伊藤ベン

鋼鉄の白兎騎士団 104   

鋼鉄の白兎騎士団X (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 ま 1-1-10)

【鋼鉄の白兎騎士団 10】 舞阪洸/伊藤ベン ファミ通文庫

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 bk1

運命の日、来る──。

大平原での戦いでイリアスタに大打撃を与えた白兎騎士団。大陸の勢力図に影響を及ぼす争いは大国、ルーアル・ソシエダイ王国までもを動かそうとしていた。一方騎士団では、レフレンシアが怪しい行動を繰り返し、ガブリエラたち団員間で黒い噂が広がり始める。そして彼女は宣言した──「騎士団を引退する」。果たしてその真意とは、そして騎士団の運命とは!? 保たれていた三国間の均衡は崩れ、遂に歴史が動きだす! 美麗☆絢爛乙女戦記、第1部完結!!

えええっ!? これは早い、いくらなんでも早すぎる! 以前からチラチラと描写されてきたガブリエラが団長となり敵大国との決戦に立ち向かう未来のシーン、てっきり現本編の数年後なのかと思ってたら、実は一年も経っていなかったとな!?
ガブリエラ、一回生の段階で団長にさせられたのか! いやいやいやいや、これは驚いた。幾ら活躍してその黒さが幹部にも知れ渡っていたとは言え、幾ら何でもまだ入団して半年ほどにしかならない新人を、この戦時に団長に奉り立てようだなんて考えられない。幹部連中だって、こんなの認めるはずが無い。
だからこそ、その絶対ありえない、無理に決まっていることを鮮やかにやってのけたレフレンシア団長代理の悪魔じみた手練手管の凄まじさが際立ってくる、というものだ。
今回については最初から最後まで、ガブリエラを団長に仕立て上げるためのレフレンシアの二重三重に入念に準備し、策謀をめぐらし、政略を組み込み、謀略を駆使した暗躍が描かれるわけだが、その巧妙さは御見事の一言。政治的なバランス調整能力もそうだけど、なによりこの人のすさまじさは、団内の空気、雰囲気というものを完璧なまでに手のひらの上で操ってみせたところなんですよね。本来ならば反発必至の一回生の団長就任と言う無理を、無理として押し通すのではなく、皆がいつの間にか気づかない内に、それも仕方ないかあ、と受け入れることに違和感のない空気を仕立て上げた上で通すという、この鮮やかさ。
ここで瞠目するべきは、まだこの段階ではガブリエラの資質と言うものを本当の意味で認知しているのは幹部の中でもレフレンシアをはじめとした一部の人間だけなんですよね。もちろん、他の人達も面白い逸材だ、とは分かっているけれど、その凄まじさを正確に把握しているとは言えず、本来なら団長として受け入れる余地はないはずなんです。つまり、ガブリエラの団長就任という暴挙が認められたのは、ガブリエラならやってくれる、という彼女への期待感ではなく、ガブリエラという人間は殆どまったく関係なしに、徹頭徹尾レフレンシアの手練手管によるものなのです。これは極論ですけど、もしレフレンシアが推したのがガブリエラでなくても、今回のやり口なら通ってしまったんじゃないでしょうか。まあ、それはやっぱり極論か。ガブリエラがナニカやらかしてくれる、という評判のある人材だったからこそ、まだ幹部連も納得したんだろうし。
当然、ガブリエラが団長としてその機能を発揮し始めたら、幹部連もレフレンシアがどうして彼女を選んだかを、阿鼻叫喚とともに大いに認識させられるハメになるのでしょうけれど。

しかし、それより驚いたのはドゥイエンヌの扱いだわ。彼女が団を離れていた件については、完全に彼女の側の事情に寄るものだと思い込んでいたんですよね。実際、アニキがそのように動いていたわけだし。
それが、まさかここまで明確な意図を持って、レフレンシアによって排除されていたとは。ドゥイエンヌがガブリエラの下風には絶対に立たない、というのは自明のごとくわかりきったことだったけど、だからといってそこまでやるとは思っていなかった。だが、必要とあれば躊躇わず非情の決断をきっちり下せる事が組織の長の必須の決断力なんだろうな。何気に、ガブリエラもそういう一面はちゃんと持ってそうだし。


というところで、大国、ルーアル・ソシエダイ王国の予想外の動きに戦雲渦巻く中原の情勢下、急転直下ガブリエラが団長に就任したところで、第一部完結。
火魅子伝と同じく、きっちり十巻で一部完結に持ってくるあたり、作者も大したもんだ。幸いにして第一部完結にして、作品も終了というのではなく、秋頃には第二部開始。ガブリエラ戦役の勃発に伴なう、本格的な戦記物としての様相を呈してきそうな感じなので、これは楽しみにして待つしかないでしょう。
個人的にはアスカ姉の動向に注目中。作中で主体的に動いているのって、実はレフレンシアとこのアスカのふたりだけなんですよね。まあ、アスカ姉は流されまくってますがw

ルーアル・ソシエダイ王国のバロス三世バイバルスも、これがなかなか面白そうなキャラクターじゃないですか。どこかヤンチャで愛嬌のある子供みたいな側面がありながら、強かで豪壮、部下にも慕われる若き英傑、って感じで。非常に大きなスケールを感じさせられます。一応、今後のラスボス的な扱いになるんでしょうけど、悪役というんじゃなくて、ガブリエラと真っ向から指し手を競い合うプレイヤーとして大いに目立ちそうな予感。やっぱり、敵は大物の方が盛り上がりますもんねえ。


鋼鉄の白兎騎士団 93   

鋼鉄の白兎騎士団 IX (ファミ通文庫)

【鋼鉄の白兎騎士団 9】 舞阪洸/伊藤ベン ファミ通文庫

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 bk1

巻を数えて9巻目。ここに来て、ガブリエラたち遊撃小隊にル・アンヘルへの救援隊に加わるように指令が下る。ついに二桁に乗ろうかというほどシリーズも長く続いているわけだけど、驚いた事にガブリエラたちはこの合戦が初陣となるんですよね。確かに、お局様の乱は白兎騎士団の中での内紛であり、しかも電撃的な制圧戦だったので本格的な軍と軍がぶつかり合う戦闘ではなかったし、これまで遊撃小隊がくぐり抜けてきた数々の修羅場は、みんな非正規戦の類いだったわけですし。
それでも、ガブリエラたちはもう何度も何度も死線をくぐり抜け、生死の境界線上を綱渡りしてなおかつ見事に渡りきってきた歴戦のツワモノたちなので、その彼女らが初陣ということで柄にもなく緊張しているのが、なんとも不思議な光景だった。
むろん、やはりただの戦闘と合戦では何かが違うんですよね。とてつもない数の人間が同じ場所に集い、戦意を殺意を滾らせてぶつかり合い、殺しあう。個人対個人、少人数同士のせめぎあいとは全く異なる、凄まじくも異様な空間が合戦の場には現出するわけです。彼女らは自分たちのこれまでの経験を踏まえてなお、これから体験する初陣がこれまでとは全く違う何かなのだと肌で感じ取り、緊張しているわけですな。

前の巻の感想でも触れたけど、この作品で興味深いのは、というか作者の手掛ける戦記物によく見られる傾向なんだが、戦争になっても万単位の軍勢の合戦は扱わないんですよね。この巻では、登場する各国の軍の動員能力や運用システムにも詳しく触れているのだけれど、そこではまずこの世界観では、一万を超す軍勢の運用は各国の国力、組織構成からみても、ほぼあり得ないと明記されてるんですよね(絶対不可能と書いてないのは面白いところ)。
自然、戦いは最大規模でも数千同士のものとなる。でも、意外とこの程度の規模の方が、下手に大軍同士の戦いになるより、戦況をダイナミックな展開として動かしやすいところがあるんですよね。
この物語の主役となる白兎騎士団がおよそ数百規模の兵団であり、なおかつ個々の団員にスポットを当てて描いている以上、こうした世界観の括りは非常に抑制的でロジカルであり、意外と、と言ったらアレだけど、このコミカルなのりに比して地に足がついてる感じがする。

前回は政戦略家としての側面を存分に見せつけたガブリエラだけど、一転今回は血と泥にまみれた現場で、常に冷静に、転じて熱狂的に振る舞い、味方を叱咤激励し、部下を生かし、死なせていくというアルゴラ隊長の背中を追うことになる。
そうして、今回隷下に入った一番隊隊長アルゴラの、指揮官としての立ち振る舞いや心構えを貪欲に吸収しているのが目立ったなあ。
こうして、彼女の魔王じみた頭脳に、血肉が通っていくわけか。現場を知らない作戦家で戦略家では、騎士団長という重責を担うわけにはいかないし、部下も本当の意味ではついてこないものね。
それにしても、この子は特に出世欲とかないくせに、無意識だか自然にだか上に立つ者としての在り様を、冷静に自らの血とし肉としようとしているさまには、ちょっと空恐ろしいものすらあるなあ。なんか、アルゴラ隊長の一挙手一投足を『観察』し『分析』していた風でもあったし。つまるところ、資質があるってことなんだろうけど。ライトスタッフってやつかしら?

合戦の推移はなかなか流動的で予想もつかない展開となり、全体でみると少数勢力である白兎騎士団の部隊が戦況の趨勢を握る事に! というのは言い過ぎか。でも、最終的にみると白兎たちの判断と果敢な行動が合戦の結果の重要なファクターとなったわけだから、間違いではないはず。下手に、少数が大軍を圧倒的な力で打ち破り、大勝利! という展開ではなく、合戦の主役ではなく、でもポイントを突く働きで貢献、という展開への持っていきかたは見事だったなあ。
やっぱり、作者の戦記は面白いわ。


さて、こうして遊撃小隊が本物の合戦に加わるような状況になった、と言う事は、世界情勢がどんどんきな臭くなってきているという事でもあるわけで。さあ動乱の時代の気配が漂ってきた。

鋼鉄の白兎騎士団 84   

鋼鉄の白兎騎士団 VIII (ファミ通文庫)

【鋼鉄の白兎騎士団 8】 舞阪洸/伊藤ベン ファミ通文庫

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ついに呼び名が暗黒大魔王にまでクラスアップしてしまったか、ガブリエラ(笑
しかし、なるほど。今回のコリントゥス国に訪れた危機に際してガブリエラが見せた作戦指導は、これまでの戦術規模のそれと大きく違って、限定戦争という戦争規模を最大限に利用し、政戦略を駆使した代物になっている。剣を打ち合わせるもの同士、つまり現場を出しぬき状況をひっくり返すものではなく、今回の事件の背景にいるベティス大公国とイリアスタの国力や国際状況、コリントゥス近郊の諸勢力の思惑、白兎騎士団の名望、その他もろもろの幾多の外交カードを睨み、効果的に利用することで望むべき状況を構築するという、非常に政治色の強い作戦だったというところが非常に興味深い。
作戦を立案したガブリエラが現場にいるから惑乱させられることだけど、今回の作戦の主体というのは、現場そのものはあんまり関係ないんですよね。重心はあくまでもっと高い所にあったわけで、だからこそ今回の事件、見た目の派手さは非常に少ない。ただし、政戦略レベルで今回の作戦を見てると、物凄いアクロバットの連続で、確かに蜘蛛の糸の綱渡りなんだけど、非常に効果的で冷徹なロジックに基づいている。
流血沙汰にならなかった、というのもある意味当然。ガブリエラはこの一件を、武力衝突に至る遥か手前の段階で、完全に相手の統合戦略を叩き潰してしまったわけですから。
彼女の怖い所は、その政戦略のベットに自分や仲間の命を平然と賭けてしまえるところなんでしょう。ここで敵さんが当たり前の損得勘定も出来ない、論理的な思考の出来ないバカモノ揃いであったなら、あっさり彼女らは殺されていたわけですし。
ただし、そうなればイリアスタは外交的に致命的といえる大ダメージを受けるでしょうし、。コリントゥス国王個人は消されたとしても、ベティス公国としては将来的にはこの地域全体に多大な影響力を及ぼすことが出来る結果になる、という意味ではある意味ガブリエラには今回、負ける要素がなかったとも言えるわけで。
まあ、彼女の才覚を見れば、ここで彼女が死ぬことそのものが、後々にみたらイリアスタなどの敵性勢力からすれば、より良い結果だったという見方もあるのかもしれないですけど。

そう、ここでガブリエラが見せた才覚というのは、明らかに一騎士団員のそれではなく、はっきり言って番隊隊長という戦闘指揮官の器ですらない。作戦参謀ですらまだ足りない。明らかに騎士団という他の国に対して強い影響力を及ぼす力を持つ組織を動かすに足る、国家戦略を編める人材だということを示しています。
これまでは、レフレンシアがガブリエラを自分の上の団長に据えたのか、いまいちわかんなかったんですよね。たびたび政治的なセンスを見せていたものの、これぐらいだったらレフレンシアが団長で、ガブリエラが副団長でもいいじゃないか、と。
でも、今回のガブリエラの動き方を見てたら、ある程度なるほどと納得させられてしまいました。これなら、レフレンシアが横に従えてガブリエラを働かせるより、ガブリエラを上に据えてレフレンシアが脇から強固にサポートした方が、組織の稼働力がより効率的に、ダイナミックに動きそうだ。

この作品の面白い所は、変に万単位の大軍団を動かさず、百から千単位の規模で描いているところだよなあ。火魅子伝でもそうだったけど、なかなか興味深い所。
ドゥイエンヌが騎士団を離脱することになる理由も、どうやら見えてきたし。個々の事変は解決しつつも、連鎖的に戦乱の機運は高まってるし。
うん、どんどん事が大きくなってきて、やっぱり面白いなあ、これ。

個人的にはアスカさんが大のお気に入り。どうやら、この人もどっぷり足を突っ込んだまま離れられなくなるみたいだし。ああ、可哀想に(笑

鋼鉄の白兎騎士団 4   

鋼鉄の白兎騎士団 VII (ファミ通文庫 ま 1-1-7)

【鋼鉄の白兎騎士団 察曄”餾繃/伊藤ベン ファミ通文庫


ジアン死んだーーっ!?
いやいやいや、まあ彼女が生きているのは既にガブリエラが団長となった話で書かれているわけで、謀略というのは分かっていたんですが、言いだしたのはやっぱりコイツか、ガブリエラ。
コイツも、前振りなしに結論から、それも色々端折って言っちゃうから、みんなから腹黒だとか暗黒だとか魔王だとか大魔王だとか言われちゃうのがわかんないのかなあ。いじけるくせに。学習しないなあ(笑
マゾなのか? それともみんなから弄られたいのが本音なのか?
ジアンは、一国の王の愛妾という立場からいったいどうやって騎士団に戻ってこれたか謎だったのですが、なるほどこういうカラクリだったのか。
けっこうこれ、強引な手口だとは思うんだけど、ジアンは出身も遠方だし時代設定的に戸籍謄本がしっかりしてる世界観じゃないですから、なんとでもなるのか。
結局、ジアンもカッシウスも若すぎたというのもあるんだろうなあ。カッシウスはまだ13歳の子供でしかないし、ジアンもカッシウスを大事に思っていても、男女の感情を抱くには相手が幼すぎるわけですしね。なにより、ジアン本人が安寧におもねるには若すぎたんでしょう。まだまだ力もてあまし、覇気あふれる年頃なのですから。
ジアンを傷つけられたことへのカッシウスの危なっかしいくらいの狂態を思うと、彼のジアンへの想いは本物でしょうし、ならば将来ジアンが一線を退いてもイイ、落ち着いてもイイと思うようになってから、もう一度よりを戻してもいいんじゃないかと。
これはジアンに都合のいい考え方ですけどね。

あんまりさり気ない展開だったので、気づくのが遅かったんですが、今回のラストって物語的にかなり大きな転機になってません?
これまで外交や謀略など、裏でのさや当てに終始していた国家間の軋みが、遊撃小隊の行動がトリガーになって、爆発したんじゃないですか、これ。
まだ端緒も端緒ですけど、場合によっては連鎖的にえらい大戦争に発展していきそうな気配がするんですけど。
これから一気に話の規模が加速度的に大きくなっていく予感。むしろ、ここからが本番なのか?

鋼鉄の白兎騎士団 4   

鋼鉄の白兎騎士団VI (ファミ通文庫 ま 1-1-6)

【鋼鉄の白兎騎士団 此曄”餾繃/伊藤ベン ファミ通文庫


ガブリエラはすっかりいじられ役が板に着いちゃったなあ。仲間たちにいじられ、上司たちにいじられ(笑
本当なら、あんな姦計を巡らす策士ともなれば、仲間であろうと心理的に一歩も二歩も距離を置いてしまいそうなものだけど。むしろ、それをネタにして弄ることで、変にまつりあげたり孤立させないようにみんな気配りしている、と考えるのは好意的すぎるか。みんな嬉々として弄ってるもんなw
というわけで、前回までの物乞い作戦などなどでお兎様の乱を発端に陥っていた白兎騎士団の財政破綻もなんとか改善されたことで、乱によって大幅に減ってしまっていた騎士団の団員を補充することに。
そこで、補充の一端として新団員の入団試験をすることに。
入団試験といえば、ガブリエラたちがハチャメチャにしてしまった(もとからハチャメチャだったともいえるけど)第一巻のあれが思い出されるわけですが、今回は入団試験の募集要項を入手するところから第一試験に、ってハンター×ハンター?(笑
あそこまで偏執的ではないにしろ、此方の試験も半端なく難易度高いですよ、これは。
ここでガブリエラたち遊撃小隊を差し置いて、本巻のメインを担うのがアスカ=ランディ。
まーた、新キャラ増やして。誰が誰だか、実はかなりわからなくなってきてたり。火魅子伝はみんな名前が漢字だったから覚えやすかったんだけど。
このアスカも、誰だ? と思ってたら、黒猫のあの人かー。
正直、他の新団員候補生は印象薄かったので(ハイミオくらいか)、このアスカが全部持ってったなあ。
オキィアノスの諜報員として雇われていたアスカが、白兎騎士団の情報を入手するために選んだのが、入団試験に潜入して内情を探ること。ただ、予想外だったのが、途中でわざと落第するはずだったのが、試験が一気に進んでしまったために、合格してしまったことと、知らず知らずその実力と発想力を、騎士団の面々に見せてしまったこと。
ジアンの技にガブリエラに準じる頭脳の持ち主、となったらこりゃ目を付けられますよ。
ただ、これで白兎騎士団は獅子身中の虫を飼うことに。これは、面白くなってきましたよ。アスカという人物、けっこう人柄もよく見識もあり変に白兎騎士団に対して悪い感情を持っていないだけに、仲間になってくれそうな気もするんですが、逆に変に悪い感情を抱いていない、ってのは急激に白兎騎士団に心を傾けることも薄いってことですかね。当人がプロ意識が高く、雇い主のオケィアノスにも悪い印象を抱いていないというのもあるし。
なかなかおもしろそうな人なんだけど。

で、アスカさん。何歳なんだ? 22歳で年齢詐称となると……まさか三十代とは思わないけどw

それで、ジアンですよ、ジアン。
やはり、王様の警護役という裏の任務があったのか。これはまあ、やっぱり、でしたね。そして、彼女自身、憧れていた何の不自由もない裕福な暮らしに、なんか違うなー、という感覚を抱き始めている様子。
それはわかるし、彼女が白兎騎士団に戻るのは一巻冒頭のシーンで分かってることなんだけど、出来れば最終的にはあの子のもとに戻ってあげて欲しいなあ。まだ相手は子供だから、ジアンは保護愛、母性愛は感じてても異性としては見れないんだろうけど。カッシゥスは本気なんだしねえ。
その前にはまず、カッシゥスが無事でなきゃならないんだけど(汗

鋼鉄の白兎騎士団   

鋼鉄の白兎騎士団 5 (5) (ファミ通文庫 ま 1-1-5)

【鋼鉄の白兎騎士団 后曄”餾繃/伊藤ベン ファミ通文庫


表紙はジアンですか。こうしてみると、メインメンバーの中でもけっこう可愛い方だと思うんですけどね。作中だと、まるっきり男の子みたいだとか、胸がかわいそうとかひどいこと言われまくってますけど。
その意味では、イラストレイターにも気に入られてるのかしら。

というわけで、今回はまさに表紙のジアンがえらいことに。
えらいことに。
えらいことにーーー!!

深夜寝る前に読んでたので、あの最後の展開は次の朝、思わず夢オチかと思って、時間もないのに読み返してしまいましたよ。
カッシウス王子とは、一度じっくり話し合わねばならんなあ……。

いや、でもこの少年、見る目ありますよ。決して美人揃いのメンバーの中から敢えてジアンに惚れたからといって、特殊な趣味とかいうわけじゃないと。
先物買いです、先物買い。
いや、でもジアンはいい女の子だと思うんだけどなあ、実際。
なんだかんだと、火魅子伝の清瑞みたいに、ジアンは作者に特に気に入られてるキャラなんじゃないですかね。活躍度でも、遊撃小隊の中で頭一つ抜けてるし。


相変わらず、舞阪作品はキャラのリアクションが面白い。火魅子伝でもそうなんだけど、九峪やこの白兎のガブリエラの奇想天外な作戦や策謀も面白いんだけど、それがやたらととんでもなくすっ飛んだものに思えるのは、やはり周りのキャラのやたら笑えるリアクションなんですよね。
今回も、ガブリエラたちがやってることを聞いた時の、レフレンシアや騎士団幹部衆の反応が、絵的に面白くて面白くて、笑い転げること必至です。このコント、好きだなあ、ほんとに。
 

6月25日


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