ダッシュエックス文庫

魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)2 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)2】  川口 士/美弥月いつか ダッシュエックス文庫

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ブリューヌ、ジスタート連合軍によるムオジネル侵攻は、失敗に終わった。アルサスに帰還したティグルだが、国王からの密命を受けてジスタートへ向かう。愛するミラとの再会を無事に果たし、オルミュッツを訪れたティグルを、新たな出会いが待ち受けていた。ミラと険悪な間柄で知られる戦姫“銀閃の風姫”エレオノーラが来ていたのだ。一方そのころ、北西の王国アスヴァールは、ジスタートに野心の牙を向けようとしていた。そこには、戦による混乱と流血を望むブリューヌのガヌロン公爵と、そして魔物の影があった。黒弓と竜具に導かれるティグルとミラの運命は。新たな魔物との戦いが幕を開ける!
前作のメインヒロインであるエレン、ミラがヒロインとなったこちらのストーリーでは領地同士の繋がりも乏しいし、今回はしばらくは疎遠という形で行くのかなー、と思ってたら第二巻で速攻ガッツリ絡んできた。
もともとミラとはライバル関係だし、アルサスとエレンのライトメリッツも隣国と行っていい距離だし関わり合いにならないほうがおかしいか。いやでもね、前回のメインヒロインだけあってエレンとティグルってやっぱりべらぼうに相性いいんですよ。初対面で意気投合してしまうくらいには。しかも、身持ちの固いミラと違ってエレンてばやたらと全裸登場する始末。いや、エレンさんてばティグルに裸見せすぎじゃないですかね!? もうこれエロス担当ヒロインじゃないですかー。
ミラが思わずやきもきしてしまうのも無理からぬところでしょう。ただでさえ、ティグルとは表立って付き合えない身分差の恋ですものねえ。ティグルが一途で居てくれているからいいものの。これに関してはミラからはどうしようもなくて、ティグルが身を立ててくれないとどうにもならないですからねえ。それに、ある意味一代の戦姫だったエレンと違って、ミラのところは代々が戦姫を継いでいる家柄というのが、ティグルとの婚姻を面倒なことにしているわけで。ティグルも軽々には婿入りとか出来ない立場だもんなあ。親父殿が健在で幼く腹違いとはいえ弟がいる、というのは前作と大きな違いではあるものの……。下手に出世してしまっても、そうなると所属している国が違うという壁が隔ててしまうわけで、いやこれ前作よりかなりヒロインと結ばれるハードル上がってるなあ。
おまけに、魔物との戦いが本格化しはじめたこともあって、ティグルには早々に後継者、子供を作ってくれないと困るという話が持ち上がってしまい、これはまた形は変わってもまたぞろ嫁さんたくさん出来てしまうパターンなのか。
国内情勢も、ティナルディエの嫡子であるザイアンが生きてて竜騎士になるべく頑張ってたり、黒騎士ロランがバリバリ現役でファーロン王もガヌロンから手出しされていないのか健在と大きく異なっていたけれど、ここで国際情勢の方も前作とは大きく様相を異にしてきてアスヴァール王国の内乱もギネヴィア姫の動きが大きく変わっていて、これ成り上がったタラードどうなるんだろう。

ムネジオル王国の方でも、ダーマードがなんか第二の主人公みたくアイシェ姫をヒロインにして独自のストーリーを展開していて、こっちも目が離せない状況になってるんだよなあ。
もう一人、戦姫ミリッツァも今回ミラにもティグルにも会わないまま、一人でアルザス訪問したりと動いている様子が描かれていて、ある意味ソフィよりも重要な役どころなのかもしれない。

あ、ルーリックもちゃんと登場してくれましたが髪があるルーリックって新鮮w

シリーズ感想



カンピオーネEX! 軍神ふたたび ★★★★   



【カンピオーネEX! 軍神ふたたび】 丈月 城/シコルスキー  ダッシュエックス文庫

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六人のカンピオーネが消息を絶って、五年後。行方不明のアイーシャ夫人が『空間歪曲』なる傍迷惑な超常現象を起こし、軍神ウルスラグナも甦る。護堂と仲間たちはウルスラグナとその主ミスラが拠点とする『無限時間の神殿』に乗り込むが、アイーシャ、ミスラと時間神ズルワーンの裁きで『カンピオーネになる前の一六歳』に巻き戻される。そこは『倒せる神のいないパラレル地球の18世紀』だった。個人の力では埒が明かない護堂達は、魔術結社カンピオーネスを創設し、護堂は『総帥チェーザレ・ブランデッリ』と名乗る。そのころ、世界中を破壊しまくる神獣軍団が誕生する。アイーシャとの関係はあるのか。そして、世界を破壊する神獣に対し、護堂は意外な存在と共闘をすることに。『カンピオーネ!』と「神域のカンピオーネス」を繋ぐ、神話ファンタジーの幕が開く。

護堂さん、完全にイタリア男になってるーー!?
女性への接し方に高校生の頃の初々しさが全く見られなくて、ほぼ別人。これが大人になるということか。
元々、そのフットワークの軽さは日本人離れしていた護堂さんですけど、大学生になって完全に根無し草の風来坊になってるんですよね。所属しているイタリアの大学には殆ど居着かず、世界中を放浪しているのですから。
帰るべき家を持たず、必要とせず、勝手気ままに自由に世界中のどこでも、場合によっては世界の外にまで足を伸ばして、自分のいる場所が自分の居場所という生き様は、ライトノベルの主人公としても破格の在り方なんですよねえ。
多くのライトノベルの主人公って、自分のホームや居場所となる場所や関係というものを強く意識して求めているケースが少なくないと思うんですよね。そんな中で護堂さんほど自己の確立と落ち着くことに縛られない自由の気風を保っている主人公というのはやっぱり珍しいと思うんですよね。まあ丈月さんの手がける作品の主人公のフォーマルとも言えるのかもしれませんけれど、こういう生き方は憧れるものがあります。
それに、この物語のヒロインたちはじっと待っていることなんてせず、彼の自由な旅路に同じくフットワーク軽くついてくることを厭わない女性ばかりですからね。それに、彼に引っ付いてくるばかりではなく、各人それぞれ護堂さん抜きで自由に世界を飛び回ってもいるだけに、重石や錨になるような女性たちではないんですよねえ。だからこその、ヒロインなのでしょう。
幼馴染の明日香は、その意味では落ち着くところに落ち着いたというべきなのでしょうか。いやまあ、大学生で年上の男性相手にさっさとくっついちゃうところなんぞ、凡百よりよっぽどアグレッシブで闊達だと思うのですけど。

魔王内戦でアイーシャ夫人の暴走によって次元の狭間へと吹き飛ばされてこの世界から消えてしまった魔王たち。その殆どが数年経たずサラッと自力で戻ってきちゃってるあたり、この連中の無茶苦茶さが伺いしれます。いや、そこは普通絶望するところですから。ケース如何ではラスボス封印の手法ですよ、異次元への追放とかって。帰ってこなかったアイーシャ夫人とヴォバン公爵も、前者はそもそもフラフラと旅に出たらいずこともしれず果てしなく行き着いてしまう人だし、ヴォバン公の方はあの戦いで滅びたはずなのに、しれっと復活してパラレルワールドの方で遊び回ってるし。
どう考えても、ある意味真面目な神々よりもふざけた生態してるんだよなあ。

ともあれ、異世界というかパラレルワールドの方へと飛ばされてしまったアイーシャ夫人。当たり前のようにそのままあっちこっちの世界を渡り歩き、その痕跡がまた厄災を呼び起こすという歩く大迷惑っぷり。カンピオーネスでの「神話世界」との連結ってもろに夫人が原因だったんかい!!
【カンピオーネス】とこの【カンピオーネ】の物語のミッシングリンクを描くのが、この巻の主題ともなっているのですが、いわば本編の完結よりもこの巻こそが【カンピオーネ!】の正式な完結編とも言うべき物語になっているのです。
というのも、そもそものはじまりである草薙護堂がカンピオーネになったウルスラグナとの邂逅と対決。護堂の最大の宿敵であり、そして最も親しき友であるウルスラグナとの決着こそが物語を〆る上で相応しいものだと思ってたんですよね。
本編最終巻は、カンピオーネという存在の敵である最後の王との決着という意味では万事やり通し、ラーマともある意味最初のウルスラグナとの戦いで果たせなかった結末を迎えられたのですが、ウルスラグナ当人とは結局相まみえることが出来なかった、とも言えました。
それを、この巻では十全やれたんですよね。宿敵としてのウルスラグナとの決着、親友としてのウルスラグナとしての決着の両方を。ウルスラグナが言うところの、逆縁と順縁ですか。
特にまつろわぬ神としてのウルスラグナではなく、ただ護堂と意気投合し心からの友誼を結んだ一人の男ウルスラグナとしての、あの神殺し誕生の回では果たせなかった結末をここで手繰り寄せることが出来た、というのはカンピオーネ!という作品での僅かな心残りを全部晴らしてくれたような感無量だったんですよね。最大のピンチで、もうひとりの掛け替えのない友となったラーマから支援される、という展開もほんと嬉しかったところでありますし。
なんかもう、満願の完結編でありました。
カンピオーネスの方で抱いていた疑問点も、ほぼ解消されましたし、微妙に不安に思っていた護堂たちが既にカンピオーネスでは過去の存在として退場しているのではないか、という危惧も解消されましたし。でも、まさかブランデッリ家がああいう形で誕生したというのは凄いなあ。護堂さんもエリカも、親としてこれもまた格別の在り方ですよねえ。これってどちらかというと、主人公の両親の方によく見られる生き方だよなあ。
しかし、ついにはひかりにまで手を出すとはこの男w
オーディオドラマでは、カンピオーネスの方に登場しているようですがさらにこの調子だと小説本編の方にも顔を出してもおかしくなさそう。ですが【カンピオーネ!】という作品としてはこれにて本当の完結。基本常識人にも関わらず、他に類を見ないぶっ飛んだ在り方に魅了されるいやまあとんでもない主人公でありました護堂さん。護堂さんに限らず、カンピオーネという存在自体がとんでもなさすぎて、ほんと面白かった。シリーズ完結お疲れ様でした。

シリーズ感想

異世界最強トラック召喚、いすゞ・エルフ ★★★☆   



【異世界最強トラック召喚、いすゞ・エルフ】 八薙 玉造/bun150  ダッシュエックス文庫

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それなりにコミュ症で異世界に憧れる女の子、ナギはある日、本当に異世界に迷い込む。
「異世界だここ! やったー!」
ナギは国の興亡すら左右する最強の召喚魔法を身につけていた。その力は襲い来る竜を一蹴する!
トラック召喚。いすゞの小型トラック――ELFを喚び出す力。
「なんか思ってたエルフと違う!? これじゃない!?」
愕然とするナギだが、ネコミミ美少女勇者アラシとの出会いを経て、(トラック召喚で無双するとかじゃない)理想の生活を目指し、トラックで異世界を奔走する!
いすゞ自動車容認! トラック召喚ファンタジー! のんびり幕を開けました。
これはズルいですよ! もうタイトル見た瞬間に笑っちゃったじゃないですか。異世界ファンタジーと言えばエルフ! エルフと言えば、あの耳が尖っていて不老長寿で神秘的な森の妖精種族。日本でもっとも有名なファンタジー種族といえるでしょう。
しかし、業界が異なればまた事情も異なってくるもの。エルフと言えば、自動車業界運送業界で言うならば、微塵の疑いもなく「いすゞエルフ」との答えが返ってくる、それくらい有名で巷に溢れている小型トラック、それがいすゞ・エルフ!
いやマジでちらっとでも調べてみると、2トンクラスのトラックって半端ない比率でエルフが占めてますよ?
でもさすがに、ヘッドライトを照らすとビームとなってドラゴンを吹き飛ばすようなエルフトラックは見たことがありませんが。
異世界最強の召喚術が、まさかのトラック召喚ということになっている世界に招かれてしまった少女ナギ。別にトラックにもいすゞエルフにも縁があるわけでもないのに、トラック召喚士になってしまった内気な少女が主人公なのですが……トラック召喚士という語感だけで笑う。トラック運転手の亜種にしか聞こえないw
そして、付与されたこの世界のスキルにあたるクラフト呼ばれる技能「エルフの知識(トラック)」によって語られるいすゞエルフの様々な薀蓄! かつて、ここまで小型トラックの歴史とスペックと能力が語り尽くされたライトノベルがあっただろうか、というくらいに力説されるいすゞエルフ! これを読めば、いかなる人も「いすゞエルフのD-COREってすげえ」とため息をつくだろうくらいにやたらと推されるいすゞエルフのクリーンテクノロジーの粋が集められた環境に優しい排気量を極限まで抑えたエンジン「D-CORE」。
いや、ほんとにやたらと強調されてるんですよ、「D-CORE」w
そして、唐突に習得しているクラフト「準中型自動車免許」。……最近の異世界ファンタジーだと自動車免許もチートで習得できるのか、それは凄いな、それは羨ましいな。教習所にも行かず、飛び込みで運転免許試験場で試験を受けずとも、私有地で運転を練習しなくても取得できるんだから、さすがチート。ってか、女子高生なのに「準中型自動車免許」を持ってるのって、フィクション含めてもあらゆる媒体でこのナギちゃんだけだろうな、うん。ちなみにこの準中型自動車免許って、普通自動車免許を先に取得していなくても、18歳から取れるようで。最近、色々と自動車免許制度は細かく変わっちゃってるんだよなあ。自分らの頃は普通自動車免許とったら4トントラックくらいまでは乗れたんだけれど。大型免許もだいぶ簡単に取れたんだけどねー。
ちなみに、エルフタイプの2トントラックは自分も乗ったことがありますが、下手すると普通乗用車よりも乗りやすい場合がありますよ。車体の長さと後方確認の難しさ、という難点もありますけど、ミラーは見やすいですし、何気にトラックとかダンプって普通車よりも曲がりやすいので。
ってか、エルフの歴史語りを聞いてたらこのいすゞエルフって初代は1950年代に登場してるって話じゃないですか!?
ちょっと待って? そんな昔からいすゞエルフって存在してたの!? 本邦においてエルフが周知されだしたのって、1970年代に出た「指輪物語」あたりからですし、本格的に認知が広がったのは1988年の【ロードス島戦記】シリーズのヒロインであったディードリットがきっかけだった、というのは有力な説であります。
でも、それでも指輪物語でいすゞエルフよりも20年。本格的に知名度が広がるディードリットとなると30年もあとの登場となるわけですよ。
ということは、もしかしてこの作品にも登場する1959年に登場した初代モデルのいすゞエルフこそ、日本最古のエルフとなるんじゃないですか!?

日本最古のエルフ!!

すげえぜ、いすゞ。あの時代にどこからエルフなんて単語持ってきたんだろう。
と、D-COREぱねえっぜ!など、エルフに関して随分と詳しくなってしまいましたが、物語の方はというと……実のところトラックの扱いには結構難渋してたんじゃないだろうか、これ。
いやさ、いきなりトラックで敵集団のど真ん中に突っ込んで、引きまくってやるぜー、的なことはいすゞさまから許可受けて名前出して書いちゃっている以上それはアウトな展開ですし、だからといってじゃあトラックで何するのさー、となると……。
いやさ、実のところトラックの本懐であるところの運送運輸や後ろに架する荷台部分も冷凍やら色々と特殊なものもあるので、それを取っ替え引っ替えして使ったら面白いやりようはあったようにも思うのだけれど、何しろトラック最強(物理)な世界だっただけにトラックを実際にどう扱ったらいいか出し所使い所が難しい状況になってしまってたところはあると思うんですよね。
肝心のトラック召喚士となってしまったナギが、そのあんぽんたんなスキルを縦横無尽に使ってしまうアーパーな娘だったら、色んな意味でシッチャカメッチャカに出来たんだろうけど、この娘からしてちと引っ込み思案であると同時にトラック召喚ってなんなのさー、というネガティブなツッコミを入れるのに忙しいタイプだったので、トラック召喚というネタをなんでもありのやりたい放題やり倒せる武器として振り回せなかったんですよねえ。おかげで、小ネタや掛け合いのキレに関しては、実績のある作家さんらしく面白さがついてまわっていたのですが、大きな物語としての面白さに関してははっちゃけが足りなかったかな、と感じる部分もありました。
その分、中盤から登場人物が主人公含めて全員女の子、というところをいかしたように、やたらと百合百合しい女の子同士の友情モノ、かなり女の子同士でイチャイチャしてるようなキュンキュンしてるような展開になっていたのは、これはこれでご馳走さまでした!

八薙 玉造作品感想

黒獅子城奇譚 ★★★☆   



【黒獅子城奇譚】 川口 士/八坂 ミナト  ダッシュエックス文庫

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放浪の騎士グレンと神官を装う魔術師リューは旅の途中、雷雨に襲われ、黒獅子城と呼ばれる古い砦に逃げ込んだ。そこで二人は、同じ雨宿りをしていた先客たちと出会う。視察を終えた若い二人の騎士とそのお目付役。義眼の老騎士。商魂たくましい商人一家。貧しいがどこか油断できない吟遊詩人、しっかり者の町娘。それぞれ癖のある旅人たちが一夜を明かす中、語られる黒獅子伯の伝説と、彼に倒された魔術師の噂。そして古城に潜んでいた魔物の襲撃。様々な事件が起こる中、老騎士タングレーが遺体となって発見される。陰謀と伝説の絡みあう廃城の片隅で、グレンとリューは事件の謎に挑む。
一迅社文庫から刊行されていた【折れた聖剣と帝冠の剣姫】と同じ世界観ということで大変期待していたのですが、作中でチラッと一度だけ作品の関係者に言及されただけで、登場人物も舞台となる地域も全然異なる作品でした。なんだろ、将来的にこのグレンたちが【折れた聖剣と帝冠の剣姫】と合流するような新シリーズでも企画されてるんだろうか。でないと、おなじ世界観にした意味合いもよくわからないのだけれど。
内容としてはファンタジー世界を舞台にしたクローズドサークルによるミステリー。激しく降り出した豪雨を避けて立ち寄った廃墟とかした砦には、同じく雨宿りする何人もの行きずりの身分も年齢も異なる男女が集まっていた。
という導入は、ふと京極夏彦さんの【巷説百物語】のはじまりの話なんぞを思い出してしまったのですが、あちらが江戸時代の風情をよく感じさせてくれたように本作も、西洋風の中世時代という背景を色濃く感じさせてくれる雰囲気をよく醸し出していました。遊歴の騎士という存在や騎士たちの在り方、魔術師に対する強い偏見や民草の立場など。それに、廃墟の城がまた古い罠が残っていたり、地下に迷い込んだ魔物たちが潜んでいたり、と舞台としては現代の館モノとはまた違うファンタジー世界を強く意識させるものになってるんですよね。
その上で、外は激しい雨で廃墟である砦はかろうじて雨風を避けられるものの、窓は破れ隙間からは容赦なく雨風が吹き込んでくる。壊れた家具を薪にして、ようやく居間の暖炉に火を灯して暖を取る、という状況がじっとりと湿った重苦しい雰囲気を醸し出してるのですね。ここに、半ばダンジョンのようになってる廃墟の不気味さや、中世時代特有の仄暗いイメージが相まって、トドメにタイトルの黒獅子城であります。ひたすら、現代モノのミステリーとはまた少し趣を異にする重たい空気感を作り出すことに成功してるんですなあ。
一方で、肝心のミステリーの部分に関しては極めてオーソドックスであった、というところであります。先にあげた巷説百物語のような「アッ!?」と驚くような展開が待っているのではなく、ドロドロに絡み合った人間関係を徐々に詳らかにしていくことによって、死者からのメッセージを解き明かし、犯人を浮き彫りにしていく、という展開にしても謎にしても変に奇を衒わずに順当に徹した、というところなんでしょうか。
色っぽい関係だった主人公とヒロインの二人ですけれど、もうちょいお互いの関係に対する考え方とか踏み込んでもよかったかな、と思うところですね。まあグレンはリューとの関係に関してちゃんと思うところを語ってはいましたけれど、いまいちリューは何考えてるかわかりませんでしたし。もっとイチャイチャしてもいいんじゃよ?
リューとか、あれ謎解きとか結構好きなんじゃないのかしら。本編始まる前も別の殺人事件解決していましたし。
まあ続き出るにしても、次はミステリーでなくてもいいかなー、と。彼らが出る物語はぜひみたいところですけれど。【折れた聖剣と帝冠の剣姫】の続編という可能性込みで。

川口士作品感想

神域のカンピオーネス 4.英雄界ヒューペルボレア ★★★☆   



【神域のカンピオーネス 4.英雄界ヒューペルボレア】 丈月 城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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女神イザナミの日本侵攻と黄泉醜女と呼ばれる凶悪ゾンビによる未曽有の危機を救った六波羅蓮たち。しかし太陽神アポロンに王女カサンドラを奪われてしまう。神々の遠い故郷ヒューペルボレアに向かったという情報をもとにふたりを追って、六波羅蓮と鳥羽梨於奈は未知なる神域の門を探す。鳥羽茉実花、聖徳太子、そして『謎の貴婦人』に助けられ、ついにやってきた世界。そこはほとんどの陸地が水没した“滅びたあとの世界”であった…!果てなき海を渡り、島から島へと巡る蓮。恐るべき障碍を乗り越えアポロンとカサンドラを探し出すことはできるのか―。新たなる「神殺し」との出会いが神域でのバトルを過熱させる!!

この主人公、あれだな、悪い男だな! 決していい加減な男ではないというのは、その軽薄な言動とは裏腹の姿からわかってはいるんだけれど、もうすでに婚約者がいる身でわりと平然と「こういう気持ちに順番つけるの、僕は嫌だな」とか言っちゃえるのはさすがにちょっとマズいと思うぞ。そこはまず、梨於奈の許可をとってからでないと。
その点、かの別世界の魔王様はエリカにそのへんの管理を任されてたというか舵を握られていたので奥の院に関しては比較的安定していたのですが。
でも蓮の口八丁はペロッと梨於奈くらいは真正面から承諾させてしまいそうですが。
その梨於奈さんといえば、王子様を待つ囚われのお姫様を地で行っているカサンドラと違って、愛しの婚約者さまに身代わりの生贄としてえらい目にあわされていましたが、まあこの娘もこれまで傍若無人にあれこれやらかして来た身ですから、ここいらでちょいとビシッと決して敵わない先達から指導いただけたというのも良い経験になったんじゃないでしょうか。まったく懲りてなさそうなところが、このお嬢様のさすがというところであいますが。
その梨於奈を弟子として鍛えることになったのが……またぞろ、狼公に引き続いて別世界から平然と現れてくれた白蓮王さま。案の定、天上天下唯我独尊なあのお姐さまであります。
バージョンチェンジして出ていたヴォバン公と違って、この人そのまま素で出てきたぞ。素で、というと物凄い大災厄として封印措置されてたあのプロの迷子もしれっと登場していましたけれど、あの調子だとこの作品中は封印されっぱなしなんだろうなあ、あれ。まあ、しれっと自分で封印なんとか解いてフラフラ最前線のど真ん中に迷いでてくる可能性もなきにしもあらずですけれど、そのときは世界滅亡待ったなしの状況なんでしょうねえ。
そんな世界滅亡させる気満々なのが、こちらの世界のアテネとアポロン。アテネに関しては前作カンピオーネでもだいぶページを割いて殆ど準ヒロイン的な立ち位置で活躍もしていたので十分その来歴については語られているのだけれど、アポロンに関しては前作でヴォバンの権能であったことからそれを通じて色々と興味深い内容が語られはしたものの、アポロンの神話をその原型から追う形での詳細な話は未だされていなかっただけに、今回は存分にアポロンについて語り尽くしたという感じである。やっぱり太陽神としての姿はほとんど見られることはなかったんだけれど、ヒューペルボレアをはじめとして彼の神としての歩みの話は興味深かった。内容に関しては作者独自解釈のトンデモ話、という作者自身のお墨付きではあるものの、こういう神の原型をたどる話というのは前作から実に楽しませてもらっている。
しかし、ヴォバンや翠蓮姐さんは魔王内戦の時のあれで飛ばされたというのはわかっているんだけれど、槍の女神さまはどういう経緯あってこっちのブランデッリ一族の守護神なんかやってるんだろう。

1巻 2巻 3巻感想

若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です!2 ★★★   



【若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です!2】  森田 季節/ 47AgDragon  ダッシュエックス文庫

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超ホワイトな黒魔法の会社で働いています! 今日もフランツはネクログラント黒魔法社で楽しく働いている。 使い魔であるサキュバス・セルリアがお見合いをすることに!? 望まぬお見合いを阻止するために休暇を使って魔界に乗り込んで大騒ぎ! 男爵としてもらった領地は限界集落だった!! フランツは領主として町の過疎化を食い止め、新しい産業を興せるか!? 黒魔法業界のヘンテコ研修で新たなチョロイン登場!? 帰省した地元で女子社員全員とバカンスしたり、フランツの社会人生活はゆるく楽しく進行中。犬耳社長も頼れる先輩も、妹系悪魔っ娘もサキュバス使い魔も、沼トロールも研修仲間もみんな笑顔の超カイテキ☆お仕事ファンタジー、話題沸騰の第2巻!!

親父殿の心の叫びが苦笑いを誘ってくる。そりゃあねえ、都会に行って就職した息子が突然たくさんの可愛い女の子とお近づきになってリア充化してたら、なんかもう心の内から吹き出すものがあるよねえ。長年、堅物として自分に蓋をし続けていたのならなおさらに。
でも、親父殿、ちゃんと息子がいるように奥さん貰って家族養って社会的にも真っ当に生きてきたんだから十分じゃないか、とも思うんだけれどそれはそれとして、息子羨ましい! となるのはまあわかる。わかるけど、お母ちゃんの前で実際に叫んじゃダメだから。熟年離婚一直線だから!
社会の闇ともいうべきブラック企業については、昨今どの界隈でも泡を飛ばして語られるのだけれど、逆にホワイト企業なんてものは奇跡の逸話として語られるばかりでなかなかそれを題材にした作品というのは見かけないのだけれど、こうしてホワイト企業努め、聖人のような社長のもとで働き、存分に休み! 女性関係も次々に華やいだ関係を結び、仕事内容も充実したやりがいのある業務に終始し、とまあ夢物語もここまで来ると癒やしのように感じるものです。
この天国みたいな環境で図に乗らず、ひたむきに頑張り誠実に人と接し自分の得た幸福を他人に配ることに躊躇を抱かなない主人公のフランツくんは、文句なしにいいヤツなのでその境遇は羨ましくはあっても妬ましくはないんですよね。
良き頑張りが正しく報われる世界こそ、幸福な世界というやつじゃないんでしょうか。
まあこの青年、草食系の大人しい男の見えて据え膳は断らずにまめに全部食べてしまう、ある意味お行儀の良い肉食系なんですよね。日和ったりヘタレたりしないのは、ラブコメ主人公の範疇に収まらない並々ならぬ逸材なのではないでしょうか。黒魔法の才能よりもそっちの才能の方が驚異的すぎる。
でも、自分からガツガツ行かないので、その意味では安全な男でもあるのですけれど。ただ、困ってたり本当にピンチになってたりすると、ひたむきに助けてくれるので頼り甲斐も並々ならぬのである。……まあモテるよね。
ただ、性的なハードルが低いサキュバスやそのへん気軽な社員さんたちはともかくとして、あの田舎出身の黒魔法使いの女の子は、あれは単にちょろいだけだと思うぞ、うん。

それにしても、ケルケル社長はなんなんだろう。天使? ケルベロスだけど、天使? 能力もあり人格的にもまともで善人にも関わらず、社会で上手く行かずに路頭に迷いそうになっている人の前に忽然と現れて、うちで働きませんかと勧誘してくれるこの社長さまはなんなんでしょう。女神?
黒魔法使う人限定ではなかった、というのが今回発覚して、なんかさらに神聖度がアップしちゃったんですが。
ってか、社長入社した人にはみんな儀式やってるんですか?w

シリーズ感想

魔弾の王と凍漣の雪姫 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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弓は臆病者の武器。祖国でそういわれ続けてきた少年は、少女の言葉によって己の進むべき道を見いだし、守るべきものを得た。二年後、ブリューヌ王国はジスタートと同盟を組み、大国ムオジネルと開戦する。ティグルは病に伏せた父ウルスに代わり、初めての戦場へと向かった。戦争は順調に進んでいるかのように見えたが、奇襲を受けブリューヌ軍は戦線崩壊する。敗足するティグルの部隊。その窮地を救ったのはオルミッツ公国の戦姫、リュドミラだった。二年ぶりの再会を喜ぶ二人。しかし、その行く手には新たなる戦いが待ち受けていた。戦乱の世を舞台に、伝説の時代より続く闇の勢力との戦いが、今はじまる!!
MF文庫で展開された【魔弾の王と戦姫】シリーズの完全IFシトーリーとなる本作。リュドミラをメインヒロインに完全新作として展開されることになったのですが……ティグルがエロ小僧になってるー!
いや、見境なく女好きというわけではなく、幼い頃に交流のあったミラ一筋なんだけど、若さ故の欲望に対してかなり素直になっているというか、このエロ小僧め! 一方のミラの方もそんなティグルにだだ甘なんですよね。
前シリーズでのティグルがエレンと結ばれるまでかなりストイックで恋愛ごとからは本人的には後回しにしていたことから考えると、身分差のあるリュドミラと結ばれるために功績をあげようと意欲を燃やしているティグルは、何とも新鮮というかミラに一途な恋に燃える情熱的な男になってて、かなりキャラ違うんですよね。
最初は戸惑っていたのですけれど、考えてみると前作のティグルが早くに父ウルクを亡くしてアルザスの領主として責任ある立場となり、常にアルザスの事を最終盤に至るまで自分の中の最重要に位置させて動いていたのを考えると、本作ではウルクが生きていることで領主という責任や立場から自由になり、一人の青年として生きていることがこの違いになっているのか、と思い至ることでストンと腑に落ちたわけです。何気に、ティグルに年が離れているとはいえ弟が出来ているというのもポイントかと。いざとなっても、ちゃんとアルザスの後継者が他にいるという安心感は大いに軛を断つものですし。
これはヒロイン側のリュドミラの方にも該当していて、前作では早世していた母で戦姫だったスヴェトラーナが戦姫は引退したとは言え、元気に健在しているというのも大きいんですよね。ティグルと同じく彼女も若くして後ろ盾となる母を亡くし、公国を引き継いで背負って戦っていたわけですから、色々と自由にならない部分もあったし精神的にも決して余裕があるわけではありませんでしたからね。それでも立派に戦姫であり公王をやってのけていたのですが、この立派という部分に縛られたところも大きかったかと。その意味では、戦姫を継いでいるとはいえこっちのミラは自由度がマシていますし、幼い頃にティグルと過ごしたことでミラに本来あった冷厳さが削がれて人格的にもすごく柔らかくなった、というのは周りの人からの評価でもあるようですし。
まあ、あのミラとはまたぜんぜん違う姉御肌のラーナ母さまが後ろでドーンと控えていてくれたら、ミラもやりやすいですわ。そのやりやすい分をティグルへのだだ甘っぷりに随分とつぎ込んでいるようですけれど。
ビジュアル的にも髪伸ばしているせいか、随分印象は異なってしまいましたが、甘やかしつつもきちんと厳しくするところは厳しくするあたりは、ミラらしくてそこらへんは変わってないんですよねえ。川口作品とは長いお付き合いとなる絵師の美弥月 いつかさんですが、やっぱりこの人と八坂ミナトさんは、川口士作品にはなくてはならないパートナーだなあ、と実感しております。

他にも色々と歴史が変わっている世界観ですけれど、一番の仰天部分はやはりヴァレンティナ様でしょうこれ。大鎌の竜具・虚影エザンディスは、前作でも最後に出てきたミリッツァに既に引き継がれてて、本作でもミラ以外に登場する戦姫としてミリッツァ大活躍だったのですが、その前の持ち主であるところの、そして前作ではラスボス級の黒幕として暗躍していたヴァレンティナが……なんか本作では既にえらいことになってしまってるんですがーーー!!
爆笑してしまいましたがな。
もしかして、前作で彼女を駆り立てていた野心も、一つ間違えればこれしきのことで満たされて幸せになっちゃってたのかもしれないのか、と思うとなんとも擽ったいようなおもはゆいような。
いやもういいんですけどね。これはこれで、もうティナ様ご満悦のようですし全然いいんですけどね! にしても、相手って誰なんだろう。

黒騎士ロランが早くも登場しティグルと交流を持ったり、魔物が早速現れて交戦することになったり、ティナルディエ公の方も相変わらず真っ黒だけど以前とはまた違う歴史を辿りそうだったり、ブリューヌ国王ファーロンが精力的に動き回ってて実に名君っぽかったり。
前作はあれでかなり完成された物語で、これをどうイジって新しいストーリーを構築するんだろうと疑問に思っていたんだけれど、これはちょっと期待以上に別物の面白い英雄譚、戦記物になりそうで読む前より読んだあとの方がワクワクしています。
ダーマードが相変わらずいいキャラしていて、またぞろ彼がティグルの相棒になりそうなのが嬉しかったり。前作から好きだったもんなあ。何気にダーマードのヒロインっぽいお姫様も出てきていて、ニヤニヤしてしまった。あと、相変わらずムネジオル王国の王弟クレイシュが強キャラ過ぎてドキドキしますわ。こと軍の指揮官としてはこの髭親父がやっぱり最強なんじゃなかろうか。何度繰り返しても、軍勢を押し返したり判定勝利は得られてもこの人を討ち取るとか軍勢を撃滅するとかのイメージが湧かないんですよねえ。
前作のメインヒロインであるエレンもちゃんと登場。良かった、違う戦姫にはなっていなかった。そしてやっぱりミラと仲悪い! 今回はティグル、ミラに一途っぽいので前作のようにハーレムとはいかなさそうなんだけど、果たして他の戦姫たちとはどんな関係になるんでしょうねえ。そこはちと気になるところであります。特にエレンに対しては。
ともあれ、新シリーズ期待以上で実に先が楽しみです。

川口士作品感想

英雄教室 10 ★★★   



【英雄教室 10】 新木伸/森沢 晴行 ダッシュエックス文庫

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ローズウッド学園は今日も常識外れに青春中!最近人間離れしすぎのアーネストがついに分裂!?ちっちゃいアーネストがみんなのペットになって大騒ぎ!!剣聖の娘・サラは恋愛にキョーミ津々!!オトナの女性目指してレンアイ修行スタート!?魔法の指輪でブレイドが5歳に!?盛り上がる女子たちの期待とは裏腹に、子供時代のブレイドはとんでもない野生児だった!!小さくてもすでに十分超生物なロリブレイドとガチバトル勃発!!勝利は誰の手に!?魔王ちゃんが魔界に里帰り!?魔王不在で群雄割拠の魔界にローズウッド学園の生徒たちも殴り込み!!ローズウッド学園四天王が、全てをぶっ飛ばす!絶好調超生物学園ファンタジー、第10巻!!
前々から人間もうやめちゃったんじゃないか、と言われてたアーネスト。似た感じの能力を持つルナリアが登場し、一緒に魔人化、一緒に融合なんて事もやってたので若干沈静化していたものの、最近とみに人間やめちゃってる能力を開発しまくったうえに、挙げ句に分裂である。斉天大聖孫悟空も髪の毛から分身を作ったりしてたけれど、アーネストの場合は自分の体を細分化しての分裂で、どれが本体ということもなく全部本物のアーネストですからね、それはもう人間じゃなくてスライムとかそっちですから。スライムだって最近は核があってそんな分裂とかしないんだから。
超生物な勇者さまもお墨付きの人外である。やろうと思えば大概力押しでなんでも出来るブレイドをして、自分そんなん出来ないから。もう人間じゃねえ、と言わしめる人間離れっぷりである。登場当初の規律正しい女帝さま、というキャラはほんと遠くになりにけり、だなあ。精神年齢、明らかに下がってブレイドと同じぐらいになってしまってるし。最近のブレイドの成長ぶりからすると、もう抜かれてても不思議ではないぞ。
これでわりと仲の方は進展しているんだから不思議なものである。なんだかんだと、ブレイドがアーネストのことちゃんと意識するようになってますものねえ。
面白かったのが、ブレイド(五歳)の若返り話で、いや話自体が面白いというよりも若返りの理屈が面白かったというか。これ、肉体が若返るのではなく厳密には幼い肉体年齢当時の当人を過去から引っ張ってきてるようなものなのか。限定的な時間移動? この場合、現在のブレイドはどこに行っていたのか、という疑問点も出てくるものの幼い頃の記憶としてブレイドの中にちゃんと思い出が残っているのはなんだかほんわかさせられる話だった。
ラストの中編は、いきなり魔界旅行編。マオの帰省に便乗してかつて勇者たちが攻め込み魔王と一大決戦を繰り広げた魔界へとほいほい行っちゃうのね。さすがにブレイドが危険で危ないと認識していたのでヤバイところなのかと思ったけれど、とりあえずこれについてこられるくらいにはクラスメイトの面々も強くなってるのねえ。魔界ルートの中でもイージーなところを通ったとはいえ、辛うじて準英雄級なクラスメイトたちと現状出力四%なブレイドでサクサク進めるんだから、大戦期とはやはり違う状況なんでしょうなあ。
ってか、魔王って死んでなかったんか! マオの登場時のエピソードではがっつり死んだみたいな話だったのに。あれ? それともブレイドそれとなく否定してたっけ。覚えてない。
魔物の死と再生のシステムもこれ面白いなあ。倒されれば倒されるほど強くなって復活するのもさることながら、倒された相手に似た姿や特性を持って復活することで同族が増えていく。さらには知性化を経てただの魔物ではなく、死と再生のサイクルから独立した種族として巣立っていく、というのは面白いシステムである。
ラストの酒盛りは、伝え聞くばかりの大戦だけれど本当に終わってたんだな、というのを実感させてくれる良いシーンでありました。この子たちはほんとに戦後の平和な時代に生きてるんだなあ。

シリーズ感想

神域のカンピオーネス 3.黄泉比良坂 ★★★★  

神域のカンピオーネス 3 黄泉比良坂 (ダッシュエックス文庫)

【神域のカンピオーネス 3.黄泉比良坂】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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北欧神話の世界から帰還した蓮たち一行は、梨於奈との婚約話を進めるため日本の魔術組織「神祇院」の本拠地・京都を訪れていた。梨於奈の妹・芙実花も登場し、将来の家族と仲を深めていく蓮。だが京都に新たな空間歪曲が発生し神話の世界と繋がってしまう!!サンクチュアリ・黄泉比良坂―日本神話の世界を瞬く間に滅ぼした女神イザナミは日本へ侵攻、黄泉醜女と呼ばれる凶悪なゾンビたちで関西地方は溢れかえってしまう。未曾有の危機に為す術のない神祇院は、唯一神に対抗できうる“神殺し”六波羅蓮に日本を託すのだった…!女神イザナミ、英雄スサノオ、八岐大蛇…日本を舞台に新たなる神話級バトルの幕が上がる!!
ちょっ、神殺しさまに対してなんという対応を。
流石は神殺しやまつろわぬ神々の脅威に見舞われずに来た世界である。カンピオーネの世界の業界関係者なら真っ青になって逃げ惑うような対応を神殺しとなった蓮たちにやってしまう神祇院。神話世界の侵食に関しても認識が非常に甘いし、かなりぬるま湯に浸かってきたんだなあ、というのがよく分かる。カンピの正史編纂委員会は極めて優秀だったのに。
これは梨於奈が舐め腐ってしまうのも仕方ない。一見増長している風にすら見える梨於奈だけれど、あれで彼我の戦力分析は冷静極まるんですよね。自信満々だけれど、自分の能力の限界を見誤らないですし。あかんものはあかん、と割り切って暴走する心配はありませんし。
まあ、そんな彼女に見下されきっている、という時点でお察し、というところなのですが。それでも、日本の魔術組織として統制力を持つ神祇院は敵に回すよりも利用できるなら利用するのが一番言い訳で……、この点ではコミュニケーションの化物でもある蓮の方が交渉役として結構な役に立っている気がするぞ。結局、お飾りだった当主さまを絶対的な味方に引き入れた上に実権もたせたわけですから。
とはいえ、ある程度計算してそういう小細工できる人である一方、社会的だったり倫理的なものに対して極めて大雑把になれる、というのも神殺しの特徴なわけで、蓮って建前なんて全然気にしないというところで、カンピの護堂さんよりも質悪いんですよねえ。わりと平気で建築物や史跡もぶっ壊しちゃうしなあ。大阪がえらいことになってしまったじゃないですか。まあ大阪城くらいなら立て直しも容易かもしれませんが。あの城も頻繁に怪獣の類にぶっ壊されるところですし。
恐ろしいのは、相方である梨於奈もステラもイケイケドンドンで街や建物を破壊することに何の痛痒も感じないどころか、やっちゃえやっちゃえ、というタイプの人たちなんですよね。今回のパーティって、止める側の常識人タイプが一人も居ないw
どうやら霊媒であるらしい梨於奈の妹の芙実花はまだマトモなタイプのようですけれど、怖いお姉ちゃんに対して意見言えるような娘でもなさそうですし。
今回は日本が舞台ということで、出てくる神様・伝説上の人物もみんな和モノ、というわけでイザナミやスサノオはともかくとして、味方サイドに厩戸皇子と役小角というチョイスは渋くて好きです。役小角が賀茂氏の人というのは知らんかった。そう考えると、八咫烏を祖とする血統は日本の呪術を司る系統に位置している、というのもまんざらでもないのか。八咫烏の化身である梨於奈がめっちゃ胸そらしてドヤ顔しているのも、そこらへんの自負があるからなのね。
でもまあなるほど、そこまで梨於奈が自負を強くしているのなら、地元である大和こと奈良を差し置いて、京都が日本の都であり魔術の本拠を自称していることに、不満をいだいているのもわからなくはない。いやでも、この奈良県推しはなんなんですかねw 確かに、近畿圏の各府県はお互いわりと隔意持ってるところは無きにしもあらずですけれど。
さて、ズンドコ進展してしまった挙げ句に、早々に実家にご挨拶、というところまで進んでしまった蓮と梨於奈の婚約者関係。別に表向きだけ、というわけではなく、両者ともに乗り気というのが恐ろしい。いや、梨於奈はともかく蓮は微妙にどう考えているのかわからんところがあるのだけれど、結婚してしまうことに対して特に嫌がってる素振りもないからねえ。こうなると、ニコニコと見守っているカサンドラはともかくとして、ステラは穏やかならず。でも、そうか。ステラって体が小さくなっているということ以外に、人妻というハードルがあるのか! ステラ本人は全く気にして無くて浮気する気満々なようだけれど、蓮としては人妻相手はポリシーに反するようで……でも、いざとなったらまあいいか、で済ましそうな気もするんだよなあ、この男。
とりあえず、現代の軽トラックを乗り回して戦車戦車ヒャッハーしてるカサンドラさんが楽しそうでよかったです。一台くらいお持ち帰りさせてあげてもいいんじゃないですか?
とか言ってるうちに、そのカサンドラさんがえらいことになってしまったわけですが。やはり本作は梨於奈とカサンドラさんの二大ヒロインぷらすマスコットという構成で行くのか。

1巻 2巻感想

終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか?2 ★★★☆  

終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか?2 (ダッシュエックス文庫)

【終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか?2】 妹尾 尻尾/呉 マサヒロ ダッシュエックス文庫

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七星昴は、藤原一味による事件を解決したのち、最愛の妹・紅葉とともに断界魔装の訓練と、それに伴う医療行為(肉体接触による魔力補給)に励んでいた。そんなある日、紅葉にそっくりな妹のひとり・夕陽がベッドに潜り込んでくる。国家組織“魔女狩り”のリーダー・水奈星込愛の命により送り込まれた彼女と紅葉との三つ巴生活が始まり、爆乳姉妹に迫られては挟まれ、テクノブレイク寸前の生活を余儀なくされた昴。そんな中、藤原一味の残党が何者かに暗殺される事件が発生。込愛の思惑や夕陽の狙いは?そして昴と紅葉はついに一線を…!?魔女をめぐる限界ぎりぎりエロティックアクション第二弾!

くたばってなお、これほどの禍根を残すのか藤原は。
猛悪、と呼ぶに相応しい悪徳悪意邪悪の塊みたいな悪役だった藤原は、あまりにも悪として図抜けすぎていて、これに匹敵する敵役を出すのは難しいんじゃないか、と思えるほど。
出すとするならば方向性を完全に変えて、尊敬できる好敵手かあるいは対等に計略を叩き合うプレイヤーか、というところだけれど。
ともあれ、それほどまでの巨悪だった藤原である。やつが倒れたことでこれまで藤原がやってきたことが綺麗サッパリ消えてしまうわけではない。傷口は癒えぬまま残り、禍根は色濃く残っている。
後始末、というにはあまりにも凄惨な、邪悪なる所業の残務処理が今回の話となる。
やつは猛悪であり巨悪であった。つまるところ、彼自身が手を下すよりも、司令塔として様々な部署、領域に手を伸ばして表から裏から人を支配し、組織を掌握し、物事の道理を自分の都合の良いように改変していたのである。
だから、彼の支配下にあった領域の末端には、自分が一体何をしているか知らないまま彼の邪悪な所業の実行者、実働部隊、あるいは後始末のかかりとして片棒をかついで働いていた者たちがわんさといたわけだ。
彼らとしては真っ当な仕事としてそれをしていたつもりであったし、藤原によって規定され改変された情報は、彼らに自信と正しさと誇りを与えるに十分なものであったと言えよう。
だから、司令塔であり支配者であり指示者であり、ルールを定めるものであり、倫理を司るものだった藤原含めた首脳部が、まるっと削除されたとき、そこに残されたのは正しいと信じていた基準を見失った自覚なき実行者たちなのでありました。知らず、罪を犯していたことを、邪悪に加担していたことを、自らもまた邪悪の一員だったことを知らされてしまった人たちなのでした。
正義の基準を、価値観そのものを、加害者と被害者の立場を、根こそぎひっくり返されて、果たして正気でいられる人がどれほどいるのか。
誰を憎めばいいのか、誰を恨めばいいのか。この罪悪感を、嘲弄しながら悪人を討ったつもりで、無辜の少女たちを残忍に殺戮していたと自覚してしまった血塗られた手を、果たしてどう拭えばいいのか。
自分の最愛の妹と同じ立場だった娘たちを、嘲笑って殺した自分をどうすればいいのか。
討つべき邪悪は既に討たれてどこにもおらず、残されたのはやつの手先として働いていた邪悪の使徒であった自分のみ。
彼女の……夕陽の狂乱は斯様に重く複雑に絡まりきって、もう彼女の狂気と激情は、自らが邪悪だったと明らかにしてしまった、知らずにいれば苦しまずに済んだ事実を知らしめてしまった最愛の兄に向けられてしまったのも、また飲み込まざるを得ないんですよね。
愛と憎悪が混ざり合って得体の知れない怪物と化し、殺意と罪悪感もまた解けないほどに絡まりすぎて、自ずと最愛の人に始末をつけてもらいたいと願ってしまう。
その哀切に満ちた気持ちを、激情を、受け止めねばならない兄としての懐の広さ大きさ受容力。既に妹嫁さんが居るにも関わらず、お兄ちゃんこと昴に求められるキャパシティーたるや、尋常のものではないのです。これで元来、姉妹全員を嫁にもらうべく育てられた、という家庭環境がなかったらとてもじゃないけど受け止めきれなかったでしょう。普通、紅葉だけでもいっぱいいっぱいだもんなあ。一巻の際の紅葉の現況を振り返ってみれば、彼女の境遇事情諸々だけでスーパーヘヴィ級ですよ。おぱーいだけが大きくて重いんじゃないのさぁ。おぱーいだけでも、大きすぎておもすぎるのですが。
巻を重ねるごとに10センチずつ巨大化する巨乳って、どんなモンスターだよ。さすがに大きすぎると人体バランスとしてあかんでしょうw
ダッシュエックス文庫としては既存のラインを大いにぶっ超えたエロス描写満載な本作でしたが、まず何よりも姉妹の抱えるヘヴィすぎる鬱々とした状況を受け止め、護り尽くすお兄ちゃんの深くて広いくてエロい愛情の悲壮な覚悟を語るべき、愛とは自分ボロボロになって死ぬほどになるほど与えてなんぼ、というお話であり、邪悪をやっつけたからと行ってそう簡単にスカッとみんな解決して幸せになれるんじゃないよ。地道に傷は埋めて癒やして治して慰めてあげないといけないよ。壊すのは簡単で、元通りにするには途方もない労力と忍耐と愛情が必要なんだよ、というなかなかに厳しいお話でもありました。
だから、エロいことしてイチャイチャしないとやってらんないよ、というのは大変よくわかります、はい。大いにイチャコラしなしゃんせ。それだけの苦労はしてるし、結果も出してるんだから、やりなんせやりなんせ。

1巻感想

100年後に魔術書として転生したけど現代魔術師は弱すぎる ★★★☆  

100年後に魔術書として転生したけど現代魔術師は弱すぎる (ダッシュエックス文庫)

【100年後に魔術書として転生したけど現代魔術師は弱すぎる】 ざっぽん/はるのいぶき ダッシュエックス文庫

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かつて多くのダンジョンを攻略し最強の魔術師として恐れられたバラムは、弟子の裏切りによりギルドによって討伐されてしまった。それから100年後。駆け出し魔術師のミュールは、新たな魔法を使うために魔術書を探していた。目当てのものが手に入らず落ち込んでいたところ、胡散臭い露天商の男に、奇妙で貴重な本を格安で譲ってもらうことになるのだが…。なんと、その魔術書こそバラムが封印され転生した姿だった!!バラムは裏切った弟子へ制裁するため、人並み外れた魔力を持つミュールに目をつけ、一流魔術師に育てることを決める!!最強の転生魔術書と美少女魔術師のコンビが創る魔法世界の新しい歴史が、今始まる!!
へえ、単純に技術が失伝して退化してしまったわけではないのか。
古典のライトノベルからして、魔法というものは古代魔法王国なんてものが栄枯盛衰して、現代ではかつてほどの強大な魔法は失われてしまっている、という魔法技術の変遷は定番と言っていいものなんだけれど、本作の場合わずか百年での出来事であると同時に、当時使われていた魔法が使われなくなっているだけではなく、存在そのものが失伝していたり、魔法に関する知識そのものが衰退したりしているのです。記録からも記憶からも、昔の魔法に関するあれやこれやが失われてしまっている。
現代魔術師が弱いことにも、ちゃんと原因がある、という展開なんですな。最近の若いもんはなっちゃおらん、という未熟さや勉強不足を過去の亡霊が上から目線で嘆いて無双する、なんて話ではないんですなあ。
技術なんてのは覚えればすむもの。知識なら学べばいい。バラムが少女ミュールに見出したものは、魔力の多寡などではなく、魔術師としての矜持、学究の徒としての探究心、深淵と呼ばれるダンジョンの奥底へと挑む探求者であり冒険者としての意気そのものでした。
挑むは秘められた世界の謎。迫りくる危機への対処と解明。そのためには、誇りを持って仲間たちとともに目標へと挑む高い意思が必要なのです。意識高い系とか言うなかれ。そのために、ミュールたちは泥をすすって危地へと挑む覚悟が、何より真実を知ってなお折れない覚悟が必要だったのですから。
元々高い望みをもって魔術師の試験に挑んでいたわけではない平凡な少女でしかなかったミュール。バラムの封印された魔術書を手にしたのも偶然であり、それによって得た力で最初の頃は何をするでもなく、ただ流されるままに状況に甘んじていた彼女は、面白いことにバラムの魔術書の力が途方もないものであること、バラムの持つ知識が今の時代にはありえないものであること、そして秘められてた真実がこの上なく恐ろしいものであることを理解したとき、その特別さに増長するでも持て余すでもなく、その特別さゆえに成さなければならないことを自覚し、覚悟を得て、やるべきことを見据えると同時に、好奇心冒険心を育てていくのである。
まさに、ライトスタッフであることを証明していくんですよね。これは、教授する側のバラムにとっても嬉しいことだったのでしょう。悪名高き魔術師にも関わらず、バラムの態度って一貫して良いお師匠様なんですよね。あらすじでは、バラムは自分を裏切った弟子に対して怒っているような書き方をされてますけれど、実際には含む様子もほとんどなく、むしろ弟子の優秀さを認めていただけに彼が先導しているはずの現代の魔法の現状に対して困惑を抱いている、という描写がしばしば見られるほどで。
そもそも、なぜバラムがギルドに討伐されるはめになったのか。それに関しては彼が明らかにしたマナに関する仮説が原因みたいなことは匂わされているものの、そもそも討伐されたことに関して殆ど恨みがましいことをこぼしていないあたりからも、なんか複雑な事情があったんじゃないかと伺えるんだけれど、どうなんだろう。
ともあれ、彼自身多くの優秀な弟子を指導し、様々な研究を進めていた魔道の探求者であったためか、向上心の強い子には親切なんですよね。ミュールのみならず、彼女のパーティーに加わることになった他の二人の娘さんに対してもかなり好意的ですし。特にエリート扱いだけれど実際は才能ない超努力家なエステルに対しては目をかけている節もありますしね。このエステルの資質、特に心の強さに関して正確に見抜いて、同時に脆い部分も察して彼女の心を支えて立て直すようなフォローを卒なくしてのけるミュールは、何気に人の扱い方とか人を見る目とかずば抜けてる感じなのよね。ラファエラもかなり扱い難しいタイプだろうに、軽々と添えているしそもそもバラムからしていわくがありすぎるくらいありすぎる存在なのに、あれだけうまくやっているわけですから、ミュールという主人公にしてヒロインの一番の強みというのが、実のところバラムによって与えられた魔法の力ではなく、彼女自身の聡明さとコミュ力にあるんじゃないかという気がしてきた。
ともあれ、ひたむきに頑張る女の子三人が勇躍立ち向かう世界の真実、という構図は唆るものがあるので、次回以降も期待が膨らんでしまいます。

英雄教室 9 ★★★☆  

英雄教室 9 (ダッシュエックス文庫)

【英雄教室 9】 新木 伸/森沢 晴行 ダッシュエックス文庫

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ローズウッド学園の仲間は今日も青春まっさかり!不遇のイケメン槍使いレナードをみんなでビルドアップ!?イケメンビームにアーネストもたじたじ!?ブレイドはアーネストにプレゼントを買うため、生まれて初めてアルバイトに挑戦!果たして超生物は無事お金を稼ぐことができるのか!?念願の修学旅行に出発!!豪華飛空挺の旅に浮かれる生徒たちだったが、国王の用意したプランはとんでもないもので!?灼熱・極寒・超重力に真空まで、極限環境目白押し!英雄学校の修学旅行は超規格外!!アーネストが結婚!?他国の王子がアーネストを見初めて大胆アプローチ!!どうするブレイド!?超ヒット学園ファンタジー第9巻!
そりゃあ、眼光の一睨みが物理的衝撃をハッスルのなら、イケメンの白い歯キラリも物理的な☆になって発射されても不思議じゃないよね!
浴びると女の子が堕ちてしまうということは、マテリアル化された魅了の力ということになるんだろうか。いや、魅了という技術とか魔法ではなく、あくまでレナードの魅力が物質化したものなんだろうけれど、手ではたき落とせるというのは色んな意味でさすがだなあ、と。
でも、アホの娘であるアーネストを腰砕けにするくらいなのだから大したもんじゃないですか。レナードの場合、顔だけじゃなくて性格も一流のイケメンだけに何らかの形でもう少し報われてほしいけれど。ちょっと物分りが良すぎるというのもねえ。
アーネストのウェディングドレスが表紙を飾っているように、今回のメインのお話はアーネストの結婚話なんだけれど、その余波を受けているのかいないのか、全体的にアーネストとブレイドのラブコメ方面に比重が置かれていたような気がします、他の短編も。
レナードのキラキラ攻撃の話でもブレイド、露骨に嫉妬をみせるようになったし、5才児呼ばわりされてた彼の精神面もこうしてみると着実に成長しているのだなあ、と。普通になってきている、ということなのでしょうか。
アーネストの誕生日に、ブレイドが自分で働いてお金稼いでプレゼントを買おう、という展開なんかとても「普通」ですし。その結論に至る前に、アーネストにお小遣いねだってそのお金でアーネストにプレゼントを買おうと思っていたことは抹消すべき秘密なのですが。ブレイド、わりと考え方の方向性が王様にそっくり、というのは何気に色んな場面で垣間見える。特にダメ人間方面に関しては。
ブレイドは、そんな王様のダメな部分毛嫌いしているからちゃんと反省しているので大丈夫だと思うのだけれど、そのまま何の掣肘もなくブレイドが精神的に成熟したらそのまま王様みたいになっちゃうんじゃないだろうか。
アーネストが成長してセイレーン女史のようになるかというと、まあ無理そうなのですが。二人とも、順調に成長しても二人のような「大人」になれる姿は想像できないんですけどねえ。まあ、今の段階で充分お似合いの精神レベルなのですが。
あとちょっとブレイドがアーネストの乙女心を理解できるようになれれば、そこがゴールになるのでしょう。

魔剣も、なんか普通に増えだしてるし。焔の魔剣と来て氷の魔剣が来たら、そりゃ風と土の魔剣もありますわねえ。とまあ、四大元素に連なる他の魔剣が出てくるのはいわば「普通」の展開なんでしょうけれど、まさか魔剣の子供とかそういう発想はなかったw
一番最初にくっつく、というか出来ちゃった婚をするのが魔剣とは思わなかった!
それはそれとして、ネーミングセンスは最悪だと思うけれど。
そう言えば、色々な属性のキャラクターでてきてましたけれど、妹キャラって何気に居なかったんだよなあ。クーはペット&娘枠だし。とりあえず片っ端から属性埋めていく所存なのか。これだとそのうち、幼馴染とかも出てきそう。
でもまあ、妹枠のサラさん、ちゃんと婚約者付き、相手の男性がしっかりといるというのは新鮮かもしれないけれど。

シリーズ感想

神域のカンピオーネス 2.ラグナロクの狼 ★★★★   

神域のカンピオーネス 2 ラグナロクの狼 (ダッシュエックス文庫)

【神域のカンピオーネス 2.ラグナロクの狼】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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新たなる旅の舞台は、北欧神話!
サンクチュアリ・トロイアから帰還した蓮と梨於奈は、結社カンピオーネスの本拠地バレンシアにてつかの間のバカンスを楽しんでいた。結社の力をさらに強めるために、蓮との"政略結婚"を提案されて動揺する梨於奈。
だがそんな二人の前に、「侯爵」を名乗る新たなる神殺しが出現! 圧倒的な力で蓮たちを退け、北欧神話の世界「サンクチュアリ・ミッドガルド」に通じる空間歪曲を発生させ、姿を消してしまう。彼の地に眠る魔狼フェンリルの復活と神話世界の崩壊「ラグナロク」を防ぐため、ミッドガルドに乗り込む蓮と梨於奈。だが、侯爵を名乗る神殺しには恐るべき能力と秘密があった……!!
雷神トール、戦女神ヴァルキュリエ、主神オーディン……新たなる敵と味方、神話世界の英雄が入り乱れる! 「カンピオーネ! 」の丈月城が贈る、"神話を旅する"究極のファンタジー、早くも第2巻!!
ヴォバン侯爵、間違いなくこの世界の神殺しじゃなくって、護堂さんところのヴォバン侯だ!! 性懲りもなく世界も神々も関係なくご迷惑をおかけしてる!!
カンピオーネ同士のバトルロイヤルとなった魔王内戦のラストで、異世界に吹き飛ばされたときにどうやらヴォバン侯爵は死んだっぽい描写があって、ついにあの爺さんも年貢の納め時だったか、と思うはずもなく、やっぱりというかわかってたというか、こいつらどうやっても死にそうにないし、たとえ死んでも死なないな!
それどころか、なんか肉体年齢若くなって復活して、気持ちも若々しくなっちゃってるし。いや、若かろうが老いてようが基本的にこの爺さんなんにも変わらず、ビーストモードなんだけれど。
いわゆるパンドラによる神殺し育成システムが生成されていないこの世界では、どうやら神殺しという存在は本当に希少なようで、史上においても殆ど記録にも残ってないっぽいんですよね。どの年代でも一人以上、場合によっては数人、作中においては七人も魔王が勢揃いしていた護堂さんの世界は、なんで滅びてないのか不思議です。しょっちゅうあっちこっちでまつろわぬ神が発生して大破壊起こしているわけですからねえ。
その意味では、神話世界と繋がってそちらの影響が現実世界にも及ぼされる、というこの世界の模様というのはわりと迂遠ちゃあ迂遠と言える。神話レベルの激闘もちゃんと神話世界でやってくれるので、現実世界の方にはそれほど直接的な被害は出ませんものねえ。いやまあ、災害レベルの被害は出るかもしれなくても、怪獣襲来レベルの被害がぽんぽこ出るよりはよっぽどマシ、という考え方で。
しかしそれも、ヴォバン侯爵が闊歩し始めるとどうなることやら。あっちの魔王さまはいるだけで大破壊だもんなあ。まあ、戦いの対象となるものが基本的に神話世界側にしかいないのなら、それほどえらいことにはならないか、と思わないでもないのだけれど、神話世界の住人がこっちに来られない、というわけではない、というのはラストで証明されちゃいましたもんね。世界同士のシンクロ、なんて遠回しは影響じゃなくても、神様の誰かが乗り込んできたらそれだけで偉いことになるわけですし。
果たしてそれに対抗するだけの力を、現行の魔術結社が持っているのか。梨於奈とかちゃんと力を発揮できれば下手な神獣よりもよっぽど強いみたいですし、ジュリオの所属するカンピオーネスもちゃんと切り札持っているみたいなので、なんとも言い難いのですけれど。ってか、カンピオーネスのあの守護女神って容姿とか武器とかからして、なんかあの人っぽいんだが。これも繋がりあるんだろうか。
とか言っているうちに、ずんどこ進展する蓮と梨於奈。そもそも蓮さんが護堂さんと別の意味で女慣れしすぎてる! 爺様の薫陶行き届いていた護堂さんと違って、蓮くんはそもそも女性観が全然違いすぎてヤバイw
遊んでいるわけじゃない、けどハードルがめちゃくちゃ低いんですよね。イタリア人か、この男。
軽いけど薄くはないので、梨於奈さん的にはどうなんだろうと思うところなんだけれど、アカン意味でブーストが掛かっちゃってる! そして梨於奈の思いっきりの良さというか割り切りの速さがイケイケドンドンに拍車かけてる! まさか、そこまで平々といってしまうとは。動揺し動転しながら受け身じゃなくて積極的に攻めまくる梨於奈という構図がまたなんとも妙味を感じさせて、それをさらっと受け止めてるのか受け流しているのか微妙なラインでキープする、キープというと言葉が悪いか、お楽しみあそばされている蓮くんが、実に悪い男である。こいつ、人生楽しんでるなあ。

1巻感想

神域のカンピオーネス トロイア戦争 ★★★☆  

神域のカンピオーネス トロイア戦争 (ダッシュエックス文庫)

【神域のカンピオーネス トロイア戦争】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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『世界は神々で満ちている』

神話の世界と繋がり、世界中に災厄をもたらす異空間「サンクチュアリ」。
ギリシア神話に語られるトロイア戦争の世界「サンクチュアリ・トロイア」と繋がった日本の神戸市には、様々な魔物が現れ、甚大な被害が出ていた。
事態収拾のため、日本最高の陰陽師にして神の生まれ変わりを名乗る美少女、鳥羽梨於奈が派遣される。
だが、彼女の「ご主人さま」六波羅蓮は魔術界で最も権威ある結社《カンピオーネス》に所属しながら、何の力も使えない"素人"だった。
逃げ足と口のうまさだけが頼りの蓮に呆れる梨於奈。しかし、蓮には「神の召喚」をも可能にする切り札があった……!
「必ず神話の筋書きを変えろ。必要なら――神さえも殺せ」

神々の王ゼウス、女神アテナ、英雄アキレウス……神々と英雄が入り乱れる世界で、蓮と梨於奈はおよそ人間には不可能なミッションに挑む。
任務のためには《神殺し》さえも辞さない、神域への挑戦が今はじまる! !
果たしてアテナのビジュアルは【カンピオーネ!】と一緒なんだろうか。絵師が違うのでそのへん判断しにくい。
どうやらこの世界にはパンドラはおらず、エピメテウスとプロメテウスの兄弟もいないらしい。いや、居ないことはないのかもしれないけれどカンピオーネの後援者として動いた彼らは居ない、というべきか。しかし、それでも神殺しが誕生する仕組みじたいは存在し、実際にそれを成し遂げた「魔王」は史上に幾人か存在する、というようで。まあ【カンピオーネ!】の世界のように常時何人もの魔王が世界に君臨している、なんてわりとえげつない状況ではないみたいですね。あちらの世界のように頻繁にまつろわぬ神が降臨して暴れまわる、という怪獣映画の世界みたいなことになっていないからこそ、とも言えるのだけれども。それでも、神話世界と直結してその影響がもろにこっちの世界にまで波及してくる、なんていう異世界災害が勃発している、というだけでもまあ大概である。
果たして、どれくらい【カンピオーネ!】の世界が関係してるのかは一巻の段階ではよくわからないのだけれど。平行世界、というのは間違いないみたいだけれど。ってか、二巻で「侯爵」なる人物の登場が示唆されているのだけれど、もろにあのひとだよね!という状況ではあるのですが。
さて、今代の神殺しであるところの六波羅蓮くんである。自称平和主義者でありつつも色んな意味で「魔王」そのものであった草薙護堂氏に比べると非常に軽薄というくらいには軽妙としていて、それでいて強かな立ち回りとウィットに富んだ物言いで物事を飄々と捌いていく姿は、なかなか掴みどころのないキャラクターであると言える。ぶっちゃけチャラい。それでいて、妙に信のおける雰囲気を備えていて、これはこれで王様の領域にあるといえるのかもしれない。敢えていうなら、ジョン・プルートー・スミスのごとき粋人、というと傾向にそぐうものがあるかもしれない。或いはドニのような自由っぷりといべきか。そんな彼と、在る種の自信の塊、不遜なる婦人である鳥羽梨於奈とのコンビは妙な丁々発止が噛み合う面白いコンビであると言える。ステラの存在もいいアクセントになっているというべきか。決して仲良しトリオ、ではないあたりが尚更に。
そんな彼らが乗り込むのは、ギリシャ神話群の一端にあたるトロイア戦争の世界である。もろに神界に属する神様たちがたくさん出てきたり、英雄英傑の類がわんさかと出てくるあたりまさに神代そのもので、とにかく真正面からぶち当たってぶっ壊せばとりあえずなんとかなるし、なんとかならなくてもぶっ倒す、という塩梅だったカンピオーネ!と違って、こっちの蓮くんはそこまで無茶苦茶出来るような神殺し具合にはなっていないので、今ある力と人脈ならぬ神脈を駆使してうまいこと立ち回っていくことになる。それは、神話の物語の登場人物の一人となってあるべき物語の流れに介入していく、ということでもあり、ちょっとした神話に対する二次創作みたいな展開でもあるんですよね。今回も、トロイア戦争において英雄ヘクトールが討ち取られたあとの展開にもろに介入して、本来あるべき話の流れをひっくり返していくわけですから。
しかし、トロイア戦争。あのトロイの木馬の逸話のある神話、考えてみると大まかにしか知らなかったんだよなあ。子供の頃に、子供向けの大雑把な話を読んだくらいで。わりとちゃんと読むと、ギリシャの神々の無茶苦茶さと、ギリシャの英雄たちの蛮族っぷりがもろに見えてきてしまって、わははは、ってなもんである。まあ客観的に見てあのギリシャ神話群の話の内容っていろいろとアレだもんなあ。まあ神話って往々にして程度の差はあれ、アレなんだけれど。
それにしても、世界変わってもアテナは常に敵役なのか。あの女神様はどうにもこうにも男前すぎて、なかなか味方にし辛いのもあるのかもしれない。それに比べてステラのポンコツぷりときたら……。アフロちゃん呼びじゃなくてよかったね。

丈月城作品感想

若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です! ★★★☆  

若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です! (ダッシュエックス文庫)

【若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です!】 森田季節/47AgDragon ダッシュエックス文庫

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魔法学校に通う青年フランツは、卒業間近にもかかわらず就職先が決まらなくて焦っていた。フランツはダメ元で、白魔法と違って「キモイ・キタナイ・キケン」の3K魔法業界と言われ、若者に全然人気のない黒魔法の会社を受けてみた。すると、その会社は若者でも快適に働けるように、職場環境を改善しまくっていた。しかも、フランツと黒魔法の相性がよく、いきなり上級使い魔のサキュバスまで召喚できてしまう!就職できない彼をバカにしていた同級生をやり返しつつ、天使のような犬耳娘の社長に認められ、優しいエルフの先輩と一緒にドラゴンスケルトンに乗って出張へ!かわいい使い魔も一緒に、ゆるく楽しい社会人生活が始まります。

ひたすらホワイトな職場環境を描くだけで一作品になるのかー。森田さん、ガガガ文庫で芸能界に即した業界モノで、働く社会人の世知辛いというか身につまされるお話を書いてたんだけれど、その反動ではないんだろうけれど、なんかもうひたすらホワイト、ホワイト、ホワイトな会社で働くというネタで作品一つ作ってしまうとは。
昨今、みんなブラック企業に勤めて社畜化し続ける話か、ドロップアウトしてニートと化したりアングラ入りしてしまったり、あの世に旅立ってしまったり、そのまま異世界まで転生してしまったり、と忙しいご時世だけれど、そうだよね、異世界に行く前に現実世界でホワイト企業に勤めるほうが幸せを掴むには近距離だよね。チート能力貰うよりも、ホワイト企業に就職できる方が色々と早いよね!
というわけで、初任給は一般企業の倍。勤務内容は従事者の事をよく考えた健康にも優しくやりがいのあるもので、勤務時間や有給取得も自由度が高く、コンプライアンスはしっかりしていて、会社福利厚生も充実。会社の業務は多大な社会貢献にも通じていて、働けば働くほど世のため人のためになる。上司や同僚の先輩は優しく頼りになって、何より美人だったり可愛かったり。そしてなにより、努力は正当に報われる。
という夢のような会社に就職してしまった新社会人の夢のような新社員生活なのである。
そんな会社、経営やってけるのかよ、と思いたくなるところですけれど、結局従業員や社員に負担を、それも要らん余計な負担を強いないと利益をあげられない、というのは経営者の不徳の致すところなんですよね。まあ待遇あげればそれで全部上手く回るか、というとそう簡単なものでもないのですけれど、少なくともこの黒魔術会社の社長は超やり手です。多岐にわたる手腕を持つ彼女ですけれど、その一番の経営者としての才覚はやはり人材発掘、人を見る目、なのでしょう。不遇をかこつ人材を直接スカウトしてくる社長、それは単なる救済ではなくちゃんと自分の会社で活躍できるかを見極めた上でのスカウトでもあるので、少数精鋭の社員たちみんな業界でもそれぞれ唯一無二であろう能力や才覚の持ち主なんで、そりゃ新入社員にあれだけ出せるだけの稼ぎはじき出してますわー。
それでいて、自分の会社だけ儲ければ良し、という姿勢ではなく業界全体をイメージアップさせて底上げさせていこう。その為なら、別に自分とこの社員が別の会社に転職したり独立したりしても構わないという一貫した方針を立てているわけですけれど、いやこれ出ていくわけないでしょうに。のんびりやりたい人も、ガンガン自分を高めて行きたい意識高い系の人でも、両方思う存分やりたいようにやれる会社ですし、上司ですし、社長ですし、これだけ大切にしてもらったら社長への恩を感じて、とてもじゃないですけど出ていきたくならないでしょう。
これもまた、ある種の読者に対するストレスフリーを徹底した、夢を見させる作品、というやつなんだろうなあ。なぜか、若干自分の目から光が失われていくような心地も並行して味わったような気がしないでもないですが……ふふふ。

森田季節作品感想 

終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか? ★★★★   

終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか? (ダッシュエックス文庫)

【終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか?】 妹尾 尻尾/呉 マサヒロ ダッシュエックス文庫

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魔力枯渇の禁断症状。それは――。
「大きくなったら、私をお嫁さんにしてね、昴(すばる)お兄ちゃん」
 昴は人類最強の歩兵としてかつて従軍していたが、いろいろあって今はふつうの男子高校生。 ある日、四女・紅葉(もみじ)が魔力が枯渇(こかつ)して禁断症状――【欲情】が出た状態で昴のもとへ降ってきた。 魔力の供給方法は、供給源の昴との肌と肌での肉体接触…というか、撫でたり揉んだり摘(つ)まんだりすることで…。
 「これは医療行為、これは医療行為、これは医療……」
 あの日交わした妹との“約束”を果たすため、人類の敵と己の理性に力の限り立ち向かう! 限界ぎりぎりエロティックアクション! 第5回集英社ライトノベル新人賞《特別賞》受賞作!!
これ、お兄ちゃん完全にPTSD患ってたんじゃないですか。いろいろあって今はふつうの男子高校生、って普通の生活に戻れただけでもまだ幸い、という状態なんですよね。むしろ、ここまでよく復帰できたな、というくらいで。
単にヘタレたとか心が弱くて逃げた、という程度なら妹たちを放り捨てて、と言われても仕方無いかもしれないけれど、あの状態だと殆ど廃人に近い有り様だったわけですからねえ。
それよりも、仮にも義兄である彼の状態がまったく妹たちに伝わってないという時点で魔女の家系の扱いの酷さが窺い知れるのである。まともに人間扱いされてないんだもんなあ。
終末の魔女、なんてタイトルで大切な妹が人類の敵になってしまい、妹のために世界を敵に回すかいなか、みたいな悲恋めいた話かと思ったら、実態はもっとグロテスクで人間の悪意がこれでもかと敷き詰められた地獄への一本道、みたいな話でしたからね。仮にも人類の存続を脅かすような異次元からの侵略者に唯一対抗できる魔女の家系のものたちが、完全に実験動物扱いですもんね。それも、平気で実験で使い潰されるような、人権どころか人格すら認められていないような。いや、さすがに公的にも色々と隔意がある扱いをされているとはいえ、ここまで人倫無視しまくってるのはあの頭のおかしい快楽殺人者の上司が原因なんだろうけれど、それでも彼の行動が人類存続の利益として認められているという時点で十分イカレた世界である。十分、敵に回していっそ滅ぼしてしまえ、と思えるほどには。
ここまで胸糞悪い徹底した醜悪にして邪悪な悪役、というのも珍しい。
これで公安が味方にまわってサポートしてくれるという展開がなかったら、さすがに絶望感振り切ってたでしょう。孤立無援、世界から見捨てられたという想いほど後先をなくしてしまうものはないですからなあ。たとえ、世界に唯一二人きり、という相思相愛の想いがあったとしても。
記憶が失われても、なお魂が求め辿り着いた義兄のもと。彼が見てくれているのは記憶を失う前の妹である自分だとしても、今彼を愛したのは過去を持たないただの女である自分である。
愛するが故の葛藤。記憶が戻ることで今の自分が喪われることへの恐怖。今抱いている愛情が、なかったことにされることへの絶望。或いは、それは世界から憎み疎まれ滅ぼされようとしている現状に対する絶望よりも深く痛い恐れであったのかもしれない。
自分を見て。今の、この自分を見て。そんな焦がれる少女の必死さと、大切な妹を今度は絶対に守るのだという兄の決意との僅かな齟齬。もうちょっとそのへん、掘り下げて描かれるのを見てみたかった気もする。
何気に界獣の設定とか、作者の別レーベルでのもう一つのシリーズと若干似てるところがあるなあ、と思ってたらまさかまさかの展開で、あっちとこっち、リンクしはじめた!?


最強の魔狼は静かに暮らしたい ~転生したらフェンリルだった件~ ★★★☆   

最強の魔狼は静かに暮らしたい ~転生したらフェンリルだった件~ (ダッシュエックス文庫)

【最強の魔狼は静かに暮らしたい ~転生したらフェンリルだった件~】 伊瀬 ネキセ/kona ダッシュエックス文庫

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ゲームが友達の陰キャラ高校生灰上甲斐は、修学旅行のバス事故であっさり死んだ…はずだったが、女神によって異世界に転生、最強の魔物「フェンリル狼」として生きることに!最強の力を活かして何にも縛られず報われまくりな人(犬)生のはじまり…と思いきや、駄女神のせいでトラブル続出!さらに同じように魔物に転生して迷惑をかけるクラスメイトを止める仕事に駆り出され!?平穏に静かに暮らしたい最強魔狼のリアル犬系異世界ライフ、ここに開幕!
このパーティー、人間が一人もいねえ!
一応、下界に降り立ってしまった女神デモリカさまが、そのオーラの無さから人間扱いとなっているのだけれど、成立したパーティー、女神一人と魔王三人というかなり酷いメンツに。ってか、ギルドに登録する際のカード確認でめがみとか蟻とか全部ちゃんと記載されているのに、あんまり問題視されずにスルーされてしまうのって、確認ガバガバすぎやしないだろうか。まあ、犬や人形まで頼んだらギルド登録OKという緩さなのでいいのか、いいんだろう。
そもそも、人間の姿した女神デモリカと巨大蟻の女王・在処がポンコツすぎて頼りにならないせいか、途中からギルド長、見た目ワンコで人前では喋らないようにしている甲斐くんに依頼とか報酬の話するようになってたしなあ。意思の疎通が出来るっぽいからって、犬に頼るのはどうかと思うのだけれど、このパーティーの場合それが正解なので、ギルド長のおっちゃん見る目があるんですよねー。
さすがに魔王扱いされるだけあって、転生させられた(デモリカ様に)クラスメイトたち、野良で彷徨くには強力すぎる力の持ち主ばかりなのだけれど、そもそもそれほど切迫した世界観じゃないせいか、みんな適当にすごしてるんですよね。トラブルは起こるものの、メンツからすると普通に静かに暮らしてる範疇なんじゃないだろうか。なんだかんだと、このパーティーであんまり危険な依頼にも首突っ込まずに平和にやってけてるわけですし。みんなのポンコツ具合もトラブルメーカーってほどでもなく、収拾役を甲斐くんが押し付けられているとはいえ、それほどしんどいことさせられてるわけではないしなあ。
駄女神扱いのデモニカさまも、まーポンコツなのは疑いようもなく、オタク入っててあんまり役には立たないのですけれど、ちゃんと慈愛の女神らしい優しさと責任感の持ち主でいい娘なんですよ。この娘のためなら頑張るのもいいじゃないですか。それこそ、報われる話だと思いますよ、と。
キャラも立ってて話のテンポも心地よいリズムで、なかなか楽しい良作でした。

伊瀬ネキセ作品感想

カンピオーネ! XXI 最後の戦い ★★★★   

カンピオーネ!  XXI 最後の戦い (ダッシュエックス文庫)

【カンピオーネ! XXI 最後の戦い】 丈月城/シコルスキー ダッシュエックス文庫

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カンピオーネ7人によるバトルロイヤルは辛くも護堂の勝利で幕を閉じた。だが息つく間もなく、別時空から帰還したハヌマーン&ラクシュマナが立ちふさがり、エリカたちを追い詰めてしまう! 一方、アストラル界にて女神パンドラから神殺し生誕の秘密にまつわる真実を知った護堂は、ラーマとの決戦を前に、パンドラとある「取引」をするのだった。ついに決戦をむかえる護堂と最後の王ラーマ。熾烈を極める戦いの中、護堂は予想もできない行動に出るが……!? 神と神殺しをめぐる世界の真相がすべて明らかになる時、最後のカンピオーネ・護堂は「運命」のその先をつかめるのか……!? 超人気ファンタジー、ついに決着!!

まあそうだよなあ。数々の時間跳躍モノ作品において無敵無双を誇った「歴史の修正力」さんですらけちょんけちょんに踏みにじったカンピオーネである。たかが運命ごとき、敵ではないわな。とかく強いられる事を嫌うのが神殺しの本能である。本作における神殺しって、この最終巻で描かれたプロメテウス、エピメテウス、パンドラの兄弟夫婦による神殺し誕生のエピソードからもわかるように、神殺しの能力を人間が与えられるのではなく、神を自力で殺した人間に対して祝福、恩寵、報酬としてカンピオーネの力を与えるというものであって、そう端から運命に打ち勝った人間の可能性の権化がカンピオーネなんですよね。
他の作品に出て来る神殺しの多くが生来のものだったり運命によって役割付けられた能力だったりするのと比べれば、その在り方は正反対のものであったと言えましょう。
だから、カンピオーネが神を殺すのは、決して運命でも宿命でもない。ただ、好きでやってるだけなのだ。だからこそ余計に始末に悪い、とも言えるのだけれど、だからこそ神を殺すも殺さないも結局好き好きなんですよね。カンピオーネの自由なのである。パンドラ義母さまは力を与えてくれるだけで、なんかしろ、これしろあれしろ、あれを倒せとかは絶対言わないし。そう考えると、パンドラ含めて、プロメテウスとエピメテウスの兄弟は真の意味で人間の味方だったんだなあ。手取り足取り人間を導くのではなく、ただ火という可能性を与えてくれただけ、神に打ち勝つほどの人間にはそれに相応しい力を与えるだけ、という人間側の自主に任せてくれたという意味でも。
まあ、おかげさまで人間界には魔王なんて存在が乱立するはめになり、今回の魔王内乱では別の平行世界にまでこの迷惑千万な魔王たちを撒き散らしてしまったわけですけれど。それはそれ、これはこれ。自主独立には自己責任が伴うのである。
とまれ、神を殺すも殺さないもカンピオーネの自由、護堂の自由ともなれば、最後の王ラーマチャンドラとの決着がこうなった、というのはよくわかるんですよね。
もう十分やったもんなあ。
作中でも本人たちが語っているけれど、都合四回にも渡ってすでに鉾を交えているんですよね。そして、最後は強いられた戦いではなく、最後の王としての責務でもなく、運命によって縛られたものではなく、ラーマ本人も存分に心から護堂というライバルと戦いたいという欲求に基づいての戦いでしたから。ある意味これは、護堂が最初に出会った神、ウルスラグナとの間に成したかった決着だったんでしょうね。それを思えば、ラーマとの決着をこういう風につけられた、というのは護堂にとっても万感だったんじゃないでしょうか。護堂って同じカンピオーネの男とは凄まじく仲悪いけれど、何故か神様相手だと仲良くなっちゃってましたし。ってか、護堂って同じカンピオーネ以外だったら男の親しい友人、歳の上下関係なくかなり多いのよね。あれで、同性からも好かれる性格してるもんなあ。
ともあれ、神との決着も振り返ってみれば第一巻で叶わなかった復仇を果たしたとも言えますし、これはこれで最後の戦いに相応しいものだったんじゃないでしょうか。ボスラッシュはあんまりいらなかったような気もしますけど、結構中途半端でしたし。だいたい呼び出された相手、みんなやれと言われてやりたがるような連中一人も居ないですし。その意味では真のラスボスさん、無駄な足掻きだったな、と。
女性関係もついに決着。チーム草薙の四人娘たちを無事娶ることになって、ってか法律的にはあれなのでこれ内縁の妻扱いですか? 個人的には護堂が寄り切られてしまう決定的シーンを見たかった、という気持ちもありますけれど。
平行世界にぶん投げた他の魔王たちも……別に回収せんで良かったんじゃないですか? と思わないでないですが、放っておくと他の世界への迷惑が途方もないことになってしまってそうでしたし、ってか手遅れか、護堂が回収に向かった段階で既に半数が次元渡りが出来るようになって自力で飛び回ってる、とか聞いて正直怖いw
その能力獲得していなかったプルートーとドニも、飛ばされた現地で遊ぶのに夢中であっただけでその気になったら次元渡るくらい平気で出来そうだもんなあ。実際、ドニとか戻ってきてから次元渡りの能力獲得しようとはしゃいでるみたいだし。ハチャメチャすぎるw

21巻という長期に渡るシリーズになりましたけれど、ふつうとは違うアプローチというか、カンピオーネたちの他に類を見ないキャラクター性、精神性、無茶苦茶っぷりが本当の面白いというか楽しいというか、乾いた笑いが浮かんでくるというか、なんとも凄くて味わい深いものでした。刺激物としてはトビッキリでした、ともいえますか。
それでも、こうして見事に決着してくれて良かったです。感慨深いというかなんというか。なにはともあれ、おつかれさまでした。次回作も早速スタートしているようで、またぞろ楽しみ♪

シリーズ感想

英雄教室 8 ★★★☆  

英雄教室 8 (ダッシュエックス文庫)

【英雄教室 8】 新木伸/森沢晴行 ダッシュエックス文庫

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ローズウッド学園の仲間は今日もすくすく成長中! アイン&ツヴァイの霊鳥姉弟が、人間になっちゃった!? 元気すぎるパワーで女帝もたじたじ!
夏!海!南の島にバカンスにやって来た生徒たち。そこでブレイドとクレアの仲が急接近!?
帰ってきた現代学園!アーネストが幼馴染でソフィが転校生!?仮想世界で繰り広げられる英雄教室「日常学園ver.」のゆくえは!?
反目しあう生徒と王都防衛隊の両方に国王から指令が下される!逃げ出した厄介なモンスターを討伐せよ!今回の「実戦的訓練」は犬猿の仲の防衛隊と共同作戦!?しかも能力コピーするモンスターとか!?反則なんですけどーっ!?冒険&青春マシマシの第8巻!
カシームーー!? 皇帝カシムイベントは、なんか学園モノの定番というか、一番お馬鹿な友達キャラを親の参観にかこつけて持て囃すハメになる、というアレなんだけれど、アーネストをあれだけ女扱いすらせずに好き放題やらかす命知らずっぷりは一周回ってカッケエ! となるほどで、何気に後輩に信奉されているというのもわからなくはなかっただけれど、この短編のラストのオチにびっくり仰天ですよ。え!? 平民の子じゃなかったの!?
キャラクターの方向性、似ていると言えば似ているけれど言われないとわからないほどだしなあ。その上、女子からのモテっぷりの差ですがな。まあ、現状極めてモテナイ型の頭悪い男の子ですけれど、ナイスガイではありますし、わりと肝心な時の女の子の扱い方下手ではないと思うので、やはりおとなになったら変わるんですかねえ。
ちょっと「ほえ!?」と思ったのが、このカシムに対してイェシカが何気に気がある素振りをみせたところなんですよね。シリーズ中盤入って有耶無耶になってたんですけれど、確か最初の方ってカシムってクレアのこと気にしてなかったけか。それで、イェシカに対してはクレイがすごい意識してたはずなんだけれど、今回クレアはクレアでクレイのことちょっと気にしてるらしいことイェシカが発言してたし、見事にクロスした関係になりつつあるんだろうか。初期の頃の男子たちのアレが継続しているなら。それはそれで面白そうではあるのだけれど。
今回のシリアスというかしんみり話は、まさかの仮想世界編での展開となりまして。現状、みんなハッピーで悩みも不満もとてもありそうになかっただけに、それこそアーネストがそろそろブレイドとの関係まったく進展しないしブレイドの精神年齢的成長が頭打ちだし(そうでもないっぽいけれど)、鬱憤溜まったんじゃないか、と考えたんだけれど、そうかー、そっちの話があったかー。
ソフィについては、姉妹は精神はソフィの体に緊急避難することで救えたので、それで解決だと思っていたのだけれど、ああして姉妹仲良く暮らしている姿を見せられると、違う個体で存在するということの意義というものを想起してしまう。同時に存在するのと一緒に居るのとは、また別なんですよねえ。
でもまあ、この世界観だとアインとツヴァイがなんとなく人間化できたように、頑張ればなんとかなりそうな気がしないでもないんだけれどなあ。
あと、兄妹でもその歳で一緒にお風呂とかアウトなのに、幼馴染だから一緒にお風呂オッケーとかエロゲでもまず見たことないですから。アーネストさん、そこんところ本当によろしく。

最後の劣化コピーブレイドとの激戦見ると、もうクラスメイト全員人間やめてますよね、これ。それでいて、まだ準勇者級になるかならないかレベルだってんだから、勇者業界のインフレどこまで青天井になってるんだろう。

シリーズ感想

クロニクル・レギオン 7.過去と未来と ★★★★   

クロニクル・レギオン 7 (ダッシュエックス文庫)

【クロニクル・レギオン 7.過去と未来と】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

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過去と未来、すべての因果が激突する!! 女皇照姫(じょおうてるひめ)と平将門(たいらのまさかど)の反乱を抑えきり、ついに皇都の覇者となった征継(まさつぐ)と志緒理(しおり)。衛青(えいせい)とも協力して陣営を整えていたが、ついにカエサルが皇都へ向けて出撃。数千騎のレギオンが迫るなか、潜んでいたカエサル派による奇襲で皇都は大混乱に陥ってしまう! 衛青、大英帝国のエドワード黒王子率いる軍団と、カエサル軍が激突するなか、総大将である征継はローマの切り札、神箭(しんせん)ジェベと対峙する。悠久の時を越えて導かれる前世の因縁。かつての盟友との決戦に征継のとった行動は……!? さらに、まだローマ軍には謎多き不気味な英雄、ブルートゥスが残されていた……。 過去と未来、英雄たちのすべての因果が激突する第7巻!!

ああ、やることはちゃんとやってたんだ。そりゃあするよね。征継の素性からして女性の扱い方について我慢する、という文化はなさそうだし、そもそも抑制する必要性も理由もなにもないんだから。征継、オープン助平だし。
というわけで、女皇照姫の宮廷内クーデターにかこつけて、戦略的大転換を果たしてローマ帝国はカエサルの保護下から敵対していた大英帝国へとパートナーを取り替えた志緒理姫。ここで肝なのが、あくまで敵対のターゲットをカエサルのみに絞っていて、東ローマ帝国本国に関しては根回しをちゃっかり進めていて、カエサルを政治的にも戦略的にも孤立させてしまったところでしょう。謀略戦も然ることながら、こうした外交戦に関しても妖怪じみた辣腕さを見えた上に、宮廷政治においてもきっちり照姫の首根っこ押さえつつ、強硬手段で監禁、などという強引な手段に任せず、ある程度以上照姫の自由度を高めているあたり、加減をよく心得ているというか。実質、照姫はクーデター前よりも自身の勝手できる範囲は広がってるんですよね。おかげさまで変な属性はつくわ、けっこう志緒理とバチバチやりあってはいるんだけれど、ネガティブな方にどツボはまらなくなっただけでもだいぶマシなんですよね。照姫のキャラクターも相当面白いことになりましたし。以前が根暗で嫉妬深い小物っぽさからどうしても足抜けできない姫様だったことを思うと、これはもう一種の覚醒と言っていいくらいの変化ですし。あかん意味でも覚醒してる気がしますが。
これ、教育係の衛青将軍、苦労するでー。ただ、彼の場合その苦労を望んで買っているので、それこそ大船に乗せた気分なのですけれど。
徳川家康と天海という超大物政治家にしてネゴシエーターが手伝ってくれてる、というのも途方もなく大きかったんでしょう。ぶっちゃけ、徳川家康ってもっと信長とか秀吉みたいに召喚とか憑依とかされてもいい日本史上でも最強な偉人だと思うんだけどなあ。と、昨今の研究によって浮かび上がってる徳川家康の人物像を見るとそう思います。今回、ラストで美味しいところ持ってったのも大御所様だったしなあ。
こうしてみると、世界史上における最強クラスの将帥であろうジェベと征継の間に生まれた差、というのはそれこそ今世における充実感、だったのかもしれません。二度目の生に何を求めるのか。本作において活躍した復活者というのは、それぞれみんな今世に意義を見出し、また謳歌する人たちばかりだったんですよね。
どこか茫洋とした衛青将軍ですら、カエサルを裏切った理由を見てもわかるように前世における未練を今世で果たす道筋を見つけ、それに殉じたわけです。生きる目的を得、生きる楽しさを謳歌した。
その点、ジェベ将軍はそこに確固としたものを見いだせなかった。これはカエサルの抱え方の問題もあると思うのだけれど、飼い殺しみたいな真似をしてしまったからこそ腐らせてしまった、とも言えるんですよね。ジェベの将帥としての力量は一切衰えなかったかもしれないけれど、貪欲なまでの闘争心や野心、叶えるべき欲がなければ最後の最後の一線において及ばず開いてしまう差がある。
結局カエサルの致命となったブルートゥスの扱いにしても同様で、カエサルの弱点は同格たる英傑と肩を並べる、ということを知らなかった、というところにあるのかもしれません。黒太子エドワードは、ずっと獅子王リチャド1世と一緒に戦ってましたしね。征継もまた、前世から英傑たちとともに駆けるを人生としてきたわけですから、衛青将軍との息なんぞピッタリでしたし、共闘となったエドワード王子に対しても見事な任せっぷりでしたし。
皇帝の語源となったカエサルは、唯一無二の皇帝でありすぎたのか。征継の仮名となった土方歳三もナンバー2でしたし、衛青将軍もエドワードも何気に王にはならなかった人物。いわんや平将門なんぞは……アレはまた別の意味で王様ではありましたけれど。
それでも、偉大過ぎるカエサルを相手の闘争は、実に見ごたえのあるものでした。勝ち抜けたのは、これは愛の力と言っていいんでしょうかねえ。女の強かさのおかげ、とも言えそうです。
強かさばかりではなく、竜胆先生みたいに凄まじいデレっぷりなんぞも拝めたわけですが。いやあ、あのデレっぷりは凄まじかった。まさしく陥落じゃないですか。なんですか、あれ、もう本当にwww
もうちょっと日本を飛び出すスケールでのお話も見てみたかったですが、レギオンというシステムの面白さといい、最後まで楽しませていただきました。
レギオンシステムとか、あれ信長の野望形式のシミュレーションにも流用できそう。

シリーズ感想

クロニクル・レギオン 6.覇権のゆくえ ★★★★   

クロニクル・レギオン 6 覇権のゆくえ (ダッシュエックス文庫DIGITAL)

【クロニクル・レギオン 6.覇権のゆくえ】  丈月城/BUNBUN  ダッシュエックス文庫

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照姫と平将門の暴走により混乱を極める皇都東京。ついに全ての騎力を取り戻した征継は、志緒理と共に反撃の機をうかがっていた。だが京都遠征より突如折り返したローマ帝国の将軍・衛青が皇城を制圧、女皇を従え実権を握ってしまう!一方、水面下で征継たちと協力関係にある大英帝国軍は、関西方面で総大将・カエサルとの決戦に挑む。だが、ローマが新たに召喚した正体不明の英雄“ネモ”により、リチャード獅子心王が倒されてしまい…!?志緒理は起死回生を懸けて、江戸城址に眠る聖獣・大国主命を復活させ、新たな力とすることを試みるが…!?復活せし英雄たちの過去と現在がクロスする極大戦記、第6巻!
志緒理姫、ガンガン寿命削っていくなあ。この姫さんの凄いところは追い詰められて、他に選択肢がなく寿命を捧げるのではなく、ここぞという場面においてここで勝負かけなあかん! と、惜しげもなく自分の寿命を課金してしまえる勝負勘なのでありましょう。ガチャじゃないよ!? 運を天に任せているわけじゃあない。
一方で、大勝負を仕掛けておきながら自分がリスクを負うタイミングを追い詰められるまで慎重に取り回して温存してしまったのが照姫なわけですね。彼女に勇気や無謀がなかったわけではなく、これはもう生き馬の目を抜く生き方をしてきた志緒理と、飼い殺しにされてきた照姫の人生経験値であると同時に、志緒理の場合は心身を捧げ尽くせる相手と敷いて絶対的に信頼できる征継が傍らに居たのが大きいのでしょうなあ。これは、征継の真名がカエサルや黒太子のような王たるものたちではなく、大業を支えた功臣であったというのもあるかもしれません。それも、文字通り世界に覇をなしたチンギス・ハーンの臣下たる大将軍ですからな。男女としても君主としても、これほど稀有壮大な心持ちにしてくれる支えはないでしょう。
その意味では衛青将軍も同系統なんですよね。才能から人品からこれほど清廉にして鮮烈な人が歴史上どれほどいるものか。ただ、その外戚となりながら一族の権勢を高めることなく清廉に徹したことが、彼の一族の政治力を損なわしめてしまい、衛青将軍没後に一族が族滅させられたという事実が、彼に思うところを与えてしまっていた、というのはなかなかに予想外の展開でした。
彼のような人物が禄を食んでいたローマ帝国から離反して自由に振る舞い出す理由が想像つかなかったのですが、これはなんとも思わぬ方向から攻められたという意外感と同時に、衛青将軍の人となりが変貌してしまったのではなく、彼らしい清廉な在りようが変わることなくある種の稚気と後悔の発露だったとするのなら実に面白いところである。ってか、この期に及んで野心を滾らせるでもなく、ああいう涼やかな振る舞いを自然とこなしてしまう衛青将軍が好人物すぎて、なんかもう眩しい。
今回の行動を見ていると、決して腹芸や策謀を巡らすことの出来ない人ではなく、やろうと思えばスルッとこなせて、宮中の掌握の手際なんか見ても権力握ろうと思えばサラッと魔窟だろうと万魔殿だろうと仕切れてしまいそうな、このやり手風味たるや。本気で野心持ったら容易にカエサルとでも対抗できそうな君主になれてしまいそうなんだよなあ。それでも、根本的にその気にならない野心の無さが衛青将軍の根底であり、また魅力なんだろうけれど。この人が結果的にとはいえ敵に回らなくてよかったと心底思う。ってか、人類史における騎馬機動戦の最高峰にあたるだろう二人が両翼に侍るって、志緒理姫贅沢過ぎるくらい贅沢ですぜ。
とか言っている間に、カエサルの隠し玉であるネモ将軍の正体が明らかになって、ヤバさ待ったなしになってしまったわけですけれど。
あのネモ将軍の正体開陳、攻撃開始のシーンのイラスト、めっちゃカッコよかったですなあ。あれこそ、悠久の大地を駆け抜ける大将軍の姿でありますよ。ってか、浪漫だな。
衛青将軍の独自介入というイレギュラーに翻弄されながら、時間的にも戦力的にも瀬戸際を綱渡りしていく志緒理陣営なのだけれど、無い時間の合間を縫って飄々と志緒理姫をはじめとしたヒロインたちを喰っていっちゃう(性的)征継、まさに肉食の馬というかこいつユニコーンの一種なんじゃないだろうか。澄ましたスケベ馬。
挙句ついにアル中で女としてどうなの!? という有り様に徹していた竜胆先生にまで女の顔をさせてしまうという、やりたい放題だね!
しかし、一方でさすがはカエサルというべきか。志緒理がなんとか陣営を固めて権力と実動力を掌握していく一方で、着々と手をうち詰将棋のごとく見える手と見えざる手を同時に指し勧めていくこの政治家としても軍人としても人類最高の一柱たるを思い知らせてくれる手腕で。
逆にそうした頂上たる一柱だからこそのウィークポイントを攻めようとしている志緒理や大英帝国もまた、謀略戦では負けていないという、この政軍謀のあらゆるを駆使した鬩ぎ合いが大いにクライマックス感を高めてきている。
次回がラストというに相応しい盛り上がりだこれ。

シリーズ感想

魔法使いは終わらない 傭兵団ミストルティン――七人の魔法使い ★★★★   

魔法使いは終わらない 傭兵団ミストルティン――七人の魔法使い (ダッシュエックス文庫)

【魔法使いは終わらない 傭兵団ミストルティン――七人の魔法使い】 八薙玉造/赤井てら ダッシュエックス文庫

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「魔法使いは終わっている」
戦場の花形、魔法使いの支配で栄華を極めた帝国は、銃による集団戦術の台頭で崩壊した。亡国の姫にして“殱光”の魔法使いリオノーラは追われる身ながらも民のための戦いを続ける。その中で彼女は傭兵シャノンと出会った。数名の魔法使いのみを戦力に、百の敵を容易く打ち破る彼の姿に、リオは希望を見出す。最強の魔法使いリオと、魔法による戦術を熟知したシャノン。二人は互いの望みのために手を結び、幾千幾万の軍勢に挑む。一騎当千の魔法使いが繰り広げる復讐と逆襲の魔法戦記が火蓋を切る!
「我が名はリオノーラ・シゲル・ハートフォード!いざ、魔技を交えん!」

姫様、褒め殺しすぎるっ。これ、能力的にも破格なんだろうけれど、それ以上に性格が無敵すぎる。決して見識がないとかポジティブすぎるとか考えなしに信じすぎ、というわけでもないんですよね。
シャノンのあの皮肉屋で偽悪趣味という性格の歪んでいる部分に全く囚われずに本質をズバズバ突いてくるから、シャノンの方も上手く返せずにタジタジになっている、というべきか。姫様自身にフラフラしたところが一切なく、完全に覚悟完了してるというのも大きいのだろう。魔法使いの鑑みたいに言われる姫様だけれど、この世界の魔法使いってサイヤ人か! というくらいの戦闘民族なんですよね。姫様も、その辺鑑と言われるくらいだから、統治者としての意識と戦って死ね!的な戦闘民族のノリが見事にハイブリッドされてしまっていて……ヤバいぜ。
それで居て脳筋でも蛮族でもないというあたりがエゲツないんですよね。魔法使いの戦い方が銃火器が普及した集団戦が常識となりつつある戦場において、無力化されつつある事を承知した上で魔法使いの戦いに拘るのかと思ったら、全然こだわらずに柔軟に「戦い」に適応して、新たな魔法戦術を構築しようとしているシャノンの戦い方を飲み込んでいくのである。誇りある戦い、という姿勢は損なわないまま「勝ったもんが強い」という戦場の論理に従順な姫様、マジ戦闘民族である。
このある意味「物分り」が良すぎる姫様によって、ひねくれ者属性としてのキャラを語る端から叩き潰されていくシャノンの掛け合いがまた楽しいんだけれど、【鉄球姫エミリー】以来の本作作者の会戦描写も見所の一つでありましょう。
シャノンのクセモノとしてのそれは、リオ姫には褒め殺しされまくってしまってますけれど、一傭兵団の長でありながら戦場を思うとおりにコントロールしてのけるその口八丁と作戦能力はちょっとぶっ飛んだものがあるんですよね。最前線に居ながら敵も、そして自分たちを使い潰そうとする味方司令部をも掌の上で転がしてしまう。ここで凶悪なのは、気がついた時には敵にも味方からも選択肢を奪っていて、シャノンの思惑を見抜きながらもその考え通りに動かないとどうしようもないところまで追い込んでしまっていたところでしょう。敵味方ともに無能どころか極めて有能な部類の指揮官であったからこそ、シャノンの誘導に乗っからないといけない状況に陥れられた、というあたりが実にイカしているじゃないですか。
時代遅れと化しつつ在った魔法使いを、戦場での新たな使い方を提示することで凶悪な兵器として再構築してみせた、その固定観念にとらわれない戦術眼が目立っていますけれど、むしろ彼の真骨頂は自分たちの側の選択肢は可能な限り準備しておいて、自分たち以外の選択肢は決定的に閉ざしていくその作戦的なシナリオの策定能力なんでしょうねえ。
そんでもって、シャノンのその技能が全く通じないのが、用意していた各種選択肢を無視して最短距離でツッコんでくる姫様なんでしょうねえ。何しろ、姫様がツッコんでくるのはシャノンの想定していたそれを、全部上回ってくるような一番良い選択、なわけですから。
んで、完全軍師タイプなのかと思ってたら、平素から自分はすげえ魔法が使える魔法使い、と言っていたのもまんざら嘘ではないようで。あのラスト近くの刺客との対決シーンでの、シャノンの素性を知った刺客の反応なんか、凄く意味深ですもんねえ。
ともあれ、キャラ同士の掛け合いから大会戦の描写に、ひりつくような思惑が絡み合う謀略戦、とこれはもう非常に面白い要素が満載で、久々に八薙さんの真骨頂となるアレコレが楽しめそうな物語となりそう!

八薙玉造作品感想

モンスター娘のお医者さん 2 ★★★   

モンスター娘のお医者さん 2 (ダッシュエックス文庫)

【モンスター娘のお医者さん 2】 折口良乃/Zトン ダッシュエックス文庫

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医師グレンは助手であるラミア賊のサーフェとともに山奥のハーピィの里を目指している。その馬車を曳くのは、誇り高きケンタウロスのティサリアだ。だが、道中で巨大な地震がおこり、ティサリアの従者のケンタウロスが足を捻挫してしまう。なんとか辿り着いた先のハーピィの里では、先日、卵塞を助けたヤンキー少女・イリィが手荒く出迎えたり、サーフェの旧友の蜘蛛型のアラクネ娘が誘惑してきたりと、診察以外でもグレンは今日も忙しい!
そんなある日、地震の原因が巨大なモン娘の仕業だったことがわかり…! ?
モンスター娘をこの上なく愛する小説家と絵師が満を持して放つ"モン娘"診察奮闘記、第2弾!
あれ? いきなり舞台であった「リンド・ヴルム」から離れちゃうのか。一巻ではモンスター娘たちの治療という側面とはまた別に、様々な種族が混在してその混沌さと観光都市という在り方が相まって独特の文化を起こしている「リンド・ヴルム」という都市の様子を描くことが作品の魅力として機能していただけに、それをあっさり放棄してしまったのは勿体なかったんじゃないかと思ってしまった。今回はずっとハーピィの里での話になってしまったけれど、ハーピィ族の特色みたいなものはちらっと描かれていたけれど、都市の模様が描かれることそのものが面白味となっていた「リンド・ヴルム」と比べると、土地柄という意味での押出は何もなかったですしね。
それに、今回はケンタウロス、ハーピィ、アラクネ、そしてあらすじにもある巨大なモン娘、というラインナップだったのだけれど、最初のケンタウロスのケースを除いて、そのモンスター娘特有の病気とその治療、という趣旨はあんまり機能していなかったきらいがあるんですよね。ケンタウロスに関しては「ブリンカー」という競馬の競走馬で使われている視野を狭めて競走馬のメンタルを落ち着かせる馬具を、ケンタウロスにも当てはめて使っていて、非常に面白いネタだなあ、と楽しめたんだけれど、他の娘たちのケースは特にモンスター娘だから、という意味合いも薄いものばかりで、その治療法も魔物の特性に合わせた考えられたものだったかというと、うーん……。
一巻でのそれぞれのモン娘たちのよく考えられた症状と、その治療法に比べるといきなり淡白になってしまったな、とすら思えてしまったのが何とも残念。
助手であり姉弟子であるサーフェとの恋愛模様も引っ張り方が微妙なんですよねえ。アラクネの介入が刺激になったかというと、ちょっかい掛けてきたわりに上手く引っ掻き回せていたかというとどうかな、というところだったし。
ティサリアさんも恋敵としては色んな意味で真っ直ぐすぎて、逆にサーフェが動きにくそうにしてて変に面倒くさい言動に終始して停滞しちゃってましたし。
いずれにしても、作品としての武器や魅力をいささか取り零してしまっている感があって、一巻読んでの期待値からするとちと物足りなかったかなあ、と思うところでした。ふむ。

1巻感想

尾木花詩希は褪せたセカイで心霊(ゴースト)を視る ★★★   

尾木花詩希は褪せたセカイで心霊を視る (ダッシュエックス文庫)

【尾木花詩希は褪せたセカイで心霊(ゴースト)を視る】 紺野アスタ/竣成 ダッシュエックス文庫

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久佐薙卓馬は廃墟と化したデパートの屋上遊園地で、傷だらけの古いカメラを持った不思議な少女―尾木花詩希と出逢う。卓馬の通う高校で“心霊写真を撮ってる変わった女”と噂される詩希に「屋上遊園地に出るといわれる“観覧車の花子さん”を撮ってほしい」と依頼するのだが、「幽霊なんていない」と取り合ってもらえない。しかし、諦めきれない卓馬は写真部を訪ね、詩希を捜そうとするのだが、彼女がいるのは“心霊写真部”だと教えられて…。卓馬が逢いたいと願う“観覧車の花子さん”を、詩希は写すことができるのか―。少年の想いが少女の傷を癒す、優しく切ない青春譚。
昔から写真は撮るのも映るのも何故か苦手で、未だにスマホのカメラ機能ってほとんど使った事がない。
最近の人は老いも若きも関係なく、このカメラ機能を使いこなして、気軽に自分の周りの風景や時間を切り取っていく。携帯電話が世の中に登場して、そこに写メと呼ばれるカメラ機能が当たり前のように付属しているようになってから、もう20年近く経っているのだから、それも当たり前のことなのだろう。
ドラマや漫画などでは、事件や事故が起こった時一斉に野次馬たちがスマホを翳すシーンや、料理なんかを食べる前にパシャッと撮影するシーンなんかが、どちらかというとネガティブに描かれる事が多くて、何となく良からぬ印象が付きまとっている感もあるのだけれど、まあ野次馬の悪趣味な撮影はやっぱり嫌なものだけれど、個人個人が好きな時に気軽に手軽に写真を取って、記録できるということは素敵なことだと思うんですよね。自分はやんないのだけれど、それでも何かを残す、何かを切り取って置いておく、というのは素敵だな、と思うんですよ。そこに特別感がなく、本当に何気ない行為だからこその貴重さが在る。
一方で、今時フィルムタイプのカメラを用いて写真を撮る、という行為にはそれこそ特別な熱があるんじゃないかと思ってしまうわけです。何しろ、カメラのメンテナンスやレンズの扱い、フィルムから写真を現像するにしろ、デジカメなんかとは異なる面倒さが常に付きまとうのですから。
気軽にいつでも写真を撮れることと、写真を撮ること自体に特別を込める、両者には貴賤の差はなくても、やっぱり明確なスタンスの違いが在るんだろうなあ、と漠然と外側からは思っていたわけですけれど、彼女――尾木花詩希はその両方共と異なる一種独特なスタンスで写真を撮るという行為に没頭する少女でした。というか、彼女はフィルムの写真に特別な価値を認めているわけではなく、単に偶々安く手に入って簡単に扱えたから、という理由に過ぎなかったわけですし。
別にデジカメでも良かったのよねえ。デジタルを使えこなせれば、の話でしたが。
たったひとりの世界に追いやられて、そこから孤独でなかったころのキレイの残滓を探してカメラを構え続けた少女の世界に、割って入ってきた一人の少年。彼は、詩希がファインダー越しの覗いてる世界に居るかもしれない「幽霊」の姿を求めて、詩希の世界に踏み入ってくる。
二人の世界は思わぬところから交わりだしたのだけれど、断絶したお互いの世界はお互いの理解も断絶せずには居られない。それでも詩希は自分の手段である写真を通じて、過去とのつながりであるキレイの証明によって歩み寄ろうと必死に頑張るのだけれど、二人の世界が交わった「ゴースト」から。想いの残滓から。詩希の見た「キレイなもの」の正体に腰が引けてしまった卓馬とは、どうしたって繋がることが出来なかったのである。
二人とも不器用すぎて、すごく偏った手段でしか自分の望むものを手繰り寄せる方法を知らなくて、このあたりは見ていて本当にもどかしかった。
消され奪われてしまったがゆえに無関心で無感動で世界を色あせさせてしまっていた詩希が、あんなにも懸命にみっともないくらいにバタついて半泣きになりながら自分のできる手段で何とか卓馬に繋がろうとしているシーンの、息苦しさといったら。
「卓馬くん」とこの子に呼ばれる価値を、少年はもう少し噛みしめるべきだった。まあ、言葉も意図も想いも通じてくれない、という辛さはわからなくもないのだけれど。どっちもどっち、でお互いに思い込みが強すぎたのだろう。
個人的にはもう少し、語り口のスムーズさが欲しかった。特に主人公が予定された脚本通りにしか喋ってないなあ、という感覚を覚えてしまったので。


カンピオーネ! XX 魔王内戦2 ★★★★   

カンピオーネ! XX (ダッシュエックス文庫)

【カンピオーネ! XX】 丈月城/シコルスキー ダッシュエックス文庫

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草薙護堂は神殺しである。『最後の王』ラーマとの決戦を賭けて激突する魔王VS魔王。混戦の中、なんと羅濠教主とヴォバン、最古参のカンピオーネふたりがまさかの同盟!迫り来る最凶タッグに、護堂はやむなく手を組んだドニと共にこれを迎え撃つ!一方、ラーマに寄り添う黒き影にしてその実弟、ラクシュマナも顕現。魔王内戦の裏で、怪しい動きを見せ始める。さらに激戦の最中、導かれるようにしてアストラル界にたどり着いた護堂。そこで、ラーマの圧倒的な力の源『盟約の大法』を無効化するための、ある驚愕の秘策を知る。そのための鍵を握るのは、やはりあのカンピオーネで…!?地上も霊界も全てを巻き込んで加速する魔王内戦、ついに決着!!
時間の果てに飛ばしても、「ただいまー」とばかりにあっさり戻ってくるカンピオーネ諸氏w
いやあ、事前に対策打っていたとはいえあそこまで簡単に1万2000年前から戻ってこられると笑ってしまうしかない、ジョン・プルートー・スミス氏。このシリーズ読む度に言わざるを得なかったんだが、重ね重ねこいつらデタラメすぎるww
一応事前のこの魔王内戦の決着策として、夫人の能力で過去に飛ばして、というのは容易に想像出来たんだけれど、ビンビンにやる気なってるカンピオーネ相手だと過去に飛ばす程度だとほとんど意味ないんだもんなあ。
いやね、普通はラスボスクラスでも時間の果てに飛ばされたらそれでそのまま物語としてエピローグに突入してもおかしくない展開なんですよ? 実際に飛ばされたのは今回スミス氏だけだったとはいえ、他の連中も飛ばされたとしてもまず間違いなく長くても数時間で戻ってきそう、というこの確信の揺るぎなさには笑ってしまうしかない。
その現状でもデタラメなカンピオーネ諸氏が、このカンピオーネ同士の全力闘争によって軒並みガンガン自分の権能磨き上げ、めきめき目に見えてレベルアップしていくんだから、手に負えるってなもんじゃないでしょう。
護堂ですらここに来て、今まで持っていたウルスラグナの権能の使い方が工夫レベルじゃなく熟練度があがってより上位の使い方が出来るようになりました、って感じで使えるようになってしまったし。古参であるはずの姐さんですら、新たな技を開発する始末。
個人的には斬る専門でなかなか手の内を見せなかったドニが、ここに来てほぼ使える手を全部見せてくれたことにワクワクでした。ってか、流星剣ってなんじゃーそりゃー! 
ものすごいのは、ここまでやっておきながらカンピオーネ6人、誰一人格落ちを感じさせず、それどころか全員ヤバすぎ、と今まで嫌というほどわかっていたはずのカンピオーネの脅威をさらに盛り込んでワサビ刷り込むように味わわせてくれたことでしょう。そりゃ、これ機会にカンピオーネ全員この世から抹殺してしまった方がいいんじゃないだろうか、と色んな人が思うのも無理ないわなー。よっぽど神様たちよりも質悪いもの。
ついに歴史の修正力さんが実際に現れてしまって、ガチで泣き入れてきてしまったわけですしw
うん、これはもうどいつもこいつもどれだけ戦い尽くしても死にそうにないわー。残念ながら内戦のガチ勝負でとてもじゃないけれど決着がつくとは思えないし、ついた時点で地球が環境を保っているかどうかも怪しくなってしまう。こいつら、アイーシャ夫人のアレなく本気で続けてたら百日戦争くらいなってたんじゃなかろうか。
そう考えると、スミス氏の作戦はもうさすが賢人ですね、としか言いようがない。なんだかんだと、カンピオーネの中ではこの人まともな部類だよなあ……実はスミス人格よりもアニーの方がやべえんじゃないだろうか、という疑惑が発生してしまったわけですがw

決着はあくまで草薙護堂で。これは、神を獲物としか見ていないカンピオーネの中で唯一護堂さんだけが、神の中に友情を見る故、なんですよね。ウルスラグナの権能を得たきっかけもそうだったし、ランスロットの権能もそう。そして、アテナとのライバル関係もそう。
カンピオーネのみならず、鋼の英雄として女神の眷属からも嫌われ、精霊種たちからも排除されようとしているラーマ王子。そんな中で敵でありながら、護堂だけがラーマに対してそれだけではない違う顔を見出してるのである。
でも戦うんだけどね!

シリーズ感想
 

6月28日

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6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
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猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
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たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
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幌田
(まんがタイムKRコミックス)
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6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
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鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
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迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
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篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
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寺王
(オーバーラップ文庫)
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御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
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メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
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雨川水海
(オーバーラップノベルス)
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江口 連
(オーバーラップノベルス)
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和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
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KK
(オーバーラップノベルスf)
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雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
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6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
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志瑞祐
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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月見 秋水
(MF文庫J)
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三月みどり
(MF文庫J)
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花間燈
(MF文庫J)
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衣笠彰梧
(MF文庫J)
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常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
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ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
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疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
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九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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甘岸久弥
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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天ノ瀬
(MFブックス)
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ラチム
(MFブックス)
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櫻井 みこと
(MFブックス)
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御手々 ぽんた
(MFブックス)
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支援BIS
(KADOKAWA)
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藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
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ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
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蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
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水無月すう
(角川コミックス・エース)
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鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
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御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
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人生負組
(角川コミックス・エース)
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ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
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神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
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黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
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村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
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七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
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天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
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白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
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木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
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6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
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押切蓮介
(ビッグガンガンコミックス)
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小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
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佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
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萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
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優風
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
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三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
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内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
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花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
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久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
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フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
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カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
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泰三子
(モーニングKC)
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ハナツカシオリ
(モーニングKC)
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瀬下猛
(モーニングKC)
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NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
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村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
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都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
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殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
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6月20日

風間レイ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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楢山幕府
(TOブックス)
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リッキー
(TOブックス)
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こりんさん
(GCN文庫)
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武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
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ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
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千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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6月19日

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6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
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双龍
(ヤングジャンプコミックス)
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深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
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中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
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光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
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ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
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中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
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峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
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畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
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山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
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栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
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高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
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草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
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福井セイ
(少年サンデーコミックス)
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安西信行
(少年サンデーコミックス)
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新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
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寺嶋裕二
(講談社コミックス)
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三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
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伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
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羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
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桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
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陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
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高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
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恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
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三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
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あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
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白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
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綾里けいし
(ガガガ文庫)
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カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
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伊崎喬助
(ガガガ文庫)
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平坂 読
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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緒二葉
(ガガガ文庫)
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川上 稔
(電撃の新文芸)
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美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
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草薙 刃
(電撃の新文芸)
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時田 唯
(電撃の新文芸)
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6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
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松岡健太
(マガジンエッジKC)
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さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
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あだちとか
(講談社コミックス)
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和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
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6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
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猫田パナ(富士見L文庫)
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佐々木禎子(富士見L文庫)
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仲町鹿乃子(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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鍋敷(アース・スターノベル)
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LA軍(アース・スターノベル)
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天然水珈琲
(アース・スターノベル)
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西尾維新(講談社文庫)
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葛城阿高(ビーズログ文庫)
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ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
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小田ヒロ(ビーズログ文庫)
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綾河ららら
(サーガフォレスト)
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バッド(サーガフォレスト)
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真安一(サーガフォレスト)
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カヤ(サーガフォレスト)
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コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
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よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
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わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
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小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
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6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
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星奏なつめ(GA文庫)
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冬坂右折(GA文庫)
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白石定規(GAノベル)
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星崎崑(GAノベル)
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えぞぎんぎつね
(GAノベル)
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三木なずな
(GAノベル)
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カイシャイン36
(GAノベル)
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よっしゃあっ!
(GAノベル)
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6月13日


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6月12日

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6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
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天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
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おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
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猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
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リムコロ
(角川コミックス・エース)
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冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
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浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
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春花あや
(角川コミックス・エース)
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経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
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佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
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古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
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ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
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森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
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加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
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飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
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こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
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白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
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オジロマコト
(ビッグ コミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
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田村由美
(フラワーCアルファ)
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もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
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影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
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相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
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となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
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ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
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秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
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東崎惟子(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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和ヶ原聡司(電撃文庫)
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白金透(電撃文庫)
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鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
Amazon B☆W


佐島勤(電撃文庫)
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二月公(電撃文庫)
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鏡遊(電撃文庫)
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真代屋秀晃(電撃文庫)
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周藤蓮(電撃文庫)
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瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
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小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
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KK(カドカワBOOKS)
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うみ(カドカワBOOKS)
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ふか田 さめたろう
(宝島社)
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魔石の硬さ
(TOブックス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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地雷酒(TOブックス)
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サンボン
(TOブックス)
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蒼月海里(角川文庫)
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椹野道流(角川文庫)
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森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
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桑原水菜(角川文庫)
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仁木英之(角川文庫)
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6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
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荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
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奈良一平
(講談社コミックス)
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小玉有起
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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高田裕三
(シリウスKC)
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長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
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ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
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村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
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K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
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刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
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光永康則
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
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一二三
(KCデラックス)
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がしたに/MITA
(KCデラックス)
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うかみ
(KCデラックス)
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エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
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桜野みねね
(BLADEコミックス)
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森野きこり
(BLADEコミックス)
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6月8日

かみはら(早川書房)
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西尾維新(講談社)
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ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
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佐藤二葉
(星海社COMICS)
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山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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稲葉光史/山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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6月7日

泉光
(アフタヌーンKC)
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TNSK
(アフタヌーンKC)
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水瀬るるう
(まんがタイムコミックス)
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琴子/TCB
(ガンガンコミックスONLINE)
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枢呂紅/優月祥
(ガンガンコミックスUP!)
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雨後一陽/とちぼり木
(ガンガンコミックスUP!)
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西島ふみかる/白縫餡
(ガンガンコミックスUP!)
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雨沢もっけ
(ガンガンコミックスUP!)
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ふか田さめたろう/松元こみかん
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/春夏冬アタル
(ガンガンコミックスUP!)
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リキタケ/三木なずな
(ガンガンコミックスUP!)
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琴子
(SQEXノベル)
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猫子
(SQEXノベル)
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平成オワリ
(SQEXノベル)
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榛名丼
(SQEXノベル)
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蝉川夏哉
(宝島社文庫)
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貴戸湊太
(宝島社文庫)
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6月6日

智弘カイ/カズタカ
(KCデラックス)
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ippatu
(ヤンマガKCスペシャル)
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6月5日

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6月3日

いつきみずほ
(ドラゴンノベルス)
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夢・風魔
(ドラゴンノベルス)
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矢吹健太朗
(ジャンプコミックス)
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助野嘉昭
(ジャンプコミックス)
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ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)
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松井優征
(ジャンプコミックス)
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伊科田海
(ジャンプコミックス)
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権平ひつじ
(ジャンプコミックス)
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鏡貴也/山本ヤマト
(ジャンプコミックス)
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水あさと
(ジャンプコミックス)
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篠原健太
(ジャンプコミックス)
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針川智也
(ジャンプコミックス)
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時田時雨
(ジャンプコミックス)
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猗笠怜司
(ジャンプコミックス)
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佐々木尚
(ジャンプコミックス)
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賀来ゆうじ
(ジャンプコミックス)
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末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
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大須賀玄
(ジャンプコミックス)
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バブル製作委員会/肘原えるぼ
(ジャンプコミックス)
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三部けい
(角川コミックス・エース)
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長岡太一
(角川コミックス・エース)
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佐茂すけ/竹村優希
(角川コミックス・エース)
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関崎俊三
(角川コミックス・エース)
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封宝/富樫聖夜
(フロース コミック)
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此匙/浜千鳥
(フロース コミック)
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神栖みか/シロヒ
(フロース コミック)
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武シノブ/江本マシメサ
(PASH!コミックス)
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柳矢真呂/ぷにちゃん
(PASH!コミックス)
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深山キリ/もり
(PASH!コミックス)
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さーもにずむ
(PASH!コミックス)
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