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マニャ子

ストライク・ザ・ブラッド 11.逃亡の第四真祖3   

ストライク・ザ・ブラッド (11) 逃亡の第四真祖 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 11.逃亡の第四真祖】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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大晦日の絃神島。雪菜や浅葱たちと一緒に新年を迎えようとしていた古城を、思いもしない出来事が襲う。帰省のため、父・牙城とともに本土に向かった凪沙からの連絡が途絶えたのだ。さらに些細な偶然から、凪沙が魔導災害に巻きこまれたと知ることに。そして時を同じくして、雪菜と獅子王機関の通信も遮断されてしまう。動揺を隠しきれない古城と雪菜は、凪沙を救出するために絃神島を出て、本土へ向かうことを決意する。
しかし、第四真祖である古城は、魔族特区の絃神島を簡単には離れることができない。なんとか本土へ密航しようと画策する古城たちだったが、そんな彼らの前に、敵として立ちはだかったのは、思いも寄らない人物だった――!
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、新展開の第十一弾!
那月ちゃん無双すぎ!! いやいやいや、マジで反則級に強いんですけれど。なんでこんな時に限って本気出してるの!? なんか、今まで本気出したことなかったみたいじゃないですか。ってか、なかったのか!? あの監獄結界編ですら、那月ちゃん自分の「守護者」出したことなかったのに、なんでこの場面で出してくるの!?
それだけ、古城くんと姫柊のコンビが強力だった、と思いたいところなのだけれど、正直言ってこの二人では、霧葉を加えた三人でも、殆ど太刀打ち出来てなかったような……。眷属使っても守護者転輪王に力でねじ伏せられるとか、どんだけ。
教師やってる攻魔官の中でも那月ちゃんは別格扱いらしいけれど、それでもこれだけ格が違うと他の先生も強いんだろうなあ。笹崎先生もこれまだガチで戦ってるシーン見たこと無いけれど、仮にも拳仙級らしいし実際べらぼうに強そう。そういえば、笹崎先生、アニメだと先生なのにチャイナ服常備だったけれど、本編読むと別に普通の服着てたような…。
というわけで、シスコンを拗らせた古城くんが、妹が行方不明になったことを知って発狂したのを、寄ってたかって煽ったり諌めたりして大騒ぎ、と言ってしまうと身も蓋もないか。
南国の絃神島だけあって、大晦日と言っても冬の風情なんぞどこにもなく、振り袖着るのは殆ど拷問と変わらないという状態なのが、何とも独特の大晦日イベントである。それでも着るあたりに、浅葱の意地が垣間見える。
しかし、凪沙が行方不明という事態に古城くんが動転するのは、こいつのシスコンを知っているとさほど驚きでもないのだけれど、雪菜が獅子王機関が暗躍していたと知ってあれだけパニックになるとは思わなかった。孤児であることを若干気にしていた素振りはあったけれど、思っていたよりも獅子王機関に帰属意識というか、マイホーム的な意識が強くあったんだなあ。てっきり、もう暁帝国にべったりと思ってたんだが。ってか、ほんとこの娘、硬い分ポッキリ折れやすい娘よね。メンタル弱い(笑
まあストーカー気質でヤンデレ風味で酔うとすぐに心中したがるあたりで、メンタル強いとは全く思ってませんでしたけど。挙句、今回の一件でなんか、余計に拗らせちゃったというか、彼女の中で変な結論出てしまった気もしないでもないですし……危ない娘だなあw
しかし、夫婦揃ってこれだけあわあわあたふたされると、心配を通り越してホントに大丈夫か、この二人、となってくるなあ。いや、古城くんは普段はそんなに動転するタイプでもないので、めったに揃ってこんな有り様になることはないはずなんだけど。こりゃあ、やっぱり浅葱さんにちゃんと面倒見てもらわにゃあ。
一応、こっからの話、メインヒロインはカインの巫女たる浅葱っぽいんだけど。渦中に置かれるのはどう見てもこっちなんですよね。なのに、肝心の二人がこの調子というのは……(苦笑
浅葱がカインの巫女と呼ばれる存在なのは、どうやら彼女の父親も承知の上みたいだし、知っている人の間では周知の事実なのか、これ。獅子王機関といい、浅葱の親父さんといい、なんでそんな娘さんを嫁に出したがるんだw

サブタイトルでは、逃亡編と銘打っているにも関わらず、未だに絃神島から脱出も叶っておらず、足止め役が今までの出し惜しみがなんだったのか、という豪華ラインナップなだけに仕方ないといえば仕方ないのですが、なんか本気で逃亡失敗するんじゃないのかと心配になってきた。これだけ古城くんが理を説かれても、それを踏まえてなお押し通ろうとするのは珍しいと思うんだけれど、ガチで通れなさそうというのはさすがに予想してないぞw
最後に立ちふさがった人、以前からこっそり準レギュラー格で出まくってた人だけれど、ここまで規格外だったとは。矢瀬っち、どんな相手に粉掛けてんだw

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 10.冥き神王の花嫁 3   

ストライク・ザ・ブラッド (10) 冥き神王の花嫁 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 10.冥き神王の花嫁】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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第三真祖が統治する中米の帝国“混沌界域”で、突如内戦が勃発した。反政府勢力の背後にいる黒幕の存在を予感して、不安を覚える古城たち。そんな古城の自宅に届いたのは、“混沌界域”から送られてきた謎の荷物。差出人はディミトリエ・ヴァトラー。荷物の中身は、眠り続ける異邦の少女、セレスタだった。ヴァトラーを命の恩人と慕うセレスタの毒舌に辟易しつつも、古城と雪菜は彼女の面倒を見ることに。しかしザザラマギウの“花嫁”と呼ばれるセレスタには、本人も知らない恐るべき秘密が―!世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第十弾!
もう二桁の巻数になってくると、誰に吸血行為したか覚えてないよ! 夏音とはまだ吸血してなかったのか。意外といえば意外なんだけれど、よく考えると夏音はまだ中学生なので、犯罪じゃないか! いや、雪菜とはもう沢山やっちゃってるので、すでに有罪なのですが。
有罪というと、古城のオヤジの牙城、本編では初登場なんだが、このオッサン、奥さんの深森とは十歳以上年齢差があった上に、16歳くらいの時に古城を産ませてるんですよね。犯罪です! 完全に犯罪です! まさに完全犯罪!! そんな来歴の持ち主のせいか、古城が中学生の雪菜に手を出すのにも寛容で、というかむしろ積極的で、中学生の少女に早く孫の顔を見せてほしいと要望するほどの鬼畜っ。まさに鬼畜!
あかんわ、このおっさん。

さて、本編の方はというと、大きな観点からすると今回の一件は事実上、真の敵と戦うための予行演習、みたいな形として、事情を知る者たちからは受け止められてるんですよね。前の自称完全生命体の時もそんな感触はありましたけれど、今回の神様もどきといい、これだけの規模の敵をして予行演習扱いとは、第四真祖が生み出される原因となった真の敵、って一体どれほどの代物なんだろう。
更にいうと、今回の浅葱の扱いがまた終わってみると凄まじい。なに? カインの巫女ってなんなわけ? 場合によってはこの絃神島自体が、カインの巫女を「使う」ために作られたようなニュアンスすらあるじゃないですか。ふむ。

新しいヒロインのセレスタは、というと実際はともかくとして、表向きは彼女はヴァトラーに御執心なので、どちらかというと雪菜のちょっとした過去の掘り下げと、夏音ちゃん再突入、そしてジャガンくんのツンデレ劇場がメインだったような! ヴァトラーは、あれライバルキャラとしてはいい加減頭おかしいので、ジャガンくんみたいに態度はツンケンしながら何だかんだとコマメに助けてくれる男友達キャラは貴重です。矢瀬っちは、監視者という立場上なかなか介入できないもんなあ。あと、なにげに便利だったのが、ニーナ・アデラート。困ったときは往々にして助けて那月ちゃん! なんだけれど、那月ちゃんってあれで居て欲しい時には全然居てくれない人なので、夏音といつも一緒ということでまあ早々危ないところには連れていけないのですけれど、戦闘でも日常でも結構痒い所に手の届くフォローをしてくれるので、ちょろいさんが居ない時はホント助かるよ、この人。さり気なく、攻撃力も真祖並な気がするんですけれど、あのニーナビームw
雪菜は以前から微妙に傷みたいに抱えていた出自の件が、より詳しく明らかになったのだけれど、このネタも今後出てきそうな気配もあるなあ。

あと、ユスティナさん。夏音護衛のニンジャ趣味の人、脇なのにキャラ濃すぎるぞ。さすがはラフォリアの側近w

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 9.黒の剣巫3   

ストライク・ザ・ブラッド (9) 黒の剣巫 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 9.黒の剣巫】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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ブルーエリジアムは、“魔族特区”絃神島に新たに建設された増設人工島。ホテルやプール、遊園地などを擁する最新のリゾート施設である。正式開業前のその島に無料で招待されたはずの古城たちは、矢瀬の策略によって、なぜか過酷なアルバイトに駆り出されることに―。そのころ獅子王機関の舞威媛、煌坂紗矢華もブルーエリジアムを訪れていた。彼女の任務は、研究施設に囚われている謎の少女、結瞳の救出。だが、その紗矢華の前に、雪菜と同じ技を使う見知らぬ攻魔師“六刃”が立ちはだかる―!世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第九弾!
雪菜さん、アニメ見る限り胸の大きさについては十分だと思うんだが、比較対象がアレらだとやはりアカンのだろうか。
という訳で、久々の煌坂さん参戦。この人、チョロチョロとしょっちゅう周りをうろついているわりに、周りをパタパタと駆けまわるだけで落ち着いて一緒に居ることがないので、出番があってもあまりインパクトがないというか、いやインパクトだけはやたらとあるくせにアピールが足りないというか、一人で勝手に大騒ぎしてバタバタと去っていくというか、なにこの置いてけぼり感、という感じなんですよね。あまりに一撃離脱戦法すぎて、その足りない威力部分をチョロさで賄ってるというのはどうなんだろう、と思わざるをえない。だから、チョロインとすら呼んでもらえず、チョロいさんというもはや形容詞が名詞になってしまうような有り様になってしまってるんですよw
その上、いまさら実は登場人物の中でも戦闘力は屈指なんですよ、とか言われも、えー煌坂なのに?とか思ってしまうのは仕方ないんじゃないでしょうか。どんなに強くても、あんまり頼りにならなさそうだなあ、とかとか。
でも、それがいい! ネタヒロインかもしれないけれど、いいじゃない、可愛いんだから!
ディスってるのか弄ってるのかわからなくなってきましたが、私は煌坂さんが大好きですよ?
そんな煌坂さんと相対することになった、雪菜のバージョンアップ版妃崎霧葉。六刃神官と呼ばれる彼女、粗筋なんかからの印象だと、獅子王機関と対立している反政府組織みたいなのかと思ってたら、これがまた担当違いの政府機関だったのですな。CIAとNSAの関係みたいなものか。いくら、住み分けができていると言っても、場合によっては任務内容が被ることもあり、縄張り争いに組織間の駆け引きなどもあって、それが現場の衝突に繋がってしまう、というのはありがちながらも吝い話である。ただ、これがもっとバタくさい単なる縄張り争いなら良かったのだけれど、どうも問題はかなり深刻な様相を呈してるんですよね。仮にも政府機関ともあろうものが、市民の被害は避けようとしていたものの、絃神島そのものを沈めてまで葬り去りたいほど危険視しているものがあるというのは。第四真祖が生まれても静観を保ち、ある意味かなり穏当な手段で懐柔を図ったのに比べて、これほどまでに荒っぽい手段に出ることも辞さなかったというのは、一体どれだけ危険なものと認識しているのか、あの「カインの巫女」という存在を。
いや、正直浅葱がここまで最重要人物になるとは想像だにしていませんでした。いくら異常なまでに腕の立つ電脳の女帝と言っても、あくまでネットワーク限定なのは間違いないわけで、それがどうやったら世界の危機に繋がるんだ? どうも単純にネットワークを介した何らかのパンデミック、とかいう感じでもなさそうだし。因果律レベルで何らかの作用が起こっているのなら、視点を変えると第四真祖がカインの巫女を守るような立ち位置の人物に覚醒した、ということすら穿った見方が出来るんじゃないのか、これ。
古城が第四真祖という秘密を知って、遠慮なく協力を頼めるようになった浅葱は、もう便利すぎるというか頼もしいことこの上なかったんだけれど、こりゃ都合の良いヒロインどころじゃなくなってきましたがな。
一先ずわかっているのは、古城のロリコン疑惑が殆ど疑惑ではなく確定してしまった、ということくらいか。いや、普通女子中学生だってロリコン枠に入ってるんじゃないですか? まあ、ナチュラルに貴方を殺して私も死ぬとか言っちゃってる雪菜さんは、ロリコン枠じゃなくてヤンデレ枠になってしまうのでしょうけれど。おかしいな、つい先日まで雪菜と言えば嫁属性で業界(?)でも三指に入る逸材だったのにww

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 8.愚者と暴君3   

ストライク・ザ・ブラッド (8) 愚者と暴君 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 8.愚者と暴君】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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中学生の暁古城が、入院中の妹を見舞うために訪れた病院で出会ったのは、アヴローラと呼ばれる吸血鬼の少女だった。彼女こそが衰弱する凪沙の命を救う鍵だと知らされて、囚われていたアヴローラの逃亡に手を貸す古城。そんな古城の前に現れた兵器商人ザハリアスは、完全な第四真祖を復活させるために、アヴローラを引き渡すように要求する。ザハリアスが仕掛けた“宴”によって絃神島が危機に陥る中、ついに覚醒する第四真祖。その思いがけない正体とは?古城は真祖の復活を阻止して、絃神島壊滅の危機を救えるのか―?世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第八弾!
んあー、これは。あとがきによるとこの過去編、エピソードてんこ盛りで実質四巻分あったらしいのですが、確かにかなりざっくり削ってあるなあ。じっくり書くと番外編として別シリーズ出来たんじゃないか、と思うくらい重要かつボリュームのあるエピソードだったように思うのですが、かなりダイジェスト風味に。と言っても、読み終わってみるとそうだったな、と思うくらいでクライマックスまではそこまで削られた、という印象がなかったのはさすがベテラン作家、と言ったところでしょうか。
ああでも、過去編最後の敵とのラストバトルの展開を見ると、もっとアヴローラだけじゃなく9番目を含めた他の第四真祖たちのエピソードも積み重ねていた方がより効果的にあの怒涛の展開はインパクトあったはずなんですよね。あれ、結構大どんでん返しであると同時にグッとくる展開でしたし。
それに凪沙と彼女を慕ったあの子たちとの関係や、元伯爵令嬢がなぜああも転落していったか、浅葱が古城と一緒に過去の記憶を取り戻す措置を受けながら、何気に肝心の過去編で殆ど関わりなく終わってしまったり、とまあ結構これは削られたんだろうなあ、というエピソードは終わってみると色々と気づいてしまいました。特にヴェルさんについては、結構唐突感あったからなあ。この生活、わりと慣れ親しんでいたきらいがあったので元の領地の問題があったとはいえ、あそこまで急に切羽詰まるのはいきなりな感じでしたし。

それにしても、アブローラの可愛さは尋常ではなかった。この娘の喋り方って、いわゆる中二病風に単語が変換されたり過装飾されたりものなんだけれど、言葉選びのチョイスが上手いというか面白いんですよね。それを、古城もよく解読できるな、とも思うんだけれど即座に翻訳してくれるので、何言ってるかわからない、とはならないですし、尊大な喋り方なくせに当人オドオドと態度の方はプルプル震える小動物みたいなのでそのギャップがまた萌えるw
実は、こんな手のかかるけれど愛でたくなるようなタイプのヒロインって、このシリーズだと居なかったからなあ。正妻な雪菜を始めとして、浅葱にしてもみんな古城を尻に敷いたり手玉に取ったりするタイプだったからなあ。異様にチョロい人なんかもしましたけれど、あれはあれで態度自体は攻撃的ですし。こういう健気で可愛げのあるちっさなタイプの子はいなかったんですよね。古城、ロリコンなのにw
その意味でも、古城の中ではアヴローラは特別なままなんだろうなあ。

しかし、この過去編、これまで予想されていた第四真祖にまつわる情報をかなり大きくひっくり返す真相が待ち受けてましたね。前回までの流れから想像していた第四真祖の正体からするとかなり驚き。いや、凪沙の中に眠っていたものの動きを考えると、なるほどなあ、ということにもなるんですけれど。それから、なんで古城が第四真祖となりながらも、その眷属を上手く扱えなかったかも、これを読むとなるほどなあ、となる。いやこれ、場合によっては眷属の見方も大きく変わりますよ? 凪沙に宿った「妖姫の蒼氷(アルレシャ・グラキエス)」は元よりとして、今古城が使えてる眷属の並びを見ると、なんだかニヨニヨしてしまいますがなw
逆に言うと、これ以降の眷属はなかなか厄介、ということにもなるんですよね。これまでの眷属のように古城に対して好意的ではないだろうし。
ともあれ、だいぶアブローラと第四真祖にまつわる謎も明らかになって、スッキリしましたよ。根本的なところ、つまり第四真祖がなぜ必要とされたのか、という物語の根幹にまつわる部分はまだですけれど、いよいよここからが本番ってところか。

三雲岳斗作品感想

人形遣い4   

人形遣い (ガガガ文庫)

【人形遣い】 賽目和七/マニャ子 ガガガ文庫

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世界はわたしを中心に回っているのです。

わたしの名前は坂上神楽。
凄くかわいくて頭が良く、芸達者で器用で立ち振る舞いも完璧。ダイヤモンドもはだしで逃げ出すとまで謳われる、まぁごく普通の世界的天才美少女である。
わたしのような、存在が主人公級の美少女というのは、やはりトラブルに巻き込まれるのが常なのである。そうした面倒に巻き込まれる自身の体質にだけは少し嘆きたくもなるものだ。
嘆いて、溜息を吐き、それからわたしは顔を上げ、ああ、溜息を吐く仕草すらも可愛らしい。そんなことを思いながら、胸に抱いた兎の人形を抱きなおし、二人の人物に視線を向ける。
壁際に追い詰められた、黒髪の少女と、狼面の男が一人。考えるまでもなく目の前の人狼が少女を襲っている場面なのだろう。
わたしはこのような人ならざる化け物を人知れず退治していく仕事をしている。そう、この『人形』を遣って――。

第7回小学館ライトノベル大賞、ガガガ賞受賞作。
イラストを担当するのは、ライトノベルの挿絵や原画などで活躍中のマニャ子。
このあらすじの自己紹介を見ると、主人公の坂上神楽は天上天下唯我独尊で増長しきったナルシストであり、他人を見下し蔑みきった天性の女王様、といった感じにしか見えないだろうし、本編も冒頭から自分以外の人間を人とも思わない言動でこの世に敵無し、と言わんばかりの傲慢な振る舞いで場面を蹂躙していく。
ところがだ。話が進むにつれて、彼女の意外な立場が浮き彫りになっていく。そこには、我が物顔でその強大な力を誇示することで、自分の好き勝手やりたい放題暴れまわる、なんて自由さなど欠片もない神楽の雁字搦めに縛られきった姿が見えてくる。
そうなると、彼女の傲岸不遜な立ち居振る舞いも決してその素の性格からくる自然な内面の発露、ではないことがわかってくるんですね。そう、何もかもが上っ面だけなのである。本来、このような増長しきった人格にあるべき自分自身への自信、というものが彼女には殆どない。というか、人としての中身がまるでないんですね。恐ろしくその中身は空虚であり、寄る辺となるべき自尊も持たず、何もかも諦めきって流されるがまま過酷で凄惨な環境を打ち破ろうとする意志もなく、いつか擦り切れ打ち捨てられる未来を漫然と受け入れてしまっている。
こんなにも痛ましく何も持っていない「俺様」な人物はなかなか見たことがない。結局のところ、彼女の他者を見下し傲岸不遜に振る舞う攻撃的な姿勢は、彼女を常に踏み躙ろうとしてきた周囲から自分を守るために築きあげた、諦めを受け入れている彼女の唯一の鎧なのである。と、同時に唯一神楽に優しくしてくれ、人間扱いしてくれた恩人が遺した、自分を好きになれ、という言葉を遵守するために作り上げた、歪ながらも切実で拙くも懸命な仮面、と言えるのではなかろうか。しかし、周りの人間達の人格も尊厳も全否定するような扱いを前に、自分に自信も価値も見いだせていない少女にとって、それでも自分を好きになれ、という絶対遵守すべき願いはどれだけ酷な事だっただろう。坂上神楽の「形」がこんな外側だけが絢爛豪華で中身は何もないガランドウ、といういびつで痛ましいものになってしまったのは、彼女の境遇を振り返れば悲しいかな、哀れかな、仕方なかったのかもしれない。
しかし、彼女は出会うのである。空っぽで諦めに満たされ、故人との思い出と恩義に縋るしかなかった心を埋め尽くしてくれる人と。
そうして、薄っぺらで脆い無機物の仮面のようだった坂上神楽の在り様が、色彩を帯び厚みを増し中身を得てキラキラと輝き出す。
そして、人形を遣う人形でしか無かった彼女が「人間」になったことで、諦めを放り捨て自分の未来を勝ち取ろうと、生きようとした時、彼女は気づくのだ。過酷で無慈悲で悪意しか与えられていないと思っていた自分の置かれた環境に、とても素敵な真実があったことに。

いやあ、これ読み終わってみると実は濃厚極まりない「百合」作品でしたね。自分自身すら持たない少女が、一人の少女と出会い、やがて自分にとっての唯一無二の存在となっていく。
うちに諦観を秘めた孤高を守っていた神楽が、出会った吸血鬼の少女と交流するうちに徐々にそのかぶっていた仮面にほころびを見せ始め、生きた人間の瑞々しさを取り戻していく様子は、少女二人きりの密度の濃い甘やかな交流も相まってか、なかなか味わい深いものでした。また、ただ二人きりの少女の世界、なんていうと閉ざされきってそれはそれで救いのないお話にも見えてしまうのですけれど、本作はラストで神楽の境遇について一つのパラダイムを仕込んでいて、その御蔭で随分と救われた話になった気がします。喪われた人との思い出は大切に抱きながら、今まで共にあった人との現在を見つめなおし、出会った運命と未来へとともに歩き出す。
閉塞感の強い話だっただけに、この開放感あるラストは心地よかったです。
しかし、あの叔父の人を悪し様に罵る罵詈雑言は、読んでてもこれは言われた人本気で頭に来るだろうな、冷静さも吹っ飛ぶだろうなあ、というなかなかマジに言われた人の心を逆なでするような威力ある罵倒ばかりで、ある意味すごかった。挑発されて頭に血をのぼらせる人って……、とこれまで思っていたけれど、これは怒っても仕方ないな。なるほど、挑発ってのはこういう言動で行うものなのね、なんかすごく納得した。

ストライク・ザ・ブラッド 7.焔光の夜伯3   

ストライク・ザ・ブラッド (7) 焔光の夜伯 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 7.焔光の夜伯】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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凪沙が倒れたと知らされて、急ぎ病院へと向かった古城。そんな古城たちの前に現れたのは、先代の第四真祖アヴローラと同じ姿を持つ謎の少女だった。真祖の眷獣を自在に操り、古城と雪菜を追い詰めていく少女。はたして彼女は本物の第四真祖なのか。そして彼女との接触によって甦る古城の記憶とは―ついに明かされる古城の過去と、第四真祖にまつわる秘密。世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第七弾。
なるほど、そういう事だったのか。今までは、第四真祖ことアヴローラが今の古城たちの状況をつくり出した黒幕、というよりも古城側の「プレイヤー」的な存在だと思ってたんだが……いや、大まかな括りとしてはまだアヴローラの思惑が後ろで糸を引いているという形で間違ってはいないかもしれないけれど、今まで考えていたような大上段に立って古城たちを見下ろしているような立場の人間――吸血鬼ではなく、運命に翻弄される立場としてはむしろ古城たちと同じ高さ、同じ目線に立っていた古城たちにも身近な人物であったのではないか、という要素が此処に来て見えてきたわけだ。つまり、影で蠢く黒幕ではなく悲劇のヒロイン・サイドであった、と。
もっとも、肝心な部分はまだ勿体ぶって見せてくれないので、一体何があって古城は第四真祖になったのか、についてはまだ不明なままなのだけれど。てっきり、アヴローラと古城との関係は二人が出会ってそれほど間を置かずに古城が第四真祖にされた、というくらいの認識だったからなあ。なので、冒頭からはじまった過去編が四年前であったことにはかなり驚かされた。今まで凪沙が四年前に事故にあって、その治療で絃神島に住むようになったという説明に何の疑問も抱いていなかっただけに。でも、凪沙が今になってアヴローラの力の一端を引き継いでいるらしいことが明らかになった時点で、四年前の事故についても疑問におもうべきだったのかもしれないけれど。でも、まさかアヴローラと数年来の付き合いだったとはなあ。
そんな第四真祖の彼女と出会う事になった四年前の事件は、そもそも古城と凪沙の父親である暁牙城が絡んでの事だった。父親の名前が牙城って、暁家は代々そんな凄い名前なのか。それも、戦う考古学者ってまたぞろインディみたいな。毎回一人だけ生き残って帰ってくる、というあたりは存外呪われてそうなかんじだけれど。
その親父さんが、現在まったく音沙汰なし、というのがこの場合逆に不気味と言っていいくらい。自分のせいでとんでもないことに巻き込まれてしまった子供たちを救うために姿をくらました親父さん。再び現れる時はまず決定的な物語の転換点になりそうな予感がする。
しかし、第四真祖が通常の真祖とこれほど意味合いから違う存在だったとすると、その第四真祖となった古城についても結構立場も変わってくるんですよね。獅子王機関はどれくらい、この事実を把握しているだろう。いや、確実に知っては居るのか。長老である静寂破りがあれだけ事情に精通していたことを考えるなら。だとすると、雪菜を古城に付けたのも、前に言ってた冗談みたいな真祖に好を通じさせるために嫁にやった、みたいなパワーバランスに慮ったという理由ではないってことになってくるんですよね。むしろ、本気でサポート役として送り込んだのか。
第四真祖になった当時の封印された記憶を思い出した古城も、どうも様子が変わってきているし、さらには浅葱が何だか今後のキーパーソンになってきそうな要素が出てきた上に、ついに彼女に第四真祖のことがバレてしまったり、と状況は大きく動きそうな気配が漂ってきた。でも、浅葱さん、事実を知って真っ先にくいついたのが、雪菜に「ヤッたのか!」と迫ることだったのは、色々とアレですぜw むしろ、吸血されることにそれだけ食いついてしまうと、逆になかなか吸ってもらえないフラグになってしまうような。
矢瀬の回想から、浅葱が古城の気を引くために随分昔から努力してきたのを知ってしまうと、さらに不憫に見えてきたなあ。あのわりと派手目なファッションも、自分の好みのオシャレというよりも古城の気を引くため、というのは泣けてくるじゃないですか。
そういえば、矢瀬の言う自称彼女って、シンプルに閑古詠だと見ていいんだろうか。年上で学校の先輩、みたいなことを言っていたような記憶があるので、多分該当するのは閑だとは思うんだけれど……大穴でヴェルディアナとかだったら面白いんだけれどな。あの人、かなりチョロそうだったし。

三雲岳斗作品感想

ストライク・ザ・ブラッド 6.錬金術師の帰還3   

ストライク・ザ・ブラッド 6 錬金術師の帰還 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 6.錬金術師の帰還】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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雪菜の不在で古城が窮地に!
“賢者の霊血”を捕獲せよ──!


 中等部の修学旅行で本土に行くことになった雪菜たち。その間、彼女の監視から解放されると知って喜ぶ古城と複雑な雪菜。そんな古城たちの前に現れたのは、天塚汞と名乗る錬金術師だった。
 封印された錬金術の至宝──液体金属生命体犖者の霊血瓩鯢活させるため、猖眤夏旦茘甞特呂能鰻發魴り返す天塚。そして犖者の霊血瓩遼汁に巻きこまれた浅葱を待ち受ける悲劇とは……!?
 世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第6弾!

これほど頻繁に渦中に巻き込まれながら、実質的には蚊帳の外、というヒロインも珍しいなあ、浅葱さん。今回なんぞ、せっかく雪菜というお邪魔虫が修学旅行で不在になる、というこれ以上ないチャンスだったにも関わらず、あんなことになってしまって。
既に三巻あたりでは、古城も浅葱に正直に正体を明かしてしまうか、という話も持ち上がっていたにも関わらず、まさかこの6巻に至ってもまだ古城が吸血鬼の第四真祖になったことを明かされないまま来るとは思いませんでしたよ。そのくせ、古城が起こしたり巻き込まれたりしている事件には、よく電子の妖精として働かされてますし、今度に至っては死にかけるほどの状況に巻き込まれた挙句に、アレですから。アレですから。
もう、浅葱当人の古城に対する気持ちというか、接し方が健気なだけに色々と空回りしている風なのが本当に不憫で不憫で。
とは言え、客観的に見ると浅葱のアプローチが切実である分、着実に歩を進めているようには見えるんですよね。シリーズ始まった当初に比べると、古城と浅葱の距離感も近づいているように見えますし。
まあ、残念ながらその間には、デーンと雪菜さんが、ここは通しませんぞ、とばかりに立ちはだかっているのですが。その意味でも、雪菜がいなくなる今回は本当に大きなチャンスでした。逆に言うと、雪菜自身も自分が居ないこの間が、大ピンチという認識は大いに持っていたようで、もはや今後古城くんから目を離すつもりは一切無いようです。この人、自分が見てないと駄目だわ、という嫁としての義務感を新たにしていましたし、ガードも徹底したものになりそうです。まあ雪菜が頭を抱えているように、古城くんときたらちょっと目を離すとすぐにトラブルに巻き込まれるか起こすかして、女の子の血を吸ってしまうのですから、気持ちはわからなくもないです。本当に、雪菜の隙を虎視眈々と伺っているかのような絶妙のタイミングで毎回、浮気してますもんねえ。まだ古城くん当人が意図を以てやってるなら分かるんですが、見事なくらい流れにハマる形で古城の意志関係なくそういう形になってしまっているわけで、古城に気をつけろ、と幾ら言い聞かせても無理な事案であることは雪菜もそろそろ思い知らざるを得なかったわけですから、「駄目だこの人、私が見張ってないと本当にダメだ」となってしまうのもまあ無理からぬことか。

さて、一方で着々と状況は進行しているようで、今回の錬金術師の事件に紛れる形で、結構色々と伏線は敷いていた模様。浅葱も何気に、重要かつヤバイポディションにいるらしいんだよなあ、これ。それから、ついに雪菜が、凪沙に何かが取り憑いている事を知ってしまうのですが、一方でどうも凪沙に取り憑いているものの正体については、先生たちは知ってるっぽい事もわかってきたんですよね。凪沙たちの担任が知ってるということは、那月ちゃんも知ってるということだしなあ。それから、てっきりその正体って元第四真祖とばかり思い込んでいたのだけれど、どうも一概にそう言い切れなくなってきたような。
こりゃ、思っていた以上に古城が第四真祖になった事情は入り組んでいそうだぞ。
キャラの新加入的には、今回はあれですか。妖精さんとニャンコ先生という、ある意味マスコット的な存在の加入ということになるんですか。どっちも年増だけどな!! 一応、両方共これまた先生というかお師匠と言うか、色々と教えてくれたり解説してくれたりする豊富な知識と経験の持ち主、ということでもあるんだけれども、那月ちゃんといい、そういうポディションの人、結構たくさんいるにも関わらず、こうして見るとなんかみんなちっちゃいのな(笑
あと、さりげに沙矢華が登場していないにも関わらず、弄られまくってて、この娘ほんとにヒロインとしてはあれだけれど、美味しいよなあw 古城にも、アホっぽいと思われてたのか。雪菜も否定するどころか同調してるし。まあ、誰が見てもアホっぽいので、仕方ないのですが。ちらっと、剣巫があと二人くらい送り込まれてきそうなフラグも立ってましたけれど、これはいつ回収されるのやら。

今回、バトル的には相手が相手ということもあり、なおかつ浅葱が巻き込まれた事によって相当古城自身も頭に血が上っていた事もあってか、今までで最大限にド派手な事になってました。その上、ラストバトルはなんかもう、古城くん物凄い目にあってましたしw 姫様、幾らなんでもそれは扱いが酷すぎやしませんか。幾ら吸血鬼で不死身だからと言って、状況的にも時間的にも切羽詰まって他の手段がなかったとはいえ、どう見ても姫様面白がってやってるようにしか見えなかったですぞ(笑

シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 5.観測者たちの宴3   

ストライク・ザ・ブラッド 5 観測者たちの宴 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 5.観測者たちの宴】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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すべての魔族は、今宵、消滅する──!
大人気シリーズ、待望の第五弾!!


 監獄結界からの脱出を果たした、仙都木阿夜と六人の魔導犯罪者たち。彼らの目的は犇隙の魔女疇邉榮畄遒遼殺だった。阿夜の奸計によって魔力と記憶を奪われた那月は、幼児化した姿でなぜか浅葱に保護されることに。脱獄囚たちの襲撃で窮地に陥る浅葱の運命は?
 一方、重傷を負った優麻を救うため、古城と雪菜は巨大企業MARの研究所を訪れていた。そこで古城たちを出迎えた人物とは──?
 世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第五弾!
ヤバい、煌坂沙矢華がおもしろ可愛すぎる♪ この娘、雪菜のお姉さん気取りで強気に突っかかってくるくせに、ヘタレだわ落ち着きないわ男に免疫ないわ、と初めて出た二巻から愛玩動物属性を全開にしてたものですけれど、いい加減チョロい、チョロすぎる(笑 ちょっと落ち着け、テンパリすぎだ、あんた。チョロいはチョロいでも、完全に勘違い自爆系で、自分から食べられに行ってしまうという自動据え膳機状態。何をしてもエロい方にエロい方にと思い込みを重ねていくあたり、頭の中相当煮立ってます、紐パンはなかなか反則だw
古城と一緒にいると常時テンパッて自爆し続けるので、傍から見ててアハハと笑うほかありません。でも、早速二度目のキス担当になるあたりは、これはこれで優遇されてるのかなあ。何気に使い勝手もいいですし、エロコメ要員としては独走を開始してますし……いや、それはヒロインとしてどうなんだろうと思わないでもないですけれど。
一方で、浅葱の方は引っ張る引っ張る。いい加減、彼女には事情を説明しなきゃならないはずなんですけれど、タイミングが悪いというかなんというか。普通、ここまで深く関わってきてしまったら、話さなきゃ纏まるものもまとまらないと思うし、古城だって浅葱に秘密を語ってしまうことについては既に前から覚悟は決めているんですけれど……。
雪菜の正妻としての貫禄については疑う余地もないところなのですけれど、今回の幼女那月を娘に据えての、浅葱と古城の夫婦設定は、これはこれで思いの外ピッタリとハマる風景だったんですよね。元々仲の良い気のおけない友達同士、という関係でしたから、意外と「家族」としてのスタイルにはイメージは行かなかったんですが、こうして見ると浅葱の大人っぽい雰囲気と相まって、結婚後の落ち着いた関係の方がしっくり来るところもあったんだなあ、と。さすがの雪菜も、まだ中学生である以上同じように娘を間に挟んで古城と夫婦状態、というスタイルを演出しても違和感しかないでしょうから。

仙都木阿夜の目的は、結局南宮那月の抹殺ではなく……このオバちゃんも不器用というか弄れているというか、実の娘にああいう仕打ちをして悪びれもしない事からも決して良い人物ではないんですけれど、独善たる人物のサガなのか、いい意味でも悪い意味でもこの人が考えてたのって那月のことばっかりだったんだなあ。那月ちゃんがそれをどう思ってるか詳細はわからないけれど、彼女が敢えてこの監獄結界の主をやっている理由の一つに、彼女なりの友情への返答があるんじゃないかなあ、と思ったり。

さて、物語の方はだんだんと「敵」の存在が見え隠れしてきた模様。敵に動きがある、というよりも第四真祖に古城がなってしまった事から含めて、獅子王機関や戦王側の目論見、これまで起こった事件がすべて、何らかの「大敵」の出現に備えるためのプロセス、みたいな様相を呈してきてるんですよね。此処に至ってまだ、古城が第四真祖になった時の話も、元の第四真祖と古城がどういう関係にあったのかも語られない事が、逆にその事がこの作品の核心を担っている、とも捉えられるのですが。
いずれにしても、そろそろ本格的な動きが見られてもイイ頃かも。ある意味今回の監獄結界の解放も、仙都木阿夜と南宮那月の云々であると同時に、ある人物を解き放つ事にこそ意味があったようですし。
まあそれよりも、そろそろ浅葱さんのターンじゃありませんか?

1巻 2巻 3巻 4巻感想

ストライク・ザ・ブラッド 4.蒼き魔女の迷宮 3   

ストライク・ザ・ブラッド 4 (電撃文庫 み 3-34)

【ストライク・ザ・ブラッド 4.蒼き魔女の迷宮】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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祭りの夜には異変が起きる!
大混乱の魔族特区に現れた、古城の幼なじみの秘密とは!?


 間近に控えた魔族特区の祭典“波朧院フェスタ”の準備で盛り上がる絃神市。祭りにあわせて小学生時代の古城の親友、仙都木優麻が絃神島を訪れる。古城が旧友との再会を喜ぶ一方で、担任教師の南宮那月が失踪。さらには謎の時空の歪みが、魔族特区を脱出不可能の迷宮へと変えていく。そして優麻との接触によって、“第四真祖”暁古城の肉体に起きた異変とは──!?
 常夏の人工島で繰り広げられる学園アクションファンタジー、待望の第4弾!!
ちょっ、浅葱さん放置かよ!! ついに口絵からも消えてしまいましたし、古城が彼女に自分の正体を話す件とかどうなったんだよ。告白の方も有耶無耶の内に流されちゃってるし。これは、浅葱が不憫だ。かと言って、雪菜が優遇されているのかというとそうでもなく、今回は古城にしても妹の凪沙にしても、訪ねてきた幼馴染の優麻にかまけてしまっているので、雪菜も微妙に放置プレイ。さらには中盤以降は古城がえらいことになってしまうので、いつもみたいに嫁プレイでイチャイチャというわけにもいかないので、なんだか悶々としてしまった。
浅葱はあれか、モグワイの機転で睡眠中のすっぴん無防備な可愛い顔を古城の携帯の待ち受けにして貰ったのが唯一のポイントか……って、それ本人にとっては爆死ものだろうにw

しかし、フェスタの最中に発生したこの空間トラブル、よくまあ大事故にならずに済んでいるものである。幾ら大きな魔力を有しているものほど強烈に作用してしまうという特性上、無差別に発生しているわけではないにしろ、魔族特区という土地の特性上魔力を持ってる人は少なくないでしょうし、それでなくても祭典で特区外からの観光客が流入してお祭り騒ぎのさなかである。基本的にヤラレ役な特区の治安維持組織だけれど、こういう地味な統制力は優秀なんだろうなあ。
むしろ、鳴り物入りで登場したくせに、お姫ちんたちにけちょんけちょんにやられてしまった魔女姉妹の三下っぷりにこそ涙を誘われる。まあこれは、お姫ちんや紗矢華が格上だったってだけなんだろう。これまで紗矢華や雪菜の獅子王機関の剣巫たちは部の悪い戦いばかり強いられてきたけれど、本来ならこれぐらいやすやすとやって退ける実力者なんですよね。そう考えると、古城の周りには相当の実力者が揃っていると言えるのだろう。雪菜や凪沙の担任の先生までチートクラスの抗魔官だったというのは驚かされたけれど。しかも、拳神系ってw
そんな古城の周りの人間の中でも最も際立った力を有していたのが「空隙の魔女」こと南宮那月先生だったわけだけれど……今回の話、那月ちゃんメインって、全然登場しないじゃない! しかも、出た途端エラいことになってるし。でも、那月ちゃんのビジュアルが予想以上に可憐で、これウルトラストライクだろう。幼女幼女言うから、もっと幼げなロリっ娘なのかと思ってたけれど、ちっちゃいなりに大人の風格みたいなものが漂っているし。三雲先生のロリ先生と言うと、【ランブルフィシュ】のあの先生の驚愕の真実に度肝を抜かれた印象が焼き付いていて、ついつい那月ちゃんにも胡乱というか、こういけない目で見てしまう部分があったのですが(笑 那月ちゃんの真実も負けず劣らず驚愕もので……そうか、この人、26歳のリアル幼女だったのかww
微妙に今回はストーリー進行が甘いというか、進んでいる割に密度が濃くないなあ、と思ってたらこれまでの一冊につき一人の女性を食い物にし眷獣召喚、というパターンが崩れて、まさかの続きものに。ここでパターン崩してきたか。次こそは那月ちゃんメインで行って欲しいところです。つまり、年上のリアル幼女先生を食い物にww

1巻 2巻 3巻感想

ストライク・ザ・ブラッド 3.天使炎上 3   

ストライク・ザ・ブラッド〈3〉天使炎上 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 3.天使炎上】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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敵は天使! “第四真祖”暁古城消滅の危機に雪菜は!

 南宮那月の助手として、絃神市上空に出現する怪物“仮面憑き”の捕獲に協力することになった古城と雪菜。しかし古城の眷獣でも倒せない“仮面憑き”を相手に思わぬ苦戦を強いられる。そんな彼らの窮地を救ったのは、暁凪沙の友人だという叶瀬夏音だった。
 そして失踪した夏音を追う古城と雪菜は巨大企業の策略で、二人きりで無人島に置き去りに──!?
 世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第三弾!

おいおい、やっぱり眷獣一匹につき新しい女性と吸血行為をしなきゃいけないのか。一度血を吸った女性ともう一度吸血行為をしても新しい眷獣は目覚めない、と言及されちゃったからなあ。これでほぼ確実に12人の女性の血を吸わなければならなくなったわけだ。そんなに沢山の女の子どうするんだよ!? と思ったんだけれど考えてみたら既にまだ血を吸ってない女性キャラが五人ほど居るわけで、あと四人ほどキャラが増えればいいという計算になり、あれ、そこまで無謀じゃない? いやいや、十分無謀ですw
でも、前巻の雪菜は同じ人物でも何らかの効果があるっぽい事言ってたんだけどなあ。今回の三番目の眷獣「龍蛇の水銀」は二頭の蛇という、ちょっと特殊な眷獣だったので、二人分の乙女の血が必要だった、という可能性もあるわけで。まあまだその辺りの設定は静観だな。
前巻の終わりで、悪友という関係だったはずの浅葱が気合入れて告白してくれたお陰で、古城もさすがに彼女の好意に気が付かないわけにはいかなくなったので、ついに全部浅葱のターンはじまったか!? と思ったのに、逆に第四真祖という秘密を抱えた古城が、浅葱とどう接するかに非常に慎重になってしまったために、事件に巻き込まれた件もあってか、何だかんだと浅葱さんの出番がーー!!
いやまあ仕方ないっちゃ仕方ないんですが、途中自分の女性関係そっちのけで妹の男性関係の方に頭に血がのぼって掛り切りになってしまっていたのは、お前シスコンもいい加減にしろよ、と言いたい。
結局、腹を括って浅葱に自分の秘密を明かす決意を固めた古城ですが、それだけ浅葱には誠実でありたいという心映えが見えたので、その点は評価してあげたい。浅葱に距離を取られる恐れのみならず、彼女から妹にまで秘密が流れる危険性も鑑みながら、どれだけ怯れられてもそういう真似はしないと彼女を信じたわけですしね。
もっとも、さすがに吸血鬼化しているとまでは想像していないでしょうが、浅葱も古城が面倒な事情に巻き込まれているだろうことはいい加減察するくらいには此方側に踏み込んできちゃってますしね。これは次の巻あたりには修羅場かな。
真相を巡る修羅場は次回以降として、既にこの巻では浅葱と紗矢華の愛人対決が。紗矢華さん、本来なら登場する予定なかったそうなんですが、なんか勝手にうろちょろ現れてきたらしい。やたらちょろい娘さんのくせしてなんだこの一匹見たら百匹いるよー、な繁殖力は(笑

浅葱の本気を突端にして俄に騒がしくなってきた古城の周囲に、正妻としてはヤキモキするばかり、な雪菜を堪能する回、と捉えるべきだったんでしょうか、今回の話しは。古城のシスコンさに呆れ返り、浅葱との急接近には焦燥を募らせ、姉貴分である紗矢華とのやり取りにはヤキモチを焼き、他にもどんどん遠慮無く近寄ってくる新キャラの攻勢などもあって、雪菜の内心は落ち着く暇もなさそうで、古城の後ろをずっとくっついて歩きながら概ね拗ねっぱなしの嫁は可愛かったです、はい。ふてくされているわりに、ちょっと構うとすぐに機嫌を直してくれるあたり、この子もチョロくなったよなあ、としみじみと思いながら。でも、ふたりきりで無人島に置き去りに、という絶好のシチュエーションに見まわれながら、肝心なところを姫様に持ってかれてしまったあたりはちょっとかわいそうだった。いろいろ期待してそうだったのに(笑

1巻 2巻感想

ストライク・ザ・ブラッド 2.戦王の使者4   

ストライク・ザ・ブラッド 2 (電撃文庫 み 3-31)

【ストライク・ザ・ブラッド 2.戦王の使者】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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新たなる監視者の襲来、そして魔族特区の危機!
注目の大人気シリーズ、待望の第二弾!!


 監視者・姫柊雪菜につきまとわれる生活にもようやく慣れて、平和な日常を取り戻しつつあった『第四真祖』暁古城の前に、欧州の真祖『忘却の戦王』の使者ディミトリエ・ヴァトラーと、彼の監視役・煌坂紗矢華が現れる。なぜか古城に異様な興味を示すヴァトラーと、そして親友の雪菜を守るためにと古城の命をつけ狙う紗矢華。しかし彼らの到来は、絃神島の存亡をかけた巨大な陰謀の前触れに過ぎなかった──。
 世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第二弾!
やっっべえわ、これやっべええわ!! 

姫柊雪菜は俺の嫁ぇぇ!!!

こりゃあかん、思っても言っちゃあ恥ずいだけのことを思わず絶叫させられてしまった程に、雪菜が強力すぎる! なんという俺嫁力!!
まさか伝説の「嫁ヒロイン」こと【世界平和は一家団欒のあとに】の柚島香奈子に匹敵するほどの「嫁属性」の持ち主が現れるなんて。一巻の時点では確かに図抜けた可愛らしさのある強力なヒロインだったけれど、嫁属性はなかったはずなんですよね。それがどうしてこうも一変してしまったかというのを振り返って見るならば……あれだよね。血を吸ったのが決め手だよね。
それまではお人好しの世話好き成分を炸裂させていながらも、あくまで古城は監視対象であり感情を挟んではいけないというターゲットだったのだ。本音の方はもうだいぶ最初の方に彼に感情移入してしまっていたとはいえ、生真面目な雪菜のことである。建前をもって自分を律していたのだろう。それ相応の距離感を保っていたのだ、それまでは。
が、あの吸血行為を自分から申し出ることで、枷を外してしまったのである。身も心も捧げるだけの覚悟を決めてしまった、というのは余りにも大げさだけれど、この人は自分が傍であれこれ面倒みてあげないと「ダメ」な人だ、という位の事は思ってしまったに違いない。
そうなれば、保っていた距離感などもう無きに等しい。幸か不幸かあるいは必然か、暁古城という男は実に面倒見甲斐のある男なのだ。迂闊でズボラで面倒臭がりで怠け者、そのくせ従順で言われたことはちゃんとやるし干渉されてもお節介だと嫌がらない。何気に目ざとく、女心を擽る言動に長けていて、見返りをちゃんとくれるんですよね。だから、傍にくっついて面倒を見ればみるほどうんざりするどころか逆に嬉々としてさらに手をかけてしまうというズブズブ余計にはまっていくという調和のとれた循環が発生するのだ。
これも自然の摂理である。駄目男万歳?
建前としては残しつつも任務だからとか社会のためだからという義務感、使命感、正義感から離れ、せっせと男の面倒を見ようとするのは、そりゃ嫁だよね。嫁属性もついてしまうのも無理からぬこと。
お小言をくれながらぴったり寄り添っててきぱき面倒みてくれる後輩の子って、素晴らしいですよね、うんうん。
自分、妹キャラですらない後輩キャラって今までピンと来たことなかったんだけれど、これは良いわ、最高だわ。媚を売らず毅然として甘えを見せない年下の娘が、拗ねたり嫉妬したりするのって最高ですよね!!
女の嫉妬ってどうしても不細工に見えてしまうものだけに、嫉妬する姿こそが一番可愛いって、最強じゃね?

ちょっとこの作品の方向性、見誤ってたかもしれない。現代伝奇の王道路線を本気で極めるつもりで、バトルや世界観の設定重視で進行するのかと思ってたんだが……作者が一番渾身の力振るってるのって、明らかに雪菜のシーンですよね、これ? 雪菜を如何に可愛くラブコメってみせるかに、一心不乱に力入れてますよね? 
そして、その成果の強力なこと強力なこと。一巻では三雲さんほどの古豪が本気でベタなバトルもの書いたらこんなに面白いのかと仰天させられたものだったけれど、二巻では三雲さんほどの古豪が本気でラブコメ書いたらこれほどのものを仕上げてくるのかと驚嘆させられましたよ。前にも書きましたけれど、この作者さんって男女関係のあれこれをちゃんと「ラブコメ」で綱引きさせてる作品って珍しいんですよ。だから、この人がガチでラブコメしてくるのって新鮮だなあ、くらいの感覚だったんですが、新鮮どころじゃないや、これマジやっべえ、のレベルですわ。ベテランすげえ。

しかし、獅子王機関ってもっといかめしい感じの組織だと思ってたんだが、やってることを見るともしかしてこいつらただの「面白ろ組織」なんじゃないだろうな!? 一応、ふざけてるんじゃなくてちゃんと真剣で深刻な理由があってこそ、雪菜や紗矢華に秘めた目的を以て派遣した、というのは理解しているつもりなんだが、現実になにをしているかというと……。
「してやったり」みたいな顔をしている気がしたんだが、あんたらやってることただの女の子の斡旋と手回しだけですからね? 
にしてもだ、斡旋するべき人材の選定は実に見事。よくもまあ、あそこまで攻魔師としての実力と、女の子のチョロさを兼ね備えた娘さんを何人も抱えているものだ。ってか、雪菜も相当だったけれど、それを上回る勢いで紗矢華さんチョロすぎ!(笑 しかもヘタレだし! 

その点、浅葱は気合入ってたなあ。随分と一人相撲してばっかりだったので、そのまま迷走するのかと思いきや、腹据えてモヤモヤ吹き飛ばした途端、躊躇わずに行動にうってでましたよ、かっけえーー!
いやあ、男前の姐さんキャラかと思われた紗矢華がただのヘタレだったんで、その分浅葱の女っぷりが際立ちました。嫁についてはもう雪菜の独壇場なんだが、青春の甘酸っぱさでは全然負けてない、負けてないよ浅葱さん! この二大巨頭対決は何気に甲乙付けがたいなあ。紗矢華は愛玩動物扱いでOK?

一巻の段階ではあんまり立場なくてどうするんだろうと思っていた妹が、けっこう重要なポディションっぽかったのが発覚したり、アスタルテが再登場どころかかなり目立ってて嬉しかったり、三雲定番合法ロリ先生は前科があるのでもしかして子持ちじゃねえだろうな、とワクワクしたりと……女の子成分高いよね、結構。サブタイトルにあるライバルキャラ、ヴァトラーも決してキャラ薄いわけじゃないんだが、というかかなり濃いんだが、それでもラブコメに食われてた感ありだったかも。この調子で行くと、眷獣一匹に対して女の子一人の血を吸う、という計算になっちゃうんだが、さすがに12人はいないでしょ、多分。雪菜の発言を聞く限りでは、どうやら同じ相手でも別の眷獣に効果あるみたいだし。それでも、次回あたりは浅葱の出番になりそうな。ただでさえラストの展開で、大攻勢が勃発しそうだし。うはは、浅葱プッシュもそれはそれで嬉しいけど、それで雪菜が嫉妬するさまを見れるのはまたそれはそれで悦楽よのうw

1巻感想

ストライク・ザ・ブラッド 1.聖者の右腕4   

ストライク・ザ・ブラッド〈1〉聖者の右腕 (電撃文庫)

【ストライク・ザ・ブラッド 1.聖者の右腕】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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世界最強の吸血鬼・暁古城を監視せよ!
先輩、わたしの血を吸ってください……

 “第四真祖”──それは伝説の中にしか存在しないはずの世界最強の吸血鬼。十二体もの眷獣(けんじゅう)を従え、災厄を撒き散らすといわれる幻の吸血鬼が、日本に出現したという。その“第四真祖”監視と抹殺のため、政府・獅子王機関は“剣巫(けんなぎ)”と呼ばれる攻魔師(こうまし)の派遣を決定。しかしなぜか監視役として選ばれたのは、見習い“剣巫”の少女、姫柊雪菜(ひめらぎゆきな)だった。対真祖用の最強の霊槍(れいそう)を携え、魔族特区“絃神(いとがみ)市”を訪れる雪菜。そこで彼女が遭遇した“第四真祖”暁古城(あかつきこじょう)の正体とは!?
うはーーー、ベタだ。近年稀に見るくらいにベタベタだ。世界最強の吸血鬼とか、霊槍とか、剣巫とか、魔族特区とか。今となってはベタ過ぎて、むしろ逆に忌避される傾向にある設定、単語の総浚えだ。さらに言うならこのご時世、こういったベタな設定に敢えて取り組んだ作品は、書き手自身の好きばかりが高じて物語としての体をなしていないものか、或いは教科書通りの面白みも何も無い通り一辺倒の陳腐なお話ばかり。
だからこそ、飢えていたとも言えるのだろう。これら典型的なまでの世界観で繰り広げられる一級のエンタテインメントを。とびきり面白く読み応えのある王道を。
そう、そもそもこの粗筋にあるような、こんな風に並べられた単語の数々を前にして浮かんでくるのは、欠伸や苦笑いなんかじゃないはずなのだ。湧きでてくるのは抑えきれない「ワクワク」であり、胸高鳴るような「ドキドキ」だったはずなのだ。
それを俄に思い出させてくれたのが本作【ストライク・ザ・ブラッド】である。何しろ、手掛けるのは古豪と呼んでもいいベテラン作家の三雲岳斗さんである。先の【アスラクライン】、今度アニメ化なる【ダンタリアンの書架】など、最近では割と一捻り加えた話を書いてきた作者が、今敢えてこうした王道に挑んできた、というのは実に美味しいシチュエーションだ。或いは【レベリオン】や【i.d.】で当時描ききれなかったものを、今だからこそ手がけようという心積もりなのだろうか。ならば本作はまさに、満を持して、送り出されてきた新シリーズというべきなのかもしれない。
これを期待せずして何を期待するのか。

実のところ、ちゃんと「ラブコメ」してるのって作者の作品では案外と珍しいんですよね。その意味でも結構新鮮でした。他の三雲作品のヒロインって、色々な意味で面倒くさかったり非常に難しかったり複雑だったりと、ベタな恋愛にはそぐわないキャラが多いんですよね。ダリアンなんてだいぶ緩い方。【少女ノイズ】の冥とスカはかなり真面目に二人の関係性にスポット当たってたけれど、あれも相当ひねくれた関係だったからなあ。【アスラクライン】は三角関係になってますけれど、あれも意味不明なくらいエキセントリックな繋がり方してましたし。
そう思い返して、本作のヒロインである雪菜嬢を見てみると……もう滅茶苦茶チョロい!! この子、絶対に悪い男にダマされるタイプだぞw
性格は四角四面の生真面目ちゃんにも関わらず、素直すぎて人を疑わないわ、不器用で咄嗟の応用がきかなくてドツボにハマるわ、ガンコな割に強引に押されるとやたらと弱いわ、すぐムキになって目の前の事に気を取られるわ。あれ? 基本性能は高いはずなんだが、ダメっ娘ちゃんなのか!? これで変に意固地だったり、人の話を聞かなかったりしたら可愛げのないただの面倒くさい小娘なのだけれど、雪菜はその点、思考に柔軟性もあるし、色々相手の立場とかも気を使ってくれて、その上ついつい必要ない所まで手を出して助けてくれたり、面倒みてくれたり、お世話してくれたり……この子、多分ヒモとか囲う才能あるよね。お説教垂れながら、なんだかんだで見捨てずズルズルと養ってくれそうだ(笑
そもそも、監視対象、場合によっては抹殺も指示されている相手に対して、この娘アホみたいに不用意に近づくんだもんなあ。監視ってもっとこっそりやるもんでしょうに、あからさまに正体あらわしながらストーカーしてはるしw 腹芸とか隠密行動が苦手を通り越して不可能の領域にまで達していて、しかも自分では全くその事実に気づいていないっぽい。頭はいいし、思考も明晰で判断力も高いのだが、でもアホの子である。
うむむ、かわいいのう。
無理やり迫っても、ダメですダメです言いながら、最終的にううッ仕方ありません、となし崩しに押し倒せそうなほど、ガード緩いし。脇が甘いし(笑
獅子王機関の人らは人を見る目あるわー。なんかもう、天然で据え膳を実践してしまえる逸材じゃないですか。まさに食べてくださいと言わんばかり。
浅葱さん、これちょっと相手悪いよ? もっと積極的に行かないと、中学以来の親友ポディションなんか何のアドヴァンテージにもならずあっという間に持っていかれてしまいそうだ、というかあっという間に持ってかれてるしw

さて、肝心の第四真祖様だが、思ってたのとは状況がかなり違った。真祖様が高校生に身をやつしているのではなく、本当に普通の高校生じゃないか。これは大変だわ。実際、生活かなり苦労してるみたいだし。そりゃ困るよなあ、最強の力なんて普通に生活してたら何も役に立たないし。せめて頭くらい良くなればいいのにね、でも吸血鬼のポテンシャルというのはだいたい身体能力に起因するもので頭脳が明晰になる訳でもないので学生生活には全く寄与しないのである。むしろ夜型の体質が辛い(笑
なんかこう、明らかに雪菜みたいな子が思わず「シャンとしてくださいっ、ほらっ!」とばかりに色々とお世話してしまいたくなるような、気怠そうでいまいちやる気に欠けていてその癖女の子には優しかったり、割と気が回るという母性本能を擽るタイプ。ヒモタイプだよな、ヒモ。女の子に養われるのがやたらと似合う。というか現状だって妹に養われてるような感じだぞw
 
1月18日

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(ガンガンコミックスUP!)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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1月6日

(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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1月5日

(ヒーローズコミックス)
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(ヒーローズコミックス)
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1月4日

(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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12月28日

(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(一迅社ノベルス)
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(一迅社ノベルス)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(ビッグ コミックス)
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12月27日

(ヒーロー文庫)
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(YKコミックス)
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(YKコミックス)
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(B's-LOG COMICS)
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(B's-LOG COMICS)
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(B's-LOG COMICS)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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12月26日

(モンスターコミックス)
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12月25日

(ZERO-SUMコミックス)
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(ZERO-SUMコミックス)
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(DNAメディアコミックス)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ファミ通文庫)
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(PASH!ブックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス)
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(電撃コミックスEX)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ライドコミックス)
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