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千の魔剣と盾の乙女

千の魔剣と盾の乙女 15 4   

千の魔剣と盾の乙女15 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 15】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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魔王ケンコスの手からエリシアを救いだすも、ロックらの力及ばず、伝説の竜クロウ=クルワッハが永い眠りから目を覚ました。それと呼応するかのように各都市に大型竜たちが出現し、バルトゥータスやニーウらは都市防衛戦を展開する。世界崩壊のときが近づく中、ロックとエリシアは魔剣ホルプとともに最悪の破壊竜クロウ=クルワッハを再び封じることができるのか。ついに完結!
近年においては15巻まで辿り着くような長期シリーズはお目にかかれないので、その意味でも貴重だった本シリーズもこれにて完結。書ききったなあ、うん余すこと無く書くべきこと書きたい事を全部書けた、という達成感が伝わってくる結末でした。残念ながら数巻で幕を閉じざるを得なかった【星図詠のリーナ】の後日談というか本番の話もさり気なくホルプの過去回想で盛り込んでくれたお陰で、何となく欲求不満だったあっちのシリーズもケリをつけてくれたような側面もあって、二重の意味で大満足。どうやら、あとがきによるとロックは当初の作者さんの考えを超えて成長し、自分なりの目的を見つけ、師匠の後追いだった魔王討伐のその先へと突き抜けていったのは、ご覧のとおり。そして、ついにエクストラボスともいうべきクロウ=クルワッハとの決戦に、世界の都市に放たれた竜の眷属たちと、かつて旅の中でロックたちが出会った人たちの戦いが同時展開されて、うん最終決戦に相応しい盛り上がりでした。
このシリーズの一番のピークはやはり王道魔王戦の極地と言えた魔王バロール戦だったと思うのだけれど、本身を現したホルプとともにケンコスの残した妖剣を携え、魔王バロールの力をも借りて、仲間たちと共に滅びの竜と立ち向かう、という文字通りの総力戦はバロール戦に負けぬ大舞台だったと思います。
なんか、ロックとエルシアが盛り上がりすぎて、先走ったというか抜け駆けしてしまった模様ですが。うん、最終決戦前にはありですよね。でも、それなら他の二人にも……。生き残れるかも分からない戦いの前だったのに(苦笑
正直、この展開だとホルプについては色々と諦めてた部分があったので、あの結末はむしろ救いでありました。今生の別れではあっても辛い別れでも哀しい別れでもなく、竜としての正しい在り方の末でありまた「いつか」……ロックとホルプ当人同士ではないにしろ、「いつか」を夢見させてくれる「さようなら」でありましたから。
唯一「えーー」と思ったのは、ヴァル師匠ですけどね。あんたには、弟子と同じくらいの甲斐性を期待したんだがねえw ニーヴ師匠、二年後に帰ってきたというし、そこからの粘り腰の寄り切りを期待するばかりです。
大作、ほんとお疲れ様でした。

シリーズ感想

千の魔剣と盾の乙女 14 3   

千の魔剣と盾の乙女14 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 14】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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ルーの虹を手に入れたロックたち一行は、エリシア救出のため砂漠を越えゴリアスを目指す。いにしえの竜クロウ=クルワッハを目覚めさせて地上を滅ぼさんとする新たな魔王ケンコスは、魔物たちをゴリアスへと集結させていた。数に勝る魔物の大軍に苦戦しながらも、フィル、ナギ、ファーディアの力を借り、いよいよケンコスとの対決を迎えるロック。しかし、ケンコスはかつての魔王バロールと同等の魔力を手にしており、ロックらはかつてない苦戦を強いられることに。ロックたちはケンコスを倒す事ができるのか、そして囚われのエリシアの運命は?!本格魔剣ファンタジー、いよいよクライマックス目前!

ヴァル師匠の頭を、背伸びしてナデナデしてるサーシャがめっちゃ可愛い。サーシャが勇者として魔王討伐に向かった頃はまだ幼い子供だったヴァルが、今や自分よりも年齢も年上で背丈も見上げるような大男になってしまって、性格だって随分と厳ついものになってしまったのですから、彼女ももうちょっと距離感に戸惑うのかと思ったのだけれど、さすが勇者だけあって大物というか、あのヴァル師匠を子供扱いとかさすがだなあ、と。
さすがにメインとは行かないけれど、ヴァルとサーシャとニーウの関係についてもさり気なく進めてくれているので、彼ら三人についてもこのまましっかりと行く末を描いて欲しいですねえ。というか、弟子の方はみんな自力で今の関係を構築していったにも関わらず、師匠の方はというと周りが手取り足取りお膳立てしていて、どれだけ世話かけているんだと笑えてくる。特にニーウについては、周囲の人がしきりに発破かけるわ、わざわざ三人で生きていけるようにわざわざ状況を整えてくれたりと、背中押されっぱなしなんですよね。弟子のエリシアも随分面倒臭かったけれど、彼女はちゃんと自分でロック捕まえたぞ、っと。まあ、甲斐性のあるロックと違って、ヴァル師匠はほんとダメだからなあ(苦笑
紆余曲折を経て、なんとかエリシアを救い出すための宝具を手に入れ、タイムリミットが迫る中彼女の救出に向かうロックたち。ファーディアの愛想の無さがえらく女性陣には不評なのに、それをロックやホルプが宥めたり庇ったりという構図はなんだか面白い。普通は男同士が反発し合い、角を突き合わせて、そこからライバルと言う名の親友になっていくものなんだけれど、この二人の場合対立自体は女性陣そっちのけでふたりきりである程度やっちゃったし、ロックの性格的にファーディアのあのキツい性格はあんまり気にしないタイプだから、女性陣よりも先に受け入れちゃった、というのもあるんだろうけれど。
でも、ファーディアも最初の頃と比べるとだいぶ丸くなったよ、あれでw
焦点であるケンコス戦は、さすがに先の魔王戦は越えられなかったか。そもそも、ケンコスはあくまで魔王の側近であって、王の格ではないんですよね。いや、格が低いというわけでもなく、キャラクターが浅薄というわけでもないのですけれど、あの用意周到で人間のように策を弄する個性は、将としては非常に強敵だし、実際たちの悪さでは先の魔王よりもよっぽどだったかもしれないですけれど、やっぱり「魔王」としては弱いんですよね。
それに、精神的にケンコスはもうロックたちのことを上から傲然と見下ろすのではなく、対等の怨敵と見ているというのもあって、どうしても同じステージで真っ向からぶつかり合う相手、以上ではなかったわけです。
でも、最初から魔王より凄い相手、として見るのではなく、対等の立場から敵意を剥き出しにして、あらゆる手段を使ってエリシアを助けに来るロックたちを倒そうとしてくる強敵、として見るならば十分以上に歯ごたえのある戦いでした。ロックたちからしても、最大の目的はケンコスの打倒ではなく、エリシアの救出なだけに、お互い相手の手を読み合いながらの戦いでしたしね。
それに、あれだけロックへの敵意に囚われながらも、本来の目的を見失わずに着々と手管を巡らしていたあの手腕は、ラストバトルの前哨戦としてはまさに十全の敵だったんじゃないでしょうか。
しかし、エリシアは体を乗っ取られ、精神を侵食され、とえらい目にあったわけですけれど、最後の役得を思うと差し引きとしてはプラスだったんじゃないですか。ご馳走様です(笑
最後の展開はある程度予想していたとはいえ、まさにクライマックスに相応しいワールドクライシス!!
お膳立ては全部揃った。あとは、最終巻のみ。

シリーズ感想

千の魔剣と盾の乙女 13 4   

千の魔剣と盾の乙女13 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 13】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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死闘の末に魔王バロールを打ち倒したロックたち。だが、生きていたケンコスがエリシアの身体を奪い、新たな魔王と化して姿を消した。失意の底に沈むロックだが、仲間たちに支えられ、エリシアを解放するための旅に出る。一度別行動をとり『文化都市』ベアルフェルで合流を果たしたとき、ロックの心は荒み、変貌していた…。一方、ケンコスはクロウ=クルワッハ覚醒の準備を進めるとともに、己が目的の妨げになる者を葬り去らんとして動きだした。ロックは新たな魔王を倒すことができるのか。そしてエリシアを救いだすことができるのか。本格魔剣ファンタジー緊迫の第三部!
ケンコスさんのセンスがイカしすぎてる!! 何を思ってこんなアグレッシブすぎるファッションを身につけてるんだ。あまりにも如何にもすぎて、逆にちょっと笑えてきすらしましたよ。ああ、ケンコスってそういう趣味の人だったのね、と(笑
それはともかくとして、エリシアを奪われたロックたちの荒れっぷりが酷い。本当に酷い。エリシアの意思がどれだけ持つかのタイムリミットもあり、彼女の体を取り戻すための方策も見つからず、と絶望する要素は満載なのだけれど、それにしてもロックの荒み方が、こいついったい誰だ!? というくらいになっていて、さすがに愕然としてしまった。このロックを見てしまうと、普段のロックってすごく大らかで温厚で朗らかな青年だったんだなあ、と今更のように納得してしまった。これまでだって、精神的に余裕が無い窮地はいくらでもあったはずなのに、ロックは切羽詰まりながらも、その柔らかな性格にはブレがなかったですもんね。それだけに、これだけロックが荒んでしまった姿を見るのは、なかなかショックでした。荒んでいると言っても、無愛想になったり寛容さが薄くなったり周囲に対して反応することを面倒臭がるようになったり、といった感じで社会性、社交性を失うほど荒れきっているわけではないのが、逆に身に詰まるものを感じさせられ、かなりキツかったです。こうなってみて初めてわかったんですけれど、自分、このロックという主人公のキャラクターがかなり気に入っていて好きだったんだなあ、と今更のように実感させられた次第。フィルやナギも、こんなロックには戸惑いを隠しきれず、エリシアを助けるために一致団結しなければならないパーティーは、自然とギスギスして居心地の悪い空気が流れることに。ナギやフィルの方も、ロックの変化を受け止め宥める事が出来るだけの余裕を失い、彼女たちも荒んでいた、と言えるのでしょうね、これ。特に、プライヴェートでも後衛として余裕を持ってみんなを誘導してきたフィルがあれだけ余裕を喪ってバタバタしていたのが印象的でした。なんだかんだとこのパーティー、要はこのフィルだったんですよね。その彼女に余裕がないと、これだけ不安を助長させるのか。
何気に、これまでで一番のパーティー崩壊の危機だったんじゃないでしょうか。それでも、こういう歪みを乗り越えられてこそ、家族になろうという男女の仲というもの。これまで出会った人たちの、助言や助けがあり、相棒であるホルプの献身的な慰めもあり、ちゃんと危機を乗り越えられたロックたちは、えらいですよ。正直、エリシアが戻ってくる前に修復できて良かった。エリシアを取り戻してから、じゃ格好が悪すぎますもんね。いくら、エリシアが正妻とはいえ。旦那さんにしてもお嫁さんにしても、それじゃあ情けなさすぎル。
それにしても、エリシアが居ない分、ホルプがちょっと献身的すぎるでしょう。あんた、雄じゃないのかよ。まさか、ホルプの龍身を見る機会がこのシリーズでもあるとは。世界よりも相棒であるロックや、エリシアたちを優先することを明言するホルプは、彼がこれまでなしてきたこと、彼の性格を思えばかなり衝撃的な事で、だからこそホルプの、傷つき荒れ果ててしまったロックへの慈しみが伝わってきて、思わずジンとしてしまいました。ほんと、最高のバディじゃないですか。
さり気なくリャナンシー復活フラグを立てつつ、エリシアを助けるための手段も無事見つかり、あとは決着をつけるだけ。ファーディアが何気にチョロすぎる気もするんですけれど、彼も仲間に加えて、さあクライマックスだ。

シリーズ感想

千の魔剣と盾の乙女 12 4   

千の魔剣と盾の乙女12 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 12】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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熾烈を極める魔王城の戦い。難敵ケンコスをついに退けたロックたちは、バルトゥータスとの久方ぶりの師弟再会を果たす。しかし、再会を喜ぶまもなくバルトゥータスはロックに真剣勝負を挑む。魔王との最終決戦を前に、愛弟子が魔王との戦いについてこられるか、その実力を見極めんとしているのだ。バルトゥータスにはたしてロックは打ち勝つことができるのか。そして、魔王との最終決戦。バルトゥータスとロックは魔王を倒すことができるのか、そして蒼輝の勇者サーシャを助け出すことができるのか。川口士が贈る本格魔剣ファンタジー、ついに魔王バロールとの最後の戦いへ!
ふわぁ……いやあ、これだけ正統派の魔王戦って果たして今まであっただろうか。この場合の正統、というのはドラクエ3とかあの辺ですね。魔王城に突入して、一番奥の玉座で待ち構えている巨大な怪物状態の魔王に立ち向かうスタイルでの魔王戦。意外と、このスタイルの魔王戦って小説系統では全然浮かんでこないんですよね。なんかあったっけ。
ラスボスが等身大の人間サイズだとまた違うんですよ。ちゃんと巨大サイズで知性があり、様々な特殊攻撃を仕掛けてくるという醍醐味がないと、RPGで味わったようなラスボス戦じゃないんですよ、こここだわりね。
その意味では、このバロールは百点満点と言ってイイラスボス魔王でした。初手の魔眼による即死攻撃から、肉弾攻撃、大威力の範囲攻撃に状態異常、などなど読んでてなんだか無性に嬉しくなってくるほどの魔王らしさで、今回ページの大半を割いての膨大な分量で魔王戦が描かれることになったのですけれど、最初から最後まで手に汗握りっぱなしの白熱した大激戦で、これもう文句なしの大満足のラストバトルでした。最近どころか古典までさかのぼっても、ホントここまで立派な魔王決戦見たことないよ。
しかも、囚われのお姫様ならぬ勇者様を救出するという王道イベント付き、ってあれ? 主人公バル師匠じゃね、これ? バル師匠絶体絶命の際に彼のために手を差し伸べられた救いの手がまた完全に主人公イベントなんですよね。まあ仕方ないか。こればっかりはバロール相手の戦いはバル師匠がメインでしたもんね。ぶっちゃけこの手の師匠キャラは死亡フラグ立ってるものなんですけれど、彼に関しては師匠キャラというよりももう一人の主人公だもんで、そういう気配全力で振り切ってたもんなあ。
それでも、バル師匠はともかくとしてサーシャの方が大丈夫なのかと不安が残っていたところだったんですけれど、文句なしに見事に救って見せたもんなあ。二十年近い執念が結実したわけで、大したもんである。
挙句、巻末ではバルトゥータス関係ないところでサーシャとニーウが仲良くなっちゃってる始末。あかん、こっちも嫁が二人になりそうだ。これでサーシャが一番年下で、ニーウがお姉さん、しかしサーシャの意識ではバルはまだ十歳の子供で弟みたいなもんだけれど、実際バルは三十超えたおっさん、という倒錯した三角関係なんですよね、なにこれ面白い。
しかし、バロール戦から間を置かずにそのままクロウ・クルワッハ戦になるのかと思ってたら、完全に予想外のとんでもない展開に。なるほど、今回の表紙がエリシアなのも相応の理由があったのか。
いやあ、バロール戦があまりにも激戦すぎたので、ほんとに今回で終わるのかと思ってしまいましたがな。まさか、リャナンシーがあんなことになるとは予測もしてなかったもんなあ。彼女の思惑が、あそこまで決意篭ったものだったとは思わなかっただけに。もうちょっと感情として冷たいものと思ってた。これも妖精の情、というやつなんだろうけれど、切ないのう。

ともあれ、二部関係でそのまま三部突入という思わぬ自体に。もっとも、続きは残り二巻だけみたいですけれど、バル師匠の旅はこれで終わり、これからは本格的にロックたちの物語だ。いやでもこれ、パーティーバランス的に彼女抜けたのめちゃくちゃ痛いんじゃね?

川口士作品感想

千の魔剣と盾の乙女 11 4   

千の魔剣と盾の乙女11 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 11】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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ホルプの帰還を喜ぶロックたちだが、一連の回り道で魔王城攻略戦には今からでは間に合わないとわかる。焦るロックだがしかしホルプの提案で大陸のあらゆる場所へと移動できる転移門があるという天空の塔へと向かうことになる。その頃、ガーリャに集結していたバルトゥータスら魔剣使いの軍勢は、ついに魔王城攻略戦を開始。しかし、魔剣使いたちの前に復活した魔王とケンコスに操られた勇者サーシャが立ちふさがる。最大の難関にバルトゥータスは…、そしてロックたちは最終決戦に間に合うのか。川口士が贈る魔剣ファンタジー。
今回の表紙絵は相当に衝撃的でした。何しろ、これですからねえ。バル師匠クライマックス!!て感じで。いや、こういう表紙持ってこれるなら、もっと早く色々なのやればよかったのに、と思ってしまいます。イラストのアシオさんって融通多芸がききそうですし。冒頭のカラー口絵の漫画、毎回面白いんですよねえ。今回のエリシアの餌食っぷりは、眼福そのものでしたし。ってか、酔ったロックってここまでやらかしてるのか。普通にエロス直前じゃないですか。
というわけで、ようやくホルプが帰還し、装備・仲間ともに完全モードに達したロックたち。ところが、魔王城攻略戦にはどうやっても間に合わない、というどうしようもない状況に。
しかし、ホルプが帰ってきてくれたこの安心感は大きいなあ。助言者として、ある意味年長者として見守ってくれる存在としてのホルプの存在感は、改めて帰ってきてくれたことで実感できます。何よりロックの余裕が違いますもんね、ホルプがいると居ないとでは。でも、ホルプが居ない間の成長は、よりホルプとの相棒関係の深化を促したようにも見えますし、この別れていた時期というのは思いの外意義あるものになったなあ。
一方で、師匠サイドはある意味オールスターキャストの濃いおっさん連中の連合によるもので頼もしいはずなんだけれど、それを上回って魔王サイドの油断のなさが恐ろしい。おまけに、件のサーシャの友人の竜のお姉さんが、何をトチ狂ったのか一人で魔王城に侵入して、魔王にやっつけられて食われてパワーアップの食材&知識の補給にあてられてしまい、さらにサーシャの魂にダメージを与える、という完全に敵の強化アイテムになってしまってて、一体何しに行ったんだあんた!!
一応、サーシャの魂がまだ生きている事は明らかになったので、その点は安心材料なんだけれど、逆に言うとそれしか良いネタがないという。でも、このバル師匠死亡フラグびんびんに立ちまくっていたところで、辛うじて生き延びてくれたのは良かった。ある意味、此処さえ凌げれば師匠も生き残れそうだもんなあ。師匠については、サーシャだけじゃなくてニーウというアンカーが二人も居るので、実のところ死んでしまうことは無さそうだと踏んでるんですけどね。今回、ニーウがバル師匠のこと諦めかけてきた時にナイジェル師匠が諦めんなと発破かけてたのを見る限り、ハーレム王としてもバル師匠はロックの師匠として先例を見せてくれそうな期待が膨らみますw 大体、魔王討伐はバル師匠の本懐ですからね。ロックの方はクロウ・クルワッハという本命が待っているわけで、魔王は師匠がやっつけてくれないと。
と、ここで師匠と弟子の本気対決が魔王城の中で行われる展開になるとは。場をわきまえろ、と言いたくなるけれど、この頑固さ、真っ直ぐさ具合は嫌いじゃありません。捻くれたところのない、ホントに師を慕い弟子を可愛がってる師弟関係なんですよねえ、この二人。
ちょっと印象的だったのは、ロックの靴屋スキルの発揮具合でした。エリシアの毎度のエロイベントが、ラッキースケベじゃなくて自発脱衣というのはなかなかインパクト高かったのも確かですけれど、ロックの戦士という生き方以外の地に足がついた、というか手に職がついてるのが何とも印象的で。戦いが終わったあと、何をしたいかについても、ある意味ホルプの琴線に触れそうな話をしていて、いい意味でちゃんと先を見通している主人公だなあ、と。ってか、甲斐性あるよね、ロックって。

シリーズ感想

千の魔剣と盾の乙女 10  4   

千の魔剣と盾の乙女10 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 10】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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ホルプの復活を急ぐロックたちは、竜の少女から教えられた竜の墓場を目指す。コノートで得た手がかりをもとに目的地があると思われる大陸へと上陸した一行は、墓場を守護する不死の骸骨剣士たち、そして侵入者を狙う数多くの危険な罠に命を狙われる。ときを同じくして、新たな力を得た魔王軍最凶の魔物アレンが、ロックを葬るべく再びその姿を現す。ロックたちはこの危機を乗り越えることができるのか。正統派ファンタジーの気鋭、川口士が贈る魔剣ファンタジー、怒濤の第十弾。
ああ、なるほどなあ。ずっと違和感はあったんですよ。結局のところ、魔王を倒すべき役割を担っているのは最初っからバル師匠なんですよね、この物語。師匠筋のパターンとしてよくある、弟子にすべてを託して逝ってしまうという展開も、バル師匠の目的からすると有り得ない。彼の目的というのは誰か他人に託せるものじゃありませんからね。サーシャを助けることを託して自分は死んでしまう、という悲劇的パターンも考えないではなかったのですけれど、この師匠サーシャを助ける役割を他の誰かに任すつもりは毛頭ないようで、そもそもサーシャとロックたちに接点らしい接点も無いままここまで来てしまっている以上、ロックたちがバル師匠の代わりにサーシャを助けるという展開は物語としてお粗末なほど穴が出来てしまう状況にあるわけです。それに、バル師匠にはサーシャとは別にニーウ姉さんというアンカーが別に在ることからも、限りなく死亡フラグは立ってない人なんですよ。
そうなると、どうしても魔王討伐に関してバル師匠とロックは被ることになってしまう。これまで何だかんだとロックたちが魔王を倒すという理由付けに繰り返し丹念に説得力を持たせようとしてきたことで違和感そのものは薄れていたものの、何れにしても最後にロックかバル師匠が割りを食って決着を付ける役をどちらかに譲らなければならない事は避けられなかったわけである。
自分としては、最大の目的がサーシャの救出にあるバル師匠が、何らかの形でサーシャだけ先に助けて、魔王討伐についてはロックたちに譲る形になるのかと考えていたのだが……。
さてさて、どうやらロックたちが倒すべき、他の誰でも無くロックたちこそが倒すべき敵がちゃんと用意されているようじゃあないですか。これで、美味しいところを持っていかれるのはファーディアだけ、ということに(オイ
だ、大丈夫大丈夫、ファーディアもデレたら仲間に加えてあげるよ? とか思ってたら、何を考えてるのかリャナンシーにちょっかいかけてやがるし、この男。ちょっと待てあんチャン、そこでロックの真似をしようとか変なフラグが立っちゃうよ? 上手くイケばダブル瘴気アタック! みたいに協力必殺技になるけど、失敗フラグの方が立ちそうなのが怖い。いや、大丈夫だ、あれでファーディアもかませ役じゃなくてちゃんと主人公格だから(多分ネ
しかし、正直魔王の強さが半端ないだけに、それ以上の敵なんてどうやって太刀打ち出来るんだろうとビビってしまう。何しろ、ロックたちが遭遇し半ば蹴散らされた魔王は分身体にすぎず、その力も本来のものからすると及びもつかないくらい弱体化してるというじゃないか。勇者サーシャって、よっぽどデタラメだったんだなあ。
尤も、ロックたちもだいぶ強くなったとはいえ、まだまだ成長の余地があることは、ドゥガルドとの模擬戦でフィルとフィオナが二人がかりでかなり良いようにあしらわれてしまったことからも明らかであり、フィルの成長のヒントが得られた事でまだまだ強くなれる実感が得られたんじゃなかろうか。何より、ついにロックの元にホルプが帰ってきた時の安心感の大きいこと。
随分と長く手元を離れていた気がするが、やっぱりこの物語ホルプが居てくれないと締まらないよなあ。彼がロックの相方として鎮座してくれていないと、ハーレムもどこか落ち着かなかったですもの。やっぱり、ホルプが居てくれた方がロックも精神的に落ち着いているというか、女所帯の中に男一人というのはやっぱり何だかんだとやりにくかったんじゃないか、こいつ。ファーディアが加わった時も何気にテンションあがってたし。エリシアもナギもフィルも全員大事にするぜ、と覚悟しても、心許せる男友達がいるかいないかはまた違う話しなんだよなあ、うんうん。
しかし、ホルプって想像以上に大物だったのか。竜の中でも桁違いもいいところじゃないですか。伝説どころか神話上の存在といってもいいくらい。半ば竜神と呼ぶに相応しい力の持ち主。ってか、大陸全土の地図を完成させるんだ、と意気込んでたリーナさんたち、その大陸の形を変えてしまうほど盛大にふっ飛ばしちゃってたってなにやってんですか。せっかく作ってた地図、自分たちで台無しにしちゃってたのね。まあ彼女の場合、改めて測量に走り回っていそうですけれど。

ついに物語は、ガーリャを擁して大陸に突っ込む人間たちと、復活した魔王とともに待ち受ける魔族たちとの最終決戦に。ロックたちとファーディアはこの大会戦に間に合うのか。ラストに向けて盛り上がって来ましたよっと。
にしても、エリシアの全裸担当エロ要因は安定してるなあ(笑

シリーズ感想

千の魔剣と盾の乙女 93   

千の魔剣と盾の乙女9 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 9】  川口士/アシオ 一迅社文庫

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単独で魔王城を目指すファーディアの前に現れた魔妖精リャナンシー。有利に戦いを進めるファーディアだったが、そこに復活した魔王バロールが現れる。
一方、ホルプを失ったロックはエリシアの励ましやナギの空回りする気遣いの数々に戸惑いつつも、かつてホルプを見つけた神殿に赴き、魔剣ホルプ誕生の秘密へと近づいていく。
うお!? なにこれ、カラー口絵の冒頭の漫画って、【星図詠のリーナ】のリーナとダールじゃん!! これまでも、このシリーズとの関連性は随所に語られていて、ホルプがダールに宿っていた銀の竜だったんじゃないかという話はこれまでも持ち上がっていたんですが、かすかに残っている伝承やホルプの記憶からだとイマイチホルプに関わっていたのがあの二人だった、という確証に至るまでの詳しい情報はなかったんですが……イラストになったら一目瞭然、間違いなくあの二人だ!!
となると、この【千の魔剣と盾の乙女】の世界は【星図詠のリーナ】の未来の世界ということになるんだけれど、リーナがあれだけ歩きまわって無記入の広大な白紙を埋めようとしていた広い広い世界が、今やこうして汲々と島を守るばかりで、大陸は歩きまわることもできなくなった狭く閉ざされた世界になってしまった、というのは何とも皮肉な話だなあ、と思わざるをえない。
さて、剣身を折ってしまったホルプを何とか復活させられないか、と苦悩するロックの前に現れたのは、ただ一人で魔王を倒さんと駆け回っていたファーディア。偶々、復活直後の魔王と遭遇し惨敗をきして命からがら逃げ出してきた彼は、仕方なく同じく魔王を倒すという目標を掲げているロックを仲間に勧誘に来たのである。ただし嫁共、お前らはいらねえ。ロックを嫁にするのは俺様だ、失せろ女ども! というわけで、まさかのファーディア、ロック争奪戦への奇襲参戦である。即席で組んでみたところ意外と相性も悪くなく性格的にも思ったよりも反発無く馬が合ってしまったロックは、周囲の予想を裏切って結構その気になってしまう。焦るのは、嫁たちである。ロックが盗られる! とばかりに錯乱して大騒ぎ。あんたら、今までロックと他の女性がお近づきになってしまった時でもそこまで余裕なく慌てなかっただろうに。
まあ、それだけファーディアが強敵であることを肌で悟ってしまったのだろう。なにしろ、コイツは新たに嫁に加える、というわけにはいかない本物のおじゃま虫、自分たちの旦那様を嫁にしようとしている仇敵である。
結果として巻き起こるは、史上最大の修羅場!!
……なんでついにきた修羅場がこうなったw
しかしまあ、あれだけ性格傲慢でひねくれているファーディアも、ちゃんと付き合ってみるとなかなかイイ所もあるし、聞き分けのいいところもあるんだよ、ってそのパターンはヒロイン参入の構成だよなあ(笑
でも、確かにあれだけとんがっていたファーディアと仮にもパーティーが組めるとは思っていなかっただけに、ロックの包容力、受容力にはびっくりである。別に女性限定の人間力じゃなかったのねw いやいや、あのファーディア相手にあれだけ気にすることも苛つくこともなく平然と受け答えして、流したり誠実に応えたりできるのは大したもんですよ。まあ師匠もあんなだから、この手の人間には慣れてるのかもしれませんが。
ともあれ、これは大きな戦力増強になるんだろう。か。ホルプを失っている現状のロックは戦力的に厳しいものがあっただけに、ファーディアの参加は非常に心強いものでしたし。なんとか、ホルプ復活の道筋はついたみたいですし。
一方で、復活した魔王のフットワークが軽すぎて戦々恐々なんですよね。魔王城の奥ででんと構えて動かない、ってなどころか、復活してまだ力も回復していない段階で自由に動き過ぎだ。いきなりフィールドで魔王と遭遇しました、なんて洒落にもならない。その上、サーシャに封印されたことで人間への軽視と油断は拭い去られていて警戒も密にしており、未だ力戻っていないとはいえこれは強敵すぎる。
本来、このあたりで師匠キャラのバルは死亡フラグが立ちそうなんですが、この人の場合は師匠キャラである以前に根っこが主人公キャラなんで、サーシャやニーウとの関係からして全然生き残りそうな気配もあり、どうなるかわからないという意味では、ロック以上にその動向が興味深いんですよね。生死の見通し以上に、エリシアたちみんな嫁にしてやるぜ、と覚悟も完了してしまったロックに対して、サーシャとニーウの二人の女性とどうなるのか、という意味でも興味募るひとなんですが。ラストでまたえらい相手と遭遇してますけど、はてさて。

川口士作品感想

千の魔剣と盾の乙女 83   

千の魔剣と盾の乙女8 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 8】 川口士/アシオ 一迅社文庫


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『サヴァンの日』。それは本格的な冬のはじまりを告げる日、そして死者と生者の境がかぎりなく薄くなる日。伝説の武器『魔石(タスラム)』を手に入れるため、極寒の地カリアッハヴェーラを旅するロックたち一行は、サヴァンの日の前後三日しか足を踏み入れることができないという幻の神殿を目指す。その頃、魔王バロールの眷族の中でも一、二を争うほどの力を持つ狂気の魔物アレンが、ロックたちの命を奪わんとカリアッハヴェーラを目指し、秘めた願いを持つ魔妖精リャナンシー、魔王復活は近いと悟った魔将ケンコスもおのおのの目的を胸についに動き出す。最大の危機を前に、ロックたちは大切な仲間を守りぬけるのか。正統派ファンタジーの気鋭、川口士が贈る魔剣ファンタジー、激戦と喪失の第八弾。
熱砂の砂漠に海底の妖精郷と来て、今度は極寒の氷原と来ましたか。旅から旅への冒険モノでも、これほど極端に極地ばかりを巡るというのも珍しい。しかも、そうした秘境を訪れる目的が伝説の武器や魔法を手に入れるため、というのだからある意味王道のRPGゲームを踏襲しているのかもしれないね。むしろTVゲームじゃなくてTRPG、と言ってもいいか。という訳で、ロックにエリシア、ナギといったパーティーメンバーが軒並みパワーアップしてしまったために、独り足手まといになってきてしまったフィルが、伝説の魔法(武器?)『魔石(タスラム)』を手に入れようと、ロックたちに頼み込み、カリアッハヴェーラを目指す、という展開に。元々、フィルについては錬成士としては優秀ではあってもわりと平凡な腕前、だと常々本人の口からも語られていた事で、これまではそれでも何とか不備なくやってこれたものの、メンバーがパワーアップすると同時に、戦うステージまで上がってきたお陰で、このままでは本気で戦力として機能しなくなりつつあったんですよね。それで焦るのは当然としても、タスラムが手に入らなければパーティーから離脱する、と自分を追い込みつつも、多少の無茶をパーティーにお願いできるあたりが、フィルらしいといえばフィルらしい。ナギやエリシアだと、もうちょっと遠慮してしまうと思うんですよね。フィルは、自分が甘やかされている、というのをいい意味でも悪い意味でも良く解ってる。甘えることの出来るウチは、甘えていいと思いますよ、私は。この娘は、その甘えが皆の足を引っ張ったり、パーティーの方向性を悪い方向に捻じ曲げるような所まで逸脱させない、秀逸なバランス感覚を有しているようですし。
ただ、その甘やかされている、という点が恋愛関係という観点に立った時に些か違和感とも錯誤感ともつかないものを感じる要因になってきているのでは、と考えつつあるようで、彼女もこれまであっけらかんと言い募ってきたロックのハーレム構築についても、色々と思いところが出てきたようだ。と言っても、それを否定する方向ではなく、自分たちの関係が現実のものとして固着していくには、どうした感情を交えて人間関係を構築していくべきか、みたいな感じで冗談ではなくガチで成立を目指しつつあるような感じになってきてるわけだがw
その話題となると、ナギは何気に結構乗り気だし、エリシアは世間の倫理観、という点を気にしているようだけれど、二人とも独占欲はありつつも、このメンツならいいか、と思っているようで、女性陣の方はあんまりハードル高くないんですよね。問題は、根っこが庶民なロックの方で……こいつ、みんな好きだからみんな纏めて面倒見るぜ! みたいなご大人な恰幅の良い態度は取れないと思うんですよね。キャパはそんなに大きくないんだよなあ。
ただ、川口士作品の主人公は概ねそんな多くの女性を抱え込むような甲斐性を持っていなさそうなキャラばっかりなくせに、ガチなハーレム成立度が結構高かったりするので、甲斐性ないんじゃね、という心象はあんまり関係ないのかもしれない。何しろ、ロックもホルプがお墨付きを与えてるくらいだからなあ。
しかし、ここに新しくハーレムパーティーが加わるとなるとどうなんだろう。あの子の参戦は、かなり意外だったんだが。というか、再登場しても誰? という感じで思い出せなかったし。フィルの姉弟子の人は覚えてましたが。

とまあ、ハーレム談義にパーティーの強化編、と割りきって見てたら、いきなり怒涛の勢いで話が進展していく。
これまで、金環持ちのモンスターと激闘を繰り広げているうちに、その力量から魔王の強さ、というものをだいたい当て推量できていたつもりだったんだが……これ、魔王って倒せるの? いや、これ普通に伝説の武器で強化して技術も高めれば普通に良い勝負出来るものだと思い込んでたんだが……あの勇者の人、どうやってこんなのと戦って封印したんだ? 無理ゲーじゃないのか、これ?

川口士作品感想

千の魔剣と盾の乙女 73   

千の魔剣と盾の乙女7 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 7】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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ロックの故郷シュリガッハを訪れた一行は、ロックの幼なじみの少女、ノエルと出逢う。海に沈む伝説の都市アルモリカの財宝を探すノエルの夢に共感し、同行を申し出るロック。エリシアは自分の知らないロックを知るノエルの態度にもやもやした感情を抱くが、不満を言いだせず口をつぐんでしまう。そんなエリシアに挑発的な言葉を投げかけるノエル。ロックをめぐる二人の対峙により事態は思わぬ方向に…。アルモリカに待ちうける怪物の影、そして財宝の正体とは一体何か。魔剣ファンタジー、急転の第七弾。
ちょっ、ちょっと待ったぁーーー!! 今、聞き捨てならないセリフを聞いたぞ!?
銀を食べる竜、だと!?
そのセリフを聞いた時の、ホルプの反応。おいおい、こりゃ魔剣ホルプが【星図詠のリーナ】の傭兵ダールの左腕に宿っていた「魔銀」であるのは確定か。以前、前の自分の持ち主は傭兵だった、って言ってたもんなあ。それを事実として鑑みると、ホルプの堅物な性格の合間に見える妙に性格の悪いところや諧謔味というのは、ダールの性格の影響を受けている部分もあるのかもしれないなあ。

さて、今回は後から仲間になったナギに先を越される形で伝説の武器を手に入れられてしまったエリシアのパワーアップ回。であると同時に、エリシアがロックの魔王を倒すという夢に最後まで付き合う覚悟を決める回でもあった。ここまで一緒にパーティーを組みながら、今に至るまでロックの故に最後まで付き合うかを迷っていたエリシア。だけれど、最初の頃の荒唐無稽な夢を否定はしないけれど、自分が同行するのは現実味が無いし、実際問題として倒せるとは思えない、という立場だった頃に比べると、彼女の迷いはこの巻あたりではもう、自分の力量では足手まといになってしまうんじゃないか、という不安に基づくものに取って代わってるんですね。ロックがある程度呪いを克服した上に、それを利用した金環持ちでも倒せえる力を手に入れたのと、ナギが伝説の槍を手に入れ、ナギ当人もロックと運命を共にする気満々、という状況を前にしたら、出来ないだろうから真剣に考えない、という段階はとっくに通り過ぎてたんでしょうなあ。
ぶっちゃけ、この時点でついていけるものなら、付いて行きたい、という気持ちは固まっていたと思われる。
でも、同時にロックの夢に付き合う覚悟を決めるというのは、エリシアにとっては別の覚悟……ロックへの好意を認め、肯定して受け入れる、という事も意味していたのである。何しろ、伝説の武器の取得に技量の向上という以上に、ロックへのアプローチを全く自重しなくなったナギに、あらゆる意味で先を越されてしまっている以上、ロックへの気持ちをなあなあで誤魔化せる段階は通りすぎちゃってましたしね。
そう考えると、ロックの故郷で幼馴染と再会するという展開は、というか幼馴染にして魔剣使いであるノエルの存在は、エリシアの対比として用意されたと見ていいでしょう。好意を持っていても、ロックの夢について行けずに見送るしか無い娘、という役での登場というのは結構、残酷なことだとも思うけれど、だからこそああいう天真爛漫でサバサバした強かタフガールというキャラ付けで出したのかもしれないですね。誰にとっても後味の悪くないサッパリした道の分かたれになりますし。

それよりも、ちょっと意外だったのがリャナンシーである。以前から魔物となりながら妖精としての特質を残している、という話はあったけれど、未だに妖精たちと交流があり、彼らを守ろうという意志を残しているというのは予想外だった。
元々、その行動は得体のしれない面があったけれど、和解出来るかどうかはともかく、思ってた以上に交渉の余地があるのかもしれない。少なくとも、一概に邪悪と言える存在ではない事は明らかになったわけですし。
となると、逆に魔物たちの勢力争いの方をもうちょっと情報公開してくれるとありがたい事になってきたな。これ、思っていた以上に複雑で、人間サイドから見てもどうも全部一緒くたに敵は敵、と剣を向けなくても、思惑によっては何らかの駆け引きが出来るかもしれないですし。

さて、今回はあの魔王を倒すと公言して憚らないファーディアも登場。最近、この人ネタキャラなんじゃないかと思えてきた。物言いこそ傲慢で高慢で人を人とも思わないものだけれど……異様にチョロいんですよね。最初こそ、魔王は俺が倒す! 貴様らは邪魔するな、或いは部下になって傅くなら使ってやるぞ、という偉そうな言い草にはカチンと来るものがありましたけれど、会うたびにおんなじ事ばっかり言ってるものだから、段々と生暖かい目で見るようになってきたし。大体、足手まといは要らん、みたいに強がってるけど、毎回ボッチだし、こいつ。ほんとに仲間が要らないなら、毎回勧誘なんかしないもんなあ。
これで実力がなかったらただの道化なんだけれど、なまじ実力があるだけに余計にネタキャラになってる気がする。何しろ、結果的に見ると毎度ロックたちパーティーに上手いこと利用されてる形になってるしw 今回など、あの天然のナギに上手いこと言いくるめられて協力するハメになってたわけだし。
まああれだ、おまえもがんばれよ。

と、エリシアまで強力な武器を手に入れ、一皮むけてしまった以上、独りだけ一流半のままのフィルだけが取り残されてしまうことに。いいんですよ、貴女はそのままマスコットで。と言うわけにもいくはずがなく、次回はフィルパワーアップ回。ある意味、ハーレム完成回になる予感も無きにしもあらず、はてさてどうなる?w

川口士作品感想

千の魔剣と盾の乙女 6 3   

千の魔剣と盾の乙女6 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 6】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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魔王を封じた魔剣クラウソラスにも匹敵するとされる、伝説の魔剣ガラドボルグ。それを手に入れるため大陸へと向かったバルトゥータスは魔剣を守護する精霊と出逢い、ロックの師となる以前、エリシアの師であるニーウと出逢ったときのことを想起していた。一方でロックたちは、新たな槍を手にしてすっかり元気になったナギの何気ないひと言から、エリシアそしてフィルがロックとパーティーを結成するにいたったかつての出来事を思い返す。大人気の魔剣ファンタジー、早くも第6巻が登場。
実質、今回は短編集か。しかし、ようやく表紙がエリシアじゃなく、違うヒロインになったというのに、その表紙を飾ったナギが今回まったく出番が無い、というのはどうなんでしょうw ニーウ先生にしろとは言わないまでも、せめてフィルにすればよかったのに。
という訳で、今回はバル師匠とニーウ先生の初めてを綴った回想と、フィルやエリシアがはじめてロックと組んだ時のお話という過去編集。メインはバル師匠とニーウさんの馴れ初めですね、これは。にしても……ニーウの報われなさオーラは半端ないなあ。バルトゥータスってば、昔から今に至るまで完全にニーウの事眼中にないじゃないか。どう見ても、ああこりゃダメだ、と諦めることを推奨するレベル。誰もニーウに忠言しなかったんだろうか。それとも、恋するオトメは聞き入れなかったんだろうか。このままだと間違いなく行き遅れになってしまいそうな勢いである。まだこれ、バルが女に興味がないようなタイプの男ならば縋りようもありそうなものだけれど、彼にはちゃんと意中の人が居て、その人を救うために人生なげうっているわけで、ニーウ先生ってば叶わぬ恋を追いかけて三十路くらいまで突入した末に、入れ上げた男が意中の人と結ばれてしまうシーンを目の当たりにして放置されてしまう、という惨劇が待ち受けていそうで、非常に居た堪れない!!
ニーウ先生の想いが叶うのって、バルが失恋してしまった場合のみ、というのもなかなかキツいんだよなあ。封印されている想い人が助けた甲斐なく亡くなってしまうとか、助けられたけれどその人の趣味がショタでおっさんには興味ないの、と手酷くフラれてしまうとか、そういう色々な意味で残念な結果に終わってしまったケースのみ、ニーウがアプローチする余地が残されているという時点で、もうなんとも居た堪れないw
まあそれ以前に、バル師匠は死亡フラグをプンプンさせているんで、まずバル師匠が死なないように頑張らないと始まらないんですけどね。ハードルが高すぎるにも程がある。
今の時点からバルがハーレムします、というのはロックのそれと比べるとちょっと無理がありすぎるし。ニーウさんニーウさん、それ無理ゲーです。
その意味では、今回のニーウとバルの馴れ初めの話って、ニーウが人生踏み外してしまった話でもあるんだよなあ。そう考えると、前巻の二人を描いた4コマ漫画の身も蓋もなさも相まって、苦笑いが浮かんできてしまう。
なんだ……ご愁傷さまでした。出会ってしまったのが運の尽き。惚れたが負けの人生ですか。
まあでも、この二人の師匠が出会ってくれなかったら、エリシアとロックは出会っていなかったんですよね。そうなると、ニーウ先生はロック・ハーレムの犠牲になったのだ! と言えなくもない。まあ傍目から見てどれだけ報われなさそうでも、当人が幸せならいいのかもしれませんが。現状にある程度満足してなかったら、十代の小娘から二十代後半に指しかかろうという現在まで現状維持のまま来なかったんだろうし。

フィルとエリシアのロックとの初めては、意外なことにエリシアよりもフィルの方が最初ロック相手に厳しい姿勢だったんだ。エリシアの方がむしろ自然に大した反発や対立もなくスッとパーティー組めたのは驚きでした。ロックってあれで師匠と違って人当たりがいいですからね、最初から隔意のあったフィルとはそれなりに時間が掛かったのは仕方ないとしても、特に隔意も好意もなくフラットな状態でパーティーを組むことになったエリシアともめることもなかったのは別におかしくもなかったか。
ともあれ、彼らの話で面白かったのは人間関係よりも冒険初心者が手探りで必要なものを用意し、おっかなびっくり実践に挑むという、あの初々しくも危なっかしく、それでいて微笑ましいやりとりでしょう。今でこそ歴戦のパーティーとなりましたけれど、最初の頃は何を準備して持っていけばいいかもわからず右往左往する初心者だったんだなあ、というのがわかってほっこり。と言っても、フィルとロックのふたりきりで挑んだ最初の冒険は随分と危ない橋を渡ることになってしまったようですが。そう考えると、ロックって最初の頃から度胸だけは座ってたんだなあ。あの冷静さは大したもんですよ。
って、師匠たちの過保護なのか放任なのか分からない、こちらも初心者師匠としての手探りのやり取りも初々しくて、微苦笑を誘われました。バル師匠もナイアル先生も一匹狼でやってきた人だからなあ、勝手分からないのも無理は無いですが、もうちょっと何とかしろよw 師匠としてはニーウが二人に対して大きな顔をしているのが、なんとも面白かった。っていっても、ニーウはあれで過保護だと思うぞw

川口士作品感想

千の魔剣と盾の乙女 53   

千の魔剣と盾の乙女5 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 5】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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ガーリャの戦いを生き延びたロックたちは、武器を喪い放心状態のナギの新たな魔槍を探すため、大図書館を擁する学術都市ベアルフェルを訪れていた。古代の文献を調べ、ガーリャで共に戦った魔剣使いファーディアの情報通り太陽神ルーの槍が実在すること、砂漠の廃墟都市ゴリアスに存在する可能性が高いことを知る。初めての砂漠に戸惑う一行は、砂漠案内のプロを雇うことにするのだが、紹介されたのはグラーニャというエリシアよりも豊満な胸と成熟した艶美さを併せ持った美女で、なぜか彼女はロックにときどき過剰なまでの好意を向けるため、エリシア、フィル、ナギは気が気ではなく…。正統派ファンタジーの気鋭、川口士が贈る魔剣ファンタジー、新展開の第五弾。
正妻枠は既にエリシア、フィル、ナギの三人で埋まっているので、現地妻始めました……間違ってないよね?
とまあ、パーティーはこれ以上加わる余地もなく、今の四人でほぼ完成しているので、今更新キャラがレギュラーの座を射止める事はまずないのだろうけれど、ゲストキャラの現地妻化は有り得ますなあ、という展開でありました……じゃなくて!
ハーレム事情はさておいて、何気に今回ガーリャ戦を超える大きなターニングポイントだったのではないだろうか。まだガーリャ戦での活躍の際は、ようやく一線級、トップクラスのパーティーになったなあ、というくらいの感触だったのだけれど、今回伝説上の武器であった「光の槍(ブリュナーク)」をナギが手に入れ、ロックもまた同じ呪いを受けた剣士の亡霊からの教授によって魔剣を喪う瘴気の呪いを逆手に取ったパワーアップを果たしたことで、一気に魔王を倒す最終目標が現実味を帯び始めたのだ。
リャナンシーと伍する金環、魔王配下の大幹部であろう魔物をロックたちだけで倒してのけたのだ。それは、彼らのパーティーが伝説に謳われるだけの実力を備えつつあるとみて間違いないだろう。
問題は、今回武器無しで引け目を感じて縮こまっていたナギがブリューナクを手に入れ、さらにロックもパワーアップしたことで、逆にエリシアとフィルの力が一歩遅れを取り始めてしまったことか。エリシアは戦い方次第でまだ全然戦力として見落としはしていないのだけれど、フィルが術使いな分ちょっとマズいんですよねえ。フィルって一流どころではあっても、まだまだ未熟で超一流って位置には達していないからなあ。こればっかりは一足飛びに実力アップできるものでもないわけですし、何とかバランスを取っていくしかないのか。
いや、でもナギがブリューナクをちゃんと賢者エスラスから受け取ったとなると、もしかして他の三人もトゥアハー・デ・ダナンの四至宝を手に入れる展開になるのかしら。でも、ヌアザの剣たるクラウ・ソラスや運命の石リア・ファルならともかく、ダグザの大釜とか手に入れてどうするんだ?
一応、ホルプなんかはあからさまにただのインテリジェンス・ソードではなく、曰くありげな魔剣ですし、それこそ伝説の武器っぽいからクラウ・ソラスという可能性もあるんだが、どうもホルプの正体は竜じゃないか、という伏線が出てきているのを考えると、逆にクロウ・クルワッハだったりする可能性もあるのか。そうだと面白い展開なんだがな。
ともあれ、思いの外早く状況が揃いつつあるので、クライマックスは近いのかもしれない。肝心のロックのハーレムも、推進派のフィルは元よりとして、エリシアも凹むナギにロックが優しくすることで急速に距離感が親密になっていくのを見ても大してヤキモチも焼かずに、ナギならいいか、と思っちゃってるあたり既に末期である。ナギも二号さん三号さんでオッケーです、みたいな心境だから、こりゃ後はロックが諦めるか、酔って既成事実を無してしまうまでのカウントダウン状態ですね、ご愁傷様です。酔ってセクハラ大魔神になってもあの程度のスキンシップで止まってしまうロックの初心さを見るかぎり、逆に女性陣から押し倒さないとこれ以上進展なかったりする可能性もあるが。
彼らの関係の方も、旅が終わる前にはっきりと決着して欲しいものである。いい加減じれったいぞ。もうちょっとフィル頑張れ。

しかし、なんでこのシリーズ、表紙をエリシアだけにしてるんだろう。印象も薄くなるばかりだし、勿体無いなあ。カラー口絵でのコメディ漫画や挿絵見てたら、絵師さんなんぼでもいろんなデザインやってくれそうなのに。

1巻 2巻 3巻 4巻感想

千の魔剣と盾の乙女 43   

千の魔剣と盾の乙女4 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 4】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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冒頭のカラー口絵で描かれた、エリシアもドン引きのニーウ師匠のバル師匠に相手にされなさの悲惨な歴史には泣いていいものか笑っていいものか。出会ってから十年。片思いし続けてもう七年。此れに比べると、エリシアは恵まれてるよなあ。ってか、ニーウももう結構イイ歳だろうに、未だに諦めてないのか。ある意味ここまで来ると根性だよなあ。世界観的に見ても、二五歳は行き遅れと言われても仕方ないはずだし。まあ、ニーウ師匠は前線でバリバリ働く名望高い超一流の魔剣使いですから、肩身が狭いと言うことはないでしょうけれど。
それにしても、バルトゥータスに脈はこれっぽっちもなさそうなのが本当に悲惨だw

と、今回は金環の魔物が待ち構える、かつて陥落した都市ガーリャの奪還戦。数百人規模の魔剣使いが参加しての、人類側戦力の相当数をつぎ込んだほぼ戦争と言って過言ではない規模の戦いである。これまで大陸と島都市との接触による魔物たちの上陸侵攻を防ぐ形での防衛戦と違い、今度の戦いは防衛拠点がない逆侵攻戦である。そもそもの難易度が桁違いな上に、完全に待ち伏せを食らった形になっていたので、これ殺意が高い作家なら、かなりの規模で死人が出てたんじゃないかなあ。ニーウ師匠と老戦士のサイフォスなんかは完全に死亡フラグ立ってたもんなあ。特にニーウ師匠はヤバかった。作家というのは少なからず嗜虐心があるもので、これ途中まで本気でニーウ殺すか迷ったんじゃないかなあ。殺してしまうと作品の雰囲気がガラっと変わってしまうし、登場人物たちの今後の生き方にも変化や影が落ちてしまい、相当の方向転換を強いられるだろうからまずそれは出来ない選択ではあったんだろうけれど、シチュエーションが刺激的すぎたし、ヤッてしまってもいいんじゃないか、という誘惑にはだいぶかられたんじゃないだろうか。まああくまで自分の感性なので、正確なところは分からないけれど。
振るうだけで魔剣を壊してしまう呪いが自分に掛けられていた事を知ったのと、魔王を倒すという目的の、動機の弱さを指摘された事実が丁度合わさってしまい、モチベーション低下中のロック。
この主人公ってとことん普通のメンタリティの持ち主だよなあ。
こればっかりはエルシアたちも横から口だしするわけにもいかず、しかし突き放すでもなく程良い距離感で接する三人娘たちの心遣いが若いながらも丁寧で好感が持てる。馬鹿みたいにキャンキャンと自分の気持ちを主張するだけの無神経な子でも、勝手に遠慮ばかりして腰が引けてビビってるのを相手のためと言い訳するだけの卑屈な子でもない、何だかんだと自立した娘さんたちなんですよね、エルシアもナギもフィルも。
もしロックが魔剣使いを辞めることになったら、というこの時のロックの状態を鑑みるなら現実にあり得る未来に対して、それぞれがきちんと答えを持っていたのもその証拠。しかも、それはロックを甘やかすものでも、自分たちを甘やかすのでもない地に足が着いたものなんですよね。エリシアたちがあれだけキッパリと別れる選択肢を口にするとは思いませんでしたし。彼女たちはあくまで自分たちの為に魔剣使いをやっているのであって、決してロックのためじゃないんですよね。でも、だからこそ命を預けあえるし、心置きなく叱咤激励も出来る。これぐらいちゃんと自分で立っていないと、嫁にはなれんよなあ(笑
酒の勢いとはいえ、三人とも俺の嫁宣言をするロックに惚れるw まあ素面に戻るとまったく覚えてないのですが。でも、フィルの誘導もあってなんとなくいつの間にかエリシアもナギも嫁呼ばわりを受け入れてしまったようで、最近のパーティーの雰囲気、なんかアレです(w
さすがにロックもこれはなあなあで済ませなくなってきたようで、よりにもよって魔剣ホルプに目を逸らしてないでちゃんと彼女たちとの関係をはっきりさせるべきであるとお説教される始末。いいじゃんもうみんな嫁で。

戦闘シーンを見ていると、パーティーの実力が格段に上昇しているのがよくわかる。今では息もピッタリだし、既に現状では最上位クラスのパーティーになってるんだろうな、これ。ナギにもここでパワーアップフラグが立ったみたいですし、ストーリー展開の方もそろそろクライマックスかという所に差し掛かってきたようで……。
いや、今一番先の展開が気になるのは、もはや安牌なロックたちよりも、バル師匠とニーウと勇者サーシャの歪つな三角関係がどう決着するかどうかだよなあ(笑

一巻 二巻 三巻感想

千の魔剣と盾の乙女 33   

千の魔剣と盾の乙女3 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 3】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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ロックのラッキースケベっぷりが同じ川口作品の主人公の中でも他の追随を許さないくらいにすごいな、恵まれてるな。というかここまで来るとエリシアがただの汚れ役のような気がしてきた。もうそこはフィル並におおらかになって全部許してしまえばいいのに。あれだけベタボレなんだから。まあ、偉そうに煽ってるフィルはフィルで自分がラッキースケベの当事者となったら動転しまくるあたり、まだまだハーレムの要としては未熟者だな。
とは言え、一応フィルこそがこのパーティーの女性関係の管理者として機能している、というか働いているからこそ面倒くさい性格のエリシアが人間関係拗らさずになんとかやってけてるんでしょうけどね。ナギが加わったことで本来ならもっとややこしい事になってたはずですし。ロックはそっち関係まったく無能ですしねえ。
こうして鑑みると、やっぱりハーレムというのは女性陣の中で全体を管理調整する、出来る人員が居ないと、とてもじゃないけど維持なんて出来ないのがよくわかる(これを今まで読んだ中で一番見事にこなしていたのは【カンピオーネ!】のエリカである。しかも彼女の場合自分を最上位に据え置いてだから大したものなのだ)。よっぽど男がオラオラ系だか気遣いとマメさとバランス能力に長けていない限り、みんな仲良くなんて出来ないし、それができてもただの仲良しごっこになりかねない。或いはよっぽど女性陣同士が仲良くて、それこそハーレム主に対する感情と同等同質の想いが女性同士の間に巡っている状態か。少なくとも女性間にちょっとでも反目や意趣、独占欲が芽生えてたら管理者のいないグループなんてすぐに崩壊してしまうんだろうなあ。
その点、フィルはよくやってる。自分は一歩引いてエリシアを立てているあたりも機微がわかってるし。それでいて引ききってしまわず、それとなくポディションは確保してるんですよね。今回は自分の未熟さを単に発して、自分のポディションに自信を失い、ロックやエリシアへの想いを再確認する、言わばフィル担当回だったのだけれど、パーティーにおける彼女の縁の下の力持ちっぽりがより存在感を増した感があるなかなか重要な回だったんじゃないだろうか。
そろそろ、ロックの目標についても本格的に疑問を呈されてきだしましたし。それは師匠の夢の横取りなんじゃないのか、という指摘はなかなか厳しいものだったんじゃないだろうか。他人の夢に相乗りするには、ロックというキャラクターは軽くも薄くもないんですよね。彼自身、今回発覚したことだけれどかなりキツい呪いをかけられ、金環の魔物に目をつけられているわけですし。ロックは決して主体性がないキャラなんかじゃなく、かなり一本芯が通って信念も固いキャラにも関わらず、彼の夢自体は借り物という状態はどうにも矛盾に満ちてきて、妙な違和感というか座り心地の悪さを感じていたのだけれど、どうやらその辺のブレがガンガンと叩かれて一つの筋道として鍛えられてきた感があり、面白くなってきた。

にしても、大陸に対する探索って本当に沿岸部に限られてるんだなあ。殆どが日帰りって、半日程度で進める距離って、交通が整備されてない土地であることや次々に襲いくる魔物の事を考えると殆ど無いも同然だろうし。せめて大陸に拠点を確保できれば、そこから徐々に支配地域を広げることも可能なんだろうけど……いや、僅かな接触だけで海上都市を蹂躙されかけてる戦力差を考えれば、大陸に拠点をなんて絶対無理か。これで魔王を倒すとか、無理ゲーもいいところだよなあ。殆ど詰んでるぞ、この状況。
せめて敵方が知性のない魔物ばかりだったら遣り様もあるんだろうが、ちゃんと人間以上に頭を使える幹部クラスが居るとなると、難易度が高すぎるw

巻末のオマケの川口スーパー大戦はマジで面白そうだな。いつの間にか川口さんってもうそんなに作品出してたんだなー。


1巻 2巻感想

千の魔剣と盾の乙女 23   

千の魔剣と盾の乙女2 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女 2】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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育った島を出て冒険の旅へと出発したロックとエリシアたち。
最初の目的地にエリシアの生まれ故郷の島を目指す旅の途中、予想外のトラブルに見舞われたロックたちだったが偶然出会った魔斧槍使い(ハルバート)の少女に助けられるのだが、エリシアはそれが気に入らず、ロックとの仲がギクシャクする羽目に。
発売直後に増刷御礼、大人気魔剣ファンタジー、早くも待望の第二弾登場!
え;つ?あらすじにあるようなナギが原因でエリシアとギクシャクするような展開ってあったっけ。エリシアは突然に見舞われた結婚問題でそれどころじゃなかったんじゃなかったかな。というわけで、久々に帰郷したエリシアを待ち受けていたのは父親からの結婚しろという命令。エリシアとしてはもちろん承諾できる話ではなく、彼女としては実家と縁を切るのも厭わず、のつもりだったようだけれど、それは両親の居ないロックが強く引き止める。自分に家族が居ないから、家族の居るエリシアには両親をちゃんと大事にして欲しい、というロックの想いはこの青年の健やかさを示しているかのようだ。でも、心根こそ真っ直ぐで健やかで人間性は認められても、果たして結婚相手としてはどうなのか。エリシアからすれば、好きな相手なんだから何の問題も障害もないのですが(あるとすれば彼女当人のヘタレ根性か)、エリシアの父親からすれば娘を託す相手としてどうなのか、って所なんですよね。
エリシアに頼まれて、彼女と結婚を約束した相手として父親と対面する事になったロック。そこで彼は自分の所信を忌憚なく語るのですが……。いや、このシーンはちょっと笑ってしまった。シチュエーションとしては、完全に娘さんを嫁にください、と家に押しかけてきた馬の骨に、お父様お冠、という娘が家に結婚相手を連れてきました、というものなんですよね。そこで父親が対面した娘が連れてきた相手というのがまた、財産も安定した職もないくせに、夢物語みたいな目的を目をキラキラさせて語る若者、という典型的な「貴様なんぞに娘はやれん!」と叫びたくなる類の輩であったわけです。これは、エリシアの実家が都市有数の資産家であるというのを抜きにしても、普通の家のお父さんでも、「え、いや、ちょっと待って」と言いたくなる相手だよな、ロックってよくよく見ると(苦笑
それでも条件付きとはいえ、ロックにちゃんとチャンスを与えてくれたお父さんは、何気に懐の広い人なんじゃないだろうか。そして、ロックは自覚のないうちに自分で外堀を埋めていることに気づいていない、と。まあ、お父さんしっかりした人なので、ロックが自分の娘をまだちゃんと異性として見ていない事は気づいていらっしゃるようでしたが。しかし、どう間違ってもこいつと付き合ってたら娘が苦労する、と分かっていながら、試練を経てロックの人となりを見聞してのち、エリシアにじゃあ苦労してこい、とばかりに送り出せるこの人はやっぱり大物だと思う。いい両親じゃないですか、エリシア。どうして熟考と果断を合わせ持つ両親の娘が、肝心なところでロックに気持ちも伝えられずにマゴマゴしているヘタレになってしまったんでしょう(苦笑
家を飛び出し、親族筋の師匠に弟子入りして魔剣使いなんていうヤクザな業界に飛び込むような思い切りはあるのに。今回の試練についても、ロックにだけ任せてらんない、と自分も飛び込みで参加してるように、果断さについては充分あるんですよね、エリシア。ということは、彼女のヘタレさは男関係限定か(苦笑
今回のロックのライバルであり、エリシアの父親が結婚相手として連れてきたファビアスは、偏見も強く冒険を嫌うという意味では保守的だけれど、ちゃんと他人を認め、自分と違う考え方についても受け入れるだけの器量の持ち主であった事を考えると、お父さんの見る目ってのは全然間違っちゃいないんですよね。彼と結婚してたら、エリシアでなくても大概の女性は苦労しないし、普通に幸せになれたと思う。まあ、エリシア相手だとファビアスの方が苦労してたかもしれないなあ。ただ、彼女の面倒くささは付き合いに苦労してもそれを楽しいと思えるような種類の面倒くささだと思うのよ。ロックもエリシアのこと時々持て余しているようで、結構楽しそうですしね。男性に限らず、フィルなんかもそんな感じだよなあ。だからこそ、彼女と一緒に二人でロックの嫁に、なんてことを目論んでいるのかもしれないなあ。

ちょっと気になるのは、ロックの「魔王を倒す」という目的に対して、それがロックという人間に根ざしたロックの願いなのか、というところに疑問が差し込まれた所か。前巻でも師匠のため、という所に多少気になった所があったんですが、どうやらその辺の主体性が今後、ロックの道行に影を落とすことになりそう。

新登場のナギは、無事仲間として合流したものの、実のところあんまりこの巻では目立ってなかったような気が。取り敢えずは次の巻からかなあ。

1巻感想

千の魔剣と盾の乙女4   

千の魔剣と盾の乙女 (一迅社文庫)

【千の魔剣と盾の乙女】 川口士/アシオ 一迅社文庫

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魔王バロールの侵攻により、窮地に追い込まれた人類は、魔物を倒すことができる古代の魔剣、その量産型を精錬する技術を編み出し対抗した。
それから150年――剣士ロック、魔法盾を操る美少女エリシア、魔剣練成師の少女フィルの三人は、魔剣の材料を求めて魔物たちが跋扈する暗黒の大陸へと旅立つ!
川口士がおくる魔剣ファンタジーの決定版!
ほんとに川口士さんは、筋金入りのハーレム大好きですねっ!!(笑
作風はいまどきのハーレム系からすると明らかに違うし、色んな女の子相手にキャッキャウフフするような内容にもならないんだけれど、その分実直にハーレムを構築しに行っている感じ。自分で書いておきながらなんだが、実直に、ってなんだよ!?ww
少なくとも、パーティーの人間関係の要であるフィル嬢がその気満々なので、既にロックもエリシアも虎口に閉じ込められているようなもののようですが(笑

さて、今回のシリーズはというと、また凝った設定の世界観をひねり出してきましたね。ある意味、一迅社で出していた前シリーズの【星図詠のリーナ】とは対極に向かう方向性なんじゃないだろうか。外向きにいくらでも広がる余地を踏まえていた【星図詠のリーナ】と違って、非常に限定された局面に集約された世界観、というべきか。なるほどなあ、同じファンタジーにしても色々と描き方を変えてくるのは当然の話なんだけれど、こんな根っこのところから今までと違った方向に持っていくのは、色んな描き方に挑んでやろうという作者の意欲みたいなものが伝わってきて、正直ワクワクしてきますね。
主人公のロックも、これまでの主人公像とは少しズラしてきている感じがしますね。俺が俺が、という我の強さが少なく、弄れてもいない、非常に素直な人柄。人柄というよりも、これは子供らしい純真さというべきか。既にロックはガタイ的にもメンタル的にも青年期に入っているので最初読んでいた時は気付かなかったのだけれど、小さい頃から苦労しているお陰でとても世慣れているくせに、心ばえに癖や嫌味、スレた所や思考に固まった所がなく、表面的には分かりにくいんですが、根っこのところでとても素直。いい意味で子供っぽさが随所に垣間見ることのできる青年なのです。逆に、悪い意味での子供っぽさは殆ど見えない。思慮の浅さや短慮さ、理性よりも感情に走ってしまうところなどは全然無いんですよね。そうした性質は、特にメンツに拘らない、という面に強く出ていて、結構面倒くさい性格をしているヒロインのエリシアとしょっちゅう喧嘩しているにも関わらず、後に引きずらずにすぐ仲直り出来ている事からも伺える。と言っても、何も考えてないような脳筋系ではないんですよ。エリシアと喧嘩したあと、相手の理不尽に憤慨し、自分の悪かった点について頭を抱え、仲直りするまでの微妙な空気にどう接するべきかグルグルと悩み、とむしろ性格的には繊細な方なのかも。それでも、子供らしい素直さが余計な意地を張らせないものだから、人間関係を拗らせる事は少ないし、立場的にけっこう微妙な所に居る割に、対立する理由がある相手以外には交友関係が広く、多くの人に好かれているんですよね。
うん、こうして見ると、やっぱりとても良質のいい主人公だ。
こういう子だからこそ、師匠は彼を鍛えるにしても自分と同じやり方をせずに、多くの人と関わらせる形で育てる方針にしたんだろうな。その点、確かに魔剣ホルプは自分の主となったロックという青年を、ちゃんと観ていなかったのだと納得出来る。
ホルプの考え方も、全然間違ってはいないんですけどね。ズバリとダメだしをされたエリシアが凹みまくったように、魔剣の指摘は的を射た正論であるのは間違いなかった。ただ、やっぱり考え方や視点が頑なすぎるんですよね。
この知性ある剣ホルプのキャラクターは、なかなか斬新で面白い。これまでのパターンだと、この手の喋る武器は、だいたいどんな性格をしていても最終的には主人公を導く役割を得ているものだけれど、このホルプはというとかなり理性的で教導的な思考をしているわりに短気だわ視点が一方的だわ変なところに拘りが強いわ、と実際はあまり導くのとか出来てないという……(苦笑
これで人の話に耳を貸さなかったり、自分勝手だったりしたらタチが悪いだけなのだけれど、頑固者のわりに聞き分けるところはちゃんと聞き分けてくれるし、自分が間違っていると理解したらすぐに改善し、謝る事も躊躇わない。主人や周りの人間にもきちんとすべき配慮をして気配りしてくれている、と堅物だけど難物じゃないんですよね。面白いわ、この剣w
丁度、主人公のロックが素直でまっすぐな分、この剣とはよく釣り合いが取れているのかもしれない。

話はもどるけど、ロックの素直さは彼が目標とする「魔王を倒す」という所にも如実に現れている。彼が魔王を倒そうと思っているのは、彼の師匠が初恋の人を助けるために魔王を倒すことを宿願としているから、なのである。その目的は師匠の目的であってロック個人のものとは少し違うかもしれない。正確には、彼は魔王を倒したい、のではなく、魔王を倒すことによって恩ある師匠に想い人を助けさせてあげたい、言わば恩返しが目的であると言える。それは、立派な主体的な目的なんじゃないだろうか。そして、世界を救うためだのといった大それた夢ではなく、恩人に報いたいから、世話になった師匠に幸せになって欲しいから、というそれだけの為に、何百、何千の魔剣使いが倒せず骸を晒していった魔王という絶大なる存在を倒そう、と。周りの人間達が夢物語と信じようともしない目的を、本気で達成しようとしているのだから、十分大した主人公なんだと、私は思います。
夢物語だと親しい人からさえも哂われても、気にせずにこやかに笑って、でも決意も覚悟も一切揺らがないところなんぞ、カッコイイじゃないですか。
師匠もこりゃ、面映いだろうなあ(笑
 
12月3日

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