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伍長

神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。5 ★★★   



【神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。5】 妹尾尻尾/伍長 モンスター文庫

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ダンジョン第100層を目指し奮闘するラーナとプリネ。
次なる第20層は海底神殿、水中ダンジョンという特殊なステージを、クギュ船長とタイタニッコ号とともに攻略せよ!
そして、ついに登場する「時の魔女」、その姿は――。

「小説家になろう」発、大人気正統派冒険ファンタジー第五弾!

ついに見た目こうスマートでスッキリした鎧姿、しかも白ということでついに勇者職に転職ですか!? と思ったものの違いました。そうかー、魔法戦士かー。でも今までも転職のたびに前職までの技能はおおむね使えたので複合職ってラーナにとってはそんなにメリットないんじゃないかしら。
とも思ったものの、純粋に戦士職の上級職でもあるから戦士技能も上級のどんどん取れるのか。それに、やっぱりその時の職種によってうまく使えない技能や装備品などもあるみたいですし、魔道士と戦士として最適に戦えるというのは、プリネとの二人パーティーである彼らにはメリットも多いんですね。
まあ魔道士・魔道士とか魔道士・神官という魔法職二人パーティーでもゴリ押しできた二人ですからちょっとしたメリットに過ぎないのかもしれませんが。でも、そろそろ階層の難易度があがってきた以上はなるべく最適である方がいいでしょうし。
ってか、兜や盾を装備できない職に転職しても、引き続き装備できるようになる技能とか、得しかないですよね。
とか言ってるうちに、またぞろ二人別れてソロで探索しなければならないパートが。前回のように突発的な罠によって別れ別れになってしまったのと違って、事前にソロで探索しなければならないとわかっていたから心構えが出来ていたのだろうけれど、今後もけっこうこういうケースは増えてくるのだろうか。
もっとも、別れ別れになってもお互い案内役として持ち歩くことに為った喋りまくるインテリジェンスミラー、しゃべる鏡を通じて顔見ながらおしゃべりも出来るし、一緒にダンスも出来るのでこれってソロ探索? というか、最初から最後まで鏡通じて通信繋ぎっぱなしじゃないですかー。鏡さんが白目むいてますがな。完全リモートパーティー状態。こんな繋ぎっぱなしでクエストに挑んだパーティーとかいなかったんだろうなあ。しかも、通信つないで何しているかというと、ひたすらイチャイチャ会話してるばっかりだし。そういうのは家に帰って自分の部屋でやんなさいって。

さて、ここでついに事件の黒幕。ラーナがダンジョン最深層に挑む原因となった妹メアリーの昏睡事件。その犯人である時の魔女が姿を表したわけですが……。
なんか、現した途端に読者にはその正体明かしちゃったのですけれど、速攻ですか!? 溜めなしですか!? 
まあメアリーの処遇が、ただ眠らせているだけではなく夢の世界では何気に好待遇だったり、ラーナとプリネの冒険の一部始終をメアリーが観戦できるようにしてあったりと、あんまり悪意を感じさせないメアリーの扱いだったので、邪な企みではない何らかの思惑あっての事なのかなー、とは考えていたのですが。
なるほど、時の魔女の正体がそれならば、概ね彼女がなぜメアリーを眠らせた、というかあれな仮死状態か時間停止状態にした、というべきか。メアリーをあのような状態に置いた理由もわかってくるというもの。
しかしまー、彼女って拗らせるとここまでアレになってしまうのか。でも、一人では何も出来ないように自分でも言っていたけれど、たとえ一人であっても行き着くところには行き着いてしまうだけの天才だったとも言えるんですよね、これ。真っ当な行き着く先ではないにしろ、並の人間ではどれほど迷走してもこうはならないだろうし。
すべては彼女が準備し整えた路。深い深い奈落のような後悔を、やり直すための起死回生の一手。でも、それを享受するのは自分ではないことをこの人はどう考えているのだろう。いや、その一途さは一切の揺るぎなく、彼と彼女の幸せを手繰り寄せようとしているのだろう。それが彼女の願いで救いだというのが、少しだけ胸を締め付けられる。


神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。4 ★★★☆   



【神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。4】 妹尾 尻尾/伍長 モンスター文庫

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ダンジョン15層・ピラミッドステージを踏破したラーナとプリネ。ラーナはついに魔法職である僧侶に転職することになった。さらに攻略を進める二人が辿りついたのは、ゾンビが蔓延る夜の墓場。その奥に佇む廃城には、美しい声で呪いの歌を奏でるゴーストが待ち構えていて…。僧侶編&魔道士編突入!プリネとの関係も急展開!?な「小説家になろう」発、大人気正統派冒険ファンタジー第四弾!

魔道士と僧侶の二人パーティーとか、普通お目にかからない珍しい組み合わせだよなあ、と思ったんだけれど、以前に既に魔道士と道化師などというトンチキパーティーを結成してたりしたので、それに比べれば普通だよね? まあ、これもラーナが前衛職の戦士や武闘家で一旦レベルあげた上で転職するというドラクエ方式の職業スキル上乗せ方式で前衛として戦えるからこそ、魔法職と魔法職なんていうパーティーを組めるのだけれど。
でも、何気に肝心な場面……戦闘の時だけでなくふとした瞬間、或いは人前でなにかアピールしなければならなくなった時などで道化師をやってた時に得たスキルなんかが役に立つ機会が多くて、実は今まで転職してきた中で道化師が一番MVPだったんじゃないだろうか疑惑が。書いてる作者さんも道化師好きでしょう、これ。別作品でも道化師主人公にした話書いてるもんなあ。
ラーナとプリネ、二人のネアカにワイワイと楽しく冒険していくスタイルの、紛れもなく大きな支えとなっているだけに、道化師やったのは大きかったんですよね。驚異の新人冒険者として有名になった彼らが、わりと好意的に見られているのも道化師やってた時の演劇の影響なんかも大きいでしょうし、色々と助けになってるわけです。

しかし、二人が憂いなく心から笑って危険な冒険を楽しめているのも、お互いがいるから。これまでもずっと、ラーナの後ろについてくる金魚のフン的な在り方になってしまいがちなプリネを、なんとかその心持から鍛えようとしていたラーナだけれど、今回はついにこれまでずっと一緒だった二人が意図せず離れ離れになる展開に。
臆病で怖がりで一人では何も出来ず縮こまって蹲ってしまう女の子だったプリネ。どれだけ魔道士として力を得ても、それを振るう心の強さをラーナという寄りかかる樹がなければ表に出すことが出来なかったプリネにとって、頼るべきラーナが突然いなくなっての戦いはまさに試練。
冒険者として本当に一人前になれるか、そしてラーナの恋人としてただくっついていくだけじゃない、対等の存在になれるのか、という分水嶺でもありました。
これを一人で、いやプリネ一人だけでではなく、彼女の勇気を、好きな人と一緒に居たいという気持ちを応援してくれる先人が居てくれたというのは幸いであったのでしょう。いや、そうやって周りから祝福され応援される素敵な恋をしていた事もまた、彼女の徳であったのではないでしょうか。
たった一人で克服するのもいいけれど、そうやって自分と似た境遇の人に応援され支えられて、かつて自分が振り絞った勇気を思い出す、というのもまたプリネらしくてよかったんじゃないでしょうか。
さて、ダンジョン攻略も佳境に入った模様ですけれど今回は肝心の妹ちゃんパートがなかったなあ。兄とプリネのいけないシーンを目撃してしまった出歯亀妹の反応なんか気になるところだったのだけれど。

シリーズ感想

神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。3 ★★★☆   



【神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。3】 妹尾 尻尾/ 伍長  モンスター文庫

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呼吸するだけで強くなるスキル【神呼吸】を手にダンジョンの最下層を目指すラーナと、幼馴染のプリネ。プリネを狙う悪徳領主を倒し、幼き頃の誤解がとけた二人は、晴れて恋人同士となった。ラーナは武道家へ転職。順調に歩みを進める二人だが、今度はその場にいる冒険者と一時的にパーティを組まなければ倒せない、レイドボスの巨大ガニが待ち構えていて…!?フェアリーに猫神官まで登場!? 書き下ろしはあの四兄弟視点のビハインドカットを収録! いちゃいちゃしながら無双します!「小説家になろう」発、大人気正統派冒険ファンタジー第三弾!
だよねー、武闘家と言ったらピラミッドが定番なんですよね! わかりみ、圧倒的わかりみ。
かと言って、武闘家なんて職業一度もならなかったけどな! それでもピラミッドで入手できる黄金の爪というのは一種のロマンだったわけですよ。使わないけどとりあえず手に入れる代表アイテム、みたいな。売ったらやたら高いというのも含めて、貴重品っと。そう言えば、これエンカウント率がアップしてしまうんでしたっけ。なるほど、それもリスペクトされてるのかー。
前回の奇術師と比べて、武道家という職業はまー地味と言えば地味か。前回が派手すぎた気もするのだけれど、こういう武術系スキルはサクサクっとあがっちゃうと有り難みもない、というのもありますしねー。
そのぶん、前回で正式に恋人関係になったこともあり、何かアレばひたすらイチャイチャしだすという呼吸困難レベルのイチャラブ濃度になってて、これもう二人きりの世界すぎてこれ以降一時的にも仲間増えるとか無理っじゃね?無理じゃね? ほんと、ただ雑談しているだけでもイチャイチャしだすし、関係ない話を他の人としてても気がつけばイチャイチャダンス踊りだしているし。もうこれ他人が入る余地ないよなあ。
夢を通して二人の様子を生中継で視聴している昏睡中の妹のテンションが、二人のガチラブっぷりに上がりっぱなしというのがなんともはや。この妹ちゃんを救おうと二人が奮闘しているわけですけれど、助けようとしている側も助けられようとしている側も無駄に悲壮感がなく、楽しく頑張ろうというスタンスなのがホント好きですわー。それにしても、妹ちゃんの寛ぎっぷりと完全にリラックスしての観戦応援モードになってるのも笑ってしまいますが。

さて、呼吸スキルのお蔭でドンドンとレベルがあがって、そのたびに転職して様々な職業のスキルを習得していっているラーナですけれど、魔術師一本で頑張っているプリネの方も一芸強化の強みでやたらと強くなっていってるんですよね。プリネが魔術師専任で後衛としてフォローしてくれているからこそ、ラーナも自由に色々とやれているという自覚もあるのでしょう。
一方で、ラーナの後ろからついていけばいいや、というプリネの引っ込み思案な部分への不安もあるわけで、そこで自分が自分が、にならずにプリネも一緒に強くなろうと彼女を対等に扱おうとするラーナは、これ地味に出来た旦那さんなんですよねえ。完全に安全マージン取れているからの余裕ですけれど、プリネに自分で判断して自分で決断する、ラーナの身命も預かる形でプリネ自身が引っ張るというシチュエーションを用意して、メンタルトレーニングに勤しむのは素直にえらいなーと感心した次第。今でもプリネに助けられているという実感を持っているのだけれど、それ以上にいつかプリネに助けて貰わなければならない時があるかも知れない、というのを自分が彼女を絶対に守るという決意と覚悟とは別にちゃんと保持しているのは冷静であると同時に、それだけプリネと自分が運命共同体だという意識を持っているんですよね、これ。自分に何かアレばそれだけプリネも危なくなる、という危機意識を保っていることが、増長してもおかしくない現状に甘んじていないことへと通じているのか。今の所、能力がチートというのとは関係なく実に安心感のある二人である。

にしても、一見露出の少ない装備のくせにプリネのエロエロさはちょっとヤバイですね。あの下ほぼ裸、というのは実に痴女っぽくて良いですね、良いですね。

シリーズ感想

神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。2 ★★★☆  



【神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。2】 妹尾 尻尾/伍長  モンスター文庫

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呼吸するだけで強くなれる神のスキル“神呼吸”を手に入れ、妹を救うためにダンジョンへ繰り出したラーナと、幼なじみのプリネ。2人は第4層で出会ったマルチナとジジとパーティを組むことになった。順調に進む4人。しかし初心者の壁である第5層で、ダンジョンに封じられし悪神・マスティマの手下だというメッサーデビルが現れて…!?戦士編と道化師編をたっぷり収録!プリネがウェディングドレスも着ちゃいます!「小説家になろう」発、大人気正統派冒険ファンタジー第二弾!

プリネのこの格好、がっちり全身覆ってて露出少ないんだけれどその外套の下、公共の場ではお目にかけられないくらいエチエチなんですぜ、奥さん! 痴女装備ですぜ、奥さん!
妹を助けるためにダンジョンの最深部にあるアイテムを入手しなくてはならない。その目的は理由としては重たく、難易度は難しいを通り越して前人未到だ。自然と挑む心境は悲壮となりその心からは余裕が失われていく。
だから、最初の段階でこれは妹を助けるためのダンジョン攻略だけれど、真剣に挑むのは当然としても心持ちとしては必死ではなく、ダンジョンそのものを、冒険を楽しもう、という目的設定はほんと良かったと思うんですよね。どれだけ合理的に判断するか決断するか、ではなくどれだけ楽しめるか、どれだけ面白いと思えるか。合理性だけを突き詰めて、肝心の自分たちの精神状態を追い詰めてしまっては話にならない。とはいえ、ラーナもプリネも基本的に真面目なので、面白がろう楽しもうといっても楽をしたりズルをしたり、というのを志向するわけじゃないし、誰かを出し抜いたり陥れたりというのを楽しむわけじゃない。彼らにとって、困っている人がいたら助ける、というのが一番自由にのびのびと好きなことをやっている状態なんですね、いい子たちじゃ。
そうして、ボス攻略を共にして5階層突破を助けることになった二人組。お嬢様の方もなかなか良いキャラだったのですけれど、その従者である執事のお爺さんがまた格好いい人だったんですよ。その職業は正面から戦うものでも後衛から支援するものでもなく、道化師という基本的に戦闘には何の役にも立たないジョブだったのですが……この執事のジジさんが道化師というジョブの可能性をたっぷりと指し示してくれるのです。
後半で、依頼された案件から道化師のジョブを習得することが必要になったのですが、ジジさんが色々と道化師の可能性を見せてくれていたおかげで、ラーナが道化師のジョブを取り怪盗役をやることになるのもすんなりと入り込めたのでした。二人共道化師というよりも奇術師という感じでしたけれど。
と、後半はお芝居を通じてラーナとプリネのすれ違っていた誤解を解消する展開に。ラーナが以前、プリネに告白されたけどフラれてしまったので、今は妹みたいな幼馴染として彼女が幸せになれるように応援している、けどプリネの方は告白された覚えもフッた覚えもなくラーナがそう思っていることも知らない、というすれ違い、関係としては安定はしているのでそのままもうちょっと引っ張るのかと思いましたけれど、2巻でさっさと引っ張らずに精算してしまいましたね。二人共実際は両思いですし、この調子だと臨時にパーティー組むことはあっても基本的に二人でずっと進むようなので、早うイチャイチャさせる方向に舵を切ったのか。
おじゃま虫にして貴族の偉い人で完全に悪い人がプリネを狙ってちょっかいをかけてくる展開、まさにどれだけ勢いよくギャフンと言わせられるか、カタルシスを得られるように完全に相手の悪者さ加減を世間に詳らかにしてやっつけられるか、というところでしたが、何気に相手小物じゃなくて結構強敵だったのが予想外でしたが、おおむね期待通りの展開に。
しかし、この段階で殆どゴールインな関係になっちゃったらあとはどこまで行き着くことになるのか。遠くから見守っている妹ちゃんの方は大好きな二人の進展にテンションあがりまくってますが。というか、この妹助けられるのを待っている側なのに、やたら元気よくて自力で復活してしまいやしないか、と逆に心配になってしまいます。いや、別に心配するようなことでもないのですが、むしろ勝手に復活してしまってもいいのだよ?

妹尾尻尾作品感想

神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。 ★★★☆  

神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。(1) (モンスター文庫)

【神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。1】 妹尾尻尾/伍長  モンスター文庫

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十五歳になると、女王からスキルが与えられる世界。冒険者になることを夢見ていたラーナが賜ったのは、「呼吸―息を吸って吐くことができる」というふざけたものだった。落胆するラーナだが、魔女の呪いで眠らされてしまった妹を救うため、万能の霊薬『賢者の種』を求めてダンジョンへ挑むことを決意する!自分に与えられたのが神のスキル“神呼吸”であることも知らずに―。幼なじみの美少女魔道士、ハイテンション受付嬢、ハーフエルフの姐さん鍛冶職人たちと協力し、最強スキルでダンジョンの最下層を目指せ!「小説家になろう」発、正統派冒険ファンタジー第一弾!

自分も、ログインしているだけで経験値が溜まっていくゲーム欲しいです。切実に欲しいです。経験値カード貯めるのめんどい!!
とまあ、息するだけで経験値が溜まっていってしまう、なんてスキルを手に入れたラーナくん。それで調子に乗ってしまったりしないところがこの子のいい所なのでしょう。
妹の命を救うためにダンジョンの最下層にまで行かなくてはならない、という切実な理由があるのですから、調子に乗っている暇もない、というのが正しいところなのでしょうけれど、それにしては深刻ぶらないラーナくんとプリネちゃんのコンビである。
元々の夢としてダンジョン探索というのが二人の間で約束されていたわけで、妹を助けるためという急ぎの理由はできたものの、夢はかなったわけですから楽しんで頑張らなくちゃ、というポジティブさは個人的には好ましいですね。変に深刻ぶって真剣さばかりを加味しても、それでうまくいくかというと人それぞれなわけですし。
勝利と喜びのダンス、というモンスター倒したら二人で意味不明な踊りを踊って喜んでるところなんぞ、微笑ましいというべきか頭お花畑だなあと呆れるべきかなかなか難しいところではあると思うのですが、その健全な前向きさはいいと思うんだけどなあ。
どんどんレベルが上がるからといって、なんでも自分でやってしまうのではなく、魔法関連に関してはプリネがいないとダメ、と割り切っている上に魔法に関してならプリネなら遥か高みにたどり着ける、という幼馴染への深い信頼。そして、彼女が居なくちゃ自分だけじゃダンジョンクリアなんて絶対にできない、という確信。これがラーナくんをして調子に乗らず、プリネとのコンビを大事にしている所以なのでしょう。本来なら万能感や特別感に酔ってしまいそうなところを、この謙虚な姿勢は明るさと相俟っても良い子なんだなあ、と頭なでたくなってしまいます。
こういう素直で謙虚な子なのだからこそ、プリネとの仲も進展しない、というのもあるのでしょうけれど。これに関してはプリネの方が問題だわなあ。一度ラーナくんの方から告白した時、兄として見てるよー、なんて言われたらそりゃもうプリネは妹同然妹同然、と自分に言い聞かせても仕方ないでしょうに。良い子、良いお兄ちゃんだからこそ、プリネの気持ちを尊重してしまっているわけだ。
ところが、プリネの方はこの告白のことを覚えていないのか、それとも全く違う解釈が存在しているのかわからないけれど、告白の件について全然認識していないようなんですよね。その上で、プリネなりに積極的にアプローチしているものの、ラーナくんはプリネは妹プリネは妹と言い聞かせているので、悲しいすれ違いが起こってしまってるんですねえ。
この件に関して、おそらく二人の誤解や勘違いやすれ違いを仲裁できそうなのって、ラーナくんの実の妹であるメアリーだけっぽいのである。二人のことを一番理解しているのが彼女であるようですし。
だからこそ、このダンジョン最下層に潜ってメアリーを助けるということは、イコールプリネとラーナの仲が結ばれる、という付与効果もついてきそうな側面もありそうなんですよね。
現時点で糖度高すぎるイチャイチャっぷりなので、別に現状でいいんじゃないの、と若干思わなくもないですが、まあ中途半端はよろしくないですからな。
ひたすらポップに明るく進んでいくダンジョン攻略、柔らかい気持ちで安心して読めるという意味でも読みやすい作品でした。

正直バカはラブコメほど甘くない青春に挑む ★★★★☆  

正直バカはラブコメほど甘くない青春に挑む (ダッシュエックス文庫)

【正直バカはラブコメほど甘くない青春に挑む】 慶野由志/伍長 ダッシュエックス文庫

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考えたことすべてが言葉と表情に出てしまう「正直バカ」の高校生・春先真太郎は、転校してきたばかりの憧れの美少女・神楽琴葉や、エロス探求に燃える十月九日、常時暴走気味の更級燐子といった残念美少女たちとの青春生活を送っていた。だが生徒や先生が急に意識を失って倒れる『連続昏倒事件』が学校で頻発していて、ある日燐子も昏倒してしまう。そんな中、真太郎の自宅に「鏡の付喪神」だという少女が現れる。“心の姿を映す能力”を持つ彼女と共同生活を送ることにする真太郎だったが、その翌日、突然自宅を訪ねてきた神楽が「その付喪神を今すぐ渡せ」と要求してきて―!?煩悩全開の主人公が謳歌する、シースルー青春ラブコメ!
おのれ、どれだけハートウォーミングすれば気が済むのか。心がぽかぽかするんじゃぁ。
物語の世界観は前作の【つくも神は青春をもてなさんと欲す】シリーズと同じで、付喪神となった道具の化身たちとのハートフルストーリー。まさか、付喪神が祖父から突然送られてくるところから同じ、とは思いませんでしたけれど。前作の主人公の骨董屋の息子と本作の主人公の真太郎は従兄弟同士なのですが、その二人に必要だった付喪神、或いはその付喪神にとって真に必要だった主人のものへ、的確に送り込むこの爺さん何者だ、という話にもなるんですけれどw
相変わらずこの作者は、話の内容自体素朴と言っていいくらいストレートなものなんですけれど、イキイキとしたキャラクターと軽妙な語り口、そして誠実で湿潤な善性の描き方によってものすごいハートに響く物語になってるんですよね。本作もまた、自分の在り方に傷ついてきた人間と付喪神が出会い一緒に過ごすことによって、お互いが持つまっすぐで温かい好意が往還されて、傷が癒され自分の生き方、道具としての在り方を肯定出来るようになっていく。そうして得たものを、惜しみなく周囲で同じように苦しんでいる人たちに与えて共有していくことで、幸せの輪を広げていく、そんなもうたまらなく心を温かくしてくれるお話なわけです。
主人公の真太郎は正直バカと呼ばれてしまう、心の声を無意識に垂れ流しにしてしまう少年。その自分でも制御できない正直さはずっと彼を苦しめていて、この高校で出会った優しい友人たちによってそんな自分を受け入れることが出来たものの、心のどこかで「正直者はバカを見る」みたいな思いがこびりついていたのです。一方で、鏡の付喪神である雪果もまた人の真実を映し出す鏡としての自分の在り方で過去大きく傷ついたことでその鏡としての力に自己否定に近い思いを抱き続けていたわけです。そんな二人が出会い、そうして二人が心の奥底で本当は求め続けていたものを、彼は雪果に、彼女は真太郎に与えてくれるんですよ。人が飢えるように求め続けていたものを得た時、嬉しいというだけでなく、むしろ泣きたくなるもんなんだなあ。
この子たちが本当にいいなあと思うのは、自分を肯定出来るようになった時にそれまで己を苛んできた部分を切り捨てたり、裏返しにして否定するのではなく……例えば真太郎だったら自分の正直さを肯定できるようになったと同時に、自分を偽ったり嘘をついたりする事をもそれが必要だったら肯定する、という姿勢を見せたところなんですよね。価値観を白黒や善悪で規定してしまうのではなく、たとえ自分を苛んできたものでも一つの正しい解答として笑って受け入れることが出来る。そのうえで、何が一番正しいか、いや皆にとってその人にとって一番良いことなのか、を一緒に考えることができる。
その在り方こそ、人にとっては救いそのものになるのでしょう。彼の正直さは、まさに癒やしになるのでしょう。
若い男子らしいエロス駄々漏れの思考と、えっちいシーンに遭遇したら目を逸らさずガン見してしまう性癖はまあご愛嬌。いや、それがご愛嬌で済まされるあたりが、この男の人徳なのでしょうけれど、実に主人公に相応しい「イイ男」でございました。
前作とは、キャラクターを入れ替えただけで殆ど同じシチュエーション、というのは若干気になるところではありますけれど、キャストを総入れ替えすることで雰囲気はそのままに、話として新鮮さもありますから、これはこれでいいんじゃないかなあ。
というわけで、この作品もシリーズ化を期待。

慶野由志作品感想

無能力者(レベルE)のオービット・ゲーム 2 4   

無能力者(レベルE)のオービット・ゲーム 2 (オーバーラップ文庫)

【無能力者(レベルE)のオービット・ゲーム 2】 翅田大介/伍長 オーバーラップ文庫

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激突! 倏依(エレクトロキネシス)畛箸い療刑融!!

「さすがは半端チームの『エンジェル・フェイス』ですね」
アルテミシア宇宙学園の公認チームとして存続が決まったソラたちだったが、実習生として赴任した『瞬星』アオがソラにべったりで、不機嫌を隠せないソフィーとフレーナ。
そしてアオが『出来損ない』に関わっていることを不愉快に思う学園の天才児リズ・ポーターが自らのチームを率いて挑戦してくる。
倏依(エレクトロキネシス)瓩箸いΥ少な能力を使うリズに対し、迎え撃つソラ。
度重なるイベントで騒然とする学園だったが、更にその裏ではソラを狙った陰謀も進行していた。
止まらない&無重力下(ノンストップ&ノングラヴィティ)バトルエンタメ第二弾!
ドSだーーっ! この主人公、ガチのドSだーー!! やばいやばい、主人公のソラくんが筋金入りのサディストだった件について。なんちゃってSじゃないですよ。こいつ、マジモンだw 宇宙最高の頭脳と呼ばれる女性によって仕立てあげられたソラのメンタリティは、もはや精神汚染か人体改造されたと言っても過言ではない強化がなされていて、魔改造もいい所。もう人類のそれを逸脱してしまっているのじゃないか、というぐらいに凄まじい次元で鍛えあげられていて、それこそが何の能力持たない彼の強さの源でもあるのだけれど、そこに至るまでに虐待を通り越して虐殺に近い精神強化の為の訓練というかサバイバルというか死んでも生きろな状況に叩きこまれてイジられてしまったせいか、恐ろしいまでの嗜虐性が備わってしまい、見るも無残なサディストの出来上がりである。
尤も、敵味方問わずに撒き散らされるS性ですが、敵はともかく味方に対しては心を傷つけるものでも屈服させるようなものでもなく、からかい半分にいじって来るぐらいの程度なんですが……それでもこれは酷い(笑
普通の年頃の男の子が持っているようなシャイな部分とか純真さなんかは鼻紙に包んでポイされてるような人間なので、いじられるにしてもそれはもう草葉の陰で涙してしまうそうなほど残虐非道な為さりように、ソフィーやフレーナの悲鳴がひっきりなしに響き渡ることに。もうご愁傷様です、ぐふふ。
意識せずに、なんでも受け入れちゃいますよ状態のアオに対しては、見事なくらいの放置プレイを各所で決めにキメまくってるあたり、そのどSっぷりはフルブースト状態。
ともあれ、このソラの精神的な強さというのは、とてもじゃないけれどマトモなものではないんですよね。正気の人間が保持できる強靭さではありえない。元来のものではなく、後天的に強化されたもの、という点でもその異常性は際立っている。どう言い繕っても、狂気の産物であり、イカレている存在なのである。
もっとも、その狂気もイカレっぷりも不安定さがかけらもなく、見事に制御されているあたりが味噌なのである。暴走しがちな狂気よりも、完全にコントロールされた狂乱の方が、怪物性は跳ね上がるのである。怪物性とは得体の知れなさであり未知であり、だからこそ悍ましく恐怖を生み出す泉足り得る。それが主人公に備わっている場合、この悍ましさは正しく敵に向けられるので、物語的にはややダークサイドな痛快さが保証されている、と言ってもいいんですよね。
さらに、主人公のソラだけがその部分で突出しているのかというとそうではなく、ヒロインの一人のアオもまた、同種の狂乱を内包していることが、作中で語られている。黒幕サイドの人間ですらビビるような、根本からイカれ狂ったキャラクターが主人公とヒロインに配置されている、というのはこう……ゾクゾクするような仕込みなんですよね。この手のイカレたキャラというのは、逆にその攻撃性や危険性が味方に牙を剥くことは殆どないので、その手の不安感については振り回される必要なさそうですし。まあ、パックリ頭から齧られそうな牙から伸びた舌にペロペロ顔を舐められてよだれまみれになりながら、涙目になって悲鳴をあげさせられるくらいの茶目っ気は、ソフィーたちヒロイン衆は覚悟しておかないといけないかもしれませんが。ソラもアオも、その辺り嬉々として弄びに掛かりそうな人たちですし。いかん、この幼馴染コンビ、敵にも味方にも危なすぎるw

と、表紙なんですけれど、てっきりアオなのかと思ってたら、新キャラだったんですね。アオが転入ではなく教育実習生として来校した為にチームの新メンバーになれなかった為に、違う新メンバーが必要なのは冒頭の展開からも自明だったのですが、そうかー、この子かー。
いかんぞ、ただでさせ一生懸命背伸びして頑張ってきて、周りの目から本当の自分を鎧って踏ん張って頑張ってきた小さい娘が、それらを全部脱ぎ捨てたら、むしろ針鼠になって生きてきた分中身は無垢なままなので、そこにドSにいじられる環境に置かれてしまったら、即座に染まっちゃうじゃないか……うんうん。
いやマジで、仮面を脱いで天才児ではない歳相応の顔で現れたリズは、はかなげで無垢そうな幼女だったので、こんなヤバい男のもとに置いておいていいものかと真剣に危ぶむほかなく……そんなリズをソラの魔の手から守るべく、ソフィーとフレーナが自ら盾となって庇おうとしてドツボにハマっていく様子が目に浮かぶようであるw

1巻感想


無能力者(レベルE)のオービット・ゲーム 13   

無能力者のオービット・ゲーム 1 (オーバーラップ文庫)

【無能力者(レベルE)のオービット・ゲーム 1】 翅田大介/伍長 オーバーラップ文庫

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出来損ない(レベル・エラー)が世界を壊す!

「きっと、あそこへ行く」 超能力たる『遺能』が使われるのが普通となった時代。
無重力下で『遺能』を駆使して行われる戦闘競技『オービット・ゲーム』が人気を博し、軌道上のコロニーに存在する宇宙学校はオービット選手の育成に力を入れていた。
日向ソラは『遺能発現者』でない事を理由に希望していた宇宙学校への入学を拒まれてしまう。
別の学校に進んだソラは有望なオービット選手だと誤解され、手荒い歓迎を受けるが、それは無能力者が常識を覆す物語の始まりだった。
止まらない&無重力下バトル開始!
この無重力化における戦闘競技『オービット・ゲーム』の成立のざっくりとした歴史がなんか好きだなあ。スポーツの成り立ちなんてものは、往々にしてこんな風にルールも何も無いところからそこにいる人達が手持ちの道具や技術、環境を用いて好き勝手遊んだり、勝負したりしているところから始まって、ルールだの枠組みだのというのは後から付いてくるもんなんですよね。
尤も、表向きにおける軌道世界の一番人気のスポーツ競技、という看板は何やらカモフラージュっぽい怪しさが漂ってきてますけれど。
トッププレイヤーになれば、名誉も金も思いのまま、という大財閥の集まりを背景にした莫大な餌で有為の人材をかき集めて、さて一体何を育成しているのか。
正直、ソラが軌道世界にあがってきた事を知った時のアオの対応は、幾らなんでもと顔をしかめてしまうくらい人格攻撃を含めた凶悪な代物で、過剰反応もいい所だったんですよね。身内であるチームメイトに見せた素の顔の時でも、明らかにテンパってて一杯一杯になっている様子でした。
その時は、絶対に来るはずがなかった幼馴染が軌道上にあがってきたことで、テンションあがりまくって変になっているのかとも思ったのですけれど、どうしても彼を追い返さないといけないと思い詰めていたのなら、あの過剰反応も理解できなくも……ないかなあ(苦笑
この子、霧島アオってちょっとヤンデレの気配ありますよね。ちょっとどころじゃないか、いきなり極端にデレ化してしまうところといい、感情的に不安定な上にビキビキに尖りきってる。普段からじゃなくて、ソラに関してのみっぽいけれど。
翅田さんの描くヒロインは、往々にして既存の枠に収まらないオーバーフロー気味のキャラクターが多いのだけれど、アオに関しては特にヤバい雰囲気をひしひしと感じるのです。尤も、ヤバいと言っても味方身内に対してのものではなく、敵対する相手に対してですけれど。この手の娘は、相手がどんなに強大でも巨大でも関係なくニコニコと捻り潰して踏み躙って掻っ切ってしまいかねない恐ろしい頼もしさを持ってたりするので、ある意味主人公形無しになっちゃうのですが、いいぞどんどんやれw
アオに対しては若干押され気味である主人公のソラですけれど、人類の殆どが持つ超能力因子を全く持たないというハンデを背負いながらも、性格もネジ曲がらず……いや、思いっきり歪んで曲がって恐ろしく性格悪い人間に成り果ててるけれど、不平不満を内に溜め込んで鬱屈を貯めているような人間にはならず、馬鹿にされ蔑まれたら、その何倍もの勢いでその場で煽り返し言い負かし嘲弄してぐうの音も出ないほどコテンパンにやっつけてしまうのは、見ていても気持ちよかった。その上で、口だけではなく、きちんと実力で、しかも超能力を使わない純粋な身体スキルと頭の回転で、バッタバッタと増長した連中をなぎ倒していくのですから、純粋に気持ちのよい主人公です……性格悪いけどね! でも、下手にイイ子ちゃんしてスカした態度取られるより、やられたらやられっぱなしじゃなく、やられた分を割増してお返ししてくれる方が好感持てますよ。
それに、性格悪いとはいっても、自分が苦労してきた分、辛い思いや苦労を重ねてきた境遇には共感を寄せやすいですし、そんな境遇、環境にへこたれずに頑張る人たちには素直に尊敬の念を持てる、そしてそういう人たちの為に体を張れる、性格が悪いなりに真っ直ぐにそそり立った性根の持ち主、ということでちゃんと主人公らしい男の子じゃあないですか。
今のところ、まだキャラや舞台、状況説明に伏線の配布という側面が強くて、物語が本格的に動き出すのは次以降となるのでしょうけれど、とりあえずソフィーリアとフレーナのチームメイト二人はまだまだ存在感示しきれていないので、彼女たちが弾けるのも次回からの楽しみ、となりますか。もっともなんか、アオが手ぐすね引いてそうなんですけれど。

銀河女子中学生ダイアリー 1.お姫様ひろいました。 3   

銀河女子中学生ダイアリー(1) お姫様ひろいました。 (ファミ通文庫)

【銀河女子中学生ダイアリー 1.お姫様ひろいました。】 庄司卓/伍長 ファミ通文庫

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天才少女と国を奪われた王女の出会いが宇宙を変える!?

小型超光速宇宙船【エクゥイッド】を駆り宇宙【スペース】デブリ破砕や資源【レアマテリアル】回収の技術を競うスポーツ、ロガーヘッド。射白トモエはそのデビュー戦を迎えていた。ノリで動くトモエと、憎まれ口を叩きながらも的確にサポートする幼馴染みのサヤ。二人で凄まじいスコアを叩きだす――が、乱入した謎の船により試合は無効!
しかもその船に乗っていた少女は逃亡中のシュリンゲンジーフ王国の姫様を助けるため、トモエ達を探していたようで……?
庄司卓のゆるふわスペースオペラ発進!
この下町のお茶の間から何光年も離れた宇宙とが直結しているスペースオペラは、庄司さんの真骨頂だわなあ。トモエのあの無謬性は、正しくヤマモト・ヨーコの系譜を受け継いだ主人公であると同時に、地上での日常と遠大なる宇宙での日常が全く同じ位相で描かれているあたりは【グロリアス・ドーン】の系譜でもあり。人類の技術レベルが本来なら地球圏を脱するか否かくらいなのに、外宇宙から持ち込まれた小型超光速宇宙船【エクゥイッド】という要素だけが技術レベルが突出していて、同時に個人レベル、それこそ中学生が乗っているくらいのところまで普及している、というチグハグな雰囲気は、【グロリアス・ドーン】でもそうだったけれど、実に面白い。国家や組織の思惑抜きで、宇宙という場所が一般人にとって身近になってるんですよね。これは、総合的に人類文明の技術レベルが向上して、一般人の行動範囲が宇宙まで広がった、というのとはまた少し違った空気感があるんですよね。今回、作品のコンセプトとして自宅の庭先からひょいと気軽に宇宙に上がっていくような、一昔前のスペオペみたいな日常と宇宙が繋がっている作品がやりたかった、という旨があとがきでも書かれていらっしゃいましたけれど、よく雰囲気出てたんじゃないかと。
厳密な航宙管制敷かれていて、いちいち出航するのに計画書提出して管制官とお約束のやりとりをするスペオペもまたいいんですけれど、こういう自転車的自家用車的感覚のも……って、本作でもちゃんと宇宙に上がるときには管制受けてるんですけどね。特定の港や発着場から離着陸しているわけじゃないのに、管制網の整備具合についてはこれ瞠目に値するのかもしれない。
面白いのが、これまで庄司さんが手がけてきたスペオペに出てきた宇宙船って、そのサイズがどれも尋常でなく大きいものばかりで、【グロリアス・ドーン】なんかでは太陽系をスッポリと収容できる規模の宇宙船も出てきたくらいで(それですら、決して最大レベルではなかった)、まさに宇宙の広さ遠大さに合わせたように、地球型惑星の感性に引っ張られない大きさを保っていたものなのですが、この【銀河女子中学生ダイアリー】ではまったく逆転して、【エクゥイッド】という二人乗りまでがせいぜいの本当に小さな宇宙船が席捲しているのであります。というか、地球人が保有している超高速恒星間宇宙船がこれしかないんですよね。凄いよね、大型バイクとか小型の手漕ぎボートくらいの大きさの宇宙船で、ひょいひょいっと気軽に何光年も先に飛んでっちゃうんだから。と、同時に大型の恒星間航行の出来る宇宙船が存在しないものだから、地球人類が総じて宇宙にあがるような開拓時代が到来しているわけでもない、日常の延長線上にポンと宇宙という行動範囲が出来た、みたいな感じが良く出ているのが、なんかこそばゆい。
それでいて、国ごと他の惑星に移っちゃったみたいな「シュリンゲンジーフ王国」みたいな例もあるわけで。
まあこの、スペオペとしての世界観の仕立て方については、ベテラン作家の面目躍如ってもんでしょう。面白い。
キャラクターの方は、少なくとも主人公に近しい世代の子たちは、ほぼ総じて女の子オンリー。自由人な主人公のトモエに対する、相方のサキちゃんの嬉し恥ずかしな嫁っぷりがこれ素晴らしいです。トモエに振り回されて顔を真っ赤にして「バカバカ」と怒っているのが、別の角度から見ると惚れた弱みで尽くすことに恍惚となってるようにしか見えないもんなあ。痒いところまで手が届く以心伝心ぶりといい、堅物の委員長タイプに見えて可愛げの塊なところといい、凄まじい鉄板ヒロイン振りであります、サキちゃん。この二人に惚れ込んで、影に日向に支援する謀略家系黒幕系ラスボス系カノジョこと打出マリカがまたいい味出していて、裏で片っ端から手を打ってくれるこの安心感(笑
アリーサ、ヒルダのちょっとポンコツの気配のするライバルチーム組や、事態の中心となってくるであろうお姫様と従者コンビと、もう一巻からキャラクターは出揃った上で、スペオペらしい宇宙規模の陰謀が進みだしているのもしっかりと描かれ、作品のスタートとしては掴みも十分だったんじゃないでしょうか。面白かった!
【ヤマモト・ヨーコ】の手直しや新作が中心だったこの数年、新作シリーズはわりと久々になるのでかなり期待が募っています♪

庄司卓作品感想

暗黒魔王なオレ様TUEEE!3   

暗黒魔王なオレ様TUEEE! (このライトノベルがすごい! 文庫)

【暗黒魔王なオレ様TUEEE!】 夏緑/伍長 このライトノベルがすごい! 文庫

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中二病魔王降臨!ひょんなことから最強『魔王』にクラスチェンジした平凡庶民の羊飼いロキ。そんな彼が恋をしたのは“元”中二病の『勇者』アストロメリア姫だった!?中二妄想大暴走で彼女にアタックしまくるロキだが、まじめなアストロメリアはドン引き状態。その上、ロキLOVE!の名門魔貴族のお嬢様・デビリアが現れて「触手プレイ」で修羅場に発展ってどういうこと!?人気作家・夏緑が贈る、オレ様TUEEE!系ラブコメ開幕!
この作者の人、もうだいぶ古参のはずなんだけれど大昔に「ぷいぷい」シリーズを読んだっきりだったなあ。
個人的に、実際生身で演じてしまう方の中二病の痛々しさというのは、妄想の類を現実であるかのように振る舞うその乖離にあると思うんだけれど、実際に能力が発揮されるのであれば全然妄想と現実が乖離しているわけじゃないので、多少はしゃぎ過ぎのきらいはあっても、痛々しいという風にはあんまり見えないんですよね。実力も伴っているわけだし。かと言って、実力もあって調子に乗りまくられると手に負えないですし、痛々しいと憐れみや忌避感を感じるよりも、単純に「イラッ」とさせられてしまうのですが。
その点、ロキの場合は図に乗っているというよりも、アストロメリアの影響でそれが正しい振る舞いだと若干思い込んでいる節もあり、また魔王になりきる事を心から楽しんでいる様子で、根っこの部分の純朴な羊飼いの少年らしいところがチラチラと垣間見えるせいか、むしろ微笑ましいキャラクターである。個人的にはアストロメリアのチョロさの方にこそドン引きなんですが、あの押しに押し切られるってどれだけ男慣れしていなかったんだか。え? その段階でときめいちゃうの? というレベルだったからなあ。もうちょっと付き合いが深まってくると、ロキの良い部分がどんどん見えてきて好感持ってもおかしくない、と思うんだけれど、それより遥か以前にああいう反応見せちゃうとねえ。チョロいとしか見えない。

あまりに説明ゼリフ満載の掛け合いに抑揚のない地の文、派手に見えてあんまり動きのないシーンの連続に、これは学芸会の劇の脚本かなんかか、とげんなりしたですが、ロキの微笑ましい素朴で一途な恋模様に、学芸会の劇みたいなチープさだろうと、これだけほんわかな気分にしてくれるんだったらまあいいかな、という気になってきました。

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 7 4   

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 7 (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 7】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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世界か、カーくんか? 明日香を悩ませる、究極の選択!!

ついにカーくんへの告白を決意した明日香。
だが、落ち着かない明日香のもとに不敵に笑う薫が現れる。
薫の携帯に写し出されたのは、椅子に縛りつけられたカーくんの姿!
薫は自分が「監視者」であり、彼を救いたければ全世界中の人々を《オーバーライン》にして絶望の種をばらまくように明日香に要求するが……。

悩める明日香が出した結論とは!?
ああ、なるほどなあ、なるほどなあ。うん、これはなかなか大胆な構成ながら、これを単なる緩いラブコメで終わらせまいとしたのなら、実に筋の通った話の組立と考えられる。
そもそも、この【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>】とはどんなお話だったのか、というのを吟味するならば、まあ大雑把に言って、その身に備わった超常能力によって人生を不自然な形に歪められてしまった子供たちが、歪みのない健やかな人生を取り戻す物語、という風に表現できる。その物語が決着を見るには、やはりこの超能力というものを総括しなければならなかった。原因を暴き出し、不自然さを洗い出し、理不尽を取り除かなければならなかったわけです。そうして初めて、この子たちは後ろめたさや負い目から解き放たれ、自然な有り様で自分の人生を生きることが出来る。過去は変えられなくても、未来の歪みは今からでも正すことが出来るのですから。
ただ、その精算を行おうとすると、それを成す主体を主人公であるカー君は絶対に担えないんですよね。その理由は、この最終巻を読んでみるとよくわかると思うのですが、この全部に決着を付ける話の主人公はどうやったって明日香先輩でなければなりませんでしたし、彼女を絶対的に支える存在は以前に明日香先輩と同類項の悩みを抱いた最大の理解者であるサヤ姉でなければならなかった。そして、薫の本当の目的からして、カー君はこの一件においては絶対に相手にしてはいけなかった。
結果として、最終巻でありすべての因縁と問題が解決され払拭される大団円の回でありながら、だからこそ主人公であるカー君が物語の中心から外れざるを得なかった。明日香先輩が主人公として七転八倒してのたうちまわって苦しみ、サヤ姉が歯を食いしばって明日香の為に駆けずり回り、薫が狂気を迸らせて蹂躙していく中で、カーくんは彼の視点でのシーンも殆どなく、脇役に回ってサポートに徹するという通常では考えられない構成になってしまったのだけれど、シリーズをきっちり幕引きするという意味においては英断だったと評したいですね。ラブコメ展開でなあなあにお茶を濁してぬるい形で締めることも出来たでしょうに、最後まで物語のテーマと向き合い、やるべきことから逃げずに徹底的に絞り出し、その上でやらなきゃいけないことを全力でやり切った、長期シリーズの完結としては、実に見事な完走っぷりだったように思います。
しかしまあ、この巻においては明日香先輩とサヤ姉がお互いに思いっきり主人公とヒロイン、或いはヒロインとヒーローという構図になってしまっていて、もうこのまま明日香×サヤ姉でもいいんじゃないかという気にさえなってしまうほどだったのには、いろいろな意味で参りました。さすがは【ヒーロー】のカー君のヒーローというべき存在だったサヤ姉です。やることなす事オトコ前すぎてカッコよすぎますよ。もう性別を超えて惚れられて然るべきw 明日香先輩も、カー君が居なかったらサヤ姉と結婚してたな、これ。イスラム圏よりも同性婚を認めてる国の方が国籍も取りやすいでしょう。
可哀想だったのが、小鳥遊さん。そりゃ、色々と悪巧みはしてましたけれど、そもそも犯罪行為は何もしていませんでしたし、別に酷いこともしていなかったにも関わらず、あの顛末ですもんねえ。因果応報にしては、報いが大きすぎますよ。一番割りを食ってしまった形で、同情してしまいました。
で、結局四人目は誰なんですか?w 順当に行くなら、希優さんだわねえ。

シリーズ感想

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>63   

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 6 (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>6】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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修羅場の秋。ハーレムまだまだ拡大中!?

体育祭&文化祭シーズンを迎え、周囲から「この天然ハーレム体質! 」などと罵られつつ肝心の明日香先輩に誤解されまくる、穏やかでない日々を送るオレ。
なぜかそれを見透かしたようにオレに絡んでくるクラスメイトの薫。
そんな中、先輩やサヤ姉たちの超能力《オーバーライン》を狙う実業家・小鳥遊が送りこんだ「監視者」の情報が舞いこむが……?
これまでちょっと仲の良いクラスメイト扱いだった薫だけれど、スポットが当たった途端にここまで可愛くなるというのは、反則だろう反則! あざとい! あざとすぎる!
だがしかし、薫当人の目的を考えるとこれまでカーくんと本格的に絡まずに外枠で目立たないようにしていたのも、サヤと明日香が修学旅行で不在のタイミングを狙って関係を深め、体育祭などで一気呵成に畳み掛けてきたのも、薫の思惑通りではあるのだろう。お陰で、というワケじゃないけれど、ラプラスとして学内から忌み嫌われていた明日香よりも、今やハーレム野郎であるカーくんの方が四面楚歌というのは笑った。当人は明日香先輩一筋だと独白しているけれど、彼はあんまりそれを公言してないんですよね。幾ら内心で主張したって、誰も聞いてないよ、そんな心の声。外から見ると女の子の間でふらふらしているようにしか見えないし。それはいいんだけれど、ちょっと周りの女の子が多くなりすぎて、ラブコメとして散漫になっている部分は否めないとおもわれる。薫が絡んでくるにしても、サヤ姉と明日香にサトリがくっついての三人相手が一番スマートなんだけれどなあ。
さて、ここ数巻に渡って、小鳥遊に内通してカー君たちを監視しているピーピングトムの正体が薫だというのは嫌というほど示唆されてきたんですけれど……これまでのオーバーラインが発現する条件と、その能力の内容を鑑みれば、あの薫の友達という子が出てきた時点であからさまなくらい明らかだったのは間違いないんですよね。その上で、薫という人物の描写を重ねていけば、彼女の能力が覗き見だ、というのは違和感が生じてくる。まあ、違和感どころじゃなかったんですが。ミスリードにもならないミスリード。此処に来ては、隠すつもりもなかったのか。
それでも、妙な感じがしていたのは、彼女がピーピングトムである、という正体を明らかにしていた―もしくは主張していたシーンに登場していたのは、彼女が独白しているシーン以外では常に黒幕である小鳥遊社長その人だったからなのでしょう。
うん、変だなとは思っていても、誰が監視者か、という正体が判ったことに満足してしまって、それ以上踏み込んで考えるという発想が湧かなかった時点でラストシーンに驚かされてしまったのは仕方なかったのかも。これは、死体を隠すには、死体を埋めた穴の上に犬の死体を埋めておけ、というパターンか。
正直、あの人は言動からして底の浅そうな、黒幕としては役者不足な気がしていたので、この展開は面白いじゃないですか。
とは言え、こんな展開であのサヤ姉が黙って良いようにされているわけがないので、今回大人しかった分巻き返してくれるでしょう。

シリーズ感想

オレと彼女の絶対領域(パンドラボックス) 53   

オレと彼女の絶対領域(パンドラボックス)5 (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域(パンドラボックス) 5】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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今度のヒロインは重度の“腐"幽霊!?
明日香先輩の予知夢再発が落ち着いたのも束の間、今度は突然落ちてきた幽霊少女(?)に取り憑かれてしまったオレ。「現世」での名を尼塚空という彼女は、売れっ子BL作家で、オレは理想のキャラに瓜ふたつらしい!? サヤ姉や聡里からも警戒されるし、身の危険を感じたオレは彼女を引き離すべく、その<超能力>の原因を探そうとするが……!?
主人公のトラブル誘引体質は、受動的と見せかけて実はかなり恣意の入った能動だったことが判明。いや、これ凄すぎだろう。カーくん当人の意志も何も関係なしじゃないか。いや、それどころじゃなく、今回の一件、空の生霊がカーくんに取り付いてしまって離れられなくなったという事件そのものが、先の事件からサヤ姉が抱えてしまっていた案件を解決する要因になるなんて、何の根拠もないんですよね。結果としてサヤ姉の悩みを発覚させ、それを解決する引き金となったというだけで、論理的に見てもサヤ姉の悩みとは何の関係もなかったと言っていい。
でも、カーくんを軸に動いている「ナニカ」は、空をカーくんに取り憑かせれば、サヤ姉が救われるとわかっていたことになる。わかっていた、なんて個の意志がある存在、否そもそも存在ですら無いのだろう。あくまでカーくんの望む形を無意識に、知覚認識していない段階から因果の海より掬い上げる願望器。
サヤ姉の能力がラーニングなどではなく、アカシックレコードの検索能力と知った段階で、これが頭ひとつ2つ抜けた他の追随を許さないとんでもない能力だ、と唖然としたものだけれど、場合によってはカーくんのこれ、サヤ姉の能力すらも下位に置いてしまうものなのかもしれない。それこそ、運命とか因果律を勝手に設定して弄ってしまうような力なわけだし。
もっともこれについてカーくんを含め、彼の回りにいる女性陣もサヤ姉含めて誰も気づいていないのだし、身も蓋もない言い方をしてしまうと、彼の能力というのは「主人公力」という括りで縛れるものなのかもしれない。その意味では、有り触れた能力なのか。ただ、ここまで恣意的で露骨で、それでいて自動的、というのも珍しいし、望む結果をもたらす邪魔となれば当の「主人公」すら「主人公」としての役割から引きずり下ろしてしまうという点を見ても、主人公を主人公として成り立たせる力じゃなくあくまで願望機としての方向に重点が置かれているようだけれど。
実際、この一件では下手を打てば巻き込まれた空がそのまま命を失う可能性も少なくなかっただけに、結果として結構えげつない橋を渡ってるんですよね。それこそ、マッチポンプと言われても仕方ないくらいに。
そんな人間の思惑や意志の遥か上位に位置するこの能力の、じゃあ弱点って一体なんなんだ? ピーピングトムがえらく自信満々に宣っているんだが。

さて、今回のお話は終わってみると新ヒロイン登場、と見せかけてサヤ姉救済のお話でした。さらに重ねるなら、サヤ姉と明日香先輩、そして聡里のヒロイン三人娘の絆がさらに強固に結ばれるお話でもあったんですよね。今回、主人公のカーくんが完全に役立たずの傍観者に回ってしまった分、余計に三人娘の仲が深まったように思える。前回、サヤ姉が明日香先輩を引っ張り起こしたように、今度は逆にサヤ姉を明日香先輩が叱咤激励して立ち直らせたわけですしね。聡里も、今回はサヤ姉最優先でしたし。
いい意味で、こりゃあ誰も抜け駆けできない関係になってきたなあ。その分、カーくんの方にしわ寄せがいきそうです、よし爆発しろ♪

シリーズ感想

オレと彼女の絶対領域(パンドラボックス) 4 3   

オレと彼女の絶対領域(パンドラボックス)4 (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域(パンドラボックス) 4】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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夏、海の家でバイトを始めたオレは、そこで年上のウェイトレス・希優さんと出会う。気さくで悪戯っぽい希優さんに翻弄されまくるオレ。そんなある日、明日香先輩と待ち合わせたオレは先輩の虚ろな表情に戸惑う。なんと、オレと過ごした日々の記憶を失ってしまった先輩。しかもその原因は希優さんらしく…!?衝撃の事態にオレが再び立ち上がる。
こいつ、本当に徹底して年上属性なんだな。聡里は例外にしても、同級生ぐらいだと眼中にないのもこれ、性癖なんじゃないかしら。ガードの緩さというか、異性に対する関心度、無関心度の割合が年上だと全然違ってくるじゃないか。ただ、その無警戒っぷりを逆に利用しているのが聡里だとも言えるのではないだろうか。自分が恋愛対象から一番程遠いというのをちゃんと理解した上で、そのデメリットを逆にアドバンテージとして活用するような狡猾極まる行動を的確に取ってるんですよね。このメンツで一番恐ろしいのは間違いなく聡里。その点、サヤ姉は頭がイイにも関わらず、色々と甘いんですよねえ。彼女の場合、そこが魅力とも言えますし、その甘さこそが度量とも言えるのだから、それでいいんですけれど。そんなサヤ姉だからこそ、みんなのリーダー的存在として君臨しているわけだし。そして、そういった意味で一番チョロいのが、明日香先輩だったわけで……この人、ホントにチョロいもんなあ。仮にもメインヒロインが、主人公と共にヒエラルキーの最下層にいるというのは中々珍しい形態である。まあ、そんな最下層同士だからこそ、二人ベッタリというのもあるんですけどね。
だからこそ、一旦関係をリセットする「記憶喪失」という展開は新たな刺激として価値があったんじゃないかなあ、と思うわけです。ただ、明日香とカーくんの馴れ初めは零からのものであり相応に劇的なものであったので、今更もう一度やり直すことにはあんまり意味なかった気もしますけどね。うーん、それとも「劇的」な展開がなかったとしても、ただ一緒にいるだけで明日香先輩はやはりカーくんに恋をした、という事実を確認するという件においては意味があったのかな。それこそいまさらな気もしますけど。何しろ、女ったらしですもんねえ。

そんな明日香先輩の記憶喪失の原因を作ることになった希優さん。この人もまた、ヘヴィー極まる過去の持ち主で。生々しさと能力による人生へのダメージについては、明日香先輩や聡里をも上回るんじゃないだろうか。よくまあ、健全に育ったものである。オーバーラインの力を保持していたということは、トラウマは根強くはびこっていたんだろうけれど、最初の頃の明るく振る舞う様子を見てたら、ほぼ独力で立ち直りかけてたっぽいんですよね。偶々、さらなる家族の不幸がなければ、あんなことをして傷つく事もなかったでしょうし。というか、希優さんのお母さんの一件もこうなってくると、仕込みだったんじゃないかと疑わしくなってくる。あまりにもタイミング良すぎるんだもの。そうだとすれば、相当に下衆ですよね、小鳥遊って。希優さんへの依頼の酷さもそうだけれど、この人は手段を選ばないにしてもそれなりの美学というか、不細工な事はしない人だと思ってたので、その品のないやり口には少々失望させられた。どうも、自分の見たいものだけ見る傾向があるようで、視点の鋭さには乏しいようですし。その意味では、この人は黒幕だけれどラスボス足り得なさそう。ということは、真のラスボスはあっちか。

結局、希優さんのヒロイン加入は見送られてしまいましたが、この人も姉属性としてはかなりストライクの人だっただけに残念なような、明日香、沙耶、聡里のトリオで綺麗に形ができていたのを崩されないで安心したような、微妙に複雑な気分。まあでも、ヒロイン三人のトライアングルは崩れなくて良かったと思う。恋敵である以上に、今となってはこの三人は親友であり家族ですもんね。今回だって、最終的に明日香を連れ戻したのはサヤ姉だったんですから。

しかし、サヤ姉のオーバーラインは想像以上に強大だったなあ。これ、作中に記されてるあの娘が書いたプロフィールと実態は全然違うじゃないか。ラーニングどころじゃないだろう、これ。
そして、それ以上に衝撃的だったのが、サヤ姉のスリーサイズスペックである。ちょ、マジ絶壁www
この業界、貧乳だなんだと言われても、実はそこそこあったりするんだけれど、サヤ姉のそれは掛け値なし。掛け値なし! 72より下の60台という時点で掛け値なし!! 聡里の成長余地分を考えると、その揺るぎなさには圧倒すらされる。
明日香先輩は元より、希優さんの尋常じゃないスペックを前にしてしまうと……サヤ姉、頑張れ。超頑張れww

1巻 2巻 3巻感想

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 33   

オレと彼女の絶対領域 3 (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 3】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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大本命の明日香先輩に加え、サヤ姉、聡里とも微妙な関係になってしまい図らずも修羅場な日々を送るオレ。ある日、先輩と二人きりで縁日に出かけたオレは、デート気分も束の間、
ナイフを持った通り魔から先輩をかばって重傷を負ってしまう。逃げた通り魔は、背格好から間違いなく、オレの親友の信司に見えたが……!? 緊迫の絶対領域ラブコメ第3弾!!
この人が描く女の子は本当にとびっきりキュートなんだよなあ。可愛く魅力的なヒロインを描くラブコメ屋さんはもちろん他にも多くいらっしゃいますけれど、鷹山さんの描くヒロインはその中でも一種独特の存在感を持っている感じがする。恐るべきことに、明日香先輩を始めとして、サヤ姉にしても聡里にしても、巻を重ねるごとに新しい魅力が開発されていくんですよね。サヤ姉の養女……じゃなかった、サヤ姉の家の養子になって義妹になったことで憂いが取り払われた聡里は小悪魔的な強かさ全開でしたし、サヤ姉の頼もしさは留まるところを知らず、そしてメインの明日香先輩はというと……なんかチョロいキャラになってる!?(笑 チョロいというとちょっと違うのだけれど、やたらとサヤ姉には頭が上がらず聡里には振り回され、と主人公のカーくんと揃ってヒエラルキーが最底辺になってしまっているようなw パーフェクトな先輩キャラはどこへ行った。いや、そんな弱キャラっぷりすらもキュートでカワイイんですよ。カーくんと縁日に抜け駆けでデートしに行ったのを見つかって、お仕置きで恥ずかしいプラカードを首から下げさされて正座させられてる明日香先輩のカワイイことカワイイことw
まあでも、何だかんだと仲良くて気心の知れた、友達というよりも三人姉妹といった感すらあるヒロインたちとカーくんとのやりとりは、ニヤニヤさせてもらえるだけじゃなく、どこか心地の良い清々しさもあって、楽しかったです。
さて、今回の事件はというと、これまでの先輩や聡里のケースのように、超能力としか思えない超常の力に悩まされる子を解き放つお話ではなく、その超能力を使って悪事を働く正体不明の犯人を追い詰め、冤罪を着せられた友人を助けなければならないという大事件。
これまた量子論に纏わる展開になったのだけれど、俄に能力が発現する共通点となる時間と地域、そして全てが量子に関連していることが明確になったことで、どうやら偶々超能力に目覚めたのではなく、一つの同じ原因が存在しているらしい、という話になってきたっぽいですね。まさか、サヤ姉の天才性すらも絡んできてたとは。サヤ姉については、どう量子と関連付けるつもりなんだろう。次の巻あたりで触れてきそうな気配。

1巻 2巻感想

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 24   

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 2 (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> 2】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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明日香先輩の絶対不可避の予知を巡る騒動から一カ月。いまだ先輩との距離感をつかめないでいたオレは、サヤ姉と里帰りした田舎の川辺で憂いを秘めた少女――綿貫聡里(推定年齢10歳)と出会う。「他人の心が読める」という聡里の苦悩を聞き、オレは彼女の助けになろうとするが……。あれ? 先輩がどうしてここに!? 先が読めない絶対領域ラブコメ第2弾!!
うはあっ、明日香先輩が可愛すぎる!!
一巻でもその小悪魔チックでキュートな年上の女性としての可愛らしさは凡百のヒロインなど鼻息一つで蹴散らしてしまいそうな勢いだったのだけれど、彼女を苦しめていた未来予知の呪いが解かれたお陰で憂いの陰が取り払われた今の明日香先輩は殆ど無敵のスーパーヒロイン。
完璧じゃないか。パーフェクトな年上カノジョですよ。男心を擽るような小悪魔めいた言動で男の子を翻弄しながら、内心では彼の反応に一喜一憂してくるくると表情が変わり、一生懸命お姉さん風を吹かせてリードを取ろうとしつつ、色々と隙が多いので空回りすることもしばしば。もうなんかねー、一挙手一投足が可愛らしいの。年上の女性の可愛らしさの特性をまとめてぎゅっと凝縮したような、ああもうかわいいなあ!!

と、前回と変わらずどころか明らかにヒロインとしてパワーアップすらしていた明日香先輩。既に一巻の段階で大きな差をつけられてしまっていたもう一人のヒロイン、従姉のサヤ姉はこれじゃあ太刀打ちできないだろう……と、思いきや。これがまさかの大変身!! ちょっ、サヤ姉が大化けしてる!?
前回のラストで幼馴染で従姉という近しい位置に甘えて自分の気持に素直にならずにいては、明日香に全部持って行かれると悟ったサヤ姉。決心の大告白をカマし、カーくんに異性として意識させる楔を打ち込んでいたわけですけれど、それに伴ってカーくんへの接し方もこの巻からそこはかとなく変化させてるんですよね。身内としての今までと同じ近しさを損なわないように維持したまま、恋する少女としての仄かな色気と好意の香しさを添えて接し方を僅かに柔らかくすることで、これがびっくりするくらいに可愛らしくなっているのだ。
この作者、女性の可愛らしさの描き方を髄まで心得てるよな。明日香先輩だけじゃなく、サヤ姉までここまで鮮やかに変えてしまった手腕を見るかぎり、明日香先輩が特別だったわけじゃなく、純粋にキャラクターをキュートに描く技を持っていると捉えていいんじゃないだろうか。ぶっちゃけ、ヒロインに限らず主人公くんもいちいち反応が可愛らしいんですよね。だもんだから、主人公とヒロインのやり取りを見ているだけでニヤニヤが止まらなくなる。初々しいやら微笑ましいやら、思わず胸がホクホクしてきてしまうわけで。
いやあ、美味しいなあ。
サヤ姉については、今回新登場の女の子の境遇をひっくり返すために、八面六臂の活躍をしてくれるものだから、可愛らしいと同時に実に頼もしい姉として存在感を示してくれる。明日香先輩や聡里にとって主人公はまさにヒーローだったのかもしれないけれど、主人公のカーくんからしたらサヤ姉こそが自分の前に立ちふさがった困難の壁を切り開いてくれるヒーローなんですよね、これ。そしてこのお姉ちゃんときたら、弟の期待と懇願には応えないなどという選択肢はなく、快刀乱麻を断つようにバッタバッタと大難をなぎ倒していくものだから、かっこいいったらありゃしない。
挙句に自分の人生丸ごとベットしての大勝負。強かに負ける要素を消していた事が後で明らかになるけれど、それでも賭けに乗せるには万が一を考えるととても躊躇せずには居られない重大事で、それを自分のためじゃなくただ愛する従弟と友達になった小さな女の子の為に泰然自若と打ってみせたサヤ姉は、男前すぎました。
惚れるわ、これ。
最終的に事態を打開したのは主人公のひらめきだけれど、お膳立てから何から殆ど全部サヤ姉が準備し整え片付けてしまったようなものだもんなあ。主人公からしたらサヤ姉には頭があがらないし、憧れを一切くすませない眩しい存在なんだろうなあ。そんな彼女が、自分のことを好きだと言ってくれる。一番大事な時に自分を信じて任せてくれる。そりゃあ、ドキドキしてしまうのも当然でしょう。
ああまったく、明日香先輩とサヤ姉みたいな年上の女性にこんなに目一杯の愛情を注がれて、こればっかりは羨ましいとしか言えないな。尤も、それに見合うだけの気持ちの良い男の子なので、妬み嫉みのたぐいはまったく芽生えないのだけれど。

結論としてウサミミメイドの先輩は至高でした、はい。特に自滅しそうなほど恥ずかしがってるところが。最高!!
このシリーズ、毎回心の底から楽しめそうです。うはうは。

1巻感想

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>4   

オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> (HJ文庫)

【オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス>】 鷹山誠一/伍長 HJ文庫

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未来を変えられたら、君にすべてをあ・げ・る
高校入学直後にオレが一目惚れした黒髪の少女――観田明日香先輩は、『絶対不可避の不吉を告げる魔女』として全校から恐れられる存在だった。自分が視た悪夢が100%現実化してしまう先輩の悩みを知ったオレは、従姉で生徒会長のサヤ姉の制止を振り切り、先輩の未来を変えるべく行動を開始! だが数々の偶然がそれを阻んできて……どうなるオレと先輩の運命!?
へぇ、これは随分と分かりやすいな。
定番といえば定番の量子力学。これって突き詰めれば突き詰めていくほど頭が痛くなってくる、ややこしさが尋常じゃない物理学なのだけれど、この作品ではその点を無視せずちゃんと量子論とは面倒なほど難しい理論であることを天才さんなサヤ姉が説明してくれた上で、問題となっている部分をシンプルに纏めて、明日香が見た夢が現実となってしまう事の原因と理由を導き出し、そこから解決法を引っ張り出していく。
この流れがちゃんと思考と結論の段階を踏んだ上で進捗し、非常に丁寧で分かりやすく纏めてくれてるんですよね。近年、量子力学ってのはライトノベルにおいてちょっとでもSF系入った作品では定番と言っていいくらいに使われているシロモノなのですが、大概持て余すか原型もないほど陳腐化して振り回している作品が多い中で、これはなかなか上手く物語の根幹を担うツールとして使いこなしていたんじゃないでしょうか。
明日香の悩みとなっている現象の不回避の原因も、その回避手段も、作中での解説と解釈を見せられたあとだとなるほどなあ、とかなりストンと納得させられましたし。
問題を変に難解にして煙に巻くでもなく、矮小化して適当に散らすでもなく、こうしてちゃんと段階を踏んでシンプルに理解できるようにまとめた上で、それを踏まえた答えを分かりやすく提示してみせる、というのは案外なかなかと難しい事だと思うのですよ。それを実直にこなしてみせた作者の描き方は、実に好ましい誠実さがにじみ出ていると感じました。

とはいえそれだけだと話としても弱いのですけれど、素晴らしいのはヒロインである観田明日香のキャラクターが非常に魅力的だったんですよね。
もうこの人ね、性格がめちゃくちゃかわいいのよ。キュートというか可憐というか。年上らしい余裕でもって主人公を可愛がってくれるのですけど、その一方で所々で甘えてくるような仕草や心境を垣間見せてくる。
かなり悲惨な境遇にあるはずなのに、常に笑顔を欠かさないんですよね、この人。元々快活なのもあるのでしょうけど、せめて表面上からだけでも不幸を撒き散らすまいとする健気さ。不幸に負けまいとする強さがあって素敵なんだよなあ。主人公が惚れるのもよくわかる。
萌えとか属性とかを抜きにした、純粋な意味での可愛らしさの持ち主である。ヒロインとして相当にレベルが高いキャラクターだ。少なくとも、そんじょそこらの有象無象とはわけが違う。
サヤ姉も本来ならメインを喰う勢いで気にいるだろうかなり好みのキャラだったんだけれど、相手が明日香となるとちと苦しいな、これ。だからこそ最後の告白だったんだろうけどね。自分の気持を隠したまま察してもらうことを期待してツンツンしてるような余裕がある相手じゃないもの。とはいえ、きっぱりと行動に出たサヤ姉は対抗ヒロインとして十分見所に溢れている。かなり苦しい戦況ですがね。

幸い、ちゃんと続きもあるようなので、次回もこの明日香先輩の可愛らしさを堪能し尽くしたい所存。嫉妬する姿まで可愛らしいとは、一部の隙も無しだな、うん。
 
11月26日

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