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北元あきの

魔術の流儀の血風録(ノワール・ルージュ) ★★★★   



【魔術の流儀の血風録(ノワール・ルージュ)】 北元あきの/POKImari 講談社ラノベ文庫

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Kindle B☆W

戦争末期の壮大な魔術実験の結果、世界でもっとも魔術師たちが跳梁跋扈する楽園――マギウス・ヘイヴンとなった東京。
その治安を守るために作られた、特別高等魔術警察の警察官――すなわち特高魔術師たちは、魔術師が起こす事件や犯罪に日々立ち向かっている。
特高魔術師のひとり・綾瀬覚馬は、まだ高校生でありながら、〈人斬り覚馬〉の異名をもつ凄腕の魔術師として活動していた。
そんな中、北米系の魔術師ギルドから、アッシュという少女が人材交流としてやってくる。
覚馬やその同僚の少女・穂積たちと、なごやかな日常生活を送るアッシュ。
だが、おりしも街に連続魔術師殺し事件が起きる。
そして、その犯人の姿は、アッシュに酷似していて……!?
ほぼほぼ香港ノワール!!
わかっていて期待してた通りだけど、見事なまでに暗黒小説!
東京は特に大きな組織である三大魔術ギルドに仕切られていて、これがほぼマフィア。特高はいわば小規模の抗争を繰り広げられながら一定の安定を見せている暗黒街の秩序のバランスを取るバランサーであると同時に、三大ギルドの一つである八咫烏から多くの人員を出してもらっている関係で、いわば縄をつけられた組織であり、一方でその首輪から抜け出すのを虎視眈々と狙っている獣でもある。警察とは名ばかりの、この街の第四戦力なのである。
故に、上では恫喝と暴力が飛び交うマフィア特有の「政治」が交わされ、その鉄砲玉として魔術師たちが死命を散らす。まさに、血風録の様相を呈している。
主人公が「人斬り」なんて異名を持って名を知らしめている時点で、お察しなわけですが。
警察モノ書きたかった、ざっくりいうと警察モノです、ってあとがきでは主張してますけれど、警察、警察とは! 新選組とかも広義では警察ですか!?
特別高等魔術警察公安打撃一課とか看板背負って、腰には佩刀、斬り捨て御免で一歩間違えれば街全体を巻き込む大抗争が起こりかねない局面へと文字通り切り込んでいく、とかもうアレじゃないですか。
三大ギルドの幹部と特高の上司が定期的に雀卓囲んで麻雀打つ「麻雀会」とか、ギスギスを通り越して半分殺し合いになりかけの恫喝の応酬が挨拶代わりに繰り広げられてて、ここどこのロアナプラ?って感じで怖いのなんの。
当人だけじゃなく、関係者親族まとめて皆殺し、が当たり前の世界観。隙あらば、或いは筋と命令あらば警官相手だろうと路地裏での闇討ちなど日常茶飯事。それを捌いてこそ一端の公安打撃課。ただし政治的に足切りして遣い潰せるように正式な職員ではなく、実習生扱いというデロデロの使い捨て要員。
殺伐としすぎてて、ワクワクしてきます。
相変わらず、この北元さんの描くノワールっぷりは際立っていて、お肌がピリピリしてきます。
そんな殺伐として、人が人として扱われない世界の中で、主人公たちが何によって立っているのか。なにをして、人間として生きているのか、というのが血の絆なんですよね。
それが、北元作品では毎度のごとく幼馴染との比翼の関係であり、しかし生きるために互いに血塗れも汚れも厭わぬ血みどろの、血盟ともいうべき絆なのであります。
本作は、いわばその血盟を失ってしまった死人と、路地裏に打ち捨てられたゴミ屑でありながら血盟ゆえに人であることを保っているものとの、相容れぬ戦いだったのでしょう。お互いをこの上なく理解し、親しみながら、その一点……生きているか死んでいるかの違いによって袂を分かたれなくてはならなかったものたちの相克。
少々勿体なかったのは、アッシュという少女との関わり方が世界観や主人公やアッシュ自身が立たされてた環境の重さに対して、踏み込みきれずに中途半端になってしまったところですか。
敵さんと覚馬とのつながりに対して、アッシュとのそれは釣り合いが取れていたのか。アッシュを護り助けて、その先へと指針を指し示すのは覚馬のキャラクターからして歪みのないものだったのでしょうけれど、如何せん知り合って仲良くなって友達になって、それ以上のナニカがもう一つ足りていなかった気がします。
これは、覚馬に対しての血盟の対象であるところの、幼馴染の穂積に関してもいささかあるところで。穂積にとっての覚馬と、覚馬にとっての穂積の存在というものは、本人同士の気安い関係とは裏腹の、二人のとっての人間としての証であり核であり芯のようなもので、神聖不可侵なんですよね。
しかし、そうだなー、この二人の関係って先に書いた血盟、には至ってないんですよね。お互いに置かれた立場故に、覚馬は彼女から背を向け、穂積も覚馬に遠慮してしまっている。永遠を誓えるほどにお互いに魅入られながら、本当に唯一無二になることを怖れている。それを認めてしまえば、この業界魔術結社とマフィアの暗部をハイブリッドさせたようなところなので、まず間違いなく血の雨が振り、死ぬまで刺客に追われ続けることになりかねない。その愛を受け取ることは、彼我の一族郎党一切と切り結ぶ、まさに屍山血河を築く覚悟が必要で、それを穂積に歩ませる決意が彼の中にはまだ出来ていない。
そういう血盟以前の段階、瀬戸際でお互い決壊寸前の気持ちを持て余している、という部分を触りだけ垣間見せて、あとアッシュの事件が中心だったので深く穂積の方には容量を取れず、こっちも結局それほど踏み込めず、というところに落ち着いてしまった感じなんですよね。
アクションのキレよし、敵役との哀切と無情が漂う乾いた情念の交接もまた、薄汚れた夜の雰囲気が深々と流れていて、雰囲気の良さはとびっきりだったのですけれど、以前の作品に比べてヒロインとの情感の密度がもうちょい欲しかったなあ、というところでありました。
そういうのは、まさに続編からどんどん深みにハマる形で泥沼に追い込まれていくでしょうから、十分期待し得るところですねえ、いやはや。

北元あきの作品感想

異世界で学ぶ人材業界(リクルート) ★★★★  

異世界で学ぶ人材業界 (講談社ラノベ文庫)

【異世界で学ぶ人材業界(リクルート)】 北元あきの/草田草太 講談社ラノベ文庫

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高校生の少年・神戸秋水は異世界に召喚された――。それも、世界を救う勇者として。だが、召喚プログラムの誤作動により、彼が継承するはずだった勇者の能力は、100人の少女たちに散らばってしまっていた! 秋水が元の世界に帰るには、その少女たちとキスをして勇者の能力を取り戻す必要があるらしい。そして秋水は、彼を召喚した人材コンサルタントの少女・ノアとともに、異世界で人材募集を行うことになる。ターゲットは100人の女勇者――!?
「この業界では無理と書いてチャンスと読む」「嘘つけ!」
「返事は『イエス』か『はい』しかないのよ」「それ同じだからな?」
友情・勝利・圧倒的成長! 異世界キャリアアップファンタジー!
作者の北元あきのさんというとMF文庫Jにて【竜王女は天に舞う】シリーズや【聖黒の龍と火薬の儀式<パウダーキス>】という冒険ファンタジーや現代異能モノ……と、見せかけて裏社会やスパイや工作員、マフィアや暗黒街に情報機関、陰謀暗謀謀略戦に諜報戦、非正規作戦に暗殺謀殺口封じ。汚い仕事ならなんでもござれ、のいわゆる「ノワール」モノを手掛ける旗手でありました。昨今、これだけ社会機構のダークサイドを描ける作家さんってラノベ業界ではほんと見当たらない希少人材だったんですよね。それが、レーベル変わって今度は100人の女勇者を集めてキスするとか、どんな話になるのかと思ったら……。
黒い、これはやっぱり黒いですよ!! 真っ黒けっけもいいところ。同じ黒でも「ノワール」じゃなくて「ブラック」。ブラック業界の話じゃないですかーー!!

異世界に召喚されるのはまあいいでしょう。そこで、やたらめったら無茶ぶりされたり悲惨な境遇に追い詰められたりするケースも散見されます。でも、召喚された先がいきなり借金返済が滞っていて起死回生を目論んでやらかした企画が低予算短納期のデスマーチのあげく見事に失敗して(勇者召喚のプログラムバグ)、肝心のプログラマーは遁走。ちなみに企画のクライアントはこの国の最高権力者で、借金してる先は犯罪結社紛いの闇金、という零細人材コンサルタント会社だった、というのは数ある召喚事故の中でも最高ランクにあげられる事案じゃないでしょうか。
異世界に召喚されたらブラック企業で働かざるを得なかった(逃走不可)……とか、どんだけですかぃ。

いやうん、本作は決してブラックな業界のブラックっぷりを笑わそうとしてドン引きしてしまうような内容ではなく、ヒロインのノアの人材コンサルタントという仕事に対する想いの強さ、人と人とを結びつける仕事に対する夢や希望、その素晴らしさに賭ける力強い熱意、そんな姿に主人公が感化されていくという実に前向きな話なんですよ、多分。とても大変な仕事だけれど、とてもやりがいがあって楽しい仕事なんだ、という内容なんですよ……多分。

……すまん、無理だ。仕事失敗したら、借金で首が回らなくなって泡風呂の沈められるか内臓裁かれる瀬戸際の境遇を日常的に背負いながら、仕事楽しいですよ、やりがいありますよ、お金とかイラないですよ、とか笑って言えるほどレベル高くなれない、無理!!
案件が競合した相手から、事務所に投石やら事務所荒らしやら挙句に誘拐監禁されて非合法の暗部な部署と鉛弾の応酬しないといけない仕事で、いやあやりがいあって楽しいですっ♪って言えないから、無理だから! 大変、ってレベルじゃねえ!!

だいたいさ、召喚先で出会ったヒロインが美人なはずなんだけれど、過労で十代のはずが随分と年嵩に見えるまでくたびれてみえるとか、下着3日変えなくても平気とか、仕事出来るならお金とかいらないです、とか大丈夫じゃないよね、だいぶダメだよね!?
仕事が大好きで趣味は仕事、人生は仕事、寝ても覚めても仕事仕事。仕事ラブ! って、もう末期的なワーカーホリックじゃないですかー。
おおう……(顔を覆う)。

まあね、うん。こういう仕事命な人が一定以上いるからこそ、社会だの経済だの業界だのってのは成長していけるんですよね。こういう人たちだからこそ、動かないはずのものを牽引していけるんでしょう。増してや、ノアって子は冷徹で情なんて欠片もない無残で残酷な現実ってやつに、絶望すること無く夢を見続けている。自分の仕事に誇りを持って、自分が成すことに意義があり、誰かに何か大切なものを届けることが出来る、幸せをもたらすことが出来ると信じている。その胸にたぎらせる炎を絶やすことなく、熱量を減じることなく、信じて、突き進んでいけている子なわけです。そんな子を貶すことなんて出来ないし、蔑むなんて以ての外。その姿勢を賞賛し、褒め称え、額縁に入れて飾るべきでしょう。
ただし、その価値観は同類項にだけ限定してくれ。
それを当たり前だと勘違いして人に押し付けだすと、見事にブラック企業の誕生である。普通は無理なの、そのレベルは余人では軽くぶっ壊れるの。心も体も破綻するの。
このノアという子は、見事に自分のそれが特別ではなく常識だと思ってるみたいなんだよなあ。それは、最初に就職した企業の教育方針が見事に根付いちゃってるからなんでしょうけれど。
その意味では、召喚した神戸秋水くんは見事にあたりだったわけだ。どれだけ追い込んでも壊れないどころか、叩けば叩くほどより強力になって成長していく、その上ノアの理念と熱意に共感し同調し親和してしまう全く似たような人種だったわけで。
お互い、足りないところを補い合えるマッチングだったんですよね。ノアって、あれだけ土壇場の交渉苦手にしてて、よくこれまでやってこれたなあ、とちと感心してしまう。
てか、秋水だってあんた高校生のくせに、ネゴシエーションがえげつない上に場当たりもいいところで、営業的交渉法というよりも、四方八方から銃口を突きつけられながら掛け金そのものを釣り上げだまくらかしながらやる、アレな方の交渉法っぽいんですよねえ。香港の黒社会とかの出身ですか!?
……でさあ、企画が通ってクライアントから用意された準備金を、右から左で全部借金の返済にあてて、資金ゼロから企画スタートって、自転車操業どころじゃないんじゃないですかね!?

夢も希望もあるけれど、それはキラキラ輝いてるけれど、果てしなく黒く輝くブラックな星ですねぇ、これって。
異世界のリクルート業界が怖すぎるww

女勇者とか、欠片も出ませんでした、うん。いや、欠片は出てるんですけどね、キスとか100人の女の子が云々、なんてキャラルンとした雰囲気や萌え萌えーという和やかさは欠片もなく、実に殺伐とした良い話でした。いい具合に心が荒みます、実に滑らかに神経がヤスリに掛けられます。なんて素敵なお仕事でしょう、うわははは、は。

しかし、やっぱりあのドゥーハンさんって、ノアの過去語りに出てきた人材コンサルタントなんでしょうねえ。彼女の憧れであり目標であり、彼女をこの仕事に導くことになった人物の成れの果てを前に、あれだけ毅然と自分の生き様を揺るがさないノアは、やっぱり凄いわ。こればっかりは素直に感心する。もう後戻りできないまでに固まっちゃってる、とも言えるんだろうけれど。
妥協も出来ず諦めることも出来ない、というのは実に破滅的であるんですよね。北元さんの描くヒロインの魅力というのは、どの作品でもまずもって「破滅的なまでに一途」「一途さ故に破滅することを厭わない」というところにあるので、ノアもまた種類は違うとはいえこの系譜なんだなあ。
うむ、面白かった。

北元あきの作品感想

聖黒の龍と火薬の儀式<パウダーキス> 2 4   

聖黒の龍と火薬の儀式<パウダーキス>2 (MF文庫J)

【聖黒の龍と火薬の儀式<パウダーキス> 2】 北元あきの/しらび  MF文庫J

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アンティークハンターの圭は姉の明からアイリスという少女の保護を頼まれる。スパイとして〈博物館〉に潜入していたが露見して追われる身だというアイリスは明から「圭に妹として可愛がってもらいなさい」と吹き込まれていたらしく、圭に密着してくる。圭は契約する銃のアンティークのヴィクトリアとの間に挟まれ、また悩みの種が増えたと嘆息する。同じころ、燈子は〈博物館〉との交渉の席で自らの命を対価とする取引に臨んでいた。その取引条件が「アイリスの引渡し」と知った圭は――!?
絢爛・猥雑入り乱れる街を疾走する魔法×銃のファイア・アクション第二弾!!
前作の【竜王女は天に舞う】でもそうだったのだけれど、北元さんの作品のノワール小説としての濃厚さはハッキリ言ってライトノベルの中では別格である。この裏社会の描き方、組織への忠誠と裏切り、個人の欲望、野心の相克の容赦の無い苛酷さ、苛烈さに関しては他の追随を許さない。辛うじて、ニトロプラスのノベライズ系統が並走するくらいか。
そして、死を与えまた与えられる生命が果てしなく軽く、組織への忠誠や生き様に対する信念がこの上なく重い黒く暗く闇深い汚泥のような世界観であるからこそ、何もかもを投げ打ち放り捨ててもなお貫く「愛」が輝くのだ。
命懸けの愛、身も心も髪の毛一本まで爪の先まで捧げ尽くす愛、世界を敵に回しても……これらのフレーズはただそれだけではひどく陳腐だ。しかし、その覚悟の背景にあるのが裏社会のマフィアや犯罪結社、国家の暗部である秘密機関だったりすると、一気に迫真性が変わってくる。殺し殺される組織同士の抗争が当たり前に繰り広げられる、どころか身内同士ですら寝首を掻かれる事を前提に立ち回らなければならない組織の中で、幹部にまで成り上がりながら、彼女は傲然と胸を張り、高らかにこう言い放つのだ。
「組織? 勘違いしてもらっては困るわ」
 橙子は鋭い眼光のままでにっこりと笑った。
「そんなもの、わたしの知ったことか」
痺れた、震え上がった。これ以上、苛烈で深く一途な愛情があるだろうか。彼女の生きる目的、いや生き様すべてがたった一人の男へと捧げ尽くされているのだ。彼のために生き、彼のために死ぬために、この少女はそれまでの人生を生きてきた。ただその為に、<商会>と呼ばれる組織の幹部へと駆け上がってきたのだ。
私は本当に、こういう女性に弱い。べた惚れ、と言っていいくらいに魅了されてしまうのだ。【月花の歌姫と魔技の王】のマーリア然り、【天川天音の否定公式】の長月瑛子然り。その強さを、輝きを、たった一人のために使い尽くす覚悟を胸に秘めた女性に、魂を引っ張られる。
そして、その覚悟は決して一方通行ではない。女性側から尽くされる献身と変わらぬだけの全霊を賭けた献身を、男性側からも捧げられる。そんな本当の意味で「世界を敵に回しても」決して後悔しないだろう絶対不可侵の男と女の関係。この作品においては、それは「鉄血の絆」と称される。
 地獄を寄り添って生きてきた二人の間には、血よりも濃い絆がある。
 特別なのだ。命を懸けることなど造作もない。

 そう、その関係は決して一方的であってはいけないのだ。それは絆ではない。与えられるだけの愛は、イビツでしかない。雨宮橙子は圭への愛に、深く深く沈んでしまっていたと言ってイイ。地獄の釜の底のようだった香港で生きるために。武器を手に取り、血を流す事も厭わず、圭の盾となり矛となり。見返りは求めない、彼のためにはなんだってする。尽くすという言葉では足りないくらいに。
その覚悟が、決意が、愛情が、圭の心を傷つけ、己を傷つけてしまう事になることもわからずに。


この物語を読むまで自分は、恋する気持ちが熟成され、愛という想いに昇華するものなのだと思っていた。それが正しい関係の発展なのだと、そんな常識に囚われて疑わなかった。でも、そうじゃない。そうとは限らない。

愛が恋へと昇華することもあるのだ。

雨宮橙子は、愛した男に恋をする。与えただけの想いを、求めても良いのだと、少女はようやく理解したのだ。雨宮橙子と朝霧圭の血よりも濃い鉄の絆は、そうして愛を経て恋へと至る。

これは、ドス黒い硝煙の香り芳しき、鉄血のラブストーリーである。


1巻感想

聖黒の龍と火薬の儀式<パウダーキス> 4   

聖黒の龍と火薬の儀式<パウダーキス> (MF文庫J)

【聖黒の龍と火薬の儀式<パウダーキス>】 北元あきの/しらび  MF文庫J

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精霊に呪われ龍化に蝕まれる魔法使いの朝霧圭は解呪の手掛かりを求め、魂を宿して異能を放つ“アンティーク”を回収するハンターとしてアジア各地を駆けていた。学園都市に戻った圭はある日、常に人の姿を保つ特異なアンティークである金髪の少女ヴィクトリアと同棲することになる。圭の龍化は、ヴィクトリアから定期的にマギを吸われることで抑止された。その方法は…キス!?そして同時に、手段を選ばないコレクターたちから狙われ続けるレア・アンティークのヴィクトリアを守るため、圭の命がけの戦いがはじまる―!
魔法×銃のファイア・アクション開幕!!
ファンタジーでありながら、闇社会を題材にしたノワール的雰囲気が色濃かった【竜王女は天に舞う】シリーズの北元さん、久々の新シリーズ。前作、すんごい好きだったのですけれど、完結以降しばらく音沙汰なかったんで心配していたので、新シリーズ開幕の報にはキャッキャと躍り上がったものです。どうやら本職の方が忙しかったようですが、また書いてくれて嬉しい限り。そして、案の定というか期待通りというべきか、今度は舞台を現代に移しながらも魔法と銃という要素は健在な上に、またぞろノワールなダーティーな作品の空気も相変わらずで、待ってました。しかも、組織的には幇としか言えない香港マフィアがバックについていて、完全にノワールスタイルであります、美味しい!!
そして、ヒロインの片割れとなる幼馴染が、この幇の血族幹部であり、これがまた汚れ仕事も辞さない真っ黒ヒロインなのであります。まあ、主人公もダーティーな仕事を厭わないプロフェッショナルなので、いい意味で殺伐としたお話なのです。メインヒロインは、マスケット銃のアンティークであるヴィクトリアなのですが、個人的には今のところ幼馴染の雨宮燈子の方が好みドストライクなんですよねえ。この娘、日本の特地を責任者として任されているだけあって、非常に黒いのですけれど、その黒さは本来のものではなくてあくまで幼馴染の圭を守り味方する為に自らの意思で鎧ったものであり、冷酷さも必要だから身につけているだけで、本来は決して他人を無闇に陥れたり傷つけて喜ぶような質ではないのです。むしろ、メンタル的には普通の女の子寄りだと言ってもいい。
こういう娘が、ただ幼馴染の見方をするためだけに覚悟完了させて香港マフィアの中でのし上がり、黒社会にどっぷり足を突っ込んで地位を固めているのである。逆に言うと、地位も立場もこの娘は圭の為揃えたものであり、それ以外に何の価値も見出していない、とも見て取れるんですよね。怖いですよ、こういう一途で大切なもののためにはそれ以外は何でも投げ打てる、というタイプの娘は。それこそ何でもできるしやってのける、という冷厳にして火傷しそうな熱を内包している苛烈さがうかがい知れる。その一途さはちょっとヤンデレの卦も伺えそうですけれど、感情に引きずられて行動を決める傾向があるヤンデレと違って、こういう覚悟完了している娘は、あくまで冷静な意志と理性を以って狂気を肯定しコントロールしているので、恐ろしさの意味合いが段違いです。この娘は、感情任せではなく理性的に冷静に冷徹な判断として、圭の為なら他のすべてを切り捨てて世界を敵に回せるのですから。
ただ、雨宮燈子の場合は恋愛感情優先ではなく、あくまで朝霧圭の味方をし彼を守る、ということを最優先にしているので、その意味では彼の周りにヴィクトリアみたいなお邪魔虫が侍るようになっても、彼女が圭にとって有為であり助けになる存在であれば、どれだけ女の子として不本意でも許容せざるを得ない、というのが可哀想なところなんですよね。
圭は、化物として扱われ孤立する自分の世界でただ一人の絶対的な味方になってくれて、人生と良心と魂そのものを費やし捧げてくれている人について、もうちょっと考えるがよろしいよ。いや、対価として彼自身も当然のように彼女の絶対的な味方として振る舞おうとしているけれど、燈子が求めているものとはちとズレている事について、まあ気づけというのも難しいのか。
燈子ってそりゃ当然のように見返りとして女の子の幸せとして圭の心を欲しているんだけれど、そんな本音のさらに深層を突き詰めてみると、究極的には見返りなんぞ要らないという凄まじい献身の影がうかがい知れるんですよね。しかし同時に、生々しいまでの圭の全てを手に入れたいという飢餓感も感じれる。
怜悧な中に内包する狂熱、強烈な欲望の中に垣間みえる徹底した無私たる奉侍。ある意味純真でまっさらなヴィクトリアとは対照的な複雑にしてとぐろを巻くような内面は、ノワールヒロインとしてはまったくもって美味しいキャラクターなんじゃないでしょうか。これを簡単に報われない系幼馴染ヒロインと侮ってはいけませんぜ、へへ。
ほぼオーラスで燈子について語るのみで、作品の内容についての感想を一切書いていない気もするが、後悔も反省もしない!!

北元あきの作品感想

竜王女は天に舞う 5.Toy Box 〜latter part〜4   

竜王女は天に舞う5 (MF文庫J)

【竜王女は天に舞う 5.Toy Box 〜latter part〜】 北元あきの/近衛乙嗣 MF文庫J

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ヒューゴとエリーゼを相手に公共安全委員会庁舎で一戦交えたあと、ルノアとリラは気を失ったシグを連れて地下水路に逃げ込んだ。意識を取り戻したシグの提案により、公安委員と対立する組織である、〈竜の箱庭〉の大図書館に逃げ込むことにした三人。だが、シグが追っ手に捕らえられてしまい……。竜王女たちそれぞれの想いはどこに届くのか? そして、リンドブルムの叡智をめぐる戦い・ヴァルハラ舞踏会の結末は!? 交錯する魔術と陰謀と恋心は、加速する運命に導かれ、やがて収束の時を迎える――。どこまでも続く蒼色の空に描かれる蒼天世界ファンタジー、クライマックスの第5弾!
ジャンプの一部完的な完結編、と作者が自分で銘打っているように、これは打ち切り食らったのかなあ。勿体無い勿体無い。
MF文庫どころか、ライトノベル界隈でも珍しいくらいハードな諜報戦、ポリティカルスリラーかロマン・ノワールかといった風情の舞台環境が見所であり、魅力でもあった作品なんですが、それが逆にネックになってしまったのかなあ。いやしかし、それでも五巻まで続いたということはそれなりに自分みたいなファンは付いていたと思うんだが。

と、無念の愚痴はさておいて、最終巻である。暗躍するザウエルの掌で躍らされるように、竜の箱庭に集った残る竜王女たち。総じてぶつかり合うのは、思想でも信念でも正義でも欲望でもなく、男達の情念であり女たちの愛なのでした。愛を見失ってしまったクロイツェル。愛されず良いように利用されることを受け入れ女でありながら狗になったレニ。二人の女の末路はただただ哀れだ。何よりも大切な者を見つけながら、それを認められず自ら愛する者の手を離してしまったクロイツェル。彼女にはもう後悔しかなく、孤独でしか無く、死に場所を間違えた彼女はどれほど強者だったとしても、ただの迷った亡霊に過ぎなかった。レニはもっと酷い。彼女の生き様は、正体が知れれば目を覆わんばかりの無残で惨めで虚しいシロモノだった。でも、そんな愛し方でしか、彼女はもう人間で居られなかったのだろうな。矛盾しているが、彼女は狗で在ることでしか女で居られなかったのだ。狗ですらなくなってしまえば、彼女には本当に何も残らなかったのだろう。それほど、17歳の少女だった彼女を襲った諜報の闇は酷かったのだ。
そんな彼女にとって、ルノアやリラは。いや、女としてまっすぐに男を愛し、男からも愛される女たちは憎悪の対象だったのかもしれない。だからこそ、誰よりも愛することに真剣で、愛する人と生きて死ぬことに貪欲で、怯まず逃げずにまっすぐ進むリラに対して、彼女は犬ではなく女になってしまったのかもしれないなあ。哀れな話だ。
そう考えると、リラの強みってのは竜王女としての魔弾の能力云々じゃなくて、まず何よりその喧しいくらい直向きで賢明な恋心そのものだったんだろう。いつだって、リラはその強い想いが困難や絶体絶命の危機を打ち払ってきたのだから。さらに言えば、ルノアとシグの関係だってリラに煽られ後押しされたきらいがある。リラが居なければ、もしかしたらルノアとシグの関係はクロイツェルとグスタフのどうしようもなくすれ違ってしまったそれと似た道を辿っていたのかもしれない。
かと言って、お互い気持ちが通じ合い、求め合い、大切に思いあい、唯一絶対の関係になれたとしても、それがそのままハッピーエンドとはいかないのは、ヒューゴーとエリーゼの顛末がまた示している。現実は、敗者に対して常に残酷だ。二人の結末は、それぞれ本望というにはあまりにも過酷で、残酷で、突き放されたものだった。このへんの容赦の無さは、痺れますわ
とまあ、相当にシビアでダークでスリラー極まる展開が繰り広げられる最終巻ですけれど、そんな中でシグとルノアとリラのデレっぷりときたら、この三人もう末期だろう、おい。〈竜の箱庭〉に追われていつ離れ離れになってもおかしくない、殺されてもおかしくないというもうこの瞬間が最後かもしれない、という極限状態が続いたというのも作用したのか、ルノアとリラはもうホントにデレっぱなし。君ら、殺し合いの真っ最中に参ってんじゃないですよ。もう、ふたりとも可愛すぎるッ!!
さらに、シグの方も同じく極限状態でリミッター外れたのか、二人に煽られテンションあがってたのか、こっちも照れも何も吹き飛んで、自分の気持を繕わなくなってたもんなあ。
でもまあ、こんな終わり方もありですよ。よかったですよ。少なくとも、ルノアとリラが殺し合うハメにはならなかったわけですしね。二人がお互いのことを、好きだから殺したくない、と言ってくれたのは嬉しかったですし。何だかんだと良いトリオになってましたからね。
ってか、表紙が色々な意味で凶悪すぎるんですが。ベッドで裸ワイシャツのルノアとリラが恥ずかしそうに待ってる、というこの構図。ええいっ、好きなだけイチャイチャするがよろしいわっ! 望めるなら、そんなイチャイチャを描いた短篇なんか読みたいなあ。

打ち切りは残念でしたけど、自分好みの良作でした。次回作にも期待しております。

シリーズ感想

竜王女は天に舞う 4.ToyBox 〜first part〜4   

竜王女は天に舞う 4 (MF文庫J)

【竜王女は天に舞う 4.ToyBox 〜first part〜】 北元あきの/近衛乙嗣 MF文庫J

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シグを本心から認めたルノアは、ちょっとだけ可愛らしさを増した。危機感をつのらせたリラは「あたしもシグが好き」とルノアに宣戦布告。お互いに竜王女である以上、いずれはどちらかが消滅する。そのときまで恋に生きる決意だった。一方、シグたちは連続魔術士殺害事件の犯人を追う任務につく。犯人はクルツ派一刀流の使い手であることが浮上するが、それを理由にルノアが拘束されることになってしまう。誰かが竜王女を手に入れようとしていることに気づき、シグは全面的に立ち向かうことを選ぶ。愛する人のために、あるいは野心のために――様々な思いが交錯する〈ヴァルハラ舞踏会〉で、加速する恋心は勝利を導くか!? 蒼天ファンタジー第4弾!

黒いっ、もう目茶苦茶に黒い。薄汚さが真っ黒すぎて、もはやエグい!! 
元々、情報機関同士の謀略戦がメインの話だっただけに、権力と情報力と暴力によって利用し利用され、誰が味方で誰が敵かすらもわからないような暗闘が繰り広げられていたのだけれど、此処に来て今までのお話ですらまだ生温い、凄まじいまでのダークな展開が奈落のように広がっていく。
レニ・ルクセンブルク。この女、洒落にならんわ。恐らくそのキャラクターモデルは、あの【ブラック・ラグーン】のバラライカが元なんだろうけど、今となってはまるで性質が違っている事がよくわかった。思い知らされた。非情にして冷酷、その上で悪辣にして奸智に長け、目的のためには如何なる手段も問わない。義理も人情も通じない、規律や思想ですら彼女に取っては道具に過ぎない。それで、彼女が単なる目的を達成するための機械人形のような、氷のような精神と鋼のような魂を持っているようなタイプの女性だったなら、まだ良かった。まだ良かったんだ。
【鳴かない雌犬】とは良く言ったものだわ。
敵に回せば地獄、味方となれば悪夢。関わることそのものが絶望。正直、ここまで本気で怖い女はろくにお目にかかった事がない。マジやばいっすよ、このヒト。
こんな女に見込まれてしまったルッツは、ご愁傷さまとしか言えない。どうやら彼のシグへの友情は本物のようだっただけに、尚更辛い。
人にはね、二種類の生き方しかないのよ、ルッツ。
誰かに飼われるか、嫌がって野垂れ死ぬか。

ルッツには友情よりも優先しなければならない事がある。なにより、彼は自分が誰にも飼われず、野垂れ死ぬ事もなく生きることの出来るような人間ではないことを、苦味と共に悟っていた。そんな彼が、もしかして誰にも縛られず自由に生きる事が出来るのではないか、と見込んでいたのが、だからこそ好きだったと呟いたのが、主人公のシグだった。
これまでも、微妙に違和感はあったんですよね。竜の箱庭の生徒とは言え、公安の裏方仕事に言い様に使われている主人公が。決して飼われていることに不平や不満を述べたり、任務に拒否反応を示したりしていたわけじゃなく、ろくでもない汚れ仕事に顔をしかめながらもやるべき事はきっちりやっていたんですよね、シグは。でも、似合わないとはやっぱり感じていたんですよ。シグという人間は、鎖に繋がれ黙々と汚れ仕事に勤しむような人間ではない、と。
だから、彼がルノアの身柄を押さえられて組織の犬であることを強いられようとしたとき、本当にあっさりと、迷う素振りすら見せずに叛旗を翻した時は、まさに意を得たり、という心地になったんですよね。窮屈な鳥かごの中で大人しくしていた猛禽が、ついに広々とした空に羽ばたいて、伸び上がるように翼を広げたような開放感と痛快感が。
そう、やっぱりこの主人公シグ・ヘルケンスには自由がよく似合う。自分の意志で、自分の思うとおりに誰にも縛られず、自分の好きな方へと突き進んでいく姿が。そして、今の彼にはルノアとリアという翼がある。すべてを捨てて、彼女たちと共に舞踏会を踊る事を選んだシグは、眩しいくらいにかっこ良かった。
そして、彼のために生きて、死ぬことを選んだルノアとリアも。いい女ですよ、二人とも。彼女たちもまた、自分を押し殺した男よりも、自由な男の傍に寄り添うのがよく似合う。二人とも、いつか竜王女としての宿命として、どちらかが死ななけれならないことを理解して、その上でそのいつかが訪れる日まで、シグと生きるのだと決意している。本来なら殺し合う敵同士にも関わらず、いつかどちらかが殺されなければならないにも関わらず、ルノアとリアは恋敵としていがみ合い争うのではなく、恋敵としてその時が来るまで張り合い競り合い真っ向から勝負しながら共に生きるのだという友情によって結びついている。その腹の据わった、切なくも清々しい恋の生き様には心の底から惚れそうです。
シャルロッテには可哀想だけれど、リアが言うように役割が違ったんだろうなあ。
バッカねえ、泣いてんじゃないわよシャルロッテ。
あんたは幸せよ。シグが帰ってこれるところがあんただもの。どれだけ遠くにいってもね。人生さ、誰にだって役割がある。あんたはそういう役割。あたしはこういう役割。恨みっこなしよ
自分の思いに開き直って素直になった後のリアの言葉は、嫌味や負の感情がなくって、勝気で言葉の調子はきついのに清々しいくらいで気持ちいいものばかり。可愛らしい事も、自分の身も心もまるごと預けてくれるような大事な言葉も、もう迷わず怖じ気ずにどんどん叩きつけてくるものだから、圧倒されるやらニヤニヤさせられるやら。もう可愛いなあッ!
そして、もう一人のヒロインであるルノアもまた、あらすじで可愛くなった、と言われてるように、もうデレてデレて、ちょっと可愛くなったって、ちょっとどころじゃないでしょうに。もうメロメロじゃないですかっ。最初の頃はツンデレじゃなくて、本気でシグのことを認めておらず未熟者とものたらなそうに付き合ってくれていただけに、このデレっぷりには悶えるしかありません。ちょっとした仕草や反応がやたらめったら女の子らしくなったもんなあ。こちらを伺うような仕草や、フッと距離感が男女のものになる瞬間を彼女の方から意図的に構築してきたり、もう可愛いったらありゃしない。
一緒に生きて、一緒に死ぬには最高の女ですよ、二人とも。シグも、最終的にどちらを選ぶかはともかく、ルノアとリア、この二人の女と最後まで走り抜けることをとうとう決意したわけですし、他の残る竜王女たちが一気に表舞台に現れだしたこともあり、物語は最高潮に盛り上がってきましたよっ。

シリーズ感想

竜王女は天に舞う 3.White Cage4   

竜王女は天に舞う3 White Cage (MF文庫 J き 3-3)

【竜王女は天に舞う 3.White Cage】 北元あきの/近衛乙嗣 MF文庫J

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ひゃああ、汚い汚い、薄汚い。ついさっきまで殺し合ってた相手と上からの命令で目的達成まで共闘、達成後は即座に再び敵対とか、これって、潔癖で正義感の強い主人公なら、何度ぶち切れても足りないくらい薄汚い裏取引の横行だ。面白いのは、主人公のシグを含めて敵味方彼我を問わず、倫理や正義、真っ当なルールや感情面を完全に無視した薄汚い取引の類を、完全に割りきって受け入れているところなんですよね。多かれ少なかれ全員が裏社会に属する人間なんだからだろうけれど、このきっぱりした割り切り方はいっそ清々しいくらい。
この作品の一番特異で個性的なのは、世界観よりもむしろこの社会の暗部を遊び場にしている裏の組織によるイリーガルな攻防の仄暗さなんじゃないだろうか。舞台こそ一応ファンタジーだけど、やってることは情報部や公安組織といった暗部による暗闘と非正規戦だもんなあ。
それでいて、ハードボイルドに固まりきっていないバランス感覚は大したものである。シグたちの学生という、まだ組織の犬に成り切っていない立場が辛うじて彼らから陰を感じさせない要素になっているのかもしれない。
もっとも、ルッツなどかなりレニ先生によって絡め取られてきているけど。でもあの男、相当にしたたかだから、早々安易に犬に成り下がることもなさそうだけど。いや、それこそがレニをして公安に向いていると言わせる所以なのかも知れない。
ただ、彼の本性が本当に公安向きだったのだとすると、第一巻のあのシーンで彼がザウエルにつかずに、シグの味方についたのは単なる友情と考えていたら痛い目を見るのかも知れないなあ。状況を考えればシグの味方をするのは絶望的だったかもしれないけど、単なる状況の不利有利で属する組織を裏切る危険性を鑑みたのだとしたら、もしシグが今後、竜の箱庭を裏切るはめになった場合、その時もシグの味方をしてくれるかというと、楽観は禁物かもしれない。もっとも、便宜を計ってくれるくらいには友情に厚い男ではありそうだけど。まあ、その便宜にも色々としたたかな計算が挟まっていそうだけど。でも、友情も立場も蔑ろにしない相手というのは頼みになりますよ?

とまあ、ザウエル先生が裏切り、公安直属の裏仕事専門と言っていいルクセンブルク教室に移籍して以降、前にもましてイリーガルな作戦に駆り出されることになったシグたち。当然、竜の箱庭の学生ではないルノアとリラも付いてくることになるのだけれど、作戦地域に舞踏会の棺があるため現地に赴きたいルノアと違って、リラは完全にシグのため、彼の役に立ちたいため、なんですよね。この子の恋心は一途で健気なんだよなあ。シャルロッテも、リラとルノアの存在に元々踏み外しかけてた幼なじみという関係を踏み越えて、果敢に攻めてくるしで、恋模様も波乱気味に。
これに対して、シグはというと腰が引けちゃってるんですよねー。ヘタレと言えば、ヘタレとしか言いようがない。はっきりと好きだと告白されて、答えを保留せざるを得ないというのは。
リラがそのへんの男心というか胸中に敏感だったのが意外。人と特別な関係になることを恐れて、一番深いところで他人と一線を引きたがるシグの深層心理をぐさりと抉ったあとで、労るように癒すように、でも攻撃的に自分を貴方の特別にしてみせる、という宣戦布告。そりゃあ魅力的だよ。
でも、今回の話に関しては全くもってルノアのターン。彼女の失われた記憶と過去、シグの前のパートナーと、前の彼女を殺害した因縁の相手との対決。それは、必然的に今代のパートナーであるシグとルノアの絆を試し、その関係を一歩推し進める形となる。
失われた記憶の底に沈んでいた敬愛する前のパートナーとシグをどうしても比べてしまっていた自分に気づき、因縁の敵との対決を通じてシグの良さを認め受け入れ、そして心囚われていくルノア。実際、ここでのシグは男前で、悪い怪物からお姫様を身も心も救い出す、ちょっと強引なくらいのワイルドな王子様なんですよね。もう既に、前からシグのイイ所、かっこいい所は分かっていたルノア。どうしても認めることが出来ずにいた彼女からその枷を取り払ったら……そりゃあ、惚れるわなあ。
というわけで、ついにルノアもシグ争奪戦に名乗りを上げてしまいましたよ。
この女の子たちの大したところは、自分の気持に気づいたらそれをうちにも外にも隠さず誤魔化さず、即断即決で率直にシグに伝えているところなんですよね。
恋する女はかっこいいなあ。
一方でシグの方も、告白に対して答えを出せないヘタレではあるんですが、八方美人とか優柔不断って感じではないんですよね。むしろ、三人ともキープ! という妙に積極的とすら思える気概があって、こいつ何気に大物なんじゃないかという……(笑


しかし、今回の敵から放たれた不吉な予言は、既にシグたちの血塗られた未来を決定づけてしまっている。シグも薄々は気づいているんですよね。舞踏会が進めば、いずれ自分がルノアかリラのどちらかを選ばなければならないことを。まあ、シグがどちらかを殺す決断を出来るはずがないのですが、そしてルノアもリラも何だかんだと仲がいいので、今更お互いに殺しあうことは恋敵としてもするはずがないのですが……彼女らの想いが我欲よりもむしろ献身にあることを思うと、残酷な決断を下す時が訪れるのではないかと、今から戦々恐々、ドキドキワクワクでありますよ。
それに、シャルロッテ。この子も果たして今までと同じポディションでいられるのかどうか。あのリラの正体に気づいた敵と、結局最後まで対面することがなかったのは、意味深でもあるんですよね。
あの串刺し令嬢も、どうやら予想通りの存在だったみたいだし、これで7人いる竜王女のうち所在と正体が割れているのは三人。まだ四人いるんですよね。新しく登場するにしても何にしても、そろそろ脱落者が出てきてもおかしくなさそう。

1巻 2巻感想

竜王女は天に舞う 2.from the Third Empire4   

竜王女は天に舞う 2 (MF文庫J)

【竜王女は天に舞う 2.from the Third Empire】 北元あきの/近衛乙嗣 MF文庫J

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いやいやいやいや、これはイイんじゃないですか!? 私、好き。これ、なんかメチャクチャ好きだわーーー!

先ず以て、世界観、ひいては魔術士の設定が非常に興味深い。蒼天世界と呼ばれる雲と空しかない世界。人間は宙に浮かんでいる大小の浮遊島に住んでいるのですけれど、地面が浮かんでいると言う覚束無さ。地続きではない島ごとに形成されている都市の独立性。これらが世界観に独特の浮ついた感触を張り付かせているんですよね。周り全部が空の上、というのは否応なく冒険の予感を身近に感じさせてくれるわけです。
それでいて、登場人物たちは冒険心に心を踊らせる暇のあるような無邪気な子供ではないのです。主人公のシグが所属する魔術士養成学校(竜の箱庭)は、学校でありながら非常に軍事色の強い組織であり、独自の諜報組織を有し、何より学生である魔術士の卵たちも戦力として最前線に投入されている。主人公は学生と言う立場ながら、自由を謳歌できるような立場ではなく、限りなく軍人に近いんですよね。しかも、正規の将校というよりも非正規戦に投入されるような工作員、暗殺者というタイプに近い。そもそも、この作品における魔術士は多種多様の魔術を状況に応じて使い分けるようなマネは出来ず、ほぼ単一の魔術を特化して使い、それを剣や銃器で補っている。まあ、端的に言うなら魔術は学術的なものではなく、ほぼ戦闘目的で使用され、魔術士は完全に戦闘要員として養成されている、と言うところか。
何気に、魔術士がこうした工作員、特殊部隊員、暗殺者という方向性で大っぴらに、それこそ学校単位で養成しているような世界観って珍しいんですよね。思いつくのが、あれか。魔術士オーフェンシリーズ。あれはかなり特殊な世界観なんだけれど、魔術士という職業の在り方としてはあの作品に近いかも知れない。
そもそも第一巻で、教室単位、教師が生徒三人を率いて潜入作戦、という時点で相当だったもんなあ。組織間の暗闘、熾烈な諜報戦が繰り広げられ、スパイマスターたちによる白刃を交わし合うような駆け引きが行われ、恐ろしいまでの緊迫感の元に火花を散らしている、という意味ではこの作品、ファンタジーとしては珍しい謀略サスペンスの枠に入るのかも知れない。
今度の担当教師からして、学園の公安の人間だもんなあ。公安警察がある学校ってどんなだよ(笑
当面の敵であると思われる謎の組織<党>も、犯罪集団やカルト集団というよりもあらゆる国家や組織に根をはる諜報組織っぽいし。

とはいえ、主人公のシグをはじめ、シャルロットやルッツたちは実情はどうあれ、学生なのは間違いなく、今度行われる学園祭に向けて、学生らしいあれやこれやにも励んでいるわけで。
前回で揃った三人のヒロイン。シグと契約してしまった竜王女ルノアに、歌姫リラ、そして幼馴染のシャルロット。二巻で慌てて新ヒロインなど出さず、まずこの三人との関係を進展させるためにじっくりと日常パートに描写を割いたのは大正解だったんじゃないだろうか。なにしろ、前回はルノアとリラ、二人のヒロインとは出会ったばかりでじっくりと親交を深めるまでには至らなかったからなあ。作戦行動中の出会いであった以上、落ち着いてお互いのことを知り合うだのする暇もなく、銃撃爆発剣戟疾走跳躍落下と大忙しだったわけで。まあ、リラとはなんやかんやと交流はあったけど。

ルノアとリラ、元々敵同士として出会い、何よりお互い殺し合わなければならない定めである<ヴァルハラ舞踏会>の竜の化身である彼女たちが、四六時中顔を付き合わせて上手くやれるのかと思ってたら、意外も意外、別に喧嘩もせず普通に仲いいのな。二人とも我が強いから衝突しそうと思ってたんだけれど。まあ、無茶苦茶仲がいい、という程でもないんだけれど、別に他所他所しい態度を取っているわけじゃなく、二人揃ってシグを突っついて遊んでいるのを見る限りでは、気は合っているみたいだし。
とはいえ、一緒に暮らしているうちに、シグを相棒として認めようとしなかったルノアも、段々と彼を信頼し、相棒として認めだしているし、リラも自分にとってシグがどういう存在なのかを学園祭を通じて自覚したみたいだし、進展があった以上はルノアもリラも相手のことを色々な意味で意識しないではいられないだろうなあ。
何にせよ、なんだかんだとシグの事が気になって行くルノアやリラの感情の変化して行く過程がまたいいんだわ。二人とも素直じゃないんだけれど、いざ一人になると、自分のやってしまった行動なんかを振り返って落ち込んだり悩んだり。普段のワガママだったり横柄だったりする態度はどこへやら、なんですよね。悩め悩め乙女たち。悩んでこそ、グルグルと頭の中でめぐらせてこそ、恋は栄えるものなのです。
そんな侭なら無い自分の感情に戸惑い、自問し、決意する、そういうところは、ホントに普通の女の子らしくて、物凄い可愛気があるんですよね。実に男心を擽られる。
こうなると、シャルロットはややも劣勢かも知れない。この娘、積極果敢なわりに肝心なところで自爆するからなあ。だから、そのシモネタはやめれ、というのに(笑
わざとじゃなくて素でシモネタが出てきてしまうアタリは業深い。恋する乙女でそれは、ちょっと致命的なような気がするんだが。
その点、今後はリラが躍進してきそうだなあ。この娘はルノアみたいに不器用でもないし、シャルロットみたいにヘタレでもないし(笑
ワガママであるということは感情をストレートに出すという事でもあり、その上幼馴染のシャルや、パートナーとして信頼関係を築きつつあるルノアたちに比べて、いささか自分とシグには確かなものが何もないというところに焦燥を抱いている節があったから、その分積極的姿勢で行く気配があるんですよね。
一方で肝心のシグはというと、年頃の男の子らしく三人とも魅力的な女の子であることを思い知らされてややもクラクラしつつも、まだ自分のことで手一杯で恋だの何だのは預かり知らぬ、って感じだわなあ。まあシャルはあの通り、勝手に自爆して何やってるか分から無いところがあるし、ルノアとリラは少なくともこの学園祭の始まるまではシグに対してそういう態度は示していなかったわけで、これを鈍感と言うのはちょっと可愛そうですよね。まあ、こっから本格的にルノアやリラが意識しだしてきたら、どう反応するか分からないけど。
この主人公も何だかんだと面白いよなあ。なにしろ、大して強くない(w かと言って弱いわけでも無力な訳でもない。このほどほど感が素晴らしい(笑
それでいて、土壇場での根性が座ってるから、ギリギリの瀬戸際をつま先立ちながら、ちゃんと生き残ってやるべき事をやって見せるんですよね。前回も今回も、明らかに自分より強い相手に勝利して見せている。これって強い云々じゃなくて、いわゆるサバイバビリティが高いヤツなのかもしれない。
なんかこう、普通に男の子ーって感じで、けっこう好感持ってますね、こいつには。

さて、肝心の物語の主題となるであろう<ヴァルハラ舞踏会>に関しては進んでいるのかいないのか。今回新登場だった串刺し令嬢エリーゼも、あれはたぶんそれなんだろうけど、結局その点については触れないままだったしなあ。リラとああなっちまったというのは、物凄い進展と言えば進展なのかも知れないけど。
本来なら<舞踏会>のルール的にダブルブッキングってあり得ないんですよね。あり得ないというよりも、もし二人の竜王女と契約しちゃったら、普通はどちらかをすぐに贄にしてしまうはずなんですよ。なにしろ、契約者は躾の言葉で竜王女の自由を奪えるんだから、どちらか片方の王女にもう一人を殺させれば、すぐに強化できるんだから。まー、両方と仲良くやってこうとするヤツは想定してなかったんだろうなあ。
このへんの設定は、後々かなりエグイことになって返ってきそうな予感もするけど……むふふ。
出来れば、この作品、長期シリーズでじっくりねっとりやって欲しいですね、うん。

一巻感想

竜王女は天に舞う One‐seventh Dragon Princess4   

竜王女は天に舞う―One-seventh Dragon Princess (MF文庫 J) (MF文庫J)

【竜王女は天に舞う One‐seventh Dragon Princess】 北元あきの/近衛乙嗣 MF文庫J

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これはファンタジーとしては非常に強固な土台と骨格で形成された質実剛健な出来栄えの作品ですねえ。基礎部分がしっかしていると、あとで幾らでも手を広げられるからなあ。その点で言えば安易に外装ばかりを今時のテンプレで装ったものに比べて、将来における信頼性で言うならとても堅牢と言える。
もちろんこれ、堅実すぎて地味だと言っている訳じゃない。キャラクターもすぐに下ネタに走る幼馴染に傲岸不遜で律儀モノのお姫様、傍若無人にして自由奔放な歌姫と、ヒロイン陣はツブが揃ってるし、脇を固める陣容も、キレモノで友情に厚い親友と、やる気なさげだけど飛び切り有能なこわもての先生と、隙無く配置されている。こうしたキャラクターの配置と運用、ストーリー展開に基づいた細かい操作性には、非常に細心の注意を払っている様子が随所に伺え、無駄のない脚本にはとても感心させられた。
丹念に練り上げられ、設定として組み込まれた魔術のシステムも、世界観の構築から登場人物それぞれの行動原理や目的、動機、さらには戦闘描写にも極めてロジカルに反映されていて、それがそのまま読み応え、歯ごたえとなって返ってくるのが心地よいくらい。
主人公についても慎重に構築されていて、驚くくらい無能すぎず、特別すぎず、程よく普通に有能な魔術士となっているんですよね。最後まで切り札としてカードを伏せていた能力も、それ単体では特別すごいものじゃなかったもんなあ。
ストーリー展開も無駄なく、とんとんとリズム良く進展し、かと言って直線過ぎず、折を見て急展開、予想もしなかった真相の発覚、と飽きさせる余裕を与えず進んでいくのは、もう巧妙の一言。
続き物として広げる余地を押さえながら、この一冊でやれるだけやってやる、という新人賞を本気でとってやるぞ、という意気込みが、この徹底したロジカルな作り方から透けて見えてきて、思わずニヤニヤ。
普通計算づくの作品だと、あとの発展の余地が見えてこない完璧だけど窮屈というイメージが付きまとうものだけど、これは一冊の完成度と将来性を並列して仕上げている点は、大したものと言ってよいかと。
ただ、多少詰め込みすぎた感はあるかな。ルノアとリラの話を一つの話でやっているので、ルノアがメインヒロインだ! という印象が薄れてしまってるし。最後の展開なんぞ、明らかにリラがメインだもんな。普通だとこれ、リラは第二巻で登場してこの展開、となっててもおかしくないくらいだし。
と、普通の範疇で語るのもつまらないか。話自体は過不足無く、この一冊で見事に広がり収束しているわけだし。
ヴァルハラ舞踏会のルールの盲点を突くようなこの展開も、将来の話の広げ方次第では幾らでも面白くなりそうだ。それに、これは穿った見方だけど、シャルロッテもあれ、幼馴染では収まらん逸材かもですよw
 
12月3日

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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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