっきり言って超人揃いになってしまったこのパーティーですけれど、マリアという核であり頭が存在してこそこれほど強力になれる、と改めて見せつけられたような気がします。
それでも、この「獄の獄」は余りにも地獄の底の底すぎて、今のZOOをしても突破できない場所であったのですが。あの最終関門は無理ゲーすぎるでしょう!
もうね、そこでマリアが何の躊躇いもなくあの決断をしてしまったことが、なんか衝撃的でした。ショックだった、というのとは違って、ただただインパクトだった、とでも言うのでしょうか。その行為に対して何の感想も思い浮かばないまま、無色の衝撃が通り抜けていった、というか。それだけはやっちゃいけないだろうとか、それしか仕方がなかったとか、そういう考えもなんか塗り潰されてしまって。なんとも不思議な感覚でした。だから、それを止めてひっくり返すのは、やっぱりトマトクン以外居なかったんでしょうね。マリアにとってのトマトクンの大きさがそれを為したのなら、それに対して何かを物申せるのも行動できるのも、トマトクンの大きさだけだったのでしょう。
これが、存在感ってやつだわなあ。
だからこそ、復活したトマトクンの巨大さが、より実感できるわけで。
本物のディオロット・マックスペインの復活に、何か体の芯から身震いするような興奮が沸き上がってきました。この地獄の蓋が開き、人間と悪魔が闘争を繰り広げる阿鼻叫喚の地獄絵図に、ついに光が差し込んだような。

今なお各地で悪魔の侵攻に抵抗を続ける人類各位。その勇戦は、相いれぬはずの宿敵同士を結びつけ、また新たに幼い命も産み出すに至っている。
ジョーカーが守る城塞都市シャッコーこそ陥落の危機を迎えているけれど、それこそ底の底はここだった、と信じたい。

十文字青作品感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?    落陽、そして墜月 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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魔王連盟ウロボロスと対抗することになった“ノーネーム”。黒ウサギの素敵ウサ耳がなくなるという緊急事態のなか、十六夜VS殿下のギフトゲームが始まった!一千体を超える巨人族の攻撃で大混乱に陥る煌焔の都で、耀はウィラと共にマクスウェルの魔王に、飛鳥とジャックは混世魔王に戦いを挑む。そして“魔王”を名乗る者たちと正面対決する激しい戦乱の下―地下深く光も音も届かない地で、真の魔王の封印が解かれる―。
200ページ超と、随分薄いんでちょっと心配したんだけれど、中身の方は驚くほど密度が濃くてあれこれと伏線や情報、新展開が詰め込まれていて、薄い気は全然しなかったなあ。展開の進捗は遅いといえば遅いんだけれど、ラストのインパクトが凄すぎてそんな印象全部吹き飛んでしまいましたし。
黒ウサギのウサ耳は着脱式だったんだよ! と、黒ウサギ本人も知らなかった新事実が明らかになり、って着脱式では無いとは思うんだが、情報の受信端末として機能している事は以前から黒ウサギ当人が言及していたことだったので、なんか不思議器官ではあったんだよな。そもそも、箱庭の貴族であり帝釈天の眷属だという月の兎、という種族自体、あんまりよくわかんない謎のところがありましたし、黒ウサギってそれがそのまま名前なのか? と黒ウサギについては別に彼女自身が隠しているわけじゃないんですが、意外と情報不足で正体がわからんところがあったんですよね。それが、今回彼女の過去も含めて、いろいろ明らかになって多少スッキリした……って、月の兎、これ壊滅してるじゃないですか!w
やっぱり、黒ウサギってそれがそのまま名前ではなかったんだ、といろいろと納得するところはあったんですが、あの生皮剥いで、のインド叙事詩の英雄のエピソードを月の兎のエピソードにからめてきたのには驚いた。なるほどなあ、それで月の兎は帝釈天の眷属であり、同時にあれだけのギフトを扱えたわけか。インドラの槍と黄金の鎧が一緒に使ってはいけない、とされているのも納得。伝承を鑑みるならば、そりゃ使えんわなあ。

そして、在りし日の「ノーネーム」が名前と旗を失う前の全盛期の姿も垣間見ることになる。ノーネームの前身って、前はこの階層でも尤も繁栄していた大きなコミュニティだった、というくらいの認識だったのですが、そんなレベルじゃなかったぜ。いやでも、冒頭の黒ウサが助けられてコミュニティに加わったエピソードを見たときは、凄いところだったんだな、とは思ったんですが、それでもまだ理解の範疇では在ったんですよ。
ラストのあれの復活見て、呆気にとられましたがな。
あれのあまりの凄まじさに、逆にこれを仮にも封じたという旧ノーネームってのはどれだけ凄かったんだ、という話です。さらに言うなれば、アレをすら倒してしまった旧ノーネームを、完膚なきまでに滅ぼしてしまったという「魔王」って、いったいなんなの!?
ちょっと魔王、舐めてた。箱庭の内部における称号である魔王とは全く違う、神話伝承において名実共に魔王と号された「本物の魔王」は、パないわー。階層が四桁から三桁にあがったら、あれだけ桁違いになるのか。いや、まさに文字通りのケタ違いじゃないか。更にいうと、白夜叉こと白夜王も本来三桁以上の存在なんですよね。そろそろ話のステージが一桁上がり始めた模様。それは同時に、これまで無敵無双だった十六夜の能力に、敵の格や強さが追いつき追い越し始めたという事でも在る。
あんな弱音吐いた十六夜、初めて見た。
これって、彼に絶対の信頼を抱いている飛鳥たちが見たら衝撃以外の何物でもなかったろうなあ。無論、黒ウサだって、自身の家族を失い、またかつてノーネームが生まれてしまった惨劇の時を彷彿とさせる出来事でショックも大きいだろう。彼女には、さらに金糸雀の末路、ひいては奪われた仲間たちの行方という件の絶望も待ち受けているわけで、月の兎の御子の権限が失われてしまっているのと相まって、今黒ウサ一番厳しい時期なんじゃないだろうか。
ここで、出来るならば飛鳥や耀には巻き返して、十六夜の立っている場所まで追いついてきてほしいところなんですよね。特に耀は、春日部孝明の娘として父親が目指した場所に辿り着くポテンシャルは絶対に秘めているはずなので。

旧ノーネームの奪われてしまった仲間、の情報という観点からすると、今回ジンが何か掴んだと思しき「殿下」たちに対する情報は、えらく不穏なネタではあるんですよね。「殿下」がまだ生まれて三年しか経っておらず、彼の立場や存在が、旧ノーネームと深く関わりがありそう、というのがまた……。三年前って、もろに時期的にも合致しますしね。そもそも「殿下」なんて言われている以上、ちゃんとした正体もあるでしょうし。この辺りの情報はどこまで引っ張るんだろう。

正体というと、今回盛大に驚かされたのが、ジャックさん。ジャック・オー・ランタンの正体である。いやあ、ジャックさん、マジになるとかっけえなあ。年長者の余裕たっぷりなダンディなジャックさんもいいけれど、あんなふうに本気になったジャックさんもパないですわー。ここでの飛鳥のジャックへの気遣い方がまた粋で、この娘ってホントいいオンナだよなあ。ジャックさんの正体、あれは驚きでは在りましたけれど、あれが全部の正体ってわけでもないんですよね。彼が主催するギフトゲームの内容からすると、もっと複雑に真実は入り組んでいるみたいですし。
とりあえず、マックスウェルの悪魔はキモいのは確認したw
ウィル・オ・ウィスプがマクスウェルの悪魔に付け狙われてるって、ガチでそういう意味だったんかい!! これはあかんわーw でもお陰で、表紙にもなってる大悪魔、ウィル・オ・ウィスプのリーダーであるウィラ=ザ=イグニファトゥスにえらい親近感が湧くようになってしまったわけですけれど。本来かなり格上で実力も突き抜けてる大人物なのに、耀が保護者みたいになってしまった感もありますし。かわええなあ、おい(笑

とまあ、めまぐるしく変わる展開に次々と明らかになる情報、また敷き詰められていく伏線、と行き着く暇もない中で、最後の最後にシリーズ最大の脅威にして危機が到来。凄まじいスケールにして圧倒的なまでの今までにない絶望感。これまでなら、十六夜くんならなんとかしてくれる、という安心感があったのに、それをも根こそぎ吹き飛ばしてしまう最悪の展開。
激動の始まりである。

シリーズ感想

レンタルマギカ 未来の魔法使い3   

レンタルマギカ  未来の魔法使い (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 未来の魔法使い】 三田誠/pako 角川スニーカー文庫

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壮絶な結果をもたらした大魔術決闘から二年。いくらかの変容を余儀なくされた魔術界は、ようやく落ち着きを取り戻しつつあった。“アストラル”もまた、新たな魔法使いを仲間に迎え、忙しく日々を過ごしていた。そこに舞い込んだ呪波汚染洗浄の依頼。ごく小さな、難易度の低い依頼のはずが、予想外の波紋を呼び―!?世界各地に散らばる登場人物たちのエピソードを交えて描かれる、ファン必携の後日譚にして、シリーズ完結巻。
ダフネさん、将棋なんかしてる場合じゃないっしょ! ぶっちゃけ、作中のカップルの中では一番早く結ばれるかと思ってたダフネと隻蓮のそれが、未だにグダグダやってることに絶望した!! この場合、ダフネさんがあれ、乙女思考なんですよね、案外この人。多分、女性の側から迫るものではないなんていう古風な考え方をしているのだろうけれど、そんなことしてたら何時まで経ってもあの唐変木はヘラヘラ笑ってばかりで何にもしてくれませんよ。待った、なんて言わせてちゃイケませんて。まったく、甘やかす人だなあ、ダフネさんは。
むしろキッパリしているという点では黒羽の方が上回っているのではないでしょうか。多少元に戻って柔らかくなったとはいえ、掴みどころのないあの影崎の手綱をしっかりと握っているあたり、本作に登場した女性の中でももっとも強かになったのはこの娘だったんじゃないでしょうか。幽霊にも関わらず、まったく幽霊にも関わらず生き生きとした行動派で、この積極性は見習ってほしい人がたくさん居ますよ。
さて、あれから二年が経ち、アストラルと魔術界も変わったような変わらないような、二年という月日はそんな微妙なラインであります。幼かったみかんとラピスもすっかり大きくなって……と言いたいところだったのですけれど、見た目こそ多少は大きくなりましたけれど、実際のところ小学四年生だったのが六年生になっただけで小学生だというのは変わってないんですよね。これが中学まであがるとがらっと雰囲気も変わるものなんですけれど、作中の振る舞いを見ていると実のところあんまり成長していないなあ、とw アストラルの新人が少年とはいえまだまだ二人よりも年嵩だったのでその対比からもあんまり大きくなったなあ、という感慨は湧かず。二人共元々苦労人でしっかりとした子供たちでしたしね。以前にもまして二人の仲が良くなり、息のあったコンビになっていたという点では眼福でありましたが。
アストラルが魔術界にもたらした新風は、しかしすべてを吹き飛ばすような暴風にはならず、未だ緩やかなそよ風のようにして流れている。でも、これまでの魔術界が淀んだ停滞の中にあったことを鑑みるならば、そよ風とはいえ空気の循環がはじまっているのは間違いはない。それに、過激な思想からは程遠いいつきの思惑としても、急激な変化は望む所ではなかったようだ。結果として潰してしまった螺旋の蛇も、出来るならば和をもって繋がりたかったはずなのだ。現に、反動として螺旋の蛇の思想に賛同する勢力が、残党とは言えない揺るぎなさをもって胎動している。彼らの思想は極端ではあっても、魔法使いたちにとって非常に共感を呼ぶものではあったのだから。故にこそ、いつきが望むのは緩やかな変化である。敵対する螺旋の蛇をも、自然と飲み込んでしまうようなゆっくりとした、しかし逃れがたい大きな変化。それは、一年十年のスパンではなく、何世代も重ねた先にいつの間にか訪れている価値観の変化。アストラルは、その要となれるようにこれからも存在していくのだと……かつて、アストラルの社長を継いだことを嘆き悲鳴をあげるばかりだった少年が辿り着いた結論こそがそれだった。
そんないつきの側に一心同体となって寄り添う金髪の乙女。アディといつきの姿は二人一緒にいることがもう不可分なほどしっくりと収まってしまっていて、思わず目を細めてしまう。恋人を通り越して、生涯を共に過ごすパートナー。そんな二人を優しく見守る穂波の思いは、傍目で見ていてもキュンと切ない。大切な恋の終わり、その痛みはいつか癒える日が来るのだろうか。誰か、大切な人が出来て欲しいとも思う。

アストラルを継ぐ者、螺旋の蛇を継ぐ者。あの日、世界が魔法に満ちた日に生まれ落ちた魔法に希望と憧れを抱いたものたちの邂逅は、今は相いれぬものとしてすれ違っていってしまったけれど、でもいつかあの日抱いた同じ想いを、一緒に祝ぐことが来るのだと思い馳せれば、重なる日が来るのだと思えば、すれ違ったことすら素敵にも思えてくる。
そんな未来を示すことの叶った物語に、今はただ拍手を。お疲れ様でした。

いつか、せっかく同じ世界なのだから、【クロス×レガリア】とガチンコでクロスしてくれないかなあ。

シリーズ感想

レイセン File6:三人きりのフォース3   

レイセン    File6:三人きりのフォース (角川スニーカー文庫)

【レイセン File6:三人きりのフォース】 林トモアキ/上田夢人 角川スニーカー文庫

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“フォース”分裂によってオートライングループを追われたナイトと美野里。傷ついた2人は自らを守るため、ある人物に助けを求めていた。一方ヒデオたち神霊班のもとには、シシルが現れ「マックルの捕獲もしくは抹消に協力せよ」と要求してきて!?見えないチカラに引き寄せられるように東京に集い始める、最先端科学組織と武装集団。様々な思惑の中でヒデオが選びとる道とは―!?引きこもり男の第二の人生が大きく動き出す。
あれほど手酷く決裂しながら、仲直り出来るんだ。凄いなあ、若いって凄いなあ。これって、立場や柵なく、純粋にお互いの思想や考え方、本音や生き方をぶつけあったがゆえなんでしょうね。ただ、本音だけでかち合えたからこそ、時に相容れず、しかしお互いを受け入れられる。自分以外何も背負う必要のない、若者だからこそ出来ることだ。こればっかりは、ヒデオでも出来ないだろう。今や彼にも色々と背負うものが出来てしまっているし。
その意味では、ヒデオも大人になってしまっているんですよね。同時に、身一つで挑めた聖魔杯の頃とはやはり立場も考え方も少しづつ変わってきてしまっている。それを悪いこととは思わないけれど、彼の強みであった純粋なまでの無私が、守りたいものを得ることで徐々になくなってきているのかもしれない。知らず知らず、力を求めてしまったのは、その端緒なのか。
逆に、ノアレの力を拒否してしまっているのも、力を意識しているからこそ、なんですよね。もし、前のヒデオなら、場面によっては無造作にノアレの力を何らかの形で利用したんじゃないだろうか、とも考えてしまう。
わけがわからないまま刻々と迫りつつあることだけはわかる破滅の時を前にして、果たしてヒデオは二代目聖魔王の冠を襲名した時のような強さを、果たして発揮できるのか。
強さというと、睡蓮さんは結構やられてるわりに、強い相手には強いんだよなあ。手加減の仕方がよっぽど下手なのか、御下命の扱いに苦慮しているのか。仮にも神殺し当代。アウターを相手取ることの出来る人類である以上、たとえ精霊相手だろうと早々まともに相手が出来るような子じゃないと思うんだが、やはり不器用さがネックだよなあ。
とか言ってたら、私は不器用などではありません! と強調するように、今まで縁もゆかりもなかった現代の常識を、睡蓮さんが手に入れてしまいましたよ!?
やれば出来る子だったのか!? やばい、女子力もあがってますよ!? 

謎の「組織」が暗躍を強めているのはいいんですけれど、そろそろ本物の「悪の組織」である魔殺協会も黙っていてほしくないなあ。この手の怪しげな団体は、率先して潰してくれないと。
そういえば、昨今では神殿協会ってなにしてるんだろう。最近だと普通の教会の方が目立てて、こっちは全然音沙汰ないんだよなあ。ここも早々黙っておとなしくしているタマでもないので、魔殺協会ともども動向が気になるところなんだが。

シリーズ感想

4月のスニーカー文庫、予約開始  

ようやく3月の発売分を読み始めたところなのですが、既に4月の予約が始まってたり。スニーカー文庫は早いなあ。
問題児は、アニメもちょうどクライマックスのところでギリギリ切り込んできたか。何気にジャックがタイトルの題字のいいところに居座ってるんですがw
【レンタルマギカ】は後日談にして最終巻、なのだけれど表紙絵は大団円と言うよりもむしろえらく不穏で不気味なのがらしいというかなんというか。
【薔薇マリ】、そろそろ終わるんじゃないかという危惧が前巻までの雰囲気で漂っていたのだけれど、この様子だとまだ続きそうだ。沢山のキャラが出てくる作品なだけに、こんなふうに多くの登場人物が表を飾ってくれるのは嬉しいな。
新シリーズは、先頃【それがるうるの支配魔術】を終わらせたばかりの土屋さんと、電撃文庫で【烙印の紋章】を完結させた杉原智則さんが登場。杉原さんはスニーカーでも本出していた古参の人なので、戻ってきたというべきか。今度もいわゆる戦記モノみたいだし、楽しみ楽しみ。

 【問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月】 竜ノ湖太郎(角川スニーカー文庫) Amazon
 【レンタルマギカ 未来の魔法使い】 三田誠(角川スニーカー文庫) Amazon
 【薔薇のマリア 18.光の中できみが笑う今は遠くて】 十文字青(角川スニーカー文庫) Amazon
 【聖剣の姫と神盟騎士団 1】 杉原智則(角川スニーカー文庫) Amazon
 【超粒子実験都市のフラウ Code‐1#百万の結晶少女】 土屋つかさ(角川スニーカー文庫) Amazon
 【RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧】 荻原規子(角川スニーカー文庫) Amazon
 【俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している 4】 春日部タケル(角川スニーカー文庫) Amazon
 【ROBOTICS;NOTES  3.キルバラッド・オンライン】 岩佐まもる(角川スニーカー文庫) Amazon

ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 ケイズ・リポート 2 4   

ストライクウィッチーズ アフリカの魔女    ケイズ・リポート2 (角川スニーカー文庫)

【ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 ケイズ・リポート 2】 鈴木貴昭/島田フミカネ:本文イラスト:飯沼俊規 角川スニーカー文庫

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北アフリカ全域でネウロイの動きが活発化する事態が発生し、地中海交通の要衝であるマルタは危機的な状況に陥っていた!30日以内に補給が出来なければマルタは陥落、そうすると人類防衛の要であるトブルクも危なくなってしまうため、ケイの率いる統合戦闘飛行隊にも出動要請が。アフリカを救うためにマルセイユたちが、そして各国のウィッチたちが空を翔ける―!新ウィッチも多数登場、待望の外伝第2弾が登場。
ペデスタル作戦来たーーーー!!
アニメでは2期十話のマルセイユがゲスト登場する回でネウロイによって陥落していたマルタ島。アニメの中でも語っていたか、それ以前にも一度陥落しかねない危機があり、それを連合軍と近辺のウィッチ隊の激戦によって辛うじて防衛に成功する、という戦いがウィッチーズの世界でもあったのですが、それが史実でも行われたマルタ島救援作戦ペデスタル作戦なのです。
マルタ島は、地図を観てもらうとわかるでしょうけれど、地中海のどまんなかに存在し、ここを抑えているということは地中海の交通を確保しているということに繋がり、逆にここを抑えられるとスエズ運河を通したインド洋と大西洋の通路を遮断されると同時に、欧州と北アフリカの交通をも閉ざされることになり、必然的に北アフリカで戦っているアフリカ軍団をはじめとする連合軍は兵站を切られて戦闘力を維持できなくなってしまうのです。実際、この時期マルセイユたちが所属するアフリカ軍団は、燃料や糧食が欠乏しかなり無理なやりくりを強いられることになります。丁度、野上さんが漫画で描かれたハルファヤ峠の激戦はこのタイミングで、なぜあのタイミングでマルセイユのみが上空支援に現れたのかが、本作中で詳しく描かれてます。
まあ本作を読むと、なんでアニメでわざわざマルタ解放作戦にマルセイユが呼び寄せられたのか、という理由の一端も理解できるんじゃないでしょうか。
一方で、この時期は北アフリカではネウロイの大攻勢が行われており、上記したハルファヤ峠のみならず、北アフリカ全域で激戦が発生していて、マルセイユたちは現地を離れることができず、実は肝心のマルタ島救援作戦には参加していません。
その代わり、というわけではないのですが、今回の作戦にはメディア初登場なんじゃないかというウィッチがかなりの人数参戦お目見えします。
・エディタ・ノイマン少佐(カールスラント空軍第27戦闘航空団司令)
この人は、マルセイユの上官だった人で、作中でも直立不動で畏まるマルちゃんという稀少なシーンがお目に掛かれますw
他にも、
・ヴェンデリーン・シュレーア中尉(カールスラント空軍 北アフリカ・トブルク南方)
・フェデリカ・N・ドッリオ中尉(ロマーニャ空軍マルタ派遣部隊)
・エンリーカ・タラントラ准尉(ロマーニャ空軍マルタ派遣部隊)
・レジーナ・H・P・カーバー大尉(ブリタニア 空母ヴィクトリアス)
・リタ・A・ブラブナー大尉(ブリタニア 空母ヴィクトリアス)
・ナタリア・F・デューク中尉(ブリタニア マルタ駐留部隊)
・パトリシア・シェイド曹長(ブリタニア マルタ駐留部隊)
他に、名前は出ていないものの、空母インドミタブル所属の母艦ウィッチが二人居るはずで、人数だけ見ると相当数のウィッチが作戦に参加しているように見えるのですが……、マルタの駐留部隊は燃料欠乏の為にギリギリまで動けず、カールスラントの二人もユニットの航続距離の関係から迂回を強いられて、こちらも支援に相当遅れることになってしまいます。必然的に船団護衛は母艦ウィッチの四名に託さざるを得ず、いつネウロイが襲ってくるか分からない状況では、船団や艦隊の防空体制ってのは常に上空で待機している必要があり、ウィッチたちの消耗は加速度的に大きくなっていってしまうのです。アニメみたいにパッと戦場に飛んでいってやっつけて帰る、というわけにはいかず、ジブラルタル海峡を通過してからマルタ島につくまでの期間を常に警戒していないといけないわけですしね。
その上、本来このインドミタブル、ヴィクトリアスら空母と戦艦ネルソン、ロドネーなどを含む護衛艦隊はブリタニア本国艦隊所属の主力部隊であり、ここで損耗してしまうことは絶対に避けなければならない、ということで作戦上途中で引き返すよう定められているのです。
んで、起こるのが凄まじいまでの消耗戦。次々に襲ってくるネウロイの攻勢に、護衛艦艇や船団の船が沈められていきながら、這いずるようにマルタ島へ向かうという激戦中の激戦。
アニメじゃ沈められるためにただ浮いてるだけだった戦艦、巡洋艦、駆逐艦もここではまさに獅子奮迅の戦いを見せてくれると同時に、どれだけウィッチという存在が強力であると同時に、足りない少ない宝石のように貴重な存在だというのが身にしみてわからざるをえない展開なのです。そりゃ、世界各国からエースウィッチかき集めて囲うような統合航空戦闘団が、一部で激烈に非難されるのもわからなくもない。どこでもウィッチが足りてない状況で、それだけ戦力集中してしまったら、そりゃウィッチが居なかったり少なかったりして苦戦を強いられてるところは、なんであそこだけ、と思っちゃいますよ。このマルタ島補給作戦だって、あともう一人ウィッチが居れば、あともう少し航続距離のあるユニットがあれば、と歯ぎしりせざるをえない厳しい戦局でしたからね。
いやしかし、それにしても燃える。限りある戦力で、なおも目的地に到達するために最善を尽くし、死力を振り絞る将兵たち。ブリタニアの護衛艦隊から、扶桑とリベリオンの艦隊がエスコートを引き継ぐ展開は握った拳に力がはいるシーンでしたけれど、さらに扶桑の艦隊が第八艦隊で、司令長官が井川中将という、明らかに史実の三川中将がモデルなところがまたくるんですよね。
んで、ネウロイの猛攻に護衛艦隊はほぼ壊滅してしまい、まとまった戦力は扶桑艦隊のみとなった状況で、この船団直衛艦隊司令官のバーロー中将と井川中将の会話であります。
「こちら井川、我々が防いでいる間に残りの輸送船を連れて急いでくれ」
「いや、ネウロイを引きつけるのは我々の任務だ。レディたちのエスコートは東洋のサムライに任せた」
「侍の任務に貴婦人のエスコートは存在しない。それはブリタニア貴族の仕事だ」
「では、侍もそろそろエスコートのやり方を学ぶ時期が来たということだな。ようこそ、我々の主催する社交界へ」
 それを聞いて沈黙する井川中将。
 しばらくの沈黙の後、やっと通信が返ってきた。
「こちら井川、了解した。我々が貴婦人をエスコートする」
「よろしく頼む」
普通に聞いていても燃える展開なのですが、この第八艦隊が史実の第一次ソロモン海戦で見せた輸送船団というものへの対応と認識を鑑みると、一層の感慨深さを感じてしまうやり取りなんですよね。このあたりは、わざと第八艦隊持ってきたんだろうなあ。
あと、1つだけ気になったのが、この作戦に扶桑から参加した高速油槽船・東洋丸。いや、なんで「東洋丸」という名前だったんだろうな、と。別に史実では、特に取り上げられるようなエピソードのある「東洋丸」ってないんだよなあ……。【兵隊元帥欧州戦記】とか関係ないですよね?w

他にも、軽巡マンチェスターや駆逐艦神風、油槽船オハイオなどの個艦エピソードもタップリあり、またウィッチとの協同による対空戦闘、大型ネウロイへの戦艦の有用性など、見どころには事欠かず。
ウィッチがエピソードの主体となるストライクウィッチーズらしいお話を希望していた人にとっては微妙に不満が募るかもしれませんが、この世界観の実際の戦争の様子をがっつりと味わえる戦記モノとしては濃厚きわまる無く、自分としては大満足でした。こういうのもっと読みたいんですよー!
あとがき見る限り、鈴木さんも全然書き足りてないというか、もっと書きてえ、と唸っていらっしゃるご様子で……「最も長い撤退戦」とか、ぜひとも読みたいですよ? 読みたいですよ!?

しかし、あの主計中尉は本気で只者じゃなさそうだな、何者ですか、マジでマジで。

1巻感想

クロス×レガリア 死神の花嫁3   

クロス×レガリア    死神の花嫁 (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 死神の花嫁】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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ナタを襲う「もう一人の鬼仙兵器」ウー。その正体に驚いたのも束の間、突如戦いに介入してきた「殺し屋」灰岡ジンは衝撃的な事実を語る。「実はさ。本当は、俺が白翁になるはずだったんだ!」殺し合うように愛し合い、何者をも寄せ付けない強い絆で結ばれた最凶の恋人たち。何故彼らは出会い、そしてナタと馳郎の前に現われたのか?そこには鬼仙兵器を創りだした張本人・太乙真人の思惑が絡んでいた…。宿命の対決が幕を開ける。
ああ、もう完全にジンとウーは、馳郎とナタの反転存在なんだ。その考え方も思想も何もかもがアンチテーゼでありながら、相似的。それ故に強く惹きつけられ、相容れない。親友にして、不倶戴天。だからこそ、ジンの存在は馳郎の生き方そのものを暴き出し曝け出す。その矛盾も、懊悩をも引きずり出す。だからこそ、だからこそ、目をそらさず向き合えば、生き様はより鋭く研ぎ澄まされ、より磨き上げられ、揺らぎも迷いも削り取られ、確固としたものになる。
完成する。
自分は、こう生きるのだという確信を得る。信念を得ることが出来る。覚悟を、整えられる。
その意味では、ジンと馳郎という二人の少年はこれ以上無くお互いを必要としていたのだろう。ただ、独り同士であったなら、果たしてこれほどまでに断固として向き合えただろうか。目をそらしたくなるもう一人に自分に、立ち向かえただろうか。故にこそ、支えてくれる相棒が必要だったのだろう。その生き様に、証を与えてくれる人が必要だったのだろう。彼らの傍らに、彼らの生き様が救った体現者であり、最大の肯定者が存在したのもまた、必然だったのだろう。
しかし、真っ向から向き合ったからこそ、最後の最後に、いやある意味最初から相手にもしていなかったというのは、馳郎という少年の面白さを物語っているように思う。真っ先に自分から渦中に飛び込み、傷だらけになって走り回るくせに、彼が本当の意味で振るっている武器は奸謀なんですよね。というよりも、戦略家というべきか。状況が始まっているときには、既に最終ターンまでシナリオがほぼ決まっているわけですから。まさに、試合が始まった時には既に勝敗は決まっている、というやつである。
それでありながら、シナリオ進行の過程でほぼ間違いなく自分自身が血まみれになることを覚悟しているどころか、ほとんど前提にしてしまっているあたりは、リコがそろそろ心配のあまり若いみそらで胃に穴でもあけてしまうんじゃないかと、そっちの方が心配になる。
まあでも、痛快である。こういうやり方は、特に自分が舞台を整えた脚本家であり演出家であり監督であると思い込んで疑わない大物ぶった黒幕が居るほど、余計に映える。何しろ、自分こそが駒を手のひらの上で踊らせて遊んでいたと思っていたら、自分の方が手のひらの上に乗せられて転がされていたのだから。
馳郎は、いつも目先のことで手一杯な一プレイヤーとしてしか振る舞いを見せないものだからどうしても忘れてしまうのだけれど、彼こそが常にゲームマスターなんですよね。そうなり続ける努力と奸智を絶やさない。
大した主人公です。
しかし、カエアンは登場した時はもっとシステマチックな機械然とした存在なのかと思ってたら、またこう……生きてきたものですなあ。「プリーズ」は、どうしてもアレを思い出すところですけれどw
蓮花もラストで自分の気持を自覚してしまったようですが、これは辛いなあ。いや、どう考えてもナタと馳郎の間に割り込む余地がないだけに。

シリーズ感想

彼女たちのメシがマズい100の理由 23   

彼女たちのメシがマズい100の理由 2 (角川スニーカー文庫)

【彼女たちのメシがマズい100の理由 2】 高野小鹿/たいしょう田中 角川スニーカー文庫

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愛内家に帰ってきたゴスロリのちっちゃい姉の龍子。“メシマズ”の紅緒には、かわいい弟である葉介の世話は無理だ!と納得できる料理を食べさせるように、要求してくる。レシピ通りに作ることができない紅緒は悩んだ末、リリィと一緒になぜかメイド喫茶で働くことになる。だがそこで出会った巨乳メイドが恐るべき“メシマズ”属性を持っており!?すべての属性を吸収する最強のメシマズヒロインの勝負料理は何を作る!?―。
二巻読んで思ったんだけれど、この作品って思ってたよりもずっと基礎部分がしっかりしてるんじゃないか?
読んでても、意外なほど地に足がついているというか、堅実に土台から汲み上げているという印象が湧いてくるんですよ。結構プロットからよく練っていて、妥協せずにきっちり仕上げてるんじゃないかな。
このあたり緩い作品だと、よほどノリと勢いがバランスよく絶妙に際立っているものでないと、えらい足元フワフワして頼りない、歯応えがない感じがするの、多いんですよね。ちゃんと突き詰めてないだろう、テンプレに沿って教科書通りみたいにしかやってないだろう、みたいな。
そういうのに比べると、本作は下地の部分がえらく頑丈な感覚がするんですよね。こういうの書ける人は得てして伸びるんだよなあ。

さて、本編である。前巻で嫁をイビる小姑襲来! と相成ったわけだが、比喩ではなく完全に小姑じゃないかw
龍子本人は紅緒のことを本当は嫌いじゃないんだ、と言ってはいるが、どう見ても弟に近づくんじゃねえオーラを出しまくってて、明らかに嫌ってる。しかも、幼い頃からの筋金入りである。何が気に入らないんだろう、ってもう弟の嫁だから、という意外になさそうだから溜まったもんじゃない。料理ができないというのは、まず言いがかりだろう。いや、料理のできなさについては言いがかりでもなんでもないんだが。
まあその姉ちゃんの嫉妬やら憤懣を除けば、紅緒の料理が心配、というのは相応の理由である。何しろ、葉介ときたら生涯このマズ飯を食い続ける覚悟が完了しているっぽいのだ。覚悟どころか、疑いもしていないという感もある。もはや、それを食べ続けるのが当たり前、という感覚は洗脳されてるんじゃないか、と姉ちゃんが疑ってしまうのも無理は無い。いや、そんな風に疑ってたわけじゃないけれどさ。でも、これを食べ続けるって相当に体に悪そうなんだよね。
だからといって、体にイイものばかりを詰め込むのだってマズイ云々を抜きにして、決して体に良いとは言えないのだけれど。医食同源という言葉を知らんのか、あの新キャラは。……オメガって、すげえ名前だな、改めて振り返っても。兄弟姉妹にアルファとかシグマとかイプシロンとか居るんだろうか。実家が製薬会社的にはイプシロンはありそうだけれど。ほら、なんか名前が薬っぽいし!
そう言えば、あのオメガって娘とマスター、ぜったい出来てるよねー、うんうん。って、なんか話が井戸端会議みたいなノリなって変な方向に行ってしまったが、ともかく姉ちゃんが弟があんな料理ばっかり食べ続けるのは心配だ、と思うのはまあ当然といえば当然なのである。
意外なことにこの姉ちゃん、事前に予想していたこいつも馬鹿舌、というわけではなかったのに驚いた。伊達に飯系のフリーライターをやっているわけじゃないんか。てっきり、紅緒たちと同類か、と思ってたよ。それどころか、相当に料理の腕は立つご様子。そりゃあまあ、紅緒の料理に対して色々と許せない部分はあるか。
それでも、龍子ご本人が主張しているように、料理を除けばほとんどパーフェクトソルジャーな紅緒さんである。弟が、ちゃんと覚悟を決め、それどころか自分こそが紅緒の料理を食べ続けるんだ、とまで言い張るほどの想いを持って紅緒と付き合っているのなら、いやまだ付き合っていないけど、嫁にする気があるのなら、紅緒が義妹として可愛くないわけがないんですよね。何しろ、今までだいぶ邪険にしてきたにも関わらず、この弟の嫁と来たら無防備に懐いてくるし、それでいて義姉として立ててくれもする。可愛いんですよ、ほんと。
まあ、この姉として、この義妹の料理下手は修正不可能と諦めてしまった、とも言えるのかもしれませんが。

……うん、確かになんでレシピ通りに作らないんだよ、とは思っていた。姉ちゃんが、結局コイツは料理に対して真摯に向き合っていない、弟に上手い料理を食べさせてやりたいと真剣に考えてないんじゃ、と疑ってしまう最大の要素であったんですよね。
まさか、紅緒がレシピ通りに作ることによって、そんなオチが待っているとはw
こりゃ、あかんわwww

さて、最大の関門だった小姑の反対も覆し、もはや遮るもののなくなった葉介と紅緒の新婚生活。付き合っているとかいう以前に、もう同棲、どころか新婚状態の二人。割って入る余地なんて、どこにもなし。ラブコメとしてはほぼ完成の域に達して、もはや熟成の段階に至っている状態。他のヒロインはもうあくまで友人、と割り切り切ってしまっているのは、潔いくらい。
そういった意味においては、ほとんどもう進展の余地すらないのだけれど、本作はラブコメ要素よりもあくまで「あらゆるリアル・メシマズ」を網羅する、という目的によって進撃するメシマズ小説。
どうやら、ついに最終兵器である妹が次回、出現する予定の模様。いったい何があったのか、どうやら葉介が何かをやらかした結果、色々と破滅的な状況に陥っているらしい。退学の危機って、メシマズ要素でどうやったら学校から追い出されそうな状況になるんだ!? いや、全く何があったのか想像だに出来ないんだが、どうせまたとんでもない話なんだろうなあ、うん。

1巻感想

それがるうるの支配魔術 Game6:リライト・ニュー・ワールド3   

それがるうるの支配魔術    Game6:リライト・ニュー・ワールド (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術 Game6:リライト・ニュー・ワールド】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

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水那斗繋のメッセージに導かれたるうるたちは、レビクシの光教団の聖域に踏み込んでいた。そこは10年前の集団失踪事件の現場であり、欧文研メンバーは口封じのため教団員に追われることに。そんな中、タマキは事件当時の記憶を追体験する。そこで目にしたのは、るうると初めて出会った瞬間であり、隠され続けてきた事件の真実だった!その真実はふたりにどんな結末をもたらすのか!?常識と魔術を巡る物語、クライマックス!―。
前回タマキがたどり着いた真相を真実だと思い込んでいたために、そのラストにはだいぶ衝撃を受けたものですけれど、冷静になって考えてみたらそんなはずはないんですよね。
ただ、魔術破りは発動した。と言うことは、彼が発した魔術破りの「言葉」は彼の意図とは違っていても間違いではなかったわけだ。そう教授されてから改めてタマキの発言を見なおしてみると、わりとなんて事のない謎だったことに気づく。
ただ、その気づいた事が真実だったとすると、これまで事実として扱われていた過去が、まず前提からおかしいことになってしまうんですね。
これは、そんな錯誤に満ちたあの光教団での出来事の本当がなんだったのか、あの日何が起こったのかを明らかにしていく解明編。
と言っても、まず情報があまりにも皆無すぎるので、タマキの失われた記憶が順次解放されていく、という形で過去が明らかになっていくのだけれど、これが記憶が回復することで殆どこれまで不明とされていた事も明らかになっていくんで、全体としてシリーズ前半のようなエッジの効いた、謎解き、間違い探しという要素はだいぶ薄れていたような気がする。だいたい、ここでさらに第三者が居た、という情報が出てくるのは辛いですよ。そういうヤツが居たって話これまでにありましたっけ? 自分は過分にして気づかなかったなあ。
あるとすれば、マスターのおじさんが何らかのヒントをくれていた場合だけれど、それにしても正体が不明すぎる。ただ、この第三者の存在が明らかにならないと、月城さんにずっと感じていた違和感の説明がつかなかったんですよね。あれはわからんよー。
まあ彼女の不気味さの理由がわかってよかったとも言える。
あの人がもう一回出てきてくれたのは素直に嬉しかったけれど、でも予想外の援軍とも言えるんですよね(ってか、最後どうなったんだこの人? 肝心のその後が描写されてなくて、あのまま消えてしまったのかともやもやが消えないんだが)。かなり行き当たりばったりで運が良かった、という気もしますし、ツナグさんの手のひらの上だったとも言えますし、マルとしては乗せられて別段何も悪いことはなかったんだけれど、主人公として活躍できたかというといささか消化不良だったかなあ。ラブコメとしても、しゃんとした決着じゃなかったですしね。言乃はもっと自己主張してほしかった。自分からアピールしなかったわりに、事故主張はしまくってた感はありますけれどw
何気にるうるよりも圧倒的に目立ってた気がするぞ。
シリーズ当初からの面白さからすると、逆にシリアス寄りにストーリーが進むに連れて減速していった感があるのは残念でした。この頭をひねる面白さは目新しさもあり、随分と惹かれたんですが。
次回のシリーズは期待したいなあ。

土屋つかさ作品感想

問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗 4   

問題児たちが異世界から来るそうですよ?    ウロボロスの連盟旗 (角川スニーカー文庫)

【問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫

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箱庭の下層が“魔王連盟”に襲われたことで、煌焔の都に“階層支配者”が集結することに。魔王を倒すコミュニティ“ノーネーム”も抜擢されるが、黒ウサギが休暇のため、問題児3人はフリーダムに遊び始める!そんななか主従関係を結んだジンとペストは、旧知の仲である北の“階層支配者”サンドラに出会う。だが彼女は顔をフードで隠し、黒ウサギもかつて負けたギフトを持つ、“魔王連盟”のリンと殿下と行動を共にしており!?
この作品のド凄いところは、とにかく誰も彼もが未だに「底」を見せてない所なんである。本来ならラスボスクラスであろう蛟龍に白夜叉といったその実力や一端を垣間見ただけで気が遠くなるようなレベルのメンツが味方側につき、レティシアや黒ウサギといった慮外のちからの持ち主が同じコミュニティの居り、さらには耀や飛鳥といった子らは現状こそ未熟なものの、信じられない並外れたスピードで成長を続けている。ネックと思われたノーネームのボスであるジンなど、その成長の筆頭かもしれない。彼の頭脳の切れ味は、今や十六夜のお墨付きだ。ジャック・オ・ランタンやウィラ、フェイスレスと言った同盟枠の連中だって、底知れない途方も無い力の持ち主ばかりである。今は力を失っているとはいえ、ペストだってあの8000万の怨霊を率いる黒死病の魔王。他にも未だ名前ほどしか出番のない斉天大聖や牛魔王をハジメとする面々や、まだ名も出てきてないだろう実力者が山ほど存在しているわけだ。
で、対する魔王連盟ときたら、それに増し増すラスボス揃いと来ただらーー!!

なんちゅうかもう、こんなんワクワクしっぱなしでどうにかなりそうに決まってるじゃん!!

そして、それらを置いて未だ「底」を見せていない筆頭こそが、我ら逆廻十六夜その人なのである。一気に燎原を焼きつくすように燃え上がった圧倒的なまでの絶望感を、その登場だけで一瞬だけで吹き飛ばすその頼もしさ。
いやあ、あの登場シーンの燃え滾りようは、飛鳥や耀が、彼が来たもう大丈夫だ、と安心する場面で最高潮に達しましたよ。そんじょそこらのヒロインじゃないんですよ、飛鳥も耀も。二人共負けず嫌いの塊で自分が絶対になんとかしてやるというプライドの塊みたいな誇り高い少女たちなのです。誰かに頼ったり任せきりにするのを良しとしない自立し、貪欲で在り続ける少女たち。その彼女たちをしてこれだけの信頼を寄せる逆廻十六夜という少年の絶大な存在感。
彼の自制心、自分を律し切る心の強さと賢者の如き聡明さの持ち主でありながら、此処ぞという場面、なんて言うんだろう、読者がこうして欲しいと思う場面で期待を裏切らずに、その感情を素直に爆発させてくれるところは本当に格好良いんですよ。彼の存在は鬱憤というものを見事なくらいになぎ払ってくれる。カッコいいったらありゃしない。それでまだまだ底の知れない限界が見通せない実力はワクワク感を否応なく高鳴らせてくれるわけです。
次回はついに魔王連盟を向こうに回した大決戦。際限知らずの大盤振る舞いが待っていそうで、もう今からたまらんですよ。

一方で問題児三人組の裏側ではジンたち年少組も精力的に動き回っていて、特にかつて最凶最悪の敵として立ちはだかったペストが、ここにきていい味出してきたんですよね。その胸に秘めた世界を敵に回しても叶えたい野望……いや、優しい夢。それを、臣従を誓った今なおジンたちに明かせず、野望を叶える方策に控えめな胸を悩ます日々。そんな彼女に再び魔王連盟の誘いが訪れ、野望とジンたちへの親愛に揺れ動く心。
そんなペストにジンが見せる、自身の可能性……そして、ペストの野望を飲み込む大きな器。
冷ややかな暗室で交わされた幼い少年と元魔王の少女の掛け替えのない誓いは、仄かで胸温まる温度ながら、それでもこれもまた熱い炎そのものでした。
十六夜という大きな渦巻きが在るとはいえ、本作って登場人物の一人ひとりが主人公を担っている物語でもあるんですよね。箱庭という言葉とは裏腹の世界観のスケールの半端無さとともに、その莫大なスケールを縦横に活用するだけの登場人物たちの活発で意欲的な動向、群像劇と呼んでもいいような拡充こそが、私がこのシリーズを特別大好きな要因なんだわなあ。
ある意味前哨戦もいいところだったにも関わらず、まったくもって盛り上がりっぱなしのこのシリーズ。ほんと、永遠にテンション斜め上に突っ走り続けてて、色んな意味でたまらんわー! 次回はさらに天元突破しそうで、今から鼻血でそうです、興奮し過ぎ!

シリーズ感想

東京皇帝☆北条恋歌 10 3   

東京皇帝☆北条恋歌 10 (角川スニーカー文庫)

【東京皇帝☆北条恋歌 10】 竹井10日/要河オルカ 角川スニーカー文庫

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皇泉学園に新たな転校生がやってくる。北条恋歌、八田雪絵、エニグマ二式の3人である。制服姿で年甲斐もなくはしゃぐ雪絵(22)にツッコミつつ、新世界の謎を解くべく彼女たちと共に“進化の塔”に挑む一斗だったが、その前に一人の人物が立ちはだかる!一斗の恋人になったゆかり子である。他の女の子と仲良くする一斗に拗ねるゆかり子と、それに対抗する恋歌と雪絵。さらにそこに雫や魔界から帰ってきたリセエールまで加わって。
他のシリーズは順調に出ているのに、これだけ随分と間が空いているなあ、とは思っていたのですが、絵師の要河オルカさんの方が体調不良だったのですか。結局、これまで書き溜めていた分のイラストで本巻を凌ぎ、次回以降は高階@聖人さんがイラストを担当することに。この人、オルカさんのお兄さんなんですね。そう言えば、そんな話を以前にしていたような。このシリーズの絵はオルカさんというイメージがくっきりと焼き付いているので、下手な人選では作品のイメージ自体崩れかねないところですけれど、高階@聖人さんなら大丈夫か、とちょっと安心。オルカさんの復帰が叶えば一番なんですけどね。
というわけで、久々にしてついに二桁到達の十巻。久々なんで、話がどこまで進んでいたか若干忘れていて読み始めはいささか戸惑ってしまった。だって、あれだけ過去と未来が錯綜して居る上に時系列上の事実関係があれこれ食い違って、どうなってんの? という状況でさらに現代もおかしなことになっていて、という風に複雑に入り組んだ状況でしたからね。
どうも、このへんなことになってしまっている現代も、平行世界じゃないことがお母さんことリセエールの帰還や、一斗と同じ世界の記憶を取り戻す人たちが若干名ながら現れだしている状況から確定しつつあり、だからこそこれどうなってんの? という謎が謎を呼ぶ展開になっており、その上でそんなことはまあさておいて、と言わんばかりにゆかり子さんがガチ恋人として大暴れであり、新興勢力にして圧倒的な存在感を示す雪絵の二大巨頭の台頭によってラブコメ戦線異常あり? 恋歌さまは刺身のツマです……いや、マジで。
ガチ恋人になってしまったゆかり子さんの恋人力たるや、その面倒くささも含めて直球直球、ひたすらど真ん中めがけて放り込むストレートで、一斗があれだけ絆されてるのを見るのは初めてだ。挙句、これは愛だ! なんて事まで言い出す始末。一斗卿、はために見てもそれかなりデレデレですよ? 元々、ゆかり子元帥は一歩引いた立場のくせに、実際問題一斗との相性は抜群なところを見せていたので、この展開はアリアリなんですが……その前に敢然と立ちふさがるのが八田雪絵(22)である。
一斗の態度が、雪絵相手だけ全然違う、違いすぎる!! ゆかり子相手の時とはまた違う、完全に心を許した接し方で、この少年が他の女性相手には絶対に見せたことのなかった姿なんですよね。一斗卿、キャラ違う、雪絵相手の時だけキャラ違う!
まだ、この一斗の態度だけなら凄い差が開いてる! と驚愕するだけだったのですが、愕然とし戦慄させられたのが……あのヤンデレ妹である夕鶴が。兄に近づく女は皆殺しと書いて鏖殺! と言わんばかりの狂乱バーサークだったあの夕鶴が、雪絵に対してだけ、兄との関係を認める素振りを見せた上に、兄をよろしく、とまで言ってのけたのである。
世界の法則が乱れる!!
いや、ありえんでしょう。夕鶴が許す女が現れるなんて。
恐ろしいまでの別格。そして、いつの間にかその他扱いの恋歌さまに、もはや空気な来珠。そして、雪絵(22)が生徒になってるのに、此方は先生として隔離されてしまってる美文さん。あばばば。
もうゆかり子さんか雪絵(22)でファイナルアンサーでいいですよ、いいですよ。
と言っている間に、まさかのお母さんことリセが参戦フラグを立てている始末。リセまで入ってきたら、ますます皇帝と宰相の立場がなくなっていくな♪

世界の謎と恋愛関係があっちもこっちも混迷を深めるさなか、行方不明になっていた四菜がもたらした情報は核心となるかもしれない、しかしさらに謎と混乱を深める展開に。
わりと引きが凶悪なので、次回はなるべく早く送り出して欲しいところである。

竹井10日作品感想

ムシウタ 13.夢醒める迷宮(下)4   

ムシウタ    13.夢醒める迷宮(下) (角川スニーカー文庫)

【ムシウタ 13.夢醒める迷宮(下)】 岩井恭平/るろお 角川スニーカー文庫

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48時間のタイムリミットで決行中の超種一号“C”殱滅作戦が失敗した。だが“ふゆほたる”率いる“むしばね”は、“大喰い”を倒す最後の作戦“OPS3”を遂行するため、“虫”の始原を知るαを茶深たちに会わせることを決意する。しかし、むしばねを出し抜いた茶深たちの前にシーアゲハが現れ、大喰いを呼び寄せる鍵を握る夕がエリィに乗っ取られてしまう。さらには“三匹目”が千晴のネックレスから逃げ出してしまい―。
こうして見ると、詩歌ってリーダーシップを取るタイプのリーダーじゃないんですよね。不安や迷いを隠せない素直な彼女にとって、みんなを率先して導いていくというのは彼女の性格的にも非常に無理が生じている。いざとなれば大胆な判断も取れるし、強い意志を貫くことも出来る。でも、それを即断即決で為すのは熟考してしまう彼女には厳しい事だし、基本的に彼女は象徴的な立場に立って、大まかな方向性を示すことをよしとするタイプなんでしょうね。故にか、リミットが迫り決断が強いられる中で、一人次々と決断と判断を迫られる今回の一件は早々に彼女を追い詰めていくことになる。
むしばねの連中は、結局自分たちが如何に先代リーダーである利菜一人にすべてを負わせて追い詰めてしまった過去の失敗から、何を学んだんだろうとややも憤りを感じてしまう。また、詩歌に全部背負わせちゃってるじゃないか。幹部のなみえが頑張ってサポートしてくれようとしているものの、どうにも組織全体がおんぶに抱っこなんですよね。
ぶっちゃけ、このむしばねという組織は、組織として機能していない。ただの、寄せ集めの集団だ。一人の頂点に寄って縋って託すふりをして思いも意志も全部押し付けてしまっているだけの、無軌道な集団でしかない。
いい意味でも、悪い意味でも利菜が一人で切り盛りしていたワンマンチームだったんだろうなあ。それを、曲がりなりにも持ち直させた今の幹部連中や、一番上に立って指針を示すことになった詩歌はホントに頑張ってると思う。でも、根本的に利菜によって誕生し、利菜によって成り立っていたこの組織は、やっぱり利菜が居ないと十全の力を発揮できないのだろう。
その意味では、この詩歌とむしばねが中心となって行われた「作戦3」は、むしばねたちだけでは完全に失敗していたと思って間違い無いだろう。それが、まがりなりにも先へと進み、大食いへと辿りつけたのはお膳立てした人物が居たからだ。そのお膳立てした人物――菰之村茶深にとっては思惑通りに何一つ進まず、結局詩歌の意志と考えに基づいて事態は動いていった、と思っているんだろうけれど、ハッキリ言って彼女が居なかったら何一つ動き出しすらもしなかったんですよね。
こうして見ると、むしばねに限らず、あらゆる部分が立ち行かなくなり機能不全を起こしつつ在る中で、茶深とそのグループの存在は戦闘力が皆無という点など何ら考慮に当たらないくらい重要なポディションを密かに築いていると言っていい。ハッキリ言って、東中央支部を除けば、その視点の高さといい俯瞰の広さといい、魅車と真っ向から対抗できる唯一の存在なんじゃないだろうか。
そして、もう一人、魅車八重子と互角に対抗できる存在の復活……。
上巻の段階で、彼の復活はある程度予想してたんですよね。このクライマックスに入って、彼ほどの人物が鳴りを潜めているはずがないと。同時に、政略奸智という観点から魅車に他に対抗できる存在が見当たらなかった、という点からも。他の連中だと、どうやっても良いように動かされてしまいますから。あのハルキヨですら、魅車を出し抜くことはできていませんでしたし。
その意味で、彼の復活というのは希望の光り、のはずだったんですけれど……本当に最初の方に脱落していたので忘れていましたけれど、この人はこの人で目的のためならば集団を選ばない、外道を以て良しとする、ある意味「かっこう」と瓜二つのやり口の人だったのを今更ながら思い知らされた感がある。
正直、前巻でも切り札と目していたあのふたりを、ここで使い潰すとは思っていなかった。

この下巻は、上巻で真っ黒に塗りつぶされた絶望感をいっぺんに吹き飛ばしひっくり返してしまった大逆転が描かれた一冊である。正直言って、希望していた展開よりも遥かに上の結果に至ったと言っていいでしょう。予想通り、というだけでなく、全く期待もしていなかったものまで引っ張りあげてくれました。
一号指定の勢揃いに、アリアと千晴の再会。そして、ジョーカー土師圭吾の復活。懸念されていたものはすべて払拭され、現れたものは望外の希望の集結。

……にも関わらず、何故にここまで悲哀と不安がこびりついているのだろう。カタルシスなどどこにもなく、何故か湧き上がるのは黒々とした靄ばかり。ワクワクするどころか、これからどんな悪いことが起こるんだろうとビクビクと怯えすら生じている。
犠牲の上に成り立った希望に、果たして輝きはあるのだろうか。夕の見た夢の最後の一文が、すべてに影を投げかけている。

シリーズ感想

子ひつじは迷わない 贈るひつじが6ぴき5   

子ひつじは迷わない  贈るひつじが6ぴき (角川スニーカー文庫)

【子ひつじは迷わない 贈るひつじが6ぴき】 玩具堂/

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クリスマス直前に「迷わない子ひつじの会」に持ち込まれた一つの依頼―それはある殺人事件の謎を解くことだった!?かくして吹雪に閉ざされた山荘を舞台に“なるたま”たちと怪しげな住人たちとの奇妙な推理劇が始まる!!…はずなんだけど、何故か佐々原と恋人を演じたり、会長と一緒に寝ることになったりと、毎度の如く大騒ぎになる「子ひつじの会」のメンバーたち。やがて仙波のサンタ姿を前にとうとう“なるたま”が―。
うむむむ、面白い。やっぱりこれ、抜群に面白い。ド派手で特徴的な展開はないんだけれど、毎回読み終えると十全大満足してるんだよなあ。キャラクターからストーリー、細やかな内面描写に、敢えて具体的に描かずに「見せる」ことで読者に「想像」させる演出。こういうのが、一切の隙なくパーフェクトに、そして躍動感を以て弾けてるものだから、客観的な評価と主観的な評価が諸手を挙げて絶賛する他無いんですよ。つまり、百点満点。これほどあらゆる方面に完成度高い作品はなかなかないですよ、うん。
という訳で、この六巻は再び一冊まるごとの長編に。舞台は雪に埋もれた山荘での、かつて起こったとされる殺人事件の謎解き。その為に、山荘を訪れたなるたま、岬姉、佐々原、仙波の四人は主催者である千代の依頼で、当時その山荘に居た人間の役を割り当てられ、当時の状況を再現することで誰が被害者を殺したのか、その真相を明らかにすることを望まれるのですが……、この事件自体は既に警察によって事故として処理されている上に、この再現劇は事件の翌年から毎年のように千代の親戚たちの集まり(あの文芸部の怪人東原史絵元部長もその一人であり、今回の旅行の依頼人でもある)によって、繰り返されてきているのだという。そして、不可解な千代の姉倉子さんの態度と、段々と浮き彫りになってくる千代の事件への執着が、遊びの範疇を超えて張り詰めたような微妙な緊張感を膨らませていくのである。
当時何があったのか!? という謎よりも、千代と倉子の姉妹の間に流れる微妙な空気も含めて、どうして現在がこんな雰囲気になってしまっているのか、という不可思議さの方が募ってくるんですよね。過去の真実を暴く、というよりも過去に本当は何があったのか、を探ることによって今何が起こっているのか、を見出す流れにいつの間にかすり変わっていた物語の流れが、そりゃあもう絶妙でした。
それ以上に面白かったのが、それぞれの登場人物を割り当てられたなるたまたち……いや、なるたまはいつも通りなので、会長とか佐々原とか、いつもと勝手が違った様子の仙波とかの内面の迷走っぷりが実に面白かった。役を割り振られる、と言ってもその人に成りきる、とまで演じることを拗らせるわけじゃないんだけれど、割り振られた以上はどうしてもその人の身になって色々と考えてしまうんですよね。会長は、被害者の姉として。佐々原は、かつて被害者と元恋人関係にあったという倉子のことを考えて。それは、同時に被害者である青年の役を割り振られたなるたまと自分自身との関係を客観的、とまでは行かなくても視点を変えて改めて捉え直す機会にもなってしまって……。
興味深いのは、会長にしても佐々原にしても仙波にしても、すごく丁寧に内面描写を手がけていて、彼女たちが何を考えどんな思いを巡らせているかを鮮やかに描き出しているくせに、本当に肝心な場面になると……ぱったりと描かなくなるんですよ、この作者。そして、その肝心な、その人の中で何か決定的な変遷が起こっているその時を、外から見せるのである。心の内側を覗けるはずのない第三者の視点から、会長や佐々原、仙波の様子を見せるんですよ。そうして、彼女たちがその時何を考えているのかを、彼女たちの行動や表情、所作から「想像」「推察」させるのである。このさじ加減が、ほんとに絶妙でねー♪ 微妙に、彼女たちを見ている人の「主観」が混じっているのも面白い。その人との関係性や親密さ、相手をどう思ってるか、という要素がノイズになって混じったり、逆に当事者よりも鋭く真相を突いているんじゃないか、という点に行き着いたり、となんていうんだろう……答えは常に一つ! というんじゃない、物事の答えの柔軟性、というものが人の心理や関係性にも掛かっているような描き方なんですよね。それって、この作品でなるたまが実際の事の真相を弄って、一つじゃない答えを見せてくれるのにも繋がっているようで、なんか巧いなあと思わせてくれるんですよねえ、うんうん。
仙波がなるたまを毛嫌いしているのも、彼女の中ではそれが真実であり疑いようのない事実なんでしょうけれど、その他の人から見える仙波の気持ちというのは本人が思っているのとは違って見えてたりしますし、きっとそのどちらもが間違いではなく確定していない真相なのでしょう。これは、佐々原や会長もおんなじで、うむむむ、その揺らぎこそが全力でラブコメしてるなあ、という実感を味わわせてくれてるんだろうなあ、これ。
それにしても、会長は完全になるたまのこと意識しはじめちゃいましたねえ。役に合わせてなるたまとの関係を見なおしてしまったことで、これまでぐらついていたものがある意味決定的になってしまった感すらあります。この二人の関係って、当初は本当に恋愛臭のない姉弟関係だったのを思うと、文字通りの親愛が恋愛感情へと移り変わっていく変遷を、ただの弟分としてしか見ていなかった年下の男の子を男性として意識し始める女性の気持ちの移り変わりを、つぶさに描きまくられているようなものでして、姉属性の幼馴染属性の身としてはこれ以上ない至高!! 至高!! 至高!!
仙波のデレ傾向の圧倒さに仰け反りながらも、まだまだ私は岬姉一択でございますよー。会長が温泉で仙波のほっぺたをふにふにと引っ張るシーンは最高でした。……最高でした。あのシーンの会長の気持ちを「想像」するとねえ……たまらんです。

肝心の事件の真相ですけれど……なんか今までで一番人の内面に、仙波たちが切り込み、踏み込んだ結末だったなあ、と感慨深かったです。千代と倉子、二人のこれまでの、そしてこれからの人生に大きく干渉する、相応の重さを背負う覚悟を持っての行動でしたしね。今までなるたまたちが関わった事件が軽かったとは言いませんけれど、それでも重たかったと思います。その重さに相応しい切なさと優しさが浮き彫りになった結末だったんじゃないでしょうか。特に、これまで表に立って結果をもたらすことをしなかった仙波が、全部引き受ける覚悟で前面に立って事件に立ち向かったのは、これまでの彼女のスタンスを思えば衝撃的であったとすら言えるかもしれません。彼女も、それだけなるたまの影響を受けつつあるのかしらねえ。

と、三人娘となるたまの関係もさらに複雑さを増して面白くなってきたところで……なんと!? 一旦、この【子ひつじは迷わない】は停止とな!? 打ち切りじゃなく、またいずれ再開するようなイントネーションですけれど、次巻の刊行予定は未定、というのはかなりショック!!
新作は勿論楽しみですけれど、それでもショック!! 長引かずの再開を望むばかりです、これだけ多くのキャラクターが魅力的に立ちまくってる作品をこのままフェードアウトしてしまうのは勿体なさすぎるですから。

シリーズ感想

彼女たちのメシがマズい100の理由3   

彼女たちのメシがマズい100の理由 (角川スニーカー文庫)

【彼女たちのメシがマズい100の理由】 高野小鹿/たいしょう田中 角川スニーカー文庫

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愛内葉介の目下の悩み、それは毎日の食事!料理研究家の母親がイギリスに旅立ち、俺は隣に住む幼なじみの香神紅緒に生活全般を世話になっている。成績優秀・品行方正おまけに献身的な彼女の問題は―作るメシがマズいこと。だがどうしても俺に「おいしい!」と言わせたいらしく…この幼なじみの料理が美味くなる日は来るのだろうか、ってホットサンドに苦みが欲しいからバファリン入れるなっ!新感覚のリアル“メシマズ”ラブコメ。
ヒロインの作る飯が破滅的に不味い!! という要素はこれまであくまでラブコメを彩る様々な展開の中の定番ネタの一つ、というのが一般的な扱いでしたが、その要素を敢えて主題にして突き詰めてきたのが、本作【彼女たちのメシがマズい100の理由】である。
うん、この着目点は素直に素晴らしいと思いましたね。ありがち、定番、という観点に惑わされてありそうで無かったテーマである。いや、これ本当に普通に不味そうなんだわ(笑
作中に、調味料の塩と砂糖を間違えるより、ご飯を炊く時水が多すぎて半分おかゆみたいになったり、ルーの分量が少なすぎてカレーがシャバシャバになったりする方がイラッと来る、みたいな表現があるんだけれど、まさにそんな感じの、食べられないわけじゃないんだけれどむしろ食べれてしまえる範囲に留まってしまっているのが恨めしい不味さ、というのが実にいやらしく滲み出ているのである。
これ、私にとっては【ベン・トー】と同じく読後に飯が美味くなる本でした。あちらとは全くベクトルが反対でしたけどねw 【ベン・トー】は読むだけで空きっ腹が刺激されまくる実に美味そうな文章表現が食欲を増進させてくれたものですが、こちらのメシマズはというと、この生々しいまでの不味そうな料理の数々を目の当たりにした後で、現実で実際の飯を前にすると輝いて見えましたね(笑
別に特別美味しいというわけでもない普通の料理が、この本を読んだ後だともう絶品に見えてきます。
はい、美味しかったです、ごく普通の特に特徴のないナポリタンw

にしても興味深いのは不味い飯を作るヒロインたちよりも、むしろその不味い料理を食べ続ける主人公の方である。いや、面白いというと、ちゃんとヒロインたちが自分の作る料理が世間的に見て不味いものだと認識しているのも面白い話なんですよね。というか、葉介がちゃんとお前たちの作る飯は不味い! と嘘をつかずに伝えているんですが。やたらと嘘を貫き通して被害を拡大する主人公や、自分の料理の凶悪さに全く無自覚で反省も精進も全くないヒロイン、というのとは真逆の体制を敷いているところに、ちゃんと主人公もヒロインも「飯が不味い」という点に真っ向から取り組んでいる姿勢が見えるわけです。
もっとも、ちゃんと自分を省み、世間とのギャップを鑑みて、キチンと努力を重ねているにも関わらず、むしろ逆方向の不味い方へと果てしなく進化を続けていく紅緒は、もうある意味取り返しがつかない気がしますけど。
この点、元々料理スキルがなかったり味覚が偏っているだけのリリィやカロンは努力次第でなんとかなると思うんですよ。特にリリィはあれは普通に練習してこの国の味付けに馴染んでいけば、容易にまともになれる段階かと思われます。だがしかし、紅緒、オマエはダメだ。というか無理だw
この子の味覚に対する発言は、ちょっと威力強すぎて恐怖を感じるレベル。なんで葉介は幼馴染のくせに彼女の味覚異常に気が付かなかったか。いや、意外と気づかないか。これだけ何食べても美味しい美味しいとしか反応しなくても、日常生活でおかしいとは思わないもんなあ。にしても、それマジで言ってるの? という愕然とするような発言が散逸していて、思わず笑ってしまった。リリィとカロンの料理に対してもあの反応である、ちょっと他の二人とはレベルが違うどころか次元が違いすぎるw

と、そう言えば主人公が面白いという話ではじまったんだった。
これほど不味い料理を毎日食卓に出され続けながらである。この男ときたら、一度として、一瞬として、自分で自炊する、という考えが全くよぎらないんですよね。まるで発想すらないくらいに。
幼なじみたちが作ってくれる毎日のメシが不味い。いったいどうしたらいいんだ!? って、んなもん自分で作れよ、と思ったのは私だけだろうかw
普通は、ちょっと自分で作ってみようとか考えますよね。それに、葉介、別に紅緒たちがメシを作ってくれること自体には感謝してますけれど、どうしてもそれを食べ続けなければならない、という義務感や責任感に駆られてるというほど自分を追い込んでるわけじゃないんですよ。作ってくれたものはキチンと食べるけれど、美味しい料理を作ってくれる、という誘惑にホイホイと乗って行ったように、腰軽く浮気してますしね。
それなのにまるで、この男には料理とは食べるものであって作るものではない! という信念でもあるかのように、自分が厨房に立とうという発想は一瞬たりとも脳裏をよぎらないのです。ちょっと一昔前の亭主関白が微量に入ってるんじゃないだろうか、こいつ。一人暮らしを始めた当初の無計画性といい、生活面においては相当にダメ人間要素が多いような気がします(苦笑
ただ、恋愛面については他にリリィとカロンというメシマズヒロインは居るものの、雰囲気としては完全に紅緒一択。傍から見てると、どう穿っても「ごちそうさま」としか言えない半同棲生活。はい、完全にご夫婦です、おめでとうございましたw

と、メシがドンドンまずくなっていく事を除いては、紅緒の家事スキルの高さに性格の良さや明るさも相俟って、理想的な新婚生活だったのですが、そういう流れに茶々を入れるのは往々にして「姑」の類なのである。
まああれだ、なんかラストに偉そうに誰かさんが登場して上から目線で宣ってましたけれど……どう見ても「オマエもか」な展開ですよね。英国でリリィの料理を絶賛していた時点で、色々とボロが出ていますからw
次の巻、即座のこの人がorzとなっているのが目に浮かんできそうです、うはうは(笑

それがるうるの支配魔術 Game5:キングメーカー・トラップ3   

それがるうるの支配魔術  Game5:キングメーカー・トラップ (角川スニーカー文庫)

【それがるうるの支配魔術 Game5:キングメーカー・トラップ】 土屋つかさ/さくらねこ 角川スニーカー文庫

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二学期が始まったばかりの欧文研のもとを、OGの月城舞花が訪れる。るうるの兄・繋と同級生であり、欧文研の創立メンバーでもある舞花の昔話に喜ぶるうるたち。しかし、話の中の違和感に気づいたタマキは、部室に仕掛けられた魔術を見破り、隠されていた数列を発見する。それは繋がるうるへ宛てたメッセージだった!数列はとあるテーマパークを示しており、欧文研メンバーと舞花はそこに向かうのだが!?シリーズ驚愕の展開へ。
マジで驚愕だよ!! これはとんでもない超展開じゃないか。いや、衝撃的すぎて読み終えたあとしばし呆然自失。まさか、四巻でのインナミさんの物語と彼女との約束が、こういう形でタマキに返ってくるなんて、想像できるはずないじゃないですか。インナミさんと約束した、すべてを明らかにするまで進む、という決意がまさかこんな結果を産むなんて。誰かの為につかれた「優しい嘘」の正体が、その真実が、まさかこんな事だったなんて。
何か空恐ろしい真実が、十年前の事件には秘められている、というのは頭では理解してたし、それが明らかにされることに心構えみたいなものもできていたはずなんだけれど、こうなってみると所詮他人事として捉えていたんだと今更ながらに認めざるをえない。目の前に現れるのがどんな嘘でも真実でも、この欧文研メンバーが揃っていれば、インナミさんがタマキに残してくれた、仲間との絆、というものがあれば、ちゃんと真っ向から立ち向かえるものなのだと思っていた。ところがこれ、相対する類のものじゃなかったんですよね。まさに盲点、死角の内側。
これが本物の「世界災厄の魔女」の魔術だったというわけか。筆舌しがたい、禁呪じゃないか。
それでも、インナミさんとの約束がなければ、タマキもあそこまで性急に動きはしなかったはず。あそこまで衝動的になってしまったのは、大切な約束の結論がまさに間近も間近にあってしまったからなんだろうなあ。他人事なら、迷いも出来たかもしれない。意思を疎通し意見を交わし、仲間同士で話し合って立ち向かう手段を、どう対処するべきかを導き出せたかもしれない。でも、その答えが「アレ」だった以上、約束を果たすためには迷うわけにはいかなかった。嘘を暴くことを止められると分かって相談など出来なかった。
真実を明らかにしなければならない以上、まずその真実を露わとしなければならなかったのだ。たとえ、それが=終わりだったとしても。否さ、終わりだったからこそ、だ。
これは、キツいよなあ。インナミさんも、まさかこんな結果が待ち受けてるとは思ってもいなかっただろう。あの人は純粋に、タマキを愛して幸福を願っていただけだったのに。

それでも、その真実が「本当」かどうかはまだわからないんだけれどね。嘘を見ぬいた、と思ったタマキが先走って幾つか見落としをしているかもしれない。何れにしても、結論は次の巻だ。

土屋つかさ作品感想

クロス×レガリア 滅びのヒメ3   

クロス×レガリア  滅びのヒメ (角川スニーカー文庫)

【クロス×レガリア 滅びのヒメ】 三田誠/ゆーげん 角川スニーカー文庫

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互いにほのかな想いを意識しつつも「相棒」関係を継続中の千円ボディガード・馳郎と最強兵器・ナタ。だが最近、ナタはある奇妙な感覚に夜ごと悩まされていた。時を同じくして鬼仙のお嬢様・蓮花が根城とする中華街では奇妙な事件が頻発。馳郎は調査協力を依頼されるが…。「だって吸血鬼だもの。血を吸うのが当たり前でしょう?」馳郎の前に現われた深紅の妖鳥、朱色の魔獣を操る最凶の来訪者。彼女に対し馳郎がとる策とは。
へぇ、哪吒太子と蓮華の花ってそんなに縁が深いのかあ。と、哪吒太子や今度登場した黒幕格についてwikiなんかを覗いていたら、思わぬエピソードに行きあたってしまった。
これって、場合によってはナタと蓮花は不可分とも取れるんですよね。この三巻での蓮花のヒロインっぷりを見る限り、思いの外蓮花のポディションって高いのかもしれない。サブヒロインじゃなくて、メインヒロインの片割れと呼ぶに相応しいくらいには……いや、さすがにそこまでは行かないか。この【クロス×レガリア】では、馳郎とナタは殆ど相思相愛と言っていいくらいの関係で、如何な蓮花やリコでも割って入るのは難しそうですしねえ。
それでも、今回の主席ヒロインは蓮花で揺ぎないでしょう。二巻で出番なかった分、ほとんど独り舞台と言っていいくらいに蓮花がヒロイン枠を独占。不老長寿の鬼仙のくせに、実はリアル十六歳とか反則だよなあ。しかも、これだけ感受性が強い子だと、長生の民である鬼仙の中じゃあそりゃあ浮いちゃうだろうねえ。ただでさえ、お姫様ということで腫れ物扱いされていたんだろうし。そこに、自分の尖った性格を否定せず、しかしおもねらずに率直に受け止め肯定してくれる馳郎の存在は、そりゃあビビッと来ちゃったろうねえ。この主人公は、孤独で寂しがり屋の女の子には特にキラー属性を発揮するようだ。考えてみると、リコや北斗もその傾向が強かったもんなあ。
その点、敵として現れた謎の少女は、馳郎の得意分野からは大きく外れたキャラクターと言えるのだろう。この娘に関しては、敵とはいえ全然フラグが立つ様子がなかったもんなあ。その理由が相性が悪いというだけではなかったことは、ラストに判明するのだけれど……この子の正体についてはさすがに度肝を抜かれた。そもそも、あの黒幕格が出てきた時点でナタの名前が伊達でも何でもないある意味「本物」であることはわかったんだけれど……ガチ仙人じゃないか。
このシリーズ、あの【レンタルマギカ】と同じ世界観というだけあって、「仙人」という存在については完全にこの世のものではないという認識が出来上がっていたんで、あの名前見たときは愕然としましたよ。
あの謎の女の子も「ウー」と名乗っていたものだから、どちらかというと「无」を意味する名前だと思ってたんですよねえ。
でも、よくよく考えてみると道教の世界観見渡して「哪吒太子」に伍するような戦闘キャラっていったら、まずなにより「こいつ」以外考えられないんですよね。その意味ではまったく打倒な人選といえばそうなんだけれど……それでもこの正体は意外だったなあ。
ん? だとすると、この子とコンビを組むことになるあいつは、陳褘さんってな当てになるのか? 特に当てはめる必要はないんだろうけれど、そんな風に想像すると面白いなあ、という話で。

そういえば、【レンタルマギカ】と同じ世界観ということで、ついに「魔法使い」が登場してきましたねえ。こう、違う作品がクロスしてくるとワクワクしてくるんですよねえ(笑
このままより世界の裏側に踏み込んでいくならば、鬼仙やおににかぎらず<協会>とも関わることも増えてくると言明されてますし、いつかはゲストキャラとして【レンタルマギカ】のキャラが出てきてくれたら嬉しいなあ。

1巻 2巻感想

レイセン File5:キリングマシーンVS.4   

レイセン  File5:キリングマシーンVS. (角川スニーカー文庫)

【レイセン File5:キリングマシーンVS.】 林トモアキ/上田夢人 角川スニーカー文庫

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怒涛の夏休みが終わりほっとしたのも束の間、ヒデオはマックルに誘われて“フォース”とバーベキューに出かけていた。高校生たちに混ざってスイカ割りを楽しむ…はずもなく、引きこもりの美学を貫くヒデオ。そんな中、マックルの口からオートライングループの秘密が明かされ、“フォース”とヒデオたちは戸惑いを隠せない。そこへさらに、マックルを付け狙う謎のシスターが現れて…!?ますます加速する、負け犬男の第二の人生。
男の触手責めはやめてください、エルシア様ww
まさかの妹襲来編の延長戦。突然の妹の来訪話も何気にいい話で終わったなー、と思ってたら終わってなかったんかいw ヒデオの家での女性陣に家呑み会は延長の末に、なぜかエルシア主催による触手責めパーティーに。しかし、そうなんだよなあ、こういうときに限ってみんな制服じゃなくて普通の私服という味の無さ。こういう齟齬のあるときこそ、ヒデオの弁舌にも興が乗るのである。最近、ノアレがわりと弄られ役に回っていてなんか楽しいよ?
ここで鈴蘭が何気にチョロいところを見せたのは、最後の番外編の前振りだったんだろうか。かつては鈴蘭って不憫系薄幸少女だったんだよなあ。

という訳で、本編の方はなぜか引きこもりが合コンまがいのバーベキューに参加させられるという、相変わらずのコミュ障のくせになんというリア充w
ただ、なんでマックルがヒデオに執心だったのかという理由を聞くと、マックルの過去に何があったかは知らないけれど、どれだけヒデオの存在と軌跡が彼女にとって衝撃的だったのかが伝わってくる。きっと、この世にあるはずのない宝石を見つけたような心地だったんだろうなあ。お伽話にも存在しないだろう、優しさだけを貫いて世界を救った英雄譚。
少なくとも、あのエリーゼが悪いやつじゃないと言っているのだからそれは確かなのだろうけれど、フラフラしているようでマックルって何か必死なところが見受けられるんですよね。今回、ヒデオに縋るように助けを求めようとしたのも、オートラインに関わっていたのも、何か理由があるんだろうけれど本人に邪心が無くても場合にヨテは手段を選ばないんじゃないかという危うさもかいま見えてきて……なんか、いきなりマックルさんヒロイン化してきてませんか? 精霊の庭なぞというマックルを追いかける組織も出てきたことですし。
しかし、謎のシスター登場っててっきり神殿協会なのかと思ったら、別の第三世界側の宗教組織が存在したのか。
この対シスター戦で見せたヒデオの駆け引きは久々に見応えと歯ごたえのある綱引きだった。こういうのを見ると、ヒデオはつくずく交渉術に卓抜していると思わされる。見せ札と伏せ札の使い方が抜群なんですよね。

さて、精霊の庭という精霊に深く関わる組織に、オートラインのさらに深部、精霊を利用しようとする黒幕の存在が匂わされ、さらにフォースの四人が使う精霊の正体が暴かれてしまったことで、随分と中途半端な位置に放り出されてしまったフォースとオートラインの面々。この連中って、第三世界の暗黒に片足を突っ込むどころか足首だけ浸して全身どっぷりと闇に浸った気分になっているような「ド素人」だっただけに、真打が出揃ってきた頃合いで適当に弾かれるのかとも思っていたのですが、まさかまさかの泥沼の展開に。あの「世界観」の子だけ微妙に精霊の雰囲気が違っていたのが、こうつながってくるのか。

と、良い所で本編終わって、番外編。もうサブタイトルから酷い事になりそうなのが丸わかりという「葉多恵ちゃんの女子力キラキラ☆メイクUP教室」というものw この作品に登場する女性のメンツ、概ね女子力なんとかしろよ、という連中ですけれどその中でも図抜けて何とかしなきゃいけないのが、当然あの人、初代聖魔王名護屋河鈴蘭である。
いやあ、この人途中でキャラが百八十度変わってしまったから忘れがちですけれど、元々小公女タイプの人だったんですよねえ。その御蔭で、何だかんだと持ってる日常系スキルのレベル、やたらと高いんですよ。家事系統は一通り上級でこなせますし、なんちゃってメイドじゃないんですよね。普通にしてたら、十分愛され系美少女になれるのに……この娘は本当にどうしてこうなったw
まあでも、この調子だと長谷部の兄ちゃんともわりと良い感じに付き合える要素はあるんだと納得できた。普段通りの鈴蘭だと、とてもじゃないけれど男とお付き合いできる要素が皆無すぎて、それ以前に性別・女性という意識もなかなか持てないですものねえ(苦笑

林トモアキ作品感想

レンタルマギカ 最後の魔法使いたち4   

レンタルマギカ  最後の魔法使いたち (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 最後の魔法使いたち】 三田誠/pako 角川スニーカー文庫


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“協会”と“螺旋なる蛇”の切り札がついに激突!さらに世界の認識を創り変えんとする惑星魔術の発動と、それを妨害せんとする、第三団たちの強大な魔力がせめぎ合い、布留部市には呪力の嵐が激しく吹き荒れていた。大魔術決闘が佳境に向かう中、いつきたち“アストラル”は最後の力を結集し、起死回生の勝負に挑むが!?それぞれが夢見て願った“魔法使いの未来”は、誰がつかむのか!?大ヒットシリーズ、ついにクライマックス。
ついにレンタルマギカも最終巻。トータルで22巻にもなる大長編になったんですか、これ。あとがきによると、もう一冊だけ、後日談を描いた本を出されるそうなので、23巻になるのかもしれませんが。それにしても、感慨深い。第一巻の「魔法使い、貸します」が出たのがほぼ丸8年前。この業界では、一時代前と言っていいかも知れません。この頃からまだシリーズ続いている作品というと、もう随分と少ないんじゃないでしょうか。それだけ長く付き合うとやはり愛着も湧くものなのか、この最終巻、読んでいる折々で何だか泣けてきてしまって。悲しいとか嬉しいとか、そういう激しい感情とはまた別の、揺り起こされるような感慨に思わず目がうるうると潤んでしまいました。この最終巻がまるまる最終局面のBGMが鳴り響くような展開だったからかもしれません。
思えば、このシリーズは作者である三田さんの転機になった作品だったんじゃないでしょうか。正直に申しまして、これより以前の作者については殆どはっきりした印象は残ってないんですよね。著作自体はカバーしていたものの、他の作品と差別化された特別な個性というものは感じなかったように思います。それが変わったのがこのシリーズを書きだした頃。それでも、当初は多少目新しいというくらいでしたけれど、4巻5巻と巻を重ねるにつれ、大きく変化を感じたのが「竜と魔法使い」。そして、明確に階段をあがって新しいステージに立ったと感じさせられたのが「鬼の祭りと魔法使い」でした。ちょうどこの頃、他にも【アガルタ・フェスタ】や【烙印よ、虚ろを満たせ。】というシリーズを並走して展開していたのですが、この時期を境にして両シリーズとも大きくその質とスケールが革新してるんですよね。残念ながら、両作ともここからしばらくしてシリーズが終了してしまっているのですが、両方共このまま長く続けばまた全く別の顔を見せてくれていたのではないか、と思わせてくれる伸びやかさを見せてくれていたのです。
そして、以降のこの【レンタルマギカ】シリーズの躍進と、こちらもすでに完結していますが【イスカリオテ】や今丁度ロングシリーズへの道を歩みはじめている【クロス×レガリア】シリーズを見てもわかるように、今や名実ともに第一線級のライトノベル作家として活躍していらっしゃる次第です。本当に、この人の書くお話は、とびっきりに面白くなりました。その筆頭にして最先端だった【レンタルマギカ】が終わるというのは自分の中でも相応の大事件だったようです。未だに、なんだか気分がふわふわとしております。
それでいて、妙にすっきりしているのは、いつきの目指した夢物語が、一つの明確な方向を得て進み始めたからでしょう。彼は実現すべきを実現し、その先へとみなと一緒に歩き始めた。そこに憂いなどもうなくて、だから何の心配もなく、彼らの行く末をこのまま見送れる気分になっているのだと思います。人間関係にも、ある程度ひと通りの決着もつきましたしね。勿論、彼らのその後、その先をまだ見守るにやぶさかではなく、後日談は嬉しい限りなのですが。
それに、助けたかった人を、助けることが出来たんですもの。とびっきりの、ハッピーエンドじゃないですか。
幽霊少女の黒羽と、影崎の関係は此処に至ってなんだか神聖なものすら感じさせる透徹として触れ難いものにまで高まっていて、だからこそでしょうか、2人の顛末には胸がいっぱいになりました。生きた人間の領域からはみ出してしまった二人だからこその尊さ、神聖さというべきなんでしょうか。もの凄く、素敵なものを見せてもらったような気分でした。

そして、何より尊かったいつきとアディと穂波の三人の関係。徐々に、徐々に一度は正三角形に収まった三人の関係がバランスを変えていき、いつきが誰を選んでいっているのか、言われなくても伝わってくる話の流れになってしましたけれど、最後の最後までいつきを守り、アディを庇護し、二人の関係そのものを守護し続け、その先へと送り届けたのが穂波であったのには、なんだか感動してしまいました。恋も友情も越えた先にある、親愛の極みを覗き見たような……。


他にも、この物語には随所にそんな「素敵」な出来事や事象や関係が散見していて、それらが星のように輝くのを、満天の夜空を仰ぎ見るかのように見上げていた、そんな最終巻でした。
魔法使いも、普通の人も関係なく、幸せを夢見て今を生きる。そんな、魔法のような物語。

お疲れ様でした、ありがとう、そしてまた……。

三田誠作品感想

ここから脱出たければ恋しあえっ 23   

ここから脱出たければ恋しあえっ2 (角川スニーカー文庫)

【ここから脱出たければ恋しあえっ 2】 竹井10日/かれい 角川スニーカー文庫

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巨大密室と化した学校から、やっとの思いで脱出した悠真と美少女4人(+美少年1人)。だが学校の外は、なぜか絶海の孤島だった!ムチャぶりしまくる謎の猫耳宇宙服・名無しさんが提示した、今度の脱出条件は…恋人をさらに増やすこと!?閉じ込められ少女も2人増え、素直クールな先輩からツンロリ天才少女、メイドに幼馴染み、実の妹までが悠真をめぐって大騒ぎ!あれ、この状況…別に脱出しなくてもよくね?の第2巻。
すでに二巻目にして、ここから脱出しなくてもいいじゃない、という前提から崩壊しかねない状況に。
リアル無人島生活にしてしまうと、生きるのに精一杯で恋愛している暇がなくなってしまうという悪循環。人間衣食住に充足してこそ精神の余裕が出来るものである、との言にも通じる話である。そこで、主催の猫耳宇宙服名無しによって、不足なく衣食住が供給されるという無人島生活と言うよりも楽園生活に突入した結果、やっぱり脱出しなくてもいいんじゃね? という重ね重ねの悪循環。
おい主催者、色々とグダグダすぎるぞ(苦笑
まあ、竹井作品は微に入り細に入り、概ねグダグダであることを旨としているんで、これはこれで平常運転とも言える。

んで、新たに加わったメンバーは悠真の異性の親友である奏と、紫苑の同性の親友である葵子。葵子、紫苑とキャラ被ってね? と思ったら、豆腐メンタル子さんでした。葵子さん、なんか気がついたら悠真にどっぷり依存してたんですが。あれ? いつの間にデレて堕ちた? というくらいの超早業。居眠りでもしてたっけか、私。
もう一人の親友、奏と来たら、こちらはこちらで親友親友、恋愛感情なんて全然ないよ! とあっけらかんと言いながら、一応恋人関係になった紫苑や美羽を鼻で笑うような凄まじいスキンシップを繰り返す。抱きつくなんざ平常運転。平気でチュッチュチュッチュとキスをして、ベタベタひっついたまま離れない。そうしながら、親友だからこれくらい普通だぜ、と平然としている奏と悠真。
こ・い・つ・ら〜〜。
この調子で、親友だからベロチューしてもどうってことない。親友だからお風呂で裸の付き合いをしても何の問題もない。親友だから、ちょっとセックスしてもいいんじゃね? 親友同士だし、子供とか作ってみた! と、全部親友だから、で押し通しそうな勢いである。
親友最強説。悠真もちょっとは疑問に思えよ(笑

そんな親友という関係にこだわる奏にも、相応の理由と信念があってそうしている、というのが事情に踏み込むことで明らかになっていく。この作者が書くシリアスパートって、ギャグパートと別世界か、と思うくらいにデロデロの生々しさがあるんですよね。正直、あんまり冷静にじっくりと向き合いたくない、人間の気持ち悪い側面がギトギトと脂ぎって波打ってるんですよ。それをうまくギャグパートでオブラートに包んでいるからこそ、ある程度落ち着いて見られるけれど、普通に見たら嫌悪感パないんだろうなあ。
椛なんかも、そんな悪意にさらされた犠牲者の一人。悠真は、敢えてあんな態度をとることで椛を守ってきたのか。子供なりの、最大限の庇護だったんだなあ。それも、椛がちゃんと信じて分かってくれてたから、保てた関係なんだろうけれど、通じ合っていたからこそ最終的に認定されたわけで……あれ? 順調に恋が成就しつつある?
そのうちラストには実った恋を収穫だー、とリアルバトロワがはじまりそうで怖いが、始まってしまうとどう考えても妹の独壇場になってしまうので、それはないか。

次の舞台は、定番とも言えるあれか。さすがに、ここからさらに新キャラ、というのはなさそうなので……あれ? だとすると千早ちゃんと妹の出番になってしまうのか? どちらもある意味バッドエンド直行じゃね?

竹井10日作品感想

9月の角川スニーカー文庫、予約開始。  


うははは、これはまさに俺得のラインナップ。
子ひつじにレイセンにレガリアにるうるって、ひと月にこれってどれだけ贅沢なんだ。その分、他の月が薄くなりそうで怖いけれど。まあ10月にはムシウタの続きが控えているから問題なし。

と、レギュラー陣は一先ずおいておいて、新人作品ですよ!
久々に、タイトルだけで勝ったも同然、というような新人作品が(笑 これだけ、見るからに面白そう、というのもなかなかないぞ。まさか、メシマズがテーマとは♪
壊滅的な味付けのメシマズ料理というのは、ライトノベルの中では定番ツールと言ってもいいくらいの珍しくないものですけれど、意外とそれ自体をテーマとしたものは今まで記憶にない。この着眼点は実に面白い!!
表紙がエプロン姿というのも、意外に新鮮だ、これ。

で、既存部門の方ですけれど。子ひつじ、てっきり順番からして岬会長二回目、かと思ってたら、あれ? また仙波か! 会長フリークとしては、極めて残念なんだが。会長のエロサンタコスとか表紙でお目にかかりたかったのだが、これはこれでよし! しかし、ぺったんだな!
レイセンの方は、これはふたりとも新キャラか、まだイラスト化されてなかった子だろうか。そろそろパターン的にミスマルカに出たケセランパサランがデそうなものなんだけれど。

 【彼女たちのメシがマズい100の理由】 高野小鹿《第17回スニーカー大賞<優秀賞>》(角川スニーカー文庫) Amazon
 【子ひつじは迷わない 贈るひつじが6ぴき】 玩具堂(角川スニーカー文庫) Amazon
 【レイセン File5:キリングマシーンVS.】 林トモアキ(角川スニーカー文庫) Amazon
 【クロス×レガリア 滅びのヒメ】 三田誠(角川スニーカー文庫) Amazon
 【それがるうるの支配魔術 Game5:キングメーカー・トラップ】 土屋つかさ(角川スニーカー文庫) Amazon

 

6月28日

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6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
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猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
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たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
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幌田
(まんがタイムKRコミックス)
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6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
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鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
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迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
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篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
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寺王
(オーバーラップ文庫)
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御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
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メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
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雨川水海
(オーバーラップノベルス)
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江口 連
(オーバーラップノベルス)
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和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
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KK
(オーバーラップノベルスf)
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雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
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6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
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志瑞祐
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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月見 秋水
(MF文庫J)
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三月みどり
(MF文庫J)
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花間燈
(MF文庫J)
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衣笠彰梧
(MF文庫J)
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常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
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ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
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疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
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九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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甘岸久弥
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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天ノ瀬
(MFブックス)
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ラチム
(MFブックス)
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櫻井 みこと
(MFブックス)
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御手々 ぽんた
(MFブックス)
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支援BIS
(KADOKAWA)
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藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
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ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
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蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
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水無月すう
(角川コミックス・エース)
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鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
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御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
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人生負組
(角川コミックス・エース)
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ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
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神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
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黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
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村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
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七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
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天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
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白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
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木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
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6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
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押切蓮介
(ビッグガンガンコミックス)
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小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
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佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
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萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
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優風
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
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三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
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内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
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花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
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久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
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フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
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カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
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泰三子
(モーニングKC)
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ハナツカシオリ
(モーニングKC)
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瀬下猛
(モーニングKC)
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NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
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村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
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都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
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殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
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6月20日

風間レイ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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楢山幕府
(TOブックス)
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リッキー
(TOブックス)
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こりんさん
(GCN文庫)
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武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
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ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
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千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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6月19日

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6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
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双龍
(ヤングジャンプコミックス)
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深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
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中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
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光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
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ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
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中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
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峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
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畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
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山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
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栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
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高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
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草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
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福井セイ
(少年サンデーコミックス)
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安西信行
(少年サンデーコミックス)
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新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
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寺嶋裕二
(講談社コミックス)
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三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
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伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
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羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
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桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
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陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
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高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
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恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
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三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
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あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
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白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
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綾里けいし
(ガガガ文庫)
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カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
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伊崎喬助
(ガガガ文庫)
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平坂 読
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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緒二葉
(ガガガ文庫)
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川上 稔
(電撃の新文芸)
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美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
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草薙 刃
(電撃の新文芸)
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時田 唯
(電撃の新文芸)
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6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
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松岡健太
(マガジンエッジKC)
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さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
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あだちとか
(講談社コミックス)
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和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
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6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
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猫田パナ(富士見L文庫)
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佐々木禎子(富士見L文庫)
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仲町鹿乃子(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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鍋敷(アース・スターノベル)
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LA軍(アース・スターノベル)
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天然水珈琲
(アース・スターノベル)
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西尾維新(講談社文庫)
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葛城阿高(ビーズログ文庫)
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ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
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小田ヒロ(ビーズログ文庫)
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綾河ららら
(サーガフォレスト)
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バッド(サーガフォレスト)
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真安一(サーガフォレスト)
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カヤ(サーガフォレスト)
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コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
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よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
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わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
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小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
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6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
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星奏なつめ(GA文庫)
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冬坂右折(GA文庫)
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白石定規(GAノベル)
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星崎崑(GAノベル)
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えぞぎんぎつね
(GAノベル)
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三木なずな
(GAノベル)
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カイシャイン36
(GAノベル)
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よっしゃあっ!
(GAノベル)
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6月13日


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6月12日

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6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
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天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
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おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
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猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
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リムコロ
(角川コミックス・エース)
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冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
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浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
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春花あや
(角川コミックス・エース)
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経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
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佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
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古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
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ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
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森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
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加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
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飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
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こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
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白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
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オジロマコト
(ビッグ コミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
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田村由美
(フラワーCアルファ)
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もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
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影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
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相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
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となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
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ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
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秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
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東崎惟子(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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和ヶ原聡司(電撃文庫)
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白金透(電撃文庫)
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鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
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佐島勤(電撃文庫)
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二月公(電撃文庫)
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鏡遊(電撃文庫)
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真代屋秀晃(電撃文庫)
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周藤蓮(電撃文庫)
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瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
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小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
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KK(カドカワBOOKS)
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うみ(カドカワBOOKS)
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ふか田 さめたろう
(宝島社)
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魔石の硬さ
(TOブックス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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地雷酒(TOブックス)
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サンボン
(TOブックス)
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蒼月海里(角川文庫)
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椹野道流(角川文庫)
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森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
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桑原水菜(角川文庫)
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仁木英之(角川文庫)
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6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
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荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
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奈良一平
(講談社コミックス)
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小玉有起
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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高田裕三
(シリウスKC)
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長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
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ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
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村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
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K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
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刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
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光永康則
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
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一二三
(KCデラックス)
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がしたに/MITA
(KCデラックス)
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うかみ
(KCデラックス)
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エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
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桜野みねね
(BLADEコミックス)
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森野きこり
(BLADEコミックス)
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6月8日

かみはら(早川書房)
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西尾維新(講談社)
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ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
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佐藤二葉
(星海社COMICS)
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山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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稲葉光史/山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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6月7日

泉光
(アフタヌーンKC)
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TNSK
(アフタヌーンKC)
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水瀬るるう
(まんがタイムコミックス)
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琴子/TCB
(ガンガンコミックスONLINE)
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枢呂紅/優月祥
(ガンガンコミックスUP!)
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雨後一陽/とちぼり木
(ガンガンコミックスUP!)
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西島ふみかる/白縫餡
(ガンガンコミックスUP!)
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雨沢もっけ
(ガンガンコミックスUP!)
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ふか田さめたろう/松元こみかん
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/春夏冬アタル
(ガンガンコミックスUP!)
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リキタケ/三木なずな
(ガンガンコミックスUP!)
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琴子
(SQEXノベル)
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猫子
(SQEXノベル)
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平成オワリ
(SQEXノベル)
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榛名丼
(SQEXノベル)
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蝉川夏哉
(宝島社文庫)
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貴戸湊太
(宝島社文庫)
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6月6日

智弘カイ/カズタカ
(KCデラックス)
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ippatu
(ヤンマガKCスペシャル)
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6月5日

Kindle B☆W DMM

6月3日

いつきみずほ
(ドラゴンノベルス)
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夢・風魔
(ドラゴンノベルス)
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矢吹健太朗
(ジャンプコミックス)
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助野嘉昭
(ジャンプコミックス)
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ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)
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松井優征
(ジャンプコミックス)
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伊科田海
(ジャンプコミックス)
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権平ひつじ
(ジャンプコミックス)
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鏡貴也/山本ヤマト
(ジャンプコミックス)
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水あさと
(ジャンプコミックス)
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篠原健太
(ジャンプコミックス)
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針川智也
(ジャンプコミックス)
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時田時雨
(ジャンプコミックス)
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猗笠怜司
(ジャンプコミックス)
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佐々木尚
(ジャンプコミックス)
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賀来ゆうじ
(ジャンプコミックス)
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末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
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大須賀玄
(ジャンプコミックス)
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バブル製作委員会/肘原えるぼ
(ジャンプコミックス)
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三部けい
(角川コミックス・エース)
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長岡太一
(角川コミックス・エース)
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佐茂すけ/竹村優希
(角川コミックス・エース)
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関崎俊三
(角川コミックス・エース)
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封宝/富樫聖夜
(フロース コミック)
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此匙/浜千鳥
(フロース コミック)
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神栖みか/シロヒ
(フロース コミック)
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武シノブ/江本マシメサ
(PASH!コミックス)
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柳矢真呂/ぷにちゃん
(PASH!コミックス)
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深山キリ/もり
(PASH!コミックス)
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さーもにずむ
(PASH!コミックス)
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