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伊崎喬助

董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ 4 ★★★★   



【董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ 4】  伊崎 喬助/ カンザリン ガガガ文庫

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孫家の姫、現る!

拉致された董白は、曹操の根拠地である許昌に連れてこられる。
そこに現れたのは、孫家の姫、孫尚香だった。
「ここから出て自由になりたいなら、わたしと来い」
曹操は、袁術と呂布が手を組んだ“長江同盟”と対立しており、そこには彼女の父、孫堅も参加しているらしい。
しかし、その同盟も一枚岩とはいかないようで……?
董白の身柄を押さえた曹操、袁紹軍の客将となった劉備、そして長江同盟で機を窺う孫堅――形を変えた“三者鼎立”は、歴史に新たな風を吹かせるか。

打擲幼女の覇道ファンタジー、動乱の第4幕!

主君である劉協陛下もあちらこちらにお持ち帰りされた人だけれど、董白ちゃんはさらにミニマムで持ち運びしやすいせいか、単体で軽々と携帯されてお持ち帰りされること度々。
確かになんかこう、持って帰りやすそうな体型してたけどさ。あんまりデカくないとはいえ男の曹操はともかくとして、同じ幼女っぽい孫尚香にもお持ち帰りされてしまうとは。
こんな事なら劉協くんも遠慮してないで、さっさと董白ちゃんお持ち帰りしておけばよかったのに。

というわけで、本拠である長安から強制的に引っ剥がされ、群雄たちが割拠する中原へと引っ張り出されてしまった董白ちゃん。人材マニアな曹操が董白ちゃんをただの人質なんて扱いをするはずもなく、彼女の才覚を試すように様々な難題を突きつけてくる。突きつけてくるだけならまだマシで、取り敢えずなんかやれ、とばかりに渦中に放り込んでくるのだからたまらない。いきなり戦場に放り込まれて部隊を率いさせられるわ、先日反董白連合で盛大に戦った相手の頭目であるところの袁紹の前に連れてこられた日には、董白ちゃん白目である。
凡人らしく目まぐるしすぎる上に過酷過ぎる状況に狼狽えてるばかりだと、曹操ってば露骨に白けた様子を見せだして、飽きたらポイするぞ、とばかりに強制的に才を示せ、な状況に追い込まれて、これってどう考えてもブラックですよね?
曹操陣営、こんな主君に仕えて常に試されているのだとしたら、相当に過酷である。精神病みそう。
況してや、仕えたつもりなんかない董白ちゃんである。ってか拉致られて無理やり連れて来られた挙げ句にいきなり最前線送りですもんね。董白ちゃん、少女なのに。さらにいうと漢の相国なのにw

このまま曹操陣営に抑留されていたら、それこそ絞りカスが出ないところまで絞られ尽くされそうだったので、孫尚香ちゃんが目ざとく董白ちゃん、掻っ攫っていってくれたのは結果だけみたら幸いだったのかもしれない。
少なくとも孫尚香はアホの娘で人の言うことをまったく聞かなくても、コントロールは出来る娘だったし、その親の孫堅はというと野獣みたいな男ではあるが狡猾な獣らしく話は出来るし交渉も効くタイプだったんですよね。いやあ、孫堅もその荒さやずる賢さは奸雄と言っていいヤバい人だったのかもしれないけれど、人を限界まで追い込むような狡猾さは曹操以上にヤバいやつはいないし、暴力の権化としては呂布以上の凶暴な輩はいないだけに、相対的にまともに見えるんですよね、孫堅は。
義理堅く、身内家族に対しては情が厚い、というまっとうな感性の持ち主ですし。
不義即斬、という関羽みたいなホントの意味でまったく人の話聞かないし、自分の正義だけしか見ていないようなヤバい奴に比べれば、ほんとにマトモな人だった、孫堅は。
でも、逆にここまで突き抜けた輩が跋扈する三国志の世界においては、まともであるというのはむしろハンデだったのかもしれないが。
それでも、董白ちゃんの唯一の武器であった口撃が、前みたいにコントロールできない自爆技だった頃に比べると、ある程度制御できる上に自力で発動させるようになってきたのはちょっとした安心感である。口八丁で切り抜けるだけでなく、相手を騙す云々ではなくその鋭い舌鋒で相手の精神を切って捨てる武器なだけに、痛快でもありますし。

さても、中原の戦況は群雄割拠の様相を呈しつつ、袁紹を中心とした華北連合と、袁術・呂布・孫堅による長江同盟という二大勢力が成り立ち、対立を深めつつあるという董白ちゃんの未来知識が通用しない展開に!?
と、思ったら、その内実はなかなか混沌としていて、完全に史実ルートから外れた、というわけでもなさそうなんですよね。というよりも、皮だけは妙なことになっているけれど、中身に関しては思いの外ルートこそ紆余曲折経ているけれど、結果として史実通りに進んでいるのかもしれない。

それでも、趙雲・馬超・甘寧という三人が董白ちゃんについてくれているのは、明確に史実と異なっている部分なので、そこが頼りといえば頼りだよねえ。
特に趙雲はある意味本作のもう一人の主人公、みたいな展開になっていているし。
今回も、ついに天下無双・人中の呂布という三国最強の武将と直接槍を交えることで、もう自分の才能の乏しさというものを嫌というほど痛感させられ、悔しさに惨めさに半泣きになりながら、それでも自身の乏しい才にしがみつき圧倒的すぎる呂布に、犬猿だった馬超と協力して立ち向かう姿は、ちゃんと英傑の一人に相応しい勇姿だったじゃないですか。
うまいこと董白ちゃんが退けた呂布ですけれど、こと暴力、こと戦闘に関しては今まで無双無敵無敗でありつづけ、その驕慢な余裕自信は揺るぎないものがあっただけに、ここでようやく呂布に武で勝利した、痛めつけてやれた、というのは大きいなんてものじゃなかった。どれだけ強くても、こいつチンピラなんだよなあ。それに比べれば、趙雲はどれだけ雑魚で弱くて情けない性格していても、その根底は見事な武人なんだよなあ。
ようやく馬超がそれを認めてくれたのはちょっとうれしい。ってか、馬超と趙雲にフラグ立った?

無事孫堅を助けることが出来、袁術ともなんとか対等に結べ、傍若無人の呂布を退け、東に追いやられていた長安勢力として、南側と盟を結ぶことが出来てよかったよかった、希望が湧いてきた! と、なったところでラストの「ゴンッ」である。
よ、容赦ねぇーッ!! うわー、そう来たか。本作、全然ゆるゆる三国志してくれないじゃないですか。曹操、打つ手打つ手が詰め手すぎて、こいつホントにやっばいわー。
これ、董白ちゃんどうやって生き残れるんだ? 


董白伝~魔王令嬢から始める三国志~3 ★★★★   



【董白伝~魔王令嬢から始める三国志~3】  伊崎 喬助/ カンザリン ガガガ文庫

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“神算の軍師”、きたる!

長安に都を移し、いよいよ“新・三国志経済圏”の構築に乗り出す董白。
必要なものは、塩、そして銀。

そんな折、曹操に仕えた軍師、荀攸が近くに逗留していることを知る。
経済のアドバイザーとしても是非とも味方に引き入れたい董白だったが、荀攸は想像以上の変わり者で――。

涼州、そして益州からの使者団。都周辺で暗躍する“鈴鳴り”の賊。そして、暴走の気配を強める舌の悪癖。
山積する懸案のなか、つながる点が導く真実とは――?

新たなる史を目撃せよ! 打擲幼女の覇道ファンタジー、第3幕!

全部放り出して西域にとんずらする計画もポシャってしまい、本格的にこの三国志世界で漢王朝の相国として生き残りを図らなくてはならなくなった董白ちゃん。
長安を基盤に経済圏を構築して生存圏を確保する、という目標を立ててようやく腰を据えて領地の統治に勤しみだす。一端の乱世における君主としてのデビューと言っては過言であろうか。
ただこれ、文官内政官のたぐいが董白ちゃんの部下には全然いないんですよね。周りは李傕や馬超をはじめとして武官ばかり……言葉を繕わなければ脳筋ばかり。漢王朝の重臣たち、王允をはじめとする連中は獅子身中の虫である以前に名家と儒者ばかりなので、董白ちゃんが推し進めたい経済政策に対しては無知を通り越して穢らわしいものとして認識しているので、役立たず、どころか影に日向に邪魔してくる可能性すらある。
軍師が、軍師がいない! いや、まじでいねえ。三国志といえば、いっそ軍師たちが主役と言っていいくらい百花繚乱の軍師たちが並居っているはずなのに、董白ちゃんの周辺には頭を使える人たちが一人もいないものだから、董白ちゃんが全部一人でやらなきゃならなくなっている。敷いて言えば蔡琰ちゃんが文官として極めて優秀で、実務は彼女で回っている節があるのだけれど、逆に言うと実務以上の政策立案や長期の国家戦略、企画についての相談まではちょっとむずかしい感じなんですよね。軍略に至っては門外漢でしょうし。
軍師が、やはり軍師が足りない!
そんな切実に頭脳担当の配下を欲する董白ちゃんのもとにひょいと現れたのが、自分の暗殺を図って投獄されているという荀攸。いや、キャラ濃すぎないですか、この荀攸。わりと温厚というキャラ付けがされがちな軍師ですけれど、確かに董卓暗殺を図ったりとバリバリの行動派でもあったんですね、この人。ただ烈士というべき姿勢で董白ちゃんの姿勢を詰めてくる彼ですけれど、彼女が真面目に長安周辺の慰撫に努めているのを見て、助言をくれるようになる。
おおっ、ついに軍師参入か!?

ただ、董白ちゃん。あの追い詰められると豹変して自分でも止められない勢いで相手を口撃して叩き潰してしまう、という悪癖がさらに悪化して魔性の女になってしまう、という作用が出てきてしまったために、貂蝉に頼って呪術によって豹変そのものを封印してもらうことになる。
これ、ヤバい時にあの暴走状態によって危地を強引に突破してきた董白ちゃんにとって、切り札を封印する、という意味でもあったんですよね。自分でコントロールできない、というのは確かに怖いし、さらに女を武器にしだした上になんか自分の人格そのものが乗っ取られたみたいな感覚に襲われたら、そりゃもう二度と発動させたくない、と思うのも仕方ないのだけれど、あれこそが今の董白ちゃんを形作ったとも言えたんですよね。彼女が魔王の後継として畏怖されるのは、あの状態の董白ちゃんが暴虐を尽くしたからとも言えるわけで。
あれがなくなってしまうと、どうしても心許なくなってしまう。追い詰められても激高せずにブチ切れもせずに、穏やかに理性的に対処しようとする董白ちゃんは、何をしでかすかわからないヤバさこそなくなったものの、逆にスケールが小さくなったとも言えるんですよね。壁を打破できない惰弱さが垣間見えてしまった、とも言える。おかげで、麾下の兵士たちを含めて交渉相手にも段々となめられだす董白ちゃん。ままならないものである。

ままならなさに苦労しているのは、前回董白ちゃんにスカウトされて部下になった趙雲くんも同様で。
陰キャな彼は念願の将軍候補として董白ちゃんに指名されて、部下も与えられるも、こちらもその陰気さとやる気のなさが部下たちに舐められてしまって、統制もままならずに、はたして自分は将軍の器じゃないんじゃないか、と悩む羽目になる。
そもそも、自分が将軍になりたい、という夢を抱いたのも師匠に言われたからという受動的なものであって、自分が心から欲したものはなにもないんじゃないか、とどんどん後ろ向きになっちゃんですね。元から前向いてたことがないじゃないか、という陰気キャラだったのだけれど、それでも将軍になる、という目標があったのでそれを目指すことが出来ていたんですけどね。
それも、雑に董白ちゃんに叶えられてしまって、当面の目標も見失ってしまって、さらに鬱々と……という負のスパイラル。
ただ、実際には趙雲くん、董白ちゃんからはえらい頼られてて、今長安周辺を混乱に陥れ、彼女の経済政策の障害となり、また彼女を取り巻く陰謀の要ともなってる鈴を鳴らす盗賊団の調査、追跡に重宝することになるんですね。
趙雲くんって、董白ちゃんにとっては初めて得た直臣なんですよね。李傕はあれ、董白ちゃんに幻想抱いていて、董白ちゃんからすれば自分の実態をわかって心酔してくれているかわからない部分があって怖いだろうし。馬超も、どちらかというとあれ董白ちゃんが可愛い女の子だからべた惚れしてる、守護らねば、と思っている感じで、主君として仕えてくれているかというと微妙なところがある。所属としても、涼州サイドとの二足のわらじで、いざとなればどちらにつくかわからない部分があるし。その点、董白ちゃんが自らスカウトした趙雲は、掛け値なしに相国・董白の臣なんですよね。
もっとも、趙雲はそこまで別に思い入れていたわけではなく、自分を評価してくれたから仕えてみた、というくらいの軽さだったわけだけれど……。
件の盗賊、甘寧を追撃していく上で自分の将としての未熟さを痛感し、また自分の夢や志の実際の空虚さを実際に部下を率いて働くことで実感したあとで、それでも頑張ろうと陰キャな彼が思えたのは、董白ちゃんの期待と信頼ゆえだったのです。あの自分を認めてくれる主君を助けるために、自分なんかでも出来ることがあるみたいだし、頑張ろうと、あの後ろ向きな趙雲が思うようになるんですね。
武の才能もなく、内功という気の総量が生来乏しい趙雲は、まさに凡夫。でも、諦めず黙々と努力し続け叩き上げで技を鍛え上げ、超一流の武人に立ち向かえるだけの実力を鍛え上げた彼は、これもうもう一方の主人公と言ってもいい活躍だったんじゃないでしょうか。
溢れんばかりの才能を傍若無人に振り回す甘寧との、ヒリヒリするような殺し合い、真剣勝負。圧倒的に上回る才を、丹念に丹念に折りたたむよに捻り潰していく趙雲の、凡人ゆえの凄みある戦い。
今回は、彼の見せ場たっぷりで、大満足でした。
そんな彼こそが、董白ちゃんを色目で見ず、勝手に飾り立てて信奉するわけでもなく、暴走状態の彼女に魅入られたわけでもなく、等身大で素の董白ちゃんを主君として認め、彼女のために頑張ろうと思って仕えてくれた初めての臣、だったんじゃないでしょうか、これ。

そして、一連の董白ちゃんを狙い撃ちにした謀略の黒幕。これは、さすがにまさかそこか!? と、かなりギリギリまで気が付きませんでした。さすがにこれは予想外だよ!!
いや、これ気づく董白ちゃん、普通に凄いですよ。
あと、馬超ちゃん。もしかして、馬超じゃない可能性あるのか、これ?



董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ 2 ★★★☆   



【董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ 2】 伊崎 喬助/カンザリン ガガガ文庫

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相国を拝命し、いよいよ国外逃亡が難しくなってきた董白。

「こうなったら……リクルートです!」

生存戦略のため関羽を仲間に引き入れようとするも、これが“義侠”の逆鱗に触れてしまい……。
そんなとき、後に“虎威将軍”と呼ばれる青年が敵陣にいることを知る。

名は趙雲、字は子龍。

窮地に立つ董白は、彼のリクルーティングに一縷の望みを託すのだが――?

孫堅の襲来。伝国の玉璽。呂布と陳宮の暗躍。そして、長安遷都。

絶えず流れを変える歴史の渦のなか、幼き魔王が打つ一手とは?
打擲(ちょうちゃく)幼女の覇道ファンタジー、第2幕!
ただ自分のみを守るため、うまいこと逃げ出すためにあれこれと謀を巡らし、動き回っていた董白。最大の味方である馬超はロリコン百合で董白ちゃんに首ったけというのもあるのだけど、それ以前に董白は子供なんだから責任なんか負わず逃げていい、という考えの人なのでその意味でも全面的に味方だったのだけれど、逆に言うと本当の意味で味方だったのってその馬超だけだったんですよね。
だから、あれこれと画策しても自分本位の方向性にまつわる方策はどうにもうまくいかなかった。
ただ董白ちゃん、これで真面目なので相国任されちゃった以上は仕事放ったらかさずにちゃんとこなそうとしちゃうんですね。そうなると自分のことばかりやっていられなくなって、まさに国を動かす仕事を自分の手づから動かすことになる。そうなると、どうやったって漢という国そのものの事を考えちゃいだしてしまう。
さらに、親族の董一族の我欲全開の企みによって皇帝劉協に対面することになってしまった董白ちゃん。そこで出会ってしまったのは、自分と同じようにわけわからん立場を仕方なく押し付けられてしまった同世代の子供。しかも彼劉協はどこか諦観とともに傀儡たる皇帝を全うしようとしているときた。これをこう、蔑ろにしてしまえないのがまた董白ちゃんなんですよね。わりと自分本位の子だと思うんだけど、仲良くなってしまった人を無視できるような子でもないんですよね。
そうやって放り出せないものが増えてくると、身動きだって取れなくなってくる。一応真面目に仕事してる分、漢を牛耳る軍閥の長として敵対勢力はどんどんと悪名を宣伝するものだから、もう魔王董卓の娘、ではなく董白自身が魔王として悪名を轟かせ付け狙われることになってしまったわけだ。
こうなると、もう身ひとつで逃げ出すなんてこと危険すぎて出来なくなってしまう。それでも未練がましくウダウダとやっていたのですが、とある人の指摘、或いは忠告によって彼女開き直るんですね。
このまま相国として漢帝国と劉協護りながら、天下統一とか無理だけれどなんとか勢力として生き残ってやる、と。そのために、前世の経済人としての経験と知識フル回転させて、この旧世界に喧嘩売ってやる、と。自分の命と、自分が背負って手放せなくなったものを守るために、ついに董白ちゃん、命を大事にという自縄自縛から解き放たれ、その才覚を存分にふるい出すのである。

ここに来て、まだお神輿というか、偶然担ぎ出されて本人の意志とはあまり関係ない所で歴史の表舞台に立たされてた、という感じだった董白ちゃんが、自分自身の意志で列強の一角を担う群雄の一人として振る舞い出した、という意味でも戦記物らしくなってきた感があるんですよね。
馬超と今回仲間になってくれた趙雲という二枚看板に、李傕という辣腕の軍指揮官、郭椶箸いι隊長もついて一応董白軍としても格好付き出しましたし。軍師が、軍師が足りないけどいないけど。
そういえば、軍師格のキャラって今の所陳宮しか出ていないのかそういえば。有名所は未だ沈黙を名乗ってるけど、どれだけ登場予定があるんだろう。
前回驚かされた劉備のキャラだけれど、案の定桃薗三兄弟、仲間になるどころか最大の敵に。いや「劉備」の仁の在り方からして未だ可能性はあるかもしれないのだけれど、何しろ「関羽」の義侠がなあ。あれ完全にマイルール正義で自分が絶対の判断基準、人の話は聞きません、皇帝の言うことだって聞きません、ってやつで話にならないもんなあ。ただ関羽だけだと本当に融通聞かなくなるので、それで劉備とセットという組み合わせにしているのだろうけれど、ルールが厳密すぎて彼ら自身にもコントロール出来ていない、常に現場対応って感じだし。
しかし董白ちゃんが責任感じているように、蜀の五虎将軍、まだ未登場の黄忠を除いて見事に分断されてしまったのか。趙雲がなんとなく今まで見たこと無いタイプの下積み型なのがちょっと面白い。

しかしこの董白ちゃん、中身は元おっさんということでTS転生、性別が反転しての転生になっていて、おかげで男とのお付き合いは生理的にムリー、って本人は言ってますけれど……。
TSモノの醍醐味の一つとして、元男だけれど女に目覚める、というのがあると思うんですよね。そのまま心は男のまま、というのもあるんだろうけれど、段々と体に引っ張られて心も女になっていく、というのもまたあると思うんですよ。
董白ちゃんの場合、別に体に引っ張られているという様子はないのだけれど、別に普段の振る舞いとか男出てるわけじゃないし、中身の方もそんなおっさんくささもないんですよね。
それでも、恋愛とか生殖の相手として男はちょっと、とはコメントしてるんですけれど……君、劉協くんとわりといい雰囲気じゃね?
董白ちゃんはそんなつもりないんだろうけれど、皇帝という位ではなく劉協個人に接してくれる董白ちゃんに、劉協くんかなり心捕われてますよ?
それでも、皇帝として自分を律しようとしていた劉協の心に、踏み入ったのは貴女の方ですからね董白ちゃん。
前世から、ある一線を超えると自分を制御出来ずに相手の心をへし折る形の悪口雑言を撒き散らしてしまう悪癖がある董白ちゃん。この生でも、度々炸裂させていたその悪癖、まあ呂布や今回は孫堅といった名だたる怪物たちの心を一度とはいえ真っ白にするくらいの超攻撃的煽りをカマしていたわけですけれど……(孫堅の格好は挿絵見て、うん思った。確かにそう思った。董白ちゃん言ってくれて、スッキリした!)、董白ちゃんの言葉、攻撃だけじゃなかったんですね。
同じように自分の中の統制を離れて発せられてしまった言葉。でも、相手は「友達」である劉協であった時、絶体絶命のさなかにそれは確かに親愛と真摯さと誠実さで形作られた、心をへし折り傷つけるものではなく、その心に響かせ鷲掴むものでした。
あれ、完全に劉協くん落ちましたよ? あれ、完全に女の子ムーブでもありましたよ?
あれ、かなりいい雰囲気になってたと思うんですけど、うん。
いやうん、個人的にはですけれど董白ちゃんよ……劉協くんアリじゃね? 有りで、うん。
馬超は怒り狂うかもしれませんが、有りで。あの男の子、可愛いじゃん。さり気なく、後宮誘ってるし。ちょっと勇気も出してたよねw

長安脱出を成功させ、名実ともに一大勢力董白軍の棟梁となった董白ちゃん。反董白連合の魔の手からも、義侠の魔の手からも親族の魔の手からも逃れ、彼女なりにただ生き残り逃げ延びるのではなく、大切なものをまもりながらこの三国志の世界に経済圏を打ち立てて生き残りを図ろうと目論むわけだが、群雄は今なお割拠し、皇帝の身柄を手にしている董白ちゃんは色んな所から狙われること必定。未だ、あの「曹操」が姿を見せていないのも不安が募るんですよね。
董白ちゃんは、果たして生き残れるのか。なかなか一巻よりも見ごたえある展開になってきました。



董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ ★★★☆   



【董白伝~魔王令嬢から始める三国志~】  伊崎 喬助/カンザリン ガガガ文庫

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心を病んだ元商社マン、城川ささね。中華街で意識を失った彼は、目覚めると幼女になっていた。三国志に悪名を轟かせる、“魔王”董卓の孫娘に。
「って、死ぬだろふざけんな!!!」
このままでは董卓ともども処刑されてしまう。転生って、もっとチーレム無双なんじゃないの?ささねは元商社マンの経験と三国志オタクの知識を使って、生存戦略を図るが―?呂布、曹操、劉備、馬超…。煌めく英傑たちとの出会いが、中原に幼き魔王を誕生せしめる。魔王令嬢が「史」を刻む覇道ファンタジー、堂々開幕!!

董白!? 董白ですかー。色々と三国志系の創作は読んだけれど、董白がメイン級で登場する作品ははじめてみた。何しろ、政局戦局に関わる所にいる娘じゃないですからね。
転生先としては相当にブラックである。ほとんど自力でどうこう出来る地位にないくせに、破滅確定な董卓の孫娘ということで将来は見事に真っ暗なわけですし。これで歴史を変えるのだー、とか言われてもどうせいっちゅうねん。
暴君の代名詞とも言える董卓ですけれど、最近は再評価される向きもあり田舎者だけどわりとマトモな武将である董卓をよく目にしていただけに、ここまで敢然と残虐非道の暴君やってる董卓見るのは久しぶりで、逆になんか新鮮ですらあった。
その悪逆っぷりは凄まじいもので、これは董白じゃなくてもこれだけ恨みや憎悪を身分の上下を問わずに買っていたら、早晩殺されるだろうと想像がつくくらいの酷さでありました。或いは、董卓も自分が殺されるという自覚があっての恐怖ゆえに、過剰なくらいに残虐な行為に夢中になっていたのかもしれませんが。
董白に煽られた時の反応からしても、既に正気を失っていた節もありますし。
いやしかし、董白の煽りスキルは凄まじいですな。口が悪い、という特徴のキャラは珍しくないですけど、あそこまで的確に相手の神経逆撫でする文言を吐けるのはいっそ才能と言えるくらいなんじゃなかろうか。前世ではそれで人生棒に振ったらしいですけど、そりゃ当然でしょう、面と向かってあんな事ばっかり言ってたら敵を作るどころじゃないですよ。しかも、自分で制御できずについつい出てしまうと来た。使うべきときに自分の意志で吐けるのならまだ使いようもあるでしょうけれど、追い詰められて精神的にいっぱいいっぱいになると反射的に口撃に出てしまう、って現代だと自分で致命傷引っ被るようなシチュエーションしか思い浮かばないんですが。
これ、どう生きても結局誰かに刺されて死んでたんじゃないだろうか。
かと言って、生き死にの軽さが現代の非ではない三国時代となったら、もっと簡単にぶち殺されそうなのですけど、董白の身分とその口撃の対象になった人物が董卓にしても呂布にしても、恐怖される対象であって遠慮なくキッツい言葉を浴びせられる事に慣れていなかったせいか、怒りや憎しみに煽られながらも無力な小娘のくせに恐れなく悪口雑言を浴びせてくる董白という存在に当惑してしまい、その場で手を出される事を避けられた、という経緯なんですよね……これ、偶々じゃね?
董卓のみならず、呂布の方もまたこれ怖いキャラになってるんですよね。軽薄極まるチャラ男なのですけど、その武勇はまさに人中の呂布であり一騎当千の化け物であるから腕尽くでどんな相手でもぶち殺せるという自信が漲っていて、地位にも権威にも何らの価値を見出していない。常識も倫理も備えていなくて、だから何をしでかすかわからない底知れなさがその軽薄な顔の裏におどろおどろしく揺蕩ってるのである。これがホント怖い。こんな男に真正面から罵倒するとか、董白ちゃん頭おかしいと思われても仕方ないよ?
ちなみに、呂布はロリっ子に罵倒されて喜ぶたぐいの性癖の持ち主ではありませんので悪しからず。
ほかにめっちゃ喜ぶ人が居たんですけどね。李傕って言うんですけど、その人、ってかその武将。史実でも一時期呂布を破り、董卓軍の後継を担ったようにその軍事手腕は侮れないものを持つ将帥なのですけど、ぶっちゃけただの変態です。
ただ、彼が董白ちゃんの後ろ盾になってくれたお陰で、彼女は命脈を保つことが出来たわけですから彼の存在は何気にめちゃくちゃ大きいんだよなあ。
あれほど魔王、暴君として凄まじい存在感を見せつけていた董卓を、史実よりも早く排除してしまう展開はさすがに予想外でありました。孫娘として可愛がりながら、幼くも色々と小賢しく動き回って生存ルートを確保しようとしている董白ちゃんの才能を、自分のために利用し尽くしてやろう、などと目論んでいただけに、どうやって董卓の魔の手から逃れるか、という所が最初の難関だと思っていただけに。まさか最大の重石が速攻で取れてしまうとは。
ただそれは、同時に最大の庇護者が突然消え失せてしまって、董氏への恨みつらみだけが残った状態で放り出されてしまった、という意味でもあり。いやそれでも、董白ちゃんが董卓軍の全権を引き継ぐ、というのは無理筋でしょう! 親戚筋、みんな継ぐの嫌がって董白ちゃんに押し付けた、ってなってるけど。董卓の息子についてはろくに史料も残ってないみたいだけど、弟の董旻なんかかなり野心家的な動きを、董卓の洛陽入城前後に見せているだけに、大人しくすっこんでるタマでもなさそうなのですが、本作ではほぼほぼ居なくてもいいよ、的に逃げちゃいましたね。
ってか、頭領継がなくても負けたら族滅必至なんだから、もうちょっと頑張れよw

ともあれ、偶々知り合い意気投合、というかロリコン百合だった模様な馬超を護衛役に、軍の統率は李傕を後ろ盾に、となんとか軍を統制し、呂布に裏切られて早速乗り出してきた反董卓連合と渡り合うことに。ここで、董卓自身ではなく董白という小娘という立場が危機とチャンスを両取りすることになるんですね。
三国志の主人公とも言える劉備も終盤で登場してくるのですが……これまた、なんというかびっくりするような設定できたなあ。これはこれで、呂布とは違うベクトルで怖いキャラになってるぞ、劉備さん。
ただでさえやべえ呂布に、いい具合に頭オカシくなってる軍師陳宮が合流してしまったせいで危険度増しまくってる呂布軍が完全に敵に回っている状態で、桃園ブラザーズが味方になってくれそうな可能性がありそう、というのは或いは希望なのかしら。劉備さんの方もあれはあれで、マシィィンて感じで独自の理屈で動いているっぽいのがまた怖いのだけど。

伊崎喬助作品感想

スチームヘヴン・フリークス 3  

スチームヘヴン・フリークス 3 (ガガガ文庫)

【スチームヘヴン・フリークス 3】 伊崎喬助/凱 ガガガ文庫

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スチームヘヴン、消滅の危機!?

バスカーズ&トライデントに強力ライバル登場? ビザーバーグ市長の肝入りで実戦配備されることになったスチームアーマー・ミネルヴァ。その開発者は、ニコラスが親しくする町工場の少年の父親、エイブラムだった。商売敵ではあるが、開発者としてのエイブラムに敬意をはらうニコラスは、街の治安を守るクライムハンターとして彼らを歓迎する。一方、蒸気の街には新たな騒動を起こさんとする怪人の影があった。金属脳みその怪人ゴルディアスと、彼と行動を共にするブロンジィ&アルラウネ。彼らの陰謀のもとに、ビザーバーグに過去最大の危機が訪れる。――すなわち、クリーチャー化した電光弾の襲来。対応に乗り出すバスカーズ、トライデント、そしてミネルヴァを擁するエイブラム親子だったが、全てはゴルディアスの盤面の上。悲喜劇のタップを刻む彼らは、果たして盤上の“コマ”から逃れ得るのか……。狂騒のスチーム・ファンタジー第3弾。――焼け焦げた思い出を胸に、怪人は蒸気の街を征く。
あー、これは打ち切りかー。あとがきでもそれらしい文句が出ていたんですけれど、まずもって内容のほうが捲いている、というよりもこの場合は前倒ししている点が散見されて、あれあれ?と思ってたんですよね。勿体無い。実に勿体無い。
派手なアクションに賑やかなドタバタ劇とスチームパンクらしい見目麗しさと同時に、どこか情緒的で情感にうったえてくる叙情的な描写な内面描写、人間関係の醸成をしっかり描き、その先の展開に繋げていた作品だっただけに、この3巻で話に一区切り着けないといけないとなった時の無理がけっこう祟ってるんですよね。しっかり準備を整えて挑もうとしていたところなのに、それらをほっぽり出して締めに向かわなければならなくなった、というような。
これが最後ということで、物語にひと通りのケリをつけるためにはやはり主人公であるニコラスの話にしなければならなかったのは当然なのですが、本来ならばこれまで積み上げてきたものの集大成としての話になるはずが、他とのつながりが乏しいニコラスだけの単独の話になっちゃってるんですよね。
一巻でザジの過去を描き、二巻でザジにニコラスと自分の関係を意識させると同時に、シルフという友達ができることで世界を広げ、と順調に相棒であるザジとの物語が仕上がりだしていたのに、この3巻では肝心の熟成されるべきザジとニコラスの関係がニコラスの話優先で、もう描かれることのない後回しにされちゃってるわけです。お陰で、ザジの思いがニコラスを思いとどまらせる場面での情緒感、訴えてくる威力がかなり乏しいものになっちゃってるんですよね。ザジとシルフの密かな友達としての関係も本来ならあっちこっちに波及して影響を与えそうなものだったのに、そのへん匂わされるだけで機能しなかったし。敵役のブロンジィとアルラウネも外縁部でウロウロしているだけで物語の核心に踏み込んでこれなかったし。彼らもトライデントへの因縁やシルフとブロンジィとの個人的なあれこれなど、要素はたくさんあったのになあ。
そして何より、もう一人のヒロインであるウンディーネとニコラスである。この天敵同士の二人についても、何か掘り下げていく要素があったっぽいのは、ウンディーネがニコラスの過去の断片を知ることで共感というか何か感じ入るものがあった様子からも明らかで、これまでニコラスの存在に反発し敵愾心を抱いていたウンディーネが、心情的に踏み込んでくる展開は絶対にあったんですよね、これ。それが、相棒であるザジに刺激を与えることも、両者の友人であるシルフがそれに拍車をかける可能性も。
なんというか、あちらこちらにやりたかったことの残滓が垣間見えたような気がするだけに、そしてそれが描かれた時のビジョンが思い浮かんでくるだけに、可能性を置き去りにして幕引きに勤しまなければならない無常さにため息が漏れてしまいました。もったいない、この一言につきます。
まだ続けようと思えば全然続けられる締め方だっただけに、ほんと、続刊出してくれないかなあ。まず間違いなく面白い作品がこうして途中で断裂させられるのを見せられると、そう願わずにはいられません。無念すぎる。

1巻 2巻感想

スチームヘヴン・フリークス 2 4   

スチームヘヴン・フリークス 2 (ガガガ文庫)

【スチームヘヴン・フリークス 2】 伊崎喬助/凱 ガガガ文庫

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“トライデント”最後の矛、シルフ登場!

犯罪者を追いかける過程で再びトライデントと激突したバスカーズ。そのことがきっかけで、ニコラスとザジは小さな仲違いをしてしまう。翌日、ささくれだった気持ちで街を行くザジに声をかけたのは、銀色の髪の女性――エレンディラ・サンチェスだった。
気さくな性格のエレンディラと、ザジはすぐに打ち解ける。聞けば、彼女もトライデントと何らかの確執をもっているようで……?
一方のニコラスは、犬猿の仲であるウンディーネとともにさる要人の警護にあたっていた。ザジは不在、サラマンダーは謹慎中で、トライデント最後の矛であるシルフは雲隠れ。お互いに“相棒”を欠いたまま仕事にあたるが―― そのとき、アルラウネと名乗る怪人による銀行襲撃事件が起こる! 現場に居合わせたザジとエレンディラ。駆けつけるニコラスとウンディーネ。そして暗躍するディスコルディアの影――。

いま、“蒸気天国”を舞台に新たな狂劇の幕が上がる! スチームヘヴン・ファンタジー第2弾!
これって、ザジはヒロインというよりも主人公してるように見えますね。1巻で過去から引きずっていた因縁、怒り憎しみ、切ない親愛の入り混じった複雑な感情に決着をつけ、優しい決別で思い出となった男を送り出す事で自分の中にも区切りをつけたザジ。そう、過去を精算すると途端に現れるのは「現在」なのですよ。過去を振り払い、そこで決め込んだ目的を果たすために邁進してきた彼女ですけれど、目的を果たすという決意は変わらないものの、ふと周りを見回す余裕というべきか、或いは気が抜けた瞬間が訪れるわけです。その時になって気づく、相棒であるニコラスと自分との関係。目的を果たすためのパートナー、それは仕事上の相棒であると同時に、信念を支えてくれる信頼できる相手ではあったものの、後ろに引かれ前ばかり向いていた彼女にとって、ニコラスはいつの間にか居て当然の相棒となっていて、彼の事を良く知ろうともしていなかったことに気づくわけです。信頼はしている、信用もしている、しかし彼のことを何も知らない、どうして自分を助けてくれるのか、彼が必死になって求めているものについても、ちゃんと考えた事がなかったことに。
相棒である、彼。しかし、相棒とは何なのか、自分は彼に何が出来るのか、自分にとって彼は相棒、でしかないのか。
邁進してきた彼女にとって、一度立ち止まって考えこんでしまうことは惑乱に近いもので、思索するにしてもその方向をどこにむけるべきかもわからない。そんな時に出会ったのが、馴れ馴れしいくらいに無造作に、乱暴に懐の中に潜り込んできたエレンディラ。そう、ザジにとって初めての友達となる女性である。
親友、というザジが今まで得たことがない人間関係。それを識ったことで、改めて自分とニコラスの関係が「友達」とは少し違うものだとわかってくるザジ。目まぐるしく繰り広げられる派手なアクションの中で、実はかなり丹念に、丁寧に個々の登場人物の心情の移ろい、人間関係から生き様までが浮き彫りになるような描き方がされてるんですよね。これは、エレンディラことシルフと、ウンディーネ、ひいてはトライデントというチームの在りようについても一緒で、シルフが単なるサボり魔ではなく、自分の中の正義とトライデントというチームの価値観の違いに悩み、シンプルに割り切れないウンディーネとの友情に悩み、気分をささくれ立たせている時に、ザジというまた一風変わった女性と知り合い、友達になって彼女と一緒にトラブルに巻き込まれることで、ちょっとずつ考える事が整ってきたり、頑迷といっていいくらいの社会正義に固まっていると思われたウンディーネが、あれで柔軟に自分たちを鑑みて、シルフという異分子を求めていたり、建前を抜きにするとこの娘はわりとシンプルに友情を大切にしてるかはわからないけれど、掛け替えのないものに思ってる娘なんだ、とわかってきたり、あれでサラマンダーの無茶苦茶さは、大事なものとして認められてるんだと苦笑してみたり、と群像劇的でありながら、いやだからこそか、どのキャラクターも掘り下げをかなりしっかりとされてるんですよね。
表でド派手に忙しなく、奥でしっとり丁寧に、これはなかなか絶妙な描き方だと思いますよ。若干、女性キャラ優先のようにも見えますけれどw
ただ、今回はやや「仕込み編」だった感じもあり、物語の本筋としては小さめにまとめてあった気がします。1巻の内容からさらに倍プッシュ!的にスケールアップを期待していたら、ちと肩透かしかも。でも、その分ザジやトライデントを丁寧に描いていた、と思えば悪くはないんですよね。
だからこそ、仕込みが済んで、ある程度人間関係の調整を終えた次回こそは、さらに後顧の憂いなく大いに暴れる展開を期待してしまうところです。楽しみに待つとしましょう。

1巻感想

スチームヘヴン・フリークス 4   

スチームヘヴン・フリークス (ガガガ文庫)

【スチームヘヴン・フリークス】 伊崎喬助/凱 ガガガ文庫

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そこは、蒸機と神秘、怪人の街。

時は1961年、アメリカ。
正体不明の霧・ミアズマによって発展した街ビザーバーグは、蒸気天国の異名をもつ世界有数の工業都市である。そこでは、ミアズマを重蒸気に変換し動力源としたクラフト技術が発達し、ミアズマの影響で超能力に目覚めた新人類《ミスティック》や、体細胞の変質を遂げたクリーチャーなどが跳梁する“何でもあり”の街として名を馳せていた。
ビザーバーグで何でも屋を営むスチームシーカーコンビ、《奇術師》ニコラスと《真鍮男》ザジは、あるとき怪しげな探偵の依頼を受ける。それは、かつて世界を闇に陥れた悪の秘密結社《ディスコルディア・リーグ》に関わる、とある男を保護することだった。だが、男の確保に乗り出したとたん、ディスコルディアの遺産を狙うマフィア、世間を賑わすクラフト犯罪者とぶつかり合うことに。さらにはビザーバーグ市警や、この街を守る正義の少女ミスティック・チーム、《トライデント》まで動き出し――!?
いま“夢の街”を舞台に、盛大で壮大なバカ騒ぎが幕を開ける!
第8回小学館ライトノベル新人賞にて“優秀賞”を受賞、怪人跋扈のスチームヘヴン・ファンタジー!!

これ、ラストシーン。あのラストシーンで、このどんちゃん騒ぎ馬鹿騒ぎが、すごく情感あふれる読後感になってるんですよね。過去に縫い止められ、後ろを振り返りどうしても前へ進めなかった男が、過去を思い出として胸に抱きかかえ、愛する人が待っている未来へと帰っていく……とても優しい決別のシーン。
勢い任せだけでは導き出せない、人間の心の機微を描き出す繊細な筆致が感じられて、素晴らしいラストシーンでした。こういう情緒的なシーンをドラマティックに描ける情景描写、心理描写をしっとりと描ける一方で、この本作の肝は勿論ド派手でごった煮なスチームパンクなのですから、引き出しが多いというべきか、盛り合わせに長けているというべきか。
アメコミばりのヒーローものであり、様々なクリーチャー紛いの怪人たちが跋扈するロックなオカルトであり、一連の事件からかいま見えた謎を追いかけ、様々な人間たちが一つの真実へと集まってくる追跡劇であり、と楽しむ要素は目移りするくらいにたくさんあって、これはなんというか……素晴らしく楽しい!!
シンプルに正義のヒーローとして走り回る役は「トライデント」の面々に任せて、主人公はダーティーに立ち回り、美味しいところを掻っ攫っていく、しかし何だかんだと情に厚くて気持ちのよい何でも屋のコンビというのがまたいいんですよね。過去に根ざした仄暗い背景を持ち、精算と失われた自己の探求の為に舞い込んでくる仕事をこなしながら、アンダーグラウンドに埋もれている真実を掘り起こそうと跋扈する、正義や秩序とは一線を画した一癖も二癖もある男たち。これがまた、美味しいんだ。
正義の味方として活動している「トライデント」の少女たちも、これはこれで癖がありすぎてトンデモヒーローに片足突っ込んでる面白い連中で、彼女たちが主人公でも何ら欠けることなく楽しそうなんだけれど、やっぱり秘密を抱えながら暗躍するダークヒーローたちはカッコいいですよ。
一方で、こういう目立つ連中とは裏腹の、一般人に近い脇役たちも、そして大いにイカレ狂った悪役たちも、それぞれに目一杯舞台上を走り回っていて、それぞれにそれぞれなりの信念、想いを胸に駆けまわり、或いは逃げまわって主役を張ってるんですよね。その意味では、本作は群像劇の様相もきっちり呈しているんじゃないでしょうか。
個人的には、狂気に侵されたマッドサイエンティスト、と目されていた今回の事件の大本であり元凶であり黒幕であった博士の、その仮面の下に必死に隠した哀惜と無力感がなんか胸に来たんですよね。ただの狂った天才科学者、という形骸ではない、人間の弱さが押し詰まったキャラクターが、ただの悪役、やられ役に留まらないものを感じさせて、印象に残ったのでした。
しかし、トライデントは女の子ヒーロー三人組、と標榜しているくせに、残る一人のシルフが最後まで出てこなかったんですけれど! 出てこなかったというか、明らかにサボってたんですが、一人! サボタージュしましたよ、残る一人!!(爆笑
サラマンダーはもうどうやっても矯正のきかなさそうなアホの娘で、戦闘力100,知力は1、というタイプで、これはもう参謀にしてリーダーであるウンディーネさんのご苦労が偲ばれる。サラマンダー一人相手するだけで、頭おかしくなりそうだぞ、これ。まあ、ウンディーネさんもあれで図太いというか、イイ性格してる、正義のヒーローというよりも、悪の組織の女幹部みたいなキャラクターなんだが、一応これヒロイン枠なんだろうか……多分、そうなんだろうなあ。鉄板ヒロインは、もうちゃんと居るわけですけれど。

なんにせよ、エンターテイメント性とドラマ性、演出に世界観に、とどれも両立し、引き立て、盛り上げることに成功している素晴らしい逸品でした。これは、今後の成長拡大に大いに期待が見込まれます。面白かった!

 
12月2日

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11月27日

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11月26日

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11月20日

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(角川書店単行本)
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エンターブレイン
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