しばらく忙しくて余裕なかったので、7月の中盤まで食い込んでしまいましたけれど、半年ごとに記述している今年前半に出会った面白いウェブ小説の紹介をさせていただきたいと思います。

これが前回の記事です。記事数4つあるのですが、全部へのリンクがある四番目を取り敢えずここに。




<小説家になろう>から

百合ゲー世界に、百合の間に挟まる男として転生してしまいました (とまとすぱげてぃ)

――百合の間に挟まる男は死ね

そんな言葉がまかり通る百合ゲー世界『Everything for the Score』に転生してしまったヒイロ。

百合好きのヒイロにとっては、理想の世界のようにも思えたのだが……徐々に、彼は、その実態を知る。

そこは魔法が存在する現代日本、スコアが全てを支配するファンタジー世界。

その世界は、素行、活躍、社会貢献度から布団の畳み方まで、ありとあらゆることが評価され、政府から付けられる『スコア』が序列を決めるカースト世界だった。

男であると言う理由だけで、0点を付けられて、理不尽に迫害され続けるヒイロ。しかも、彼は、男のお邪魔キャラとして悲惨な死を宿命付けられていた。

迫りくる死亡フラグをどうにかしようと、力を求めて魔法を鍛えて、ゲーム知識を最大限に活用し、策謀に次ぐ策謀を繰り返すうち……百合ゲーの筈なのに、お邪魔キャラの彼は、ヒロインたちに囲まれていて。

「……あれ? 百合は?」

コレは、お邪魔キャラの筈だった男が、別の意味で百合ゲーを破壊するまでの話。 
今年出会った中で最大のヒット作。こよなく百合を愛し百合に挟まる男を憎悪しながら、何故かナチュラルに百合の間に挟まってしまう主人公。でもこいつ本当に男前なんだ。ヒロインたちを見舞う理不尽に、絶望に、敢然と立ち向かい真っ向から打ち破るその姿がめちゃくちゃかっこよくて、こんなん惚れてしまうやろう! 不倶戴天となる<百合殺し>の魔神との連理比翼の相棒関係がこれまた良くてねえ。不倶戴天なのに連理比翼とはナンゾやと思うかもしれないけど、ほんとこうなんだよw
だいぶ後になるますけど、三寮戦はマジでアドレナリンどばどば出まくるほど燃えまくった。
今度書籍化することが決まったそうで、本当に本当に本当に楽しみです。



守護霊(?)は鎌倉武士 (ほうこうおんち)

幽霊の寿命はおよそ四百年……そんな常識を覆した八百年近く前の武士の霊。
それがひょんなことから守護霊となってしまった主人公・皆川ユウキ。
鎌倉時代の武士の霊は、霊の世界でも常識が違う。
行く先々で、出くわす浮遊霊や地縛霊の首を取り歩く。
理由は「わしと目が合ったから」。
成仏出来ない霊が、更に理不尽な目に遭って、募る無念。
それを背負わされるユウキは
「早く何とかしないと!」
と、この強力な霊対策を急ぐのであった。
鎌倉武士の世界レベルの蛮族っぷりは近年有名になってきていますけれど、そんな鎌倉武士が半ば神格化して押しかけ守護霊として居座ったら、というなんか別のベクトルで怖すぎるホラー作品でした。一時期ジャンルをコメディにするか悩んではったくらいに愉快な作品でもあるんですけど。狩ってきた悪霊やら妖怪やらの首を腰に吊るそうとしてくるのやめてあげてww 最初の方に激闘の末に討ち取られた八尺様の生首が、ぽぽぽぽしか鳴かないあのになかなかお茶目なレギュラーキャラになったのとかほんと好き。
すでに完結しているのですが、最後まで鎌倉武士やりたい放題の痛快ホラー?でありました。




湖北の鷹 ―新生浅井伝― (一代 半可)

織田信長が桶狭間の奇跡を起こしたその年、近江でも三倍以上の敵を破る奇跡を起こした若武者が居た。
名を、浅井長政。

やがて両雄は出会い、手を結び、袂を分かち、天下を巻き込む決戦に至った。
史実が示すその結末は、浅井長政の敗北と浅井家の滅亡だ。

何の因果かそんな浅井長政としての一生を歩み始めていた男は、未来の知識と共に破滅の未来に勝負を挑む。

これは、存在しないはずの未来の知識を持って新生する、浅井長政の伝記――新生浅井伝である。
最近の歴史ジャンルでは一番好きな作品かな。主人公の長政含めて、登場人物がガッツリとキャラ立っているんですよね。織田信長と盟を結ぶまでの若かりし頃の近江での奮闘も丁寧に描かれていて、大名として権力を集中できずに国衆の取りまとめに苦労している所などもしっかりテーマを定めて描かれていて、浅井家の成り上がり故の不安定さも描写されていて読み応えもあるんですよねえ。



<ハーメルン>から
TS衛生兵さんの成り上がり (サンキューカッス)

TSしたFPS廃人が、異世界ファンタジーな戦争に巻き込まれる話です。
残念ながらチートとかは貰えなかったので、雑兵としてコツコツ努力していきます。
主人公の少女のFPS廃人の能力は本当になかなか使われる場面はなくて、ガチで一番最下級の兵隊、衛生兵という立場から泥を啜り血に塗れ、むごたらしい塹壕戦を理不尽な暴力に見舞われながら生き残っていく、という迫真の戦場小説なんですよね。
彼女のFPS廃人としての際立ったセンスは、本当の本当にやばい此処ぞという時に発揮されるのですけれど、基本衛生兵として味方を生き残らせる戦いに終始するのである。生き残り続けた彼女はやがて一兵卒としての衛生兵から出世もしていくのですけれど、戦場という場所に夢も希望も誉れも何もないただただ地獄の吹き溜まり、という生々しさを存分に味わえます。そんな中で必死に生き残ろうとする兵士たちの命の輝きを垣間見る読み応えのある物語でした。




<カクヨム>から
銃機世界の武術無双 (八針来夏)



《破局》による危機的状況を乗り越えた世界。
サイボーグ技術や強化スーツなど、科学の恩恵を受けられない裸野郎(ネイキッド)の青年、ユイト。
ある切っ掛けから離れ離れに暮らしていた『嵐の騎手』と仇名され、人類最強の雷撃能力を持つ双子の兄レイジ、彼の護衛であり初恋の人アウラと再会する。

 最悪の形で終わった初恋と兄との決別を経て、生体強化学の秘奥、『雷霆神功』は完成した。
 無力の日々を投げず腐らず鍛えた古代武術の力を手に、銃と科学の世界を無双する!!
「電磁発勁」ってな感じの単語に魂震わされる人は是非にご照覧あれ。
作者はかつて【覇道鋼鉄テッカイオー】でデビューしたライトノベル界隈では屈指の辣腕を持つ武侠小説家。その八針さんの手掛けるサイバーパンク世界における侠に生きる男女たちの武侠アクション小説ときたら、そりゃもう熱く痺れて咽び泣く物語になるというもの。
序章はちょっと登場人物全員鬱々していてなかなかテンションあがらないのですけれど、主人公のユイトが気持ち一新して新たに生きていく意思を持ち、またメインヒロインと出会う一章からが本番、ここから激烈に面白くなってきましたわ。




前回、去年の後半分で紹介させていただいた作品も、相変わらず面白いというかすっげー盛り上がってる所に突入したりしているのもあるので、そのままオススメ中です。
特に【非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものはなんですか?】と【異世界転生して騎士になった僕(男)は、メスオークどもからくっころを強要されていた。】はめちゃめちゃおもしろい所突破しています。
伝奇世界の悪役令嬢※90年代からきました】なんかは好き度がどんどんヒートアップしていますわー。

そして今一番大好き!と言っても過言じゃない【TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA】はついに書籍化決定、ってか8月末にもう発売決定して表紙も公開されてるし! マリアンヌがマリアンヌしてるぅ!!
そして【貞操逆転世界観童貞辺境領主騎士】もオーバーラップ文庫から8月に書籍化決定。あの人食い王女がどんなデザイン成ってるのかめっちゃ楽しみなんですけど!