3歳 オープン (国際)牝(指定) 馬齢 京都競馬場2,000メートル(芝・右)


ハーパー・ルメールのジョッキーカメラから見たリバティアイランドのあまりの凄さに変な笑い声が漏れてしまった。
いやなんだよ、あれ。よくある表現だけど、載せてるエンジンがF1と軽自動車くらい違うんじゃないか、というくらいの勢いで4コーナーであっという間にスルスルと外からはるか彼方に飛んでいくリバティアイランド。
こりゃモノが違いますわ。

オークスでは1.4倍だったリバティアイランドですが、あの度肝を抜くような勝ち方を見せられたらそれ以上の人気を集めるだろうってのはわかっていましたし、リバティお嬢ってば夏に一回り成長してさらにスケールアップしてるんだもんなあ。プラス10キロは成長分。見るからに馬体が大きくなって、明らかに強さを増しているのがわかる体つき。調教ももうわけわからん勢いの出来栄え。
というのが重なって、ついには1.1倍ですよ、1.1倍。久々に見たよ1.1倍。
歴代の三冠牝馬たちを上回る単勝支持率67・3%。
これはほんと、川田がよほど下手を打つかしないと負ける姿が想像できない。そして今の川田騎手は気性悪くて言う事聞かない馬じゃなければ、操縦性良ければまずしくじらないレースプランニングしてきますからねえ。

そんなリバティアイランドに立ち向かった面々。
2番人気は、オークスで2着とリバティお嬢の次に入選したハーパー。とはいえ、オークスでもう完膚なきまでに負けての2着ですからね。そして倍率12.9倍。いやこれ2番人気の倍率じゃないでしょ。5とか6番人気くらいの倍率だぞ、普通。
3番人気。リバティと未だ対戦がない、つまり勝負付が済んでいない新興勢力筆頭であったマスクドディーバ。仮面の歌姫である。春はクラシックにまであがれなかった馬なのだけれど、夏に特別レースを勝ち、そして秋の前哨戦であるローズSにてレコードで勝ったのですが、これが衝撃的なタイムで。1800芝で1:43.0。これ、世界レコードである。
速い馬だからといって決して勝てるとは限らないのですけれど、それでも速い馬が弱いわけがなく。
4番人気はリバティを桜花賞でギリギリまで追い詰めた馬、コナコースト。
5番人気はクイーンSで本格化の兆しを見せ、春から一回り確実に強さを増したドゥーラ。
他にキタサンブラック産駒の刺客ヒップホップソウルに、今日みたいな渋った馬場の紫苑Sで勝利したモリアーナ。唯一リバティお嬢に黒星をつけたラヴェルなどが揃いました。
揃いましたけれど……うん、やっぱり太刀打ち出来なかったですね。こりゃあかんわ。

ペース的にはかなりスロー。1000メートル時点で1分1秒9。この時点でも遅いのだけれど、そこからさらに200メートル12秒台が続き、ようやく加速しだすのが残り600。完全によーいドンの競馬になっちゃってたところで、リバティ川田が4コーナーであっさり外に出しゴーサイン。この加速に他馬はまったくついていけず。いや、中段以降の馬たち、まったくリバティの外に回って蓋をしようという挙動がなかったんだよなあ。ってかあの位置取りだとピピオラ以外はどうこうするの難しいか。中盤までソレイユヴィータの武さんが上手いこと外側前目につけてたけれど、あのペースだとちんたらリバティの横につけてたら手遅れになっちゃうし、前進させていくのは当然でしょう。でも後ろのピピオラがそれ以降もずっとスペース詰めてこないもんだからぽっかりとルートが空いてしまい、リバティ川田は容易に外に出てしかも大して膨らまない位置のままグイグイとあがって、この時点でほぼ終戦。
マスクドディーバが激走して大外から追い込み、最終的に一馬身まで詰めましたけれど、リバティもうノーステッキだし、これ残り100メートルあたりから川田騎手もうあんまり無理させないようにして流しに入ってましたからね。着差以上の差がありました。
それでも、あそこから追い込んできたマスクドディーバは、前走の世界レコードが伊達じゃない事を示してくれましたけれど……それでもこれ、同世代牝馬に太刀打ちできる馬いないわ。
3着はハーパー。4着にドゥーラ。二頭とも良く伸びはしたんですけれど、ギアが入るのがあまりにも遅すぎましたわね。ルメール、4コーナーで外側をリバティがすっ飛んでいくのを横に見つけて、慌てて追い出したようにも見えるんだけれど、どうなんだろう。いやまあ、あんな勢いであっという間にはるか先に走っていったら、焦るわなあ。ドゥーラも4コーナーではリバティの隣にいたはずなのに、直線入ったときにはもう3,4馬身かもっとか。いつの間にか先にいましたからね。なんだあの加速力はほんと。

もう何もかもが脱帽の圧勝劇でした。マジでこれはイクイノックスと真っ向からぶつかりあえるレベルですわ。3歳牝馬でここまで隙のない完成された強さの馬はちょっと見たことないです。今までも破格に強い馬は何頭もいましたけれど、多少は紛れがあったし気性や戦法に偏りがあったりしましたけれど、リバティはなんかもうとにかく完璧ですわ。すごい。