ブローザホーン

第171回天皇賞(春) G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 京都競馬場3,200メートル(芝・右 外)

今年は4歳新勢力と、古参古強者組という戦いでしたね。

鉄板路線の阪神大賞典を圧勝したサンライズアース。2番人気。
ダイヤモンドSを圧勝した菊花賞2着のヘデントール。1番人気。
2歳から最前線で走り続けるショウナンラプンタ。4番人気。
サウジでついに真価を発揮したビザンチンドリーム。6番人気。
青森の星 ハヤテノフクノスケ。7番人気。

これら4歳勢に対して、

前々年度のこのレースの覇者ジャスティンパレス。3番人気。
復活の兆し見せるグランプリホース ブローザホーン。5番人気。
日経賞で初重賞制覇。ユーバーレーベン、マイネルファンロンの弟マイネルエンペラー。8番人気。
良馬場の長距離なら無類の強さを誇るシュヴァリエローズ。9番人気。

主にこの面々の戦いになる予定、予定というとあれだな。まあメインと見られていたのはこのへんです。実際人気薄が紛れることは今回はありませんでした。
G2大将で善戦マンのプラダリア(10番人気)も、流石に中距離が主戦場で3200は長すぎますし、そろそろピークが過ぎてきている所もありましたしね。
去年の長距離戦線では人気だったワープスピードも、去年の暮れの豪州で好走して戻ってきて以降、どうも調子が戻ってきておらず、11番人気。両方とも結果として、プラが10着。ワープが9着という結果でした。

戦前の雰囲気では阪神大賞典を完勝したサンライズアースの方が1番人気かと思ったのですが、ヘデントールの方が1番人気でしたね。条件データ的にはアースの方が鉄板に近いものがあったのですけれど、調教の様子がヘデントールの方がかなり良かったみたいなんですよね。菊花賞2着という実績にスタミナ一辺倒じゃないルーラーシップに母父ステイゴールドという血統の魅力。んで鞍上のレーン騎手。前走ダイヤモンドSの勝ち方と、人気になる要素は確かに満載だったのですけれど、これらの魅力ってひっくり返すと菊花賞勝ち馬以外はあまり結果を残してない。血統データ的にも春天向いているとは言い難い。乗り替わりの初乗りで、超上手いしハマるとすごいけどルメールやモレイラほど完璧万能じゃないレーン騎手。前走ダイヤモンドS組の過去成績の悪さ、と大丈夫か?という要素はいっぱいあったわけです。G1も菊花賞以来でしたしね。
それでも1番人気だったもんなあ。

そして、まあこれはもうほぼ完璧なレースでしたね。ヘデントール、横綱相撲でした。
レースは前半スローの中盤からペース上がって流れて全体に消耗戦を強いながらの、前崩れで後方有利の展開。
逃げるかどうか、と判断が問われていたサンライズアースは行かず、ジャンカズマとマイネルエンペラーが引っ張りました。
ヘデントールは上手いことうちに入って、脚を貯められましたね。4角までじっと動かず、好位置を維持して直線まで待機。もちろん、前が詰まらないようにしながら。この辺流石のレーン騎手でありました。
一方、人気のサンライズアースは、なんか早々に鞍上の池添さんがめっちゃ手綱しごいてて促してるんですよ。あれ? そんな早く仕掛けるの!? と面食らってたら馬の方は全然前に進んでいっている様子もなくて、どうしたんだ?とは思っていたのですが、どうやら途中でハミが抜けてしまっていたらしいですね。ギアが入らなくなってしまったようなものなんでしょう、ハミが外れるって。だいぶ頑張って手綱で押していたみたいですけれど、鞍上からの精密な制御が届かなくなっていた時点で勝負は厳しかったと思います。それでも結果は4着だったのですから、消化不良では在りましたが実力は示したんじゃないでしょうか。
ハミの件がなかったとして、1,2着の馬の猛追を前に粘れたかというとどうだろう、わからんなあ。実力の底がまだ見えないので、次走どんな走りをするか楽しみではあります。

今回は仕掛けどころが非常に難しいレースでもあったと思います。前に居すぎると持たなくて、かといって後方に居すぎても届かない。どのタイミングで仕掛けるか。馬の実力や適性も鑑み、前後内外もうまく先を見越しつつ位置取って、と長距離レースならではの考えながら全体を見ながらのレースプランニングが問われたレースだったんじゃないでしょうか。
それを完璧にやってのけたのが、レーン騎手で。対して、いやそこでの仕掛けは違うくない? と思ってしまったのが、ジャスティンパレスでありました。
なんで三角の上り坂でまくっていくの!? その子、ステゴ産駒じゃなくてディープ産駒よ!? ジャスティンパレスの脚を考えても、ちょっと仕掛けが早かった気がします。結局、向正面終わりに先頭にたったマイネルエンペラーを躱せず6着。
マイネルエンペラーは頑張りましたね。今絶好調の丹内騎手に初G1をプレゼント出来るか、とちょびっと期待はしてたのですが、さすがに厳しかったか。でも、先行に苦しい展開で最後まで脚を鈍らせずに掲示板まで粘ったのは偉いです。前走の中山2500の日経賞がベストの適正距離競馬場だったのかな。さすがに3000超えると苦しそうですし、中距離はスピードが足らなさそうだし。有馬記念?いやいや、それはさすがに……。いや、やっぱり中距離の方がいいかな。もう一度、2000から2400の重賞レースでどう走るのか見てみたいですね。

溜める競馬で一番の末脚を見せたのが、未完の大器ビザンチンドリーム。この馬も2歳の頃は世代トップを争う一団にいたんですよね。きさらぎ賞の勝ち方は衝撃的で、クラシックでもその印象に引っ張られた人はけっこう居たかと思います。しかし皐月賞・ダービーでは後ろから数えた方がいい大敗北。これはスタートだけ良かった早熟かな、と思われたところで菊花賞でぽんと5着に入ったことで、あれ?この子長距離の方が行ける? となったわけです。どうしても後方から一気という戦法しかいけない子だったのですが、それでも古馬初戦のAJCCでは歴戦の馬たち相手に6着とまあまあの結果を残して、これからも重賞戦線でそこそこやっていけそう。と、思っていたら、まさかのサウジ参戦。しかも3000の長距離レースレッドシーターフH(G2)。いやあ、面白いところ行ったなあ、ちょっとでも賞金稼いできてくれたらいいのにね、と思っていたら、まさかの勝利。きさらぎ賞以来の勝ち星。
バチン、となにかハマった感すらある強い勝ち方でした。
海外帰りということで、疲労なんかはどうだろうと心配するところではあったんですが、これはガチで覚醒した感があります。
ただ、中距離で同じようなレースが出来るかどうか。なんかガッツリとステイヤーって感じの実績になってきましたし。さらに、後方で貯めて貯めての直線一気という脚質。まあこれ、まずスローになる長距離なら程よくハマるんでしょうけれど、中距離で上がり時計の速さが上がるとさてどうなるか。内回りの宝塚記念はちょっと届くイメージ湧かないですねえ。得意は京都かしら。結果残しているのみんな京都競馬場ですし。東京はどうだろう。ダービーは全然だったけれど。

3着には武騎手のショウナンラプンタ。ちょっと武騎手としては消化不良のレースになったかしら。いやあ仕掛けどころはあそこがベストだっただろう。4角から直線に入るところの手応えは抜群でしたし。
惜しむらくは最初から最後まで外々外を回らされたところか。その分ですかねえ。4角で先にまくったジャスティンパレスのさらに外を回らされていたあたりがほんとに厳しい。

ブローザホーンは、8着かー。随分と復調はしていたと思うので、それで8着は厳しいですねえ。去年は京都で暴れまわった馬なのですけれど。重馬場ならもう一度目があるかな、という塩梅になってきたかもしれません。

期待のハヤテフクノスケは、残念ながら見どころなしの11着。前半はともかく、ペースが上がった後半はついていけなかったですね。2勝3勝クラスの長距離戦を圧勝してこの舞台に立った子でしたけれど、重賞レース、いやG1レースの壁に跳ね返された感ありです。調子はもう最高潮に仕上げていたと思うので、実力が届かなかった、という所でしょう。まだ4歳ですから、こっからG3G2で立て直してもっかい挑戦してきて欲しい。とりあえず、青森産馬として、ウインバリアシオン産駒としてまずひとつ重賞取って仕切り直し頑張ろう。

というわけで、終わってみれば1着から4着までを4歳世代が独占するという、世代交代を明示するようなレースとなりました。少なくとも、ステイヤー戦線はこれからは4歳世代が主役を務めそうです。
中距離もダノンデサイル、レガレイラ。さらに菊花賞馬のアーバンシックもいますし。
香港で復活したタスティエーラと、大阪杯連覇のベラジオオペラがいる5歳世代と、これから激突となっていくんでしょうかね。ヘデントール、長距離一辺倒じゃない感じするんだよなあ。中距離どう走るか、かなり楽しみです。









第59回農林水産省賞典 京都大賞典 G2 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(指定) 別定 京都競馬場2,400メートル(芝・右 外)

事前の人気は唯一のG1馬。先の宝塚記念で見事な勝ちっぷりを見せてトップランナーの仲間入りをしたブローザホーン。
そして本格化の兆し著しいサトノグランツ。
この2頭が2.6倍と2.9倍で人気を二分していた形でした。

が。

ブローザホーンに関しては追い切り調教の段階から、ホースマンの多くが動いてないねえ、という見解を述べていて休み明けで仕上がっていない、一叩きして次が目標。
みたいな事前の空気感でありました。また、小柄な馬体(今回426kg)で斤量が59キロというのも中々厳しかったのではないかと。まあ、前走宝塚記念までも58キロで斤量感じさせない強さを見せていたから、1キロ増えた所で、と考えるのも然りなのですが。
ともあれ、春のビリビリくるような漲った感じに比べるとこの馬走るぞっ、というオーラがいささか欠けているような雰囲気が流れていました。

一方で、口を揃えて調教やばい、抜群の仕上がり、馬体究極仕上げ! と絶賛の嵐が飛び交っていたのがサトノグランツ。
実績を見ると去年のこの時期の神戸新聞杯に勝って以降、勝ち星はなく、今年に入って好走は続いているものの逆に言うと好走止まり、ではあったんですが、前走目黒記念はレース中にトラブルあったらしく全力を発揮しきれず、また同時にそろそろ弾けそうな一皮むけて一気に才能が開花しそうなみなぎる気配が漂っていたのも間違いなく、その上でこの仕上がり方はついに本格化かっ、という開花を感じさせるものがあったんですよね。
最内1番枠に、鞍上川田騎手というのもなんかこう、文句なしにここで勝って飛躍するという感覚がビリビリとあったわけだ。

他はというと、3番人気に去年のこのレースの勝馬でG2大将のプラダリア。今年に入って京都記念も勝っている京都巧者。
4番人気に7歳でなお意気軒昂のディープボンド。この馬も京都が合うタイプなんですが、完全にステイヤーと認識されているので2400で距離やや短くまた開幕週の良馬場となるとスピード負けしそう、という感じ。それでも4番人気なのがメンバーの中で実績上位、というかこれ以外の馬たちが重賞未勝利の格下か、既に下り坂に入っている負け続けの馬たちだから、というのも大きかったのでしょう。

とはいえ、重賞未勝利と言ってもここからのし上がってきそうな気配があったのが、天皇賞3着の実績があるスマートファントム。目黒記念2着とようやくあと一歩まで来ている感じのシュバリエローズ。長く条件戦で足踏みしていたものの、前走関ケ原Sで圧勝してようやく重賞戦線に乗り込んできたドクタードリトル。
といったところ。
スマートファントムは3歳時にクラシック戦線に上がりきれなかったものの、古馬になって実力通りとんとんとクラス上がって順当に重賞戦線に入ってきたって感じ。
一方でドクタードリトルは、2勝3勝クラスでどのレースも1,2番人気と実力上位は間違いないのにあと一歩が続いてた馬なんですよね。いつも勝ち負けしてたので、目立ってよく印象に残ってました。こちらはぐるっと回り道して、這い上がってきたって感じかな。
シュバリエローズはもう6歳。戦歴も29戦と走りまくってるのですが、わずか3勝。しかもやっとこリステッド競争メインで、重賞には殆ど参加出来ていなかった。それが3走前の京都記念での4着をきっかけにこれまでマイルから2000で走っていたのを長距離に変更した途端、馬券圏内に好走。急にこの歳でトントン拍子に飛躍のタイミングを掴んだのであります。

レースの方はバビットとケイアイサンデラが予想通りに先頭争い。ここでケイアイサンデラが一気に大きく逃げて、バビットは2番手。ケイアイサンデラが離してはいたんだけれど、タイム的には平均くらいだったんで、2番手以降はスローペースになってました。
なんですが、意外と馬群はまとまらずにバラけてしまい、特にブローザホーンは最初からなんか覇気なく最後方からついてくるばかり。手応えスカスカで、結局最後までこいつ走る気なさそうにすら見えたんですけど。
積極果敢だったのが、ディープボンド。スタートも良くて、そのまま行き足もついて3番手につけたんですけれど、そのまま早めに仕掛けて坂の下りからのロングスパート。
スローから早めの仕掛けて全体に脚を使わせる消耗戦に持ち込んだんですね。まさにディープボンドにとっての理想のレースを作れたのでした。幸騎手会心の競馬だったんじゃないでしょうか。
このレース展開に持たなかったのがプラダリアになるんですかね。戦歴からして2400は距離ギリギリになるっぽい彼にとっては、スタミナ勝負に持ち込まれたのは厳しかったのでしょう。道中ディープボンドの後ろにつけて先頭集団側に入っていたのですが、ズルズルと落ちてしまい7着でした。
プラダリアよりはよっぽど長距離適性はあったと思うサトノグランツも、この消耗戦だと脚が伸びなかったか。川田騎手としては道中のポディション取りは予定通りの位置だったんでしょうけれど、直線入っても爆発力を発揮できず、見せ場無しで5着まで。
出来栄え考えたら、展開向かなくてももう少し勝ち負けまでは行ってほしかったなあ。
川田騎手、最近負けたら通り一辺倒のコメントしか出さないんで、敗因も馬の状態もなんもわからんなあ。

ディープボンド、もうゴール直前まで勝ったと思ったでしょうに、しかしこの展開でさらに外から急襲してきたのがシュバリエローズでした。ゴール前でプボくんを頭差きっちり躱して重賞初制覇。
改めて映像見ても3コーナから下り坂に差し掛かってからの手応えが素晴らしい、抜群なんですよね。
長く良い脚を使って使って、しぶとく勝ちをもぎ取った。たくさんたくさん走ってきた、その結実を思わせるような粘りとキレのある差し脚でした。おめでとう。

プボくんは2着。惜しかった。7歳にしてここまで衰え一切感じさせず。自分のレースに持ち込んだら、まだまだこれだけ余裕に走るんだなあ、と。それだけに、ここで2年半振りの勝利が欲しかった。惜しい。

3着には……メイショウブレゲ!? まさかの最下位人気の強襲である。今年年明けの万葉Sで勝ったものの、以降重賞で戦うようになってからはいささか力不足となってたと思ったのですが。
……こいつ、ゴールドシップ産駒だw
あーーーー、もろに消耗戦になったこのレース、相性バッチリだったのか。万葉勝ってるみたいに戦歴見てもこの馬自身スタミナ増しましのステイヤーですし。展開がこの馬に向いてたのかー。

4着はスマートファントム。思いっきり出遅れてましたけれど、まあ元々この子も後ろの方から追い込んで来るのが宿命みたいな子ですからね。一頭だけ上がり33.9と33秒台の最速叩き出してますし、出来る競馬はやったかと。スムーズに出てたら馬券圏内勝負は出来たかも。

ブローザホーンは、これどうしましょうかね。まだ仕上がってないにしても、ある程度格好をつけないと叩きにならないですし、秋大丈夫か? 鞍上は馬はやる気あったけど身体ついていってなかった、みたいなコメントを残しているので、仕上がってくれば違うかしら。





第65回宝塚記念 G1 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 京都競馬場2,200メートル(芝・右 外)

やったぜブローザホーン、やったぜ菅原くん!!
すげえな、今年G1を初めて獲る騎手がこんなにたくさん出るなんて。いや、だいたい菅原くんはもっと早く取れてても不思議じゃない騎手だったんですよ。って、今年G1初戴冠した騎手たちはみんなそんな感じのあと少しもうちょっと、の人ばかりだったんで凄く良かったなあ、と思うばかりなんですけどね。
おまけに今年はこの宝塚記念で前半終了ですけれど、全G1全部違う騎手が勝ったそうでこんなん滅多ないでしょう。大概、ルメールと川田が3つ4つ獲ってくのに。

さて、今年の宝塚記念は宝塚記念なのに宝塚市の阪神競馬場ではなく、京都競馬場開催となりました。
阪神競馬場が来年前で改装に入っているため、代替開催になってるんですね。
おかげでいつもよりレース開催が多く、馬場状態もかなり厳しいことになっているところにさらにトドメで雨! しかもざーざーぶりの大雨が土曜日から。
幸いにして不良まではいかなかったものの、重馬場発表とあいなりました。

競馬場ってのは各場で全然特性が違い、同じ2200メートルでも阪神と京都ではまったく条件が異なってきます。例年の宝塚記念のデータは殆ど役に立たないと見るべきでしょう。

今年は出走馬が13頭。香港の英雄ロマンチックウォリアーが宝塚参戦を匂わせていましたけれど、安田記念をゲットしたものの疲労を理由に回避。リバティアイランドは怪我で春は全休、菊花賞馬ドゥレッツァと春天のテーオーロイヤルは剥離骨折、ダービー馬のタスティエーラは見送り。ブレイディヴェーグやスターズオンアースも調整で秋まで出走は見送りとなりました。
それでも、イクイノックスの後を継ぎ現役最強を張るドウデュース。
去年の春天、そして宝塚記念でイクイノックスに迫ったジャスティンパレス。
去年覚醒して以来、心房細動で競走中止になったレース以外全てで3着以内に入るブローザホーン。
4歳世代で古馬になっても気を吐く大阪杯勝馬のベラジオオペラ。
そして復活なるかの皐月賞馬ソールオリエンス。
G2無双のプラダリア。
同じく、無冠の帝王ディープボンド。
去勢手術以来3連勝。G2も連勝してこの舞台にあがってきたシュトルーヴェ。
エアグルーヴの末裔にして大阪杯2着と一気に有力候補の一角にあがってきたローシャムパーク。
重賞勝ちがないものの、エリ女、大阪杯で2着3着とここぞの脚を持つルージュエヴァイユ。

現役メンバーでは実績馬が相応に出揃ったんじゃないでしょうか。
まあ今回はとにかくポイントは雨と京都。この中で露骨に雨が全然ダメ、というメンバーは見当たらなかったのですが……ローシャムパークあたりはダメなんじゃない?と言いたい所だったのですけれど、陣営は行ける行ける!と主張していましたね。このあたりの陣営のコメントってあんまり信じられないというか、参考にならないというか。取捨選択はよほどコメントを発する人の内容の傾向を把握してる人でないと無理なんじゃないかな。
ドウデュースは難しいところで、血統的にはそれほど問題はないとか。あかんかったフランスの重馬場は日本の競馬場の重馬場と質が全然違うから参考外、という意見が大半でまあ問題は少なかろう、という塩梅でした。
ジャスティンパレスは、できんことないけれど晴れた良馬場の方が良いパフォーマンスを出せる馬。でも気難しい馬って馬場悪いとそっちに集中してむしろ落ち着くらしいので、パレスも不得意というほどではないだけに割引材料というほどではなかったかと。

逆に馬場悪いと無類に強さを発揮するのが、ブローザホーンであり、プラダリアであり、ディープボンドあたりだったわけです。特にディープボンドは、上がりがかかりつつ京都の下り坂を利用して勢いをつけられる、という事で今回の宝塚記念は降って湧いたような好条件だったんですよね。
また、今日の京都の馬場はとにかく外、外、外だったのは間違いない模様。土曜から日曜のレースで騎手たちはよほど痛感していたみたいで、各所でそのへんのコメントがレース後に飛び出してました。

ということで、今日の宝塚記念は4コーナーで外に出し、大外から一気に突き抜ける。これが最適のコース選択プランだったわけですね。
これに一番合致していたのが、ブローザホーンだったわけです。何しろ、ブローザホーンてば前走の春天でこれと同じ位置取りコース取りを行って2着までぶっ飛んできたんですからね……いや、あの時はなんで内に入らんでそんなロスばっかりのところを、てなもんだったんですけれど、今回に関してはそれが正解だったわけです。
なんせこのブローザホーン、京都では無類の強さを誇っています。京都大賞典で心房細動を起こして一度競走中止している以外は、日経新春杯で勝ち春天で勝っているように2勝2着1回という成績を残してるんですね。また菅原くんは京都を一番得意にしているジョッキーだ。
去年の10月、京都大賞典で心房細動を起こして躓くまで、びっくりするような覚醒具合ですぐに重賞を勝ちG1の勝ち負けまで出来る馬になるだろう、と思ってたのに秋は全休。悔しい間隔が空いてしまいましたが、年明けの復帰戦日経新春杯でいきなり勝って覚醒の勢い衰えず、というのを見せつけ、阪神大賞典、春天で一線級であることを証明し、そしてここで見事にフロックではない堂々3番人気での宝塚記念勝利を見せつけてくれました。
一段一段、着実に成長と強さを見せつけての勝利でありました。また長距離レースを主に出てたブローザホーンですけれど、むしろ母系のスピード血統を活かして中距離も行ける、というか中距離でこそ本領を発揮できそうなんですよね。今日は重たい馬場でしたけれど、晴れてても関係なくいけますし、これは秋さらにパワーアップしてきそうですよ。

しかしそれにしても今日のレースはみんな外外にまわして、京都では滅多と見たことのない外ラチ沿いに全馬が近づいての直線勝負になりました。あんなん新潟の1000直くらいでしかあんまり見ないよ!
それくらい、内側難しい馬場になってたんでしょうね。
また、ちょうどレースが始まると同時に猛烈な雨が降ってきて、雨中のレースとなりましたし。
改装後の京都競馬場は4コーナーの角度がゆるくなって、以前ほど馬群が広がらずに内に固まったまま直線勝負になることが多くなったのですけれど、今日はほんと珍しい形になりました。
ゆえにこそ、今日は内側に入ってしまった、入らざるを得なかった馬は苦しかった。
また、ペースも中盤じっくり緩んで残り800くらいから一気にペースがあがる重馬場には厳しい展開になりましたから、思いの外前が苦しいレースになったなあ。
今回は明確な逃げ馬不在だったので誰が逃げるかは注目点だったのですが、まさかの13番ルージュエヴァイユが逃げる。えっ、エヴァちゃんあんた追い込みでしょ!?
その切れる脚で好走を続けていた馬だったのですけれど、緩い馬場は苦手だそうですし道悪である以上普段の差しは届かないと見て積極的に前に行ったんでしょうか。結果としていつも通り控えた方が良かったんでしょうけれど。初騎乗の川田があんまり後ろから行きたくないタイプなんで、主導権握りに行ったというのもあるのかもしれません。追い切りがバチクソに素晴らしかったみたいなので調子はほんと良かったと思うんですけれど、前に行ってしまった事で展開が向かず、得意の脚も出せず、重馬場でスムーズに走れず、とマイナス要素が重なってしまった感がありますね。8着、本来ならもっと上に行ける馬だったと思います。

逃げはベラジオオペラが押し出される形で行くんじゃないか、という予想が多かったみたいですけれど、結局ルージュエヴァイユが引っ張りカラテ、プラダリアが続く形。ベラジオオペラはその後に控えることが出来ました。ディープボンドがその後、やや遅れて中団先頭。プボくんとしてはベストポジでしょう(レース後の幸さんのコメントだとここでも後ろすぎたらしい)。復調の気配ありだったソールオリエンスがそのやや外の後ろ。ローシャムパークがさらにもう一段その後ろで……ちょっと後ろ過ぎましたね。本当ならソールの位置のその少し前あたりがローシャム的には最適だったのではないかと。大阪杯でも後ろから途中で押し上げて、という競馬で2着に入っていましたけれど、今日の馬場だとローシャムの適性的にそれをやるとさすがに消耗がキツイ。
逆にブローザホーンは、そこがベストポジションだったんですよね。
問題はドウデュースとジャスティンパレスですよ。ドウデュースは出足がつかずにそのまま最後方。パレスはソールの内側にいたんだけれど、どうも手応えが悪い。1番のシュトルーヴェはさらにその内ラチ沿い。シュトルーヴェはもう1枠1番がとにかくあかんかった。
ローシャムは3・4コーナー中間で早々に押し上げていき、やっぱりこれ早かった気がするなあ。いやタイミング遅くしても届かないだろうし、あの位置取りで前半走ってた時点で余力残らなかっただろう。脚が残っていなくて上がりも遅く5着。
ブローザホーンは下りに差し掛かったところで一気に加速。タイミングもばっちりで直線に入ったところで大外も大外で加速が乗ってバッチリの騎乗でした。
プボくんは下りで思ったよりも加速出来なかったなあ。前には行ってるんだけれど、プボくんからして直線入ったところで先頭近くに立っていたかったが、この時点で横並びで馬場の真ん中外あたり。こっから伸びたのは外も外を走った馬ばかりだったので、プボくんくらいから内側の馬は全然伸びなかった。そして、プボくんよりも外に出せた馬ってそれだけ加速乗ってた馬なんですよね。
ここで強烈に食らいついたのがベラジオオペラ。先行集団側にいたのにきっちり手応え残して4コーナーに入って、グイグイ伸ばしてきたんだからやっぱり相当に強いですよ、ベラジオオペラ。
しかし、ブローザホーンの脚色が明らかに違っていて、大外の外の外をぶっちぎり道悪と思えない軽やかな差し脚で2馬身ちぎって完勝のゴール。
2着はそのまま粘るプラダリアを抑えてベラジオオペラが食いつくか、と思ったらさらにその後方からまさかのソールオリエンスが急追。ゴール前で躱して菊花賞以来久々の馬券圏内2着入線を果たしたのでした。
ソール、ブローザホーンがぐいぐい上がっていったとき、全然反応のないドウデュースと共に置いていかれたんで、あこれあかんは、と目線を切ってたんですけれど、よー追いついてきたなあ。よく見たら残り600くらいでギア入ってブローザホーンの後ろまで食いついてきてましたわ。そのままほぼ同じ勢いで追いすがってきていた模様。あれだけの脚が仕えるなら、復活したと言っても大丈夫でしょう。
弱い弱いと言われた4歳世代ですが、なんとかここで皐月賞馬と大阪杯勝ち馬が2着3着に入って面目を保った、と言えるんじゃないでしょか。
プラダリアはこれだけ良条件揃ったものの4着。先行としては彼らしく最後まで良い所を譲らない根性を見せましたけれど、やっぱりG1だと掲示板までですかねえ。
ドウデュースは結局外に出せずに内に切り込むしかなく、馬場の悪い所を通らざるを得ず反応も鈍く、6着惨敗。調教では最高潮くらいまでいい感じに仕上がってたみたいなんですけれど、それだけ仕上がってても勝てないときがあるんだよねえ。敗因はなんなんでしょう。雨? 初めての京都競馬場? 前走のドバイに引き続きスタートが悪くて望む位置取りを取れなかった、というのも大きそうですし、分析が待たれるところです。
ジャスティンパレスはさらに悪く10着。テンション高いのはずっとルメさんがうまいことなだめてたと思うんですけれど、これはもう馬場でしょうねえ。相当に緩い馬場になってたみたいですし、合わなかったかあ。まあこっちはわりと敗因はっきりしてるだろうし、次回あまり気にしないでいいんじゃないでしょうか。

なにはともあれ、菅原くんG1ジョッキーの仲間入りおめでとうございます。
そしてブローザホーン、名実ともにG1馬。貫目も得ました。現役トップランナーの一角に名乗りをあげて、秋も主役の一頭になりそう。そして、逆襲の4歳世代。
しばらく夏競馬になりますけれど、秋のG1シーズンが楽しみになるレースでありました。





第169回天皇賞(春) G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 京都競馬場3,200メートル(芝・右 外)

テーオーロイヤル、そして鞍上の菱田裕二騎手、はじめてのG1制覇おめでとう。
うん、もうパーフェクト。今の充実したテーオーロイヤルの強さを、今回菱田くんは十全引き出した文句なしの騎乗でした。
長かったなあ、菱田くん。もう中堅こえてベテランになろうという時期ながら、大きいところを取れなかったけれど、所属の岡田厩舎の馬で、しかも騎手を志すきっかけになったというこの春天で、はじめてのG1をもぎ取ったというのは、素晴らしい、良かったねえ。
テーオーロイヤルに関しては本当に手の内に入れていて、今回不思議と騎手に対しての不安感は全然なかったんですよ。にしても今回のレースは完璧でした。

週末は雨予報だったのが土日良い天気になりまして、馬場状態は最高。内が伸び前が残るという馬場のコンディションになっていました。
テーオーロイヤルはピタリとドゥレッツアをマークするカタチで5番手あたりを追走。これ、ドゥレッツアの真後ろじゃなくて、一列外に位置取りしてたんですけれど、前に馬がいない状態でしっかりと折り合いついてて落ち着いた感じだったんですよね。
向正面で早めに横に居たサヴォーナが前進していったにも関わらず、それに釣られることもなく。
それでいて4コーナーの坂の下りで菱田くんの合図に応えて一気に加速。この時点で手応えが他の馬と全然違っていました。
あとはもう粘るディープボンドを躱して、突き放すのみ。ほんと文句なしの完璧な勝ち方でした。
前走阪神大賞典での完勝で、現在の長距離界のエースであることを宣言したテーオーロイヤルでしたが、この春天でその宣言を証明してみせた、と言っていいでしょう。間違いなく、君が最強ステイヤーだ。
一昨年の春天三着。タイトルホルダー、ディープボンドに続いての3着で、トップクラスのステイヤーとして名乗りを上げたテーオーロイヤルでしたが、その後微妙な着順のレースを繰り返したあと、同年のジャパンカップで大敗し、その後の放牧中に骨折。一年の休養を減ることになってしまいました。
が、復帰戦のアルゼンチン共和国杯こそ振るわなかったものの、暮れのステイヤーズSで2着と復活。そして今年に入り、ダイヤモンドSをトップハンデで勝ち、阪神大賞典を圧倒的な力で快勝し、現役馬の中で力を示したわけです。
阪神大賞典までは、まだ去年の暮れに一線級の馬がみんな引退してしまって、現役では誰が一番強いのかまだわからない、決まっていないって感じでしたからね。
実際阪神大賞典では日経新春杯を勝って勇躍してきたブローザホーンが一番人気だったわけですし。
それにしても、強い勝ち方でした。今なら、今年はドバイに行ってしまった去年の春天勝馬ジャスティンパレスとやっても互角以上に戦えるでしょう。

2着はそのブローザホーンでした。一頭だけ後方からまくりあげてきてぶち抜いていく、豪快な末脚。
最近はデカ馬ステイヤーが珍しくなくなりましたけれど、この馬は小柄で長距離得意という昔ながらのステイヤーって感じで、長い所得意でありながら俊敏って感じの走りっぷりは小気味の良いところがあって好きなんですよねえ。
なかなか体重が増えてこず、今回もマイナス体重。おまけに母父がデュランダルというそれ気性面大丈夫?という血統なんですけれど、去年2勝クラスから連勝を開始して以来、心房細動で競走中止してしまった京都大賞典を除けば、年跨いで7戦して馬券圏内3着から外れていないというのはもうこれ強いでしょう。

3着はディープボンド。7歳にして衰え知らず! いや、実際もう衰えは顕著で前走得意の阪神大賞典でいいところなかった時点で、さすがにもうプボくんもお年ですよね、と思った人も多かったはず。
しかしこの子、本当に京都競馬場と相性ぴったりなんでしょうね。決して切れ味鋭い馬じゃないので、あの京都の4コーナーの下り坂で加速してそのまま直線ゴールまで粘り込む、というスタイルが彼にとって一番合っているということなのかもしれません。実際、京都のレースではずっと実績残しているのですから。京都競馬場改修とかち合わなかったら、もしかしたらG1タイトル取れていたかもしれない、とすら思ってしまう。
どう見てもパワー型の馬で、むしろ阪神競馬場の方が合ってそう……実際、阪神大賞典をマイレースにしていたように良く走れていたのは間違いなくて、スピードが要求される京都向きではないと言われることもあったのですけれど、こうして結果見せられると淀巧者だったんだなあ、と感心してしまいました。
今回は初騎乗の幸騎手だったのですけれど、逃げるマテンロウレオから少し間をあけて、最内を淡々と引っ張り、下り坂で加速して最後までズルズルと行かずに粘り込む、というディープボンドにとっての理想の競馬をしてくれたように思います。なんかほんと久々にプボくんらしいレースを見た感じがして、満足感が凄い!
ほんと魅せてくれる馬です。いつまでも人気高いのわかるなあ。

4着には……これはびっくり。14番人気のスマートファントム・岩田望来騎手が入線。見直すとかなり最後方近くに4コーナーまでいたのに、直線入る所で岩田親父ばりのイン突きが炸裂。それまで貯めていた脚の分前に進んで、4着食い込んでるんですよね。
……これまで重賞とはほとんど縁がなくて、3歳の時に神戸新聞杯に参戦しているくらい。ずっと下積みだったのが、今年に入り条件戦の長い距離のところを連勝してこの舞台に立つチャンスを得た馬でした。……この連勝が、藤岡康太騎手が乗ってたんだ。彼の今年の好調っぷりがそのまま残滓したような、会心の走りでありました。いやでも、これはちょっと侮れない。今後の重賞でも注目しておくべき馬かもしれません。

5着にはダイヤモンドS3着、阪神大賞典2着とテーオーロイヤルに続く形で好走していたワープスピード。この馬も去年までずっと条件戦をウロウロしていたのが、急に伸びてきた馬の一角だわなあ。
阪神大賞典で2着に食い込んできたときの川田騎手は、今日は香港の方に出張しているので、以前乗って勝った経験がある三浦皇成騎手が騎乗したのですけれど、きっちり5着入っているのを見ると今後も着実にいい成績残しそう。

さて、他の人気馬はどうなっているかというと。
2番人気。去年の菊花賞馬であるドゥレッツアは、プボと一緒に先行集団を引っ張る形で良いポディションを取っていたのだけれど、4コーナーあたりで手応えが怪しくなりズルズルと後退。まさかの15着。ハピが早々に競走中止してしまって16頭でのレースになっていたので、実質ブービーという大敗結果になってしまいました。
今日はルメールがまだ怪我で復帰していないので戸崎騎手だったのですけれど、これは騎手云々じゃないよなあ。
パドックの段階で細江純子さんがあんまり良く見えないと言っていたので、調子自体そんなに良くなかったのかもしれません。それにしても負けすぎなんで、ナニカあったんじゃなければいいのですが。

3番人気のサリエラ・武豊も12着と力尽きる。タスティエーラもモレイラ鞍上で一発あるかとも思ったんだけれど7着かー。
全体みると、露骨にステイヤー適正が高いかどうかが問われたレースだったかも。逃げたマテンロウレオの横山典さんがまたいい逃げっぷりを見せて、ラップ見ると最初の1000メートル59.7と中距離レースレベルの速さで引っ張ったあとに、ゆっくりとペース落として息継ぎして、そんで下り坂から加速して11秒台連発って流れになってるんですよね。
この流れに、ついていけなかった馬が4コーナーから直線入ったところらへんで中団以降を見るとよく分かる感じでぶちまけられてるんですよ。
4コーナーで後ろの方に居たのに直線入った時点でだいぶ前にワープしたみたいに位置づけていたスマートファントムと比べるとよくわかる。外に膨らんで位置取り的に遠回りしてしまったというのもあるけれど、あれであっさりスマートファントムが前につけられたというのは、それだけ他の馬の脚が伸びてないってことでもあるんですよね。
……こうして改めて見るとブローザホーン、ちょっと外遠回りしすぎというのもあるよなあ。
ドゥレッツアは、菊花賞3000を勝ってますけれど、あれはルメール会心の騎乗で本来ドゥレッツア自体長距離向きじゃなく中距離向きという人は少なくなかったのですけれど、この消耗戦での結果を見るとそのへんも明らかかもしれませんね。調子良くなかったにしろ。
まあここで負けた面々も、宝塚記念ならまた全然違ってくるでしょう。

ともあれ、テーオーロイヤル、菱田くんともにおめでとうございました。


第72回阪神大賞典 G2 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 別定 阪神競馬場3,000メートル(芝・右)

今年は15頭が参戦、と近年では3000メートルのレースとなるとそこまで頭数集まらなくて、だいたい10頭前後。最近は13頭くらいだったのが今回はちょっと集まりましたね。
とはいえ、長距離戦線を引っ張っていた超一流どころは去年で軒並み引退。G1馬不在のレースとあいなりました。
……って、実のところ例年そんなG1馬は出走していなかった事を過去レース見返したら気づいてしまったw
去年はその唯一のG1馬であるジャスティンパレスが勝ったからなあ。いや待て、パレスがG1勝ったのはこの阪神大賞典勝った次のレースだよ。
人気は程よく割れつつ一桁倍率が5頭ということに。

1番人気が426kgの小兵。ある意味長距離馬らしい体型でもあるブローザホーン。長らく未勝利で勝ち上がれなかったものの、去年連勝で一気にクラスをあげたものの注目された秋での戦いは京都大賞典を心房細動で中止してしまい、戦線離脱。しかし年明けの日経新春杯で初重賞を手にして実力を証明、今年のG1戦線に堂々と名乗りを上げた一頭であります。

2番人気はテーオーロイヤル。この馬も22年にダイヤモンドSを勝利し重賞馬に、そして天皇賞・春で3着に入り長距離適性を見せつけたのですが、翌年骨折してしまいまる1年近く休養してしまったんですね。
復帰初戦のアルゼンチン共和国杯こそ大敗したものの、次のステイヤーズSで2着。続くダイヤモンドSを2年ぶりに勝利。今回も調教から充実っぷりを見せていたみたいで、6歳にして覚醒の歳を迎えたかのように見受けられます。

3番人気には去年の菊花賞5着のサヴォーナ。日経新春杯ではブローザホーンの2着と、今年の4歳馬のなかでも特にステイヤーとしての資質を持っている馬ですね。戦歴見ても2400以上の長距離ばかり使ってますし。とはいえこの馬体重が536kgとかなりの超重量級。まあ昨今は昔ほど小柄が長距離向き大型馬は短距離向き、と一概に言えなくなってきたようにも思えますけれど。

4番人気はシルヴァーソニック。一昨年の天皇賞・春は阪神競馬場で行われたんですけれど、そこでレース直後に落馬してしまい、レース後に柵にぶつかって転倒。しばらくピクリとも動かなくなってしまって、話題になったあのレース以来の阪神競馬場であります。
去年は天皇賞・春に出たあと春は全休。秋も脚に浮腫が出来てしまって全休となり、結局1年近くも休養しての復帰戦となりました。

5番人気はディープボンド。年下のライバルたちが去っていった中で古豪の復権あるかって所です。もう7歳ですけれど、もう一度チャンスが巡ってきたかもしれません。春の天皇賞目指してここはしっかり走りたい所。2度制しているレースでもありますからね。

レースは折からの雨で馬場は稍重。11Rの頃はだいぶ芝が緩み始めていたように思います。
馬群を引っ張ったのは大方の予想通りジャンカズマ。1000メートル1分3秒台でラップタイムはこんな感じ

13.0-11.7-12.9-13.0-13.1-13.1-13.3-13.6-12.9-12.3-11.7-11.1-11.7-11.8-11.6

典型的な前半超スロー、後半ハイペースの後傾戦になってましたね。
3コーナー1000〜800メートルあたりで後方にいたワープスピードが最内からスルスルと上がって前に取り付いたあたりに川田騎手の判断が見えました。長距離の川田というと、まあ控えめに言ってもアカン以外のナニモンでもないのですけれど、ここまで経験の蓄積を重ねてきたらそろそろ長距離レースのプランニングも精度が高まってきている感があるよなあ。
ともあれ、ここまで後半11秒台を連発するような展開になると、厳しいのがディープボンド。ロングスパートかまして4コーナーでは手応えバッチリで先頭に立とうかという勢いもあったのですけれど、正直この展開、このペースだとキレ負けしてしまう。終始集団の外を回らされたうえに稍重の馬場と、プボくんにとっては厳しいレースになってしまったように思います。過去プボくんが勝ったレースは13秒台が出ないようなレースでしたからねえ、これは厳しい。衰えではないと思うんだけどねえ。まだ春天の本番前で仕上げきっていない所もあったでしょうし。7着でした。

シルヴァーソニックはレース後コメントで武さんが息切れしてたと述べていますね。やっぱりまだ身体がレース仕様にまで戻ってなかったようです。調教の様子などチェックしてる人たちの諸々の意見を鑑みるとそんな感じでしたしね。まあ本番は次です。11着。

サヴォーナは6着。柔らかい馬場で踏ん張りきれなかったか。この馬も馬群の外側走らされていたので、それもきつかったかも。
今回は上位入った馬はみんな内ラチ側を走っていた馬でしたからね。

5着にはゴールデンスナップ。ゴルシ産駒で、長距離の条件戦を地道にあがってきて今回が初重賞の馬でした。連勝してきたわけじゃないんですけれどずっと2着連対は外さずに来ているあたり堅実ですし、ここで掲示板乗ったのは長距離適性の確かさを証明するよい格上挑戦だったんじゃないでしょうか。まだ4歳ですし、いきなりG1は厳しいかもしれませんけれど重賞勝っていって来年には、と将来を期待できそうな感じがしてますよ。

4着にはプリュムドール。OP特別ではいい勝負できるけど重賞だとしんどいかな、という感じの馬だったのですけれど、凄く反応が良くなっててなんかワンランク実力があがった感じがあります。
4コーナーあたりからの和田竜二騎手の合図にこたえてグイグイ上がっていく様子はなかなかの手応えでした。最内1番だったのも良かったのでしょう。
ただ最後の直線、コーナーから外に出てしまったのは和田騎手の言う通りこれは勿体なかったか。直線で上がっていくときに馬群に揉まれて脚が鈍っちゃってますもんね。内側が十分空いていただけに、インをついていたら2着まではあったかもしれません。

3着はブローザホーン。コメントではかかり気味だったということで。前半のスロー展開がこの馬にとっては我慢を強いられてしまったか。そこまで折り合い悪かったようにも見えなかったけれど。実際、最後まで持っていますしね。ただ、そのぶん最後のキレが鈍ったか。
これ、内側をあがってきたワープスピードに押さえられたのも結構痛かったんじゃないだろうか。あそこをワープスピードに押さえられたことで直線で大外に振らないといけなくなりましたし。まあプリュムドールに比べるとそこまで影響はないのかこれ?

2着はワープスピード。前走ダイヤモンドS3着の走りを見る限り、6番人気だったというのが不思議なくらいなんだけれど、これってもしかして長距離の川田騎手、というアレの影響もあったんだろうか。普通は川田騎手が乗ったらむしろオッズさがるんだけれど。
川田騎手の指示に即座に反応して3コーナーで勝負をしかけテーオーロイヤルの真後ろという最適の位置取りを確保し、他の馬を4コーナーで巧妙に外に弾いて、内目の馬場を駆け抜ける。名前通りのワープさながらの軌道でありました。

1着、テーオーロイヤル。もうこれ語ることありますか? というくらいの5馬身完勝。文字通り他馬を寄せ付けず、実質圧勝ですね。先行押し切り、余計なものの入る余地なし。ちょっと想像以上に強い勝ち方でした。今回はもう菱田くん、隙なしの完璧騎乗だったんじゃないでしょうか。
こりゃあもう文句なしに春天は大本命でしょう。ジャスティンパレスはドバイ行ってるし。菱田騎手、初G1の最大のチャンスだ。








第71回日経新春杯 G2 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(特指) ハンデ 京都競馬場2,400メートル(芝・右 外)

久々の京都開催での日経新春杯であります。
年明け最初の大きいレースって感じですね、日経新春杯。
とはいえ、近年はここを勝ってステップアップ、とはなかなか行かず以降燻ってしまう馬も多いのですけれど。

今年は特に、去年の暮に各世代でG1戦線を引っ張ってきたトップランナーたちがまとめて引退しちゃったこともあり、現役世代どうも小粒になった印象がどうしてもあるんですよねえ。
現5歳世代がドウデュース、スターズオンアースの両巨頭以外ではジャスティンパレスくらいしか中長距離以上のG1馬がいないだけに。……ディープボンド、まだワンチャンあるんじゃない、今年?
ボッケリーニとヒシイグアスの8歳も。
まあここから去年のクラシック世代の台頭も期待したいところですが。
そんな現4歳世代で筆頭のリバティアイランドを除くと、やはり注目はクラシック三冠をとったソールオリエンス、タスティエーラ、ドゥレッツァの3頭なわけですけれど、この3頭以外にもクラシック戦線をライバルとして戦い抜いてきた連中がいるわけで、彼らの活躍も期待したいところなんですよね。そんな世代牡馬の中長距離での有力馬と言えるのが。
チャレンジCで古馬を撃破したベラジオオペラ。共同通信杯を勝ったファントムシーフ。札幌記念で2着に入ったトップナイフ。そして今日このレースを出走したサトノグランツ、ハーツコンチェルト。このあたりがクラシック戦線を賑わせた面々でしょう。
実際、この2頭が3番人気2番人気を集めたのですが、彼らを置いて1番人気にあげられたのがブローザホーンくんでした。
この子はまた遅咲きの馬で3歳の時はなかなか勝ち上がれずに9戦目でようやく未勝利を勝ち、1勝クラスを突破したのは暮れの12月。ここで長距離路線に目覚めてとんとんと勝ち上がり、そのまま初重賞の函館記念で3着。ここらへんから新興勢力として認識され始め、続く札幌日経OPで6馬身の圧勝をキメたことで重賞を勝てる馬の新規参入だ! と盛り上がったんですよね。
ところが、続くG2京都大賞典でディープボンドの2番人気にまであげられたものの、レース途中に心房細動を発症してしまい、競走中止。一気に最上位クラスまで駆け上がっていたのが一旦躓いてしまったわけです。
その後病み上がりという事もありじっくりと調整されていたのですが、3ヶ月ぶりの実戦としてこの日系新春杯を選んだのでした。
果たして以前通りの力を発揮し、勢いが失われていないか。本当に重賞クラスの力があるのか。ここから、G1戦線で戦っていける力があるのか。その真価が問われる一戦でもありましたが。



序盤、貫太のリビアングラスとディアスティマ、そしてシンリョクカの3頭による先頭争いが生じたために相当早いことに。先頭争いというか、比較的早めにディアスティマが前に立ったんだけれどシンリョクカとリビアングラスが並んじゃってスピードが落ち着かなかったんですよね。馬場も重めだったみたいだし、消耗戦に。
ここをジワリと前にいるハーツコンチェルト、サトノグランツ、サヴォーナをまとめて差し切ったブローザホーンは一枚実力上でしたね。ちょっと地力が違うところを見せた。これは今後も楽しみな勝ち方。
2〜4着は4歳世代が占めたのだけれど、2着は実績のある上にあげた2頭と違い3歳時はあまり評価されてなかったサヴォーナが同世代を捲くってきた感じ。神戸新聞杯で10番人気ながら2着に入っているし、菊花賞でも5着と掲示板に載っているので、実力に人気と実態が追いついてきたというべきか。3着のサトノグランツがハンデ戦というのもあって57.5キロを背負い、サヴォーナが56キロと斤量に差があったのもあるんだろうけれど、クラシック三強に追いつき追い越せの中ではベラジオオペラに続く位置くらいにはつけたんじゃないだろうか。
グランツはとりあえず菊花賞10着の大敗からは立て直せたんじゃないかと。ハーツコンチェルトも外外回らされての4着は悪くはなし。ただ新馬戦以来勝ってないのも確かなんで、とりあえず2勝目欲しいわなあ。






第58回京都大賞典 G2 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(指定) 別定 京都競馬場2,400メートル(芝・右 外)

3日間開催の3日目。祝日とはいえ月曜日に競馬は不思議な感覚だなあ、未だに。
さて、京都大賞典と銘打ってますが京都でやるのは3年ぶり。去年一昨年は京都競馬場改修中のために阪神競馬場での開催でしたからね。久々の京都競馬場での京都大賞典だー。

とはいえ、その「改修」によって地味にコース形態。特に外回り4コーナーの特性が変わっていることは忘れてはならないのだろう。
旧京都競馬場では4コーナーの急角度のせいでぱーっと馬群が広がって前が広く空いてたんですけどね。カーブが安全のためにゆるくなったために4コーナーでそれほど馬群がバラけなくなった。これが地味に大きくて、京都競馬場での傾向が変わってきてる部分もあるんだよなあ。
っと、さて参戦メンバーですけれど。微妙に人気バラけたなあ。
G1でおなじみのメンバーが揃ったといえば揃ったのですけれど、同時にG1で勝ちきれないあと一歩二歩で手が届きそう、というメンバーが集まったんですよね。

1番人気はおなじみディープボンド。2番人気にはこちらは新進気鋭。連勝で挑んだ函館記念で3着に入って重賞で戦っていける力を示した上で次のリステッド競争札幌日経オープンを6馬身で圧勝して再び重賞に挑戦してきた馬体414キロの小さな騎行ブローザホーン。
今一番プボくんと並んでG1に最も近くしかしなかなか届かない馬であろうボッケリーニが3番人気。
4番人気は長くシルバー・ブロンズに留まり続けたコレクターだったがついに目黒記念を勝って重賞ウイナーへの仲間入りしたヒートオンビート。
そして5番人気に青葉賞勝利以来常に善戦しつつそれ以上に行けなかったプラダリア。
6番人気に唯一のG1馬、ヴェラアズール。
この6頭までが一桁倍率でせめぎ合っていただけに、人気ほんと割れてたんでしょう。

ディープボンドは思ったより位置後ろだったなあ。溜める競馬を試したかったみたいなコメントがあったけれど、3コーナーからの下りで加速はしていたんだけれど願わくばもう少し勢いよく上がって行ってほしかったね。この行き足ならやっぱりもう数段前で競馬したほうが良さそうな。それでも、最後までじわじわ着実に伸び続けるあたりがディープボンドらしかったです。3着は着実だ。

勝ったのはプラダリア。今回は相当に調子も良かったみたいで、勝つべき時に勝てたんじゃないでしょうか。鞍上の池添騎手、グイグイ伸びてきたボッケリーニを上手いこと逃げから落ちてきたアフゴくん使って塞いで、一番ここ!という時の仕掛けのタイミング潰してたの、うまいですわー。
そろそろプラダリアも、G1で勝ち負けと行きたいところ。でも、ガチのG1の怪物たちと比べるともう1段格がほしいよなあ。
ボッケリーニ浜中くんはまたぞろここぞという時に塞がれて、これは忸怩たるところでしょう。それでも、即座にプラダリアを跳ね飛ばして進路こじ開けた所に浜中くんの二週連続やられてたまるかっ、という気迫を感じましたねえ。脚もボッケリーニの方がありましたし。まあ斜行で過怠金取られちゃってますけど。
ところが、コメントによるとここで前に出たことでボッケリーニがソラ使っちゃったのか。先に抜けてしまうと気を抜いちゃう所がある、というのはこれ難儀なくせですよねえ。この子が能力あるのに勝ちきれないままここまで来ちゃった原因の一つなんだろうなあ。2着多すぎですもんねえボッケちゃん。
ブローザホーンはレース中に心房細動を起こしてしまい、途中でレース中止となってしまいました。幸い、かなり軽かったみたいですぐ回復、飼い葉も食べられてたみたいなので良かった。まだまだ4歳でこれからの馬ですし、次頑張ってほしいものです。









 

10月8日

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10月7日
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10月6日
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10月2日
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9月30日
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        スクロール用の仮テキスト
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