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ベン・トー

ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円4   

ベン・トー 11 サバの味噌煮弁当【極み】290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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狼たちの集大成!
半額弁当争奪戦、ここに極まる!!
半額弁当バトルに青春を賭ける佐藤洋は魔導士に拒絶され、涙する槍水を見て以来、HP同好会の部室へ向かう足が遠のいていた。そしてその夜を境に佐藤、槍水共に弁当の奪取率が急激に落ち込んでしまう。この状況を変えるために、白粉は一人魔導士へ戦いを挑むのだが…。そして悩める佐藤が狼として、男として槍水に告げた決意とは…? 「最強」の称号と【極み】と名付けられた弁当を手にするため、今、狼たちが集結する! 半額弁当をめぐる青春シリアスギャグ・アクション、史上最大の特盛りで贈るクライマックス!!

ちょっ、ちょっと待て。もしかして、狼を極めてしまうと必然的にスーパーの半額神へとクラスチェンジしてしまうのか!? 最強へと至った狼の就職先はスーパーなのか!?
実は先刻読んだ【ベン・トー】の漫画版でチラッと未来編みたいなパートがあったんだけれど、これは茉莉花の夢、という形にはなっているのだけれど、オルトロスの二人も半額神になってるんですよね。今回明らかになった、狼の前代とも言うべき「騎士」たちの頂点に立った男の征く果てを見てしまうと、さてはウィザードも将来半額弁当争奪戦に携わる職業についてしまうのではないかと想像してしまったじゃないか。日本みたいなスーパーの形式を持たないアメリカなどでは、半額弁当争奪戦などは無いそうなのだけれど、そこはウィザードがどうにかしてしまいそうな。なにしろ、天才だしな!!

その天才様の顔を青くさせた白粉は、間違いなく今回のMVPだったんじゃないでしょうか。もしかしたら、ラストの魔導士との最終決戦よりも、白粉の死戦の方が熱かったかもしれないというほどに。正直、白粉があんなにかっこよくなるなんて想像だにしていませんでしたよ。もうずっと「モンスター」化してしまっていたのに、最後の最後にあんなに覚悟決まった誇り高き狼になるなんて、ズルいよ。
覚醒した白粉の能力もまた凄まじかった。あれ、単純に弁当をゲットするだけなら、魔導士に勝ててましたし。能力を悟られるまで、実際圧倒してましたし、取れる場面もありましたから。ってか、もはや弁当争奪戦という舞台で使うには能力のスケールがパなすぎるよ!(笑
まあ、スーパーという限定空間でしか使えない能力だろうから、まさに弁当争奪戦にしか使えないんだろうけれど。白粉の敗因というか、魔導士が指摘するところの彼女の狼としての足りなさは、結局「食べたい」という飢餓感の少なさなのかな。彼女は最初から空腹に対する飢えた感覚、美味しい弁当を食べたいという意気が他の狼に比べて薄いところがありましたし。彼女が「腹の虫の加護」を十全に受ける事ができるようになったら、とてつもない狼になれそうなんだがなあ。肉体的な弱さってのは、この半額弁当争奪戦の場合概ね「腹の虫の加護」で克服できるものらしいのは、白粉以外の女性陣がまったく力勝負で引けをとってないことからも明らかですし。

しかし、今回は魔導士との戦い、最強の称号を巡る動きがあまりにも中心すぎて、「うまい弁当を食べるコトこそ至上」という物語の芯とのバランスが非常に危ういものだった気がします。確かに、佐藤の勝利の要因はうまい弁当を食べたい→誰かと一緒に食べる弁当こそ最高の味、という結論で、主題こそ貫けていましたけれど、どうしても最強の座や、恋愛修羅場が話につきまとい続けていたので、戦う理由の研ぎ澄まされ方がぼんやりしていた感じなんですよね。その意味では、広部さんの回に比べて純粋さに欠けてしまうし、逆に戦いの価値がメインだったオルトロス回と比べても、戦う人たちの心に余分が多かった気がする。そもそも、肝心の魔導士がラスボスとしてはやや下衆になってしまって、品格を落としてしまってたからなあ。図らずも、2巻のモナークことパッドフットと似たような雰囲気になってしまった気がする。そのパッドフットが今なお狼として健在で、佐藤と一緒に弁当を食べるシーンに至ったのは、ちょっとじゃなく感動してしまいましたけれどね。
場に出れる人は集えるだけ集まり、出れない人もその最強を決める最後の戦いに思いを馳せ、はじまった最終決戦。これは火が盛り上がるというよりも、聖火リレーみたいな感じで、最後の魔導士と佐藤の激突まで戦いの中でも皆が橋渡ししていくような雰囲気で、そうですねえ、劇場版のクライマックスシーンみたいな流れそのものでした。だから、幕が引いていくのをぼんやりと見送っているような感覚でしたね。
なんだか興奮するよりも、終わっていく感じが……寂しかったです。
個人的に、圧倒的に著莪派だったんで、先輩エンドは佐藤の気持ちは本気度はともかくわりと一貫していて納得は出来ましたけれど、だからといって嬉しくはなかったですね、こればっかりは正直な気持ちとして。著莪の内助を見てしまうと尚更にねえ。先輩、全然気持ち向いていませんでしたし、ずっとヘタレたまんまで狼としてもヒロインとしても見せ場らしい見せ場は殆どありませんでしたし。
むしろ、白梅ルートもありだったんじゃないか、と思える今回の白梅さん。いや、恋愛的に脈ナシなのはわかってるんですけれど、バレンタインでチョコくれたあたりから彼女の佐藤への当たりがものすごく柔らかくなってて、さらに今回のあの態度でしょ? ガチレズだけれど、結婚くらいならしてくれるんじゃないか、とか思っちゃうじゃないですか!!(逆ギレ

ちなみに、佐藤がついに魔導士に打ち勝つ「真理」に辿り着いたのは、狼としてでも先輩への想いゆえでもなく、ひたすらに「真のセガユーザー」だったが故、にしか見えないのは自分だけだろうか。
いやだって、ようやく得た最後の答えを語るシーン、ほとんどセガ語りだったじゃないか!! セガを愛する心こそが、佐藤洋を魔導士をも上回る真の騎士の高みへと導いたようにしか見えない。つまり、セガ最強! というのが、このベン・トーの結論だったんだよ! って、弁当全然関係ねえ!! 
つまり、このベン・トーの真のタイトルは「セガガガ2!」だったんだよ!
……お後が宜しいようで。

物語的にはここで終わってもおかしくないのだけれど、どうやら最終巻はもうひとつ先の模様。もう少し続くんじゃよ、ですか? こっから、どう収集つけるんだろう。

シリーズ感想

ベン・トー 10.恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円5   

ベン・トー 10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 10.恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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甘いだけじゃ、満足できない。
狼たちのターゲットはビター&スウィートな半額弁当!
そして乙女たちのイベントをきっかけに起こる事件とは…!?

半額弁当バトルに青春を賭ける佐藤洋は、節分の日限定の特別な弁当『鬼斬り弁当』に狙いを定めるが、そこへ新たな狼が現れる。「退魔師」という二つ名を有するその狼は弁当だけではなく、なんと白粉を標的として現れたのだった。さらに白粉につきまとう悪しき虫がついたと認識した白梅が介入し、状況はより混乱する一方に。そんな中、間近に迫ったバレンタインデーを前にそわそわする佐藤に、槍水は予定を空けておくように言うのだが…!? 庶民派シリアスギャグアクション、狼たちの想いが交錯する第10巻!!
あれ? これ誰だ? と思ったら、帯の方に書いてあった。って、ウルフヘア!? ちょっ、茶髪差し置いてお前が表紙飾るんかい!!
いや、でもこの娘最近にいたっては確かに茶髪よりもよっぽど出番増えてきていましたし、今回なんぞ殆ど準メインクラスで出ずっぱりでしたからね、この抜擢もありなのではないかと。しかし、中の挿絵でもまだ描かれてなかったんじゃないかな。思ってたよりもずっと可愛かった。実際、この娘性格もかなりマトモな部類で可愛いんですよね。男勝りのワイルド系なのかと最初の頃の印象で思っていたら、意外なほど優しくて情に厚いし、人の良さも見受けられて、けっこう「佐藤くん佐藤くん」と懐っこく佐藤にも接してくる。この「佐藤くん」の君付けが何気に新鮮というかポイントなのです。これが呼び捨てだったら、ここまでキュンとは来なかったでしょう。この娘、同じ学校なんだからハーフプライサー同好会に入ってもおかしくなさそうなんだけれど、なんでか縁がないというか、佐藤たちにも彼女を加えようという発想がないようなので、仲間入りとかはなさそうだなあ。
さて、本編の方ですが相変わらず濃厚というか濃密というか、なんか読んでて実質二冊分あったんじゃないか、というボリューム。実際、毎度のごとく嵐のように削りまくったそうで、随所に「この話はまた別の機会に」と、面白そうなネタがトバされてしまってるパターンが見受けられて、別の機会って何時なんだよ!! と頭掻き毟りたくなります。いやもうほんとに面白そうなんですよ、そのトバされたネタが。絶対笑えるに決まってるのに。もう一冊出すごとに、削ったネタで短篇集か掌編集も一冊作ったらどうなんだ、と言いたくなるほど。
しかし、今回は退魔師編とバレンタイン編と本当に大まかにニ編に分かれていたものだから、退魔師編があらかた片付いたあたりで、そろそろ終わりかと思ったらまだ半分近くページが残っていたときには「うおっ」と素で驚きましたね。もうガッツリ一冊読み切った気で満足してましたから。この大盛り感はお得だわなあ。

前半の退魔師編は、東北の金糸雀の歌につられてやってきた新たな狼、退魔師がよりにもよって白粉につきまといだすという、ある意味飛んで火に入るなんとやら、の展開だったのですが、何気にいつもの腐った思考に走るのではなく、白粉が熱くなっていたのが印象的な話でした。白梅が首を突っ込んだせいでそれどころじゃなかった、というのもあるんでしょうけれど、というか普通にけっこう白粉クリーチャーなネタはふんだんにあったはずなんですが、あの程度ではもうなかったも同然に動じないあたり、相当読んでる此方にも腐海が侵食してきているような気がします。しかし、白粉も当初からトリッキーな狼としての資質は見せていましたけれど、ここ数巻での半額弁当争奪戦での成長っぷりは見間違いではなかったらしく、ついに【幽霊(ザ・ゴースト)】の2つ名が彼女にもつくことに。サラマンダーを出しぬいたときのように、ハマった時の白粉はちょっとすげえ格好良いんじゃないか、と思えるくらいにキレキレのハンティングをするようになったもんなあ。
白粉も二つ名持ちに成長するのにあわせるように、佐藤の変態振りがそろそろリアル犯罪の領域に突入してきたような気がするんですが……。まだ以前【変態】の二つ名がまかり通っている時期のほうがまともだったぞ。あの頃はまだ偶発的、事故的に変態行為に走ってしまっていた傾向があったのに、最近ときたら思考が完全に危ない変態そのものである。今なら二つ名が【変態】でも何も違和感がないんですがw もう気を失っている白梅への変態行為が、筆舌しがたいもので、こいつ極めてやがる。なぜそこで自分が脱ぐという発想にすっ飛んでいく!!w
肝心のスーパーでの戦いでは、久しぶりに二階堂と佐藤の「ツードックス」が見られて大満足。やっぱり、このコンビいいわー。今や【カペルスウェイト】という二つ名を得た佐藤ですけれど、この戦いではもう一度「ツードックス」に立ち戻っての共闘コンビ戦。この二人を見て白粉が猛るのも、段々と理解できそうになってきてしまったぞ。

さて、後半は恋の炎が燃え盛るバレンタイン編。重ね重ね不思議なんだが、この極まってる変態がなぜか「リア充」なんですよね。後半のバレンタイン編でのチョコレート回収率の高さは、普通に笑っちゃうほどなんですけど。いや、意外とみんな「普通」にチョコくれるんですよ。ギャグとか仕方なくとかじゃなく、普通に自然に女の子たちが佐藤洋にチョコをあげてくるのです。なにこのボーナスステージ。
特に白梅さんとか、これ何気にガチじゃありません? 本人は白粉一筋ですし、そんなつもりはないのかもしれませんけれど、義理チョコにしたって彼女、佐藤以外には誰にもあげてないんですから。そりゃ、周りも勘違いしますって。普通に見たら、マジチョコにしか見えないですもん。
一方で、マジで恋話に発展したのが、オルトロスのまともな方こと妹の沢桔鏡。前々から彼女の二階堂への態度にはそれっぽい雰囲気がちらほらとにじみ出てたんだけれど、バレンタインに託けてこれほど直球でアタックしてくるとは思わなかった。まさに青天の霹靂!! 相変わらず二階堂はモナークの人妻松ちゃんに未練タラタラで、店員である彼女のチョコがオマケでついてくるバレンタイン弁当にご執心なんだけれど、それを知ってなお覚悟を決めて勇気を振り絞って、チョコと同時に告白してのけた鏡の、恋する女の子の頑張りには思わず感動。うわー、いいなあ、こういうのいいなあ。ちゃんと告白込みで受け取ってもらえた後、姉の胸で思わず泣いちゃう鏡の姿に胸キュンですよ。こういうこっ恥ずかしいくらいド直球の恋話も書けるんだから、侮れんよなあ、この人。しかし、このシーンがあとで対比となって効いてくるとはこの時点では思いもしなかったのですが。
女子高生が純真無垢な恋心をキラキラと輝かせる一方で、こちらの小学生は妖艶極まる色気でもって迫ってくるわけで、世の中いろいろ歪んでくる。相変わらず、槍水茉莉花のエロさは頭ひとつ抜けている。小学生にも関わらず、なんだこの圧倒的な妖艶さは。完全に魔性の女そのものじゃないか。これ、佐藤じゃなくてもロリコンじゃなくてもヤバいですよ。陥落しますよ。食べられちゃいますよ、小学生に。
「センパイ、早く……お姉ちゃん帰ってきちゃう」
「センパイ……今の、大胆です」
「ふぁあっ、そこっ! センパイ……センパイッきちゃうっ! あっ、もうっ……もうっ!」
おまえら、いったいなにをやってるんだw
この小学生に負けず劣らず、最近やたらと婀娜っぽさを垣間見せて来るのが、幼馴染の著莪あやめ。出番は決して多くないんだけれど、彼女の場合逆に存在感が大きすぎて出番が多いと他ぜんぶ食っちゃう傾向があるんですよね。だから、出番が少なくても出てしまえば強烈な印象を残していく。
ここしばらく、佐藤と著莪の関係というのは非常に土台がぐらついてきていて、著莪も思うところあるのか微妙に佐藤に対する当たりを変えてきているんですよね。自分との恒例行事を差し置いて、槍水センパイとの約束を優先してしまった佐藤に対して、表立って文句は言わないものの露骨に拗ねたような、不満たらたらのような、寂しそうな顔をみせもって、何かをやきつけるように濃厚なキスマークを彼の首筋につけて送り出したあたり、ちょっと壮絶なくらいの女の情念がかいま見えて、なんか凄かった。
佐藤もそろそろ、自分の身辺についてちゃんと考えるべきなんだろう。まあ、槍水先輩のあの無自覚な無防備さにコロッと行ってしまっていたのも仕方ないんですけどね。あの人は、男心を全然理解してない節があるからなあ、妹と違って。あれだけ男に期待を持たせて、餌を見せびらかして、結局食べさせてあげないとか、あれはあれで妹と違うベクトルの悪女ですよ。
槍水先輩の想いの先については、多分そうなんじゃないかな、という素振りがあったんでその意味では意外と言うよりもやっぱり、という感が強かったのですが、ウィザードの態度はあんまりっちゃあんまりだわなあ、あれは。いやでも、突き放すような言葉とは裏腹に槍水先輩の頭を軽くポンと叩く仕草は優しさが垣間見える気もする。金城先輩も決して無神経な人でないのはこれまでのエピソードで示されていたと思うので、彼があれだけの態度に出るだけの何かが、やはりHP部崩壊の際にあったのでしょう。烏頭みことと槍水先輩の関係の拗れというのは一端にすぎないんだろうなあ。ついに、長年の懸案であったHP部の過去に踏み入る展開になるか、これは。
考えてみると、佐藤洋が本気を出すのはいつだって自分が報われるためではないんだよなあ。ならば、これもまた必然か。

アサウラ作品感想

ベン・トー another Ripper's night4   

ベン・トー another Ripper's night (愛蔵版コミックス)

【ベン・トー another Ripper's night】 漫画:柴乃櫂人/原作:アサウラ 愛蔵版コミックス

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半額弁当を奪い合う戦場に雨の日にだけ現れ、他の狼たちに切り傷を残して誰にも見られずに弁当を奪って行く謎の『狼』、「ジャック・ザ・リッパー」。そんな噂を聞き、興味を持った著莪あやめはひとり調査をはじめる。不可視の狼の意外な正体とは…!? 一方、双子の狼「オルトロス」も「ジャック・ザ・リッパー」に目をつけ動き出していた――。コミックだけでしか読めない誇り高き『狼』たちの半額弁当争奪戦!!
半額弁当争奪戦【ベン・トー】のスピンオフストーリーを、原作のイラストレイターである柴乃櫂人さんが漫画として描いた第二弾。第一弾が、まだ漫画としてこなれていない部分が多々見受けられたのと比べても、この二巻はあれ?と思うような違和感が綺麗に消えていて、抜群にうまくなっていた。元々原作の挿絵も手がけているだけあって、描かれるキャラはそのままだし、長い付き合いでもあるのでキャラの特性も充分に掴んでいるため、ベン・トーの漫画化としては非常にスムーズかつ自然な出来栄えになっている。アニメはあれでちょっと独特の路線に進んでしまった分、この漫画の方はそれだけ原作に親しい映像化、とも言えるだろう。その上、この第二巻は元々アサウラさんが原作用のプロットとして仕上げた脚本を元にしているため、ボツネタとして日の目をみないはずだったお話を読める、ということで多重に美味しい話でございました。
主役は、本編では出ると鉄板ヒロイン過ぎて存在感がありすぎるために何気に出番を減らされている感のある著莪あやめ。そして新登場のゲストキャラは雨の日にだけ現れるという謎の切り裂き魔「ジャック・ザ・リッパー」。そこに、強者を付け狙うオルトロス姉妹も絡んできて、と狼という存在の孤高さと誇り高さ、そしてただひたすらに弁当を欲し、戦って勝ち取ったが故の、そして誰かと食べる美味しさをこれでもかと堪能できる実に【ベン・トー】らしいストーリー。著莪の何気に面倒見よくて好奇心旺盛なところや、最近シモネタ連発の変態さばかりが際立ってる沢桔梗のオルトロスらしい怖さと、オルトロス姉妹が常に求めていると同時に与えようとしているものが存分に描かれていて、実に満足でした。色んな二つ名持ちの狼が出てきてますけれど、そんな中でオルトロスは未だにキャラの濃さでも、過去のトラウマから現在に繋げ求めようとしている狼としての在り様も、頭ひとつ抜けて別格ですからね。ラスボスとしても頼もしい仲間としても火花散らすライバルとしても、どんな立場にでも立てるオールマイティさには瞠目するばかりです。あと、他の追随を許さない女子型変態性についてもw まあこれについては妹の鏡は完全に姉の煽りを食ってますが。妹は普通なのにw
ともあれ、一冊完結で大変おもしろかったです。ラスト近辺の著莪とジャックが同じ弁当の袋の持ち手と持ち手を持って、手をつなぐみたいにして歩いているシーンは出色でした。良かった良かった。

ベン・トー 9.5 箸休め~濃厚味わいベン・トー~4   

ベン・トー 9.5 箸休め~濃厚味わいベン・トー~ (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 9.5 箸休め~濃厚味わいベン・トー~】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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欲深い、味わい。
狼たちの至極の箸休め!

半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、冬休み明けの部室で槍水の掃除を手伝うのだが、そこで起きたアクシデントをきっかけに禁断のフェティシズムの世界へと飛翔することになり…!? そして白粉が初体験した年末年始のビッグイベントにおける豊潤なエピソードや、それを見守る白梅との過去が明らかに!
書き下ろしの他にウェブ掲載された短編や、雑誌掲載の『間食版』、白粉花の新作『獣道』をアツくレビューする『ANの5時の読書会』まで収録! 様々な意味で濃厚に仕上げた(当社比)庶民派シリアスギャグアクション、狼たちの欲望うずまく9.5巻!!
先の短篇集【箸休め】を、箸休めというには厚いし濃すぎるよ! と喚いたら、今度の短篇集は濃厚と自ら銘打っていた(笑
今度はサブタイトルに偽りなく、濃いは厚いは……そして味わい深いなかなかしっとりとしたお話もあり、と何だかんだと盛りだくさんで、これもまたパーティーサイズとでも言うのか。


【ボーダーをブレイク】

佐藤が基本的に白粉と対して変わらない高レベルの変態だというのを改めて実感するまでもなく奴は変態なのだけれど、それでもなお変態性を畳み掛けてくるあるフェティシズムの局地を、しかし局地と見せずに平常運転で運行している事が尚更に変態性を極めて居るのだということを実証している実録挿話である。
槍水先輩の太ももをモミモミ。
女性の御御足を蹂躙したことはともかく、その感覚を後生大事に寮にまで持ち帰って長く反芻するつもりだった佐藤キモいw
揉む奴も揉む奴、揉まれるヤツも揉まれるヤツ。さり気なく先輩も無防備なので、あらゆる場面で反対の餌食になっているのである。この人もその内悪い男に引っかかりそうだな。ウィザード、なんとかしてやれ。

【簡単な質問】
沢桔梗は末期である……。
この人、ホントになんでこんな得体のしれない方向性に突っ走っちゃったんだ? 「どうしてこうなった?」の実例である。最初からこうだったのなら、なおさら嫌だなあ。しかし、この姉は恋人は姉妹で共有というのは考慮するまでもない自明の事実以外の何物でもないのか。それはそれで凄いが完全にエロマンガの住人である。鏡の苦労が偲ばれる。が、妹が逃げ出さずに何だかんだとこの姉といつもいっしょにいるのは、この面倒くさいほど手間のかかる姉が好き、なのか姉の面倒くさい世話がかかる部分が好きなのかは興味の湧く部分である。もし後者だったならば、案外男の趣味も姉に似た面倒くさい男なんじゃないだろうか。自分では、自分と一緒になって姉の暴走を食い止めてくれる自分側のタイプ、と言っていたけれど。私は、案外高清水くんはこの姉妹と波長の合うタイプの男だと思うのだが。性欲はまあなんとかなる……ならんか。やっぱり、佐藤とその寮のメンツくらいの変態性がないと持たないのか。


【有明の狼】
白粉の夢とは言え、それだけ半額弁当奪取戦とこのお祭りには共通性があるということなのか。レギュラーが茶髪、坊主、顎髭だというのは、白粉の認識の中で彼らの比重は他の二つ名持ちの狼たちよりも大きいからなのか、単に身近だからなのか。顔見知り程度、という距離感がいいのかな。


【間食版4 その存在価値】
間食版は、槍水先輩が新米のぺーぺーで先輩たちに囲まれて居た頃のお話である。こうして見ると、槍水仙って烏頭というひねくれた先輩に、最初はちゃんと可愛がられてたんですよね。性格は悪いけれど、烏頭は烏頭なりに仙を育てようとしていて、仙もそれに応えている。理想的な先輩後輩とは、相性も良くないし、行かなかったんだろうけれど、それでもちゃんとした先輩後輩ではあったんだな。
あと、酢豚とパイナップルの関係は知らなかったよ!!


【白粉花の年末】
……血迷ったことを言うようだが、【獣道】って凄く面白そうじゃね? アンさんの紹介記事が抜群に上手いからなのか、普通に白粉の本が面白いように見えてしまったw
そして、白梅が持ってきてくれたサンドイッチとサラダの美味しそうなこと美味しそうなこと。ただのサンドイッチとサラダのはずなのに、なんでこんなに美味しそうに描写できるんだ!?
どん兵衛の描写も去る事ながら、この作者の美味いもの描写はオリジナル弁当のみならず、むしろこうした普段から食べて味を知っている軽食やジャンクフードの時こそ引き立つのかもしれない。

【だいたいいつもそんな感じ】
佐藤と著莪の平常運転だそうである。特にオチやら前フリがあるわけでもない日常ネタだそうである。
何と凄まじい日常生活風景だよ!!
 佐藤の両腕が著莪の胴にゆったりと巻き付けられてきた。
「……なんだよ」
 佐藤は応じず、膝立ちのまま寄りかかるように体を密着させると、著莪のうなじに唇をつけるように長い金髪に顔を埋めてきた。鼻から大きく息を吸い、そして吐き出した彼の吐息がくすぐったい。
「少し……こうしていたい」
 あまりはっきりとは言わなくても、佐藤がこうして自分の髪に鼻をうずめて犬のように匂いを嗅ぐのが好きなのは、著莪も流石に知っている。だが、ここまでストレートにされたことはあまりなかった。
 著莪はグラスを傾けながら苦笑する。
「別にいいけど、今日のは佐藤のと同じシャンプーとトリートメントだよ」
それでも……こうしていたい。それはいつものような張りのない、佐藤の声。でも、耳のすぐ近くで囁かれると、どこか重みがあるように聞こえた。
他に誰もいない家の中で、二人きり、しかも風呂あがりという状況でこのしっとりとした空気感。ってか近い、距離感がチカすぎるよ、あんたらは!!
この後、普通に二人ちゅっちゅしてますし。キスするくらいはもうなんでもない事なんですよね、この二人。

【やっぱりいつもこんな感じ】
ノーブラTシャツ一枚とショートパンツの著莪と一緒にお風呂に入って抱き合うお話。
いやマジでw
結構……いや、滅茶苦茶エロいです、この話。著莪と佐藤の二人の話は大概エロいんですが、そろそろ限界突破しだしてる。ってか、エロ漫画の領域です、もう。

【間食版 特別編 いい塩梅】
ウィザードこと金城って、わりとくたばってるシーンの印象が強い。最初期の、弁当をダッシュしたものの力尽きて路端で倒れ伏しながら弁当を食ってた、というシーンが焼き付いているからか。倒れても倒れても弁当を離さない、という姿が結構ウィザードのイメージアップに貢献しているような気がする。ああいう姿勢がないと、容易にスカした兄ちゃんになってしまいそうなくらいスタイリッシュで格好良い人だもんなあ、金城って。

【波の音】
著莪と佐藤が二人で遠出して初日の出を見に行く話。この話で著莪と佐藤が、物心付く前から普通にチュッチュしていたという事実が明らかになる。というか、高校生になった今でも同じようにチュッチュしていることが明らかになる。ってか、初日の出を見ながらチュッチュする話である。
……さて、一体誰がどのようにしたらこの二人の間に割って入れるんだ? 


【白梅梅】
白梅梅の愛情が、決して浮ついた思春期の迷いだったり勘違いだったりするのではなく、人生を賭けた熱量の賜物だというお話。その恋は本気であり、その愛は本物である。たとえ、それが同じ女性へ向けたものであったとしても。たとえ、未来に待っているのがどれほど困難で世間から認められない苦行の道だったとしても、既に覚悟は完了しているのでありました。ここまでガチで、冷静に理性的に覚悟しているのなら、むしろ応援したくなる。いいんじゃないですか、その道を征くは。梅さんは、けっこうイイお嫁さんになれるタイプの人だと思ってたんで勿体無いっちゃ勿体無いのだが。ってか、唯一彼女だけは佐藤とくっつける可能性があると思ってたんですけどね。梅なら、著莪も咥えたまんま佐藤を踏みつけられるし……って、発想が沢桔梗の方に走ってる走ってるw
ところで、本作ってちょっとアレを思い出します。
【バニラ A sweet partner】。作者のアサウラさんのベン・トー以前のガチ百合ガンアクションピカレスクロマンの良作。またこの頃からすると随分と違った道に進んだものだなあ、と感慨深い。また、こっち方面も読んでみたいところですけどね。


シリーズ感想

ベン・トー 9.おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円5   

ベン・トー 9 おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円 (ベン・トーシリーズ)

【ベン・トー 9.おかずたっぷり! 具だくさん! 香り豊かな欧風カレー弁当すぺしゃる305円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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おかずたっぷり!ご一緒にいかがですか?
HP同好会、冬の雪山合宿!
そして奇跡のイベントが…!?
半額弁当争奪バトルに青春を賭けるHP同好会は正月明け、冬の合宿へ向かう。槍水仙の愛妹・茉莉花も同行し、佐藤の心は密かに躍る。しかしその合宿地では元HP部の《大厄の闘牛士》と呼ばれる狼が待ち受けていた。彼は槍水と深い因縁があるのだと言うのだが…。さらに佐藤たちは《ギリー・ドゥー》こと禊萩真希乃とも再会を果たし、田舎のスーパーは激闘の最前線と化す! そんな中、茉莉花と佐藤がゲレンデでアクシデントに遭ってしまい、そして…!?
雪山に響く狼たちの咆哮! 香辛料が青春にピリッと効く、庶民派シリアスギャグアクション、第9巻!!
これでも結構ライトノベルは読んでいる方だけれど、この作者は本当に頭がおかしいと思ったのは古今を鑑みても三人しか居ません。川上稔、ろくごまるに、そしてこのアサウラ先生であります。
もうね、一方向ならまだしも、変態としても狼としても物語としても、多方向にキ印に至っちゃってて一体これ、何処に行こうとしているのか、何処まで行こうとしているのか。いろいろな意味で限界を探求しすぎだろうw
ともあれ、本巻のカラー口絵を開いてそこに描かれていた狼の姿を目の当たりにしてしまった時の、あの逆流してきたかのような筆舌しがたい感覚を、いかに表現していいものか恥ずかしながら全く思いつかない。思いついたらついたで人間としての大切な何かを踏み外してしまいかねない気もするのですが。
いやあ【ベン・トー】でけったい極まる狼が出てくるのも、狼のみならず変態についても大概こう、慣れてきたつもりだったけどさ、まだまだ全然舐めてたわ。あのビジュアルは、ホントにありえんて。思いつかんて。想像できへんって。ドヤ顔で「いいだろう、俺も本気を出そう。大厄の闘牛士、その名の意味を知れ」と物凄い格好良いセリフを吐いて、実際このシーン、クライマックスもクライマックス。物語も最高潮に達した最高の燃えシーンなんですけど、絵で見ると何度見ても吹く。笑ってしまう。思い出しても笑ってしまう。
明らかに、見えてる光景が狂ってるw
これを本気でやってるんだもんなあ。実際、茶化しようのないくらい真剣で熱い勝負なんですよね。劇燃えも激燃えなんですよね。
やっぱり、こんなの書く人、頭がおかしいとしか言いようがない。

という訳で、今回は年も明けての冬休み。以前からいくども話題に登っていたHP同好会の冬合宿がこの度の舞台である。かつて、槍水仙が腰巾着の異名を返上し、そして彼女を残してHP部が崩壊した発端となったという因縁の冬合宿。その出先で待ち受けるのは、かつてのHP部のメンバーであり過去に起こった悲劇を精算するために槍水への復仇を目論む【大厄の闘牛士】秋鹿雅であった。
と、以前からこの物語の最大のミステリーであり、根幹を担っているとも言えるHP部崩壊の真実が明らかに……なりそうでならない!! 秋鹿さんの物言いだと、別に槍水仙に対して恨みを抱いているとかそういうんじゃないっぽい。それどころか、自分が彼女を倒し、さらにウィザードを倒して最強の座を手にすることで、槍水先輩に科せられた何かを取り払おうという親心ならぬ先輩としての優しさが言動の端々から見え隠れするのである。尤も、槍水先輩その人は単純に他のメンバーとは決裂してしまい意趣を抱かれている、と思っているようで、心当たりはなさそうなんだが。
あるトラブルから結局、槍水先輩と秋鹿先輩との直接対決はお流れになってしまったものの、ここで漢を魅せるのが変態・佐藤洋である。最初は眼中にすら入れて貰っていなかった彼が、槍水先輩の教え子であり秋鹿から連綿とつながるHP部の栄光を担う後継者であることを認められ、死力を尽くして戦いながらも敵としてではなく、先達と教え子として教授し学びながら勝負を昇華していく光景は熱いと同時に感動すら覚える輝かしさだった。
そして、HP部を離れ、学校を卒業してなお置き去りにしていた心残りを、可愛い後輩である槍水の救済を、佐藤に託す秋鹿の無念と安堵の篭った清々しい敗北感が、また心に沁みるんだ。これほどの重く熱い決意と信念を、覚悟と後悔を……託せる相手に巡り合えたというのは、どういう気持なんだろう。わからないなりに、それも男の本懐なんだろうなあ、と思い馳せるばかりだ。

その託した相手は、生粋の変態なんだがな!! やっぱりこいつ、カペルスウェイトなんてイカシタ異名なんかじゃなくて【変態】で十分だよ!!
しきりと自分はロリコンなどではないと強調し、槍水茉莉花は幼すぎてあと1,2年は経たないと手は出さないぞ、と断言する佐藤洋。
だが待って欲しい。だが待って欲しい。
……槍水茉莉花は、現時点で満十歳である。
一年や二年経ったところで、まだ小学生だろうがこらーーーー!!!!
こいつ、この野郎、小学生を襲う宣言を堂々としやがったぞこの野郎!!!ww

そして、一、二年すら待つこと無く、本当にやりやがったこの変態ww マジでやりやがったww

こ・い・つ・は〜〜〜〜

ピッキングツール片手にガチで夜這いかけようとしている時点で既にアウトにも関わらず、ガチでアウトなことしちまいやがりましたよ、先生。もはや、再アニメ化など眼中にもないと言いたげな暴挙である(笑
これについては、茉莉花が魔性の女すぎる、という点も考慮に入れないといけないかもしれない。まさか、著莪の最大のライバルが槍水先輩ではなく、幼女・茉莉花だったとは。
ぶっちゃけ、佐藤と著莪の仲というのは既に一線越えたところで癒着ちゃって引き剥がすと死にそうな勢いなんで、他人が割って入る余地など何処にもないのですけれど(詳しくは公式サイトの短編を御覧じろ)、それでもなお可能性があるとすれば、この幼女である。この娘だけは、ガチで佐藤を喰い兼ねない凄みと迫力が備わってる。著莪との仲を目の当たりにしてなお、だからどうしました? と鼻で笑いそうな魔が潜んでいそうだ。
此処に来て、白梅のセクシーアピールが偉いことになってきてるんし、実際一番嫁度が高そうなの彼女なんだけれど、それでもなお対抗筆頭はこれ、槍水茉莉花だわなあ。まさかのダークホースだ。

しかし、白粉は白粉で佐藤と伍する変態で、HP同好会のメンバーは逸材揃いにも程がありすぎる。この二人が部を率いることになる世代は、いったいどんな惨劇になるんだろう。順調にイケば、あの頼もしいギリー・ドゥが入学してきそうなんだが、この娘は数少ない良心なだけに、本気で彼女頼りになりそうだなあ。
狼としては白粉も、ついに異名持ちになりそうな動きを見せ始め、そちらは楽しみなんですよね。白粉って、実は最初からかなり面白い動きをしていて、狼としての才能は最初佐藤よりも高そうだったし、実際奪取率はかなりのものだったから、どうなるかと思ってたんですが、しばらく「あっち」の方が忙しくてあんまり狼としての活動を目の当たりにする機会がなくて微妙にやきもきする部分もあったんですが……いや、今回はなかなか凄かった。かなり状況に左右される能力なだけに、安定した力は発揮できないかもしれませんが、それを言うなら佐藤だって発揮するパワーの振り幅がちょっと大きすぎるきらいがあるだけに、HP同好会に安定を求めるのはやはり間違ってるかw

意外な登場だったのが、まさかのサラリーマン・レッド再誕!! こいつ、短編のあの結果として人生オワタ、と思ってたら……何気に運いいよな、こいつw 
そのうち、絶対にまた警察のご厄介になりそうな……ってか既に何度かなってそうな生き様なんだが、悪い人じゃないんだよなあ。というよりもむしろ現代には存在できない類に正義の人なんだよなあ。結構、その語りには含蓄もあるし、社会人としての経験則に基づく見識ある言葉も多くて、良いことたくさん言ってるんですよ。やってることも親切で気配りも効いていて、とても助かる事が多いのに……なんでだろう、この残念感はw
こいつ、独りだと絶対アカン方向にすっ飛んでいきそうだから、首輪つけてしっかり捕まえていてくれて、しつけもちゃんとしてくれる相手を見つけたほうがいいんじゃないだろうか。誰か、いいオンナの人紹介してあげてください。
間違っても、佐藤の母みたいなのはダメでありますw
この母親、ある意味あのオヤジよりも凄いよな。というか、既に巻二桁に達しようとしている今まで、この母親がネトゲーしている以外のシーンを過去回想ですら見た記憶がないんだがw

シリーズ感想

ベン・トー 8.超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円4   

ベン・トー 8 超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円 (ベン・トーシリーズ)

【ベン・トー 8.超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版1250円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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半額弁当争奪バトルに青春を賭けるHP同好会ではメンバーの白粉に元気がないことを気に掛けていた。佐藤たちは彼女を元に戻そうと奔走する一方、クリスマスに合わせるかのように、『最も最強に近い狼』と呼ばれる猛者、サラマンダーが徐々に街へと近づきつつあるのを警戒していた。そんな中、槍水はHP同好会のメンバーと伝統である聖夜のパーティをしようとしていたのだが、白粉、そして佐藤も著莪と別の予定を立ててしまっていて大変なことに―!?トナカイより多忙な「狼」たちの聖夜。庶民派シリアスギャグアクション、全国の同志へ贈るクリスマス・ギフト。
おおおおっ、ついに、ついに佐藤にまともな二つ名が付いた!? 毛玉がサラマンダーが名づけ、ウィザードが立ち会い、毛玉が聞き届けたとなるとちゃんと定着しそうだ。特に情報通の毛玉の前で命名されたとなると、確実だろうし。しかし、ちゃんと「変態」も意味に込められてる二つ名になったんだ。もっとも「HENTAI」じゃなくて「メタモルフォーゼ」の方みたいだが。ある程度ムラがある、というかモチベーションの差によって大きく強さが変わってくる佐藤のことをよく考えてくれた二つ名じゃありませんか。調べてみると、懐っこい「ワンコ」としての特性も強いみたいですし。
一方で、冒頭から我らが「茶髪」にも【シリーコート】なる二つ名がついに命名。これまでの戦歴や印象度からも、彼女に二つ名がないのは違和感を覚えるレベルになってきていたので、むしろようやくと言った感じである。立場が人を作る、じゃないけれど、二つ名が付いたことで茶髪の立ち振る舞いにも風格のようなものが出てきたのは興味深い。折角二つ名がついたのに、無様は見せられないものな。
もしかしたら、槍水先輩も【氷結の魔女】の二つ名が付いた時からこんな風に威風棚引かせるようになったのかもしれないな。よく考えてみると、茶髪と先輩は同学年。どうやらデビューの時期も同じくらいだったようで、今回ようやく同じ高みに辿り着いた茶髪と、並び立って背中合わせで戰う二人の姿には燃えました。以前のダンドーと猟犬群相手に、【オルトロス】を引き連れて立ち向かった時と同じくらい、有象無象の【アラシ】の群れに、たった二人で立ち向かう魔女と妖精。カッコいいなあ、もう。

そんないつもどおり、かっこいい姿を見せてくれつつも、今回の槍水先輩はやたらとみっともない姿を見せることに。以前からチラチラと垣間見せてはいましたけれど、この人本当に面倒くさい性格してるよなあ。この頑なさは、将来絶対に何度も付き合ってる男と揉める原因となりえる要素だぞ。このシリーズ、何気に女性陣の多くは多かれ少なかれ面倒くさい一面を持っている。恋人持ちの連中は元よりとして、その他でもあの広部さんや著莪なんか、その代表だ。でも、広部さんも著莪も、一時的に見境はなくしても、常に冷静に一歩退けるだけの冷めた部分は持ち続けている。
著莪なんかその最たるもので、この女ほど相手との距離感を冷静かつ大胆に弄んでいる女は珍しいだろう。と言っても、それは佐藤相手だけみたいだけれど。普通の男友達相手にはむしろ慎重なくらいだし。
其れに比べて、槍水先輩は根本的に男慣れしていない分、加減がさっぱりわかってないんですよね。鳥頭みことに子供だと嘲られ軽蔑されるのもまあ仕方ない。あんな下手くそな甘え方を目の前でされたら、人によっては生理的に受け付けないだろうし。
佐藤はある意味、著莪との付き合いから甘えられる事自体には並の男性よりも遥かに慣れていると言えるんですが、実際は著莪の甘え方って完全に佐藤に合わせたものなので、傍目から見ると度の過ぎた理不尽でひどい甘え方でも佐藤の許容範囲は絶対に超えず、彼に不快感を与えないように制御されきっている。
加えて、佐藤って大らかというか鈍いというか、理由が明快な理不尽に対しては全く気にもしないので、白梅梅の横暴なんかも肉体的ダメージにはなってもあれ、精神的なストレスには一切なっていなかったりするのが興味深い。案外あの二人、相性いいんだよなあ。白梅の親父さんが妙に佐藤のこと見込んでいるのもあながち節穴ってわけではない。まあ、相性がいいだけで愛情が生まれる余地がさっぱり見当たらないのだけれど。
ところがだ、こと槍水先輩の我儘に関しては、佐藤はまるで対応が取れないのである。著莪に甘えられているようで実は甘やかされている佐藤は、さらに鈍感で大らかである分、実際にストレスを受ける事に耐性が乏しかったりする可能性もあるんだが、とにかく拗ねる女性への対処能力にちょっと欠けてるところがあるっぽいのだ。その辺り得意そうな山乃守さんを見習えばいいんだろうけどさ。でもまあ、今の佐藤だと咄嗟に反応できない。上手く宥めたり、相手の期待する言葉を並べ立てたり、という器用な真似はまあ無理なのだ。広部さんみたいな計算ずくで拗ねられる女性なら、そんな下手糞相手でも上手いこと言って欲しい事、やって欲しい事に誘導していくものなんだけれど、「子供」である槍水先輩は計算度外視で本気で拗ねているだけなので、むしろムキになって余計に拗らせようとしてくるものだから、まあ佐藤はイライラとストレスを貯めることしかできないわけだ。
そりゃもう、うまくいくはずがない。
著莪はよくまあ黙って見てるもんだなあ、と感心するね。ほんとこの娘、佐藤には甘いよなあ。確かにこの辺の佐藤に好きにやらせているところは兄弟同然に育った血の繋がった身内だと思う。多分、幼馴染みでも此処まで許容は出来ないよ。こいつは絶対に自分のものなんだ、一心同体なんだ、自分の手元から離れないんだ、ぐらいの確信がないと。その点、著莪は余裕ある。確信、あるんだろうなあ。
まあ、男子トイレに一緒に入って佐藤が小用たしているのを見物するのも両方平気な関係なんだから、そりゃあ余裕だわなあ……ねえよなあ、こんな関係。どんな変態だよ!! ベッドの中でも乳繰り合ってるしさ。佐藤のやつ、関心ないふりして著莪の体触りまくってたのかよ、このやろうw

ベン・トーバトルの方は、サラマンダーの南下に合わせて最近出てなかったキャラクターたちの近況も交えつつ、オールスターキャストの賑わいで。ちらっとしか触れられてなかったけれど、サラリーマンレッド、脱サラしたのか、おい。というか、会社クビになって無職ですか!?(笑
パッドフットは完全に引退したと思っていたので、偶に狼活動しているとはちょっと驚き。

もはや弁当なのか、想像もつかないクリスマス限定の超大物「超大盛りスタミナ弁当クリスマス特別版」をめぐる攻防は、クライマックスに相応しい盛り上がりの末の、まさに大団円、クリスマスらしい結末で、ほんとこの作者は上手く締めてくれますよ。こんなにニコニコ満面の笑みで幸せに終われるとは思わなかった。奪い合い、しかし支え合う。まったくもって、いいライバルたちじゃないですか。

そして、相変わらずまったく脈絡なくSEGAのウンチクに突入して平然と数ページを浪費する作者の情熱には痺れた。この人のSEGAネタは単なるちょっとした遊びのネタじゃなくて、いつだって本気だというのが伝わってくる。アニメもさ、バーチャとはわかりやすいネタじゃなくて、もっと一般人にはまるで意味不明だけれど、SEGA魂の人ならば理解できるだろうと信じる事ができる、くらいのきわどいネタで攻めればよかったのに。ネタは突っ込まれてこそだ、というのがよくわかる今回のSEGAネタだった。いやあ、さっぱり何を言っているやらわかんなかったもんな♪

あと、最近ニワカに新人のウルフヘアが台頭してきた感じ。まだまだ未熟とはいえ、これは次の年中くらいには二つ名がついてもおかしくないんじゃないだろうか。
今回はオルトロスのお二人がこれでもかというくらい堪能できましたし、ともかく豪華特別版という感じでお腹いっぱいでした、はい。

シリーズ感想

ベン・トー 第7話「オムっぱい弁当 752kcalとロコもっこり弁当 1100kcal」  


著莪が手に入れた屋内プール施設「むっちゃハワイやんパーク」の招待券を持って、遊びに行くことになった佐藤・槍水・白粉・著莪・松葉の5名。別で声をかけられていた二階堂も含めみんなでプールを満喫していた。そんな中、このプール施設でも半額弁当が売られることを知り、集まってきた茶髪たちと共に半額弁当を求めて争うことになる。
原作にはない完全オリジナル回。プールで半額弁当とか売るわけないだろうwwを筆頭にねーーよ!! の連発だったんだが……やばい、めちゃくちゃ面白かったw
そう、何もかも原作通りにやれなんて言わないんだ。ちゃんと面白くしてくれさえすれば、話の辻褄が破綻してしまうような身勝手な展開さえしなければ、元の話の大事な基部を台無しにさえしなければ、文句や不満なんて生まれないんですよ。
モナーク編が不安以上にしょうもない結末だったので、このまま先細りになるんじゃないかと恐れていたのですが、オリジナル回とは言えここまではっちゃけて面白くやってくれるのなら、本番・オルトロス戦も期待できるか。
原作三巻に該当するオルトロス編は、ほんとうの意味でこのシリーズが覚醒した傑作回でもあるだけに、生半な出来じゃ満足できませんぞ!?

と、先行して佐藤の二つ名が流布されてしまっているようですが、【変態】の二つ名が付くんもあれじゃあ仕方ないよなあ。どうやったって変態だし。この全裸め。今期、ホライゾンのトーリといいP4といい、男の裸率が高すぎやしないかい!?


てっきり、プールに行く際に電車移動を始めた時には、あの伝説の「サラリーマン・レッド」が登場する駅弁争奪戦が見れると思ったのにそんな事はなかったさ。がっくり。
普通電車で二時間も移動してたらお腹がすくでしょう。途中で駅弁買うでしょう!? その際、発車時間までに行って戻ってこなければならないという時間制限付きの争奪戦が繰り広げられてもおかしくないでしょう!?
……まあ二期以降でやってくれるなら何の問題もないのですが。

水着はOPでも着用していたものをそれぞれみにつけていましたが、槍水先輩の競泳水着が異様にエロかった。あのアングルは邪すぎるw 佐藤、目線がえろすぎる。そのくせ、顔は真面目きわまりないんだよな、こいつ。佐藤洋、エロいこと考えている時ほど顔がキリリと引きしまり、精悍になる男!!
エロいと言えば、茶髪がロケットおっぱいすぎるだろう、あれ!! 横から見た時の張り出し具合がパないんですが!! 重力は、重力は何処いったー!?

二階堂は人妻に未練ありすぎるw 確か、前回あんた、自分の恋心の名残に終止符を打ったんじゃなかったっけか。何気に、二階堂、弁当取れなかったくせに勝ち組だし。なにまっちゃんに手作り弁当もらってるんだ、おい。
まあ二階堂は実は本番は、オルトロス戦なんですよね。殆ど佐藤とダブル主人公の勢いで吠えまくるので、要注目である。
だからこそ、モナーク編できっちりと佐藤とライバル関係を築いていて欲しかったんだけれど、でもあのままならろくに接触もなかった佐藤と今回の話でそれなりに繋がりを持てたので、オリジナル回とは言え何かとフォローが機能してたんですよね、今回。
そして、チラリとだけ登場したオルトロスの二つ名を持つ沢桔梗・沢桔鏡の沢桔姉妹。この二人、実は名前の呼び方まったく一緒なんだよなw あの沢桔姉の残念アクセル全開っぷりを田村ゆかりがどれだけはっちゃけてやってくれるか、今から楽しみすぎる。

と、此方も来週放映中止なんだよなあ。此方はニコニコ動画の方で数日遅れで見れるので、一週間待たされることはないのだけれど。

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ベン・トー 第6話「特製ザンギ弁当 795kcal」  


槍水は「帝王(モナーク)」の計画を阻止するために西区の狼たちに情報を伝え、一人東区にある「ラルフストア」へ向かった。西区の狼が東区のスーパーへ向かうなか、著莪は古狼に「オオカバマダラ」と呼ばれる狼のことや「モナーク」の真の目的を聞きだす。急いで佐藤のもとに向かう著莪だが、二人の元に「女子高生が襲われた」という一報が飛び込む。
なんかもう、最後までポカーンとなって見てました。
こりゃ、あかんやろ。
原作を改変してしまう事自体は別に構わないんだが、変えるなら変えるなりに面白くしてくれないと変えた意味がないじゃないか。単に話の辻褄が合わなくなったり、キャラクターの言動に説得力がなくなってしまったりするだけで。
せめて、3、4話のような躍動感あるアクションや、惹きつけられる演出、思わず笑ってしまうようなシュールなギャグが上手いこと描かれてたら、多少話が変になってたって気にせずに済んだかもしれないけれど、肝心の大ボスであり怪物であるパッドフットがやたら雑魚だわ、決め台詞も上滑りしているわ、話の流れがぎこちなくてそこにアクションまで引きずられてしまっているわ、と……もう、なんかがっかり。

だいたいなあ、標的をウィザードから氷結の魔女に変えてしまっては、パッドフットの最強への拘り、ひいてはまっちゃんへの執着が曖昧になっちゃうし、そもそも槍水先輩を単純にウィザードの後継者としてしまうのは、HP部解散の秘密が全部明らかになっていない今、微妙に触れがたい所なんだよなあ。だいたい、ウィザードはまだ現役で引退していないってのに、氷結の魔女倒したからと言って最強にはなれんだろう。
あと、これが一番まずいんだが、佐藤と二階堂の戦いを完全に省いてしまったところだ。後々迄ライバルとして競いあう事になる二人の、最初にして最大の魂のぶつかりあいをなかった事にしてしまうなんて、これが一番ショックだった。
まっちゃんも、あれじゃあただオロオロしているだけの部外者じゃないの。一連の事態の原因である者の悲哀と後悔と同時にあったはずの、多くの狼を惹きつけたモナークとしての威厳と見守る覚悟が消え失せちゃっていたのは残念至極。そもそも、アニメに期待していた【モナーク・バタフライ】としてのまっちゃんの華麗な過去の戦いを結局見せてくれなかったのはガッカリ。なんかガッカリとしか言ってないな。
とにかく、パッドフット戦もしょんぼりな内容でザンギ弁当の語りも無し、これまでが面白かった分、5話とこの回はかなりガッカリでした、がっかり。

TVアニメ「ベン・トー」サウンドトラック
TVアニメ「ベン・トー」サウンドトラック岩崎琢

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ベン・トー 第5話「北海道の鮭を使ったあら汁 326kcal」  

丸富大学「庶民経済研究部」に所属し「帝王(モナーク)」の二つ名を持つ遠藤と、そのモナークに従う「ガブリエル・ラチェット」の一人、二階堂。遠藤は槍水たちをはじめとする西区の狼に対して、ある作戦を実行しようとしていた。一方で佐藤は著莪に会いに丸富大学付属高校に入ろうとすると、警備員に止められてしまう。なんとか著莪に会えた佐藤だが、そこには井ノ上あせびという女子がいた。

笑いすぎて、お腹痛い。
思い出しても笑えてきて、お腹痛い。
いやあ、ひどかった。こんなに酷い女装を見たのは久々だ。というか、ここまで酷い女装は滅多と見たことがない。スカートからトランクスはみ出してるじゃないか。
佐藤はちょっとパンツ一丁になりすぎだ。なんでこの主人公、こんなにパン一ばっかりになるんだよ。まだホライゾンの全裸ですら一回しか全裸になってないのに。
百歩譲って、白粉の制服を着るのはいいとして、なぜそれを着たままスーパーに行く!? 着替えに帰れよ!!
自分、あの佐藤がのちのち得ることになる二つ名は、いくらなんでも酷いしそれはないよなあ、と同情してたんだが……同情の余地一切ないよ! あの二つ名ついて当然だよ!! というか、他の二つ名考えられねえよ!!
自業自得だ!!

あ、あかん。また思い出し笑いが。
二階堂、どんまいな。あんたがキレるのも無理ないわ。あれは許しちゃいかん。認めちゃいかん。認めた瞬間、自分までおかしくなる。先輩も簡単に理解するとか言わない!!
あそこのやり取り、頭緩くなるかと思うくらいに笑えました。


本筋の方は、<帝王(モナーク)>がついに始動。なにか物凄い大事になってるような物言いだが、やってることは半額弁当争奪戦なんだぜ(笑
それでも、誇りを賭ける以上それは戦いであり戦争なのだ。譲れない人生における闘争なのだ。

ちょっと期待しているのは、アニメではあのまっちゃんの現役時代の回想が見られるのじゃないかというところ。
伝説の狼の勇姿を見られるとなれば、正座して待つんだがなあ。

TVアニメ「ベン・トー」キャラクターソング&エトセトラ 「Treasure!」と、その他「ベン・トー」な歌つめ合わせ(仮)
TVアニメ「ベン・トー」キャラクターソング&エトセトラ 「Treasure!」と、その他「ベン・トー」な歌つめ合わせ(仮)著莪あやめ(CV:加藤英美里)

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ベン・トー 第4話 「豚肉生姜焼き弁当 852kcal」  

「ダンドーと猟犬軍」に勝利をしたHP同好会の面々。ある朝、佐藤の元に従姉の著莪あやめが現れた。突然の訪問に驚く佐藤だが、著莪は問答無用で佐藤とテレビゲームをはじめる。お互いゲーム好きがこうじて夕方までゲームをし続けると、著莪は佐藤にあるお願いをする。そのお願いを聞き拒否をする佐藤だが、著莪はゲームで決着をつけようと提案する。


メインヒロイン見参!!

という訳で、本シリーズにおける真ヒロイン、佐藤の嫁、確変幼馴染の著莪あやめ満を持して登場の回である。
まさかの特別OP付き!!
スタッフも容赦なく著莪の一強押しか! 本当に満を持して登場になったなあ。ってか、映像にされると著莪のスキンシップって凄いな、これ。ここまで忌憚なくベタベタくっついてくるヒロインはそうそういないぞ。大概そういう子は、ちっちゃい子で恋愛や性愛の対象になり難い年齢だったりするのだけれど、著莪はスタイルも抜群だもんなあ。
ちなみに、著莪と佐藤のイチャイチャはここが天井どころか地上一階です。お互いに守備力がゼロなものだから、それは幼稚園までだろうというスキンシップを平気で繰り広げていくので、過激度青天井です。
ぶっちゃけこの二人、キスくらいまではしちゃってるっぽいんだよな。実際、それはキスよりエロいだろう、ということまで本編中にしてますし。
だから、今回の冒頭みたいに同じベッドの布団で抱き合って寝るとかわりと普通にやってたり。佐藤が病院に入院した時も、泊まりこんで佐藤のベッドに潜り込んで一緒に寝てましたしね。
なんでこれで付き合ってないんだよ、と思うところなのですが、著莪と佐藤の関係というのはとても複雑で入り組んでいてかなり珍しい代物なので、今後アニメでどう表現されていくのかは特に注目していきたい。

著莪は【湖の麗人】という二つ名を持ってますけれど、狼としての強さはそれほどずば抜けてはいないんですよね。そもそも二つ名というのは強い狼に付くというわけでは必ずしも無くて、どちらかというとより狼たちの印象に残った狼が自然と二つ名で呼ばれるようになっていく、という仕組みのようなので。目立ったりインパクトが強かったりする方が二つ名がつきやすいと。その点、著莪はビジュアル面で突き抜けてますし。あの二つ名も、公園の噴水の側のベンチで寝こけていたのが確か由来だったはず。
先輩の【氷結の魔女】も、度々彼女がスーパーで立っている後ろでチューハイの「氷結」が写ってますが、あれが由来です。半額弁当をゲットしてドヤ顔でレジに並んだ際、ジュースと間違えて「氷結」を一緒に買おうとしてしまい、店員に止められて赤っ恥を掻いたエピソードが元になっているそうで。名前の由来を聞かれると微妙に嫌な顔をするのはそのせいです。

今回の戦闘シーンでも思ったけれど、このアニメ、BGMが素晴らしいですね。白梅梅登場のあのドンドコソングも鳴った途端に吹いてしまうようになりましたけれど、争奪戦が始まった時のあのBGMが鳴り出すと、とたんに此方も燃え上がってキますよー。
今回は特に槍水先輩と著莪の戦闘シーンがスピーディーで際立ってた。凄いな、ここまで争奪戦盛り上がるとは放送はじまるまで想像だにしてなかったよ。これ、確かに先輩強いわー。動きが華麗すぎる。

そして、今回はさらに佐藤の永遠の好敵手となる二階堂登場。こいつ、OPにも最初から登場してたんですよね。最初ウィザードと勘違いしていた。ビジュアルデザイン、結構思い描いていたのと違ってたんだよなあ。ここまでイケメンだとは思ってなかった。
しかし、ガブリエル・ラチェットの本部がどこの秘密基地だよ、というメカニカルな雰囲気で。いやこれ、大学の視聴覚室ですよね、多分? ガブリエル・ラチェットの土台となったのは丸富大学の庶民経済研究部なんですが、さすがにここまでの機材を揃えるほどの部費を確保しているとは思えないし。

直接絡んではこなかったけれど、今回の争奪戦では茶髪も結構目立ってた。というか、この茶髪、二つ名を持たない無名としては際立った凄腕で、原作でもやたらと弁当ゲット率高いんですよね。各巻の主要な決戦でも殆ど獲物を逃していない強者である。そろそろ二つ名も付くんじゃないかという噂が流れているんだが……私は絶対二つ名は【巨乳】だと思ってる、信じてる!

今回はさらに、ついにというべきか、佐藤の弁当語りが争奪戦の途中に挿入。そうそう、これがないとやっぱりベン・トーじゃないよ! わりと触りだけだったけれど、それでも聞いてるだけで美味そうで仕方がない。見ていて腹が減ってたまらなくなるようになったら本物だ。

『ベン・トー』4話感想 新キャラ登場!バトルも凄かったけど妙にエロかった(萌えオタニュース速報)

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ベン・トー 第2話「サバの味噌煮弁当 674kcal」  

ちょっ、公式サイトのキャラ紹介みたら、オルトロス姉妹が載ってるじゃないか!! まさか、オルトロス編までやるのか!? しかも中の人が田村ゆかりと堀江由衣って、またあの人に危ない発言を連発させるつもりかw


二話にして、既に佐藤洋がどうしようもない変態であることが暴かれてしまった。あのね、佐藤さん、あんた視線が胸だの太ももだのに行き過ぎ。凝視しすぎ!! この男、暇さえあれば女の子の胸とふとももばかり見てやがる! 第一話の段階ではアニメ【夢喰いメリー】でメリーのおへそばかり映していたみたいに、太ももばっかり偏執的に映す趣向なのかと思ってたんだが、二話にしてようやく、よくよく見るとこれ全部佐藤の視線な事に気づいた次第。お前、しゃべるときは人の顔見て話せよ。いや、顔は見なくてもいいから、胸とか太ももとか見ながらしゃべるなw

いやあ、しかし改めて見ても、ベン・トーって馬鹿話だよなあ。半額弁当を買うだけの話なのに、どうしてこんなに熱いのか。大猪にアラシの登場で、スーパーにおける弁当コーナーの盛り上がりたるや比類なきことに。狼たちがただの飢えた野獣ではなく、誇りを持って戦う空腹の戦士だというのが嫌というほどわかるだろう、素晴らしき闘争である。
ウィザードかっけえなあ、おい。
あははは、ついにウィザードの華麗なる天井蹴りをアニメで見れた。やばいよ、思ってた以上にかっけえ。そして、茶髪、坊主、顎鬚の存在感。この三人はモブではなく思いっきりレギュラーで佐藤の良き戦友でありライバルとして前面に出続けます。茶髪に佐藤が呼ばれる「わんこ」がこれまたいい響きで。
戦闘シーンは第一話では微妙カナ、と思ってたんですがこれは期待以上になってくれるかも。大猪のあの歩行音、完全にMSじゃないかw
大猪から弁当を守ったあとの、ジジ様の無言の感謝とも健闘を称えるともつかない眼差しに、ちょっと感動してしまった。

ちょっと残念だったのが、一番肝心の月桂冠。佐藤洋はじめての奪取弁当である「サバの味噌煮弁当」の食事描写が蛋白だったところ。いや、作画そのものは素晴らしかったんだけれど……てっきり、佐藤があの美味さをちゃんと語ってくれるかと期待していたもので、ちょっと拍子抜けだった。あそこは語らせろよ。一部始終、細部に至るまでくどいくらいに語らせろよ! 原作の言葉そのまま言わせりゃいいじゃない。それだけで、視聴者の八割近くを見たあとに食料摂取に走らせることが叶うだろうに。原作は、あれ本気で読んでたらお腹減るからなあ。マジで美味そうなんですよ。
……と、力説したついでに原作を読み返してみたら。あれ? 第一巻ではあんまり詳細には弁当描写してなかったのか。近刊ではこれでもかというくらいに詳細に語っていただけにそっちの印象が強かったのだけれど、サバの味噌煮弁当はあっさりとしたものだった。なんだ、あれはもっと後になってからだったのか。
逆に考えれば、これからどんどん弁当の描写は美味そうになっていくということだな。そしてどん兵衛も。原作のどん兵衛の美味そうな描写は異常。あれをそのまま再現してアニメでやったら、確実に売上あがるね!

さて、二話で月桂冠ゲットとなると、次はもうダンドーと猟犬群の話になるのか。一巻は猟犬群までだが果たしてこれを一話でやるのか二話でやるのか。何れにしても、著莪あやめの登場はもうしばらく先か。

TVアニメ「ベン・トー」エンディングテーマ 笑顔の法則
TVアニメ「ベン・トー」エンディングテーマ 笑顔の法則伊瀬茉莉也(槍水仙)

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ベン・トー サバの味噌煮290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) ベン・トー 2 ザンギ弁当295円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) ベン・トー 4 花火ちらし寿司305円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) ベン・トー 5 北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) ベン・トー  5.5 箸休め~燃えよ狼~ (集英社スーパーダッシュ文庫) ベン・トー 6 和栗おこわ弁当310円 (集英社スーパーダッシュ文庫) ベン・トー 7 真・和風ロールキャベツ弁当280円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) ベン・トー 7.5 箸休め 〜Wolves, be ambitious!〜 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 第1話「ネバれ、納豆オクラ丼ぶっかけチーズトッピング弁当 440kcal」  

ベン・トー 第1話

寮の近くにある閉店前のスーパーに入った主人公・佐藤 洋。
彼の目の前で半額シールを貼られた弁当に手を伸ばしたその直後、凄まじい戦いに巻き込まれて意識を失ってしまう。
しばらくして目が覚めたときには、なんと半額弁当は全て消えていた。そして偶然、その場で同じ学校の白粉花と出会う。
翌日も同じスーパーに向かってみるが、佐藤は再び気を失ってしまう。
その後店員から聞いた《氷結の魔女》の話。また次の日も佐藤はスーパーへ再び向かっていくが・・・。
どうも誤解が多いようだが、半額弁当争奪戦が繰り広げられているスーパーはこのスーパーだけではない。半額弁当が売り出される日本全国のありとあらゆるスーパーで繰り広げられている光景なのだ!

という訳で、集英社スーパーダッシュ文庫から発売されている、半額弁当を奪い合う狼たちの姿を描いた稀代の馬鹿小説にして屈指の燃え小説【ベン・トー】シリーズのアニメ化である。
あのライトノベルの中でも尋常ならざる作品を如何にアニメ化するのか、期待三分に不安七分くらいの割合だったのだけれど……うん、これなら期待できそうカナ?
あの主人公・佐藤の変人っぷりに、昔のクラスメイトネタに父親ネタを中心としたすべらない話をどう表現していくかはまだまだ分からないが、あれがないとベン・トーじゃないからなあ。
OPは思っていた以上にノリが良くていい感じだったが、出てくるメンツを見るかぎりはこの1クールは2巻までっぽいなあ。まあ本番は著莪が出てきてからだろうけど。
白粉花は最初から通常運行でした。ってか、この白粉がアニメで最初のクリーンヒットだよ(笑
これは酷い
白粉って、そりゃ最初からヘンタイだったけれど、本当にこんな冒頭からヘンタイだたっけ? と思ったがヘンタイだったな。未だクリーチャー化していない分ましなのか。そういえばまだこの頃はこの子がヒロインなのだという勘違いをしていたなあ。もしかしてメインヒロイン? と思っていた過去が懐かしくもおぞましいw
白梅の方はさらに新鮮だった。この人、もっとテンションが高いのかと思ってたら、あくまでクールに引っ叩く引っ叩く(笑 あの抑揚のない喋り方でひっぱたかれ続けたら、そりゃ内本くんが出現するわ。

スーパーの方では坊主に顎鬚、茶髪のメインの三人の姿を確認。ああ、なるほど。茶髪はあくまで顔は見せないのか。その演出には納得! そりゃそうだ。原作でも彼女だけは未だにイラストで顔見せてないもんなあ。
ちなみに茶髪は二つ名のない無名の狼ですが、その実力は西区でも最強クラス。今まで名うての二つ名持ちの狼たちがこぞって参戦した決戦級の争奪戦でもほぼもれなく弁当を奪取していった猛者であることは覚えておいていい。

さて、このベン・トーシリーズの最大の肝である、弁当争奪戦と、その後の戦って勝ち取った弁当は何よりも美味い、というあの描写がどこまで原作に届くか。特に弁当の美味しさの描写は重要ですぞ。これで美味しそうに見えなかったらなんにもならない。原作小説では、弁当描写は殆ど神がかってると言っていいほどで、読むだけでお腹が空きます。いや、あれホントにめちゃくちゃ美味そうなんですよ。読んでるだけでヨダレ垂れてきそうなくらい。
アニメでも弁当担当の作画監督がいるようなので力入っているのは疑うべくもありませんが、さて。

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ベン・トー 7.5 箸休め 〜Wolves, be ambitious!〜4   

ベン・トー 7.5  箸休め 〜Wolves, be ambitious!〜 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 7.5 箸休め 〜Wolves, be ambitious!〜】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋たちHP(ハーフプライサー)同好会は、槍水の妹・茉莉花のおねだりに端を発した一泊二日の旅行に行くことに! 季節外れの観光地に向かう一同だったが、途中で予期せぬアクシデントに遭ってしまう。そこへかつて出会ったあいつが現れ…!?
その他に、佐藤たちの旅行のウラで静かに起きた著莪とその友人たちの日常編や、ウェブ掲載された短編、雑誌連載で大反響をよんだ「間食版」も書き下ろし分を加えて収録! もはや短編集ではないボリューム感満点でお届けする、メガ盛りの箸休め、庶民派シリアスギャグアクション、狼が大志を抱く7.5巻!!

【1章 3.5倍】
サラリーマンレッド再び!! 冒頭、恒例の佐藤の中学時代のクラスメイトの武勇伝に腹を抱えて大爆笑し、体も温まったところでいざ、旅行編である。って、初っ端から掴みが濃すぎるよ、このシリーズ。延々と中学時代や佐藤家の過去のエピソード書き綴るだけでも死ぬほど面白い作品が出来てしまいそうだ。こんだけ腹が痛くなるほど笑える話ってそうそう無いぞ。
さて、旅行編においてどうやらサラリーマンレッドは準レギュラー化してしまったらしい。こいつ、そろそろ会社クビになるんじゃないのか? 色々と思い込みの激しい人ではあるが、決して悪い人ではないしこんな報われない人生を歩んでしまう人じゃないと思うんだが、世の中だいたいこのたぐいの人は七転八倒して面白い方へと転げ落ちていくのである。ご愁傷さま。
面白いのが、普段の半額弁当争奪戦が格闘強奪戦であるのに対し、旅行時における駅弁の場合は電車の発車時間を睨んだ障害物競走的なタイムアタックになるところ。普段の狼同士の戦いとはかなり毛色が違っている。前回の妨害ありの競争と違って、今回は文字通りのタイムアタック。それも事前に入念に作戦を練った上での協力プレイ。新鮮さの中に見ごたえもあって、面白かった。さらば、サラリーマンレッド!!
「うなぎ茶漬け弁当」ウマそうだなあ。めちゃくちゃ美味そうだなあ……。

旅館では白梅さんの若奥様というか若女将らしい上品な佇まいが拝めて大満足。このシリーズ、女性陣の数は多いけれど本気で佐藤とカップルになれそうなのって、著莪を除けばこの白梅だけのような気がする。まあ、白梅の場合佐藤にお似合うというよりも、賢妻としてどんな男だろうと見事に立てつつ完全に首根っこ抑えて理想的な家庭を作ってしまいそうなスペックの高さの持ち主なのだろう。
まさにパーフェクト嫁、なのだが残念ながら真性の百合であるために男全般に興味皆無なのだ。なんというスペックの無駄!!

【間食版】
ジャンプSQの漫画連載にオマケとして掲載されていたという掌編。さり気なく今までで初めて見る、槍水先輩の一年生時の記録である。【魔導士】こと金城との先輩後輩関係。いったいどんな風なのだろうとは気になっていたのだけれど、これホントに懐いてたんだなあ。慕っている、というのを通り越して子犬みたいに懐いている。色々と構ってもらえるのが嬉しくて仕方ない、という金城と一緒にスーパーに居る時間が楽しくて仕方ない、というのがひしひしと伝わってくる。金城は金城で、仙のこと可愛くて仕方なかったんだなあ。ただ、まだこの時点では仲のよい先輩後輩、にとどまってたんだろか。烏頭がまだ仙のこと目の敵にしてないもんね。まだ仲が拗れていない頃の烏頭先輩は、あれはあれで仙のことかわいがってたんだなあ。確かに、この頃の仙って年上から無条件で可愛がられるような懐っこさがあるんですよね。なるほど、妹の茉莉花はこの頃の仙とよく似てるわ。
過去のHP部がどんな雰囲気だったのか、今までずっと謎のベールに覆い隠されていたのでちょっとすっきりした。でも、烏頭の一件以降にさらにこのHP部壊れていくんだよなあ。ほんとに何があったんだろう。


【モモとカズラと】
紫華先輩ェ……。
HP部とは関係ない、槍水先輩がいつも学校でつるんでいる二人の友人、木之下桃と紫華鬘の人となり、なんというかこいつらもか……。別に半額弁当を狙い打つ狼たちだけが変人じゃないんだよな、この作品。押し並べて変人ばかりなんだ、うん。
カズラさん、途中までは極普通の人に見えてたのに。というか本人は全然そんなつもりないんですよね。なのに、行動は明らかに偏執的なストーカー。いや、むしろ佐藤にイカレて頭がそれだけになってムチャクチャやらかす、というのよりも、逆に何の執着もないにも関わらずナチュラルにああいう行動を取ってしまうほうが怖くないか!?


【天使の贈り物】
……表沙汰にならない勢いで既に犠牲者出てるんじゃないか? 偶然死体が発見できない形でどうにかなってしまって、たまたま捜索願が出されないように状況が転がってしまって、とか。あれで死人が出ていない方が不思議だ。【死神】あせび。著莪もよくまあ付き合っていられるものである。そのへんわりと素直に尊敬する。あれ、よっぽどこまめにお札仕入れてるんだろうし。忘れたら本気で死にかねんもんなあ。
なんというか、神仏のご利益ってほんとにあるんだなあ、と実感できるお話である。


【男子寮と従姉とバレンタインデー】
ごちそうさまです。
なにこの普通にチョコあげたりもらったりするよりも濃厚な話は。著莪と佐藤の関係ってむしろチョコやり取りする方が野暮なんじゃないのか!? これは矢部くんや神田くんが佐藤を追い出すのも無理ないわ。
佐藤って絶対恋人出来ても、著莪を優先するよな、これ。しかも、何の葛藤も疑問も抱かず。こりゃあかんは。鉄板とかいう以前に既に終了してる。


【ある日の著莪あやめ】
あのサッパリとして快活な性格から、普通に男友達も居て仲良く遊んでいるだろうなあ、とは思っていたけれど、仲良くしているからこそ、佐藤との接し方との明確な違いがくっきりと浮き出てくるわけで。
あれだけベタベタと佐藤と男女の垣根を平然と乗り越えるようなスキンシップを繰り返し、自分の財布のように佐藤にたかり倒している著莪が、実は他人とはちゃんとキッパリ一線を画して、体には軽いスキンシップだろうと一切触れさせず、ちょっとした食べ物飲み物の奢りすらやり取りしようといない事にはなかなか驚かされた。軽そうに見えて、むしろめちゃくちゃ身持ち固いのか、著莪って!!
しかも、マジ告白されて断った上で理想の男のタイプを聞かれた時の著莪が動転したまま答えてしまった、恐らくは何も繕わない素の理想像。これはもう、明らかに特定の誰かを指している一言で……あー、咄嗟に出ちゃったかー。こりゃ、著莪当人もびっくりだ。びっくりだけど、納得だろうなー。もう鉄板とか本命とかどころの話じゃなく、好きとか愛してるとか通り越してるよね。難しいことなんて何もない、ややこしい事になんて陥らない。もうどうしようもないわ、これは。
幼なじみスキーとして、今まで色んなカップル嗜んできましたけど、この二人だけはホンマ凄いわ。こんな凄い幼なじみ見たことないわー。堪能させていただきました、はい。

そういえば、久々に狼として戦う著莪を見たのだけれど、かなりの強豪になってるんじゃないですか、これ。二階堂と咄嗟に組んだとはいえ、あのオルトロス相手にイイ勝負して弁当もちゃんとゲットしているあたり。あんまり著莪が佐藤と同じ戦場で戦ってるシーン、最近は特に見ないので、本編ではそっちも久々に見たいものである。

にしても、短篇集というのは厚い、濃い、と特濃すぎる内容で。どこが一体箸休めだ!!
満足!

シリーズ感想

ベン・トー PV  



とりあえずお弁当が美味そうに見えた気がするので期待。ただSD文庫のアニメ化は例外なく転んでるからなあ。
そう言えば、PVを見て初めて気がついたのだが、映像化する以上は「茶髪」の顔も出るんだよな。今まで原作でも頑なに顔出しを拒否し続け、坊主と顎髭が顔解禁した時ですら彼女は「胸」しか映さなかったという徹底ぶりがついに破られるのか。胸熱だな。


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ベン・トー 7.真・和風ロールキャベツ弁当280円5   

ベン・トー 7 真・和風ロールキャベツ弁当280円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 7.真・和風ロールキャベツ弁当280円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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美味しいものには、毒がある!?
「このライトノベルがすごい!2011」第5位ランクイン!シリーズ第8作!

半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、ひょんなことから未曾有の経済危機に陥り、『変態』の二つ名を体現する日々を送っていた。そんなある日修学旅行で槍水が不在になる間、佐藤は彼女の縄張りであるスーパーを託されることに。しかし槍水と入れ替わるようにHP同好会に烏頭みことと名乗る美人OGが現れ、佐藤は彼女に翻弄されてしまうのだった。烏頭はかつてHP部が解散するに至った原因は槍水にあると告げるのだが――。毒を食わらば皿まで!「狼」の誇りを持って落とし前はきっちりつけろ!庶民派シリアスギャグアクション第8作!
まさかのアニメ化の一報に界隈が湧き立つ中で登場したシリーズ最新作。読んで改めて思ったが、この人天才だろう。完全に狂気を制御しきっている。それも、あらゆる種類の狂気を、だ。
これって、アニメ化にあたっての問題は、この【ベン・トー】という作品が内包する「狂気」を如何に見せるか、だよなあ。眼に見える部分である表層をなぞる事は幾らでも出来るけれど、はたしてそれだけではこの作品の本質とも肝ともいうべき部分をまるで見せることが叶わない気がする。差し当たっては、主人公佐藤洋のエキセントリックで一本スジの通った思考回路を映像という媒体でどれだけ見せられるのか、という所である。此処を取り逃がせば、この作品の本質は七割り落としたも同然だし。近年、ライトノベルがアニメ原作となるケースが物凄い勢いで増えているけれど、【ベン・トー】みたいな作品は、文章によって起こされた物語を映像に変換する難しさを思い出させてくれるような作品で、正直アニメ化についてはそれほど期待し切れないんだよなあ。
アニメ化の話はさておいて、本編の方はついにこれまで引っ張られたHP部解散の謎の一端を抱えて、OG【ウルフズペイン】烏頭みことが現れる。
まさか、ここまでべっとりと粘度の高い女の情念を、ベン・トーで見せられる事になるとは思わなかったなあ。今回当事者の一人である槍水仙は修学旅行で不在、著莪あやめも実家に帰っているなどして出番は非常に少ないのだが、なるほど今回の話に置いては槍水仙と著莪あやめは言わば登場してはいけない役だったんだなあ、と納得。洋にとって、二人は憧憬と安らぎの象徴みたいな所があるんですが、烏頭みこととの対立が深まる状況下で洋が二人と逢う事は精神的な敗北へとつながっていたわけです。修学旅行に行っていた槍水先輩はともかく、著莪については週明けには戻ってきてたわけで、逢おうと思えば逢えたはずなのに、実際一度心の安定を求めるかのように著莪に逢いに行こうとする機会があるのですが、結局二人の介入を許すこと無く洋の戦いは続くことになる。今回の話は洋にとっては完全にとばっちりなんですが、それでも女の愛憎入り交じった情念とも執念ともつかない怨念に絡め取られ、心竦んでしまう話であるわけです。そんな折に、毒に侵され心折れかけた有様であの二人に逢うというのは、やっぱりダメなんですよね。心の弱り方に「女」が絡んでいる以上、洋たち当人が意識していなくてもやっぱり関係性として「女」という括りが絡み付いているあの尊敬して慕う先輩と、気心のしれた幼馴染では、洋の狼としての部分を取り戻すどころか余計に殺してしまう可能性すらあったわけです。他のケースなら、二人ともこれ以上ないくら位頼もしい支えになれるんですけどね。
だからこそ、今回洋を復活させる役割を得たのは【オルトロス】や茶髪たちのような戦友たちでなければならなかった訳です。アレほどドロドロに渦巻いた人間関係の破綻と拗れ、縺れを半額弁当争奪戦という舞台に引き込みながら、最終的に、上手い弁当を激闘の末に奪取し、喰って堪能する、という狼の原点に立ち返る事の出来るこの作品は、やっぱりとてつもない。しかも、その原点こそが在るべき人の心の営みを取り戻し、傷ついた心や迷いを癒し、導く事になるわけだから、殆ど魔法みたいなストーリー構成である。
あれほどぐちゃぐちゃドロドロの話の流れの中で、しっかりと今回の【和風ロールキャベツ弁当】が究極へと至っていく過程がこれでもかとしっかりと描かれ、【真・和風ロールキャベツ弁当】という月桂冠の本命がドーーーンと登場する衝撃をきっちりと支えてるんだもんなあ。特に今回の最終決戦は、今まででも例を見ないくらい凄まじいメンツの揃った頂上決戦だった訳で、そんなメンツが奪い合う最上の財宝として【真・和風ロールキャベツ弁当】はばっちりちゃんと格を得ていたわけで……くっそう、やっぱりこの作品の食い物は有り得ないくらいウマそうだ。
でも、残念だったのは頂上決戦が本物の頂上決戦にはならなかったことだよなあ。正直、あのメンツでの本当の決戦をぜひ見たかった。特にウィザードは現れる事自体稀なレアキャラなだけに。オルトロスだって普段は狩場が違うんだし。
いやしかし、まだこれからも機会はあるか。ウィザードは帰国してしばらく此処にいるみたいだし、実のところHP部解散の真相は未だ全容は明かされてないわけですし、ウィザードと魔女の関係もまだ本当のところは見えてないですしね。

にしても、やはり茶髪はもう二つ名持ってもいいんじゃないのかな、という位に凄腕だよなあ。今回だって何気に一番イイところ持ってったし。というか、此処ぞという決戦で毎回いいところ持って行くわけだし。さらに、名無しの狼としてさらにウルフズカットの少女が登場。そうか、新入生か。まだまだ未熟で幼い狼なのが、そうか洋たちも戦場に立ちだしてもう後発が出てくるくらいになったんだなあ、という実感が。しかし、なんでおんなじ学校にも関わらずHP同好会に入ってくれないんだよ! まあ明らかに洋のせいなんだがw
その洋の爆笑過去回想は今までの中でもこの巻が一番絶好調だったんじゃないだろうか。本数も多かったし。こいつとその仲間の話はそれだけ本に纏めてもベストセラーになりそうなくらい面白いよなあ。革命話なんか、笑い死ぬかと思った。どんな光景だよ。

シリーズ感想

ベン・トー 6.和栗おこわ弁当310円4   

ベン・トー 6 和栗おこわ弁当310円 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 6.和栗おこわ弁当310円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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毎度毎度このシリーズ、というかこのアサウラさん、削ってる量が半端ないなあ。今回も後書きによると百ページくらい削ってしまっているらしい。自分などはそんなに削らなくても、むしろもっと読みたいと思う方なんですけどねえ。
いったいどの辺が削られているのか。なんとなくですが、白梅会長の大活躍というか大凶行が削られてそうな気がするんですよね。白粉が不当な扱いを受けた事への逆襲、仕返し、権力を乱用した大盤振る舞いが。いやだって、あの白梅さんがアレ見て黙っているはずがないでしょう。そのままにしておくはずがないでしょう。我慢するはずがないでしょう。一緒にキレてる佐藤も巻き込んで、であの白粉のクラスメイトの女がギッタンギッタンに社会的に抹殺されるシーンがあったんじゃないかなあ……なんて想像してみたり。

というわけで、またも文化祭である。前巻であやめたちの学校の文化祭の話をやっていたのでつづいている巻があるけれど、今回は佐藤たちの学校の文化祭。こっちもこっちで盛り上がってるなあ。白梅さんが会長らしいことをやっているのを初めて見た気もするけれど(気のせい)、なるほど有能だ。活気があり自由度が高く、生徒たちがいい具合にはっちゃけている、いい意味で高校の文化祭らしくない、大学のお祭りめいた奔放さが実に楽しそうだ。忘れてたけど、顎髭や坊主も佐藤たちと同じ高校の生徒だったんだよなあ。狼たちの戦場でしか巡り合わない連中だけに、学内で連中と話しているのはなんだか不思議な感じがする。坊主のコスプレにはこっちも大ウケしてしまったw あれは反則だろう。ああいう時、佐藤と同じテンションで爆笑してツッコミ入れられるあやめはいいよなあ。

さて、文化祭の準備で佐藤たちの学校が盛り上がる中、その余波は佐藤たちが毎夜挑むスーパーにも波及してくる。夜遅くまで文化祭の準備に勤しむ生徒たち(この学校は文化祭前日のみではなく、普段から夜中の校舎の使用を許容しているらしい。考えてみると、佐藤たちもHP同好会で毎晩奪取してきた弁当を食べてたっけ)が、腹をすかせてスーパーに来店し、まだ半額に下がりきっていない弁当を根こそぎ掻っ攫っていくのだ。
ただでさえ半額弁当の供給が乏しくなる中、佐藤は今まで知らなかったスーパーを発見、やや高級志向のそこで彼は一人の偉大な半額神と、彼の創りだす伝説的な弁当を狙い続ける女狼と巡り合う。

そもそも弁当が半額になる前に売り切れてしまい、狼として戦えない、というシチュエーションが続くのはなかなかストレスが溜まるものがある。佐藤なんか、今回殆どどん兵衛三昧だったもんなあ。でも、その分、槍水先輩が獲得してくる弁当や、文化祭での屋台の食べ物など、食べ物の描写についてはむしろ普段よりも力が入ってた気がする。もう、これがメチャクチャ美味しそうで美味しそうで、読んでてリアルに腹減ってくるんだよなあ、このシリーズ。飯前に読むと、その後に食べるご飯がマジで美味く感じるし、食後に読むと先程までの満腹感が、いつの間にか空腹感に変わっているというこのマジック(笑
半額弁当の争奪戦というふざけたシチュエーションに、本気の情熱と血の滾りを感じさせるのはストーリーだけじゃなくて、なにより戦った結果勝ち取った弁当が本当に美味そうだからこそ、説得力が出てくるんですよね。これで、弁当の描写が普通だったらここまで読んでて燃えないし、彼らが半額弁当に掛ける情熱も共感も理解も出来ないような気がする。安易に余人が手を出せない領域だ。

厚いページ数に反映されるように、今回は見所が多い。ビッグ・マムと呼ばれる半額神のいるスーパーでの攻防を主軸に据えつつ、文化祭のお祭り騒ぎも手を抜いていないもんね。他の人なら二編に分けて書くような話を、美味く混合させてブレずぶっとく仕上げているのだから凄い。
戦うことすら出来ないまま、ビッグ・マムの店に通い続ける佐藤の意地。文化祭でクラスの演劇の脚本を任され、腐り果てた普段の姿とは違う賢明に情熱を傾ける新たな顔を見せる白粉(その反動か、腐り方も普段の倍増しだった気もするが。落ち着け)、そして最愛の妹の来訪にHPの、狼の先輩としてではない様々な表情を見せてくれる槍水仙。
うん、見所は沢山あれど、やっぱり今回のメインというか主軸となるのは槍水先輩だったな。以前のメイン回とも違って、今回は先輩としてではない、仲の良いクラスメイトに見せる気安い顔、妹に見せる甘い姉の顔、それらが佐藤と接する時にも波及してきている感じで、佐藤と一緒に居るときも普段とちょっと今回は違う感じなんですよね。ちょっと甘いというか優しいというか、まだ微妙に残ってる先輩らしく威厳を保って、という風な肩を突っ張ってるところが溶けて、佐藤に対してもかなり感じが柔らかかったんですよね。いつもより、より素の、先輩としてではない槍水仙が出ていたみたいで。
やっぱり、この人はこの人で魅力的だなあ。自分はおもいっきりあやめ派なんですが、今回については槍水先輩にかなりメロメロにされました。

でも、それで終わらないのがこのベン・トーの真髄。緩急自在の効果を十分以上に弁えている。普段よりも甘く柔らかい姿を見せていたからこそ、クライマックスで現れるのは最近直接見ることの少なかった、近隣屈指の、最高峰の実力を誇る狼【氷結の魔女】の偉容。最近は佐藤の戦いがメインで、そういえば氷結の魔女の実力を間近で見る機会が減ってたんですよね。忘れてた忘れてた、この人、本当に強いんだ。今まで出てきた名うての二つ名持ちの狼たちをして上に立つほど、抜きん出た存在だったんだ。
それを、久々に思い知らされた。やっぱり氷結の魔女、つええ。かっけえ。そんじょそこらの二つ名持ちを上回る実力を身につけた佐藤だけれど、こりゃあまだまだ槍水先輩は憧れの先だ。

久々に槍水先輩の本気の戦いを克明に見れたので、佐藤ちんはいまいち良い所なかったけれど、大満足。うん、佐藤は今回は槍水先輩の露払いとして、充分役立ってたよ。まさに彼女の活躍の場を用意するために、佐藤が全部地均ししてたもんなあ。
まあ、その一方でさらに変態度が増してしまっていたわけだけど。ついにロリコンにまで食指を伸ばしてしまったか……毛玉の方はなんか真正っぽくて、ヤバげなんだが(笑

さり気無く、ウィザードが帰国しているなんて情報もあり、そろそろHP同好会の過去にまつわる話、くるかなあ……というネタふりを毎巻の感想で書いているので、そろそろ当たって欲しい(苦笑

オルトロス姉妹は、出番少ないくせに存在感がぱねえなあ。あのオルトロス姉のキャラが際立っているというか極まっているせいなんだけど(笑

シリーズ感想

ベン・トー 5.5 箸休め 〜燃えよ狼〜4   

ベン・トー  5.5 箸休め~燃えよ狼~ (集英社スーパーダッシュ文庫) (ベン・トーシリーズ)

【ベン・トー 5.5 箸休め 〜燃えよ狼〜】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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半額弁当争奪バトルに青春を賭ける佐藤洋は、HP(ハーフプライサー)同好会の面々と共に、従姉の著莪あやめの高校の文化祭に繰り出す。高校生の一大イベントを楽しんでいたが、あの引きが強すぎる少女・あせびちゃんの手作り弁当が事件を巻き起こし事態は一変。佐藤は命懸けの弁当争奪戦に参戦することに…!? その他にベン・トーファンタジー編や、名もなき「狼」をフューチャーした短編、そして禁断の「筋肉刑事(マッスル・デカ)」の一部ストーリーなどを収録! 「狼」たちよ、考えるな、感じるんだ! 箸休めにならない箸休め、庶民派シリアスギャグアクション、灼熱の5.5巻!

ちょっ、巻末の注意書きが本気で怖いんだが!? ま、まあ読者よりも遥かにあせびちゃんに近しい作者や編集部が大丈夫なんだから、読者は大丈夫だよね? ……ま、まさか読者様を差し置いて、自分たちだけお守り実装とかしてるんじゃないだろうな!? 月桂冠半額シールをオマケで付けるよりも前に(いや、これはこれで何気に良かったんだが。ちなみに自分のは槍水先輩Ver.でした)、対あせび用のお守りをオマケとしてつけておくべきだったんじゃないのか!?
これで、そのオマケのお守りシールがボロボロに風化してたらマジ怖いけどw

というわけで、今回は短編集。半額弁当をゲットするために日々スーパーマーケットで激闘を繰り広げる狼ではないために、常に出番の少ない<死神>あせびちゃんも、巻末に注意書き、もしくは責任回避の一文が添付されるほど出ずっぱり。さすがにこんな番外編じゃなきゃあ、彼女が表紙を飾ることはないわなあ。そして、背景のお弁当は劇中を阿鼻叫喚の渦に叩き込んだあせび特製弁当。この弁当の恐ろしいところは、凡百の絶叫手作り料理と違って、味についてはまったく問題ないどころか素晴らしい所なんですよね。食材についても別に特殊なものを使っているわけでもなく、ごくごく普通の食べられるものを使っているに過ぎない。実際、このお弁当の描写ときたら、普段の半額弁当のそれに勝るとも劣らない、ヨダレがたれてきそうな美味しそうな代物で。
それなのに、何故阿鼻叫喚となるのか。それは是非、本文を御覧くださいませ。察しの良い方、観察力の鋭い方は、表紙のお弁当を見たらわかるのかも。<死神>あせびの恐ろしさを、真に味わうはめになるでしょう。いや、マジで美味しそうなんだけどなあ、これ。恐ろしい罠だ。だいたい、「あっちの」お母さんってどういう意味だよ(笑

【鳥になった男たち】
そんなあせびちゃんの大活躍を観覧できるのが、あやめたちの通う高校の文化祭にみんなで繰り出すこの話。淡雪と真希乃の中学生二人組、てっきり佐藤たちの学校に進学するつもりなのかと思い込んでたら、勘違いであやめたちの高校の方だったのか。HP研究会の後輩が出来るのかと思ったのに。まあ、レギュラー化して出番が増えるタイプじゃないしなあ。え? キャラが薄いとかは別に言ってないよ? オルトロス姉妹とか白梅がヤバいとか言ってないよ?
相変わらず、佐藤の中学時代の悪友たちとの武勇伝がアホすぎて面白すぎる。筋肉刑事は風紀的にも危険なのでおいておいてむしろこっちを単行本化するべきなんじゃないだろうか(笑
白梅やオルトロス姉妹にドレスを着せられ、キョドりまくる槍水先輩が、この人はやっぱりかわいいなあ。普段はクールなカッコいい系の美人なんだけど、それが作ったキャラクターというのはもう今となっては明らかで、彼女の本性って間違いなく小動物系なんですよね。いろいろな意味で肉食獣ばっかりのこの作品の女性陣の中で、実は彼女が数少ないカワイイ系というのが、この時の仔犬みたいな先輩の様子からよくわかる。うんうん、かわいいなあ。
一方で白粉はー、この子はーー。黙って大人しくしてれば普通にカワイイ子なのになあ。なんでこんな大残念娘に。なぜかこの子の題材になってしまうようなガチムチなハプニングに巻き込まれる佐藤も佐藤だけど、白粉ははしゃぎすぎだ(苦笑


【首なしの白い巨人】
ベン・トーのキャラクターたちが織りなすファンタジー。そう言えば、元々作者のアサウラさんってベン・トーを書く前はかなりシリアスよりのハードボイルドなタイプの作品を手がけてた人なんですよね。もちろん、これはその頃の作品と違って、ベン・トーに沿ったライトな雰囲気の話なんですけど、ファンタジー作品としてお為ごかしで終わらないしっかりとした世界観の話になっているのがまた素晴らしい。此の人が奇を衒った小手先の人じゃなく、しっかりと実力を有した作家だと言うのがよくわかる。そうなんだよなあ、ベン・トーの最初の一巻の感想じゃあ、「なまじ実力のある作家が本気で手抜きなしにバカやるとこんな恐ろしいものが現実に顕現してしまう」なんて風に書いてたんだっけ。
主人公はあやめ。佐藤は何故かひとりだけ人間ではなく犬畜生のブルドックw こうしてみると、あやめの佐藤の扱い方って、人間が相手でも犬が相手でも変わんないのなー。
いやマジな話、あやめって佐藤が人間の時でも流れ次第で普通に一緒に風呂に入ってきそうなところがあるんだよなあ。
そして、ここでも振るわれるあせびちゃんの猛威w そしてここでもわりとひどい目にあっている槍水先輩。此の人いつからこんな役回りになっちゃったんだ?w


【佐藤洋、十六歳の誕生日】
そっか、あやめと佐藤って誕生日も一緒だったんだよな。彼女が初登場した時にそんなこと言ってたっけ。槍水先輩の優しさが身に染みる、何気によいお話。彼女はこの作品の常識と良識の良心だよなあ。


【名もなき狼たち】
掌編。なんか読み覚えがあると思ったら、スーパーダッシュ文庫の公式サイトで掲載されてたのを読んだ事があったんだった。無名にも関わらず、ほぼレギュラー出演している坊主・顎髭・茶髪の三人の無名の狼たちのお話。無名とは言えこの三人は二つ名持ちとなってもおかしくないような実力派なんですよね。雑魚とかモブとかとは程遠い存在感。何気に挿絵で坊主と顎髭のビジュアルデザインが明らかになったのは嬉しかった。でも、肝心の茶髪はこの期に及んで顔隠されてて残念。ううっ、でもしっかりと特徴であるところの胸は描かれていると言う、なにこのわかってる感は(苦笑


【白粉花の週末】
あ、ある意味自分の趣味趣向に対して一途だよなあ、彼女は。探究に余念がないというか、突き詰める意欲に溢れているというべきか。でも、彼女の嗜好って男同士が云々というのとは別に、単純に筋肉フェチという部分もあるんじゃないだろうか、と美容室のエピソードを見ながら思ったり。でないと、あんな風に触られて喜ぶというのがわかんないし。

【著莪あやめのお見舞い】
発熱でぶったおれたあやめを佐藤が見舞うお話。
この二人の仲って、なんかもう幼馴染とか超越しちゃってるよなあ、というのを改めて思い知らされたり。兄弟とかいうのとも違う、この遠慮の無さ。一緒にいることが自然という距離感の近しさ。
普通に佐藤の前でたんすから下着出すし、彼が部屋にいるときにお風呂入ることにも何も頓着しない。風呂上りに佐藤に髪を梳かしてもらうのは当たり前。熱が高くなって動けなくなったあやめをお姫様だっこでベッドで運ぶのも当たり前。どちらかが熱を出したときは、一緒のベッドで寝るのも自然なこと。逆にいないと違和感ありありで、心細い。
とか、もうそこらの幼馴染とは格が違うから!
今後、佐藤かあやめかに恋人なんかが出来たとしても、その相手は恋人に自分よりも遥かに身近な相手がいるという現実に耐え切れるとは思えない。逆に言うと、こいつらの恋人になれるような人間って、それを受容出来る人間じゃないといけないってわけで……とてもじゃないけど、そんな人間がいるとは思えない。
とはいえ、じゃあもう二人がくっついちゃえよ! というのもなんか違うんですよねえ。恋人同士になるというのは、この二人については非常に違和感がある。でも、その過程すっとばして結婚しちゃうケースはわりと易々と想像できちゃうんですけどねえ。


【白粉花の夏休み】
白粉花、夏の祭に出陣する決意を固める! の巻。と見せかけて、普段何を考えているかよく分からない彼女が、HP研究会に入ったことで何を感じ、どう変わったか、その彼女の心境を目の当たりに出来る、ちょっといい話。傍目には奇人にしか見えないのに、案外素顔は普通なんだよなあ。それがどうしてああなるんだ?(苦笑


【電話の後で】
鳥になった男たち、のその後のお話。書下ろしの最後の短編。あやめは、佐藤のことをぞんざいに扱っているようで、その実よく面倒を見てるんですよねえ。まあ、佐藤もあやめの面倒をよくみているので、二人でお互いに甲斐甲斐しく世話しあっているとも言えるのかもしれませんが。
なんにせよ以心伝心、気心の知れた相手の掛け替えのないこと。
仲イイな、ほんとに。
しかし、ジャーキーでポッキーゲーム紛いのことを、遊びでやっちゃってるのは、本人たちほんとに何も思ってないんだろうか。
あまりにもスキンシップが自然すぎて、お互いに意識もしないもんだから、果たして此の二人、この先どうなっていくんだろうか、と言うところが気になってしまう。

シリーズ感想

ベン・トー 5.北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円4   

ベン・トー〈5〉北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 5.北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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物凄い暴露記事をあとがきに観た!! この作者、担当とよほど仲がいいか、会社的に抹殺したいほど大好きかのどちらかだな。
初版本にだけついているおみくじしおりは中吉でござんした。これ、デザインは種類一つだけなのかな。着物姿の先輩がなかなか美人さんで可愛らしく、キュートでござんした。裏のアセビの厄除けは、むしろ厄寄せなんじゃないかと恐々ですが。

今回、かなり削ったらしくあとがきでも、話が成り立つかどうかの綱渡りをしてどうにかこうにか、と言っているだけあって、かなりカツカツな感じがするんですよね。もういっそ分冊にしてしまえばいいのに、と思うんだけどなあ。
前々から佐藤たちのいる街は相当の激戦区、レベルの高い地域じゃないのかとは思っていたけれど、大谷や牧といった別地域の狼たちとの交戦を見る限りではやはり相当なんだな。未だ二つ名を持ってない茶髪や坊主、顎髭なんかのいつもの面々だって、あれもう無茶苦茶古強者って感じだし。茶髪さんなんか、未だにガチでやりあったときには、佐藤にまともに勝ちを譲ってないじゃないですか。佐藤はあれ、まだムラがあるとはいえ確かに二つ名レベルの実力を獲得してきているのに、ですよ。茶髪さんは二つ名出てきてもおかしくなさそう。

今回はわりと直球のラブコメをやっているのですが、うーん、やっぱり佐藤の恋愛観ってちょっと他の人とは違う気配がするんだよなあ。丁度、別口のカップルが成立しているのでその違いがわかりやすかったのだけれど、大谷くんのそれは大変わかり易いものだったんですが、佐藤のそれはちょっとズレてるんだよなあ。彼が広部さんが好きで惚れているというのは間違いの無いことだとは思うのだけれど、それが果たして大谷が牧に抱いた想いと同種のものだったのか。
もし、広部蘭が間違わずに佐藤が好きだった素の彼女で彼を引き止めていたら、という問題じゃなくて、佐藤の生き様云々という話じゃなくて、そもそも佐藤の異性への認識、女性との距離感、恋愛に対する想像力が普通の男と違ってしまっているような気がするんですよね。これは、あやめとの付き合いから生じたものだとは思うんだけれど、大谷や二階堂といった他の男と比べてもどうもなんかおかしい。他人の恋愛に対しても、殆ど理解力や認識が及んでいないみたいだし。
その点、あやめはズレてるようで恋愛観はちゃんと普通の女の子らしく持ってるんですよね。故にこそ、あやめは佐藤が他とはズレているのを、ちゃんと把握しているのかも。だから、自分と彼がくっつくことはないと確信しているのかもなあ。でも、最近ちょっとあやめの佐藤への接し方が徐々にだけど変わってきてるんですよね。佐藤も微妙に違和感感じてきているみたいだし。

まあでも、佐藤の恋愛異常と、自身の生き様に対する誠実さとはまた別のお話なわけで。人って賢いやつよりもバカなやつの方が正直に生きることが出来ると言うことなのか。打算や損得勘定で、時に人間は自分が望んでいた生き方をハズレてしまい、ついついより確実と思われる方の道を選んでしまった結果、その正解の中で息を詰まらせ苦しい思いをすることになる。
広部蘭も、猟犬とあった山原も、それぞれが正しいと思って選んだ道で、成功しているはずなのに、何故か苦しい思いに苛まれている。
そんな二人にとって、佐藤という存在は憎悪と憧憬の象徴だったのかもしれない。だから、彼をたたきつぶそうと執心し、彼を自分の場所にまで引きずり降ろそうと、しがみついていたのだろう。
「あたしと半額弁当……どっちが好き?」
この頭の悪い問い掛けを、バカじゃないのかと自分で思いながらも広部は真剣に尋ねるんだけれど、これは彼女が、未だ半額弁当争奪戦の真実の姿を知らないままでありながら、正確に佐藤が持つ魅力を理解し、彼の生き様が自分が捨て去ったものを体現しているのだと認識していたからこそ言えたセリフなんじゃないだろうか。逆に、自分はこのセリフで相当に広部蘭というキャラクターを好きになりましたよ。これは、よっぽど彼女が聡明でないと言えないセリフだもんなあ。本人はこの時点ではわかってないけど、ある意味コレ、今の自分と昔の自分、どちらが好き? と問いかけているようなもんだし。だからこそ、佐藤はあんなふうに答えたんだろうし。
うん、バカは強いよなあ。余計なものにリソースを振り分ける余裕が無いから、脇目もふらず自分の信じた道に好き勝手に突き進める。あとで後悔することも無い。
それはとってもカッコいいことだし、羨ましい。
だから、変態扱いされながらも彼の周りにはライバルでありながら通じ合った友が集まるんだろう。なんだかんだと、佐藤ってこの地域の狼たちの中心核的な存在になりつつもありますしね。ボスだの最強だのというんじゃあないんだけれど、誰もが彼を意識しているわけですし。そろそろ、ホントにあれな二つ名じゃなく、まともなのをつけてあげてもよさそうなもんなんだけどなあ。どうも、犬系のにはなりそうな感じなんだけど。
オルトロス姉妹の再登場は嬉しかったなあ。ダンドーと猟犬群との激戦に、オルトロスが味方側で参戦してきた時には激燃えでしたよ。魔導士を除けば、オルトロス姉妹は間違いなくこれまで出てきた中でも最強クラスの狼なわけですし、それが味方に回るときたら、
八匹の猟犬を引き連れた地獄の狩猟者・ダンドーと、双頭の魔犬を引き連れた魔女。頭数では負けていても、その総力では負けていない。

この口絵の、氷結の魔女とオルトロスが並び立つシーンは、読み始める前だったのに滾ったもんなあ。

そういえば、今回、具体的ではなかったものの、槍水先輩とHP部の過去が段々と明らかになってきてましたよね。前巻の感想でそろそろ、過去のHP部の話もやるのかと穿ってましたけど、次くらい本格的に来そうだよなあ。

弁当の描写も、全く衰えることなく美味そうで美味そうで。自分、豆ご飯とピーマンの肉詰めがあれほど美味しそうに思えた事なんて初めてですよ。どっちも別に好きじゃない類の品なのになあ、滅茶苦茶美味そうだったなあ、はぁ。

ベン・トー 4.花火ちらし寿司弁当305円  

ベン・トー 4 (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-6)

【ベン・トー 4.花火ちらし寿司弁当305円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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みんな、気づいているか!?
一巻からこっち、弁当の値段が五円ずつUPしているという事実に!!

……だからそれがなんだ、と言われると、いえべつに、と返答する他ないのだけれどね。


夏休みに入り、強化合宿を行うことになったHP同好会。槍水先輩、佐藤に白粉の三人に加え、合宿の後半からはあやめも参加する、お泊り会。
けっこう気合の入った槍水先輩のエロカッコいい私服姿も相まって、やたら佐藤がテンションあがってるのが笑える笑える。
佐藤ちん、槍水先輩のことエロい目で見すぎだって。熱中しすぎだっての。もう、まるで槍水先輩を視姦するのが目的かと思うくらいに、舐めまわすように見る見る見る。……こいつ、やっぱり変態だな。

と、その合宿と称した遠征に行くまでの冒頭ですでに飛ばす飛ばす。駅での列車の停車時間中に駅弁を急いで買いに行く、というシチュエーションは、それ自体はよくあるだろうけどさ。違うホームにある売店まで往復一分半で行って帰るって、ねえよ!!(笑
最近、スーパーでのあり得ない激闘にも感覚がなれてしまってて、たかが弁当争奪戦で、天井に着地したりカートを片手で振り回したり、というアクションにそれほど違和感を感じなくなってしまっていたのだけれど、そういえばあれって、ねえよ! っていうアクションだったな!
でもやっぱり、一分半はシビアすぎるよ! っていうか、普通に行き来したら6分くらいのところ一分半て!
とりあえず、レッドに対する当人と他の連中との認識の差に笑ってしまった。可哀想にw


この強化合宿自体は、HP同好会の恒例行事だったらしい。夏休みのこの時期、そこは花火大会時の特別弁当の仕出しもあって、他の土地からも名うての狼たちが集まってくる狩猟場となっており、ここでの戦いぶりが二つ名を広めることになるという。かの【魔導師】もまた、かつてこの地で名望を高めた一人なのだそうだ。
半額の弁当を手に入れるために、わざわざ遠隔地にまで遠出してくるという時点で、通常の感覚では本末転倒なんだけどなw ただし、それは闘争を求める狼の論理にあらず。真の美味を得るためには、闘争を経るしかなし。彼らは半額の弁当を求めているわけではなく、うまい弁当を求めている、と考えれば、その志向も理解できるか。
とはいえ、そこでは元の街では会う事のない、かつてここでHP部と戦った猛者たちとの遭遇もあり、佐藤たちの知らない槍水先輩の姿、そして過去のHPの栄光も垣間見えることとなる。
あえて、槍水先輩は口を閉ざしているけれど、HPの過去にはどうやら大きな事件があったみたいなんだな。
前巻からチラチラと描かれていた、槍水先輩の素顔。普段のクールで鋭角的なスタイリッシュな頼りがいのある先輩としての姿とは裏腹の、どこかあどけなく柔らかく大人しげな少女としての槍水仙。元々の彼女って、実はかなり大人しい引っ込み思案で内向的な少女だったんじゃないだろうか。縁日ではぐれかかったときの、オロオロと不安げに慌てる姿や、オバケが全然ダメだったり、お風呂であやめに弄られてる時のものすごい受け身の姿勢とか、今の性格が作ってるとは言わないけど、それなりに変えようとして変えたものだったんじゃないだろうか。あの化粧なんかも、意図的だったわけだし。
かつてのHPの先輩たちを狩り、現役から追い落としたという氷結の魔女の行状の真相とは。いずれ、近いうちにHPと槍水先輩の過去にスポットを当てたエピソードがきそうな雰囲気である。

そして後半は、真打ち著莪あやめが登場。
今回のゲストである禊萩真希乃と淡雪えりかという中学生の少女二人の関係と照らし合わせるように、あやめと佐藤の関係にも改めて焦点があてられてたな。
傍若無人で自由気儘なあやめだけど、その彼女がこの二人のすれ違いに、自分と佐藤の過去の諍いを思い起こして、これだけ肩入れしてしまう、というのはそれだけ彼女が佐藤との関係を意識して特別視してるってことなんだよなあ。

相変わらず、佐藤とあやめのスキンシップは常軌を逸している。これはもう、家族的とすら言えないよなあ。
高校生にもなって、普通にあやめが佐藤の住処に泊まりに来る(独り暮らしだぜ)という時点であれなんだが、泊まった時基本的に同じベッドで一緒に寝る、しかもだいたい抱き合って、てのが普通って……どうなんだ?
しかも、寝る時彼女の髪が濡れてるとえらいことになるから、と佐藤が習慣的に風呂上がりには、あやめの髪をドライヤーで乾かして梳かしてる、とかさ。
どんなイチャイチャカップルだよ、と思いたくなるところなんだけど、こいつらそういう意識なくて、ほんとに習慣的にやってやがるからなあ。変にエロいくせに、恋愛臭がまるでしなくて、読んでるこっちはなんか酔っ払ってくるよ。
恐ろしいのは、佐藤はまるであやめに対して女性の性を感じていないように見えるところか。少なくとも欲情らしきものは一切していない。先輩に対してはあれほどエロい目で見ているくせに。興奮しているくせに。
でも、あやめを女と思ってない、というにはどうにも自分たちのスキンシップが他人の目にはどう映るかは分かっている気配もあるんだな、これが。あの火傷に唾つけるシーンなんか見るとね。一応、周りの目、気にしてるわけだし。
いや、しかし口の中を火傷した部分を舌で舐めまわすのは、キスとどう違うんだろう……いや、でも確かにこれ、キスじゃないんだよなあ。参るよなあ。
この二人は、お互いに不可欠、隣にいるのが当たり前、という関係なんだけど、それぞれ互いの関係について少し見ている光景は違うのかもしれない。

なんにせよ、あれだけの戦いを見せたんだから、佐藤もそろそろ本格的に二つ名がついてもおかしくなさそうなんだがなあ。アレ以外でw


しかし、毎回毎回佐藤父のエピソードは気が狂ってる。あの親父は、そもそも人間なのか? なんなんだ? 
ここまで大人げの一切ない大人って、見たことないんだがw
この男が普通に働いて普通に収入を得ている姿がまるで想像できないんだ。
その上、今回は母親もそうとうキてしまっている残念な人間だということが発覚してしまい、……その、なんだ。佐藤は、まあ、よくまともに育った方だったんだな。こいつ、バカだけど、真人間だもんな。

ベン・トーの時代  

遅ればせながら、スーパーダッシュ文庫の公式サイト内にて、【ベン・トー】の特集ページが組まれているのを知る。

ベン・トーの掟(内容紹介・用語集)や登場人物紹介がかなり充実していて、けっこう力入った作りなんですよね。特に、登場人物紹介はキャラのイラストが付随していて……なんで鳥羽藤雄がここにもいるんだ?w

さらに、短編書き下ろしが二編も収録。特に最初の名もなき狼たちの話が秀逸。顎髭、坊主頭、茶髪の三人といえば、二つ名もなく本名も明かされていないけれど、第一巻の最初から主要な戦場では常に顔をのぞかせていた、実質レギュラーともいうべき存在。主人公佐藤と戦場を共にした回数でいうなら、槍水先輩や著莪あやめよりも遥かに多い、戦友たちと言ってもいい連中の話なので、これが面白かった。
確かに、茶髪の女はそろそろ二つ名が生まれてもおかしくないほどの戦歴を誇ってるんですよね。ただ、どんな二つ名が付きそうか、というと……。なにやら、佐藤と同じパターンしか想像できんのよ。

【巨乳】とか!

多少捻って【88(アハトアハト)】とか。
どうやってサイズを知るのかだと? そんなもの、ガブリエル・ラチェットの彼ならばたやすくやってくれるに違いないゼ(w
 
11月26日

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