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佐藤真登

処刑少女の生きる道(バージンロード) 6.塩の柩 ★★★☆   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) 6.塩の柩】  佐藤真登/ニリツ GA文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

彼女が彼女を殺すための物語、破戒の第6巻。
「お前は、忘れない。ここで死ねるのなら、お前は幸運だ」

メノウと導師「陽炎」。
塩の大地での師弟の戦いは、メノウへと天秤が傾きつつあった。
アカリとの導力接続で手に入れた膨大な導力と、行使可能になった疑似概念【時】。
新たな力を得たメノウの勝利で終わるかと思われた訣別の戦いは、しかし、見え隠れする【白】の存在により予想外の方向へ向かいはじめる。

その頃、“聖地”跡では万魔殿が「星の記憶」へ足を踏み入れていた。
マノンの遺した一手が彼女に致命的な変化をもたらすことも知らず――。

そして、最果ての地にひとつの破局が訪れる。
彼女が彼女を殺すための物語、破戒の第6巻。
そして貴女は落ちていく。
地面に横たわる姿にはじまったこのシリーズの表紙絵は、5巻でついに立ち上がり戦う決意を見せた。そこから立つべき地面を失ったようにメノウはどこかへ落ちていく。墜ちていく。堕ちていく。

メノウは自分の生きざまをふらふらと蛇行しながら前進していると言っていたけれど、同時に師匠のことを悪でもなく前でもなく中道で、合理的で残酷でありながらも人間的だと語っている。フレアは、冷たく硬い鋼のような人間だった。その在り方は最初から最後まで変わらなかった。
でも、彼女は冷たいまま、金属のように硬いまま、無二の友情を得て、一人の弟子を慈しんだ。
友を殺し、弟子も利用した挙げ句に殺そうとして、そこに後悔も罪悪感も持たないのに、それでも彼女にとってあの日本人はたった一人の友人だったのだ。メノウは、自分の手で育てた娘だった。
だから、友人を殺したことを後悔もしていないのに、彼女の敵を討つために20年を費やした。その20年掛けた罠のためにメノウを育てて、利用して殺すつもりは一切揺らがずやり通したのに、フレアは娘を愛していた。その双方が矛盾せず両立していたのが、フレアという人物だったのだろう。彼女はあまりにもその在り方が一貫しすぎていて小揺るぎもしなかったが故に、矛盾すらも貫いてしまったのか。
後悔も罪悪感もなかったフレアにとって、自分の人生に不満も痛みもなかっただろう。彼女は最後までゆるぎもしなかった。ただ、揺らぎたかったのだろう、という願望だけは透けて見えた。友人と旅していた頃、自分の人殺しの生き方にずっと罰を欲していたことを思えば、メノウの在り方はかつて自分が望んだものだったのだろうか。
最後に至っても、フレアの心のうちは理解の遠く向こうだ。フレア自身が自分をわかる必要を認めていなかったように、自己分析の欠片も思い描いていなかった事もあるのだろうけれど。その奥底にある真実は彼女の言動や回想の欠片から一つ一つ拾い上げていかないと見えてこないし、そうして組み上げたものが本当の真実かなんてわからない。
ただ、事実だけを見るならば、フレアは自分の人生の大半をかけて、自分が友人を殺すことになった原因である白を討とうとしていた。そして、そのために利用し尽くすつもりだった弟子に、彼女はずっと選択肢を与え続けていた、ということだ。
彼女が最期に撫でようとした腕の位置は、幼い女の子の頭の位置だった。
その事実さえ覚えていれば、きっと事足りるのだ。

これまでずっと鳴りを潜めていた勇者・白。それが、アカリという少女がこの地に降り立ったことで、そして日本帰還の術式の準備が整ったことで、ついに千年の長き時を経て動き出す。
あの白の名前とは裏腹の凄まじい黒穴の如き眼が描かれた姿の挿絵は、やべえの一言。これ、夜中に見たら本気で「ひぇ!」となる絵だったりする。マジ怖い。
こんな眼をしているやつがやばくないわけがないという逆説が成り立つくらいヤバイ。どういう塗り方したんだ、この眼。

しかし、白が動き出したことでアカリとメノウの繋がりが断ち切られたと同時に、一気にパーティーの再編が行われるんですよね、これ。
シャッフルされたというべきか。モモと姫様が現場を一旦離れたのに合わせて、まさかの人災(ヒューマンエラー)サイドからの参入である。そのおぞましいというほかない、存在自体が災害であり呪いであり破滅そのもの、という悍ましさをこれでもかと今まで見せつけてきた以上、人災たちの存在というのは倒したり乗り越えたりするべき敵であるか、それ以上に逃げなければならない厄災天災そのものか、というスケールだったのに、まず最初にそれをひっくり返したのがマノンだったんですね。
まさか、あんなあっさり退場するとは思っていなかったのだけれど、それ以上に置き土産が盤上をひっくり返すどころじゃない、とんでもねー一手だったわけだ。
ある意味それは神を零落させたようなもので、理解が全く出来ないが故に脅威だったものを理解できるものに堕としてしまった、或いは昇華させてしまったとも言えるんだけれど。いずれにしても、話ができる相手になった、というのは大きいどころじゃないんだよなあ。
そして、なんであんな根っからの小物なのに、大きな仕事ばっかりするんでしょうかね、サハラさんは。こいつ、自分では何しようとしてもろくなことにならないんだろうけれど、他人から強制されながらイヤイヤやる気なくむしろ失敗してしまて、と思いながらやると大成功するみたいな業を持ってるんだろうか。
なんか思わぬところからお姉ちゃんが出来てしまったところとか、笑っていいのか呆れていいのか、わからんのですけどw まるで話が通じなさそうなところとか、サハラにばっちり合いそう。しかし、このお姉ちゃんも所謂計り知れないヤバイ枠なのだから、メノウの新パーティーってかなり意味不明なことになってるんですがw
いや、相手が相手だからこれくらい揃ってないといけないのかもしれませんけれど。
というか、これ人災両方サハラに紐付きになっちゃったんだけど、この小物どこまで行ってしまうんだw

そして、モモはまだ正期の昇進を果たしたのでいいのですけれど、姫ちゃまの行く末がかなりヤバそうなことになってるんですよね。あの姫ちゃまが大人しく他人のイイようになるとはこれっぽっちも思わないのですが。むしろ、待ち受けている使徒の方が酷いことになりそうな予感w



処刑少女の生きる道(バージンロード) 5.約束の地 ★★★★   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) 5.約束の地】  佐藤真登/ニリツ GA文庫

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「私は清くもないし、強くもないし、正しくもない。そんな悪い奴だもの」
アカリを連れ去った導師「陽炎」を追い、“聖地"に足を踏み入れたメノウ。せめて自分の手でアカリを殺す。そう決意した彼女の目的は、【白】の遺物・塩の剣の確保だった。
幼き日のメノウと導師がかつて辿った旅路の果て。塩の剣が眠る、清浄なる塩の大地。第一身分に封印されたそこへ至るには、【使徒】魔法使いが守護する聖地の中枢・大聖堂の突破が絶対条件。「陽炎」によるアカリ処刑のタイムリミットが迫るなか、圧倒的戦力差を覆すためにメノウが選択した禁忌の手段とは――。
師を超える時は、今。彼女が彼女を殺すための物語、決別の第5巻!!


アニメ化ですって! これはびっくり。これにはびっくり。GA文庫が怒涛の7作品アニメ化(続編含む)に打って出た一環なのですが、それにしてもこの作品が選ばれるとは……。でも、本作もGA文庫の大賞作品なんでしたっけ。それに、この作品のストーリー展開と世界観、ビジュアルはアニメ映えするものだと思うので、これは素直に期待してしまうなあ。

かくして、物語はクライマックスへ。

……クライマックス? いやいやいやいや、ちょっと待ってちょっと待って?
最後の最後で今までの前提全部真反対にひっくり返されちゃったんですけれど。なにこの構成? 本当に全部裏返しになったぞ!?
これ、終盤まで見事なくらいにメノウという少女の成長譚であり覚醒の物語であり、革新に至る真っ当なストーリーだったはずなんですよね。いびつながらも美しく磨き抜かれた師弟愛の物語であり、尊いまでのメノウとアカリの二人の少女の友情を超えた友情の物語であったはず。
二人の間に育まれた絆によって、メノウは自分に課していた枠組みを壊して、人として生きる道をついに見つけた、ついに掴み取った。この5巻までの間に丁寧に丁寧に積み重ねられていったものの集大成であり、メノウが自分を見つめ直して本当の望み本当の自分の姿に気づく、そんな話だったはず。お互いにどこか一方的だったアカリとの友情が、ついに混じって交ざって繋がった、そんな回だったはず。
克服の物語として、越えられなかった壁を超える物語として、新たな自分に出会う物語として、美しいまでに綺麗な線を描いて辿り着いた、天王山だったはず。

……だったんですよ。

しかして明かされた真実は、メノウのあのどこか寄り固まった在り方もアカリとの深すぎる繋がりにも世界の在り方にすら深い深い納得を与えてくれてしまった。凄まじいまでの納得だ。怒涛のような得心だ。
でもそれは、今まで彼女らが歩いてきた道の情景を根こそぎひっくり返すものなんですよね。彼女たちが旅の中で掴んできたものの意味が、そっくりそのまま反転してしまう。ひっくり返されてしまう。
メノウの原点が「白」にある、というのは半ば承知されていた事でしたけれど……その関わり方はあまりにも予想外でした。そこまで残酷な、酷薄で無情な意味を持っているとは思わなかった。
名前からしてそうですよ。普通メノウって……宝石の名前じゃないですか。なんですか、その意味。酷すぎませんか? 名付けたんじゃなくて、自ら名乗ったという無意識な所が余計に酷薄じゃないですか。でも納得なんですよね。それは、メノウのあの自らをどこか突き放したような淡々とした定義づけに、実に沿う。役割であるという事がこれほど似合う子はなかったんじゃあないだろうか。
サハラのメノウへの嫌悪や敵対心の根っこって、実は良いところ突いてたんだなあ、と。今回この巻だけでも、感性感覚のまま振る舞っているサハラだけれど、なかなか侮れないんですよね、この人。

でも、メノウは人形じゃなく、そのはじまりから師匠に憧れあの人のようになりたいと望んだ。役割でありながら、あまりにも彼女は人として生きる道を求め続けてた。
その最果てでアカリと出会い、自分の根源を揺さぶられひっくり返され、自分に課していた壁を乗り越えることが出来た。
その全部が、意味を失いかねない。一番大切なアカリとの繋がりですら、嘘になりかねない。アカリと繋がることで望むことが出来た、善き人を殺さずに世界を変えるという願いも……善き人ってなんだよ!? てことになる。
メノウの覚悟も決意も望みも願いも、これまでのメノウの全部が、ここまで至ったメノウの人生の何もかもが、無価値にされるようじゃないですか。無意味へとひっくり返されたみたいじゃないですか。無造作に踏み躙られたようじゃないですか。
幼い頃から師匠に憧れあの人のようになりたいと思い、成った処刑人としての在り方。それを自分で粉々に砕いてしまい、なにをどうしたらいいのかわからなくなって途方にくれたことも。
虚無の虚脱に呑まれながら生きたいという衝動にすがりついたことも。
ゼロの中から本当に大切なものを見つけて、アカリのもとに辿り着いたことも。
アカリと手を携え一緒になれて、彼我を混ぜ合い分け合って、一心同体というほどにお互いを理解し合えたことも。
二人で自分の生きる道をついに見つけて、そこを歩いていこうと決意して覚悟して、立ちふさがる師匠を超えていくのだと決心したことも。

マノンが見つけた「彼女」は、その登場とともに、その存在を知らしめることで、メノウが示したそれらの意味を、勇気も愛情も友情も罪悪感も、ぜんぶが裏返り台無しにししまった。

きっとこれを冒涜というのだろう。

それをまだ、メノウは知らない。アカリも知らない。フレアですらも知らないのかもしれない。いや、師匠は「知って」いるのかもしかして? 彼女のセリフは、ラストを見てから振り返ると意味深に取れる部分が幾らでもあるように見えてくる。だからもしかして?

そしてそれを知ったマノンは、文字通り……白紙になった。いやマジで? これ本当に? 

未だ知らないメノウたちにひたひたと近づいている真実は、試練と呼ぶには余りにも悍ましい。果たして、メノウたちはこれに耐えられるのだろうか。ここでメノウたちが結実させた輝きは、その真実を前にした時一切の光を泥でもぶちまけられたみたいに無価値にされてしまうだろう。
見事なまでに力強くあげて美しいまでにあげて、見事なまでの落とし方。いや、奈落の落とし穴を開いてみせただけで、未だそこに足を踏み入れず、その少し手前で走り出しているというのが現状か。敢えて未だ落としていないのが逆にエグい。えげつない。

あと、みんなもっとフーズヤースさんに優しくしてあげて! 今回一番ひどい目に遭いまくってたの、この人なんじゃないだろうか。彼女自身、あんまり酷い目にあってる自覚なさそうなのが、自分の有能さに気づいていないところも相まって、不思議な愛嬌と絶妙の存在感がのってるキャラだったんですよね。良いように振り回され翻弄されまくってたフーズヤースさんですが、ある意味一番今回美味しいキャラだったのかも。それにしても、モモはもうちょっと本当に他人に対して丁寧に、というか他人を人間扱いしましょうよw
そんな人非人なモモに対して、メノウちゃん幻想を抱きすぎ!!
 

処刑少女の生きる道(バージンロード) 4.赤い悪夢 ★★★★   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) 4.赤い悪夢】 佐藤真登/ニリツ GA文庫

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「メノウちゃんが死んじゃうくらいなら世界なんて滅んでもよくない」?
アカリとモモが消えた。信頼する後輩の裏切りに混乱するメノウは、教典から響くサハラの声に悩みつつも2人を追跡しはじめる。
その頃、アカリとモモは、衝突を繰り返しながらもメノウからの逃亡を続けていた。絶望的にウマが合わない2人による、異世界人×処刑人補佐の禁忌のタッグ。しかし、“メノウ第一主義"な2人がなぜか逃亡中に始めたのは、モモによるアカリ強化スパルタトレーニングで――?
交錯する異世界人、「第四」、そして第一身分。少女たちを待つのは希望か絶望か――。彼女が彼女を殺すための物語、赤に染まる第4巻!

混ぜるな危険、の典型的……いや、見事なくらいの傑作例というべきか。モモとアカリの相性が素晴らしく悪すぎる! 
険悪で仲が悪い、どころじゃないじゃないですか。二人が一緒に居るシーン、ほぼすべて罵倒で埋め尽くされてるんですけれど。ひたすら罵り合い煽りあいマウントを取り合いながら、他のことをしているという感じで、移動している時も食事している時も観光している時も暴漢に襲われている時も逆に暴漢を襲っている時もひたすら罵り合ってるこの二人。いやちょっと黙ったら? と、思うほどお互い無視せず、ちょっとでも会話が途切れると別のメノウネタで突っかかる、というループである。
というか、殆ど話題がメノウだけで埋め尽くされているあたり、二人ともメノウ好きすぎてキモい。
ほんとに嫌いなら無視し合えばいいのに、メノウネタを出されると無視出来ないんですよね、二人共。おかげでやってる事はノーガードの殴り合い。そして牽制フェイントこそ介在するものの、攻撃狙いは殆ど急所。お互い、急所狙いすぎ!! 急所ばっかりエグリすぎ!
自分へのダメージも顧みず、ひたすら相手に痛撃加えられるなら自爆気味の自分も致命傷を負いかねないネタでも構わず叩き込む殺意の応酬である。
それでいて、メノウ命メノウ至上主義は完膚なきまでに一致しているので、行動原理はほぼ一緒、思考パターンもほぼ一緒、なので共感度は留まる所を知らない勢いで高くなる。果たして、これは意気投合していると言えるのだろうか。
今まで考えてみると、自分以外で一番メノウに近しい存在という意味でお互いを察知しながら直接対面せずに、遠回しに牽制や嫌がらせなんかをするくらいだったのが、こうして顔を突き合わせてしまったわけで。まさに不倶戴天、同じメノウを戴けず、なのだけれど同時に同志である事も否応なく実感してしまうわけですよ。これ、一応仲良くなってるんだろうかw
ともあれ、このモモとアカリのコンビは相乗効果で思わぬ面白コンビであることが発覚してしまいました。いやこれは予想外の化学反応。

一方で、置いてけぼりをくらったメノウ。即座にモモの残した妨害……持ち金全部盗んで持ち去る、という悪辣な妨害をクリアして追撃に移るあたり、モモよりも遥かに上手なんだけど、これって結局姫ちゃまに身売りしたってことですよね。男装執事メノウ、ごちそうさまでした。モモとアカリが血の涙と鼻血を出して見れなかったことを悔しがるコスプレである。
そんなこんなしているうちに、同じ街に集まってしまった万魔殿とマノウに第四身分の盟主、そしてメノウの師匠「陽炎」との遭遇を通じて、幾つもの真実に行き当たってしまうメノウ。
ただ、思えば彼女の中で変化は既に3巻で生きたいと願った時にはじまり終わっていたのではないだろうか。3巻の身体を起こしながら、降りかかる光に眩しげに手をかざす姿は思えば、メノウ自身の中からはじめて生まれた願望を、受け止める姿だったのではないだろうか。
ならば、この4巻の膝に手を置き、伝う汗を拭いながら線路の先を見据える姿は、新たに見つけた道を歩みだす、その仕切り直しの瞬間を切り抜いた姿と言えなくはないだろうか。
メノウの前に突き出された幾つもの真実。魔導が生み出される方法、アカリがなぜ見逃され続けたのか、そしてアカリがすべてを知っていてメノウを救おうとしていた事。
メノウは死にたくないと思った。生きたいと願った。それは、いつだって他人の色に染められていた「白」であるメノウにとってはじめて自分の根源から湧き出した想い。
メノウが知った幾つもの真実は、彼女の奥から湧き出した想いを前に踏み出させる後押しになった。彼女の想いをどう叶えればいいのかを示す、道筋になったと言っていい。それが正しいか間違っているかは、メノウにとっては師匠の下す罰によって定まるのだろう。彼女と戦い、生き残れればそれはきっと……。
メノウは言われた通りに生きる道を見つけた。生きてきた意味を見つけた。その先にあるのはアカリと共にゆく幸福な破滅なのか、それとも……。

いずれにしても、終わりは近いに違いない。



処刑少女の生きる道(バージンロード) 3.鉄砂の檻 ★★★☆   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) 3.鉄砂の檻】 佐藤 真登/ニリツ GA文庫

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「お願いメノウ……私を処刑して」
すべてを清浄な塩に変える力を秘めるという「塩の剣」。アカリ殺害のため、西の果てに封印されているその剣を目指しはじめたメノウたちは、バラル砂漠で鋼鉄の腕の修道女・サハラと出会う。メノウと面識があるという彼女は、なぜか自らの殺害を依頼してくるのだが――。
一方、東部未開拓領域では、四大人災「絡繰り世」が蠢きはじめていた。あの【白】ですら殺しきれなかったという純粋概念【器】がメノウたちに迫る。
回帰により軋む世界。アカリをめぐりすれ違いはじめるメノウとモモ。そして、動きだす導師「陽炎」――。熱砂のなか因縁が絡み合う、灼熱の第3巻!

醜く惨めで無様な自分の心の有り様が憎かった。そんな自分が嫌いだった。特別になりたいという欲求は、強くなりたいという願望は、だからそんな自分を克服したいという祈りだったはず。
強くなれば、他人にも優しくなれるという思いこそが、彼女の根源だったのだろう。他人に優しくしたい、そんな想いを抱えながらどうして彼女は踏み外してしまったのか。
いや、ギリギリずっと彼女はその境界を踏み越えなかった、と言っていいのかもしれない。ただ憧れを目指すには彼女はほんの少しひしゃげすぎていて、彼女の求めるメノウはあまりに触れざる純白だったのだ。
「白」はどうやったって、触れようとすれば汚れてしまう。あっさりと塗りつぶされてしまう。メノウの白は正しさだ。理不尽なくらいの正しさだ。その白を前にすれば、尚更に自分の汚れを自覚してしまう。悪しきを自覚し、愚かさを自覚し、虚しさを突きつけられる。そうして、目の前の白に魅入られる。
メノウを意識せずに済んだ修道院時代の穏やかなサハラの姿こそ、彼女の本当の姿だったのではなかろうか。
サハラの顛末はある意味、モモの狂信ともアカリの執着ともつながっている。特別ではないと嘯くメノウは、どんな形であれどうしようもなく彼女を前にした者の根源を浮き彫りにしていく。それぞれの中にある色を浮き立たせていく。そうして浮き出た色は、否応なく当人を狂わせる。新雪を踏みにじるように、白紙にペンキをぶちまけたくなるように。塗りつぶしたくなるのだ。それはもう、魅入られていると言って過言ではない。
それはもう「魔」と呼ばれるモノではないのだろうか。

そして現に、メノウという少女はあまりにも染まりやすい。処刑人として陽炎に育成されたお陰でエージェントらしく常に警戒を欠かさず疑り深さは慎重の域を通り越している。それでも、モモをその危険性を承知しながら直視せずに信頼しすぎていたり、容易にアカリに絆されて幾つもの時間軸でアカリに命も魂も注ぎ込んでしまったように、メノウはあまりに他人の色に染まりやすい。
そもそも、処刑人という姿もまたまっさらな白いキャンバスの上に導師「陽炎」が思うがままに処刑人という在り方を塗りたくった結果だ。彼女はその描かれた絵の具をまとって『陽炎の後継(フレアート)』に成りきっているけれど、その色はきっと容易に削り落とせるものに過ぎないのだろう。
彼女の本質は「白」なのだ。
でも、陽炎はそれを知った上で彼女を処刑人にしたようだ。その生き方を以て、彼女の中に何かが芽生えることを期待するように。いや、期待なのかそれとも必然に至るための過程なのか。
師匠の目的がいまいちわからない。なぜ、メノウを育てたのか。最初から殺すつもりだったなら、メノウが辿る道を知っていたのなら、どうして彼女を後継にしたのか。その上で、どうして断ち切るつもりなのか。
いずれにしても、「器」によって絶対的な死を突きつけられた時、メノウの中に確かに彼女自身の意志による欲求、生存への執着が芽生えていた。それは、真っ白な中に彼女の中から滲み出たメノウ自身の色なのか。悪となり正しきを成して悪のまま死ぬのだと、彼女がはじめて抱いた意志と矛盾するもう一つの意志の芽生えは、彼女に何をもたらすのか。
2巻でアカリがすでに行き詰まっていて、どん詰まりの時間軸を突破するのは主人公であるメノウの役割なのだと認識した所だったのだけれど……今回の話を見ているとメノウは物語そのものを動かす主人公である以前に、世界の核心に据えられた重要な鍵そのものである可能性が非常に高まっている。メノウはそもそも何者なのか、彼女が抱えている「白」は禁忌の実験によって単なる後から塗りたくられた残滓ではなかったのか。
メノウの物語とはもしかして、四大人災たちが世界に対する反逆を起こした過去と、本当に地続きで続いているのではないか。
ターンとしては準備回。まだ何もわからない、わかっていない、明らかになっていないと知らしめるためのお話だったと言えるだろう。メノウもまた、世界の謎どころか信頼していた後輩や暗殺対象からも放り出されて、放置である。置きっぱなしの放りっぱなし。途方に暮れるメノウの明日は如何許。
しかし、サラハの顛末はかなり予想外。マノンもむしろ今回からこそ嬉々として好き放題やりたい放題望むがまま思うがままに動き出しているけれど、サハラの物語ももしかしたらこれから、なのだろうか。マノンと違って自由に好き勝手に、とは行かないだろうままならない有様ではあるけれど。いや、サハラの場合ヘタに動けない今のほうが、白色に惑わされずに済むのではないだろうか。

それにしても、モモとサハラの修道院時代のエピソードがエグすぎてちょっとドン引きである。モモってば狂犬どころじゃねーですやんw



処刑少女の生きる道(バージンロード) 2.ホワイト・アウト ★★★★☆   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) 2.ホワイト・アウト】 佐藤真登/ニリツ  GA文庫

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「この海の近くには、霧があるのよ」
古都ガルムをあとにしたメノウたちは、港町リベールへと辿りつく。
入り込んだが最後、戻ってきた者はいないと言われるリベールの霧。それは、かつて南方諸島連合を食らいつくした、四大人災『霧魔殿』だった。死んでも蘇るアカリを殺しきる手段を求めるメノウは、処刑人としての任務を完遂するため、その魔の霧を利用することを思いつく。
そんななか、メノウたちに接近するリベール伯の娘・マノン。“いなかった"はずの彼女の行動が、メノウたちの運命をアカリですら意図しない方向へと捻じ曲げはじめる――。
彼女が彼女を殺すための物語、急変の第2巻!

これはあかんやつやーー!! やばいやばい、これガチでヤバいやつだ。四大人災ちょっと舐めてた。これはもう強いとか弱いとかの次元じゃないや。本人パニック映画の体現者みたいな事自称してますけれど、もうこれそれどころじゃなくコズミックホラーまで行っちゃってる、イッちゃってるよこれ。
マノンが言ってた通り、これは手に負えない。人間がどうこう出来るもんじゃないですって。見てるだけでSAN値がゴリゴリ削れていく。直葬直葬、頭がおかしくなりそう。怪物だ狂気だという程度のもんじゃないですよ、なんちゅうもんを描いてしまうんだこの作者さん。
生理的に嫌悪感と恐怖感、忌避感が溢れてくる。理解するのを生理的に拒みたくなる。それでいて、注視していないと目を逸らしてしまうと脳みその中にこびりついてべっとりと張り付いて棲み着いてベロベロと目玉を頭の中から舐められるみたいな妄想が剥がれないヤバい怖気を湧き上がらせるような、本物の狂気だ。本物の魔だ。最近、とんと久しくお目にかからなかったガチヤバいやつだ。
これが元は人間だったとか、今でも人間のつもりだとか、冗談じゃねーですよ。成れの果てがこれなのか、純粋概念に呑まれてしまった成れの果てがこれなのか。
他の四大人災(ヒューマンエラー)である星骸も、絡繰り世も、塩の剣も、みんなこんななのか。こんな破滅なのか。どないせいっちゅうねん。これ、人間が触れていいもんじゃないし、どうこうできるもんじゃないですよ。魔王だ邪神だというわかりやすい邪悪だったり強かったり無敵だったりインフレしてたりするような存在の方がよっぽどシンプルで簡単だ。
でもこれはダメだ。世界が歪んでる。在り方が根本的に間違ってる。法則が乱れきって原型がなくなってる。グチャグチャで無茶苦茶だ。
あかんわこれ、世界滅びるわ、それもわかりやすい滅び方じゃなくて人知を超えた形でグチャッと潰れるわ。
そんでもって絶望的なのは、純粋概念を魂に根付かせた異世界人は、もれなく限界を超えるとこれと同じものになってしまうということだ。アカリもまた、その末路はこれなのだ。
これが異世界人の破滅の形なのだ。そして、アカリの消耗はすでにかつて日本に居た頃の記憶をほぼ全損するほどにまで至っている。リミットは近いということだ。
問答無用で召喚された日本人は善悪の区別なく本人に罪はなくとも無関係に鏖殺すべし、という教会の方針、これを見せられてしまうとまったく過剰な反応ではなかったと納得させられてしまう。かの4大人災の狂気を実際に浴びる羽目になった当時の人々がこの結論に至ってしまったのは、もう当然だったんじゃないだろうか。召喚すること自体が大罪というのも重ねて重ねて。

一巻の段階ではほぼ不死身であり、人格の変換もあって裏から状況を操るフィクサーにしてプレイヤーとして物語の行方を引っ張る牽引者にも思えたアカリだけれど、まだただの人間に過ぎない彼女にとってはたとえ時間概念を自由に出来るとしても、意味がない。
パンデモニウムの語る話には多くの示唆があった。アカリの時間操作能力の限界に、純粋概念と呼ばれるものの意味。純粋概念とは使うものではなく、いずれ概念そのものに成り果てるものなのだと。
そして、アカリがもうすでに行き詰まっているという事。
そうなのか。何度も時間回帰によってやり直すことが出来るアカリこそが、アカリとメノウの救いのない破滅をハッピーエンドたる破滅へと進めることが出来る存在なのだと思ってた、思い込んでいたのだけれど。
アカリにはもうその権利はないのかもしれない。アカリの望みは自分の死、メノウによって殺される結末。それは行き詰まり行き止まった結末で、もうアカリに対してなんの裏表もない屈託のない笑顔を向けてしまうに至ったメノウにとっても、どう言い繕っても破滅の結末だ。
だから、そんな時の止まったアカリを動かし変える事が出来るのは、行き詰まった時間を動かす事が出来るのは、メノウの方なのだ。
ゆえにこそ、メノウが主人公だったんだ。
メノウの中にあるという「白」の残滓。悪人という「人」である事を選んだ決意が、この世界の理を・星の定めた運命(システム)を、穿つものになるのだろうか。
生きる道とは、人であるからこそ歩いていけるもの、為せるもの。生きて、彼女は成せるのか。
あの、あまりにも途方も無い人災という概念を前にして、その純粋概念を生み出したこの星の在り方に、翻って人の側の論理を以ってあらゆるすべてを蹂躙するバグみたいな「陽炎」に、果たして彼女は立ち向かえるのか。
メノウとアカリ、それにモモとアーシェナ。メノウだけじゃない、アカリだけでもだめだ。この四人こそが、鍵になるのだろう。きっと一番人間らしさを突き詰めたこの四人こそが。

アーシェナ姫、まさかあそこまでモモのこと執心するに至るとは。何が琴線に触れてしまったのだろう。そして、なんて女の子率が高い物語なんだろう。いやマジで男の登場人物で固有名詞出た人いねーんじゃないだろうか。マノンのお父さんですらなかったと思うし、何気に最初にメノウに殺された男の子も、名前出なかったんじゃなかったか。もしかして、他の四大人災もみんな女性、白の勇者ですらもそうなのか。

今回、万魔殿のインパクトがひたすらとにかくもう絨毯爆撃だったんですけれど、それを抜いても印象強かったのが、導師「陽炎(フレア)」がマノンの母を殺したシーンだったんですよね。死の間際に純粋概念を暴発させそうになった彼女に、陽炎が囁いた一言。それを聞いて、マノンの母が示したもの。それにグッと来ると同時に、そんな母親の強さと愛情を理解仕切りながらそれを利用してみせた師匠……これがあの師匠の在りようなんですよね。なんなんだろう、この人。この人こそ、まだ未知そのものなんだよなあ。一体何を考えているのか、何を目的としているのか、何を望んでいるのか。この人もこの人で、人の成れの果てにも見えてしまうのだけれど。

1巻感想

嘘つき戦姫、迷宮をゆく 5 ★★★★★   



【嘘つき戦姫、迷宮をゆく 5】 佐藤 真登/ 霜月えいと  ヒーロー文庫

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クランバトルで『栄光の道』に勝利したリルドールたちはコロネルを取り戻し、クラン『無限の灯』として慌ただしく活動を続けていた。そんな折、リルドールは決闘で負けて追放されて以来、一度も戻っていなかった実家から呼び出しを受ける。そこで父親から、五十階層主討伐の褒賞として、叙勲の話が来ていると聞かされた。リルドールは家族との確執に揺れながらも、ようやく手にし始めた栄光に、明るい未来を思い描いていく。叙勲式当日。華やかなドレスを身にまとったリルドールたちはそこで、すっかり破壊され、血に塗れた会場を目にする。呆然とする彼女たちの前に現れた男は、コロネルの育ての親のような存在、クルクルだった―。

……凄かった。
もう、クルクルおじさんことクルック・ルーパーが凄すぎた。とんでもなかった。なんちゅう圧倒的な存在感。その言葉、その行動、その強烈な意志すべてが火花を飛ばして猛り狂っているかのようで、その一言一言に横っ面をひっぱたかれたようだった。
敵役として、悪役として、文句なしに魅力的で衝撃的で圧巻で、その生き様在り方の凄まじさにもうなんというか、引き込まれて引きずり込まれて飲み込まれて、言葉もないくらいに絶句させられて、ただただ魅了されてしまう。
この巻は、世界の謎の一端が明かされる巻である以上に、クルック・ルーパーという世紀の大悪人、歴史に燦然と輝く史上最悪の虐殺者の、独壇場でありました。
この人の戦う理由、人を憎み世界を呪うその動機は完全に狂ってはいるのですが、でも一切ブレることなく一貫していて、筋が通っていて、説得力があって、納得させられてしまうんですよね。
その在り方を許してはいけないけれど、これ以上なく共感してしまうのはダメなんだろうか。クルック・ルーパー自身は自分を大悪人と自称して胸を張り、彼の目的からすればその称号は汚名ではなくむしろ奨励すらするべきものなんだけれど、その根源はあまりにも純朴で……純粋で、だからこそ尊敬すらしてしまう。その在り方に尊さを見てしまう。
この人は、ただ友達が大切だっただけなのだから。
そして、この人は汚泥のように人という存在を憎みながら、その心の輝きに関しては常にリスペクトし続けているんですよね。根本的に、人を小馬鹿にしたような言動を取り続けながら、常に誰に対しても真摯で誠実で在り続けているのである。カニエルたち50階層主たちに関しても、甘言を弄して唆して彼らの秩序を崩壊させてしまっているにも関わらず、本気で彼らのことをクルック・ルーパーは尊敬してるんですよね。そして、この世に生まれる強者たちを、本物の英雄たちに敬意を隠さない。
それは、そんな本物たちを切り捨てることで自分の悪名を更に轟かせ、自分の悪名が轟けば轟くほど自分が決して勝てなかった親友の名があがるからこそ、なんだろうけれど、そんな理由抜きでこの人は本気で英雄たちを敬愛してるのが伝わってくるのです。彼が人を憎むのは、人を信じているからこそ、なんじゃないかと思ってしまう。狂気の淵に沈みながら、一方でこの人はあまりに理性的だ。世界が滅ぶことを納得しながら、自分を乗り越えていくモノたちにずっと期待している。
いや、その期待が産まれたのは、彼がコロを拾ったときからなのかもしれないけど。あの子を拾って育てて愛情を抱いた時にはもう、彼には不必要を切り捨てた余分が生じてしまっていたのだろう。
しかし、その余分を取り込んでクルック・ルーパーはさらに強くなったに違いない。コロネルたちの前に立ちふさがったクルック・ルーパーの威勢は、コロたちと関わったからこそより熱くなった。より強大になった。より鮮烈になった。
クルック・ルーパーは、誰よりも凄かった。それだけは、間違いない事実だ。

しかし、お互いに成人した時に名付けあったというイアソンとクルクルおじさんだけど、親友にしてライバルであった相手に、クルクルパーなんて名前つけるあたり、イアソンって相当に食わせもんだったんじゃないだろうか、これw


剥き出しにされたクルクルおじさんの心情の激烈さに震えた今回だけれど、彼に限らずその内側を剥き出しにされ無造作に曝け出されてのたうち回った、といえばリルドールも凄まじいものがありました。
いつものたうち回っているリルですけれど、クルック・ルーパーの出現という狂乱の中で、彼女は全く別のものにその全存在意義を踏み躙られてしまうのです。
ライラ・トーハ。現代最新の大英雄にして、リルドール没落のきっかけになった人物。彼女につっかかりながら一顧だにせず一蹴されあしらわれ、プライドというプライドを粉々にされた挙げ句にそれでも残されたプライドの断片にしがみついて、ライラと同じ冒険者として身を立てて、彼女を見返してやると醜く無様に意気込んだのが、リルドールのはじまりでした。
その歪んだ執念はコロネルとの出会いによって解消されていくのですが、それでもライラという存在はリルにとって根源であり原動力であり、彼女によって否定されたものを覆し、彼女に認めてもらうことこそが、コロネルに相応しい存在になるという理由と並び立つ、リルドールの根源だったわけです。
そうして頑張ってきたことを、仲間たちと証明してきたことを、死ぬ気で身を立て確立してきたものを、そしてリルにとっての密やかな憧れを、すべて全否定され徹底的に踏み躙られたのが、あのライラとの再会であり、かの英雄の本質があらわになってしまったシーンでした。
そのライラもまた、信じてよすがにしてきたものを、かろうじてしがいみついていたものを徹底的に全否定され、その在り方を木っ端微塵に打ち砕かれてしまうのですが。

これ、今回そうやって自分が信じて拠り所にしていたものを木っ端微塵に砕かれて、全否定されて、その後がコロネルとリルドールとライラでは、正反対になってしまうんですよね。
それこそが、クルック・ルーパーをしてコロネルとリルには期待を込めて、ライラにははっきりと期待はずれと見なした理由であり結果であったのかもしれません。
とはいえ、これはライラにとっては酷な話でもあるんですよね。ライラにとって、リルにとってのコロ、コロにとってのリルはもういなかったのですから。だからこそ、クルック・ルーパーも自分の同類と見なしたのでしょうから。もし、同じようなシチュエーションになって、ヒィーコやムドラがセレナと同じような態度を見せたとき、リルやコロは果たしてライラと違う反応が出来ただろうか、と考えてもしまうんですよね。
それでも、あのライラの自分に対する無関心さを目の当たりにした時のリルドールのショックの描き方は、この作者が描く心を剥き出しにしてそれが罅割れる描写の生々しさ、本当に凄いと思うのです。この痛みの描写があるからこそ、それを乗り越えていく姿の熱量と瑞々しさが、心が一つ強くなる重さが、ダイレクトに伝わってきて、胸を打ち震わせてくれるのです。
メインのキャラたちの、強烈なシーンのみではなく、例えばリルが愚直に下手くそなレイピアの練習を続けるシーン。あそこで、リルドールが不器用に練習する姿にニナファンがリルの本質を知ってこれまでの英雄としてのリルに抱いていた尊敬が、全く異なるでももっと深い尊敬に変わるシーンなんか、密やかでありながら味わい深く、またリルという存在が他に追随を許さない輝かしい英雄であるコロやライラとはまた全く別の、普通の人々の心に火を灯してくれる存在なのだというのが伝わってくる、細やかで静かだけれど良いシーンだと思うのです。
非日常の中での激しい動きと、日常の中での静かな浸透、静と動どちらもがしっかりと書き込まれ、描きこまれているんですよねえ。

ちなみに、エイスの魂の叫びに関してはおおむねスルーの方向で、見たママを受け入れましょう。なんか完全にみんなから、アブノーマルな趣味と認識されてしまっていて哀れではありますが、まあエイスですし、うん。でも、これウテナがハマってしまって結構ヤバいことになるんだよなあw

カラー口絵見ると、何気に一番美人さんな仕上がりのドレス姿になってたヒィーコ。この娘も元の素材がいいからか、化けると凄いよなあ。そんな彼女ですけれど、ウェブ版には居なかった仲間であるムドラとのコンビで、ウェブ版よりもさらにパワーアップしてるんですよね。まさか、変身ヒーローバージョンを上回るところまで行くとは思っていなかった。
しかし、リルたちのパーティー、リルの縦ロール多脚走行モードなんかも加味すると、今度のヒィーコとムドラのコンビと合わせて普通の四人パーティーにしては占有面積というか、サイズがでかすぎませんかね!?

第七七階層の門番となっていたクルック・ルーパーが明かしてくれた歴史の真実、そして世界が現在置かれている状況は、まさにこの世界のタイムリミットが間際に迫っているという絶望的なものであり、今百層を占拠している謎の化け猫の存在、そしてその猫の犬に収まった裏切り者というあまりにも大きな壁の連続が、リルたちの前に示される。
しかし、逆に言えばはっきりと目標となり突き進むべき方向が明らかになった、というべき状況であり、何よりリルドールにとって果たすべき、付けるべきケリというものがその百層に生じたのですから、あとは突っ込むのみ。本当の意味で世界を救う戦いが、リルが掲げる「無限の灯」を先頭に今始まるのである。クライマックス、ここからさらに盛り上がるぞ!!

佐藤真登作品感想

全肯定奴隷少女:1回10分1000リン ★★★★★   



【全肯定奴隷少女:1回10分1000リン】 佐藤 真登/凪白 みと  MF文庫J

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大丈夫なの!! まったくもってその通りなの!!!!!!

公園で見かけたボロボロの貫頭衣を身に纏った銀髪の美少女。
あざとい笑顔と快活な声で親身な言葉をかけているが、手には『全肯定奴隷少女:1回10分1000リン』と書かれた怪しい看板? どうやらお悩み相談を受けているようで――。
「奴隷少女はあなたのお悩みを全肯定するの!!!!!
さあ!! 日々のお悩みを叫ぶといいのよ!!!! えへ!」
たかが10分。されど10分。人生を変える言葉がその10分に詰まっている! 自分の歩む道に迷い、悩む、そんな頑張るあなたの弱った心に寄り添う、癒しの全肯定ファンタジー!


まったくもって面白かったの!!!!!!!!!

って、奴隷少女ちゃんの真似事なんてしてしまうと、イチキちゃんみたいに恥ずかしい事になってしまうので自重自重。
というわけで、先ごろGA文庫新人賞にて【処刑少女の生きる道(バージンロード)】にて大賞を受賞した佐藤真登さんの、新作第二弾。それが、この【全肯定奴隷少女:1回10分1000リン】であります。
全肯定奴隷少女:1回10分1000リンってなんぞそれ、と思わずタイトルを凝視してしまうだろうそれは、すなわち作中で件の看板を掲げて公園の真ん中で経っている奴隷姿の少女を目の当たりにした登場人物たちと同じもの。そうやってクエスチョンマークを頭上に浮かべて見守る先で、奴隷少女ちゃんとそのお客となる人たちの人生模様が繰り広げられていくのである。
一回1000リンを払うことで、様々な愚痴や悩みを吐き出す依頼者を十分だけ全肯定してくれる奴隷少女ちゃん。そのハスキーボイスから繰り出される全肯定に基づく勢いの良い励まし、応援、共感はまさに癒やし。日々積もっていく仕事のストレス、行き詰まっている問題や悩みを、奴隷少女ちゃんの全肯定はスカッと吹き払ってくれるのである。それはまさにメンタルヘルスケア。人の心の闇を、少しだけ晴らしてくれる救済のお仕事なのだ。
田舎から都会に憧れて飛び出してきた冒険者見習いのレンは、とある中堅パーティーに採用され、まずは荷物持ちからとダンジョン攻略に参加出来ることになる。しかし、所詮は右も左も分からない素人であり初心者。思い描いていた想像とは全く異なる自分の未熟、何も知らない不見識、ただただ何も出来ないという現実を思い知らされる。
そんな折に、公園で奴隷少女ちゃんとその顧客のやり取りを目撃することになるんですね。自分の檻に閉じ籠もるのではなく、他人の悩み、他人の愚痴を耳にすることでこの世の中、自分ひとりが悩んで闇を抱えているわけじゃない、という当たり前のことに気づくのだ。そんな風に、レンくんは自分の弱さ、情けなさ、みっともなさと向き合いながら、時に自分も奴隷少女ちゃんに励ましてもらう機会を得ながら、一歩一歩成長していくのである。

全肯定、そんな言葉を尽くして人を癒そうとする少女がメインだからか、本作はとかく言葉が重きを成している。語りかける一言一言に、無視できない力があり、心に届く強さがある。言葉ヅラだけの、表面上だけの薄っぺらな肯定ではない、全身全霊の肯定があり、それを受ける側にも全力で受け止める下地があるんですね。
この巻において、二度だけ奴隷少女ちゃんがお金のやり取り抜きに言葉を語りかけてくれるシーンがある。普段は看板で口元を隠して、お金を払うまでは微笑んだまま一言も発しない彼女だけれどに、二度だけ金銭を介さぬ形で、レンに語りかけてくれるシーンが有るのだ。
その時の台詞に込められた、あまりの優しさ、温かさには今思い返しても痺れるものがある。あれほど、慈愛という質量が込められた台詞があるだろうか。人を肯定するとは、実は生中なことではない。しかし、あの2回のシーンには確かにこれ以上ない「全肯定」が存在している。

しかし彼女「全肯定奴隷少女」は肯定するばかりの存在ではない。あの全肯定の看板の裏には「全否定奴隷少女:回数時間・無制限・無料」なる表記があり、下手な以来には奴隷少女ちゃんは敢然と看板を裏返して、全否定を突きつけてくるのだ。あの凄まじい罵倒の嵐は、なるほどある種の界隈にはご褒美かもしれない。
そんな奴隷少女ちゃんとは一体何モノなのか。彼女がチンピラに絡まれたあたりから、その謎さが浮き彫りになってくる。彼女の正体については、主人公のレンが預かり知らぬ場面でこの国の過去、後年前に起こったという革命の話と合わせて徐々に明らかになってくるのだけれど、全肯定奴隷少女という名目は伊達ではないんですよね。
そのバックストーリーは、救国の勇者の登場、或いは帰還とあわせてようやく扉が開かれたところで、その中を除くのは2巻以降の話となっている。もっとも、その開けられた過去と今とを繋ぐ扉の前で繰り広げられる攻防こそが、この第一巻のクライマックスにして目玉になるのだけれど。
全肯定奴隷少女の全肯定、彼女が今までやってきたことの意義を示すための抗いであり、弱い弱い新人冒険者レンの情けなくみっともなく、しかし最もカッコいい戦い。
このレンくん、微妙に雑魚気質があるんだけれど、がんばり屋で直向きでイイ子なんですよねえ。時々、ナチュラルにクズ男ムーブかましてしまうところも含めて、実に可愛い主人公なのである。
同じパーティの先輩方がすごく可愛がってるのもよくわかるんだよなあ。
ちなみに、彼が所属したパーティーってこの世界、この街の基準ではどのくらいなのかはわかりませんけれど、客観的に見て相当にホワイトです。成果報酬制だけじゃなくて、月給+成果に応じたボーナス。緊急の場合のためのパーティー内貯蓄あり。というなにこの超ホワイト企業並。しかも、ド素人だったレンくんに対するケアやフォローもしっかりしていて、彼自身の努力あってこそなんですけど、パーティー全体が彼を育てることを重視して動いてくれてるんですよねえ。個々人もみんないい人ですし。
そんな中で唯一、レンに厳しくあたってくるのが年下の先輩という女魔術師。意識高い系で自分に厳しく他人にも厳しい彼女が、もうひとりのヒロインなのでありますが、最初はとにかく嫌な先輩なんですよね。その尖った性格にはもちろん理由があり、彼女にはひたすら強くならないといけないという理由と覚悟があるからこそなのですが、ヌルい態度で素人丸出しなレンは当初はもう目の敵にする感じで、レンもそのお蔭で序盤は随分と悩むことになります。
その態度も、レンの努力と精進でなんとか見れる冒険者になってきたことで徐々に解消され、見直されていくことになるのですが……。レンの大失敗をきっかけに、彼女との関係もまー、えらいことになっていくのであります。おおむね、レンの誤解を招く言い方とタイミングの妙が悪いんですけどね!
正直、この一巻でレンに妙に意識させられてしまって狼狽えだす女魔術師もこの時点で相当に可愛いのですけれど、本番はまさにあのラストシーンの直後からはじまってしまうんですよね。
ウェブ版の連載時でも、まさにあの直後から女魔術師の人気が起爆爆発してしまう、凄まじいまでの女魔術師タイムがはじまってしまうのですが、それはもう2巻に乞うご期待ということで。
いやあ、あの時期は私も更新されるたびに、あまりの甘酢っぱさと彼女の蠱惑的なあれこれに悶絶しまくってやばいことになってたんだよなあ。あれは本当に凄まじかった。凄まじいとしか言えない凄まじいラブコメ模様だった!
ちなみに、この女魔術師の名前ってウェブ版ではその女魔術師タイムが最高潮に達した瞬間についに作中で描かれる、という悪魔的所業がなされていて、滅茶苦茶効果的だったんですよね。
同時に奴隷少女ちゃんの本名もあかされる、という二重構造の名前公開になっていて、演出としても非常に効果的だったのだけれど、さすがに書籍版だとそこまで一巻ではたどり着かないということで、女魔術師ちゃんの方はちょっと早いタイミングでレンの口から名前が飛び出すことに。
タイミングとしてはウェブ版の方が最高とは思うんだけれど、こっちもレンが彼女に最初にちゃんと認めてもらえた、というシーンでのことなので繰り上がりのタイミングとなってしまいましたけれど、これはこれで良かったんじゃないかなあ。

ほぼほぼ戦闘シーンとはかけ離れた日常シーンの中で物語が繰り広げられる作品なのですけれど、背景となる世界観の設定は佐藤真登さんらしい魅力的で独特なもので、まずダンジョンの設定からして他とは一味違ってるんですよね。人の集まる場所に生じるので大概街中に存在していたり、人々が発する強い思いに応じて、魔物や素材なんかが発生するので強い悪意や負の感情が生じる事件が発生するとダンジョン内でもそれに応じた凶悪な魔物が発生したりする、という設定なんぞは街中で起こっている出来事や事件がダンジョンにそのまま連動しているというのは物語上も結構重要だし、展開の妙にも繋がっているんですよね。
魔法なんかの設定もかなり捻ってて面白いですし、あの度々登場する聖女イーズ・アンとか、色んな意味でとんでもないもんなあ。今までフィクションで出てきた「狂信者」というカテゴリーへの認識を一変させてくれたとんでもないキャラですし。
奴隷少女の妹だというイチキの方も、まだチラ見せ程度の出演、というにはなかなか濃い出番で、女魔術師との出会いと関係は後々もかなり大事な意味を持つのですけれど、彼女の見せ場についても(ラブコメ的な意味においても)これからこれから。

やー、ウェブ版からもちょこちょこと改稿加筆されている部分もあり、改めて読み直しても胸にダイレクトに届くものがある、最高の面白い傑作でありました。GA文庫の方の【処刑少女の生きる道】とはまた毛色に違う作品でもあり、あちらを読んだ方でも新鮮な感じで頁をめくれるのではないでしょうか。
ラブコメ的にフルバーストモードに入る第2巻が、今からヤバイくらいに楽しみになってます。やばいやばい。

佐藤真登作品感想

処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る― ★★★★☆   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る―】 佐藤 真登/ニリツ  GA文庫

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この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。
だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。
そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。
躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。
しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。
途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが……
「メノウちゃーん。行こ!」
「……はいはい。わかったわよ」
妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。

GA文庫大賞、7年ぶりの《大賞》作品!
――これは、彼女が彼女を殺すための物語。

これ、「生きる道」にバージンロードというルビを振るの、話の内容を読んでメノウとアカリの旅の目的を知って、「生きる道」という言葉に込められた意味を理解したあとにもう一度見直すと、凶悪の一言なんじゃないですかね。
処刑少女 メノウの生きる道をバージンロードと言ってのけるこのセンスには喉の奥から呻き声が漏れ出てしまう。

生きる道を見つけなさい。生きてきた意味を見つけなさい。それが、彼女の遺言であり祝福の言葉だった。その人は正しく強く優しい道を、光の道をあるき続けてついに見つけることが叶わずに、迷い果ててしまった。正しくても、真っ当でも、善き在り方を続けても、生きる道が見つかるとは限らない。
メノウは悪人である。陽の光の下を歩けない、外道であり卑怯者であり、おぞましい人殺しである。それを選んだ。異世界人の人災によって自分も含めて何もかもが漂白された真っ白の果てに、それでも自分でその道を選んだ。復讐のためではなく、憎しみのためでもなく、正義のためですらなく、ただ誰かがやらなくてはならない悪行を、誰かの代わりに自分が引き受けるために。
その意志は尊く、しかしその在り方はあまりにも悪である。処刑人は自らを悪と規定する。言い訳もせず、必要だからと正当化もしない。迷い込んでくる日本人たちに罪はなく、彼らはおおむね善良で決して殺されるべき人々ではないと理解した上で、殺す。その所業を世界のためだとか正義のためだとかと糊塗したりせず、それを悪を見なしてその身に引き受けている。
処刑人とは、そんな存在でありメノウはその中でももっとも純粋な必要悪の概念を体現しているのだろう。だから、彼女は自らが救われることなど、かけらも望んでいない。誰かのために人を殺し続けた彼女は、だから、これまでメノウは自分が生きる道を見つけようだなんて、考えたこともなかった。
そんな彼女の、この物語はそんな彼女の、生きる道を見つけるための旅の物語なのである。今まで生きてきた意味を見つけるための、旅なのである。

翻って、アカリの生きる道はすでに見つけ終わっている。見つけ終わって、そこにたどり着くためのリスタートがこの旅なのだ。彼女の生きる道は、死に至るための道だ。彼女の生きてきた意味は、最愛の人に殺されるためにある。
アカリはとっくに、メノウを許している。彼女の悪を、この上なく受け入れてしまっている。
だから、この旅はメノウにとっても終焉に至る物語になっている。アカリの存在に染め上げられて彼女を喪えなくなっても、アカリに許されて彼女を喪うことになっても、いずれにしても変わらない。
だから、ある意味メノウにとっての幸福は約束されているのかもしれない。だから彼女の生きる道は、バージンロードなのだろうか。
メノウとアカリ、二人にとっての幸福は、二人にとっての終着点だ。そこに広がるであろう光景を、彼女たちは知らずして既に望んでいる。だから、これは二人にとっての破滅の物語なのだろう。二人が幸せな結末を迎えるための、約束された破滅の物語なのだ。二人で歩くバージンロードのその先に、幸福な破滅が待っている。それだけが、二人を救う。

でも……果たして、本当にそれだけがこの物語の約束された結末なのか。
鍵は、導師の言葉にあると思われる。
「いつの日か幸福によってすべてが壊れ、それでもなお生き残ることが出来たなら――」
メノウに悪を説いた、この世の悪を引き受けた導師【陽炎】が本当に望んだものはなんだったのか。
「お前は、その時、私を超えろ」


バージンロードとは、今まで歩いてきた道とも言われている。その上を歩き、その先で待っているのは新たな未来をともに歩む人だ。その先にあるのは未来そのものだ。
決して、終着点などではないはずのである。
処刑少女の生きる道、メノウはそれを本当の意味で見つけることが叶うのか。
永く、困難な旅路のはじまりの巻です。



ヤンデレさではモモばかり目立ってるけれど、あれリボンの件鑑みてもアカリも相当アレだよね。ってかこの二人、絶対仲良く出来ないだろうなあ、というのが透けて見えすぎる。何気に、リボンに対する嫌がらせは、モモのリミッター解除も加味してあの場における最適解なんだろうけど。あとで、メノウからモモに新しいプレゼントが贈られるとわかっているからこそなんだろうけど。
それでも、女の怖さが滲み出ててアカリも能天気なだけの娘じゃないのよ、という闇が……。

アーシュナ姫ちゃまは、瞬間瞬間が生きる道そのものだなあ。ある意味、刹那で完結しすぎていてそれ以上も以下もないというべきか。そして、あの衣装である。作中にて書かれている衣装の形状を忠実にイラスト化すると、あんなんなっちゃったというありさまで。
餓狼伝説の不知火舞の衣装を上回る、動いたらぽろり確実な服を見たのははじめてだw


佐藤 真登作品感想

嘘つき戦姫、迷宮をゆく 4 ★★★★   



【嘘つき戦姫、迷宮をゆく 4】 佐藤 真登/霜月 えいと ヒーロー文庫

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縦ロール(物理)で闘う熱血ファンタジー第4弾。最愛の妹分がパーティを抜けた理由とは? クランバトルで仲間を奪還せよ!

五十階層の試練を突破したリルドールだったが、コロネルの突然の脱退によりパーティは一時解散状態になってしまう。現在東の迷宮では、五十階層以下が開放されたことで、普段は南の迷宮で活動しているクラン『栄光の道』が東の迷宮に参入し、『道化猿』率いる中級冒険者達と資材の利権争いが起きていた。
ヒィーコ達にとって普段ならば興味がない話題だが、『栄光の道』――そのクランこそが、コロネルが移籍したクランであった。ヒィーコとムドラはコロネルの真意を確かめに、『栄光の道』の元へ向かうのだが――。
コロネルの脱退で腐れワカメになるリルさま。腐れワカメw
コロに見栄を張ることで自分を支えてきたリルさま、その芯棒であるコロが居なくなるだけで腐れワカメになってしまうのかw メンタル弱々の根性なしなのみんなに知れ渡ってるなあ。それにしても酷い腐れワカメである。ってかもはや縦ロールが触手みたいになってるんですけど! 縦ロールを武器に、って最初はまだこうちゃんと(物理)みたいな感じだったのに、最近もはや縦ロールとは?という概念崩壊を交えながら物理の範疇逸脱しつつあるんじゃないですかね、その縦ロール!!
あと、こう言っちゃなんですけど、コロの髪型ポニー縦ロールよりも普通のポニーテールの方が圧倒的に似合ってますよね。コロナってわりと真っ当な英雄だったんだよなあ。
それに比べて、コロネルは容姿からその甘ったれた性格に至るまでどうしてこうなった、という有様で。コロナがお姉ちゃん主張するのもよく分かる。コロナの場合は、リルを甘やかしてくれそうな妹になりそうですけど。
ともあれ、腐れワカメと化していたリルドールがちゃんと一人で復活出来たのは偉かった。一人と言っても、ある人の声援を受けたからなのだけれど。あの人はリルにとって強さというものに対する指針を与えてくれたという意味で、コロと違う今のリルの根幹を形作った人なのだろう。コロに対する見栄だけではない、リルドールという少女の偽物でも嘘でもない本物の強さを育ててくれた人なのでしょうね。
彼女を人間としてダメダメなクソ雑魚お嬢様時代からずっと間近で見続けて、結局彼女を変えることが出来なかったアリシアとしては、リルの成長には思うところというか忸怩たるものがありそうですけど。
でも、アリシアの思考を追っているとこの侍女ってかなり甘やかし体質っぽいんですよね。というか、わりとお嬢様のダメなところを愛してたんじゃないだろうか。危ないことはしないで欲しいという願いはよくわかるんですが、どうにも自分がこのダメダメお嬢様を保護して囲って面倒見続けたいというかなりアカン嗜好みたいなものがちらほらと垣間見えるようなw
まあちゃんとリルの成長を喜び、自分の手元を離れていくことを寂しく思う健全な考え方の方がメインを張っているので大丈夫そうですが。

さて、リルの奪還のためにクラン・バトルを挑むという方法を取ることになったために、急遽幾つものパーティー、というか十人のメンバー登録が必要になるクランを設立することになったリルドールたち。
ここでそれまで仲の良い友達という体だったカスミたちと本格的に合流することになるわけで。カスミたちのパーティーの男連中の扱いが相変わらず雑なのがなんかかわいそうでもあるんですが。
ってか、ウェブ版ではもう少し必要人数少なかったんですよね。ムドラは存在自体なかったですし。さらに、道化猿という中級冒険者たちのクランも書籍版からなので、当然フレーズも居なかったんですよね。道化猿自体が思いの外物語上でも重要なポディションを担い続けていて、これがちょっと驚きだったんですよね。フレーズという有望株の参入もそうなんですけど、それ以上にモーメツのおっさんが夢破れてなお夢を追う若者たちを支える大人という枠で色んな所に影響及ぼしてるんですよねえ。てっきり、リルたちの通過地点の噛ませ犬ポディションかと思ってたのに。
何気に、ウェブ版とのストーリー上での改変点でも大きな役割を担ってますし。クグツさん、ある意味自分と似ていると自身で認めているモーメツが居なかったら、フクランとエンジュという仲間たちが居てもダメだったんじゃないだろうか。我が身を省みる、というのは本当に難しいことだから、フクランたちが自分の傍らに居ることの意味ですら、気づかないまま終わったかもしれなかったので。
これ、変わった内容で一番救われたのフクランさんかもしれんなあ。あの人、一番大変な役目背負わされることになってたわけですし。クグツの話を聞いていると、フクランのキャラクターって他人に責任を追うことを好むタイプとは程遠いみたいだったわけですから。

クラン同士のこの大人数同士のぶつかり合いというのは、やっぱり燃えるものがあります。ってか、リルドール多脚歩行モードのやりたい放題っぷりはどうしようもなく面白い。
それ以上に、今回はカスミパーティーの本格大暴れ。そして伝説の「不死鳥」エイスの覚醒回ですからね。何気に、今回のエイスの扱い方でウテナが別の意味で目覚める萌芽となってしまった気もするがw
でも、ウテナの魔法ってあれ何気に尋常ではない特殊系ですよね。魔法が発現してそれほど経ってないはずなので、なるほど将来的にこれは伸びるよなあ。
エイスはエイスであれまた別次元なんですけど。

コロナは、もう良い娘すぎて英雄なんだからもっとスレてても良かったのに、本質的に彼女もコロなんだよなあ。むしろ、頭の良いコロということで余計に物分りが良すぎたのかもしれません。ずっと先頭に立ち続けた彼女を、リルが受け止めてくれたときにはリルさま身内ごとに関しては器大きいなあ、と感嘆させられました。コロナも嬉しかっただろうなあ。
『無限の灯(ノー・リミット・グロウ)』というクラン名については、掛け値なしにいい名前だと思うんですよね。語音の良さもそうですけれど、リルがその名前に込めた想いがまたいいんです。
自分が輝くだけではない。自分の輝きで他者をもまた輝かせる。リルとコロがお互いの輝きに魅せられて、憧れて、正史にはない成長を見せたように。彼女たちの輝きに照らし出されて、自身の壁を乗り越えて、墜ちた闇の底から抜け出て輝き出した、ヒィーコやムドラ。カスミたち周囲の人々。
そんな無数の輝く灯火を引き連れて、ついにリルたちは迷宮の最深部へ。立ちふさがるは、これもまた伝説。史上最悪の英雄クルックー・ルーパー。
物語の中でもっとも魂震わせる戦いの開幕である。勇んで待機、待機ぃぃ!

1巻 2巻 3巻感想

嘘つき戦姫、迷宮をゆく 3 ★★★★☆   



【嘘つき戦姫、迷宮をゆく 3】 佐藤 真登/霜月 えいと ヒーロー文庫

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迷宮「最難関」の試練に挑む! 凶悪な刃を持つ魔物の正体とは? 街への魔物の逆走を止められるのか! ?

ムドラを仲間に加え入れ、四人パーティとなったリルドール一行は縦ロールと魔法を駆使して怒涛の勢いで迷宮を攻略していた。だが、次の目標を確認していたリルドールは、今の迷宮では五十階層の試練には挑戦出来ないことを知る。五十階層主の討伐に失敗すると、とあるデメリットがあり、国が挑戦させてくれないのだという。
実力も上がり、既に上級者となっていたリルドール達は、今探索している東の迷宮から、既に五十階層以下が解放されている南の迷宮へ、探索の場所を移すことを決める。次の迷宮に向けて準備をしていたリルドール達は、小さい頃にコロネルの世話をしていたという男・クルクルと遭遇する。
コロネルは偶然の再会に喜びはしゃぐのだが、リルドールは、妹分が自分よりも懐いている男をやっかむ。
そして、四十九階層を見てから新天地へ旅立とうと、最後に東の迷宮へ向かうのだが――。
カニーー!! カニーーーィッ!(号泣
宇宙一格好良いカニの登場である。カニの怪物というかもうカニ以外の何者でもないカニなんだけど、こんなに凄いカニが居てもいいのかと心臓を撃ち抜かれてしまうカニなのである。
50階層主カニエル見参!!
某おじさんのセリフからすると、五十階層主という連中はどいつもこいつも(各迷宮に一体ずつ存在するらしい)カニエルみたいな生き様在り方をしているモンスターのようなので、おじさんじゃないけれど自分もファンにならざるを得ないんですよね。
意志もなく知性もなくただ与えられた役割を本能のままに果たす魔物とは一線を画する、それは原初より知性を宿し個性を持つ迷宮の最難関にして、人類に与えられた最大の試練。それが彼ら五十階層主。ただそれだけでも敬するに値する敵なのですけれど、カニエルは本来与えられた役割に収まらなかった敵でもあるんですよね。
某おじさんに唆されたとは言え、世界の滅びまで役割に殉じて何もなせずに消えていくのではなく、自由を望んだモンスター。ただ迷宮を出て空を見たい、という願いに駆られてシステムへの反逆を試みた、というだけならただの逸脱者で終わったかも知れない。
でも、彼はその過程で自分に課せられた魔物というカテゴリーすら乗り越えていくのである。主人公たちがそうするように、絶対的に立ちふさがる壁を前にして、自分の夢を踏み潰そうという強大すぎる敵を前にして、彼は倒される魔物ではなく、主人公のように、英雄のように、人間のように、その想いを爆発させるのである。この世界において、思いの強さは「魔法」へと成り代わる。一人ひとりが胸に宿した強き想いが魔法へと変じ、その想いがさらに強まれば強まるほど魔法は変化し進化していく。その未来を願いを祈りを掴む証である魔法を、彼は諦められないことで挫けないことで絶望を覆すことで、掴み取るのだ。
だからこそ、挫折を乗り越えて今一度立ち上がったリルドールたちと、カニエルの決戦は英雄と倒されるべき魔物との戦いではない。互いに譲れない願い、夢を胸に燃やし滾らせ、それを叶えるために刃を交える対等の敵同士の決闘であったのだ。
お互いをとんでもない奴だと讃えすげえやつだと尊敬し、その上で打ち倒そうと自分の全身全霊を振り絞る、己が誇りを切っ先に掲げて、今いる場所を飛び越えて、限界なんか突き破って、ありえない可能性を手繰り寄せる。それをお互いに成し遂げながら、競って鈴嶺の頂きに登るような戦いがここには在ったのであります。
熱い、なんてもんじゃぁなっかったんだ!!
この作品の階層主たちは決して倒され打ち捨てられる敵なんかではなく、贄なんかではなく、死闘を繰り広げたリルたちに笑いかけながら、彼女たちの背中を押していってくれる連中なんですよね。
その勇気を讃え、その意志を後押しし、その願いを祝福して送り出してくれる奴らなのである。だから、その決戦のあとはどこか寂しく、それ以上に胸が暖かくなるのです。
カニエルは、その意味でも本当にとびっきりでした。

最初に彼に全く太刀打ちできず、自分たちを逃がすために犠牲になった兵士たちのこともあり、盛大に挫折を食らったリルさまですけれど、むしろ生まれたときから挫折し続けていたとも言えるリルはもう二度と本当の意味で心折れることはなかったのでしょう。彼女の八つ当たりも、よくよく聞けば決して感情的になっただけのものではありませんでしたし、それ以上にちゃんと遺族に自分から挨拶に行くこの娘は立派ですわ。
そして、そこで目撃した能力の強さとは全く意味を異にする人としての強さ。リルの中にはっきりと刻みつけられることになった強さの意味は、表面上の強さの意味しか知らないコロにとっても、とても重要な意味を持つことになるのでしょう。ある意味、今回本当の意味ではじめて挫折したのはコロの方だったのかもしれません。
でも、コロが教えられている強さというのも間違いじゃないんですよね。クルクルおじさんってそりゃもう悪い人では在るんだけれど……コロとかに教えているアドバイスとか人生訓って、何一つ間違いではなく、真摯ですらあって、コロを成長させるという点に関しては全力なんですよね。それも間違った方に歪めて成長させるとかそういう目論見一つなく。自分の信念や思想を押し付けるでもなく、極々自然な在り方を指導してるわけで。
これほどの悪人はおらず、実際に暗躍しまくっているにも関わらず……この人への信頼はまったく揺らがないし、頼もしさは確かなものなんですよね。作品通じて、クルクルおじさんが一番好き、という人は少なくないはず。
今回はついにカスミの挿絵もつきましたし、カスミチーム全体の出番も増えてきましたし、ある意味作中一番の怪人なエイスもそろそろ挿絵ほしいなあ。次巻あたりあるのかなあ。
しかし、この巻の表紙にもなっているヒィーコとムドラ。ヒィーコのツインテール縦ロールはまだしも、ムドラのアホ毛ロールはかなり苦しくないですか!? なんか、ガチなアホい毛になっちゃってますよ!?
いや、この二人に関しては変身ヒーローみたいで、その魔法すごく好きなのですけど……ヒィーコ、髪伸びてないですか!? 彼女の肩口あたりまでのウルフヘアだと、全然表紙絵の長さには足りてないと思うんですけどw
まあ、彼女の場合は「伸びた」で表現できそうだからいいんですけどね。
リルの方は伸びるじゃなくて「生える」だからなあ……縦ロールが生えるw
縦ロールの使い方も四足歩行モードや水面歩行、水中潜航モードだけじゃなく、ついに飛行モードまで発現させてしまって、本当にどこに行こうとしてるんだリルドールw


1巻 2巻感想 

嘘つき戦姫、迷宮をゆく 2 ★★★★  



【嘘つき戦姫、迷宮をゆく 2】 佐藤 真登/霜月 えいと ヒーロー文庫

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迷宮で誘拐事件が発生! 元・魔物の少女が仲間になる!? 縦ロールを武器に戦う熱血冒険ファンタジー、第2弾!

迷宮三十三階。そこは階層主たる六つ首の魔物ヒュドラーが待つフロア。本来、訪れた冒険者にとっての試練となるはずのヒュドラーは、謎の男によってあっさり首を斬り落とされ、人知れず蹂躙されていた。最後に飛ばされた首は、何故か少女の形を取り、その場に残された。やがて目を覚ました少女は「英雄の種を探す」という記憶を頼りに、迷宮を彷徨い始める。
一方、リルドールはコロネル、ヒィーコとともに順調に迷宮を攻略していた。縦ロールを武器として動かす魔法を使いこなし、強敵を薙ぎ倒していく。三人が迷宮を探索していると、道中で一人の少女と出会う。服はボロボロ、そしてコロネルに抱きつくように駆け寄ってきた少女を見て悪漢に襲われたに違いないと、三人は正義感に燃える。
ひとまず少女を保護することに決めたのだが――。
泣いた。泣くよね、泣いちゃうよね。
ほぼ全編ウェブ版にはない書き下ろしに加えて、完全新キャラクターとなるムドラの登場ということで新鮮な気持ちで読ませてもらったのだけれど、まさかこれほど泣かされるとは思わなかった。
本作の特徴にして魅力として、迷宮の魔物たちの物語があるんですよね。本来なら迷宮というシステムのなかに構築される駒にすぎない彼らたち。英雄を選抜するために戦い英雄を育てるための糧となる、生命と呼ぶのもおこがましいただのシステム。
だけれど、先のアステリオスがそうだったように、彼らに知性が宿った時そこには意識が生まれ魂が生じる。そして、彼らは与えられた役割をただ機械的にこなすものではない、自分の生きた証を、誇りを、矜持を、信念を示すために抗い、戦うのである。やらされるのではない、彼らは自分たちでそうするのだと決めて、その決意を果たそうとするのだ。
彼らはだから、魔物であり門番でありながら、戦士であり勇者なのである。その生き様は熱く、死に様は尊く、敵であり倒すべき存在でありながら、あまりにも眩しく、尊敬に値するモノなのだ。
このシリーズの愛すべき、敬するべき敵たちはだからあまりにも魅力的すぎて、そんな彼らを乗り越えていくという事績は、故にこそ偉大として誇れるものになる。リルドールたちがやり遂げる冒険はだからこそスゴいものなのだと実感できる。それだけ、倒した敵から託された想い、というものは途方もなく重く大切なものだから。
でも、同時に大きな喪失感を伴うものでもあったんですよね。乗り越えていくということは、そこに置いていく、置き去りにしていくということ。
決して忘れてしまう、ということではないのだけれど……。でもやっぱり離れていくものなのだ。大切に心の中に、残してくれたものを宿していても、やっぱり寂しいものなのだ。
その寂しさに、傷つく人もいる。決して許せない人もいる。
だから、というわけではないのだろうけれど。今回の話は象徴的だったかもしれない。明確に、彼らヒュドラは残してくれていったものがあるのだから。リルたちに、託していってくれたものがあるのだから。
ムドラが自分で決めて、自分で選んで、自分で欲した「人間」としての道だとしても、家族として彼らはリルたちに託して、残してくれたのだから。
触れられる形で、優しい願いを残してくれていったことに深い安堵とも感謝ともつかない想いを抱いてしまった。新しい可能性を、この書き下ろし版で見せてくれたことに感じるものがあったのだ。
きっと、残されたものをうまく受け取れなかったキーパーソンたちの傷を、余計に浮き彫りにするになるかもしれなくても。

しかし、ムドラは割り込みという形で物語の中に入ってきたキャラクターとしては、びっくりするくらいいいキャラしてましたなあ。ってか、この作者さんホントキャラ立てうまい上にほぼほぼ取りこぼしなく育てていくんですよね。前巻でもほんのちょっとすれ違うだけだったカスミたち初心者パーティーも順調に話に絡むようになってきて、この娘たちもリルたちに負けず劣らずの熱くもぶっ飛んでるパーティーになっていくんですよね。ってか、エイスがこの頃から既にアレの萌芽がw

この世界の魔法って、ある種の方程式や秩序あるルールに基づく現象や作用ではなく、あくまで個人の想いによって発現するものだけに、縛りみたいなものはなく、だからこそ熱い想いに反応してどこまでも強くなり、どこまでも自由に変化するものなんですよね。
だからこそ、ヒィーコの衛兵だった父への想いから生じたあの変身フォームから、さらに大事なものを守りたいという強く切実な想いから、自分を救い育て導いてくれたギガンのそれを踏襲する新フォームが発現するところなんか、めちゃくちゃ熱いんだけれど。
一方で自由過ぎるのがリルの縦ロールなんですよねw ドリル程度じゃ収まらなかったよ、この縦ロール。そんな発想は限定的過ぎる、狭すぎる、固定観念すぎる、とばかりにもはやなにやってんのかわからん状態にまで好き勝手編み上げていく始末。なにその、四足歩行モードw 挿絵になったのを見ると想像以上にめちゃくちゃすぎて、これは笑うってw
そりゃみんな逃げ惑うわ。おまけに水面をアメンボみたいに移動可能って、いったいどこに行こうとしてるんですかw 一番ツッコミそうなヒィーコがすでに慣れちゃって何がアレなのかわからなくなってる時点で朱が混じり切っちゃったよ。

次巻はついに50階層。ターニングポイントとなる場所であり、物語が激流へと飲まれていくスタート地点。既にウェブ版読んでいるにも関わらず、ワクワクしてくるこの期待感、たまりませんなー。

1巻感想

嘘つき戦姫、迷宮をゆく 1 ★★★★  



【嘘つき戦姫、迷宮をゆく 1】  佐藤 真登/霜月 えいと ヒーロー文庫

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嘘つきな令嬢が、縦ロールを武器に迷宮で成り上がる! 美少女たちが戦う熱血冒険ファンタジー!

見栄っ張りで嘘ばかりつく貴族の令嬢リルドールは、自分で仕掛けた決闘で敗北し、実家を追い出されてしまう。迷宮都市で謹慎処分を受けるのだが、リルドールは挫けない。
周囲を見返すため、冒険者としての成り上がりを決意し、街で出会った少女コロネルとともに迷宮へ挑む。温室育ちのリルドールは自分よりも才能のあるコロネルに嫉妬し、現実に打ちのめされ挫けそうになるも、自分が持っている、とある「武器」に気がつく。
艶めく髪は女の命、ドリルロールは美の結晶。
女の誇りが詰まったこの髪に、貫けぬものなどありはしない。
見栄と強がりしかなかった少女が自分の嘘を真実へと変える覚悟を決めたとき、縦ロールは最強の武器として変化し、無敵の輝きを放つ。
これは、ただの小娘だった少女が英雄になるまでの熱血冒険ストーリー。

ウェブ版既読済み。完結まで読破しましたけれど、自分が今まで読んだ中でも屈指の傑作でありました。もうとにかく熱いのなんの。
というわけで、再度あの熱量を味わいたく電子書籍化されたのを機に一揃えすることにしたのですが。読んでびっくり。なんか、加筆分が凄くないですかこれ!? 特に世界観に関する部分については別物かというくらいの肉付けがしてあって、この特殊な世界のありようがしっかりと感じられるように語られてるんですよね。
本作において、迷宮と世界の関係というのは非常に重要である意味作品の根幹を為している部分でもあり、ここの肉付けというのはそのまま物語そのものの厚みへと繋がってくるだけに、これは良き増量分だったんじゃないでしょうか。
それ以上に驚きだったのは、結構キャラデザインとか変わってるところですか。コロネルなんて確か銀髪じゃなくて赤毛でしたもんね。銀髪はヒィーコの方じゃなかったかしら。加えてセレナです。一番変わったの彼女じゃないの!? なんかロリ化してるし。ウェブ版では自分、20代前半のお姉さんのイメージで見てたんですよね。黒髪で背も高めのお姉さん的な。ライラとの年齢差考えると、本作での15歳というのはともかくとして、もう少し下の十代後半だったのかもしれませんが。作中で年齢って出てたっけ。

ともあれ、久々に最初期のリルドールを見ることになったのですが、ほんと最初の頃のリルって酷い小娘なんですよね。見栄と自己顕示欲と虚栄心でガチガチに心を鎧って、現実に背を向けて高慢ちきに他人を見下すことで自分を持ち上げようとする、どう言い繕っても最低としか言えない貴族の小娘さまなのである。
でも、この小娘さまは馬鹿で愚かでみっともないろくでなしではあったのですけれど、自分の矮小さを痛いほど理解しているからこその、愚かさでもあったのです。バカさ加減であったのです。
そうでもして、虚栄心で身も心も覆っていないとこの娘は耐えきれなかった。常に惨めに敗北し続ける現実に向き合えなかった。そうやって、わかっている自分のみっともない有様から目を背け逃げ続けるしかなかった弱さが、惨めさが、さらに彼女を追い詰め破滅へと追いやっていく。
もし、リルドールが冒険者ギルドでコロネルと出会わなければ、間違いなくリルドールは自分でも理解していながら止めることの出来ない破滅へのアクセルを踏み込み続けるしかなかっただろう。
だからそれは、紛うことなき運命の出会いだったのだ。そう、運命の出会いだったのである。リルドールにとってだけではなく、コロネルとリルによって成人としての名を与えられた少女にとっても。
コロネルから注がれる純真な憧憬は、リルの虚栄心を満足させ誰知らずとも追い詰められていたリルの心に一滴の余裕をもたらすのだけれど、コロの戦闘面での優秀さはレベルばかり高くて実戦では対して役にも立たないリルをまたぞろ追い詰めていくのである。ほんと、もう何にでも追い詰められて自滅型の破滅へとひた走ろうとする貴族様である。
でも、彼女の見栄っ張り、虚栄心はともすれば自身の矮小さに打ちひしがれて蹲り身動きすら取れなくなりそうなリルの心を奮い立たせる最後の、なけなしの燃料であり炎であり原動力でもあったわけです。それをなくしてしまえば、リルドールは本当に何も出来ない引きこもりの無能な小娘になってしまう。
リルの破滅を食い止めるために放たれた、せめて籠の鳥でも何も出来ない娘になろうと平穏に暮らすほうがマシだろうと、身内から放たれた彼女の見栄を、心を折るための刺客によって追い詰められ、自分の卑しさを、醜さを、おぞましさをもう目を背けることが出来ないくらいまざまざと暴き立てられたリルドールを、それでもなお立たせたのは。
コロネルからの憧憬だったのです。それも、無知で見当違いの憧れでも尊敬でもない。リルドールという少女の弱さを、愚かさを知った上でなお、その弱さのなかの輝きを、コロが知っている、身につけている強さとは質の違う強さを、リルの中に見出してくれた上での本当の意味での憧れだったのです。
純真で真っ直ぐな、そして誰よりも、リル自身ですら信じられなかったリルの強さを肯定してくれる、そんな憧れを目いっぱいに注がれて、稀代の見栄っ張りがここで見栄をはらずになんとする!
歪んだ見栄は、その当人を不幸にするでしょう。ですが、正しき憧憬に中てられて奮い立つ見栄は、正しく人を立たせるのではないでしょうか。
本当にクソつまらない雑魚にすぎなかった人間が、本当の輝きを手にする瞬間のなんて熱く眩しいことだろう。
自分がつき続けたつまらない嘘を、心の底から信じてくれた人がいるのなら、その嘘を真実とすることに何の迷いがあろうものか。
そんな類の覚悟こそが、魂の叫びこそが、己の内から掻き毟るように湧き出した願いこそが、この世界においては魔法となって発現するのである。
彼女の場合は縦ロール。よすがであり誇りであった縦ロールこそが、彼女の最強の武器(物理)となって彼女の大進撃を穿っていくのである。
まだこの頃は縦ロールの使い方も最初ということで大人しいというか常識的? いや、縦ロールが武器としてぐるぐるドリドリぶん回され回転している時点で常識的からは大いに足を踏み外しているのだけれど、これでまだ序の口なんですよね。リルさまのドリルの進化、その使い方のぶっ飛んだ発想はまさに怪物的変遷を辿っていくわけだが、まあそれはまだ将来の話。
この時点ではまだコロのシングル縦ロールブースターのほうがビジュアル的におかしいのです。あれ、位置的にブースター点火したら思いっきり地面にグルンって頭ぶつけそうなんですけどね!! コロってばよっぽど首が強いに違いないw
ただ、でもね。この一巻で一番好きなシーンは。縦ロールで派手に暴れるシーンではなく、才能の欠片もないレイピアの練習を、リルが愚直に続ける場面なんです。縦ロールの魔法は大切にしながらも、出会った時にコロについた嘘と見栄を本物にするために、諦めずに投げ出さずに下手くそなレイピアの練習を続けるシーン。ヒィーコが本当の意味でリルという人を好きになった場面。ここに、リルドールという人の大切な全部が詰まっているようで、この先の彼女の在り方を追い続ける上でも大事な、そしてとても好きなエピソードなんですよね。それを、この一巻のエピローグ、締めで描かれたのはなんとも嬉しい限りなのです。
次の巻では完全新キャラも登場するようですし、シリーズ屈指の人気を誇るおっさんやこの巻でもチラ見的に登場した同世代の冒険者チームの面々もじきに本格登場するはずですし、書籍版のここからも実に楽しみ。期待さらに膨らみます。

 
1月21日

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