徒然雑記

終日のたりのたりかな  
  オロチのまどろむ庭TOP  読書メーター  月刊書籍発売カレンダー  書籍感想・殿堂作品
  書籍感想・著者索引(表紙絵附) 書籍感想・著者索引(シンプル版)  書籍感想・作品タイトル索引(シンプル版)
  11月の漫画新刊カレンダー  11月のライトノベル新刊カレンダー
  12月の漫画新刊カレンダー  12月のライトノベル新刊カレンダー
 

兎月山羊

ザ・ブレイカー 3.虚ろの神は人世を狂わす3   

ザ・ブレイカー (3) 虚ろの神は人世を狂わす (電撃文庫)

【ザ・ブレイカー 3.虚ろの神は人世を狂わす】 兎月山羊/ニリツ  電撃文庫

Amazon

神を名乗る謎の教祖にカナタとリセが拉致され――!?

林間学校を楽しむ葉台高校の生徒たち150名以上が、まとめて拉致される事件が起こる。犯人は、武装した大勢の信徒を率いる、狐面をかぶった少女。
「我が名は“生虚神”。ヒトの未来を担う神でございます」
そう名乗る狐面の彼女こそ、凶悪なテロ計画を密かに進める謎多きカルト教団・黒陽宗の教祖。
拉致された学生、そしてその中にいるカナタやリセも、否応なく、テロへの荷担を強制されるのだった……。
人気サスペンスシリーズ、第3弾!!
また捕まってる!! 1巻からこの3巻まで、皆勤で敵犯罪集団に拘束される主人公とヒロイン。いや、一巻ではカナタは刑務所から招聘されたので少し違うのだけれど、リセについては、捕まってない時間のほうが少ないんじゃないか、というくらいの頻度で拘束されてます。そのせいか、若干対応に慣れが見えてきた感すらあるのがなんとも。
ともかく、またも拉致され拘束されてしまったせいで、カナタの行動には極端な制限がつけられてしまうのですけれど、史上最悪の犯罪者という触れ込みのカナタの能力がこの場合、殆ど対処療法に費やされちゃってるんですよね。事が起こってしまってからそれをリカバーする事にリソースが費やされてしまっているのが、何とも勿体ないというか、いつも後手に回りすぎじゃないか、と思わないでもない。
今回なんか、結局CIROごと出し抜かれた形となり、学校の同級生たちまで巻き込んでしまったわけですからね。最初から捨て駒にするつもりで、釣餌として級友たちを利用する、くらいの極悪非道な心づもりだったならともかく、犠牲については諦める、くらいの強度だったからなあ。悪を為して悪を討つにしろ、偽悪を持って人を救うにしろ、ちょいと中途半端というか天才のわりに実はあんまり結果出せてないんじゃないかなあ、カナタって。今回なんて、教祖さまが最初から意図的に付け入る隙を与えてくれるずさんな計画を立てていたので収まるところに収まりましたけれど、本当に徹底してやる気だったらまずアウトだったんじゃないだろうか、この一件。
実のところ、犠牲はけっこう出ているにも関わらず、物語としてもやや中途半端なんですよね。洗脳やら生徒たちを使ったテロリズムにしろ、触りだけで済ませているので肩透かしだったくらい。特に洗脳の一件なんて、生徒間でもっと地獄絵図な対立が起こるくらい徹底してやるかと思ってたんで、あれだと思想誘導やマインドコントロールにも届いていないんじゃないだろうか。リセが頑張って洗脳を防ぐ、みたいな事もなかったし。
イーグルアイも、あれ本気で言っていたのか、とガクッとなってしまった。いや、同級生連れてCIRO本部に現れるってあからさまに変じゃないですか。それも、ちょうど黒陽宗の本拠地に査察に向かったタイミングで、ですよ。プロなら察しなさいよ、と嘆いてしまいました。あまりな反応に、そうかカナタの意図を組んで演技してるのか、とも考えたんですけどね。メンバーの個々の能力は凄いんだろうけれど、CIROってこれ対テロ組織としては大丈夫なのか、と心配になってしまいました。
一応、黒幕というかすべてに裏で糸を引いていたフィクサーが登場してきましたけれど、とてつもない大物感、とはあんまり縁がなさそうだなあ、という印象。手の届く範囲に降りてきちゃったら、それはもう倒せる敵ですからねえ。

シリーズ感想

ザ・ブレイカー 2.断罪の処刑人は唄う3   

ザ・ブレイカー (2) 断罪の処刑人は唄う (電撃文庫)

【ザ・ブレイカー 2.断罪の処刑人は唄う】 兎月山羊/ニリツ 電撃文庫

Amazon

ネットで公開処刑を続ける殺人犯に史上最悪の天才と呼ばれる悪魔が挑む!

医療ミスを認めない病院の院長、車で子供をひき殺した女優……罪に問われず、ぬくぬくと生きている人間たち。
そんな「世間から反感を買っている」人々を殺してまわる連続殺人鬼が現れる。
その名は「公共の敵(パブリック・エネミー)」。
残虐な処刑の様子をネット上でライブ放送するという異様な手口で、多くの一般市民から熱狂的な喝采を浴びていく。
「公共の敵に死を」とうそぶく彼の真の狙いとは――?
リセちーの立てこもり事件への巻き込まれ率が半端ないのですがw
と言っても、まだ2巻なので二回中二回というだけの話なのですけれど、ただでさえリセは自身の理由から狙われる可能性が高い身の上なのに、全くの偶然からこんな風に巻き込まれもするのでしたら、そりゃお兄さん過保護にもなるわなあ。それでなくても、責任感が強くて自分から危険に飛び込む事も厭わない娘なのに。
まあリセみたいな頑固な娘は、どれだけ冷たい仕打ちや言動を向けても、傷つくくせに退かないのでカナタがいつまでも強行な姿勢を貫いていても意味はない、とは思っていたのですけれど、思いの外早く諦めたというか、胸襟を開いてみせたなあ、という印象。悪魔と呼ばれる男、というくらいだからもう少し徹底してリセとの間に壁を作り続けるのか、とも思ったんだけれど、やっぱりカナタはダークヒーローではあるものの、リセに対しては相当に甘いんですよね。
それに、悪を倒すのに悪を用いる、みたいな感じで使われる事になるカナタですけれど、彼のやり口というのは実のところそう悪魔めいているわけじゃないんですよね。悪辣でも下衆でも卑劣でもない。まあ外道は結構入っているかもしれないですけれど、どちらかというと公権力・秩序を守る側が出来ないような手段を用いて事件を解決に導いていく、という手法に寄るというべきか。うん、その意味では確かに「悪」と言って過言ではないのかもしれない。どう言い繕っても正義には程遠いやり口ではあったし。とはいえ、嫌悪感をもたらすような手管ではないですし、筋は通っているんだよなあ。まあ、あの犠牲者を少なくする提案については、他に手段がなかったとはいえ、ちょっと生き残った人への心の傷が大きすぎるような気もしますけれど。
前巻は、全く味方の居ない中での孤高の戦い、というイメージのカナタでしたけれど、今回はCIROに所属した事で組織のメンバーとも協力する形となり、主にカナタが牽引しているとはいえ一癖も二癖もあるメンバーがそれぞれ特色を活かした、チームによる犯罪事件への挑戦、という様相を呈してきて、作品のスタイルみたいなものが整ってきたんじゃないでしょうか。
その中で、まだリセがいささか未熟さを垣間見せている気がしますが。今回は彼女の能力を活かして役に立ってはいましたけれど、ちょっと心もとないんだよなあ。ある種カナタと同類の怪物的メンタリティーの持ち主が多いCIROのメンバーの中で、リセだけが余りにも普通の女の子で、必死にカナタのためにも役に立ちたい、と頑張っているのが、どこか一生懸命背伸びしているように見えて、どこか危うい。彼女自身、修羅場くぐってますし弱い子ではないのですが、その真っ直ぐさがCIROという場合によっては容易に非情な手段、決断を下しかねない組織の中で果たして揺らがずに居られるものなのか。カナタが早々に彼女に寄り添う事になったのは、お互い支えあう必要があるからなのか。いずれにしても……この兄妹、次から平然とイチャイチャしはじめそうで、うん、まあそれはそれで。

1巻感想

ザ・ブレイカー 黒き天才、その名は3   

ザ・ブレイカー 黒き天才、その名は (電撃文庫)

【ザ・ブレイカー 黒き天才、その名は】 兎月山羊/ニリツ 電撃文庫

Amazon

醜い人面皮をかぶり「恐怖の顔」と名乗る謎の男が、200人以上の学生を人質に高校を占拠する。交渉人として呼ばれたのは、重犯罪特殊刑務所に収監中の、ある少年だった―。少年の名はカナタ。彼は、100万人もの命を奪った毒ガステロに荷担したうえに、64人の刑事を殺害した罪で死刑判決を受けている「悪魔」だった。人質を殺しながら不自然な要求を突きつけてくる凶悪な篭城犯と、他人の命に価値を見出さない冷酷な悪魔が、手に汗握る知能戦を繰り広げる…!緊張感溢れるクライム・サスペンス!!

悪魔扱いされ、大量殺人犯の死刑囚という肩書を背負って稀代の悪人として登場した主人公のカナタだけれど、純然たる大悪人って、主人公として書くのは結構至難だと思うんですよね。なので、本作の主人公もあらすじから見ても、何かの理由があって罪を背負う事になったか、罪を被せられたかした子なんだろうとは思っていたのですが、案の定であり、もしくは期待以上の事情持ちでした。
前作でも前前作でも、背負うべき罪科から逃げない事、深い葛藤と責を果たす重さ、守るべき者を守る抜く決意について、ブレずに重厚かつ色彩鮮やかに描いてみせた作者ですから、本作のダークヒーロー像も真っ向から描いてくれるんじゃないでしょうか。
ただ、ダークヒーローというだけあって、彼からはもう既に葛藤とか躊躇いとかは振り切れてしまっていて、覚悟完了しちゃってるっぽいんですよね。既に目的を果たすために手段を選ばない決断をしてしまっているカナタは、もはや決戦兵器じみていて、もう迷ったり悩んだりする存在ではなくなっているので、事件解決の主体となる劇薬的主人公ではあっても、物語に感情の色をもたらす存在ではないんですよね。その意味では、カナタの妹であるリセこそが、もう一人の主人公なのかもしれない。
既に振り切れてしまっているカナタに代わり、悩み苦しみ、哀しみ迷い、真相の向こうにある想いの形を手繰り寄せてくる存在こそが、彼女なのです。同時に、彼女の存在こそがカナタという爆弾の起爆装置であり、彼の行動原理の中心であり、全てであり、リセの感情が、祈りが、想いこそがこの最終兵器の動く方向を決めるとなれば、この作品の要こそが緋上リセという少女にあると見做して間違いはないのだろう。

……誰だ、つまりはシスコンだろ?とか思ったやつ。

うんまああれです、ヒロインが妹という時点でもうそれでいいんじゃないかな、と。
妹を狙う下劣な輩共から彼女を守るためならば、たとえ罪に背負おうとも、悪に身を沈めても、いかなる手段を問わずとも、もはや一切の躊躇いなし。
まさに、たった一人のためのダークヒーローである。
終わってみれば、この第一巻は彼がダークヒーローとして再び活動を開始するまでの導入編。彼がCIRO(内閣情報捜査局)の一員として加わるまでの、序章だったというわけだ。
このCIROという組織も、一癖も二癖もある表沙汰に出来ないような集団なわけだけれど、さて仮にも組織の一員となる以上、果たして彼はこれまでのような孤高の存在として居られるのか。CIRO自体、所属するメンバーの殆どが一匹狼みたいなもので、協力しあうというよりも目的のために利用しあうような結びつきに、現状はみえるけれど……。なんというか、作者の前作の充実ぶりを見ていると、個人的にはカナタやCIROという組織のこれからの変化、も期待したくなるなあ。前作は残念ながら途中で終わってしまったのですが、今回は最後まで走りきってほしいものです。

兎月山羊作品感想

ラストセイバー 3.叡智の花嫁4   

ラストセイバー (3) 叡智の花嫁 (電撃文庫)

【ラストセイバー 3.叡智の花嫁】 兎月山羊/荻pote 電撃文庫

Amazon

西暦2140年―。そこは、史上最悪の敵「天使」の容赦ない猛威によって、人類が絶滅寸前になっている世界。2015年からタイムスリップした少年・名薙は、大切な人たちを次々に失い絶望しながらも、過酷な運命に立ち向かっていく。そんなある日、名薙は騎士候補生として重要な任務につく。城塞都市・京都の女王に即位する少女の護衛。何事もなく進むかに見えた戴冠式だったが、襲撃してきたのは、驚くべきことに―。かつてない最強の敵に、果たして名薙やアニカの運命は…。新次元異能バトル、ついに最高潮へ!
うわぁぁ、なんて勿体無い!! 何が勿体無いって、勿論この三巻で打ち切りになっちゃったこと以外にないでしょう!!
何の力も持たなかった普通の高校生が、人類が滅亡しかかっている未来に飛ばされ、英雄となって戦うことになる。こうした流れの作品の中では、ピカ一と言ってもイイ良作だったのになあ。何の自覚もなく、成り行きから英雄となってしまう主人公が事欠かない中で、彼……名薙の身の丈に合わない力を持ち、また絶望しきった人類の希望として立つという責任の重さに逡巡する苦悩の描き方は実に丁寧であると同時に、彼の怯えと力との向き合い方は誠実であって、非常に好感が持てたものです。その上で、彼は一度人類を救済する英雄の後継者という立場から距離を置き、一度一兵士という底辺からこの荒廃した世界を生きることで、平和な現代日本で過ごしてきた一般人としての甘さを削ぎ落とし、生きるための覚悟を研ぎ澄ましていく。二巻で名も無き兵士見習いとして戦い、そこで自分の過去と決別し、その手を自らの決断によって愛する人の血で染めて、甘さではない優しさと血の通った覚悟を手にとった名薙。
そんな彼が、絶望的な戦いを前にしてついに全人類の希望を背負った英雄として生きる覚悟を決める。この過程の描き方がまた素晴らしかったんだ。追い詰められた末のことである、必要にかられてのことである、だけれどそんな言い訳や逃げ腰の姿勢など微塵もない、それは自らの生き方として覚悟を持って選んだ、男としての決断だ。
栄光や名声など露ほども顧みない、ただ自らを人類のために捧げる選択に、しかし哀れさや悲惨さは微塵もない。生贄としての儚さなど欠片もない。そこにあるのは、傷つき怯え理不尽にのたうち回った末に、おのが弱さを受け入れて、守るべきものを見定めて、選び決断し覚悟し、重きを背負って微塵も揺るがず毅然と佇む男の背中だ。自分を守って死んだ男の後を引き継ぎ、希望を担うと決めた男の雄々しき姿だ。正直、身も震えるような痺れだった。
カッコ良かった。
これほどの男の物語を、こんなにも中途半端な形で締めくくられてしまったことへの痛恨の念はしばらく消えないだろう。勿体無い、成長物語としても稀有な出来栄えだった良作なのに、勿体無い。
キャラクターとしても、装甲姫と呼ばれる今回新キャラとして登場したお姫様のキャラもむっちゃ立ってて実に格好良い女の子で素敵でしたし、当初まったく眼中に無かったもののようやく此処に来て名薙を意識しまくりだした真那の動向も気になりまくり、とラブコメの方も実に盛り上がる要素満載でしたし、話を締めるということでかなり畳み掛けて暴露された物語の核心となる真実も、普通にシリーズ物として描いてたらまた随分と盛り上がった展開だったろうに、という糸が絡みまくった真相でしたし、ぐわぁ、返す返すも残念至極。勿体無かった。面白かったのに。本当に面白くなりそうだったのに。こんな形の幕となってしまいましたが、一応の決着というか一番肝心な部分だけは明らかにしてくれたのだけは幸いでした。
こうなったら第三作目に期待する他あるまいて。メキメキと伸びてる実感は確かにあるので、出来ればこのまま行って欲しいところです。

1巻 2巻感想

ラストセイバー 2.恋殺の剣誓4   

ラストセイバーII 恋殺の剣誓 (電撃文庫)

【ラストセイバー 2.恋殺の剣誓】 兎月山羊/荻pote 電撃文庫

Amazon

名薙の前に立ちはだかる敵は……。
新次元異能バトルが急展開を見せる!!

 西暦2140年。そこは、史上最悪の敵「天使」の容赦ない猛威によって、人類が絶滅寸前になっている世界だった。
 2015年からタイムスリップした少年・名薙綾月は、過去へ戻るための方法を探りながらも、しばらくは過酷な世界で暮らしていくことを決意する。そして騎士候補生となった彼がまず命じられたのが、調査活動。目的地は「黒の森」と呼ばれる、謎の多い怪しげなエリア。アニカや真無とともに現地へと向かう名薙だったが、目の前に意外な人物が現れ、壮大な事件に巻き込まれることになる──。
 新次元異能バトル、驚きの急展開を見せる第2巻が登場!!
その男の偉大さを知るからこそ、その名と、名に伴う英雄としての責任と期待に怖気づく。
一巻でも感じていたことだけれど、この名薙綾月という主人公の有り様は凄くいい意味で等身大なんですよね。英雄願望のある危なっかしい見栄っ張りでもなければ、見苦しいまでの臆病なヘタレでもない。最近流行りの普通であることに異常な拘りや必要以上の執着を見せる奇態な普通人でもない。いちいち自分が普通であると強調するまでもなく、普通であることを自覚しているからこそ自分が普通の少年であることを当たり前の事として意識もしていない、ほんとうの意味で普通だった少年、それがこの名薙綾月でした。そう、普通の高校生でいられたのはもう過去のこと。この荒廃した未来に流れ着いた時点で、また剣聖の機体を受け継ぎ、人類の希望という重責を引き継いだ時点で、もう今までの自分では居られない。その事実を誰よりも重く受け止め、自覚していたからこそ、名薙はその担うべき責任と期待のあまりの重たさに怖気づいてしまうんですね。
この心境は、至極当然のことだと思う。誰よりも名薙こそが、剣聖の人となりとその英雄としての在り方に感服し、敬意を抱いていたのですから。その男の大きさに、心打たれていたのですから。それを、自分が彼の代わりにやらなきゃいけない、となった時に果たして冷静に受け入れることが出来るのか。名薙は肥大化した自己顕示欲の持ち主ではありません。逆に、自分を過小評価して縮こまるタイプでもないのです。けれど、冷静かつ客観的に自分を顧みれば、自分が剣聖に比べてどれだけ未熟か自然と理解出来てしまう。そこに、恐ろしさを感じてしまうのもまた自然な事でしょう。
個人的に感心させられたのは、彼がこの時に感じている担うべき覚悟、機体を裏切る事への恐れと、それに向き合う勇気とのバランスの描写が実に絶妙なところなんですね。名薙は確かに怯えて英雄として立つ事に背を向けるのですけれど、決して現実逃避して現状から、この天使と戦わなくては滅びてしまう世界から逃げ出しているわけじゃないのです。生活が掛かっているとはいえ、騎士候補生のテストを受けて一兵卒として剣を取る事は厭うていない。結局、戦わなければならないという状況から逃げられないことはしっかりと承知していますし、自分が剣聖からすべてを託されたということも自覚している。いつかは、折り合いをつけなければならないことは心の何処かで承知していたわけです。最後のよすがが、平和な過去へと戻る事でしたけれど、その自分たちの時代もまた、やがて天使による戦禍によって滅びることが決まってしまっている。たとえ戻ることが出来ても、そこにはもう滅びしか待っていない。
つまるところ、この二巻は英雄となることを託された少年が、英雄として生きる覚悟を受け入れる話なのです。それは輝かしい話でも、栄誉ある話でも、幸福な話でもありません。今までの平穏で幸せだった過去という時代に別れを告げる別離の話。血塗られた修羅の道を行くことを決めた哀しいお話。二度と戻れぬ道へと踏み入る痛みと苦しみにまみれたお話。
それは、名薙や真無と同じく過去から未来に送り込まれた同級生たちの末路。外道に落ち、悪として歩むしか救われる道が残されていなかった少年と、過去の象徴として刻まれることになった幼馴染の少女との再会と別離によって、決定づけられることになるのです。
名薙のこれからの生き方を決定づけるシーンとして、この二人との決着の付け方は心震えるものがありました。
幼年期の終わり。一皮剥けた、という言葉で片付けるにはあまりにも辛く哀しい名薙の覚悟は、主人公の成長というテーマで見るならば、これ以上ない最良のものなのではないでしょうか。
正直、導き役でもあった剣聖が一巻で早々に退場してしまったことは先々の展開的にも不安満載だったのですけれど、ほぼ独力で立ってみせた名薙を見損なっていたのかもしれません。一巻でも結構褒めてたと思うのですけれど、想像以上にこの子は心の強いひたむきな子でした。イイ主人公です。この二巻を経て、もっとイイ主人公になったと思います。これまでピクリともフラグを立てる様子のなかった冷めた真無が、思わず心奪われてしまったのも無理ないかと。あそこで、グラっとくるのは卑怯だよなあw
クリスに相対した時の無双っぷりといい、実はこの娘がラスボスじゃないのか、と思いたくなる強キャラなので、ちゃんとヒロインらしく名薙に心傾けてくれるシーンがあって、ちょっと安心しました。
一方で、アニカについてはほぼ全編に渡って、懊悩する名薙をさり気なく支え続けたわけで、かなりの良妻でしたよ、うん。
改めて振り返っても、二巻でのキャラの掘り下げとストーリーの充実振りは見事の一言。作品として、一巻から確実にステップアップしてます。面白かった。

1巻感想

ラストセイバー 救世の後継3   

ラストセイバー 救世の後継 (電撃文庫)

【ラストセイバー 救世の後継】 兎月山羊/荻pote 電撃文庫

Amazon

ときは西暦2140年。史上最悪の敵「天使」による容赦ない猛威にさらされ、人類はその数を極端に減らし、まさに絶滅の危機に瀕していた…。東京ビッグサイトで奇怪な事故に遭遇し、2015年の平和な世界から2140年に飛ばされてきた高校生・名薙綾月は、その過酷な境遇に動揺しながらも、自らの運命と人類の未来に希望を見出すべく、立ち上がる。その手に輝く剣を携えて―。
おじさんはクールに去るよ。
とばかりに、ほどけるように去っていってしまった英雄。早い、早すぎるよ、おじさん!
確かに、名薙という少年は充分に英雄たるの資質を持っていました。
彼は普通の少年らしく、突然放り込まれてしまった未来世界の只中で右往左往するばかり。無鉄砲さや勘違い、増長とは縁のない自分がこの環境では一人で生きていけない、助けて貰わなければ野垂れ死ぬだけだった、保護されてからも身の程を弁えていて英雄願望など持ちあわせていない、本当にただ途方に暮れた異邦人でした。むしろ、強かにこの未来世界で足場を作っていた自分と同じ過去からの来訪者である少女のバイタリティに圧倒されつつ尊敬を抱くくらいの心持ち。そんな彼ですけれど、それだけ拠り所もなく自分の力に自信も持っていないフワフワとした立場でありながら、彼は間違っていると思ったことを声を上げて間違っている、と言える子だったんですよね。それは、純朴な正義感。誰か弱い立場にある子が理不尽に虐げられているのを目の当たりにした時に、相手がどれほど強い立場、強い力を持った相手だろうと、自然と、しかし躊躇いなく身を呈して庇おうとする優しくも強い気持ち。それを、この名薙という少年は持っていました。彼の素晴らしいところは、その正義感が自分の強さを拠り所としているものじゃない所なのでしょう。力を振りかざすのではなく、理不尽から庇い守るための剣。そんな英雄の資質を、かの少年は確かに持っていました。
それはまさしく、人類の希望と讃えられた剣聖の後継者たるに相応しい心映え、でしょう。ですけれど、まだ早い。酸いも甘いも噛み分けて、人類の未来なんて重たいものを一手に背負って行くには、この少年少女たちはまだあまりにも幼すぎ、何も知らないままなのです。まだよちよち歩きの手を引かれ導かれて当然の英雄候補の幼子たち。まだまだ、おじさんに見守られ、庇護され、教え導かれて当然の未熟で独り立ちしていない子供たちだったのに、おじさんは去っていってしまいました。
このおじさん個人も、もっともっと掘り下げて見てきたかったという願望が尽きません。人類最強の剣聖と謳われながら、自分を「おじさん」と呼んで飄々として気取らず、暇さえあれば酒を喰らって管を巻く風来坊か根無し草の素浪人かという佇まい。それでいて、常に柔らかく優しげな空気をまとい、無辺の信頼感と頼もしさを醸し出すまさしく英雄の名に相応しいその姿。果たして、彼の人生はどのような歩みの上にあったのか。何を思い、どんな願いを抱いて、名薙たちに後を託していったのか。英雄と呼ばれ、その期待に相応しい振る舞いを絶やさない一方で、重圧に草臥れて酒に逃げるような一面を滲ませていたおじさん。彼に課せられていた重圧はいかほどのものだったのか。あの、子供たちに対する慈しみの眼差しは、どんな経験に寄ってもたらされていたものだったのか。そして、何の異能の力も持たないまま絶大な力を思うがままに振るった、最後まで不敗を貫いた最強の力はどのようにして培われたものだったのか。
どの側面から見ても、こんなに早く去ってしまうにはあまりに惜しい人でした。いやもうホントに、もうちょっと引っ張ってくれても良かったのに。
こんな人の、これほどの人の代わりを、いやそれ以上の役割を期待され背負わされる事になった名薙たちは、これから大変なんてものじゃなかろうに。もはや、ご愁傷様、と合掌したくなるレベルである。

人類を根絶やしにしようという悪意に満ちた敵に蹂躙され、荒廃する125年後の世界に迷い込み……否、送り込まれた現代の少年少女たち。過去と未来にどんな因果がめぐり結ばれているのか。こういう、滅亡の危機に貧した未来世界、という世界観はやはりどうしてもワクワクを抑えきれないし、その世界の成り立ちに様々な陰謀が絡み、主人公たちがいた時代にその根幹が横たわっていそう、という過去に立ち戻るような展開もありそうなこの流れは実に面白い。まずは、次の展開に期待したい。

兎月山羊作品感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 53   

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈5〉 (電撃文庫)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 5】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

Amazon

約束を果たす瞬間は、今この時。
お願いだよ、誠一君。──私を殺して。

 数々の“災厄の数”を生み出してきた集団、“クリフォト”。奴らが雪名を攫った。雪名の中の“無限の災厄の数”を解放するのが目的だという。“無限”の解放──それが意味するのは、雪名の死だった。
 攫われた雪名は“クリフォト”に攻撃を受けていた。ただし、肉体への攻撃ではなく、精神への。雪名の精神が死ぬとき、最凶の“災厄の数(アルヘトス)”が蘇る──それを倒すには雪名の肉体ごと殺さねばならないという。
 雪名の死を何としてでも阻止するために、俺は明津、アンデレ、タデウスとともに敵のアジトに向かう。
“数”の異能力アクション、第5弾!
【アンチリテラルの数秘術師】、これにて完結。……うーん、はっきり言って幕引きの為だけのお話だったという印象。これまで広がってきた物語の辿りついた先としての終わりじゃなくて、これまでの過程が特に関係ないまま、積み重ねを生かせず乖離したまま話を畳んでしまった、という感じなんですよね。極言してしまうと、これまでの4巻を読んでいなくてもこの5巻目だけ単独で読んでも理解できてしまいそうな感じで。勿論、それで盛り上がろうというのも無理な話で。表面上は最終決戦でクライマックスなんですけれど、こっちの気分は置いてけぼりにされて、何とも尻すぼみな印象でした。
思えば、誠一がアンチリテラルとして覚醒してしまった事が逆に物語の幅を狭くして、キャラクターの躍動感を失わしめる要因になってしまったのかしら。肝心の作品のチャームポイントだった、雪名の小動物めいた可憐さと儚げな可愛らしさも、今回彼女が早々に捕まって隔離されてしまったせいで発揮されず、折角結実しかけていた雪名と誠一のラブストーリーも結局最後に再会するまで待ちぼうけを食らってしまったわけですしね。
二人の初々しくも微笑ましいやりとりが肝だったのになあ。ようやく自身の恋を自覚して狼狽しながらも胸に宿ったその思いを大切にしようとする雪名の様子がまたえらい可愛らしかったのに、そういう細かくも丁寧な心理描写もあんまりなかったですしねえ。
その分、アンデレが頑張ってましたけれど。あの執行官さま、仕事干されて暇してたのは分かるんですが、なぜそこから「暇だからバイトしよう」という思考になるんでしょうw 仮にも執行官なのに、執行官なのに。おとなしくしてろよ!! なんで暇を持て余したらファミレスでバイトなんだよ!! 発想がアホ過ぎるw
なんかこの娘は登場してからこっち、一人でオチ担当を引き受けちゃったよなあ。それでいてラブコメも担当するんだから、美味しいキャラでした。だからこそ、相手ははっきりしておいてほしかったところですけれど。
ぶっちゃけ、誠一を気にしている暇があったら、カラスだけ追いかけてたらよかったのに。変に明津にまでフラグ建ててたものだから、焦点が定まらないままぼやけてしまった感がありますし。カラスとの決着も中途半端に終っちゃったしなあ。勿体ない。
とまあ、最終巻の感想はため息混じりになってしまったのですが、これまでが非常に丁寧で読ませてくれる歯ごたえのある出来栄えで、良作と読んで過言ではない新人作品だったので、その締め方が余計に残念に思う所でした。良作だったからこそ、期待値が高かったとも言えるんですけどね。
終わり方それ自体を見るならば、破綻もなく綺麗に過不足なく幕を引いているのですから、決して悪い形ではありませんでしたからね。でも、それ以上を望んで当然のポテンシャルを持った良い作品だっただけに、やっぱり勿体ないと思ってしまうのが正直な所。

あとがき読んでると執筆環境が過酷過ぎる気がするんですけど、もうちょっと落ち着いて書ける環境に整理しなおした方がいいんじゃないだろうか、と心配になってしまいましたよw
ともあれ、新シリーズに期待したいところです。

1巻 2巻 3巻 4巻感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 43   

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈4〉 (電撃文庫)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 4】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

Amazon

もう、独りぼっちの“零”のままでは、いたくない。

 東京内戦の跡地で俺たちは、“零”の災厄の数、カラスと出会う。彼を見て動揺した安藤照子さん──アンデレはその晩、俺の家を突然訪ねてきた。
「……一緒に行ってくれたら、1つだけ何でも言う事聞くって言ったら……?」
 アンデレと来た地下には雪名もまた、出生の秘密を探るために来ていた。「誠一君は、どうしてアンデレさんと一緒に来たのかな?」モジモジする雪名と共に、俺は地下深くへと向かう。
“数”の異能力バトル、第4弾!
こ、この小動物はヤキモチの焼き方まで小動物ちっくで愛らしいなっ!! その内心の吐露は、殆ど告白「誠一くん大好き!!」と叫んでるのと変わらないという自覚と認識をもっとちゃんと持ちましょうウサギさん。ここまで愛くるしい告白をされてしまうと、同じ女性でも参りましたと言いたくなるわな。わりと、相談されてしまった加苗に同情したくなる。そんな風に相談されたら、幾ら雪名と誠一の関係に複雑な思いを抱いていても、ちゃんと応えてあげないと自己嫌悪で耐えれなくなってしまうがな。

実のところ、雪名に限らずこの作品の女性陣は多かれ少なかれちんまい可愛らしさで構成されているので油断できない。最初はえらく硬い雰囲気で登場した親父さんの後輩の女刑事も、打ち解けてしまうとお姉さん風を吹かせながらも妙に少女チックな所のある人だと発覚してしまったし、新登場のアンデレもつんつんと取っ付き悪いタイプかと思いきや、むしろ迂闊系のチョロい妹タイプだったりと、何気に庇護欲を掻き立てられるヒロインが揃えられているなかなか珍しい作品だったりする。とは言え、小動物タイプが揃っているとはいえ、足を引っ張られたり、此方の都合も考えずやたらつきまとってきたり、内罰的で鬱陶しかったり、という事はみんなないんですよね。それぞれがちゃんと自立した上で、思わず守ってあげたくなるようなオーラを発しているのである。つまり、上目遣いがよく似合うヒロインばかりなのだ。これは堪らん。
アンデレさんは特に傾向の違うタイプのヒロイン登場かと見ていただけに、まさか妹系だとは予想外だった。てか、誰だよこのダメっ娘を執行官に選出したのは! 戦闘能力が基準値満たしてても、さすがにこの迂闊でドジっ子で安直でリカバリー利かない性格の小娘では、執行官業務務まらんだろ。向いてないから、全然向いてないからw ディエゴの方が、あんな戦闘マシンで対人スキル皆無っぽい執行官だったから、てっきりアンデレが社交まわりの担当かとも登場時には思ったんだけれど、あの迂闊さじゃあいらんことまで口走って全部台無しにしてしまいそうだし。というか、今回見てたら普通にディエゴで外回り対応できてるっぽいんだが。強面で無口だけれど、むしろ交渉能力とかは普通にアンデレより出来るっぽいんだが。
……やっぱり、他に居なかったから仕方なくアンデレに選ばれたんじゃw

彼女の能力だけを見ると、走行中の電車を反動も何もなく簡単に静止させたのを見ても、使い方次第ではディエゴの能力よりもよほど応用が効いて使い勝手もよく、強力そうなんだが、果たしてアンデレさんでどこまで使いこなせているのか。
今回の敵であるカラスの「零」の能力は、殆ど反則近い能力なんだが、ようは使い方次第なんだよなあ。言うほど、カラスの能力自体がアンデレやディエゴ、そして雪名の力と比して飛び抜けているとは思わない。それが絶対的な力の差となって現れてしまっているのは、やはりカラス個人の力量なのだろう。数の災厄の力に目覚める前から、近代戦争の戦場において、単体で戦局を左右するまでに至る【パーフェクト・マーダー】の忌み名を冠するに至った戦闘センスこそが、彼の強みであるはずなのだ。でなければ、あれほど歴戦のディエゴがああも簡単にあしらわれるはずもない。雪名は殆ど無敵近い力を有しているけれど、彼女も決して戦闘経験が豊富だったり、相応の訓練を受けているわけではないから、差は大きいんだろうな。
ただ、それはでも誠一も変わらないっちゃ、変わらないわけで。今回はアンチリテラルとしての機能で不意打ちをつけたから撃退出来たけれども、果たしてそう何度もうまくいくものか。数の理論を応用して敵の能力を解体し、攻略法を見つけ出す、というスタイルが素で最強に近いカラス相手には通じないというのはなかなか辛い所。果たして、次回以降どう対処していくのか。誠一がアンチリテラルとして覚醒してしまったところが、逆に彼の智謀によって事態を打開する展開を崩してしまう形になりかねないので、結構判断が難しい所なんじゃないだろうかしら。

アンデレさん、順調にツンデレさんとなって誠一の方に寄りはじめているけれど、彼女、カラスに対してはあくまで身内という意識なんだろうか。過去のエピソードを見ていると、単純に兄への思慕とは言い切れない気もするんだが。カラスの方もちょっとわからんよなあ。裏切りの理由はともかく、彼なりにアンデレのことを考えていながら、わりと本気で殺しても構わない様子で攻撃仕掛けてきているし。根底で何を考えているのか見通せないというのは、カラスというキャラを判断しづらくしていて、うん面白いね。

今回は通してみると次への繋ぎの回、と言った風情で普段よりも盛り上がりには欠けた感もあるが、そのぶん次回以降には期待したい所ですね。

1巻 2巻 3巻感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 33   

アンチリテラルの数秘術師 3 (電撃文庫 う 5-3)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 3】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

Amazon

私達は無自覚に、目に見えないi(ウソ)を必要として生きているんだよ。

 仲間でやってきた北海道旅行。様子のおかしい雪名に、俺は歯がゆい気持ちでいっぱいだった。彼女は俺との“約束”を疑っているのかもしれない──そう思った折、町が歪み始める。無数の化物。数秘術(アルケニック)が使えなくなる雪名。NPCのように機械的な、町の住人たち。そして現れる、“虚数”の災厄の数(アルヘトス)。彼との出会いで、俺と雪名は互いの本当の気持ちを知ることになる。“数”の異能力バトル、第3弾登場。
本当に可愛らしいヒロインだなあ。実力的には最強に近いものを持ちながら、キャラクターとしては完全に大人しい小動物系。健気で儚く素直で優しい。このギャップがまた新鮮なのである。一方で主人公は強力な能力的なものは持ちあわせていないものの、その精神面でか弱げな雪名を庇護し続けている。誠実でブレないその人柄は、具体的な無力さを何ら気にさせない頼もしさに溢れている。この二人のカップリングには誰も入り込む余地ないですよね。パーフェクトカップリングすぎる。新たに登場したアンデレさんはイイキャラなんだけれど、このオモシロ空回りさんはラブコメ要員ではないんだろうなあ。というか、この隙だらけの執行官は、明津と鐘をつくような丁々発止を繰り広げてたので、コンビとしてはそちら推奨? お互いボケとツッコミの両刀使いだから相性も良さそうだし。
今回の敵はこれまでの二回の敵のような破滅的な人物と違い、むしろ誠一に似た大切なモノを守る側の人間、守ろうとした人間。その事情を知ってしまえば知ってしまうほど共感が生まれていく。なればそれは、誠一たちのありえた可能性だったかもしれないからだ。でも、最後の誠一の下した決断が、彼と誠一との決定的な違いを表している。誠一ってただ優しいだけの男の子じゃないんですよね。だからこそ、雪名のような子を守れる立場に居るのでしょう。
今回の物語は、自分たちのありえた可能性と同時に、誠一と雪名に改めて自分たちの関係性を見直すきっかけを与えることになる。特に雪名は、今まで誠一に抱いていた淡い想いの名前を教えて貰うことで、完全にそれを自覚する。その様子のまた可愛らしいこと可愛らしいこと。これだけ嫌味なくあざとくなく可憐で可愛らしいヒロインも珍しいよなあ。

悲しい嘘の積み重ねで築きあげられた「i」の世界「ガウスの迷宮」。結果として破綻してしまったけれど、その哀しくも優しい嘘は本当の気持ちを伝え合う為には決して無駄じゃなかったと信じたい。ただ悲劇で終わってしまうはずだった物語に、一滴の、だけれどとても尊く大切な幸せを落としてくれた結末に、祝福を。
いい、お話でした。

安易で迂闊なアンデレさんは、どうやらこのままレギュラーになりそうで嬉しい限り。どうも脇が甘い新米さんだけれど、実力的には執行官の名に恥じないちゃんとした人なので、日常パートはともかく非常時にはとても頼もしそうなので、味方として加わってくれる事はどうもラスボスらしき相手も出てきた今となってはありがたいところ。賑やかし要員としても大活躍してくれそうですしね♪

1巻 2巻感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 24   

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈2〉 (電撃文庫)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) 2】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

Amazon

私はまだ、“φ(から)”のままなんだ。……こんなふうに思うのは、きっと君に出会ってからだ。

 あの事件から数ヶ月。文化祭のクラス劇で、雪名はヒロイン役に抜擢された。俺には少しずつ心を開いているものの、ずっと孤独に生きてきた彼女はなかなかクラスに馴染めずにいる。
 そんな時、俺は“歪んだ無次元数(スカラー)”を見ることになる。連なる赤い数値の鎖で繋がれた、奇妙な人間たち──。
 平和になったはずの東京に再び現れた、“集合”の災厄の数(アルヘトス)。“無限の力”をも喰らおうとする、雪名の天敵。新たな戦いに身を投じる雪名に、俺は何ができるのか。
“数”の異能力アクション、第2弾開幕!!
あー、やっぱりこのヒロインの雪名は素敵だなあ。これは見返したら一巻の感想でも書いてたんだけれど、バトルものの戦うヒロインとしては性格がすっごく普通の女の子なんですよね。それも活発とは真逆の、物静かで大人しく、笑う時もそっと微笑むような楚々とした奥ゆかしい美少女といった感じで、とても敵や怪物と闘争するようなタイプの子じゃないのである。むしろ、繊細な思春期の男女の相克を描く青春もののヒロインのような。
だからなのか、彼女の強さそのものは登場人物の中でも屈指のものを誇るのに、むしろその立ち振る舞いには儚さとかか弱さを内包した可憐さが羽織られていて、なにやら途轍もない庇護欲を掻き立てられるんですよね。でも実際心が弱いってこともないんだよなあ。意志は何だかんだと強いほうだし、行動力もある、なにより覚悟が座っている。だから、むしろ内面は毅然とした強い女性ではあるんだけれど……でもやっぱり儚げなんだよなあ。主人公に対してもどこかそっと寄り添うような距離感だしねえ。結構、身も心も預けてるっぽい所があるんだよなあ。おかげで、主人公の誠一くんは無次元数を見ることが出来る、という意外本当に何の力もない子にも関わらず、印象としてはずっと誠一くんが雪名を守っている、という風に見えるんですよね。これは不思議。
誠一くんが完全に雪名から信頼を得たこの二巻になると、雪名にちょっと甘えん坊の卦も出てきたので、なにやら二人の雰囲気たるや日常パートだと常時そこはかとなく甘酸っぱい空気が流れている始末。あんまいイチャイチャしてる、という俗っぽい感じはしないんですけれどね。言葉にするなら初々しくも仲睦まじい、といった雰囲気か。何れにしても御馳走様である。カラー口絵にもなってるあのシーンは相当に凶悪w
しかし雪名のイラスト、若干一巻よりも頭身が沈んだような印象が……微妙にABの天使ちゃんっぽくなってる気がするw

前回の「確率」に引き続き、今回は数学の「集合」から。人間関係を公式のように定義してしまったが故の悲劇。正直、写像とか数学用語、調べてもとても理解したとは言えないのですけれど、こうして物語仕掛けで設定を用意してもらうと、なんとなくニュアンスみたいなものは伝わってくるんだよなあ、面白い。世界は数字でできている、などと言うこともあるけれど、こうした人間関係ですら数学に照らし合わせて異能として表現する方法は、世界観や設定がガッチリと固まって安定感がありますね。数学を知らなくても、これなら把握しやすいし。
一巻に引き続き、安心して楽しめる良作でした。雪名カワイイよ雪名♪

1巻感想

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)4   

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) (電撃文庫)

【アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)】 兎月山羊/笹森トモエ 電撃文庫

Amazon

残念だね。君には“無次元数(スカラー)の異常を視認できる才能”が開花してしまった。

「人はデルタtの狭間に生まれ、そして死んでいく」
 ビルから落ちていく儚い少女。彼女の背中に、一瞬、羽が見えた気がした──それが、“数秘術師(アルケニスト)”羽鷺雪名(うさぎせつな)との出会いだった。
 妹の愛架が突然、何者かに誘拐されてしまう。必死で探す俺の目に、無数の赤い数字が虚空に浮かんで見えた。そして、俺は知ることになる。あらゆる数を書き換えることで奇跡を起こす能力者の雪名は、“確率”を操る怪人との戦いにひとり、身を投じようとしていた。“数”の異能力アクション、開幕!
凄いなあ、この新人さんはデビュー作にしてほぼ完全に自分の作風というものを確立してるじゃないか。典型的な現代異能ものと言えばそうなんだけど、浮ついたところがなくて物凄く雰囲気があるんですよね。これは出色。
面白いことに、キャラクターに関してはライトノベルとしてはビックリするくらいに普通。突飛な性格や目につくような派手な個性などといったキャラ付けは一切してないんですよね。主人公の誠一くんは兎も角としても、ヒロインである雪名や妹である愛架もがむしろ平凡といった性格をしていたのには驚かされた。特に、雪名などは見た目については白髪などといった特徴を有しているものの、内面的には本当に普通の女の子なんですよね。誠一との接し方や交流の様子なんかも、特別で過酷な背景を持った異能モノのヒロインというよりも、青春恋愛劇に出てくるようなちょっと内気で仄かな影を抱えた少女といった感じだし。言うなれば、バトルものよりも心の交流を描いた作品に出てくるようなヒロインのように感じた次第。これはちょっと新鮮だったな。
濃いキャラ付けがイコールそのままキャラクターの魅力となるわけじゃない、という見本のようなキャラクター描写でした。
しっとりとした雰囲気の中で、丁寧に折り重ねるように紡がれていく交流の中で浮かび上がってくる登場人物たちの魅力や存在感。まだまだ掘り下げ方や深度については進撃の余地は残っているとは思うんだが、この方向性自体は大事にしてほしい。バトルそのものに傾倒するんじゃなく、戦うに到るまでの心の移ろい、人間関係の絡まり、そこから戦う理由と意志と覚悟を見い出し立ち上がるまでの過程にこそ輝きが得られる作風だと思う。そして、実際の戦いの顛末は、単なる答えや結果ではなく、結実であり結晶と成り得るような。

もう一つ興味深かったのが、秋月刑事という存在を加えたことでこれを主人公とヒロインの閉じられた世界にするのではなく、世代を超えて受け継がれていく意志と生き様を主題のひとつとした作品となってるところである。誠一も雪名も最初から最後まで知らないままなのだけれど、偶然か必然か、彼らは先達が遺したものを引き継いで、彼らの生きた証を体現し、後悔や未練を晴らす役割を担ってるんですよね。でも、彼ら自身はそれを知らないことで、重荷として背負う形にはなってないのがいいんですよね。自然と、次代を担っている。それに、彼らが強く生きることそのものが、先達たちにとっての報いになってるわけですしね。
そして、秋月刑事は過去と今とをつなぐ橋渡しとなり、同時に今の誠一たちを見守る存在になっている。きっと彼女は前の時代では主人公の助手として働きながら、仄かな想いを抱いていたサブヒロイン的な立ち位置に居たと思うんですよね。それが、今は若い少年少女を助けて見守る立場になっている。それが何か今現在が確かに未来へと続いている事を過去から証明している生き証人、みたいな感じで何気に重要なキーパーソンとして機能してるのではないだろうか。
何にせよ、こうした受け継がれていく意思、というタイプの話はやっぱり好きなんですよね。そして、それを前面に出さずにひっそりと土台の基礎部分として沈黙しているところも。こうしたところも、この作品の厚みのある雰囲気に良く影響してるんだろうなあ。

非常に質の高い良作でした。次回以降もこれは大いに期待。
 
12月3日

(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


Amazon B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W
12月2日

(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(Kラノベブックス)
Amazon Kindle B☆W


(早川書房)
Amazon Kindle B☆W

12月1日

(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(HJコミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月30日

(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


Kindle B☆W

11月29日

(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ファミ通文庫)
Amazon Kindle B☆W


(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W

11月28日

(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月27日

(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月26日

(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月25日

Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(KADOKAWA)
Amazon Kindle B☆W

11月22日

(MFC)
Amazon Kindle B☆W


(MFC)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス フラッパーシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスpixiv)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月20日

Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(GCN文庫)
Amazon Kindle B☆W

11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月18日

(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガブックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングチャンピオン烈コミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月17日

(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W

11月16日

(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W

11月15日

(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(Gファンタジーコミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月12日

(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(宝島社)
Amazon Kindle B☆W


(星海社COMICS)
Amazon Kindle B☆W


(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スター コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(メテオCOMICS)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス(月刊アクション))
Amazon Kindle B☆W

11月10日

(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W

11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索