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マニャ子

ストライク・ザ・ブラッド 22.暁の凱旋 ★★★★   



【ストライク・ザ・ブラッド 22.暁の凱旋】 三雲 岳斗/マニャ子 電撃文庫

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世界最強の吸血鬼と監視役の少女の物語 ついに完結!

異境(ノド)を制圧し、咎神(きゅうしん)カインの真の遺産である六千四百五十二発の眷獣弾頭を手に入れたシャフリヤル・レン。眷獣弾頭の圧倒的な威力の前に聖域条約機構軍の艦隊は壊滅し、三真祖たちも沈黙する。
日本政府は異境への『門(ゲート)』を閉じるために絃神島の破壊を決断。雪菜と那月を要石のあるキーストーンゲート最下層に派遣する。自らの手で絃神島を沈めることに苦悩しつつも、忠実に任務を果たそうとする雪菜。そんな雪菜の前に吸血鬼の力を取り戻した古城が立ちはだかる。
そのころ異境では、謎の仮想空間に囚われたアヴローラが、モグワイと名乗る怪しいぬいぐるみと接触していた―― !
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、ついに堂々の本篇完結!

いきなり雪菜の夜這いからはじまるという最終巻。この中学生すけべえすぎる。さすがに夜偲んできて襲いかかってくるようなヒロインは……あれ? わりと過半数に達しているような。
というわけで、長く続いたこのシリーズもついに完結。第四真祖の誕生の真実、咎神カインとは。三人の真祖たちの意図とは。などなど、シリーズ通して紡がれてきた物語や世界観の根底を担う設定や伏線などもほぼほぼキッチリと明かされたんじゃないでしょうか。総じてカインと彼を殺す為に生み出された初代第四真祖との友情の物語であり、その後始末を現代で古城くんが一生懸命に頑張るはめになった、と。まあ彼に言わせれば、こいつは自分の戦争(ケンカ)だっ、てなもんなのでしょうが。
しかし、モグワイはただのAIじゃない、とは最初期から感じてはいたんだけれど、彼を作った浅葱が天才すぎるもんだから、浅葱が作ったAIなら妙に浅葱からすら独立した個性や意志を感じてもおかしくはないよね、という微妙なライン上を走ってたんでどうにも判断つかなかったんですよね。最後まで。
その御蔭か、なんかあるかもとは思いつつも正体云々にまで想像が及んでいなかったんですよね。なので、アヴローラの前に出てきた段階でようやく「あれ?もしかして」と思ったくらいで、結構素直に驚きましたよ。そうなると浅葱のカインの巫女って思いの外直接的な意味でもあったのか。

ラストという事で総力戦であり、シリーズ通して最初のヒロインであり最後のヒロインでもあったアヴローラ、囚われの姫君との再会でもありました。って、折角のアヴローラとの再会シーン、そんなんでええんかい! いやもう古城らしいと言えば古城らしく、アヴローラらしいと言えばアヴローラらしいんだけど、もっとこう感動の再会とは行かなかったんだろうか。ほんと、長きにわたる別離からの邂逅だったというのに、唯里のツッコミも冴え渡りますわ。何気にヒロインの中で随一のツッコミ役になってしまった感のある唯里さんである。普段は一番温厚でツッコミとかには程遠い人格者のはずなのに、こんな子に何をさせるんだか。
しかし、唯里さんは仄かに古城に対して「イイなあ」という淡い気持ちを抱いていたからいいものの、むしろ父親の方の牙城の方に惹かれていた志緒や、古城に対しては特になんにも思ってなさそうな妃崎霧葉まで血の伴侶にしてしまってよかったんだろうか。霧葉さん、あれはツンデレ、てわけでもないだろうし。
というわけで、正式な12人の花嫁は叶瀬夏音、江口結瞳、ラ・フォリア・リハヴァインに仙都木優麻、藍羽浅葱、煌坂紗矢華、香管谷雫梨・カスティエラ、羽波唯里、斐川志緒、妃崎霧葉。んで、アヴローラ・フロレスティーナと姫柊雪菜。これでちゃんと12人。自前の眷獣を持っているアスタルッテは血の伴侶には慣れないものの、魔力連結はしているので事実婚状態。十三人居る!?
一度、暴走した古城を元に戻すために招集された12人の花嫁たちだけど、あの時は結局血の伴侶を集めて儀式して、という通常の流れにならなくて、暴れる眷獣ヒロインたちがぶん殴って正気に戻すというそれどうなの? 嫁怖い、というかなり力づくな流れで片が付いてしまったので折角の花嫁設定ががが、という所があったのですけれど、この最終盤になってもう一度仕切り直して血の伴侶たち12人の想いと力が合わさって、古城復活、という王道の流れが来るとは思いませんでした。ベタだけど、この整えられた流れは美しさすらあるよなあ。
そしてメインヒロインが12人いて誰一人として個性埋没していない、というのが何気に凄い。この中では煌坂とカス子が圧倒的イジラレ役になってしまいましたなあ。まあ最初からですけど。
煌坂がもう、チョロ坂さん、チョロいさんの面目躍如とイイますか、結瞳の夢魔の力にアテられてたからといって本音ダダ漏れすぎでしょう。どれだけ古城のこと好きなのを拗らせてるんだ、この愛人体質娘。おまけに、相手が最強の夢魔だからといって簡単に操られすぎである煌坂さん。魅了かけた結瞳ですらちょっと引くくらい完璧に洗脳されちゃってたし。普段よりスペック発揮してるし。なんかもう、あらゆる方向にチョロいよねこの人w
そして、古城だけじゃなくて多方面からも変なあだ名や呼び名つけられてキャンキャン鳴くはめになってるカス子さん。那月ちゃんにパッパラ修女騎士(パラディネス)とか呼ばれたのにはこっちまで吹いてしまった。なんかもう誰も雫梨とか呼んでくれてないんですけどw
浅葱はもう女帝としての貫禄が根付いてしまっていて、今回何気に一番ヒロイン的な活躍をしていたのって妹の凪沙だったんじゃないだろうか。結局、凪沙こそがアヴローラをはじめとした人造吸血鬼たちを救うための鍵となる存在だったわけですし、巫女としての役割をいかんなく発揮して本来手の届かない場所から、アヴローラに手を差し伸べる姿なんぞは美しさすらありました。この子、現在はやかましい中学生の小娘なんですが、将来美人になるんだろうなあ。父親と母親がアレなので、あんなふうにはなってほしくないですけど。
そして、本命の雪菜はというと。結構今回置いてけぼりというか仲間はずれというか。獅子王機関のエージェントという立場もあったので、一連の危機の中で絃神島の住人として動く古城たちとどうしても距離を置かないといけない、という所もあったのですけれど。
下手にどっちかを選べ、みたいな選択肢を突きつけるのではなく、監視役という雪菜のアイデンティティを最後まで尊重してあげたのは、古城くんらしいなあ、と思いつつ、そこはもっとグイグイと押して本当の意味で自分のものになれ、みたいな事もちょっとは言って欲しかった所もあります。
彼の朴念仁は結局最後までゆるぎもしませんでしたからね。いや、案外雪菜含めてかわいいかわいいは連呼していたような気もしますけれど、恋愛的な意味で古城がデレたかというと……最後まで変わらんかったもんなあ。個人的にはもう一声、古城くんの方から恋愛感情に目覚めた所を見せてほしくはありました。というか、責任取るところ?
まだまだ古城くんの長い物語は続くようで、この天部編は序の口、みたいなことを未来から来たあの子たちがこぼしてましたけれど、ほんと全部片付いて終わったー、という感じは全然しないんですよね。
わりと今までと同じような感覚で一つの事件が幕を下ろした、んですぐにまた新たな事件が……と続きそうな感じで、あんまり最終巻という感じしないんですよね。そのお陰で、長く長く親しみ楽しんだシリーズが終わっちゃった、という寂寥感も味わわずに済んでいる、とも言えるのですけれど、もうちょっと区切りの感覚も欲しいので、後日談的とかスピンオフ的なものは出して欲しいなあ。
ともあれ、9年近くにも渡って長らくお疲れさまでした。うん、ひたすら楽しかったなあ。


ストライク・ザ・ブラッド 21.十二眷獣と血の従者たち ★★★★   



【ストライク・ザ・ブラッド 21.十二眷獣と血の従者たち】 三雲 岳斗/マニャ子 電撃文庫

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十二人の『血の伴侶』を招集せよ! 古城のため雪菜たちが下した決断は!?

死闘の末に吸血王を倒した古城たちだったが、シャフリヤル・レンの策謀によって、異境へと墜ちたアヴローラ。第四真祖の力を手放し、ただの人間に戻った古城に、彼女を救い出す手段はない。だが、苦悩する古城たちの前に現れた第一真祖キイ・ジュランバラーダが、意外な取り引きを持ちかける。キイが古城に与えたのは、新たな漆黒の眷獣たち。無理やり植えつけられた眷獣の影響で、理性を失い、怪物化する古城。残された雪菜たちは、眷獣を制御するために必要な十二人の『血の伴侶』を集めるべく奔走するのだが--
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第二十一弾

12人の怒れる嫁たち、とでも副題を貼り付けたくなるヒロイン総結集編。いや別に、怒ってるの浅葱さんくらいであったのですけれど、浅葱が怒ってるとそれが総論になりそうなあたりに彼女の存在感の凄まじさが伺える。
実際、これだけヒロイン格が勢揃いしたにも関わらず、いやだからこそか。藍羽浅葱という女性の格の違いを思い知らされた感がある。
圧倒的正妻な雪菜であっても、浅葱にはある意味これ敵わないよなあ、と痛感させられたと言ってもいい。このメンツの中で浅葱の「格」に向こう張れるのってラ・フォリアくらいなんじゃないだろうか。
那月先生はメンバーに含めていいのかいささか微妙な立ち位置ですし。
ちなみに眷獣と喧嘩するメンツには堂々と参加していた先生ですけれど、これが血の伴侶としてならどうしたんでしょうね。自分としては妃崎霧葉が血の伴侶としても手を挙げたのは意外でしたけど。この人は古城に対してもっとドライな立ち位置だと思っていたので。
ただ、展開として大人しく血の伴侶を十二人集めて、古城を誘惑して血を捧げてるだけとはいえ血の伴侶たちには贄という形で眷獣たちを鎮撫する、という形ではなく眷獣どもを物理的に殴り飛ばして黙らせている間に本体の古城の方をなんとかしてしまう、という腕力に頼ったやり方になってしまったのには笑ってしまいましたが。

チカラづくかよ!!

眷獣よりも嫁たちの方がよっぽど強くて怖いんだよ、という真理を古城の魂に刷り込むかのような所業である。
寵姫として古城のハートに訴えかけ、ヒロインとしての魅力で眷獣たちを大人しくさせていくという、古城からの寵愛を争うような或いはハーレムとして嫁同士協力してのプレイ、みたいな雰囲気をそんなんやってられっかーー! と盛大に蹴っ飛ばしてみせた浅葱さん、パネエっす。雪菜たちはわりとその気だったのにw

しかしこれ、結局集まったのって十二人どころじゃなかったですよね!?
まあ血の伴侶、という縛りがなくなったと言えばなくなったので血を吸う云々はお断りとか倫理的にダメですよー、な那月先生とか小学生な江口 結瞳とか、実妹な凪沙も参戦できたので12人縛りは実質なかったのですけど。戦車乗りのリディアーヌとか忍者趣味の夏音の護衛のユスティナさんなんかも血の伴侶とは関係なかったですしね。

事前の予想であげていたメンツ。姫柊雪菜/藍羽 浅葱/煌坂 紗矢華/ラ・フォリア・リハヴァイン/香管谷 雫梨・カスティエラ/仙都木 優麻/叶瀬 夏音/羽波 唯里/江口 結瞳/アスタルテはほぼ当たりだったのですけれど、アスタルテが自前で眷獣抱えているので血の伴侶になれない、というのはちょいと驚きではありました。でも人工眷獣を維持するために古城と魔力連結していたのでいわば事実婚状態になるのか。
セレスタは姿形も見えず。グレンダはイドの方に行ってしまっている、という事で数には入らず、古城に好意を持っているとは思わなかった妃崎霧葉と斐川志緒の二人が参戦、って志緒さんってばあんたの好み、古城じゃなくてオヤジの方の牙城じゃなかったんかい。
ともあれ、今回の血の伴侶招集はともかくとして、実質的な将来の嫁候補者はこの12人にプラス・アヴローラという事になるのでしょう。
この中でも特にカス子こと雫梨は敢えて雪菜と設定かぶらせてきた上で雪菜と対等クラスまで正妻としての存在感を高めてきてるんですよね。後発組でここまでメインに食い込んでくるのって何気に凄いんじゃないだろうか。今回も雪菜とセットでバニーガールの格好して古城への誘惑担当に収まっていたわけですし。
それに比べてチョロ坂さんと来たら、小学生の結瞳にまでお前は所詮愛人枠だから弁えろ(意訳)とか言われちゃってるの、さすがである。

今回は第4真祖の力をアヴローラに返してしまい、人間に戻ってしまった古城がアヴローラ救出のためにもう一度チカラを取り戻すための準備回でもあったわけですけれど、同時にやっとこ世界観の基軸となる歴史の背景がわかってきて、色々と理解が行き届いてきた感がある。
特に咎神カインの真実、世界の脅威とされてきた謎の存在がどのような人物だったのかが、グレンダの記憶からはっきりと見えたことで、ようやく世界の謎がすっきりしてきた感がある。聖殲という浅葱が引き継いだ異常すぎる力の正体とか、意図不明だったものの正体がわかってくると物語の方向性も随分と行き先が晴れ渡ってきた感があるんですよね。
第一真祖キイ・ジュランバラーダ、第二真祖アスワドグール・アズィーズ、第三真祖ジャーダ・ククルカンの三人とカインの関係。吸血鬼とその眷獣が生み出された理由。そして第四真祖という人工の吸血鬼が作られた意味。ここまで明らかになってくると、物語も本当に最終盤なんだ、という実感もそろそろ湧いてきたかも。
にしても、囚われの姫の救出劇って、やっぱり真ヒロインってアヴローラ・フロレスティーナだよなあw そしてアヴローラのキャラからして、他の嫁たちから猫可愛がりされる姿が容易に想像できてしまうぞw

シリーズ感想

ヒマワリ:unUtopial World 8 ★★★☆   



【ヒマワリ:unUtopial World 8】 林 トモアキ/マニャ子  角川スニーカー文庫

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幾多の戦いを終え、優勝者が決定した第二回聖魔杯。しかし、穏やかな時間が流れる優勝セレモニーも束の間、ついにゼネフ自らが世界の完全支配へ向けて動き出した―!ウィル子からのメッセージを信じ、反撃の機会を窺う川村ヒデオ。一方、桐原士郎や木島アリスらの想いによって完全復活を成し遂げたヒマワリは、ヒデオを救い、ゼネフの世界を覆すための逆転の一手を提示する!
「どんな未来に繋げるかはこの時代の人たち自身なんですから」
一夏を駆け抜けるように咲いた一凛の花。過去と未来の交錯する最後の戦いが、いまここに始まる―!

そうかー、てっきりこの【ヒマワリ】が終わったら精霊サーガシリーズまだ続くと思ってたんですよね。また違う形でシリーズが続くのかと。
そうかー、ここが川村ヒデオや名護屋河鈴蘭の物語の終着点だったのか。いやしかし、まさかそのまま直であっちに繋がってしまっているとは。でも、ヒマワリが居た未来やカグヤの未来はミスカルカとは全然違う未来ではあったんですよね。でも、ミスマルカの方もあれはあれでヒデオたちが失敗した世界の未来だと思ってたんだけど。
未来を変えるため、テロリストとして暗躍したヒマワリ。彼女は確かに悪であり破滅的であり自分に価値を置かず自分に関わる人たちにも意味を見出そうとしなかったわけですけれど、ヒデオとの接触によって彼女は変わったのでしょうか。全然変わったように見えなかったのだけれど、でもアリスや士郎との関係にいつの間にか意味を見出してたんですよね、こうして振り返っていると。彼女なりに、彼らとの出会いを尊く思い、大事にしてたんですよね。いやもうわかりにくいんだけどさあ。でも、破壊することでしか救うことを知らなかった彼女が少しでも守ったり託したり、という事をしようと出来た事自体が彼女の成長になれたのでしょうか。
少なくとも、彼女は多くの人に理解しきれなかった川村ヒデオという人をよくわかっていたように思う。わかるように、なったと思う。
ゼネフの齎す世界に、徹底的に対抗してみせたヒマワリ。ではヒデオは? 今回、ヒデオは何が出来ただろうか。第一回の聖魔杯の時とかレイセンの時はもっと具体的に彼の意志が状況の打開に効果を発揮したものですけれど、今回は無力に打ちひしがれることが多かったんじゃないだろうか。
それでも、彼こそがキーパーソンであり続けたんですよね。ゼネフが拘り続けた彼の存在は、最後までゼネフのロジックを打ち砕き続けた。彼は最後まで、銃を撃たなかった。それこそが、一つの答えなんだろう。
しかし、ゼネフの能力と準備し尽くした環境設定によって、見事にカミに連なるものまで力が封じられて、ヒマワリたち生身の人間しか状況を打破できない舞台になったわけですけれど。
やっぱりミーコたち億千万のインフィニティシリーズが、活躍の場を与えられなかったというのはカタルシスという意味では物足りなかったかなあ。ノアレやマックルも結局あれだけ強大な存在にも関わらず、まともに直接的な活躍どころか今回出番もなかったもんなあ。特にノアレは、彼女の力を借りてしまうとゲームオーバー同然、という制約めいたものはあったもののだからこそここぞという場面では見どころになる要素だっただけに、ねえ。
今回のヒマワリを中心としたお話の主題としては、アウターなんか出る幕あったらダメ、というのはわかっていたにしても、【お・り・が・み】の頃と比べるとどうしてもパワーのインフレならぬデフレが進んでしまっていたのはやっぱり物足りない、と感じる部分ではありました。
その分は、ミスマルカの方で取り戻してほしいところでありますけど。ってか、ミスマルカでずっと謎だった北の魔王の正体、マジかー!

しかし、ヒデオってば結局誰とくっついたんだ、というあたりはやはり気になりますよ。その辺はぶっちゃけてほしかったかな。ってか、鈴蘭は長谷部の翔希くんとちゃんとくっつけたのか!?

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 20.再会の吸血姫 ★★★★   



【ストライク・ザ・ブラッド 20.再会の吸血姫】 三雲 岳斗/マニャ子 電撃文庫

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戦場と化した絃神島で、古城はアヴローラと再び出会う!

真祖たちの乱入によって混迷を深めていく絃神島の領主選争。事態収拾の切り札である十二番目のアヴローラを連れて、志緒と唯里は絃神島へと向かう。しかし彼女たちを待ち受けていたのは、第二真祖“滅びの瞳”。包囲された志緒たちを救うため、第二真祖の支配地へと単身で乗りこむ雪菜だが――
そのころ古城は原因不明の飢えと渇きに苦しんでいた。集結した真祖たちと共鳴した眷獣たちの活性化が原因だ。そんな古城に第一真祖が告げる、眷獣たちの暴走を防ぐ恐るべき方法とは――
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第二十弾!
ついに、あの。あのアヴローラが再臨である。やっぱりこの娘、別格である。偉そうな古めかしい喋り方のくせに内気で弱気、儚げで可憐で健気で一途。このギャップは本編での再登場となっても凶悪極まる。ちょっと一緒にいたら好きになっちゃうのも無理がない可愛い生き物なのである。
事実、アヴローラのあまりの可愛さに次々と陥落していく彼女と行動することになった登場人物たち。だって可愛いもの、仕方ないよね?
だから、志緒と唯里が話していた、古城が雪菜と付き合わないのは他に本命が居るからだ、その相手こそアヴローラなのだ! という話、あながち間違いじゃないと思うんですよね。古城の心の中でアヴローラこそがずっと大きなものを占めていたのは絶対的に確かな話なのですから。
とはいえ、アヴローラと古城が付き合いだしてしまうと、雪菜が監視役というよりもただのヤバイストーカーと化してしまう、という想像図には吹いてしまいましたが。雪菜、同僚からも概ねそんな風に見られているのか。
まあアヴローラという大本命の再臨という自体ではありますけれど、雪菜もこれまで正妻として積み重ねてきたものがありますからね。何気に一番苦労しそうなのは浅葱の方かもしれない。浅葱はねえ、古城ベッタリじゃなく独自に頑張ってる自立した部分があるからこそ、という可哀想な面もあるんだけれど。本人のなかなか直截的な行動に移れない性格も大きいんでしょうけれど。
そうこうしているうちに、今回一番躍進していたの、カス子ですよね。何気に古城の面倒を甲斐甲斐しく見る、という部分で雪菜と張り合えるヒロインここまで居なかったですし、領主選争編ではドメインの領主の一人として大いに活躍しつつ、イロワーズ魔族特区の生き残りとしての生き様戦いっぷりも見せてくれましたし、その上で堂々とヒロイン戦線への名乗りあげですもんね。ここまでストレートにちゃんと好意を古城に突きつけた子って、なかなかいませんでしたからね。まあ優麻とかいましたけど。ラ・フォリアは腹黒すぎてカウント外w
それにしても、夏音、カス子、雪菜の三連夜這いは笑いましたけど、その子らみんなJC……。
そして、その一方で古城当人ではなく、牙城と深森の暁夫婦に勝手にご挨拶している煌坂紗矢華w 

三人の真祖たちの介入で大混乱に陥る領主選争は、終焉教団の主たる吸血王の目的とMARが黒幕という事実が明らかになり、ようやく全貌が明らかになってくる。その中で、アヴローラと古城の再会は決して幸せな再会とは行かない様相を呈してしまう。アヴローラこそ最後の贄。古城を第四真祖にした彼女こそが、古城を第四真祖として完成させるもの。しかしそれは同時に、幾つもの悲劇を招いてしまう。それを避けるために、真実を知った者たちはアヴローラを抹殺スべく動き出す。その中には雪菜の姿も。
果たして、古城が選ぶべき選択は。とクライマックスと盛り上がってきたところで、古城くんの雪菜への信頼がまた厚いんですよね。誰よりも大切なアヴローラを託すに足るは誰なのか。
その上で、ラストシーンがまた熱い。第四真祖という力も肩書も失いただの少年となった暁古城と、血の従者でもなくなり監視者としても意味を失ったただの少女、姫柊雪菜。そんな何者でもなくなったが故に、ありのままのただの古城と雪菜となった二人の、彼らの戦争(ケンカ)が今まさにはじまるのである。
まさにシリーズのクライマックスのはじまりに相応しい、次回への期待を膨らませてくれるシーンでした。これは次が楽しみ楽しみ。

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 19.終わらない夜の宴 ★★★★   



【ストライク・ザ・ブラッド 19.終わらない夜の宴】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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アルディギア王国から帰還した古城と雪菜たち。だが、ほんの数日間の彼らの不在の間に、絃神島の様子は大きく変わっていた。白昼堂々繰り広げられる魔族同士の争い。市民を守るべき特区警備隊は壊滅し、南宮那月も行方不明になっている。代わりに人々を保護していたのは、領主と名乗る強力な魔族たちだった。
領主選争と名付けられた魔族たちの争い。それは吸血王が率いる謎の組織「終焉教団」が仕組んだ、絃神島の支配権を賭けた厳正なゲームだった。絃神島を分割した81の領地とそこに暮らす人々を、魔族たちが奪い合い、すべての領地を手に入れた「領主」が、絃神島の新たな支配者として君臨することができるのだ。
正体を隠し続けていたせいで、自分が本物の第四真祖だと名乗り出ることができない古城には、領主戦争を止められない。かくして古城は、絃神島全土を舞台とした魔族同士の死闘に否応なく巻きこまれていくことになる。それこそが吸血王の真の目的だと知らぬままに……
また絃神島が襲われて特区警備隊が壊滅しているよ!!
って、ほんと毎度のごとく壊滅している特区警備隊だけど、何気に今まで滅多と死人を出している様子もなかったのに今回はガチで壊滅してそうなんですよね。オマケに、絃神島の影の最終戦力であるところの那月ちゃんと静寂破りの閑古詠にアスタルテまで破れてしまうという緊急事態。おお、これはガチでヤバイのか? さすがに那月ちゃんと閑さんが一蹴されるといつもみたく呑気にしてられなくなる。オマケに、絃神島の全住人を巻き込んでの戦争ですからね。今回の一件で、一学生していたよな子たちまでその実力を一般市民の前に曝け出すことになったわけですから。
それに、今回の敵の目的は謎が大いにしてもその一端として、今まで正体を隠してきた古城くんを文字通り表舞台に立たせること。第四真祖とは暁古城である、と知らしめることが含まれているっぽいんですよね。今の今まで避け続けてきた事態にとうとう直面することになってしまったわけだ。
まあ、いずれは公式に第四真祖として名乗りをあげないと、未来の絃神島の形にはならないわけでどっかでターニングポイントが訪れるとは思っていたのだけれど、こうもすぐにしかもあからさまに強いられる形で迫られるとは思ってもいませんでした。
しかし、この領主選争、支配下に入れた領地と住民の数が純粋に力となり、しかもインフラとかの確保にも影響する、ってこのネタで一シリーズやってもいいんじゃないか、というくらい面白そうな設定だなあ。それでなくても、江口 結瞳と香管谷 雫梨がリーダーやってる領域にそれぞれメンバーが散らばって、という面白い状況になっていったわけで。これ、ラ・フォリアいなくてホント良かったでね。彼女居たら嬉々として参加して引っ掻き回して色んな意味で大惨事になっていたような。
ただ、前回のアルディギア編の主要メンバー……ラ・フォリアと煌坂を除く殆どのメンツが今回集まって登場してきているようで、真祖たちの集結と相まって本気でオールキャストの話になってきました。
ってか、ラスト衝撃的すぎるんですけど。ついに真・ヒロイン再誕のターンじゃないですか!!

それはそれとして、ここにきての叶瀬夏音推しが急激に強まってきました。前回ラ・フォリアの影武者役であんまり古城くんと絡めなかった分取り戻してきているんでしょうけれど、これだけメンツ揃った中でのパートナー役抜擢は約得だなあ。まあ面白かったのは、夏音云々よりも叶瀬 賢生のお義父さんパートでしたけど。こんなお茶目な人だったか、このオジサンw
お義父さんと呼ぶな、と言いながらも何気にお義父さんと呼ばないといけないように追い込みかけてるようにしか見えないし。まあ娘の旦那候補としてはこれ以上無い物件ですしねえ。

今回は、今までなるべく事件から遠ざけていた妹の凪沙もガッツリ巻き込まれることに。古城くんが第四真祖という正体を隠していた理由の多くを占めていたのは、この妹の魔族恐怖症が原因だっただけに、過去のアヴローラの記憶を取り戻した段階でそう言えばハードル自体は下がっていたんですよね。なので、第四真祖の正体が公のものになるか、という事件に凪沙がガッツリ巻き込まれるというのは象徴的な展開なのかもしれない。でも、連れ添いが矢瀬っちというのは実際どうなんだろう。いや、凪沙の身近にいる男性って古城くん除くと矢瀬だけだし気安い関係なんですよね、友人の妹、兄の友達という関係以上に。とはいえ、矢瀬っちには自称だけど閑さんという彼女が居る、という主張しているし、凪沙も全然そんな目で見てないし、という事実はあるんだけど。未来から古城くんの娘が来たときも、凪沙については誰とくっついたかとかそもそも結婚してるのか、という話は一切あがらなかっただけに、多少は気になるところではあるんですよね。
それはそれとして、話の盛り上がりとしてはやはりラストの真ヒロイン登場ですよ。満を持してだなあ。彼女のキャラはほんと面白くて好きなので、実に楽しみである。

シリーズ感想

ヒマワリ:unUtopial World 7 ★★★☆   



【ヒマワリ:unUtopial World 7】 林 トモアキ/ マニャ子 角川スニーカー文庫

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謎に包まれたゼネフの正体が明らかに!? シリーズ最終章突入――!!

川村ヒデオと共に神殺しの巫女・名古屋河睡蓮の脅威を退け、決勝ステージへと駒を進めたヒマワリとミサキのペア。
鈴蘭率いる魔殺商会とゼネフを擁するマッケンリーグループの全面対決が囁かれる中、
ヒデオと手を組むことを決めたヒマワリ達は、すべてを見通し、無数に策を張り巡らせるゼネフに勝負を挑む!
「この私を倒すことは不可能です」「マスター、わかったのです……ゼネフの居場所が!ゼネフの正体は……!」
ベールに包まれたゼネフの正体が明らかになる時、世界はその在り様を問われることに――!?
第二回聖魔杯、ルール・オブ・ルーラー。誰もが予想だにしなかった終幕が訪れる――!

流石は視姦魔人。億千万の目マリーチである。どのシリーズでも、全部見通しちゃっている彼女が出張ってくるとそこがターニングポイントになるんですよね。それだけ、彼女が動かなくちゃいけない事態そのものが、えらいことの象徴なんでしょうが。
でも、この時代ではマリーチ完全に眠っちゃってると思っていただけに、ここで中身が出てくるとは思わんかったなあ。あの表の人格、大人しいくせにミスマルカでもそうだったけど、わりと本性に引きずられている節あるよなあ。引きずられているというか、自分で中身叩き起こすことに躊躇しないというか。怖い怖いと言いながら、怖いもの好きだろうこの平和マリーチ。
ついに明らかになったゼネフの正体だけど……おいおい、ウィル子と被ってませんかそれ!? 電脳存在としてウィル子の方を完全上位と思い込んでたんで、ゼネフの正体については結局最後まで考えが及ばなかった。いやだってそれ、まんまウィル子が請け負うものだったんじゃないの!? と、思うんだけどノアレと違ってウィル子って考えてみると、今の少女の姿がまんま本体でもあるんですよね。ようやく出てきた少女の姿を素体と言い切ってしまっていたゼネフの方が、主体が重くなってしまうのもこれは当然なのか。
スケール感では、人類史を担ってきたとも言える「金」の概念を象徴化した、カミ化したマッケンリーも全く負けていないはずなんだけれど、やっぱり「本体」が実体としてあるのと、概念よりも実際に存在しつつ物理的には存在しないモノとしてあるゼネフとでは、全然難易度が異なってくるのか、なるほど。
ゼネフを倒すには人類の文明そのものを倒さなくてはならない。でも、それって一介のテロリストで賄えるものなんだろうか。それこそ、核戦争でも起きなければ文明なんて滅びないと思うのだけれど、ゼネフからすればあのラストの展開を見ると人類を滅ぼしてもゼネフは滅びないという確信があるようだし。ヒマワリ個人に、果たしてどれだけ担えるのか。しかも、彼女に残された寿命は……。
あの復活の決断で見せたマリーチやミーコの異質さこそが「カミ」らしさであり、アウターの恐ろしさであるはずなんだけれど、だからこそもう少し彼女らには「外なるもの」として手の届かない存在で居てほしかった感がある。「お・り・が・み」の頃のアウターはもっと途方もないものだったのになあ。なんともインフレと逆のデフレが定着してしまっていて、そのあたりのカタルシスが物足りなくあるのも確かな話。その意味でも鈴蘭には、そろそろ悪の組織の総帥としてではなく「魔王」としても頑張ってほしかったところでもあるのだけれど、いい加減負け癖ついちゃってるよ、聖魔王さま!? (あと、リップルラップルも!)。
ヒデオがヒーローであり続ける信頼は揺るがず、絶体絶命のピンチからウィル子の願いに応えるのは間違いないのだけれど、やはりヒマワリの存在がこの際キーポイントであり迷いどころでもあるんでしょうね。一体、一人の兵士にこの期に及んで何が出来るのか。
そんな疑念をキレイに吹き飛ばしたのが、かつての引きこもりヒデオだったのですが、はたしてそれがヒマワリに出来るのか。その答えを最終回で待っている。

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド APPEND2 彩昂祭の昼と夜 ★★★☆  

ストライク・ザ・ブラッド APPEND2 彩昂祭の昼と夜 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド APPEND 2.彩昂祭の昼と夜】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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魔族特区の学園祭にようこそ! 彩昴祭前日の学園で起きた異変とは!?

彩昴祭。それは彩海学園における秋の一大イベント、学園祭である。開催前日、クラスの演し物であるVRMMO――仮想現実大規模多人数お化け屋敷の準備をしていた古城たちだが、混入した謎のデータによって、調整中の幻術サーバーが暴走。その直後から、学園内には様々な異変が起こり始める。
彩昴祭の見学に訪れたラ・フォリアと紗矢華を狙う復讐者たち。模擬店の料理に混入した魔術薬。クラス演劇に出演中の雪菜を襲う怪物たち。すべての事件を陰で操る黒幕の意外な目的とは……!?
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の番外篇第二弾!
ブルーレイ特典をまとめたオムニバス第二弾。本編の5巻6巻あたりの話ということで、那月ちゃんの監獄結界の件が片付いたあたりの時系列ですか。というわけで、あの事件の後始末というか余波によるドタバタ劇であります。
そう言えば本編で那月ちゃん、幼児化してたんでしたっけ。あれと同じ有り様になってしまったラ・フォリアと煌坂紗矢華。那月ちゃんですら精神退行してたにも関わらず、平然ともとの意識を保っているラ・フォリア、さすがラ・フォリアとしか言いようがなく、一方でちゃんと中身も幼児化してしまった煌坂は、むしろ幼児化してもブレない不動のチョロさでさすが「チョロい」さんと呼ばれるだけあるなあ、と感心する他ない。この人のチョロさというのは防御率ゼロの受けというのとはまた違って、完全に自爆特攻型なんですよね。自分から突っ込んでいってチョロさ覿面を発揮してしまう。今回だって、真っ先に古城に大きくなったら結婚して、と約束を取り付けているわけで。あんた、それ何年も経たなくても事件解決したら大きくなるんですからね。もとに戻ったら悶絶必至の重大発言を息を吐くようにしてしまうチョロ坂さん。積極的とは間違っても言えないむしろ作中屈指のヘタレな姿勢にも関わらず、なぜかこの人が一番ガンガンえぐりこむように攻めている感すら伺える。このあたり、硬軟織り交ぜてひたすら攻めまくっているラ・フォリアが、意外と勘所は抑えられていないのと比べると面白い。
そして、闇誓書の効果があってすら、あれだけささやかな……ささやかすぎる願いしか願えない浅葱の不憫さというべきか、それとももうちょっと欲張っていいんだよ、と言いたくなるところとか、本当にもう、なんとも言えない。
コンスタントに効果的なクリティカルショットを当て続けている雪菜が正妻枠譲らないのも宜なるかな。
まあ今回一貫して楽しんでいたのはラ・フォリア、もうこの人の一人勝ちだったんじゃないでしょうか。別にこの人がトラブルを造っているわけじゃないのだけれど、幼児化にしても惚れ薬の蔓延にしてもVRお化け屋敷にしても、起こったトラブルを便乗どころか半ば乗っ取って自分のやりたい放題好き放題フリーダムに遊び倒しているわけですからねえ。
なんかヴァトラーも今回、同じようにはっちゃけてたけれど。ラ・フォリアとヴァトラーって大概同類だわな、こうしてみると。

そして、ラストの短編は彩昂祭から離れて、那月ちゃんの過去編。まだ攻魔官になる以前、監獄結界を身のうちに入れて、魔女となって殺された家族の復讐のために闇の中を走り続けていた時代のお話。
考えてみれば、那月ちゃんのあの性格からして、あんなフリフリの少女趣味なドレスを常から着込んでいる、というのは不思議ではあったんですよね。隠れて少女趣味な可愛い物好き、という感じの秘密も普段の生活を見ている限りではまったく見受けられませんでしたし。
そんな彼女が、どうして今のようなドレスを身につけるようになったのか。感傷的と言えば感傷的な理由なんだろうけれど、そもそも復讐のために自分の未来を犠牲にするような激情家が、感傷を大事にしないわけはないのかもしれない。
しかし、いつも那月ちゃん呼ばわりしてくる古城にちゃん付けで呼ぶな、と怒ってるのって普通に嫌がってるのかと思ってたら……なんか愛情こもりまくってるじゃないですか。それがまた感傷だったり懐古からくるものだったとしても、そのやり取り自体を大切にしていることからも、いろいろ伺えてしまうじゃないですか。
永遠のお姉ちゃんなのか、なるほどなあ。

シリーズ感想

ヒマワリ:unUtopial World 6 ★★★☆   

ヒマワリ:unUtopial World6 (角川スニーカー文庫)

【ヒマワリ:unUtopial World 6】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

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聖魔杯本選を揺るがす緊急事態 !? “神殺し”の巫女、降臨!!

桐原士郎や木島アリスとの因縁を清算し、無事本戦を勝ち進んでいくヒマワリとミサキのヒマ☆姫ペア。しかし、神殺しの巫女・名護屋河睡蓮が遂に聖魔杯の舞台へと降り立ち参加者達の行く手を阻む!「誰が相手であろうと容赦は致しませんのでお覚悟を」
人智を超越した力の前に為すすべもないヒマワリ達だったが、“当代最強の召喚師”と噂される川村ヒデオの行動により事態は思わぬ展開へと向かう―。
「悪しきカミを連れた悪しき気配、やはりお前のものでしたか」
「断言する。僕と、仲間達の方が、召喚師として正しいと」
混沌と化した戦場で、ヒマワリ達は災厄級の難関を切り抜けることができるのか!?

モザイク!!
映像越しにではなく、リアルタイムでモザイクである。さすが電子の神というべきか、それもう電子関係ないんじゃない!?と申し出るべきか。
境界線上のホライゾンでも、主人公が全編通して全裸でモザイク状態だったケースも有るが、閣下は決して全裸がマイスタイルな人ではないので、それでも敢えてモザイクで地上を闊歩する姿には「勇気」の在処を感じてしまって、涙ちょちょぎれる。
でも、自由の騎士ゼンラーマンに比べれば、いささか自由が足りない。ペンデュラムは解放すべきなのではなかろうか。
場合によっては、これがウィル子のマザー化の遠因なんじゃないか、と思わず零してしまいたくなるが。閣下の身に何かあってウィル子が暴走してマザー化するよりも、閣下の息子にモザイクを掛ける仕事に心砕けてマザー化する方が、なんとなく「絶望」という意味においては絶望的なんじゃないだろうか。どうしようもない感じで。
とはいえ、第三世界組が本気で参戦してくると、やっぱり身も蓋もなくなるのである。シシルもあっち側なのか。結局、ヒマワリたちの「暴力」による制圧というのは、第三世界の論理にも乗っかっちゃってるんですよね。舞台を同じくしてしまったらそりゃあ本物を通り越した「バケモノ」に人間は叶わない。ヒマワリは、バイオソルジャーとしてもう人間辞めている、という説明があったのだけれど、それでもまだ「人間」を辞めている程度でしかないんですよね。そんな程度なら、第三世界にはわんさと存在する。だから、それじゃあダメなのだ。
鈴蘭も英雄も、舞台を根こそぎひっくり返してルールそのものを引っ剥がしてしまったからこそ勝利したのである。真っ当でないことに徹底して、価値観そのものを置換してみせたからこそ、絶対に勝てない相手であったアウターや神や精霊に勝利したのである。
その意味においては、ヒマワリはやり方を大いに間違えていると同時に、ルールそのものをひっくり返すための資質たる、価値観の異質さについては鈴蘭や英雄たちに勝るとも劣らずなんですよね。
だからこそ、マリーチの好みにズバリ、というのもよく分かるんですよ。そんでもって、あのマリーチの好みからすると、小賢しくその異質な価値観を武器にして完全な死角から逆転を決める、というのはあまりにもヒデオのやり方だし、真っ向からぶん殴って真っ二つに割ってその空いた道を突き進むというのは鈴蘭すぎる。
となるともう、ヒマワリはそのまま間違えたまま愚かに愚直にもろともすべてを自滅に巻き込んで、その果てに望んだ光景を現出させる、というのがもろにマリーチ好みっぽいんですよねえ。一度、その彼女を止めて、その在り方そのものを揺るがしたのはヒデオでした。今度は味方サイドとして、ヒマワリの在り方を揺さぶれるのか、それともヒマワリの愚に閣下をすらも飲み込まれるのか。
いい加減、クライマックスだ。

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド APPEND 1.人形師の遺産 ★★★☆   

ストライク・ザ・ブラッド APPEND1 人形師の遺産 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド APPEND 1.人形師の遺産】 三雲 岳斗/マニャ子 電撃文庫

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絃神島の存亡をかけた殲教師オイスタッハとの死闘を経て、古城に命を救われた眷獣共生型人工生命実験体アスタルテ。しかしアスタルテが手に入れた第四真祖の魔力を狙って、彼女の生みの親である人形師ザカリーが動き出す。人形師の最高傑作である殺人人形スワニルダの脅威が迫る中、古城は、吸血鬼だけが発症する奇病、吸血鬼風邪に感染して寝込んでいた。ここぞとばかりに張り切って彼を看病する雪菜だが…!一方、獅子王機関の任務で独自に人形師の足取りを追っていた紗矢華は、研究所の跡地で予想外の強敵と遭遇する!シリーズ初の番外篇。四つの短篇が紡ぐもう一つの「聖者の右腕」の物語!
スワニルダって懐かしいなあ。大昔書いてたSSのネタで使ったっけ。自動人形コッペリアのバレエ作品に出てくる人間の少女がスワニルダなんですよね。人形のコッペリアになりすまして、コッペリアに懸想する恋人を取り戻す少女。図らずも人間と人形の境界を行き来して人として戻ってくることになるスワニルダ、それを本作ではアスタルテと違って永遠になれなかった人形、人の心を得られなかったモノ、人形から逸脱してしかし人形以外に成れなかったモノとして描くのは、ずいぶんと皮肉な話であるか、それともある種のメタファーなのか。
最初、何も情報を得ずに読み始めたので新シリーズか第二部なのか、と思ってたら作中の時系列的に第一巻の直後で、??となったんですが、ブルーレイの特典小説を取りまとめたものだったんですね、なるほど。
オイスタッハとか、また懐かしい名前だなあ、と感慨深く思ったりもしたのですが、この頃はまだ古城くんと雪菜の仲も出会ったばかりでぎこちなかったんだろうなあ、なんてことも思い巡らしたりもしたのですが……うん、あんまり今と変わってないな!
最初からわりとこんなベタベタでしたかね!? いやまあ、最初から凄まじいまでの正妻感出してたなあ、そう言えば。正妻系ヒロインとして業界でもナンバーワンでしたしね。
むしろ変遷として興味深いのはアスタルテの方なんですよね。那月ちゃんに保護されたあと本編ではいつの間にか普通に馴染んでいたアスタルテですけれど、人形に過ぎない自分に対する古城君、だけではなく浅葱たちが親身になって接してくれる事に、静かに心動かしていく様子が描かれていて、ああこの子なりにもこの絃神島での生活で思うところあったんだなあ、と。
そんな彼女と対照的に主人から捨てられ存在意義を見失い、人でも人形でもなくなってしまいながら自分の在り様を乞い求めたスワニルダの末路。アスタルテの可能性の一つとも言える彼女の顛末を目のあたりにするからこそ、アスタルテにはちゃんと幸せになって欲しいものです。現状で既に幸せ満了な気もしますけれど。
それにしても、絃神島の警備の人たちは毎回毎回あんだけやられて、大丈夫なんだろうか。事件が起こるたびに壊滅している気がするのだけれど、よくよく見るとどれだけ凄まじい攻撃でやられても辛うじて死んでいないんですよね。なんで死んでないんだよ!? という状況でもしぶとく生き残ってるあたり、彼ら下手な吸血鬼より生存能力高いんじゃないだろうか。重傷負っても突出した医療技術によって早期に復帰しているみたいだし。でも、いい加減心折られそうな気もするんだけれど、ちゃんと危険手当、傷害手当もらってるんだろうか。
戦闘シーンとして一番見所あったのは何はともあれ、那月ちゃんとチョロいさんの不期遭遇戦でしょう。お互い正体を知らないまま敵勢力と勘違いしての攻防でしたけれど、那月ちゃんに追いまくられてたとは言え、最後までほぼ互角に食い下がってみせた煌坂って、戦闘に関してはマジで作中でもトップクラスなんだな、と感心しました。あまりにも中身がポンコツすぎて、随分と舐められてますけれど、やるときはやるんだよなあ。いやもうなんでこれだけ出来る人なのに中身これなんだろう、とむしろため息が出てしまうのですけれど。
次回も特典小説の連作集となるみたいで、しばらくはこういう過去の幕間劇が続くのでしょうか。久しく出番ない人の登場機会も増えるので、悪くはないのですけれど本編の続きが早くみたいのも本当なので、待ってます。

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 18.真説・ヴァルキュリアの王国 ★★★☆   

ストライク・ザ・ブラッド18 真説・ヴァルキュリアの王国 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 18.真説・ヴァルキュリアの王国】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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女ラ・フォリアからアルディギア王国に招待された古城と雪菜。あまり旅行に乗り気ではなかった古城だが、叶瀬夏音が同行すると聞かされて、渋々と招待に応じることを決める。宮廷内に夏音の存在を快く思わない勢力があり、彼らから夏音を護って欲しいというのが、ラ・フォリアの真の依頼だったのだ。折しもアルディギアでは戦王領域との平和条約締結記念式典が予定されており、条約に反対する勢力によるテロも懸念されていた。そんな中、アルディギアの王宮が謎の怪物に襲撃され、戦王領域を巻きこんだ大規模テロ計画が動き出す。そして古城たちは、否応なくその渦中に巻きこまれていくのだった。
ああ、これOVAのを再構成した話だったのか。前回も娘が未来からやってくるというアニメの再構成作品だったので、新章に向けての助走って感じの期間ですなあ。
とはいえ、作中ではしばらく出番の無かったか裏方やらされていたラ・フォリアのメイン回だけにありがたい話なのだが、久々だけ在って張り切ったある意味彼女のやりたい放題である。そもそも、謀略王である彼女がやりたい放題やると本当にやりたい放題になってしまうので、なんかラストらへんラ・フォリアが人質になるというお姫様らしい王道の展開にも関わらず、ラ・フォリア自身が反乱起こして巨大飛行船を王都にツッコませようとしている構図にしか見えない状況になってて、なんともさすがであります。
一方で、着々と包囲網を強いて古城の正妃の座を分捕ろうとしているラ・フォリアにとって、最大のライバルはやはり雪菜なわけですけれど、直接対面で接する機会は少なかっただけに、改めてラ・フォリアが雪菜の正妻としての器を認めるための通過儀礼として今回の話は必要であり重要だったわけですなあ。実利を選ぶラ・フォリアとしては、別に雪菜を追い落として成り代わる、なんてことは考えてないでしょうけれど、ある種の「この娘には敵わんなあ」という認識を得ていなければ怖いことを考えても不思議ではない女性でありますからなあ。しかし逆に味方にすれば、これほど頼もしい策略家であり政治家もいないわけで、彼女の場合自分が自分がというよりもむしろ誰かを神輿に立てて裏から押し上げる役の方が性に合ってるっぽいので、グズグズしがちになるであろう古城と雪菜の中を陰謀によって無理やり二進も三進もいかないところまで追い詰める役として大いに期待したいだけに、雪菜との交歓は特に大事だったんですよねえ。グズグズしがちというのは浅葱の方もおんなじなのだけれど、浅葱に関してはもうラ・フォリア的には推し入ってるだろうし、花音や煌坂もラ・フォリアの掌中に収まっていることを思うと、暁の帝国の奥の院はラ・フォリアの暗躍によって成立するんじゃないか、とすら思えてくる。
それはそれとして、初の海外旅行である。なんだけれど、実のところ絃神島という孤島が舞台なだけに、この間日本に行ったときもなんとなく海外旅行の雰囲気味わってたんですよねえ。むしろ、入国問題でこじれていた分、日本に行くの大変だったのであっちの方が大旅行という感じがしたかも。
アルディギア王国の方は国賓待遇だったわけですし。まあ、観光旅行としては落ち着いて普通に飛行機で訪れることの出来たアルディギアの方が正当なのでしょうけれど。妹ちゃん同伴ですし。
浅葱は島出て大丈夫なのかと思ったら、カインの巫女としての能力、そんなのもありなの!? スーパーハッカーとしての能力だけでも十分デタラメだったのに、自分の身もちゃんと守れるようになって、仲間内でもかなり何でもありなキャラになったんじゃないだろうか。
催眠状態の古城くん、あれ個人差あるみたいだけれど、掛けた相手からもドン引きされてるあのキャラなんなんだろう。潜在意識の産物なのか? あれはあれでおもしろキャラとして受けそうだけれど。

シリーズ感想

ヒマワリ:unUtopial World 5 ★★★★   

ヒマワリ:unUtopial World5 (角川スニーカー文庫)

【ヒマワリ:unUtopial World 5】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

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本戦進出を決め勢いに乗るヒマワリとミサキ・カグヤのペアであったが、そこに桐原士郎、木島アリスを従えた魔殺商会総帥・名護屋河鈴蘭が立ちはだかる。
「あはははははっ!!さあ野郎ども狩りの時間だぁッ!!」
隔離空間都市の債務者達を巻き込んだサバイバルゲームを仕掛けられたヒマワリは、“前大会を知る男”川村ヒデオと共闘し生き残りの道を探るのだが!?“世界を統べる権利”を賭けた闘い―第二回聖魔杯、本戦がついに開幕!
士郎、ある意味フルボッコにされて負けてしまったのだけれど、ここに至るまで一直線に走り続けながらその実、たどり着こうとしている場所が本人的にははっきりしているつもりだったのかもしれないですけれど、傍から見るとふわふわとして実体がないあやふやな代物でしかなかったんですよね。それでも、我武者羅に突き進む他なかった彼が、この敗北によって逆に自分のやりたいこと、できること、何が一番大切でありそれを叶えるべきなのか、というのを見出した、という意味では思いっきり負けたけれど初めて勝った、とも言えるんじゃないか、なんてことを思ったり。
これまでこいつ、なにやってんだろう、と半眼になって見てるしか無いようなところがあったんですよね。でも、ひまわりと真剣にぶつかり合う彼は良かった。正論、というか反論できない論拠は常にひまわりの方にあったんだけれど、共感は常に士郎のほうにあったのだし、それでも彼自身言いたい事思うこと願うことが彼の中で具体的になっていなかった間は、その言い分にももどかしさばかりが募ったし、ひまわりの言に突き放されても仕方ない部分があったのだけれど、そうやって叩きのめされ打ちのめされ、論破されて虚飾もこびりついた意地も何もかも剥がれきったあとに剥き出しになった、彼の在りようというものはなんともスッキリとしたもので、だからこそ意見も思想も一ミリたりともブレず揺るがず不動であるひまわりの中に、一滴だけでも染み渡らせ、戸惑わせることが叶ったという意味で、大したもんだと本当に良く思う。

ひまわりの方はね、あれもうむちゃくちゃ言っているのは間違いないんだけれど、無茶苦茶である上で筋は通っているし、少なくともどのような方法でもこの娘の信念は揺らぎようがないんですよね。それは価値観の違いであり、信念の強さの違いであり、育った環境の違いであり。だからこそ、彼女の主張する「暴力」によって及ぼす力、という同じステージの上に乗っちゃったら、どうやったって彼女の信念を肯定しているのとおなじになってしまう。こればっかりは、性能差をもってひまわりを上回ったとしても意味が無いんじゃないだろうか。
でも、だからこそ四年前、ヒデオによって革命を阻止されたことは、ひまわりにとって信念の崩壊でもあったわけだ。あれだけメンタルボロボロになって引きこもってしまったのは、彼女の知っているルールの埒外で徹底的に叩き潰されたから、ではないのか。
なのに、ひまわりはまた以前と同じ自己ルールに則って、それを正義として、それを真理として突き進もうとしている。
ヒデオは、これを止めることが、考えを変えさせることができるんだろうか。こうなってしまうと彼しかできない、とすら思えてしまうのだけれど。次々と役者が揃いだしているし、リップルラップルの発言からして場合によってはついにアウターすらも動き出すかもしれない。魔族や魔人、こういった連中が本格的に動き出した場合、ファンタジー方面にまったく無知なひまわりが、「暴力」で勝てるはずがないんですよね。そのステージにおいては、まったく次元が異なっている。なんでか、ひまわりたちこのシリーズのメンツは、「第三世界」というものを殆ど知らないみたいなんだけれど、それゆえに平気で一線超えかねない怖さがあるんだよなあ。
そのへんぶらついているロートルアイドルのカッコですら……【億千万の刃】としては遥か地平の彼方の領域にあるんだよなあ。
今考えても、聖魔王やってこの連中仮にも従えた鈴蘭、おかしいの一言なんですよねえ。今となっては、別の意味でおかしい人になってますけれど。
ちょっと悪の組織の総帥に長いこと偏重しすぎたんじゃなかろうか。たまには聖女とかゼルピムの機関長とか真面目にやってみるのもキャラ整える気分転換になるんじゃなかろうか。あんまりやらかしてばっかりだから、ほら、妹様が出張ってきてしまったじゃないですかー。
みこみこシスターズにはぶっちゃけわらた。

あと、久々に神殿協会の名前を聞いて忘れ去られてなかったのね、と一安心。というか、ついに勇者と神殿協会まで出張ってくるような事態になってきた、とも取れるんですよねえ。まだ、本格的にやべえ人たちはお目見えしていないですけれど。

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 17.折れた聖槍 ★★★★   

ストライク・ザ・ブラッド17 折れた聖槍 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 17.折れた聖槍】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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新学期を迎えた彩海学園。なんとか無事に進級した暁古城は、絃神市国の領主の仕事からも解放されて、めずらしく平穏な日々を過ごしていた。
しかし絃神島に突如現れた未確認の魔獣との戦闘で、宮住琉威と天瀬優乃が重傷を負う。魔獣退治の専門家である太史局の妃崎霧葉は、琉威たちの敵討ちに燃える香菅谷雫梨に共闘を持ちかけるのだが……。
一方そのころ獅子王機関は日本政府の意向を受けて、第四真祖の新しい監視役の準備を始めていた。自分が解任されるかもしれないと聞かされて、動揺を隠しきれない雪菜。しかも、魔獣との戦いにより、雪霞狼が破壊されてしまい──。
そんな雪菜の前に現れたのは、彼女と瓜二つの容姿を持つ謎の少女だった──!
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第十七弾!
これまでずっと雪菜が表紙を飾り続けてきた本シリーズですけれど、今回の表紙絵、実は雪菜じゃなくて零菜だったりしませんよね? 微妙に幼い様子がにんともかんとも。
TVシリーズの最後に「暁の帝国」というタイトルで放映された、未来から娘がやってきたぜ! という話のまさかの小説本編版である。元々短編が元ネタだったそうですし、雪霞狼のパワーアップの件を考えると本編でも必須の回だったのかもしれない。
大筋でアニメと話はおんなじなのだけれど、真雪霞狼の制作や当時アニメではまだ登場していなかった羽波 唯里や斐川 志緒、妃崎霧葉にカス子なんかもがっつり絡んでくるので、結構違うっちゃ違うのか。アニメ版はTVシリーズの最終回ということもあって、恋愛パートにある程度格好付ける形の展開にもなってましたからね。
アニメ版では雪菜との関係においてグズグズしてしまって、愛人枠の人に叱咤されてしまうのは古城くんの方でしたけれど、こっちだと元々面倒くさい性格な雪菜が、獅子王機関からの撤収指示の噂と雪霞狼の破損によってもうメンタルぐだぐだになってしまったところから、自分の古城くんに対する存在意義やら監視役ってつまりどういうことよ、という自己欺瞞から盛大に迷走しまくるわけで。いやー、この娘の面倒臭さって周りのヒロインの中でも図抜けたものがありますよなあ。その上、愛が激烈に重い。控えめに言っても重度のストーカーですし。雪菜制作の暁古城観察日記の凄まじさに、あの唯里ちゃんがドン引きしてましたからねw
娘である零菜の母親への評価も若干「うわぁ……」ってな感情が入り混じっているのも、まあわからないでもない。ただ、アニメ版だと零菜の雪菜への気持ちって、かなり反発が入っている様子であんまり仲よろしくないのかな、と心配になるくらい衝突が多いみたいな描写だったので、こっちだと喧嘩はしょっちゅうしてるようだけれど基本的にはちゃんと仲の良い母娘っぽい様子だったので、ひとまず安心した。まあ、零菜って雪菜よりもむしろ叔母さんの凪沙によく似た姦しいというか人懐っこい性格なので、あんまり暗い感情引きずらないっぽい子なんだけれど、何しろ雪菜の子なだけに一旦ネガティブ入ったら長い可能性もあるだけに、わりと雪菜とも拗れたら収拾つかなそうという印象もあるので、とりあえず仲は悪くないというのがわかって良かったよ、うん。
珍しく、古城くんの方から雪菜への一喝も入り、ってか監視役とか言って付きまとうくせにわりとフラフラっと離れて行きそうになる娘さんなだけに、古城くんとしても折に触れてつなぎとめたり引き止めたりちゃんと捕まえてるぞ、というわかりやすい証明をしないと行けないという点において、やっぱり大変なのよなあ、雪菜は。
その点、放って置いても勝手に向こうから入れ食いで堕ちてくれるチョロいさんのチョロさはやはり尋常でないのが伺えます、うん。わりとツンデレっぽくて似てるカス子ですけれど、この子はわりとまだ繊細なところがあるというか、餌は定期的にやっておかないと弱っていきそうな耐久性のなさも感じられるので、相応に気を使ってあげないと行けなさそうという点では普通の子なんですよねえ……。放置プレイどんとこいの煌坂と比べたらあかんでー。
でも、カス子がこんなにメイン食い込んでくるとは思わなかった。メインヒロインが雪菜と浅葱の二大巨頭で揺るぎないにしても、カス子で第二グループにはしっかり食い込んでるんじゃないだろうか。唯里があれでけっこうあやふやな立ち位置でまだ定まってないのと比べると、足元の確かさは顕著なんですよね。

ともあれ、暁の帝国編が一冊分にしっかりと練り上げられていて、大変面白かったです。そういえば、何気に今回実働部隊引き連れて一番駆け回ってたの妃崎霧葉だったなあ。登場した時は黒幕みたいなミステリアスな雰囲気ガンガンに出していた彼女だけれど、段々と火消し役というか便利にあっちこっち引っ張りまわされる、苦労させられるポディションになってきてしまっている気がする。いい具合に実力もあって使い減りしないだけに使いやすいんだろうけれど、矢瀬っち並の酷使組にスライドしてきたぞw

シリーズ感想

ヒマワリ:unUtopial World 4 ★★★☆   

ヒマワリ:unUtopial World4 (角川スニーカー文庫)

【ヒマワリ:unUtopial World 4】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

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川村ヒデオに捕らえられたヒマワリへ、4年振りの邂逅を果たしたミサキ・カグヤの口から衝撃の事実が語られる―。「嘘です…、そんなのっ…!」泣きじゃくるヒマワリが知った真実とは果たして如何なるものだったのか?世界が間違っていると怨嗟し、それでも勝負を挑んだ理由とは!?ミサキ・カグヤとヒマワリの運命が重なる時、世界は新たな色に塗り替えられる。シリーズ最高潮―驚愕の急展開!!
ひょえ!? ちょっと待って、未来どうなってるの!? ストレートにミスマルカ・ルートに入るんじゃないの? てっきりジャックポットってあの文明崩壊未来へのルートを指しているのかと思っていたのだけれど、出てきた話からすると未来で起こる事ってそれどころじゃないっぽいのだが。
ていうか、ヒマワリちゃんの正体が予想外すぎたんですが。全権代表云々はともかくとして、その思想行動の背景ってそういう話だったの!? 全権代表の目的ってそんな話でしたっけ!? ミサキ・カグヤについても、レイセンの時はそれほど気に止めてなかったからか、何とかソルジャーだとかいう素性についても覚えてなかったし、兎にも角にもこの【ヒマワリ】シリーズでこれまでヒマワリちゃんの社会復帰、メンタル回復を基軸に描かれてきたと思ってきた物語の基本軸が、ヒマワリちゃんの正体暴露とともに完璧にひっくり返されてしまった観すらある。そもそも、四年前のあの大量殺戮が桐生くんにしてもヒマワリにしても登場していなかったヒデオにしても、このヒマワリの登場人物の多くのトラウマであり、今なおそれぞれの生き方に影を落としている焦点となるべき事件だったのに、もうその辺概ね突破して通り過ぎちゃったんじゃなかろうか、これ。
桐生くんはまだ核心に触れていないのでアリスと一緒に、大量殺戮事件→犯人の全権代表→ヒマワリという路線に囚われながら、なんとか自分の中で折り合いをつけてヒマワリの抱えているであろう真実と向き合おうとしているみたいだけれど、ヒマワリちゃんも確信に近い裏社会の主要メンバーもあの事件はもう失敗であろうと何であろうと後ろに置いてきてしまって、もう前の方にガリガリと進み始めちゃってるんですよね。
そう、掴むべき未来のために。それを叶えるための第二回聖魔杯に向けて……。
今までって、ガチで第二回聖魔杯をスタートさせるための前座であり前フリだったんかこれー!!
いかなる理由を持って聖魔杯に挑み、いかなる信念を持って聖魔杯に殴り込み、いかなる願いを持って聖魔杯に託すのか。確かにあとがきで書かれているとおり、いきなり第二回聖魔杯はじまっても、そこに至る迫真性、切羽詰まった祈り、土俵際に追い込まれている世界の行く末、というものは伝わりにくかったでしょうからね。
レイセンの終わりにヒデオが違う選択肢を選んだことで、未来は変わったはずなんだけれど、その変わった未来がどこに繋がっているのかが、ヒマワリの知る未来、カグヤの知る未来、そして新たな黒幕が抱えてそうな未来、といくつも浮き上がってきたことで、ミスマルカ・ルートがいくつも在る未来の中でどういう位置にあるのかすらわからなくなってきて、正直えらいこっちゃである。
そんでもって、ここまでカラーギャングや桐生くんたちレベルでアンダーグラウンドの現代異能、ヒマワリやカグヤたちのガチSFという世界観に対して、第二回聖魔杯をもって「なんでもありのオカルト」である第三世界がヤクザ蹴りカマしつつ乱入してきた観があるので、そろそろ魔殺商会や神殿協会あたりに本格的に思い知らせてほしいところである。いい加減、「アウター」の恐ろしさについて皆さん忘れている頃なので。
それに、二代目聖魔王である魔眼王に対しても、初代聖魔王さまについても、新興勢力はちょっと舐めてる風がありますからなあ。

次回からこれ、タイトル変わっても不思議なさそうなんですけれど、このまま【ヒマワリ】で行くんでしょうか。林先生の相変わらずのプロットろくに書いてなさそうな行き当たりばったりっぷりに惚れ惚れしてしまいますw

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 16.陽炎の聖騎士 ★★★☆  

ストライク・ザ・ブラッド16 陽炎の聖騎士 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 16.陽炎の聖騎士】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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第二部“終焉篇”開幕!  世界最強の吸血鬼よ、覚醒せよ!
瀕死の姿で、極東の“魔族特区”恩莱島の浜辺に流れ着いた少年、暁古城。記憶をなくした彼を迎えに来た修女騎士の少女、香菅谷雫梨は、古城の正体が世界最強の吸血鬼“第四真祖”であり、自分はその監視者だと告げる。吸血鬼としての能力をほとんど失ったまま、雫梨たちと共に、攻魔師の修行を開始する古城。訓練のため恩莱島の地下迷宮に向かった彼らは、そこで奇妙な幽霊と遭遇する。その美しい少女の幽霊は、銀色の槍を持ち、古城を先輩と呼ぶのだが―!?世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、新展開の第十六弾!
第二部始まったよ!! 特に長く期間があくわけでもなく始まったよ!!
この手の「第一部完」って実質シリーズ終了というケースが殆どだった上に、なんか前巻のあとがきのニュアンスが〆てる感じだったんで、半ば覚悟もしてたんですが普通に始まってくれてホント良かった。前巻の感想記事に「完結」タグつけないくらいには祈ってたですよ。
でも、タイトルくらいは変えてくるかなあ、と思ってただけに堂々と続刊してきたなあ。ちょっと頼もしい。
でも、内容の方は何やらまるで舞台から刷新したような古城以外メンバーも入れ替わって、とどうなることかと思ったら、雪菜さん正妻らしく幽霊になっても意地でも立場を譲らんという鼻息の荒さで。
そりゃあ、第四真祖の「監視役」というのがアイデンティティな彼女が、その立場を見知らぬ誰かに掻っ攫われた挙句、「私は監視役ですから!」というテンプレセリフまでパクられたらそりゃあ大人しくはしていられませんなあ。
しかし古城さんは相変わらずパねえっす。この男、また女子中学生にお世話されてやがる。どこに行っても年下の女の子に私生活からプライベートからせっせとお世話され、監視され、叱咤され、説教され、甘やかされ、とまあ至れり尽くせり(?)でありますなあ! そんなに年下が好きかー! いや別に好みの問題じゃないんだろうけれど、古城くんの周りの女の子のうち年下系ってだいたい尽くす系女子なのがなんともはや流石としか言えない。
まあ雫梨さんはわりとチョロいさん系の人だとも思うけれど。ってかこの娘、本作では珍しい「くっころ」系でもあるんですよね、なかなかやりおる。
ただ、色々と雪菜とかぶってしまうだけに今度、雫梨さんもやりにくいというか忸怩たるものがありそう。正妻相手にライバル面出来るほどの押出しはなさそうだからなあ。
その意味では第一部クライマックスの総力戦にも顔を出さなくて、いったいどうした!? と心配していた幼なじみ枠の優麻がきっちり再登場してレギュラー化してくれそうで、よかったよかった安心した。魔女枠としてはナツキちゃんが居るけれど、先生はちょっとジョーカーすぎて簡単には動かせない人なだけに、側で色々と助けてくれる魔女枠の登場は戦力的にもだいぶ助かるのよねえ。電脳サイドでは浅葱がサポート役……どころか、ドミネーターレベルであれこれ支援してくれて充足はしていたものの、魔術サイドの知識や支援を補ってくれる人は、なつきちゃんやチョロいさんが時々出張ってくれる形になってたんで、優麻が専属でついてくれるというのは何気に大きいはず。
そう言えば浅葱はというと、既に暁の帝国の中枢幹部という貫禄で、以前からバイトという形ではあっても絃神島の電脳運営に携わっていたとはいえ、なんか本格的に島の運営に関わってる感じで既に将来の暁の帝国の形はこの段階で出来上がってる感じなんだなあ。矢瀬っちもかなりガッチリ中枢の方で働かされてる感じだし。一応、兄貴が実権握ってるとは言え矢瀬家の当主に担ぎ上げられたんだっけか。もうこの二人に関しては学生という立場どころじゃなく駆け回ってるのに、帝国の主たる第四真祖ときたら補習に明け暮れているという、なんともはや。まあそれでも、以前と同じとはいかずにあれこれと代表者としてやらないといけないことがあるみたいだから、のんきな立場とは言えんのだろうけれど。

変にダラダラと長引かせずに絃神島サイドに戻ってきたのは良かったんだけれど、恩莱島の設定というかそこで古城が置かれていた境遇、あれをあんまり突き詰められなかったのは若干勿体なかったかも。せっかくの○○○ものだったんですけどね。
さて、エピローグを見るとOVAであったあの話をやるのかー!

シリーズ感想

ヒマワリ:unUtopial World 3 ★★★☆  

ヒマワリ:unUtopial World3 (角川スニーカー文庫)

【ヒマワリ:unUtopial World 3】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

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「アリスはただの女子高生じゃない。あいつは―」
木島アリスの秘められた力を巡り、ロシア特殊戦闘部隊、超法規的秘密組織、カラードギャング、新ほたる市に巣喰う強者達を巻き込んだ三つ巴のバトルロイヤルが勃発!
「先輩…、私はどうすればいいと思いますか?」
正義の使者・プラチナの放つ言葉に気圧されるアリスへ少女は静かに告げる。
「―戦うべきなんです」
戦場に咲くヒマワリが銃技異能飛び交う乱戦を舞う!
ちょっとーー! やっぱりひまわりちゃんがそうだったんじゃないかー!! 身分詐称のなりきり詐欺とか、想像できんやん。普通に素直に信じたじゃないかっ! ただ、プラチナさんの語る正義はどうにも安っぽすぎて、かの全権代理も決して安くはないとは言わなかったけれど、プラチナさんほど薄っぺらではなかった、というよりプラチナ程度にあの惨劇が起こせたというのが納得行かなかったんですよね。あっさり、詐称バレさせられてしまいましたが。
装備の質はともかくとして、彼女自身はやっぱり「軽い」のよなあ。
ともあれ、この手の殺しはやっちゃいけないけれどやりたい放題なんでもやっちゃえ、という類のゲームだとそりゃ魔殺商会の構成員ほとんど無敵だろうw 未だにあの構成員がどうやって就職しているのか謎すぎるんだけれど。あれだけ世界観が違いすぎるww カラーギャングがまともに見えるレベル。でも、仮にも第三世界側に足突っ込んでいる組織の構成員だけに、冗談だけじゃあないんですよねえ。
というわけで、久々に鈴蘭もがっつり登場してくれて嬉しい限り。でも、もう二十歳超えちゃってるのよねえ。この危険人物に可憐で儚げなJK時代があった、というのは実際にその頃の物語をリアルタイムで読んでいるにもかかわらず、信じられないですよ。全身タイツ軍団が嘆くのも理解できる、ってかみんなあの頃からずっと居るのか。離職率が低いのか、新入社員が居ないのかw
アリスの正体もようやく判明したけれど、木島とは言え神殺し四家とは直接的には関係ないのか。でも、彼女の能力ってカラードギャングたちの使うクスリに寄る精霊使役どころか、前作「レイセン」に出てきた学生たちフォースの精霊術よりも上位互換の、というよりも完全完成形の人工精霊使いということよね。ただ、アリス自身は戦闘訓練も何も受けていないので、精霊を自由に使える、という程度で戦力としてはあんまり機能しないのだけれど、だからこそ検体としての価値が期待されているのか。
あの程度だと本物の精霊使いに対してアドバンテージがあるわけではないのだけれど、人工的に精霊使いを量産できる、となれば価値は違ってきますしねえ。
やっぱり、鈴蘭や閣下が出てくると俄然話が動いてくる。ヒマワリちゃんのトラウマであり価値観の崩壊であり停滞の原因が閣下だったとするのなら、やっぱり話の中心は閣下ということになるんだよなあ。
次回は林トモアキ先生にとっても超展開、という話なので超期待ですよ。ちょいとここからブースト掛かってこないとね。

シリーズ感想



千年紀のレガリア 帝宝審理騎士は働かない ★★★   

千年紀のレガリア 帝宝審理騎士は働かない (ファミ通文庫)

【千年紀のレガリア 帝宝審理騎士は働かない】 夏森涼/マニャ子 ファミ通文庫

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武の名門クルツシルト侯爵家の若き当主ユリエル。没落した家を復興させようとする彼女に下された使命は、帝国国立美術館の館長レインと共に、敗戦によって散逸してしまった「三種の帝宝【トライ・レガリア】」を奪還すること!
しかし肝心のレインは下手な絵を描くだけで、まったく働く気がない。ユリエルはレインを叱り飛ばし、どうにか捜査を始めるのだが――
その任務は、レインと帝国の秘密に迫るものだった! 千年の謎を解き明かすクロニクル・ファンタジー登場!
こういうパンツルックの女性のユニフォームは変にスカートにするよりも好きだなあ。シュッとしてスマートにカッコよく見える。
さて、本作の舞台となる帝国だけれど、これはいうなれば戦後の物語。それまで長く続いていた価値観が全部ひっくり返される大きな大きな戦争に敗北したあとの国の話なんですよね。これまで信じられていたものが崩れてしまった世界。絶対的だった権威が揺らいでいる世界、というべきか。なので、物語のベースとなるのは権威の脆さと価値観の変容であり、その中でも揺るがないものは何か、という主題を千年帝国の建国の謎に絡めて語る物語になっているんだけれど、ぶっちゃけテーマに対して徹底した掘り下げが出来たかというと、どうもぼんやりとしたままで終わってしまった感がある。或いは、主人公の美術品の捉え方に自分の納得がいかなかったからか。それまでの権威が失われてしまったとは言え、美術品としての価値は別だと思うし、それ以上に歴史的史料としての価値は千年帝国という歴史的存在がある以上、失われるはずのないものなんですよね。それらがもてはやされた権威は既になく、それを認めていた価値観は変わってしまったかもしれない。でもだからといって、それらをぞんざいに取り扱うのは別だと思うんですよね。
一方で、人が生きる上で古い価値観や失われてしまっている権威にいつまでもこだわるというのはどうしたって現実と齟齬が生まれてしまう。権威なんてものは万人から認められず、忘れ去られたらそれはもう在って無きものなのに、その価値の絶対性を信じて取り戻そうとして道を踏み外す人がこの作品にも幾人も出てしまうのだけれど、中には現状の自分が持っている権威の大きさよりも、既に失われている虚像の権威に縛られてしまっていた人も居て、あれは終わってみれば悲惨とすら言える有様だった。あれ、血族の使命として端から他の可能性というものが頭のなかに存在しなかった悲劇なんだろうけれど、普通に考えたら現状の地位だけでやれることはなんぼでもあっただろうに、権力だってあれだけ能力が伴っていればどうとでも揮えただろうに、それを台無しにしてしまう行動には唖然としつつ、あれが権威の魔力なのだろうかと納得もさせられたわけだ。
権威、バカにしたもんじゃないんですよね。古かろうと、その価値を万人が認めていたらそれは無視できない力になる。いや、古いからこそ誰もがそれを価値あるものと無視できなくなる。それが失われてしまうというのは、やっぱりよっぽどのことなんだよなあ。なんだかんだと、あのエリザベート皇女殿下は自らの言動を持って帝室の権威を示し続けている。皇族としての世間や民への接し方こそ、新たに生まれようとしている価値観にそって変化させているけれど、それで皇族の権威や価値が失われるわけじゃないんですよね。むしろ、その柔軟な変化が、彼女個人の魅力が同時に敗戦によって揺らいでいた帝室の価値を高めている。三種の帝宝は権威の証明である物品であり無いよりもあった方がいいんだろうけれど、物に頼らなくても彼女がいれば大丈夫、と思えるほどに。いずれ、彼女が居なくなっても、彼女が強固にした権威の枠組みは長く帝室の価値を留めると思えば、面白いものである。
……結局、揺らいでは居ても現状最も確かな権威である帝室を蔑ろにして手前勝手にしようとした連中がみんな失敗したようにも見える不思議。


ヒマワリ:unUtopial World 2 ★★★   

ヒマワリ:unUtopial World (2) (角川スニーカー文庫)

【ヒマワリ:unUtopial World 2】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

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同級生・桐原士郎のせいで、世界の支配を賭けたバトルゲーム「聖魔杯」に巻き込まれた日向葵。人工島を裏で支配する者を引きずり出すため、士郎とヒマワリは時価十億円のブツを餌に「宝さがし」を開催するが、「マフィアの首領」に「正義の味方」と厄介な敵が参戦し、なぜか後輩・アリスがさらわれて!?そして語られる四年前の事件―「あれは最も純粋な正義の戦いだったんです」。魔法と実弾が飛び交う夜の街をヒマワリが駆ける!
ヒマワリちゃん、いったい何者なんだ!? いやいや、幾らなんでもこれは一般人じゃないでしょう。カラー・ギャングのボスたちを無造作に蹴散らして行ってしまうのはまだしも、本職の達人相手に真正面からぶっ飛ばすとか、明らかにおかしい。暴力に対して躊躇がない、という精神的リミッターが振り切れている、というだけでは説明がつかない歪さが垣間見えてきたぞ。そもそも、相手を傷めつけることに対して全く禁忌を感じていないところと、決して暴力主義ではないところが両立しているところからおかしいんですよね。これって後天性のものなのか? 四年前の事件をきっかけにおかしくなった、と思っていたのもどうもあやしくなってきたぞ。
ひまわりとは、そもそも一般人側じゃなくて、あちら側の人間じゃないのか? それにしては、彼女の情報が洗われても何も出てきていないのが変なのだけれど。マフィアだけじゃなく、公的機関も動いているはずなんだけれどなあ。
実のところ、あのラストの場面、マザー・アースの全権代表の正体、ひまわりちゃんだったのかーー!! と勘違いしてしまったんですよね。まさか、主人公のひまわりちゃんがーーっ!? と、かなり度肝を抜かれたのですが、順当に相手の人だったわけですけれど。そう思っても不思議ではないほど、得体のしれないところがある。ラストらへんの言動、元々普通の高校生じゃなかった、とも取れる言い方していますし。
だいたい、主人公のなのにひまわりちゃんの行動原理って未だに明らかじゃないんですよね。四年前の事件をきっかけに、彼女の価値観がガラッと変わってしまったのはわかるのだけれど、どこかららどのように変わったのかが具体的ではない。実際、あの事件の何にショックを受けていたのかすら、最初の印象通りか怪しくなってきている。何が、彼女にあれほどの衝撃を与えてしまったのか。彼女のこだわっている部分がまだ見えてこない。おそらく、そここそがこのシリーズの根幹になってくるのだろうけれど。
一方で桐生くんが世界征服にこだわる理由の一端、いわゆる家庭の事情も明らかになってきて、彼の方はだいたいスッキリしてきたんですよね。まあ、あの人望の無さは地のものというのもよくわかりましたけれど。あれは駄目だ。人を不快にする何かが在る、ってやつだww
むしろ、アリスがくっついているのが不思議なくらいで。アリスはアリスで木島性である時点であのテロリストと関連あるとは思っていましたけれど、なにやらそれどころではない彼女自身に大きな秘密があるような話も出てきて、闇側闇側にどんどん底が深くなってきてるなあ。水姫とか出てきたら闇堕ちしてるし。元々アレな人でしたけれど、見ない間に具体的にぶっ壊れてきてしまったというか、どうしたんだこれ?
でも、第三世界方面に関してはまだ全然なんですよね。アウターや神殿協会の領域からすると、どうにも表層の出来事のように見えて仕方がない。とはいえ、世界の構造自体がデストピアの方にスライドしていっているのは、治安の悪化などから目に見えて明らかなんですけれど、外側の連中がこの手の出来事に介入できない、というのはやはり焦れったい。それをどうにかつないでいたのがヒデオらへんだったのですけれど、ようやくヒデオの名前が作中に出てきてホッとした、というくらいで。摩殺商会も暗躍はしているようだけれど、悪の組織としてはまだまだ大人しい活動だと思うぞ。裏でこそこそしている分には。もっと派手にダンプ突っ込まそうぜ。
ともあれ、マザー・アースが再び動き出すからには、黙ってみていられない勢力もあるだろうし、当事者であったひまわりたちもどう動くことになってくるのか。正義とはなんぞや、という話になるのか。正義の味方の登場によって。

1巻感想

ストライク・ザ・ブラッド 15.真祖大戦 ★★★★   

ストライク・ザ・ブラッド (15) 真祖大戦 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 15.真祖大戦】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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“魔族特区”絃神島の命運を賭けて暁古城は真祖たちとの交渉に挑む!
「聖殲編」最終章!

 バレンタインデー直前、雪菜たちの買い物につき合わされていた古城は、藍羽浅葱が“戦王領域”の吸血鬼、トビアス・ジャガンと一緒にいる場面を目撃してしまう。まさかの浅葱の心変わりに、古城たちは動揺を隠せない。
 しかし彼女の真意を確かめる暇もなく、古城は龍族の娘グレンダを賭けて、“戦王領域”の吸血鬼ヴェレシュ・アラダールと決闘する羽目になる。膨大な戦闘経験を誇るアラダールに圧倒され、絶体絶命の危機を迎える古城。
 そのころ、三人の真祖たちを擁する超国家組織、聖域条約機構は、禁呪“聖殲”の祭壇である絃神島の破壊を決定していた。一方、“聖殲”の叡智を手に入れたディミトリエ・ヴァトラーは、グレンダを利用して咎神カインの“遺産”を召喚。真祖たちとの全面戦争を引き起こそうと画策する。聖域条約機構軍の多国籍艦隊によって、包囲されていく絃神島。攻撃開始までの猶予はわずか十二時間。果たして第四真祖・暁古城は、世界を二分する巨大な戦争から絃神島を救うことができるのか――?
暁の帝国、爆誕!! 仮初の第四真祖だった古城が名実ともに本物の第四真祖になる話であり、古女房の浅葱と幼妻の雪菜がガチンコで正妻戦争をおっぱじめる話であり……ってか、これおおむね浅葱さんが盛大にやらかしてた話だよなあ。カインの巫女として利用され囚われの姫みたいなことになるんじゃ、とシリーズ途中までは思ってたし実際そうなりかけてたことはあったんだけれど、浅葱さんって何だかんだとそういう受け身なヒロインじゃないんですよねえ。そもそも、ギャル系にイメチェンしてしまったように積極的に攻めていくタイプなんだよなあ。
何故そっちに攻める、と言いたくなるのも確かではあるんだが。
そう、能動的であるにも関わらず肝心なところに関してはビビリで引っ込み思案なもんだから、真っ向勝負で攻めてこずに大攻勢を迂遠な方向に向けてしまうのがこの人なんですよねえ。その結果がこれである。
まさか、第一部ラストバトルの相手がヴァトラー・浅葱連合とは思うメエ。いや、ヴァトラーと最後にゃやらんといかんのは最初からわかっていたことだけれど、なんで浅葱相手にこんな総力戦になってるんだよ、とw
でも、改めて嫁たちの立ち位置みたいなものがわかる話でもあったんですよね。暁の帝国を建国するにあたって、浅葱の、雪菜の、煌坂紗矢華の、夏音の、ラ・フォリアの事件にあたっての振る舞いがそのまま彼女らの古城の嫁としての公私における在り方に通じていたんじゃないかと。
まあ、雪菜のあのベッタリさはずっこいなあ、と思う所もなかりしかな、ですが。浅葱のドヘタクソな甘え方に比べたら、雪菜はもう慣れたもんで。一番大変な時に名前呼びねだったりとか、指輪貰ってから正妻の自信みたいなものを漲らせちゃって、この娘ったら。
おかげさまで、煌坂さんが煽られて全力で愛人体質を漲らせちゃってたじゃないですか。
まあ何気に、眠れるお姫様枠でアブローラが復活してしまったので、彼女が目覚めた時にはさらに波乱もひとしおとなりそうだけれど。古城のアブローラへの駄々甘っぷりを思い出すとねえ。
アニメのラストシーンで登場した、絃神島を中心に周囲に無数の諸島群が広がる暁の帝国。なんで絃神島こんなんなってんの? という疑問に応える「聖殲編」の最終章。これってややこしいんだけれど、考えてみるとヴァトラーが面倒くさい部分を引き受けてくれて、自分を倒せば全部まとまる、という風に事態を単純化してくれた、とも言えるんですよねえ。当人、単に世界相手に戦いたかっただけなのかもしれないけれど、ヴァトラーが聖殲の力を掌握して浅葱と一緒に世界相手に喧嘩売ってくれなかったら、聖殲の危険性を巡っての絃神島破壊命令を覆すのはかなり難しいことになってたんじゃなかろうか。そう考えると、ヴァトラーって最後まで痒いところに手が届くお助けキャラだったのかも。
キラくんとジャガンさんがなんであそこまでヴァトラーに忠誠心燃やして、最後も一緒についてっちゃったのかはいまいちわからんかったけれど。オシアナスガールズはほったらかしだったみたいだが。まあ、彼女らは別にヴァトラーに忠誠があったわけじゃないんだけれど、ラ・フォリアにこてんぱんにやられて、というかいじめられてひんひん泣かされてるのをみると、可哀想だなあというか今後も暁の帝国に残ってラ・フォリアにイジメられるんだろうなあ、と不憫な感じにw
そういえば、那月ちゃん。あれ暁の帝国誕生に伴って、監獄結界は作動したまま封印されていた生身が復活していたけれど、あれって恒常的に戻れることになったんだろうか。
第二部以降で、ちゃんとそれぞれの現況を伝えてほしいものである……あるよね、第二部?

シリーズ感想

仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》 2 ★★★★  

仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》2 (GA文庫)

【仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》 2】 すえばしけん/マニャ子 GA文庫

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秋輔の元師匠が帝国の将に!?

俺たちには、できるだけ多くの味方が必要だ。協力者を集めよう」
エティル王族が率いる抵抗勢力の噂を聞いた秋輔とカティアは、真偽を確かめ、共闘するためにサナレ村を離れる。だがその時、解放軍殲滅のため帝国は大軍で再侵攻してくる。しかも敵将は秋輔の師、樹神亜梨朱だった。
「この状況なら秋輔と全力で殺し合うことができる。なんて素敵な再会」

秋輔は、抵抗勢力を巻き込んだ奇策をもって帝国軍に立ち向かう!!
「ここで私が負けると、師匠に失格の烙印が押されるのですね?」
そしてカティアは、己の誓約のため、秋輔と仲間を護るため、無謀にも亜梨朱との一騎撃ちに臨むが……。
弱小解放軍の進撃譚、第二弾!!
ああ、そうか。秋輔が特別にイカレているわけでもオカシイわけでもないのか。魔術師という存在そのものが、そもそもこういう異常な在り方をしてるモノなのか。
いや、魔術を使えるだけならそれは魔術師ではないんですね。常識や倫理や善悪などを一顧だにせず、どれだけ自分の誓約に殉じることが出来るか。そもそも、自分の誓約とそれ以外のものを比べてどちらを選ぶとか、そういう発想すら生まれないのか。優先順位とか比較対象とか同列じゃないんですよね、完全に断絶している。誓約こそが、存在理由と言ってすらいいのかもしれない。
これはぶっ飛んでるわ。常人には決して理解が及ばない領域だ。どれだけ邪悪でも、どれだけ俗物でも、どれだけの怪物でも、それは条理の中での立ち位置の問題であって、魔術師のそれはそれと完全に隔絶している。
だから、雪火にも魔物とも怪物とも言える人間からハズレた存在であるマリカですらも、それは踏み込むすべがない領域なのだ。雪火の魔術師への解釈はやや偏見に歪んでいたとはいえ、その異常性については彼女の言うとおりだったのだろう。
亜梨朱が言うところの、あちら側とこちら側という比べ方こそが一番ふさわしいのかもしれない。魔術師という側に来れてしまう人間は、本当の意味で壊れてしまっているのだ。頭が狂っているのだ。人間をやめているのだ。
そう、秋輔だけじゃないんですよね。それは、彼の師匠である亜梨朱もそうであるし……そう、秋輔の弟子となったカティアもまた、魔術師としての資質を持つ人間だったわけだ。
カティアが、カティアのまま、あの純粋でひたむきでやや内気で優しいあの少女のまま、何も変わらないまま……まさに魔術師としか言いようのない常軌を逸した価値観に基づく発言をしだした時のあの背筋がゾクゾクするような感覚。彼女本人は当たり前のことを言っているつもりなのに、マリカたちが唖然と絶句する他なかった、あの断絶。ああ、この娘、外れたんだと如実にわかるシーン。
そうなんだよなあ、魔術師って意図してなるわけじゃないんだ。マリカがあれだけ望んでそちら側になれなかったように。むしろ、その当人の中に誓約となる願いが、狂気が生じたからこそ魔術師になってしまった、というべきなのかもしれない。そう、なろうとして狂人になれるもんじゃあないんだ。
このゾワゾワっとなる感覚を味わえる作品って、滅多ないんですよねえ。
そして恐るべきは、この価値観の断絶が人間関係の断絶に何ら至らない、というところなのでしょうか。誓約にまつわる魔術師としての考え方以外は、基本的な価値観や喜怒哀楽の感情なんかは何も普通の人と変わらないんですよね。ただ、生き方の指針が根本的に違うだけで。だから、カティアとマリカたちの間に芽生えた友情は何も変わらず深まっているし、新たに登場したカティアの従姉妹にあたるエルシーリアとの王族としての義務にまつわるすれ違いと身内同士ゆえの親愛と信頼関係なんかも、極々まともに進行するんですよね。
亜梨朱と秋輔の姉と弟ともつかない師弟関係も、二人の間に起こった出来事が変にもつれた結果としてより面倒くさいカタチで亜梨朱が誓約の順守の仕方を拗らせている、という側面があって、原因なんか見ても基本的に当たり前の価値観に基づいているわけなのですが……、根本的なところで魔術師の狂気が作用していて、不気味で理解不能なベクトルに言動がズレたり、すっ飛んだりするんです。その正気と狂気の並存がまたゾクゾクさせる面白さに連結されてるんですよね。
エルシーリアの無力感に苛まれながらの苦悩や、マリカがもどかしさに歯噛みしながら、自身の内にある自分の本当の気持ちを手繰りよせていく葛藤など、いわゆるマトモな側のキャラクターたちの真っ当な内面の掘り下げも丁寧にやっているだけに、余計に魔術師たちの側のアレな部分が引き立つのかもしれない。
うん、面白かったー。

1巻感想

ヒマワリ:unUtopial World 1 ★★★☆  

ヒマワリ:unUtopial World (1) (角川スニーカー文庫)

【ヒマワリ:unUtopial World 1】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

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「私はこの世界は間違っていると思います」
四年前のある事件をきっかけに、やる気と前向きさを失ったヒマワリこと日向葵。学校に行かず罪悪感を覚えつつも最悪な日常を送るヒマワリだったが、高校の生徒会長・桐原士郎と“ジャッジ"を名乗るハイテンションな女性に巻き込まれ、無差別(なんでもあり)のバトルゲーム“ルール・オブ・ルーラー"に参加することになり!? この世界を統べる権利をかけて――咲き方のわからないヒマワリが勝負(バトル)に挑む!
これはまたぶっ壊れてしまってるなあ、ヒマワリちゃん。
前作【レイセン】から四年後の世界。あの凄惨極まるT-dayの惨劇はまさに世界の行く末におけるターニングポイントだったのか。シリーズそのものにつけられた消えない傷だったのか。あの事件によって人生に影を落とされた人間は枚挙にいとまがなく、この物語の主人公のヒマワリもまたその一人であった、と。
世界は、順調にジャックポット突入ルートへと進んでいるのか。徐々に、ディストピア的な雰囲気を帯びつつあるかのようじゃあないですか。そして、本来なら日の当たる世界に真っ直ぐと伸びて花を咲かせるはずだった向日葵が、狂って壊れて、今となっては日に背を向けて夜に馴染もうとしている、死に魅入られて破滅にこそ生の喜びを感じようとしている。
この壊れ具合、もしかしたら沙穂ちゃん並にイッちゃってるんじゃなかろうか。或いは、木島連隊……レイセン時では傭兵派遣会社「クールズ」の社長だった木島京司の狂気が、一番似通っているのだろうか。キョウジの場合は制御された凶暴性を好んで弄んでいる感じなので、引っ張られて引きずり込まれようとしているヒマワリちゃんと比べるのはおこがましいのだけれど、方向性としては似てる気がするんだよなあ。
少なくとも、ドリル改造をドクターの側からもういいです、と言わしめただけでドン引きレベルである。しかも、人工精霊なんてものが出まわって、魔法じみた力を平気で使ってくる危険なゲームで何の力も持たない彼女がどうやって戦うのかといえば……おい待てw
いやいやいや、これはやられる男どもの方があかんやろう、と思うところなんだけれど、ある意味陥穽を突いているのか。魔法なんて突飛な力を好き勝手振り回せるからこそ、脇が甘いというのか虚を突かれるのか。でも、それ以上にひまわりの躊躇のなさが尋常じゃないんですよね。暴力に対する忌避感が一切ない。この無造作さが、沙穂に似てると思った部分でもあるんですけどね。
それにしても、そう。ひまわりには何の力もないんですよね。前作のヒデオにだって、電子精霊や闇の精霊の庇護があったというのに、彼女には正真正銘なにもない。ナニモノでもない。
今の彼女は、億千万分の一の確率たるジャックポットに入ったこの世界に、何の影響も及ぼさないナニモノでもない独りに過ぎないはずなのに……勝ったものは世界を握れるというバトルゲーム“ルール・オブ・ルーラー"に理不尽な理由で参加し、そのままのめり込んでいくことで、ナニカへと変貌しはじめている。
アウターも精霊も教会も神殺しも関係なく、超能力も人工精霊の力も持たず、生きることに無気力だった少女が、この世界を否定しようと狂乱する。精霊サーガの完結編。狂い咲くヒマワリの、物語の始まりである。

しかし、今回登場したキャラの特に男共は、情けないというか品がないというか、敵にしても味方にしても邪魔にしかならなさそうな連中ばっかりだなあ。ジャッジのスズカも含めて、あの生徒会長もだけれど身勝手さには魔王拳かダンプカーをぶち込みたいほど嫌気を催しましたし。
そもそもヒマワリちゃん、一人で突っ走って併走する相手なんか頭にもなさそうだし、どうなるんだこれ、という感もあるんだけれど、さてさて。

林トモアキ作品感想
 
12月1日

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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(エンターブレイン)
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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