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スーパーダッシュ文庫

六花の勇者 5 3   

六花の勇者 5 (ダッシュエックス文庫)

【六花の勇者 5】 山形石雄/宮城 ダッシュエックス文庫

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愛から憎しみへ。白から黒へ。
「黒の徒花」の情報を手にしたアドレットだが、その内容に思い悩み、その取り扱いに逡巡する。六花の勇者たちはテグネウの追っ手を退けつつ〈運命〉の神殿にたどり着くが、そこで予想だにしない人物に出会う。伝説に聞く、一輪の聖者がいたのだ。 そして一輪の聖者の周囲にある神言を読み解くと、「黒の徒花」に関わるテグネウのさらなる一手が判明する。自分たちが危機的な状況にあると知ったアドレットはそこで「黒の徒花」の内容を語り、対策を議論しようとするのだが、その矢先に、フレミーが衝撃的なひと言を放つ。究極の選択を迫られたアドレットの答えとは…! ?
伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、第5幕!
アニメがスタートしたのに合わせて、これまで積んでいた本作を掘り起こして、こっちもリスタート。とはいえ、本編4巻読んだのが約二年前だったので、色々と思い出せない部分も多々あり。いや、ストーリー展開とかは意外と覚えてたんですけどね。もっと細かい部分、アドレットのフレミーへの感情とか、彼の強かさとかこんなんだったかなあ、と。少なくともこの巻におけるアドレットとハンスの不自然さは半端なかったですよ? 二人共抜け目ないタイプなんで、特にアドレットなんか余裕なかったとはいえ、今回はやり方がお粗末というか場当たりすぎて、どうしちゃったの? と思うくらい。
なんだけれど、以前までの巻でのアドレットの様子を詳しく覚えてないんで、もしかして前からこのくらい行き当たりばったりだったっけ? と首を傾げてしまったわけで。
いやでも、実際今回の彼の振る舞いはまともに他のメンツに信用してもらえなかったんだから、かなりバタバタだったのは確かだと思うんだけれど。それも、マイナスから無理やりゼロ地点まで状況を引っ張りこんで維持しないといけない状態だったから、なりふり構わず、というのも仕方なかったんだけれど。以前疑われた時は、自分が白だと確信があったわけだから、今回みたいに真っ黒を白、あるいは灰色に見せかけなきゃいけないのに、材料も時間もなにもない、となればこうなるのも仕方ないのか。

それに、ラストの展開が真実だとすると、アドレットが今回だけむちゃくちゃしてた、というわけじゃなくなるもんなあ。むしろ、ハンスの方がクライマックスで下手打ちすぎ、な気がしないでもない。抜け目のなさではアドレットを上回っているはずの彼が、あれだけ怪しまれても仕方ない強引さを見せてしまうのもなあ。
ともあれ、久々に続きを読んだせいか、以前までのキャラの細かなイメージが薄らいでいたからか、ある意味基本情報は抑えつつもまっさらな状態で読めたので、アドレットにまつわる話に関してはむしろ驚かなかったというかむしろ納得したというべきか。この巻だけ見ると、彼の執着は尋常じゃなかったもんなあ。

と、派手に黒の徒花と七人目にまつわる話が大騒ぎになっていた分、ナッシュタニア姫の蠢動がかなり目立たないことになってたんだけれど、彼女絶対なにかしてたよねえ。
一方で、今度こそフレミーはヒロインとして祀られたとかんがえるべきか。本作の傾向からして、それって鬱フラグでもあるんだけれど、あれだけ心情を詳らかにして、過去の悲劇も明らかになり、その絶望と垣間見えた希望の光を見せられると、あなたがヒロイン、と言わざるをえない。どう転んでもかわいそうなことにしかならなさそうなのが、特に。

シリーズ感想

メサイア・クライベイビィ 3.永遠を捨てる者4   

メサイア・クライベイビィ 3 永遠を捨てる者 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【メサイア・クライベイビィ 3.永遠を捨てる者】 八針来夏/黒銀 スーパーダッシュ文庫

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帝国打倒の旅の途中、とある少女を誘拐犯から救い出したセレス達。少女の名はスーシャ=オラーニエ。惑星ウルヴァシーの大統領の娘として生まれたスーシャには、ある重大な秘密があった。少女を巡り帝国の魔の手が伸びる中、セレスは誰も殺さずに内戦を終結させるという前代未聞の一大奇跡に挑む…!!泣き虫の救世主が贈る超ド級スペースオペラ、ますます絶好調の第三巻!!
これって、救世主に世界が、宇宙が救われる話というよりも、むしろ救世主であるセレスが人の持つ愛という感情に救われていく話なのかもしれないなあ。勿論、支配侯という精神生命体の脅威に対して、人類の範疇を超えた力を持つセレスの存在はまさに救世主のそれなのだけれど、そんな彼に対して人類は常に彼に救われるに足るだけの価値を示し続けている。
リューンやミカといった身近な人間だけではなく、セレスが出会った人間たちは、それが生身の人間だろうと遺伝子改造されたものだろうと、それこそ機械生命体という人ならざる存在だろうと関わらず、皆が人という種に希望と感動を抱かせるだけの愛の形を見せてくれる。それは親子の愛情だったり、仲間への愛情だったり、種を違えた友情だったり、と様々な形ではあるものの、まさに生命の賛歌と呼ばれるものだ。そんな愛によって生かされ、支えられ、励まされ、救われたセレスは、だからこそ宇宙を破壊しかねない凄まじい力を有しながら、同じように人を愛し、人のように泣きじゃくる。そして、そんな人の最も素晴らしい在り方である愛情を理解せず、一方的に踏みにじる敵を許さない。
今回のように貧富の差も絡んだ戦闘適応種と知性調整体という異なる階級たちの不平不満が募った上でのいがみ合い、という人の憎しみと怨み、そして各々の正義が絡んだ問題は、人の醜さが露呈する問題であり、感情が絡むが故に余計に悲惨になる話なのだけれど、だからこそそんな問題に対して裏から介入し、余計に問題を煽り拗らせ破綻へと差し向けようという悪意は度し難く、だからこそそれを犠牲を出さずに収めようという行為は尊いのだ。力があるから、何でも解決できるのではない。それを何とかしたいと切実に、必死に、身を粉にして奮闘する想いがあるからこそ、その根本に大切な人に幸せになって貰いたいという切なる愛情がこもっているからこそ、奇跡は起こる。セレスの力は、まさにその願いと祈りによって振るわれる聖剣であり、だからこそ愛が無ければ単なる破壊の力に過ぎず、それは救いも何ももたらさない。
セレスを救世主足らしめているのは、間違いなく彼に救われる人間たちが優しくも強い愛によってもたらした力であり価値なのだ。
一騎の機械生命体が幼き少女との交流の中で芽生え育んだ愛という感情が、回りまわって一つの星で吹き出しかけた人間同士の憎悪を吹き払い、この宇宙に蔓延る支配候という邪悪の存在を公のものとし、人類の敵とされて歴史の闇に消えた機械生命体の大勢力を、再び人類の絶対の味方として呼び戻す事に成功したのだ。
救世主セレスの誕生以上に、このウルヴァシーでのカイという機械生命体の示した光は、宇宙の歴史におけるターニングポイントだったのかもしれない。
このシリーズは、読めば読むほど人間って捨てたもんじゃない、という温かくも熱い気持ちにさせてくれる。その感動が、思わず目尻を熱くさせる。この物語で流される涙は、思わず溢れだしてくる涙は、悲しみのそれよりも嬉し涙や感動の涙の方がきっと大いに違いない。
さあ、ついに人類の態勢が整い始めた。人類の希望は、今此処に剣を掲げ、続々とその下に人の持つ愛と希望と可能性の素晴らしさを知っている者たちが大挙として集ってくる。
反撃のはじまりだ。

一巻 二巻感想

獅子は働かず 聖女は赤く 5.かくして、あいつは働いた3   

獅子は働かず 聖女は赤く 5 かくして、あいつは働いた (集英社スーパーダッシュ文庫)

【獅子は働かず 聖女は赤く 5.かくして、あいつは働いた】 八薙玉造/ポンカン─.后璽僉璽瀬奪轡緤幻

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さらわれたアンナを取り戻すため、“裏切りの獅子”ユリウスは中央教会の本拠地である教都ノヴァリアを襲撃した。激戦の末、アンナを取り戻したユリウスだったが、“焔鎧王”マルテは損傷。その窮地を救ったのは聖なる黒竜と化したサロメだった。彼女の力でアンナと共にガルダ正統帝国に逃げ延びたユリウスだが、教皇ヴァルターはそれをきっかけとして、セレスター王国と共にガルダ正統帝国討伐の軍を挙げる。大軍と共に迫る四機の御使い。戦を阻止するため、ユリウスとアンナは傷ついたマルテ単騎で立ち向かう!竜と鋼と魔女のファンタジー時々コメディ、ここに完結!!

もはやヴァルターが名前じゃなくて「腰痛」が代名詞になっちゃってるあたり、これほど不憫なラスボスも滅多と居ないんじゃないだろうか、と目尻が熱くなってしまった。竜に変身したなら腰痛が解消されるなら、もうずっと竜で居なさいよ、と言いたくなるくらい。
でも、「腰痛」呼ばわりされてる頃のヴァルターの方が愛嬌があって良いキャラだったんですけどね。ラスボス足ることを選んでしまった彼の宿業は、自身の在りようすらも歪めてしまうほどのものであり、希望を標榜しながらもそこにサロメと同じくらいの絶望が垣間見えて、なんだか哀れですらあったのでした。すべてが終わった時、重石から解き放たれたような安堵が感じられてしまった事が、何とも哀しくてねえ。
すべて諦めてしまっていたサロメも哀しい存在でしたけれど、諦めることが出来なくて頑なに、それこそ腰をイワシてしまうほど頑張り続けたヴァルターもねえ、辛かったねえ、と終わってみれば労ってやりたい気分に。
もっとも、その頑なさにどれだけ血が流れたかを思えば苦しい所なんだけれど、全部が全部彼のせいなどではなく、教団の在りようなんてものは時代の趨勢なんて部分も大きかったでしょうしね。【赤き聖女】マルレーネの悲劇なんて、その際たるものだったのでしょうし。
だからこそ、ヴァルターのあのラスボス化はある意味逃れがたい教団の宿業を一度破壊し、時代を一つ進める役目を担ったとも言えるのではないでしょうか。ヴァルターのそれは、教団の宿痾の部分を全部背負い、残った教団の人々に人間として正しい道を選ばせる形になったわけですし。
魔女への迫害も、教団の独善性の暴走も、固定観念そのものもぶち壊していってくれたのですから。
尤も、それが為されたもの、アンナの呼びかけがあったからこそですし、その呼びかけに応えるだけの善性と人として正しい信仰が、セレスター王国や帝国の首脳部や、教団の騎士たちにあったからこそ、と思えば、この大団円はまさにみんなの勝利、だったんですよねえ。
壊れかけのマルテただ一騎で、教団の御使い四機と渡り合うことになる総力戦から、まさかの大どんでん返しとなる、残ったすべてのキャラクターの総力を結集した大々総力戦。ラストバトルとしては十分の盛り上がりだったのではないでしょうか。

さすがに、もうクライマックス一直線の佳境も佳境で、悠長にいつものキレキレの掛け合いに興じるコメディパートは少なくて、なによりいつものアンナさんのごきげん連続殺人未遂事件もなく、アンナさん真面目なほうに頑張ってて、噂の歩く超危険人物的には非常に大人しかったので、その意味では少々物足りないものもありましたが。恒例のサロメお師匠様弄りも、お師匠様一杯一杯すぎてできなかったですしね。
それでも、ようやくつかみとった平和の中で、十分アンナさん自由に暴れるがよろしいですよ。サロメ師匠の弄られポディションは、もう生涯変わらなさそうですけどw
完結、お疲れ様でした。

シリーズ感想

カンピオーネ! 17.英雄の名4   

カンピオーネ! 17 英雄の名 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 17.英雄の名】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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神祖として復活したパラス・アテナの挑戦を受けた護堂。最凶の竜蛇神と化したパラス・アテナとの戦いの最中、ついに全ての神殺しを滅ぼす『最後の王』の封印が解かれてしまう! 圧倒的な力
の前に退却を余儀なくされた護堂は切り札となる『最後の王』の真の名を探り始めるが……!? 英雄と神殺しが織りなす超神話、最終章開幕!!

今回一番驚かされたというか度肝を抜かれたというか、なんですとーっ!? と阿呆のように口をぱかんと開けさせられたのは何かというと、最後の王の真名よりもむしろ、アイーシャさんとヴォバン侯爵の関係でしたよ。ヴォバン侯爵絶対友達いない人だと信じてたのに、まさかアイーシャ夫人にお兄さまッ、と慕われるというか懐かれるというか纏わりつかれているような関係だったとは。しかも、貴様など妹ではないわ、とか言いながら対応が激甘なのである。普通なら有無を言わさずぶっ殺しにかかるような人なのに、アイーシャさんには文句を言いながらも手を出さないし、何だかんだと受け入れてるし。アイーシャさん自身にも、自分には対応甘いのよお兄さま、とか思われてるしw
ほんと、このアイーシャさんに関しては、カンピオーネの中でさえ飛び抜けたびっくり箱ですわ。この人だけは何が飛び出すかわかったもんじゃない。結果が究極的にはた迷惑、という点だけは一切揺るぎがないのがまた始末に負えない!!
斯くして、ついにここまで引っ張りに引っ張った最後の王の真の名前が明らかに。面白いことに、そこに辿り着いたMVPが甘粕さんだったというのは意外も意外。何だかんだと、この人も飛び抜けて優秀なんだよなあ。と、魔術師関係で有能じゃない人は殆ど見たこともないのだけれど。それにしても、翠蓮姐にも褒められるくらいだから相当相当。
しかし、最後の王の正体についてはさすがにこれはわからなかった。自身の反応も、作中の人たちと同じく微妙な感じで、名前くらいは知っているけれど詳しくは全然知らない、というくらいのお人で。でも、地元のインド圏からその周辺地域からすると、知名度的にはすこぶる高い、というか日本人なら「桃太郎」を知らぬ奴はいないだろう、てくらいの日本における桃太郎、欧州圏におけるヘラクレスレベルの有名さらしいので、決してマイナーな人物ではないのです。それに、インド圏の神話世界というと世界最強の修羅の国というか終末戦争どんとこいレベルの兵器が飛び交うところですので、魔王を虐殺する英雄の生誕地としては全く以て妥当というかお似合いというか。そもそも「魔王」を討伐する英雄という神話があるところは早々ないでしょうからね。件の鋼の英雄神話体系においてすらも。
でも、さすが魔王の天敵というべきか、最後の王の人格と言い品性といい人間性といい、人格破綻者揃いのカンピオーネとは真反対の真人間の好漢で、ほんとにいい人なのが苦笑が浮かんできてしまう。なんか、いい人だからこそ貧乏くじ引いて魔王退治の役割を無理やり押し付けられている、みたいな感じで。好き放題やらかしまくっているカンピオーネに比べて、ほんと大変そうだなあ、と。なんだか、もっと八つ当たり気味にカンピオーネたちをボコっても良さそう、とか思ってしまうほどに。そういう事をせず、きちんと筋を通し、話も通じてそれどころか相手も尊重し、コミュニケーションスキルも高かったりするあたりが実に好漢なのである。
……ふむ、なるほどなあ。護堂さんからすると、ついついウルスラグナとの出会いを想起してしまうのかもしれない、彼の気持ちのよい涼やかな性格は。結局ウルスラグナは、まつろわぬ神の性質として顕現して時間が経つに連れて狂っていってしまい、神殺しを敢行せざるを得なくなったわけだけれど、護堂としてはあれ、決して好んでやったことじゃなかったんですよね。ウルスラグナとの間に交わした友情は本物だったはず。
だからこそ、かの太子を倒すよりも、むしろ彼を縛り付けている運命に対して敵愾心を募らせているのは、何となく彼の向かう方向性を感じさせられて、ニヤニヤと……。
でも、その結果として、前巻でワクワクと想像をたくましくさせられた、全カンピオーネによる共闘総力戦! という筋目が一気に怪しくなってきたわけでもあるんですよね。護堂さんからすると、太子への好感に比べて他のカンピオーネなど、姐さんやスミス、アイーシャさんを除くと、というか女性陣を除くとけちょんけちょんにして余りある小憎たらしい感情を抱いている相手ばかりですし。いっちょやっちゃるか、という気分になっても不思議ではあらずして。
てか、護堂さんのみならず、地球上に存在している魔王の数に比例して増強される最後の王の権能、という絶対脅威を前にして、みんなで共闘する、という道なんぞ誰一人一切頭にも思い浮かべずに、こいつらカンピオーネ全員、内ゲバ上等の気分で盛り上がりだしやがりましたぞ!!

こ・い・つ・らッ!!!

こんな非常識ではた迷惑の権化みたいな連中に、いったい何を期待しようとしていたのか、なんだか本気で自分が馬鹿に思えてきた。もうどうしようもないな、カンピオーネ!

でもまあそういう期待をしてしまうのは、先の斉天大聖に対しての翠蓮姐さんやスミスとの共闘があったからこそであり、今回もまた最後の王と、鋼の英雄たちを前にして翠蓮姐さんが護堂とガッツリ組んで一緒に戦ってくれた、という実績があったからなんですよね。特に今回の翠蓮姐さんと来たら、かなり護堂を立ててくれてましたし。いや、この人本当に強いなあ。カンピオーネは、強いというよりも生き汚いというか、相手がどうあろうと絶対に勝つという勝負師の極みみたなものを備えてる感じなんだけれど、翠蓮姐さんについてだけは勝負師としての極みを踏まえてさらに純然として強いッ!て感じなんですよね。格上をまったく格上を思わせない揺るぎのない強さがある。この人だけは、素のレベルで神様級に強いんじゃないだろうか。
ちなみに、姐さんが使ってた邪拳って、金庸とかの武侠小説を読んだことのある人は思わずニヤリとしてしまうものだったんじゃないでしょうか。

てっきり、最後の王との決戦はシリーズそのものの最終決戦になる、と思っていたので、今回は前哨戦としてお茶を濁して、メインの戦いはまた別の相手か、鋼の英雄たち相手のものなのかと思っていたのですが……この時点で思いっきりガチンコやんけ!! いやはや、もう今回最初から最後までフルスロットルで戦いっぱなし。太子も護堂サイドも小細工抜きに全力全開、という大盤振る舞い。これで、最終決戦でなかった、というのが恐ろしい。太子の反則極まる特性が明らかになっただけじゃんかよぅ。
気になるのが、果たしてアテナがこのままどうなってしまうのか、というところなんですよね。このまま敢え無く……という展開だったら、この巻でケリをつけていたと思うんですけれど、わざわざ次まで引っ張ったことに期待が浮かんでしまいます。何しろ、このシリーズの真ヒロインともいうべき柱ですからなあ。

シリーズ感想

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 3 3   

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 3 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-15)

【オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 3】 八薙玉造/雛咲 スーパーダッシュ文庫

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万能で最強の【星】のオリジンズだった伊原迅は仲間の裏切りで全ての力を奪われた。力を取り戻すべく、卑怯な手段でかつての仲間を次々と撃破していく迅だが、戦いの中で、彼女たちが抱えていた事情や想いを知り、仲間との絆を取り戻していく。そんな折、《異形》曲辻綾子が何者かに襲撃された。襲撃者を追う迅たちの前に立ちふさがったのは、かつてわかり合ったはずの【破滅】のオリジンズ、ミカボシ! しかし彼女は……。全てのヒロインを倒すバトルアクション、ノンストップでシリーズ完結! 事情も想いも知るか! 俺はヒロインを全員倒す!!
これは酷い!! って、これまで酷くないことなど一切なかったので今更なのですが。まだ毒されてない常識人のミカボシが、あまりの迅のクズっぷりとそれを許容してしまっていて、まあいつもの事です、とか気にする素振りもみせない迅の仲間たちの有り様にオロオロと動揺しまくっているのが、見ていて可哀想な程に。いやいや、彼女のほうがまだ当たり前の反応だから。なんだか、普通の反応してくれる子が出てきて安心してしまった。何気に今までの娘って、風紀委員の三人も含めてあっちゃこっちゃに性格すっ飛んでたもんなあ。本来敵サイドだったミカボシが、一番マトモというのは何とも皮肉なんだけれど、この場合完全にマイノリティとしてえらい目にあっているので、やっぱり可哀想w
今となっては一番酷い有り様になってしまっているのは、従者のサラですけれど。あんたもう、従者のオリジンとか関係なしに自主的に猫耳装着してるじゃないかっ! 当たり前に、語尾に「にゃ」とかつけてんじゃないか、自主的に! 命令だから仕方なく、とか自分に言い訳しておきながら、いつの間にか目覚めちゃってるじゃないか!
キャラが壊れる娘は案外珍しくないのだけれど、ここまで壊乱してしまった例は珍しいの一言。結局最初から最後までネタキャラに終始してしまったわけだし。
色々と予想外、というよりも予定外の茶々が入ってしまったせいで混乱したけれど、【星】のオリジンを盗んだ犯人は概ね予想通りの人物だった。
まあ、この娘しか居ねえわなあ。ちゃっかり最初の下手人のサラが本当に星のオリジンの一部を盗んでいたから、実際仲間連中がみんなして迅を裏切っていたのかとも思っていたけれど、咲楽の一件で決して仲間は裏切ったわけじゃなく、なんか実際にギッたのサラだけっぽいんじゃ、という流れになってきた段階で、じゃあ誰が怪しんだ、というとあからさまに怪しい人がすぐ側に居たのはだれでも気づいていたと思う。
つっこむとえらいこわいことになりそうなので、知らないふりをしているのが安全だったのですけれど。何しろ、心の闇が、心の闇が……怖い。
しかし、迅ちゃんよ。こんな痛い子が、自分の日記を公開朗読されたからといって何らの精神的ダメージも食らいそうにないんだが、本気で脅しのために放送で日記の朗読したんだろうか。単に咲楽とかイジメたかっただけじゃないんだろうか。この公開処刑、思いっきりバックファイアーで味方が処刑されてたんですけれどw

さすがにこの3巻は話をまとめにかかっていたせいか、2巻までのようなひたすらギャグコメでキャラクターをいじり倒す破壊力はやや鳴りを潜めていたように思う。その割に、迅の酷さはまったく衰えてなかった気もするけれど。お前、実は【マッサージ】のオリジン超気に入ってたんじゃないのか? ゴッドハンドで女の子イかせまくるのにはまってたんじゃないのか? ある意味、星のオリジン本体を取り戻すよりもマッサージの方に執着してたような。
【ヒューマンダスト(人間の屑)】伊原迅の変質者風小悪党的復讐譚、本当に酷くて、楽しかった。これを楽しかった、と言ってしまえる下衆さがたまらなかったですw
この作者さんの場合、ひたすらギャグし倒すというのも大いにアリというのが良く理解出来ました。

1巻 2巻感想

つくも神は青春をもてなさんと欲す 3 4   

つくも神は青春をもてなさんと欲す 3 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【つくも神は青春をもてなさんと欲す 3】 慶野由志/すぶり スーパーダッシュ文庫

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物の修理が得意な高校生・物部惣一は、極貧の「小槌飢饉」を解決し、茶釜の付喪神・つくもたちと茶を啜る日々を取り戻していた。学園祭が迫ったある日、普段は常識的な生徒会長が乱心し、「学園祭で人気投票を行い、最下位は生徒会の奴隷」というサバイバル企画を決めてしまう。さらに隣のクラスの久岐波海人とトラブルになり、鞘音との交際を懸けた学園祭投票数勝負が勃発。惣一はクラスメイトの姫風紫乃と共に実行委員を引き受け、必勝に燃えるのだが、姫風は挙動不審で…!?道具を愛する少年と小さなつくも神が贈る心の“おもてなし”学園ファンタジー、第3幕!
……あれ? これ、「突破」したんじゃね?
たまーに遭遇することがあるんですが、突然作者が世界観やキャラクターを完全に「掌握」したように、カッチリと土台が固まったみたいになる事があるのです。そうなると、主人公やヒロインといった主要のキャラクターのみならず、脇を固めるキャラクターやモブキャラまでが独立したように自在に動き出すんですよね。誰か一人のキャラやストーリに牽引してもらう必要なく、キャラクターや世界が自由に駆けまわりだすのである。勿論、物語として真ん中に一本の話の筋がどん、と通っているわけだけれど、その流れに乗り、寄り添いながらもそれぞれが独自のクラスタを形成するように動いていくわけだ。こうなると、それぞれのキャラが自分の視点で動いているから俄然世界観が広がっていく。ちょうど、学園祭というお祭り騒ぎだからこそ余計に引き立ったのだろうけれど、どこに目を向けても、顔を巡らせても、そこでなにがしかが起こっている。誰かのイベントが発生している。小さな物語が弾けている。
作品そのものが、躍動感を漲らせているかのようじゃないですか。
元々、良い雰囲気のアットホームなほのぼのコメディでしたけれど、ここにきて次の段階へとボーダーを突破した感じがします。このままなら長期シリーズになってもおかしくなさそう。

さて、今回新登場となりますヒロインの紫乃は、コミュ障というかこれはもう対人恐怖症を発症しているレベルの娘なんですけれど、意外なことにその素の性格はちょっと喧しいくらいのお喋りで忙しない感じの少女でした。普通、こういう人と関わるのを恐れて、クラスでも隅っこのほうで大人しくジッとしている子というのは、大概内気で大人しい子と規定されてしまうのですが、それだけに学校でのまともに会話も出来ずに吃ってしまう姿と、自宅に帰って弟と接している時の煩いくらいの遠慮のない姿のギャップには驚かされましたし、なかなか新鮮でしたね。
無論、こういう本来なら明るくお喋りな娘が、人と話しをするのも難しいくらいのコミュニケーション障害を得てしまうにはそれなりの理由があったわけですけれど、本題である仮面の付喪神によってもたらされる、素顔と仮面の違いについての話も踏まえて、本筋であるお話も面白かったです。
惣一と鞘音の、もはや熟年夫婦かという鉄板に対しての、当たって砕けるしかないヒロインとしての立ち位置も、この仮面の問題に踏まえることになり、なかなか芯のある話でした。
しかし、この主人公の惣一のキャラクターは改めてイイ感じだなあ。ラストで「ザマア」を見事にやらかしてくれたのは、痛快の一言でした。鞘音に対するガチっぷりも素晴らしいですし、愛嬌もあって実に好きですわ。
肝心のつくもは、惣一と鞘音が夫婦めいた感じになってきた分、なんか二人の子供みたいに見えてきたぞw

1巻 2巻感想

メサイア・クライベイビィ 2.それは銃弾より尊く強い5   

メサイア・クライベイビィ 2 それは銃弾より尊く強い (集英社スーパーダッシュ文庫)

【メサイア・クライベイビィ 2.それは銃弾より尊く強い】 八針来夏/黒銀 スーパーダッシュ文庫

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惑星サデュアルで支配侯を退けたセレスは、リューン達と共に次なる目的地「惑星アンダーツリー」を目指す。旅の途中で出会った学士・ソフィーヤと親交を深めるセレス達だが、そこに帝国要人暗殺部隊「ハービンジャーズ」が襲いかかる!!惑星ごと巻き込む理不尽な暴力を前に、セレスの絶大な異能が煌めき始める…!!泣き虫な救世主と巨乳姫君が贈る超ド級重力バトル、新たな巨乳も登場してスケールアップの第二巻!!
表紙は機械生命体のレイコと、ミカ・ヴァレナス。読み終えた今となっては納得の看板二人である。新たな巨乳の登場とか何とか謳っているけれど、実際の主役は間違いなくレイコですからね。
1巻では主人公のセレスを始めとして、主だった登場人物が流す様々な意味の、想いの込められた涙の熱さに、物語そのものの熱さを転写したような描き方をされていたこの作品ですけれど、この二巻ではもっとダイレクトに、今度は読んでいるこっちに涙を流させるような、魂を震わせるような熱い熱い展開の連続で、もう参った。泣くよ、泣いちゃうよ。もう、物凄い感情移入しちゃったよっ!
そう、本作って今どきでは珍しいぐらい、胸ぐらを掴んで揺さぶるみたいに登場人物たちの激しい感情の揺さぶりに共感させられるんですよ、感情移入させられるんですよ。特に、今回は機械生命体たちです。支配侯によって造物主たる人間たちを裏切るはめになった機械生命体たちの無念、憎悪、憤激、絶望。機械に過ぎなかった彼らに心が、感情が生まれてしまうほどの、悔しさ!! 感情が生まれてしまったが故に、造物主である人間たちから蛇蝎のように嫌われ、悪魔のように恐れられるようになってしまった哀しさを抱えながら、それでも人類の為に陰ながら奉仕し、支配侯と戦い続けた悠久の日々。
理解を得られることなどもう期待もせずに居た果てに、ついに真実に辿り着いた人間たちから捧げられる感謝の気持ち、セレスに抱く機械の分を超えた家族としての愛情、そして機械と人間という主従の関係を越えて育まれた友情という名の愛を手渡され、堪え切れないほどのあふれだすほどの歓喜に、打ち震える瞬間。
もう、レイコが持て余す感情の一つ一つに、切なくて、苦しくて、胸を打ち、良かったねともらい泣きして、泣けてきてしまう。
彼女たち機械生命体たちだけじゃない。この宇宙に蔓延る理不尽の中で足掻き藻掻いている人たちはどこにでもいる。それは、セレスたちと対立する帝国軍の人間も同様だ。帝国要人暗殺部隊「ハービンジャーズ」の面々も、敵役として登場するものの、彼らもまた「理解」されぬ理不尽の中で戦っている。誰も彼もが、無念を飲み下し、涙をこらえながら理不尽に打ちのめされつつ戦っているのだ。その彼らの悔しさが、無念がひしひしと伝わってきて、泣けてくる。
だからこそ、その無念が理解され、共感され、手を差し伸べられ、理不尽が打ち破られる瞬間が、この上なく輝かしいのだ。誰かに、自分のことを理解して貰えた時ほど嬉しい事はない。たとえそれが敵対する相手だろうと関係ない、愛する人とならば尚更だ。胸が一杯になって、爆発するように歓喜が湧き出し、嬉しさのあまり泣けてくる。
やっぱり、泣いてしまうのだ。
その力、破壊のためではなく、理解しあうために振るう者。理不尽を打ち破るために戦う者。人が、悔しさや哀しさに泣くのではなく、嬉しさに泣くことが出来るように、わがままを貫く者。卑劣で邪悪で呪わしいものに、涙の報いを与える者。これこそ、勧善懲悪の極みじゃあないですか。
メサイア・クライベイビィ―泣き虫の救世主ヒノ・セレス。その伝説の始まりが第一巻だとしたら、彼が自分の生き方を見出し、その戦う姿を目撃した多くの人々が共感を、勇気を、高揚を得た……宇宙に住まう善き心持つ人々の心に、炎が灯った転換点こそが、この二巻なのでしょう。その滾るような熱さにも、なんだか泣けてくる。
これこそ、熱い熱い、炎のように燃えたぎる愛の讃歌である。素朴な善の英雄譚である。人と人が分かり合う喜びの物語である。
心震わせる感動に、涙せよ。笑って泣けて痛快さに体の芯から熱くなれる、最高の一作でした。
うん、最高、ほんと最高ッ!

1巻感想

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 2 4   

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 2 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-14)

【オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 2】 八薙玉造/雛咲 スーパーダッシュ文庫

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マジで弱い主人公がマジで強いヒロインに挑む異能バトルアクション!

エロイよ!!!!!

最強のオリジンズだった伊原迅は仲間の裏切りで全ての力を奪われた。力を取り戻すべく、卑怯な手段でかつての仲間《鬼神》武速咲楽を倒したが、戻った力はほんの一部、絶妙の揉み心地を提供する力【マッサージ】のみだった。残る仲間を追う迅は逃亡中の《凶剣》戸塚布津乃、《異形》曲辻綾子が風紀委員会に命を狙われていることを知る。「だが、二人を倒すのは俺だ!」迅は風紀委員会を出し抜き、自らの手で二人の少女を倒そうとするのだが……。全てのヒロインを倒すバトルアクション! どけよ! 俺が先にやる!
犯罪、犯罪、それはもうアウトに見えてアウト!! こらーー、女子中学生になにするだー!! いやまじでなにするだーー!! 
おまわりさん、こいつです!!
あ、速攻で捕まった。逮捕されたよ。警察仕事した、さすがおまわりさん。良かったね、悪は滅びた……。

……だからちょっと待てというに、主人公!!

これでも自分、相当数のライトノベルを読んでますが、女の子に対してペロペロしたいと妄想したり、口に出して言っちゃうお馬鹿な主人公は存在しますよ、居ますよ。でもね、ほんとに女の子にペロペロしやがった、しかも女子中学生を裸にひんむいてペロペロして、あまつさえスカートを自分でめくらせて、ここをペロペロしてください、なんて懇願させる鬼畜主人公は初めて見たよ! 史上初だよ!!
凄いよ迅ちゃん、あんた星のオリジンなんて万能の力を振りかざしていた頃よりもずっとずっと輝いてるよ、最低にして最高だ! もうみみっちくて人間ちっちゃくて性根も歪んちゃって凄まじいろくでなしになっちゃったけれどさ、昔の爽やかで涼やかで嫌味のないイケメンなところなんて欠片も残っちゃいないけれどさ、それでも今の方がキラキッラ輝いてるよ。キラキラというよりも油っこくテラテラ輝いてるみたいな嫌な感じの輝きだけれどさ。

ああ、面白かった。お腹痛くなるほど笑った笑った。
上記したように、かつて世界を救うほどの万能の力を振るっていた頃からは見る影もなく、性格がねじれて卑屈な小悪党になってしまった主人公だけれど、どこか悪になりきれなくて、復讐を誓ったはずの自分を裏切ったヒロインたちに対しても、恨み妬み憎みながらもどうしても情を捨てきれず、未練がましく指を咥えているようなところがあって、決して鬱々とした暗さはないんですよね。憎めない愛嬌のある小悪党振りは健在。むしろ、加速中。しかし、女子中学生に犯罪行為をしでかすような最低な真似をしまくっているのだから、もうどうしようもないんですが。
どうしようもないといえば、サラのどうしようもなさも加速しっぱなしで、誰かブレーキ踏んでやれよ。もう弄られすぎて、ドM属性が発現してしまったのか、元の従者キャラってどこいったの?というくらいに完全崩壊。今度は無理やり魔法少女のコスプレとキャラの演じを強要されてのなされようが、それはそれもう……笑いすぎて涙を誘われる有り様で。サラの扱いに関してはもう誰も何も言わないのがまた……。
でも、結局ヒロイン全員のアリバイを明らかにしたら、マジで星のオリジン奪いにきてたの、実はサラだけだった、という、わりと酷い仕打ちをされても仕方ないような結果が出てしまったわけで……割りと自業自得なところあるよね、サラさん。

復讐相手となる元ヒロイン衆もさることながら、ちょい役かと思われた風紀委員の面々がまた異様にキャラ濃くて、登場シーンからの掛け合いで一気に存在感を確立していきましたね。桃ちゃんと儚菜ちゃん。漫才コンビとしては、迅と加那を上回る使い手なんじゃありませんか、これ。あかん、面白すぎる。桃ちゃんの能力なんか、効果を見たら凄まじい力のはずなんだけれど、何故かこの作品だとネタを提供しているようにしか見えない不思議。
心の闇との対決(物理)。
待ってください、物理的に心の闇を倒したからといって、心の闇を克服したのとは違うから、全然違うから。ただ殴って倒してるだけだからそれ、フルボッコにしただけだからww
何気に加那の心の闇に爆笑してしまった。あんた、そんな脳天気なキャラしておいて、どんだけやねん!! その一方で主人公と、肝心の能力者の桃ちゃんの心の闇が、また……おーい、いやもうまじでおーーーい!!

どこを見渡しても突っ込みどころしかないような気がしてきたが、綾子さんとの対決なんぞその極みである。おまえ、ほんとに最低だな!! 幼なじみになにやらせてんのやーー!!
もう卑劣な手段というよりも、卑猥な手段しかとってないんじゃないのか、迅ちゃん、よしもっとやれ!

バカエロの極みでありました、お馬鹿だ、本当にお馬鹿だ(絶賛

1巻感想

つくも神は青春をもてなさんと欲す 23   

つくも神は青春をもてなさんと欲す 2 (つくも神は青春をもてなさんと欲すシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【つくも神は青春をもてなさんと欲す 2】 慶野由志/すぶり スーパーダッシュ文庫

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物の修理が得意な高校生・物部惣一は、激動の「村正事件」を乗り越え、茶釜の付喪神・つくもたちと騒がしくも心温まる日々を送っていた。ある日惣一たちは粋華に頼まれ、ある付喪神を鑑定する。つくもの見立てでその正体は『打ち出の小槌』の付喪神と分かるが、突如その小槌を狙った忍者に襲撃される。さらにその後、惣一に不運による深刻な金欠という最大の試練が訪れる。やむなく喫茶店でバイトを始める惣一だが、店長の妹、四画崎比良がなぜか敵意を向けてきて…!?道具を愛する少年と小さなつくも神が贈る心の“おもてなし”学園ファンタジー、第2幕!
待て待て待て、あの伝説の名器をして流行りが廃れたから価値なし、なんてことにはならないだろう。幾らなんでも知名度が高過ぎる。実際、このタイプは古織さんじゃないけれど、見ててはにゃんとなる面白いだけじゃない味のある、乙な名物だと思うんだがなあ。
まあ、失われた名物だけに、実は現存してました、と言われても偽物呼ばわりされてぞんざいな扱いをされてしまったのも無理からぬ事なのかもしれないけれど。って、ググったらほんとに現存しているとされるモノが美術館にあるんだ。まあこれについては、残っていると言われても「えー」と斜めに見ちゃうよなあ、やっぱり。さて、比良ちゃんなんだが、これまたひどい属性がついちゃって。つくもが、元の姿である茶釜らしい「おもてなし」の能力を持っているのに比べて、この娘のそれは合ってるけど違うだろっ、と思わず突っ込んでしまうような能力で。本人の意図するところではない上に、比良ちゃん自身忸怩たるものがあるようで可哀想なんだが、それでもこれは酷い(苦笑
酷いといえば、あの打出の小槌も酷いよなあ。なんか、いいコト言ってるふりしてやってること、ろくでもないじゃないですか。妙に上から目線で試しにかかってますけれど、あんたにそんな試しされる謂れはないし、一方的だし、起こされた障りがガチできついんですもん。金欠ナメんな。お陰で妙なところで人間関係ギスギスしてしまったわけですし。
そこに至るまでの、惣一と、鞘音とつくもの三人のアットホームな雰囲気がとても素敵だったので、一時的にとはいえそれを邪魔されたことでプンプンですよ。
それにしても、鞘音のまた可愛いこと可愛いこと。お嫁さん属性ヒロインのニューカマーですよ。これまでの経緯もあってか、口数が少なく表情も乏しい系の人付き合いが苦手なタイプの娘だったのですけれど、今となってはそれがむしろより一生懸命さ、健気さを醸し出してるんですよね。尽くす系だ。惣一は惣一で、すでに店を切り盛りしているだけあって、独り立ちしている男の子なだけに、古臭い一軒家でちゃぶ台を囲んでいるともう熟達した若夫婦の雰囲気が。つくもがくっついているのも、むしろお子様がコブとしてついているみたいな感じになっちゃってますもの。
個人的には、男の貫目としては鞘音の申し出はあえて受けて甘えるのが懐の深さだったんじゃないかなあ、と思わないでもない。そこで男の意地を張るのは、まあ男の子らしいんだけれど、単なる見栄っ張りだよね。甘えさせてもらった分は、違うことで還元するのが甲斐性ってなもんだったと。まあ、そこはそれ、今回は仕方ないということで。四画崎兄妹と新しく出会うきっかけになったという意味では、大いに実りのある選択だったわけですし。惣一は別に世間知らずでも苦労知らずでもないので、改めてバイトしたからといって、それほど新たな見識や社会の在り方を発見したり身につけたり、ということはなかったとは思うんだけれど、比良という少女にとっては良い出会いになったし、惣一にとっても四画崎さんという独特の感性と、大人らしい懐の深さを持った人と出会えたのは、男の貫目とは何なのかを肌で理解する良い機会になったんでしょうし。四画崎さん、絶対に外に現地ヒロイン居るよな、この人。ある意味、別の物語の主人公みたいな感じの人だし。いや、外に行かなくても、持ち歩いているアレからして、女性人格じゃないの、もしかしてw
それはそれとして、実はこの世界、ド派手なバトル展開をやってる付喪神の裏社会もあるんだよ、と明示しておいて、はっきりあっちとこっちを区切ったのは面白かったなあ。安易にそっちに走らずに、ちゃんと線引してくれたのは、安心もしました。鞘音はあれで、かなり出来る娘だけれど、あんまりバトル展開似合う娘じゃないですからねえ。
このまま、ほのぼの賑やかでアットホームなラブコメを続けて欲しいです。粋華たちも、もっと出番増やしてもらって。せっかく、みんな良いキャラしてるんですから、じっくりみんなでわいわいして欲しいや。

1巻感想

メサイア・クライベイビィ 〜救世主はよく泣く〜  

メサイア・クライベイビィ 〜救世主はよく泣く〜 (スーパーダッシュ文庫)

【メサイア・クライベイビィ 〜救世主はよく泣く〜】 八針来夏/黒銀 スーパーダッシュ文庫

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人類が重力テクノロジーを発達させ、広大な宇宙に生息圏を広げて数千年。銀河の侵略者「帝国」により滅ぼされた故国奪還を目指す姫君リューン=サデュアルは、一人の少年と出会う。少年の名はヒノ=セレス。後に銀河中で“泣き虫な救世主”(メサイア・クライベイビィ)と呼ばれることになる、人類最強の重力制御能力者だった…!
 「あ、あの……ご、ごめんなさい。わらわ、おっぱい押し付けてごめんなさい」
「……さては君、馬鹿だろ?」
 泣き虫な救世主と巨乳姫君が贈る、超ド級重力バトルスペースオペラ、堂々開幕!!
この物語の主人公であるセレスは、サブタイトルにもあるとおり、実際に良く泣く。決して弱虫で泣くことしか出来ないような子ではなくて、生まれ育った特殊な環境のせいで、感情の発露がそのまま涙腺を刺激してしまう為に涙が出てしまう、という理由なのだけれど。でも、そのせいか彼からはダイレクトに涙を通して生の感情が伝わってくる。悔しさ、嬉しさ、悲しさ、恥ずかしさ、怒りと喜び。子供のような生の感情が涙を通してこぼれてくるのだ。それは、死人谷という人間が人間らしく生きることの出来ない世界の中で生まれ育った一人の少年が、泣くことで生まれ変わり「人間」そのものになっていくかのようなのである。
彼に限らず、この物語の主要な登場人物には「泣く」という行為が常に寄り添っている。愛する人達の行く末を想い涙するバリル翁。絶望に、悪夢に、悲嘆にくれるリューンの涙。機械生命であるが故にどれほど泣きたくても涙を流せないレイコ。そして自分の意志も自由も奪われて、唯一涙だけが囚われた心からこぼれ出すリザ。
泣く、という行為には、無意識にあふれだす涙という存在には、どれほどの心が込められているのか。どれほどの愛情があふれているのか。
愛ゆえに泣く、人だからこそ泣く。喜怒哀楽あらゆる感情に、涙という雫は寄り添っている。嬉しい涙をながすため、悲しみのために流される涙を止めるため、泣くことの意味と価値を誰よりも知っているからこそ、ヒノ=セレスは救世主として戦う事を選んだのだ。これほど、人間らしく尊い戦いがあるだろうか。
戦う相手は、涙の意味も価値も知らない、泣くことをそもそも知ることのない悪意の結露、愛を知らぬ真なる邪悪。人が人であることを根底から否定するすべての意志ある者たちの大敵。
まさに、宇宙を股にかける壮大な戦いの物語なのだ。相変わらず、この作者が描き出す思わずワクワクと胸が高鳴るようなスケール感は健在で、銀河武侠モノという前作のようなジャンルにはさすがに行けなかったみたいだけれど、もう根本的にそういう作風なのか、やっぱり人心の心構えというか、人間同士の親愛のつながり方が武侠ものっぽいんですよね。そこに愛があり、義があり、誠がある。プラスしてド派手にして躍動感あるエンタメ要素タップリの演出が敷き詰められていて、読んでて楽しいのなんの。
リューン姫さまのちょっとすっとぼけたキャラに、セレスとの初々しくも瑞々しいラブコメに、ヒョイッと玉を転がすように笑わせてくれるテンポの良いギャグに、と情感に訴えるテーマ、壮大なスペオペ要素だけじゃなく、軽妙なコメディタッチの部分も大変おもしろく、いい意味で隙のないさすがと思わせてくれる絶品でした。
ちょっと1巻である程度話をまとめるためか、慌ただしい展開や進展もあった感じだけれど、もしシリーズ化するならそのへんも落ち着いてくるんじゃないかな。キャラもすでに出揃ってますし。
テッカイオーが打ち切りとなると忸怩たるものがあるんですけれど、せめてこっちは頑張ってほしいなあ。応援してます。

八針来夏作品感想

カンピオーネ! 16.英雄たちの鼓動3   

カンピオーネ! 16 英雄たちの鼓動 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 16.英雄たちの鼓動】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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魔王、囚われの身に!? 平和なクラスで起きた珍事件「囚われのカンピオーネ」、エリカと護堂のある夜の出来事「ローマの休日・深夜版」等短編を一挙収録! さらに古代ガリアから帰還した護堂たちが再び相見えるのは、かつて倒したはずの宿敵たちで…!? 封印されし「最後の王」をめぐる最終決戦の鼓動が、今聞こえはじめる……!!
短篇集、ちょうど時系列的にはシリーズの最初の方から最新のところまで満遍なく流れているのだけれど、こうしてみると護堂のスタンスが順調に変わってきているのが如実に見て取れるんですよね。
例えば、「ローマの休日・深夜版」では、エリカにキスすることに関して、お前は特別だから気軽にキスなんて出来ない、と言っていた護堂さん。エリカとのキスをある意味神聖視していた護堂さんですが、一番新しい話では言い訳とかキスしなければならない理由を抜きにして、純粋に愛おしくてキスしたいからエリカと濃厚なキスにかまけているわけです。いつだって本気のキスしかしない護堂さん、その本気のキスを乱れ打ちに乱発しているんですから、そりゃあ女殺しと言われても仕方ない。まあ、それだけ相手の女性陣も魅力的だからなあ。特にエリカのとびっきりのイイオンナっぷりは、改めて見ても並大抵のものじゃありません。彼女の場合は特に海外欧州付近で二人きりだと、凄く絵になるんですよね。エリカはリードするのも男の人を立てるのも上手い上に、護堂さんもなんだかんだとエスコート上手い人なので、デート風景が十代の初々しいそれとは全然違うんだよなあ。特に欧州だと、海外旅行のお上りさん、という風が全然ないものだから、映画みたいなデートになってしまうわけで。
代わりに、日本の風景が似合うのが祐理。意外と護堂の地元の日常風景が一番似合うのはリリアナだったりするのが面白いところ。祐理も家庭的なのは、南方で同棲してた時にわかったところなんだけれど、彼女上品すぎて護堂の地元の下町に入るとちょっと微妙にズレがあるんですよね。その点、リリアナの方が実は庶民的だったりするんですよね。
恵那については、また別の魅力があるんですが。

さて、今回は護堂さんの天敵……破邪顕正の神様の登場である。二郎真君と言えば、天界で暴れまわってた斉天大聖を懲らしめに駆け回っていた印象どおり、正義の味方というよりはお説教魔というかお仕置き魔というか、邪悪を討つ人というより邪気なく悪いことをしてまわる悪童に罰をくれる人、という印象が強いのですが……案の定、護堂さんも目をつけられてしまいました。仕方ないよね、斉天大聖並に懲りずに大暴れしてる輩ですし、護堂さんは。あれだけ言い訳しているくせに、自覚はあったようで、民衆の敵に対してしか発動しないはずの白馬を自分めがけて発動させているあたり、反省してるくせにこいつ後悔してなさそうだよなあ、と。
しかし、今回さらっと明言されてましたけれど、ちゃんとまつろう神として顕現してしまう前に神様たちが存在している時空、というのが実際あったのか。須佐之男神なんかはまつろわぬ神の成れの果てみたいなものらしいので、果たして神界があるのかとは疑問に思ふところではあったんだけれど。あったにしても、まさか現世に干渉出来るほどのものだった、というのはそれなりに驚き。まあ、パンドラさんとか居たわけだしなあ。

そして、ラストは次巻へと続くファイナルエピソードへの幕開け回。そう、我らがヒロイン、アテナ再誕である!!
なるほどそうか、アテナの再登場、そういう形で用意されていたのか。確かに、以前から神祖という存在は女神の成れの果て、と言われてたもんなあ。
でもこれで、アテナを護堂さんがゲットしてしまう可能性がグッと増えたんですよね。神様の場合はまつろわぬ神としてどうしても狂気に侵されて正気を逸してしまうのは、かのウルスラグナが証明してますし、神様である以上アテナと護堂は決して両立出来ない定めだったけれど、神祖になってしまえばなんとでもなりますもんね。こりゃあ、鴨が葱を背負って来た!?
そしてそして、どうしてこれまで護堂が神様を倒しても倒してもなかなか権能が得られなかったのかがよくわかった。かつて護堂が倒した神様たちの、再顕現である! もう二度とその姿で現れることはないだろう、と言われてしまっていたランスロット姐さんまで出てこられては、興奮は隠せない!!
普通、再生怪人というと完全にやられ役なんだけれど、この神様たちは絶対そんなタマじゃないもんなあ。だいたい、これってまず護堂と再戦、ではないですよね。これって、他のカンピオーネたちと対決パターンです。まさに神の軍団VS魔王軍団という頂上決戦。あかん、鼻血出そうや!!
仮面の風神はドニが相手するようだし、斉天大聖は元々姐さんが狙ってた相手だし。となると、ランスロットやペルセウスも、スミスやアレクあたりと当たりそうなんですよね。うはは、斉天大聖戦での三対三の超絶決戦であれだけ燃えたのに、それ以上の総力戦となると、どれだけ盛り上がることか。
前振りとしては、極上すぎるご馳走じゃあないですか。始まる前からテンションあがってきたー!

シリーズ感想

カンピオーネ! 予約開始  


スーパーダッシュ文庫、今月分の予約開始です。
【カンピオーネ!】は、どうやらこれ、久々の短篇集みたいですね。絵師さん、ここ数巻デザインごろっと変えたなあ。ベン・トーは、これが正真正銘最終巻ということで、表紙もヒロイン固め。もっかい著莪挽回シて欲しいなあ。
【メサイア・クライベイビィ】は、銀河武侠モノというツボをつきまくった【覇道鋼鉄テッカイオー】の作者の新シリーズ。こちらもスペオペの類っぽい?

カンピオーネ! 16.英雄たちの鼓動】 丈月城(スーパーダッシュ文庫) Amazon
ベン・トー 12.デザートバイキングプライスレス】 アサウラ(スーパーダッシュ文庫) Amazon
メサイア・クライベイビィ 救世主はよく泣く】 八針来夏(スーパーダッシュ文庫) Amazon
 【パパのいうことを聞きなさい!15】 松智洋(スーパーダッシュ文庫) Amazon
 【代償のギルタオン 2】 神高槍矢(スーパーダッシュ文庫) Amazon



オーバーラップ文庫も予約開始。ただ、翅田大介さんの新作は予定未定の延期状態に。ご本人のツイッターにも告知ありました。

よろず屋退魔士の返済計画 3.時を越えた再会】 SOW(オーバーラップ文庫) Amazon
隻眼の龍王と水晶機装の戦姫<クリスタワルキューレ> 1】 土屋つかさ(オーバーラップ文庫) Amazon




そしてファミ通文庫。
ウェブ上で現在も連載中のヒロイックサーガ【辺境の老騎士】が、ついに登場。いや、これは文庫じゃなくて単行本なのですけれど、ぶっちゃけこれは文句なしの傑作にして名作なので、問答無用で買いです。
他は新人賞受賞作品の後続。それから、こちらもウェブ小説で名を馳せた一作(自分は未読)の【天啓的異世界転生譚】。舞阪さんのまたまた新シリーズは、探偵物にして剣戟モノというお得意のジャンル2つの合わせ技で参りましたよこれ。

辺境の老騎士1】 支援BIS(エンターブレイン) Amazon
 【奈落英雄のリベリオン】 朝凪シューヤ<第15回えんため大賞小説部門・優秀賞>(ファミ通文庫) Amazon
 【神武不殺の剣戟士 アクノススメ】 高瀬ききゆ<第15回えんため大賞小説部門・特別賞>(ファミ通文庫) Amazon
 【ものぐさ寝猫と怠惰な探偵帖 1】 舞阪洸(ファミ通文庫) Amazon
 【天啓的異世界転生譚】 ウスバー(ファミ通文庫) Amazon
 【覇剣の皇姫アルティーナ V】 むらさきゆきや(ファミ通文庫) Amazon

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 4   

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! (スーパーダッシュ文庫)

【オレのリベンジがヒロインを全員倒す!】 八薙玉造/雛咲 スーパーダッシュ文庫

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物理法則を超える力、オリジン。伊原迅は地球上に存在する全てのオリジンを操る万能にして最強の“星”のオリジンの使い手だった。“流星事件”の夜、迅は地球を救ったが、直後、仲間だったはずの少女たちに裏切られ、“星”の力を奪われた。二年後、迅は力を持たないただの高校生になっていたが、諦めてはいなかった。裏切りの少女たちに復讐し、“星”の力を取り戻すため、迅は手段を選ばず、エロい手も辞さず、最強無比のヒロインたちに迫る!全てのヒロインを倒すバトルアクション!
さ、さすが落ちぶれて身を持ち崩してクズになってしまったダメ人間を描かせたら天下一品だぜ、八薙先生!!
全然褒めてない気もするけれど、もうねえ、この人ダメ人間書かせると素晴らしく輝くんですよね。想えばデビュー作のエミリーもあれ、相当に落ちぶれて堕落しきってたもんなあ。現在も続いているもう一つのシリーズの【獅子は働かず 聖女は赤く】の主人公なんか、幼女に働かせて自分はニート決め込んでる怠惰の極みだったし。その最低っぷりが、どのキャラもホントキラキラと煌くように腐ってるんですよね、あんなイキイキと全力で腐ってるクズはいないぜ、って勢いで。
本作の伊原迅も、それはもう拍手喝采で讃えたいくらいの惨めな落ちぶれっぷりで、もう未練がましさが見っともないわ目も覆わんばかりの有り様だわ、性根のネジ曲がり方の清々しいこと。かつての英雄が狡っ辛い卑怯な手蔓と、浅ましい欲得と、口から出任せの虚言を駆使して、ほの暗い復讐心を満たして悦に浸る小悪党っぷりが、もう素晴らしく輝いてるのであります。腐りっぷりがキラキラ輝いてる、というのは変な表現だけっれど、迅くんの場合はもうそうとしか言いようがないもんなあ。これだけ腐りきってるのに、見ていて微笑ましいというか愛嬌があるというか、あまりにチョロい小悪党すぎてついつい応援したくなってしまうほどである。
彼にくっついている幼なじみの神那がまた、迅の外道働きの制止役になってるのか煽り役になってるのかわからない、かなり訳の分からないキャラで……、てか煽ってるよね、これ煽ってるよねw 実はこいつが黒幕なんじゃ、と思えてくるくらい無邪気にはしゃいでおります、この娘。

で、肝心の裏切り者への復讐劇なのですが、かなりシリアスに進行するのかと思ったら、変に深刻にならずに思いっきりコメディ進行で突き進むのですね。小悪党に落ちぶれた迅に成り代わって、新たに正義の味方な主人公役は風のオリジンの持ち主である樹が務めて、迅と真っ向から敵対していく流れなのかと思ったら、全然予想外の方向にキャラが突き進んでいってしまって……待て新主人公、おまえ神那と同類の煽り役になってるぞ! あかん、この子はこの子で立ち位置が面白すぎる。真面目で正義感の塊である主人公枠は変わってないはずなのに、アホの子であることが明らかになった途端、その主人公キャラのまま迅の外道働きを全力で後押しする煽り役にハマっちゃってるんですが。一緒になってサラさん弄りまくってるんですがw 子分か!
クールで感情を見せない鉄面皮の従者キャラとして登場したはずのサラさんからして、途中から凄まじい勢いでキャラが崩壊してしまってるし。カラー口絵とか登場時と全然キャラ変わっちゃってるんですけど!! 
……ニャンニャン(爆笑

あかん、すっとぼけた掛け合いが面白すぎる。
迅くんもほんと性根腐りきってしまっているのですけれど、彼の復讐はある意味正当ですし、オリジンを失った彼は卑怯極まりない外道な手練手管で復讐相手に挑んでいくんですけれど、ほんとやり口ゲスなんですけれど、いい感じにノリノリなので嫌悪感とかは感じなくて、いいぞもっとやれ!! という感じで思わず声援を送ってしまうノリに……。だって、周りの連中だって煽ってるしw
本当に越えてはいけない一線はこえてませんですしね。小悪党には成り下がってますけれど、ちゃんと良心とか自分を省みる視点とか他人への思いやりとかは失ってませんし。単に落ちぶれて腐って歪んでしまっただけなんですよぅ。ダメじゃん。
まあ、エロ方面については軽くこえちゃってる気がしますが。若干アウトです。こいつ、自重しねえ。やるな、基本ヘタレっぽいくせに、エロに関しては益荒男だったぜ、尊敬。
まだまだ裏切り者に対する制裁は半分が済んだばかり。残る二人に対する復讐劇がいかなる目を覆わんばかりのついつい指の隙間からガン見したくなるような酷い惨劇になってしまうか、期待が募るばかりです。
いい具合のバカ小説でした、グッジョブ!(笑

つくも神は青春をもてなさんと欲す3   

つくも神は青春をもてなさんと欲す (スーパーダッシュ文庫)

【つくも神は青春をもてなさんと欲す】 慶野由志/すぶり スーパーダッシュ文庫

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物の修理が得意な骨董品屋生まれの高校生・物部惣一は、ある日、クラスメイトの月野原鞘音が「他人に不幸を撤く力」を持っていることを知る。その呪いのような力を持つがために、他人と距離を置き、空虚な表情を浮かべる鞘音の姿を見た惣一は、彼女を救いたいと思う。そんな時、惣一へ祖父から古い茶釜が届く。その正体は付喪神という、道具が精霊と化したものだった。幼い少女の付喪神に「つくも」と名付けた惣一は、彼女が持つ“お茶で心をもてなす能力”を使い、鞘音を救うべく動き出すが…!?
第12回スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞受賞作!
茶釜というと中に爆薬を詰め込んで自爆するものだと、そんな固定観念に縛られてしまっている昨今ですが、そういえば茶釜ってお湯を沸かすものだったんだなあ、と久々に思い出した。でも、今の子は茶釜なんて言われても容易に形が思い浮かぶもんなんだろうか。自分が子供の頃は分福茶釜のお話を絵本なんかで読んだものだけれど。今の子供も日本昔ばなしみたいな日本古来のお伽話を普通に読んでいるものなんですかね。こればっかりは、自分か身近に小さいこどもがいないとなかなかわからないものです。
でも、茶釜って見ていても楽しいですよ。ざっと画像検索しただけでもいろいろな形のが出てきますし、見目を楽しませてくれます。いいものが名物として過去から現在に至るまでもてはやされているのも、まあわからなくもないんですよね。
と、話が茶釜の方に流れてしまいましたが、本作は新人作品と思えないほど卒なく丁寧にまとめられた良作でした。と言っても小さくまとまっているわけじゃなくて、キャラクターが生き生きしている弾むようなリズム感によって構築されている作品で、最近こういう初っ端から上手いなあ、というのが増えましたねえ……って、自分の中の
「最近」の定義が十年単位で延長されている気もするのですけれど。裾野が広がることによって最初から玉から出発する作品が少なくない、というのも間違いないと思うのですけれど。
一番お気に入りなのが、鞘音が彼女自身を暗闇に沈めていた諦めから解き放たれたあとの、あの静かな、でも剥き出しになった感情の描写でした。あの終わることのない闇から迷い出てきたような、おぼつかなくも呆然としながらも、じわじわとこみ上げてくるように自分の身に起こったことを実感していく、あの鞘音の感情表現は、その後の惣一への縋るような、離れてしまえばこれが束の間の夢のように融けてしまうかのように必死になって離れまいとする姿といい、心に迫ってくるようなシーンだったんですね。あれはもう、鞘音がどれだけの絶望に苛まれていたか、そこから救われたことが彼女にとってどういう事なのかをこれでもかと伝えてくれる良いシーンだった気がします。
押し付けがましくなく軽妙でありながら、芯の通った頼りがいのある主人公に、マスコットのように可愛らしいつくもという茶釜の少女。どこかポンコツな巫女さんといい、掛け合いもテンポもよく、読んでいて楽しかったです。
ただ、後半はマキが入った、というか前半で見せた丁寧さが幾分性急さに押し流された感があります。人形少女とそのマスターとの交流も中途半端なままで、クライマックスの展開に流れ込んでしまいましたし。
そのクライマックスも、バタバタとバトルになってしまったのはちともったいなかった気がしますね。なんちゅうか、そぐわないというか、テンプレート的にバトルで決着をつける、という固定観念に沿ってしまったようなブレが
かいま見えたというか。バトルに流れる展開を小手先に感じてしまったというか。個人的には、対決が必要だったとしてももうちょっとあっさりと片付けて、心や言葉に重点を置いて呪いを解いて欲しかった。なにしろ、つくもの特性が、心を和ませる能力ですからね。最終的に、その能力で呪いとなっていた意志を解きほぐすことになるのですが、トドメじゃなくて過程にもその要素を重視して欲しかったですよね。それだけ、情感に訴え心を温めるタイプの王道作品としての冴えを前半で大きく感じていたものですから。
いずれにしても、初っ端から非常に完成度の高い作品でしたので、もしこのまま続きが出るにしても高い位置で安定した続編を出してくれそうで、楽しみです。安定したままこじんまりとしないでくれるとありがたいですね。頑張って掘り下げて掘り下げて♪

ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円4   

ベン・トー 11 サバの味噌煮弁当【極み】290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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狼たちの集大成!
半額弁当争奪戦、ここに極まる!!
半額弁当バトルに青春を賭ける佐藤洋は魔導士に拒絶され、涙する槍水を見て以来、HP同好会の部室へ向かう足が遠のいていた。そしてその夜を境に佐藤、槍水共に弁当の奪取率が急激に落ち込んでしまう。この状況を変えるために、白粉は一人魔導士へ戦いを挑むのだが…。そして悩める佐藤が狼として、男として槍水に告げた決意とは…? 「最強」の称号と【極み】と名付けられた弁当を手にするため、今、狼たちが集結する! 半額弁当をめぐる青春シリアスギャグ・アクション、史上最大の特盛りで贈るクライマックス!!

ちょっ、ちょっと待て。もしかして、狼を極めてしまうと必然的にスーパーの半額神へとクラスチェンジしてしまうのか!? 最強へと至った狼の就職先はスーパーなのか!?
実は先刻読んだ【ベン・トー】の漫画版でチラッと未来編みたいなパートがあったんだけれど、これは茉莉花の夢、という形にはなっているのだけれど、オルトロスの二人も半額神になってるんですよね。今回明らかになった、狼の前代とも言うべき「騎士」たちの頂点に立った男の征く果てを見てしまうと、さてはウィザードも将来半額弁当争奪戦に携わる職業についてしまうのではないかと想像してしまったじゃないか。日本みたいなスーパーの形式を持たないアメリカなどでは、半額弁当争奪戦などは無いそうなのだけれど、そこはウィザードがどうにかしてしまいそうな。なにしろ、天才だしな!!

その天才様の顔を青くさせた白粉は、間違いなく今回のMVPだったんじゃないでしょうか。もしかしたら、ラストの魔導士との最終決戦よりも、白粉の死戦の方が熱かったかもしれないというほどに。正直、白粉があんなにかっこよくなるなんて想像だにしていませんでしたよ。もうずっと「モンスター」化してしまっていたのに、最後の最後にあんなに覚悟決まった誇り高き狼になるなんて、ズルいよ。
覚醒した白粉の能力もまた凄まじかった。あれ、単純に弁当をゲットするだけなら、魔導士に勝ててましたし。能力を悟られるまで、実際圧倒してましたし、取れる場面もありましたから。ってか、もはや弁当争奪戦という舞台で使うには能力のスケールがパなすぎるよ!(笑
まあ、スーパーという限定空間でしか使えない能力だろうから、まさに弁当争奪戦にしか使えないんだろうけれど。白粉の敗因というか、魔導士が指摘するところの彼女の狼としての足りなさは、結局「食べたい」という飢餓感の少なさなのかな。彼女は最初から空腹に対する飢えた感覚、美味しい弁当を食べたいという意気が他の狼に比べて薄いところがありましたし。彼女が「腹の虫の加護」を十全に受ける事ができるようになったら、とてつもない狼になれそうなんだがなあ。肉体的な弱さってのは、この半額弁当争奪戦の場合概ね「腹の虫の加護」で克服できるものらしいのは、白粉以外の女性陣がまったく力勝負で引けをとってないことからも明らかですし。

しかし、今回は魔導士との戦い、最強の称号を巡る動きがあまりにも中心すぎて、「うまい弁当を食べるコトこそ至上」という物語の芯とのバランスが非常に危ういものだった気がします。確かに、佐藤の勝利の要因はうまい弁当を食べたい→誰かと一緒に食べる弁当こそ最高の味、という結論で、主題こそ貫けていましたけれど、どうしても最強の座や、恋愛修羅場が話につきまとい続けていたので、戦う理由の研ぎ澄まされ方がぼんやりしていた感じなんですよね。その意味では、広部さんの回に比べて純粋さに欠けてしまうし、逆に戦いの価値がメインだったオルトロス回と比べても、戦う人たちの心に余分が多かった気がする。そもそも、肝心の魔導士がラスボスとしてはやや下衆になってしまって、品格を落としてしまってたからなあ。図らずも、2巻のモナークことパッドフットと似たような雰囲気になってしまった気がする。そのパッドフットが今なお狼として健在で、佐藤と一緒に弁当を食べるシーンに至ったのは、ちょっとじゃなく感動してしまいましたけれどね。
場に出れる人は集えるだけ集まり、出れない人もその最強を決める最後の戦いに思いを馳せ、はじまった最終決戦。これは火が盛り上がるというよりも、聖火リレーみたいな感じで、最後の魔導士と佐藤の激突まで戦いの中でも皆が橋渡ししていくような雰囲気で、そうですねえ、劇場版のクライマックスシーンみたいな流れそのものでした。だから、幕が引いていくのをぼんやりと見送っているような感覚でしたね。
なんだか興奮するよりも、終わっていく感じが……寂しかったです。
個人的に、圧倒的に著莪派だったんで、先輩エンドは佐藤の気持ちは本気度はともかくわりと一貫していて納得は出来ましたけれど、だからといって嬉しくはなかったですね、こればっかりは正直な気持ちとして。著莪の内助を見てしまうと尚更にねえ。先輩、全然気持ち向いていませんでしたし、ずっとヘタレたまんまで狼としてもヒロインとしても見せ場らしい見せ場は殆どありませんでしたし。
むしろ、白梅ルートもありだったんじゃないか、と思える今回の白梅さん。いや、恋愛的に脈ナシなのはわかってるんですけれど、バレンタインでチョコくれたあたりから彼女の佐藤への当たりがものすごく柔らかくなってて、さらに今回のあの態度でしょ? ガチレズだけれど、結婚くらいならしてくれるんじゃないか、とか思っちゃうじゃないですか!!(逆ギレ

ちなみに、佐藤がついに魔導士に打ち勝つ「真理」に辿り着いたのは、狼としてでも先輩への想いゆえでもなく、ひたすらに「真のセガユーザー」だったが故、にしか見えないのは自分だけだろうか。
いやだって、ようやく得た最後の答えを語るシーン、ほとんどセガ語りだったじゃないか!! セガを愛する心こそが、佐藤洋を魔導士をも上回る真の騎士の高みへと導いたようにしか見えない。つまり、セガ最強! というのが、このベン・トーの結論だったんだよ! って、弁当全然関係ねえ!! 
つまり、このベン・トーの真のタイトルは「セガガガ2!」だったんだよ!
……お後が宜しいようで。

物語的にはここで終わってもおかしくないのだけれど、どうやら最終巻はもうひとつ先の模様。もう少し続くんじゃよ、ですか? こっから、どう収集つけるんだろう。

シリーズ感想

カンピオーネ! 15.女神の息子4   

カンピオーネ! 15 女神の息子 (カンピオーネ! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 15.女神の息子】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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草薙護堂は神殺しである。
古代ガリアで繰り広げられる究極の神VS神殺し!!
目覚めてはいけない存在が目覚めるとき、ありうべからざる戦いが始まる…。

アイーシャ夫人の開けた『通廊』で古代ガリアに飛ばされた護堂、エリカ、恵那。その地で出会ったカンピオーネ、ウルディンを激闘の末退けた護堂は、同じ時代に来ている剣の王・ドニを止めるため再び戦いに赴く。戦いの最中に新たなまつろわぬ神と出会う護堂。運命に導かれし邂逅が、神殺したちに史上最大の危機をもたらす…!!
あははははっ、いや待って、こいつら、カンピオーネってマジでもう人間でも何でもないじゃん。今更と言えば本当に今更すぎるんだけれど、護堂、ドニ、アイーシャさんの三人が揃ってこうも不死身っぷりを魅せつけられてしまうと。一人ひとりなら、まだインパクトも一定にとどまろうというものですけれど、三人揃ってあれで死なないんですから。というか、死んでも殺しても死なないこの不死身っぷりは、吸血鬼だとかの不死性とはまた全然違う理不尽っぷりなんですよね。いや、神様だってもう少し簡単に死にますよ? って、実際に殺しまくってるんですが、この人達。護堂の死んでから蘇る権能や、ドニの仮死状態になる権能は以前にも見てたからまだしも、アイーシャ夫人のあれはなんですか? もう爆笑しましたよ、笑うわ!! これはひどい、もう本当に酷い(笑
本物の女神だって、あんな降臨の仕方しませんよ、もうちょっと自重しますよ。そりゃ、数々の女神がこの人についうっかり殺されちゃってるのも無理ないな、と異様なくらい腑に落ちる。自重を知らないって、本当に怖い!! 確かにこの人、羅喉教主と双璧だわ。敵わん、これとどうやって渡り合えばいいのか根本的なところから理解できないw
オマケのドニもですよ。不覚を取って敵に利用されるなんて、と思ってたらむしろ渡りに船みたいにその状況を利用しちゃってるし。この魔王の口から出る理屈は本当にさっぱりわからん!! むしろ、乗っ取った敵の方が好き勝手に振り回されてる始末だし。せめて、自由を喪った時くらい自重しようよ!! 
巻を重ねるごとに、どうやってこんな魔王たちが殺せるんだ? とどうやっても無理! という感覚が確固になってきて仕方ない。毎回言ってるけど無理、絶対無理(笑 

しかし、その魔王を殺すための存在である最後の王、その人がついに降臨。過去の時代、しかも不完全な形であり当人もあんまりやる気もなさそうな状態だったものの、満を持してという感じでさすがにラスボスの格あり、という人物であった。ラスボスというよりも、普通に好青年という感じなのが意外というか何というか。会話が通じる、というだけで好青年に見える、という時点でこの作品における神様とか魔王さまの破天荒さのとめどなさをある意味実感できるところなんですが、この場合会話が通じる理性的なところに凄味を感じてしまうあたりに、救いのなさを感じるべきかw
最近、良識派を気取ってた護堂さんも本格的に魔王化してきたしなあ。

特に、女性関係は完全に歯止め失ってますね、これ。これまではキスするにも魔術の供与という理由があったものの、現状ではこれ、殆ど言い訳程度にしか機能してませんし。それどころか、魔術関係なくいい雰囲気になってかなり密度の濃いベロチューをみんなとやりまくってるあたり、もうあきません、もう時間の問題です。護堂さん、完全に正気の状態でもう四人とキスするのに躊躇いなしだからなあ。
むしろ、四人いるからこの段階にとどまっている、と言っていいかもしれません。現状では、もう空気次第でイケるところまで行ってしまうだけ、護堂とヒロイン陣のタガは緩まっているようにしか見えないんですけれど、エリカたち四人とも結束が高まった分、抜け駆けする気が失せてるから個々で雰囲気が高まってもギリギリで自重する傾向が出てきてます。なので、その場の勢いとか流れでそのまま、という形では土壇場まで行きづらい事になってるんですよね。
凄まじいバランスで保たれてます。ここまでエロエロな雰囲気でもはや寸止めになってないくらいギリギリの状態まで行きながら、本当の崖っぷちで留まってる状態ですからね。なので、空気のピンクさが尋常じゃありません。普通寸止めだとやきもきして読んでるこっちも不満が溜まってきそうなものなのですけど、ここまではみ出した発情状態で留められると、逆にエロスが高まってもうエライコッチャです。
あとは、本当にちょっとしたきっかけだけだなあ。ちょっとした、でもちゃんとした舞台が整えば、あとはもう一気呵成。言うなれば、決壊寸前の秒読み状態か。特に、リリアナと祐理という大人しい二人が自重しなくなった上に、牽制しあってたエリカと恵那が今回の過去の旅で完全に息合っちゃったから、本当にもう枷らしい枷がどこにも見あたらなくなっちゃったんですよね。
こりゃ、近い将来、そこらの女の子がたくさんいるだけのなんちゃってじゃない、完全に完成した本物のハーレムを目の当たりに出来るかもしれない。

シリーズ感想

六花の勇者 43   

六花の勇者  4 (スーパーダッシュ文庫)

【六花の勇者 4】 山形石雄/宮城 スーパーダッシュ文庫

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「七人目」の脅威がいまだ残る六花の勇者たちは、ドズーの話から、テグネウの策略の一端を知る。
「黒の徒花(あだばな)」とよばれる聖具が、「七人目」に関する重大な手掛かりであるというのだ。
アドレットはその聖具が造られた神殿へ向かい、正体を暴くことを決める。
一方、テグネウは六花の勇者を阻止するため、人間を兵器に作り替えた『屍兵(かばねへい)』を動員する。
『屍兵』の中にはアドレットの故郷の人間も 含まれていることを知ったロロニアが 『屍兵』を救う方法はないか、と言い出し…! ?
伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、第4幕!
あらすじだと、「黒の徒花」は聖具であって「七人目」とは別、みたいな書き方されているけれど、本編読むと???
正直、この段階からだと誰が七人目でも、ちょっとしっくり来ないんですよね。それこそ、七人目が自分が裏切り者だったというのを知らなかった、というパターンでもない限り。ここから、七人のうちの誰かが本当に最初から裏切り者として動いていた、という展開を説得力をもって描き出せたら、それは凄い傑作になると思うんだけれど、今までの言動からして、みんなちょっと疑いようがなくなってきてるんだよなあ。
これで、実は一番疑惑が晴れているモーラがさらに裏切り者でした、とかだったら本気で神さまなんですけど。
最近のハンスの株の上がり方が怪しいなあ、という風にとにかく些細な事ばかりが引っかかって、そろそろしんどくなってきた。ここまで、誰も脱落していない、というのも展開が遅いという風に思える理由の一つなんだろうけれど。別に、誰か殺せ、と言っているわけじゃないんだけれど、なんかこう、疑念を晴らしてもそれで潔白が証明されるわけじゃなく、一つクリアすると次のお題が出てきて、そこから生まれた疑念を晴らすためにまた動く、という風に同じ場所をぐるぐる回るばかりで、話が進んだ気がしないんですよね。結局、何故かナッシュタニアまで合流するはめになっちゃったし。ってか、こいつなんでしたり顔で演説なんかしてるんだ? 裏切り者といえば彼女こそがどんな理由があろうと裏切り者だったわけで、思想面からも非常に危ない人物というのはもう知れ渡っているのに、その彼女にあれだけ自由に喋らせて仲間への口撃を許しているとか、もうちょっと彼女には厳しく当たればいいのに、と読みながら思ったり。
話を戻すと、展開が大まかにぐるぐる同じ形を描いていると、ラストに明かされた「黒の徒花」の正体についても、「まさか!」という驚きよりも「またか」という感想になってしまう。どうせ、今度の疑惑の相手も黒じゃなくて、事情を紐解く展開になるんでしょ、と。何となく、緊迫感というか緊張感が保てなくなってきた感がある。まあ、ここで一気に繰り返しパターンをひっくり返すような展開を持ってきてくれることを期待するより他ないのだけれど。
しかし、挿絵のロロニアのブサイクさはちょっとひどくないんですか? 登場時や、その後のチラほらとロロニアが描かれていた時は美人でも可愛くもないけれど、普通の顔で不細工ではなかったと思うんだけれど、この巻のロロニアは誰だよ!? と思わず突っ込んでしまうくらい変な顔になってましたよ。作中で不器量な容姿とか書いてたっけ?

ガリレオの魔法陣 3   

ガリレオの魔法陣 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ガリレオの魔法陣】 青木潤太朗/tetsu スーパーダッシュ文庫

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科学(ホログラム)が魔法(サークル)を技術(プログラム)にした
Circle Hologram(サークル・ホログラム)--それは多層レイヤー構造で描かれたDTP魔法陣と立体映像技術の進歩により生まれた最先端のテクノロジー。
光の模様によって空間エネルギーを絡めとり、あらゆる現象を引き起こす、この科学の魔法陣は、世界に未知の可能性と新たな火種を生んだ。
遺産魔法陣(エンシェント・サークル)--遺跡や文献から発見される太古の魔法陣。いまだ現代魔法陣の百年先を行くといわれる、それらの争奪戦が始まったのだ。

過去と魔法が、未来と科学と、歪(いびつ)に連なった世界で、ペンタブで魔法陣を描く“ホログラマー”レイル)・レッド・ヘミングウェイが、彼の魔法陣を身にまとい戦う“サーキュリスト”の映像人間シャオの冒険が始まる!
こういう魔法を科学する設定は古くからあるのだけれど、これはまた懐かしい感じに駆られる作品である。十年十五年と遡ると、こんな突端を走ったような世界観がチラホラとあったんだわ。とはいえ、本作はその焼き直しというわけじゃなく、決して古臭くはない新鮮さがあって個人的にはすごく好みな雰囲気であり感触なのである。
また敢えて学園モノにせず、世界を股に掛けて飛び回るエージェントとしてレイルとシャオを描いたことで、グッと世界観が広がっている。紛争地帯や異国情緒あふれる欧州の小国、なんてところを舞台にすることで、逆に現代において世界では魔法が科学として根付いている、という「現実」が実感できるんですよね。そんな世界を、相棒と二人、寄る辺を持たず自分たちの腕前一つを頼りにして、仕事で任務で飛び回る。学園という小さな世界の中で繰り広げられる物語もいいんですけれど、やっぱりこういう主人公たちの役回りは読んでいてもワクワクしてしまいます。
しかし、科学の発達によって廃れつつあった魔法が最新の技術として蘇った、という流れは珍しいものではないのだけれど、大概こう一般人には遠く理解の及ばない科学理論の形勢によって魔法に到達した、みたいな形が多い中で、本作はわりと平易な理屈によって魔法が現代に蘇っているので、ストンと魔法が現実世界に馴染んでるんですよね。さすがに遺産魔法陣などに関わる特殊な魔法は一部の専門家が独占しているとはいえ、多くの魔法が一般化、というよりも一般的な産業化している、といったほうがいいか、現代文明に馴染んだ形での技術として広まっているのである。つまるところ魔法として蘇ったというよりも、新たな科学として蘇った、と言ったほうが正確なのか。このあたりは、魔法文明への回帰ではなく徹底して現代科学文明の延長として描かれているあたりが興味深い。
ただ、それは古来から伝わる遺産魔法陣を文明の遺産、民族の財産として捉える人々にとっては文化の搾取であり冒涜なんですね。そうして、魔法陣を新しい力として運用できる国力を持った先進国と、それが出来ずにいる後進国との対立につながり、新たな紛争が各地で勃発しつつ在る。一つの低烈度紛争の引き金であり原因となりつつある技術であるわけだ。これが発掘などによって得られるとなると、エネルギー資源問題とも言えるわけで、そこには国家や企業が根深く関わることになる。
主人公たちは、まあこういうややこしい社会問題、国際問題にも携わるエージェント、というわけだ。まあ当人たちは現場に派遣されて、ゴリゴリと力押しする担当で、政治に関わっているわけじゃあないんですけどね。
とは言え、話の根っことなる基盤の部分には、こうした下地がしっかりと描かれているので、踊る当人たちにその意識がなくても、読んでいるこっちからすると舞台はきちんと整えられているように見えるのですな。

わりと文章としては酷いです(苦笑
言いたいこと書きたいことをきちんと纏めきれずに伝わりにくい形でしか表現できていない、という点ではネイティブから程遠い外国人の片言の喋り、みたいな感じの新人特有、というべきか、最近は流暢で新人離れした文章を書く人が多い中で初々しいくらいにガッコンガッコンとイビツな文章なのですが、それ以上に作品そのものが魅力的でした。
あの敵のサイコな部分も特殊な趣味で、ドン引きながら目が離せないイイ悪役っぷりでしたなあ。いやこう、生々しい痛さが伝わってくるというか。ただ体を損壊させるんじゃなくて、お腹をグリグリするのって地味ながら如実に痛々しさが伝わってくるというか、エグいw
そして、魔法が科学技術となった世界の中で、一人魔法文明の残光として生きているシャオ姉。彼女の存在が、また魔法をただの技術に堕さしめないで、古の偉大にして残酷な人知の及ばぬ領域を感じさせて、また作品の雰囲気をグッと引き締めてるんですね。ただ、彼女のキャラってヒロインというよりはほぼ親役であって、メインヒロインはエルヴァなんだよなあ。シャオ姉的には、どうやら本命は主人公の爺さんだった感じだし。
せこせこと、孫とエルヴァを縁結びさせようと世話を焼くシャオ姉は、完全に母親かおばあちゃんでんがなw
レイルは見た感じ凡庸とした有り様でエルヴァは最初全然その気なかったのに、何だかんだとノセられて、挙句にほんまのヒロインみたいに颯爽と助けられてしまい、ガタガタガタっと陥落していくさまはなかなか愉快でしたよっと。まああそこまでお膳立てされて、逆に梨のつぶて扱いされてうぎゃ〜〜ーとなってるあたりは実に可愛かったですけれど。そこは反骨して欲しいものですw

カンピオーネ! 14.八人目の神殺し 4   

カンピオーネ! 14 八人目の神殺し (カンピオーネ! シリーズ)

【カンピオーネ! 14.八人目の神殺し】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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剣の王・ドニが魔術結社を招集して催した神獣狩りに護堂を招待する。
イタリアで再会した二人の神殺しに魔術師たちは騒動の予感を覚える。
不審な行動を取るドニを追った先で、謎の洞穴に吸い込まれた護堂、エリカ、恵那の三人はどことも知れぬ場所をさまようことになってしまう。
さらに、その地で護堂は新たな神殺しと邂逅する…!!
ついにこれまで沈黙を守り続けていた最後のカンピオーネ、【妖しき洞窟の女王】アイーシャ夫人が登場。これまでのうわさ話から、相当の食わせ者か狷介な妖女の類かと想像していたのですが……あかん、やっぱりカンピオーネは普通の想像の範疇にまるで当てはまらないわw
そもそも、洞窟に引き篭って滅多に人前に姿を現さない人嫌いの厭世家じゃなかったんですかぃ。むしろ、実態はそれの正反対。行動力やフットワークの軽さ、好奇心の強さなどは黒王子アレクに負けず劣らずですし、自由人としてはドニに優るとも劣らず。まああれですよ、この人もカンピオーネに相応しく、人類種最悪の傍迷惑の一角でした。むしろ、結果として傍迷惑な他のカンピオーネと比べても、その性格から権能まで戦闘よりも傍迷惑に特化してるじゃないかという傍迷惑っぷり。カンピオーネたちに面識のある人が、尽くアーシャ夫人が一番どうしようもない、というのもよく分かる傍迷惑っぷり。性格的にはむしろ温厚でいい人なんですよ。おっとりした楽天家で。ただ、ちょっと自己陶酔するところがあって、思い込んだらフワフワと足元覚束ないままエライことを仕出かしそうな……危なっかしいことこのうえなさそうな人だな、うん。しかも、この人の場合傍からコントロールが効きにくそう。翠蓮姉さんなんか案外チョロいところがあるし、ドニもあれでリベラさんがなんとか首根っこ抑えてる、ヴォバン公爵も暴君だけれど交渉の余地はある。しかし、アイーシャ夫人は天然な分、ちょっとどうしようもなさすぎる。誰も予想がつかないことを、どえらい方向に向かってホイホイとやってしまう系なので、備えも何もできなさそうだしなあ。本人、まったく悪意もなさそうだしw
でも、他のカンピオーネと比べるのも不毛なんですよね。結局、どいつもこいつも、という他ないもんなあ。マシ、という要素が微塵もない。プルートー・スミスが現状一番まともに見えるけれど、あれも当番回になったらアレクみたいに所詮コイツもカンピオーネ、となるんだろうし。
結局、アイーシャ夫人もこれとなると、どう考えてもカンピオーネの中に殺して死ぬような人が見当たらないんですよね。どうやったら死ぬんだよ、この連中。アイーシャ夫人なんか、これ相当酷い方法で神様殺してますよ。きっと、殺意もなくうっかり殺っちゃったんですよ。権能を簒奪した際のアイーシャさんのコメントが明らかにやっちゃった感が滲んでるんですよね。そんなつもりなかったのに、みたいな。だいたいこの人、神殺せるような権能持ってないじゃないですか。どうやって殺ったっつーんですか。
うっかりで神殺したカンピオーネは、さすがに歴史上でも滅多に居ないんじゃないだろうか。

とまあ、新登場のアイーシャ夫人にばかり言及してしまいましたが、今回のサブタイトルは八人目のカンピオーネ。そう、今いるカンピオーネは護堂を最新として計7人。サブタイトルが公表されたときには、まさか新しいカンピオーネの誕生か、と連想したのもむべなるかな。もしかして、ついにかませ役のカンピオーネでも出るのかな、と思ったのですが、こんな展開だったとは想像もつきませんでした。
自分としては、あんまりこの八人目のウルディンと護堂さんは似てるとは思わなかったんですけどね。以前表に出てしまった自己開放型護堂さんは、もうちょっとこうエキセントリックだったような(笑 まあもうちょっと厳密に言うと、女性の好みは別として欲望の方向性が異なってるように見えるんですね。あと、自分から積極的につまみ食いしに行くタイプじゃないと思うんだよなあ、護堂さんは。野生型のウルディンと違って、護堂さんの究極系って草薙のお爺さんみたいなスマートな紳士の進化系だと思うのです。あのお爺さんは本当にカッコいいもんなあ。
さて、図らずもアイーシャ夫人の大迷惑によってえらいところにトバされてしまった護堂さんたち。今回はエリカと恵那の二人が旅のお供。実は二人揃っての前衛型。エリカは器用ですし交渉力なども高いですけれど、こと戦闘となると、リリアナと比べるとやっぱり前衛なんですよね。という訳で、後衛のリリアナと祐理がいないと戦闘時に前がかりになってしまって結構不都合が出てしまうことが発覚。やっぱり、四人揃ってないとバランス悪いんだ。何気に、最近エリカたちも強くなったよなあと実感してたところに、まだまだ彼女たちなどヒヨッコよ、と言わんばかりにエリカたちよりも上位の魔女や騎士が出てきたことで、まだまだ彼女たちにも成長の余地があるんだなあと改めて。
個々の成長は別として、護堂さんハーレムはそろそろ次の段階に行ってしまいそうな気配。さすがに恵那の自由奔放さにはエリカもタジタジなところがあるようで。色事については積極的なエリカだけれど、何だかんだと彼女も品の良い淑女であって、あからさまにエロいことには怖気づくこともあるんですよね。恵那もそういうところはあるんだけれど、その発想には倫理面を置き去りにする部分があって、エリカが腰を引いてしまうという珍しいシーンが度々。でも、実は満更じゃなさそうなあたり、そこは護堂さん、頑張れ、ってなもんであります。そういう時、ガッといかないと。今回は、完全に素面でありながらかなり狼さんになっていたので、そろそろ据え膳も頂いてしまいそうな雰囲気だなあ。

で、今回一番傍迷惑の被害者になったのは誰でしょう……答え「修正力さん」。
自分、これまで見てきた中でここまで涙目になって必死で頑張ってそうな「歴史の修正力」は初めて見た気がします。確か、歴史の修正力ってやつは人知の及ばない超常的で無情で絶対的なとてつもないモノ、というイメージだったんですが、ここでは「もうやめてください、勘弁して下さい!」と泣きべそかきながら必死こいてる姿しか想像出来ません、なにこれw あ、あんまり虐めないでやってください、カンピオーネの皆さん。もうちょっと気を使ってあげてください、カンピオーネの皆さん。既になんか修正力さん、青息吐息な感じですから。もうやめて、修正力のHPはとっくにゼロゼロよっ!
だが断る、とばかりに勇躍盛大にやらかすサルバトーレ・ドニ。幻視するのはあまりのことに喀血してぶっ倒れる歴史の修正力。そして、そんなことをお構いなしに、ドニがやらかせば黙っていないのが、我らが護堂さんにアイーシャ夫人に、現地のウルディン。
あかん、そろそろ歴史の修正力さんが死んじゃいそうだ!!

シリーズ感想

ニーナとうさぎと魔法の戦車 63   

ニーナとうさぎと魔法の戦車 6 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ニーナとうさぎと魔法の戦車 6】 兎月竜之介/BUNBUN スーパーダッシュ文庫

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ニーナの憧れの歌手・リディアがアンフレックでコンサートをすることに。幼い頃に野良戦車によって全てを奪われた彼女の、平和を訴える歌声は世界中から賞賛されていた。そんなリディアのコンサートへの出演依頼が、ラビッツの元に舞い込んできた!手の届かない憧れの存在に会えると聞き、喜びを隠しきれないニーナだったが『白い歌姫』とも呼ばれる世紀の歌い手は、実はとんだわがまま娘で…。ステージに立つことになったラビッツは、とんでもない衣装を着せられたり、慣れない歌に苦労したりと大騒ぎ!しかし、コンサートの影では、ある陰謀が進行していて…。
平和って難しいんですよね。スプライカが貫こうとした平和を守るための悪は、やっぱり平和を言い訳にしているだけと思うんですよね。でも、言い訳する余地すら与えられなかったらこういう仕事は精神的に耐えられるはずもない。奉仕には、それ相応の意義が見いだせないとどれだけ強靭に精神を鍛えあげていたって耐えられるもんじゃない。
平和に対する理想と現実は、何時だって対立するもので、そこに妥協は存在しないし相容れぬものではありません。妥協が混じれば、理想も現実も価値と効果を喪ってしまう。しかし、そのどちらもが平和には必要不可欠なもので、一番利口なのはお互いを尊重して、好意的な無視、或いは適度のお互いの利用に留めて住み分けすることなのでしょう。
今回の悲劇は、まさにこの平和への理想と現実が、住み分けできない一所で両立してしまったことにあるのでしょう。リディアの歌姫としての活動がもっと無力なものだったら、スプライカたちの工作員としての活動がもっと微々たる些細なものだったら、両者の在り様は併存できたのかもしれません。しかし、両者の活動は今や国際情勢そのものに大きな影響を与えるものとなってしまいました。もはや、そのどちらかを打ち捨てなければならない状況になってしまっていたのではないでしょうか。
と、マクロな視点から破綻の原因について言及するとこういう見方になるのですが、もっと個別の人間に焦点を合わせると違った見方が出てくるような気がします。
個人的には、リディアが反抗を決意したのは、スプライカの思想が先鋭化しすぎたところにあるようにも見えるんのです。言い訳に固執しすぎて、リディアとスプライカが共有できていた平和への思想が致命的にズレてしまった。というよりも、スプライカが原点を見失いつつあり、スプライカという個が失われようとしている事に耐えられなかったのではないかと。
リディアは、この娘は理想家ではありますけれど、同時に非常に現実主義者なところがあって、だからスプライカが一線を越えなかったら、わりとこのままスパイ活動を内包しながら音楽活動を続ける事に忸怩たるものを抱きつつも否はなかったんじゃないかな。
リディアが止めたかったものが何なのか。それに注目すると見えてくるものは色々とあるのではないでしょうか。

スプライカのような平和維持の手段は大手を振って罷り通るものではありませんし、それが正しいと公に認めてしまってはいけないものです。対峙すれば阻止され、打倒されて然るべきものなのでしょう。しかし、全否定だけはされるべきではない。悪しきを全部否定する潔癖さは、のちのちより大きな惨劇を招くばかりです。この作品は現実が招き寄せる主に戦争や国際間対立がもたらす悲劇についてガンガンと恐れず書き連ねながら、こうした必要悪については、実はかなり繊細に扱っているフシがあるんですよね。悪を認めてはいけない、美化してはいけない、しかしそれを根こそぎ否定してはいけない。そんな風に。
スプライカの最期は先鋭化しすぎた部分については討滅されつつ、しかし和解なく彼が生き方を貫いたという意味でどこか象徴的だったような気がします。
平和を思う心は万人にあるもの。街の平和、国の平和、世界の平和。全体を見て平和を守ろうとする事は決して間違っているとは思いません。しかし、だからこそ一番原点、根本の部分において平和を願うのが自分という個であることを喪ってはいけないのだと思います。個を失った歯車がどれだけ平和を訴えても、そこに響くものはありません。リディアが戦場に響かせた歌声は、言い訳に逃げて引きこもった個としての心を容赦なく打ち据えました。まったく、厳しいことこの上なしです。彼女の歌は、そう考えると闘争の歌だなあ。

シリーズ感想
 
10月22日

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10月21日

(4コマKINGSぱれっとコミックス)
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10月20日

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10月19日

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10月18日

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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(裏少年サンデーコミックス)
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10月16日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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10月15日

(ハルタコミックス)
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(KCデラックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス月刊マガジン)
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(コロナコミックス)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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10月14日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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10月12日

(まんがタイムKRコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
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(ガンガンコミックス)
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(ガンガンコミックス)
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(ガンガンコミックス)
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(ガンガンコミックス)
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(ガンガンコミックス)
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(ガンガンコミックスONLINE)
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(ガンガンコミックスONLINE)
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(アース・スターコミックス)
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(メテオCOMICS)
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(メテオCOMICS)
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10月9日

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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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10月8日

(カドカワBOOKS)
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(電撃文庫)
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(ニュータイプ100%コミックス)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ヴァルキリーコミックス)
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(ヴァルキリーコミックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(アルファライト文庫)
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(アルファライト文庫)
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10月7日

(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(ガンガンコミックスUP!)
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10月6日

(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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10月5日

(フロース コミック)
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(ドラゴンノベルス)
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(ドラゴンノベルス)
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(ドラゴンノベルス)
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10月4日

(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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10月1日

(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(角川ビーンズ文庫)
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(角川ビーンズ文庫)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(Kラノベブックス)
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(講談社ラノベ文庫)
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(PASH!ブックス)
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(PASH!ブックス)
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(PASH!ブックス)
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(B’s-LOG COMICS)
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(B’s-LOG COMICS)
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(B’s-LOG COMICS)
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(B’s-LOG COMICS)
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(HJコミックス)
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(HJコミックス)
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(PASH!コミックス)
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(PASH!コミックス)
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(FUZコミックス)
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(FUZコミックス)
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9月30日

(バンブーコミックス)
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(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(モンスター文庫)
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(ファミ通文庫)
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(ファミ通文庫)
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(エンターブレイン)
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(ZERO-SUMコミックス)
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(ZERO-SUMコミックス)
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(ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
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(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
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(楽園コミックス)
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(楽園コミックス)
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9月28日

(ヤングアニマルコミックス)
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9月27日

(まんがタイムKRコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(電撃コミックスEX)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(バンブーコミックス)
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(バンブーコミックス)
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(バンブーコミックス)
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9月25日

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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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9月24日

(バーズコミックス)
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(ライドコミックス)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(メディアワークス文庫)
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(メディアワークス文庫)
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(メディアワークス文庫)
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(メディアワークス文庫)
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(GCノベルズ)
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9月22日

(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニングKC)
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(モーニングKC)
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(モーニングKC)
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(モーニングKC)
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(モーニングKC)
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(モーニングKC)
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(アフタヌーンKC)
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(アフタヌーンKC)
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