丈月城

カンピオーネ! 17.英雄の名4   

カンピオーネ! 17 英雄の名 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 17.英雄の名】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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神祖として復活したパラス・アテナの挑戦を受けた護堂。最凶の竜蛇神と化したパラス・アテナとの戦いの最中、ついに全ての神殺しを滅ぼす『最後の王』の封印が解かれてしまう! 圧倒的な力
の前に退却を余儀なくされた護堂は切り札となる『最後の王』の真の名を探り始めるが……!? 英雄と神殺しが織りなす超神話、最終章開幕!!

今回一番驚かされたというか度肝を抜かれたというか、なんですとーっ!? と阿呆のように口をぱかんと開けさせられたのは何かというと、最後の王の真名よりもむしろ、アイーシャさんとヴォバン侯爵の関係でしたよ。ヴォバン侯爵絶対友達いない人だと信じてたのに、まさかアイーシャ夫人にお兄さまッ、と慕われるというか懐かれるというか纏わりつかれているような関係だったとは。しかも、貴様など妹ではないわ、とか言いながら対応が激甘なのである。普通なら有無を言わさずぶっ殺しにかかるような人なのに、アイーシャさんには文句を言いながらも手を出さないし、何だかんだと受け入れてるし。アイーシャさん自身にも、自分には対応甘いのよお兄さま、とか思われてるしw
ほんと、このアイーシャさんに関しては、カンピオーネの中でさえ飛び抜けたびっくり箱ですわ。この人だけは何が飛び出すかわかったもんじゃない。結果が究極的にはた迷惑、という点だけは一切揺るぎがないのがまた始末に負えない!!
斯くして、ついにここまで引っ張りに引っ張った最後の王の真の名前が明らかに。面白いことに、そこに辿り着いたMVPが甘粕さんだったというのは意外も意外。何だかんだと、この人も飛び抜けて優秀なんだよなあ。と、魔術師関係で有能じゃない人は殆ど見たこともないのだけれど。それにしても、翠蓮姐にも褒められるくらいだから相当相当。
しかし、最後の王の正体についてはさすがにこれはわからなかった。自身の反応も、作中の人たちと同じく微妙な感じで、名前くらいは知っているけれど詳しくは全然知らない、というくらいのお人で。でも、地元のインド圏からその周辺地域からすると、知名度的にはすこぶる高い、というか日本人なら「桃太郎」を知らぬ奴はいないだろう、てくらいの日本における桃太郎、欧州圏におけるヘラクレスレベルの有名さらしいので、決してマイナーな人物ではないのです。それに、インド圏の神話世界というと世界最強の修羅の国というか終末戦争どんとこいレベルの兵器が飛び交うところですので、魔王を虐殺する英雄の生誕地としては全く以て妥当というかお似合いというか。そもそも「魔王」を討伐する英雄という神話があるところは早々ないでしょうからね。件の鋼の英雄神話体系においてすらも。
でも、さすが魔王の天敵というべきか、最後の王の人格と言い品性といい人間性といい、人格破綻者揃いのカンピオーネとは真反対の真人間の好漢で、ほんとにいい人なのが苦笑が浮かんできてしまう。なんか、いい人だからこそ貧乏くじ引いて魔王退治の役割を無理やり押し付けられている、みたいな感じで。好き放題やらかしまくっているカンピオーネに比べて、ほんと大変そうだなあ、と。なんだか、もっと八つ当たり気味にカンピオーネたちをボコっても良さそう、とか思ってしまうほどに。そういう事をせず、きちんと筋を通し、話も通じてそれどころか相手も尊重し、コミュニケーションスキルも高かったりするあたりが実に好漢なのである。
……ふむ、なるほどなあ。護堂さんからすると、ついついウルスラグナとの出会いを想起してしまうのかもしれない、彼の気持ちのよい涼やかな性格は。結局ウルスラグナは、まつろわぬ神の性質として顕現して時間が経つに連れて狂っていってしまい、神殺しを敢行せざるを得なくなったわけだけれど、護堂としてはあれ、決して好んでやったことじゃなかったんですよね。ウルスラグナとの間に交わした友情は本物だったはず。
だからこそ、かの太子を倒すよりも、むしろ彼を縛り付けている運命に対して敵愾心を募らせているのは、何となく彼の向かう方向性を感じさせられて、ニヤニヤと……。
でも、その結果として、前巻でワクワクと想像をたくましくさせられた、全カンピオーネによる共闘総力戦! という筋目が一気に怪しくなってきたわけでもあるんですよね。護堂さんからすると、太子への好感に比べて他のカンピオーネなど、姐さんやスミス、アイーシャさんを除くと、というか女性陣を除くとけちょんけちょんにして余りある小憎たらしい感情を抱いている相手ばかりですし。いっちょやっちゃるか、という気分になっても不思議ではあらずして。
てか、護堂さんのみならず、地球上に存在している魔王の数に比例して増強される最後の王の権能、という絶対脅威を前にして、みんなで共闘する、という道なんぞ誰一人一切頭にも思い浮かべずに、こいつらカンピオーネ全員、内ゲバ上等の気分で盛り上がりだしやがりましたぞ!!

こ・い・つ・らッ!!!

こんな非常識ではた迷惑の権化みたいな連中に、いったい何を期待しようとしていたのか、なんだか本気で自分が馬鹿に思えてきた。もうどうしようもないな、カンピオーネ!

でもまあそういう期待をしてしまうのは、先の斉天大聖に対しての翠蓮姐さんやスミスとの共闘があったからこそであり、今回もまた最後の王と、鋼の英雄たちを前にして翠蓮姐さんが護堂とガッツリ組んで一緒に戦ってくれた、という実績があったからなんですよね。特に今回の翠蓮姐さんと来たら、かなり護堂を立ててくれてましたし。いや、この人本当に強いなあ。カンピオーネは、強いというよりも生き汚いというか、相手がどうあろうと絶対に勝つという勝負師の極みみたなものを備えてる感じなんだけれど、翠蓮姐さんについてだけは勝負師としての極みを踏まえてさらに純然として強いッ!て感じなんですよね。格上をまったく格上を思わせない揺るぎのない強さがある。この人だけは、素のレベルで神様級に強いんじゃないだろうか。
ちなみに、姐さんが使ってた邪拳って、金庸とかの武侠小説を読んだことのある人は思わずニヤリとしてしまうものだったんじゃないでしょうか。

てっきり、最後の王との決戦はシリーズそのものの最終決戦になる、と思っていたので、今回は前哨戦としてお茶を濁して、メインの戦いはまた別の相手か、鋼の英雄たち相手のものなのかと思っていたのですが……この時点で思いっきりガチンコやんけ!! いやはや、もう今回最初から最後までフルスロットルで戦いっぱなし。太子も護堂サイドも小細工抜きに全力全開、という大盤振る舞い。これで、最終決戦でなかった、というのが恐ろしい。太子の反則極まる特性が明らかになっただけじゃんかよぅ。
気になるのが、果たしてアテナがこのままどうなってしまうのか、というところなんですよね。このまま敢え無く……という展開だったら、この巻でケリをつけていたと思うんですけれど、わざわざ次まで引っ張ったことに期待が浮かんでしまいます。何しろ、このシリーズの真ヒロインともいうべき柱ですからなあ。

シリーズ感想

盟約のリヴァイアサン 5 3   

盟約のリヴァイアサンV (MF文庫J)

【盟約のリヴァイアサン 5】 丈月城/仁村有志 MF文庫J

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「知っているか? 民主主義というやつだ」
 伊豆での騒動を終えて双刀の秘文字を得たハルたちは身近な知り合いを集め、とある《計画》に向けて暗躍を開始した。手始めにアーシャの母、ユリアから得た情報を元にアメリカ遠征を行う一行。アーシャや織姫たちと共にボストンでの観光を楽しんでいたハルだったが、旅の途中で衝撃的な一報を聞くことに! ? ついに動き出した紅き炎帝、ハンニバルによって窮地に立たされたアメリカ。ハルたち竜弑しは最大の危機にどう立ち向かうのか―――。至高のドラゴン・エンタテイメント、熾烈を極める第5弾!

ちょっとこれもう織姫さんが圧倒的すぎるよ! こと正ヒロイン力については、カンピオーネ!の方を含めても最強を張るんじゃないだろうか。この娘については残念性が完全皆無だもんなあ。残念さというのは、今の時代むしろ魅力の一つとして機能しているのだけれど、織姫については逆転の末の正道というべきか、女性としてのパーフェクトさを突き詰めた上で、キラキラと輝いてるキャラクターなんですよね。もうホント、反応仕草発言の一つ一つにキュンキュンさせられる。かわいい、もう尋常じゃなく可愛い。もうどうしたらいいのかわからなくなるくらいに可愛い!
織姫の「……大好き」はもしかしたら本年度最強と言って過言ではないかもしれない。この「大好き」はテンプルへの一撃。膝から崩れ落ちて前のめりに倒されたかのような威力でした。いやいや、幾らなんでもこれは強烈すぎますよ。裏表のない、純粋で素直で心からまろびでるかのような「大好き」。あかん、こっちまで顔が赤くなりそうや。
究極の男殺しである。これに勝てる男は存在しません。絶対陥落。
今までも織姫については凄い凄い、これはとてつもない最強のヒロインだとは思っていましたけれど、いざ本気になって告白してきた時の威力たるや、想像を遥かに絶していました。これは、ちょっとルナでも敵わんて。織姫って駆け引きしないもん。献身的で、それでいて引っ込み思案じゃなくて。恋愛について面倒くさがりなハルをして、思わず愛しさのあまり前のめりに飛びつかせるような瑞々しい可愛げの塊で。
これはあかんわ。

アーシャが、なんか自爆覚悟のドーピング催眠術自己暗示革命で、自分を魔改造して特攻に打って出て、ようやく巻き返してきていますけれど、これってどう見ても肝心なときにヒデブってなりそうなフラグですよね。あかんて、ニセクールビューティw
いやそれでも、これまでに比べたら確かにハルに女の子として意識させる事に成功している分、前進ではあるんでしょうけれど、しっぺ返しが本当に怖い。

さて、本編である竜たちとの対決では、先の雪姫に引き続き、今度は世界で一番有名な竜王であるところの、紅きハンニバルと交戦することに。
雪姫も大概、突拍子もない自由な女王様でしたけれど、ハンニバルはそれを遥かに上回るフリーダムな覇王さまで……まさに自由の国アメリカに相応しい竜王とも言えるのでしょうけれど。
彼がニューヨークの地で市民たちに宣言するは、「ハンニバル・デモクラシー」!! まさかのニューヨーク市長選への出馬宣言!!
そして、自由勝手に行いだすは、ハンニバル一流の選挙戦。って、選挙戦の意味を絶対に勘違いしてるからそれ! 或いは、意図的に本来の意味を無視して、自分の好きなように選挙戦を解釈しているか、だけれど。
この竜王さまは、人生楽しんでいそうだなあ。
その竜王様のお楽しみに振り回される人類諸君。その尖兵であるハルたち。ぶっちゃけ、ハルたちでは高位の竜と相対するのでまだ精一杯で、竜王と真っ向から戦うには力不足も良いところなのだけれど、戦いは避けて通れない以上、こっちもある意味ドーピングに近いパワーアップをする必要があり、この間からの秘文字もゲットからこっち、急激なパワーアップの頻度が凄まじいことになっている。
当然、リスクは倍々ゲームで跳ね上がっているのだけれど、いちいち安全なんか考慮している暇はない、というハルの据わった覚悟がこれまた凄まじい。今回の指輪についてなんか、完全にアウトに等しいにも関わらず、一度目ならともかく、二度目も殆ど躊躇がなかったあたり、ハルという人間の決断力の質というものがうかがい知れる。全く、リスクに対して躊躇わないもんなあ。それでいて、決して危機感が薄いとか、感情的で冷静な判断が出来ない、というタイプとは真逆だし。

一応、ここいらで一端強制強化イベントは終了といったところだと思うのだけれど、ラストの展開といい、ハンニバルと敵対している欧州の竜王の伏線といい、話の展開もダイナミックに拡大していく予感がひしひし。物語も佳境に入ると同時に、スケールアップしていきそうで、ワクワクしてきましたよ。

ちなみに、特級魔女以外の魔女っ子たちはわりと普通の子なのね。アメリカのウィッチーズたちの蛇たちは、米海軍艦載機の猫たち、ワイルドキャット、ベアキャット、タイガーキャット、トムキャットで統一されてたみたい。
特級魔女はアーシャとルナを含めて全員で五人いるらしいけれど、あと三人も出てくるんですよね。

シリーズ感想

カンピオーネ! 16.英雄たちの鼓動3   

カンピオーネ! 16 英雄たちの鼓動 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 16.英雄たちの鼓動】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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魔王、囚われの身に!? 平和なクラスで起きた珍事件「囚われのカンピオーネ」、エリカと護堂のある夜の出来事「ローマの休日・深夜版」等短編を一挙収録! さらに古代ガリアから帰還した護堂たちが再び相見えるのは、かつて倒したはずの宿敵たちで…!? 封印されし「最後の王」をめぐる最終決戦の鼓動が、今聞こえはじめる……!!
短篇集、ちょうど時系列的にはシリーズの最初の方から最新のところまで満遍なく流れているのだけれど、こうしてみると護堂のスタンスが順調に変わってきているのが如実に見て取れるんですよね。
例えば、「ローマの休日・深夜版」では、エリカにキスすることに関して、お前は特別だから気軽にキスなんて出来ない、と言っていた護堂さん。エリカとのキスをある意味神聖視していた護堂さんですが、一番新しい話では言い訳とかキスしなければならない理由を抜きにして、純粋に愛おしくてキスしたいからエリカと濃厚なキスにかまけているわけです。いつだって本気のキスしかしない護堂さん、その本気のキスを乱れ打ちに乱発しているんですから、そりゃあ女殺しと言われても仕方ない。まあ、それだけ相手の女性陣も魅力的だからなあ。特にエリカのとびっきりのイイオンナっぷりは、改めて見ても並大抵のものじゃありません。彼女の場合は特に海外欧州付近で二人きりだと、凄く絵になるんですよね。エリカはリードするのも男の人を立てるのも上手い上に、護堂さんもなんだかんだとエスコート上手い人なので、デート風景が十代の初々しいそれとは全然違うんだよなあ。特に欧州だと、海外旅行のお上りさん、という風が全然ないものだから、映画みたいなデートになってしまうわけで。
代わりに、日本の風景が似合うのが祐理。意外と護堂の地元の日常風景が一番似合うのはリリアナだったりするのが面白いところ。祐理も家庭的なのは、南方で同棲してた時にわかったところなんだけれど、彼女上品すぎて護堂の地元の下町に入るとちょっと微妙にズレがあるんですよね。その点、リリアナの方が実は庶民的だったりするんですよね。
恵那については、また別の魅力があるんですが。

さて、今回は護堂さんの天敵……破邪顕正の神様の登場である。二郎真君と言えば、天界で暴れまわってた斉天大聖を懲らしめに駆け回っていた印象どおり、正義の味方というよりはお説教魔というかお仕置き魔というか、邪悪を討つ人というより邪気なく悪いことをしてまわる悪童に罰をくれる人、という印象が強いのですが……案の定、護堂さんも目をつけられてしまいました。仕方ないよね、斉天大聖並に懲りずに大暴れしてる輩ですし、護堂さんは。あれだけ言い訳しているくせに、自覚はあったようで、民衆の敵に対してしか発動しないはずの白馬を自分めがけて発動させているあたり、反省してるくせにこいつ後悔してなさそうだよなあ、と。
しかし、今回さらっと明言されてましたけれど、ちゃんとまつろう神として顕現してしまう前に神様たちが存在している時空、というのが実際あったのか。須佐之男神なんかはまつろわぬ神の成れの果てみたいなものらしいので、果たして神界があるのかとは疑問に思ふところではあったんだけれど。あったにしても、まさか現世に干渉出来るほどのものだった、というのはそれなりに驚き。まあ、パンドラさんとか居たわけだしなあ。

そして、ラストは次巻へと続くファイナルエピソードへの幕開け回。そう、我らがヒロイン、アテナ再誕である!!
なるほどそうか、アテナの再登場、そういう形で用意されていたのか。確かに、以前から神祖という存在は女神の成れの果て、と言われてたもんなあ。
でもこれで、アテナを護堂さんがゲットしてしまう可能性がグッと増えたんですよね。神様の場合はまつろわぬ神としてどうしても狂気に侵されて正気を逸してしまうのは、かのウルスラグナが証明してますし、神様である以上アテナと護堂は決して両立出来ない定めだったけれど、神祖になってしまえばなんとでもなりますもんね。こりゃあ、鴨が葱を背負って来た!?
そしてそして、どうしてこれまで護堂が神様を倒しても倒してもなかなか権能が得られなかったのかがよくわかった。かつて護堂が倒した神様たちの、再顕現である! もう二度とその姿で現れることはないだろう、と言われてしまっていたランスロット姐さんまで出てこられては、興奮は隠せない!!
普通、再生怪人というと完全にやられ役なんだけれど、この神様たちは絶対そんなタマじゃないもんなあ。だいたい、これってまず護堂と再戦、ではないですよね。これって、他のカンピオーネたちと対決パターンです。まさに神の軍団VS魔王軍団という頂上決戦。あかん、鼻血出そうや!!
仮面の風神はドニが相手するようだし、斉天大聖は元々姐さんが狙ってた相手だし。となると、ランスロットやペルセウスも、スミスやアレクあたりと当たりそうなんですよね。うはは、斉天大聖戦での三対三の超絶決戦であれだけ燃えたのに、それ以上の総力戦となると、どれだけ盛り上がることか。
前振りとしては、極上すぎるご馳走じゃあないですか。始まる前からテンションあがってきたー!

シリーズ感想

盟約のリヴァイアサン 4 3   

盟約のリヴァイアサンIV (MF文庫J)

【盟約のリヴァイアサン 4】 丈月城/仁村有志 MF文庫J

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突然の領有宣言により、雪風の姫の領土となった「東京新都」。これまでにも幾多のドラゴンからの襲撃を受け続けていた東京は移住民が多発し、徐々に人口が減っていた。一方のハルは、ルナに今まで以上の猛プッシュを受けながらも穏やかな日々を過ごしていた。そんななか、いずれ訪れる雪風の姫との対決に備えた戦力強化のため、皆を引き連れて伊豆へと向かうことに。海水浴に露天風呂と普通の旅行を満喫するハルたちだったが、そこへ謎の触手が現れて…。戦いの場は海へ、激突する竜と蛇!至高のドラゴン・エンタテイメント、熱量が加速する第4弾!
<宝くじ 買わなきゃ絶対 当たらない>。
まあ、ラッキースケベは別に当選券を買っていなくても当たってしまう事が多い、というか勝手に向こうから放り込まれてくるのが普通なのですが、しかし起こるかどうかわからないものを漠然と待っているよりも、少しでも準備していた方が可能性が増すのも確かな話。
すなわち、人事を尽くして天命を待つ、である。
ハルの、いつ起こるかも分からない、起こらない可能性のほうが高い「チャンス」に備えて地道な努力を欠かさないその不断の努力には、尊崇の念すら浮かんでくる。そう、濡れ手に粟のように努力もせずにラッキースケベの恩恵に預かり、まるで不幸のように嘆く輩は「幸運」の価値というものを全く理解していない。
もちろん、ラッキースケベを社会的に許容してもらえる環境にない場合は、真剣にヤバい事になってしまうので、幸運を不幸とのたまう輩の言い分も理がないわけではないのだが。
その点、ラッキースケベに「備える」という事は同時に許してもらえる言い訳と領分をも準備しているという意味でもあり、ハルの周到さには頭がさがる思いである。それでも、起こるかどうかわからない事案に対して、あれほど執拗に構えられる、というのは並みの精神では折れてしまうだろう。その意味でも、彼の「ムッツリスケベ」さ加減はまさに筋金入り、と言っていい。ある意味、【カンピオーネ!】の護堂さんよりもベクトルは違うが肉食系と言っていいんじゃないだろうか。少なくともヘタレとは程遠い。ただ、自分から積極的に恋愛を楽しむことを求めるような前向きさはないんですよね。枯れているというか、怠惰というか。エロスに対しては勤勉なのに、ある一定のラインより向こうは面倒くさがって怠けてしまうというか。
肉食は肉食でも、雄ライオンみたいなところあるなあ、こいつ。
その意味では、ルナは性格的にも凄く波長が合って楽しくはあるんだけれど、マトモに相手をするのって面倒くさいんですよね。常に相手に対して頭をつかうことを求めてくるし、その要求の度合が非常に高い。楽しいけれど疲れる相手、なのでしょう。その点、織姫は完全に癒し系なんですよね、それも包容力があって甘えさせてくれるタイプ。今回はルナの積極果敢な攻勢もあって彼女の担当回であるのは間違いないんですけれど、それ以上にやはり織姫のヒロインとしての格の高さをひしひしと感じさせてくれる回でもありました。この子って、ホントに面倒くさい部分が皆無なんですよね。個性的ではあっても、それは相手に対して負担を感じさせるものでは全然ないわけですよ。天然で自分のポディションに対して迂闊なところがあるのもチャームポイントだし。
ちょっと脇が甘くて無防備で、素でえっちいところなんか最高ですし。
羽純も年下ポジをふんだんに活かす邪気のない、でも品のある甘えっぷりがホント可愛い、凄く可愛い。この娘の魅力は献身性にもあるんだろうなあ。
この献身性というのは結構な味噌で、このルナってカンピのエリカに例えられるけれど、自分はベクトルは似てても姿勢は全然違うと思うんですよね。ルナの方はあくまで自分が中心なのに対して、エリカは自己主張強いように見えて身も心も捧げ尽くしきってる尋常でない献身の主ですからね、かなり筋が違ってると思います。

……え? アーシャ? ……ぷ。

いや、もうあかんでしょう、これ(苦笑
お風呂に乱入した際にさえ、あれほど華麗にスルーされたとなると、よっぽど頑張らないと。頑張っても無駄、という気が確信レベルでしますが。無駄な努力乙。
いやだって、もう無理ですよ。これで他のヒロインが並みレベルならともかく、織姫がすごすぎますよ。これほどレベルの高いヒロインは他でもそうそう見ませんて。そんな彼女に対して、もはやネタキャラに首までずっぽりハマってるアーシャがどう抗うというのか。もう同じ舞台にも立ててませんし。
ルルイエ(仮)に引きずり込まれた時にルナと一緒に巻き込まれたのがアーシャじゃなくて織姫だったという時点で色々としれてしまってます。ルナの目にも、織姫が映るばかりでアーシャは眼中にもありませんしねえ……ご愁傷様でした。あとは、どの段階でアーシャ終了のお知らせ、がテロップで流れるかの時間の問題。

さて、雪風に目をつけられたハルは、しかしあんまり堪えた様子もなく戦力の増強を画策するあたり、やっぱり肝が据わっているというか、色んな意味でプロフェッショナルなんですよね。グダグダ迷走しないで、目的を達成するために、次々と算段を立てていく。この辺り、同じ年頃の男子とは一線を画していて、精神的に自立している姿は頼りがいあるんでしょうなあ、織姫や羽純がグラっと来るのも当然で、ルナが惚れ込んでしまうのもよく分かる。彼の強かさは身も蓋もない部分が多々あるので、ついつい自分がついてやらないと、と思ってしまうところもあって、織姫の立場からシてみても、彼はドストライクなんじゃないかなあ。
ともあれ、新たな力も手に入れて、とりあえず対抗できる余地は整ったものの、ハルの体調面はあんまり触れられてないけれど、何気に深刻な問題なんじゃないか、という素振りも見せていて予断を許さない。
次は再び雪風との激突と相成るのだろうか。

丈月城作品感想

カンピオーネ! 15.女神の息子4   

カンピオーネ! 15 女神の息子 (カンピオーネ! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 15.女神の息子】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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草薙護堂は神殺しである。
古代ガリアで繰り広げられる究極の神VS神殺し!!
目覚めてはいけない存在が目覚めるとき、ありうべからざる戦いが始まる…。

アイーシャ夫人の開けた『通廊』で古代ガリアに飛ばされた護堂、エリカ、恵那。その地で出会ったカンピオーネ、ウルディンを激闘の末退けた護堂は、同じ時代に来ている剣の王・ドニを止めるため再び戦いに赴く。戦いの最中に新たなまつろわぬ神と出会う護堂。運命に導かれし邂逅が、神殺したちに史上最大の危機をもたらす…!!
あははははっ、いや待って、こいつら、カンピオーネってマジでもう人間でも何でもないじゃん。今更と言えば本当に今更すぎるんだけれど、護堂、ドニ、アイーシャさんの三人が揃ってこうも不死身っぷりを魅せつけられてしまうと。一人ひとりなら、まだインパクトも一定にとどまろうというものですけれど、三人揃ってあれで死なないんですから。というか、死んでも殺しても死なないこの不死身っぷりは、吸血鬼だとかの不死性とはまた全然違う理不尽っぷりなんですよね。いや、神様だってもう少し簡単に死にますよ? って、実際に殺しまくってるんですが、この人達。護堂の死んでから蘇る権能や、ドニの仮死状態になる権能は以前にも見てたからまだしも、アイーシャ夫人のあれはなんですか? もう爆笑しましたよ、笑うわ!! これはひどい、もう本当に酷い(笑
本物の女神だって、あんな降臨の仕方しませんよ、もうちょっと自重しますよ。そりゃ、数々の女神がこの人についうっかり殺されちゃってるのも無理ないな、と異様なくらい腑に落ちる。自重を知らないって、本当に怖い!! 確かにこの人、羅喉教主と双璧だわ。敵わん、これとどうやって渡り合えばいいのか根本的なところから理解できないw
オマケのドニもですよ。不覚を取って敵に利用されるなんて、と思ってたらむしろ渡りに船みたいにその状況を利用しちゃってるし。この魔王の口から出る理屈は本当にさっぱりわからん!! むしろ、乗っ取った敵の方が好き勝手に振り回されてる始末だし。せめて、自由を喪った時くらい自重しようよ!! 
巻を重ねるごとに、どうやってこんな魔王たちが殺せるんだ? とどうやっても無理! という感覚が確固になってきて仕方ない。毎回言ってるけど無理、絶対無理(笑 

しかし、その魔王を殺すための存在である最後の王、その人がついに降臨。過去の時代、しかも不完全な形であり当人もあんまりやる気もなさそうな状態だったものの、満を持してという感じでさすがにラスボスの格あり、という人物であった。ラスボスというよりも、普通に好青年という感じなのが意外というか何というか。会話が通じる、というだけで好青年に見える、という時点でこの作品における神様とか魔王さまの破天荒さのとめどなさをある意味実感できるところなんですが、この場合会話が通じる理性的なところに凄味を感じてしまうあたりに、救いのなさを感じるべきかw
最近、良識派を気取ってた護堂さんも本格的に魔王化してきたしなあ。

特に、女性関係は完全に歯止め失ってますね、これ。これまではキスするにも魔術の供与という理由があったものの、現状ではこれ、殆ど言い訳程度にしか機能してませんし。それどころか、魔術関係なくいい雰囲気になってかなり密度の濃いベロチューをみんなとやりまくってるあたり、もうあきません、もう時間の問題です。護堂さん、完全に正気の状態でもう四人とキスするのに躊躇いなしだからなあ。
むしろ、四人いるからこの段階にとどまっている、と言っていいかもしれません。現状では、もう空気次第でイケるところまで行ってしまうだけ、護堂とヒロイン陣のタガは緩まっているようにしか見えないんですけれど、エリカたち四人とも結束が高まった分、抜け駆けする気が失せてるから個々で雰囲気が高まってもギリギリで自重する傾向が出てきてます。なので、その場の勢いとか流れでそのまま、という形では土壇場まで行きづらい事になってるんですよね。
凄まじいバランスで保たれてます。ここまでエロエロな雰囲気でもはや寸止めになってないくらいギリギリの状態まで行きながら、本当の崖っぷちで留まってる状態ですからね。なので、空気のピンクさが尋常じゃありません。普通寸止めだとやきもきして読んでるこっちも不満が溜まってきそうなものなのですけど、ここまではみ出した発情状態で留められると、逆にエロスが高まってもうエライコッチャです。
あとは、本当にちょっとしたきっかけだけだなあ。ちょっとした、でもちゃんとした舞台が整えば、あとはもう一気呵成。言うなれば、決壊寸前の秒読み状態か。特に、リリアナと祐理という大人しい二人が自重しなくなった上に、牽制しあってたエリカと恵那が今回の過去の旅で完全に息合っちゃったから、本当にもう枷らしい枷がどこにも見あたらなくなっちゃったんですよね。
こりゃ、近い将来、そこらの女の子がたくさんいるだけのなんちゃってじゃない、完全に完成した本物のハーレムを目の当たりに出来るかもしれない。

シリーズ感想

盟約のリヴァイアサン 33   

盟約のリヴァイアサンIII (MF文庫J)

【盟約のリヴァイアサン 3】 丈月城/仁村有志 MF文庫J

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激闘の末、ようやくパヴェル・ガラドをくだしたハル一行。平穏な学園生活をおくる彼らの前に、環太平洋エリアの特級魔女、ルナ・フランソワが現れる。“優雅で腹黒"というアーシャとはまるで正反対な彼女に、驚くハルだったが……突如、東京新都に雪風の姫が襲来する! 全ては《弓》の継承者であるハルの器をはかるために――「晴臣よ。ここを切り抜ける器量、おまえにあるかを試してやる! 」竜王と僭主、決して相容れない二つの宿星がぶつかり合う! 至高のドラゴン・エンタテイメント第3弾!
雪風ってもっと【カンピオーネ!】のアテナみたいなイメージで居たのだけれど、同じ女性型のドラゴンであり雪風のライバルであった迦具土が老練なせいか、雪風は血気に逸った小娘、って感じだったんですよね。勿論、竜王のふさわしい威風の持ち主でありその尊大さ、居丈高な態度に損なわれるものは何もないのですけれど、それでも女王や女神ではなく若々しいお転婆姫、なんですよね、雪風って。雪風さまをお転婆姫などと言ってしまうと噛み殺されそうですけれど、迦具土や主人公のハルが食わせ者、強かで狡猾、という直球勝負ではなく搦め手や切り札を切らない事で切り札となす、というタイプなだけに余計に雪風の直情さが目に付く、と同時に遥かに格上の相手にも関わらず可愛げを感じさせるんですよね。
まだ今のところ、一戦しただけで完全に獲物認定はされておらず、まだまだ雪風の姫がハルという人間を一人の男として認識し、食欲を感じるまでには至っていないので、ヒロインとしてはまだ舞台に立っていないのだけれど、ここからどう転ぶかは興味深いところ。当面の自分の遊び相手としては認識したようですし。
それよりも、むしろ気になるのは迦具土の方がハルの懐にようやく入ってきたことでしょうか。これまでは、敵対とは言わずともかなりハルも迦具土も相手に対してよそよそしい態度だったのだけれど、お互い歩み寄ることでアーシャとは違う意味での、密接な相棒としての関係を築きはじめたんですよね、この二人。むしろ、織姫の対抗枠は迦具土の方なのかもしれない。
かく言う織姫さんはというと、自分とハルとの距離感について悩んでいるようだけれど……この人、ほんと自分で思っているのと違って全然隙がないんですよね。M先輩に、普通にしていたらそれだけで圧勝、と評されるのも無理ないくらい女性としても性格的にも完璧だし、何よりこの娘、ハルの好みばっちりなんじゃないだろうか。
ここに来て、羽純が積極的にハルに関わってきていることを不安に思っているようだけれど、正直今の段階ではどうやったって織姫の優位は動かないですよ。でも、そんな自分の魅力がどれほど強いか、自分がハルにどんな風に見られているか気づかず、一方でもうハルの事が気になって仕方がない、というアンバランスな所が織姫という完璧少女の愛嬌にもなっていて、うん、この娘っていい意味でズブいのが魅力なんだよなあ。
で、逆にM先輩に問題外と切って捨てられてしまったアーシャさんw 一人、肩で風を切るようにして残念ロードをひた走る。もはや自爆じゃないのか、と思った色仕掛けが案外効果的だったのは笑ってしまったが。ある意味、勢いでそこまでやってしまえるというのはそれだけ追い詰められているのか、むしろ女子としての感覚がいささかズレているのか。そのどちらでもあるんだろうけれど、ハルって澄ましているようでわりと欲望に忠実な所があるので、結構色仕掛けのたぐいは有効なのかもしれない。
蛇使いとしても、プロの傭兵としても非常に優秀なのにねえ。女子力、という概念を何処に置き忘れてきたのか。

さて、肝心の《弓》の継承者となってしまったハルが置かれた状況だけれど、僭主同士の争いどころか、ついに雪姫という竜王にまで目をつけられ、もはやなあなあで逃げまわるには壁際まで追い詰められてしまったわけだけれど、ここでぐだぐだと悩まずサクッと肝を据えてしまうのがこの主人公の凄まじいところなんだよなあ。徹底した現実主義者(リアリスト)である彼は紳士足ろうとはしているものの、必要とあれば利己主義者足る事を厭わない。罪悪感を別の棚にしまえる人間なんですよね。勿論、リスクに見合うギブアンドテイクは基本として守る誠実さはあるけれど、なんというか彼にはヒーロー的な、ヒロインは守るもの、という意識が殆どない珍しいタイプの主人公なんだな、というのが今回の彼の言動からよくわかったんじゃないだろうか。ある意味、フェミニストでもあるんだよね、こういう態度って。これは、自立した女性にとってはむしろ対等の立場を取り、意志を尊重してくれるという意味でも好印象っぽい。そして、この作品に登場するヒロインは、一番大人しい羽純ですら、誰かに守ってもらうことを望むタイプの女の子じゃなく、積極的に自分の力で状況を打開する事を旨とするヒロインばっかりなので、その意味でもハルは異性としても友人としても、仕事のパートナーとしても彼女らの好みに見事に合致するんだろうなあ。
今のところ、アーシャのライバルであるルナ・フランソワは、登場した途端から大車輪の活躍だったにも関わらず、ヒロインとしてまだハルに殆ど関わっていないのだけれど、こういう出来る女からしてもハルは絶対好みだろうから、その手練手管に長けた妖怪みたいな狡猾さは、天然物の織姫の対抗馬になる器が十分にありそう。今のところ、デレてない社交辞令的な御愛想を向けているだけの【カンピオーネ!】のエリカ、みたいな感じなんだけれど、この手の女が恋愛方面に手段を選ばず本気になった場合のたちの悪さは、【カンピオーネ!】で十分味わっているので、今は動向がないにしても油断していいはずがありませんw これは、恐ろしい女だぞ。

1巻 2巻感想

カンピオーネ! 14.八人目の神殺し 4   

カンピオーネ! 14 八人目の神殺し (カンピオーネ! シリーズ)

【カンピオーネ! 14.八人目の神殺し】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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剣の王・ドニが魔術結社を招集して催した神獣狩りに護堂を招待する。
イタリアで再会した二人の神殺しに魔術師たちは騒動の予感を覚える。
不審な行動を取るドニを追った先で、謎の洞穴に吸い込まれた護堂、エリカ、恵那の三人はどことも知れぬ場所をさまようことになってしまう。
さらに、その地で護堂は新たな神殺しと邂逅する…!!
ついにこれまで沈黙を守り続けていた最後のカンピオーネ、【妖しき洞窟の女王】アイーシャ夫人が登場。これまでのうわさ話から、相当の食わせ者か狷介な妖女の類かと想像していたのですが……あかん、やっぱりカンピオーネは普通の想像の範疇にまるで当てはまらないわw
そもそも、洞窟に引き篭って滅多に人前に姿を現さない人嫌いの厭世家じゃなかったんですかぃ。むしろ、実態はそれの正反対。行動力やフットワークの軽さ、好奇心の強さなどは黒王子アレクに負けず劣らずですし、自由人としてはドニに優るとも劣らず。まああれですよ、この人もカンピオーネに相応しく、人類種最悪の傍迷惑の一角でした。むしろ、結果として傍迷惑な他のカンピオーネと比べても、その性格から権能まで戦闘よりも傍迷惑に特化してるじゃないかという傍迷惑っぷり。カンピオーネたちに面識のある人が、尽くアーシャ夫人が一番どうしようもない、というのもよく分かる傍迷惑っぷり。性格的にはむしろ温厚でいい人なんですよ。おっとりした楽天家で。ただ、ちょっと自己陶酔するところがあって、思い込んだらフワフワと足元覚束ないままエライことを仕出かしそうな……危なっかしいことこのうえなさそうな人だな、うん。しかも、この人の場合傍からコントロールが効きにくそう。翠蓮姉さんなんか案外チョロいところがあるし、ドニもあれでリベラさんがなんとか首根っこ抑えてる、ヴォバン公爵も暴君だけれど交渉の余地はある。しかし、アイーシャ夫人は天然な分、ちょっとどうしようもなさすぎる。誰も予想がつかないことを、どえらい方向に向かってホイホイとやってしまう系なので、備えも何もできなさそうだしなあ。本人、まったく悪意もなさそうだしw
でも、他のカンピオーネと比べるのも不毛なんですよね。結局、どいつもこいつも、という他ないもんなあ。マシ、という要素が微塵もない。プルートー・スミスが現状一番まともに見えるけれど、あれも当番回になったらアレクみたいに所詮コイツもカンピオーネ、となるんだろうし。
結局、アイーシャ夫人もこれとなると、どう考えてもカンピオーネの中に殺して死ぬような人が見当たらないんですよね。どうやったら死ぬんだよ、この連中。アイーシャ夫人なんか、これ相当酷い方法で神様殺してますよ。きっと、殺意もなくうっかり殺っちゃったんですよ。権能を簒奪した際のアイーシャさんのコメントが明らかにやっちゃった感が滲んでるんですよね。そんなつもりなかったのに、みたいな。だいたいこの人、神殺せるような権能持ってないじゃないですか。どうやって殺ったっつーんですか。
うっかりで神殺したカンピオーネは、さすがに歴史上でも滅多に居ないんじゃないだろうか。

とまあ、新登場のアイーシャ夫人にばかり言及してしまいましたが、今回のサブタイトルは八人目のカンピオーネ。そう、今いるカンピオーネは護堂を最新として計7人。サブタイトルが公表されたときには、まさか新しいカンピオーネの誕生か、と連想したのもむべなるかな。もしかして、ついにかませ役のカンピオーネでも出るのかな、と思ったのですが、こんな展開だったとは想像もつきませんでした。
自分としては、あんまりこの八人目のウルディンと護堂さんは似てるとは思わなかったんですけどね。以前表に出てしまった自己開放型護堂さんは、もうちょっとこうエキセントリックだったような(笑 まあもうちょっと厳密に言うと、女性の好みは別として欲望の方向性が異なってるように見えるんですね。あと、自分から積極的につまみ食いしに行くタイプじゃないと思うんだよなあ、護堂さんは。野生型のウルディンと違って、護堂さんの究極系って草薙のお爺さんみたいなスマートな紳士の進化系だと思うのです。あのお爺さんは本当にカッコいいもんなあ。
さて、図らずもアイーシャ夫人の大迷惑によってえらいところにトバされてしまった護堂さんたち。今回はエリカと恵那の二人が旅のお供。実は二人揃っての前衛型。エリカは器用ですし交渉力なども高いですけれど、こと戦闘となると、リリアナと比べるとやっぱり前衛なんですよね。という訳で、後衛のリリアナと祐理がいないと戦闘時に前がかりになってしまって結構不都合が出てしまうことが発覚。やっぱり、四人揃ってないとバランス悪いんだ。何気に、最近エリカたちも強くなったよなあと実感してたところに、まだまだ彼女たちなどヒヨッコよ、と言わんばかりにエリカたちよりも上位の魔女や騎士が出てきたことで、まだまだ彼女たちにも成長の余地があるんだなあと改めて。
個々の成長は別として、護堂さんハーレムはそろそろ次の段階に行ってしまいそうな気配。さすがに恵那の自由奔放さにはエリカもタジタジなところがあるようで。色事については積極的なエリカだけれど、何だかんだと彼女も品の良い淑女であって、あからさまにエロいことには怖気づくこともあるんですよね。恵那もそういうところはあるんだけれど、その発想には倫理面を置き去りにする部分があって、エリカが腰を引いてしまうという珍しいシーンが度々。でも、実は満更じゃなさそうなあたり、そこは護堂さん、頑張れ、ってなもんであります。そういう時、ガッといかないと。今回は、完全に素面でありながらかなり狼さんになっていたので、そろそろ据え膳も頂いてしまいそうな雰囲気だなあ。

で、今回一番傍迷惑の被害者になったのは誰でしょう……答え「修正力さん」。
自分、これまで見てきた中でここまで涙目になって必死で頑張ってそうな「歴史の修正力」は初めて見た気がします。確か、歴史の修正力ってやつは人知の及ばない超常的で無情で絶対的なとてつもないモノ、というイメージだったんですが、ここでは「もうやめてください、勘弁して下さい!」と泣きべそかきながら必死こいてる姿しか想像出来ません、なにこれw あ、あんまり虐めないでやってください、カンピオーネの皆さん。もうちょっと気を使ってあげてください、カンピオーネの皆さん。既になんか修正力さん、青息吐息な感じですから。もうやめて、修正力のHPはとっくにゼロゼロよっ!
だが断る、とばかりに勇躍盛大にやらかすサルバトーレ・ドニ。幻視するのはあまりのことに喀血してぶっ倒れる歴史の修正力。そして、そんなことをお構いなしに、ドニがやらかせば黙っていないのが、我らが護堂さんにアイーシャ夫人に、現地のウルディン。
あかん、そろそろ歴史の修正力さんが死んじゃいそうだ!!

シリーズ感想

盟約のリヴァイアサン 2 4   

盟約のリヴァイアサンII (MF文庫J)

【盟約のリヴァイアサン 2】 丈月城/仁村有志 MF文庫J


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《竜弑し》のルーン・弓の秘文字を授けられたハル。アーシャや織姫と共に、傍目には羨ましい学生生活に戻るのだったが――そんな日々も束の間、銀竜パヴェル・ガラドが日本に襲来する。彼もまた《竜弑し》の所有者、剣の秘文字を継ぐ者だった!
悪路王、水無月らリヴァイアサンと共に挑むハルたちだが、銀竜の猛攻に窮地に立たされる。そして、織姫が絶体絶命となったそのとき、ハルはついに“魔導の杖"を錬成し……!? 弓か剣か――いま、《竜弑し》同士の苛烈な戦いが幕を開ける! 至高のドラゴン・エンタテイメント、鮮烈に刻む第2弾!
 うおおおっ、織姫凄いわ、これ。この娘、カンピオーネ!含めた丈月城作品の中でも頭ひとつ抜けて女子力高いんじゃないか。この二巻で彼女のヒロインとしての真価を見るつもりでしたが、はっきり言って想像以上でした。うっかり癖と天然系の無防備さと脇の甘さも含めて、ほぼ完璧。カンピのエリカみたいな計算高さが無い分、聡明さが全然怖さに繋がってないんですよね。自分の意見はしっかりと持っているタイプにも関わらず肉食系には程遠くてガツガツしてないし、明瞭快活な割に奥ゆかしいし、素直で真っ直ぐな気質のわりに意外とクレバーだったり、ととにかく万能もいいところ。ヒロインの属性としても、彼女ならあらゆるパターンを網羅出来るんじゃないでしょうか。状況に応じて、様々なヒロインとしての顔を見せることの出来る器の大きさを感じさせられるんですよね。
主人公のハルが、普通の主人公と違ってかなり精神的に大人、しかも己の才覚一本で世の中を渡っていく経験と自負を持った自分以外に自分の主を持たないタイプの人間だけに、彼と対等に付きあおうとするなら女性側も相当に確固としたものを持っていないと容易に庇護対象として囲われてしまうと思うのですが、その点織姫はハルからどんな厳しくも過酷な要求を突きつけられても平然とこなしてしまいそうな感触があり、なんかもう出会うべくして出会ってしまった、というような二人なのである。なまじ、今回から本格的に関わることになった魔女の羽純が、虚弱で本来魔女としての資質に欠けながらも、大人しい性格とは裏腹の強い意志と覚悟を持ったまさしく正統派のヒロインとしてアピールしてきた事で、余計に織姫の比類なさが浮き彫りになった感すらある。
これはもう、アーシャどうするんだ!? と、思ったらこの娘、対抗心をむき出しにした結果……思いっきり正反対の大残念ヒロインの方へと突っ走りはじめたぞ!(爆笑
謎の怪人物M部長のアドバイスに従い、ただでさえ女子力ゼロなのにどんどんダメな方向へと転げ落ちていくアーシャ。M部長が悪いんじゃなくて、この場合はアーシャがもう、どうしようもないというかなんというか。お前はあれか、出来杉くんには敵わないからのび太くんを目指してしずかちゃんにこいつ自分がついてないとダメだと思わせて拾ってもらうという腹かw

さて、一巻ではいまいちシステムが良くわからなかった竜と竜殺しについて、ようやく得心のいく展開というか説明がなされた。そもそも、竜殺しとは名前の通り「竜を殺す」武器であり称号のはずなのに、どうしてその殺される対象である竜たちがこぞってそれを狙おうとしている、それも我がものとしようとしているのかが一巻を読んでて違和感が付き纏っていたところだったのだけれど、なるほどそういうことだったのか。つまり、竜とは種族としての意味以外に、存在の階梯…位階としての意味合いもあり、たとえ種族として竜ではなくても、たとえば人間でも、竜という位階に登る事ができ、その上で竜王の座を目指す事が出来るのか。
つまり、ハルもまた図らずも「竜」となり、竜殺しを継承した僭主となってしまい、竜王を巡るバトルロワイヤルの只中に参戦してしまった、というわけなのね。
何気に、ハル以外にも純潔ではない雑種の竜が多々いるようで、今回登場した竜王の一人、雪風もどうやらその一人のご様子。またぞろ、アテナよろしく主人公と血みどろに相まみえるを良しとしているタイプの危ない人のようだけれど、ハルって自分個人としても竜殺しとして戦えるけれども、むしろ魔女を介して魔女の蛇を強化して使役する方をメインにしているようなので、戦いのバリエーションはかなり多岐に渡りそうな予感。しかしまあ、相変わらずこっちも魔女の覚醒のさせ方がエロいなあ。身も心も明け渡させて、従属させて物理的にモミモミして、とやりたい放題。それを依存しがちのチョロいヒロインにやらすのではなく、自立し自己をしっかりと持った意志の強い、ある意味大人びた少女たちに自ら望んで貢がせる、という点でシチュエーションの勝利である。それを受けて立つハルが、また無菌的な性欲を持ってないような男子ではなく、むしろかなりすけべえなところのある、というかちょっとは思春期の男子らしく恥じらえ、と思うくらいふんぞり返った自称ムッツリスケベなので、食べられるシーンが実に美味しくいただかれている感じなのであります。さすが、丈月城さん、と言わざるをえないw

ちょっと性格的に暑苦しいきらいのある敵キャラ・銀竜パヴェル・ガラドが何気にしぶとい一面を見せ、さらに竜王雪風と新キャラの魔女登場と、さらについにハルが竜殺しを継承してしまったことが組織にバレ、とそろそろ本格的にガンガン話が進んでくる予感。こっから面白くなってきそう。

1巻感想

盟約のリヴァイアサン 4   

盟約のリヴァイアサン (MF文庫J)

【盟約のリヴァイアサン】 丈月城/仁村有志 MF文庫J

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天空より飛来するドラゴンの襲撃に、人類が脅威にさらされている現代。人は魔術によって創造された蛇霊体《リヴァイアサン》を駆り、抗戦の日々を送っていた。“蛇”の契約者にして、竜を討ち滅ぼす救世の戦乙女――《魔女》。彼女たちの契約をプロデュースすることを生業とする少年、ハルこと春賀晴臣は、幼なじみで欧州屈指の魔女、アーシャの(強引な)要請で3年ぶりに「東京新都」に帰還する。妖精のような容姿の少女に連れ添って、高校転入に拠点確保と奔走するハルだったが、突如、上位種のドラゴン“ソス”の襲撃に遭い――!? いま、竜と竜殺しの新たな神話が息吹きを上げる! 至高の《新生》エンタメ、堂々開幕!
300ページoverって、MF文庫Jにしては結構厚い方なのかな。持った感触が他のよりもちと重く感じたのだけれど。
というわけで、スーパーダッシュ文庫のほうで【カンピオーネ!】シリーズを絶賛刊行中の丈月城さんが、レーベルを移動しての新シリーズをスタート。元々、【カンピオーネ!】もあれはゴジラとかガメラなどの一種の特撮怪獣モノだと認識していたのだけれど、此方の【盟約のリヴァイアサン】は、ドラゴンが復活し自然災害のように都市部を襲うのが常態となっているというガチで怪獣モノみたいな話に。
カンピオーネで培った神話体系の起源を深く掘り下げた思想はこっちでも充分反映されていて、龍と蛇、女神と魔女と捧げられた贄、というカンピオーネでも語られた神話構造は、この盟約のリヴァイアサンの根底となる魔女と蛇も契約、竜と竜殺しという枠組みに組み込まれているので、あちらの薀蓄を楽しんでいるとこっちのお話もちょっと違う観点からも楽しめて実に面白い。
主人公となる春賀晴臣は、さすがは丈月さんの描く主人公というべきか、全然流されずに我が道を行くタイプ。面倒くさがり屋で現実主義者のわりに行動する労を惜しまず、やるべき事をちゃんとやり遂げる、いい意味でプロフェッショナルなので、見ていて頼もしい限りである。幼少から親に連れられ、さらに早くに父親を無くして一人で家業をついで世界中を旅して回っていたせいか、少年特有の幼さは微塵もなく、むしろクレバーで甘い夢を見ない完全に精神的に成熟した大人である。このあたりのワールドワイドなフットワークと視野の広さは、その辺のヘタレ普通主人公とは最初から全然違いますねえ。というか、このハルが高校に通ってるのってえらい違和感を感じるくらい。大人が、というか社会人がいまさら高校に混じってるみたいな。

一方でヒロインの方はというと……織姫が裏表のない素直で真っ直ぐなエリカ、という感じで、これを癖が抜けてエリカよりもキャラが弱くなったと捉えるべきか、それとも歩留まりがなくなってより最強化したヒロイン、と捉えるべきかは今度の描写次第なのでしょうけれど、なんかもう凄いイイ子であり、男前で快活陽性、その上で空気も読めて気配り上手、と殆ど現段階で無敵なんですよね。変に意地っ張りなところもないし、これデレたら前置きなしで一気呵成に急所狙いしてきそうな恐ろしいヒロインだぞ。
そして、ダブルヒロインのもう一人の片割れ、アーシャは……幼馴染キャラであるのだけれど、なんか足元がもつれてる残念女子ですよね! いや、こういうの大好きなんですけど。自分の気持に素直になれない、というよりもお手玉してしまって手につかなくて、あわあわ言ってるうちにひっくり返っておでこにアザ作ってうずくまりながら呻いているような子である、ってどんなイメージだ、我ながらw
典型的な大食いキャラなのだけれど、この手の大食いキャラは太らない体質です! と主張してそれで何の問題も無し、という風にスルーされているのが常だったのですが……いろんな人から、いやいやそれは体質じゃなくて若いからだろう、油断してると将来やばいよ? と指摘されて青ざめる始末。
あかん、アーシャ、ヒロインのくせに将来太りそうだw
でもまあ、残念女子なりに一生懸命がんばろうとしているところは好印象。ハルも鈍くはなさそうなので、伝わらないのは多分にアーシャの残念力にありそうですが。

彼女たち魔女が、人類の対竜戦の切り札として呼び出す「蛇」は、意外なことに「蛇」という単語から思い描くイメージには捕らわれていない。特に、織姫のそれは蛇や竜というイメージからは完全に逸脱してますしね。面白い。蛇周りの設定といい、彼女たち魔女と深く関連することになる、ハルが迦具土から与えられることになった能力といい、バトル要素は充実の一途。うん、やっぱりこの人の書くものはとびっきりにエンタメしてて、すこぶる面白いわー。
キーパーソンであり、ハルに力を授けアドバイザー的に振る舞う迦具土は、完全に味方ではなく、むしろ何を企んでいるかわからない食わせ者。立ち位置としてはむしろ、カンピのアテナサイドに近いのかもしれない。協力してくれていても、本質的には敵に近いような匂いすら感じる。デレても、アテナみたいに殺し愛い、にまでは発展しないだろうけれど、嬉々として弄ってはきそうだよなあ、この娘。

ともあれ、導入掴みとしては充分以上のスタートじゃないでしょうか。まだまだエンジン温まっているとは言えませんが、というかまだまだこんなもんじゃないでしょうが、あとは加速していくのみ。カンピ共々、楽しみなシリーズです、期待。

丈月城作品感想

カンピオーネ! 13.南洋の姫神4   

カンピオーネ! 13 南洋の姫神 (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 13.南洋の姫神】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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英国の魔王・アレクの元に二人の美女が訪れていた。
白き姫・アリスとサルデーニャの魔女・ルクレチアが、ある疑問を神殺しにぶつけると、彼はそれには答えず、なぜか曖昧な態度をとり続けていた。
一方、日本の魔王・護堂は東日本の媛巫女が集まる大祓に、祐理や恵那と共に参加していた。
当然、注目を一身に浴びていた護堂たちにもたらされた甘粕からの依頼が、魔王一行に意外な展開を与える!
南の島で祐理と二人きりになってしまった護堂だったが!?
あれ? 陸鷹化に義甥から義弟フラグが立った? そういえば、この子って14歳で静花と同い年なんですよね。まあ、立ったと言っても恋愛フラグじゃなくて、女王様と下僕フラグなんだが(笑 静花って兄の女性遍歴に苦言を呈するなどまともな振りをしているけれど、よくよく見ると女性キャラの中で一二位を争うヤバい性格の子なんだよなあ。流石は草薙護堂の妹、草薙一族の女であるw

クリスマスも終わり、歳の瀬も押し詰まった頃、草薙護堂は恵那のお誘いでエリカやリリアナも連れて大祓の儀式見物に。とはいえ、これ、大層な儀式ではなく、本質は媛巫女たちの組織の忘年会みたいな集まりなんですね。殆ど公式の場に出ない草薙護堂の、ある意味これは魔王としての日本でのお披露目会。VIP扱いは当然なのだけれど、窓口はエリカやリリアナが担当して護堂本人は遠巻きにして誰も直接話しかけてこない、という様子が王様の権威を見せつけられているようで、思わず笑ってしまった。美少女の媛巫女を両脇に侍らせて、人々が遠巻きに伺う中を悠然と会場を散策し、料理に舌鼓をうって寛ぎ、いつの間にか二人を連れて別室へとしけこんでしまう。傍から見ると、どれだけ謎の大物なんだという(笑
普通、こういう場面だと場違いなところに連れて来られた子供みたいに途方に暮れて、所在を無くしそうなものなんだけれど、護堂さんはわりとアッサリ馴染んじゃってるんだよなあ。この人、もう完全に自然体で王様として振舞ってるよねw
しかし、最近ちょっと恵那が可愛くて仕方ないなあ。登場した当初は「んんん?」とまだ馴染んでなかったんだけれど、この天衣無縫で無邪気なくせに実はあんまり強引じゃなく聞き分けのいい懐っこい子犬みたいなところが本当に可愛く思えてきた。これで、甘え上手で女っぽい色も備えているからたまらない。なんでエリカがこの子を一番手強いと感じているのかようやくわかってきた。恵那って、押しと引きの感覚が絶妙なんですよ。護堂って押しが強すぎると負けず嫌いな性格からか抗ってしまう傾向があり、さりとて押しが弱いと護堂からは寄ってこない。その点、恵那は結構がんがんと押してくるんですけれど、割りとすっと聞き分けよく引いちゃうんですよね。これが、護堂の性格にはピッタリ合っている節があるんだなあ。主導権を握りたがるエリカに対して、恵那は奔放に見えて実は一番大和撫子なんじゃないか、と思ったり。

さて、今回は何気にシリーズでもトップクラスに移動距離が長い話になったんじゃないだろうか。国内でも大祓の参加から犬吠埼への電車の旅。そこから飛行機でマレーシアに飛び、南国リゾートを堪能した後で今度は船旅で南シナの小さな島へ。とまあ、時期が年末だけあって日本では真冬の、南国では熱帯の、と全然季節感の違う旅行風情を堪能できて、今回けっこう贅沢な展開だったんじゃないでしょうか。
しかし、護堂さんのチームはこうして見ると本当に美少女を侍らした王様の遊覧にしか見えない(笑

結局終わってみると、今回の騒動もまた黒王子アレクサンドルが発端というか原因というか、お前のせいか! というお話で……まあこのシリーズ、振り返ってみるとどこ事件も概ね護堂さんを含めたカンピオーネがなんかやらかして起こっている気がするので、平常運転と言えばその通りなのかもしれないw
とは言え、今回の敵の女神様はこれまでの軍神たちと違って一筋縄ではいかない食わせ者。前回のサンタクロースの搾りかすも搦め手で仕掛けてきましたけれど、あれと違って今回は真っ当な(?)まつろわぬ神。それが、直接仕掛けてくるでもなくあれやこれやと手の届かない所からいくつも手を繰り出してくるという、護堂からすると初めての展開に苦戦の連続。なんだかんだとこれまでの神様は戦神として正々堂々と直接ぶつかってくるのを至上とする神様たちでしたからねえ。
しかも、今度の敵は護堂の権能を封じるどころか、奪って自分のものにするという事までしてくる始末。直接戦うことも叶わず、それどころか自身の能力を減じられた上で自分の権能とも対決することになった護堂。
しかしこうなると頼りになるのが、護堂の隣に侍る女性たち。多少手こずるとはいえ、強力な神獣相手に一歩も引かずに立ち回れるんだから、エリカもリリアナも強くなったものである。それに、恵那と天叢雲のコンビと来たらこと攻撃力に関してはカンピオーネやまつろわぬ神にも匹敵するほどになってきたんじゃないだろうか。恵那は、神と護堂の戦いに直接介入出来てますしねえ。
そんな前に出て直接剣や魔術を振るえる他の三人に対して、純然たる攻撃力を持たない祐理は後ろに控えてサポートに徹する、のがこれまでの形だったわけですが……もしかして一番レベルアップしてたのこの子なんじゃないだろうか。直接的な攻撃力を持たないなど何の問題にもならないほどの縦横無尽の大活躍。攻撃の補助や支援という括りを逸脱した、支えであり根幹を担うサポート。言うなれば、剣の鞘ではなく剣の柄。どれだけ刃が鋭く強大だろうと、それを握る柄がなければ振り回せないのである。
前回のリリアナの若奥様も良かったけれど、やっぱり祐理には「正妻」の風格があるんだなあ、と実感したまさに万里谷祐理回でした。女神相手に堂々と、あんな宣言しちゃうんだもんなあ、この子も別の意味でも成長してしまったものですw

さて、バトルの方ではついにアテナが護堂の為に遺してくれた遺産に、護堂が開眼。アテナ、こんなハチャメチャなものを護堂に贈っていたんかい。もっと使い勝手の良いものを遺してやれよ、と思うところだけれど、こういう制御できるかどうか関係なしの野放図な代物こそ護堂には相応しい、とアテナは思ったのかもしれない。何を考えて彼にこれを渡したのか、是非後々でいいから当人の口から聞きたいものである。あの描写からして、それは不可能ではないようだし。
肝心の眠れる「最後の王」については、女神様が残してくれた大ヒントにアレクの呟きから、おおよそ絞込みは出来たように思います。多分、これじゃないかなあ、と。

シリーズ感想

カンピオーネ! 12.かりそめの聖夜4   

カンピオーネ! 12 かりそめの聖夜 (カンピオーネ! シリーズ)

【カンピオーネ! 12.かりそめの聖夜】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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エリカや祐理は護堂の仲間ではない…!?
クリスマスも近づく時期、草薙護堂は心労を重ねていた。
七人目の魔王である護堂を監視するために派遣されてきたイタリアの魔術師・エリカやリリアナからの視線は厳しく、日本の正史編纂委員会からの遣い、媛巫女・祐理は護堂を恐れている。
もう慣れてはしまったが、ギスギスとした雰囲気に居心地悪くも思うため、護堂は彼女たちとの関係を改善しようと思うのだが…。
なぜか護堂には「今」のこの状況ににぬぐえない違和感があって…?
TVアニメ放送開始を7月にひかえ、さらに大注目の新神話第12弾!
神殺しに仲間はいない…!?
一応これはこれで日常回、という事になるんだろうか。
あらすじの不自然さから、護堂たちに精神干渉か記憶操作系の幻術が掛けられたのだろうという予測は立っていたのだけれど、そもそも外部からの魔術干渉が殆ど出来ないカンピオーネである護堂に何故幻術が効いているんだろう、という根本的な疑問から、派生する幾つもの小さな疑問があったのだけれど、それらについては作中にてマルっとちゃんと説明がなされていて、それもいちいち納得できる内容だったので安心した。端的に言うなれば、今回の敵の多くを望まず欲張らずに最低限必要な目的のみを達成するための限定戦術がかなり巧妙の作用していたのだ。絶対的な強者にまず力で対抗するのではなく、その力を使わせないように立ちまわる、というのはそれはそれで卑怯でも何でもなく、戦巧者と賞賛するべきで、護堂もこれについては特に怒ってたり憤っていたりはしてなかったんですよね。多分、彼がカチンと来たのは最後の最後に見苦しく情に訴えて来た所なんじゃないかと思うんです。護堂さんという人は、アレはアレで何だかんだと実に王様らしい人なので、他者を「憐れまない」。憐れまないからこそ、彼は他者を誰よりも尊重するし、それを踏み躙るような相手には怒りを隠さない。そして、敬するに値しない相手は一顧だにしない。
護堂さんは義姉の翠蓮姐さんをとんでもない人のように言ってるけれど、その振り幅はともかくとして性格の方向性は結構似てると思うぞ。
さて、孫悟空編以来の登場となった翠蓮姐さんですが、この人が登場するシーンになると、途端に文章の雰囲気まで中国武侠モノっぽくなるのが面白すぎる。これが、ジョン・プルートー・スミスの場合だとアメコミ風になるので、ぜひ比較してみましょう。
今回は事件自体がそれほど大規模なものではなく、というか原因はあからさまに翠蓮姐さんにあったので、彼女が参戦するなどといった展開はなかったものの、翠蓮姉さんの洞に招かれて、まったりと歓待を受けるというもしかするとバトルシーンなどよりもよっぽど希少なシーンだったんじゃなかろうか。
そうして発覚したのが、翠蓮姐さんの義弟へのダダ甘っぷりである。完全にダダ甘姉チャンじゃありませんか。およそ七十年ぶりに厨房に入り、護堂の為に手料理を振る舞うとか、姐さんどれだけ弟が来るのを楽しみにしていたんだ、と。護堂も珍しく周りの女性の中で翠蓮姐さんにだけは自然体で気を置かずに接しているので、二人のやり取りは掛け引き抜きの穏やかなものとなり、いい意味で緊張感なくニヤニヤできるのでした。ただ、ホントに自然体で接しちゃってるもんだから、翠蓮姐さんぶっちゃけ無茶苦茶な事を言いまくっているにも関わらず、護堂さんてば多少困ったふりをしてるけれど、全然無茶ぶりされてると思ってないんですよね。自然体過ぎて、魔王としての本性が抜き身で引き摺り出されてる気がする、あれ。お陰様で、ダダ甘姉弟のイチャイチャシーンにも関わらず、超常の存在が人倫の壁の向こう側で語らっている仙郷魔境のワンシーンにしか見えないという罠、なにこれ?(笑

さて、これまで築いてきた絆の記憶を失い、自然と疎遠になってしまった護堂さんと彼の女たちでありますが……ぶっちゃけ、疎遠になった程度なら何の問題もないんですよね。あの呼吸するように女をメロメロに落してしまう護堂さんが、疎遠のまま放っておくわけがないじゃないですか。ただでさえ、記憶の整合性については曖昧で虚が大きすぎる状態、ちょっと話せば簡単にしっくり行ってしまうのを感じ取れるくらいに身も心も合わせてきた女たちである。ちょっと一緒に過ごせば、途端に前とさして変わらない距離感に。いや、他の女たちと張り合ったり、これまでの経緯がない分、逆に自然にただの男と女として日常を過ごせたんじゃないだろうか、特にリリアナ。やっぱり、エリカは一番のパートナーだけあって、意気投合するのも一瞬だったんだけれど、彼女の場合切れすぎるから、そうなったらすぐにからくりに気づいちゃうんですよね。実際、エリカ、護堂と接触したら即座に状況の不審さに気づいて、全部解いちゃいましたし。その意味では、リリアナは鈍すぎる気もするんだけれど、その分存分に楽しんでたんだなあ、うん。
ハーレムの中で、リリアナが一番少女らしいという護堂の感想には全く納得。前は祐理の方が家庭的なのかと思ってましたけれど、実はリリアナの方がよっぽど家庭的で若奥様って感じなんですよね。ぶっちぎりでエプロンが似合うヒロインw こうして見ると、ひかりを加えて、ちゃんとエリカ、リリアナ、祐理、恵那と女性のタイプとしても、嫁のタイプとしても異なってバラエティに富んでいるのが見て取れて面白い。
と、同時に、ここに陸鷹化、甘粕冬馬、沙耶宮馨が加わることで、極めて高水準にバランスの取れたチームが現出する。個々の能力と共にその連携、バリエーションの充実度、後方の支援組織も加味すれば、草薙護堂は少なくともバックアップ体制においては容易に他のカンピオーネを凌駕していると言ってもいいだろう。自らの魔術結社を持っている黒王子アレクを始めとして、他のカンピオーネたちもちゃんと支援体制を築いてはいるものの、最終的にどこまでも唯一無二の単騎独行であるカンピオーネを、ここまでガチンコで支えられ、共に戦えるのはやはり草薙護堂一味だけに見えます。その意味では、確かに彼女たちこそが護堂のカンピオーネとしての強味だよなあ。その強みを削ってきた今回の敵は、目の付け所はさすがの着眼点だったと言っていいのだろう。詰めが悪かっただけで。

さて、幕間回、の気配もあった今回ですが……さすがにこれ、一連の最後の王に纏わる事件とは無関係のはず無いですね。あの棺で眠っていた神の亡骸もまた、最後の王と繋がっていたのではないでしょうか。それに、今回もミトラスの名前が出てきたのは無視できない要素ではないかと。結局、誰も彼もがミスラ=ミトラスと繋がっているんですよね。こうなってみると、あのペルセウスが生き残らずドニに始末されたことすら、ただの敗残処理なのではなく、最後の王の復活に纏わる意味のある結果だったのではないかと思えてくる。あの示唆からすると……もしかして最後の王って……ふむ。もし、この想像が当たっていたら、ラストバトルって本気でとんでもなく凄いことになってしまう。うははは、想像あたっててほしいなこれ。

シリーズ感想

カンピオーネ! 11.ふたつめの物語4   

カンピオーネ! 11 ふたつめの物語 (カンピオーネ! シリーズ)

【カンピオーネ! 11.ふたつめの物語】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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神殺しの物語、第二幕がついに上がる!!
待望のカンピオーネ!セカンドエピソード公開!!

草薙護堂は友であった軍神・ウルスラグナと相打ちとなり、神殺しの魔王・カンピオーネへと生まれ変わった。
かの神を殺す際、護堂に利用された神王・メルカルトは新たに誕生した王を次なる敵と定める。
さらにはイタリアの剣の王サルバトーレ・ドニも護堂に興味を示し、護堂との戦いを求めるが、それは彼の配下の魔術結社に所属するエリカの、護堂との別れを意味していた…!
魔王となったばかりの護堂の物語がついに明かされる!
いざキスをしなければならなくなったとき、受身でエリカにして貰うのではなく、あくまで自分から、という所が護堂さんの男前な所なのだ。
こうして改めて見ると、ファーストエピソードの時も強く思ったことだけれど、護堂さんって本当にエリカの事は特別なんですよね。こればっかりは、後でどれだけ周りに女性が増えても変わらない。むしろカンピオーネでなかったらすんなりと恋人同士になってたんじゃないかと思うくらいに、護堂はエリカのことを意識しまくっているのです。過去編はまさにエリカとの馴れ初め話で主だった女性が彼女しか登場しないだけに、より顕著に護堂さんの意識がエリカに向けられているので、その点非常にわかりやすい。特に、この頃のエリカはまだ護堂に対してツンデレさんなので、エリカの方からイチャイチャとくっついてくるわけじゃないので、余計に護堂が彼女を気にして気にして仕方ないのが傍目にもよくわかる。微笑ましいのは、エリカもエリカで護堂を意識しまくりながらも素直になれずにツンケンした態度をとってしまうところだ。今となっては、護堂を愛しているといって憚らず、熱烈なアプローチを常とするエリカの初々しい様子は、もう見ていて可愛いのなんの。あのエリカが、照れたり恥ずかしがったり、普通の女の子みたいにいじましい姿を見せてくれるんですよ。こりゃあもう、堪らん。
今でこそ清純派とは程遠い、いっそ艶美と言っていいほどの艶めいた色香で護堂を弄るエリカさんですが、この話を読んでしまうと本来は潔癖で身持ちのかたい乙女だったのがよく分かります。シチリアの熱い夜に貴方に純潔を奪われた、と度々護堂をこのネタでからかってたエリカですが、当時は決してからかい混じりに冗談で純潔を奪われたと言っていたわけじゃなく、本気でそう思ってたんですなあ。事後にベッドの中ですすり泣いているエリカの姿はなかなかショックでしたよ。もっとケロリとした顔で受け止めていると思っていただけに、彼女としても一大決心だったんだなあ。
結局のところ、エリカはあれだけ計算高く、賢明で抜け目がなく、常に客観性を失わない理性派なのに、護堂に関してはあれで一から十まで損得勘定は抜きなんですよね。まだ護堂のことを好きだと自覚してない頃から、自分の不利益も鑑みずに面白そうだからと理由をつけて護堂の世話にかまけて離れまいとしていましたし、いざ護堂が死地に飛び込んでしまった時には、今まで彼女が築きあげてきたものすべてを投げ捨てて彼のもとに駆けつけてしまっている。あとで上手いこと挽回して帳消しどころか自分の利益を確保しているあたりは、さすがエリカと言ったところですが、護堂のもとに駆けつけてきた時はそんな事頭になかったでしょうからね。
これほどの女性から、一生添い遂げる覚悟があると告げられて、痺れない男はいないでしょう。この時の護堂は、カンピオーネになったとはいえ、まだ成りたてで魔王の格なんてまだしっかりと持ちえていない段階。しかも、絶体絶命で自分の味方をしても損なだけ、という場面でしたしね。まあ、そういう彼我の状況と立場の軽重をわざわざ意識しなければならないような関係では、護堂とエリカはもうこの時点でなかったようですが。
実際、この二人は本当に良いコンビなんですよね。というよりも、護堂にとってエリカは既にかけがえのない存在、というべきか。あれほど絶対的で隔絶した強さを持つカンピオーネとなりながら、護堂にとってエリカが傍に居るのと居ないのとでは全然安定感が違うのだ。超越者は往々にして周りの追随を許さず付き従うものを添え者と化させ孤高を強いられるものだけれど、護堂に関してはむしろ独りでいるよりも、エリカが傍に居てこそ完成しているような雰囲気がある。なるほど、これは相棒であり伴侶である、としか言えない関係だ。エリカが、この人は自分が居ないとダメなのよ、というのもあながち自己アピールの一貫ではなく、客観的な一つの事実なのだろう。
しかし、一度自分の気持を素直に受け入れたあとの、エリカの積極性と情熱的なアプローチは、さすがはラテンの人である。二度目の教授の魔術シーンなんて、一度目とは全然雰囲気違ったもんなあ。あれほどエリカが我を失って恋に溺れ、官能と悦楽に浸ったのは、後の「少年」の権能を受けるまでなかったこと。まずもって理性をなくさないエリカが、素の感情をさらけ出して護堂に身を任せた本当に珍しい一例であり、それだけこの時のエリカが浮かれてた、と言うことなのでしょう。
可愛いじゃないですか。

肝心のバトルシーン。メルカルト神王との再戦と、因縁の間柄となるドニとの決闘が描かれるという、豪華二本立てなのだけれど、さすがにカンピオーネになったばかりで勝手がわからない新米の護堂さん。そりゃもう、死ぬわ死ぬわw
これほど短期間に雄羊の権能にこれだけお世話になったのは後々にも無いことで。それだけ危うい戦いだったんだよなあ。それでも死なずに、心も折れずに、カンピオーネとしての戦い方を身につけていく護堂さん。果たしてメキメキと魔王らしくなっていく、と見るべきかはたまた最初からこんなんだったんだよ、と見るべきか、なかなか難しい所である。
まあ、メルカルトは兎も角として、あのドニにこの時の護堂がよく勝てたよなあ。あれだけの死闘を繰り広げた直後に、普通に一緒に召し食ってるあたりに、護堂にしてもドニにしても、カンピオーネという存在が絶対的な強さによって成り立っているのではなく、その精神性、中身のハチャメチャさによってカンピオーネたるのだ、というのが如実ににじみ出ていたんではなかろうか。

これで護堂がカンピオーネになってからの一巻までのミッシングリンクはだいたい埋まったのかな。如何にしてあの自称平和主義者たる魔王・草薙護堂が形成され、エリカとの関係が築かれたのかが余すことなく描かれた過去編。どうやら後書きによると最初はこの前史については書く予定なかったようだけれど、読めて良かったですよ。ツンデレエリカという貴重な一品も見れましたね。
ついにアニメ化も決まりましたし、此方としては良き出来栄えを期待するばかり。やれば出来ると信じたい。あと、本編の続きもなるべく早く読みたいなあ(チラッチラッ

あと、さり気なくですけれど、序盤のほうでウルスラグナを神聖視する小さな魔術結社が使っていた魔術。ミトラの名前が出てましたね。ウルスラグナとの深い関係を考えるなら別段おかしくはないのですが、意味深ではある……。

シリーズ感想

カンピオーネ! 10.槍の戦神5   

カンピオーネ! 10 槍の戦神 (カンピオーネ! シリーズ)

【カンピオーネ! 10.槍の戦神】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫 

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神殺しは呪縛される――! 護堂が囚われた呪いとは? 黒き貴公子との対決の時が迫る!!

アテナとの最期の別れを経て、湖の騎士・ランスロットとの再戦に備える護堂たち。
イギリスの地に降り立った彼らは、白き姫君の力を借り、かの騎士の正体を突き止めようとする…。しかし、護堂は謎の女性との邂逅をきっかけに、神祖・グィネヴィアと共闘を強いられることに。当然、彼女を仇敵と定める神殺し・黒王子アレクとの対立が避けられるはずもなく、神殺しが相撃つ激闘が始まってしまう!
一方、護堂と引き離されたエリカやリリアナたちは…!?
ほんっっっっとうに大迷惑な存在だよな、カンピオーネってのは(笑
今までも散々散々言われ続けていた事だけれど、今回改めて再認識させられた。
人類にとってカンピオーネは「まつろわぬ神」に対抗できる唯一の存在だけれど、それを踏まえてなお大迷惑極まりない。生きた人間でありながらその実、台風だとか地震だとかと同じ自然災害と大して変わらない。
この【カンピオーネ!】なる作品。一応現代ファンタジーや伝奇ものというカテゴリーに当てはめられるんだろうけれど、最近これ「怪獣映画」なんじゃないだろうかと思うようになってきたくらいである。
さて、サブタイトルの槍の戦神。一体誰を指すのか発売前から色々と想像を巡らしていた訳ですが、ここは素直に前巻の続きからランスロット卿だった模様なのですが、その円卓の騎士たるランスロット卿の正体こそ驚愕でした。ヘロドトスさん、マジグッドジョブ。まさか、全身鎧の完全武装の騎兵というカテゴリーをそんな風に関連付けてひっくり返してくるとは。これは発想の勝利だし、何よりも面白い、実に面白い。ランスロットの正体に纏わる古代ローマ帝国と騎馬民族との和合の歴史も、歴史好きとしては非常に興味深いものだった。
私なんぞはこのカンピオーネ!の神話や伝説、歴史の薀蓄こそが何よりの楽しみだし、作品の醍醐味だと思ってるんだが、案外とこのあたり嫌い人も多いのかな。これがなけりゃカンピオーネ!じゃないし、「まつろわぬ神」という敵とのバトルにも「身」が無くなってしまうと思うんだけどなあ。
このカンピオーネに出てくる神様は、名前だけの存在じゃなくて神話に纏わる歴史そのものなのである。故にこそ、歴史が失われれば残された名前の意味も変わってきてしまう。
アーサー王を復活させようとした神祖グネヴィアの失敗も、護堂が戦ったランスロットが次に受肉したとしてもそれはアーサー王伝説の円卓の騎士ランスロットであり、護堂が知っているランスロットはもう二度と現れない、というのもそういう事。「まつろわぬ神」って、言うなれば情報によって構成された存在と言ってもいいのかもしれないな。

しかし、アーサー王が既に6年も前に復活していて、アレクたちによって討伐されていたとは驚いた! 「最後の王」がアーサー王でないのは間違いないと確信はしていたけれど、まさか既に「最後の王」ではないアーサーが現出していたという形で以て完全無欠に否定されるとは思わなかった。同時に、その「最後の王」がアーサー王伝説の元となった人物であったのも語られている。
そのアーサー王伝説がグネヴィアの肝いりで意図的に流布されたもの、という話はこれ面白かったなあ。アーサー王伝説を流行らせた著者たちがみんなとなるあの組織のメンバーだった、というのも実に興味深い。とは言え、仕込みが上手く行きすぎて大失敗につながってしまうあたり、グネヴィアって策謀家というわりにポカが多いよなあ。アレクは彼女の欠点についてえらく具体的に論っていたけれど、なるほどなあ。

黒王子アレクと護堂の相性の悪さは、近親憎悪でしたか。お互いに自分だけはカンピオーネ!の中で常識人だと思っている者同士。そりゃあ、なんかカチンと来るわなあ。アレクも、ちょっとはまともな人だと思ってたら、言ってる事もやってる事も無茶苦茶もいいところで、自分の非常識さを全く省みていないあたりは護堂よりも酷いと思うぞ。護堂はまあ、それなりに自分の破壊神っぷりには自覚あるし、なるべく被害を出すまいと心がけているし。それが実ったこともないし、そもそも肝心な場面になったら心がけなんてさっぱり忘れていますけど。
ヴォヴァンは魔王そのものだし、翠蓮姉さんはあの通りの人だし、ドニはまるっきりのバカだし……まだ名前しか登場していない一人を除くと、アレクも護堂もこの有様だとすると、一番まだマシなのってやっぱりジョン・スミス・プルートーになるのかなあ。あの人、残念な人だし変人だしプルートーになりきっている時はもうどうしたもんだろう、というタイプの厄介な人だけれど、それでも中の人は基本的に護堂よりも常識人だもんなあ。少なくとも、正体を見破られない程度には一般人として溶け込んでいるのはその証左でしょう。
ただ、プルートーがメインで描かれる事があったら、やっぱりこいつも所詮カンピオーネだ、という事になってしまいそうだけれど。
……「最後の王」はいわゆるカンピオーネを殲滅するための存在、なんだそうだけれど、この魔王どもがやられてしまうイメージが一人足りとも浮かばないんだが。無理だろう、これ。


粗筋にもあるように、今回の護堂さんは敵にある呪いをかけられてしまたことで、普段は頚木によってつながれているはずの本性が、完全にオープン状態に。
建前に縛られなくなった護堂さんの無敵っぷりが……あまりにもあまりにも。
やばい、護堂さんノリノリだ。プレイボーイっぷりが留まるところを知らないぜ。これ、性格を変えられているわけじゃなく、あくまでしがらみを取り払っただけ。これこそが素なのだというけれど……やっぱすげえぜ護堂さん。
むしろ、女性関係よりも闘争本能の方が凄いことになってた事のほうがインパクトはあったかも。本当の護堂さんはこんなにも好戦的だったのか。
女性を魅了してやまない護堂さんだけれど、面白いことに他にちゃんと意中の相手がいる女性は護堂さんには反応しないんですよね。アリスや、アレクの部下のアリシアなんかを見てるとよくわかる。ああ、そう言えばアレクってあれ自覚ないけれど、だいぶアリスの事気にかけてるんだなあ。グネヴィアに不快を通り越して殺意を抱いている理由の大きな一つが、どうやらアリスに纏わることだったのをポロッと漏らしてたし。アリスはアリスで、アレクのこと天敵だかみたいな事言っているけれど、護堂にアレクについて話している時なんて、「うちのアレクは」ってノリですもんねえ。二人してツンツンしてないでもうちょっとちゃんとイチャイチャすればいいのに。アリスも、護堂さんの陣営は進んでるなー、などと感心してないで。
と話を戻すと、護堂さんのプレイボーイっぷりはたとえ神様だろうと女であれば通じてしまうのですが、女神が護堂にベタボレになると「彼と死力を尽くして思う存分心ゆくまで戦いたい!」になるのはなんか凄い。さすが「まつろわぬ神」「戦神」というべきか。「好敵手」と書いて「親友」と読む、というのはよくあるけれど、カンピオーネのこれはさしずめ「好敵手」と書いて「愛人」と読む、とでも言うのか。
そんな二人の戦いはとかく痛快、楽しげに笑いながら存分に全力を振るい死力を尽くしあう闘争は燃える燃える。もう無茶苦茶熱い戦いだった。
敵でありながら誰よりも心通わせあった「運命」。なればこそ、アテナやこの女神の権能は護堂に受け継いで欲しかったなあ。どうやら作者は護堂の権能をウルスラグナと天叢雲に限定するつもりのようだけれど。まだウルスラグナの権能と天叢雲との合わせ技は見せていないパターンがいくつもあるし、今回「剣」の使い方にアレンジを加えたようにさらなる進化を秘めているようで、ネタ切れという事はまずなさそうではあるのだけれど。

ラストには、まさかの「彼女」の復活!? うおおおっ、これはまったくのサプライズ。とは言え、以前とは多分存在としては「異なる」もののはずで、護堂との関係も果たして前と同じ形になるのか。いずれにしても、彼女がまた出てきてくれるとは嬉しい限りだ。

次回は一旦本編を中止して、再び過去編へ。そう、カンピオーネになりたての護堂とメルカルト神との決着編であり、エリカが本格的にデレることになるエピソード2である。エリカが以前から「自慢」している、護堂に純潔が奪われた、というエピソードも多分ここのはずなんですよね。色々な意味で楽しみすぎる。

シリーズ感想

カンピオーネ! 9.女神再び5   

カンピオーネ! 9 女神再び (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-9)

【カンピオーネ! 9.女神再び】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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女神は神殺しとの戦を望む

ついに訪れた女神との再戦の時。
手の内を知られた護堂に勝機はあるのか!?

草薙護堂の前に、再び現れたまつろわぬ女神アテナ。
何でもひとつ言うことをきくという、護堂が以前助けられた際にした約束を盾に再戦を望むアテナは、争いを望まない護堂の拒否を認めない。
ついには祐理やリリアナを石化し、人質にするという強行的な手段で、護堂との戦いを開始する。
アテナが勝負を急ぐのには差し迫られた理由があり…!?
新神話第9弾は激闘の調べ!!
そうかー、そうだよなあ。アテナがアテナである以上、先の羅濠教主と同じパターンになることはなかったんだよなあ。それでも護堂さんのプレイボーイっぷりに期待した所だったのですが、実のところ護堂さんって女性に甘いという意味でのフェミニストじゃないんですよね。アテナとの初対面からこれまでの関係を思うなら、両者はどれほど互いに好意を抱こうとも、いや互いに好意を抱くからこそ「良き敵」となる以外有り得なかったんだよなあ、と改めて納得した。護堂さんの良い所は、自分のエゴを押し通す意思と気概を持つと同時に、相手のエゴを認め受け入れる度量も持っている所。あそこでアテナの誇りを認めて、納得し、惜しまず哀しまず、ただ寂寥と喪失感を胸に宿して送り出せる護堂さんは、先ずなにより「王様」なのだという事がよくわかる。
これは彼の周りに侍る女性陣に対する態度にも如実に現れていて、特に今回心底感心させられたのが、夜伽を申し込んできた恵那に対する対応。結局ここで護堂さんは恵那の申し出を断ってしまうのですが、その理由がヘタレて逃げを打ってるどころかむしろ凶暴とすら言っていい理由なんですよ。これ、護堂さんの言ってることよくみると、色々な意味で凄まじい事言ってますよ。現場についても自分が魔王である事の自覚を今までになく強く意識し自覚した発言であると同時に、将来についてはもっと凄まじい事になることを前提にしていらっしゃいますし。さらに恐ろしいのは、これだけ横暴にして自分のエゴを押し通す事を言ってのけながら、しかし健気なくらい懸命な恵那にはまったく恥をかかせずに、むしろより柔らかく包み込むように場を済ませてしまっている所である。普通、ここまでのシチュエーションになったら、恵那か護堂どちらかが傷つかずには済まないと思うんだが、護堂さんの人垂らしはやっぱりパねえっすわー。まあ、その後本番さえしなきゃいいよねー、って感じにチュッチュイチャイチャしていやがりましたが。もうそこまで行くならどっちでもいいじゃない、と思わないでもないのだけれど、今の護堂さんだとそれ以上やると歯止めきかなくなってしまうんだろうなあ。今ですら、ちょっと前と比べると随分と歯止めきかなくなってるし。もう、自分からキスすることに対して躊躇いもしなくなってきてるもんなあ。
この分だと、護堂さんの言うところの器が出来上がるのはそんなに先のことじゃないような気がする。最初の、それこそアテナと最初に戦った頃と比べても、王としての自覚が段違いに出来上がってるし。しかし、同時に変化がないのもまた護堂さんなのかもしれない。アテナも、あなたは変わらないな、と呆れながら感心してたくらいだし。変わるべきところは変わり、不変たるべきところは変わらない。良き成長をしてると言えるのだろう。まあその成長というのも、人としての成長ではなく明らかに「魔王」としての成長なんだが。
うーん、こうしてみると護堂さんって、尋常じゃない女たらし、有り得ざるプレイボーイ的な見方ばかりされてますけど、実のところあんまり描写されてないだけで護堂さんって男にもモテてるっぽいんですよね。これ、BL的な意味じゃなく。陸鷹化に対するコメントなんか笑っちゃいますよ。鷹化の人柄に対してやれ一言多いし口も悪い、無駄に挑発的で気難しく偏屈。と散々論った挙句に
だが護堂には「甥」の生意気さが微笑ましくもあった。
この人、多分性格的にヤバかったり難しかったり面倒くさい男にこそ、より慕われるたちなんじゃないだろうか。多少どころでないヤンチャでも、護堂さんなら笑ってまあ何とかしてやるよ、と請け負ってくれそうな雰囲気があるわけで。昔、キャッチャーでならしてたそうだけど、気難しい投手連中にもモテたんだろうなあ。しかし、陸鷹化ほど危険でヤバい男をして、微笑ましい、ときたもんだ。可愛い甥っ子ときたもんだ。これを「王様」と言わずして何というのやら。

さて、再び視点をヒロインに移してみましょう。今回はエリカさんが後半までイタリアの方に出張に出かけていたおかげで、概ね恵那嬢のメイン回と言っても良かったようで。彼女も最初に登場したときは護堂さんにも胡乱に思われていたようだけど、此処に来てポディション固まったなあ。あっけらかんとして男友達のような気安さで付き合えると同時に、女の子としては一途で健気。同じ健気な万里谷と比べて、サッパリしている分、幼いくらいの無垢さとまっすぐさがあって、この娘はこの娘で非常に魅力的なヒロインとしての出力があがってきたっ!
そう言えば、万里谷の方はなんでエリカを差し置いて正妻正妻と言われてたのかが良くまだ理解できてなかったのだが、皆との関係が成熟してきてようやくなぜ彼女が「正妻」なのか何となく実感できてきた。なるほどなあ。確かにこれは、たとえエリカが一番で第一夫人だとしても、万里谷は「正妻」だわ(苦笑
で、護堂さんの女であると同時に、戦友でもある彼女たち。此処に来て彼女たちもようやくガチンコで主と肩を並べて、あるいは主の背を守れるだけの実力を備えはじめてきた感じ。尤も、今までが足手まといだった、なんて事は全く無かったんですけどね。ホントにそういう印象全然なかったんだが、言われてみると確かに今までの彼女たちの実力では神々との闘争に介入できるまでの力は持ってなかったんですよね。持ってないにも関わらず、彼女たちはこれまでそこに勇躍飛び込んで護堂さんの力になってたんだから大したもんだわ。そこからさらに力を蓄え、まさしくカンピオーネ・草薙護堂の家臣と呼ぶに相応しい実力をふるえるようになってきたのだから頼もしい限りである。恐ろしいのは、彼女たち以上の騎士、魔法使いたちがまだわんさと居るって所だよなあ。それらを飛び越え、護堂たち魔王が存在しているんだから、とんでもない世界である。

とんでもないっちゃー、今回のアテナの暴れっぷりはまあとんでもなかった。さすがは戦女神アテナである。スケールがケタ違い。最初の戦いも相当にむちゃくちゃでしたけど、石化能力なんか笑っちゃうくらいだもんなあ。そこらへんの漫画やゲームのラスボスが束になっても敵いませんよ、これ。

恒例の薀蓄は、今回はわりと少なめ、と感じた気がしたけどよくよく振り返ってみると、アーサー王関連について結構掘り下げて書いてありましたね。しかも、今回って改めて見ると、エクスカリバーVS天の叢雲というデタラメと言っていい対決になってたんだよなあ。ともすれば有名すぎる剣同士すぎて、陳腐に成りかねないラインナップにも関わらず、それぞれ虚栄となりかねない名に対して、しっかりと実を与える、情報、歴史、伝承、神話、解釈、考察、ハッタリの積み重ねがあったが故に、栄えのある戦いになりましたね。とはいえ、どうやらまだこれは序の口。どうやらまだ真打ちとなるべき一戦が待ち受けているようですが。

とりあえずグネヴィアたちは、眠る最後の王がアーサー王という認識で疑いもしていないようだけれど、いや事実アーサー王でもあるのだろうけれど、黒王子アレクの言い様だとやっぱりただそれだけではなさそうなんだよなあ。どうやら彼は既にある程度その正体について推察が出来ているようだけれど。
あ、そうそう、この黒王子殿ですよ。この人、ダメだろう(笑
この人だけは、まだ人格的にマシなんだと思いたかったんだが、全然ダメだよ! 何が巻き込まれ型ですか。厄介ごとに首をつっこむどころか、完全に自分から厄介ごと巻き起こす方じゃないですか。ドニや翠蓮やヴォバンと何も変らないよっ。どこをどうひっくり返しても魔王でしかないよ。ああやっぱり、カンピオーネってのはどうしようもなくカンピオーネでしかないのか(苦笑

因縁の、あるいは宿命の好敵手であったアテナ。義姉となった翠蓮とは別の意味で、護堂の行く末を見守り、敵として寄り添い続けるはずだった女神。それがいなくなってしまうのは、やはり寂しい。どこか、あのウルスラグナとの戦いと別れを想起させる。そうか、護堂がカンピオーネとして得る力というのは、普通の魔王のように神から奪うのではなく、親愛を以て授けられるものなんだなあ。今はまだ眠れる力のようだけれど、アテナがくれた力はいずれ護堂にとっての最大の切り札になるような気がする。彼女は、護堂が自分以外の誰にも負ける事を許してはくれなさそうですしね。

カンピオーネ! 8.受難の魔王たち4   

カンピオーネ! 8 受難の魔王たち (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 8.受難の魔王たち】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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魔王と姫、謎を求める!!
王の秘密に迫る探索の手! 護堂はその身を護ることができるのか!?
イタリアが誇る二人の少女騎士が出会う脅威の剣士!?
王の寝所の一端も明かされるミスティックファンタジー第8弾!!

ある日、護堂は東京の女子大に通うはとこのさくらの訪問を受ける。
さくら曰く、いま東京には暴虐の限りを尽くす魔王がいるそうで、その正体を突き止めたいとのこと。
もちろんそれは七人目の神殺し・草薙護堂その人に他ならず…。
困った護堂がとった行動は?
さらには、若き日の魔王・アレクとプリンセス・アリスが出会う聖杯にまつわる事件やエリカとリリアナが騎士となった際に出会った謎の人物との一件など新神話第八弾は珠玉の挿話集!!
とりあえず、護堂さんのみならず、草薙の一族は総じてヤバいというのがよくわかった(笑
なんだよー、護堂さんと前々から名高い爺様だけじゃなかったのか。恐るべし草薙家。男系のみならず、女系の方もアレだったのね。日頃から護堂さんの女性関係にうるさい妹の静花にもしっかりと草薙家の血が混じってる事が発覚。というか、草薙母が爺様に負けない男殺しだったことに爆笑してしまった。なんだよ、草薙家の女は代々「魔性の女」「天職・女王様」ってのは! どうやら静花にもしっかりとそうした血が流れているらしく、濃ゆい草薙護堂の女たちに混じってもまったく見劣りしていない。一般人とか関係ないのな。
その草薙家の血は、分家の方にもしっかり流れているらしく、はとこにあたる香月さくらも、これは相当のタマだ。先のリリアナの調査で発覚していたあの、子供の頃に護堂が結婚の約束をしていたという、あのはとこである。女王様とはベクトルが違うのだけれど、あの並外れた暢達とした鷹揚さは多分、エリカですら一筋縄でいかないぞ。暖簾に腕押し、だもんな。扱いやすそうだから油断するかもしれないが、なにかいつの間にか自分のペースに巻き込んでいるような、肝心の部分でコントロールしきれないところが見受けられる。おそらくこれは、リリアナや恵那ではちょっと無理だ。かろうじてエリカなら、彼女なら上手くコントロールできそうだけど。それでも、この娘についてはなし崩しにハーレムに居座ってしまいそうなところがある。さすがは草薙の一族(笑

シリーズ初めての挿話集。草薙護堂の平穏な普通の一日が描かれているわけだが、実は護堂さんの仰る普通や平和とは、一般的な意味における普通や平和とはかけ離れたものであることがついに露呈する。なんという巧妙な叙述トリック! な、はずがないでしょう(苦笑
このヒト、この期に及んでも自分が普通の高校生だと思ってる節があるんだよなあ。幾ら何でも無理がある。ありすぎる。もし仮に、護堂さんは神を殺してカンピオーネなどになっていなくても、魔術の世界に首を突っ込んでいなくても、一般人であろうとなかろうと普通の学生の範疇じゃねえよ!(笑
最近、とみに女性の扱いに長けてきてしまっているし。日光決戦以降はその傾向もかなり顕著になってきているのではないだろうか。

とりあえず、記憶の改竄をそれは良い手段だ、と何の忌避感もなく安心すらして受け入れてしまう護堂さんはさすがとしか言えない(笑
自称平和主義者なんだけど、護堂さんの清濁併せ呑む性質はやはり巷の主人公の性質からは逸脱してる。善良でイイ人なんだけど、許容できる領域が普通の人と全然ズレてるんですよね。その点、護堂さんは間違いなく「王様」なんですよね。特に荒事が起こらないこうした平穏なイベントのさなかですら自然に護堂さんの「王様」としての一面が浮き上がる事で、護堂さんの語る普通が如何にズレているか強力に伝わってきましたw
しかし、日光決戦以降、リリアナは完全に護堂さんと噛み合っちゃったなあ。以前の空回りっぷり、一人だけヒロインとして置いてけぼりにされていた時期からすると、隔世の感が有る。ホントに、護堂の傍で細々とプライベートを仕切る姿が堂に入るようになってるし。今や押しも押されぬ、護堂の副官、侍従長である。
ただ、リリアナのポディションが明確になったことで、余計にエリカの女主人として、宰相として、奥の院の取りまとめ役としての立ち位置が確固としたものになったのは皮肉な話だけど。
護堂さんも色々と受け入れちゃったのか、以前はエリカが色々と画策するのを困った顔で眺めていたのが、今やエリカが護堂さんを頭にした新たな魔術結社を立ち上げるために精力的に立ち回っている姿を、よくやってくれているなあと言わんばかりに満足そうに頷いている有様だもんな。もう完璧に王様だよ。


さて、今回は護堂さんの話だけでなく、他のカンピオーネ。サルバトーレ・ドニと黒王子アレクサンドルの短編も。特に、アレクについてはまだ本編でちゃんと出ていなかったので、どういうキャラなのか興味を募らせていたところなので、大変楽しめた。
以前、アリスがチマチマした性格などと評していたことと、ちらっと出たときに他の破天荒なカンピオーネたちに比べて生真面目な感じがしたので、もしかしてかなりまともな、珍しいカンピオーネなのか? などと思ったりはしませんよ、ええ。だって、カンピオーネだもんw
いや、それでも概ね良識的な人物であったのは意外でもあり、納得でもあり。基本的に性格もネジ曲がってもいないし狷介な人物でもないし、多少見栄っ張りなところはあるみたいだけど、こういう人柄なら護堂さんとも相性は悪くないんじゃないだろうか。
アリスとのコンビは思ったよりもいい雰囲気じゃないか。護堂さんにエリカが居たように、アレクと奔放なお姫様のアリスとの角のつつき合いは、アレクからすれば心外だろうけど、二人ともなかなか楽しそうである。あの様子見てると、アリスはアレクに夢中のようにしか見えないぞ。少なくとも、本当に天敵同士ならアリスはあんなに嬉々としてアレクにまとわりつかないだろうし、アレクもアリスをやり込めるネタを愉快そうに収集しないでしょうに。
武人や魔術師が多いカンピオーネの中で、アレクは考えてみるとかなり特異なポディションなんですな。言わば、自分の好奇心や知識欲を満たすのを目的としている学徒であり探求者、という立ち位置みたいだし。その為ならば、周りの迷惑省みず、というのは実にカンピオーネらしいw それでも、ちょろっと出てた話からすると、一般人相手には無茶や強引な事は避けてる、というか良心が咎める人らしいので、根はほんとイイ人なんだろうなあ。
ドニなんか、そういうの頓着しなさそうだし。でも、護堂さんやプルートー・スミスも基本的にイイ人ですし、今代の七人のカンピオーネは比較的話の通じる人が多いんじゃないだろうか。
そういえば、さらっと七人のカンピオーネの最後の一人の名前が語られてましたね。中東は洞窟の魔女、永遠の美少女アイーシャ夫人か……なんか、ヴォバン侯爵並みにヤバそうな予感がするなあw

アレクの話では、さらっとどうやら今後の展開の伏線となる話、「鋼」の最後の英雄についての話が。え!? こんなところで答えが出ちゃうの!? と一瞬驚いたけど、どうやらあくまで候補か、アバターの一つと考えるべきなのだろう、あの英雄は。
魔女たちの英雄の逸話と絡めて、相変わらずこの蘊蓄は面白い。あのメンバーの多くにそんな原典となる由来があることすら知らなかったよ。そして、唯一あの人物にだけ原典となるものがない、という話にも。この作品の蘊蓄話って、話はさして長くないのに情報密度が高くて内容も斬新で論旨も理解しやすく通っていて、論点も非常に纏まっているので、知識欲を異様に満たしてくれるんですよね。そして、その蘊蓄話はストーリーに関係ないどころかとても深く絡んでくるから、ついつい読んでいるこちらも釣られて考え込んでしまう。
さて、かの英雄の特性を踏まえた上で、東西に跨る存在か。一つ、予想する神格はあるんだけれど、あ、もし自分の予想があってるなら、今月出たあのラノベの主人公がそれに当たるのか!?
でも、これはよっぽど世界各国の神話や伝承を深く理解し解釈しないとなかなか的を射るのは難しいだろうなあ。
だが、こうして色々と考えるのは楽しいのう。


シリーズ感想

カンピオーネ! 7.斉天大聖5   

カンピオーネ! 7 斉天大聖 (集英社スーパーダッシュ文庫)


【カンピオーネ! 7.斉天大聖】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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魔王集結!
天に斉(ひと)しき神を滅するため、大地に降り立つ三人の魔王。
少女の姿を身に纏うまつろわぬ神はそれさえも切り裂くのか!

祐理の妹・ひかりの身体をのっとったまつろわぬ神、斉天大聖・孫悟空。
日光の街を自らの王国へと変貌させる神に対し、羅濠教主との戦いで既に満身創痍の護堂に打つ手は!?
そして、ついにこの地に姿を現す第三の魔王、ジョン・プルートー・スミス。
冥王が護堂にもたらすものは勝利か破滅か!?
神と魔王が相討つ戦いがいま全てを薙ぎ払う!!

護堂さんは、もう格が違うよ! 次元が違うよ! 凄すぎる、何この人もう凄すぎる!!
主人公としてこの人、もはや余人が登れないような高みへと立ってしまった、と言っても過言ではないのかもしれない。
そしてなにより……護堂さん、ついにハーレムを完成させてしまいやがったーーっ!!
将来の話じゃありません、確定に近い未来の話でもありません、まさかまさか、いくら護堂さんでも、と思っていた自分はまだまだこの魔王を甘く見ていたのでしょう。護堂さん、この巻で本当にハーレムを成立させてしまいましたよ!!
これは、あのエリカですら想定外だったでしょう。彼女の発言を見る限り、今はまだ準備段階であり、将来的に形成されるであろうハーレムの主導権を握るべく立ち回っていたのは明らかなのですから。
それが、「少年」の権能の効果があったとは言え、護堂さんの周りに集った乙女たちはあの宴を境にこれまでとは決定的に変質してしまったわけです。何が変わったか、というと護堂さんの主体性ですね。これまでは、エリカを含めて、リリアナ、祐理、恵那の四人は言わば彼女たちの意志と都合によって護堂さんに侍っていたわけです。護堂さんは彼女たちを大切な友人として扱ってはいたものの、自分の都合を彼女たちに押し付けるような事は嫌がっていたわけです。
ところが、この巻において護堂さんはついに、自分がカンピオーネとして何をどうしようと厄介ごとが降りかかってくる宿命にあることを受け入れ、その厄災に彼女たちを自分の都合で巻き込む覚悟を決めたわけです。それは、彼女たちの生死も含めた全てに護堂さんが責任をもつということ。彼女たちを丸ごと受け入れるということ。彼女たちに自分の為に生き、自分と共に死ねと誓わせること。無論、もうとっくに彼女たちは護堂さんにその生涯を捧げていたわけですけれど、これは護堂さんがこれまで受け取ろうとしていなかった彼女たちの誓いを、ついに受け取り、自らも誓いとして返した事になるわけです。
つまり、護堂さんがあとでどう言い繕おうと、お前らみんなオレの女だ! と誓ったも同然。
やたらと女の子に好かれて周りに女性が集まるハーレム系主人公は昨今珍しくないですけれど、ここまで明快に全員引き受けた主人公って初めてじゃないだろうか。
ただ、これほどの男には侍る女の方も並みの女じゃ付いていけないんですよね。護堂さんの器に収まるには、女性の側にも相応の器というものがなくてはならない。少なくとも、普通のラブコメなら王道と言っていい対応をしていると、あっさりと弾かれてしまう。これは、護堂さんのところに押しかけていた当初のリリアナが実証してしまっていて、途中で護堂という男が自分の常識の範疇に収まらないことに気づき、アプローチの仕方が間違いだったと方針転換するまでの一時期、リリアナは本当に立場がなくなりかけたのです。また、幼なじみの徳永明日香に代表されるように、普通の一般女性はまるで相手にされてないんですよね。いわゆるツンデレさんの類や、積極性に欠ける者、恋愛とは自分の好意とともに都合や願いを押し付ける事だと思っている者。自分が与えるものに対して同等以上のものを返してくれるのが当然だと思っている者。これらは、普通のラブコメものなら、当たり前のキャラクター性なのですが、このカンピオーネでは一切通用しないのです。
あのわがままで自分勝手に見えるエリカですら、実際は絶対的と言っていい献身を以て常にその行動原理は護堂の為という一点に基づいている。
護堂さんもパねえんですが、エリカたちもまた、その超絶極まる護堂さんに相応しいと言うべき凄まじい女たちなんですよね。
でも、それが故にみんな個性的すぎるくらい個性的な面々だっただけに、エリカが強かにまとめていたとはいえ、エリカから主導権を奪おうとするリリアナに、祐理と自分を特別目をかけてもらおうと図る恵那の参戦によって、完璧と思われていたエリカの統制にも徐々に綻びが生まれてたんですよね。
それが、護堂がついに四人を受け入れ、彼女らの王であることを示したことで、彼女たちは護堂の下にまとまるのです。
これをハレムと言わずして、何をハレムというのでしょう。
というか、途中の展開が尋常じゃなくエロいんですが(汗
以前にエリカと交わした軍神ウルスラグナの「少年」の権能。加護の力を分け与える力。殆ど擬似的なセックスとしか言いようのないものを、今回は……ちょっ、なにこのエロゲ!(笑
マジでこれ、5Pじゃないか!ww
このシーンだけ見たら、絶対ヤッてるようにしか見えないから!!
うおおっ、ものすごいものを読んでしまった。この作品、キスシーンだけですらやたらとエロいのに、もうこのシーンはえらいことに。ドえらいことに。
でも、順位はつけないと仰ってる護堂さんですが、珍しくエリカが愚痴って拗ねた時の、少年の権能を顕現させて曰く素直になってる状態の護堂のセリフを見ていると、エリカは特別なんですよね。護堂がちゃんとエリカの事考えてくれていて、ホッとしましたよ。

その護堂さん、覚悟を決めたのは女性陣への対応のみならず、カンピオーネとしての在り方もそうなんですよね。これまでおそらく彼自身の中でもはっきりとしなかったものを、今回の斉天大聖が巻き起こした事件をきっかけに、明確に言葉として示してくれました。
「迷惑な神様がいて、俺にしか倒せないから俺が戦うのはいいんです。かまいません。でも、俺の力は俺だけのものだ。誰かの自由にさせるつもりはない。俺が気に入らないことに使う気はないし、そのことに文句を言われても聞く気もないんです」
「女の子ひとり見捨てて、もっとたくさんの人を助ければいいとか言うヤツは、自分で神様と戦えばいい。俺の知ったことじゃない。でも、俺にどうにかして欲しいなら、俺の流儀に合わせてもらう。要はそれだけの話しです。他人の力を当てにするのなら、四の五のうるさいことを言うなってことですよ」

万を救うために一を切り捨てる。その非情にして冷厳な現実を前に苦悩し、或いは現実を綺麗事で塗りつぶして押し通るのが常の中で、見てくださいよ、我らが魔王の物言いを。正義を語るでもなく、理想を押し付けるのでもなく、俺は俺のやりたいようにやる、周りの意見など知ったことか、という断固とした傲岸さを。
なぜカンピオーネが、神殺しというだけでなく「魔王」と呼ばれるのか。その理由であり本質を、今回護堂さんはもう全開で魅せつけてくれましたよ。これはもう、確かに「魔王」と呼ぶほかない。たとえ護堂さんが常識人で平和主義者だったとしても、彼は間違いなく「魔王」だ。それも、統治する「王」ではなく、ただただ君臨する「王様」なのだ。君臨するだけの王など、それこそ「魔王」としか呼ぶ他無い。

恐るべきは本作今巻、この常軌を逸した「魔王」が三人も集まっている事だろう。草薙護堂、羅濠教主・羅翠蓮にジョン・スミス・プルートー。そして相対するは、斉天大聖・孫悟空。そして彼の義兄弟である猪八戒と沙悟浄というオールキャスト。ただし、さすがは神話を抉る【カンピオーネ!】である、八戒と沙悟浄も、西遊記でおなじみの妖怪としては登場しない。各地の伝承に残る紛う事無き神として顕現するのだ。地上に落とされる前の天界の神将としての二人はまあ見たことあるけれど、猪剛鬣とか深沙大将という本物の神格として登場したのを見たのは初めてだ。
そして、その強さもまた神様の何相応しいデタラメっぷり。自分、ここまですげえ猪八戒と沙悟浄って見たこと無いよ。大本命の斉天大聖も、同姓同名の某漫画の主人公ともガチでやりあえるじゃないかという凄まじさ。これ、史上最強の斉天大聖なんじゃないのか? 正直、この斉天大聖なら、お釈迦様相手でもガチに張り合えそうだぞ。こんな三柱を三蔵法師はどうやって従えていたというんだろう。
これまでの神様やカンピオーネとの戦いも相当だったはずなんだが、この7巻の一連の大激戦はもう最初から最後まで開いた口がふさがらない、もう表現するすべも思い当たらないとんでもないスケールと迫力と緊迫感で綴られていく。それでいて、決して力押し一辺倒ではないのが【カンピオーネ!】なのである。斉天大聖がなぜ「鋼」の眷属であり、剣神として封じられていたのか。斉天大聖という神格の由来を紐解いていくおなじみの神話の解体は、今回も非常に興味深く面白かった。竜という存在の原点もそうなんだが、このシリーズはこちらの知識欲を心地良いほど満足させてくれるので、毎度毎度たまらない。まだまだ省かれた薀蓄もあるようなので、そういうのもちょっと読みたかったなあ。
その権能がすべて明らかになった軍神ウルスラグナの力ですが、これも権能それぞれの戦術的な運用に、効果の研磨、さらに天叢雲剣による権能の改変と、手の内をすべて晒したと思われた護堂がまだまだ進化していく事がわかり、戦闘シーンもパターン化するどころかどんどん高度化&ど派手化していって、もう面白くて仕方ない。

そう、肝心の懸案。護堂の女たらしは果たして同じカンピオーネにも通じるのか否か、という前巻その可能性が示唆された、背筋も凍るようなあの懸案も、それはもうばっちりと答えが出されてしまいました。
護堂さん、性別が女なら神だろうが神殺しだろうが関係なしだ!!
翠蓮さん、もう笑っちゃうほどのデレっぷり。あの天上天下唯我独尊の権化みたいな人がどうやってデレるのかと思ったら……そうきたかーー! エリカたちとは護堂との関係性や繋がり方が根本から異なる彼女がハーレムに加わるのはどうも違和感があったんですよね。ハーレムに入るということは、護堂さんに尽くすという意味にも繋がるので、目上にあたる翠蓮が加わるのはどうにも無理があったわけです。
なので、あの措置は絶妙と言っていい塩梅で、心底感嘆させられた。なにしろ、彼女の登場した時の途方も無い存在感や品格をいささかも劣化させること無く、羅濠教主・羅翠蓮のままで護堂の絶対的な味方にしてしまったんですから。あれなら、翠蓮さんが護堂をどれだけ可愛がろうと慈しもうと世話を焼こうと、ハーレム入りじゃないもんなあ。
翠蓮の、あのどうしようもないというかどうにもならないハチャメチャな性格をどう扱うのかと思ったら、護堂さんってば割と早々に羅濠教主の操縦法を習得してしまいましたし。護堂さん、自分のハーレムの女の子たちには振り回されっぱなしのくせに、なんで一番危なそうな翠蓮さんはそんな易々とあしらえるんだ!?(笑
ジョン・スミス・プルートーの方も、アニーの時はともかく完全に護堂のことお気に入りになっちゃったみたいだし。
まだJSの方は状況如何によって立場も変わるかもしれないけど、翠蓮さんは何があろうと護堂の味方になってくれるでしょうし、あのネコ可愛がりっぷりからして、護堂がピンチに陥ったらどこからでも飛んできてくれるんじゃないだろうか。あの危険察知の方術、あれっきりで効果が切れるとは一度も言ってませんしねぇ(苦笑

しかし、神殺しですらこれですよ。こりゃあ、護堂さんにかかれば神様だってイチコロなんじゃないだろうか。実際、アテナなんか随分怪しいですし(笑

今回の護堂さんは確変状態だったらしいですが、彼の常識人にして平和主義者という表の顔に隠されて見えずらかった、草薙護堂の魔王たるの所以を明瞭かつ護堂さん自身が意識的自覚的に全面に押し出してきた、ある意味ターニングポイントとなる巻でしたね。女性陣との関係性も、ひとつの山場を超えたという感じですし。
とにかく、戦闘から主人公の在り方から女性関係から、何から何まで今までで最大規模のド迫力ど派手な展開が目白押し、というとんでもなく贅沢な、大満足な傑作回でありました。
超絶面白かった前回が、文字通りに前フリに過ぎなかった、と言えばそのとんでもなさが多少なりとも伝わるでしょうか。
ああもう、むちゃくちゃデタラメに面白かったーーーー!

シリーズ感想

カンピオーネ最新刊、表紙絵&特集ページ公開  

カンピオーネは頻繁に特集ページ組んでくれるからうれしいなあ。しかも、短編付(笑
表紙は驚いたことにエリカと……恵那!? えっ? ここで恵那ということは、恵那が活躍するのか!?
前回の引きが凶悪だった上に、アメリカからジョン・プルートー・スミスが来日するということで、さらにヒロイン分の濃度が濃くなる中で、恵那が前に出る余地があるというのだろうか。興味津々である。

そして特集ページ。ちゃんと登場人物紹介も更新されてるじゃない。沙耶宮馨や甘粕冬馬までしっかり載っているのには関心させられる。でも、羅濠教主のお弟子の兄ちゃんがいないのはご愛嬌。
斉天大聖のイラストが少女だったのには一瞬吹いてしまったが、そういえばお猿さん、あの子に憑いたんだったっけ。焦った、まさか孫悟空まで女だったら、問答無用で護堂さんの魔の手に堕ちるじゃないか、とww

世にハーレム系主人公は多けれど、草薙護堂ほど凄まじいのは類を見ないからなあ。今評判の上条さんだって目じゃねえぜ、てレベルだもんね。なにしろ、もはや彼にはフラグという概念は無いに等しいし。というよりも、もはや女という性別だけで、フラグが成立しているようなもの。いや、男も含まれるらしいから、性別の如何を問わず、だな。
いや、この人が本当に恐ろしいのは、マジでハーレム完成されそうなところなんだよね。
特集ページで新規掲載されている短編【噂のカンピオーネ】は、まさにそんな護堂さんの恐ろしさの一端を垣間見ることの出来る恐ろしいお話である。
曰く、現時点で魔王級の女たらしである護堂さんは、実はまだ本気ではないのだ! 実は未だ眠れる獅子であり、まだ目覚めていないのだ! 
……マジかよ(笑 まさに震撼させられる事実である(爆笑

これで読者の好感度もやたら高いんだから、とんでもない男だよなあw

そんな護堂さんの活躍(本当に色々な意味での活躍が)が見られる最新刊、うーんこうしてみると、間違いなく今一番楽しみにしている作品だなあ、こりゃ。


カンピオーネ! 7 斉天大聖 (集英社スーパーダッシュ文庫)
カンピオーネ! 7 斉天大聖 (集英社スーパーダッシュ文庫)丈月 城 シコルスキー

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カンピオーネ! 6.神山飛鳳 5   

カンピオーネ! 6 (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-6)

【カンピオーネ! 6.神山飛鳳】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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うおおおお、お、面白い面白い、メチャクチャ面白い!! べらぼうに面白れえーーーーーーー!!
いやいやいやいや、毎回このシリーズったらメチャクチャ面白いけどさ、今回の出来栄えはもう屈指じゃないのか、というくらいに面白かった。
なんでこんなに面白かったんだろうと考えてみたんだが、やはりあれだ。護堂以外のカンピオーネたちが一斉に動き出したからなんだろう。まつろわぬ神との対決もそれはそれで面白いんだが、やっぱり一番面白いのは同じ人間であり同じ神殺しである他のカンピオーネたちと対峙した時なんですよね。
同じ人間とか言っちゃったけれど、カンピオーネというのは本当にどいつもこいつもとんでもない規格外だったんだなあ。今まで登場したカンピオーネは我らが草薙護堂に、サルバトーレ・ドニ。サーシャ・デヤンスタール・ヴォバンの三人だけだったんだが、この巻ではついに今まで不明だった他の四名のうち三人、イギリスの黒王子にアメリカのジョン・プルートー・スミス、中国の羅濠教主の動向が明らかに。
現存する七人のうち、六人の人となりが明らかになったことで、カンピオーネという存在がどういうものか段々と見えてきたんだが……いやもう、こいつらおかしい!!(笑
在り方が根本的におかしい。普通に考えておかしい。なにからなにまでおかしい。
強さが最強とか、化け物とか超人とか、そういう視点や概念で語ってしまうとどうもカンピオーネという存在について正しい姿を捉えきれない気がする。
そもそも、そういう考え方で捉えられる範疇の存在なら、神を殺すなんて土台無理なんだよなあ。その辺は今回、羅濠教主の弟子である陸鷹化がうまいこと表現してくれていたので引用すると、
あの人たちにはキャリアなんて関係ないよ。神を殺し、その権能を簒奪した時点で彼らは埒外の存在なんだ。僕や姐さんはそこそこ上等な遣い手だと思うけど、最弱の『王』ですら僕らの遥か上を往く。
技とか術とか、策とか罠とか、そんなものを云々する相手じゃないんだ。僕は多分、七人いらっしゃる『王』たちの五人までは武芸で凌ぐと思うけど、まともに喧嘩を売る度胸は無いよ。あの人たちは、相手が誰であろうと必ず『勝ち方』を見つける。そんな才能も百年の修行も、そいつでチャラにしちまうんだ。だから王様なんだよ。
そりゃ年功序列とか身につけた技で勝敗が決まるなら、うちの師父が勝つだろうけどさ
そんな殊勝で扱いやすい人なら、そもそも神様と戦った時点で死んでるじゃないか。魔王の方々にそんな人間らしさを期待するほど、僕はバカじゃないぜ?
でたらめ、と表現するのが一番適しているのだろうか。だが繰り返すが、強さがでたらめとか最強とかというのとは違うのである。少しの違いのようで、決定的に違うのである。
じゃあ何がデタラメで規格外で常識外か、と言うと……もうその存在そのもの、としか言いようが無い。
あのサルバトーレ・ドニにしても、デヤンスタール・ヴォバンにしても、今回冒頭でロスでの活躍を見せてくれたジョン・プルートー・スミスにしても、護堂と戦うことになる羅濠教主にしても、あっけにとられるようなデタラメな人たちなんですよね。だから、こいつらおかしいんだって!(笑
実のところ、常識人を気取っている本編主人公であるところの護堂だって、一見マトモに見えるし、まあ概ねまともな常識人である所は否定しないんだが……それでも、やっぱりこいつもカンピオーネで王様で紛れもなく魔王なのである。読み込めば読み込むほど、つくづくそれを思い知らされる。
いや、常識人に見えて実は、というんじゃないんだ。彼が常識人なのは間違いない。非常にまともで健全な思考の持ち主なのである。それなのに、デタラメで規格外で異常でおかしい、という在り方が両立していることが、カンピオーネという存在の特異性を如実に示しているのではなかろうか。いくらここで力説しても、まるで伝わる気がしないや(苦笑
こればっかりは、読んで貰わないとわからないかもしれないね。

いや、なにより護堂の異常性はあれだろう。女性とのフラグ立て能力だろう。古今東西、フラグ一級建築士などと呼称される猛者たちが数多くいらっしゃいますが、この巻でリリアナが調査し暴露してくれた護堂の女性遍歴の凄まじさを見せつけられては、護堂さん(敢えてさんづけをさせていただくきたく)のそれはもう別格であると断言せざるを得ない。いやもう、ほんとにマジで凄いから!(笑 震撼させられた。次元が違うと言ってもいいかもしれない。
丁度、公式ページで件のシーンの一部が抜粋されているのでご覧になっていただきたい。
護堂さん、あんたって人は生まれてこの方、どれだけのフラグを立ててはブチ折ってきなすったんだ(笑
それに対するリリアナの見解が正鵠を射まくってて、吹くわ吹くわw 護堂って、そうなんだよなあ。まったくリリアナの言うとおりなんだ。
ぶっちゃけ、護堂のヒロインを努めるには、普遍的なヒロインの在り方ではまったく上手くいかないんだな、これが。リリアナのこれまでの対応は、他の作品ならまずもって正答だったはずなんだが、如何せんこのカンピオーネでは大間違い。護堂が女の子を無差別に惹きつけてしまうのは、もうどうしようもないんだ。いくら抵抗しても、こればっかりはどうしようもない。護堂の傍に侍るには、まずその事実を受け入れなければ始まらないわけだ。
それを見事に修正してきたあたり、伊達にエリカのライバルではなかったということか。エリカも、そんなリリアナを要警戒しだしたし。裕理も着実に距離を縮めてますしねえ。今のところまだエリカが本妻というのは揺るがないところでしょうけれど。
ただ、今後恐ろしい人材が投入されてくる可能性が出てきたからなあ(w
それはもう、反則だろうと言う領域。いくらエリカでもこの人達相手じゃあ今まで通りにはいかないぞ。まあまだ決定ではないんだろうけれど、護堂さんの力を考えるとまったく楽観できん!! あははははは、やべえ、これマジ楽しいんですけど!! うわぁ、どうなるんだこれ。どうなってしまうんだ!?

と、人間関係の方だけでもえらいことになっているのに、バトルの方もリミッター完全オフ。前回わりとおとなしかった分を取り戻すように、もうやりたい放題のでたらめ劇場。
今回は完全に武侠モノのノリである。いや、冒頭のジョン・プルートー・スミスのパートは完全にアメコミのノリだっただけに、なにこのワールドワイドなお祭り騒ぎは。あとがきじゃあ「東映まんがまつり的クロスオーバー」とか言ってるし。全くそのとおりと言うか、それ以上じゃないか。
陸鷹化とリリアナ&エリカの激闘は、まさに武侠小説の超人と西洋魔術の異種格闘戦というノリ。とはいえ、上手いこと世界観のすり合わせがなされているんですよね。しっかりと武侠モノと西洋魔術、それぞれの設定を組み上げているにも関わらず、上手いこと噛み合うように練り上げている。神話の薀蓄に毎回感心させられるように、このシリーズ、魔術にしても今回はじめてお目見えの武侠系のネタにしても本当によく勉強して上っ面をさらっただけとは思えない識で、これらの設定群を扱っているんですよ。しかも、その設定の見せ方が非常に上手い。素晴らしいエンターテインメント性を有している。これについては、手放しですごいなあと毎回感心させられるわけです。
ひかりの歌っている呪文は、柿本人麻呂関連のものなんですよね。羅濠教主の呪文にしても、おそらくは道教系の実際のものから、漢詩の類。李商隱とかはよく知らないけど、李白や杜甫はさすがに知ってる。漢詩を呪文に引用するとは、ハッタリがきいてるじゃないですか。もう、しびれるなあ。というか、羅濠教主のセリフ、いちいち風雅でカッコイイんだよなあ。
カンピオーネは、みんなもうデタラメにデタラメを重ねたような無茶苦茶な人物なんだけれど、それ以上に物凄く魅力的な人たちなんですよね。あの凶人ヴォバンですら邪悪の魅力というのに満ち満ちていた。暴虐の魔王でありながら、どこか惹きつけられるものがある人だったんですよね。この羅濠教主もまた、デタラメで無茶苦茶なんだが、
わたくしのような身分の者が、民と直接交わるなどあってはならないこと。我が身を直視した者は己の両目を抉り、我が声を耳にした者は己の耳を削ぎ、償いとせねばなりません。
「わたくしは古今東西の皇帝、覇者、将帥を凌ぐ武の頂点。ゆえに、あらゆる支配者も及ばぬ崇敬を捧げられねばなりません。それが序列というものです」
「えーと、歴史上のどんな王様よりすごいって、何を根拠に?」
「それはもちろん、我が武芸と権能ゆえに。羅翠蓮が振るう拳脚は千の兵を屠り、刀槍は万の兵を薙ぎ払います。わたくしが武の真髄を絶技として示さば、百万の軍とて悉く屍山血河。全ての国は虚しく破れ、山河のみが残る結果となりましょう」
「いや! もっと政治とか経済とか文化のことも考えましょうよ!」

概ねこういう人物です。無茶苦茶です。でも、天上天下唯我独尊な人物にも関わらず、全然嫌味も憎たらしさもないんですよねえ。痛快で勇壮で美麗で風雅。いやあ、惚れるわー。なんか、無茶苦茶好きになってしまった。

もう、そんな羅濠教主との大決闘だけでお腹いっぱい、と言ってもなんら過言でないにも関わらず、彼女との闘争はある意味、前哨戦に過ぎないんですよね。【カンピオーネ!】シリーズ初めての前後編か。一巻で終わらなかったもんな。満足度は一巻どコロじゃなかったけれど、ここからさらにスケールアップとか、ドコまで行くんだ一体。
羅濠教主が対決を所望し、日光東照宮に封印されていたまつろわぬ神。その正体は一目瞭然で、神話だのの方面には何らの知識もない護堂でさえ知っている有名人物ならぬ神物。
それはそれとして、こいつが件の<鋼>の郎党を名乗っているのはどういう事なんだろう。この国に封印されていると言う<鋼の御子>というのは、もしかしてあの神様をすら郎党に数えてしまうような存在だということ? これは、ちょっと想像を絶するような大物という可能性が出てきたぞ。日本の神様じゃなくて、外来モノというのは間違いないみたいだし。
そう言えば、例のスサノオのところにいた二人の人外。僧侶の方はおそらくあの人というのが発覚したけど、もう一人の女性の方はまだわからんなあ。色々と正体を絞るための情報は出てきたけれど。

正直、今はもう続きが待ち遠しくて仕方ない。どこまで面白くなっていくんだ、このシリーズ♪
あーー、もう素晴らしく面白かった。最高だ!!

シリーズ感想

カンピオーネ! 5.剣の巫女4   

カンピオーネ!〈5〉剣の巫女 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 5.剣の巫女】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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サブタイトル並びに表紙絵からして祐理と新キャラの恵那の回と見せかけて、これ完全にエリカがメインの回でしたね。
具体的に言うと、今後どれだけハーレム要員が増えようと奥の院の支配権を握る第一夫人はエリカ様ですよ、というのが確定的になったという所でしょうか。確定的になった、というより自明だったものをよりはっきりと明確化させた、というべきか。
前回、偶々別行動になってしまった所を、リリアナに護堂の懐に飛び込まれて、出し抜かれてしまったエリカだけれど、あれは本当に偶々だったというのが今回、良く分かった。ぶっちゃけ、リリアナではエリカには太刀打ちできんわ、これ(苦笑
祐理も今回、護堂との曖昧な関係に躊躇っていた部分を振り切って、はっきりと護堂に女として寄り添う決意を固めて、以前までのぎこちなさを取り払って護堂に自然に侍るようになったけど、彼女、エリカを押しのけて寵愛を独占する気はサラサラなさそうだもんなあ。ちゃんとエリカが護堂にとって大事な存在だと認めたうえで、自分は二号さんで充分という心持でいるし、エリカもことさら祐理を可愛がって護堂の傍に置こうとしているのは能力的な相性もそうだけど、この弁えた性格に基づく所が大きいんだろう。
その点、まったく空気読めてないのがリリアナさん(苦笑
本来ならば、リリアナさんのキャラクタースペックは並みのラブコメならばまずメイン級に食い込んでくる、ラブコメ適性Sクラスの代物のはずなのですが、この【カンピオーネ!】だと思いっきり逆効果になってしまっている。
魔術界において特別な立ち位置にいる草薙護堂の側近としても、エリカを頂点に支配体制が確立している護堂の女性関係にしても、まるで状況を俯瞰的に認識できておらず、初恋に浮かれて自分本位に護堂の周りをフワフワと付きまとっているだけになってしまっている。お陰で騎士としても女としても、いささか邪魔モノになってしまっている。この点は作中でも沙耶宮馨に鋭く指摘されている。
日常生活でも思い込みの強さと不器用さで、護堂をえらい目にあわせてばっかりだし。肝心の大騎士としても、ポカをやりまくって役立たず。
魔王の側近としても、恋人としても、日常生活ですらも、これ以上ないくらい護堂をフォローし、盛りたて、影に日向に助けているエリカのパーフェクトなパートナー振りと比べて、リリアナさんは空気読めない痛い子と言われてもおかしくない所にまで至ってしまっている。
このままだと、本当にハブられかねないので、もうちょっと視野を広くもって頑張らないと(苦笑

しかし、ハーレムものは多々あれど、ここまでヒロインの序列が確立してしまっているものは珍しい。基本、平等並列か、内部で張り合いが起こっているものだけれど、この作品の場合ほぼエリカの管理下に置かれているのだから面白い。同じことを試みるヒロインはいても、大概失敗に終わるケースが多く、エリカのごとく見事に支配体制を確立してしまっているものは、ちょっと記憶に無い。面白い。

面白いといえば、かくいうハーレムの主である魔王・草薙護堂はそのハーレムについては一切タッチしていないのがまた面白い。護堂が関知していないところで、勝手に女性陣で形成してしまっているのだから困ったものである。
実のところ、よく読んでいると護堂の恋愛対象はハーレムどころかほぼエリカに絞られている。辛うじて祐理については性格の相性のよさもあって、異性として強く意識している部分はあるが、ぶっちゃけ護堂の本命はあくまでエリカであって、しかもかなりゾッコン惚れている気配すらうかがえる。というか、今回地の文の心理描写にて明確にエリカの事を愛する人と明言しているのだから、もう言い訳はきかないだろう。
かわいそうだがリリアナは、護堂には恋愛対象として殆ど意識されていないんじゃないだろうか。新キャラの恵那についてもそれは同様だが。
女性に対してはヘタレで勇気なしの意気地なしだから、迫られるとあっさり流されて、キスとかもしてしまうけど(苦笑
でも、護堂の方から、魔術関係なく欲情してるのってエリカだけなんですよね。もしエリカが今みたいにハーレムOKと言わず、独占しようとしたら案外アッサリ受け入れているような気もする。そもそも最後の一線呼ばわりされている肉体関係の方も、エリカが冗談ではなく本気で迫ったら、護堂、たぶん逃げないよな、これ。ラブホ街に連れてこられた時の覚悟完了の様子を見てると…(笑
エリカとのはじめてのちゃんとしたデートでああいう事をしてしまう時点で、護堂の女性との接し方の下手糞さは致命的で修正のしようがないというのが証明されてしまった以上、エリカは面白がって遊んでないでさっさと護堂を上手く誘導してあげた方がいいですよ。この男、エリカに手を出さないんじゃないくて、単にどうしたらいいか全然わからなくてビビッて立ちすくんでるだけだから、エリカの方が手取り足取り一から十まで導いてあげないと二進も三進も行かんですよ、これw
たぶん、その右往左往っぷりを面白がってるんだろうけど、エリカは。タチの悪い女だなあ(苦笑

そうやって護堂を弄んでるエリカだけど、彼女の護堂への愛情の本質が無辺の献身であるというのが、図らずもエリカ自身が絶体絶命となったときにハッキリと示される。
普段はあれだけ、護堂を振り回し好き勝手している風に見えるけど、その実彼女の行動はすべからく護堂のためなんですよね。自分の事は二の次で、常に護堂を優先に考えている。
それは、身も心も護堂に捧げきっている、と言い換えてもいい。
それこそ自分がもう死ぬという時に、護堂が傍に寄り添っていてくれるだけであれほど幸せそうに、心安らかな様子で嬉しそうに微笑むことが出来る、というだけでいつもエリカがからかうように護堂にささやく愛の言葉が、悪戯心というエッセンスを塗しただけで、何の作意も繕ったものでもない、本心から紡ぎ出されたものだというのが良く分かるはず。
結局、どうしてリリアナが二歩も三歩もエリカに遅れを取ってしまっているのかというと、護堂がエリカを好きだと言うのもあるけれど、何よりリリアナの護堂への接し方は、護堂を守り助けるためではなく、自分の嗜好や恋情を満足させる事を優先していて護堂本人の事は二の次だったりするわけだ。そこが、非常に大きいんだよなあ。

そうして、エリカが死の危機に瀕したとき、護堂が最終的に抱いた感情が、怒り、というのは、意外であると同時にこの護堂という男がなんだかんだと言いつつも、その根本は確かに「魔王」と呼ばれるにふさわしい、荒々しい支配者たるものを秘めているのを如実に示しているんだろう。
エリカを助けるためにとった行動が、そのままエリカを征服するような趣になってしまったのも、彼の本質がそれを指向していたからと言えるのではないだろうか。
それにしても、あの最後のウルスラグナの権能。エリカに力を与えたあれ、完全に擬似的なセックスじゃないか(苦笑
描写の仕方やお互いのセリフが明らかにそれっぽくなってて、エロいことエロいこと。
そしてもう、この後のエリカの幸せそうな姿が可愛いのなんの。元々好意や愛情をまったく隠さない娘だけど、これだけ無防備に甘えてこられると破壊力が半端じゃないや。

と、エリカと護堂のイチャイチャも行くところまで行ってしまった感もあるけれど、それとは別に物語の方も、どうやらこれからが本番、といった要素が幾つも出てきている。
前回、護堂の持つ権能と剣の英雄というキーワードが持ち上がり、護堂のファミリーネームである草薙とあいまって、日本の剣の英雄関連に話が及ぶのかと想像はしていたけれど、これはまたまったく予想外の形で突っ込んでこられたなあ。
一応、今のところ護堂の草薙の姓自体は特に意味はないみたいだけど、草薙の剣とスサノオの存在がまさか、こんな形で絡んでくるとは。スサノウがあんなふうになってるとなると、まつろわぬ神という存在への認識がかなりガラッと変わってしまうんですよね。ある種の台風みたいな時間とともに発生と消滅を繰り返す災害みたいなイメージだったんだけどなあ。となると、アテナに対する見方もかなり変えないといけないかもしれない。
今回は剣の権能のための神様の薀蓄は少なかったけど、それでも少ないなりにかなり興味深い内容だったのも確か。なるほど、あれにはそういう意も含まれてたんだ。
これまで謎な部分があった、日本の魔術組織についても、これまた今までは魔術的には辺境で勢力も小さいような印象だったのが、ガラッと変わってしまいましたよ。日本の魔術組織の体制、世界的に見てもかなり特異なことになってるんじゃないのか?

これまで、ウルスラグナ以外の権能を獲得してこなかった護堂にとって初めてのパワーアップ、プラス、エリカもパワーアップという要素もあり、さらには未だ目覚めぬまでも将来の対決を予想させる敵の存在も示唆され、さらにはライバル再び、みたいな前振りもあり、さあさあ俄然盛り上がって参りましたよ♪

しかし、眠れる虎とか、御子とか、いったい何を示しているのやら。色々とヒントはちりばめられているんだが、うーん、今の段階だと当て推量も難しいな。

既巻感想

カンピオーネ! 4.英雄と王4   

カンピオーネ!〈4〉英雄と王 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 4.英雄と王】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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 bk1

チュッチュッ、ペロペロ、クチュクチュ、ぴちゃぴちゃ。

もう、……あんたたち、キスがエロすぎ!! いや、マジで、本気でエロいんだから、辛抱たまらん!!
あくまでキスというのは魔術の類いが極端に効きにくいカンピオーネたる護堂に対して、知識を教授する魔術を体内に送り込むための手段なのだが、護堂が有する権能のうちの最強の力である【剣】を起動させるためには、もはや必須の手段である以上、それは決して避けえない行為であるからして、あらゆる状況が護堂とリリアナをキスせざるを得ない状況へと追い込んでいくのである!!
以前の万理谷の時は、緊急事態ということもあり、半ば突発的な行為だったわけだが、今回のリリアナの場合はペルセウスとの決闘がリミット付きで予定されている状況であり、なおかつ他の教授を行える人材たるエリカや万理谷が近くにいないというありさま。
もはや、護堂が勝つためにはリリアナとキスしなければならない! という決定的事実が罷り通ることに。
……勝つためにキスしなきゃなんないなんていうたわけた状況をこうも真剣に、深刻に、ナチュラルに構築してしまうこの作品の構造には、戦慄すら覚えるな!!

しかし、リリアナさんはまた、ちょろかったな(笑
この人、初登場の際は毅然としていて自分の中にしっかりとした規律と芯を持った騎士らしい騎士だと思ってたんだが……エリカにからかわれてしまう人、という時点で理解しておくべきだったのかもしれない。それとも、エリカとのキスを興味津津に凝視していたのを思い出しておくべきだったのかもしれない。
なんという、夢見がちな乙女だw
この人、潔癖というよりただ単に男に免疫ないだけじゃん。しかも、わりと恋だの彼氏なのに浮ついた幻想抱いてるし、恋に恋する妄想少女だしw
これまで、ヴォバンだのドニだのといった人間性に問題のありすぎる連中にしか関わってこれなかったせいで、護堂の真人間な言動に簡単にコロッと言っちゃってまあ。仲間の魔女連中にも簡単に煽られて、即座にグラついてしまうあたり、相当チョロい。
しかも、清純派を気取ってるくせに、ハマるとどこまでもハマるタイプである。完全に陥落したあとの、特にキスを迫るシーンでのメロメロ、デレデレっぷりを見ると、本当にひどいw

あーあ、ほらみてみろ。エリカ嬢、余裕ぶっこいで護堂で遊んでたから、予定外の手合いが護堂に引っかかっちゃったぞ。まー、予定外とはいえ、所詮リリィもエリカの手の内でいいように転がされちゃうタイプの人だから致命的とは言えないけれど。
でも、そろそろ真正面から叩き潰して護堂の心を掌握する方法を改めて、手段を選ばず護堂を陥落させる方策をとらないと、色々と面倒なことになってきちゃうぜ。確かに、今のところ正妻の座は揺るぎなさそうだけど。
護堂も、肝心なところで、エリカがいれば問題ないのに、とか思っちゃってるからなあ。エリカが本命で間違いないんだろう。まあ、それにエリカが安心しちゃってたから、こういう問題が出てきてしまったわけだが。

というかね、護堂もいい加減ぐだぐだ言ってないでさ、風評通りに食っちゃえばいいのに、と思えてきたよ。カンピオーネとしての権利として、彼女らをお手つきにすることは、それこそ彼女本人たちが認めてるわけなんだからさ。まあ、彼が作中で言っているように、王の権限に逆上せないようにしている以上、向こうから云い寄ってきたからと言って手をつけることは絶対に意地でもしないだろうけどね。
だから、何度も言うけど、エリカが王の権利だから云々付け加えず、ストレートに好きです愛してます付き合ってください、って言えば即座に済む話なんですけどねえ。


さて、今回の敵たる<まつろわぬ神>は、ペルセウス。メドゥーサを倒し、美女アンドロメダを海蛇から救ったギリシア神話の英雄である。
毎度ながら、この作品による神話や神の解体には、感嘆させられる。まさか、ペルセウスという英雄にこれほど複雑かつ遠くも広い来歴があったとは。マジで勉強になるわ。
ミトラスって最近どこかで見たなあ、と思ったら【Xの魔王】の主人公じゃないか。あの主人公の由来は、ここから来たんだろうか。

肝心のペルセウスとのバトルシーンも、いつものように<剣>が最後の一撃になるのではなく、これまでのパターンを大きくひっくり返した展開に。うむ、単純にバトルモノとしても思わぬ攻防が繰り広げられて、これが実に面白い。

しかし、この作品での神の在り様というのは、過去、それこそ神代の時代に実在した存在……というのとは、どうにも一線を画しているようだな。ペルセウスの正体なんかを読んでると、その辺はもう確信に近くなってくる。そもそもカンピオーネが誕生する理由、<まつろわぬ神>の降誕のシステム。このへんも、実に興味深い。


今回は、護堂が自分の中の基準、というかカンピオーネとしての自分の在り方について語ってくれたんですよね。巨大な力を得ながら、彼がなぜ力に振り回されず謙虚に在り続けているのか。その理由が彼の口からポロっと語られるのですが……そうか、ウルスラグナとの邂逅は護堂という人間に予想以上に多大な影響を与えていたんだなあ。
かの神格との出会いによって生じた友情と憧憬は、正しく彼の在り方を導いているわけだ。
まあ、女のあしらい方は身に付かなかったみたいだけど。エリカが相手じゃ、土台無理な話かw

そういえば、アテナさんが再登場して護堂さんをこれでもかーと振り回していましたけど、この人も将来的に護堂ハレムに加わっちゃうんだろうかw
神殺しのくせに神をはべらせりゃ、それこそ大したもんだぞw

カンピオーネ! 3.はじまりの物語5   

カンピオーネ!〈3〉はじまりの物語 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 3.はじまりの物語】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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いやー、自分、ちょっと勘違いしてたかもしれない。エリカと護堂の関係だけど、エリカの方はベタ惚れでも護堂の方はまだ惹かれてはいても、本当の意味でエリカに恋愛感情を抱いていないんじゃないかと疑ってたんだが。
二人の出会いのエピソードを見る限り、これって実は護堂の方が一目惚れだったんじゃないのかしら?
もちろん、一目見た瞬間から恋に墜ち、心奪われた、なんてことじゃないんだろうけど。まあ、この辺は異論反論あるだろうし、自分も自信ないので強く主張は出来ないけど。実際、このあと大喧嘩がはじまって第一印象最悪になってしまうわけですからねえ。

とはいえ、現在のエリカに迫られてる状態に対しての護堂の本音を見てると、とりあえず護堂は護堂でエリカに惚れてるのは間違いなさそう。既に陥落寸前だし。自分が彼女に惚れてること自体も、ある程度認めてるみたいだし。
それでなお抵抗を続けてるのは、彼自身が主張している「二十歳にもならない若い身空で将来を決定づけられたくない」という理由以上に、この少年の負けず嫌いな部分が作用してるんじゃないのかなあ。
話を追ってくと、物事に対して客観的に見ているようで内面的には非常に負けず嫌いな性格であることが明示されてるわけです。そんな彼が、エリカの強圧的な好意の猛襲に対して、無様に屈し籠絡されメロメロの幸せ状態に墜ちてしまうことを、素直に受け入れられないんじゃないかと思われるわけです。形はどうあれ、それはエリカに「負け」てしまうことになりますしねえ。だから、ああやって無駄な抵抗を続けているわけで。
この二人の関係が苦笑モノなのが、どうやらエリカはエリカで無意識か意識的にかはわかりませんけど、護堂がどうして自分の行為を素直に受け取らないのかを理解しながら、敢えて強硬に押しまくっているところでしょうか。
この少女、エリカはエリカでとびっきりの負けず嫌いなんですよねえ。だからこそ、真っ向から護堂を誘惑し籠絡し、首根っこをねじ伏せて自分の行為を受け取らせようとしている。護堂が抵抗するもんだから、余計に喜々として。
これって、形こそ変ですけど、相思相愛の恋人同士がイチャイチャしてるのと大して変わらんよなあ(苦笑
この二人の関係って、ちょっとエリカが引いて見せたらすぐに決着ついちゃう関係ですよ、っていうのは前巻でも言ったか。エリカがそういう態度見せたら、絶対護堂はあわててエリカのこと追いかけてくるに違いないんだから。この野郎は迫ってくるから逃げてるだけで、実質エリカにベタ惚れなんだから。この、贅沢なやつめ。
でも、エリカは明らかに今の状態を楽しんでるからなあ、始末に負えない。

と、二人の関係についてツラツラと書いてしまったわけですが、話の方は何の力も持たない一般人だった護堂がいかにして神を殺し、カンピオーネとなったのか。いかにしてエリカと出会ったかの、はじまりのお話。
まあ、前々からなんの力ももたなかった護堂がどうやって神を殺したのか、という疑問も去ることながら、彼の性格からして神だろうとなんだろうと【殺して】【奪う】なんて行為がいささか不自然というか、似合わないものだったから、どうして神殺しなんて真似をすることになったんだろうと、不思議だったのですが……なるほど、実に彼らしい理由じゃないですか。
ヤバいなあ。やっぱり惚れそう。カンピオーネとしての力があろうがなかろうが、彼の本質は何一つ変わってないわけか。
彼が殺すことになる軍神ウルスラグナと護堂の不思議な関係。被害を食い止める、という倫理に基づく理由づけ以上に、護堂の中にあったのは独りの少女を守ることと、刹那の邂逅で育んだ友情と敬愛を大事にすることだったわけだ。
出会った当初は護堂の事など眼中になかったエリカ、というか感情的にはマイナスのところからはじまった二人の関係が徐々に狭まっていく描写も良かったなあ。
今となっては、護堂に対して気心の知れた態度を取るエリカだけど、昔の反発を覚えながら徐々に惹かれていく姿、照れたり怒ったり、自分の感情を持て余すような態度とか、なかなか新鮮でこれがまた可愛いんだ。
そりゃあ惚れるわなあ。なんの力も持たないくせに、たった独りで真っ向から神に挑む愚か者。エリカ・ブランデッリは傲慢で高飛車でプライドの塊みたいな少女だけど、その実弱きを助け強気を挫く、誇り高き騎士の中の騎士みたいな高潔な魔女であるわけです。そんな彼女であるからこそ、護堂みたいなバカには惚れちゃうよなあ、と。
今でこそ、隙あらば熱烈なキスを求めてくる彼女ですけど、最初は初々しかったのねえ。あれくらいで真っ赤になって照れまくる彼女というのは、何度見ても新鮮だ(笑

うーん、やっぱりこのシリーズは滅茶苦茶面白い。
次回、再登場の面々もいるようだし、まだ出てきていないやつらにもとびっきり癖のあるやつが多そうだし、何より個人的には神話解釈の蘊蓄話が面白くて仕方無い。さらに盛り上がってきそうだし、これからも期待大ですな。おすすめ。

カンピオーネ! 供)皺ν萠4   

カンピオーネ! 2 (2) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-2)

【カンピオーネ! 供)皺ν萠廖曄‐羞郛襦織轡灰襯好ー スーパーダッシュ文庫

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一巻読んだ時も思ったけど、これ初見で受ける印象より遥かに土台となる基礎レベル高いわ。二巻でいったいどうなるかと手ぐすね引いて待ってたわけですが、バトルにしてもラブコメにしても迷走に陥ることなく、きっかりと枠組み骨格強化され、その上でキャラクターもエリカ、万理谷というヒロイン衆の底上げに、リリアナという新ヒロインの投入。前作では名前だけ登場していたサルバトーレ・ドニ、今回の敵であるヴォバンという敵方もしかりと補強され、エンターテインメントとして確実に前回よりもレベルアップしていると見た。
面白い!

この作品。【神殺し】なる文句がやはり目立つせいか、アレな印象をどうしても受けてしまうのだが、この作品における【神殺し――カンピオーネ】とは、神殺しといっても神様より俺は強いぜ、という意味とは少々ベクトルが異なっている。
この作品のカンピオーネは、現実の神話にある神を殺すことで、その神が有している特性、特殊能力を権能という形で奪い取り、自分の力として使役する事を可能とした人間ということになる。
これは神殺しといっても理不尽な何の法則性もないとにかく無茶苦茶な力をもって暴威をふるう話とは一線を画している。特に主人公の護堂の神殺しとしての力は、非常に面倒くさい条件をクリアしないと発動すらしないものであり、敵と戦うにしても段取りが必要となる。
その上、今回の敵は同じカンピオーネ。とはいえ、殺した神が違う以上、相手の持つ能力もまた違うもの。しかも、複数の神を殺し、異なる権能を保有している人物だ。
そのため、護堂はまず相手の能力を把握し、そこから彼がどの神を殺したかを推察して対処法を見出し、その上でさらに自分の能力の発動条件を整え、戦術を蓄える、という段階を踏まなければならない。
これは敵を倒すというよりも、攻略するといった方が良さそうな、きっかりとしたプロセスを提示するスタイルなのである。
バトルものとしては、ドラゴンボールよりむしろH×H的な性質を持ったものとしてもいいのではないだろうか。
護堂が神の権能として奪った軍神ウルスラグナの十の化身の中でも最強とされる能力は、相手の正体を看破し、その在り様を言霊によって解体し、神秘性を剥奪していくことによりダメージを与えるという代物であり、神に対する蘊蓄、考察や解釈は京極堂の憑物落としにも類するなかなか見応えのある論述となる。
今回は特に、魔王ヴォバンの殺した神の正体は、その特徴、能力からはまるで想像していなかったあまりにも意外な、だが誰でもその名前を知っている有名な神様で、これは心底驚かされた。
前回のアテナもそうだったけど、これは一般的なその神の神話を知っているだけでは、なかなかその正体には辿りつけないだろう。太陽を食らうほどの狼となると、まずフェンリルとかそっちの方しか発想がいかん。
この神の正体、成り立ちの解体のくだりは、毎回非常に読み応えがあって実に面白い。
まあ、前回の感想でも少し触れたけど、神の正体を突き止めるのにやっぱりフィールドワークの類いは行わないんだけどね。これやっちゃうと一冊では収まらんというのもあるだろうし。

とはいえ、カンピオーネという存在が神殺しの名に相応しいまったくもって傍若無人な暴君であるというのは間違いないことで。
その横暴さ、理不尽さを体現する存在として、今回登場のカンピオーネ。サーシャ・デヤンスタール・ヴォバンはその存在感を示してくれたのではないだろうか。まさしく、魔王。この自分以外の人間を虫けらとしか考えていなさそうな、自身の欲望に忠実な暴虐の王。
これほど揺るがぬ悪そのものであり、大物の威風を損なわず君臨する敵というのは、なかなかお目にかかれないんじゃないだろうか。
なにしろ、主人公からして世界の魔術師たちが王と崇め傅く<カンピオーネ>なのだからして、敵もまたそれ以上のボスキャラでないと話にならない、というのもあるんだろうけど、しっかりとそうした存在感のあるボスを敵として配置してくれるところは、安心感がある。

そう、やっぱり護堂も【王】なんだよね。彼の性格やキャラクターは、決して他のバトルものの主人公から逸脱したものじゃないはずなんだけど、彼の戦いぶり、存在感というのは一人の戦士ではなく、君臨する王であるのだというのは、今回読んでてなんか実感した。
面白い。
エリカや万理谷、そんでリリアナにしても、仲間であり守る対象でありながら、同時に王に従えその命に殉じる騎士であり、巫女なんですよね。
途中、万理谷が幻視するシーンで、王を守護する紅と青の双壁の騎士というイメージがあったんですが、あれはなんか燃えたw
ヒロインたちが主人公を守護する役目を担っている、という作品はよくあるんですけど、その対象となる主人公ってここぞというときは活躍しても、どうしても庇護者という印象が強いんですよね。一方で、この護堂は普段はどうあれ、自分がどういう存在かを認識し、理解した上で、しっかりと受け入れている。時にその力を振るうことを厭わない、王として振る舞うことを忌避しない、エリカたちが従うに足る存在感があるんですよね。見ていて、爽快ですらある。

で、その彼を取り巻くヒロイン衆ですが、前回は脇に押されていた万理谷がメインとなってプッシュされてましたけど、やっぱりここぞという時にエリカが示す存在感は大きかった。
言葉すら交わさず一瞬のアイコンタクトで互いの意思を通じ合わせる、その繋がり。互いの能力以上に、その考え方、有り様を信頼しきり、共に地獄に落ちることも躊躇わない絆。
相棒として、こればっかりは他の女が入る余地がないような関係に見えますね。
ただ、逆に相棒としての信頼関係が強すぎることが、エリカが恋愛関係で護堂を落とせないことにつながっているような気がします。
日常では、どちらが主君か知れたものではない傍若無人さで護堂を振り回し、下心や打算を隠しもせず護堂に色仕掛で迫る彼女。
彼女が所属する魔術結社の利益のため、護堂を籠絡し利用しようとしていることを隠してもいないエリカですけど、彼女がそれ以上に護堂に惚れているのも間違いない話で。きっと、彼か組織かの選択を迫られたら刹那の迷いもなく、彼の側に立つんだろうな、という気持ちはその言動の端々から伺えるわけですが。元々組織への忠誠心とかあんまりなさそうですし、自分本位だし。彼女の開けっぴろげでフリーダムで奔放すぎる愛情表現、求愛行動は、どちらかというと彼女の諧謔的性格に基づいているようにも見えるんですよね。護堂の力を借りたい、利用したいってだけなら、彼本人が宣言しているように、普通に頼めばよほどの理不尽でなければ喜んで力を貸してくれるはずなんだから。
初めて出会った頃の冷淡な態度が彼女の素の顔だとしたら、今のエリカは騎士として護堂に仕えるだけでなく、女としてベロベロに惚れてるって事で、だからこそあんな求愛行動で迫って護堂の反応を楽しんでる、というか落とす過程を楽しんでるんだろうけど。ただ、本気で護堂に恋愛感情を芽吹かせたかったら、女としての隙を見せてやらないと、今のままだと相棒としてしか見てもらえんのではないだろうか。なんだかんだと、エリカって頼もしすぎるもんなあ。
あいつ、エリカがストレートに好きです、って迫ったら意外ところっと行きそうなんだけどなあ。

P.S
キスシーンがエロいというのは大事だと思う。大事だと思うw
万理谷とのシーン。息継ぎした時に早口に神の在り様について語りながらキスを繰り返す、というシーンもエロかったんだけど、ラストのエリカが護堂の首根っこ押えて、万理谷とのそれを消毒するようにネチネチとしてくるそれも、エロかったなあ(堪能

カンピオーネ! 神はまつろわず4   

カンピオーネ!―神はまつろわず (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-1)

【カンピオーネ! 神はまつろわず 】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫


神様を殺すとは如何なることか。
神殺しってと、即発的に思いつくのはあれだ。中二病とかいう単語で括られてしまう単純な武力・戦闘能力で、神様と呼称されるほど強大な存在を叩きのめすパターン。私は、これだって書き方次第でとてつもなく面白くなる手法だと思うんですけどね。好きですよ、そういうの私。
ただ、それは類別するなら物理的な手段による強殺であるわけだ。しかし、神を殺すというのは別に物理的手段に寄らずとも行えることに注目すべき点がある。概念の抹殺、神性の剥奪。伝承の根絶。
基督教における悪魔が、もとは異教の神であることは有名な話だし、身近な日本の妖怪も、いくつかは堕ちた神のなれの果てである、なんて論もわるわけで。
面白いのはこの作品、カンピオーネと呼ばれる神殺しという存在は、まったくと言っていいほど先ほど述べた神殺しの前者的存在にも関わらず、主人公が神と対峙した際に、神を倒すための技は後者――神の来歴を審らかにし、その神性を解体することで、神にダメージを与える、というところなのである。
個人的に大傑作認定している霜島ケイの【封殺鬼】は、十数巻という巻数を費やして、敵である神の正体を解き明かす探究をやってのけたわけですが、この【カンピオーネ!】のアプローチは、【封殺鬼】や【京極堂シリーズ】のそれに似ていて、なかなかに興味深く、面白かったんですよね。
まあ、その肝心の神性の解体自体、甘いっちゃ甘いのですが。考察と解釈、其処に至るまでの過程がまるでなかったからなあ。確かに、活劇的神殺しな要素も捨てられない以上、一巻でラブコメとバトルを踏まえながら、地道に資料の探索やフィールドワークを重ねて神様の正体を解き明かしていく、みたいな学術的闘争までフォローしろ、というのは酷な話なのかもしれないけど。実際にそれやっちゃうとなると、京極堂シリーズみたいな鈍器になるか、封殺鬼みたいに超長期シリーズになるか、だもんなあ。
とはいえ、なんとかこの一巻でラブコメとバトルと神の解体をちゃんとやってのけてるのも確かで、凄いっちゃ凄いし、ちゃんとエンターテインメイトとしても面白いのだ。バトルはキッチリ盛り上がるし、ラブコメはヒロインのエリカが独壇場で存在感を示しているので、自分的には大盛り上がりだし。
いや、私、エリカみたいなキャラ大好きなのですよ。好みど真ん中なのですよ。
強気で傲慢で自信家で天上天下唯我独尊、それでいて主人公である護堂への好意を隠そうともしない。
まあ、あれだけ偉そうにしながら好きだ好きだ、と言われても本当か? と信じられない護堂の気持ちも分からないでもないので、ちょっと引き気味の彼の反応も決して嫌じゃないんですよね。
それでいて、彼女からの好意には引いてる癖に、利用されることに関しては何の含みもなく、困ってるなら友達なんだから助けるぞ、という迷いなく渦中に飛び込む事を厭わないまっすぐさは好ましい限り。
エリカもそういうところに惚れてるんでしょうけど、この娘も好意は隠さない癖に変にその辺茶化したり、本音の本心はあんまり見せたがらない捻くれたところのある素直とはかけ離れたところのある娘なので、なんだか噛み合ってるのかすれ違ってるのか、ようわからんコンビなんですよね。
それがまたいいんですが。

うん、なんにせよ思ってたよりかなり面白かった。癖は強いけど、それがまた癖になる、という感じで。快なり。
 

7月4日

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右薙 光介
(Kラノベブックス)
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火事屋/蛙田アメコ
(ライドコミックス)
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真鍋譲治/すかいふぁーむ
(ライドコミックス)
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伊吹 亜門
(星海社FICTIONS)
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柴田 勝家
(星海社FICTIONS)
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6月28日

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6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
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猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
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たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
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幌田
(まんがタイムKRコミックス)
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6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
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鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
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迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
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篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
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寺王
(オーバーラップ文庫)
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御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
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メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
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雨川水海
(オーバーラップノベルス)
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江口 連
(オーバーラップノベルス)
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和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
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KK
(オーバーラップノベルスf)
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雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
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6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
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志瑞祐
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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月見 秋水
(MF文庫J)
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三月みどり
(MF文庫J)
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花間燈
(MF文庫J)
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衣笠彰梧
(MF文庫J)
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常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
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ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
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疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
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九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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甘岸久弥
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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天ノ瀬
(MFブックス)
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ラチム
(MFブックス)
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櫻井 みこと
(MFブックス)
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御手々 ぽんた
(MFブックス)
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支援BIS
(KADOKAWA)
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藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
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ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
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蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
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水無月すう
(角川コミックス・エース)
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鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
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御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
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人生負組
(角川コミックス・エース)
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ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
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神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
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黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
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村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
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七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
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天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
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白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
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木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
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6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
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押切蓮介
(ビッグガンガンコミックス)
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小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
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佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
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萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
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優風
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
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三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
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内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
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花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
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久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
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フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
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カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
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泰三子
(モーニングKC)
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ハナツカシオリ
(モーニングKC)
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瀬下猛
(モーニングKC)
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NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
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村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
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都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
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殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
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6月20日

風間レイ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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楢山幕府
(TOブックス)
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リッキー
(TOブックス)
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こりんさん
(GCN文庫)
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武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
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ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
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千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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6月19日

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6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
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双龍
(ヤングジャンプコミックス)
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深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
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中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
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光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
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ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
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中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
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峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
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畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
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山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
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栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
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高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
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草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
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福井セイ
(少年サンデーコミックス)
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安西信行
(少年サンデーコミックス)
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新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
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寺嶋裕二
(講談社コミックス)
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三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
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伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
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羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
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桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
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陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
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高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
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恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
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三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
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あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
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白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
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綾里けいし
(ガガガ文庫)
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カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
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伊崎喬助
(ガガガ文庫)
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平坂 読
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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緒二葉
(ガガガ文庫)
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川上 稔
(電撃の新文芸)
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美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
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草薙 刃
(電撃の新文芸)
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時田 唯
(電撃の新文芸)
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6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
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松岡健太
(マガジンエッジKC)
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さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
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あだちとか
(講談社コミックス)
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和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
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6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
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猫田パナ(富士見L文庫)
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佐々木禎子(富士見L文庫)
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仲町鹿乃子(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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鍋敷(アース・スターノベル)
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LA軍(アース・スターノベル)
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天然水珈琲
(アース・スターノベル)
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西尾維新(講談社文庫)
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葛城阿高(ビーズログ文庫)
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ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
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小田ヒロ(ビーズログ文庫)
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綾河ららら
(サーガフォレスト)
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バッド(サーガフォレスト)
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真安一(サーガフォレスト)
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カヤ(サーガフォレスト)
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コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
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よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
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わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
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小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
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6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
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星奏なつめ(GA文庫)
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冬坂右折(GA文庫)
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白石定規(GAノベル)
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星崎崑(GAノベル)
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えぞぎんぎつね
(GAノベル)
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三木なずな
(GAノベル)
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カイシャイン36
(GAノベル)
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よっしゃあっ!
(GAノベル)
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6月13日


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6月12日

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6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
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天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
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おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
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猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
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リムコロ
(角川コミックス・エース)
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冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
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浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
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春花あや
(角川コミックス・エース)
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経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
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佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
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古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
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ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
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森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
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加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
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飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
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こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
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白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
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オジロマコト
(ビッグ コミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
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田村由美
(フラワーCアルファ)
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もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
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影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
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相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
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となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
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ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
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秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
Amazon


東崎惟子(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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和ヶ原聡司(電撃文庫)
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白金透(電撃文庫)
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鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
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佐島勤(電撃文庫)
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二月公(電撃文庫)
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鏡遊(電撃文庫)
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真代屋秀晃(電撃文庫)
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周藤蓮(電撃文庫)
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瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
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小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
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KK(カドカワBOOKS)
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うみ(カドカワBOOKS)
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ふか田 さめたろう
(宝島社)
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魔石の硬さ
(TOブックス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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地雷酒(TOブックス)
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サンボン
(TOブックス)
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蒼月海里(角川文庫)
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椹野道流(角川文庫)
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森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
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桑原水菜(角川文庫)
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仁木英之(角川文庫)
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6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
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荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
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奈良一平
(講談社コミックス)
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小玉有起
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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高田裕三
(シリウスKC)
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長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
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ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
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村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
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K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
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刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
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光永康則
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
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一二三
(KCデラックス)
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がしたに/MITA
(KCデラックス)
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うかみ
(KCデラックス)
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エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
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桜野みねね
(BLADEコミックス)
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森野きこり
(BLADEコミックス)
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6月8日

かみはら(早川書房)
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西尾維新(講談社)
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ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
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佐藤二葉
(星海社COMICS)
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山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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稲葉光史/山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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6月7日

泉光
(アフタヌーンKC)
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TNSK
(アフタヌーンKC)
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水瀬るるう
(まんがタイムコミックス)
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琴子/TCB
(ガンガンコミックスONLINE)
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枢呂紅/優月祥
(ガンガンコミックスUP!)
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雨後一陽/とちぼり木
(ガンガンコミックスUP!)
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西島ふみかる/白縫餡
(ガンガンコミックスUP!)
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雨沢もっけ
(ガンガンコミックスUP!)
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ふか田さめたろう/松元こみかん
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/春夏冬アタル
(ガンガンコミックスUP!)
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リキタケ/三木なずな
(ガンガンコミックスUP!)
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琴子
(SQEXノベル)
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猫子
(SQEXノベル)
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平成オワリ
(SQEXノベル)
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榛名丼
(SQEXノベル)
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蝉川夏哉
(宝島社文庫)
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貴戸湊太
(宝島社文庫)
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