ナミュール

第40回マイルチャンピオンシップ G1 レース回顧  

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 京都競馬場1,600メートル(芝・右 外)


な、な、な、ナミュールだぁぁぁ!!!

すまん、正直すまんかった藤岡くん。ムーアからの乗り替わりで完全にもう目がないと思っちゃったよ。4コーナーから直線でのコーナリングに位置取り、お見事でした。
ナミュールに関しては若い頃の一度走ると一気にガレてしまう、体重落としてなかなかしっかりと調教できなかった時期を超えて最近ほんと身体がしっかりしてきてたんですよね。その有り余る才能をようやく発揮できる身体が出来てきていた。
富士ステークスでその結実は成っていたわけですし、勝つべくして勝つ下地は十分に出来ていたわけだ。京都の馬場も合う方の感じでしたしね。
鞍上にムーアを迎えたのも、陣営としては必勝の意気だったんでしょうなあ。それが大外枠に、ムーア落馬からの乗り替わり。ナミュールの追い込みの脚質からして外枠自体は良い方向に捉えることも出来ましたけれど、それも騎手の腕前あってのことですから。
それをまあ、見事に藤岡くんがやってくれました。お見逸れしました。正直すまんかった。にしても、やっぱりナミュール、あの切れ味が炸裂するとやっぱりとんでもない脚ですわ。このカミソリの切れ味がG1の舞台でお披露目されるときを、みんなどれだけ待ち続けたか。この娘の才能に魅入られつづけた人が2歳の頃からどれだけいたかを思うと、ついにナミュールがG1戴冠した事実が感慨深いです。おめでとうございます。
藤岡くんも、G1はジョーカプチーノ以来になるんですか。うわー、ほんとに久々じゃないですか。

2着にはうちの馬群を切り裂いて伸びてきたソウルラッシュ。いや正直この子は決め手勝負になると辛いだろうから前目で勝負して押し切る競馬するのかな、と思ったら想像以上に切り込んできましたよ。正直ソウルラッシュのイメージを塗り替える走りでした。鞍上モレイラの上手さもありましたけれど、強さの手応えを感じさせてくれるレースでした。ってかナミュールの激走がなかったら堂々の勝利だったのに、惜しかった。
3着はジャスティンカフェ。直線入ってからまだ後方にいたのは加速に時間のかかるこの馬らしいというべきか。でもトップスピードに入った途端に馬群突っ切って前を行くソウルラッシュに襲いかかった時は一瞬勝ったかと思うくらいの勢いでした。でも、そこで脚が止まっちゃったんですよね。加速に時間かかるのにそれほど持続性については難儀なのかしら。乗り方非常に難しいぞこれ。

4着はエルトンバローズ。ジワジワと最後まで伸びたものの、途中まで同じ位置にいたジャスティンカフェに置いていかれちゃったんですよね。外回った分もあるだろうけれど。けっこう息入れられないハイペースだっただけに、中団の前目に位置していたのも影響あったのかしら。前に居た馬は軒並み壊滅しましたからね。
人気のセリフォスも、道中順調じゃなかったというかどうも力入っちゃってたらしいんですよね。今回人気の馬実力馬はみんな後ろの方に行っちゃったもんだから、ピタリと後ろにつけて走れる馬がいなかったというのもあるかもしれないけれど。外外回ってしまったのもイタかったか。肝心の勝負どころで脚が残っていませんでした。調教はいけてるみたいだったんだけどなー、夏負けして期間空いた影響やっぱりあったんでしょうか。
一番人気のシュネルはもうゲート内で騒いでて、スタートでも出遅れ。最後方からになってしまった上に馬も落ち着いてなかったんで、これはもうアカンかった。
同じく最後方近くからの競馬となったダノンザキッドはまだスムーズに行った分、溜めが効きましたね。直線での伸びは素晴らしいものが有りました。とはいえ、さすがにちょっと後ろ過ぎたか。普段は前目か中団くらいからの競馬する馬ですもんね。追い込みでぶった斬る脚があるかというと……。


次代を担うかと目していたエルトンバローズとセリフォスが届かずと沈み、名人シュネルは本領を発揮できず、未完の実力馬のまま最上位には手が届かないもどかしさに苦しんでいたナミュールとソウルラッシュがワンツーを飾るという、色んな意味で趣深いレースとなりました。
いやでも、ナミュールはこれ5歳になりますけれど来年順調に行くならまだまだ勝てるぞ。まさにこれからが本番だ。

第26回富士ステークス G2 レース回顧  

3歳以上 オープン (国際)(指定) 別定 東京競馬場1,600メートル(芝・左)

すみません、こっちは土曜日に行われた重賞だったのですけれど、せっかくのステラヴェローチェ復帰せんであり、待望のナミュール復活戦だったので触れておかないと。

2歳の頃は世代トップと目され、阪神ジュベナイルフィリーズでは破れたものの、春のトライアル戦のチューリップ賞では評判通りのカミソリの切れ味を見せつけて勝利したナミュールは桜花賞でも堂々の一番人気に担ぎ上げられました。しかし、立ちふさがったのはあの地上の星スターズオンアース。それ以前にナミュール自身10着と今までにない大敗をしてしまったのでした。
それでもクラシックはオークス3着秋華賞2着と世代トップクラスの評判に違わぬ成績を見せたのですけれど、それ以降もどうしても勝ちきれないどころか、体調が整わなかったり展開が向かなかったりとその実力を発揮する事が叶わず、安田記念ではついに16着と無惨な形に。
実力能力は間違いなくG1級であるのに、なかなかそれを全力で発揮できない馬。いつしかその評価はこのままではかつては強かった馬、として段々と埋もれていってしまうのが常。なるべくなら今年の間中にもう一度勝っておきたかった。そういう意味でもここは必勝を求められるレースでした。
人気も前回の大敗にも関わらず1番人気。ほんとの超一線級こそ顔ぶれにはいないものの、重賞G1の常連がゴロゴロといましたからね。そこで1番人気というのは大きいです。そしてここで勝てたのは本当に大きい。戦場がマイルに留まらない馬だけにこれからの展望も開けたはず。

そして話題となっていたのは放牧後音信不通になり長らく心配されていたステラヴェローチェの1年7ヶ月の復帰戦というところでしょう。いやほんとにさー、放牧行ったっきり全然帰ってこないし、かといって消息も聞こえてこないしだからといって引退という話も聞かないし、現役で放牧中となったままずっと音信不通だっただけに、ファンはみんな心配してたんですよね。そのステラがついに放牧から帰ってきたときは大いに話題になったものです。なにやら故障もしていたみたいですけど、ほんとどうしてたんだろう。
ともあれ、超久々の競馬でしたけれど馬当人は走りたい気持ちいっぱいだったようで、前進気勢ガンガンで挑んでいました。残念ながら体のほうがまだ戻っていなくて気持ちについていかなかったみたいで7着に終わってしまいましたが、これなら次以降も体が整ってきたら十分競馬になると思います。頑張れステラ。

第18回ヴィクトリアマイル G1 レース回顧  

4歳以上オープン(国際)牝(指定)定量 東京競馬場1,600メートル(芝・左)


雨ザバーーっと降ってきて大雨の中のレースとなりましたけど、降り出したの直前で10レースではまだ殆ど降ってなかったんですよね。
日中も時々パラパラと小雨があった程度ですので馬場の方はほとんど緩んでいなかったと思われます。

うん、凄いレースでした。ソダシ、強いわ。むちゃくちゃ強いわ。二番手につけてこのラップタイム

12.1 - 11.0 - 11.1 - 12.0 - 12.3 - 11.3 - 11.0 - 11.4


これで走っておきながら、ラスト33.6で走られたら、中団より後ろ走ってた馬追いつけないですよ。
それを33.2で内から差し切ったソングラインが凄すぎますて。さすが、安田記念でシュネルマイスターを競り落とした牝馬だけありますわ。
正直あの直線、ソダシがまったく落ちていく様子が見えないどころかど迫力の前進力でドドドドドと前へ前へと突き進んでいく姿は絶望的ですらあったんですよ。見ててうわああああああ!でしたよ。
それを内からジリジリと伸びてきたソングラインが、そのままジリジリジリジリと距離詰めていって並んで並んで最後に最後にジワリと前に出る、あの粘り腰というか競り落とす強さがもうたまらんかった。
いや、そのソングラインを最後の最後まで抜かせないソダシがまた、なんだこいつ!?って感じで負けて強し、強し、強し、だったんですよねえ。
この二頭のど迫力の競り合いでした。
スターズオンアース、いつもの後方からではなく前目の先頭集団に取り付いて、そこからソダシに狙い定めて躱しにかかるの、作戦としては完璧だったと思うんですが、追えども追えども距離が縮まらないの、あれほんと絶望的だったよなあ。ソダシの内側にいたの、外に切り替えたのは馬場の走りやすさを鑑みてなんだろうか。明らかにルメール、外に持ち出したように見えたんだけど。

ソダシ、今回は去年のマイルチャンピオンシップから随分と間隔あきましたし、調子も臨戦態勢とは言い難いものがありました。鞍上も相棒の吉田隼人騎手からレーン騎手に乗り替わり。止めに大外16番枠でしたからね。人気が3番人気に落ち着いてしまったのも無理からぬ状況だったと思います。
にも関わらず、このパフォーマンス。やっぱヤバいですわ、この真っ白ちゃん。

勝ったソングラインはサウジ遠征で大敗。海外輸送はあかんかったのか調子崩しちゃってたんですかね。そこからじっくり立て直して、仕上げもばっちり決まってたみたいですし。実力を発揮するとやっぱり強いですわ。東京コースであのあとになるほど伸びてくるストライドが見事に決まった素晴らしいレースでした。安田記念でもそうでしたけれど、東京マイルだとゴール分かってるみたいに丁度ゴール前でぐいっと先頭に出る競馬、まさにソングラインの競馬でしたねえ。

3着はスターズオンアース。なるほど、ルメールのコメントからするとマイルのスピードだとマイラーというスペシャリスト相手ではキレ味勝負には持ち込めなかったみたいですね。実績見ても、実はマイルで勝ったのって桜花賞だけなのか。5戦して1勝だと確かに。長い距離でのあの猛烈な末脚を鑑みれば、マイルは短いのかなあ。3着入っているように生半可な相手なら問題にならないにしても。

4着にはディヴィーナがブービー人気の15番人気ながら、出走馬中最速の上がり33.1を見せて4着入線。ヴィクトリアマイル連覇の母ヴィルシーナの娘として期待されつつも、重賞の壁に盛大に跳ね返されまくりだったのですが、ここで一発いい競馬してみせましたね。調教でもかなりよい仕上がりだったみたいですし、実力はあるんだ。一つは重賞取ってほしいなあ。


5着にはサウンドビバーチェ。前走阪神牝馬Sで初重賞を勝った勢いでこのレースにも挑みましたけれど、道中もスターズの外らへんで悪い位置ではなかったと思うのですが、直線入ったところで思いの外もたついてるんですよね。内のスターズ、外のルージュスティリアとコーナーでは並んでいた二頭に置いていかれる形になっている。ここでズルズルと下がっていくのかと思ったら、残り200メートルあたりから盛り返して、ルージュスティリアを差し替えして5着に粘り込んでるんですよね。
松山くんは走りにくそうにしていたとコメントしていますし、色々と噛み合わなかったのかな。

6着はロータスランド。良く逃げて最後の直線も踏ん張りましたけれど、最後力尽きました。1600での重賞勝ちもありますしマイルもこなせますけれど、やはり主戦場はスプリントか1400なんかな。

7着は2番人気のナミュール。位置的にも後方での競馬でしたので、今日の展開だとちょっと無理ですよねえ。ただ、だいぶ不利などもあったみたいで。
パトロールビデオを見直すと、ああスタートしてちょっとした後のソダシが内に寄せてきたときか。ナミュールが一番あおり食ってますね。



このあと、ソングラインとソダシは安田記念で再び激突、と順当にいけばそうなりそうですね。安田記念ではシュネルマイスターにセリフォスというマイルの雄たちも参戦しますし、またぞろ激戦を目の当たりにできそうです。楽しみ。


JRA公式のレース動画、トラッキングが標準装備になっとる!? NHKマイルCまでは別動画だったのに!


カメラずっと下向いてて一生懸命走ってるスターズしか見えんw ただ足元がよく見えるだけに隣の馬は内ラチとの近さが改めて実感できる。内ラチと当たりそうでほんと怖いよ!!
そして、雨の中でソダシ、光り輝いてるんですけど。ソダシだけ発光してない!? ソダシ眩しいんだけど!




第73回東京新聞杯 G3 レース回顧   

4歳以上オープン(国際)(特指)別定 東京競馬場1,600メートル(芝・左)

春のマイル王決定戦である安田記念と同じ舞台同じ距離ということもあり、G3だけどなかなかのメンバーが出揃うレースです。
とはいえ、丁度サウジやドバイのレースとも被るので、ホントに強い実績馬はあっちに招待されて行っちゃってるんですよね。
今年のレースメンバーを見ていると、G1戦線で活躍して実力は充分だけれど実績として重賞勝ち星がまた少なかったり無かったり、という馬が目立ちます。
1番人気のジャスティンカフェからして、重賞勝ちまだありませんでしたからね。とはいえ、その実力は誰もがG1級と呼んで憚らないくらい、才能は認められているわけで。だからこその1番人気だったのでしょうが。
ほかも勝てはしなかったものの牝馬クラシックで2着3着とバチバチにやりあってたナミュール。
小さな馬体でど根性を見せる高速回転独楽娘のピンハイ。
去年ようやくマイル戦線で才能を開花させ、3連勝で関屋記念を勝ったウインカーネリアン。
牝馬クラシック皆勤のあと、金杯で3着と実力を示したプレサージュリフトなどなど。
ここから跳ねそうな馬がたくさん見受けられますね。

さて、今の東京競馬場。どうやら結構前残りするみたいで。冬の季節は芝の状態もあいまって他の季節とは展開傾向がまた違ってくるみたいなんですよね。
大雑把に言うと、大外ぶん回すよりも内が強い!

というわけで、果敢に逃げてみせたのがウインカーネリアン。って、逃げるのショウナンマグマじゃなかったの!? スタート自体決して悪くなかったので、なんで前に行かなかったんだろう。行けなかったのか?
ウインカーネリアンはスタートあんまり上手くない馬らしいんだが、今回はポーンと飛び出る事ができました。そのまま押さえず前に出たのは三浦皇成の好判断。逃げ馬じゃないんですけどね、去年連勝していた頃は番手につけてのレースでしたから、前で押し切るレースがこの馬の持ち味か。
レースはそのままウインカーネリアンが後続の追撃を最後まで振り切っての勝利。
ナミュールが大外枠ながらも後ろに控えるのではなく、先行気味に前目につけることで内枠に入り、直線で一気にギアチェンジして加速した時は一気に差し切るかと思ったんですけどね。200のハロン棒付近がピークだったなあ。そこからいつものあの切れ味が鈍って、カーネリアンに追いつけず。
スタート直後から果敢に前にイカせて内に切り込むことで、周回でだいぶ内側に位置取りしたのは良かったと思うんだけど、その分最後の決め手で切れ味が鈍っちゃったのかな。
とは言え、後方に控えるか外側回るかしていたら本格的に追いつけなかっただろうし。
ベストのコースをベストのタイムでまわったウインカーネリアンのレースだったということかしら。
3着にはプレサージュリフト。この馬もいつもは最後方近くからの追い込みが多いんだけれど、ナミュールから二段ほど後ろの中団あたりに位置づけていましたね。前走の金杯ではもっと前につけての3着でしたので、最後方一気の一辺倒ではなくなってきたという事なのかも。あそこからしっかりと追い込んで3着まで来ていますからね。
4着にはジャスティンカフェ。ちょっと後ろ過ぎたかー。だいぶ追い込んできてるんですけれど、最後はプレサージュリフトとスピードが並んじゃってそれ以上は抜けない感じになってしまっていました。
5着はエアロロノア。この馬もジャスティンカフェと同じぐらいの位置に居たかな。外回らされた分、後ろになってしまいましたがここしばらくはわりとイイ着順に入ってるんですよね。ふと気がつくと前走の金杯よろしく馬券圏内に入っていそうで油断なりません。

人気のピンハイは、今回はいい所なし。輸送でもともと小さい馬体がさらに減っちゃってましたし、調教も体力削らないように恐る恐るといった感じだったみたいで、しっかり追えてなかったみたいで。
終わってみたら、本調子とは程遠かったかレース仕様に仕上がってなかったという事なのかも知れません。ピンハイのど根性ないい所が全然見られませんでしたし。まずひとつ、重賞獲って欲しいんですけどねえ。

本番の安田記念は6月ですからまだ遠い。初夏ともなれば、瞬発力勝負の府中馬場になってるでしょうから、そうなると今回の2着3着あたりの牝馬たちの切れ味が増し増しになるでしょうから……いや、その前に彼女たちはヴィクトリアマイルがあるか。
いずれにしても、今回はウインカーネリアンが実に上手い競馬をしたということで、お見事でした。




第47回エリザベス女王杯 G1 レース回顧  

3歳以上オープン(国際) 牝馬限定 阪神競馬場芝2200メートル。

エリザベス二世が亡くなって初めてのエリザベス女王杯。偉大なる女王を悼み称える追悼レースともなった今年の本レースは、国内外の名牝が揃った激戦とあいなりました。

復活を期する無敗の三冠牝馬デアリングタクト。
秋華賞で念願のG1を制覇した薔薇の一族スタニングローズ。
十数年ぶりに海外から参戦。あのスノーフェアリーと同じアイルランドオークスを勝って本邦に乗り込んできたマジカルラグーン。

これらG1馬以外でも
ついに本格化しはじめた猛女ジェンティルドンナの娘ジェラルディーナ
牝馬クラシックを常に上位で駆け抜け、どこかあった線の細さに芯が通り始めたナミュール。
小さな馬体でゴールまで高速回転のピッチ走法で懸命に駆け抜ける舞闘独楽ピンハイ。
去年の栄光を再び、運命の糸を手繰り寄せるかアカイイト。

その他、マリリン、キートス、マイティーの重賞戦線を駆け回るウイン三人娘。
常に後方から抜群の手応えで上がってくる小さな穿孔白花ライラック。
府中牝馬Sを勝ってこの舞台にあがってきたイズジョーノキセキ。
偉大なる女帝エアグルーヴの孫として重賞戦線で戦い続けるアンドヴァラナウト。
といった面々が参戦。現役牝馬でも役者が揃ったメンバーとなりました。


天気は生憎の雨。幸いにも午後2時前後で止んだものの、午前中けっこうな雨量で馬場状態は重にまでなってしまいました。
レイパパレが勝った大阪杯ほど、阪神競馬場の馬場としてはグズグズの泥沼みたいに決壊はせず、ある程度持ったとは思うんですけれど、雨は止んでも芝レースが続くとそのぶんダメージは蓄積されていくんですよね。
特に正面直線は。他も3コーナーから4コーナーあたりまではだいぶ傷んでたんじゃないかな。
G1レースのある日は、同じ競馬場で同じ距離のレースが行われる事が多いんですけれど、この日は8レースに2勝クラスで2200のレースがあったんですね。
ただ雨の日で難しいのは、予行演習的なこのレースと実際の本番では馬場状態が同じとは言えない事なのでしょう。この8レースのダメージに9レースでも芝2000が行われたため、雨で柔らかくなった馬場は補修が行われても、さてどれだけ荒れが進むのか。レース状況や含水率、気温や日差しによっても変わって来るでしょうから、騎手としても判断が難しいところなんですよね。
少なくとも、9レースまではそこまで内側がダメというほどでもなかったんじゃないかな。
ただ本番は明らかに外のほうが伸びていましたね。

道中はずっとデアリングタクトに注目していたのですけれど、コーナーとかで馬込みがだいぶごチャついていた感じがします。レース後の騎手コメント見ても、あっちこっちで馬同士ぶつかってたみたいですし、馬が走りにくそうにしてたように見える所があったんですよね。馬場のせいか、密集具合のせいか。
デアリングタクトはかなり行きたがってたのか、中団の位置しながら騎手がブレーキかけてた風に見えましたし、いつもリズム良く上下していた首がなんか変にあがったままだったり首振るタイミングが変だったり、なんか走りにリズム取れてないように見えたんだよなあ。4コーナーから直線に入るところもスムーズじゃなかったですし。

マジカルラグーンは、直線入る前の4コーナーで必死に追い出しているのに、馬が前に行かなかった時点であかん感じでしたね。手応えが入らないみたいな。これはスタニングローズも同じく手応えが全然なし。
うーん、これ3コーナーから4コーナーで内から2列にいた馬が軒並み全然手応えしんどくなっちゃってたんじゃないかな。その外を走っていた馬が、上位に食い込んできている気がします。
デアリングタクトも直線でおっ、と思わせるキレを一瞬見せてくれるんですが、とにかくそこまでスムーズに行けなかったぶんが響いたのか、脚が止まっちゃいましたかねえ。

勝ったのはジェラルディーナ。4コーナーで外に持ち出しつつも膨らんで大きくロスをしない抜群の位置取りで前が開いた状態から、一気に状態の良いところを突き抜けての横綱相撲。
牝馬三冠にその年に3歳でジャパンカップ。さらにJC連覇にドバイシーマ、有馬記念を勝ったという化け物牝馬の娘として大きく期待を寄せられながらも、G1どころか重賞も勝ちきれずに片鱗はあれど一流未満という感じだったジェラルディーナ。それが明確に変化したのは前走オールカマーでの堂々とした重賞初勝利でした。とはいえ、あれも外が異様に伸びなくてコース取りが上手かった勝ち方、という感じで決して覚醒! という印象ではなかったと思ってたんですけどね。
この見事な脚を見せられたら、善戦娘に芯と勝ちグセがついた、と思ってもいいのかもしれません。ジェンティルとモーリスの血が唸る勝ち方でした。

2着はまさかの同着決着。早めに抜け出したウインマリリンと後方から貯めに貯めて小柄な体をグイグイと伸ばして飛んで来たライラックの追い込みがゴール板でバッチリと噛み合い、久々のG1馬券圏内での同着。マリリンにスムーズな競馬をさせたレーン騎手の手腕と、ついにライラックの追い込みを炸裂させたデムーロ兄の手綱さばきが際立ったレースでした。
勝ったジェラルディーナのクリスチャン・デムーロを含めて、上位三頭全員外国人騎手という決着。まあミルコはずっとこっちでやってるんだから地元騎手扱いでいいとも思いますけど。

4着にこれも最後方からじっと我慢に我慢を重ねていた前年の覇者アカイイトが飛び込んできました。この娘もずっと消化不良のレースを強いられてきただけに、阪神のコースと距離が合うんでしょうね、久々に彼女の良い脚を見られました。

5着にはナミュール。彼女もタクトと同じくごちゃついた馬群でスムーズに競馬できなかったみたいで、気持ちも入り切らなかったみたいです。切れ味ある持ち味の差し脚も考えれば外々で行った方が良いレースだったんでしょうね。
6着はデアリングタクト。終始苦しいレースを強いられているように見える中で、頑張ってたんですけどね。なかなか全力を発揮できるようなレースが出来ず、もどかしいですね。

秋華賞を勝った薔薇の女王スタニングローズは、14着。これはもう馬がやる気なくした、という事なんですかね。
18着の最下位にはマジカルラグーン。彼女もこの湿った馬場がお気に召さなかったようです。むしろパワーやスタミナでは欧州馬という事もあって、この馬の方が日本の馬より適正あるんじゃないか、と言われたのですが。陣営は良馬場の方が良い、と仰ってましたし馬場が合わんかったんかな。









 

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