徒然雑記

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ファミ通文庫

あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね ★★★★☆   



【あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね】 藍月 要/Aちき ファミ通文庫

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なんて――「好き」って言えるわけないじゃない!!!

「好きな男の子の心拍に合わせてスマホが震えるの最高」
全国模試1位、高校生ながらその腕で荒稼ぎしている凄腕プログラマー。けど人間嫌いで誰とも喋らない久城紅は、隣の席の宮代空也が大好きだった。初めての感情に戸惑う紅は、その高い技術で空也の情報を集めることが趣味になっていた。集めた情報をもとに十日に一回、空也に話しかけるせつない日々。しかし空也は“人の感情が色で見える”という特殊能力の持ち主で、紅のひそかな好意に気づいており――! 気持ちが言えないハイスぺ女子×恋に不信な特殊能力男子のすれ違いラブコメ!

これは、タイトルにうまいこと視点を誘導されたなあ。久城紅という明確な見せ札とタイトルによって完全に意識の死角を作られてしまった。途中からあからさまに怪しい動きをはじめていて、それが偶然ではなく意図的なものであるのは明白でわかってはいたのだけれど、それを直接タイトルとつなげて考えることが出来なかったんですよね。意識の死角に入り込んでいたから。タイトルが物語っているのは久城紅のことだと思いこんでいたから。
それは狂的な妄愛に囚われた女性たちの物語。
これ、ヒロインって紅や翠香じゃなくて空也の方なんですよね、どう見ても。
天才的な絵描きとして既に全国に知られる宮代空也は、その鮮烈な見る人の心を捕らえて離さない魔性とも神聖とも言える人外の領域の絵をこの世に描き出す代償のように、そうその生命を絵に塗り込めているかのように病弱で繊細で儚い。
精神的に弱いとかではないのだけれど、肉体的に明らかに薄弱でなにかあるとすぐに倒れてしまう。それはそこか生命そのものが細く薄いかのように。薄命、そう言う他ないふとした瞬間に消えてしまいそうな儚さを身に纏っているのだ。一方で、彼が描き出す絵は絵画に興味がない人にも、ただの高校生たちが見ても心奪われて仕方ない強烈な存在感をまとっている。
絵に対する具体的な描写はないのだけれど、代わりに絵を見た人たちの凄まじい衝撃と感動、揺れ動く情動を生々しいほど激しく描き出すことで、絵を見た彼らの口から飛び出す心からの感想、熱量、放心とも夢中とも取れる言葉を語らせることで、空也の絵が持つ凄味、ただの絵ではないという異次元さを引き立たせているんですね。
同時にこうも思わせるわけだ。こんな絵を描く人物は、果たしてどれほどの代償を絵に注ぎ込んでいるのだろう。一体、その身の、その魂の何を削り出して絵に塗り込めているのだろう、と。
特に、久城紅がはじめて空也の絵に遭遇してしまった時のあの衝撃は、世界が変わり果ててしまった様子は、壮烈ですらあった。
他人を必要としない、孤高であることに充足していた紅が自分もまた人間であるという事実に引きずり落とされてしまうほどに、自分そのものをグチャグチャにされてしまった、えぐり出されてしまったショック。あの彼女の狂乱は、憎悪は迫真であり、だからこそそれをこの世に生み出した空也に強烈な感情を抱かざるを得ず、それがどうしようもない恋へと昇華、いやそれとも朽ち果てていったというべきか。いずれにせよ、自分でも制御できないほどの感情を空也に抱かざるを得なくなる、その過程としては充分ほどに納得させられるものでした。
その挙げ句が、新世代電子ネットワーク型ストーカーの爆誕である。
これだけ強烈な愛情を自分の中で飼ってしまいながら、そのコミュ障さ故にそれを解き放つことが出来ず、明後日の方向で自分の才能を爆発させてそっち側で大いに解き放ちすぎてしまった、うんダメ人間ですね。
凡百のストーカーやヤンデレと違うのは、彼女・紅が自分のストーカー行為について凄まじい罪悪感を抱いているということか。いささかも、自分の行為に正当性を感じていないんですよね、彼女。自分のそれがどう言い繕っても犯罪以外のなにものでもないと認識しているし、それを自虐し恥じ入っている。それをやめることの出来ない自分の異常性を自覚していて、それを嫌悪している。
分かっちゃいるけど止められない、という言葉はどの時代のどんな人間にも相通じる一つの真理である。
だから、彼女は紛れもなく正気だ。正気のまま逸脱してしまっている。そうさせるほどに、彼女の飼っている愛は深い。
そして、それはそのまま裏返しでもう一人の彼女、吾道翠香にも当てはまる。いや、彼女の愛の深さはより一層常軌を逸している。
人を、人間の領域を、踏み外していると言っていいほどの逸脱だ。
そして、その逸脱した全てを彼女は宮代空也という人として半壊した少年を庇護するために費やしていた。愛は与えるものだとするのなら、彼女は自分の全てを捧げていたと言っていい。
翠香も、そして紅もストーカーという自分本位で我欲を抑えきれずに逆らえずに暴走させた行為に自分自身引きずり回されながら、しかし究極自分の幸せよりも空也の幸せをこそ優先する娘たちだったのだ。
宮代空也という人間は、人間として半壊している。物語の最初の方では身体こそ弱いものの精神は健全でちゃんとした真っ当な人間に見える。しかし、後半に差し掛かり、空也の才能と彼が体験してきた破滅が彼という人間を徹底的に壊してしまっていた事が明らかになってくる。
彼は半ば、彼岸に足を突っ込んでいる人間だ。まともに生きているのが不思議になるほど、彼の心はボロボロでナニカに取り憑かれたように絵に自分自身を刻み込んでいる。いつ、現実世界から消えてしまっても不思議でないほど、朧で空虚でふわりと浮かんで大気の中に溶け込んでしまいそうな希薄な存在だった。
そんな彼を現世にとどめていたのは、間違いなく翠香の存在だろう。いや、存在そのものではなく、彼女の献身が、形振り構わず自分自身を決定的に不可逆に、ただ空也の為にだけ生きる存在に自己改造し、自己鍛造して支えたからこそ、彼は生きてこられた。辛うじて。
このままなら、いずれ遠からずこの翠香でも支えきれなく消えゆく彼を掴めなくなっていただろう。破綻は、崩壊は、時間の問題だった。
母親に愛情を踏みじられてそれを因果として父親を文字通り喪った空也は、愛を喪った。愛情に恐怖するようになった、愛を感じ取れなくなった、愛情を虚しいものとしか認識できなくなった彼にとって、世界はもう温度のない冷たい棺でしかなかった。それでも世界を、周りの人たちを愛していた彼は、絵を通して自分自身を焚べることで、自分の生命を切り取って与えること愛の価値を証明する他なかったのだ。
こうしてみるとよく分かる。宮代空也という人間にとって、並の愛ではまるで足りなかったのだ。
人の身で抱えきれないほどの、人ならざるものにならないと抱えきれないほどの、深い深い奈落のような愛。底のない深淵のような愛でなければ、到底彼を繋ぎ止める事も守ることも出来なかったのだろう。そして、彼には奪い取れるようなものは何も残っていなかった、空っぽだった。だから、注ぎ込まなければならなかった、奪うよりも与えなければならなかった。自分たちの異常性をも燃料として焚べて、熱を与えなければ凍ってしまうほどに、彼はもう限界だったのだ。
そして、彼女達ほどの昏く消せない質量のある炎のような愛情でなければ、劇薬めいたショックを与える事は出来なかっただろう。
そうした愛情の発露が、むき出しの人間性の描写が、こみ上げて身体からも心からも溢れ出してしまった感情の表現が、ビリビリと痺れるほどに生々しく鮮烈な物語でした。妄執の愛というべき、女達の情動。泣きじゃくる紅の姿は、心は、みっともない程無様でありながら、これ以上無く綺麗に見えた光景でした。
ああ、良いものを観た。
素晴らしく心奪われ、引き込まれるラブストーリーで、愛の讃歌でありました。面白かった!



不殺の不死王の済世記 ★★★☆   



【不殺の不死王の済世記】 笹木 さくま/葉山 えいし ファミ通文庫

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アンデッドによる、人間のための、平和な世界征服!

伝染病で死にかけていた少女ミラを救ってくれたのは、禍々しい動く骸骨、不死王・テリオスだった。テリオスはスケルトンを労働力として提供し、生き残った子供たちに勉学まで教えてくれた。最初は怖がっていた子供らもその誠実さに打ち解けていく。特にミラは才能があると魔法まで教わり、テリオスの弟子としてメキメキと才覚を伸ばしていた。しかしある日、スケルトンが出没していると国から討伐隊が派遣されてしまい――!? 誰も殺さず世界征服を目指す不死王と、彼を支えた銀髪の乙女の伝説、開幕!

まーた、極端から極端に走る人だな、この不死王様。
この人が前回失敗したのって、やりすぎが原因だと思うんですよね。その時その場面そのケースによって、対応や対策は変える事が回り道に見えても結局は最短距離を走ることになると思うのだけれど、彼の場合わかりやすい最短距離、身分も関係も性差も年齢も関係なく障害になるものを纏めて殺しまくったが故に誰もついていけなくなり、また感情的なしがらみが生じてしまった為に彼自身思わぬ形で、多分外から見れば必然のように足を引っ張られ、彼の所業は否定されて、世界に平和をもたらすため、世界中の人々が安寧に暮らせる世界を作るための戦いは幕を下ろしてしまったわけだ。
これを、不死王様は失敗の原因を、殺すことによって世界を平和にしようとしたからだ、と思ってるようなんですね。人間である以上、寿命というリミットが在り、自分一代で長く長く続く平和を作ろうとするなら、最短距離を突っ走らなければならなかった、という理由はわからなくもないのですけどね、ほんと。
でも、じゃあ今度はアンデットになって永遠に近い時間があるから、慌てず焦らず、前は殺すばかりでダメだったから今度は絶対に殺さないで世界を平和にする征服を進めよう、と思うのはやっぱりなんか変じゃないですかね。
それは決して間違ってない立派な思想だとは思うのですけれど、彼の心に「命」を尊ぶ想いや慈愛が存在するのかというと、ちょっと微妙な感じがするのである。命の重みというのを、果たして彼は実感できているのだろうか。数字や建前で数えていないだろうか。
もちろん、身近に接した近しい人たちに対してはとても優しい慈しみを抱いていて、手の届く近い範囲の相手に対しては普通の感情を持っているとは思うのです。これ、アンデット化する前の生前でも部下に対する態度なんかを見ているとあんまり変わってない感じがするので、生来の性質なんじゃないのかな。
そんでもって、アンデットと化して永遠の不死を手に入れたことで、もし世界を征服出来たならば寿命に邪魔されずに自分の手で永遠に平和を維持できると思っている。心の底から、善意と使命感を持ってそう考えてるんですね。
……いや、やばくないですか? そうやって作られた平和って箱庭どころか鳥かごとか飼育小屋とか、そういう類のものなんじゃないだろうか。
どれほど強力な力を持っているとは言え、独力で事をなすには限界がある以上、不死王さまは生きている人間の協力者を求めていて、とある人間の野心と下卑た浅ましさを原因とした偶然によって、疫病によって壊滅した村で最後に残り死を待つばかりだった子供たちを救い、それを恩に着せて、というほど情がないわけではないのだけれど、助けたのをきっかけに彼女たちの手を借りることになる。
そのうちの一人、年長でもあるミラという娘に魔術の才があり、その聡明さも相まって彼女が弟子となる事を請い、ミラとともに不死王さまは覇業の一歩目を歩き出すわけだ。
できれば、この賢いミラという娘に不死王さまの考え方に何らかの掣肘をもたらす役割を期待してみていたのですけれど……むしろ信者になっちゃってますね、これ。
狂信、というほどにはのめり込んでいないのですけれど、不死王さまの語る平和な世界に心打たれ、積極的な協力者であり支持者として率先して動くようになっている。
確かにこの時点で不死王さまの目指すものというのは、大人を疫病で全滅させられ失ってしまい、誰からも助けて貰えなかったミラたちにとっては眩しいくらい理想の世界なんですよね。いや、賢いミラだからこそ、不死王の語る平和を理解できた、というべきか。他の子供たちはよくわかってなくて、ご飯を食べさせてくれる優しい不死王様に懐いているというだけで思想に共感しているわけじゃないし、ミラの幼馴染の男の子もその反発はミラを取られたように思っているからで、難しいことは考えてないんですよねえ。

ただやっぱり、不死王さまの理想は生きる人間にとっては異質に感じられるのだ。
ミラたちの村が所属するエリュトロン王国。そこで起こった内紛に、不死王さまは介入することになるのだけれど、彼が味方することになる現王派の騎士たちは、聖騎士のディーネをはじめとして不死王さまがアンデットという魔物ながら、理性を持ち理想を持ち子供たちに慕われるだけの優しさを持つ悪しき存在とはかけ離れた、信頼に値する人物だ、と……まあ、幾度かの衝突を経て受け入れてくれるわけだけれど。
ただディーネをはじめとして、彼の誰も殺さない世界征服を、その思想を受け入れた、というわけじゃないんですよね。疑念を持ち、違和感を感じ、彼の力を借りなければ周辺諸国からの侵攻も防げないし、味方としては信頼できる相手だと認めていながら、しかし一歩その思想からは距離を置いているようにも見える。
叛乱を起こし、自国民を犠牲にするような策を弄した敵に対して、不死王様は結局自分の理想を貫き譲ることなくミラの願いを考慮する形で、刑を処す事になるのだけれど、これってほんと生命体としては殺してない、というだけで、誰も殺さない世界征服、なんて言葉ヅラから想像するキレイなものからかけ離れた現実を、早々に突き付けた、とも言えるんですよね。

これまでの作品の傾向からしても、作者先生がこの不死王さまの語るお題目を心から素晴らしいものと信じて、これを叶えるために嬉々と物語を綴っている、とはもちろん思えません。むしろ現実主義……ふわふわと柔らかく慈しみの籠もった理想の世界を実現するために、土台で或いは裏側でシビアで無慈悲な現実と向き合い、対峙し、突き付けられたそれを乗り越える主人公たちを描いてきた作家さんですからね。
永遠に変わらない存在であるアンデットになったはずの不死王さまが、果たしてこのまま変わらないで居られるのか。変わらずに理想を保ち続けることが出来るのか。一度目の挫折を経験しても、この人単にベクトルを真逆にひっくり返しただけで何も変わってないとも言えるだけに、その彼を変える何か、或いは誰かにぶち当たることになるのか、興味をそそられるお話となりそうです。

笹木さくま・作品感想

伝説のおねえさんたちが、勇者のいうことを聞いてくれないのですが ★★★☆   



【伝説のおねえさんたちが、勇者のいうことを聞いてくれないのですが】 嬉野 秋彦/ てつぶた  ファミ通文庫

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伝説の武具だと授かったのは――美女×2!?

「わらわのために戦ってくれるか、勇者ハルドール?」
各異世界に召喚され続け、最強となった勇者ハルの新たな召喚先は、魔王たちが大暴れする世界だった。召喚主は自分の平和な治世を守りたい“万能の魔王”じゃじゃさま。彼女はこの争いを勝ち抜くための望みをかけて宿敵である異世界勇者を呼び出したという。さらに伝説の武具を授けてくれるはずが……現れたのはとがり耳の美女二人!? 「勝負してもらおうか」と挑戦的な眼差しのクロ。「そういう怖いのやなの」とゆるふわに懇願するシロ。対極な二人を従えて、ハルは魔王乱世を勝ち抜けるのか!?

いうことを聞いてくれなくても全然気にしない勇者ハルドール。
てっきり、主人公の勇者がお姉さんたちに振り回されながら弄ばれてしまう系のお話かと思ったら、むしろお姉さんたちが良いように振り回されて、誘導されて、弄ばれてしまう系のお話でした。いや、弄ばれるというのは言い過ぎか。手のひらの上で転がすくらい。
よく考えたら、作者の嬉野さんはヒロインがどんなワガママを言おうがバッサリと切り捨てて好き勝手させない主人公を長年描き続けた人である。振り回される優柔不断系主人公はまずないよなあ。
そもそも、この世界では召喚されて肉体年齢若返って子供になってしまったハルドールですけれど、実際はダンディを売り物にしている渋みのありそうな壮年の男性だそうなので、そう思えば常に余裕を崩さない態度はベテラン感が出ていて、貫禄があるんですよね。いや、実年齢アラサーだそうなので、28,9でこれだけ落ち着きが在るというのも凄いんですが。それだけ重ねてきた経験が違うのでしょう。
貫禄と言えば、ハルドールを召喚した万能の魔王ジャマリエールことじゃじゃ様も、見た目完全にロリっ子なのですが、為政者としての貫禄と魔王としての威風にちょっとした茶目っ気も持ち合わせた、中身大人の女性なんですよねえ。
いっぽうでおねえさんなシロとクロ。マシュローヌとグローシェンカの二人はというと、見た目とは裏腹に言動は若くて尖っている。いや、二十前後の年齢からするとこの落ち着きの無さも短絡さもむしろ年相応なのかもしれないけれど、お姉さんキャラでは全然ないんですよね。
ハルに手のひらの上で転がされ、じゃじゃ様に言い負かされ、それでも記憶から消えてしまったご主人を求めて言うことを聞くまいとして自分勝手に振る舞おうとする様は、親に置いていかれた幼い子供めいたところも感じさせる。
なので、見た目とは逆転しておねえさんたちふたりが、幼い魔王と子供な勇者に反抗しながらも良いように使われてしまう、という話だったりするんですねえ。
と言っても、そこまでおねえさんなクロとシロが利用されまくる、という感じでもないのですけれど。一応最強の武具扱いなお姉さんズですけれど、与えた魔王からしても拾い物でしたし、もらったハルドールもほぼほぼ素手でも無敵に近い強さなので、そこまでシロクロにはこだわっていなくて、逆らっても言うことを聞かなくても、そこまで気にしていなくてわりと放置気味ですらあるほどで。
ハルなんか、本来のご主人さまを見つけたら解放するよ、とまで明言しているくらいだし。それでも突っかかってくるクロをついつい誘導して働かせてみせたり、グズってやたらと性格悪い発言ばかりするシロをイジるのを自然にやってのけるあたり、この勇者随分と女慣れしていると言えるのだろう。
いや、やってる事は女性への接し方というより、従順ならざるペットに構って遊ぶ感じなのだけど。報酬は美女のキッスとかほざいているわりに、女性相手にエロい視線とかあんまり向けないからなあ。クロやシロに対しても、あれだけ熟れた身体している相手に対して、やんちゃな子供の相手しているような素振りだけで、セクハラめいたことは一切しないし。性欲がないというんじゃなくて、ほんとに相手にしていないような。
こんな勇者とあらゆる意味で対等に渡り合っているじゃじゃ様。思考の深さや高さも釣り合っているし、乱世の到来で一気に動乱の世となっている世界で目指すべき方向性も一致しているし、パートナーとしてはまさにぴったりは二人なんではないだろうか。

そんな中で、ちゃんと見た目通りなケモミミメイドのケチャが、完全にマスコットで癒やし。いやこの娘、王宮の侍女としては自由すぎて放し飼いのワンコな何かなんじゃ、と思うくらいのお子様なんだけど、これが喋り方といい妙に偉そうな所といい、実に可愛いのな。なんか、ヒロインみんなペット系に思えてきた。
いや、脳筋で短気なクロと違って、あの性格ひん曲がっているシロはどう捉えても可愛くないんですけどね。あんな卑しい性格をヒロインに持ってくるの結構凄いなあ、とすら思うほど。でも作者からすると、むしろクロみたいなのよりこっちの方が扱い得意だったりするかもしれないので、シロのキャラにどうスポット当たっていくかはちょっと楽しみですらありますねえ。

嬉野秋彦作品感想

朝日奈さんクエスト センパイ、私を一つだけ褒めてみてください ★★★★   



【朝日奈さんクエスト センパイ、私を一つだけ褒めてみてください】 壱日千次/U35 ファミ通文庫

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人生はクエストの連続ですよ! 一緒に楽しく攻略しましょ!
ぼっちはリア充を凌駕する!! ネトゲ世界に入り浸り、世界中のプレイヤーとコミュニティを築いている僕が言うのだから、間違いない。しかし、そんな僕の計画的ぼっちリアルライフに現れ「現実もゲームと同じクエストの連続でとても楽しいですよ!」と言い放ったのは、スクールカーストの頂点を極めしリア充JK、朝日奈舞! さらにやつは「そんなセンパイに人生攻略の仕方を教えてあげますよ♪」と僕の人生に介入してきたのだ。そこまで言うなら教えてもらおうじゃないか。楽しい人生攻略方法というものを!!

さながら【弱キャラ友崎くん】を彷彿とさせるぼっち君への美少女によるリアルライフ教導もの、なんだけれどこの主人公である月岡草一は実のところ全く弱キャラなどではない。
彼の場合、コミュニケーション不全であったのはその経歴上他人と関わる機会が非常に少なかった事による経験値不足に尽きる。この男、実際は人に自分から話しかけたり全く見ず知らずの集団に飛び込んでいく事に忌避感も恐怖感も持っていないのだ。朝比奈舞の繰り出してくる朝比奈クエストで出されたお題は、ぼっちが行動に移すには大変な勇気を振り絞らないといけないものが多いのに、彼はそれらのクエストを単純に未知のものとして捉え、舞が保証するそれらもまた楽しい事だという言葉を信じて、好奇心にワクワクしながら挑んでいく。そこに、コミュニケーションを不得意とするが故のおどおどとした姿勢は微塵も存在しない。
彼は結局、他人や社会でコミュニケーションを密接に取る必要性を今まで見出してこなかっただけなのだ。そして、初めてのオフ会で舞とうまく話せなかったのも、これまでやってこなかったからやり方を知らなかっただけの経験値不足なだけで、恐れや諦めのたぐいはまったく内包していなかった。
この時点で少しおかしい。
つまるところこの男、他人と関わらない事、周りから孤立し阻害され置いてけぼりにされる事に対して今まで不安感を抱くことがなかったのだ。これまで友達は居たことがない、と顔色も変える事無くそれが特別なことでもない普通のことのように語る草一。小中高校の閉ざされたコミュニティの中で孤立する事に一切苦痛を抱いていなかった事になる。それどころか、幾つかのエピソードから阻害し孤立した彼に対して行われた虐めの類に対して草一は徹底した反撃を行い、自分に対する危害を見事に排除してしまっている。
彼は、朝比奈舞とリアルで顔を合わせるまで、言わばたった一人で完結していたのだ。それで満足していたし、不満も不安も抱いていなかった。それで十分人生を謳歌し、楽しんでいたのだ。
しかし、舞によって草一は「お一人様」とはまた違う「みんなといっしょ」という未知が、自分の抱いていたイメージと違ってこれはこれで楽しいものだ、という教唆を受け、その楽しさを証明し実感させてくれるという朝比奈さんクエストに、未知の楽しさを知るために挑んでいく。
それも、最初期のクエストで実際に自分の知らなかった楽しさを感じることで、そして舞へ抱いた信頼と信用から、彼女の繰り出してくるクエストに嬉々として挑戦するようになるのだ。

こうしてみると、朝比奈さんクエストによって月岡草一が得ていく変化とは、自己改革……ではないんですよね。月岡草一という青年はこのクエストを熟す以前と以後とでは実のところそれほど変わっていない。彼の個は既に揺るぎなく確立されていて、その事には朝比奈舞も早期に気づいている。
いわばこのクエストは、月岡草一の変革ではなく自己拡張を促すものだった、と考えるべきなのだろう。
なので、途中から舞の目的は兄に似たダメンズだった草一を世間と繋がった社交的な人間にする、というものから自分を好きになって貰うための誘導へと一気に方向転換してしまう。
これまでネトゲでパートナーとなり長くネット上で過ごすうちに画面越しの草一に好意を抱くに至っていた舞だけれど、実際オフ会で顔を合わせてそのコミュ障プリに失望してしまうのですが。
そこで見切りをつけてハイサヨウナラ、とせずに一旦気持ちを切り替えて上辺を取っ払い、草一に踏み込んで話し込んで彼という人間に実際に触れてみた、ここが朝比奈舞という少女の非凡な所なのでしょう。それ以前に同じようなぼっちだった実兄を徹底指導して見事に生まれ変わらせた経験も、彼女を後押ししたのかもしれません。
ともあれ、よく話し込んでみたらやっぱり面白いところも見いだせてきた草一に、朝比奈クエストと称して彼を変えていくことにした舞ですけれど、クエストを出していくうちにどうにも月岡草一という人間が並々ならぬ逸材である事に気付かされ、その本質がネット越しに思い描いていた人そのまま、いやそれ以上の人間であるのだと実感し、改めて自分がこの青年の事を好きだと自覚するのだ。
そして、彼女の目的は最終的に自分に振り向いてもらう事へとグルっと方針転換するのだけれど、折悪しくというか舞自身がヤブに蛇をつついて、なんでかクエストの最終目的が草一の憧れだった先輩に告白して付き合う、というものへとコチラも方向転換してしまうのである。自分が主導しておきながらどんどん自分が望む方向からズレていく草一との付き合いに、あれれぇ?と見た目自信満々に内面はあたふたオロオロしていく朝比奈舞のポンコツ可愛さが炸裂しだすのはこのあたりからなんですね。
実は自爆系ポンコツ娘だった朝比奈さん。そのクエストの内容や効果は眼を見張るものがあり、その頭脳の切れや有能さは折り紙付き、傍目の自信満々で胸張って先輩に対してあれこれ指導する姿も堂に入るものがあるのだけれど、肝心なときには人知れず自爆し内心で七転八倒してる姿が本当に残念で愛らしいんですよね。逆張りしつづけ、どんどんと草一と彼の憧れの人である高嶺遙花との仲がどんどんと進展して仲良くなっていくたびに落ち込み、自分が教導しているくせに告白が失敗するように願っている事に自己嫌悪したり。後半は、舞もまた主人公というべき描写だったようにも思います。
しかし、なんでこの娘は勝利目前になって調子乗るかな! とどめを刺ずに舌なめずりは三流の所業なんですよ、朝比奈さん! いちばん大事な場面で浮かれて調子乗って、盛大に自爆してww
どこをどう見ても自業自得でしかない、本当にどうしようもないアホの娘なのですがそこがまた、うん可愛い、可愛いよ。
とはいえ、パーフェクト美人に見えて隙ばっかりで天然模様な高嶺先輩も非常に魅力的に描かれていて、朝比奈舞のライバルとしてはむしろ格上、圧巻の上位クラスなだけに、ほんと何やってんのかなこのポンコツ娘はw
あれだけオウンゴール叩き込みまくっても、まだアドバンテージを残してくれている草一くんに朝比奈さんはもっとサービスすべきですよ、うん。

なかなか月岡草一くんが思わぬ方向から突っ込んでくる珍しいタイプの主人公でしたが、壱日千次さんの作品として見ると、ヒロイン含めて地に足がついたエキセントリック度の少なめの大人しい作品だったかもしれませんが、現代舞台のラブコメとしてはとてもポップで、ヒロインの舞も生き生きして主人公の草一と絡んでいく、楽しい作品でした。うん、面白かった。

壱日千次作品感想

暗黒騎士様といっしょ! 3.嘘つきは恋泥棒の始まり ★★★☆   



【暗黒騎士様といっしょ! 3.嘘つきは恋泥棒の始まり】 笹木 さくま/乾 和音(artumph) ファミ通文庫

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「アルバよ、ワシの恋人になってくれ」―暗黒騎士一行は迷宮の第三階層まで進んだはいいものの、新種や突然変異のモンスターが出現したため攻略難易度が跳ね上がり、先行きに不安を募らせていた。そんな時のガーネットの告白に盛大に動揺するアルバとルーファ。なんでも彼女に冒険者を辞めさせるため結婚話が持ち上がったという。大事な仲間の危機に、アルバは上手く恋人役を務められるのか―!?暗雲渦巻く伝説の暗黒騎士の新たな伝説、第三幕!

ガーネット、殆ど喋らないアルバとなんであんなにも意思疎通できるのかと思ったら、ガーネットパパが同じく極めて無口なタイプだったのか。ちゃんと根拠というか理由があったのね。てっきり、特に理由もなく以心伝心なんだぜ、なのかと思ってた。ガーネットがしっかり者の気遣い上手というキャラ付だけで多少読心が出来ても変じゃないよね、と思わせてくれる人徳の持ち主でもあっただけに。
だからこそ、アルバみたいな迂闊者というか世間知らずというか色々と鈍い青年にはガーネットみたいなしっかり者がお似合いだと思うんですよね。時代は常に姉さん女房が至上なんですよ。
ただガーネットの場合本気でアルバに対しては恋愛感情はないっぽいんですよね。好意は多分にある、それこそ仲間に対する信頼以上に大きな親愛を抱いているのは確か。多分だけど、何らかの理由でアルバと結婚しなくてはいけなくなったとしても、なんの文句もなくそれを受けるだろうしきっと円満な夫婦生活を送れるだろう、というくらいには好意を抱いていると思うんですよね。いつか自然と愛情へと変わるだけの好意が。でも、それは恋ではないんですよね。
自分はだから、こんなガーネットだからこそ、本気で恋をしてしまう、恋に落ちてしまう姿が見てみたくもあったのです。ただ残念ながら、婚約者候補との顔合わせで色々とトラブル騒動はあったにも関わらず、終わってみたらガーネットもう平常運転で、特にドキドキしている様子もなかったのでそれがなんとももったいなく。いや、軽々と浮つかないのがガーネットらしさなだけにそれでこそ、ではあるんですけれど。その彼女を揺るがすだけの何かが今の段階ではまだ無い、というのがいささかもどかしくもあるのです。

さて、ルーファとガーネットがアルバとともにダンジョンの最下層を目指す原因であった災厄の目覚めの前兆がどんどん顕著となっていき、現状維持のためにルーファの妨害を続けていた皇帝が自ら出馬してアルバたちの前に立ちふさがる事態に。
ルーファが語っていたような現実を無視して既得権益にしがみつき、それを邪魔する輩を排除しようとする害悪、というわけではなくちゃんと皇帝陛下は陛下で状況を正確に把握し、娘であるルーファを気遣っていた、というのはわかってよかったんだけれど……。
いやでも結局、対処を諦めて安楽死上等みたいな諦観に落ち着いたってるのって、やっぱりアウトじゃないんですかね!? この人も為政者として決して無能ではないんだろうけど、割り切り方がシビアすぎる上にそこに情が深く絡んじゃってるあたり、国家元首とか向いてないんじゃないかい!?
完全に権力に対して倦んでる傾向があるし!
ダンジョンを抱える国家を統べる責任者として、個人としても強くないと皇帝継げない、というシステムがなにげに脳筋すぎてダメだったんじゃないのか、これ?
いやまあ一番強い人でも、どうしようもない事態になってもじたばた最後まであがき続ける、というスタイルの人もいるだろうし、一概に国で一番偉いやつになるにはパワー重視! じゃダメってわけじゃないんだろうけどさ。
皇帝位の継承についての宣言、グダグダやっているよりはよっぽどマシではあるんだけれど、自分自身で大鉈奮って国家体制を一纏めにする選択を見事に放り投げて後は任せた、になっているあたりわりとなんともはや、な感じである。まあ、自分では出来ないという自覚あってのことだろうし、最有力候補なルーファをあえて指名してしまえば、彼女が文字通り親族姉妹を粛清しまくる血塗られた道を歩む羽目になってしまうだけに、それを選べなかったというのがあるんだろうけど。
まあそういう難しい問題関係ないアルバからすれば、最下層まで到達して真実を確かめる、というシンプルな目標に邁進すればいいだけなので、ただ頑張ればいいんでしょうけどね。それで取り返しのつかない立場に追いやられても、どうせ彼には何も出来ないんですし。ただルーファにもあんまり期待できないだけに、色々と面倒はフォローはやっぱりガーネット頼りになってしまう気がするぞ。

シリーズ感想

魔法学校首席になったら嫁と娘と一軒家がついてきたんだが ★★★☆  



【魔法学校首席になったら嫁と娘と一軒家がついてきたんだが】 桐山 なると/ 夜ノみつき  ファミ通文庫

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一般教養で満点を取り、なんとか学年首席になったミジョア。首席になれば狭苦しい学生寮を出て、最新魔法が施された一軒家に住める。うきうきで屋敷に向かうとそこには先住者がいた。教師の手違いにより、魔法の天才&変人と名高いエルキッサにも居住権が出されていたのだ!頑なに出て行かない美人同級生と同棲をすることになったうえ、二人を「おとうしゃん!おかあしゃん!」と呼ぶ魔法生物まで現れて―!?不思議で温かなアットホーム学園ライフ!

主人公のミジョアくん、首席は首席なんだけどこれはこれで超問題児なんですよね。傲慢でプライドの塊、承認欲求も過剰なくらいでとにかく偉そう。まあ嫌なヤツ、と思われても仕方なさそうな男の子なんですよね。これと友達付き合いどころか一軒家に同居とかどうやってコミュニケーション取ればいいんだ、と思う所なんですけれど、凄まじいことにこのミジョアが問題ならないくらいヒロインのエルキッサの方が深刻なコミュ障だったわけで。この娘、日常生活送るのも難しいところのあるポンコツダメ少女なもんだから、ミジョアの方が彼女の面倒を見たり世話を焼くはめになっててんてこ舞いしているものだから、ミジョアの嫌な部分が表に出る暇がなかったんですよね。
それどころか、二人の娘みたいな存在の特殊な植物であるジャスという少女が一緒に暮らすことになってしまったものだから、さらに事態は混沌としていくのである。
ジャスという子、言動が本当に2,3歳くらいの幼女そのもので、自由奔放でちょっとでも目を離すと何をしでかすかわからない、という意味でもホントにリアルなちっちゃい子なんですよ。しかも、出自的に確かにミジョアとエルキッサの子供といえる性質を持っているわけで、決して他所の迷い込んできた子供、というわけでもないのも拍車をかけるのであります。
まだまだこのくらいの子供は手が掛かるし目は離せないし、お喋りでよく動き回り、振り回されっぱなしになるものの、でもひたすら可愛いことこの上ないんですよねえ。
こういう幼女の面倒を見てると余裕なんて消し飛んでしまうわけです。目が回るような忙しさ、とかく夢中になって幼女に構って忙しないといけない。一心不乱であります。そうなると、ミジョアも、エルキッサも普段から自分を鎧ってこうあるべしと着飾ってきたものを着込んでいると、心身ともに嵩張りすぎて幼女についていけないんですよね。だから、そういうの一旦全部脱ぎ去って、どんどん剥き出しの自分になっていく。自分も知らなかった、忘れていた素の自分が出てくるわけで、ふと気がつくと幼女を挟んで二人の距離感がとてつもなく近くなっているのです。近づかないと、世話もできないし、生活もままならないのだから仕方ないですよね。でも、そうやって間近で見る相方となってる少年少女はやっぱり違って見えてしまうんです。他の誰も知らないことを、自分だけが知ってしまう。相手の良いところも悪い所もまるっと受け止めざるを得なくて、この二人の場合そうやって見せあってしまった剥き出しの自分が、相手にとってはとても柔らかく素敵なものに見えてしまったわけだ。剥き出しの自分を見せてしまったからこそ、相容れなくなる人たちもいるのでしょうから、エルキッサにしてもミジョアにしても、それはとても相性が良く、いびつだった自分を慰めて労ってくれる存在だったんですなあ。その鎹となったのが、二人の娘になるジャスなのですが。
建前じゃなく、ホントの意味で家族になっていく三人。嫁と娘がついてきた、というのは決して比喩でも大げさでもなかったわけだ。そうやって二人して落ち着くことで、距離のあったクラスメイトとも何だかんだと今までが嘘みたいに打ち解けて、仲良くなっていくあたり人間関係って不思議で面白いものです。
正直言って褒められたところの少ない主人公とヒロインのコンビでしたけれど、だからこそ一皮も二皮も剥けて成長していく、実に良いホームコメディでした。
いやあ、しかしあのジャスのリアルな幼女っぷりはお見事でした。身近でじっくり観察できる幼児でもいたんだろうか、と思うくらいのちっちゃい子らしい言動だったんですよねえ。

桐山 なると作品感想

暗黒騎士様といっしょ! 2.武士道とは恋せよ乙女と見つけたり ★★★   



【暗黒騎士様といっしょ! 2.武士道とは恋せよ乙女と見つけたり】 笹木 さくま/乾 和音(artumph)  ファミ通文庫

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「お主臭いぞ」というガーネットの一言で迷宮探索をお休みすることになった日。漆黒鎧を洗濯中のアルバが出会ったのは、史上最速で六階級冒険者に昇りつめた神速のチドリだった。チドリはアルバが目の敵にしている暗黒騎士と気づかぬまま、剣の稽古にデートにと親交を深めてしまう。一方、チドリの所属するクラン・白翼団は、国の命令で暗黒騎士の暗殺計画に協力することになり―。恋と野望が交差する、伝説の暗黒騎士の新たな伝説、第二幕!

アルバってば、思ってることがもうガーネットにはダダ漏れを通り越して、全部読心で読み取られてるんじゃないか、というくらいに正確に伝わっているの、もうこれ喋ってるのと変わらないんじゃないの!? ガーネットだけならともかく、ルーファ姫の方もなんか普通に伝わってるし、アルバのあんまり喋らない設定ってもう意味成してないような気もするのだけれど、新参のチドリ相手ならまだ需要はあるのか。
そのチドリの方は、偶々素顔で会ってしまったアルバに即座に陥落。ってか、イケメン好きすぎる。いや素顔のアルバが美形極まっている、というのもあるんだろうけれど、チドリって父親の復讐でガチガチに鎧っているだけで中身は武人気質というよりも乙女気質よりだし、王子様願望が強いようなので、アルバはストライク過ぎたんだろうけど。
それにしてもチョロすぎる!
いやこれ、アルバじゃなくてもイケメンで口説き文句の上手い男なら誰でも堕ちたんじゃねえの!? と思ってしまう程度にはチョロい! 史上最速で六階級にあがった、ということは冒険者になって殆ど間を置かずに実力者の仲間入りをしてしまったわけですから、気安く声をかけられるシチュエーションとか少なかったのかもしれないし。
まあアルバの剣術流派が自分のそれと似ている、という共通点なんかもあって色んな意味で話題が尽きないという相性もあったんだろうし……って、アルバ喋んないんじゃなかったのかいな、と思う所なんだけれど、やっぱり割と普通にコミュニケーション取れてるよなあ。

そのチドリが所属するクラン・白翼団もダンジョン深層の暗黒騎士をどうしても倒せずに停滞中。パーティーも勝ち筋が見えてこない相手に攻略断念も考慮に入れ始め、とどうしても暗黒騎士で行き詰まってしまうのか。アルバも強いは強いんだけれど、チドリと比べてそこまで突出しているという風でもないし、やり合うとなるととてもじゃないと敵いそうにないんだよなあ。ルーファとガーネットもまだ成長途中だし。チドリが今後協力してくれることになっても、パーティーのバランスはまだ取れてるとも言えないし、国からの妨害はいや増すばかり。残り時間も少ないのは、ダンジョン内の変容からも明らかで、どこかで三段飛ばしくらいでステップアップしなければいけないんだろうけど、どうにも目処が立たないなあ。
国王も本腰になって妨害に入ってくるようだし、さてどこに打開策があるものか。

1巻感想

やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 ★★★☆  



【やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚】 藍月 要/かわく  ファミ通文庫

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酒場で働く少年レンは歯がゆい思いをしていた。街を守ってくれている凄腕の女魔物狩りオルカが、同じ魔物狩りである男性達からまがい物扱いされているからだ。神聖な存在“うたうたい”がその歌による加護を男性にしか与えないため、女性の魔物狩りは見下されていた。オルカの癒しになれたらと、今日もレンは歌う。彼女から向けられている気持ちにも自分の歌に眠る力にも、まだ気づかないまま―。想いが世界を変える王道シンフォニック・ファンタジー!

おおぅ、これはまた男女の役割を入れ替えたような構図の作品でしたね。歌姫的な役を担うのが14歳の男の子レンであり、そんな彼の歌声に魅了された戦う三姉妹が二十歳、十九歳、十八歳という完全に一回り上のお姉さんという……おねショタだー。
それ以上に、レンくんがこれお姫様なんですよね、立ち回りの上で。彼には戦う力は一切なく、出来るのは歌うことだけ。一方で三姉妹の方は命がけで魔物を狩る魔物狩りと呼ばれる狩人であり戦士たち。レンくんは守られるお姫様になってるんですよね、これ。もちろん、守られるだけのお姫様なんかではないのですけれど、この男の子は。戦う力が一切なくても、能力的なものではなく、気概という意味で彼はしっかりと男の子しているのです。……まあ、それ以上にその健気な性格は可愛いの一言なのですけれど。
レンくんにメロメロな三姉妹は兎も角として、彼を知る町の人達もみんなレンくんの事可愛がってるんですよね。老若男女の区別なく、酒場の歌い手として活躍しているレンくんの傾倒っぷりは、なんというか街で評判の看板娘かアイドルか、という風情で。それも、彼の歌う歌声の素晴らしさもさることながら、やっぱりその健気で可愛らしい性格なんだよなあ。
長姉オルカさんが、陰でハァハァしてるのも、まあ無理からぬところなのである。このオルカさんが、また不器用でついつい緊張のあまり気になってる子にキツくそっけなく接してしまう、というどこの強面主人公か、というムーブをやらかしているんですよね。レンくんの前でだけやたらと無表情の厳しい口調で突き放すような台詞ばかり吐いてしまうという……。そんなオルカさんにも、自分が至らぬばかりにと後悔と反省をしながら健気に笑顔で懐こうとするレンくんは控えめに言っても天使です。オルカさん自分でも吐露してますけど、二十歳と十四歳では若干犯罪臭がしますから。
しかしこれ、三姉妹全員一回り上の年齢にしたのは思い切ったというべきか。変にレンと同世代の妹を入れなかったのは、はっきりとお姉さんとショタという構図にしたかったのでしょうか。確かに同世代の少女をまぶしてしまうと、ブレが生じるとも言えますし。ただ、そのお陰で次女のベルと三女のナーファル、タイプの違うお姉さんとはいえ、オルカ一人にスポットがあたってしまって……いや、ベルは姉御肌で気安くレンとも話せるから、オルカとの仲介役として結構重要な役どころだったけれど、ナーファルはレンに好意を持ちつつオルカをせっつきながらも遠慮してか、ちとレンと個別で絡む機会が少なくなってしまい、割りを食ってた感もありましたが。

でも、完全にヒロインなレンくんでしたけれど、理不尽に対しては毅然として屈しない気概の持ち主であり、ちゃんと男の子として格好いいんですよね。街が絶体絶命の危機に陥ったときも、自らの命をかけて動くことが出来たというあたりに、ただ守られるばかりではないお姫様、という覚悟がありました。
展開としては割とオーソドックスなもの……オトコの魔物狩りの鬼畜っぷりがかなりフルスロットルなんですが、それを加味してもストーリー展開に大どんでん返しみたいなものは存在しないのですけれど、それでも話自体をグッと胸にくるものにさせているのは、登場人物たちの感情が溢れかえり決壊する場面の描写力なのでしょう。前作でもあったのですけれど、ダムが決壊するみたいに感情が爆発して溢れかえってくる激情、或いは感動や悲嘆という感情の描写がなんか漲ってるんですよね。その衝撃や震えがダイレクトに伝わってくるような力に、思わず読んでいるこっちまで飲み込まれてしまうのです。これは、大きな武器だよなあ。
だからこそ、その感情の起爆が個々人の内面のみの描写で完結しているのは、微妙に勿体無いようにも思うのです。なんていうんだろう、そこで終わってしまうというか、熱くなったものが外に、他のキャラに繋がっていかない、というかコンボが決まらない単発になっているというか。もっとシーン全体に、物語の流れの中心にその熱さが乗っていけばもっと興奮したんだろうな、感情が高ぶったんだろうな、と思ったりも。
まあそういう期待は、続きに期待したいと思います。個人的には三女の秘めた想いは応援してあげたい。そして、なんだかんだとレンと三姉妹が旅に出たあと、街の安全は誰が守るのか、という何気に難しい問題になってた部分をしっかりクリアしてたのも、あれ上手かったんじゃないでしょうか。誰よりも信頼できる託せる相手がそこに居たわけですから。

藍月 要作品感想

魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか 3 ★★★   



【魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか 3】 いかぽん/カカオ・ランタン  ファミ通文庫

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ウィリアム達冒険者四人パーティは、鉱山都市ノーバンに足を運び、坑道に発生したロックワームの退治という合同クエストを受注する。同行した他の冒険者が苦戦する中、ウィリアム達はいつものように易々とモンスターを倒していく。そして温泉に浸かり旅の疲れも癒やす余裕(?)の彼らだったが、次の日市長に告げられたのは、冒険譚に綴られた伝説の巨大ロックワームが潜んでいるかもしれないという情報で…?大人気冒険ファンタジー、激変の第3弾!

ライバル登場! というには、このグレンという冒険者、好敵手のイメージからはずいぶんと異なってる。そもそも、女性に対するスタンスがウィリアムとこのグレンは逆さまと言っていいくらいに違うんですよね。冒険を優先して仲間の女性たちは大事に思いつつも恋愛という関係に踏み込むには一線を敷いているウィリアムに対して、グレンは欲望に忠実で女性という存在もモノのようにしか思っていない。傲岸不遜で過剰なまでの自信家という厄介極まりない人種なのだけれど、ただの無法者というわけではなくある一定の自分なりのルールを持っている。そのルールはグレン自身も破らないし曲げることはない。それは信念であり、彼という人間を形作っている枠組みであると言っていい。
こういう部分はウィリアムと実は結構似通っているんですよね。自分を形作ってる枠組みに詰め込んでいる中身はまったく別物であるとしても。
面白いことにこの二人、お互いの行状については嫌悪感を覚えるほどに嫌っているにも関わらず、意外なことにその事自体を否定しようとはしていないんですよね。不倶戴天の敵となるのかと思いきや、こういう男もいるのか、こういう考え方もあるのか、と興味を覚えながら自分と全く異なるベクトルで動いている男の存在を飲み込んでいるのである。勿論、嫌ってはいるのだけれど。
それもこれも、相手に認めさせるほどに力を示したからなのだけれど、その力もそれぞれグレンとウィリアム、戦士と魔術師というクラスの違いもあるのだけれど、力の示し方がまた全然違っていて、だからなのかどうも新鮮な驚きとも興味とも取れる感覚を抱いているっぽいのである。
異なりすぎる価値観が、反発や拒絶ではなく新味を感じさせる関係とでもいうのか。
そのせいかよくわからないのだけれど、グレンもウィリアムもそれぞれ身近な女性に対するスタンスというか考え方が微妙に相手の影響を受けたのか、ちょっと変わってきてるんですよね。
競争の後、二人が微妙な雰囲気のまま何故かサシで呑みに連れ立っていき、決して仲良くなるわけでも意気投合するわけでもなくお互いに忌避感を抱いた微妙な空気のまま、しかし二人でじっくりと対話してお互いの人となりを確かめあい、それでどうこうするわけでもなるわけでもなく、さっさと別れて解散、となるシーンはなんともこう面白いものがありました。
お互いに相容れぬ、理解し合えない者同士。でもそれがそのまま敵となったり反発し合う関係になるわけじゃあないんですねえ。無視するのではなく、お互いを強く認識した上でオレはオレ、あいつはあいつ、と置き合える。自分とまったく違う人間を向き合うことで、むしろ自分自身と改めて向き合うことになる、なんてこともあるのかもしれません。ライバルというにはそっけない距離感ですけれど、こういう関係も面白いなあと思った次第。
女性陣との関係は進展しているようで、まあ個々の掘り下げらしい掘り下げもなく、ウィリアムの方から歩み寄ったというべきか。シリルがワーム生理的にあかん、というのはネタにされてたけれどパーティーとしてはそこそこ真剣に考えないといけない案件じゃなかろうか。ワーム相手だとメンバー一人使い物にならなくなるわけだし。

1巻 2巻感想

魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか 2 ★★★  



【魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか 2】 いかぽん/カカオ・ランタン  ファミ通文庫

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冒険者のウィリアム達は、オーク退治のクエストを遂行中に出会ったエルフの娘に連れられ、彼女の集落へ赴く。しかしそこでオークによって重傷を負わされた彼女の母親から、仲間が敵地に取り残されていると告げられる。救出作戦に参加することになったウィリアム達。統率された百を超える軍勢を前に、彼の導き出した戦略は―!?そしてウィリアムとサツキたち女性陣の関係にも変化の兆しが見えて…!?Web発の大人気異世界冒険譚、緊迫の第2弾!
いきなりサークル崩壊、じゃなくてパーティー崩壊の危機。恋愛問題は容易に小さなグループ内の空気をギスギスさせて維持不可能にしてしまうんですね、わかります。
いやこれ、真面目にウィリアムが鈍感なふりせずに特に態度が露骨なサツキに好意の有無を確認した上で、自分は冒険優先で恋愛はその邪魔になってしまうから後回し、とはっきり告げたのはタイミング的にもギリギリでファインプレーだったんじゃないだろうか。
ともかく、ウィリアムの意志と優先順位がわからないままだったら、女性陣としても自分の気持を優先して考えずには居られなかったでしょうし。ウィリアムが冒険優先だとはっきりしていたからこそ、自分たちの気持ちをちゃんと表明した上でウィリアムの意志を尊重して自重する、という協定が結べたわけですから。
まあでも、そこかウィリアムの意に反しない範囲から彼の優先順位を奪い取るだけの寝技を仕掛ければいい、という話にもなってしまうのですが。やりすぎてしまうとレッドカードが出てしまうので何気に微妙な加減が求められてしまうので、恋愛初心者な女性陣には難しいところでしょうし、あんなこと言いながらウィリアムの優しさは結構ズルいだけに、まあ脆そうな協定ですけど。
あくまでサツキ、シリル、ミィの三人の間での牽制関係だけに、外部からちょっかいかけられたらあっさり崩れてしまうものですし。
そもそも、ウィリアムあれでチョロいからなあ。アイリーンもいることですし、こっち方面の方はそのままなし崩しになっていきそう。

今回はエルフたちの味方をして、攻め込んできたオークの集団と戦うという集団対集団戦の様相を呈していたのですが、パーティーの戦闘管制のみならずウィリアムって集団戦闘の作戦立案まで出来るのか。そのあたり、魔導師の教育の範疇ではない気もするのだけれど。
地形を利用し相手の心理状態も誘導して、自分の火力を冷静に計算のうちにいれ、最大効率最小被害での戦闘結果を導き出す。派手だったり奇策を講じたりするわけではない、手の内にある札を使ったけっこう堅実な作戦で、戦力的には上であるオーク勢を打倒していく戦闘パートもなかなかおもしろかったです。あれ、最後アイリーンと途中で合流できていなかったら結構苦しい戦いになってた気もするけれど。
でも、鳥に化けて俯瞰的に敵の位置を把握できる、というのは圧倒的優位なのでアイリーンがいない場合でも、うまくオークの進撃先を避けながらチクチクと戦力削ってなんとかは出来たかしら。

1巻感想

魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか ★★★☆  



【魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか】 いかぽん /カカオ・ランタン  ファミ通文庫

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魔術学院を首席で卒業したウィリアムには高給と安定のエリート街道が開かれていたのに、彼は自由と可能性に満ちた冒険者の道を選ぶ!盗賊、神官、侍の少女三人とパーティを組むことになった彼は、駆け出し冒険者の水準を遥かに凌駕する高い魔法能力と、頭脳的かつ実践的な戦い方で、軽々とギルドのクエストをこなしていく。更に彼は、魔術師を超える導師の称号すら持っていて…!?実力派の冒険者少女もタジタジ、凄腕魔術師の冒険譚、ここに開幕!

国内の最高学府を首席で卒業、というのはそりゃもう凄まじいことなんだけれど、逆に言うとそのレベルの人は毎年一人は卒業してくるし、同程度の人間は上位十名くらいを範疇としても数年で何十人と出てくる程度なんですよね。つまり、チートな能力を持った特別な人間でも世界で五指に入る実力者というわけでもない、ある意味常識的な範疇に入るエリート、というくらいの人間なんですよね、この主人公。
……いや、ぶっちゃけリアルだとそのレベルの人は本気で「バケモノ」なことも全然珍しくないのですけどね。エリートって本来やられ役なんかじゃなくて本気で凄い連中なんだぞー。
とはいえ、所詮学生での首席レベル。現場に出れば机上の勉強とは異なる実践についていけない、なんてことはザラにあるのですが……。
このウィリアムくん、なんちゅうか実践派すぎるんじゃないだろうか!?
派手だったり強力な目立つ魔法や、莫大な魔力、高度な術式に基づくなんていうんだろう、特別であることを全面に押し出しての圧殺という方法じゃなく、彼が取る手段というのは睡眠魔法でモンスターを眠らせて安全に処理する方法だったり、事前に先の地形や敵情を偵察することの出来る遠見や透視魔法によって完全に主導権を握ってから行動するようなやり方だったり、地味なんだけれど玄人好みの方法ばかりなんですよね。
いやそりゃもう安全マージンを確実にとって、危険を極力排除し、出来れば戦闘前に勝利を確定させられる優位を確保して、という支援と補助を優先した戦闘というのはもう文句の付け所もないのですが、それを新人の身で出来るというあたりにウィリアムの地に足の着いた姿勢が鑑みれるわけです。
そこまで地に足がついているなら、そもそも冒険者にならずに宮廷魔術師として安全で高収入で仕事としてもやりがいのあるだろう政務関係に入ったらいいじゃないか、と思う所なんですが、何事も効率ではなく、夢を追うという若者らしいあり方を忘れてないあたりが、彼の面白いところなのでしょう。
そういう効率重視だけれど絶対視をしていなくて、情や自分と異なる価値観や考え方も尊重するというあり方は、組むことになったパーティーメンバーとの間で育まれていく信頼関係の中でも大きく作用してるんですね。頭でっかちでもなく、自分の考えが正しいと考えているわけでもないので、人の話はよく聞きますし、自分の節を曲げることになるケースがあってもそこに理があるなら、その理由がその人にとって大事なことであるのなら譲ることに躊躇いのないおおらかさみたいなものもありますし。
なによりも、彼の美徳としては人を褒めることがうまい、というのがあるのでしょう。それもおべっかや建前ではなく、他人の良いところを目ざとくみつけて、それを嫌味なく褒め称えることが出来る。
いやね、褒められるってどんな形でも人間嬉しいものですし、頑張ろうって気になるんですよ、これが。それでいて、他人を褒めるのって案外難しかったりするんですよね、これ。
多分、ウィリアムはそれを自然に出来る青年なんでしょうね。彼の数ある長所の中で最たるものがもしかしたらこれなのかもしれません。お蔭で、彼を慕いまた可愛がる人は老若男女問わない多岐に渡る模様で、人脈の広さがえらいことになっている。
これって、父親が反面教師になっているのかもしれませんけどね。逆にあの対人関係壊滅的だろう狷介な性格の父親が魔術師の筆頭やってるあたり、それだけ能力ずば抜けてるんだろうな、と想像もつくわけですが。まあそれだけではないのは、彼の峻厳さが自分自身もまったく守っていないあたりに垣間見えるのですが。でも、ああいう在り方って敵しかいなさそうだけどなあ。

ヒロインたちはまあ、確かにチョロいとは思うのだけれどあの子らはあの子らであんまり褒められたこともなさそうだし、自分の能力や成果を正当に評価してもらい称賛してもらえる、というのはほんと、思いの外グリグリと心をくすぐるものですから、多少チョロくなってしまうのもわかるんですよね。まあ、さつきはあれ極端だと思いますけれどあのキャラ、チンピラ系純情乙女だからなあ(苦笑


多分僕が勇者だけど彼女が怖いから黙っていようと思う ★★★   



【多分僕が勇者だけど彼女が怖いから黙っていようと思う】 花果 唯/bun150  ファミ通文庫

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「貴方こそ勇者様です!」王都から来た聖女はそう決めつけてくるし、聖剣を名乗る棒きれの声も聞こえてくる。けど僕は単なる村人で、僕のことを常に気遣ってくれるけど魔王より怖い幼馴染みのアリアと幸せになるのが人生の目標なのだ。それなのに聖女と聖剣は強引な手段で僕を勇者にしようとするし、神託を聞きつけた魔物まで村に押し寄せてきて―!?幼馴染みのために勇者になりたくない少年は幸せを掴めるのか!?希代のファンタジーラブコメ開幕!

タイトルでは彼女が怖いから、とネガティブというか受動的というか、受け身な物言いになっていますけれど、実際は仕方なく黙っているのではなく、アリアへの愛故に積極的に勇者であることに背を向けているんですね、この主人公であるルーク。
アリアの方もやたらルークへの当たりが強くて攻撃的なのですけれど、ルークを好きなことは彼自身にも周りにも全然隠していなくて、ぶっちゃけ相思相愛なのですよ、この二人。
アリアのあのやたらとルークにキツイ物言いをする部分や独占欲が強いところに苦手意識を持つ方も多いというのもまあわかるところではあるんですけれど、個人的には好き好きオーラを積極的にぶつけて甘えたところもよく見せてくれるので、あんまり気にならなかったり。何しろ、肝心のルークがアリアのその態度を含めて好きで好きでたまらない、というのをこちらも隠しもせずにばらまいてますからね。馬に蹴られるってなものです。
そもそも、あのアリアの当たりの強さはルークが両親を突然失ったあとの無気力状態を叱咤するのにはじめた……いや、元からわりとあんなんだったのかもしれませんが、特に強まったのはそれが原因だったはず。そこで優しく慰める、とならないところがアリアたる所以なのでしょうし、ルークが立ち直ったあともそうした態度を緩めることができないあたりの不器用さは、ある意味惨憺たるものなのかもしれませんが、アリアがあのルークへのきつさを緩められないのはそれだけ不安が解消されなかったからなのかもしれません。薄々、ルークの特異性にはアリア、気づいていたみたいですし、あの独占欲もそうなんですけれど、ルークが自分の元から突然消え去ってしまう気配というのをずっと感じていたようにも思えるのです。そこで優しくベタベタ甘えることができずに、拘束力を高めてしまうあたりが、アリアたる所以なのでしょうけれど。
聖女さまに悪女呼ばわりされても致し方ない部分はあるんだなあ。
しかし、ルークにとってはそれでいいのであるからして、余計なお世話なんですよね。
ルークの、世界なんてどうでもいいから、自分が守りたいのはこの村と何よりアリアであるからあとは知らん、という断固とした姿勢であり、一つの覚悟であるそれは、そりゃ世界を憂う騎士さまなどからしたら言語道断なんでしょうけれど……。
勇者としての使命とか強き者の義務とか、そんなの村人からすれば知らんがな、てなもんですよね。
村から出たこともないただの村人だったルークにとっては、世界とはすなわち住んでいる村のことで、それ以外の外の世界のことを大局的見地から考えろ、と言ってもなかなか難しいことのはず。何しろ、幾らでも情報が入手できて自分の住んでいる土地以外のこともなんでも知ることの出来る、そして幾らでも入ってくる現代と違って、外との行き来などたまに来る行商人くらいの僻地の村ってのは情報的に隔絶されていて、魔王だのなんだの言われてもそりゃピンと来ないと思うんですよね。
その意味では、ルークは自分でも言っている通り正しくただの村人なのである。そんな彼が外の世界よりも村と愛する人をそばで護り続けたい、とその身に宿った力の使い方としてそう考えるのも、決して無理からぬことなんですよね。
小賢しい奸智を用いて、自分とアリアを引き離そうとする外から来た聖女だの騎士だのと言う連中の物言いに耳を傾けるいわれはどこにもありませんし。
価値観の多くが異なっているために、聖女さまの勧誘とか甘言とか、ルークの琴線に触れることが全然なかっただけになおさらに。彼女、自分の価値観や好意を押し付けてそれを喜ばれると思っていたようなので、そのへんは仕方ないかと。まあ彼女だって上流階級どころか都会の人間とは異なる村人の、しかも頑なな向きのあるルークの考え方を想像せよ、というのも難しかったのでしょうが。
その意味では騎士様のほうが、ズバッと鋭い指摘を投げかけてルークを心を刺してきているのですが、あそこでブレないあたり、アリアへの愛情の重さはなにげにアリアからの歪なくらいの愛情の重さと釣り合ってる、という意味でもお似合いではあるんですなあ。
図らずもあのまま酷い形でアリアとルークを引き離していた場合、ルークって勇者として世界を救うどころか逆に恨んでえらいことしでかしそうな一面もありそうな気がしますしw
なので、やたらとポンコツ気配を醸し出していた聖剣が意外にも柔軟な考え方で間を取り持ってくれたのは幸いだったのではないでしょうか。こいつが一番聞く耳持たなさそうに思えたのに、伊達に何人もの勇者の手を渡ってきたわけではなかったのな。
まあどれだけルークが世界よりもアリアを優先したい、と言っても魔王を放っておいたらいずれは自分たちが住んでいる村にも魔王軍の災厄が襲いかかってくるのですから、関係ないなんて言ってられないのも確かなんですよね。遅いか早いかの違いでしか無いし、遅かったらそれは致命的になってアリアや村を守るという覚悟すら台無しにしてしまいかねない。
とはいえ、聖女様はやり方がほんと下手くそというか相手側の事情を鑑みないやり方だったので、その辺はルークの気持ちもわかるんですよね。
一番ほっこりさせられたのは、やはりアリアの弟であるロイでした。大好きな義兄ちゃんがほんとは凄い人なのに、誰もそれを知らず誰にも認めて貰えないのが悔しくて、だからルーク兄ちゃんにはちゃんと勇者になってみんなにその凄さを知ってほしい、認めてもらいたい、とむちゃをしてしまう姿は、大事な家族を正しく評価して欲しい、という幼いながらもほんとにルークを大好きで大切に思ってることが伝わってきて、そりゃルークも心温かくなるよなあ。彼にとっても、大事なものがアリアだけではなく、アリアを含めた彼女の家族、ひいては自分の家族となる人たち、というのが再認識されるエピソードでもあり、何気に物語の重要な要となるエッセンスでもあると思うんですよね、ここ。
とりあえず、アリアはメシマズに関してはルークに甘えずにもうちょい改善に必死になるべきだと思うぞ。

異世界城主、奮闘中! ~ガチャ姫率いて、目指すは最強の軍勢~ ★★★☆  



【異世界城主、奮闘中! ~ガチャ姫率いて、目指すは最強の軍勢~】 ありんす/かかげ  ファミ通文庫

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「今日から君、王だから。頑張って最強の軍を作ってね」
ある日ゲーム世界に飛ばされた俺は、自称“神”からそう告げられた。しかし、そんな俺を助けるべくガチャで召喚されたのは、低レアリティにコンプレックスを持つ女戦士オリオン。その後も弱キャラばかりの中、遂に引き当てたのはSSR神官!だが彼女は魔物と戦ったことがなく、初戦闘でお漏らしする始末。果たして俺は、群雄割拠の世界で生き残れるのか!?残念美少女達との城主生活、始まります。

意外と、と言うと大変失礼になってしまうのだけれど、意外と面白かったのでした。
ガチャで召喚した戦士たちを運用して城主として同じ領主たちと領地を奪い合え、というこう言っちゃなんだが安っぽい設定の世界観。なにしろ、あらすじからしてゲーム世界なんて明言されちゃってますしね。神様とやらのやる気の問題なのかセンスの問題なのか、バックグラウンドもあまりちゃんと用意されてないっぽい場所でさながらゲームのプレイヤーみたく領地の争奪戦なんかやる羽目になるのですから、実のところ主人公はもっと軽いノリ、それこそゲームをやるように城主生活をやってるんだと思ってたわけです。最初の召喚ガチャ相手であるアリアンとの二人きり(ヒロイン以外のノーマルクラスキャラは何人かいるけれど)の貧乏城主生活もそれなりに気楽に楽しそうにやってましたし、同じ日本出身の同輩である隣国の城主やってるやつはそのままゲームで遊んでいるかのように城主生活を満喫していましたしね。
結構主人公の彼が置かれている状況というのは厳しいもので、しみったれた領地を維持するのが精一杯。城主と言っても、自分で剣をとってアリアンと一緒に冒険者仕事をこなして日銭を稼いでるようなもの。アリアンは懐いているけれどレア度は非常に低く、ようやく来たSSRの神官さまも実際戦わせてみたらポンコツの極み、と愚痴ならいくらでもこぼせそうな環境でひーこらやっているわけですけれど。
この主人公の勇咲くん、思い返してみるとどれだけ大変な思いをしてもめげてもため息をついてしまうようなことになっても、その時のネガティブな感情を決してヒロインたちにぶつけるどころかあまり見せるような真似もしなかったんですよね。なので、決して軽いというわけじゃないのだけれど気楽で前向きにやれる子なんだな。あんまり抱え込まない子なんだな、という風にも最初は思っていたのですけれど……。
いや、そういう素振りをほとんど見せなかったからこそ、別の城主のユニットであるエーリカから見た、勇咲がこの世界に召喚されてから間もない、アリアンを引き当てて一緒に城主として動き始めた当初の……まだ現代日本の感覚でいたままの頃の彼のエピソードがビシッと効果を発揮したのかもしれません。
そこで、勇咲が決してこの世界で生きることを遊び感覚でもゲーム感覚でもやっていない。ここで本気でやっていくという意志と覚悟をもって、泣きじゃくりながら頑張り始めたその姿を見せられると、あのお気楽そうな態度の内側でどれだけの感情が渦巻いていたのか、そしてそれを飲み込んで飲み下して、無理をして笑っているのではなく本心からアリアンたちに笑ってみせていられる逞しさを得るのにどれだけ頑張ってきたのかが想像できてしまって、ものすごく好感があがってしまうんですよね。
アリアンたちヒロイン衆が彼を慕うのもよくわかるんですよ。傍目から見ても、すごく大事に大事に自分たちが扱われているの、女性陣は実感しているでしょうし。いや、女性陣だけじゃなくて他の配下の連中も彼が自分たちと同じ目線で同じ気持ちで同じ立場に立って一緒に頑張っている、というのが伝わっているでしょうから、弱小ではあっても団結力は並外れているのではないでしょうか。
アリアンが自分のレアリティの低さに悩むのは自分の価値について思い悩むというよりも勇咲のためにどれだけ貢献できるのか、というところに重点があるようですし。この娘、本来ならもっと気難しい扱いづらいタイプなんだと思いますよ。脳筋だからこそ、時として自分を含めていろんな物事に対して考えても無駄なレベルで考え込んでしまうような、野生動物じみた相手に踏み込ませない領域を持っていそうな。そういうのをすっ飛ばして懐かれているあたりに、勇咲の彼女に対する当初からの接し方の質をみることが出来るような気がします。
こんな風に登場人物が本気で生きているとなると、ゲーム世界という陳腐になりかねない世界観はあまり関係なくなってくるんですよね。キャラの生き方在り方が背景のディティールをおのずと鮮明にしていくものだったりするわけで、これだけキャラが生き生きしていたらやはり自然と面白いと思えてくるものなんですねえ。
キャラも出揃い、隅っこでせせこましく生きている貧乏弱小領主からどうにか脱却できそう、という段階で終わったので、飛躍編となっていくだろう次巻以降、なかなか楽しみになってきました。

暗黒騎士様といっしょ! ~勘違いから始まる迷宮攻略~ ★★★  



【暗黒騎士様といっしょ! ~勘違いから始まる迷宮攻略~】  笹木さくま/乾 和音(artumph)  ファミ通文庫

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「暗黒騎士様、迷宮を踏破して帝国を救ってください!」
助けたエルフの少女は駆け出し冒険者アルバにそう頼み込んできた。どんな願いも叶うという迷宮には帝国を滅ぼす秘密が隠されている。帝国の民を助けたいと懇願するエルフの少女・第七皇女ルーファ。勘違いでも「女の子の頼みを断るのは格好悪いよね」と祖父からもらった漆黒の全身鎧と鮮血のごとき赤い魔剣を携えアルバは、少女たちと迷宮攻略に挑む!伝説の暗黒騎士による新たな伝説がいま始まる!?
いや、これ暗黒騎士鎧マジでカッコよくないですか? もはや全身鎧じゃなくて強化外骨格とかそういうレベルですし。ただスタイリッシュすぎるのはともかくとして、顔はガチで怖いんですけど。あの血塗れの武器といい、製作者の爺ちゃんの趣味相当にアレなんじゃないだろうか。ってか、これでよく普通に街に入れたなあ。これは普通に不審者でしょっ引いても職務の範囲だと思うぞ、衛兵の人。
ただ、暗黒騎士の中の人は呑気すぎるんですよね。わりと脳内ではペラペラと目まぐるしいくらい考えているのに、それを表に口に出して言わないものだから完全に無口な人である。この凶悪な顔面兜で何も喋らなかったらそりゃ怖いわ!
挙げ句、途中から喋らなくてもある程度意思疎通が出来る、というか勝手に考えてることをかなり正確に読み取ってくれるガーネットが一緒に行動することになったせいで、とりあえず伝わればいいやな案件はガーネットに読み取ってもらうことにして、横着して本気で喋らなくなっちゃうし。
その上、田舎者を極めているせいか自分の価値観で勝手に決め込んで判断しているせいで、勘違いが加速する上に相手とお互い考えることが違っても喋らないから齟齬の修正が叶わないので、どんどんそれぞれが思い込んだまま突き進んじゃうんですよね。相手のルーファもあんまり相手の話聞かない、というか自分で決めたら相手の話も意見もあんまり聞かないタイプだし。
一応、ガーネットという意思疎通の橋渡し役がいるんだけれど、アルバもルーファも結局人の話聞かないので全く橋渡しになってないんですよね。この子、なんのためにいるんだろう、と思えてくるくらい。ツッコミ役? 誰にも聞いてもらえないツッコミ役というのもなかなか寂しいですよ? アルバの理解者であるはずなのに、ガーネットの方は誰も理解してもらえないという。ヒロインとしても、なんか聞き役察し役で目いっぱいになってしまっていて、それ以外の存在感が微妙に足りないのがなんともはや。
最低限、肝心の迷宮攻略してください、というルーファの願いは届いているんだけれど、それ以外の細やかな部分の意思疎通はほとんど図れていないまま、というのはこれパーティーものとしてはどうなんだろう、と思うところなんですよね。アルバのあの途方もない暢気さ、世間知らずなぽややんなところは、中身の正体が明らかになったとき微妙に納得がいったのですが。人間の男の子ならもう少しちゃんと考えたほうが、と思ってたんだけれど、なんというか妖精さんなら仕方ない、みたいな?
ともあれ、今のところ一緒の方向を向いているにも関わらず、勘違いと齟齬が重なって本当の根本的な部分ではバラバラなままなようにも思えるんですよね。少なくとも、せめてちゃんと意思の疎通はしてほしい。

笹木さくま作品感想

女神の勇者を倒すゲスな方法 6.「なんと、我と結婚したいと申すか!?」 ★★★★  



【女神の勇者を倒すゲスな方法 6.「なんと、我と結婚したいと申すか!?」】  笹木さくま/遠坂 あさぎ ファミ通文庫

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女神の脅威は去り、世界に平和が訪れた―とはならず、信じるものを失った人間社会は乱れに乱れていた。勇者不在からの魔物の跋扈、きな臭くなる国家情勢。白エルフたちの合コン問題、残った女神教の腐海化、リノちゃん同世代の友達がいないなど、難問が山積みとなっていた。人間と魔族の平定に奔走する真一だったが、アリアン、セレス、リノちゃん女性陣からのアピールも過激になり…真一が選んだ答えとは?ゲス参謀の異世界攻略譚フィナーレ!
一冊まるまる後日談、というのはこのご時世では贅沢な作りである。ただ、物語のテーマ上でも悪い神様を倒しておしまい、めでたしめでたしというのは随分と投げっぱなしではありましたから、世界の秩序である女神教の信仰をぶっ壊してしまったあとの新しい秩序、未来への筋道というものをきっちり描いて見せてくれたのは丁寧なお仕事だったと思います。
それでも、まだ十代の真一が自分の死後を考えてあれこれと世界中に仕込みを備えていく、というのはまだ若いのにもう最晩年のフィクサーみたいな境地を伺わせていて、いやちょっと枯れすぎじゃないですか!?と思ったり。
準備を整えていくことに越したことはないですし、軍師参謀大政治家の端くれとしたらその「備え」こそが肝心、という考え方は真っ当ではあるんだけれど、まだ普通に生きれば短くても半世紀近く現役、頑張ればさらに30年くらいマシマシで現場で働けるだろうに、さすがに気が早すぎやしませんか、と言いたかった。ここが、彼がどこか生き急いでいると感じさせられる部分だったのかもしれない。
大切な人を唐突に失った経験は、いつ誰が居なくなってもおかしくないという諦念を真一に植え付けていたのだろうか。長寿であるリノの未来に人間である自分やアリアンたちが居なくなったあとの時代が訪れることは確定しているんだけれど、どうにも「無くなった」あとのことばかり気にしていたような気がします。それは数々の備えにも伺えるんですよね。常に何事にも最悪の展開が訪れることを想定していて、それに備えた対処策、緩和策を用意して回っている。政治家に楽観論は禁物であり、彼の備えはすべて現実的、と分かっていても、なんともモヤモヤしたものが募ってくる。
真一には、一個人としての幸せが足りていなかったのではないだろうか。
だからこそ、これからなのだろう。これから、一人の青年として幸せを得て、自分の人生というものにゆっくりと腰を据えて向き合って欲しいものである。その必要性を、彼を愛する女性たちはちゃんとわかってくれているようだから、その点はほんと不安には思っていないんですけどね。安心している、と言っても良い。
理想の楽園とは程遠い、しかし着実に希望を積み上げていける優しい未来図。現実として様々な困難が立ちふさがっていることは、戦後処理で駆け回る真一の策謀が炸裂しまくり、協力者とも共犯者とも言える各国の首脳部とのつながりも機能して着実に成果と備えを積み上げながらも、だからこそ痛切に難易度を感じさせられるものだったけれど、それでも希望を感じさせてくれるというのはなんとも柔らかい気持ちにさせてくれる。
真一が、地球に残していってしまった家族にちゃんとメッセージを送れた、というのも気の利いた、というかなんというか、ケジメをつけられてよかったんだろうけれど……あれ、いきなり過ぎて後々両親じわじわとダメージくるだろうなあ。たとえ異世界で息子がちゃんと幸せになれたとわかっていても、親としては寂しいですよ。
その点、アリアンを見守れる赤竜さまは幸せ者です。まあこの人も将来、見送らなければならない立場だけに、その辛さもあるのでしょうけれど。
最後は、真一のガチのゲス要素が出てしまって、そこでタイトル回収しなくても、と思わず苦笑。いや、その結末は予定調和で誰もが望んでいたものだったはずなんだけれど、そのやり方はゲスすぎますよ、真一さんw

シリーズ感想

オミサワさんは次元がちがう ★★★☆  



【オミサワさんは次元がちがう】  桐山 なると/ヤマウチ シズ  ファミ通文庫

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大学二年の雪斗には気になる女性がいた。芸術科の小海澤有紗。無表情、無感情で人と関わろうとせず、そこかしこに絵を書き散らすも、その落書きが数百万の価値を生む百年に一度の天才。人とのコミュニケーションが断絶してしまっているそんな小海澤さんが気になり、なんとかお友達にこぎつけた雪斗。しかし天才との変わった交流を楽しむはずが、彼女の重大な秘密を共有することになり―。次元が違う彼女との、もどかしくピュアなキャンパスラブストーリー。

そう言えば、次元が違うって言い回し最近はするんだろうか。昔はわりとよく耳にしたような気がするのだけれど、そう言えば最近あんまり聞いたことがなかったなあ、とふと思ったもので。
タイトルからしてダブルミーニング、一つの言葉に2つの意味が込められていた本作だけれど、様々な場面に表に見えている部分とその裏側に横たわっている部分という2つの意味や事実が込められているところが散見される。
同じ時間空間に居るはずなのに、そこに居て見えているのに、触れることもできるのに、たった独り世界と断絶してしまっている彼女。当たり前の日常の中にポツリと染み込んだ違和の一点。それは、彼女に近づき彼女が抱いている真実を知るに連れて、ゾッとするような不気味さを伴って主人公の雪斗へと押し寄せてくることになるのだ。
それは正しく、世界を隔てていた次元の壁を、跨いでしまった瞬間だったのだろう。
同じ時間空間の中に居ながら、確かにそのとき、彼は違う次元へとたどり着いてしまったのである。自分の見ている景色が、世界が自分を置き去りにして遠ざかっていく感覚。聞こえている声も見えている文字も自分の感覚すべてが歪んでいく、いや違う次元に最適化されていき、本来の世界を知覚できなくなっていく感覚。この世界から隔てられていく、奥へ奥へ、その場に居ながらにして深遠へと引きずり込まれていくような恐怖感、孤独感は胃の腑を鷲掴みにされるような気持ちにさせられてしまう。
でも、そうして……次元を超えることで「彼女」に近づくことでようやく見えてくる真実こそが、この物語のキモなのだ。彼女は次元の遭難者、そこに居なが誰も彼女の声が聞こえず、そのSOSが届かない。彼女の絶対的な絶望の前に現れた蜘蛛の糸こそが彼……雪斗だったのである。
元の世界から見た彼女は、何を考えているかわからない天才にしてコミュニケーションが全く取れない変人であり、喜怒哀楽が壊れてすらいるように見える狂気の淵に足を踏み入れた存在であった。しかし、次元を超えて彼女と同じ場所に立ってみれば、小海澤有紗という女性の姿はまるで違って見えてくる。正しい感覚、正しい認知、通じる言葉、つながる気持ちによって浮き彫りになる等身大の彼女は……ああ、小海澤有紗がどんな女性なのかは是非その目で確かめて欲しい。
少なくとも、雪斗くんの人を見る目というのは間違いがないのだろう。
これに関しては、彼の数少ない友人の海里と真輝の人となりからも確かである。中盤以降の雪斗の言動や情緒不安定な様子は親しい友人であろうと距離をおいても仕方ないものだったのだけれど、彼らの雪斗への交友の態度は最後まで一切ブレることがなかったのだから。あれはよっぽどの信頼がなければ、心配するにしてももうちょっと距離感ブレそうなものでしたもんね。
まあ、小海澤さんと同じゼミの人の内心を完全に勘違いしてたりもするので、見る目があると言ってしまうと過言かもしれないけれど。でもあれはあっちの態度も悪いよ、うん。
海里たちに関しては、雪斗が核心に迫ろうとするそのたびに電話やらで邪魔してくるので、一時はこいつら何らかの黒幕じゃないのか?と疑ったりもしてしまったのですが、普通にめっちゃイイ奴らでしかありませんでした。いやそれにしても、いざ真実に雪斗の思考が近付こうとした途端とか小海澤さんにキーワードを訪ねようとした瞬間に、それを中断させたり、とかタイミングが恣意的すぎて流石に気になりましたよ。もうちょっとさり気なくしてほしかった。
気になった、と言えば雪斗があの症状が深刻化しだした時は物語の趣旨とは違うとわかってはいても、「それもう早く病院行った方がいいって! 精神面の症状じゃなくて脳神経系の異常かもしれないし、自分の判断で決めつけずに医者に罹った方がいいって! ああ、閉じこもっちゃだめだ、誰かに相談しようよ!」と、日常生活すら危うい状態になりながら独りでなんとかしようとする雪斗に、なんか読んでるこっちが焦ってきてしまって、中盤あたり話に集中できなくなっちゃったんですよねえ。
結果として、小海澤が状況を説明してくれることで、とりあえず意味不明で何が起こってるかわからないという状態が終わって、物語としても小海澤と雪斗が現状を共有してどうしていくか二人で先への算段を立てていくことで、再びお話の方に没頭できるようになったのですが。
いや、ほんとに自分で勝手に判断しないで、医者なり周りなりに相談は絶対にした方がいい。自分から孤立していっても、とてもじゃないけれど解決するものでもないですし。
小海澤さんの場合は、巻き込みを恐れたが故というのも大きいのでしょうけれど、あれだけ必死に助けを求めていたのを鑑みると、初期段階でのSOSに失敗してしまったんでしょうなあ。雪斗くんと違ってちゃんと色々と罹ったりしたみたいだけど。
しかし、ラストシーンは本当に見事でした。あのワンシーンだけで、この作品の印象そのものをひっくり返してみせたわけですし。ジャケットデザインのイメージもあってか、本作ってセピア色だったり薄暗い影のイメージが強かったのですけれど、それが最後の1ページだけで一気に色彩が散らばってパーッと朗らかな陽の光が差したような感じすらしたのでした。
そして、小海澤さんという女性に対する印象も。お近づきになってわかってきた普通の女の子、というそれも飛び越えて。ああこの娘は……、と思わず笑ってしまうような苦笑してしまうような。
なんにしても、あれは死にたくなるよね!


桐山 なると作品感想

俺たちは異世界に行ったらまず真っ先に物理法則を確認する 4 ★★★☆  



【俺たちは異世界に行ったらまず真っ先に物理法則を確認する 4】  藍月 要/閏月戈 ファミ通文庫

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遂に魔導具の祖ジーリンの元へ辿り着いた幹人たち。彼女によると、現在この世界は崩壊に向かっており、それを食い止めるための研究中らしい。しかし、そこへ彼女の研究を妨げる極等冒険者が現れる! そしてその相手をザザが務めることになり、幹人たちはザザのために“最強の武器”の製作に取りかかる。果たしてオオヤマコウセンはジーリンに迫る脅威を取り除き、世界崩壊を止めることができるのか!? 高専生たちの普通じゃない英雄譚、衝撃の終幕!
この高専の子たち、理系らしく何事も理屈理論を前提にして考えはしているんだけれど、それ以上に原動力が好奇心であり、それ以上に熱いパトスが迸ってる連中だなあ。人と人との関係は理屈じゃなく感情だ、というのを体現している。
熱い想いこそが人と人を結んで、彼らを良きチームに仕立て上げ、異世界に迷い込むという難事を乗り越え、その異世界で様々な冒険を繰り広げ、偉業を成し遂げることに成功したのでしょう。
チームワークというか友情というか、その厚さが彼らを支え、異世界に新たな絆となる人間関係を築くに至ったと言えるのではないでしょうか。
しかし、感情だけでは、想いだけではどうしても覆せない論理がこの世には存在するものです。その絶対的なコトワリの壁に彼らはぶち当たることになり、故にこそ彼らの根幹となる想いは軋みをあげて悲鳴をあげることになってしまったのでした。
感情の爆発とは、ただ叫ぶとか喚かせるとかじゃないんですよね。それは限界まで膨れ上がった末の破裂であり、堰き止められた挙げ句の決壊。耐えに耐え、我慢に我慢を重ねてそれでも抑えきれなかった想いが吹き出すということなのでしょう。その描写が、素晴らしかった。フッと限界のラインを越えた瞬間が物理的感触として実感できたかのように、溢れ出た激情が伝わってきたんですよね。照治の慟哭を前にしたジルの、あのもうどうしようもなくなってしまった、たまらなくなってしまった想いの発露なんか、読んでるこっちまでなんかもうたまらなくなってしまいましたもの。
今回はストーリー展開がかなり強引に押し潰したような唐突感があり、その壁となる極等級冒険者のおじゃま虫してくる理由もかなり無理矢理感があったんですが、それ以上に登場人物たちの切実なまでの想い、必死さ、渦巻く感情の勢いが凄まじく、その熱さに首根っこ掴まれて最後まで引っ張り回されたような感じでした。
これ、前巻からその傾向ありましたけれど、最終的にヒロインってザザでも魅衣先輩でもなく照治だったんじゃなかろうか。この人がこの巻、全部持ってっていたもんなあ。
ザザはひたすらカッコよかったですよ、うん。そして何も語らぬ覚悟を貫いた塚崎ちゃんは良い女でありました。

感情ではついに越えられなかった大きな理屈の壁を、しかしその感情によって形成された情熱こそが理論に理論を積み重ねることで、越えられなかった壁を超えるに至る塔を作るのだと思えばこそ、ことわりを切り開く理系の研究者たちこそ、何よりも感情に身を任せた人種なのかもしれないなあ、などと思った良作でありました。

シリーズ感想

ロープレ世界は無理ゲーでした 領主のドラ息子に転生したら人生詰んでた ★★★★   



【ロープレ世界は無理ゲーでした 領主のドラ息子に転生したら人生詰んでた】 二八乃端月/フルーツパンチ ファミ通文庫

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冴えない営業マンの俺は外回り中に階段から転げ落ち、目覚めると昔ハマったRPGに登場する領主のドラ息子ボルマンになっていた!父の勧めで貴族の娘エステルと婚約を結ぶことになった俺。ゲームの世界も悪くないなと思ったのも束の間、この世界がシナリオと同じ運命を辿ると村は魔物に襲われ滅びてしまうことに気づく。十二歳に転生したおっさんが努力と友情と舌先三寸!?でロープレ世界を生き延びる、チート不足の崖っぷちゲーム世界冒険譚!
よくある転生と同時に特殊能力特典貰えたり、転生したキャラが特に優秀だったりするような展開が一切なく、素のスペックだけで勝負させられる系統かー。しかも、最初の悪役キャラでシナリオ序盤に退場予定、という置かれた立場、状況が底辺から立て直していかないと行けないというハードモード。
ただ、タイトルにあるような無理ゲー、というほどではないと思うんですよね。将来滅びる予定の領地は現状では田舎だけど豊かで経済力もありそうですし、仕えてくれている隊長はかつては都でも鳴らしたツワモノらしいですし。
とはいえ、領地のトップである両親が俗物の底辺みたいな小物悪党なので、それをなんとかしなければ全部が瓦解してしまい、将来約束されている破滅を回避などとてもできないわけですが。

こういう原作シナリオが前提にあり、それを覆すために幼い頃から改革していく系の話って、結局正史と未来の結末を知っている人間が主人公本人しか居ない以上、結局全部独りで頑張って変えていく、というパターンが多い気がするんですよね。もちろん、仲間や協力者はたくさん作るんだけれど、本質的に彼ら正史改変者たちは孤独であることが多い。それも仕方のないことで、彼ら主人公の根源となっている情報であり原動力を誰も共有できないんですもんね。
でも、本作が少し違うのはボルマンが早い段階でヒロインであるエステルと、ゲームのシナリオとかそういう話はしていないものの、将来の破滅の情報に関しては秘密にせずに共有してるところなんですよね。それほどの秘密を打ち明けてでも、ボルマンはエステルと一緒になることを望んで、エステルの方もそんな破滅を知った上でボルマンの元に居ようとする。
幼い二人の恋と情熱、それを燃料に焚べて原動力とする努力と直向きさ、一途な健気さがほんと微笑ましくも応援したくなるんですよね。
漠然とした破滅への忌避、死への恐怖といったものが原動力ではなく、ただただエステルを幸せにするために、死に物狂いで頑張るのっていいじゃないですか。男の子、って感じが凄く出てて。
エステルの方も、最初は子豚姫みたいに言われてる節制出来ない女の子だったのに、ボルマンと出会って彼に恋して、彼とともに頑張るために自分を変えて、という努力する系の一途なヒロインでまた可愛いんだ。
ボルマンの中の人が目覚めるまで、本来のボルマンはまだ小さい子供にも関わらず悪行の限りを尽くしていて、他領にまで名前が響くほどの悪名を響かせていたのだけれど、それによって憎悪すら抱かれていた領民たちに、彼は誠実に償いを遂げていくのである。勿論、拭えない罪というものはあるし、ボルマンも自分のしでかしてきたことの大きさに痛感するはめになるのだけれど、彼は言葉や金銭だけではなく、ちゃんと体を張って罪の清算以上の領主の息子としての責任を果たすことで、許し以上のものを獲得していくのである。
自分のための破滅の回避ではない、彼の頑張りは見ていて心擽られるものがあるんですよねえ。
なんとか、エルテルと幸せになってほしいものである。
そう言えば、冒頭にちらっとだけ登場した本来のシナリオの主人公、全然姿を見ないけれどそのうち出てくるんだろうか。

勇者よ、たのむからオレでなく魔王さまに惚れてくれ! 絶体絶命の魔軍参謀 ★★★   



【勇者よ、たのむからオレでなく魔王さまに惚れてくれ! 絶体絶命の魔軍参謀】 壱日千次/雛咲 ファミ通文庫

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女魔王ジャフィが女勇者エレナに一目惚れしたことに頭を抱える魔軍参謀カイム。さらにジャフィは世界征服よりもエレナを盗撮したり、着ていた服を回収し嗅いだり、触手プレイをしたりと変態的なストーカー行為に夢中になってしまった。そんな中、エレナが冒険者達に襲われ、連れ去られてしまう!すぐさまカイムは人間の姿に変身しエレナを助け出すのだが…。変態魔王&恋愛脳勇者&魔軍参謀が繰り広げるちょっとおかしな三角関係ラブ・コメディ登場!!
ここの魔王軍の四天王、メンツがおかしくないですか!? いや、変態という意味のオカシイではなく……変態も混ざってますが。
魔軍参謀のカイムはまあ参謀とは言え武官的な意味合いも濃い参謀なのでいいのですけれど、他の三人全員後方支援職ですよね。というか、後方支援どころか戦闘に参加しないような職人とか技術者とかそういうタイプじゃないですか、これ?
直接戦闘能力、もしくは直接戦闘指揮能力に著しく欠けた魔王軍四天王w
かつては真っ当な武官相当の戦いに自信のあるタイプの四天王もいたみたいですけど……。排除されてるし。
まあ、まともな武人ならこの魔王は嫌を通り越して許せんわなあ。おかげで盛大に反乱が起こったみたいだけど。それで叩き潰されてしまったみたいだけど。いや、武闘派に限らず魔軍の総力をあげて勇者の支援する魔王は嫌だと思うんが、先代に恩のあるカイムは仕方ないとしても、他の魔族たちも唯々諾々と従っているのは不思議ですらある。
父である先代魔王の遺徳に従ってまともな魔王を営んでいたジャフィが、厳しかった魔王としての父と今際の際に見せた父親としての愛情の食い違い、そして魔王として魔軍を率いるプレッシャーに悩んでいた部分を、暗殺するために出向いた先で勇者にそれと知らず慰められて、自縄自縛から解かれて勇者エレナ個人に惚れてしまった、ところまではまあ良かったんだけど。
この魔王の根っこがどうしようもない変態だったのが、事態をどうしようもない有様にしてしまってるんだなあ。別に同性同士でも魔王と勇者という宿命の関係であってもジャフィがまともなら、なんとでもなっただろうに、変態だったばかりに。ド変態だったばかりに。
何気に勇者エレナの方の境遇も酷いもので、いわゆる100ゴールドだけ与えて後は何の支援もせずに無責任に放り出す国王さまタイプの偉い人たちである。オマケに市井の人たちも勇者に対して求めるだけで、何も与えようとしない民衆で。勇者が不甲斐ない姿を見せると、無責任に非難を浴びせるばかりで助けようともしない。勇者は勇者でゴリゴリと精神を削られて、やる気も急降下真っ逆さまという有様。そりゃ、優しく親切に気配りしてくれて助けてくれたカイムにべた惚れするわなあ。一番辛い時に優しくされたらころっといってしまうのをチョロいというのは酷な話である。
しかし、勇者のこと人間たちは一切支援していないのに、戦っている魔軍の方が至れりつくせりで万全に支援体制をしいて彼女の旅を助けまくってるの、一体勇者何と戦っているのだろう、という有様であります。なんかもう「有様」というほかない有様ばっかりだなあ。
実のところエレナの方ももう人間に対して失望しきっているので、カイムが正体明かしてこっち来なよ、と言ったらキレイに何の後腐れもなく転向してくれそうなんですけどねえ。魔王が変態なばかりに、むしろ魔王が障害になってるんですよねえ。
頼むから魔王に惚れてくれ、ってタイトル、ぶっちゃけ無茶言うな、という話である。あれはうん、真顔で無理と言われても仕方ないんじゃなかろうか。

壱日千次作品感想

女神の勇者を倒すゲスな方法 5.「そして日常へ……」 ★★★★   



【女神の勇者を倒すゲスな方法 5.「そして日常へ……」】 笹木 さくま/遠坂 あさぎ ファミ通文庫 

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魔王の機転により女神の襲撃から逃れ魔界に辿りついた真一たちは、反撃の糸口を探していた。しかし古い文献をあたっても女神の存在は見当たらない。代わりに判明したのは太古より存在する赤き竜の眠る場所だった。けれどアリアンの父であるはずの竜は、娘を前にしてもタヌキ寝入りを決めこむばかり。そんな竜から女神の真実を聞き出すため、ここぞとばかりに真一は策を披露するが―。ゲス参謀の策は強大な女神に届くのか!?異世界勇者攻略譚、決着!

面白かった! ライトコメディなノリではじまった本作だけれど、ラスボスの女神エレゾニアは全く冗談の入る余地がないガチのゲスだったがために、このクライマックスはかなりハードな展開に。
ってか、女神によって生き返らされた幼い頃に事故死した幼馴染の正体というか真実がエグすぎじゃないですか、これ? むしろ偽物とか別人の方が救いがあるんじゃないだろうか、という代物でかつてここまで人の尊厳を蹂躙し尽くしたものがあっただろうかというくらいなんですよね。
エレゾニアに比べたら、古今東西の偽物用意する悪役さんたち素晴らしく仕事が丁寧なんだと思い知りましたよ。エレゾニア、雑すぎる! というよりも、本当に状況に合わせた必要最低限のことしかしなかった、という事なんでしょうね。その場限りで良かった、ということなのでしょう。あまりにも舐め腐っている。あまりにも、真一が可哀想過ぎる。ここまで大切な思い出を穢されて、冒涜されて、許せるはずがなかろうに。
エレゾニアの正体とその過去が明らかになり、それに伴ってこの世界の真実、魔族やエルフ、この世界の構造の秘密なんかもわかってくるのですが、がっつりとSFだったのは勿論なんですけれど、古代の高度な文明が滅びて、魔族が生まれこういう世界になっていった、という成り立ちが見事に論理だったものになっていて、この過不足のない過去から現在に至る筋立てはちょっと気持ちの良いくらいキレイに整ったものでした。かなり最初からガチ目に設定作ってたんだねえ。ライトコメディ作品的な適当な世界観とは程遠いビシッと整備された世界観であることが、こうして歴史を紐解くことで明らかになる、というのは何とも心漉くものがあります。
それにつけても、同情の余地が一切見当たらないエレゾニアである。
いや、生い立ちなんかを考えれば余地はあったのかもしれないですけれど、そこからの言動は明らかに彼女自身によって積み上げられていったものなんですよね。環境がどうのという問題じゃなく。
挙げ句に、最後にはそのあったかもわからない同情の余地すらも自ら捨て去ってしまったわけですから。
それでもなお、和解を試みるリノちゃんの心根は尊重すべき純粋さであり決して非難すべきものじゃないけれど、現状やエレゾニアによって喪われたもの、苦しめられた人の想いに対してそれは無慈悲ですらあるんですよね。
真一が凄いなあと思うのは、リノちゃんの思うようにやらせてあげた上で、きっちりとリノのそれもまた暴力の一種であるんだよ、と彼女のあり方の良いところとその中にも悪しきものがあるというのを体験を添えて教えた上で、その先の選択を彼女に委ねるところなんですよね。自分でちゃんと考えて、選ばせて、責任をもたせる。
女神教をはじめとした盲目的に既存の教えに従う、誰かの言われた通りにして何も考えない、という思考停止に対してアンチテーゼを投げかけてきた本作らしい、アプローチでありました。リノちゃん命の聖女さまにも、最後ちゃんと一人の女の子と向き合わせてリノに対してだけ盲目的ではない、自分の考え、自分の感じ方というのをもたせるような描写もありましたしね。
一方で、大衆は場の空気の流れに逆らえない、というあたりは冷徹なくらい徹底して描いてもいて、ラストの大逆転劇はこれまでの積み重ねでもあったのですけれど、思いっきり情報操作と扇動でもありましたからねえ。理想と現実を起用に操る、ほんとゲス参謀の真骨頂ともいうべき策の弄し方でありました。
しかし、勇者たちの死んでもすぐに生き返る不死システム、思ってた以上に生々しい科学の産物で、具体的に描写されるとグロテスク極まるんですけど! これ、知ってしまうと精神崩壊してしまう死亡経験勇者、山程いるんじゃなかろうか。ちょっと耐えられん事実だぞ。実際、このあたりの情報は伏せる予定みたいだけれど。
これを知っていながら、エルフにドM戦隊を特攻させて、死なせまくった真一、マジで鬼畜なんですがw

ちょっとラスト、余韻が全然ないあっさりとした終わり方で、せっかくクライマックスから盛り上がってエピローグの余韻に浸ろう、彼らの関係やその後の世界の様子とかどうなるんだろう、と思ってたところでバッサリ切り取られたような感覚で、うえ!? と拍子抜けのような梯子外されたような感じだったのですが。
あれ? 続刊の発売予定が12月にありますよ!? まだ続くの!?

2巻 3巻 4巻感想
 
10月26日
【とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 16】
冬川 基
(電撃コミックス)

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【はたらく魔王さま! 17】
和ヶ原 聡司/柊 暁生
(電撃コミックス)

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【とある科学の超電磁砲外伝 アストラル・バディ 4】
乃木 康仁
(電撃コミックスNEXT)

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【比羅坂日菜子がエロかわいいことを俺だけが知っている。3】
紺矢 ユキオ
(電撃コミックスNEXT)

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【ゴブリンはもう十分に強い 5】
サラマンダ
(電撃コミックスNEXT)

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【治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~ 7】
九我山 レキ/くろかた
(角川コミックス・エース)

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【聖剣学院の魔剣使い 2】
蛍幻 飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)

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【ロクでなし魔術講師と禁忌教典 14】
常深アオサ/羊太郎
(角川コミックス・エース)

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【七つの魔剣が支配する 3】
えすの サカエ/宇野 朴人
(角川コミックス・エース)

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【やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中 1】
柚 アンコ/永瀬 さらさ
(角川コミックス・エース)

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【東方Project人妖名鑑 常世編】
ZUN
(KADOKAWA)

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【月刊少年シリウス 2020年12月号】

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【少年エース 2020年12月号】

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【コンプエース 2020年12月号】

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10月25日
【現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 1】
二日市とふろう
(オーバーラップノベルス)

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【黒の召喚士 13.竜王の加護】
迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)

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【ひとりぼっちの異世界攻略 life.5】
五示正司
(オーバーラップ文庫)

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【月50万もらっても生き甲斐のない隣のお姉さんに30万で雇われて「おかえり」って言うお仕事が楽しい 2】
黄波戸井ショウリ
(オーバーラップ文庫)

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【最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える 2】
じゃき
(オーバーラップ文庫)

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【D級冒険者の俺、なぜか勇者パーティーに勧誘されたあげく、王女につきまとわれてる 1】
白青虎猫
(オーバーラップ文庫)

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【婚約破棄されてから聖女の力が覚醒したようです 1】
少年ユウシャ
(オーバーラップ文庫)

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【Doggy House Hound 1.猟犬継承】
ポチ吉
(オーバーラップノベルス)

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【猫だってアイテムを収集すれば最強になれます!2】
川崎AG
(オーバーラップノベルス)

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【不死者の弟子 2 〜邪神の不興を買って奈落に落とされた俺の英雄譚〜】
猫子
(オーバーラップノベルス)

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10月24日
【探偵くんと鋭い山田さん 2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる】
玩具堂(MF文庫J)

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【今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3.3年分の「ありがとう」だよ、先輩】
涼暮 皐
(MF文庫J)

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【七人の魔剣姫とゼロの騎士団】
川田 両悟
(MF文庫J)

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【ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編 3】
衣笠彰梧
(MF文庫J)

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【僕のカノジョ先生 8】
鏡 遊
(MF文庫J)

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【自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? 10】
三河 ごーすと
(MF文庫J)

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【春菜ちゃん、がんばる? 3 フェアリーテイル・クロニクル】
埴輪星人
(MFブックス)

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【バフ持ち転生貴族の辺境領地開発記 2】
すずの木くろ
(MFブックス)

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【洞窟王からはじめる楽園ライフ 〜万能の採掘スキルで最強に!?〜 2】
苗原一
(MFブックス)

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【異世界もふもふカフェ 2 〜テイマー、もふもふ猫を求めて隣国へ〜】
ぷにちゃん
(MFブックス)

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【異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 怪物のささやき】
久住四季
(メディアワークス文庫)

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【王立士官学校の秘密の少女 イスカンダル王国物語】
森山光太郎
(メディアワークス文庫)

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【宮廷医の娘 2】
冬馬倫
(メディアワークス文庫)

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【座敷童子の代理人 8】
仁科裕貴
(メディアワークス文庫)

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【大凶ちゃんと太陽くん #誰かじゃなくて君がいい】
星奏なつめ
(メディアワークス文庫)

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【レッドスワンの混沌 赤羽高校サッカー部】
綾崎隼
(メディアワークス文庫)

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【愛に殺された僕たちは】
野宮有
(メディアワークス文庫)

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【異世界ゆるっとサバイバル生活 2 〜学校の皆と異世界の無人島に転移したけど俺だけ楽勝です】
絢乃
(ブレイブ文庫)

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【仲が悪すぎる幼馴染が、俺が5年以上ハマっているFPSゲームのフレンドだった件について。2】
田中ドリル
(ブレイブ文庫)

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【ロード・エルメロイII世の事件簿 6】
東 冬/TENGEN/三田誠
(角川コミックス・エース)

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【Fate/Apocrypha 9】
石田あきら/東出祐一郎
(角川コミックス・エース)

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【HGに恋するふたり2】
工藤 マコト
(角川コミックス・エース)

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【機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で 4】
才谷 ウメタロウ
(角川コミックス・エース)

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【Fate/Grand Order コミックアラカルト PLUS! SP 対決編!】
アンソロジー
(角川コミックス・エース)

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【新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙2】
日鳥/支倉凍砂
(電撃コミックスNEXT)

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【リアリスト魔王による聖域なき異世界改革 3】
鈴木 マナツ/羽田 遼亮
(電撃コミックスNEXT)

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【リビルドワールド 3】
綾村 切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)

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【ダストボックス2.5 5】
高津カリノ
(ヤングガンガンコミックス)

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【不器用な先輩。2】
工藤マコト
(ヤングガンガンコミックス)

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【月刊ビッグガンガン 2020 Vol.11】

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【月刊アクション2020年12月号】

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【アフタヌーン 2020年12月号】

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10月23日
【クロウ・レコード Infinite Dendrogram Aot 3】
La−na/海道左近
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【異世界おじさん 5】
殆ど死んでいる
(MFC)

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【うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。6】
ほた。/CHIROLU
(MFC)

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【ガールズ&パンツァー 劇場版Variante 6】
伊能 高史
(MFコミックス フラッパーシリーズ)

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【なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 6】
ありかん/細音 啓
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【私の傷は死んでも消さない 2】
緋鍵 龍彦
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【風太郎不戦日記 2】
山田 風太郎/勝田 文
(モーニング KC)

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【コウノドリ 32】
鈴ノ木ユウ
(モーニング KC)

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【マリアージュ〜神の雫 最終章〜 24】
オキモト・シュウ/亜樹直
(モーニング KC)

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【望郷太郎 3】
山田芳裕
(モーニング KC)

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【ヴィンランド・サガ 24】
幸村誠
(アフタヌーンKC)

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【とりぱん 27】
とりのなん子
(ワイドKC)

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【「不屈の冒険魂」雑用積み上げ最強へ。超エリート神官道】
漂鳥
(ダッシュエックス文庫)

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【スキルトレーダー【技能交換】 〜辺境でわらしべ長者やってます〜】
伏(龍)
(ダッシュエックス文庫)

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【『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ 〜迫害された少年の最強ざまぁライフ〜】
十本スイ
(ダッシュエックス文庫)

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【ロード・エルメロイII世の事件簿 8.「case. 冠位決議(上)」】
三田 誠
(角川文庫)

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【わが家は祇園の拝み屋さん 13 秋の祭りと白狐の依頼】
望月 麻衣
(角川文庫)

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【水神様がお呼びです あやかし異類婚姻譚】
佐々木匙
(角川文庫)

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【ファンタジーをほとんど知らない女子高生による異世界転移生活 4】
コウ
(モーニングスターブックス)

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10月22日
【すのはら荘の管理人さん 6】
ねこうめ
(4コマKINGSぱれっとコミックス)

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【月刊ガンガンJOKER 2020年11月号】

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【まんが4コマぱれっと 2020年12月号】

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【少年マールの転生冒険記 1~優しいお姉さん冒険者が、僕を守ってくれます! ~】
月ノ宮マクラ
(HJ NOVELS)

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【槍使いと、黒猫。12】
健康
(HJ NOVELS)

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【異世界はスマートフォンとともに。22】
冬原パトラ
(HJ NOVELS)

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【新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。6】
岸馬きらく
(HJ NOVELS)

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10月21日
【理系が恋に落ちたので証明してみた。9】
山本アリフレッド
(メテオCOMICS)

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【魔女と猟犬】
カミツキレイニー
(ガガガ文庫)

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【世界最強の魔王ですが誰も討伐しにきてくれないので、勇者育成機関に潜入することにしました。4】
両道 渡
(ガガガブックス)

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【元将軍のアンデッドナイト 5】
猫子
(ガガガブックス)

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10月20日
【不遇職の弓使いだけど何とか無難にやってます 2】
洗濯紐
(TOブックス)

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【特級ギルドへようこそ!5〜看板娘の愛されエルフはみんなの心を和ませる〜】
阿井りいあ
(TOブックス)

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【フェンリル母さんとあったかご飯〜異世界もふもふ生活〜5】
はらくろ
(TOブックス)

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【ギルド追放された雑用係の下剋上2〜超万能な生活スキルで世界最強〜】
夜桜ユノ
(TOブックス)

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【アナザー・フロンティア・オンライン2〜生産系スキルを極めたらチートなNPCを雇えるようになりました〜】
ぺんぎん
(TOブックス)

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【銀河連合日本 Age after Project Enterprise】
松本保羽
(星海社FICTIONS)

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【髭と猫耳】
周藤蓮
(星海社FICTIONS)

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 【ゴミ箱診療科のミステリー・カルテ】
津田 彷徨
(星海社FICTIONS)

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【エスカレーション】
倉田 悠子
(星海社FICTIONS)

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【少年マガジンR 2020年11号】

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10月19日
【まんがタイムきららMAX 2020年11月号】

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 【月刊ヤングキングアワーズGH 2020年12月号】

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10月17日
【月刊サンデーGX 2020年11月号】

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【少年マガジンエッジ 2020年11月号】

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【ウルトラジャンプ 2020年11月号】

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【ロクでなし魔術講師と追想日誌 7】
羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

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【キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 10】
細音啓(富士見ファンタジア文庫)

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【人生∞周目の精霊使い 無限の歴史で修行した元・凡人は世界を覆す】
師走トオル(富士見ファンタジア文庫)

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【人工痴能と始める人生デバッグ入門 ドスケベAIが俺に童貞捨てさせようとしてくる】
霧山よん(富士見ファンタジア文庫)

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【たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。2】
藍藤唯(富士見ファンタジア文庫)

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【魔王が如く 絶対強者の極道魔王、正体を隠して学園を極める】
なめこ印(富士見ファンタジア文庫)

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【異世界で最強の装備は、全裸でした どうか私に全裸を教えてくださいっ! 全裸ではなく《世界》だ!】
初美陽一(富士見ファンタジア文庫)

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【神々に育てられしもの、最強となる 4】
羽田遼亮(富士見ファンタジア文庫)

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【一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた 5 〜落第剣士の学院無双〜】
月島秀一(富士見ファンタジア文庫)

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【ステラエアサービス 曙光行路】
有馬桓次郎(電撃の新文芸)

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【四畳半開拓日記 04】
七菜なな(電撃の新文芸)

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【異世界最強の大魔王、転生し冒険者になる 2】
月夜涙(電撃の新文芸)

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10月16日
【ジョジョリオン 24】
荒木飛呂彦(ジャンプコミックス)

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【【推しの子】2】
赤坂アカ/横槍メンゴ(ヤングジャンプコミックス)

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【片喰と黄金 4】
北野詠一(ヤングジャンプコミックス)

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【セーブ&ロードのできる宿屋さん ~カンスト転生者が宿屋で新人育成を始めたようです~ 4】
稲荷竜/竹内じゅんや(ヤングジャンプコミックス)

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【メイド・イン・ひっこみゅ~ず 5】
サンカクヘッド(ヤングジャンプコミックス)

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【薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 9】
倉田三ノ路/日向夏(サンデーGXコミックス)

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【葬送のフリーレン 2】
山田鐘人/アベツカサ(少年サンデーコミックス)

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【双亡亭壊すべし 19】
藤田和日郎(少年サンデーコミックス)

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【MAO 6】
高橋留美子(少年サンデーコミックス)

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【トニカクカワイイ 13】
畑健二郎(少年サンデーコミックス)

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【よふかしのうた 5】
コトヤマ(少年サンデーコミックス)

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【魔王城でおやすみ 16】
熊之股鍵次(少年サンデーコミックス)

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【switch 10】
波切敦(少年サンデーコミックス)

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【シャングリラ・フロンティア 1】
硬梨菜/不二涼介(KCデラックス)

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【それでも歩は寄せてくる 5】
山本崇一朗(KCデラックス)

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【DAYS 40】
安田剛士(講談社コミックス)

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【ネクロマンス 4】
堂本裕貴(講談社コミックス)

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【ブルーロック 11】
金城宗幸/ノ村優介(講談社コミックス)

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【はぐるまどらいぶ。(2) レアスキルで世界を駆け抜ける】
紺藤けい/かばやきだれ (ジャルダンコミックス)

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【信長の庶子 五】
壬生一郎(ヒストリアノベルズ)

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【劇場版・鬼滅の刃 無限列車編ノベライズ】
矢島綾/吾峠呼世晴(JUMP j BOOKS)

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10月15日
【冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 9】
門司柿家(アース・スターノベル)

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【高遠動物病院へようこそ!3】
谷崎泉(富士見L文庫)

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【平安後宮の薄紅姫 二 宮廷去りし皇后宮と伊勢物語】
遠藤遼(富士見L文庫)

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【花は桜よりも華のごとく】
河合ゆうみ(富士見L文庫)

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【彩柏寺の神様見習いたち 元保育士・小森新、あやかし保育に再就職しました!】
時田とおる(富士見L文庫)

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【白澤さんの妖しいお料理処 四千年の想いを秘めた肉じゃが】
夕鷺かのう(富士見L文庫)

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【魔物の国と裁縫使い 〜凍える国の裁縫師、伝説の狼に懐かれる〜 2】
今際之キワミ(サーガフォレスト)

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【四度目は嫌な死属性魔術師 7】
デンスケ(サーガフォレスト)

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【王太子殿下は後宮に占い師をご所望です】
夢見るライオン(ビーズログ文庫)

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【魔王の右腕になったので原作改悪します 2】
木村(ビーズログ文庫)

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【なんちゃってシンデレラ 王国騒乱編 お伽話のつづき、はじめました。6】
汐邑雛(ビーズログ文庫)

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【身代わり聖女は、皇帝陛下の求婚にうなづかない】
汐邑雛(ビーズログ文庫)

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【九重家献立暦】
白川紺子(講談社タイガ)

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【死者と言葉を交わすなかれ】
森川智喜(講談社タイガ)

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10月14日
【ゴブリンスレイヤー 13】
蝸牛くも(GA文庫)

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【ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 16】
大森藤ノ(GA文庫)

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【家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? 2】
高木幸一(GA文庫)

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【踊る星降るレネシクル 7】
裕時悠示(GA文庫)

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【厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由 〜両片思いのやり直し高校生生活】
徳山銀次郎(GA文庫)

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【僕の軍師は、スカートが短すぎる 〜サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下】
七条剛(GA文庫)

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【きみって私のこと好きなんでしょ? 2 とりあえずデートでもしてみる?】
望公太(GA文庫)

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【きれいなお姉さんに養われたくない男の子なんているの? 3】
柚本悠斗(GA文庫)

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【エリスの聖杯 3】
常磐くじら(GAノベル)

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【魔女の旅々 14】
白石定規(GAノベル)

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【魔女の旅々 14 ドラマCD付き特装版】
白石定規(GAノベル)

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【スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 14】
森田季節(GAノベル)

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【スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 14 ドラマCD付き特装版】
森田季節(GAノベル)

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【ラスボス、やめてみた 2 〜主人公に倒されたふりして自由に生きてみた】
坂木持丸(GAノベル)

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【パリピ孔明 3】
四葉夕卜/小川亮(ヤンマガKCスペシャル)

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10月13日
【昔勇者で今は骨 2】
内々けやき/佐伯庸介(リュウコミックス)

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【ちはやふる 45】
末次由紀(BE LOVE KC)

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【カードキャプターさくら クリアカード編 9】
CLAMP(KCデラックス)

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10月12日
【新九郎、奔る! 5】
ゆうきまさみ(ビッグコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー 10】
蝸牛くも/黒瀬浩介(ビッグガンガンコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー外伝 イヤーワン 6】
蝸牛くも/栄田健人(ヤングガンガンコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー外伝2 鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》2】
蝸牛くも/青木翔吾(ガンガンコミックスUP!)

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【戦×恋(ヴァルラヴ)11】
朝倉亮介(ガンガンコミックス)

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【無能なナナ 7】
るーすぼーい/古屋庵(ガンガンコミックス)

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【英雄教室 10】
新木伸/岸田こあら(ガンガンコミックス)

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【死神坊ちゃんと黒メイド 10】
イノウエ(サンデーうぇぶりSSC)

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【つぐももフルカラーコミック つぐもも蜜】
浜田よしかづ(アクションコミックス)

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【オヤジが美少女になってた話 2】
赤信号わたる(アクションコミックス)

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【人狼への転生、魔王の副官 はじまりの章 6】
瑚澄遊智/漂月(アース・スター コミックス)

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【カルデアこぼればなし 染宮すずめFate/Grand Order作品集】
染宮すずめ(星海社COMICS)

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【月刊少年ガンガン 2020年11月号】

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【まんがタイムきららフォワード 2020年11月号】

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【ゲッサン 2020年11月号】

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10月10日
【狼は眠らない 3】
支援BIS/新川権兵衛(角川コミックス・エース)

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【蜘蛛ですが、なにか? 9】
かかし朝浩/馬場翁(角川コミックス・エース)

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【蜘蛛ですが、なにか? 蜘蛛子四姉妹の日常 2】
グラタン鳥/馬場翁(角川コミックス・エース)

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【Fate/Grand Order 平安HEROES ぴよ作品集】
ぴよ(角川コミックス・エース)

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【モルフェウス・ロード 1】
よかぜ(BLADEコミックス)

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【続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー】
佐島勤(電撃文庫)

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【魔王学院の不適合者 8 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜】
秋(電撃文庫)

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【幼なじみが絶対に負けないラブコメ 5】
二丸修一(電撃文庫)

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【安達としまむら 9】
入間人間(電撃文庫)

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【アポカリプス・ウィッチ 3 飽食時代の【最強】たちへ】
鎌池和馬(電撃文庫)

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【オーバーライト――クリスマス・ウォーズの炎】
池田明季哉(電撃文庫)

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【女子高生同士がまた恋に落ちるかもしれない話。2】
杜奏みなや(電撃文庫)

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【魔力を統べる、破壊の王と全能少女 2 〜魔術を扱えないハズレ特性の俺は無刀流で無双する〜】
手水鉢直樹(電撃文庫)

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【バケモノたちが嘯く頃に バケモノ姫の家庭教師】
竜騎士07(電撃文庫)

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【君が、仲間を殺した数 〜魔塔に挑む者たちの咎〜】
有象利路(電撃文庫)

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【午後九時、ベランダ越しの女神先輩は僕だけのもの】
岩田洋季(電撃文庫)

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【ねえ、もっかい寝よ?】
田中環状線(電撃文庫)

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【異世界の底辺料理人は絶頂調味料で成り上がる! 〜魔王攻略の鍵は人造精霊少女たちとの秘密の交わり!?〜】
アサクラネル(電撃文庫)

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【女子高生声優・橋本ゆすらの攻略法】
浅月そら(電撃文庫)

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【追放された転生公爵は、辺境でのんびりと畑を耕したかった 〜来るなというのに領民が沢山来るから内政無双をすることに〜】
うみ(カドカワBOOKS)

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【勇者の孫の旅先チート 〜最強の船に乗って商売したら千の伝説ができました〜】
長野文三郎(カドカワBOOKS)

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【加護なし令嬢の小さな村 3 〜さあ、領地運営を始めましょう!〜】
ぷにちゃん(カドカワBOOKS)

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【鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ 3】
たままる(カドカワBOOKS)

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【【修復】スキルが万能チート化したので、武器屋でも開こうかと思います 5】
星川銀河(カドカワBOOKS)

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【外れスキル「影が薄い」を持つギルド職員が、実は伝説の暗殺者 5】
ケンノジ(カドカワBOOKS)

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【父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。6】
松浦(カドカワBOOKS)

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【魔石グルメ 7 魔物の力を食べたオレは最強!】
結城涼(カドカワBOOKS)

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【ティアムーン帝国物語5〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜】
餅月望(TOブックス)

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【地球さんはレベルアップしました!】
生咲日月(TOブックス)

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【継続は魔力なり 6〜無能魔法が便利魔法に進化を遂げました〜】
リッキー(TOブックス)

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【最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。3】
ほのぼのる500(TOブックス)

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10月9日
【可愛いだけじゃない式守さん 6】
真木蛍五(KCデラックス)

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【放課後の拷問少女 11】
BOKU(講談社コミックス)

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【世界か彼女か選べない 9】
内山敦司(講談社コミックス)

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【我間乱-修羅 13】
中丸洋介(講談社コミックス)

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【売国機関 4】
カルロ・ゼン/品佳直(バンチコミックス)

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【最後のレストラン 16】
藤栄道彦(バンチコミックス)

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【トリニティセブン 7人の魔書使い 24】
サイトウケンジ/奈央晃徳(ドラゴンコミックスエイジ)

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【トリニティセブン アナスタシア聖伝 2】
サイトウケンジ/Bcoca(ドラゴンコミックスエイジ)

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【この素晴らしい世界に祝福を! 12】
渡真仁/暁なつめ(ドラゴンコミックスエイジ)

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【残念女幹部ブラックジェネラルさん 7】
jin(ドラゴンコミックスエイジ)

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【KILLING ME/KILLING YOU 3】
成田芋虫(ドラゴンコミックスエイジ)
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【魔王学園の反逆者 1 ~人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる~】
溝口ぜらちん/久慈マサムネ(ドラゴンコミックスエイジ)

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【異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 12】
福田直叶/鶴崎貴大(シリウスKC)

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【無号のシュネルギア 3】
高田裕三(シリウスKC)

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10月7日
【ウィッチクラフトワークス 15】
水薙竜(アフタヌーンKC)

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【ウチの使い魔がすみません 8】
櫓刃鉄火(アフタヌーンKC)

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【うちの師匠はしっぽがない 4】
TNSK(アフタヌーンKC)

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【good!アフタヌーン 2020年11号】

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【逆転オセロニア 蒼竜騎士と赤竜騎士の軌跡】
高嶺バシク(レジェンドノベルス)

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【ネカフェ住まいの底辺冒険者 2 美少女ガンマンと行く最強への道】
御手々ぽんた(レジェンドノベルス)

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【絶対回避のフラグブレイカー 2 ハッピーエンドをつかむための25の法則】
友理潤(レジェンドノベルス)

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【俺たち青春浪費中、魔法少女と世界を救う。】
佐藤悪糖(レジェンドノベルス)

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10月6日
【ソウナンですか? 7】
さがら梨々/岡本健太郎(ヤンマガKCスペシャル)

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【ヤングマガジン サード 2020年 Vol.11】

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【殺人事件が起きたので謎解き配信してみました】
越尾圭(宝島社文庫)

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【大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 妖刀は怪盗を招く】
山本巧次(宝島社文庫)

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【谷中レトロカメラ店の謎日和 思いをつなぐレンズ】
柊サナカ(宝島社文庫)

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10月5日
【刹那の風景 1 68番目の元勇者と獣人の弟子】
緑青・薄浅黄(ドラゴンノベルス)

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【悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 2】
緋色の雨(ドラゴンノベルス)

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【ヤングキングアワーズ 2020年11月号】

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10月2日
【鬼滅の刃 22】
吾峠呼世晴(ジャンプコミックス)

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【ぼくたちは勉強ができない 19】
筒井大志(ジャンプコミックス)

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【呪術廻戦 13】
芥見下々(ジャンプコミックス)

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【冒険王ビィト 15】
稲田浩司/三条陸(ジャンプコミックス)

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【終わりのセラフ 22】
山本ヤマト(ジャンプコミックス)

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【あやかしトライアングル 1】
矢吹健太朗(ジャンプコミックス)

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【早乙女姉妹は漫画のためなら!? 8】
山本亮平(ジャンプコミックス)

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【異世界居酒屋「のぶ」11】
蝉川夏哉/ヴァージニア二等兵(角川コミックス・エース)

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【帰ってください! 阿久津さん 2】
長岡太一(角川コミックス・エース)

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【ヤングエース 2020年11月号】

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【ジャンプSQ. 2020年11月号】

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【それでも、好きだと言えない】
赤月カケヤ(講談社ラノベ文庫)

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【勇者になりたい魔人の冒険】
箕崎准(講談社ラノベ文庫)

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【失恋後、険悪だった幼なじみが砂糖菓子みたいに甘い 〜ビターのちシュガー〜】
七烏未奏(講談社ラノベ文庫)

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【一般人遠方より帰る。また働かねば!】
勇寛(Kラノベブックス)

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【ウイルス転生から始まる異世界感染物語】
結城絡繰(Kラノベブックス)

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【奴隷転生 〜その奴隷、最強の元王子につき〜】
カラユミ(Kラノベブックス)

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【不遇職【鑑定士】が実は最強だった 〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜】
茨木野(Kラノベブックス)

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【転生貴族の万能開拓 〜【拡大&縮小】スキルを使っていたら最強領地になりました〜】
錬金王(Kラノベブックス)

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【約束のネバーランド ~戦友たちのレコード~】
七緒/白井カイウ(JUMP j BOOKS)

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【憂国のモリアーティ 虹を視る少女】
埼田要介/竹内良輔(JUMP j BOOKS)

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10月1日
【サイレントウィッチーズ 4 スオムスいらん子中隊ReBOOT!】
築地俊彦/ヤマグチノボル(角川スニーカー文庫)

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【サイレントウィッチーズ 4 スオムスいらん子中隊ReBOOT! プレミアム特装版】
築地俊彦/ヤマグチノボル(角川スニーカー文庫)

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【天才美少女な幼馴染のくせに、なんで俺の前でだけそんなにスキだらけなんだよ】
五木友人(角川スニーカー文庫)

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【戦翼のシグルドリーヴァ Sakura(上)】
長月達平/戦翼倶楽部(角川スニーカー文庫)

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【魔王学園の反逆者 4 〜人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる〜】
久慈マサムネ(角川スニーカー文庫)

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【あなたを諦めきれない元許嫁じゃダメですか?2】
桜目禅斗(角川スニーカー文庫)

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【会社員とJK、お隣さん歴1年目。】
ナナシまる(角川スニーカー文庫)

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【フリーライフ 〜異世界何でも屋奮闘記〜 9】
気がつけば毛玉(角川スニーカー文庫)

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【<Infinite Dendrogram>―インフィニット・デンドログラム― 14.<物理最強>】
海道左近(HJ文庫)

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【常勝魔王のやりなおし 1 〜俺はまだ一割も本気出していないんだが〜】
アカバコウヨウ(HJ文庫)

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【悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~ その1】
のこみ/七夕さとり(B's-LOG COMICS)

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【本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 「本のためなら巫女になる! 4」】
鈴華/香月美夜(コロナ・コミックス)

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9月30日
【転生したらスライムだった件 17】
伏瀬(GCノベルズ)

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【転生したら剣でした 10】
棚架ユウ(GCノベルズ)

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【エロいスキルで異世界無双 2】
まさなん(GCノベルズ)

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【ナイツ&マジック 10】
天酒之瓢(ヒーロー文庫)

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【察知されない最強職 7】
三上康明(ヒーロー文庫)

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【異世界チート魔術師 13】
内田健(ヒーロー文庫)

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【異世界道楽に飽きたら 4】
三文烏札矢(ヒーロー文庫)

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【再現使いは帰りたい 5】
赤雪トナ(ヒーロー文庫)

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【いずれ最強へと至る道 3】
藍澤建(ヒーロー文庫)

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【マジカミ イビルオブテイルコート】
しめさば/Studio MGCM(ファミ通文庫)

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【放課後の図書室でお淑やかな彼女の譲れないラブコメ】
九曜(ファミ通文庫)

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【賢者の孫 13.雷轟電撃の魔竜討伐】
吉岡剛(ファミ通文庫)

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【古き魔王の物語をっ!】
壱兄さん(エンターブレイン)

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【機動戦士ガンダムサンダーボルト 16】
太田垣康男(ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

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【機動戦士ガンダム バンディエラ 2】
加納梨衣(ビッグコミックス)

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【機動戦士ガンダム アグレッサー 13】
万乗大智(少年サンデーコミックス)

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【機動戦士ガンダム アグレッサー 14】
万乗大智(少年サンデーコミックス)

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【プラネット・ウィズ 5】
水上悟志(YKコミックス)

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【MUJIN -無尽- 8】
岡田屋鉄蔵(YKコミックス)

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【魔法少女にあこがれて 3】
小野中彰大(バンブーコミックス)

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【アスモデウスはあきらめない 8】
勇人 (バンブーコミックス)

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【コミックライド2020年10月号】

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