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レンタルマギカ

レンタルマギカ 未来の魔法使い3   

レンタルマギカ  未来の魔法使い (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 未来の魔法使い】 三田誠/pako 角川スニーカー文庫

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壮絶な結果をもたらした大魔術決闘から二年。いくらかの変容を余儀なくされた魔術界は、ようやく落ち着きを取り戻しつつあった。“アストラル”もまた、新たな魔法使いを仲間に迎え、忙しく日々を過ごしていた。そこに舞い込んだ呪波汚染洗浄の依頼。ごく小さな、難易度の低い依頼のはずが、予想外の波紋を呼び―!?世界各地に散らばる登場人物たちのエピソードを交えて描かれる、ファン必携の後日譚にして、シリーズ完結巻。
ダフネさん、将棋なんかしてる場合じゃないっしょ! ぶっちゃけ、作中のカップルの中では一番早く結ばれるかと思ってたダフネと隻蓮のそれが、未だにグダグダやってることに絶望した!! この場合、ダフネさんがあれ、乙女思考なんですよね、案外この人。多分、女性の側から迫るものではないなんていう古風な考え方をしているのだろうけれど、そんなことしてたら何時まで経ってもあの唐変木はヘラヘラ笑ってばかりで何にもしてくれませんよ。待った、なんて言わせてちゃイケませんて。まったく、甘やかす人だなあ、ダフネさんは。
むしろキッパリしているという点では黒羽の方が上回っているのではないでしょうか。多少元に戻って柔らかくなったとはいえ、掴みどころのないあの影崎の手綱をしっかりと握っているあたり、本作に登場した女性の中でももっとも強かになったのはこの娘だったんじゃないでしょうか。幽霊にも関わらず、まったく幽霊にも関わらず生き生きとした行動派で、この積極性は見習ってほしい人がたくさん居ますよ。
さて、あれから二年が経ち、アストラルと魔術界も変わったような変わらないような、二年という月日はそんな微妙なラインであります。幼かったみかんとラピスもすっかり大きくなって……と言いたいところだったのですけれど、見た目こそ多少は大きくなりましたけれど、実際のところ小学四年生だったのが六年生になっただけで小学生だというのは変わってないんですよね。これが中学まであがるとがらっと雰囲気も変わるものなんですけれど、作中の振る舞いを見ていると実のところあんまり成長していないなあ、とw アストラルの新人が少年とはいえまだまだ二人よりも年嵩だったのでその対比からもあんまり大きくなったなあ、という感慨は湧かず。二人共元々苦労人でしっかりとした子供たちでしたしね。以前にもまして二人の仲が良くなり、息のあったコンビになっていたという点では眼福でありましたが。
アストラルが魔術界にもたらした新風は、しかしすべてを吹き飛ばすような暴風にはならず、未だ緩やかなそよ風のようにして流れている。でも、これまでの魔術界が淀んだ停滞の中にあったことを鑑みるならば、そよ風とはいえ空気の循環がはじまっているのは間違いはない。それに、過激な思想からは程遠いいつきの思惑としても、急激な変化は望む所ではなかったようだ。結果として潰してしまった螺旋の蛇も、出来るならば和をもって繋がりたかったはずなのだ。現に、反動として螺旋の蛇の思想に賛同する勢力が、残党とは言えない揺るぎなさをもって胎動している。彼らの思想は極端ではあっても、魔法使いたちにとって非常に共感を呼ぶものではあったのだから。故にこそ、いつきが望むのは緩やかな変化である。敵対する螺旋の蛇をも、自然と飲み込んでしまうようなゆっくりとした、しかし逃れがたい大きな変化。それは、一年十年のスパンではなく、何世代も重ねた先にいつの間にか訪れている価値観の変化。アストラルは、その要となれるようにこれからも存在していくのだと……かつて、アストラルの社長を継いだことを嘆き悲鳴をあげるばかりだった少年が辿り着いた結論こそがそれだった。
そんないつきの側に一心同体となって寄り添う金髪の乙女。アディといつきの姿は二人一緒にいることがもう不可分なほどしっくりと収まってしまっていて、思わず目を細めてしまう。恋人を通り越して、生涯を共に過ごすパートナー。そんな二人を優しく見守る穂波の思いは、傍目で見ていてもキュンと切ない。大切な恋の終わり、その痛みはいつか癒える日が来るのだろうか。誰か、大切な人が出来て欲しいとも思う。

アストラルを継ぐ者、螺旋の蛇を継ぐ者。あの日、世界が魔法に満ちた日に生まれ落ちた魔法に希望と憧れを抱いたものたちの邂逅は、今は相いれぬものとしてすれ違っていってしまったけれど、でもいつかあの日抱いた同じ想いを、一緒に祝ぐことが来るのだと思い馳せれば、重なる日が来るのだと思えば、すれ違ったことすら素敵にも思えてくる。
そんな未来を示すことの叶った物語に、今はただ拍手を。お疲れ様でした。

いつか、せっかく同じ世界なのだから、【クロス×レガリア】とガチンコでクロスしてくれないかなあ。

シリーズ感想

レンタルマギカ 最後の魔法使いたち4   

レンタルマギカ  最後の魔法使いたち (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 最後の魔法使いたち】 三田誠/pako 角川スニーカー文庫


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“協会”と“螺旋なる蛇”の切り札がついに激突!さらに世界の認識を創り変えんとする惑星魔術の発動と、それを妨害せんとする、第三団たちの強大な魔力がせめぎ合い、布留部市には呪力の嵐が激しく吹き荒れていた。大魔術決闘が佳境に向かう中、いつきたち“アストラル”は最後の力を結集し、起死回生の勝負に挑むが!?それぞれが夢見て願った“魔法使いの未来”は、誰がつかむのか!?大ヒットシリーズ、ついにクライマックス。
ついにレンタルマギカも最終巻。トータルで22巻にもなる大長編になったんですか、これ。あとがきによると、もう一冊だけ、後日談を描いた本を出されるそうなので、23巻になるのかもしれませんが。それにしても、感慨深い。第一巻の「魔法使い、貸します」が出たのがほぼ丸8年前。この業界では、一時代前と言っていいかも知れません。この頃からまだシリーズ続いている作品というと、もう随分と少ないんじゃないでしょうか。それだけ長く付き合うとやはり愛着も湧くものなのか、この最終巻、読んでいる折々で何だか泣けてきてしまって。悲しいとか嬉しいとか、そういう激しい感情とはまた別の、揺り起こされるような感慨に思わず目がうるうると潤んでしまいました。この最終巻がまるまる最終局面のBGMが鳴り響くような展開だったからかもしれません。
思えば、このシリーズは作者である三田さんの転機になった作品だったんじゃないでしょうか。正直に申しまして、これより以前の作者については殆どはっきりした印象は残ってないんですよね。著作自体はカバーしていたものの、他の作品と差別化された特別な個性というものは感じなかったように思います。それが変わったのがこのシリーズを書きだした頃。それでも、当初は多少目新しいというくらいでしたけれど、4巻5巻と巻を重ねるにつれ、大きく変化を感じたのが「竜と魔法使い」。そして、明確に階段をあがって新しいステージに立ったと感じさせられたのが「鬼の祭りと魔法使い」でした。ちょうどこの頃、他にも【アガルタ・フェスタ】や【烙印よ、虚ろを満たせ。】というシリーズを並走して展開していたのですが、この時期を境にして両シリーズとも大きくその質とスケールが革新してるんですよね。残念ながら、両作ともここからしばらくしてシリーズが終了してしまっているのですが、両方共このまま長く続けばまた全く別の顔を見せてくれていたのではないか、と思わせてくれる伸びやかさを見せてくれていたのです。
そして、以降のこの【レンタルマギカ】シリーズの躍進と、こちらもすでに完結していますが【イスカリオテ】や今丁度ロングシリーズへの道を歩みはじめている【クロス×レガリア】シリーズを見てもわかるように、今や名実ともに第一線級のライトノベル作家として活躍していらっしゃる次第です。本当に、この人の書くお話は、とびっきりに面白くなりました。その筆頭にして最先端だった【レンタルマギカ】が終わるというのは自分の中でも相応の大事件だったようです。未だに、なんだか気分がふわふわとしております。
それでいて、妙にすっきりしているのは、いつきの目指した夢物語が、一つの明確な方向を得て進み始めたからでしょう。彼は実現すべきを実現し、その先へとみなと一緒に歩き始めた。そこに憂いなどもうなくて、だから何の心配もなく、彼らの行く末をこのまま見送れる気分になっているのだと思います。人間関係にも、ある程度ひと通りの決着もつきましたしね。勿論、彼らのその後、その先をまだ見守るにやぶさかではなく、後日談は嬉しい限りなのですが。
それに、助けたかった人を、助けることが出来たんですもの。とびっきりの、ハッピーエンドじゃないですか。
幽霊少女の黒羽と、影崎の関係は此処に至ってなんだか神聖なものすら感じさせる透徹として触れ難いものにまで高まっていて、だからこそでしょうか、2人の顛末には胸がいっぱいになりました。生きた人間の領域からはみ出してしまった二人だからこその尊さ、神聖さというべきなんでしょうか。もの凄く、素敵なものを見せてもらったような気分でした。

そして、何より尊かったいつきとアディと穂波の三人の関係。徐々に、徐々に一度は正三角形に収まった三人の関係がバランスを変えていき、いつきが誰を選んでいっているのか、言われなくても伝わってくる話の流れになってしましたけれど、最後の最後までいつきを守り、アディを庇護し、二人の関係そのものを守護し続け、その先へと送り届けたのが穂波であったのには、なんだか感動してしまいました。恋も友情も越えた先にある、親愛の極みを覗き見たような……。


他にも、この物語には随所にそんな「素敵」な出来事や事象や関係が散見していて、それらが星のように輝くのを、満天の夜空を仰ぎ見るかのように見上げていた、そんな最終巻でした。
魔法使いも、普通の人も関係なく、幸せを夢見て今を生きる。そんな、魔法のような物語。

お疲れ様でした、ありがとう、そしてまた……。

三田誠作品感想

レンタルマギカ 死線の魔法使いたち4   

レンタルマギカ  死線の魔法使いたち (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 死線の魔法使いたち】 三田誠/pako 角川スニーカー文庫

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ついに大魔術決闘が始まり、布留部市各地の戦闘は激化の一途を辿っていく。苦戦を強いられた穂波、アディリシアが、それぞれの決意を胸に切り札を切ろうとするなか、市内を巡る霊脈に異変が発生、戦闘中の魔術師たちの脳裏に、ある光景が映し出される。それは12年前―かつて、いつきが妖精眼と交わった記憶であり、それこそが、すべての“始まり”だったのだ!いつきを取り巻いてきた様々な因縁の謎が、いま明らかに。
うわあ、そうか、そういう事だったのか!!
いつきの邪魔をするかのように大魔術決闘に介入してきた伊庭司の目的がどうしてもわからなくて、その上なぜ隻蓮さんやユーダイクスが伊庭いつきを社長と認めながら伊庭司に従うのか。いつきと同じ、魔法使いが普通に幸せになる世界を目指していると広言しながら、いつきと違っていまいち彼が言う幸せの定義が見えてこない。兎に角、意図するところが霧に隠れたようで得体が知れなくて、不気味に思えてたんですよね。なにか、とんでもない事を企んでいるのでは。真の黒幕、裏のラスボスはこの人なんじゃないのか、とすら疑っていました。
なんでわからなかったんだろう。どうして気づかなかったんだろう、信じてあげられなかったんだろう。この人は、伊庭司という人は「アストラル」の社長だった人なのに。たとえ血が繋がっていなくても、伊庭いつきの父親だというのに。
彼の目的が明らかになったときには、思わず声を上げてしまった。ほんとに、なんでその事について思いが至らなかったんだろうか。いつきたちが言う、魔法使いは幸せになっていい、という範疇にはあの人だって入っていて当然だったというのに、彼の運命をもう無意識に諦めてしまっていたと言われても仕方がない。
そうだよなあ、助けないと嘘だよなあ。見過ごすはずがないもんなあ。
でも、それがいつきの考えだけじゃなく、伊庭司という人の目的であった事に、物凄い安堵を感じたのです。ああ、アストラルは、昔からアストラルのまま、本質的には何も変わっていなかったんだなあ、と。
でも、この時点ではまだ、伊庭司のあり方を意図せずいつきが継いでいた、という一方通行の感慨だったのです。胸打たれたのは、ヘイゼルさんが教えてくれた、伊庭司の本心を知った時。彼が、息子のことをどう思っていたのかが、初めて明かされた瞬間でした。
ああ、この二人。伊庭いつきと伊庭司は、ちゃんと親子だったんだ。考え方や生き方や人間性がソックリとか、似ているとかそういう意味じゃなく、双方向の、ちゃんと愛情が通い合った家族だったんだ。
ちょっと、泣きそうになった。
すべてを見通すいつきの聡明さが、この父親の感情だけをヘイゼルに教えてもらうまで見失っていたのは、多分微笑ましいと分類される事実なのだろう。だって、そんな所も父親と息子の関係らしいじゃないですか。誰の心にも敏感で聡いいつきが、父親が自分に向ける心だけは気がついていなかった、というのは。

これまでずっと、心の引っかかっていたものが拭い去られ、最終回を前にして随分とスッキリしました。思えば、あの人の行く末についても無意識に憂慮していたのかもしれません。何となく読んでいて心が重かったのも、伊庭司の動向や目的が読めないための居心地の悪さから来るものだけじゃなかったんでしょう。あの人がいなくなる事を前提としていたら、そりゃあ心も重くなるってもんです。でも、ちゃんと何とかしてくれると、少なくとも伊庭親子が何とかしようとしてくれているのなら、大丈夫と安心できます。哀しい結末なんてぶっ千切ってくれると、信頼できますから、心も軽くなるってもんです。
さらに、協会や螺旋の蛇の首領の正体。アストラルの竜の真実。いつきの目に赤い種が宿った真相など、これまで謎とされていた件もすべて明かされ、そしてアディが迷っていた魔法への代償の答えも出され、これでラストに向けて必要とされる扉の開放は、殆ど終わりあとは突っ走るだけになったのではないでしょうか。もう、イケイケドンドンです。
しかし、ニグレドとタブラ・ラサの正体についてはちょっと驚いた。そういう発想に基づく存在だったとはなあ。
黄金の夜明け系の魔術結社の位階制度において、サード・オーダー以上の位階は物質的な存在では到達できないとされています。なので、てっきり「魔法になった魔法使い」こそがこの第三団に至る方法だと思ってたんですが、ニグレドとラサの登場であれあれあれ? と首を傾げる事になったんですよね。ふたりとも、まあニグレドはまだ理知的で老成している所があるのでともかく、ラサはどこか幼い精神面も垣間見えて、とても「魔法になった魔法使い」の成功例には見えなかったわけで、じゃあ何なんだ? と頭を悩ませていたのですが、なるほどなあ、逆転の発想だったのか。それに、アディたちの説明によると、真なる意味で魔法使いが魔法になることには成功例が存在しないということになりますし。つまりは、第三団はなるじゃなく作るもの、と言う事だったんだ。いや、しかしそれだと、アディはどうなるんだ? 彼女の説明からすると、どうも抜け道があるような気がするけれど。魔法が誰かに使われなければ魔法足り得ないのなら、使う人が居てくれればいいってこと?

アディの選択は、もう彼女らしいとしか言いようがなく。そうだよなあ、この子なら想いを売り渡すくらいなら未来だけじゃなく自分そのものを対価にしちゃうよなあ。結局、この子は一番大切なものを守りぬいたわけだ。貴方に何の相談もなくこんな決断をしてしまって、ごめんなさい。と、謝ってしまうあたりに、アディがそれこそ身も心もいつきに捧げきってしまっている心底が窺い知れる。
以前からその傾向は強くあったけれど、どうやらいつきの想い人はアディの方で決定かな。なんか、わりと決定的な発言、ありましたしねえ。

さあ、次でこの壮大な魔法使いたちの物語も終結。皆が幸せである結末でありますように。うん、大丈夫大丈夫。

三田誠作品感想

レンタルマギカ 争乱の魔法使いたち4   

レンタルマギカ  争乱の魔法使いたち (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 争乱の魔法使いたち】 三田誠/piko スニーカー文庫

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世界を変える!
強大な2大組織がいよいよ激突!!
ジャッジを担う<アストラル>の勝利条件は――!?


魔術が世界を揺るがす『大魔術決闘(グラン・フェーデ)』の幕がきっておとされた! 穂波や猫屋敷ら魔法使いを罰する魔法使いによって編成された<協会>。そして彼らに仇なして来た<王冠(ケテル)>の座(セフィラー)タブラ・ラサ率いる<螺旋なる蛇(オビオン)>の血戦はもはや必然。しかしこの決闘を取り仕切る<アストラル>伊庭いつきにはどちらも勝たせるつもりはなかった。その秘策とは――!! いつきの『力』を信じる者たちも続々集結、波乱を含み魔術の時間(マギ・ナイト)は加速する!
仲介役として『大魔術決闘(グラン・フェーデ)』を取り仕切ることで、<協会>と<螺旋なる蛇(オビオン)>の全面戦争をコントロール可能な最小単位の決闘へと制限する事に成功した<アストラル>。とは言え、戦いの形が変わったとは言え勝敗を決する以上は、それぞれの目的を鑑みるに勝者が敗者を滅ぼすのは自明の理。結局、戦争の規模こそ制限できたものの、結果はこのままでは何も変わらない状況だったんですよね。これをいつきがどうするつもりなのか、<協会>とも<螺旋なる蛇(オビオン)>とも立場を異にする、魔術世界を動かすプレイヤーとして、彼が何を目論み、何を目指しているのか。それが開陳されるのをわくわくして待っていたのですが……そう来たかーー!! 決闘のジャッジとなった以上中立の立場でどうやって両者の戦いに介入するのか謎だったのだが、まさかそんなからくりで、ジャッジである<アストラル>が実質第三極としてこの決闘に参加する形に出来るとは……発想の転換だ。それと同時に、参加人数が絞られる決闘だからこそ、大組織とは比べるべくもない零細魔術結社に過ぎないアストラルが何とか渡り合える形になっているわけで、最初からそのつもりだったのか。
これは御見逸しました。
興味深いことに、この時点で<アストラル>って魔術世界の異端、ではなくなってるんですよね。図らずも、フェーデの前にいつきに会いに来た協会側の参戦者の夫婦が語ったように、新興勢力<アストラル>に注目が集まっているんですよね。その中にはおどろくべきことに好意的な形で彼らを見る向きが少なからず存在しているのです。魔法使いの中にはいつきの生み出した新しい流れに着目し、彼の言動に目を惹かれ、彼の考え方を支持する世論が着実に醸成されてはじめている。魔法使いたちの世論を代表する<協会><螺旋なる蛇(オビオン)>と並ぶかまではわからないけれど、確かに魔法使いの未来を担う第三の勢力として認知されつつあるわけです。
その支持者の代表とも言うべき人たちが、今回自然と集まり、いつきに手を差し伸べてくれた人たちなのでしょう。いつき社長率いる<アストラル>と関わり、彼の人柄に魅了され、彼の語る魔法使いの幸せに共感を抱いてくれた人たちが、この難局の渦中に頼まれずとも自らの意志で、みんないつきを助けるために続々と集まってきてくれたのです。
これは痺れたなあ。
それでも、いつきにとっては今回の決闘は<アストラル>の限界を超えることを求められた綱渡りの繰り返しのはずで、それこそ思惑や企みが全部うまく行かないとすぐさま破綻してしまいそうなギリギリの瀬戸際が続いていたはず。
それを、まさかあんな形で横から介入してきて、いつきの思惑を台無しにしかねない形でひっかきまわす人が出てくるなんて……思わず「なんなんだ、こいつは!」と唸ってしまいましたよ。
誰もが予期せぬ第四極の出現。<アストラル>にして今の<アストラル>とは考え方がまるで違うもう一つの<アストラル>。魔法が使えない魔法使い。先代<アストラル>社長「伊庭司」の登場。まさか、こんな嫌らしい形で、それもいつきと対立する形で現れるなんて。世界の片隅でこっそりと復活した時から不気味だ不気味だとは思っていたけれど、これはとびっきりに気持ち悪い。明らかに、伊庭いつきとは相容れない何かだ。
それなのに、隻蓮さんや旧アストラルの社員だった人たちが、何故か伊庭司と同調して動き出してるんですよね。どうも心情的にはいつき側に居てくれるようなのに、何らかの理由で前社長に理ありと彼の側に立って動き始めている。前社長の目論みの一端は、一部だけですが見えてきたわけですが……それでも底知れなさすぎるよ、この人は。
明らかに計算外の旧<アストラル>の介入によって、いつきの計算は大幅に狂いだしているはず。ただでさえ、<協会>も<螺旋なる蛇(オビオン)>も簡単にいつきに良いように振り回されるような甘い連中ではなく、普通にやっていても危ないにも関わらず、さらに状況が混沌化して、果たして大丈夫なんだろうか。此処に来てじりじりと不安ばかりが募っていく。
とりあえずダフネさん、とっとと因縁叩き伏せて、隻蓮さんを篭絡して取り込んでくださいよ。ユーダイクスはともかく、みんなの兄貴分であった隻蓮さんが敵対していると足元が覚束ない感じになって心細くて仕方ないんですから。

三田誠作品感想

レンタルマギカ 魔法使いの妹、再び4   

レンタルマギカ  魔法使いの妹、再び (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 魔法使いの妹、再び】 三田誠/piko スニーカー文庫

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最強の妹、再び! 一般人にも関わらず、歴戦の魔法使いたちをも圧倒するそのバイタリティは以前から些かも衰えること無く、それどころかむしろパワーアップ?
かのアディリシアが手も足も出ないんだから大したもんだよなあ。小姑としては手ごわいってレベルじゃないんだが、これで勇花はとびっきりのアディ贔屓だからむしろ頼もしいくらいか。アディの内面にここまでズケズケと入り込んで気合入れられるのなんて、見渡してもこの娘くらいなものですもんね。ダフネは何だかんだと遠慮があるし、穂波にはアディは弱味なんて見せられないだろうし。
しかし、妹ちゃんとしてはもう兄貴の彼女はアディ一択なのか。穂波とは顔を合わせてないって事もあるんだろうけど、事実として今現在、明らかにアディの方がリードし出してるもんなあ。イツキも完全にアディのこと意識しだしているし。
魔術結社の世界の大戦争が始まる前に、こうした魔法が一切関係の無い話が挟まったのは、場合によっては変に間が相手しまう所なのかもしれないけど、今回に関しては必要な話だったんでしょうね。魔法とは関係の無いところでアディの決心が固まり、先の抗争のお陰で距離感を掴めなくなっていたイツキとも、元に戻る以上の位置に戻れたわけですしね。
それ以上に、二部に入ってからブーストしっぱなしだったイツキの状態、彼に対する変化の認識を落ち着かせてくれた勇花の功績は大きい。彼女が見て指摘してくれたイツキの大きすぎる変化の本質は、まさにポンと手を叩いてしまうような鋭いもので、ややもイツキの覚醒に対して戸惑いを隠しきれていなかった登場人物たちにも納得と安心を与えてくれるものでしたしね。何より、誰よりもイツキという人を知っている妹ちゃんが、変わったけど何も変わってないよ、と太鼓判を押してくれたのは、何よりの安心材料でした。さすがは最強の妹。こりゃ、誰も頭上がらんわ。
あとクロエさん、色々と残念な素顔が明らかになりすぎw みかんたちに、時々物凄く面白い人になるよね、とか言われちゃってるし。同じ穴のムジナだw

そして、二話目は「魔法使いを罰する魔法使い」として働く穂波たちの現況。と、「協会」の対螺旋の蛇戦であるフェーデへの準備話。穂波にしても猫屋敷にしても、アストラルに居た頃から凄まじく一皮剥けちゃってるなあ。ただ、過酷で殺伐とした仕事内容にも関わらず、中身の方は変わらずにいてくれてるようで一安心。
協会の代表の正体、まだ詳しいところは明らかになってないけど、おおよそ螺旋の蛇の当主がああいう存在だった以上、協会もと思っていたら案の定だった。正しく黄金の夜明け系魔術結社の階梯を踏んでいるとも言えるが。影崎の場合もそうだけど、魔法って極めれば極めるほど実存から遠ざかっていくものなのか。だとすれば、やはり魔法が現実世界における生に基づく幸せと乖離していくのも当然なのか。それを摺りあわせていくのは、魔法使いも幸せになっていい、とするイツキの思想はやっぱり困難極まるんだろうなあ。

そんな魔法使いの幸福が真っ向否定されたたきつぶされた話が、三話の隻蓮さんの過去のお話。隻蓮さんとアディの父親であるオズワルドが友人同士だった、というのは以前隻蓮の口から語られた事でしたが、本当に二人、仲が良かったんだなあ。以前に一度オズワルド氏が過去の回想で登場したときは、まさに魔法使いらしい魔法使い、非情で冷酷な実際主義者という印象だったんだが、これほどまでに人間味溢れる人だったとは。人の夫として、人の父親として惜しみない愛情を注ぎ、大切なモノを守らんとしていた魅力的な当主。その人としての生き様と魔法使いとしての生き様の狭間で苦しみ、魔法とはなんなのか、それを極めるに意味があるのかを疑問し続けた人。そんな人が、どうしてあんな魔法の残骸となるような最期を辿ることになったのか、その発端にして結末とも言うべき事件が、今回の話だったわけだ。後に魔法そのものに成り果てるオズワルド氏が、ここまで魔法に絶望と疑問を感じていたなんて。でも、それも当然なんですよね。この人は、魔法に大切なモノを奪われ続けたわけなんですから。隻蓮としては、その悲劇を目の前で防げなかったことは痛恨事だったんだろうなあ。
アディの母親はまさにアディの母というべき勇ましくも美しく凛とした気高い麗人で、素敵な人だったんだなあ。
そして、このエピソードは同時に、アディが捧げようとしている代価の重たさも明示しているわけで、アディを待つ試練は予想していたものよりも遥かに重く、想像を絶する厳しいものになりそうで、気が重い。
……ところで、ダフネさんは十歳は年上の異国の僧侶に完全にお熱ですか、そうですか。もう隻蓮への態度が凄いことになってます、ええ(笑

そしてそして、ついにあの人物が戻ってくる。やっばいなあ、胡散臭いどころじゃない、得体が知れない上に何を考えているかさっぱりわからない、不気味すぎるぞ、伊庭司。

三田誠作品感想

レンタルマギカ 白の魔法使い5   

レンタルマギカ 白の魔法使い (角川スニーカー文庫)

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まさか、前回の<銀の騎士団>との魔術決闘(フェーデ)ですら布石に過ぎなかったってのか!? まいった、これはまいった。想像を遥かに上回るスケールで、事態が進展していく。協会出向となってしばらくアストラルやいつきから距離を置いていた穂波や猫屋敷が戸惑うのも仕方がない。それくらい、伊庭いつきは見違えてしまった。元々臆病なところはあっても、やるときはやるカッコイイ主人公だったのだけれど、これまでとまるで地平そのものが違ってしまっている。彼が今まで立っていたステージと、今彼があがっている舞台とでは根本から異なっていると言っていいかもしれない。
作中にもこんな表現がある。

かつての伊庭いつきが、難度の高い詰め将棋を必死でクリアしていたのなら、今のいつきはゲーム盤そのものを自分でつくりあげる。

そう、勝つための方法を模索し手繰り寄せるのではなく、勝つためのルールそのものを自ら編み出そうとしているのだ。前回の思いがけない新生アストラルの強力さを見せつけられて、スゴイスゴイとはしゃいでたのが恥ずかしいくらいである。

極東の弱小魔術結社に過ぎなかったアストラル。ゆえに協会のゴリ押しによって一度はいつきは禁忌認定され抹殺されかかり、絶体絶命の危機から何とか逃れたものの、いつきの目の中にあった秘蹟は回収され、ゲーティアとの親交は解消され、アストラルの主戦力だった穂波と猫屋敷はアストラルを守るために協会に身を差し出し、アストラルは完全に無力化されてしまった、と思われていたのを見事に覆したのが前巻の内容。
着実に仕事をこなすことで階位を押し上げ、<銀の騎士団>とのフェーデに勝利し、かの強大な魔術結社と親交を結ぶ事に成功したアストラルは協会内で無視できない存在感を示すことができたのだけれど、それでもまだこれはいつきにとってとっかかりに過ぎなかったわけだ。彼の考えていたことは、協会内の立場云々で済む話じゃなかったんだな。
本当に、今回は度肝を抜かれた。

ダリウス・レヴィの目からしても、すでに伊庭いつきは自分と同じ地平に立つプレイヤーのひとりに相違なかった。

あのどうしようもない怪物、ダリウス・レヴィ。魔法使いとしてではない、協会の実質的な最高権力者としてのとてつもないスケールを持ったあの男、初めて出てきた時には太刀打ちどころかまともに意見すら出来ないと思わされる威圧感、人物の巨大さに圧倒されたものだけれど、その彼にここまで言わせるようになったのか、いつきは。
かつてのいつきは、魔法使いではない身でありながら、アストラルの社長として魔法使いたちと接するうちに、ひとつの理想を抱くようになる。でも、その理想を実現するには彼はあまりにも無力すぎたんですね。伊庭いつきという人間の持つ魅力は、希望を持たない魔法使いにすら未来への光を垣間見せるほどの強い力を持っていたけれど、それでも彼の率いるアストラルは、魔法使いたちの世界において、その力を封じられてしまったわけです。
理想を貫くには、人に話を聞いてもらうには、まずこちらに振り向かせる力を、耳を傾けてもらえるだけの力を持たなければならない。
伊庭いつきは、力を必要とし、力を欲し、見事にそれを叶えてみせたわけだ。しかも、かつて赤い瞳の秘蹟によって発揮していたような個人の性能としての力ではなく、巨大な組織そのものを、社会全体をすら動かすための力を、手に入れてみせたのです。
クライマックスでの<螺旋の蛇>、そして<協会>による権謀術数を駆使し才知の限りを尽くした大どんでん返しの応酬だけでも圧巻で、圧倒されまくっていたというのに、最後の最後のいつきの手管が炸裂したときには、あの言葉が発せられたときは本当に絶句してしまった。
この少年、いったいどこまで大きくなるというんだろう。もはや、彼の持つスケールは三極の頂点の一角をなすほどになってしまった。でも、穂波たちが言うように、アディリシアが愛惜しむように、いつきは変わったけれど、変わってないんですよね。彼の一番大事な部分は何一つ変わらず、その優しさと柔らかさに断固とした強さと意志が備わり、そしてそれが発揮される方向性が明確になったことが、伊庭いつきという人間にここまでのスケールが生まれる要因になったのだろう。
いやあもうすごいや。すごいとしか言えんわ。

そして、ついにあの男が。彼の存在がいったいこの混迷極める魔法界の道行をどう位置づけることになるのか、これもまったく想像もつかないので、ほんと先行きがまったくわからん!

シリーズ感想

レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い5   

レンタルマギカ  銀の騎士と魔法使い (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い】 三田誠/pako 角川スニーカー文庫

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この表紙絵観たときは、目を丸くしたものです。一体誰だ、こいつ、と真剣に首をひねってしまった。それくらい、以前のいつきとは印象が変わっている。眼帯がなくなったことこそ一番大きな外見的変化なのですが、それだけならこんなにも驚かなかったと思うんですよね。
この優しげで柔らかくも、芯の強そうな真っ直ぐな相貌。それはいつきの本質そのものなのですが、以前の彼はここまではっきりとその本質が表に出る人間じゃなかったんですよね。同じ微笑でも、どこか気弱でヘラヘラっとした笑みこそが彼の表情だったのに。
彼を苛み続けながらもその強さの源でもあり続けた紅い瞳が奪われ、彼を支え続けた猫屋敷と穂波を協会に奪われ、アディもまたいつきから距離を置き、アストラルに残ったのはオルトとみかん、黒羽と新たに助っ人として加わったラピスと、いつきよりも年少者ばかり。
いつきが拠り所としていたものがすべて奪われてしまったわけです。そんな中で、いやそういう状況だからこそか、彼は甘えを捨て、今まで漠然としていた願いを叶えるために何をすればいいのかを、それを具体的に見定め、誰に導かれるのでもなく、自分の頭で考え、自分の足で進みだすのです。
そこには、かつての気弱で内気で情けなげな少年の幼い風貌は溶けてなくなり、精力的に己が目的を達成するために、夢を叶えるために突き進む精悍な男の姿があるばかり。
ああ、少年は大人になったんだなあ、とこの巻を読んでいて妙な感動に胸が熱くなってしまった。それも、ツマラナイ大人になるのではなく、少年がかねてから持っていた良い部分を、多くの人々が彼を慕い、余人に心許さず光に見向きもせず闇を歩むはずの魔法使いたちを惹きつけて止まなかった素晴らしい彼の本質はいささかも陰ることなくそのままに、とても素敵な青年へと成長していっている。
まあ、気弱そうだったり、臆病だったりするのは以前のままで、妙に安心させられてしまうのですが。それでも、気弱でも、頼もしさが前とは断然違うんだよなあ。
おそらく彼は答えを見つけたのだろう。これまで彼がずっと疑問に思い、自問し続けてきた問題に対して。そして何より、妖精眼という異能を持っているものの、魔法使いではないただの人間でしかない自分が、魔法使いの社会の中でどういう立場にいるのかを、いったい何が出来るのかを。

前回、彼の中に隠されていた秘蹟が奪い去られたことで、伊庭いつきが持っていた能力は著しく低下してしまい、主力だった社員たちが抜け、いつも手助けしてくれていたアディが疎遠になったことで、アストラルの戦力は半減どころではない勢いで減退してしまいました。
前の巻の感想でも、この戦力の低下をどうするんだろう、とかなり不安視していたのですが、いやまったく自分の見識の浅さを思い知らされた思いです。
まさか、真っ向からの正攻法で、これほど強力なアストラルを見せつけられることになるとは。そうなんだよなあ。アストラルの強みというのは、個々の魔法使いが稀代の腕利きばかり、というんじゃなかったんだよなあ。それなら、猫屋敷、穂波、アディが抜けたことで立ち直りようがなかったはず。でも、アストラルの本当の強さというのは、洋の東西を問わない多種多様の系統の魔法使いが一同に介しているというところだったんですよね。社長であるいつきが起点となって、それぞれの魔術系統の特徴、長所を活かして応用自在に状況に対応する。他の魔術結社には決してできない、魔術の融合、それこそがアストラルの唯一無二の在り方だったわけだ。
そして、残ったみかん、オルト、黒羽、そしてラピスたちもまた以前のままではなく、懸命な研鑽を積んで魔法使いとしての力を増しているわけで。
以前とはまた少し違ってはいるものの、より結束と柔軟性が深まり、いつき本人の意思と戦略性が通るようになった指揮っぷりは、新生アストラルが決して前よりも劣化などしていない事を示していて、各種戦闘ターンでは随分と興奮してしまいました。
ゲーティアに匹敵するほどの強大な魔術結社<銀の騎士団>との一連の会合は、痛快の一言だった。辺境の弱小結社と舐めまくり見下しまくった相手の思惑を、ことごとく覆して行くいつきの深慮遠謀。あー、この子がこんなに強かな策士になるとはなあ。それも、陰惨で性格の悪いたぐいの策ではなく、どこか敵にすら思わず「やられた!」と喝采をあげさせてしまうような、いっそ清々しいような快策ときた。
そして、それは戦術面のことだけではなく、政治戦略的な面にも繋がることになる。敵を打ち倒すのではなく、味方を作り、利益だけでない信頼によって紡がれる繋がりを広げて行く。一旦は禁忌指定を受けて協会内での立場を最悪としたアストラルが、裏技でも反則技でもルールの盲点を突くやり方でもなく、まったくの正攻法で、真正面からの正々堂々のやり方で、これほど見事に、これほど痛快に、再び……いや、こんどこそ本当に協会内で無視できない存在感を示すことになろうとは。
今回はもう、いつき社長に惚れっぱなしの巻だったなあ。ほんと、よくここまで成長したよ。

魔法使いが幸せになってはいけないのか。その疑問を胸に、魔法使いの世界の中に、あくまで普通の人間として挑むことを決意したいつき。彼の在り方に惹かれ彼の味方をしようと集まる魔法使いたちの流れは留まるどころか拡大するばかり。<螺旋の蛇>の正体も含めて、なにかとてつもない大きな変化の波が、いつきを中心に起きようとしている、この雰囲気には酔っ払いそうだ。
そして、ついに。ついにあの人の消息が明らかに。何もかもが謎に包まれたあの人が、今後どういう影響をこの波に及ぼすのか。第三部開始冒頭から、めちゃくちゃ盛り上がってきた!!

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全部読み終えたあとにこそ、この表紙は威力を発揮するよなあ。
これは、戻らない日常の風景。これこそ、取り戻すべき宝物の姿。
とりあえず、アディと穂波、喧嘩しすぎ仲好過ぎw 相変わらず、肝心の社長がほったらかしの構図なのであった。

というわけで、<螺旋なる蛇>に拉致された挙句、<協会>から禁忌認定されてしまったいつき。かつてないほどの大ピンチになってしまったわけだけど、そうなってくると極端に難しい立場になってしまうのが<ゲーティア>の首領であるアディリシアになるわけで。魔術結社の首領としての立場と一人の少女としての想いに板挟みになり、苦悩するアディ。でも、そもそも彼女は魔法に身も心も何もかもを捧げた身。彼女がそれを捨てていつきを優先するという事はあってはならない事なんですよね。これは、作中の立場のことを言っているのではなく、アディリシア・レン・メイザースというキャラクターの根幹に基づくお話。アディがここで恋に日和ってしまうと、アディというキャラの魅力そのものが崩壊してしまうんですよね。一人の女としての恋に揺れながらも、魔法使いとして誇り高く気高く生きる姿こそがアディの魅力であり、いつきが憧れる少女の在り方なのですから、それが崩れてしまったらそれはもうアディではないわけです。
でも、ただ単純にいつきを見捨てるなど、アディの心情からしても話の筋立てからしても成り立たないわけで、いったいどう折り合いをつけるのかとハラハラしながら読み進めていたわけですが。
……ま、まいった。参りました。
この女、マジすげえよ。ほんとにすげえ。
魔法使いとしての在り方に徹しながら、女であることを貫いた、凄絶としか言えないアディの覚悟は、衝撃的ですらありました。
正直、状況の打開によってアディが苦悩から解き放たれる方の展開を予想していただけに、まさかアディがあそこまで覚悟を決めるシーンが持ってこられるとは、いやはや感服しました。
彼女が常々意識している、魔神を呼ぶにあたっての代償。既に捧げたモノ、これから捧げなければならないもの。それは彼女を魔法使いとしての限りない高みへと届かせるものであり、彼女を限りなく日常から遠ざけるものになってしまうものです。より、純粋な魔法使いに。
それは、いつきがアストラルの社長を務める中で育んできた思想。想いと合致するものなんだろうか。いつきがアディに抱く憧れに似た憧憬に沿うものなんだろうか。魔法使いでも幸せになっていい。魔法使いを守りたい。彼の願いが、どうかアディに魔法使いと少女の二つの在り方に矛盾しない形で叶ってほしいと願ってやまない。

妖精眼という特殊な力を有していたいつきだけれど、彼の本質であり、彼の本当の力は、それではなかったんですよね。彼の強大な力が奪われてからこそ発揮された、彼がこれまでアストラルで培ってきた力――人と人。本来孤高であるはずの魔法使いたちの繋がりが、いつきのために集い、力を合わせ、ひとつの大きな流れとなって収束していく姿は、以前の鬼祭りのそれを上回る、でっかい感動でした。


フィンは以前は中身が空虚でどこか自働人形じみた青年でしたけど、今回いつきに相対したときの姿は、まるで違って見えました。本人も自覚があるようですけど、願望器であるはずの彼が、間違いなく自分の意思と願いで動き、いつきを救おうとしていた。それは、以前穂波の願いに応えて動いていた時とは、確実に違っていましたよね。
不思議と、<螺旋なる蛇 オピオン>って、根本的なところでは決して邪悪っぽくないんですよね。あの多種多様な系統の魔法使いが集まり、強力している姿は、どこかアストラルと似通った一面を垣間見るのです。
<螺旋なる蛇>がいかなる理由を以って創設されたのか。その根源に関わるものとは誰なのか。幾つか想像、予想はあるのですが……うん、第三部では明らかにされてくるでしょうし、しばらく捏ねまわしておくとしましょう。

影崎さんの正体はほぼ明らかに。いや、それよりも黒羽の対影崎能力の高さは凄いな、ほんとに。この相性の良さは影崎の正体と黒羽が幽霊という事に通じるのでしょうか。まあ、黒羽の性格と聡さが大きいのは間違いないのですが、影崎のあの一目の置き方は不思議なくらいなんですよね。いや、あんなズバズバ無色透明なはずの黒崎の本質の中に切り込んでこられては、一目置かざるをえないか。彼が脱ぎ捨てたはずのものを、彼女は容易に見つけ出し、突きつけてくるわけですから。
面白いなあ。幽冥の存在である黒羽が、ある意味では影崎を現世に繋ぎとめるような関わり方をしてるようなもんだもんな、これ。


そろそろお坊さんには帰ってきてほしいなあ。あの二人が離脱してしまい、彼女が加わったとなると、アストラルの平均年齢がえらいことになっちゃうし。それに、アディが色々と瀬戸際まで来ているこの状態、ダフネがまた鍵を握ってきそうな感もあり、その彼女を支えられるのは坊さんしかいないだろうし。
カップリングというと、みかんはやっぱり猫屋敷っぽいなあ。両方、そんな気はないんでしょうけど。でも現段階で二人ともお互い、ただの同僚、仲間ではないどっか特別な存在として意識している節がありますし。まあ、歳の差は気にしない方向で。

力を失ってしまったいつきだけど、果たしてあの生命の実だけが彼の中に秘められていた秘密だったのだろうか、というと首をひねらざるを得ないんですよね。ダリウスも疑問を抱いていましたが、いつきの異能と生命の実――竜という存在は合致するようで、どこかズレてる気もするし。
まだまだ、なにかありそうなんだよなあ。

とにかく、第二部完結編に相応しい、素晴らしい盛り上がりでした。
辰巳兄ちゃんも、ここにきてその超絶的な力を発揮してくれましたし。この人、本気で凄かったんだなw
いや、鬼祭りではいまいち活躍しきれてなかったから、気がつかなかったんだが、螺旋なる蛇の幹部と伍するほどだったとは。あの敵には、前はぶっちゃけボコボコにされっぱなしだっただけに、それとまともにガチンコしてるというというだけで、その強さが知れる。
まあそれを言うなら、猫屋敷の本気もとんでもなかったわけですけど。

うーん、返す返すも戦力ダウンが痛い。まー、アディも穂波もこのまま黙ってるタイプではないから、否応なくレベルアップしてくるんでしょうけど。

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みかんは将来、超ド級のイイ女になるよなあ、と再認識。なにしろもうすでに現時点で十分イイ女なんだから。十歳に満たない年齢ながら、過酷な宿命の元に生まれ、多大なコンプレックスに苛まれながら、それらを克服し、なおも将来に厳然と立ち塞がる運命に立ち向かう事を覚悟しているだけあって、幼女とは思えぬほど他人の苦しみに敏感で、そっと寄り添うように癒してくれるんですよね。その聡明さが小賢しさではなく優しさや思いやりの細やかさに流れ落ちているのは、この少女の掛け替えのない美徳に思えるわけです。長く猫屋敷が彼女の事を保護してきたわけですけど、彼は彼でどれだけこの小さな女の子に心救われてきたのかと言うのと、実感させられる今回の話でありました。誰よりも魔法使いらしい魔法使いとして恐れられ、憎まれてきた猫屋敷を救いあげたのは、かつての<アストラル>だったのでしょうけれど、その<ホーム>が失われたあとの彼を支え続けたのは、間違いなくみかんだったのですねえ。
以前、絵本形式で、アストラルが猫屋敷とみかんの二人きりだった頃を描いた話がありましたけど、これを読んだあとだとまた一味違った感慨が湧いてきます。
しかし…最近はみかんのお気に入りはオルくんことオルトヴィーンなんだと思ってましたけど、みかんの本命カップリングはやっぱり猫屋敷の方になるんかなあ。

というわけで、今回の舞台は古都京都。サブタイトルで、敢えて古い都ではなく旧い都としているのは、ちょっと意味深。
そして、京都こそ、猫屋敷が元いた魔術結社が本拠とする土地。
前々から猫屋敷だけは、メンバーの中でその実力の底が見えていない感があったのですが、この人本気で凄まじい来歴の人だったんですね。これまで、この作品ではたびたび魔法使いと言う生き物が魔法の探求という狂気によって成り立つ存在であることが示されてきたわけですけど、猫屋敷蓮という青年の存在こそ、その狂気の産物の一つの究極ともいうべきもので、その背に負うものもそれだけ飛びっきりのものだったんですよね。魔法使いってのは大概、背負いきれないものを背負ってるものだけど、この人のそれはホントに救いようがないからなあ。よくぞ、今みたいなまともな人格を持つに至ったと、彼の過去を見せられると思わずにはいられない。
現在もなお、その根底には怪物としての彼が横たわっているのは、時折見せるその横顔からもわかるのだけれど、でももう彼にとってそれが本質足りえないのは、いつきの彼への絶大な信頼の言葉からも伝わってくるのです。
いつきのあの言葉は、正直感動させられたなあ。単純な行動の是非ではなく、彼がたとえなにをしようとも、それを受け入れることが出来る、受け入れられないことはあの人は絶対にしないという信頼。男女を問わず、多くの人が――その精神構造が人と言えない別の生き物である魔法使いたちですら、彼に魅了されていくのも仕方がないと思ってしまう器の大きさ。やっぱり、アストラルの社長はこの少年でないと。穂波が、卒業を口にしたのもよくわかる成長ぶりです、ほんとに。
だからこそ、彼のいないアストラルは、もはやアストラル足りえないわけで。社長として、皆に支えられながらも、今や明確に皆の支えとなり拠り所としての存在感を示しているいつき。彼がそれだけの存在になったからこそ、今回の話になるんだろうなあ。

以前の葛城の地での鬼の祭りと同じような展開をたどるかと思われた今回の話。もちろん、そんな単純な話をなぞるような展開になるはずもなく、今までに類をみない、今度こそ本当に最悪で最大のピンチが<アストラル>を見舞うことに……。

いや、今回の窮地はいったいどう対処したらいいのか、さっぱり見通しが立たないんですけど。もちろん、話の展開もまるで予想がつかないわけで。個々の登場人物がどう動くのかも、事が此処に至ってはいったいそれぞれどうするのか。最近、穂波に対して心なしかアドヴァンテージを得ていたアディは、それが完全に裏目に来た感があるなあ。彼女が彼女である限り、今回に限っては本気で雁字搦めだぞ。
あらゆる意味で、アストラルが試される時が来たわけだ。

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……あれ? 今、感想記事書くために書影を確認してて気がついたんですが。
この後ろの方で黒羽に髪の毛弄られてるガラの悪そうなヤンキーっぽい姉ちゃんって……オルト君じゃないですか?
ちょ、こっそりなにやってんだ君は。どう言い繕ってもそれ、女子用の制服じゃないか! ロングスカートに黒のハイネックに黒のストッキングって、決め過ぎじゃないか、おい!
……だけどめちゃくちゃ似合ってしまっているような、女装。
お、オルトヴィーン、オルトヴィーン、なんかもう、頑張れ。

さて、今回はタイトルからして、あの<妹>の登場を想起させるような代物で。
【唯一の善い妹とは登場しない妹だけだ!】
と、古代ぶりたにあのRAFのえらいひとがいいました(大嘘
【唯一の善い妹とは死んだ妹だけだ!】
と言わないだけマシだと思えば何のことはないです。言われたからと言ってまたどうということもないのです。ただ単に、ヤンデレの妹にでも悩まされたのだろう、と生暖かい気持ちをもてあませばいいだけのこと。
びば、姉萌え。

……暑いと、自分が何書いてるのか分からなくなる時が侭あります。
妹の話です。
さすがに、この段階――物語も中盤を過ぎて後半に突入している段階で舞台に上がってくるのでは、さすがに<妹>と言えどヒロインとしての参入は不可能です。ただでさえ、アディと穂波というラノベ界隈でも最強のヒロインツートップが、ガッチリといつきの両脇を固めている状態。いかな、妹とはいえ今更ここに割って入ってくるのは不可能。
となれば、この段階で投入される<妹>職キャラクターの彼女の果たす役割とは一体何なのか。
小姑に決まってるじゃないですかッ。
いわゆる真ヒロイン選定人。「お兄ちゃんをよろしくお願いしますね」などというセリフを口走りながら、ちゃっかり自分のポディションを確保する存在。
……その意味では、妹・勇花が露骨なくらいに穂波と接触をせずに、アディにべったりひっついて仲良くなってしまったのは、いったいどういう意味なのか。
一方で、穂波がまるでいつき離れをするかのように、一人で勝手に彼女というキャラクターが根底の部分で抱えていた危険要素を、その根源であるいつきの手を借りずに自分ひとりの手で解消しはじめたのは、どういう意味なのか。
……まあ、穂波の危険要素はその意味的にいつきがどうこう出来る問題ではそもそもなかったのも確かなんだけど。
ある意味、負い目を解消して真っ向からいつきに向き合えるようになろうとしている、とも取れるんだけど、アディのアドバンテージが偉いことになってるからなあ。妖精眼の副作用の共有化というファクターを得ているとはいえ、徐々にメインヒロインの座を窺うレースにおいてアディに差を付けられつつある現状は、認めざるを得ないのではないだろうか。
ただぶっちゃけ、アディは立場上いつきと家庭的な意味での結婚とか出来なさそうなんですよね。子供は作れたとしても(魔法を継がせる血を残すという意味で)。
アディと穂波の仲も、ある意味いつきがおいてけぼりになるくらいに熱々な側面もあるので、どちらかとくっつくという形での恋愛面での決着はないんじゃないかと思ってるわけですけど。

っと、なんか今回さらっととんでもない伏線が明らかになったな。
以前から、いつきには異様と言っていいほど母親の影がなかったんだが、まさかそんな事情だったとは。
いつきの持つ妖精眼の特殊な在り様だけではなく、いつき本人にもいささか穿って考えるべき要素が色濃く出てきたというべきか。
こりゃあ、ただでは済まないぞ。
<アストラル>も、今までのような辺境の弱小結社という目ではなく、世界各国の魔術結社から目を付けられ始めてるみたいだし。
最後のエピソードを見ても、思っていた以上に<蛇>の存在は魔法使いたちに、特に強大な力を有した魔法使いたちに影響を与えているようだし、これは次から大きく動くかなあ。本格的にクライマックスか。
さしあたっては、銀の騎士団あたりが注目か。

……ところで、影崎と黒羽の二人組、これは何なのかなあ。もう、最近、この二人、一緒にいるとメインのカップル並みにニヤニヤせざるを得ないんだけどw
もし、何らかの形で<アストラル>が解散という形になったら、黒羽は影崎についていくんじゃないかと、思ってしまいますよw

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<アストラル>先代社長、伊庭司。今まで誰の口からも語られず、人柄も性格も何も分からず、ただ協会を含め多くの魔法使いから一目置かれた魔法の使えない魔法使い。【妖精博士】という異名しか伝わってこなかった男。
そうですか、こういう男だったのかー。息子であるいつきとはまた全く違うすちゃらかな性格。だけどその根底に流れるものはやはり親子だと思わされる魂の熱量、理想の高さ。
なるほど、これは立場を異にし一癖も二癖もある魔法使いたちですら魅了されずにはいられない魅力的なカリスマだ。
そして彼がうち立ってた異端の結社。魔法使い貸出業。<アストラル>の創設目的。その気高くも当たり前な目的が明らかになったとき、未だ魔法使いらしくない、魔術結社らしくない<アストラル>に馴染めずにいた猫屋敷が、自分の求める<アストラル>の在り方にたどり着いたとき、伊庭司の口から語られたとき、確かに心が震えました。

次世代の若者たちが引き継いだ<アストラル>。現社長伊庭いつきが、今、社員たちとともに辿りつこうとしている<アストラル>の答えは、先代たちが目指し託した夢へと至ろうとしていたわけだ。それは猫屋敷や隻蓮といった先世代から残っていた先達が導いた答えではなく、いつきが、穂波やアディ、みかんや黒羽といった今のメンバーと一生懸命目の前に<アストラル>に襲いかかり、あるいは託されてきた事件と向き合うことで、彼ら自身が自然と導いてきた答えなわけで。それが自然と<アストラル>の創設目的そのものへと至る道筋だったことは、なんか感動した。させられた。

と、同時に伊庭司はそれを叶えることができなかったんですよね。ユーダイクス、隻蓮、ヘイゼル、猫屋敷、そしてあの男。ここでは柏原と名乗るあの男。これだけの魔法使いを有しながら、<アストラル>は一度潰え、伊庭司は姿を消してしまうわけです。
<アストラル>に何があったのか。何が起こったのか。まだそれは明らかになっていないのですが、かつての<アストラル>がなし得なかったことを、いつきたちは為そうとしているわけです。これって世代を超えた想いの成就の物語ですよね、ある意味。頑張れ、頑張れ若者たち。

それにしても十二年前。猫屋敷は若かったんだなあ。今回の主人公はまさに彼ですよね。前の短編で彼の少年時代がどれだけ荒み、破滅の道へと突き進んでいたかは明らかになったのですが、柏原にスカウトされ、司に拾われ<アストラル>に加わったあとも、彼の魔法使いとしての業は彼を苛み続けていたわけで。
その身を焦がすような絶望は、この巻で出会い戦うこととなる、同じ業を背負った老魔法使いとの戦いで猫屋敷本人に突きつけられ、その果てに、彼は希望を見出します。なぜ、彼があとに社長を無くし、社員が散逸し、もはや結社の体をなさなくなった<アストラル>を十年以上にわたって一人で守り続けたのか。彼が<アストラル>という異端の結社に託した想いがどれほど痛切で、彼が魔法使いの在り様に望み願った姿がどれほど一途だったのか、改めて思い知らされた感があります。
それだけに、彼が守ってきた<アストラル>にみかんと穂波が加わり(これも、幼い頃の穂波と猫屋敷が交わした約束を思えば、かなりクる話ですよね)、新たに社長であるいつきを迎え、アディや黒羽、オルトといったメンバーが増え、<アストラル>が蘇ったことに、それもかつて猫屋敷が夢見た願いをまっすぐに貫くようなあり方で<アストラル>が動き出したことに、今の猫屋敷がどんな感慨を抱いているのか。飄々としてなかなか心底を見せない男ですけど、嬉しかったんだろうなあ。

でも、伊庭司の主張には改めてパーーッと目の前が開けた感があります。
いつきたちがつかみ始めていた<アストラル>の在り様を、一言で表してくれたような。
そう、魔法使いだって、幸せになっていいじゃないですか。
今まで誰も、誰もそんなことを言ってくれなかっただけに。この一言はあまりにも重く、衝撃的で……眩しかった。

先代から続く<螺旋なる蛇オピオン>との因縁。これから巻き起こるであろうオピオンとの対決に、アストラルは確定的に関わらざるを得なくなったのですが、それでも、先世代に勝るとも劣らないメンバーの揃った今の<アストラル>なら、この結社の理想を実現させてくれるのではないかと、期待を募らせずにはいられません。
いずれ、先代<アストラル>の崩壊の真相や、影崎という男の意図も<アストラル>の前に立ちふさがってくるのでしょうけど……うんうん、面白くなってきた。今回は過去話ではあったわけですけど、おかげで盛り上がってきましたよ。

今期も最終回ラッシュ開始。  

【レンタルマギカ】 ★★★★

正直、これ始まる前はまったく期待してなかったんですよね。キャラデザインも公式サイトなんかで見る分にはかなり変わってて、微妙でしたし。典型的ダメなライトノベルのアニメ化になると思ってた。
それがどうしてどうして。
このキャラデザイン、動きだすとこれが素晴らしかった。作画も大きく崩れることなく、とにかくアディが綺麗で可愛いw
声の方もびっくりするくらい全員が原作からのイメージどおりで、とにかくアディが可愛いw
いや、穂波やみかん、黒羽も良かったんです。特に黒羽は中盤から終盤にかけて存在感ありましたよ。
各種魔法の演出、エフェクトも力入ってて、見ごたえありましたし。
初期の無意味な時系列シャッフルや、鬼の祭りの泣きたくなるような伏線ブレイカーにはまいりましたけど、原作ファンとしてはおおむね満足な出来でした。
ううん、でもこのレベルで作品を作れたからこそ、原作でも最高峰のエピソードである鬼の祭りがああなってしまったのは返す返すも残念です。
神道、陰陽道、ケルト魔術にソロモン王の魔法、根源の異なる体系の魔法が束ねられ、新たな魔法を創生する。まさしく、この【レンタルマギカ】という作品を体現するような素晴らしいクライマックスだっただけに、あれはちゃんと見たかったなあ。それだけが残念。


【シゴフミ】 ★★★★★

これも、原作はライトノベルだったんですよね。私、未読ですけど。しかも、原作とは内容違うのか?
これもノーマックだったんですけど、一話からぶっ飛びました。途中から狂言回しかと思われたフミカが文字通り主人公となってストーリーが回り出したので、シゴフミの配達人という観点からの物語をもうちょっと見たかったというのはあるんですけど、でも面白かったからOK。
いや、ほんとに予想外に面白かった、これは。フミカの目がやたら大きくて、それだけが怖かったけどw
とりあえず、本作はチアキのいい女っぷりを堪能する作品でした、ということでOK?
個人的には、やっぱりあの一話二話の最初の話がインパクトからなにから一番だったかなあ。

レンタルマギカ 魔導書大全  

レンタルマギカ魔導書大全 (角川スニーカー文庫 177-99)

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ショートストーリーに短編が一本ずつ。それに絵師piko氏のイラストギャラリーが収録されている、スニーカー文庫じゃ珍しい、というか見たことの無いタイプの本ですねえ。コバルト文庫じゃ<マリア様がみてる>や野梨原花南の<ちょー>シリーズなんかから出てたのを買った覚えがあるけれど。
とはいえ、piko氏は非常に好きな絵師の一人なので、この値段でカラーイラストというのはお得かも。文庫サイズの画集みたいなものだし。
ザ・スニーカーは買っていないので、全然見たことの無いイラストばかりですしね。
こうして見てると、どの絵でもみかんが元気一杯だなあ。内側から弾けるような溌剌さが迸ってる感じ。あと、私服のタンクトップが危ないです、露出しすぎ。胸元無防備すぎ。脇甘すぎww
面白いのが、アディと穂波。最近じゃあ本編でもそうなんだけど、イラスト見てると改めて実感するのが、二人とも仲良すぎ(笑
二人とも、いつきとの絡みよりお互いでいちゃついてるイラストばっかりじゃないですか。
一番の親友で生涯のライバルで気心の知れた喧嘩友達で同じ人を好きになった恋敵。おんなじ要素を持ったキャラはけっこう見るけど、これほど仲の良いのはあんまり見たことないですなあ。
イラストの初出一覧を見てみると、イラストの掲載順はだいたい時系列なのですね。なるほど、アディと穂波が絡んでる構図は後半に行くほど多くなっていくのですが、これって小説本編での二人の関係の進展というか変化とリンクしてて、面白いなあ。
影崎はもっと凡庸とした特徴の無い人物をイメージしてたんだけど、もともとこういうデザインだったのか、アニメの影崎が先なのか。
ダフネさん、ちっさすぎます。もっとこっち近づいてください! ダフネも本編ではデザイン出てなかったんじゃないのかな。根拠もなく肩で切りそろえたショートカットというイメージだったのだけど。いや、しかし髪の色が銀なのと、髪型がストレートというのを除けば、かなりアディにそっくりなんじゃないのか? このイラストだと遠目なので分かりにくいけど。ところで、なんでこの人はキッチリした黒スーツ姿で買い物袋をぶら下げてるんだ? しかも、ネギ刺さってるし。どういうシチュエーションなんだ? ひそかに、彼女がアニメ版にまだ出てないのが不満なのですよね。隻連さんは登場するようですし、彼が出るなら彼女の登板もありますよね。期待しておこう。

ショートストーリーは、猫屋敷と四匹の猫の出会いから、猫たちの視点での新しいアストラルが始まるまでの物語。
以前から、前のアストラルでの猫屋敷の立ち位置ってちょっと予想できてなかったんだけど、そうかー、性格や立ち振る舞い、かなり違ったのか。
少年の頃は少年らしく生意気で捻くれ者だったわけか。会社の中では最年少だったんだろうし、何となくだけど可愛がられてたんだろうな、というイメージもわいてくる。
そして、社長がいなくなり社員たちが去ってしまったアストラルを、一人で猫たちとともに守ってきた猫屋敷。
今のアストラルでは最年長として、右も左もわからないいつきや魔法使いとしては超一流でもまだまだ若い穂波やアディ、幼いみかんという年少組をそっと支えて見守るお兄さん役なんだけど、こうして前アストラルやいつきが来るまでの時間が停まってしまったような時期を垣間見ると、なんともじんわりと胸に染みわたっていく感慨が生まれる。
今の賑やかで騒々しいアストラルを一番楽しみ喜んでいるのはこの人なのかもねえ。
短くて訥々とした話なんだけど、猫屋敷というキャラに深みを与える良いショートストーリーでした。


そして、短編の方は、アディと穂波。上でも書きましたけど、二人の仲の良さがついに極まりきってしまったようなお話で。やっぱり、著者、この二人の熱々ぶりは意図的だったのだな。それとも、気がついたらこうなってたのか? どちらにしても、二人の熱愛度がえらいことになっているという自覚はあった模様。
でないと、こんな話思いつくか!
というわけで、アディと穂波が結婚する話……いやいや、ホントに。
もう読んでる間中、顔の筋肉緩みっぱなし。この二人が主軸になって、いつきが振り回され、最終的に三人ともがあたうたテレテレする話は、いつもニヤニヤさせられるんだけど、今回は結婚話とあって威力がとてつもないことに。
傍目には、いつきがアディと穂波を二人まとめて花嫁に貰ってるようにしか見えんものなあ。ドレスの見立てまでやってるんだから。

それにしても、この三人は理想的な三角関係になってきた、ほんとに。こうまでヒロイン二人の気持ちが通じ合い、お互いの想いを共有するようになったら、逆にどちらか一人が、という状況をお互いが許せなくなるだろうし。
いつきはいつきで、頼りなさげな所が優柔不断にはならず、芯の通った好感のもてる主人公になってきたし。どちらも選べない、じゃなくてあたふたパニくりながらも、大事なところではしっかりと両方を受け止める、もしくは捕まえる決断のできるキャラになってると思う。
うむ、まさしくこれぞ理想の三角関係。なかなか、こうなるのって難しいんですよ、ほんとに。意外と見ないですもんねえ。

レンタルマギカ 妖都の魔法使い  

レンタルマギカ妖都の魔法使い (角川スニーカー文庫 177-11)

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ここ数巻に渡っての、アディと穂波のいちゃつきっぷりが尋常じゃない点について……。
け、けけけけしからぁぁぁん!(ごろごろ

お、お嬢さん方、あんたたち、肝心のいつき君はどうしたんだ、おい。
学院時代からの魔法使いとしての好敵手として互いの手の内を知り尽くした二人。それが今や、同じ男の子に恋をした女の子同士として、恋敵として張り合う二人。
いや、それはいいんだ。大いにやりたまえ。だけど、二人とも相手がとてつもない強敵だと誰よりも知っているからこそ、相手と張り合うのに夢中になって、ある意味いつき君ほったらかしじゃないか(笑
傍から見て、今の穂波とアディの関係と来たら、お互いのことが好きで好きでたまらないのに負けん気の強さのせいでついつい喧嘩ばかりしてしまってる友達以上恋人未満の二人、みたいにしか見えませんから。
というか、イチャイチャいちゃついてるようにしか見えませんから! 
クライマックスでの、戦闘後の二人の様子なんて、どれだけ相思相愛なんだと。

一方で二人の思い人であるいつき君はといえば、こっちは新入社員のオルト君にかつてのアディなど問題にならないほど凄まじい威力の<ツンデレ>を艦砲射撃のように打ち込まれまくってるんですけどw
ドイツ語で馬鹿だの愚図だのと罵りながら、いちゃつくのに夢中になってる穂波とアディを出し抜いて、必然的に面倒に巻き込まれたり自分から飛び込んでいくいつき社長の世話を隙なく甲斐甲斐しく片っぱしから焼きまくるオルトくん(♂
まだ何も起こってない段階から、いつきが絶対に面倒事に巻き込まれるものだと考えて、追跡用のルーンをいつきに仕込んでるあたり、穂波とかアディよりもいつきの扱い方を弁えてます。あんた、あんだけいつきの悪口いいながらどれだけ社長のこと理解してるんですか(笑

ヒロインや周囲の人間に対してツンデレな態度を取る主人公(♂)というのは結構見かけますけど、ヒロイン衆を押しのけて(しかも女性陣、どの娘も並じゃない魅力のキャラ)、主人公にツンデレかましまくる男キャラ(年下)というのは、かなり珍しいんじゃないでしょうか。
そして、♂が♂にかますツンデレを読んでてニヤニヤが止まらない私は、すでに症状が末期に達してる?

何気に、黒羽に懐かれだしてからの影崎さんがいい感じになってきたなあ。その色は虚無。魔法使いを裁く魔法使い。協会の監査役。無味乾燥にして慣れ合わず、一定の距離を置き常に外側から<アストラル>の面々の精神を揺さぶる嫌らしいキャラのはずなんですけど、何を考えているかまるで悟らせない人だけに黒羽とのやり取りの中でだけふと垣間見せる一瞬の優しい表情が、アンカーみたいにこの人、途中がどう転んでも最後の最後にはこちら側に立ってくれる人なんじゃないか、と錯覚させられてしまう。これが錯覚かどうかは、それこそ今後の展開次第なんだろうけど。

普段はとってもいい子なみかんも、同世代のラピスの登場でいい顔出てきましたねえ。ラピスのこと、嫌ってる顔していながら、ひどいありさまになったラピスを目の当たりにして、それをした相手に向って一番最初に激高したのがみかんちゃんな、あたり、もうニヤニヤしまくり。
というか、みかんがあんな風に怒ったのって初めてじゃないだろうか。

ストーリーも着々と進行しているわけですが、それに合わせてというわけでもないのですけど、いつき社長が確実に成長していることを実感させてくれたのが、かつて彼に己の社長としての未熟さを痛感させて去って行った父のかつての部下、アストラル前社員ユーダイクスと再会した時の彼の姿勢。
個性的な社員たちを惹きつけ、引っ張っていくだけの気概を、改めて先達に見せることができたのではないでしょうか。

此度、敢然と世界の魔法使いの七割が加盟するという<協会>に敵対してみせた結社<螺旋の蛇>。
結社と協会の間に挟まれ、自分たちの力の足らなさを痛感させられた<アストラル>の面々。
だが、前回のオルトヴィーンという新戦力の加入に加えて、今回はユーダイクスとラピスのように先代社長の失踪とともに社を離れていた協力無比な魔法使いたちが戻ってくるような兆候も見え始めている。無残な敗北を乗り越えることで、<アストラル>は更なる力を得ようとしているのか。
その一方で、協会副代表の不吉な忠告。猫屋敷が漏らした、黒羽への言葉から、<アストラル>がバラバラになるような未来を予感させるような伏線も配置されていて。

なんにしろ、恋にしても陰謀にしても手に汗握る燃える展開が待っていそうです。
わくわく。

………今、ふと思ったんですけど、オルトヴィーンって男の子ですよね? 女の子じゃなかったですよね? 大丈夫ですよね?
 いや、あんまりにもすごいヒロインフラッグ立てまくってるんで、だんだん…ねえ?

レンタルマギカ 吸血鬼VS魔法使い!  

レンタルマギカ吸血鬼VS魔法使い!

【レンタルマギカ 吸血鬼VS魔法使い!】 三田誠/pako 角川スニーカー文庫


「これは、僕とオルトの戦いだ」


この天然たらしめ!!(全力で褒めてます)
とうとう女の子だけでなく、とししーたの男の子まで誑し込むようになってしまったか、いつき社長。
まあ、元々この子の筋の通し方は、女の子とか男の子とか老人とか若い子とか関係無しだもんなあ。老若男女を問わず、この子は相手を魅了していくわけだ。この主人公の立場を数多の人間を従える【社長】にしたのは大当たりだったのかもしれない。彼の魅力であり価値というものは、きっと様々な人たちを魅了し守り従え導き、同時に支えられ庇護され助けられ背中を押される、というものだから。
このシリーズの始まりの頃は、いつきのキャラって偽善者っぽくて二面性もなんか安っぽくて鼻につく感じがプンプンしてたんだけど、シリーズが続くにつれてなんだか真ん中にガンと一本芯が通り始めて、いつの間にか凄く気持ちのいい、弱いなりの強さのバランスの取れた実に格好の良いキャラクターに育ったと思う。
グラムサイトを全開にしたときに現れる人格も、ここ何巻かで抑制がきいているというか、制御が出来ているというか、別の人格ではなく伊庭いつきらしさを失わないままスイッチが入ったみたいな感じになってて、素直にカッコイイように思えてきた。

加えて、魔法戦の描写は巻を重ねるごとに洗練されてきているように見える。最高潮は<アストラル>の総戦力を投入した【鬼の祭りと魔法使い】のクライマックスになると思うけど、あれでなんか掴んだのか完成したのか。以降の伊庭いつきの指揮統制によって、それぞれ異なる魔術を操る魔法使いたちが、それぞれの魔術の特性を活かし、協同で共通の敵と相対する諸兵科連合戦術。今回は新入社員のデビュー回ということで、その辺は一瞬しか描写されなかったけれど、シーンの盛り上げ方はもう手の内に入れたって感じで、燃えた燃えた。

物語のほうも着々と進行しているようで。
これまでで、既にいるアストラル社員の魔法使いの掘り下げと人間関係の強化は完了し、さらに今回アストラルにはいなかった近接戦闘も可能な攻撃力の高いルーン魔術の使い手オルトヴァーンが加わって、アストラルの戦力も充実すると同時に、着々と未だ全面には出てこない敵勢力<螺旋の蛇>も強力な人材を確保して、戦力を増やしてきている。
敵味方、双方ともにまだ見ぬクライマックスに向かって陣容を固めてきているのが透けて見えて、否が応にも盛り上がってきております!

しかし、ここで毒舌で皮肉屋で根は生真面目で素直じゃない、なんてムチャクチャ可愛らしい性格の、年下の目つきの悪い男の子を仲間として投入してくるなんて、隙がないなあ(笑
ここ、同年代じゃなくて微妙に<年下>というのがミソね、ミソ。心の底では懐きまくってるくせに、表面上は突っ張ってる年下の男の子ほど可愛いものはありません(ここ、断言)
ほんと、隙がないなあ。

しかし、このシリーズもついに完全にダブルヒロイン制になっちゃいましたねえ。登場した当初はメインヒロインである穂波の噛ませ犬みたいなちょっと可哀相っぽい立場だったアディだけど、よほど人気がウナギノボリだったのか、書いててほんとに好きになっちゃったのか、グイグイと穂波といつきとの間に食い込んで、今では書き方からして優劣一切無しのメインヒロインに。
一方の穂波も、当初はあんまりパッとしないサブヒロインに食われるタイプの幼馴染キャラだったにも関わらず、アディの猛追に煽られたのか、途中からやたらと魅力がアップして、今ではアディと差しで張り合うに相応しいメインヒロインに。
ライバル同士が角を突き合わせれば、お互いにグイグイと成長していく、って本当なんですねえ。
今ではいつきという存在がなくても、穂波とアディ、この二人だけでも学院時代からの天敵でライバルで、お互いのことを誰よりも理解し、認め合っている親友同士、という読んでて実に楽しく歯応えのある関係に。
男女間の三角関係って、泥沼化・修羅場化するのが面白い、ってのを除けば、一番面白くなるのってこうした二等辺三角形じゃない、正三角形の関係なんですよねえ。

このシリーズのもう一つの魅力といえば、絵師のpakoさん。この人のイラスト、少なくとも表紙と口絵に関してはぷるんとツヤがありつつ、しつつぬらあっとしつこくて(へいげもの風表現)素晴らしい、というか大好き。
強烈なインパクトのオルト君と、ぷんすか激怒してるみかんの口絵は、すまん、大好きだ。
レンタルマギカシリーズに共通してる、二枚目の魔術大系や魔物の絵もけっこう好きなんですよね。特に【鬼の祭りと魔法使い】の上下巻の二枚目の口絵は、神秘的で気に入っております。

今度アニメ化だそうですけど、ひそかにムシウタより期待してるかも。
というか、穂波→植田佳奈さんって、もう勝ったも同然でしょう。じゃなくて……。なんか、関西弁キャラで植田さんって、ものすげー安心感あるんよねー。
まー、折角なのでアニメ公式サイトのリンクも貼っておこう。
 
12月2日

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