【両親の借金を肩代わりしてもらう条件は日本一可愛い女子高生と一緒に暮らすことでした。】  雨音 恵/kakao 富士見ファンタジア文庫

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今日からアナタは私のものです! 親のせいで可愛いJKと同棲(のち結婚)

海外逃亡した両親の借金の返済を迫られた高校生・吉住勇也を救ったのは社長令嬢の同級生・一葉楓だった。
その条件は、「――私と同棲することです!」「……なんで!?」
そして始まった楓との生活。
全国女子高生ミスコンの1位に輝くほど可愛い彼女が、お風呂に一緒に入って背中を流そうとしてきたり、添い寝したり……、「いやいやこんなことで絆されないぞ!」と意地を張るも、誰にも見せない無邪気な笑顔や人知れず努力する一面を知れば知るほど、どんどん楓が好きになって……。
抜群に可愛くて、ちょっと抜けてて、一生懸命な彼女とのハプニング満載同棲生活!
これ、男女を逆にしてしまうとわりと盛大にアウト案件じゃないですか?w
親の借金でヤクザに引き取られそうになった少女を、金持ちのイメケン男子が代わりに借金払った見返りに自分のものにした上で、自分の部屋に住まわせながら迫りまくる、という構図は完全にエロ漫画である。いや、少女漫画とか少女系小説なんかだとこういうパターンもあるの?
でも一緒のベッドで寝ようとしてきたり、勝手にお風呂入ってきたりって、美少女でなければ許されない、ですよねw
いいんだよ、美少女なんだから許されるんだよ、というお話である。
とはいえ、金で買った関係である、というのは厳然とした事実。借金取りのお兄さんとは幼い頃からの付き合いでもうなんか兄貴分という感じでお兄さんの家族ぐるみで懇意にしていた関係でしたし、借金の件もお兄さんかなり本気で上に取りなして身体張って勇也の事守ろうとしてくれていたので、本当に酷い事にはならなさそうだったので、勇也の方にもあんまり絶体絶命から救ってくれた恩人、という実感は得られていなかったみたいなんですよね。
なんなら、楓と結婚して大企業の社長職を継がなきゃいけない、という強制ルートも大概地獄っぽいですし。
というか、今どき電機メーカーなんてしかも一族経営とか、お先真っ暗で先行きヤバそうなんですけどねえ。
とはいえ、楓の方は借金を笠に着て無理やり健人に迫るというわけではなく……いや、人生プラン押し付けられた段階で思いっきり笠に着てるかもしれませんけど、普段のアプローチでは立場の違いを利用してという真似はしていないのでセーフ、ギリギリセーフ。自分個人の魅力でもってアプローチするのはセーフの範疇、思いっきり女の武器を使いまくってる気もしますけど。
でも、そのあたりも好きの気持ち任せで結構無理はしている感じはあるんですよね。積極的にイケイケガンガン突撃していますけど、完全にノリノリでというわけではなく、ちょっとビクビクしながらという風情も見受けられるんですよね。だからこそ、一途さが感じられて、健人の方も惹かれていったのでしょうけれど。
相手から良い反応が返ってきだしたら、必死のイケイケにも段々と調子が出てくるというもので、いやこの場合は調子に乗ってきだすというべきか。学校でももとのキャラ続ける気さらさらなく、見せつけるようにバカップルをはじめてしまうあたり、ウカレてキャラが壊れたのか素が出たのか、或いは所有を主張する牽制だったのか。
案の定、健人にほのかに好意を持っていた娘たちは軒並み撃沈されてしまうわけですが。
個人的には、所詮金で買ったのがはじまりの関係、別に本当に好きな娘が出来てしまった場合、二階堂哀との仲が友情ではなく恋愛感情に至ってしまっていたら、どんな修羅場になっていたかは興味あるんですよね。借金問題というお金が絡んでいる上に金を払ってでも手に入れるという重たい愛情が合わさっている以上、とてもドロドロとした愛憎劇になりかねない要素たっぷりな環境設定だったのですが、無事というか残念ながらというべきか、そちらは回避されて順当に積極的な好意の攻勢に撃ち抜かれて陥落した、という展開に収まった感があります。
健人が楓の事を段々と好きになりながら、その気持ちに応えることを躊躇していた理由も、両親に捨てられた事で大事な家族を作ることへの怯えがあったから、みたいなものでしたけど、そもそもおいていかれた時もそれほどショック受けてた様子も見せてなかったですし、いや夢見て泣いちゃってたりはありましたけれど、それだけと言えばそれだけであんまりトラウマという感じがなかったですしね。ちょっと取ってつけたような印象はありました。
ともあれ、すんなりと愛されることを受け入れ、自分の人生を彼女に預けることを決めてしまいましたけど、これから彼女に寄り添うには尋常ではない多大な努力が求められることを彼はちゃんと理解しているんだろうか。覚悟決まってるんだろうか。彼女の気持ちに応えるという一点にしか意識が行っていなくて、与えられたものを返すことの困難さを果たして見ているんだろうか、という不安が。
あと、あんまり日常シーンなかったんですよね。同棲している上でのハプニング的なエピソードは幾つもあったのだけれど、一緒に暮らしている中での何気ないワンシーンとか、生活感を感じさせる景色、呼吸みたいなものを読み取れるシーンがあんまりなくて、同世代の男女が同居しているという折角のシチュエーションに対して、広がり奥行きをあんまり感じられなかったのはちと残念でした。
続きあるのかな。もうあとはひたすらイチャイチャするだけしかやることなさそうだけど。というか、最初からイチャイチャしかしてないですが。