ママコチャ

第55回高松宮記念 G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中京競馬場1,200メートル(芝・左)

クレアぁぁぁ! 届かない、どうしてもG1まであと一歩届かない。浜中騎手からルメールに乗り代わっても、なお届かないのかぁ。
これで高松宮記念3年連続2着。もう6歳の牝馬ですよ。なのに一切衰えなく、絶対に後方からビュンビュンぶっ飛んでくるのに、それでもどうしても先頭でゴール出来ない。絶対に強いのに、これはもう運命なのか。

勝ったのはサトノレーヴ。強かったですねえ、去年の夏の重賞を連勝したときは風格すら感じたレーヴですけれど、ここでついに開花しました。やっぱモレイラ抜群に上手いわ。
これでもうハクサンムーンの弟、ではなくサトノレーヴの兄がハクサンムーンと言われるように……なるかなあ? キャラ立ちや人気ではハクサンムーン、図抜けたものがありますからねえ。ある意味、ナムラクレアに通じる負けるも強し、という印象が強く残ってる馬ですから。そして、あの入場の際のくるくるターン。あの個性的なお兄ちゃんをイメージで上回るには、もう一発大きい所をとらないと。
サトノの冠の馬としては、サトノクラウン以来という……サトノレイナスが無冠で引退したこともあって、長い事G1には縁がなかったんですねえ。サトノ再び、でありますよ。

ともあれ、このレース、人気でもクレアとレーヴが人気を二分する形でありました。そういう意味では固いレースでもあったのかな。
以降が難しいところでしたね。
3番人気はルガル。スプリンターズSを勝っているし重賞も好走しているので一発キャラではなく十分な実力を有しているはずなんですが……中京適性皆無というのはどうも間違いなさそう。高松宮記念ではダメなんだ。絶好の展開だったにも関わらず7着。
4番人気は前年の高松宮記念の覇者マッドクール。阪神カップ2着で復活ののろしをあげてましたから、そりゃ人気にもなりましょう。ただ1枠1番に先行苦しいレース展開では条件厳しすぎましたね。
このあたりの、クレアに勝ってG1馬になった馬たちが、条件などで成績を落すなかでクレアはずっと強い競馬し続けている、というのも負けてなおこの馬が強いんだ、という印象を残す所以なんでしょうけれど。

で、3着に入ったのがクレアと同じ6歳牝馬のママコチャ。ママコチャ3着来たの!? 凄いなあ。差し有利と言われる高松宮記念。それで先行型のママコチャが、さらに14番枠という外に配置され、もう牝馬の6歳という力も衰えてくるだろう時期に、これ中団でぐっとこらえて控える競馬から仕掛けてトウシンマカオをクビ差退けて3着入線してるんですね。川田騎手はこの枠番で出来得る会心の騎乗だったんじゃないでしょうか。
それを外から抜き去っていくレーヴとクレアである。
とはいえ、この3着も強い競馬でした。G1勝ったのもフロックじゃないですわ、この牝馬もずっと強いまま現役走りきりそう。
4着にトウシンマカオ。去年のスプリンターズでは2着まで食い込んで、あともう少しでG1馬に、というところまで来ていたのですけれど、その一歩がだいぶ遠そうな子だなあ。ってか、なんでずっと乗ってた菅原くんから乗り替わりになったんだろう。
5着にはエイシンフェンサー。この馬もいい形で競馬してましたね。ママコチャの内側で直線に入るときの手応えは素晴らしいものがあり、一瞬このまま行けるか?と思うくらい。この子も牝馬かー。シルクロードSを勝ったのも伊達じゃないですね。

あとは……トゥラヴェスーラが10歳で18頭中11着は立派。10歳ですよ。アーモンドアイ、ラッキーライラック、ワグネリアンなんかの世代ですよ。もう産駒が走ってる世代。
ちなみに本日の阪神障害レースで勝ったザスリーサーティも10歳でした。ステイゴールド産駒!!
一度勝てなくて地方に転籍したあと、再びJRAに戻ってきて障害を走るようになり、何度も2着するものの勝てずに走り続けて、ついに10歳にして中央初勝利。しかも馬名の意図である3時30分の男、とは違ったものの3月30日に勝利である。面白いねえ。よーーー頑張った!


第19回阪神カップ G2 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(特指) 定量 京都競馬場1,400メートル(芝・右 外)

バケモンみたいな鬼脚だったなァ、ナムラクレア。
4コーナー曲がって先頭からあれだけ差がある所から、一旦レッドモンレーヴとダノンマッキンリーの間に行こうとして止めたんですよね。そこから改めて外に持ち出した。もう外柵の方が近いどころまで大外も大外ですよ。この時点でオレンジのラップ棒が法面に見えるから、残り300。
こっからゴーサインを出した途端、加速度がもう全然違う。他馬を置き去りに、一瞬にして先頭に。
やっぱり、短距離戦線ではナムラクレアが実力としては別格のものがある、と毎度勝ちレースを見るたびに思うんですよね。
ほんと、G1を今まで勝てていないのは運がない、という他ない。
いや、今回はほんとにルメールの腕あっての抜群の仕掛けあってこそなんでしょうけどね。それだけ乗り方が難しいというか、ハマるポイントが限定されているのも確かな子なんですよ。
なんでかやたらと1枠2枠を引いちゃって内を走らないといけなくなっちゃう所もありますし。そういう意味では今回の16番大外というのも良かったのかも。
でも、今の京都の馬場で後方から追い込みキメるってのはとんでもないよなあ。

秋の短距離王決定戦であるスプリンターズステークスが9月末にあるものだから、いわゆるスプリンターたちは冬の目標レースって香港スプリントか、この阪神カップになるんですね。
なので、香港行かなかったスプリンターたちは、ほぼこのレースに結集します。クレアちゃんは香港には行かんのだろうか。
ともあれ、セリフォス、マッドクール、ウインマーベル、ダノンマッキンリー、ママコチャと歴戦名うての強豪馬が揃いました。
マイルCSの覇者セリフォスは、これが引退レースとなりました。結果4着。惜しい。マイルCS以降勝てはしなかったのですけど、安田記念2着など常に本命を争う位置にあり、大崩れせず抗争し続けた良い馬でした。
ダイワメジャー産駒の代表馬ですよね、実績賞金ともに。引退後は種牡馬入りだそうで、良い子供達を送り出してほしいものです。

2着はマッドクール。春の香港に秋のスプリンターズと二桁着順の大敗。高松宮記念を勝った春の短距離王としてはどうしたって成績だったのですけれど、なんかコンディション整ってなかったみたいですね。ここに来てようやく調子あがってきていたみたいで、ちゃんと全力で走れるならこれくらいは当然走れる実力馬なんですよね。G1馬は伊達じゃないのである。

3着には病欠の武豊さんに変わって菱田くんが乗るオフトレイルが、何気にこのレース最速の上がりで内の馬群をぶち抜いて3着に。あそこから良く来たもんです。クレアちゃんよりも2列くらいは後ろだったぞ。大外をぶん回さずに内に切れ込んだのは位置的に見てこれしかなかったのでしょう。走りやすい馬場を求めて馬群が外に外に流れていって内側が空いてきた、というのもありましたし。
しかし、馬群自体蠢いてますし、内側は荒れてますしでパトロールビデオを見ていると進路を求めて蛇行しまくってるオフトレイルの姿が。馬群を割るんじゃなくて、思い切って内の空いてる所に切れ込んだのは良い判断でした。グズグズしてたら進路無くして詰まるところだった。
5着には先行につけていたママコチャ。この子もなんだかんだと大崩れしないよね。

2番人気のウインマーベルは頑張ったけれど8着。明らかに調子を落としていた様子が伺えてたみたいなので、来年しっかり立て直して欲しいところであります。

クレアちゃんは、来年も元気に走る予定みたいで。高松宮? 牝馬ですし流石に来年がラストチャンスでしょうから、何とかG1取ってほしいなあ。

第58回スプリンターズステークス G1 レース回顧  

3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中山競馬場1,200メートル(芝・右 外)

ルガルだーーー!!!
13番ルガル、西村淳也ジョッキーG1初制覇っ!!

ルガルだーーー!!! ルガル9番人気だったのか。穴じゃないですか。でも、ルガルは人気薄にしちゃいけない馬でしたよ。何しろこの春の高松宮記念では1番人気だったんですよ? レースは10着になってしまいましたが、これはレース後に骨折が発覚したんですよね。実力で負けたわけじゃなかった。春にはこのルガルがだいたい同じメンツ相手に一番強いと目された馬だったんですから。
にしても、骨折休養明けですからね。叩きもせずに直行でしたからね。強くは押せないのはわかる。
9番人気ったって、今回メンツが豪勢すぎて、上の8頭並べてみたらこの春から夏にかけて強烈な強さ、実績を示してきた面々ばかりですからね。高松宮記念の時と比べても一皮も二皮も剥けて本格化、覚醒、今が全盛期! となってるような馬も何頭も居ましたからね。骨折休養明けの馬を、まだG1勝ちなどの強さの証明を勝ち取っていなかったルガルが単勝人気この位置というのは仕方なかったのでしょう。
だが夏に実績を積み上げた面々と比べても、サトノレーヴ、マッドクール、ママコチャ、ナムラクレアといったメンツ相手でも引けを取らない同格の、まさにシュメール語で王(キング)という意味である
ルガルの名にふさわしいスプリント王の実力を示したわけだ。
フロック勝ちとか展開に恵まれたってもんじゃないですよ。最も速さで勝負するスプリントレースで速いから勝った! 強いから勝った! という素晴らしいレースでした。

レースは想定通り逃げ馬ピューロマジックが抜け出し、大外枠になってしまったウイングレイテストも覚悟決めて番手につける。ルガルもすぐにスピードに乗ってこの時点で3番手。そしてスタートの上手いビクターザウィナーが4番手につけている。ママコチャはその後ろ。マッドクールがその外で、この二頭は位置取り的にはこのくらいが予定通りだっただろう。トウシンマカオも思ったより前目につけられてて、馬群も固まらなかったのでそんなに窮屈にならない状態だったんじゃないかな。
このスタートの時にサトノレーヴはあまり行き足つかなかったのか。これまで先行から突き離して圧巻の勝ち方をしてきたレーヴですが、今回は中段後ろめの馬群に包まれる形に。

とか言ってるうちにぐんぐんとピューロマジックが馬群を離して大逃げしていくんですよ。あんた、1200戦でなんでそんなに引き離せるの!? と、思ったら前半32.0秒!?
スタンドがどよめく!
速いなんてもんじゃない。全力全開のフルスロットルじゃねえか! その勢いのまま4角を曲がり切って直線に入った段階でもまだ2番手との距離がある。正直このまま行ってしまうんじゃないの? というくらいの手応え。
後ろは、後ろはあんまりにもペースが早すぎてついてこれない馬たちと、食いついていく馬たちがバラけて直線突入してるのに馬群が縦長に。

直線入った段階でピューロマジックから3,4馬身あいて2番手集団。さらに同じくらい馬身ひらいて後続集団がちぎれた彗星の尾のように散らばっている。
その2番手集団もウイングレイテストが力尽きて脱落。ビクターザウィナーも粘るも後続に追いつかれる中、ルガルのみが失速せずに逃げるピューロに食らいついていく。
ピューロも粘ったものの、最後の坂で足が止まる。後続から猛追してくるのが、最内トウシンマカオと馬群を縫ってママコチャ。特にマカオが素晴らしい足で中山の内を突いてくる。
さらに、大外も大外から10頭くらいぶち抜いてとんでもない脚でレース画面の外から突っ込んでくるナムラクレア!!
しかしゴール前、激戦を制したのは最後まで脚衰えなかったルガル。クビ差猛追のマカオを押さえてゴール!!
凄まじい激戦、激戦、激戦でした。4着ママコチャまでクビ差クビ差クビ差。2着トウシンマカオ、3着ナムラクレア、4着ママコチャとまさにこれまでの実績を叩きつけてくるような強くて速い競馬を見せてくれましたが、それらをねじ伏せたルガルの強さがひときわ輝く本当に激戦でありました。

2着のトウシンマカオ。前走のセントウルステークスでは先行有利の展開の中で他馬をなで斬る格の違いを感じさせる走りを見せていました。元々左回りは苦手にも関わらず前走は別格の走りを見せてくれたことで、得意の右回りとなる今回はさらに真価を発揮してくれるんじゃないか、と期待されてたんですよね。
しかし、決まった枠番はまさかの2番。この子、走りのストライドが大きいタイプで、馬群などで窮屈なところに押し込められると途端に走らなくなっちゃう子なんですよね。これまでも大負けするのは内枠に入ったとき。快勝するのは大外、というパターンが多かった。なので、2番に入ったことで人気も5番人気になってたんですよね。外枠の方なら2番人気くらい争ってたんじゃないでしょうか。
ところが、このレースの超高速展開のお陰で馬群は終始詰まることなくバラけてて、マカオは有利とされる内枠沿いを伸び伸びと走ることが叶ったのです。この内外の差がクレアとの着順にも繋がったんじゃないでしょうか。

3着はナムラクレア。パートナーの浜中くんが直前で騎乗停止になった影響で、鞍上は初コンビとなる横山武史騎手に乗り替わってました。最後、外に持ち出すコース選択はどうだっただろう。いや、あの位置からだとバラけててルートは空いているとはいえ、馬群を縫って進んでいかなくてはならない内側よりも、外を選んだのは間違いではないのだろうけれど、ギアがトップに入ってから驀進しはじめるまでにワンテンポ空いてしまったのは間違いないでしょう。これまで内で詰まって前に届かない事が多かったクレアですから、鞍上が浜中くんでも同じ選択はしただろうかねえ。
最近はスタートで出脚がつかずに後ろからになってしまうクレア。今回も後方集団からの競馬になって、直線入った段階でもかなり後ろの方。一旦はカメラの画面から消えるほど。似たような位置にいた馬たちはスピードに追随できず前に絡むこともできず。そんな中でクレアだけが、次元の違う脚でぶっ飛んでくる。やっぱり、この子本当に強いよ。毎回毎回、負けても負けてもああメチャクチャ強いなあと感嘆させてくれる競馬をするナムラクレアが、本当に愛おしい。どうかG1勝ってほしいんだけどなあ。悲願よなあ。

4着はママコチャ。相変わらず鞍上の川田騎手はベストとしか言いようのない騎乗をする。それをして、今回のハイペースっぷりは想定外だっただろう。ママコチャも状態は一叩きして完璧に仕上がっていて、去年このレースを勝った時より強くなってたんじゃないだろうか。ソダシの妹じゃなくスプリント女王ママコチャというG1馬としての風格みたいなものが感じられた。
その彼女がベストの競馬をして力を尽くして4着である。それほどのレースだったということです。

5着にウインマーベル。マーベル、きっちり5着に入ってるのほんとに強か。最近はずっと1400を主戦場にしてきて、阪神カップ阪急杯京王杯と1400の主要重賞片っ端から掻っ攫っていた馬ですが、この超ハイペースの1200戦でもスピードで引けを取らなかったんですから、やっぱ強いよ。

6着には香港馬ビクターザウィナー。高松宮記念では3着と好走して、再び日本のG1に参戦してきたビクターザウィナー。高松では内を嫌って外に出してしまったために3着というルート選択誤ったんじゃないの、という所もあったんですよね。今回は日本の馬場にも慣れているマジックマン・モレイラが騎乗という事でもはや隙なし、だったはずなんですが……幾らなんでもハイペース過ぎました。
まあ高松のあとの香港に帰っての2戦では負けちゃってたみたいなので、状態が良かったかは怪しいのですけれど、さらにこれだけ普段慣れないだろうペースに巻き込まれては辛かったでしょう。にも関わらず、先行から粘って6着まで残っていることが強いです。わりと早めに直前で後続に尻食いつかれてたはずなんですが、そっからズルズルと行かなかったもんなあ。

7着。ここで一番人気のサトノレーヴでした。まさかレーヴがとぶとは思わんかった。
まさに充実の黄金期を迎えていたレーヴ。春から夏にかけての3戦を圧勝完勝無敵!と言わんばかりの勝ち方を見せて、並み居る強豪を押さえての1番人気。中身のみっしり詰まったでっかい尻。調教もみなぎり迸るような動きを見せていて、まさに本命って感じだったんですよねえ。
これまでのレースの相手も決して弱いメンツじゃなかったですし。
しかし今回は出足がつかなかったのが、致命的になってしまいました。超ハイペース展開に対して終始後手後手後手に回ってしまって、バタバタしてるうちに脚も溜められず馬群に包まれ、外に出してももう脚が残ってなくて、ジリジリと伸びたものの結局スピードについていけなかった。
この負け方はちょっと痛いですよ。

あと、人気馬の中ではマッドクール。高松宮記念の覇者ですが、香港のレースのあとはじっくりと休養。なんか暑いのダメみたいで、当初からこのスプリンターズS直行でプラン練ってたらしいです。ですから、仕上げは万全だったのは間違いないみたいです。だから休養明けで走らなかったってわけじゃないと思われます。時計の速さに関しても、出走馬の中では1分6秒台も経験して勝ってる馬なんで速い時計持ってないってわけじゃなかったはず。なんだけど、今回のレースは前半がとにかく無茶苦茶で、11.8 - 9.9 - 10.4というラップタイムでしたからね。9秒台ってあんま見たことないんですけど!? この超前傾についてこれなかったんじゃないかなあ。内に入れられずに外を回らされたのも痛い。まさかの12着でした。
オオバンブルマイも、前走では札幌のキーンランドカップであの短い直線で後方一気で3着に入るという豪脚を見せましたけれど、今回最後方からではさすがに無理でした。11着。
いや、じゃあクレアはどうやってあそこから3着まで来たんだよって話なんですけどね。

今回はなかなか特殊な展開になりましたけれど、だからこそ速さと強さをギリギリまで絞り出せた馬が勝ち、また上位に来たという見ごたえのあるレースでありました。
さあ、このメンツで暮れの香港、世界のスプリントの頂点の舞台に殴り込みですか!?


第38回産経賞セントウルステークス G2 レース回顧  

3歳以上 オープン (国際)(指定) 別定 中京競馬場1,200メートル(芝・左)

秋競馬開幕。ちょっと止まっていた回顧も頑張って再会します。忘備録みたいなもんですからね、記録して残しておかないと。

例年は阪神競馬場で行われるスプリンターズステークスに向けた前哨戦。
とはいえ、ここ5年のうち3回は中京で行われていたので、データは十分……というわけではなく、これまでの3回のレースは中京開幕週で行われていたんですけれど、今年に関しては阪神競馬場改装によるプログラムの大規模な入れ替えもあって、中京競馬場は8月の頭からレースやってるんで、これが連続2開催の2日目。トータル10日目になるんですね。だから馬場は相応に荒れてます。
……荒れてるはずなんですが、わりと時計出てるし内も伸びてるんだよ。先週は台風もあって大荒れだったのに、実際馬場かなり芝剥げてるように見えるんですけどね。
傾向としては前が止まらず先行有利。外からぶん回して伸びてくるのは厳しいものがありました。

1番人気は葵ステークスと北九州記念のG3を連勝してきているピューロマジック(牝3)。
圧倒的スピードで先頭をぶっちぎり、1200では2着以下に落ちたことのない上り馬。なんですけど、まだ三歳。しかも牝馬。おまけに気性がとにかくやべえ、というお話。にも関わらず、短距離戦線では同世代に敵はなく、まだ6月で歴戦の古馬たちを蹴散らして北九州記念勝った娘さんであります。

2番人気はトウシンマカオ。G1G2ではなんでか振るわないのですけれど、G3だと無類の強さを誇るこの馬。既に3つ重賞勝ってます。データ的にはかなりの項目がこの馬が条件をクリアしていたのですが、問題は内先行有利の傾向で大外17番で後ろからぶっ刺してくるタイプだということ。あと、左回りがかなり苦手らしく、パートナーの菅原騎手もその点は明言しています。左回りだとカーブでバランス崩してしまうらしいんですよね。調教での様子はものごっついという他無いかなりいい状態だったようですが、これで1番人気になれなかったのはこのへんのマイナス要素が引っかかる人が多かったのかも。

3番人気はヨシノイースター。重賞勝ちこそないものの、前走北九州記念の2着をはじめ、今年に入って掲示板を逃していない堅実性は、一皮むけた本格化を感じさせるもので、いつ重賞をとってもおかしくない気配を感じさせるものでした。とはいえ、まだセントウルほどの格のG2重賞をとれるほどかというとちとまだ足りないと感じてしまうだけに、3番人気はちょいと想定よりも評価が高い。

4番人気ママコチャ。去年のスプリンターズSの覇者がこの評価というのは物足りない。が、今年の体たらくを見せられるとねえ。と、思う人は少なくなかったのは実は人気は当初はもっと低かった。枠順も大外18番になっちゃったし。
ただ、調教がどうやら抜群に仕上がってたみたいで、あれ?今回は一味違うぞ、という芽を感じ取られたのか、レース前までにぐぐっと人気があがってきた。
どうも、ママコチャ、寒いのがダメなんじゃないのか、という話もありまして、去年も初夏の時期から成績あがってきてたんですよね。
鞍上は川田騎手が韓国競馬の方に出張していたので、手が戻って鮫島 克駿騎手に。ここは割引にはならないと思うのですけれど、やはり大外枠なのと斤量が初めての57キロになってしまったのが響いて4番人気止まりだったように思います。斤量と枠順が違ったら3番人気くらいにはなってたんじゃないかな。

5番人気はダノンスコーピオン。今までマイル路線中心だったのですが、最近パッとしない成績になってきたなかで、心機一転スプリント路線に挑戦となりました。これが意外と評価されたみたいで、5番人気評価に。馬体もスプリント体型になってきていた、という話も。

前走ヴィクトリアマイルを勝利してあっと言わせたテンハッピーローズですが、今回は6番人気。いや、ヴィクトリアマイルはマイルだからな! 1200は新馬戦以来なのでさすがに畑違い、ということもあっての6番人気だったかと。元々、次回はアメリカのBCマイルに参戦予定だったのですが。そこの早い流れを経験するために、あえてスプリント路線での始動となったみたいでまあ今回は最初から勝敗は度外視だった模様。

レースは大方の予想通りにピューロマジックが素晴らしいスタートを切って、そのまま先頭で引っ張る形になりましたが、ここからが大方の予想を外す形で残り200あたりで急激に失速。前半も決して早すぎるペースじゃなかっただけに、どうしたんでしょうか。
いいポジションを取ったのがママコチャ鮫島。大外枠からスーッとスムーズに内にまで馬をすべらせて、早々に大外枠の不利を帳消しにした上で、アサカラキングの後ろの3番手につけて、鮫島くん的にも枠順からしたらベストの競馬が出来たんじゃないでしょうか。
直線で失速したピューロに頑張ったものの限界に達したアサカラを躱して堂々先頭に。
と、思ったところで後方から一頭だけモノの違う足ですっ飛んでくるトウシンマカオ。
ほぼほぼ先行勢が展開を掌握したレースになったと思うんですけれど、その中で同じ差しを置き去りにして、先行勢まとめて撫できったトウシンマカオは、今回はちょっと格の違いを感じさせる競馬でしたね。これは十分G1で勝ち負けできるレースっぷりだったと思います。
2着にはマカオにたたっ切られたものの、後続を押さえきったママコチャが。彼女も非常に強い競馬でした。これはスプリンターズSでも侮れませんね。
3着には最内から切り込んできたモズメイメイ。メイメイちゃん、本当に完全に逃げ馬からイメチェンして、好位からの競馬をモノにしましたよね。1番枠で7番人気は過小評価されすぎ、と言っても過言ではないくらい安定した実力を感じさせる馬になりました。
4着には17番人気のアネゴハダが。彼女もスタートが素晴らしくて、その流れでスピードに乗ったまま先行して粘り込んだ形に。まだまだ展開がハマったらポンと馬券圏内入ってくるだけの力はありますね。
5着にはトゥラヴェスーラ、御年9歳にも関わらずしかも展開不利の後方一気で馬群割って入ってきましたよ掲示板に。馬券に絡むまではいかないのですけれど、意外と安定した成績をずっと残しているの馬主孝行な馬ですよ。

6着には2番手で走ったアサカラキング。7着にはテンハッピーローズが入りました。
3番人気のヨシノイースターは8着。落鉄や暑さが原因というコメントが出てましたけれど、ちょいと微妙な負けっぷりですね。
ダノンスコーピオンは12着。やー、やっぱり短かった?
13着にピューロマジック。大負けです。ちょーっとどうした?って感じですね。気性がうるさいことで知られるこの馬ですけど、今回は非常に落ち着いていたみたいなんですがむしろ落ち着きすぎちゃったのかしら。次回の判断が難しくなりますね、これ。


第54回高松宮記念 G1 レース回顧   

4歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中京競馬場1,200メートル(芝・左)

クレアーーーっ!
ナムラクレア、本当にあと少し、あと少しが届かない。

雨の中京競馬場。いや全国的に雨だったんですけどね。案の定芝の状態は悪し。なんだけれど、今日の中京は外が伸びず、内を回ってきた馬が上位に来る馬場でした。
とはいえ、緩んだ馬場を馬が掘り返して激進するものだから、もう内に行くほどボコボコですよ。こういう馬場はやっぱり馬にも得意不得意というものがありまして、騎手としても判断がどうしたって難しい。
今回は騎手にとっても本当に難しいレースだったんじゃないだろうか。

本命1番人気だったルガル・西村騎手は今回は特にね、その判断を厳しく問われているだけに。なんで内にいかんのや、と。
まあ西村くんとしたら、最内の荒れた馬場は走らせたくない、うまく走れないという判断故に道中でも最内に入れず、最後の直線でも内に大きく進路が空いていたにも関わらず、外の少しでも良い馬場に出したのでしょう。とはいえ、今日の傾向と当のレースのスローのラップや展開を考えると、外に持ち出した時点で厳しかった。内に切り込んだとして、勝ち負けになったかどうか。
にしても10着というのは流石に負けすぎではある。
シルクロードSのアグリを3馬身突き放しての強い勝ち方を見せられたら、新世代スプリント王者候補の登場かと期待されるのも無理からぬ所だっただけに、ちょいと厳しい結果だった。
とはいえ、今回は流石に条件が複雑すぎて難易度高すぎたので、あまり次回以降この負けを考慮しなくてもよいとは思うけれど。

勝ったのは6番人気のマッドクール。前年スプリンターズSでママコチャの2着に入った馬だ。暮れの香港では振るわなかったものの、実績十分。
2番という枠順を活かし徹底して最内を突っ走り、最後まで走り抜けた。この馬場、この前半スローの展開で最内33.7で走られたら、まあ後ろが追いつくのは難しい。坂井瑠星会心の騎乗であったでしょう。

2着にはナムラクレア。まあ追いつかないだろうマッドクールに追いついてきた女剣豪一閃の末脚でありました。が、本当にあと少しが届かない。去年の高松宮も、スピリンターズも桜花賞も、あと僅かのなにかが差を分けた。騎乗ミスってわけじゃないんですよね。そして実力差では絶対にない。
むしろ、今のスプリント界で一番強い馬は、という問いが出されたらこのクレアをあげる人は少なくないでしょう。運がない、というものなのか、これは。
今回は特に大チャンスだったと思うんですけどねえ。未だにクレアがG1取っていないのが本当に不思議でならない。

3着には久々に海外からの参戦。香港から来たビクターザウィナーが逃げ粘って3着。
海外から来た馬というのはまあ大体実力差っ引いて考えて然るべきでしょう。特に欧州から来た馬はこっちからヨーロッパに行った馬が馬場合わなくて難しいのと同様に、向こうの馬もこっちの馬場合わない傾向が強いですから。でも、こと香港馬に関してはこれに当たらないと考えてもいいんじゃないでしょうか。昔から香港馬が日本に来た場合はほぼ、その実力通りの力を発揮している。
さらに、香港競馬というのは世界でもナンバーワンクラスのスプリント魔界。そんな中で14戦7勝。G1勝ってる馬ですから、そりゃ生半のもんじゃありませんよ。香港は近いですから、そこまで遠征の不安も少ない。
とはいえ、今回は決して体調も絶好調というわけじゃなかったみたいですし、さらにこの不良馬場。条件としては良くはなかったはずなのですが。
テイエムスパーダとモズメイメイという、今回先頭争いとなるだろう逃げ馬二頭ともが足元滑らせたりなどで出遅れ。オワタ。
ビッグシーザーも行きませんでしたし、ウインカーネリアンも競り合ってはこなかった。
自分のペースを作れたのが3着に残れた要因だったようです。

4着にはウインカーネリアン。前目で競馬出来たものの、ビクターの外外を回らされた挙げ句
4コーナーでさらに外まで出されてしまった分、内側の馬たちとは差がついてしまった感があります。
とはいえ、よく走る。1200は初めてだったんですが、しっかり走れていましたね。

5着にはロータスランド。牝馬で7歳まで頑張ってくれました。これでラストラン。最後まで大崩せず年取っても堅実に走り続ける良い馬でした。お疲れ様、これからは繁殖のお仕事頑張って。

今回はあのアイドルホース、メイケイエールにヴィルシーナの娘であるディヴィーナも引退。
エールちゃんもついにG1には手が届きませんでしたが、個性あふれるキャラクターで最後まで頑張って走ってくれました。同世代でも一番最後の方まで現役で頑張ったんですよねえ。
重賞6勝は十分な成績だったと思います。その成績でなお、気性ゆえに才能を発揮しきれなかったと評されるあたりがメイケイエールの難しさであり偉大さでもあったんじゃないでしょうか。

3番人気。去年のスプリンターズSの覇者であるママコチャは8着。外枠というのもありましたけれど、出来が万全からは遠いものだったようで最初から川田騎手のテンションがあまり上っていなかったというか、今回はそこまで迫真さを感じなかった。

4番人気のトウシンマカオは6着。まあ今回は度外視ですね。

阪神カップ阪急杯と連勝してきていたウインマーベルは12着。16番という外枠と馬場適性考えるとまあ仕方ないかと。こんなもんじゃないですよ。
京都牝馬ステークスを勝ってきたソーダズリング14着も、鞍上の武さんが今日はノメッてたと言ってただけに馬場があかんかった。仕方ない仕方ない。




第57回スプリンターズステークス G1 レース回顧   


3歳以上 オープン (国際)(指定) 定量 中山競馬場1,200メートル(芝・右 外)

1.ナムラクレア   浜中俊 牝4  2.9(1番人気)
2.テイエムスパーダ  富田暁 牝4  38.0(10番人気)
3.ピクシーナイト  戸崎圭太 牡5  16.0(7番人気)
4.ナランフレグ   丸田恭介 牡7  46.3(13番人気)
5.ウインマーベル  松山弘平 牡4  17.3(8番人気)
6.ママコチャ    川田 将雅 牝4  4.9(3番人気)
7.オールアットワンス  石川 裕紀人 牝5  36.8(9番人気)
8.メイケイエール   池添 謙一 牝5  12.4(5番人気)
9.アグリ      横山 典弘 牡4  4.8(2番人気)
10.マッドクール  坂井 瑠星 牡4  14.0(6番人気)
11.ジュビリーヘッド 北村 友一 牡6  135.7(15番人気)
12.ドルチェモア   西村 淳也 牡3  149.8(16番人気)
13.ジャスパークローネ 団野 大成 牡4  11.7(4番人気)
14.エイシンスポッター 角田 大河 牡4  51.6(14番人気)
15.キミワクイーン   横山 武史 牝4  44.2(11番人気)
16.モズメイメイ    武 豊 牝3  44.7(12番人気)


秋のスプリント王決定戦。今年も良いメンバーが揃いました。
G1まであと一歩までの所まで来ながらどうしてもどうしても手が届かなかったナムラクレア。前走キーンランドカップを勝って挑む今回はまさに満を持しての挑戦。実績実力調子ともに十分で、1番人気を堂々と担っての内枠一番。
それに挑むは、セントウルS2着に破れたものの、上がり32.4の豪脚で逃げたテイエムスパーダを追い詰めたアグリ。
これまでマイル戦線を中心に戦ってきたものの、前走の北九州記念2着でスプリントの適性を見せ、いざG1の舞台の上位人気へと躍り出たソダシの妹ママコチャ。
圧倒的な快速の逃げで夏のスプリント重賞を連勝。サマースプリントチャンピオンに輝いたジャスパークローネ。
ついにレース中のコントロールに目処がついた才女メイケイエール。ここまでが上位人気5頭でした。
ナムラクレアはねえ。もう誰しもが認める現役スプリンターの筆頭なんですけど、どうしてもG1だけ勝てない。G1だけどうしても届かない。完全にその実力はあるにも関わらず。
それが今回も顕著に出てしまったスプリンターズステークスでした。

スタートはモズメイメイ相変わらず抜群にうまく大外ながらポーンと一頭飛び出たものの、すぐさまジャスパークローネとテイエムスパーダというこの夏を暴れ回った逃げ馬たちが先頭に躍り出てレースを引っ張ってくれました。
マッドクールが四番目。彼も番手につけるのが常道なので予定通りだったでしょう。
苦しかったのがやっぱりナムラクレア。逃げ馬三頭にマッドクールがずらりと前に並んだこともあって、クレアとしては早めに外側に出して前が塞がる状態を避けたかったにも関わらず、バックストレッチから3コーナーに掛けてはママコチャ川田が外から強烈に寄せてきて外に出させてくれない。
外回りコースと内回りコースの合流点となる直線部分でポーンとクレアをモズメイメイの後ろに弾き飛ばしてスルスルと前に行ってしまうママコチャ川田。この時点で浜中くん一手後手に回らされてるんですよね。おまけに、そのママコチャが居た位置に今度はメイケイエールが入ってくる。4コーナーで再びクレアを締めて外に出させない。4コーナーでのこの二頭を見ると激しくせめぎ合っているのが良く見える。
以前はメイケイエールをコントロールしようとするのに精一杯でそれ以外何にも手が回らなかった事を考えると、メイケイエールにこれだけの仕事させてる池添さん、よくまあここまで制御できるようにしましたわ。
メイメイはそろそろ限界で落ちてくる兆候を見せはじめ、内はまだジャスパー、スパーダ、マッドクールがひしめいていて、ここを縫って前に強引にひねり出すほどのパワーや器用さはクレアには無い。おまけにママコチャもメイメイが下がりだした位置にスルッと入りましたからね。
もうクレアとしては下がってくるメイメイを避けつつメイケイエールの押して押して隙間をこじ開けるしかない。空いた途端にねじ込んで前を開けたと見るやゴーサイン。ここで一気に加速しだすナムラクレアはもう流石の馬なんですけれど、この時点で既にママコチャは2馬身以上先行。この差があまりに決定的でした。
内側にはジッと脚をためていたマッドクール。ジャスパーもほぼベストな競馬してましたね。この3頭は会心の競馬だったでしょう。川田はなー、こいつほんとに上手いよなあ。スタートからゴールまで他馬の位置取り考えながらほぼ全体をコントロールしてプラン通りにゴールまで馬を持ってってる。
マッドクールの坂井くんも悔しかっただろうな、これ。あと一歩。思う通りに競馬出来たと思うんだけれど、本当にあと一歩。このゴール板際の強さは経験なんでしょうかね。この日の前のレースでも田口寛太くん相手に川田ってば完全に躱されたと思ったのにゴール板で丁度鼻先前に出してやがったしなあ。
ナムラクレアは猛追してジャスパーは躱したものの、ママコチャとマッドクールの勝負には割って入れず。これは浜中くん、悔しいわ。でもじゃあどうしたら勝ててたのか、と言われるとわからん。最内引き当ててしまった時点でやれることは少なかったしなあ。難しい、G1はほんと難しい。

勝ったママコチャは、川田テン乗りなんですよね。正直、この子はG1取るレベルだと全然思っていなかったんですよね。堅実だけれど下積み長く叩き上げ、まだようやく重賞で勝ち負けできるようになったくらいだと。
ただ前回の北九州記念で本格化とスプリンターの適性が垣間見えたことで、この大舞台での主役候補に駆け上がってきたわけですけれど、その一発目で勝利に届くとはほんと思ってなかったなあ。重賞初制覇がG1勝利となりました。

姉のソダシが妹ママコチャのG1勝利の報が届いたあと、突然ですが引退を発表。年末のマイルCSや香港を待たずして現役を退くことになりました。理由が脚部不安だそうですから年齢も年齢でどうせ今年一杯だったでしょうし、これは仕方ない納得の判断でしたが、妹の戴冠と同時というのは後は任せた、というバトンを渡すような形での退場で、なんか感慨深いですねえ。

ママコチャ1着、2着にマッドクール。3着にナムラクレア。4着が粘ったジャスパークローネ。んで5着にはメイケイエールが入ってます。エールちゃんも頑張った。やっぱり飛びの大きさは短距離、それに中山という舞台あんまり合わないと思うんだけれど、それでもこの位置だもんなあ。
この子にもなんとかG1の美酒を味わってほしいんだけれど、エールちゃんもいい歳になってきたからなあ。
今回はスパーダがあんまりジャスパーと競り合いを仕掛けずに流れが落ち着いてしまった事もあり、後方からの追い込み組はちょっと勝負になりませんでした。差し筆頭のアグリもこれは無理でしたね、7着。
往年の王者ピクシーナイトは香港での落馬事故に巻き込まれて以降、未だ精彩を欠いたまま。精神面の問題はやっぱり難しいんでしょうかね。











第58回テレビ西日本賞北九州記念 G3 レース回顧   

3歳以上 オープン (国際)(特指) ハンデ 小倉競馬場1,200メートル(芝・右)

夏のスプリント決定戦。一昨年のヨカヨカは有名ですよね。熊本産馬初の重賞勝利ということで。
その後すぐに怪我で引退となってしまった無念さも含めて。

さて、今年も実力伯仲で人気は混沌。一番人気のママコチャで最終的に4.3倍。締め切り近くまでずっと5倍近辺でウロウロしていたくらいで。
以下4番人気まで一桁台。最低人気のレジェーロで89.0倍だから割れに割れてました。

一番人気のママコチャはあのソダシの全妹。白くないんですけどね。普通の鹿毛です。
また姉ほど華麗な戦績を残してもいないのですけれど、なかなか固く複勝外さないですし前走でリステッドを勝ってますから叩き上げ、という感じです。
今回は初めて1200のスプリント戦に挑むことになりました。距離短縮の方が良いという判断みたいですね。気性はお母さんのブチコ譲りで相当荒いみたいなので。

2番人気はモズメイメイ。前走の葵ステークス(G3)でとんでもないロケットスタートを見えてそのまま逃げ切った事でかなり話題を呼びました。実際、あの映像見たらひっくり返りますよ。
まあ流石にあれほどのスタートを再現できるかは相当難しいと思うのですが、それでもスタートした瞬間で1馬身は突き放すようなダッシュは武器として極めて有効です。展開それ自体が変わってきますしね。
とはいえ、今回は枠番が一番大外。調子も前走ほどあがってはきていなかったみたいで、ハンデも牝馬3歳で54キロは結構厳しかったんじゃないでしょうか。

3番人気はデュガ。2歳の頃は随分と話題にもあがった馬ですけれどその後は長く低迷していたのですが、今年古馬になってからポンポンと2連勝して3勝クラスを勝ち上がり才能を開花させはじめた馬です。

以下4番人気が小倉2歳S(G3)を勝ってここが今年初戦となる三歳馬ロンドンプラン。
5番人気が前走CBC賞2着のサンキューユウガ。
6番人気がCBC賞を見事に逃げ切ったジャスパークローネ。

……? なんで勝ったジャスパークローネの方が人気が下だったんだ? というか、なんでジャスパーこんな6番人気だったんだ? CBC賞から勢いついてて1、2番人気争ってても不思議ではなさそうだったのに。前走フロック扱いだったんだろうか。

レースの方はやはりモズメイメイ、あのロケットスタートは再現ならず。まあ決して悪くはなかったんですが、それよりもジャスパークローネのダッシュが素晴らしかった。一瞬でトップスピードに駆け上がり、伸び伸びとしたフォームで先頭を掴んで主導権ゲット。
前半32.8で快速を飛ばしながら後半もまったくスピードを落とさず。これはたまらず先頭集団を形成していたスティクスやテイエムスパーダ、モズメイメイが耐えきれずに直線で息絶え、軒並みすり潰されました。
さすがにゴールまでジャスパーもスピード落ちましたけれど、残り200で後続をだいぶ突き放していましたから余裕がありました。後半も34.4で纏められたらね。追い込み勢も前半あれだけ飛ばしたら上がりの脚、そこまで速くは出せないです。
ママコチャがさすがの脚でゴール前寄せてきましたけれど、届かず2着。
ジャスパークローネはまたも逃げ切りで重賞連勝。団野くん、お見事でした。
3着には1枠1番という枠番を活かして前めでラチ沿いにつけてタイミング良くしかけた坂井瑠星騎手のストーンリッジが9番手ながらも3着に入りました。人気なかったですけれど、なかなか力強い脚で追いついてきましたし、いい馬なんじゃないでしょうか。

デュガは16着といい所なし。前半これだけハイペースながら前が止まらないと、最後方近くだと苦しいですね。上がり時計も34.1と出ていませんでしたし。


5月27日・28日の競馬アレコレ  



土曜日の葵ステークス、話題になってますけれど勝ったモズメイメイのロケットスタート、凄かったですよね。
スタートがめちゃくちゃ上手いと言えば、20年の高松宮記念を勝ったモズスーパーフレアがとても勇名なのですが、血統上は何の関係もないのですけれど同じモズの冠名を持つモズメイメイが一世を風靡しそうです。
いや、マジでフライングかと思うくらい一頭だけ速いんだもんなあ。正面からのパトロールビデオみたら、ちゃんとゲート開いた瞬間に飛び出ているのがわかるのですけれど。
これもパトロール見てたらわかるんですけれど、ゲートが開く直前にぐっと後ろ足踏ん張ってクラウチングスタイル取ってるんですよね、メイメイ。元々スタートは得意、というか関係者の話聞いている限りだとこの馬、絶対ゲートが開いたらスタートって分かって待ってますよね。ゲートが開くタイミングも、周囲の状況から大凡図ってるんじゃないだろうか。
あまりのスタートの速さに鞍上の武さん、ゲート出た瞬間体勢後ろに持ってかれて馬上でベタ座りしてらっしゃるw いやあの武さんが珍しい。
正直、1200のスプリント戦でスタートの時点で一馬身も前に出てるようなロケットスタートは強力すぎる武器ですよ。その後も武さんのペース配分に応えて見事に逃げ切りましたからね。桜花賞こそ大敗してしまったものの、春はチューリップ賞を勝ったほどの馬。ここまでマイル中心にやってきましたけれど、初めてのスプリント戦でこれだけの結果見せてくれたら、今後期待しちゃいますよね。





日曜京都の10レース安土城ステークスではソダシの全妹となるママコチャが1番人気の期待に応えて勝利。やっぱり素質は十分あるんだよなあ。
重賞となるとまだ届かない感じなんだけれど、リステッドでこれだけ圧勝出来るなら重賞勝利も遠くはないんじゃないだろうか。2着がスプリングS勝ってて去年クラシック戦線完走したビーアストニッシドですからね。ヌルい相手ではなかったはず。今回は1400だったけれど、距離短いほうが手応えあるみたいですね。

あと、ダービー後に行われる東京12レース目黒記念G2は、粘るディアスティマを躱してヒートオンビートが長きにわたるシルバー・ブロンズコレクターを脱して初の重賞勝利。ディアスティマもあと一歩で重賞届かない惜しい競馬する馬だったので、どっちが勝ってもおめでとうだったのですけれど、ヒートオンビートの方は2着3着のオンパレードで年季入ってましたからね。以前も2着だった目黒記念でのリベンジとなり、まことおめでとうございました。
鞍上はダミアン・レーン。ダービーでのタスティエーラからの連勝ですよ。さすがよなあ。
1番人気のサリエラは、16番大外枠に展開も苦しいところでしたから、ちょっと前二頭には届くには苦しいところでした。お兄ちゃんのサリオスを超える馬になってほしいんですけれどねえ。



 

10月8日

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