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佐伯庸介

昔勇者で今は骨EX 小骨集 ★★★★☆   



【昔勇者で今は骨EX 小骨集】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫

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WEB限定!! 骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)の珠玉の短編集が登場!
大人気お気楽異世界ファンタジー『昔勇者で今は骨』の短編集が電子書籍で登場!
電撃文庫MAGAZINEや小説投稿サイト「カクヨム」にて掲載された短編などを大収録!!
さらに新規書き下ろしの短編『心の師匠のためならば』も収録!

電子書籍限定ながら、【昔勇者で今は骨】の短編集が登場。こうして電書限定でも続きが出てくれると嬉しいですねえ。しかも、短編集ということで色んなキャラにスポットが当って結構贅沢ですよ、これ。
今まで存在だけが示されていた勇者アルヴァスの婚約者だったお姫様たちも、在りし日のアルヴィスと共に描かれていますし。このお姫様方もなかなかに濃いキャラだったんだなあ。濃い以上に王族としても一人の女性としてもイイ女であり、人類危急の時に在るべき王族であり、と人物たる人たちで。
アルヴィスも政略としての婚約であったというから、建前の付き合いだったのかなー、と思ったらちゃんと公私の私の部分でも仲良かったんだ。帝国のパンデー皇女なんか姉御呼ばわりですもんね。
エイン王国のエルデスタルテ王女の方はだいぶ年少さんで当時まだちっちゃい幼女だったのだけれど……アルヴィスってフーチ相手でもそうだったけど、子供相手でも適当に子供扱いせずしっかりと相手を見て相手を立ててちゃんと話してくれるので、子供の方は凄く慕っちゃうんですよね。本当の意味でちゃんと話を聞いてくれる大人、というのを子供というのは求めてやまないものですし。
おかげさまで、王女様の方は勇者オタクを拗らせてしまうのですが。姉御の方はすでに大人だったから変な屈折は……いや、アルヴィス戦死をきっかけに帝位目指しちゃったらしいのでこれはこれで拗らせたのか? いずれにしても、二人共勇者の死ではなくアルヴィスという個人的に親しい人の死を嘆きショック受けただろうことは想像に難しくない。政治的立場故に、アルヴィス死んだけどまだ健在、というのを知らされていない、というのはちょっと可哀想だなあ。特に王女は未だに……ねえ。

知っててなお、苦しんだのがフブルさんとイザナなんだろうけれど。
フブルさん、こうして過去編見ると魔法の師匠であるという以上にまだ子供だったアルヴィスを預けられて育てた親代わりでもあったんだなあ。フブルさんもこれ、弟子という以上に我が子のように思っている様子が伺えるんですよね。そんな子を、天賦の才に魅せられて魔法の粋を授けてしまった。何より、勇者にしてしまった。人類の危機を救う切り札としてしまった。結果として、彼は運命のまま人類の決戦兵器としてその役目を果たしてしまった。果たさせてしまった。果てさせてしまった。
死なせてしまった。
フブルさん、毎夜魘されのたうち回るほどに苦しんでたのか。そりゃそうだよね。息子に等しい子を自分の手で死する運命へと叩き込んでしまったのですから。
ただでさえ、頼まれたから、そうしなければ全滅していたからとはいえアルヴィスを死霊に変えてしまったイザナが、フブルさんが苦しむ様子を見せられて思う所なかったわけがないんだよなあ。思いつめた結果が、本編でのあれだったわけですけれど。
いや、アンデットになって太平楽決め込んでたアルヴィスは、ほんとそういう所ですよ、てなもんで。


とは言え、アンデットになってまで現世にしがみつき続けることにアルヴィスもこれ結構深刻に悩んでたんだなあ。そんな彼の心を救ったのが、プーチであり、この幼女をアルヴィスが心の師匠と呼んで憚らない理由なのだけれど……書き下ろしで久々にプーチ登場しましたけれど、マジでアルヴィス、この娘への接し方というか対応というか態度が特別ですよね!
いや、特別というとイザナへの接し方も他の女性陣と比べるとちょっとした違いと特別感があってちょっとした正妻感漂ってるんですけど(子供?もいるし)、プーチへのそれはまたさらに特別で、そりゃハルベルとミクトラが最大のライバル出現?!と顔色変えるのもわかりますわー。


元堕竜王ディスパテのダイスも、なんか転生して人間に生まれ変わってから順調に主人公かよ、という道を歩んじゃって……結構真面目に学生してるのがなんともはや。ハルベルの学友だったペリネたちパーティーと一緒に行動するようになってるわけですけど、これダイスくんルートのヒロインってペリネなの? いや、あんまりラブコメ臭は漂ってこないのですが。ダイス、中身竜王でも一応実年齢四歳だしなあw

書き下ろしは、プーチも含めてこれまでの主だった登場人物が登場しての大騒動。骨になっても勇者しているのは相変わらずですけれど、いい意味で任せられる仲間が増えたもんですわ。
時系列的にも最新5巻のその後になってて、なんか6巻の伏線らしきものも匂わされてるんですけどー!? ってか、完全に話続いてるんですけどー!?
あとがき見ても、6巻続く可能性あり、ってなもんで、これはぜひ続いてほしいなあ。まだまだ、この飄々とした骨と元気いっぱいのキャラクターたちの和気藹々とした世界を見ていたいものですから。
短編集、一話一話があんまり短いという気がしないくらい密度濃いしテンポ良いしキャラが生き生きしていて、実に読んでて楽しかった。満足感、かなりのもんでしたよ。面白かった!
印象的な話も多かったのですけれど、冒頭にあのお伽噺を持ってきたのは掴みとしては強烈でしたよね。この世界に伝わるお伽噺とも言うべき掌編。ほんと短いお話なのですけれど、凄く雰囲気が深くて沁みるようで、なんか心に残りました。魔王オルデンとの繋がりは否定されてるみたいですけれど……さてこうしてみると倒された魔王についてはほとんど知らないんだよなあ。

シリーズ感想

グリモアレファレンス 2.貸出延滞はほどほどに ★★★★  



【グリモアレファレンス 2.貸出延滞はほどほどに】 佐伯 庸介/花ヶ田 電撃文庫

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図書委員の仕事は迷宮探索だけじゃない!? 未返却の魔書を回収せよ!

図書館の地下に広がる迷宮を探索する一方、通常のレファレンスもこなす図書隊のメンバーたち。
そんな中、守砂は大学教授の紙珠から地下に収められた魔導書の貸出を依頼される。初めて直接受けたレファレンスに張り切るものの、探索はトラブルの連続で……!?
「無いん! です! けどぉぉぉぉ!!」
未返却の図書の回収や男子の夢が詰まった隠し部屋の攻略など、図書委員として順調に探索をこなしていく守砂隊だが、迷宮のすべてを解き明かそうとする彼らに対し魔書生物たちが明確な敵意を持ち襲い来る――!!

紙珠櫛子教授、という守砂くんと過去に繋がりのある先生が登場してきましたけれど、名前の櫛からはついつい櫛名田姫が思い浮かんでしまって、すわメインヒロイン登場か! とざわついたのですけれど、むしろ紙珠……かむたま、と読むのだそうですけれど、そこから連想される神魂命―神産巣日神の方がモデルになるのかな。この神様は祖神として援助者としての側面を持っているそうで、紙珠教授も学者という立場から色々と知恵を貸してくれたり、直接勉強を教えてくれたり、と守砂くんたちのパーティーを熱心に手助けしてくれるんですよね。面倒見の良いお姉さん、といういい感じの人でねえ。
同時に、この人が守砂くんたちに初めてレファレンスの依頼を出してくれた人でもあり、ってフブルさん通して回ってきたのでありますけど、探索だけじゃない図書委員としてのお仕事を体験させてくれるきっかけになったわけです。書庫から目的の本を見つけてくる、というレファレンスのお仕事はその場所が図書館迷宮ということで中々に大変なのだけれど、苦労して見つけてきた本を直接依頼人に手渡しして、喜んでもらえるという体験は図書委員ならではの充実感なんですよねえ。いや、普通の図書委員でそんな体験することじたい少ないでしょうけれど。
迷宮探索云々じゃなくても、そもそも図書委員でレファレンスを体験するような本格的な図書館を擁した学校で図書委員を本格的にやる、なんて経験する人は少ないでしょうしねえ。
ともあれ、これはこれで学生らしい、委員としての体験の一つでもあるわけだ。
今回はちょっとした短編集的な体裁なんだけれど、迷宮探索者としての図書委員としてよりも、学生、生徒という立場としての登場人物たちの日常の様子を垣間見るような構成だったんですよねえ。
ちゃんと、学生として青春を謳歌しているなー! 毎日、充実した時間を過ごしてるなあ。というのが伝わってくる内容で。図書館迷宮の探索って、お仕事ではあるんだけれど、社会人という立場からのお仕事とはまた違って、ちゃんと学生としてのお仕事……なんていうんだろう、学校業務を補完するためのお仕事というんじゃなくて、学生として学びを充実させるためのお仕事って感じがするんですよねえ。知識を得たりとかのお勉強としての学びじゃなくて、学生の時しか出来ない体験としての学び、という風に言えばいいのかな。
ミカ姉との二人での延滞督促を兼ねた迷宮探索も、改めて二人の関係がどんなものなのかを実感させてくれる、ミカ姉的にはデート回と強弁してもまあ否定出来ない内容でしたし、エロ本を巡る男子と女子の攻防(一方的)なんかはもう、もろに若いなあと微笑ましくなってしまうものでしたし。男の子たちの熱の入れようといい、女子たちの激烈な拒否反応といい、思春期だからこその溌剌さなんですよねえ。
加来くんとの仲悪いにも関わらず、なんだかんだと協力してしまうエロへの欲求よw
加来くんとのあの複雑な関係は、単純に仲が悪い、で表現しきれないものがあるんですけどね。守砂くんサイドからは加来くんには別に思う所なかったり、加来くん自身過去の守砂くんには深い嫌悪めいた感情があるものの、現状の守砂くんはかつてとは違うという理解もあって、でもやっぱり嫌い、でも誰よりも認めている、認めているからこそ信用できなくて、でも信頼もしていて、という無関心では居られない複雑な思いが絡みついてる所は、ほんと好きですわーw

こういうのを見せられると、青春してるなあ、とやっぱり目を細くしてしまいますよ。こういう温かい熱がじんわりと伝わってくる生き生きとした描写は、ほんと好きですわー。
しかし、ミカ姉さんは本気で色んな意味でヤバい人だったのかw
この人、魔書のバフ抜きでも化け物なんじゃないだろうか。迷宮の外でも人外魔境出来そうなんだけど。その分、ポンコツさも残念なことになっていますが。
守砂くんの好みがモロにミカ姉さんだったのはちょっと笑ってしまいましたけど。いや、マジでストライクに好みが見た目から性格に至るまで彼女のことを指しているのに、未だ女性として意識されてないのって、完全にミカ姉の接し方の問題なんだろうなあ、これw
いやでも、ちゃんとメインヒロインがミカ姉っぽくて良かったですよ。

そんなメインヒロインの座を、ある意味脅かす人も出てきましたけれど。そうだよなー、中学時代からの友人、という文句を最初は普通にそうなんだー、と流してましたけれど、守砂くんの中学時代に友人とか明らかに厄ネタじゃないですかw あのひでえ中学時代に友人やっているという時点でちょっとおかしいですし。
最後にちらっと見せてくれた本心は、ミカ姉に引けを取らない守砂くんへの執心を見せながら、同時に方向性がまったく逆だという事実が、彼の妖しさを引き立たせてくれる。
生中な暗躍では、あのクレバーの塊のような守砂くんを引きずり回す姿は想像もできないのだけれど、本質的に守砂くんが中学時代のあの魔王のような在り方を失っていなければ、理解者であればあるほど、その本質を引き出す妙手を見つけることができるだろうしなあ。
本当に守砂くんは昔と何も変わっていないのか。それとも、今仲間を得て、新たな楽しい時間を得て、確かな変化を内側で芽生えさせているのか。その真価が、友人であるという彼……八十間雅の活動を通して見えてくるかもしれない。
でも、八十間って元ネタは八十神になるのかな。元ネタ的にはむしろ、大国後輩の敵役っぽいんだけどなあ。でも、守砂の天秤を自分の方に傾けるために対決する、綱引きする、取り合いする、という意味ではミカ姉じゃなくて大国後輩との方が噛み合うのかしらこれ。


グリモアレファレンス 図書委員は書庫迷宮に挑む ★★★★   



【グリモアレファレンス 図書委員は書庫迷宮に挑む】  佐伯 庸介/花ヶ田 電撃文庫

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図書委員の仕事は……迷宮探索!? 異能の力を秘めた魔書を見つけ出せ!

国内有数の蔵書数を誇る宇伊豆学園の図書館には、広大かつ深遠な《地下迷宮》が存在した。
高等部に所属する図書委員の守砂尊は、ある日、立入禁止の《閉架書庫》に足を踏み入れ、この図書館に隠された真実を知る。――地下に収められた奇書や希覯本、異能の力を秘めた魔書を手に入れるため、図書委員たちが果てなき迷宮探索に挑み続けていることを――。
秘密を知った守砂は、他の図書委員とチームを組んで、妖魔が跋扈する迷宮で未知の蔵書を探す《地下レファレンス》をすることに。しかし、それは楽しくも波乱に満ちた日々の幕開けで……!?

なんかフブルさん居るんですけどー!? 佐伯先生の現在進行中のもう一つのシリーズ【昔勇者で今は骨】のかつての勇者パーティーメンバーで大魔導師にして宰相のザ・ロリババアなフブルさんが、しれっとこっちでも司書先生してるんですけど。しかも既婚で子持ちとな!? 情報量が、情報量が多い!
一瞬、昔勇者の方と一緒の世界観なのか、と疑ってしまったがこっちはあくまで現代ベースの世界観で魔法関連も基本的に一般的に存在も知られてないようなので、あくまでスターシステムと思われるのだけれど、フブル先生の場合平行世界に並列的に存在していても不思議ではないのでなあ。

ともあれ、世間一般には魔法だのダンジョンだのは周知されていない現代。そんな中で、宇伊豆学園の図書館地下には地下迷宮が存在し、学園の図書委員達は日々未発見の蔵書を探すためにパーティーを組んでこの書庫ダンジョンへと潜っているのだという。
なにしろ、学園の名前からして「宇伊豆学園」……「ういず学園」と読むそうで。ういず、ういず、ウイズ、ウィズ……Wiz……「Wiz学園」!!
ちなみに、本家ウィザードリィと違ってロストが存在しない親切設計。ロストの代わりに迷宮に潜るための魔書との適合が不可能になるという、迷宮探索から永久に弾かれることになるというリスクはあるものの、実際に死ぬことに比べたら随分と軽いリスクだ。
それに、迷宮に潜れる期間も十代で魔書との適合率が落ちてしまうとのことで、実質探索に費やせる時間は学園に通っている間だけ、なんですね。
そして、この迷宮が存在することで人類に危機が訪れる、なんて事も今の所確認されておらず、迷宮探索に対して切羽詰まった切迫的な事情は存在していないのである。
なので、図書委員達の大半はこの迷宮の図書探索を部活かバイト感覚で行っているのだ。死亡後数日、迷宮に死体を置き去りにされたままだと資格を失ってしまうが、この切迫感のなさ故に殆どが自己責任で処理されてしまっている。死体をわざわざ持ち帰ってくれるのは自分のパーティのみであり、他のパーティーとの協力関係なんぞ殆どありえない。ましてや、わざわざ他のパーティーの遭難を救援して、死亡者が居た場合は連れて帰る、なんて慈善事業は皆無に等しかったわけだ。
もし、このダンジョンに人類の存亡の危機が備わっていたり、それでなくても本当に死んでしまったり取り返しのつかない後遺症が残ってしまう、という危険が存在するならば救援に関するシステムは早晩構築されていただろう。それがなければ、迷宮探索事業そのものが立ち行かなくなる可能性が高いからだ。
しかし、この書庫迷宮ではあったら助かるけれど、決して必要不可欠なものではないからこそ、依頼があれば他のパーティーの遭難を助けて回る、なんて事をするやつも考えるやつもいなかったわけだ。
彼にとっては、必要でないのにやる、という事が重要だったようだ。

主人公、守砂尊は元探検家である。そして、事故によって激しい運動が不可能になり二度と秘境や高山などの難所に挑むことのできなくなった、夢の果てた残骸であった。
そんな身体機能を損なった彼でも、全盛期以上の動きが魔書との適合によって叶うようになり、彼はもう一度二度と見ることの出来ない景色を夢を見るだけの可能性を得ることができたのだ
探検家としての夢をもう一度。

なんて、単純な夢の再生話、とはいかなかったんですけどね。主に、尊という主人公の在り方において。
探検家生命を失った遭難事故は、守砂尊の生き方や価値観を根底からぶっ壊したと言えるのでしょう。彼は、その探検家人生においてまったく価値を感じていなかったものに、その生命を繋ぎ止められ助けられた。それはこれまでの彼の在り方を根っこから破壊してしまうものであり、たとえ身体能力が戻ったとしてももう二度と同じ在り方には戻れなかったんですよね。
まあ、それがわかってくるのはだいぶ後半なのだけれど。尊という人物の内面は最初から多く語られているのだけれど、さらにその奥からチラチラと垣間見える獰猛な唸り声ややけどしそうな吹き上がる火の粉は、彼が決して一筋縄ではいかない人間であることを示していたのですが、同時に容易にその本性を覗かせることがなかったんですよね。
彼の口からこぼれる言葉や態度は偽りではなく本物であると同時に、語られない側面を抱えているように見えたのです。真っ当なことを言っているけれどそれは本心からのものなんだろうけれど、でもそれは善意とか正義感に基づくものじゃない、という感覚が。
やがて、尊の昔の野心や欲望剥き出しの在り方と、遭難事故の際に何があったのかが語られたわけですが。
それで反省したとか心を入れ替えた、とかじゃないよなあ、こいつ。というのはもう明らかだったんですよね。単純に、ごくごくシンプルに、感化されたんじゃないかと。あれを、やってみたい、と思うようになったんじゃないかと。方向性が変わっただけで、あの自分の衝動や欲望に対して貪欲で傲慢で素直で一途なところは何も変わっていないんじゃないかと。
いや、事が終わったあとにエピローグでフブル先生たちが思いっきり直接的に尊の本質について言及して暴いてくれて、その辺明言してくれていたのですけどね。
ただ、全く彼が遭難前と何も変わっていないのか、というとそうではないと思うんですよね。
新しい嗜好の方向性が、人を助け送り届ける、という所にある以上はかつてのように傲岸不遜に振る舞うことは害悪にしかならず、あらゆる手段を使って目的を達して楽しみを得る、衝動を発散し、欲望を満たす、という彼の在り方からしてもわざわざ悪手を取らずに、社交性を保ち人当たりを良くして、というのはまあやって然るべき外見の繕いだと思うんですよね。交渉を優位に進めるにあたっても、コミュニケーション能力は高く維持しなくてはならないし、他人との関係は良好にしておくにこしたことはない。
ただ、利害関係だけで人間関係を捉えているのかというと、かつて人を人とも思わなかった尊とは、そこんところが決定的に変わっている、と思うんですよね。
周りとの交渉でも、うまいこと利益誘導してWin−Winの関係を作り出す巧みに人の間を泳いでいる彼だけど、ミカ姉とあの後輩二人、エスキュナと大国だけは尊に対して利益度外視なんですよ。自分に何のメリットもないのに、何の利益ももたらさないどころか彼らにとっては苦労ばかり背負うような提案を、彼らは何の存念もなく快く承知してくれるのである。尊の方も、彼らに対しては変に利益を与えようとせずに率直に頼ってるんですよね。その代わり、彼らに対しては自分の出来る限りをしようとしている。慕い慕われ、信頼しあう関係。自分さえ良ければそれで良かった過去とは、決定的に違う他人との関わり合い方。その中でも利益の介在しない関係であるミカ姉と後輩二人とのそれは特別に見えるんですよね。同じパーティーメンバーでも津久澄先輩についてはちょっと微妙に違う感じなんですけどね。この人は、実利じゃないんだけど尊に色々と求めててきっちりそれを回収してますし。趣味とか嗜好を満たす意味で。まあ信頼に関してはこの人に対してこそ尊は絶大なものを寄せているようにも見えますけど。
いずれにしても、今の彼にはちゃんと「仲間」がいるわけだ。生命を預け信頼を寄せて、命運を託せる人たちが。そういう人たちを大切に思えるようになった。確かに彼の本質は変わらなかったのかもしれないけれど、人生観は変わったんでしょうなあ。

ところで、今回の登場人物たち。主人公の守砂尊がスサノヲ、のようにキャラの名前って日本神話モチーフ、なのかな? 津久澄先輩はツクヨミ? 大国はオオクニヌシ、他にもアメノウズメとか迦具土とか。ミカ姉は武御雷か天津甕星かしら。そんな中でエスキュナだけわかんなかったんですよね。この娘外国人なんで、日本神話関係ないという場合も。なんて思いながら今、ウィキペディアをつらつらと見てたんですが、当てはまりそうなのスクナビコナかしら。大国主の相棒的なポディションだし、外国人説がある神様だし性格的にイタズラっ子みたいだし。ちょっとすっきりした。

しかし、本作ってメインヒロインって一応ミカ姉っぽいんですけど、表紙は尊のパーティー限定なのがちょっとめずらしい。あの集合写真的な表紙絵好きなんですけどねー。エスキュナーは後輩に徹しているので、あんまりヒロインという感じではないですし。だいたいミカ姉はもう愛が深すぎて、ライバルキャラなんぞ出たら即座に切り捨てそうなんですが。実際、ちょっと魅了の魔術かけただけのモンスターまであばずれ呼ばわりでズンバラリン、でしたしw
これ割って入るの、命がけだぞー。

佐伯庸介・作品感想

昔勇者で今は骨 5.東国月光堕天仙骨無幻抜刀 ★★★★☆   



【昔勇者で今は骨 5.東国月光堕天仙骨無幻抜刀】 佐伯 庸介/ 白狼 電撃文庫

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骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)が往く、異世界ファンタジー!

「まーじーでー……転移してるじゃん、これ」
森中の見知らぬ転移装置を抜けると東国であった――仲間と離れ離れになって、師匠の故郷・東国ヤマへと転移したアル。
すわ妖かと怪しまれながらも、剣の師匠マガツのもとへと向かってみれば、そこは魔王軍を離反した堕天王と戦の真っ最中だった。しかも、その軍は古の秘密兵器「月」を擁した最悪の布陣で……。
「出来なきゃまた戦争だ。言っておくが、その場合は容赦せんぞ」
人と和平を目指す魔軍令フギムニからは戦のついでに取引を持ち掛けられ――
「魔王以来の神命だ、我が勇者」
果てには太陽神マルドゥから討伐の神命まで下ってしまい……人から魔から神までも、頼みの綱は骨勇者!
コツコツ世界を救う異世界ファンタジー、待望の最新刊!

これ、サブタイトル!! こういうの好きだわー。ただ語音、音韻的にはあと四文字八音あったらスッキリだったんですけどね。
前巻がまさにクライマックスオールスター総力戦な内容で、シリーズも完結だと思っていた所にまさかの続編続行ということで狂喜乱舞してしまいました。
今回は舞台を和風の東国に移しての、ド派手な剣劇バトルでありますのよ。前回の総力戦で力尽きるどころか、スケールも相変わらずどでかいエンタメ大作となっておりました。
表紙絵だけだと、新キャラ二人でしたしあらすじからするとアルだけが東国に飛ばされたような感じに見えたのですけれど、ちゃんといつものメンツ込みで東国に飛ばされた上での、バラバラにバラけて着地といった体で、表紙を捲ったページには見開きで表紙絵の続きというか右側も描かれており、そこには今回出演の敵味方問わず全員盛り込み、な総登場絵図になっていてなかなかの壮観でありました。
前からの傾向ですけれど、この作品って骨勇者なアルだけが引っ張る物語じゃなくてメインの登場人物がみんな主役張ってそれぞれの物語を引っ張っていく群像劇の体もなしてきてるんですよね。だからこそ、前回なんぞの総力戦が映えたというのもあるのですけれど。今回もチームがバラけた分、ハルベルとミクトラがそれぞれに仲間を引き連れてそれぞれ東国各地でドラマを牽引していってくれます。これって物語の焦点というかエンジンがそれぞれ別に起動しているようなもので、あっちこっちで話がグワングワンエンジン吹かして回して動かしてくれるものだから、全体がすごくパワフルになるんですよね。
下手すると焦点がとっ散らかって尻すぼみになってしまう危険性もある群像劇ですけれど、こっちはもうキャラが立ちに立ってるものですから、アルが居なくても自由闊達に動きまくってくれる。
その末に、物語がクライマックスへと向かう中で一同に結集するという形になるので、それぞれ動きまくっていたエネルギーが一点集中されるということもあり、さらに盛り上がってくるんですよねえ。
このへんの動かし方なんぞ手慣れたもの、というほどになってきているような気がする。
勿論、新キャラ・ヤトノ。アルのヤギュウ流の兄弟子にあたる若きサムライとアルとの剣客二人旅もさすがは主人公という活劇っぷりで。今回は特にヤギュウ流の看板にまつわる剣術モノとしての見せ場も多く、剣撃アクションをこれでもかと堪能させていただきました。
勇者のパーティーメンバーであるマガツ師匠の出番が必要となる段階となると、ただの撃剣チャンバラどころではなく、空間斬ったり次元斬ったり幻で斬ったりとドンドン自重無くスケールデカくなっての神を斬り星を斬るド派手なチャンバラになっていくのですが、これがまたこれで楽しくて楽しくて。
精妙な理合に基づく剣撃と、一刀で神も仏もぶった切るデタラメ剣法、これを両方並び立てて両方両立存分にやったるぜー、となってくれるとそりゃ楽しいってなもんですよ。
しかし、勇者のパーティーメンバーってどんどん非常識というか人間辞めてってるよなあ。骨になってる勇者アルヴァスが段々可愛く思えてきたぞ。
いやでも、「まーたすぐパクる」とマガツ師匠に呆れられてるように、アルのあれ見せられるとやっぱり「こ、こいつー」ってなりますよね。やっぱり勇者が一番非常識だ。
しかし、東国のサムライ連中もみなぶっ飛んでますねー。精鋭とはいえ、そこらの一般武士まで一騎当千じゃないですか。なにあの弓兵たち。高射砲かよ。あれ冗談じゃなく爆撃機くらいなら落とせるんじゃない? 
結局、堕天軍を東国全体ではなくムデ藩国だけで撃退した、という形になりましたしね。ここ、モデルがおそらく仙台藩、伊達家で大藩ではあるんですけど、それでも世界相手に戦争してる魔王軍の一方面軍を一藩で撃退したんだから、東国の武力たるや凄まじいの伝わります。
もちろん、アルたちやヤギュウ流の合力あってこそではあったのですけれど。

今回は既存のキャラクターたちもデザイン一新されていて、特にハルベルはイメージだいぶ変わったんじゃないだろうか。見た目にも結構しっかり格好良くなった気がする。アルにも、勇を与える側になったと評された彼女。もう既に一人の主人公として独り立ちしてるかのような立派さで。色んな意味で頼もしくなったよなあ。そのハルベルの片腕として八面六臂の活躍をしてるデケニー。いやこの蜘蛛ちゃん、毎回毎回大活躍してますけど今回は特に居なきゃ死ぬというくらいの勢いでMVPだったんじゃないですか? 色んな意味で便利過ぎる。
そして強くなってるはずなのにどんどん可愛さが強調されてヒロインロードまっしぐらな女騎士ミクトラ。今回は東国舞台ということで、対魔忍風味なエロタイツを装備するはめに。うん、エロ可愛いですよ。大丈夫大丈夫、エロいだけだから。
そういえば、表紙の青い鬼のおねーさん。あれ東国で登場の新キャラじゃなくて、苦労人こと魔軍令のフギムニさんだったのか。こんなシャープエッジな見た目のおねーさんだったのか。こう、見た目からして苦労背負ってるなあという感じの社畜系の顔しているのかと思った(失礼
これもう出来るお姉さん、ビジネスウーマンですよね。いや、実際出来る人なんですけど。
今回実際対面して話す機会があり、フギムニさんとは踏み込んだ会談をすることになりましたけど、こうなると先の展開どうなるんでしょうね。あらかたやばい案件は片付いたような気もするのだけれど、この人の運の悪さというかしんどいめに会うフラグを背負ってるキャラからするととても簡単には思う通りにいかないだろうし。彼女との会談自体が次の布石になっているんだろうか。

ともあれ、今回のテーマは失った居場所。敵にも味方にも、その失った居場所を取り戻すために必死になって突き進む人たちが出てきます。そうやって突き進むことで、新たに居場所を失う人たちが現れてしまっても、それはもう止めることができない。
ハルベルの示した勇は、そんな居場所を奪うものたちへの怒りであり、失った人たちが諦めずに踏ん張れる力になりました。
ルシフルスもヤトノも、本当に取り戻したい居場所はなんだったのか。それを見失ってしまった者と、新たに見出すことのできた者の差でもあったように思います。
そもそも、居場所を必要としていなかった人なんかもいるしなあ。いや、柵をぜんぶ捨て去り自由の空に羽ばたいた、師匠にとってはそこがずっと見つけられなかった本当の居場所なのかもしれません。
然して、アルには居場所なるものはあるんでしょうかね。この骨にも、そういうのなさそうなんだよなあ。せめて、隣を歩こうという「人」が居場所になればいいなあ。

シリーズ感想

昔勇者で今は骨 4.わたしからあなたへ ★★★★★   



【昔勇者で今は骨 4.わたしからあなたへ】  佐伯 庸介/白狼  電撃文庫

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骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)が往く、異世界ファンタジー!

『あ~故郷の香りっス~』
かつての愛船・ソカリスヘヌ号を修理するため、北方のオルダネル帝国を訪れたアルとイザナ。
そこで出会ったキメラの少女を救う為、断崖の街ガイムラを訪れたアルだったが、ひょんなことから封印された“神の骨”を探すことに。
いつものお気楽な冒険になるはずが、アルの魂が神の骨に取り込まれてしまったことで事態は急変し――
(あれ? もしかして俺マジで消し飛ばされる五日前って感じ。なのでは?)
骨になっても心は勇者、コツコツ世界を救ってきた最強冒険者もついに昇天!?
うぉお、テンション上がったぁ! 面白かったぁ!!
前回にも増して今回は登場人物も多い上に、各メンツが分散して行動していて場面転換も多かったのだけれど、どちらかというととっ散らかった印象があった前巻よりも遥かに物語として収斂していて、クライマックスなんぞ二箇所同時上映みたいな感じで同時進行していたにも関わらず、ギューっと凝縮された纏まりがあって、盛り上がりにしても燃え上がりにしても満足度充足度が半端なかったです。文句なしに滅茶苦茶面白かった。
というのも、やはり主題が一つのテーマで統一されていた上に、能力の上下関係なく登場人物全員に出番と重要な存在意義があって活躍度に過不足がなかったからなんでしょうね。お蔭であっちこっち場面飛んだり、そのシーンで動くキャラクターが次々と変わっていっても、物語として一点に流れが収斂していっているので、全体として一本の筋として意識が滑らずに集中して深みにハマっていくことが出来て、素直にお話にのめり込んで行けたんですよね。
そこに、話の盛り上がりの連鎖が登場キャラの活躍シーンやテンションを増し増しにする展開が多い分、それが多段加速効果となってたように思います。これはエンタメものとしても構成が抜群だったんではないでしょうか。これのお蔭で読後の満腹感が凄かったもんなあ。

「わたしからあなたへ」。これが今回のサブタイトルだったのですが、まさに今回のテーマはこれ。
受け継がれていく想い。今回のキーパーソンに滅種博ペルゼンという絶滅種の骨を蒐集する人物がいるのですが、彼がまさにその象徴的な人物でもありました。滅びゆく種が居た証としてその骨を蒐集する奇矯な人物。ある意味行き止まりの終焉を担っているような在り方に見えるかの人なのですが、その実はむしろ正反対。彼の真の目的、そして彼のもとに築かれた行き場をなくした希少種たちが集った街の姿は行き止まりの終わりなどでは決してなく、それは潰えて消えていくものを残し、先へと繋げ、届けていくための一つのカタチだったのです。
そんな彼のもとで偶然生じた死体の複合キメラである〇三。幾つもの希少種の亡骸をつなぎ合わせて生み出された彼女は、本来何も生み出さず何も残さず消えていくだけのゾンビという行き止まりの存在だったはずでした。しかし、その肉体に生じた意志は彼女の体を構成する部位である希少種たちのこれまで生きた証の残り香であり、終焉の街で眠りについた彼らの最後の安息の地への優しい思いを引き継いだ魂であり、だからこそアルに導かれて自らの生じた理由とその意味、そしてこれからなすべきことを思ったときに、彼女は気づくのです。終わったはずの自分でも、生きていない自分でも、子供を生むということも出来ない自分でも、自分の中に託されたもの、宿ったものを繋いでいける、受け継いで貰える、先へ未来へと送り出していけるのだ、と。
同時に、それは彼女〇三だけではなく、この物語に登場する幾多の人物にも該当する主題でもありました。それは師弟の話でも在り、姉弟の話でも在り、仮の母娘の話でも在り、船に宿った魂の話でも在り。
そして、そんな人のあり方を、想いの後継を、示された勇を、束ねて集わせて力に変えて先へと繋げていく存在こそ、勇者と呼ばれる者だったのかもしれません。個々の小さな可能性を、背中を押す願いに変えて、束ねて未来を手繰り寄せる力へと成す。
それこそが、勇者アルヴィスの強さであり、ならば今回はあの元竜王ダイスくんも見事に勇者やってたんじゃないでしょうか。
しかしまあ、勇者が想いを束ねてつなげる存在なのだとしても、アルにしてもダイスにしても放っておくとフラフラと人との繋がりを放り出してどこかへ行ってしまいそうな人たちなのですけれど。むしろ、周りの人たちが無理矢理に繋ぎ止めておかないと一人で消えていってしまいそうな人たちなのですけれど。そう考えると難儀な連中だよなあ。まだ人たらんと自分を律しているダイスくんの方がこの場合、根っからの根無し草なアルよりもマシな気もするけれど。無理やり構って丁度いいくらいですもんねえ。
ただし、構うにしてもアルにしてもダイスにしても、階位があまりにも高すぎて、並んで歩くどころか後ろからついていくにも一苦労。だから、凄まじい覚悟と努力が必要になってしまう。
自然と化物クラスの力量が必要になるわけで、ミクトラとハルベルは死に物狂いでそれを成し遂げようとしているお蔭で、無事にイザナやフブルさん級の化物クラスに足を踏み入れつつあるようで、毎度ながらアルたちよりもこの娘たちの方がよっぽど無茶してるような気がするぞ。アルやダイスが持ち得る能力を存分に振るっているのに対して、彼女たちは自分の限界を何度も何度も突破して血反吐を履くことでようやく追いかけているわけですからねえ。
彼女たちですらそうなのですから、秀才ではあっても一般人の範疇であるハルベルの級友であるペリネ、ダステル、ゲルダの三人組は今回ほんと頑張った。あのダイスをして勇を示した、と最大限の敬意を払ったくらいであり、彼の価値観をひっくり返したわけですからね。今回は誰も彼もが大活躍したわけですけれど、MVPはこの三人でしょう。それに、彼らは現状で満足なんかしないでしょうしね。それこそ、ハルベルにだって追いついてくるかも。
あと、なにげに影のMVP、地味に功労賞、あんたが一番、な活躍してたのってデケニーさんだったような気がします。この人、縁の下の力持ちすぎるw
これまでの登場人物根こそぎに登場させ活躍させての、集大成にして総力戦。見事なまでの盛り上がりは、なんか涙出てくるほどの感動すら抱くものでした。これぞ、エンターテイメントの傑作という逸品、心より堪能したぞーー!!

1巻 2巻 3巻感想

昔勇者で今は骨 3.勇者と聖邪 ★★★★  



【昔勇者で今は骨 3.勇者と聖邪】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫

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骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)が往く、 異世界ファンタジー

『――――久しぶりね、アル』
イザナを追ってエルフの国・精霊領域フィネグンドを訪れた昔勇者で今は骨な冒険者・アルと仲間たち。彼らを出迎えたのは、かつての勇者アルヴィス……と瓜二つの容姿をした人物だった!
『シミュラルと申します。以後、お見知りおきを』
ついにイザナとの再会を果たしたアルだったが、彼女の口から語られた計画はアルの存在を根底から覆しかねないもので――!?
魔王が倒された後の世界で、なんだかんだと世界を影から救ってきた骨勇者もついに年貢の納め時か!?

オーク王アライシャル格好いいなあ。いわゆる雑魚か汎用扱いなモンスターが、こんな風に威風と知性と品格を兼ね備えて一勢を、或いは一族、一国を率いているのって結構好きなんですよね。安易に敵ではなく、話が通じる相手なら尚更に。
さて、勇者時代の仲間であり、聖女にして死霊術師。魔王との決戦時にアルヴィスの願いを叶えて彼をスケルトンにした張本人でもあるイザナを探して、エルフの国を訪れることにしたアルたち。いわゆる本妻の登場である。ってか、マジで年季が違うなあ。シミュラルが丁度、イザナの子供でも在りアルヴィスの子供でもある、という立ち位置になってしまったために、がっつり夫婦感が出てしまいましたし、アルのあの枯れた部分を一番理解してそうなのがイザナなだけに、余計に離れていてもパートナー、ってな感じが出てるんですよね。
もっとも、アルのそれを受け入れいている、というわけではないのは一連の事件を引き起こしたことからも明らかなのですが。ただ、ミクトラやハルベルがスケルトンのアルしか知らないという事もあってか、勇者である彼の本質に対してまだよく理解も及んでいないし、焦燥を感じるまでにも至っていない。ハルビルに至っては勇者アルヴィスの風聞についても知らないわけで、知っているのはこの骨のアルがすべてなのである。イザナとはステージが噛み合ってない、とも言えるんですよね。
ただ、イザナはアルに出会う前の人生、アルと旅した時の体験、アルと別れてからの歩みが凄まじすぎてねえ。彼女の情の深さ、愛の深さを考えるならアルヴィスへの一途な想いが執着から深淵に至ってしまいそうなところだったのでしょうけれど、なるほどあとがきで「彼女は根底が愛の人」と語られていたのを見て納得。イザナという人は一つの愛に傾いて他を眼中に入れなくなる狭くも深い愛の人ではなく、普通に多くを慈しみ愛しむことが出来る人だったわけだ。だからこそ、かつて自分を率いた軍勢を見捨てることができずに魔軍に居たのだし、だからこそ勇者アルヴィスの仲間になり、彼をスケルトンに変えてしまった罪悪感から彼を救うために邁進し、しかしそこから生まれたものをもまた愛してしまったんですなあ。いわば、愛ゆえに誰も見捨てられない人なのだろう、イザナという人は。
だからこそ、その愛に挟まれて苦悩し続けていたのに、肝心要のアルくんがねえ、その葛藤の片側としてサクッと断ち切っちゃうんだからさあ、考えようによっては酷い話である。イザナが彼を頭おかしいんですよ、と言っちゃうのも無理はない。彼が骨になった経緯からして、自分に対する欲の薄さ、自己愛の薄さが透けて見えるわけですけれど、これは彼を好きになった人たちからすればもどかしいを通り越して立つ瀬がないというか切ないというか。
もっと頼って、期待して、と願うイザナのセリフには胸を突くものがありました。ってか、アルも魔王倒したあとトンズラこかないで、イザナ頼って身を寄せてたら、一緒に復活の方法考えようとしていたらイザナも一人で暴走せずに済んだんじゃなかろうか。
死んじゃったしもういいやー、で済ましてしまうところ、そういうところですよ、アルヴィスさん。
この人はほんと、もっとしがらみとか人の縁でがんじがらめに縛っておかないとだめなのかも知れない。骨のアルとなってからできた人の縁も、そう考えるとよいことなのでしょう。船霊のソカリィも、言うたら放ったらかしにしちゃいけない縁の錨として出てきたものと言えるかも知れませんし、フブルさんがあれだけトラブル引き起こすにもかかわらず、アルに紐つけて逃さないようにしていたのも考えようによっちゃそういうことなんでしょうし。
ともあれ、ソカリィちゃんのような船霊や、シミュラルみたいな子が居たら、さすがに知らんぷりはできないでしょうし、着実に重石は増えてってるんでしょうねえ。ちゃっかりハルベルは学校に通わせたり、今度はイザナに弟子入りさせたり、と放ったらかしにしようとしてなくも見えなくもないですがw
それでも、人に戻る気が少しでもできたなら、アルの周りの人たちにとっては前進なんでしょうねえ。
しかし、あれで六割八割って元の勇者の時のアルヴィスってどんだけだったんだ。そのアルヴィスが死んでようやく届いた魔王って、ほんとにヤバかったんだなあ(しみじみ
何気に魔王以外の普通の魔軍にとってはアルヴィス以下勇者パーティーって自然災害並の災厄以外のなにものでもなかったみたいだけどw

一巻 二巻感想

昔勇者で今は骨 2.双竜の転生者 ★★★★☆   

昔勇者で今は骨2 双竜の転生者 (電撃文庫)

【昔勇者で今は骨 2.双竜の転生者】 佐伯庸介/白狼 電撃文庫

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骨になっても心は勇者な冒険者(※ただし骨)が往く、 異世界ファンタジー

『とりあえず王都に来んかーい!』
かつての仲間・フブルさん激怒につき王都へ参上した昔勇者、今は骨な冒険者・アル。一人前の魔法使いになるべく、学園に通いはじめたご主人・ハルベルのためにひと肌脱いじゃう(※ただし肌はない)アルだったが、王都を騒がせる怪現象の調査は意外な過去に繋がって……
『貴様の方は未だこの世にしがみついていたとはな……』
秘密を握るのは、容姿も魔力も桁外れ、初対面なのに見覚えのある少年で――!?
骨になっても心は勇者な彼がゆくところトラブル多発! 魔王が倒された後の世界で、なんだかんだと世界を影から救っちゃう、お気楽異世界ファンタジー!

一巻でも絶賛に近い形で感想書いた本作ですが、いやあこれやっぱり当たりですわ。なんかこう、自分のツボを見事なくらいストライクについてくる。しゅき!
何気にこれまでの作品は単発ばかりで、二巻を出すのは本作がはじめてだそうなのですけれど、一巻で登場したキャラクターたちがさらに掘り下げられた上に、同じ場所に放り込まれることで連動して相乗的にお互いのキャラを膨らませていき、世界観をも広げていくのを見るとむしろ続ければ続けるほど作品の土台が広がり、物語が上積みされて面白くなっていくタイプの作家さんじゃないですかね。
結構、これまでを踏まえてその上に着実に積み重ねていける人って多くはないんですよ。大概、ポロポロと取りこぼして、新しいのを補填して賄ってくばかりで、定着はしないし芯が細っていってしまう。
今回は王都編ということで、賑やかな王都に帰ってきたアルとミクトラ、そしてはじめて村を出るハルベルの穏やかなる日常パートが前半繰り広げられるんですが。ハルベルが色んな意味で逞しすぎるw
ハルベル、田舎娘なのですけど物怖じすること無くイケイケドンドンなんですよね。通い始めた学園でも、クラスメイトの新キャラたちと喧々諤々ぶつかりあいながら、楽しそうにしてますし。
構成で見ると日常パートは短編集っぽく、いろんなキャラクターの色んな話を盛り込んできていて、その中でもちろん主人公のアルは大事な話の要として機能はしているのですけれど、前述のハルベルをはじめとして、ミクトラやフブルさんとか、学校のクラスメイトのペリネ、ゲルダ、ダステルといった新キャラたちもそれぞれ自己主張強く話の中で主役張っていて、話の展開が全然アルに頼り切ってないんですよね。
なんていうんだろう。個々のキャラクターたちの話であり、彼らが走り回っている王都という舞台の話であり、この【昔勇者で今は骨】という作品の世界の物語として、全体的にバランス良く、全体を底上げするように包容力たっぷりに盛り上がっている、といった感じで。
この掛け合いとかノリとかが軽妙にも関わらず、懐広く足場がしっかりしていて、全体包み込むような大らかな雰囲気をまといながら、根底に「戦乱」という時代の渦中にある要素を見失わない絶妙なバランス感で描かれてる物語、というのがホントに自分のツボを突きまくってる気がします。
なんでもない場面なんですけどね。クライマックスで前線に向かうアルを、避難しようとしているその辺の市民が声かけるシーンが、もっそい好きなんですよ。見た目アンデットでスケルトンであるアルに、普通に「無理すんなよ!」って心配して声かけるシーンが。
元々、あんまりアンデットに対してそこまで拒絶感のない世界観なのですけれど、それでもスケルトンである。そこらへん歩いてたら驚かれるし、魔物かと警戒されるのは当然のことで。それでも、自分たちを守ってくれる側だとわかれば、何の裏表もなく素直に心配して、アンデットに「命を大事に」と声をかけてくれる人たちが当たり前にいる世界。こういう何気ないシーン、何気ない一幕を大仰ではなく、サラッと挟んでくるところ、ほんと好き。
好ましいといえば、曰く在るキープレイヤーとして登場するダイスくん(三歳)のあの死生観もなんか好きなんですよね。もちろん、姉の愛情をたっぷり注がれたことは意味がないわけじゃあないのでしょうけれど、ダイスのあの人間に生まれたからには人間として生きる、というスッキリとして一本筋の通ったブレのない生き方って、絆されたとか姉との生活で考えを変えたとかじゃなく、彼の魂の在り方っぽいんですよね。その意味では、彼の生き方って前世とは何も変わってないし、何も変えていない。頑固とかそういうのでもなく、あくまで自然体。
竜たちに対してのスタンスも決して突き放していなくて、自分なりの竜としての生き方の信念を尊重して気負いも罪悪感もなく向き合っているところなど、前世今世とかあんまり関係なく、竜として人としてとこだわっているわけでもなく、揺るぎなく彼は彼として誠実に在りつづけてるんだろうな、前世も実はこういうスタンスだったんだろうな、というのが伝わってきて、なんちゅうかこのスッキリスッパリ感が格好いいんですわー。ほんと好き。
クライマックスも、ドタバタ感満載だった日常パートにさり気なく集約されるべき要素が散りばめられていたり、と盛り上がりもたっぷりで。ハルベルは、かなり能力に制約つけられてましたし今回みたいな一件ではなかなか活躍し辛いだろうなあ、と思ってたら最後の最後で思いっきり良い所持ってっちゃって、おおお、華がある娘だなあ死霊術師なのに!
ミクトラも、凄腕冒険者で上級貴族のお姫様で、と美味しい要素満載で、王都編でも両方の特性を色んな場面で活用されて、何気に便利すぎる! おまけにハルベルの同性の友達としても横から強襲してきたペリネに奪われることなくポディションをガッチリキープして、堅実に存在感をアップさせていたのですが、ラストではそれに満足せずにさらにがっつり食いついてきて、この娘も負けず劣らずヒロインとして自分で立ち位置確立してきたなあ、と思わず目を細めたり。
エピでは、ついに真打が姿を見えて「メインはわたし!」と一発で自己主張してきただけに、ハルベルとミクトラの現状に甘んじない弛まない意欲的なクライマーっぷりは頼もしい限り。
これはほんとに、ぜひぜひ三巻読ませて欲しいものです。色々と楽しみな要素が多すぎる。

めちゃくちゃ楽しかった一巻からさらにパワーアップしての続編でありました。面白かった!
大変オススメ♪

昔勇者で今は骨 ★★★★☆   

昔勇者で今は骨 (電撃文庫)

【昔勇者で今は骨】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫

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勇者⇒骨にクラスチェンジ!?チート冒険者(※ただし骨)のお気楽冒険記!

骨になっても心は勇者な最強冒険者(※ただし骨)が往く!
お気楽異世界ファンタジー!!

世界を滅ぼす魔王との、最後の戦い。
どうしても負けられぬその戦いで瀕死の重症を負った勇者アルヴィスは、最後の手段・死霊術までも使って戦いきって……スケルトンになっちゃった!?
それから三年後。魔王討伐後の処理を仲間へ丸投げした勇者改めスケルトン・アルは、平和になった世界でニート生活をエンジョイしていたのだが……
『い・つ・ま・で・遊び惚けとんじゃアルヴィスー!』
――世界が彼を放っておくはずもなく。
魔王が倒された後の世界で、それでも助けを求めている人はいる。骨になっても心は勇者! コツコツ世界を救っちゃう(※骨だけに)、お気楽異世界ファンタジー!
おおおおっ!? なにこれ、面白いぞーー!!
この方、14年も前に電撃文庫からデビューしてた作家さんだったんですね。2015年にも一迅社から一冊出してみるみたいだけれど、そっちは読んでない。デビュー作は読書メーターによると読んでたみたいなんだけれど、まったく覚えてませんでした。現代異能モノがジャンルの華だった折のものなんだけれど、感想も書いてないっぽいなあ。
だがしかし、本作はというとこれがめちゃくちゃ面白かった! なんだろう、このでっかい樹の下で昼寝するような安心感、みたいな雰囲気は。物語の土台となる部分が凄く分厚くてしっかりしているのだけれど、それが重たい感じしなくて凄く大らかで包容力がある感じの厚さなんですよね。その上で、アンデット……スケルトンになれ果てたにも関わらずホネホネ生活を何気に心から楽しんでる勇者さまのお気楽さと勇者としての一本芯の通った格好良さが相まって、凄く心地の良い軽妙アットホームなヒーローものになっているのである。
だいたい、なんだかんだとスケルトンが冒険者登録出来てわりと周りから受け入れられてしまう大らかさがたまらない。お話も、魔王との決戦で最後の勝利をもぎ取るためにアンデットと化した勇者が、お役御免とそれから数年骨でニートな生活を満喫してたら、昔の仲間にいつまで遊んでんだーと怒られて、仕方なしに冒険者活動を再開し、なぜか向こうから飛び込んでくるトラブル、事件を正体を隠しながら解決してまわる世直しモノになっているのですが、勇者本人に悲壮感がまったくないどころか、本気で骨生活楽しんでいるせいか暗い雰囲気全然ないんですよね。その上、この勇者人間できてるし大人だし世慣れしてるしで、骨となって勇者の頃より力は半減しているそうなのだけれど、そういうの関係なしに頼もしいのです。頼れる骨なのです。面倒見も良いし、下手な対応打たないし、余計なことは言わないくせにトーク力は有り余るほどあるし。現役勇者だったころも、カリスマがあるって感じではないけれど、凄く人から好かれて慕われ懐かれるタイプの人だったんだろうなあ、というのが伺えます。孤児となってしまった幼い娘との疑似家族生活、スケルトンによるホネホネ子育て編とか、胸がほんわかするような良い話でした。
とまあ、勇者本人の明るい性格もあって、本編は概ねコミカルに進んでいくのですけれど、何気に彼が巻き込まれる事件って客観的に見るとかなり深刻だったり救いがなかったりシリアスな案件ばっかりなんですよね。何気に世界の危機、に至るような話もありましたし。それでいて、鬱々とした展開にならないのはひとえに勇者のキャラクターなんですよね。本当に大した人物だ。
でも、これだけ完成された人物であっても、やはりアンデットと化したことには思うこともあり、自分の存在意義、この世に在り続けることへの不安感みたいなものからは逃れられなかったわけで、自分の行く末、或いは身の処し方についても考えることはあったんでしょう。数年に渡って墓所に引きこもって他のアンデットたちとゲーム三昧遊んでたのも、決してニート生活楽しんでただけじゃないんでしょうし。
しかし、そんな彼の悩みについてもこの新しい旅の先での出会いや交流から生まれたもの、そしてある事件でヒロインの一人が与えてくれた言葉が彼を吹っ切らせるのである。その意味でも、彼は既に完成して完結しているのではなく、スケルトンになってもアンデットと化しても人としてまだまだ成長してるんですよね。人に何かを与えられる人間であると同時に、人から与えられたものを受け取り糧に出来る人物である、という意味でやっぱりパーフェクトだよなあ、この骨勇者。
彼の旅の目的である、失踪した仲間、彼をアンデットにした死霊術師の探索はまだ手がかりもない状態だけれど、次はその仲間の話になるのかな。ある意味、出会う前に勇者は自分のアンデット化について一つの答えを得たわけだけれど、相手の仲間の娘が何を思って失踪したのかがわからないだけに、それが吉と出るか凶と出るか。いずれにしても、どんな話になるか凄く楽しみである。いやもうほんと面白かったので、楽しみである!

 
12月2日

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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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